説明

抗微生物性化合物および抗微生物性化合物の製造方法および使用方法

本発明は一般に、抗微生物性化合物の分野およびそれらを製造し使用する方法に関する。これらの化合物は、ヒトおよび動物における微生物性感染症を処置、予防し、そのリスクを低減するのに有用である。本発明は一般に、抗微生物性化合物の分野およびそれらを製造し使用する方法に関する。これらの化合物は、ヒトおよび動物における微生物感染症を処置、予防し、そのリスクを低減するのに有用である。本発明は、薬学的に許容されるこれらの化合物の塩、エステル、N−オキシドおよびプロドラッグも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2009年10月16日に出願された米国仮特許出願第61/252,478号;2010年3月16日に出願された米国仮特許出願第61/314,287号;および;2010年6月24日に出願された米国仮特許出願第61/358,201号への優先権を主張する。上述の出願の内容は、それらの全体が本明細書中に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は一般に、抗微生物性化合物の分野およびそれらを製造し使用する方法に関する。これらの化合物は、ヒトおよび動物における微生物感染症を処置、予防し、そのリスクを低減するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
背景
1920年代のペニシリンおよび1940年代のストレプトマイシンの発見以来、抗生物質製剤として使用するために多くの新規化合物が発見されるかまたは具体的に設計されてきた。いったんは、そうした治療薬の使用で感染性疾患は完全に制御するまたは根絶することができると考えられた。しかし、現在有効な治療薬に対し耐性のある細胞または微生物の株が進化し続けているため、そうした見方は挑戦を受けている。臨床用途に開発されたほとんどすべての抗生物質製剤は結局耐性菌の出現という問題に遭遇することになる。例えば、メチシリン耐性ブドウ球菌(staphylococci)、ペニシリン耐性連鎖球菌(streptococci)およびバンコマイシン耐性腸球菌(enterococci)などのグラム陽性菌の耐性株が発生している。耐性菌は、感染患者に対して重大な、さらには致命的な結果を引き起こす可能性がある。例えば、非特許文献1;および非特許文献2を参照されたい。
【0004】
新規な抗菌剤の発見および開発はここ数十年間多くの製薬会社における主な焦点であった。それにも関わらず、最近では、この研究分野および薬剤開発分野から製薬会社が撤退している。この撤退の結果として、この市場に入ってくる新規な抗生物質が非常に少なくなってきている。この新規な抗生物質の不足は、病院と社会環境の両方において特に現在の治療法に対する菌耐性が増大しているときに非常に憂慮すべきことである。
【0005】
新規な抗生物質製剤を求めて、研究者は、抗生物質分子の種々の部分を組み合わせるまたは結合させて多機能型またはハイブリッド型の化合物を生み出そうとしてきた。他の研究者は公知の部類の抗生物質の誘導体を作製しようとしてきた。例えばKetek(登録商標)の商品名で市販されているテリスロマイシンはエリスロマイシンの誘導体である。しかしこれらのアプローチでは限られた成功しか得られなかった。
【0006】
新規な抗微生物性化合物を開発するアプローチは調節因子、例えば細菌リボソーム機能の阻害剤を設計することである。細菌リボソーム機能を調節または阻害することによって、そうした抗微生物性化合物は、RNA翻訳およびタンパク質合成などの重要なプロセスに干渉し、それによって抗微生物効果を提供することができる。実際、エリスロマイシン、クリンダマイシンおよびリネゾリドなどのいくつかの抗生物質化合物は、上記リボソームと結合することが知られている。
【0007】
本発明は、新規な抗微生物剤を発見し開発するために構造をベースとした薬物設計アプローチを活用する。このアプローチは、特定の化学構造、リボソーム結合特性および抗微生物活性を有する新規な部類の抗微生物性化合物を設計するために、上記リボソームの高分解能X線結晶から始める。この構造をベースとした薬物発見アプローチは以下の出版物:非特許文献3に記載されている。
【0008】
この構造をベースとした薬物設計アプローチをもとにして、本発明は、ヒトおよび動物の細菌感染症を処置するのに有用な新規な化学的部類の抗微生物性化合物について説明する。理論に拘泥するわけではないが、これらの化合物は、細菌リボソームと結合することによって該リボソーム機能を阻害すると考えられる。これらのリボソーム結合部位を活用することによって、本発明の抗微生物性化合物は、特に細菌の耐性株に対して、現在の抗生物質化合物より良好な活性を提供することができる。
【0009】
本発明は、新規な抗微生物剤を発見および開発するための、構造をベースとした薬物設計アプローチを活用する。このアプローチは、特定の化学構造、リボソーム結合特性および所望の抗微生物活性を有する新規な部類の抗微生物性化合物を設計するために上記リボソームの高分解能X線結晶から始める。この構造をベースとした薬物発見アプローチは以下の出版物:非特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Lowry, F.D. 「Antimicrobial Resistance:The Example of Staphylococcus aureus」、J. Clin. Invest.、111巻、9号、1265〜1273頁(2003年)
【非特許文献2】Gold, H.S. and Moellering, R.C., Jr.、「Antimicrobial−Drug Resistance」、N. Engl. J. Med.、335巻、1445〜53頁(1996年)
【非特許文献3】Franceschi, F.およびDuffy, E.M.、「Structure−based drug design meets the ribosome」、Biochemical Pharmacology、71巻、1016〜1025頁(2006年)
【非特許文献4】Franceschi, F.およびDuffy, E.M.、「Structure−based drug design meets the ribosome」、Biochemical Pharmacology、71巻、1016〜1025頁(2006年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、新規な抗微生物剤、特に耐性のある病原性細菌性生物に対する活性を有する抗微生物剤の提供を求める重要な進行中のニーズを満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の分野
本発明は一般に、抗微生物性化合物の分野およびそれらを製造し使用する方法に関する。これらの化合物は、ヒトおよび動物における微生物感染症を処置、予防し、そのリスクを低減するのに有用である。本発明は、薬学的に許容されるこれらの化合物の塩、エステル、N−オキシドおよびプロドラッグも提供する。
【0013】
本発明は構造
【0014】
【化1】

(式中、
【0015】
【化2】

は、
【0016】
【化3】

から選択される化学的部分であり、
Vは−CR4a−または−N−から独立に選択され、
WはO、NR、NORまたはSであるか、あるいはW=は、両方が同じ炭素原子と結合しているHO−とH−との組合せ、または両方が同じ炭素原子と結合している(C1〜8アルキル)O−とH−との組合せから選択され;
【0017】
【化4】

は単結合または二重結合を表し、ここで
【0018】
【化5】

が単結合である場合、XはO、NRおよびS(O)から選択され、YはC−Rであり、
【0019】
【化6】

が二重結合である場合、XはNであり、Yは炭素原子であり、
ZはO、NR、S(O)、NRCO、CONRまたはNRCONRからなる群から選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
4aはHおよびC1〜8アルキルから選択され、
nは0、1または2であり、
−G−H−Jはその代わりに、
【0020】
【化7】

(式中、各HおよびJは独立に選択される)
から選択され、
C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは化学的部分であり、
A、DおよびGは、
(a)単結合、(b)−(C1〜8アルキル)−、(c)−(C2〜8アルケニル)−、(d)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかの0〜4個の炭素原子は、−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは、1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);
(e)−O−、(f)−NR−、(g)−S(O)−、(h)−C(O)−、(i)−C(O)O−、(j)−OC(O)−、k)−OC(O)O−、(l)−C(O)NR−、(m)−NRCO−、(n)−NRC(O)NR−、(o)−C(=NR)−、(p)−C(=NR)O−、(q)−OC(=NR)−、(r)−C(=NR)NR−、(s)−NRC(=NR)−、(t)−C(=S)−、(u)−C(=S)NR−、(v)−NRC(=S)−、(w)−C(O)S−、(x)−SC(O)−、(y)−OC(=S)−、(z)−C(=S)O−、(aa)−NR(CNR)NR−、(bb)−CRC(O)−、(cc)−C(O)NR(CR−、(dd)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(ee)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環および
(ff)−(CR
からなる群から独立に選択され、
(dd)または(ee)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており;
B、EおよびHは、
(a)単結合、
(b)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(c)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環
(ここで、(b)または(c)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている);
(d)−(C1〜8アルキル)−、(e)−(C2〜8アルケニル)−、(f)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかの0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−C(=NR)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);
および(g)−(CR
からなる群から独立に選択され、
C、FおよびJは、
(a)水素、(c)F、(d)Cl、(e)Br、(f)I、(g)−CF、(h)−CN、(i)−N (j)−NO、(k)−NR(CR、(l)−OR、(m)−S(O)(CR、(n)−C(O)(CR、(o)−OC(O)(CR、(p)−SC(O)(CR、(q)−C(O)O(CR、(r)−NRC(O)(CR、(s)−C(O)NR(CR、(t)−C(=NR)(CR、(u)−C(=NNR)(CR、(v)−C(=NNRC(O)R)(CR、(w)−C(=NOR)(CR、(x)−NRC(O)O(CR、(y)−OC(O)NR(CR、(z)−NRC(O)NR(CR、(aa)−NRS(O)(CR、(bb)−S(O)NR(CR、(cc)−NRS(O)NR(CR、(dd)−NR、(ee)−NR(CR)R、(ff)−OH、(gg)−NR、(hh)−OCH、(ii)−S(O)、(jj)−NC(O)R、(kk)−NRC(NR)NR、(ll)C1〜8−アルキル基、(mm)C2〜8−アルケニル基、(nn)C2〜8アルキニル基、(oo)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(pp)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(qq)−(CRNR(CR、(rr)−N[(CR][C=O(CR]、(ss)−(CRN[(CR][(CR]、(tt)−(CRNR(C=O)(CR、(uu)−ハロアルキル、(vv)−C(O)(CR)[(CR]R、(ww)−(CRC(O)NR、(xx)−(CRC(O)O(CR、(yy)−NRC(O)CR、(zz)−N[(CR]C(O)R、および(aaa)−S(O)NR
からなる群から独立に選択され、
(ll)〜(pp)は1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−SR、(t)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(u)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか;あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており;
(m)〜(r)および(t)〜(u)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は(a)水素、(b)−C1〜8アルキル、(c)−ハロアルキル、(d)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(e)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか、あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており;
(b)〜(e)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−NR、(t)−OR、(u)−(CRNR、(v)−CR、(w)−SR、(x)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(y)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(z)−(CRC(O)NR、(aa)−S(O)、(bb)−NRC(O)NR、(cc)−NRC(O)Rおよび(dd)−C(=NR)NRから選択され;
(m)〜(q)および(x)〜(y)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(s)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(t)−ハロアルキル、(u)−C(O)(CR、(v)−SR、(w)−OC(O)(CR、(x)−NRC(O)NR、(y)−NRC(O)R、(z)−NR(CNR)(NR)、(aa)−ONR(CNR)NR、(bb)−C(=NR)NR、(cc)−S(O)、(dd)−(CRC(O)NR、(ee)−(CRORおよび(ff)−(CRNRから選択され;
(m)〜(s)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR10、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR10、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR10、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)Rおよび(hh)−(CRNR10から選択され;
(n)〜(r)および(z)〜(aa)は1つまたは複数のR10で必要に応じて置換されており;
10は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)Rおよび(hh)−(CRNRから選択され;
必要に応じて、−D−E−Fまたは−G−H−Jのいずれかは存在しない(例えば、基−D−E−Fまたは基−G−H−Jは水素を表す)が、−D−E−Fと−G−H−Jの両方が同時に存在しないことはなく;
pは0、1または2であり、
tは0、1、2または3である)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
【0021】
さらに本発明は上記化合物の合成方法を提供する。合成に続いて、抗微生物剤として、特に抗菌剤として使用してヒトまたは動物へ投与するために、治療有効量の上記化合物の1つ以上を薬学的に許容されるキャリアで処方することができる。特定の実施形態では、本発明の化合物は、微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを低減するか、あるいは微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを低減するための医薬を製造するのに有用である。したがって、その化合物または処方物を、例えば経口、非経口、で、または耳、眼、鼻もしくは局所経路で投与して有効量の上記化合物を上記ヒトまたは動物に提供することができる。
【0022】
以下の詳細な記載および特許請求の範囲を参照することにより、本発明の上記および他の態様および実施形態を十分に理解することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、抗微生物剤として、より具体的には抗菌剤として使用できる化合物のファミリーを提供する。
【0024】
本発明は、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩、エステル、互変異性体、N−オキシドおよびプロドラッグを含む。
【0025】
本明細書に記載する化合物は不斉中心をもつことができる。非対称的に置換された原子を含む本発明の化合物は、光学的に活性な形態かまたはラセミ型で単離することができる。光学的に活性な出発原料からのラセミ型の分割によるもしくは合成によるなどの、光学活性体の調製の方法は当該技術分野において周知である。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も本明細書に記載する化合物において存在することができ、そうした安定なすべての異性体を本発明で想定する。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体を記載するが、それらは異性体の混合物としてまたは別個の異性型(isomeric form)として単離することができる。特定の立体化学(stereochemistry)または異性型が具体的に示されていない限り、キラル型、ジアステレオマー型、ラセミ型および幾何異性型の構造は全て意図される。本発明の化合物およびそこで作製される中間物を調製するのに用いられるすべてのプロセスは本発明の一部であるものとする。表示するかまたは記載する化合物のすべての互変異性体も本発明の一部であるものとする。さらに、本発明は本明細書に記載する化合物の代謝産物も含む。
【0026】
本発明は、本発明の化合物中に出現する原子のすべての同位体を含むものとする。同位体は、原子番号は同じであるが質量数が異なる原子を含む。これらに限定されないが一般的な例として、水素の同位体には三重水素および重水素が含まれる。炭素の同位体にはC−13およびC−14が含まれる。
【0027】
化合物についての任意の構成要素または式において任意の変数(例えば、R)が2回以上出現する場合、各出現ごとのその定義は、ほかのすべての出現におけるその定義から独立である。したがって、例えばある基が1つ以上のR部分で置換されていることが示されている場合、出現ごとのRは、Rの定義から独立に選択される。また、置換基および/または変数(variable)の組合せも許容されるが、それはそうした組合せが指定された原子の正常原子価内で安定な化合物をもたらす場合だけである。
【0028】
化学結合について点線で表示される化学構造については、その結合が必要に応じて存在することを示す。例えば、実線の単結合に隣接して引かれた点線は、その結合が単結合であるかまたは二重結合であることを示す。
【0029】
置換基との結合が、環中の2つの原子を連結する結合と交差するように示されている場合、そうした置換基はその環上の任意の原子と結合することができる。置換基が、それを介してそうした置換基が所与の式の化合物の残りと結合する原子が示されることなく挙げられている場合、そうした置換基は、その置換基中の任意の原子を介して結合していてよい。置換基および/または変数の組合せも許容されるが、それはそうした組合せが安定化合物をもたらす場合だけである。
【0030】
本発明の化合物中に窒素原子がある場合、これらは必要に応じて、酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素)で処理しN−オキシドに転換させることができる。したがって、表示され主張される窒素原子は、必要に応じて、示されている窒素とそのN−オキシド(N→O)誘導体の両方を包含するものと考える。
【0031】
改善された抗増殖剤および抗感染症剤を開発するための1つのアプローチは、リボソーム機能の調節因子(例えば、阻害剤)を提供することである。
【0032】
リボソームは、原核生物と真核生物の両方の中に存在するリボヌクレオタンパク質である。リボソームは、タンパク質合成に関与する細胞器官である。遺伝子発現の間、リボソームは、メッセンジャーRNAにコードされた遺伝情報をタンパク質に翻訳する(Garrettら(2000年)「The Ribosome:Structure、Function、Antibiotics and Cellular Interactions」、American Society for Microbiology、Washington、D.C.)。
【0033】
リボソームは2つの非等価のリボヌクレオタンパク質サブユニットを含む。大きい方のサブユニット(「大リボソームサブユニット」としても公知である)は、小さい方のサブユニット(「小リボソームサブユニット」としても公知である)のサイズのおよそ2倍である。小リボソームサブユニットはメッセンジャーRNA(mRNA)と結合し、翻訳の忠実性がそれに依存するmRNAとトランスファーRNA(tRNA)アンチコドンの間の相互作用を媒介する。上記大リボソームサブユニットはペプチド結合形成、すなわちタンパク質合成のペプチジル−トランスフェラーゼ反応の触媒作用をし、それには、アミノアシル部位、ペプチジル部位および出口部位(exit site)として知られる少なくとも3つの異なるtRNA結合部位が含まれる。上記アミノアシル部位すなわちA部位は、そのアミノ酸を成長ペプチド鎖に与えることになる、入ってくるアミノアシル−tRNAを収容する。また、上記A部位のAスペースも重要である。上記ペプチジル部位すなわちP部位は、ペプチジル−tRNA複合体、すなわちtRNAと成長ペプチド鎖の一部であるそのアミノ酸との複合体を収容する。上記出口部位すなわちE部位は、そのアミノ酸を成長ポリペプチド鎖に供与した後、脱アシル化tRNAを収容する。
【0034】
1.定義
「異性体」とは、同じ分子式をもつが、その原子の結合の性質もしくは配列または空間におけるその原子の配置が異なる化合物を意味する。空間におけるその原子の配置が異なる異性体は「立体異性体」と称される。互いの鏡像でない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と称され、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「鏡像異性体」、ときには光学異性体と称される。同一でない4つの置換基と結合している炭素原子は「キラル中心」と称される。
【0035】
「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。それは反対のキラリティ(opposite chirality)からなる2つの鏡像異性型を有し、個々の鏡像異性体としてかまたは鏡像異性体の混合物として存在することができる。反対のキラリティからなる個々の鏡像異性型を等量含む混合物は「ラセミ混合物」と称される。2つ以上のキラル中心を有する化合物は2n−1個の鏡像異性の対を有する。ここでnはキラル中心の数である。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個別ジアステレオマーとしてまたはジアステレオマーの混合物として存在することができ、「ジアステレオマー混合物」と称される。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(RまたはS)によって特徴付けられる。絶対配置は、そのキラル中心と結合している置換基の空間における配置を指す。考慮するキラル中心と結合している置換基は、カーン、インゴルドおよびプレログ(Cahn、IngoldおよびPrelog)の順位則(sequence rule)にしたがってランク付けされる(Cahnら、Angew. Chem. Inter. Edit. 1966年、5巻、385;正誤表 511;Cahnら、Angew. Chem. 1966年、78巻、413;Cahn and Ingold、J. Chem. Soc. 1951年(London)、612;Cahnら、Experientia 1956年、12巻、81;Cahn、J., Chem. Educ. 1964年、41巻、116)。
【0036】
「幾何異性体」は、その存在を二重結合周りの回転障害に負っているジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、カーン−インゴルド−プレログ則にしたがってその基が分子中の二重結合の同じ側かまたは反対側に位置することを示す、接頭辞シスおよびトランスまたはZおよびEによるその名称で区別される。
【0037】
さらに、本出願で論じる構造および他の化合物は、そのすべてのアトロプ異性体を含む。「アトロプ異性体」は、2つの異性体の原子が空間中で異なって配置されている立体異性体の1つのタイプである。アトロプ異性体はその存在を、大きな基の中心結合周りの回転の障害によって引き起こされる束縛回転に負っている。そうしたアトロプ異性体は通常混合物として存在するが、最近のクロマトグラフィー技術の進歩の結果、選択されたケースで2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能になっている。
【0038】
「互変異性体」は、その構造が原子の配置において著しく異なるが、それが容易で迅速な平衡で存在する化合物を指す。本発明の化合物を、異なる互変異性体として描くことができることを理解すべきである。化合物が互変異性型をもつ場合、すべての互変異性型は本発明の範囲内にあるものとし、それらの化合物の命名には任意の互変異性型が排除されないことも理解すべきである。
【0039】
本発明のいくつかの化合物は互変異性型で存在することができ、これらも本発明の範囲に包含されるものとする。
【0040】
本発明の化合物、塩およびプロドラッグは、エノール型とイミン型、およびケト型とエナミン型を含むいくつかの互変異性型ならびに幾何異性体およびその混合物で存在することができる。そうしたすべての互変異性型は本発明の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中で互変異性のセットの混合物として存在する。固体形態では、通常1つの互変異性体が支配的である。1つの互変異性体が記載されている場合でも、本発明は、本発明の化合物のすべての互変異性体を含む。
【0041】
互変異性体は、平衡で存在し1つの異性型から別の異性型に容易に転換される2つ以上の構造異性体の1つである。この反応によって、隣接する共役二重結合のスイッチに伴って起こる水素原子の形式的な移動(formal migration)がもたらされる。互変異性化が可能な溶液では、互変異性体の化学平衡に到達することができる。上記互変異性体の正確な比は温度、溶媒およびpHを含むいくつかの因子に依存する。互変異性化によって相互交換可能である互変異性体の概念は互変異性と呼ばれる。
【0042】
可能である互変異性の種々のタイプのうち、2つのタイプが一般に観察される。ケト−エノール型互変異性においては、電子と水素原子の同時シフトが起こる。環鎖互変異性はグルコースによって示される。これは、糖鎖分子のアルデヒド基(−CHO)が同じ分子中のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応してその分子に環状(環の形をした)形態をもたらす結果として起こる。
【0043】
互変異性化は、塩基については、1.脱プロトン化、2.非局在化アニオンの生成(例えば、エノラート)、3.上記アニオンの異なる位置でのプロトン化によって、酸については、1.プロトン化、2.非局在化カチオンの生成、3.上記カチオンに隣接した異なる位置での脱プロトン化によって触媒作用を受ける。
【0044】
一般的な互変異性の対は、複素環式環(例えば、核酸塩基のグアニン、チミンおよびシトシン)におけるケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、アミド−イミド酸互変異性、アミン−エナミンおよびエナミン−エナミンである。以下の例は例示の目的で含めるものであり、本発明はこの例に限定されない:
【0045】
【化8】

「結晶多形体」、「多形体」または「結晶形」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶パッキング配置で結晶化することができ、そのすべてが同じ元素組成(elemental composition)を有する結晶構造を意味する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性および溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、貯蔵温度および他の因子によって、1つの結晶形が支配的となるようにすることができる。上記化合物の結晶多形体は、様々な条件下で結晶化することによって調製することができる。
【0046】
本明細書で用いる「置換(された)」という用語は、指定された原子、通常炭素、酸素または窒素原子上の任意の1つ以上の水素が、表示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味する。ただしその指定された原子の正常な原子価を超えてはならず、その置換は安定化合物をもたらすものとする。置換基がケト(すなわち=O)である場合、その原子上の2つの水素が置き換えられる。本明細書で用いる環二重結合は、2つの隣接する環原子間で形成される二重結合(例えば、C=C、C=N、N=N等)である。
【0047】
本明細書で用いる「アノマー炭素」という用語は、グリコシドのアセタール炭素を意味する。
【0048】
本明細書で用いる「グリコシド」という用語は環状アセタールである。
【0049】
本明細書で用いる「アルキル」は、指定された数の炭素原子を有する分枝状と直鎖状両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。例えば、C1〜6アルキルはC、C、C、C、CおよびCアルキル基を含むものとする。アルキルのいくつかの例には、これらに限定されないがメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルおよびn−オクチルが含まれる。
【0050】
本明細書で用いる「アルケニル」は、直鎖状かまたは分枝状の立体配置とその鎖に沿った任意の安定点(stable point)で出現し得る1つ以上の不飽和炭素−炭素結合からなる炭化水素鎖、例えばエテニルおよびプロペニルを含むものとする。例えば、C2〜6アルケニルは、C、C、C、CおよびCアルケニル基を含むものとする。
【0051】
本明細書で用いる「アルキニル」は、直鎖状かまたは分枝状の立体配置とその鎖に沿った任意の安定点で出現し得る1つ以上の三重炭素−炭素結合からなる炭化水素鎖、例えばエチニルおよびプロピニルを含むものとする。例えば、C2〜6アルキニルはC、C、C、CおよびCアルキニル基を含むものとする。
【0052】
さらに、「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」は、ジラジカルである部分、すなわち2つの結合点を有する部分を含むものとし、本発明におけるその例は、Dがこれらの化学基から選択される場合である。ジラジカルであるそうしたアルキル部分の非限定的な例は、−CHCH−、すなわち各末端炭素原子を介してその分子の残りと共有結合しているCアルキル基である。アルキルジラジカルは「アルキレニル」ラジカルとしても公知である。アルケニルジラジカルは「アルケニレニル」ラジカルとしても公知である。アルキニルジラジカルは「アルキニレニル」ラジカルとしても公知である。
【0053】
本明細書で用いる「シクロアルキル」は飽和環基、例えばシクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルを含むものとする。C3〜8シクロアルキルはC、C、C、C、CおよびCシクロアルキル基を含むものとする。
【0054】
本明細書で用いる「対イオン」は、反対電荷のイオンと一緒に存在する正または負に荷電した種を意味する。対イオンの非限定的な例は、有機化合物の1つまたは複数の電荷と釣り合うように存在する1つまたは複数のイオンである。対イオンの非限定的な例には、クロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテート、サルフェートおよびアンモニウムが含まれる。
【0055】
本明細書で用いる「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード置換基を指す。
【0056】
本明細書で用いる「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲンで置換された指定数の炭素原子を有する分枝状と直鎖状の両方の飽和脂肪族炭化水素基(例えば、−C(v=1〜3であり、w=1〜(2v+1)である))を含むものとする。ハロアルキルの例には、これらに限定されないが、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチルおよびペンタクロロエチルが含まれる。
【0057】
本明細書で用いる「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合している表示された数の炭素原子を有する上記で定義したようなアルキル基を指す。C1〜6アルコキシはC、C、C、C、CおよびCアルコキシ基を含むものとする。C1〜6アルコキシはC、C、C、C、C、C、CおよびCアルコキシ基を含むものとする。アルコキシの例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、s−ペントキシ、n−ヘプトキシおよびn−オクトキシが含まれる。
【0058】
本明細書で用いる「アルキルチオ」は、硫黄架橋を介して結合している表示された数の炭素原子を有する上記で定義したようなアルキル基を指す。C1〜6アルキルチオはC、C、C、C、CおよびCアルキルチオ基を含むものとする。C1〜6アルキルチオはC、C、C、C、C、C、CおよびCアルキルチオ基を含むものとする。
【0059】
本明細書で用いる「炭素環(carbocycle)」または「炭素環式環(carbocyclic ring)」は、別段の指定のない限り、安定な任意の3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12員の単環式、二環式または三環式環を意味するものとし、そのいずれも、飽和、不飽和(部分不飽和および完全不飽和を含む)または芳香族であってよい。そうした炭素環の例には、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルが含まれる。上記したように架橋環(bridged ring)は、炭素環の定義にも含まれる(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。架橋環は、1つ以上の炭素原子が2個の非隣接炭素原子と結合したとき発生する。好ましい架橋(bridge)は1個または2個の炭素原子である。架橋は常に単環を三環式環に転換させることに留意されたい。ある環が架橋されている場合、その環について挙げられている置換基はその架橋上に存在してもよい。縮合環(例えば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル)およびスピロ環も含まれる。
【0060】
本明細書で用いる「複素環」という用語は、別段の言及のない限り、飽和、不飽和(部分不飽和および完全不飽和を含む)または芳香族であり、炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1個以上の環ヘテロ原子、例えば1または1〜2または1〜3または1〜4または1〜5または1〜6個のヘテロ原子からなり、そして上記定義の複素環式環のいずれかが第2の環(例えば、ベンゼン環)と縮合または結合している任意の二環または三環基を含む安定な3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12員の単環式、二環式または三環式環を意味する。上記窒素および硫黄ヘテロ原子は必要に応じて酸化されていてよい(すなわち、N→OおよびS(O)(p=1または2である)。窒素原子が上記環の中に含まれる場合、上記環の中の二重結合と結合しているか否かに応じてそれはNかまたはNHである(すなわち、必要に応じて、水素が存在して上記窒素原子の三原子価を維持する)。上記窒素原子は置換されていても置換されていなくてもよい(すなわち、NまたはNR(RはHまたは定義されているような他の置換基である))。上記複素環式環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基と結合していてよい。得られる化合物が安定であれば、本明細書に記載する複素環式環は、炭素原子上または窒素原子上で置換されていてよい。複素環中の窒素は必要に応じて四級化されていてよい。架橋環は複素環の定義にも含まれる。架橋環は、1個以上の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が隣接していない2個の炭素原子または窒素原子と結合したとき発生する。好ましい架橋は、これらに限定されないが、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子および炭素−窒素基を含む。ある環が架橋されている場合、その環について挙げられている置換基はその架橋上にも存在してよい。スピロ環および縮合環も含まれる。
【0061】
本明細書で用いる「芳香族複素環」または「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1個以上のヘテロ原子、例えば1または1〜2または1〜3または1〜4または1〜5または1〜6個のヘテロ原子からなる安定な5、6、7、8、9、10、11もしくは12員の単環式または二環式芳香環を意味するものとする。二環式複素環式芳香環の場合、2つの環のうち1つだけしか芳香族である必要がないが(例えば、2,3−ジヒドロインドール)、両方が芳香族であってもよい(例えば、キノリン)。その第2の環は、複素環について上記で定義したように縮合していても架橋していてもよい。上記窒素原子は置換されていても置換されていなくてもよい(すなわち、NまたはNR(RはHまたは定義されているような他の置換基である))。上記窒素および硫黄ヘテロ原子は必要に応じて酸化されていてよい(すなわち、N→OおよびS(O)(p=1または2である)。特定の化合物では、上記芳香族複素環中のS原子とO原子の総数はせいぜい1個である。
【0062】
複素環の例には、これらに限定されないが、アクリジニル、アザビシクロオクタノニル、アゼチジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、ベンゾジオキソリ、ベンゾオキサジアゾリ、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、シクロヘプチル、デカヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリジニルイミン、イミダゾリニル、イミダゾリル、イミダゾロニル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、メチルベンズトリアゾリル、メチルフラニル、メチルイミダゾリル、メチルチアゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、オキサゾリル、オキシンドリル、フェナンスリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペラジノニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリジノニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロルジオニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、チオモルホリニルジオキシジル、トリアジニル、トリアゾロピリミジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが含まれる。
【0063】
本明細書で用いる「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴うことなくヒトおよび動物の組織と接触して用いるのに適しており、そして、妥当な便益/リスク比に相応した化合物、材料、組成物および/または剤形であることを指す。
【0064】
本明細書で用いる「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基の塩で改変されている本開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例には、これらに限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれる。上記薬学的に許容される塩には、例えば非毒性の無機酸または有機酸から生成した親化合物の慣用的な非毒性の塩または第四アンモニウム塩が含まれる。例えば、そうした慣用的な非毒性塩には、これらに限定されないが、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸塩(hydroiodide)、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸およびトルエンスルホン酸から選択される無機酸および有機酸から誘導されるものが含まれる。
【0065】
本発明の薬学的に許容される塩は、慣用的な化学的方法で、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、そうした塩は、遊離の酸または塩基形態のこれらの化合物を、水もしくは有機溶媒中またはこの2つの混合物中で化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができ、そうした溶媒は一般にエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストはRemington’s Pharmaceutical Sciences、18th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、USA、1445頁(1990年)に記載されている。
【0066】
プロドラッグが薬剤の多くの望ましい特性(quality)(例えば、溶解性、生物学的利用能、製造等)を増進させることは公知であるので、本発明の化合物をプロドラッグ形態で送達することができる。したがって、本発明は、本発明で特許請求する化合物のプロドラッグ、そのものの送達方法およびそのものを含む組成物を包含するものとする。「プロドラッグ」は、そうしたプロドラッグを哺乳動物被験体に投与したとき、インビボで本発明の活性親薬物を放出する任意の共有結合したキャリアを含むものとする。本発明のプロドラッグは、慣行的な操作かまたはインビボでその改変部が開裂して親化合物となるような方法で、化合物中に存在する官能基を改変することによって調製する。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基が任意の基と結合している本発明の化合物を含み、本発明のプロドラッグを哺乳動物被験体に投与したとき、それが開裂して遊離ヒドロキシル、遊離アミノまたは遊離スルフヒドリル基をそれぞれ形成する。プロドラッグの例には、これらに限定されないが、本発明の化合物中のアルコールおよびアミン官能基の酢酸、ギ酸および安息香酸誘導体が含まれる。
【0067】
本明細書で用いる「安定化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な程度の純度への単離および有効な治療薬への処方を乗り切るのに十分強固な化合物を表すことを意味する。
【0068】
本明細書で用いる「患者」という用語は、外科的または侵襲的医療処置を施されるヒトまたは動物(動物の場合、より一般的には哺乳動物)被験体を意味する。そうした患者または被験体は、外科的処置または侵襲的医療処置に起因した感染症のリスクを低減するまたはそれを防止する方法を必要とすると考えられる。そうした患者または被験体は周術期予防を必要とするとも考えられ得る。
【0069】
本明細書で用いる「処置する(treating)」という用語は、感染症を治癒または改善するための治療的介入を提供することを意味する。
【0070】
本明細書で用いる「予防する(preventing)」という用語は、例えばその患者または被験体が感染症にかかりやすいかまたは感染症にかかるリスクがある場合、感染症が起こるのを完全にまたはほとんど完全に阻止することを意味する。予防するということは、感染症を阻害する、すなわちその発症を阻むことも含み得る。
【0071】
本明細書で用いる「(の)リスクを低減する(reducing the risk of)」という用語は、例えば患者または被験体が感染症にかかりやすいかまたは感染症にかかるリスクがある場合、感染症が起こる可能性または確率を低下させることを意味する。
【0072】
本明細書で用いる「不飽和(の)」は、少なくとも1つの不飽和度(例えば、少なくとも1つの多重結合)を有する化合物を指し、それは部分的不飽和化合物および完全不飽和化合物を含む。
【0073】
本明細書で用いる「有効量」という用語は、単独かまたは組み合わせて投与したとき抗微生物剤として有効な本発明の化合物の量または化合物の組合せの量を指す。例えば有効量は生物学的活性、例えば抗感染活性、例えば抗微生物活性、抗細菌活性、抗真菌活性、抗ウイルス活性または抗寄生虫活性などを誘発するのに十分な、レシピエント患者または被験体に与えられる組成物、処方物または医療用デバイスに存在する化合物の量を指す。
【0074】
「予防有効量」という用語は、外科的処置または侵襲的医療処置に起因する感染症を予防するまたはそのリスクを低減するために投与される本発明の1つまたは複数の化合物の有効量を意味する。
【0075】
「水素結合受容体−水素結合受容体−水素結合供与体」および「水素結合受容体−水素結合受容体−水素結合受容体」という表現は、水素結合の受容体と供与体の相対的配向を表すことを意味しており、追加の原子または原子の群(group)がそうした基(group)の間に含まれることを意図しているので、そうした基が一緒に直接結合していると限定することを意味するものではないことをさらに理解されたい。
【0076】
本明細書において文脈での明らかな別の表示がない限り、単数形は複数形も含む。別段の定義のない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。不一致がある場合、本明細書が優先される。本明細書で用いる「哺乳動物」はヒトおよび非ヒト患者を指す。
【0077】
本明細書で用いる「治療有効量」という用語は、生物学的活性、例えば抗微生物活性、抗真菌活性、抗ウイルス活性、抗寄生虫活性、抗下痢活性および/または抗増殖活性を誘発するのに十分な量でレシピエント中またはレシピエント上に存在する本発明の化合物または化合物の組合せを指す。化合物の組合せは、相乗効果的な組合せであること好ましい。例えばChou and Talalay、Adv. Enzyme Regul.22巻、27〜55頁(1984年)に記載されているような相乗効果は、組み合わせて投与したときの化合物の効果が、単剤として単独に投与したときの化合物の相加効果より大きいときに生じる。一般に、相乗効果は上記化合物の最適以下の濃度で最もはっきりと実証される。相乗効果は、個々の成分と比較して、より低い細胞毒性、高い抗増殖および/または抗感染効果またはその組合せの他のいくつかの有益な効果に関するものであってよい。
【0078】
本明細書で用いる「RNAマイクロヘリックス結合部位」という用語は、式IIIのRNAマイクロヘリックスで占有される大リボソームサブユニットのリボファンクショナル位置(ribofunctional locus)を指す。RNAマイクロヘリックス結合部位は、少なくともE部位の一部を規定するかまたはE部位と重なる。
【0079】
本明細書で用いる「A部位」という用語は、ペプチド結合形成反応への参画の直前に、アミノアシル−tRNA分子によって占有されるリボファンクショナル位置を指す。
【0080】
本明細書で用いる「E部位」という用語は、上記ペプチド結合形成反応への参画に続いて、脱アシル化tRNA分子によって占有されるリボファンクショナル位置を指す。
【0081】
本明細書で用いる「P部位」という用語は、上記ペプチド結合形成反応への参画の時点でペプチジル−tRNAによって占有されるリボファンクショナル位置を指す。
【0082】
本明細書で用いる「Aスペース」という用語は、そこでアミノアシル化されたt−RNAのアミノ酸部分が結合するペプチジルトランスフェラーゼセンター中のA部位の一部、または、あるいはそこでリネゾリドのオキサゾリジノン環が結合するA部位の一部を指す。
【0083】
リボソームまたはリボソームサブユニットの関連で、本明細書で用いられる「(の)一部」または「(の)三次元構造の一部」という用語は、リボソームまたはリボソームサブユニットの少なくとも3個、より好ましくは少なくとも3〜10個、最も好ましくは少なくとも10個のアミノ酸残基および/またはヌクレオチド残基によって形成される、電荷分布および親水特性/疎水特性を含むリボソームまたはリボソームサブユニットの三次元構造の一部を意味する。そうした部分を形成する残基は、例えば、(i)例えばリボソームRNAまたはリボソームタンパク質の一次配列に基づく隣接残基、(ii)上記リボソームまたはリボソームサブユニットの三次元構造の隣接部分を形成する残基あるいは(c)その組合せであってよい。RNAマイクロヘリックスの関連で、本明細書で用いられる「(の)一部」または「(の)三次元構造の一部」という用語は、式IIIの1つ以上のコア残基の少なくとも3個、より好ましくは少なくとも3〜10個の原子によって形成される電荷分布および親水特性/疎水特性を含むRNAマイクロヘリックスの三次元構造の一部を意味することを理解されたい。そうした部分を形成する原子は、例えば(i)上記RNAマイクロヘリックスのコア中に埋められている溶媒がアクセスできない原子(ii)上記RNAマイクロヘリックスの溶媒がアクセスできる原子または(iii)その組合せであってよい。
【0084】
本明細書で使用するすべての百分率および比は、別段の表示のない限り、重量によるものである。
【0085】
組成物が特定の成分を有する、含む(including)もしくは含む(comprising)と記載されているか、またはプロセスが特定のプロセスステップを有する、含む(including)もしくは含む(comprising)と記載されている説明を通して、本発明の組成物も、挙げられている成分から本質的になるまたはそれからなり、本発明のプロセスも、挙げられているプロセシングステップから本質的になるまたはそれからなることが意図される。さらに、本発明が引き続き実施可能である限り、ステップの順番または特定の作業を実施するための順番は重要でないことを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップまたは作業を同時に実施することができる。
【0086】
2.本発明の化合物
一態様では、本発明は構造:
【0087】
【化9】

(式中、
【0088】
【化10】

は、
【0089】
【化11】

【0090】
【化12】

から選択される化学的部分であり、
Vは−CR4a−または−N−から独立に選択され、
WはO、NR、NORまたはSであるか、あるいはW=は、両方が同じ炭素原子と結合しているHO−とH−との組合せ、または両方が同じ炭素原子と結合している(C1〜8アルキル)O−とH−との組合せから選択され;
【0091】
【化13】

は単結合または二重結合を表し、ここで
【0092】
【化14】

が単結合である場合、XはO、NRおよびS(O)から選択され、YはC−Rであり、
【0093】
【化15】

が二重結合である場合、XはNであり、Yは炭素原子であり、
ZはO、NR、S(O)、NRCO、CONRまたはNRCONRからなる群から選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
4aはHおよびC1〜8アルキルから選択され、
nは0、1または2である)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0094】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0095】
【化16】

が水素結合供与体部分または追加の水素結合受容体部分をさらに含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明は
【0097】
【化17】

が少なくとも2つ水素結合受容体部分および少なくとも1つの水素結合供与体部分を含む化学的部分である化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明は、その水素結合受容体部分および水素結合供与体部分が、
水素結合受容体−水素結合受容体−水素結合供与体
の配向である化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。本明細書で用いる「の配向(in the orientation of)」という用語は、他の介在原子または原子の群が水素結合供与体または受容体部分の間に存在するはずであるので、水素結合供与体または受容体部分が必ずしも一緒に直接結合していることを意味するものではない。
【0099】
いくつかの実施形態では、本発明は、その水素結合受容体部分が互いに5Å以内にありその水素結合供与体部分が水素結合受容体部分の5Å以内にある化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明は、その水素結合受容体部分が互いに3Å以内にありその水素結合供与体部分が水素結合受容体部分の3Å以内にある化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0101】
いくつかの実施形態では、本発明は、その水素結合受容体部分が環構造内に含まれ、上記環構造が単環構造または縮合多環構造である化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0102】
いくつかの実施形態では、本発明は
【0103】
【化18】

が少なくとも3つの水素結合受容体部分を含む化学的部分である化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0104】
いくつかの実施形態では、本発明は、その水素結合受容体部分が、
水素結合受容体−水素結合受容体−水素結合受容体
の配向である化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。上記で用いる「の配向(in the orientation of)」という用語は、他の介在原子または原子の群が水素結合受容体部分間に存在するはずであるので、水素結合供与体または受容体部分が必ずしも一緒に直接結合していることを意味するものではない。
【0105】
いくつかの実施形態では、本発明は、各水素結合受容体部分が少なくとも1つの他の水素結合受容体部分の約5Å以内にある化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0106】
いくつかの実施形態では、本発明は、各水素結合受容体部分が少なくとも1つの他の水素結合受容体部分の約3Å以内にある化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0107】
いくつかの実施形態では、本発明は、水素結合受容体部分の少なくとも2つが環構造内に含まれ、上記環構造が単環構造または縮合多環構造である化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0108】
いくつかの実施形態では、本発明は、上記水素結合受容体部分が、カルボニル基、チオカルボニル基、イミン基、アルキル置換イミン基、スルホキシド基、スルホン基、オキシム基、アルキル置換オキシム基、ヒドラゾン基、モノアルキルまたはジアルキル置換ヒドラゾン基、酸素エーテル(−O−)基、チオエーテル基(−S−)としても公知のスルフィド、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、モノアルキルまたはジアルキル置換アミノ基およびニトロ基からなる群から独立に選択される化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0109】
いくつかの実施形態では、本発明は、上記水素結合供与体部分がヒドロキシ基、チオール基、アミノ基およびモノ置換アミノ基からなる群から選択される化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0110】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0111】
【化19】

が構造部分
【0112】
【化20】

(式中、WはO、NR、NORまたはSであるか、あるいはW=は、HO−とH−の両方が同じ炭素原子と結合しているHO−とH−との組合せ、または(C1〜8アルキル)O−とH−の両方が同じ炭素原子と結合している(C1〜8アルキル)O−とH−との組合せから選択され;
【0113】
【化21】

は単結合または二重結合を表し、ここで
【0114】
【化22】

が単結合である場合、XはO、NRおよびS(O)から選択され、YはC−Rであり、
【0115】
【化23】

が二重結合である場合、XはNであり、Yは炭素原子であり、
Zは、O、NR、S(O)、NRCO、CONR、またはNRCONRからなる群から選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
4aはHおよびC1〜8アルキルから選択され、
nは0、1または2である)
を含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0116】
いくつかの実施形態では、本発明は、WがO、NR、NORまたはSである化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0117】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0118】
【化24】

が構造部分
【0119】
【化25】

(式中、ZはO、NRまたはS(O)からなる群から選択され;
はHおよびC1〜6アルキルから選択され、
nは0、1および2である)
を含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0121】
【化26】

が構造部分
【0122】
【化27】

(式中、RはHおよびC1〜6アルキルから選択される)
を含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0123】
いくつかの実施形態では、本発明は、RがHである化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0124】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0125】
【化28】

がシトシンもしくはイソシトシン部分またはその誘導体を含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0126】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0127】
【化29】

が構造部分
【0128】
【化30】

(式中、
Vは−CR4a−または−N−から独立に選択され、
WはO、NR、NORまたはSであるか、あるいはW=は、HO−とH−の両方が同じ炭素原子と結合しているHO−とH−との組合せ、または(C1〜8アルキル)O−とH−の両方が同じ炭素原子と結合している(C1〜8アルキル)O−とH−との組合せから選択され;
【0129】
【化31】

は単結合または二重結合を表し、ここで
【0130】
【化32】

が単結合である場合、XはO、NRおよびS(O)から選択され、YはC−Rであり、
【0131】
【化33】

が二重結合である場合、XはNであり、Yは炭素原子であり、
ZはO、NR、S(O)、NRCO、CONR、またはNRCONRからなる群から選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
4aはHおよびC1〜8アルキルから選択され、
nは0、1または2である)
を含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0132】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0133】
【化34】

が構造部分
【0134】
【化35】

(式中、Vは−CR4a−または−N−から独立に選択され、
ZはO、NR、S(O)、NRCO、CONRまたはNRCONRからなる群から選択され、
はHまたはC1〜8アルキルから選択され、
4aはHまたはC1〜8アルキルから選択され、
nは0、1または2である)
を含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0135】
いくつかの実施形態では、本発明は、
【0136】
【化36】

が構造部分
【0137】
【化37】

【0138】
【化38】

(式中、Vは−CR4a−または−N−から独立に選択され、
はHまたはC1〜8アルキルから選択され、
4aはHまたはC1〜8アルキルから選択される)
を含む化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0139】
いくつかの実施形態では、本発明は、RがHである化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0140】
いくつかの実施形態では、本発明は、
式:
【0141】
【化39】

(式中、Vは−CR4a−または−N−から独立に選択され、
WはO、NR、NORまたはSであるか、あるいはW=は、両方が同じ炭素原子と結合しているHO−とH−との組合せ、または両方が同じ炭素原子と結合している(C1〜8アルキル)O−とH−との組合せから選択され;
【0142】
【化40】

は単結合または二重結合を表し、ここで
【0143】
【化41】

が単結合である場合、XはO、NRおよびS(O)から選択され、YはC−Rであり、
【0144】
【化42】

が二重結合である場合、XはNであり、Yは炭素原子であり、
ZはO、NR、S(O)、NRCO、CONRまたはNRCONRからなる群から選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
4aはHおよびC1〜8アルキルから選択され、
nは0、1または2であり、
−G−H−Jはその代わりに、
【0145】
【化43】

(式中、各HおよびJは独立に選択される)
から選択され、
C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは化学的部分であり、
A、DおよびGは、
(a)単結合、(b)−(C1〜8アルキル)−、(c)−(C2〜8アルケニル)−、(d)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかの0〜4個の炭素原子は、−O−、S(O)、−NR−、−(C=O)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは、1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);
(e)−O−、(f)−NR−、(g)−S(O)−、(h)−C(O)−、(i)−C(O)O−、(j)−OC(O)−、k)−OC(O)O−、(l)−C(O)NR−、(m)−NRCO−、(n)−NRC(O)NR−、(o)−C(=NR)−、(p)−C(=NR)O−、(q)−OC(=NR)−、(r)−C(=NR)NR−、(s)−NRC(=NR)−、(t)−C(=S)−、(u)−C(=S)NR−、(v)−NRC(=S)−、(w)−C(O)S−、(x)−SC(O)−、(y)−OC(=S)−、(z)−C(=S)O−、(aa)−NR(CNR)NR−、(bb)−CRC(O)−、(cc)−C(O)NR(CR−、(dd)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(ee)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環および
(ff)−(CR
からなる群から独立に選択され、
(dd)または(ee)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており;
B、EおよびHは、
(a)単結合、
(b)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(c)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環
(ここで、(b)または(c)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている);
(d)−(C1〜8アルキル)−、(e)−(C2〜8アルケニル)−、(f)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかの0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−C(=NR)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);
および(g)−(CR
からなる群から独立に選択され、
C、FおよびJは、
(a)水素、(c)F、(d)Cl、(e)Br、(f)I、(g)−CF、(h)−CN、(i)−N (j)−NO、(k)−NR(CR、(l)−OR、(m)−S(O)(CR、(n)−C(O)(CR、(o)−OC(O)(CR、(p)−SC(O)(CR、(q)−C(O)O(CR、(r)−NRC(O)(CR、(s)−C(O)NR(CR、(t)−C(=NR)(CR、(u)−C(=NNR)(CR、(v)−C(=NNRC(O)R)(CR、(w)−C(=NOR)(CR、(x)−NRC(O)O(CR、(y)−OC(O)NR(CR、(z)−NRC(O)NR(CR、(aa)−NRS(O)(CR、(bb)−S(O)NR(CR、(cc)−NRS(O)NR(CR、(dd)−NR、(ee)−NR(CR)R、(ff)−OH、(gg)−NR、(hh)−OCH、(ii)−S(O)、(jj)−NC(O)R、(kk)−NRC(NR)NR、(ll)C1〜8−アルキル基、(mm)C2〜8−アルケニル基、(nn)C2〜8アルキニル基、(oo)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(pp)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(qq)−(CRNR(CR、(rr)−N[(CR][C=O(CR]、(ss)−(CRN[(CR][(CR]、(tt)−(CRNR(C=O)(CR、(uu)−ハロアルキル、(vv)−C(O)(CR)[(CR]R、(ww)−(CRC(O)NR、(xx)−(CRC(O)O(CR、(yy)−NRC(O)CR、(zz)−N[(CR]C(O)R、および(aaa)−S(O)NR
からなる群から独立に選択され、
(ll)〜(pp)は1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−SR、(t)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(u)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか;あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており、
(m)〜(r)および(t)〜(u)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は(a)水素、(b)−C1〜8アルキル、(c)−ハロアルキル、(d)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(e)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか、あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており;
(b)〜(e)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−NR、(t)−OR、(u)−(CRNR、(v)−CR、(w)−SR、(x)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(y)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(z)−(CRC(O)NR、(aa)−S(O)、(bb)−NRC(O)NR、(cc)−NRC(O)Rおよび(dd)−C(=NR)NRから選択され;
(m)〜(q)および(x)〜(y)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(s)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(t)−ハロアルキル、(u)−C(O)(CR、(v)−SR、(w)−OC(O)(CR、(x)−NRC(O)NR、(y)−NRC(O)R、(z)−NR(CNR)(NR)、(aa)−ONR(CNR)NR、(bb)−C(=NR)NR、(cc)−S(O)、(dd)−(CRC(O)NR、(ee)−(CRORおよび(ff)−(CRNRから選択され;
(m)〜(s)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR10、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR10、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR10、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)Rおよび(hh)−(CRNR10から選択され;
(n)〜(r)および(z)〜(aa)は1つまたは複数のR10で必要に応じて置換されており;
10は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)Rおよび(hh)−(CRNRから選択され;
必要に応じて、基−D−E−Fかまたは基−G−H−Jは存在しない(例えば、基−D−E−Fまたは基−G−H−Jは水素を表す)が、−D−E−Fと−G−H−Jの両方が同時に存在しないことはなく;
pは0、1または2であり、
tは0、1、2または3である)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0146】
いくつかの実施形態では、本発明は、
Aが、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0147】
いくつかの実施形態では、本発明は、Bが(a)−(C1〜8アルキル)−、(b)−(C2〜8アルケニル)−、(c)−(C2〜8アルキニル)−および(d)単結合から選択され、
i)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかにおける0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−C(=NR)−、−S(O)NR−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で置き換えられており、
ii)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかは1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかは−(C〜Cアルキル)−R基で必要に応じて置換されている式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0148】
いくつかの実施形態では、本発明は、Cが(a)NH、(b)−NHC(=NH)NHおよび(c)水素から選択される式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0149】
いくつかの実施形態では、本発明は、
Aが、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む4〜7員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)4〜7員飽和、不飽和または芳香族炭素環ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0150】
いくつかの実施形態では、本発明は、Aが、アゼパニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ピリジル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロピリジル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルおよびピペリデニルから選択され;
すぐ上のAのいずれかが1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されているか;
あるいはAが単結合である式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0151】
いくつかの実施形態では、本発明は、Bが(a)−(C1〜8アルキル)−から選択され、
i)すぐ上の(a)の0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−S(O)NR−、および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で置き換えられており、
ii)すぐ上の(a)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており、かつ/または、
iii)すぐ上の(a)は−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されているか;
あるいはBが単結合である式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0152】
いくつかの実施形態では、本発明は、Cが(a)NHおよび(b)−NHC(=NH)NHから選択される式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0153】
いくつかの実施形態では、本発明は、
Gが、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0154】
いくつかの実施形態では、本発明は、
Gが、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む4〜7員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)4〜7員飽和、不飽和または芳香族炭素環ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0155】
いくつかの実施形態では、本発明は、Gが、アゼパニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ピリジル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロピリジル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリデニルおよび単結合から選択される式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0156】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0157】
【化44】

(式中、C−B−A−、−D−E−F、−G−H−J、V、W、X、YおよびZは上記定義通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0158】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0159】
【化45】

(式中、C−B−A−、−D−E−F、−G−H−J、V、W、X、YおよびZは式(II)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0160】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0161】
【化46】

(式中、C−B−A−、−D−E−F、−G−H−J、V、W、X、YおよびZは上記式(III)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0162】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0163】
【化47】

(式中、C−B−A−、−D−E−F、−G−H−J、V、W、X、YおよびZは上記式(IV)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0164】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0165】
【化48】

(式中、C−B−A−、−D−E−F、−G−H−J、V、W、X、YおよびZは式(V)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0166】
いくつかの実施形態では、本発明は、式Ia、IIa、IIIa、IVaまたはVa:
【0167】
【化49】

を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ(ここで、変数は式I、II、III、IVおよびVで定義する通りである)に関する。
【0168】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0169】
【化50】

(式中、C−B−A−、−D−E−F、−G−H−JおよびZは式(I)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0170】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0171】
【化51】

(式中、C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは式(II)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0172】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0173】
【化52】

(式中、C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは上記式(III)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0174】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0175】
【化53】

(式中、C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは上記式(IV)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0176】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0177】
【化54】

(式中、C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは式(V)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0178】
いくつかの実施形態では、本発明は、式(Ia)(式中、Zは−NRCONR−であり、C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは式(I)で定義する通りである)を有する式I、II、III、IVもしくはVによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0179】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0180】
【化55】

(式中、C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは式(I)で定義する通りである)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0181】
いくつかの実施形態では、本発明は、
式:
【0182】
【化56】

(式中、
Aは、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており;
Bは(a)−(C1〜8アルキル)−、(b)−(C2〜8アルケニル)−、(c)−(C2〜8アルキニル)−および(d)単結合から選択され、
i)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかの0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−C(=NR)−、−S(O)NR−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で置き換えられており、
ii)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかは1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており、かつ/または、
iii)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかは−(C〜Cアルキル)−R基で必要に応じて置換されており;
Cは(a)NH、(b)−NHC(=NH)NHおよび(c)水素から選択される)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0183】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0184】
【化57】

(式中、
Aは、アゼパニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ピリジニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロピリジル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルおよびピペリデニルから選択され;
すぐ上のAのいずれかは1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されているか;
あるいはAは単結合であり;
Bは(a)−(C1〜8アルキル)−から選択され、
i)すぐ上の(a)の0〜4個の炭素原子は、−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−S(O)NR−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(a)は1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、および/または
iii)すぐ上の(a)は−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されており、
あるいはBは単結合であり;
Cは(a)NH、(b)−NHC(=NH)NHおよび(c)水素から選択される)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0185】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0186】
【化58】

(式中、C−B−A−は、水素、
【0187】
【化59】

【0188】
【化60】

からなる群から選択される)を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0189】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0190】
【化61】

(式中、Gは、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0191】
いくつかの実施形態では、本発明はRを含む式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物であって、Rが、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NH、(k)−OR、(l)−NHC(=NH)NH、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)アルキルチオ、(t)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環ならびに(u)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか;あるいは2つのR基が一緒になって炭素環を形成している化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0192】
いくつかの実施形態では、本発明は、Rを含む式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物であって、Rが(a)水素、(b)−C1〜8アルキル、(c)−ハロアルキル、(d)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(e)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか、あるいは2つのR基が一緒になって炭素環を形成している化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0193】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0194】
【化62】

(式中、Gは、アゼパニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ピリジニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロピリジル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリデニルおよび単結合から選択される)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0195】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0196】
【化63】

(式中、−G−H−Jは、水素、
【0197】
【化64】

【0198】
【化65】

から選択される)を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0199】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0200】
【化66】

(式中、−G−H−Jは、水素、
【0201】
【化67】

【0202】
【化68】

【0203】
【化69】

【0204】
【化70】

【0205】
【化71】

から選択される)を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0206】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【0207】
【化72】

(式中、−G−H−Jは、
【0208】
【化73】

【0209】
【化74】

から選択される)を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0210】
いくつかの実施形態では、本発明はRを含む化合物であって、Rが、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NH、(k)−OR、(l)−NHC(=NH)NH、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−SR、(t)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環ならびに(u)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか;あるいは2つのR基が一緒になって炭素環を形成している化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0211】
いくつかの実施形態では、本発明は、Rを含む化合物であって、Rが(a)水素、(b)−C1〜8アルキル、(c)−ハロアルキル、(d)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(e)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか、あるいは2つのR基が一緒になって炭素環を形成している化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0212】
いくつかの実施形態では、本発明は、基−D−E−Fが水素を表す式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0213】
いくつかの実施形態では、本発明は、存在する場合WがO、NR、NORまたはSである式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0214】
いくつかの実施形態では、本発明は、存在する場合
【0215】
【化75】

が二重結合であり、XはNであり、Yは炭素原子である式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0216】
いくつかの実施形態では、本発明は、存在する場合R4aがHである式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0217】
いくつかの実施形態では、本発明は、存在する場合ZがNRである式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0218】
いくつかの実施形態では、本発明は、RがHである式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0219】
いくつかの実施形態では、本発明は、リボソームと結合する式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0220】
いくつかの実施形態では、本発明は、細菌リボソームであるリボソームと結合する式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVaもしくはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0221】
いくつかの実施形態では、本発明は、表1の化合物のいずれかによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグに関する。
【0222】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグおよび薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物に関する。
【0223】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物の病態(disease state)を処置するか、予防するか、またはそのリスクを低減するための方法であって、それを必要とするヒトまたは動物に有効量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む方法に関する。
【0224】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物の微生物感染症を処置するための方法に関する。
【0225】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物の微生物感染症を処置するための医薬の製造における、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関する。
【0226】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その微生物感染症は、皮膚感染症、グラム陽性感染症、グラム陰性感染症、院内肺炎、市中肺炎、ウイルス感染後肺炎(post−viral pneumonia)、院内感染肺炎/人工呼吸器関連肺炎、慢性気道感染症(CRTI)などの気道感染症、急性骨盤感染症、複雑性皮膚および皮膚組織感染症(complicated skin and skin structure infection)、非複雑性皮膚および軟部組織感染症(uSSTI)および複雑性皮膚および軟部組織感染症を含む皮膚軟部組織感染症(SSTI)、腹部感染症、複雑性腹内感染症、尿路感染症、菌血症、敗血症、心内膜炎、房室シャント感染症、バスキュラーアクセス感染症、髄膜炎、外科的予防、腹膜感染症、骨感染症、関節感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染症、バンコマイシン耐性腸球菌(Enterococci)感染症、リネゾリド耐性生物体感染症、炭疽菌感染症、野兎病菌感染症、ペスト菌感染症および結核からなる群から選択される。
【0227】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを耳に、眼に、鼻に投与するか、経口投与、非経口投与、局所投与もしくは静脈内投与する方法または使用に関する。
【0228】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における複雑性腹内感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、複雑性腹内感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その複雑性腹内感染症は、Escherichia coli、Clostridium clostridioforme、Eubacterium lentum、Peptostreptococcus種、Bacteroides fragilis、Bacteroides distasonis、Bacteroides ovatus、Bacteroides thetaiotaomicron、Bacteroides uniformis、Streptococcus anginosus、Streptococcus constellatus、Enterococcus faecalis、Proteus mirabilisまたはClostridium perfringensに起因する膿瘍などの複数菌感染症(polymicrobial infections)から選択される。
【0229】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における複雑性皮膚および皮膚組織感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、複雑性皮膚および皮膚組織感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その複雑性皮膚および皮膚組織感染症は、Staphylococcus aureus(メチシリン感受性および耐性分離株)、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pyogenes、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Proteus mirabilis、Bacteroides fragilis、Peptostreptococcus種、Porphyromonas asaccharolyticaまたはPrevotella biviaに起因する骨髄炎を伴わない糖尿病性足感染症から選択される。
【0230】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における市中肺炎を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、市中肺炎を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その市中肺炎は、菌血症の同時発生のケースを含むStreptococcus pneumoniae(ペニシリン感受性および耐性分離株)、Haemophilus influenzae(βラクタマーゼ陽性分離株を含む)、Moraxella catarrhalisまたはMycoplasma種のような非定型細菌に起因する。
【0231】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における複雑性尿路感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、複雑性尿路感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その複雑性尿路感染症は、Escherichia coli、同時発生の菌血症またはKlebsiella pneumoniaeに起因する腎盂腎炎から選択される。
【0232】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における急性骨盤感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、急性骨盤感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その急性骨盤感染症(例えば、分娩後子宮内膜筋層炎、感染流産および手術後の産婦人科感染症を含む)はStreptococcus agalactiae、Escherichia coli、Bacteroides fragilis、Porphyromonas asaccharolytica、Peptostreptococcus種またはPrevotella biviaに起因する。
【0233】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における院内感染肺炎/人工呼吸器関連肺炎を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、院内感染肺炎/人工呼吸器関連肺炎を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その院内感染肺炎/人工呼吸器関連肺炎は、Streptococcus pneumoniae(ペニシリン感受性および耐性分離株)、Staphylococcus aureus(メチシリン感受性および耐性分離株)、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Acinetobacter種、Stenotrophomonas maltophilia、Haemophilus influenzae(βラクタマーゼ陽性分離株を含む)またはLegionella pneumophiliaに起因する。
【0234】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における好気性および通性のグラム陽性微生物に付随する微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、好気性および通性のグラム陽性微生物に付随する微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その好気性および通性のグラム陽性微生物は、Staphylococcus aureus(メチシリン感受性および耐性分離株)、Streptococcus pneumoniae(ペニシリン感受性および耐性分離株)、Enterococcus種(バンコマイシン感受性および耐性分離株)、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pyogenesまたはStaphylococcus epidermidis(メチシリン感受性および耐性分離株)から選択される。
【0235】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における好気性および通性のグラム陰性微生物に付随する微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、好気性および通性のグラム陰性微生物に付随する微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その好気性および通性のグラム陰性微生物は、Escherichia coli(ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、Haemophilus influenzae(βラクタマーゼ陽性分離株を含む)、Klebsiella pneumoniae (ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、Citrobacter freundii、Enterobacter aerogenes、Enterobacter cloacae、Morganella morganii、Serratia marcescens、Pseudomonas aeruginosa、Acinetobacter baumanni、Moraxella catarrhalis、Proteus mirabilis、Citrobacter koseri、Haemophilus parainfluenzae、Klebsiella oxytoca(ESBLおよびKPC産生分離株を含む)、Proteus vulgaris、Providencia rettgeriまたはProvidencia stuartiiから選択される。
【0236】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトまたは動物に有効量の式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、ヒトまたは動物における嫌気性微生物に付随する微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減する方法、あるいは、嫌気性微生物に付随する微生物感染症を処置、予防するまたはそのリスクを軽減するための医薬の製造における式I、II、III、IV、V、Ia、IIa、IIIa、IVa、またはVaによる化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用に関し、
その嫌気性微生物は、Bacteroides fragilis、Bacteroides distasonis、Bacteroides ovatus、Bacteroides thetaiotaomicron、Bacteroides uniformis、Clostridium clostridioforme、Eubacterium lentum、Peptostreptococcus種、Porphyromonas asaccharolytica、Prevotella bivia、Bacteroides vulgates、Clostridium perfringensまたはFusobacterium種から選択される。
【0237】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを合成する方法に関する。
【0238】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを含む医療用デバイスに関する。
【0239】
いくつかの実施形態では、本発明は、そのデバイスがステントである、本発明の化合物を含む医療用デバイスに関する。
【0240】
3.本発明の化合物の合成
本発明は、本発明の化合物を作製するための方法を提供する。以下のスキーム1b〜5bは、本発明の化合物を合成するための概括的な例示的経路を示すものである。より具体的な化学的詳細は本実施例において提供する。
【0241】
スキーム1b−シトシン
【0242】
【化76】

スキーム2b−イソシトシン
【0243】
【化77】

スキーム3b−環中に第3のNを有するシトシン
【0244】
【化78】

スキーム4b−環中に第2の二重結合を有さないシトシン
【0245】
【化79】

スキーム5b−環中に第2の二重結合を有さないイソシトシン
【0246】
【化80】

4.本発明の化合物の特性評価
上記方法で設計し、選択しそして/または最適化した化合物が得られたら、これを、当業者に公知の様々なアッセイを用いて特性評価して、その化合物が生物学的活性を有しているかどうかを決定することができる。例えば、上記分子を、これらに限定されないが、以下に記載するアッセイを含む慣用的なアッセイで特性評価して、それらが予測した活性、結合活性および/または結合特異性を有しているかどうかを決定することができる。
【0247】
さらに、ハイスループットスクリーニング法を用いて、そうしたアッセイを用いた分析を加速させることができる。結果として、本明細書に記載する分子を、例えば抗癌剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤または抗ウイルス剤としての活性について迅速にスクリーニングすることが可能になる。また、そうした化合物がリボソームまたはリボソームサブユニットといかに相互作用するか、そして/または当該技術分野で公知の手法を用いて、タンパク質合成の調節因子(例えば、阻害剤)として効果的であるかどうかをアッセイすることができる。ハイスループットスクリーニングを行うための一般的な方法は、例えばDevlin(1998年)High Throughput Screening、Marcel Dekker;および米国特許第5,763,263号に記載されている。ハイスループットアッセイでは、これらに限定されないが、以下に記載するものを含む1つ以上の異なるアッセイ技術を用いることができる。
【0248】
(1)表面結合試験。新規な分子の結合活性について、それらをスクリーニングするのに様々な結合アッセイが有用である。1つのアプローチは、リボソーム、リボソームサブユニットまたはその断片に関して、目的とした分子の結合特性を評価するのに用いられ得る表面プラズモン共鳴(SPR)を含む。
【0249】
SPR方法は、量子力学的表面プラズモンの発生によって2つ以上の高分子間の相互作用をリアルタイムで測定する。1つのデバイス(Pharmacia Biosensor、Piscataway、N.J.からのBIAcore Biosensor RTM)は、金膜(使い捨てバイオセンサー「チップ」として提供される)と使用者が調節できるバッファー区画の間のインターフェースに多色光の集束ビームを提供する。目的の検体の共有結合的固定のためのマトリックスを提供するカルボキシル化デキストランからなる100nm厚の「ヒドロゲル」を上記金膜に結合させる。上記集束光が上記金膜の自由電子雲と相互作用するとプラズモン共鳴が増強される。得られる反射光では、上記共鳴を最適に発生させた(evolved)波長がスペクトル的に減衰している(depleted)。その反射した多色光をその成分波長に分離し(プリズムによって)、減衰した振動数を決定することによって、BIAcoreは、発生した表面プラズモン共鳴の挙動を正確に知らせる光インターフェースを確立する。上記のように設計した場合、上記プラズモン共鳴(したがって減衰スペクトル)は、エバネセント場にある質量に対して敏感である(これはおおよそヒドロゲルの厚さに対応する)。相互作用ペアの1つの成分がヒドロゲルに固定化された場合、その相互作用パートナーはバッファー区画によって提供され、エバネセント場における質量の蓄積および上記減衰スペクトルで測定されるプラズモン共鳴の対応するその効果をもとにして、2つの成分間の相互作用をリアルタイムで測定することができる。このシステムは、どちらの成分にも標識を付ける必要なく、分子の相互作用の迅速で高感度のリアルタイム測定を可能にする。
【0250】
(2)蛍光偏光。蛍光偏光(FP)は、2つの分子間の会合反応のIC50およびKdを誘導するために、タンパク質−タンパク質、タンパク質−リガンドまたはRNA−リガンド間の相互作用に容易に適用できる測定技術である。この技術では、目的の分子の1つはフルオロフォアに結合体化される。この系ではこれは一般により小さい分子である(この場合、目的とする化合物)。リガンド−プローブコンジュゲートとリボソーム、リボソームサブユニットまたはその断片の両方を含むサンプル混合物を、垂直偏光光で励起させる。光はプローブフルオロフォアによって吸収され、短時間後に再放射される。その放射光の偏光度を測定する。上記放射光の偏光はいくつかの因子に依存するが、最も重要なことには溶液の粘度および上記フルオロフォアの見掛けの分子量に依存する。適切に制御すると、上記放射光の偏光度の変化は上記フルオロフォアの見掛けの分子量の変化だけに依存し、これは次いでプローブ−リガンドコンジュゲートが溶液中で遊離しているかまたはそれが受容体と結合しているどうかに依存する。FPにもとづく結合アッセイは、真に均一な平衡条件下でのIC50およびKdの測定、分析の速度および自動化への都合良さ(amenity)ならびに濁った懸濁物や着色溶液中でスクリーニングが可能なことを含むいくつかの重要な利点を有している。
【0251】
(3)タンパク質合成。上記した生化学的アッセイによる特性評価に加えて、目的の化合物を、リボソームまたはリボソームサブユニットの機能活性の調節因子(例えば、タンパク質合成の阻害剤)として特性評価することもできることが意図される。
【0252】
さらに、より特異的なタンパク質合成阻害アッセイは、化合物を、生物体全体、組織、臓器、小器官、細胞、細胞もしくは細胞内の抽出物または精製リボソーム標品(preparation)に与え、例えばタンパク質合成を阻害するためのその阻害定数(IC50)を決定してその薬理学的特性および阻害特性を観察することによって実施することができる。Hロイシンもしくは35Sメチオニンの取り込みまたは同様の実験を行って、タンパク質合成活性を調べることができる。目的の分子の存在下での細胞中のタンパク質合成の量または速度の変化は、その分子がタンパク質合成の調節因子であることを示す。タンパク質合成の速度または量の減少は、その分子がタンパク質合成の阻害剤であることを示す。
【0253】
(4)抗微生物アッセイおよび他の評価。さらに、上記化合物を、抗増殖特性または抗感染特性について細胞レベルでアッセイすることができる。例えば、標的生物体が微生物である場合、目的の化合物の活性を、その化合物を含むかまたはそれを含まない媒体中で目的の微生物を成長させることによってアッセイすることができる。成長阻害は、その分子がタンパク質合成阻害剤として作用し得るということを示し得る。より具体的には、目的の化合物の細菌病原体に対する活性を、その化合物がヒト病原体である定義された菌株の成長を阻害する能力によって実証することができる。この目的で、細菌の菌株のパネルを、様々な標的病原性種を含む(いくつかは特性評価されている耐性機構を含む)ように構築することができる。そうした生物体のパネルを使用すると、効力およびスペクトルに関してだけでなく耐性機構を取り除くことも目指した構造−活性の関係の決定が可能になる。
【0254】
最小阻害濃度(MIC)は、The Clinical and Laboratory Standards Institute [CLSI;旧名National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)]に概要が示されているプロトコルにしたがって、一般に100マイクロリットルの最終体積で微量希釈法によって測定する。CLSI:Methods for dilution antimicrobial susceptibility tests for bacteria that grow aerobically;approved standard−fifth edition. Wayne, PA:NCCLS;2000年を参照されたい。このアッセイは、CLSIによって公開されているような慣用的な方法にしたがって、マイクロタイタートレイで実施することもできる。CLSI.Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard−Seventh Edition. CLSI Document M7−A7 [ISBN 1−56238−587−9] CLSI、940 West Valley Road、Suite 1400、Wayne Pennsylvania 19087−1898 USA、2006年)を参照されたい。
【0255】
上記化合物の抗微生物特性および他の薬物特性を、マウスもしくはラット腹膜炎感染モデル、皮膚および軟部組織モデル(しばしば大腿部モデルと称される)、またはマウス肺炎モデルなどの種々のインビボでの哺乳動物アッセイでさらに評価することができる。当業者に公知の敗血症感染モデルまたは臓器感染モデルがある。これらの効力モデルは評価プロセスの一部として用いることができ、ヒトにおける潜在的効力の指針として用いることができる。エンドポイントは細菌負荷の減少から致死性まで様々であり得る。後者のエンドポイントについては、結果をしばしばPD50値、すなわち動物の50%を死亡から護る薬物の用量として表す。
【0256】
化合物の薬物らしい特性をさらに評価するために、シトクロムP450酵素および第2相代謝酵素活性の阻害の測定を、組み換えヒト酵素系かまたはヒト肝臓ミクロソームのようなより複雑な系のいずれかを用いて行うこともできる。さらに、化合物をこれらの代謝酵素活性の基質としても評価することができる。これらの活性は、化合物が薬物−薬物相互作用を引き起こすか、または有用な抗微生物活性を保持するまたは持たない代謝産物を生成する化合物の潜在性を決定するのに有用である。
【0257】
上記化合物が経口で生物学的に利用可能である潜在力を見積もるために、溶解性およびCaco−2アッセイを実施することもできる。後者は、1ミクロンの膜を備えた24ウェルマイクロタイタープレートのウェル中でしばしば成長するCaco−2細胞単層を通しての薬物の取り込みおよび通過の測定を可能にするヒト上皮由来の細胞系である。遊離(free)薬物濃度は、上記単層の基底外側側面上で、上記腸単層を通過できる薬物の量を評価して測定することができる。単層の完全性とギャップジャンクションの堅固さを確実にするための適度の制御が必要である。この同じシステムを用いて、P−糖タンパク質媒介による流出(efflux)を見積もることができる。P−糖タンパク質は、細胞の頂端膜に局在化して、分極した単層を形成するポンプである。このポンプはCaco−2細胞膜を横断する能動的または受動的な取り込みをやめさせ、上記腸上皮層を通過する薬物をより少なくすることができる。これらの結果はしばしば溶解度の測定と一緒になされる。これらの因子がどちらも哺乳動物における経口生物学的利用能に寄与することは公知である。従来の薬物動態的実験を用いた動物、最終的にはヒトにおける経口生物学的利用能の測定によって、絶対的な経口生物学的利用能が測定される。
【0258】
実験結果は、薬物らしい特性に寄与する物理的−化学的パラメーターの予測を助けるモデルを構築するのに用いることもできる。そうしたモデルが検証された場合、モデル予測精度の信頼性が増すのにしたがって、実験方法を減らすことができる。
【0259】
5.処方物および投与
本発明の化合物は、例えば細菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、下痢、寄生虫疾患および癌を含む、様々なヒトまたは哺乳動物および非哺乳動物を含む他の動物の障害を予防または治療するのに有用であり得る。一旦特定されたら、本発明の活性分子を、使用する前に適切な任意のキャリアに混和する(incorporated)ことができるということが意図される。活性分子の用量、投与方法および適切なキャリアの使用は、対象とするレシピエントおよび標的生物体に依存することになる。獣医用の医学的用途とヒトへの医学的用途の両方のための本発明による化合物の処方物は一般に、そうした化合物を薬学的に許容されるキャリアと一緒に含む。
【0260】
キャリア(複数可)は、その処方物の他の成分と適合しており、そして上記レシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。この関連で、薬学的に許容されるキャリアには、薬学的投与に適合する任意のそして全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれるものとする。薬学的に活性な物質のためのそうした媒体および薬剤の使用は当該技術分野で公知である。慣用的な任意の媒体または薬剤が活性化合物と適合しない場合を除いて、組成物におけるその使用は意図される。補助的な活性化合物(本発明によって特定されるまたは設計され、そして/または当該技術分野で公知である)も上記組成物に混和することができる。上記処方物は、投薬単位形態で好都合に存在することができ、製薬学/微生物学の技術分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。一般に、いくつかの処方物は、その化合物を液体キャリアもしくは微粉化した固体キャリアまたはその両方と一緒にし、次いで、必要なら、その生成物を所望の処方物に成形することによって調製される。
【0261】
本発明の薬学的組成物は、対象とするその投与経路に適合するように処方するべきである。投与経路の例には、経口投与、耳投与、眼投与、鼻投与または非経口投与、例えば静脈内投与、皮内投与、吸入投与、経皮(局所)投与、経粘膜投与および直腸投与が含まれる。非経口、皮内または皮下適用で使用される液剤または懸濁剤は以下の成分:注射用水、食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの滅菌賦形剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝剤および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性を調節する薬剤を含むことができる。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調節することができる。
【0262】
経口投与または非経口投与に有用な液剤は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences、(Gennaro, A., ed.)、Mack Pub.、(1990年)に記載されているような薬学的技術分野で周知の方法のいずれかで調製することができる。非経口投与用の処方物は、頬側投与用にグリココレート、直腸投与用にメトキシサリシレート、または膣投与用にクエン酸を含むこともできる。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチックでできたアンプル、使い捨て型注射器または複数回投与用バイアルに入れることができる。直腸投与用の坐剤は、上記薬物をココアバター、他のグリセリド、または室温で固体であり体温で液体である他の組成物などの非刺激性添加剤と混合することによって調製することもできる。処方物は、例えばポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物由来の油および水素化ナフタレンを含むこともできる。直接投与用の処方物はグリセロールおよび他の高粘度組成物を含むことができる。これらの薬物のための潜在的に有用な他の非経口キャリアには、エチレン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み型注入システムおよびリポソームが含まれる。吸入投与用の処方物は、添加剤として例えばラクトースを含むことができ、またそれは、例えばポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココレートおよびデオキシコレートを含む水性液剤または点鼻剤の形態で投与するための油性液剤、あるいは鼻腔内に適用するためのゲルとしてであってよい。直腸送達用に停留型浣腸剤も使用することができる。
【0263】
経口投与に適した本発明の処方物はそれぞれ所定量の薬物を含むカプセル剤、ゼラチンカプセル剤、サシェ剤、錠剤、トローチ剤またはロゼンジ剤などの別個の単位;粉末または顆粒組成物;液剤または水性液体もしくは非水性液体中の懸濁剤;あるいは水中油型乳液または油中水型乳液の形態であってよい。上記薬物は、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤の形態で投与することもできる。錠剤は、必要に応じて1つ以上の副成分(accessory ingredient)と一緒に薬物を圧縮または成形することによって作製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械中で、必要に応じて結合剤、滑沢剤、不活性賦形剤、表面活性剤または分散剤と混合した粉末または顆粒などの自由流動形態の薬物を圧縮して調製することができる。成形錠剤は、適切な機械中で、不活性液体賦形剤で湿潤させた粉末薬物と適切なキャリアの混合物を成形することによって作製することができる。
【0264】
経口組成物は一般に不活性賦形剤または食用キャリアを含む。経口治療投与のために、上記活性化合物を添加剤と混和することができる。うがい薬として使用するために流体キャリアを用いて調製された経口組成物は流体キャリア中に上記化合物を含み、それは経口で適用され、それをシューと音をたて(swished)、吐き出すかまたは飲み込む。薬学的に適合する結合剤および/または補助薬物質を上記組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または類似した性質の化合物、すなわち:微結晶性セルロース、トラガカントゴムもしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンもしくはラクトースなどの添加剤;アルギン酸、Primogelもしくはトウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムもしくはステローツ(Sterotes)などの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、メチルサリシレートもしくはオレンジフレーバー(orange flavoring)などの香味剤のいずれかを含むことができる。
【0265】
注入使用に適した薬学的組成物には、滅菌水性液剤(水溶性の場合)または分散剤(dispersion)および滅菌注射用液剤または分散剤の即時調製のための滅菌散剤が含まれる。静脈内投与用に適したキャリアには、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。これは製造および貯蔵条件下で安定でなければならず、かつ、細菌や真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されたものでなければならない。上記キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)ならびにその適切な混合物を含む溶媒または分散媒体であってよい。例えばレシチンなどのコーティングの使用により、分散剤の場合の所要粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、適当な流動性を保持することができる。多くの場合、上記組成物中に等張剤、例えば糖類、マンニトール(manitol)、ソルビトールなどのポリアルコールまたは塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを上記組成物中に含めることによってもたらすことができる。
【0266】
滅菌注射用液剤は、適切な溶媒中で、所要量の活性化合物を、必要に応じて、上記に挙げた成分の1つまたはその組合せと混和し、次いでろ過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散剤は、上記活性化合物を、ベース分散媒体および上記に挙げたものからの他の所要成分を含む滅菌媒体中に混和することによって調製される。滅菌注射用液剤調製用の滅菌散剤の場合、調製方法には、活性成分に予め滅菌ろ過したその溶液からの任意の追加の所望成分を加えた粉末が得られる真空乾燥および凍結乾燥法が含まれる。
【0267】
関節内投与に適した処方物は微結晶形態、例えば水性微結晶懸濁物の形態であり得る薬物の滅菌水性製剤の形態であってよい。リポソーム処方物または生分解性ポリマー系を、関節内投与と眼投与の両方のための薬物を提供するのに使用することもできる。
【0268】
眼の処置を含む局所投与に適した処方物には、リニメント剤、ローション剤、ゲル剤、塗布剤(applicant)などの液体もしくは半液体製剤、クリーム剤、軟膏剤もしくはペースト剤などの水中油型もしくは油中水型乳剤;または滴下剤(drop)などの液剤もしくは懸濁剤が含まれる。皮膚表面への局所投与用の処方物は、上記薬物をローション、クリーム、軟膏またはせっけんなどの皮膚科学的に許容されるキャリアで分散させることによって調製することができる。施用を局所化しそれが取り除かれないようにするために、皮膚の上にわたって膜または層を形成できるキャリアが特に有用である。内部組織表面への局所投与のために、上記薬剤を液体の組織接着剤、または組織表面への吸着を向上させることが公知である他の物質中に分散させることができる。例えばヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノゲン/トロンビン溶液を有利に使用することができる。あるいは、ペクチン含有処方物などの組織コーティング液剤を使用することができる。
【0269】
吸入処置のためには、スプレー缶、噴霧吸入器または噴霧器で投与される粉末の吸入剤(自己推進型(self−propelling)または噴霧型処方物)を用いることができる。そうした処方物は粉末吸入デバイスからの肺投与用の微粉剤または自己推進型粉末投与処方物の形態であってよい。自己推進型液剤または噴霧処方物の場合、その効果は、所望の噴霧特性(すなわち、所望の粒径を有する噴霧をもたらすことができる)を有する弁を選択するか、または活性成分を制御された粒径の懸濁粉末として混和することによって達成することができる。吸入による投与のため、上記化合物を適切な噴射剤、例えば二酸化炭素などのガスを含む加圧した容器またはディスペンサーあるいは噴霧吸入器からのエアゾール噴霧の形態で送達することもできる。
【0270】
全身投与は経粘膜的または経皮的な手段によってもよい。経粘膜投与または経皮投与のために、浸透させるバリアに適した浸透剤を処方物において使用する。そうした浸透剤は一般に当該技術分野で公知であり、例えば経粘膜投与用には洗剤および胆汁塩が含まれる。経粘膜投与は、鼻噴霧剤(nasal spray)または坐剤を用いて実施することができる。経皮投与用には、上記活性化合物を通常、当該技術分野で一般に公知のようにして軟膏剤(ointment)、軟膏剤(salve)、ゲル剤またはクリーム剤に処方する。
【0271】
上記活性化合物は、埋没物(implant)およびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出処方物などの身体からの急速な排除に対して上記化合物を保護するキャリアで調製することができる。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。そうした処方物の調製方法は当業者に明らかである。リポソーム懸濁剤も薬学的に許容されるキャリアとして使用することができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載されているような当業者に公知の方法によって調製することができる。
【0272】
経口または非経口組成物は、投与を容易にし投薬量を均一にするための投薬単位形態で処方することができる。投薬単位形態は、処置を受ける被験体のための単一の投薬量として適している物理的に分離した単位を指し;各単位は、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を所要の薬学的キャリアと一緒に含む。本発明の投薬単位形態のための仕様は、上記活性化合物の独特の特徴および達成される具体的な治療効果、ならびに個体の処置のためのそうした活性化合物の調合技術に固有の限界によって規定され、それに直接依存する。さらに、投与は、ボーラス剤の定期的注射によってもよく、または外部リザーバー(例えば、静脈内バッグ(intravenous bag))からの静脈内、筋肉内または腹腔内投与によってより連続的にすることもできる。
【0273】
組織表面に付着することが望ましい場合、上記組成物は、フィブリノゲン−トロンビン組成物または他の生体接着材料中に分散された薬物を含むことができる。次いで上記化合物を所望の組織表面に塗る(paint)、噴霧するあるいは塗布することができる。あるいは上記薬物を、例えば治療有効量、例えば所望の効果を誘導するのに十分な時間、標的組織に適切な濃度の上記薬物を提供する量で、ヒトまたは他の哺乳動物に耳投与、眼投与、鼻投与、非経口投与、もしくは経口投与するために処方することができる。
【0274】
上記活性化合物を移植手順の一部として用いようとする場合、ドナーから組織または臓器を取り出す前に、それを、移植しようとする生体組織または臓器に提供することができる。上記化合物を上記ドナー宿主に提供することができる。あるいは、さらに、上記ドナーから取り出されたらその臓器または生体組織を、上記活性化合物を含む保存溶液中に置くことができる。すべての場合、上記活性化合物を、組織への注射によるようにして所望組織に直接投与するか、または本明細書に記載するおよび/または当該技術分野で公知の方法および処方物のいずれかを用いて、例えば耳投与、眼投与、鼻投与、経口投与、もしくは非経口投与することによって全身的に提供することができる。その薬物が組織または臓器保存溶液の一部を含む場合、市販の任意の保存溶液を有利に使用することができる。例えば、当該技術分野で公知の有用な溶液には、コリンズ(Collins)溶液、ウィスコンシン(Wisconsin)溶液、ベルツァー(Belzer)溶液、ユーロコリンズ(Eurocollins)溶液および乳酸リンガー溶液が含まれる。
【0275】
本発明の化合物は、組織と接触して配置された医療用デバイスに上記化合物を施すことによって、組織部位に直接投与することができる。医療用デバイスの一例は、1つ以上の本発明の化合物を含むかまたはそれをコーティングされたステントである。
【0276】
例えば、活性化合物を、血管損傷部位のステントに施すことができる。ステントは薬学技術分野で周知の方法のいずれかによって作製することができる。例えばFattori, R. and Piva, T.、「Drug Eluting Stents in Vascular Intervention」、Lancet、2003年、361巻、247〜249頁;Morice, M. C.、「A New Era in the Treatment of Coronary Disease?」 European Heart Journal、2003年、24巻、209〜211頁;およびToutouzas, K.ら、「Sirolimus−Eluting Stents:A Review of Experimental and Clinical Findings」、Z. Kardiol.、2002年、91巻(3号)、49〜57頁を参照されたい。ステントは、ステンレス鋼もしくは他の生体適合性金属から加工するか、または生体適合性ポリマーで作製することができる。上記活性化合物は上記ステント表面と結合していてよく、また上記ステント上にコーティングされたポリマー材料中に埋め込まれていてそれから放出されてよく、あるいは上記ステントをコーティングするまたはスパンする(span)キャリアに囲まれていてそれから放出されてもよい。上記ステントを、単一または複数の活性化合物を上記ステントと隣接する組織に投与するのに用いることができる。
【0277】
本明細書に記載する方法で特定されるかまたは設計されるような活性化合物を、障害を処置する(予防的または治療的に)ために個体に投与することができる。そうした処置と併せて、薬理ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と、外来の(foreign)化合物または薬物への個体の応答との間の関係の研究)を考慮することができる。治療薬の代謝の差は、薬理学的に活性な薬物の用量と血中濃度の関係を変えることによって、強い毒性または治療不全をもたらす恐れがある。したがって、医師または臨床医は、関連する薬理ゲノム学研究で得られた知見を、薬物を投与するかどうかを決定し、ならびにその薬物での処置の投薬量および/または治療レジメンを調節するのに適用することを考慮することができる。
【0278】
哺乳動物の細菌感染症を処置するまたはそれと闘うための治療上の使用において、上記化合物またはその薬学的組成物を、抗微生物的に効果的な処置を施される動物において活性成分の濃度、すなわち量または血中レベルもしくは組織レベルを得てそれを維持するような投薬量で耳に、眼に、鼻に、経口で、非経口で、および/または局所に投与する。一般に、活性成分の有効投薬量は約0.1〜約100、より好ましくは約1.0〜約50mg/kg体重/日の範囲である。投与される量は、処置を受ける疾患または適応症の種類および程度、具体的な患者の全体的健康状態、送達される化合物の相対的な生物学的効力、上記薬物の処方物、その処方物中の添加剤の存在およびその種類ならびに投与経路などの変数に依存する可能性もある。また、所望の血中レベルまたは組織レベルを迅速に達成するために、投与する初期投薬量を、上位レベル(upper level)を超えて増加させるかあるいは、初期投薬量をその最適レベルより少なくすることができ、そして1日投薬量を具体的な状況に応じて処置の過程で漸進的に増加させることができることを理解されたい。望むなら、日用量を投与のために複数回用量、例えば日に2〜4回に分割することもできる。
【0279】
ヒトおよび他の哺乳動物における様々な病態または状態は、ナンセンスまたはミスセンス変異によって引き起こされるかまたはそれによって媒介されことが分かっている。これらの変異は、例えばタンパク質合成、折り畳み、輸送および/または機能に悪影響を与えることによって上記病態または状態を引き起こすまたはそれを媒介する。その疾患または状態のうちの相当な割合がナンセンスまたはミスセンス変異に起因すると考えられる病態または状態の例には、血友病(第VIII因子遺伝子)、神経線維腫症(NF1およびNF2遺伝子)、網膜色素変性(ヒトUSH2A遺伝子)、そう痒性表皮水疱症(Epidermolysis bullosa pruriginosa)のような水疱性皮膚疾患(COL7A1遺伝子)、嚢胞性線維症(嚢胞性線維症膜貫通調節遺伝子)、乳癌および卵巣癌(BRCA1およびBRCA2遺伝子)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(ジストロフィン遺伝子)、結腸癌(主にMLH1およびMSH2中のミスマッチ修復遺伝子)およびニーマンーピック病(酸性スフィンゴミエリナーゼ遺伝子)などのリソソーム貯蔵障害が含まれる。Sanders CR、Myers JK. Disease−related misassembly of membrane proteins. Annu Rev Biophys Biomol Struct. 2004年;33巻:25〜51頁;National Center for Biotechnology Information(U.S.)Genes and disease Bethesda、MD :NCBI、NLM ID:101138560;およびRasko、Istvan;Downes、C S Genes in medicine :molecular biology and human genetic disorders 1st ed. London ;New York :Chapman & Hall、1995年. NLM ID:9502404を参照されたい。本発明の化合物は、上記病態に関与するナンセンスまたはミスセンス変異を抑えるように、それを必要とする哺乳動物に本発明の有効量を投与することによって、そうしたナンセンスまたはミスセンス変異によって引き起こされるかまたは媒介される哺乳動物の病態を処置または予防するのに使用することができる。
6.実施例
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker Avance300もしくはAvance500分光計により得るか、場合によって、GE−Nicolet300分光計で得た。一般的な反応溶媒は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードまたはAmerican Chemical Society(ACS)グレード、および別段の言及のない限り、製造業者から得た無水物であった。「クロマトグラフィー」または「シリカゲルで精製(した)」ということは別段の言及のない限り、シリカゲル(EM Merck、シリカゲル60、230〜400メッシュ)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーを指す。
【0280】
本発明の化合物は、そのときの具体的な状況に適合させた公知の化学的変換を用いて調製することができる。
【0281】
本実施例の合成の以下の実験的詳細で用いる略語のいくつかは以下の通り定義される:hまたはhr=時間;min=分(間);mol=モル;mmol=ミリモル;M=モル濃度;μM=マイクロモル濃度;g=グラム;μg=マイクログラム;rt=室温;L=リットル;mL=ミリリットル;EtO=ジエチルエーテル;THF=テトラヒドロフラン;DMSO=ジメチルスルホキシド;EtOAc=酢酸エチル;EtN=トリエチルアミン;i−PrNEtまたはDIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;CHCl=塩化メチレン;CHCl=クロロホルム;CDCl=重水素化クロロホルム;CCl=四塩化炭素;MeOH=メタノール;CDOD=重水素化メタノール;EtOH=エタノール;DMF=ジメチルホルムアミド;BOC=t−ブトキシカルボニル;CBZ=ベンジルオキシカルボニル;TBS=t−ブチルジメチルシリル;TBSCl=t−ブチルジメチルシリルクロリド;TFA=トリフルオロ酢酸;DBU=ジアザビシクロウンデセン;TBDPSCl=t−ブチルジフェニルクロロシラン;ヒューニッヒ塩基=N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;CuI=ヨウ化銅(I);MsCl=メタンスルホニルクロリド;NaN=アジ化ナトリウム;NaSO=硫酸ナトリウム;NaHCO=重炭酸ナトリウム;NaOH=水酸化ナトリウム;MgSO=硫酸マグネシウム;KCO=炭酸カリウム;KOH=水酸化カリウム;NHOH=水酸化アンモニウム;NHCl=塩化アンモニウム;SiO=シリカ;Pd−C=パラジウム炭素;Pd(dppf)Cl=ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)。
【0282】
本発明にしたがって合成された例示化合物を表1に挙げる。太線または破線の結合はキラル中心での特定の立体化学を表すことを示しており、波線の結合はその置換基がどちらの配向であってもよいか、または化合物がその混合物であることを表す。スペースを確保する関係で、いくつかの化合物の化学構造において、その2つの連結点が、それぞれ波線が交差した結合で示された2つの部分に分割されていることも理解されたい。例えば化合物755を参照されたい。化合物1345は、以下:
【0283】
【化81】

のように2つの部分で描かれているが、これは完全な化学構造:
【0284】
【化82】

に相当するものである。
【0285】
本発明の化合物は、塩、エステルおよびプロドラッグとして調製、処方および送達することができる。便宜上、これらの化合物は通常特定の塩、エステルまたはプロドラッグ形態で表すことなく示される。本発明の化合物を表1に示す。得られる場合、LCMS(液体クロマトグラフィーマススペクトル)データを示している。データが得られない場合これは「NA」で表示されている。そのLCMSデータは、別の表示がなされている場合を除いて、m/zについての慣例的な書式を用いて[M+H]で提供される。
【0286】
表1
【0287】
【表1−01】

【0288】
【表1−02】

【0289】
【表1−03】

【0290】
【表1−04】

【0291】
【表1−05】

【0292】
【表1−06】

【0293】
【表1−07】

【0294】
【表1−08】

【0295】
【表1−09】

【0296】
【表1−10】

【0297】
【表1−11】

【0298】
【表1−12】

【0299】
【表1−13】

【0300】
【表1−14】

【0301】
【表1−15】

【0302】
【表1−16】

【0303】
【表1−17】

【0304】
【表1−18】

【0305】
【表1−19】

【0306】
【表1−20】

【0307】
【表1−21】

【0308】
【表1−22】

【0309】
【表1−23】

【0310】
【表1−24】

【0311】
【表1−25】

【0312】
【表1−26】

【0313】
【表1−27】

【0314】
【表1−28】

【0315】
【表1−29】

【0316】
【表1−30】

【0317】
【表1−31】

【0318】
【表1−32】

【0319】
【表1−33】

【0320】
【表1−34】

【0321】
【表1−35】

【0322】
【表1−36】

【0323】
【表1−37】

【0324】
【表1−38】

【0325】
【表1−39】

【0326】
【表1−40】

【0327】
【表1−41】

【0328】
【表1−42】

【0329】
【表1−43】

【0330】
【表1−44】

【0331】
【表1−45】

【0332】
【表1−46】

【0333】
【表1−47】

【0334】
【表1−48】

【0335】
【表1−49】

【0336】
【表1−50】

【0337】
【表1−51】

【0338】
【表1−52】

【0339】
【表1−53】

【0340】
【表1−54】

【0341】
【表1−55】

【0342】
【表1−56】

【0343】
【表1−57】

【0344】
【表1−58】

【0345】
【表1−59】

【0346】
【表1−60】

【0347】
【表1−61】

【0348】
【表1−62】

【0349】
【表1−63】

【0350】
【表1−64】

【0351】
【表1−65】

【0352】
【表1−66】

【0353】
【表1−67】

【0354】
【表1−68】

【0355】
【表1−69】

【0356】
【表1−70】

【0357】
【表1−71】

【0358】
【表1−72】

【0359】
【表1−73】

【0360】
【表1−74】

【0361】
【表1−75】

【0362】
【表1−76】

【0363】
【表1−77】

【0364】
【表1−78】

【0365】
【表1−79】

【0366】
【表1−80】

【0367】
【表1−81】

【0368】
【表1−82】

【0369】
【表1−83】

【0370】
【表1−84】

【0371】
【表1−85】

【0372】
【表1−86】

【0373】
【表1−87】

【0374】
【表1−88】

【0375】
【表1−89】

【0376】
【表1−90】

【0377】
【表1−91】

【0378】
【表1−92】

【0379】
【表1−93】

【0380】
【表1−94】

さらなる実施形態では本発明の化合物は構造:
【0381】
【化83】

を有する化合物は包含しない。
【0382】
本発明の化合物は、当業者に周知の合成化学手法を用いて作製することができる。
【0383】
(実施例1)
イソシトシンの合成
【0384】
【化84】

[4−(2−アミノ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−イル)−ベンジル]−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
EtOH(12mL)中のアクリレート(1.43g、3.00mmol)の溶液に、炭酸グアニジン(278mg、3.30mmol)およびメタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(0.5M、6.6mL、3.3mmol)をそれぞれ加えた。混合物を90℃に加熱し、終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、生成した固体をろ別し、ろ液を濃縮した。粗生成物を、MeOH:CHCl中に0〜20%2N NHの勾配溶媒系を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して所望生成物を白色固体(1.95mmol、65%)として得た。[M+23]=496.2。
【0385】
【化85】

{3−[tert−ブトキシカルボニル−4−{4−オキソ−2−[3−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−イル}−ベンジル)−アミノ(amiono)]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
ジメチルホルムアミド(10mL)中のイソシトシン誘導体(0.913g、1.93mmol)の溶液に、2−(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート(0.30mL、2.2mmol)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。粗生成物を、MeOH:CHCl中に0〜20%2N NHの勾配溶媒系を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して所望生成物を白色固体(1.60mmol、83%)として単離した。[M+1]=577.1。
【0386】
【化86】

1−(5−{4−[(3−アミノ−プロピルアミノ)−メチル]−フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル)−3−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−尿素:
尿素誘導体(1.07g、1.58mmol)をジクロロメタン(50mL)に懸濁し、これにトリフルオロ酢酸(20mL)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。揮発分を蒸発させ、単離した生成物は透明油状物(1.32g×TFA塩)であった。[M+1]=477.1。
【0387】
【化87】

グアニジン誘導体:
ジメチルホルムアミド(10mL)中の遊離アミン(1)(0.661g、0.811mmol)の溶液にトリエチルアミン(0.901mL、6.45mmol)およびN,N’−ビス(ベンジルオキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(2)をそれぞれ加え、反応物を室温で終夜撹拌した。この混合物に、ジ−tert−ブチルジカルボニレート(0.201g、0.921mmol)、水(5mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、飽和ブライン(2×50mL)で洗浄し、有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し濃縮した。粗生成物を、MeOH:CHCl中に0〜7%2N NHの勾配溶媒系を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して所望生成物(3)を透明油状物(0.35mmol、43%)として単離した。[M+1]=719.3。
【0388】
【化88】

最終類似体:
グアニジン類似体(3)(0.291g、0.351mmol)をCHCl(10mL)で希釈し、これにトリフルオロ酢酸(3mL)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。揮発分を蒸発させ、粗生成物を水(10mL)および1.0N HCl(5mL)に溶解し、次いで濃縮した。残留物を水(10mL)に再溶解し、ろ過し、凍結させ、凍結乾燥して所望生成物をHCl塩(4)(0.184g)として単離した。[M+1]=519.1;H NMR(DO): δ7.80−7.77(m,2H),7.60(s,1H),7.40−7.13(m,4H),7.09(m,2H),6.94(s,1H),4.08(s,2H),3.18−3.14(m,2H),3.03−3.01(m,2H),1.92−1.82(m,2H)。
【0389】
(実施例2)
抗微生物活性
本発明の化合物を抗微生物活性について試験した。これらのデータを表2に示す。化合物をEschericia coli株ATCC25922に対して標準的な微量希釈アッセイを実施して最小阻害濃度(MIC)を決定した。データで示すが、ここで「+」は化合物が16μg/ml以下のMIC値を有することを表しており、「−」は化合物が16μg/mlより大きいMIC値を有することを表している。「N/A」はデータが得られなかったことを意味する。当業者は、化合物を他の細菌性生物体に対して評価することができ、Eschericia coliに対する活性についてのデータの提示は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されよう。本発明の化合物は、集めようとする性能活性に応じて一連の他の微生物に対してアッセイすることができる。さらに、「+」、「−」および「N/A」という表示および16μg/mlというカットオフ値の選択も例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、「−」は、化合物が必ずしも活性または有用性に欠けていることを示すことを意味するものではなく、表示された微生物に対するそのMIC値が16μg/mlより大きいことを意味するものである。
【0390】
表2.
【0391】
【表2−01】

【0392】
【表2−02】

【0393】
【表2−03】

【0394】
【表2−04】

【0395】
【表2−05】

【0396】
【表2−06】

【0397】
【表2−07】

【0398】
【表2−08】

【0399】
【表2−09】

【0400】
【表2−10】

【0401】
【表2−11】

(参照による組み込み)
本明細書で参照する特許文献および科学論文のそれぞれの開示全体をすべての目的のため参照により組み込む。
【0402】
(均等物)
その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、本発明を他の特定の形態で実施することができる。したがって上記実施形態は、あらゆる点で、本明細書に記載する本発明を限定するものではなく、例示であると考えるものとする。したがって、本発明の範囲は上記記載によってではなく添付の特許請求の範囲によって示され、本特許請求の範囲の均等性の意味および範囲に含まれるすべての変更は本発明の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化89】

(式中、ZはO、NR、S(O)、NRCO、CONRまたはNRCONRからなる群から選択され、
−G−H−Jはその代わりに、
【化90】

(式中、各HおよびJは独立に選択される)
から選択され、
C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは化学的部分であり、
A、DおよびGは、
(a)単結合、(b)−(C1〜8アルキル)−、(c)−(C2〜8アルケニル)−、(d)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかの0〜4個の炭素原子は、−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは、1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);
(e)−O−、(f)−NR−、(g)−S(O)−、(h)−C(O)−、(i)−C(O)O−、(j)−OC(O)−、k)−OC(O)O−、(l)−C(O)NR−、(m)−NRCO−、(n)−NRC(O)NR−、(o)−C(=NR)−、(p)−C(=NR)O−、(q)−OC(=NR)−、(r)−C(=NR)NR−、(s)−NRC(=NR)−、(t)−C(=S)−、(u)−C(=S)NR−、(v)−NRC(=S)−、(w)−C(O)S−、(x)−SC(O)−、(y)−OC(=S)−、(z)−C(=S)O−、(aa)−NR(CNR)NR−、(bb)−CRC(O)−、(cc)−C(O)NR(CR−、(dd)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(ee)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、ならびに
(ff)−(CR
からなる群から独立に選択され、
(dd)または(ee)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており;
B、EおよびHは、
(a)単結合、
(b)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(c)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環
(ここで、(b)または(c)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている);
(d)−(C1〜8アルキル)−、(e)−(C2〜8アルケニル)−、(f)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかの0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−C(=NR)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);ならびに
(g)−(CR
からなる群から独立に選択され、
C、FおよびJは、
(a)水素、(c)F、(d)Cl、(e)Br、(f)I、(g)−CF、(h)−CN、(i)−N (j)−NO、(k)−NR(CR、(l)−OR、(m)−S(O)(CR、(n)−C(O)(CR、(o)−OC(O)(CR、(p)−SC(O)(CR、(q)−C(O)O(CR、(r)−NRC(O)(CR、(s)−C(O)NR(CR、(t)−C(=NR)(CR、(u)−C(=NNR)(CR、(v)−C(=NNRC(O)R)(CR、(w)−C(=NOR)(CR、(x)−NRC(O)O(CR、(y)−OC(O)NR(CR、(z)−NRC(O)NR(CR、(aa)−NRS(O)(CR、(bb)−S(O)NR(CR、(cc)−NRS(O)NR(CR、(dd)−NR、(ee)−NR(CR)R、(ff)−OH、(gg)−NR、(hh)−OCH、(ii)−S(O)、(jj)−NC(O)R、(kk)−NRC(NR)NR、(ll)C1〜8−アルキル基、(mm)C2〜8−アルケニル基、(nn)C2〜8アルキニル基、(oo)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(pp)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(qq)−(CRNR(CR、(rr)−N[(CR][C=O(CR]、(ss)−(CRN[(CR][(CR]、(tt)−(CRNR(C=O)(CR、(uu)−ハロアルキル、(vv)−C(O)(CR)[(CR]R、(ww)−(CRC(O)NR、(xx)−(CRC(O)O(CR、(yy)−NRC(O)CR、(zz)−N[(CR]C(O)R、ならびに(aaa)−S(O)NR
からなる群から独立に選択され、
(ll)〜(pp)は1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−SR、(t)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、ならびに(u)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか;あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており、
(m)〜(r)および(t)〜(u)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は(a)水素、(b)−C1〜8アルキル、(c)−ハロアルキル、(d)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、ならびに(e)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか、あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており;
(b)〜(e)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−NR、(t)−OR、(u)−(CRNR、(v)−CR、(w)−SR、(x)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(y)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(z)−(CRC(O)NR、(aa)−S(O)、(bb)−NRC(O)NR、(cc)−NRC(O)R、ならびに(dd)−C(=NR)NRから選択され;
(m)〜(q)および(x)〜(y)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(s)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(t)−ハロアルキル、(u)−C(O)(CR、(v)−SR、(w)−OC(O)(CR、(x)−NRC(O)NR、(y)−NRC(O)R、(z)−NR(CNR)(NR)、(aa)−ONR(CNR)NR、(bb)−C(=NR)NR、(cc)−S(O)、(dd)−(CRC(O)NR、(ee)−(CRORおよび(ff)−(CRNRから選択され;
(m)〜(s)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR10、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR10、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR10、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)R、ならびに(hh)−(CRNR10から選択され;
(n)〜(r)および(z)〜(aa)は1つまたは複数のR10で必要に応じて置換されており;
10は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)R、ならびに(hh)−(CRNRから選択され;
必要に応じて、−D−E−Fまたは−G−H−Jのいずれかは水素であり;
pは0、1または2であり、
tは0、1、2または3である)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
式:
【化91】

(式中、Zは−NR基、−NRCO−基、−CONR−基および−NRCONR−基から選択される)
を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項3】
Zが−NRCONR−である、請求項2に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項4】
式:
【化92】

(式中、Zは−NHCONH−である)
を有する、請求項3に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項5】
Aが、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており;
Bが、(a)−(C1−8アルキル)−、(b)−(C2−8アルケニル)、(c)−(C2−8アルキニル)−、(d)単結合から選択され、
i)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかにおける0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−C(=NR)−、−S(O)NR−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかは1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(a)〜(c)のいずれかは−(C〜Cアルキル)−R基で必要に応じて置換されており、そして
Cが、(a)NH、(b)−NHC(=NH)NHおよび(c)水素から選択される、請求項4に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項6】
Aが、アゼパニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ピリジニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロピリジル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルおよびピペリデニルから選択され;
すぐ上のAのいずれかが1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されているか;
あるいはAが単結合であり;
Bが(a)−(C1〜8アルキル)−から選択され、
i)すぐ上の(a)の0〜4個の炭素原子は、−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−S(O)NR−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(a)は1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(a)は−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されており;
あるいはBが単結合であり;
Cが(a)NH、(b)−NHC(=NH)NHおよび(c)水素から選択される、請求項5に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項7】
C−B−A−が、
水素、
【化93】

【化94】

からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項8】
Gが、
(a)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(b)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、ならびに
(c)単結合
から選択され、(a)または(b)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている、請求項4に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項9】
が、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NH、(k)−OR、(l)−NHC(=NH)NH、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−SR、(t)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、ならびに(u)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか;あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成している、請求項5に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項10】
が(a)水素、(b)−C1〜8アルキル、(c)−ハロアルキル、(d)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(e)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか、あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成している、請求項5に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項11】
Gが、アゼパニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ピリジニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロピリジル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリデニル、および単結合から選択される、請求項8に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項12】
−G−H−Jが、水素、
【化95】

から選択される、請求項11に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項13】
各−G−H−Jが、
水素、
【化96】

【化97】

【化98】

【化99】

【化100】

(式中、Rは請求項10に規定される通りである)
から選択される、請求項12に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項14】
リボソームと結合する、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
前記リボソームが細菌リボソームである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
表1の化合物のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項18】
ヒトまたは動物の病状を処置、予防するまたはそのリスクを低減するための方法であって、それを必要とするヒトまたは動物に有効量の請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
【請求項19】
ヒトまたは動物に有効量の請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、前記ヒトまたは動物の微生物感染症を処置するための方法。
【請求項20】
ヒトまたは動物における微生物感染症を処置するための医薬品の製造における、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグの使用。
【請求項21】
ヒトまたは動物に有効量の請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを投与することを含む、前記ヒトまたは動物における微生物感染症を処置するまたはそのリスクを低減するための方法であって、前記微生物感染症が、皮膚感染症、グラム陽性感染症、グラム陰性感染症、院内皮膚感染症、院内グラム陽性感染症、院内グラム陰性感染症、院内肺炎、市中肺炎、ウイルス感染後肺炎、院内感染肺炎/人工呼吸器関連肺炎、慢性気道感染症(CRTI)などの気道感染症、急性骨盤感染症、複雑性皮膚および皮膚組織感染症、無複雑性皮膚および軟部組織感染症(uSSTI)および複雑性皮膚および軟部組織感染症を含む皮膚軟部組織感染症(SSTI)、腹部感染症、複雑性腹内感染症、尿路感染症、菌血症、敗血症、心内膜炎、房室シャント感染症、バスキュラーアクセス感染症、髄膜炎、外科的予防、腹膜感染症、骨感染症、関節感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染症、バンコマイシン耐性腸球菌(Enterococci)感染症、リネゾリド耐性生物体感染症、炭疽菌感染症、野兎病菌感染症、ペスト菌感染症および結核からなる群から選択される方法。
【請求項22】
前記化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを耳に、眼に、鼻に、経口で、非経口で、局所に、またはは静脈内に投与する、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法または使用。
【請求項23】
請求項1〜16のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを合成する方法。
【請求項24】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグを含む医療用デバイス。
【請求項25】
前記デバイスがステントである、請求項24に記載の医療用デバイス。
【請求項26】
式:
【化101】

(式中、Vは−CR4a−または−N−から独立に選択され、
WはO、NR、NORまたはSであるか、あるいはW=は、両方が同じ炭素原子と結合しているHO−とH−との組合せ、または両方が同じ炭素原子と結合している(C1〜8アルキル)O−とH−との組合せから選択され;
【化102】

は単結合または二重結合を表し、ここで
【化103】

が単結合である場合、XはO、NRおよびS(O)から選択され、YはC−Rであり、
【化104】

が二重結合である場合、XはNであり、Yは炭素原子であり、
ZはO、NR、S(O)、NRCO、CONRまたはNRCONRからなる群から選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
はHおよびC1〜8アルキルから選択され、
4aはHおよびC1〜8アルキルから選択され、
nは0、1または2であり、
−G−H−Jはその代わりに、
【化105】

(式中、各HおよびJは独立に選択される)
から選択され、
C−B−A−、−D−E−Fおよび−G−H−Jは化学的部分であり、
A、DおよびGは、
(a)単結合、(b)−(C1〜8アルキル)−、(c)−(C2〜8アルケニル)−、(d)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかの0〜4個の炭素原子は、−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは、1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(b)〜(d)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);
(e)−O−、(f)−NR−、(g)−S(O)−、(h)−C(O)−、(i)−C(O)O−、(j)−OC(O)−、k)−OC(O)O−、(l)−C(O)NR−、(m)−NRCO−、(n)−NRC(O)NR−、(o)−C(=NR)−、(p)−C(=NR)O−、(q)−OC(=NR)−、(r)−C(=NR)NR−、(s)−NRC(=NR)−、(t)−C(=S)−、(u)−C(=S)NR−、(v)−NRC(=S)−、(w)−C(O)S−、(x)−SC(O)−、(y)−OC(=S)−、(z)−C(=S)O−、(aa)−NR(CNR)NR−、(bb)−CRC(O)−、(cc)−C(O)NR(CR−、(dd)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(ee)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、ならびに
(ff)−(CR−からなる群から独立に選択され、
(dd)または(ee)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されており;
B、EおよびHは、
(a)単結合、
(b)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、
(c)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環
(ここで、(b)または(c)は1つもしくは複数のR基で必要に応じて置換されている);
(d)−(C1〜8アルキル)−、(e)−(C2〜8アルケニル)−、(f)−(C2〜8アルキニル)−
(ここで、
i)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかの0〜4個の炭素原子は−O−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)−、−C(=NR)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−および−NRS(O)NR−からなる群から選択される部分で必要に応じて置き換えられており、
ii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており、
iii)すぐ上の(d)〜(f)のいずれかは−(C1〜8アルキル)−R基で必要に応じて置換されている);ならびに
(g)−(CR−からなる群から独立に選択され、
C、FおよびJは、
(a)水素、(c)F、(d)Cl、(e)Br、(f)I、(g)−CF、(h)−CN、(i)−N (j)−NO、(k)−NR(CR、(l)−OR、(m)−S(O)(CR、(n)−C(O)(CR、(o)−OC(O)(CR、(p)−SC(O)(CR、(q)−C(O)O(CR、(r)−NRC(O)(CR、(s)−C(O)NR(CR、(t)−C(=NR)(CR、(u)−C(=NNR)(CR、(v)−C(=NNRC(O)R)(CR、(w)−C(=NOR)(CR、(x)−NRC(O)O(CR、(y)−OC(O)NR(CR、(z)−NRC(O)NR(CR、(aa)−NRS(O)(CR、(bb)−S(O)NR(CR、(cc)−NRS(O)NR(CR、(dd)−NR、(ee)−NR(CR)R、(ff)−OH、(gg)−NR、(hh)−OCH、(ii)−S(O)、(jj)−NC(O)R、(kk)−NRC(NR)NR、(ll)C1〜8−アルキル基、(mm)C2〜8−アルケニル基、(nn)C2〜8アルキニル基、(oo)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(pp)3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(qq)−(CRNR(CR、(rr)−N[(CR][C=O(CR]、(ss)−(CRN[(CR][(CR]、(tt)−(CRNR(C=O)(CR、(uu)−ハロアルキル、(vv)−C(O)(CR)[(CR]R、(ww)−(CRC(O)NR、(xx)−(CRC(O)O(CR、(yy)−NRC(O)CR、(zz)−N[(CR]C(O)R、ならびに(aaa)−S(O)NR
からなる群から独立に選択され、
(ll)〜(pp)は1つまたは複数のR基で必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−SR、(t)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、ならびに(u)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか;あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており、
(m)〜(r)および(t)〜(u)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は(a)水素、(b)−C1〜8アルキル、(c)−ハロアルキル、(d)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環および(e)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択されるか、あるいは2つのR基は一緒になって炭素環を形成しており;
(b)〜(e)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)−ハロアルキル、(s)−NR、(t)−OR、(u)−(CRNR、(v)−CR、(w)−SR、(x)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(y)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(z)−(CRC(O)NR、(aa)−S(O)、(bb)−NRC(O)NR、(cc)−NRC(O)R、ならびに(dd)−C(=NR)NRから選択され;
(m)〜(q)および(x)〜(y)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C1〜8アルキル、(n)−C1〜8アルケニル、(o)−C1〜8アルキニル、(p)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(q)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(r)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(s)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(t)−ハロアルキル、(u)−C(O)(CR、(v)−SR、(w)−OC(O)(CR、(x)−NRC(O)NR、(y)−NRC(O)R、(z)−NR(CNR)(NR)、(aa)−ONR(CNR)NR、(bb)−C(=NR)NR、(cc)−S(O)、(dd)−(CRC(O)NR、(ee)−(CROR、ならびn(ff)−(CRNRから選択され;
(m)〜(s)は1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており;
は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR10、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR10、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR10、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)R、ならびに(hh)−(CRNR10から選択され;
(n)〜(r)および(z)〜(aa)は1つまたは複数のR10で必要に応じて置換されており;
10は、(a)水素、(b)F、(c)Cl、(d)Br、(e)I、(f)−CF、(g)−CN、(h)−N(i)−NO、(j)−NR、(k)−OR、(l)−NR(CNR)NR、(m)−C(O)(CRNR、(n)−C1〜8アルキル、(o)−C1〜8アルケニル、(p)−C1〜8アルキニル、(q)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む−3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環、(r)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環、(s)−ハロアルキル、(t)−(CROR、(u)−O(CRNR、(v)−C(O)R、(w)−SR、(x)−C(O)OR、(y)−S(O)、(z)−(C1〜8アルキル)−(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含む3〜14員飽和、不飽和または芳香族複素環)、(aa)−(C1〜8アルキル)−(3〜14員飽和、不飽和または芳香族炭素環)、(bb)−O(CROR、(cc)−C(=NR)NR、(dd)−ONR、(ee)−NRC(O)NR、(ff)−O(CROR、(gg)−NRC(O)R、ならびに(hh)−(CRNRから選択され;
必要に応じて、基−D−E−Fまたは基−G−H−Jのいずれかは存在しないが、−D−E−Fと−G−H−Jの両方が同時に存在しないことはなく;
pは0、1または2であり、
tは0、1、2または3である)
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、互変異性体もしくはプロドラッグ。

【公表番号】特表2013−508299(P2013−508299A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534413(P2012−534413)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/052928
【国際公開番号】WO2011/047323
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(502427253)リブ−エックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Rib−X Pharmaceuticals, Inc.
【住所又は居所原語表記】New Haven, Connecticut,U.S.A.
【Fターム(参考)】