説明

抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤、並びに化粧料

【課題】優れた抗炎症作用を有する抗炎症剤、優れた抗老化作用を有する抗老化剤、及び優れた育毛作用を有する育毛剤、並びに優れた抗炎症作用、抗老化作用、育毛作用、及び保湿性を有する化粧料の提供。
【解決手段】クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有することを特徴とする抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤である。また、前記抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤の少なくともいずれかを含有する化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤、並びに化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酵母による発酵技術は、ヨーグルト及びチーズ等の乳製品、ワイン、並びに漬物などの発酵食品製造に用いられており、様々な分野や地域において注目されている。
近年、酵母による発酵液は安全性が高く、数多くの価値ある生成物が製造されていることから、これらの生成物を有効成分とする抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤などの医薬品、並びに化粧料について、需要が高まっている。
【0003】
前記抗炎症剤は、発赤、浮腫、発熱、痛み、機能障害などの炎症により生じる症状を抑制する作用を有する。このような炎症により生じる症状は、人間の組織や器官で認められるシクロオキシゲナーゼ(COX)活性を介したプロスタグランジンの産生により進行されることが知られている。そのため、前記シクロオキシゲナーゼの活性を阻害することにより、炎症を抑制することができると考えられており、前記炎症の抑制を目的として、例えば、アスピリン(例えば、非特許文献1参照)、マンゴスチン果皮抽出物中のα−マンゴスチン及びγ−マンゴスチン(例えば、特許文献1参照)などのシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤が提案されている。また、前記シクロオキシゲナーゼの中でも、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)による活性が前記炎症の主たる原因となっていることから、前記炎症の抑制を目的として、例えば、2−フェニル−1,2−ベンズイソセレナゾール−3(2H)−オン、その塩、又はその水和物からなるシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害剤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような背景から、より安全性が高く、優れたシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害作用(抗炎症作用)を有する物質が求められている。
【0004】
前記抗老化剤は、細胞が分裂を停止し、増殖できなくなった状態が不可逆的に引き起こされる老化現象を抑制する作用を有する。このような老化により低下した細胞の機能を上昇させ、細胞分裂を促進するためには、分裂に必要なエネルギーを細胞に補給する必要があり、前記細胞のエネルギーの補給に重要な役割を果たす物質として、ATP(アデノシン5’−三リン酸)が知られている。そのため、前記ATPの産生を促進することにより、前記老化現象を抑制することができると考えられており、前記老化現象を抑制することを目的として、例えば、植物油を用いたATP産生促進剤が提案されている(例えば、特許文献3参照)。このような背景から、より安全性が高く、優れたATP産生促進作用(抗老化作用)を有する物質が求められている。
また、前記抗老化剤は、老化現象により生じる肌荒れや乾燥肌等の皮膚症状を改善する作用も有する。表皮は、角化細胞の分裂とその後の分化により、常に新しい角質細胞を作り出し、外界からの刺激から皮膚を防御する機能を有する。特に、前記角化細胞の分化過程においては、トランスグルタミナーゼ−1により、コーニファイドエンベロープ(CE)の形成が促進され、前記角質細胞の構造安定性に寄与することが知られている。そのため、前記トランスグルタミナーゼ−1の産生を促進することにより、老化現象に伴う皮膚症状を改善することができると考えられており、前記老化現象に伴う皮膚症状を改善することを目的として、ニガリ又はその構成成分である塩化カルシウムを用いたトランスグルタミナーゼ−1産生促進剤が提案されている(例えば、特許文献4参照)。このような背景から、より安全性が高く、優れたトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用(抗老化作用)を有する物質が求められている。
【0005】
前記育毛剤は、男性型禿頭といった脱毛に関する症状を抑制する作用を有する。これらの症状は、アンドロゲンと総称される男性ホルモンの1種であるテストステロンが、テストステロン5α−リダクターゼにより還元されてジヒドロテストステロンとなり、頭皮に蓄積されて、毛根が萎縮し、脱毛を誘発する原因であることが知られている。そのため、前記テストステロン5α−リダクターゼの活性を阻害することにより、前記脱毛に関する症状を抑制することができると考えられており、前記脱毛に関する症状の予防及び治療を目的として、例えばChoerospondias属に属する植物(例えば、特許文献5参照)、五斂子(例えば、特許文献6参照)、並びに紅豆杉、鳥欖、幌傘楓、及び穿心蓮(例えば、特許文献7参照)などを用いたテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害剤が提案されている。このような背景から、より安全性が高く、優れたテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用(育毛作用)を有する物質が求められている。
【0006】
以上のように、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害作用を有する抗炎症剤、ATP産生促進作用及びトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用を有する抗老化剤、並びにテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を有する育毛剤に対する需要は極めて高い。また、上述したような酵母による発酵液の中でも、食品に用いることができる酵母由来の発酵液は、安全性が高いと考えられており、そのような安全性の高い発酵液を用いた各剤に対する需要は極めて高い。
【0007】
前記酵母の中でも、クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)はワイン醸造、プラムジャム、及び果物などから分離されていることから(例えば、非特許文献2参照)、その発酵液は安全性が高いと考えられているが、前記酵母による発酵液が、前記抗炎症作用、前記抗老化作用、及び前記育毛作用を有することは、これまでに知られていない。また、そのような安全性の高い発酵液を用いた優れた抗炎症作用を有する抗炎症剤、優れた抗老化作用を有する抗老化剤、及び優れた育毛作用を有する育毛剤、並びに化粧料について、速やかな提供が強く求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−047180号公報
【特許文献2】特開2000−016935号公報
【特許文献3】特開平06−219926号公報
【特許文献4】特開2004−051596号公報
【特許文献5】特開2003−055162号公報
【特許文献6】特開2002−241296号公報
【特許文献7】特開2002−087976号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】薬理学アトラス(P184)、福原武彦監訳、文光堂
【非特許文献2】The Yeasts.A Taxonomic Study,4th ed.Elsevier Science BV,Amsterdam.240−241(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた抗炎症作用を有し、かつ安全性の高い抗炎症剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた抗老化作用を有し、かつ安全性の高い抗老化剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた育毛作用を有し、かつ安全性の高い育毛剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた、抗炎症作用、抗老化作用、及び育毛作用の少なくともいずれかを有し、優れた保湿性を有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ちクルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液が、優れた、抗炎症作用、抗老化作用、及び育毛作用を有することを見出した。また、クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を用いた化粧料が、優れた、抗炎症作用、抗老化作用、及び育毛作用の少なくともいずれかを有し、優れた保湿性を有することを見出した。
【0012】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有することを特徴とする抗炎症剤である。
<2> 発酵液が、黒糖発酵液である前記<1>に記載の抗炎症剤である。
<3> シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害作用を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の抗炎症剤である。
<4> クルイベロマイセス・サーモトレランスクルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有することを特徴とする抗老化剤である。
<5> 発酵液が、黒糖発酵液である前記<4>に記載の抗老化剤である。
<6> ATP産生促進作用、及びトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用の少なくともいずれかを有する前記<4>から<5>のいずれかに記載の抗老化剤である。
<7> クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有することを特徴とする育毛剤である。
<8> 発酵液が、黒糖発酵液である前記<7>に記載の育毛剤である。
<9> テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を有する前記<7>から<8>のいずれかに記載の育毛剤である。
<10> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の抗炎症剤、前記<4>から<6>のいずれかに記載の抗老化剤、及び前記<7>から<9>のいずれかに記載の育毛剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする化粧料である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の抗炎症剤によると、従来における諸問題を解決することができ、優れた抗炎症作用を有し、かつ安全性の高い抗炎症剤を提供することができる。
本発明の抗老化剤によると、従来における諸問題を解決することができ、優れた抗老化作用を有し、かつ安全性の高い抗老化剤を提供することができる。
本発明の育毛剤によると、従来における諸問題を解決することができ、優れた育毛作用を有し、かつ安全性の高い育毛剤を提供することができる。
本発明の化粧料によると、従来における諸問題を解決することができ、優れた、抗炎症作用、抗老化作用、及び育毛作用の少なくともいずれかを有し、優れた保湿性を有する化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の化粧料の保湿性試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤)
本発明の抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤は、クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0016】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)は、ワイン醸造やプラムジャムの発酵物から単離される乳酸産生酵母である。また、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)は、The Yeasts.A Taxonomic Study,4th ed.Elsevier Science BV,Amsterdam.240−241(1998)に記載の生化学的性質、及び生理学的性質を有する。
【0017】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)の培養方法としては、通常酵母に使用される培養方法であれば、特に制限はなく、従来公知の手法に従い行うことができ、例えば、The Yeasts.A Taxonomic Study,4th ed.Elsevier Science BV,Amsterdam.240−241(1998)に記載の方法に従い行うことができる。
【0018】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)の培養に用いる炭素源、窒素源、無機塩類などの培地成分としては、特に制限はなく、通常酵母に使用される培地の成分の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グルコース、スクロース等の炭素源、酵母エキス、ペプトン、コーンスティープリカー、硝酸アンモニウム等の窒素源、リン酸2水素カリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類からなる酵母に対して一般に用いられる培地成分が挙げられる。
【0019】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)の培養に用いる培地としては、特に制限はなく、通常酵母に使用される培地の成分の中から、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記培地中のpH、溶存酸素、培養温度、及び培養時間等の培養条件としては、通常酵母に使用される培養条件であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0020】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、マグネシウム、カリウム等のミネラル類が豊富な点で、黒糖発酵液が好ましい。
【0021】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、黒糖を水で調製した黒糖水溶液を通気攪拌型発酵槽とともに殺菌後、適温に調節し、前記培地を用いて前培養したクルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)を前記黒糖水溶液に接種し、培養温度を制御しつつ通気攪拌を行い、発酵させて、調製する方法が好ましい。なお、前記通気攪拌型発酵槽としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細菌用、酵母用、糸状菌用の通気攪拌型発酵槽などが挙げられる。
【0022】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液の調製方法で用いられる黒糖は、原料であるサトウキビの搾汁を濃縮して製造されるものである。
【0023】
前記黒糖としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、和三盆、糖蜜、黒蜜などが挙げられる。
【0024】
前記黒糖の黒糖水溶液における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3質量%〜15質量%が好ましく、5質量%〜8質量%がより好ましい。
【0025】
前記黒糖水溶液における水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、精製水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水などが挙げられる。
【0026】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を回収する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遠心分離等の常法を用いて回収することができる。なお、前記回収物は、そのままの状態で、あるいは、乾燥させた状態で、使用することができる。
【0027】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記発酵液の希釈液若しくは濃縮液、前記発酵液の乾燥物、又は、これらの粗精製物若しくは精製物などが挙げられる。前記発酵液を希釈する際に用いられる溶液としては、特に制限はなく、例えば、生理食塩液が挙げられる。前記発酵液の乾燥物を得る方法としては、特に制限はなく、例えば、フリーズドライ、スプレードライなどの手法により得ることができる。
【0028】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液は、その生理活性作用の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことができる。前記精製としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理などにより行うことができる。
【0029】
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液は、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害作用を有し、前記シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害作用に基づいて、本発明の抗炎症剤における抗炎症作用が発揮される。
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液は、ATP産生促進作用、及びトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用の少なくともいずれかの作用を有し、前記ATP産生促進作用、及び前記トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用の少なくともいずれかの作用に基づいて、本発明の抗老化剤における抗老化作用が発揮される。
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液は、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を有し、前記テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用に基づいて、本発明の育毛剤における育毛作用が発揮される。
なお、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液は、前記した各作用に基づき、シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤、ATP産生促進剤、トランスグルタミナーゼ−1産生促進剤、及びテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害剤としても、それぞれ好適に利用可能である。
【0030】
前記抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤中の前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.0001質量%〜100質量%が好ましく、発酵液を低濃度で使用してもよく、発酵液をそのままで使用してもよい。
【0031】
前記抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤に含まれ得る、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液以外のその他の成分としても、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を所望の濃度に希釈するための、生理食塩水が挙げられる。また、前記抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤の前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
前記抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤の剤形としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状、顆粒状、錠剤状などの任意の剤形が挙げられる。前記抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、非経口、外用などの投与形態が挙げられる。
【0033】
本発明の抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤は、優れた、抗炎症作用、抗老化作用、及び育毛作用を有すると共に、安全性に優れるため、例えば、後述する本発明の化粧料への利用に好適である。
【0034】
(化粧料)
本発明の化粧料は、前記した本発明の抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤の少なくともいずれかを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0035】
前記化粧料は、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を、その活性を妨げないように任意の化粧料に配合したものであってもよいし、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を主成分とした化粧料であってもよい。また、前記化粧料は、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液そのものであってもよい。
【0036】
前記化粧料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、皮膚化粧料、頭皮化粧料、頭髪化粧料などが挙げられる。
前記化粧料の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、アストリンゼント、ヘアトニック、シャンプー、リンスなどが挙げられる。
【0037】
前記化粧料は、更に必要に応じて本発明の目的及び作用効果を損なわない範囲で、その化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤などのその他の成分を添加することができる。前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料などが挙げられる。
【0038】
前記化粧料中の、前記抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤の少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、化粧料の種類や発酵液の生理活性等によって適宜調整することができるが、例えば、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液の量として、0.0001質量%〜100質量%が好ましく、発酵液を低濃度で使用してもよく、発酵液をそのままで使用してもよい。
【0039】
本発明の化粧料は、高い安全性を有し、優れた、シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用、ATP産生促進作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、及びテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用の少なくともいずれかを発揮し、優れた保湿性を有する。
【0040】
(効果)
本発明の抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤、並びに化粧料は、日常的に使用することが可能であり、有効成分である前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液の働きによって、シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用に基づく抗炎症作用、ATP産生促進作用及びトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用の少なくともいずれかの作用に基づく抗老化作用、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用に基づく育毛作用、並びに保湿性を極めて効果的に発揮させることができるものである。
【0041】
本発明の抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤、並びに化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、その作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することも可能である。また、本発明の抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤、並びに化粧料は、前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を有効成分としたものであり、安全性に優れる点でも、有利である。
【実施例】
【0042】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0043】
(調製例1)
<クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による黒糖発酵液の調製>
−前培養−
クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)を秋田今野商店から入手し、YDP培地(pH6.0)を用いて、液体培養を行った。前記液体培養液を、1白金耳とり、YM培地(固体培地)に植菌し、2日間、25℃で前培養を行った。
【0044】
−黒糖水溶液の調製−
黒糖25質量部に純水500質量部を添加し、5質量%黒糖水溶液とした。前記5質量%黒糖水溶液を、通気攪拌型発酵槽とともに殺菌後、適温に調節した。
【0045】
−発酵工程−
前記クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)の前培養により得られたコロニーを生理的食塩水で懸濁して、1.0×10CFU/mL〜1.0×1010CFU/mLとなるよう調製した懸濁液を、前記5質量%黒糖水溶液に、前記5質量%黒糖水溶液の全量の1質量%を添加し、30℃で2日間、振とう培養(振とう条件:100rpm)を行った。振とう培養後の培養液をオートクレーブ(条件:121℃、15分)で滅菌し、クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)の黒糖発酵液を調製した。
【0046】
(調製例2)
<クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)のエタノール処理済黒糖発酵液の調製>
調製例1により調製された黒糖発酵液に、99質量%エタノールを128mL加えて、エタノール処理済黒糖発酵液を調製した。
【0047】
(比較調製例1)
<クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)の黒糖未発酵液の調製>
調製例1の黒糖水溶液の調製において、調製された5質量%黒糖水溶液を、黒糖未発酵液として用いた。
【0048】
(製造例1)
<化粧料1の製造>
調製例1にて調製した黒糖発酵液350質量部に対し、ブチレングリコール(BG)溶液を150質量部添加して、全溶液量に対しBG溶液が30質量%含まれるよう調製し、オートクレーブ(条件:121℃、15分)により滅菌を行い、滅菌済みBG30質量%溶液とした。その後、前記滅菌済みBG30質量%溶液を、水酸化カリウム溶液により、pHが6.5となるよう調製した後、セライト濾過(W−50、C♯65)により不純物や残渣物などを除去した。前記セライト濾過により得られた濾液を、固形分濃度0.1質量%、BG10質量%、及びフェノキシエタノール10質量%となるよう調製した。調製後、再度、セライト濾過(W−50、C♯65)を行い、化粧料1を製造した。
【0049】
(比較製造例1)
<比較化粧料1の製造>
ブチレングリコール10質量部に純水90質量部を添加して得られた10質量%BG溶液を、比較化粧料1として製造した。
【0050】
(比較製造例2)
<比較化粧料2の製造>
グルコース0.1質量部に純水を加え100質量部とすることにより得られた0.1質量%グルコース溶液(固形分濃度0.1質量%)を、比較化粧料2として製造した。
【0051】
(実験例1)
<COX−2活性阻害作用試験>
前記調製例1で調製した黒糖発酵液(実施例)、前記調製例2で調製したエタノール処理済黒糖発酵液(実施例)、及び前記比較調製例1で調製した黒糖未発酵液(比較例)を被験試料として用い、下記の試験方法によりCOX−2活性阻害作用を試験した。
【0052】
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7)を、10質量%FBS含有ダルベッコMEMを用いて培養した後、セルスクレーパーにより回収した。回収した細胞を2.0×10cells/mLの濃度になるように、10質量%FBS含有ダルベッコMEMで希釈した後、96wellプレートに1wellあたり100μLずつ播種し、18時間培養した。培養終了後、既に存在するCOX−1及び少量発現しているCOX−2をアセチル化し、失活させるため、培地を500μmol/Lアスピリン含有培地に交換し、4時間培養した。前記細胞をPBS(−)で3回洗浄し、終濃度0.5質量%DMSOを含む10質量%FBS含有ダルベッコMEMで溶解した前記被験試料を各wellに100μL添加した後、終濃度1μg/mLで10質量%FBS含有ダルベッコMEMに溶解したリポポリサッカライド(LPS、coli 0111;B4、DIFCO社製)を100μL添加し、16時間培養した。培養終了後、各wellの培養上清中のプロスタグランジンE量をPGE2 EIA Kit(Cayman Chemical社製)を用いて定量した。結果を表1に示す。
COX−2活性阻害率の計算方法は以下のとおりである。
COX−2活性阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×100
A :被験試料添加・LPS刺激時のプロスタグランジンE
B :被験試料無添加・LPS刺激時のプロスタグランジンE
C :被験試料無添加・LPS無刺激時のプロスタグランジンE
【0053】
【表1】

【0054】
表1より、黒糖発酵液が、試験した濃度全域において、濃度依存かつ有意なCOX−2活性阻害作用を有することが確認された。また、エタノール処理済黒糖発酵液では、濃度が高まる程、COX−2活性阻害作用が弱くなることが確認された。
【0055】
(実験例2)
<ATP産生促進作用試験>
前記調製例1で調製した黒糖発酵液(実施例)、前記調製例2で調製したエタノール処理済黒糖発酵液(実施例)、及び前記比較調製例1で調製した黒糖未発酵液(比較例)を被験試料として用い、下記の試験方法によりATP産生促進作用を試験した。
【0056】
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(EpiLife−KG2)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10cell/mLの濃度に前記培地で希釈した後、コラーゲンコートした96wellプレートに1well当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、前記培地を抜き、前記培地で溶解させた前記被験試料を各wellに100μL添加し、2時間培養した。ATP産生促進作用は、ホタルルシフェラーゼ発光法を用いて前記細胞内のATP量を測定した。すなわち、培養終了後、「『細胞の』ATP測定試薬」(東洋ビーネット株式会社製)を各wellに100μLずつ添加した。反応後、化学発光量を測定した。結果を表2に示す。
ATP産生促進率の計算方法は以下のとおりである。
ATP産生促進率(%)=A/B×100
A :被験試料添加時の細胞での化学発光量
B :被験試料無添加時の細胞での化学発光量
【0057】
【表2】

【0058】
表2より、黒糖発酵液は、黒糖未発酵液と比較して、ATP産生促進作用を有することが確認された。また、エタノール処理済黒糖発酵液についても、ATP産生促進作用を有することが確認された。
【0059】
(実験例3)
<トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用試験>
前記調製例1で調製した黒糖発酵液(実施例)、前記調製例2で調製したエタノール処理済黒糖発酵液(実施例)、及び前記比較調製例1で調製した黒糖未発酵液(比較例)を被験試料として用い、下記の試験方法によりトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用を試験した。
【0060】
ヒト正常新生児皮膚表皮角化細胞(NHEK)を、ヒト正常新生児表皮角化細胞用培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10cell/mLの濃度になるように前記培地で希釈した後、96wellプレートに1well当たり100μLずつ播種し、2日間培養した。培養終了後、前記培地で溶解した前記被験試料を各wellに100μL添加し、24時間培養した。培養終了後、前記培地を抜き、前記細胞をプレートに固定させて、前記細胞表面に発現したトランスグルタミナーゼ−1の量を、モノクローナル抗ヒトトランスグルタミナーゼ−1抗体を用いたELISA法により測定した。結果を表3に示す。
トランスグルタミナーゼ−1産生促進率の計算方法は以下のとおりである。
トランスグルタミナーゼ−1産生促進率(%)=A/B×100
A :被験試料添加時の波長405nmにおける吸光度
B :被験試料無添加時(コントロール)の波長405nmにおける吸光度
【0061】
【表3】

【0062】
表3より、黒糖発酵液に有意なトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用が確認された。また、エタノール処理済黒糖発酵液についてもトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用が確認された。
【0063】
(実験例4)
<テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用試験>
前記調製例1で調製した黒糖発酵液(実施例)、前記調製例2で調製したエタノール処理済黒糖発酵液(実施例)、及び前記比較調製例1で調製した黒糖未発酵液(比較例)を被験試料として用い、下記の試験方法によりテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を試験した。
【0064】
蓋付V底試験管にて、プロピレングリコールで調製したテストステロン(濃度4.2mg/mL)20μL、NADPH(濃度1mg/mL)を含有するTris−HCl緩衝液(濃度5mmol/mL、pH7.13)825μLを混合した。これに、50質量%エタノールで調製した前記被験試料80μL、及びラット肝細胞(S−9)75μLを加えて再び混合し、37℃にて30分反応させた後、塩化メチレン1mLを加えて反応を停止した。これを遠心分離機により、遠心(1,600×g、10分)を行い、塩化メチレン層を下記の条件でガスクロマトグラフィー分析した。また、同様の方法で、空試験を行った。なお、前記ラット肝細胞(S−9)とは、SDラットの雄に酵素誘導剤(フェノバルビタール、5,6−ベンゾフラボン)を腹腔内投与したのち肝臓をすりつぶして、9,000×gで遠心した上清である。
【0065】
−ガスクロマトグラフィーの条件−
使用機器 :Shimadzu GC−7A
カラム :DB−1701(φ0.53mm×30m、膜厚;1.0μm)
カラム/注入温度:240℃/300℃
検出器 :FID
キャリアガス :窒素ガス
【0066】
あらかじめ、3α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン(DHT)、及びテストステロンの標準品の塩化メチレン溶液を、同様にガスクロマトグラフィー分析し、これら3化合物の精秤量及びピーク面積により、ピーク面積当たりの化合物量を算出しておいた。そして、ラット肝細胞(S−9)による反応後の3α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン(DHT)、及びテストステロンにおける各ピーク面積あたりの濃度を下記式(1)により求めた。その後、下記式(2)に従い、被験試料の変換率を求めた。そして、前記変換率を基に、下記式(3)に従い、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率を求めた。前記テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率を表4に示す。また、50%阻害活性濃度(IC50:μg/mL)を算出した結果を表5に示す。
濃度 (%)=被験試料のピーク面積×標準品濃度/標準品のピーク面積・・式(1)
変換率(%)=(A+B)/(A+B+C) ・・式(2)
A :3α−アンドロスタンジオールの濃度
B :ジヒドロテストステロン(DHT)の濃度
C :テストステロンの濃度
テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率(%)
=(1−E/D)×100 ・・式(3)
D :空試験での変換率
E :被験試料添加での変換率
【0067】
【表4】

【0068】
【表5】

【0069】
表4及び表5より、いずれの被験試料も、濃度依存のテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を示したが、エタノール処理済黒糖発酵液によるテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用が最も高く、その次に、黒糖発酵液によるテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用が高いことが確認された。
【0070】
(実験例5)
<化粧料の保湿性試験>
前記製造例1で調製した化粧料1(実施例)、前記比較製造例1で調製した比較化粧料1(比較例)、及び前記比較製造例2で調製した比較化粧料2(比較例)、並びに精製水(比較例)を試験サンプルとして用い、下記の試験方法により保湿性を試験した。
【0071】
直径8mmのペーパーディスク(ADVANTEC製、質量約0.017g)に各20μLの試験サンプルを滴下した。これを試験室内(室温25℃、湿度60%)に放置し、1分毎に0分間〜10分間における重量を測定した。0分間の質量を100%として各試験サンプルの水分残存率を求めた。結果を表6及び図1に示す。
【0072】
【表6】

【0073】
表6及び図1により、黒糖発酵液を含む化粧料1は、比較化粧料1及び比較化粧料2と比較して保湿性を有することが確認された。また、前記化粧料1は、保湿性が期待できる化粧料であることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の抗炎症剤は、優れたシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害作用を有するので、抗炎症薬をはじめとする皮膚外用剤に配合したり、美容用化粧品及び医薬に配合したり、更には研究用の試薬として好適に利用できる。
本発明の抗老化剤は、優れたATP産生促進作用、及び優れたトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用の少なくともいずれかの作用を有するので、抗老化薬をはじめとする皮膚外用剤に配合したり、美容用化粧品及び医薬に配合したり、更には研究用の試薬として好適に利用できる。
本発明の育毛剤は、優れたテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を有するので、頭髪化粧料をはじめとする皮膚外用剤に配合したり、美容用化粧品及び医薬に配合したり、更には研究用の試薬として好適に利用できる。
本発明の化粧料は、優れた保湿性を有するため、皮膚外用剤に配合したり、美容用化粧品として好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有することを特徴とする抗炎症剤。
【請求項2】
発酵液が、黒糖発酵液である請求項1に記載の抗炎症剤。
【請求項3】
シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性阻害作用を有する請求項1から2のいずれかに記載の抗炎症剤。
【請求項4】
クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有することを特徴とする抗老化剤。
【請求項5】
発酵液が、黒糖発酵液である請求項4に記載の抗老化剤。
【請求項6】
ATP産生促進作用、及びトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用の少なくともいずれかを有する請求項4から5のいずれかに記載の抗老化剤。
【請求項7】
クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)による発酵液を含有することを特徴とする育毛剤。
【請求項8】
発酵液が、黒糖発酵液である請求項7に記載の育毛剤。
【請求項9】
テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を有する請求項7から8のいずれかに記載の育毛剤。
【請求項10】
請求項1から3のいずれかに記載の抗炎症剤、請求項4から6のいずれかに記載の抗老化剤、及び請求項7から9のいずれかに記載の育毛剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする化粧料。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−140348(P2012−140348A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292779(P2010−292779)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(591082421)丸善製薬株式会社 (239)
【Fターム(参考)】