説明

抗炎症剤の分散性製剤

乳産生動物の乳腺又は被験者の耳のような自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の治療及び/又は予防方法を提供する。本発明は、本発明の方法に従って当該器官に注入するのに適した分散性医薬の組成物及びそのような組成物の製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然の外面開口部を有する液体含有器官、例えば、乳産生動物の乳房又は被験対象の耳における炎症状態の治療及び/又は予防方法に関する。本発明は、本発明の方法に従って当該器官に注入するのに適した分散性医薬の組成物及びそのような組成物の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
乳腺炎は、例えば乳牛といった乳産生動物の乳腺の炎症であり、ほとんどの場合細菌の感染により引き起こされる。細菌は、当該動物の乳首の管を通して入り、急性の臨床的又は準臨床的な乳腺炎を引き起こす。135以上の微生物が、ウシ乳腺炎の原因病原体として記録されている。病原体の主な群の内3つは、グラム−陽性球菌、グラム−陰性バチルス、及びグラム−陽性バチルスである。衛生、環境因子及び高い乳収量に由来する代謝障害が連合し、乳腺炎の開始に好ましい状態を作り出す。乳腺炎に関する増加した体細胞数は、肯定的に感染と対応し、否定的に乳産生と対応する。感染した乳牛は、しばしば群れから除き死なせなければならない。乳腺炎は、もしその疾病が適切に処置されなければ、しばしばその生涯を通じて乳牛に影響を与える。感染比率は平均して典型的な群れの10〜30%に達し、1頭についての損失では年あたり1頭につき185〜250ドルの範囲に達する。ウシ乳腺炎は、乳業にとって経済的に最もコストのかかる疾病であり、米国だけで毎年推定20億ドルの損失となる。これらの損失の大部分は、乳生産の低減に起因する。
【0003】
大腸菌乳腺炎がもたらした炎症及び白血球増加は、しばしば当該細菌が当該腺からもはや単離されなくなった後も存続する理由から、乳腺炎の治療において長期間の抗炎症薬使用療法が有効となり得る。
【0004】
乳産生動物における乳腺炎の治療のための抗細菌物質を含む、分散性組成物の乳房内投与がよく知られている。そのような投与に適したいくつかの組成物は、油性製剤として配合される。
【0005】
Parizeauに付与された米国特許番号第3,636,194号は、抗生物質、植物油、乳中に当該油の分散を促す天然レシチンのリン脂質材料のアルコール可溶画分、ホスファチジルコリン及びホスファチジルエタノールアミン及びその混合物から成る群より選択され上記油中少なくとも0.25%の量で存在している当該リン脂質を含む、乳房内注入による乳腺炎治療のための組成物を公開する。そのような組成物は、乳中への早い分散及び短いミルクアウト時間を担保するといわれる。
【0006】
英国特許出願番号第1,181,527号は、有効成分及び医薬として認容される油性成分を含む乳腺炎治療のための組成物であって、乳中への当該組成物の分散を促すアルコール可溶性物質から実質的に全てがなるリン脂質材料を含む組成物を公開する。
【0007】
ヨーロッパ特許出願番号第0222712号は、ポリオキシエチレン化されたセチルアルコール及びステアリルアルコールに加えてパルミチン酸及びステアリン酸のトリグリセリドの混合物からなる油に分散され、及び鉱物、植物、合成又は混合された抽出物の油媒体に拘束される1以上の抗菌剤を含む組成物を公開する。そのような組成物は、乳房における抗菌剤の放出をスピードアップさせ、生物学的潜在性を増加させ、及びミルクアウト時間を短くする。
【0008】
乳腺炎の治療のための抗炎症剤の使用もまた提案されている。
【0009】
Isacson及びTallyに付与された米国特許番号第5,756,529号は、ペットにおける炎症の治療のためにピラゾリルベンゼンスルホンアミド化合物の使用方法を公開する。そのような化合物は、痛み、発熱、関節疾患、外傷、関節炎、筋炎、腱炎、ウマ疝痛、乳腺炎、腹膜炎、皮膚状態、やけど、歯肉炎、過敏性、結膜炎、眼の炎症、腫れ物、及び心筋虚血の治療に有効といわれる。
【0010】
国際特許公開第WO02/22107号は、酸化生成物のレベルを増加させるよう修飾されている液体担体中に1以上の生物活性物質を含む組成物であって、当該生物活性物質が抗感染症薬、抗新形成剤、免疫賦活剤、解熱剤、鎮痛薬、及び抗炎症薬(例えば、COX−2阻害剤)を含む組成物を公開する。そのような組成物は、非経口(例えば、皮下、乳房内、静脈内、腹腔内又は筋肉内)、局所、膣内、口腔、又は直腸ルートによって投与され得る。
【0011】
国際特許公開第WO02/006825号は、非水溶性担体中の1以上の生理活性成分であって、その組成物が約0.2及び約0.5の間の水分活性を有するよう調節されたものを公開する。投与の非経口、局所、口腔、膣内、直腸、及び乳房内ルートが提案されている。抗感染症薬、抗新形成剤、免疫賦活剤、解熱剤、鎮痛薬、及び抗炎症薬(例えば、COX−2阻害剤)が、生物活性物質として記載されている。
【0012】
国際特許公開第WO99/20259号は、炎症状態に関連する感染治療のための動物薬において使用されるチアンフェニコールとジクロフェナクの組み合わせを公開する。
【0013】
国際特許公開第WO01/60409号は、治療薬、ヒュームドシリカ、粘度調整剤、及び親水性媒体を含むペースト組成物であって、当該治療薬が、殺虫剤、ダニ駆除剤、虫下し、抗生物質、成長賦活剤、油溶性非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、アベルメクチン、ミルベマイシン、nordulisporic acid、エストロゲン、プロゲスチン、フェニルピアゾール、置換ピリジルメチル誘導体、及びCOX−2阻害剤から選択されるものを公開する。投与の経口、局所、皮膚及び皮下ルートが当該ペースト組成物のために企図されている。そのような組成物は、肺炎、乳腺炎、子宮筋層炎、鼻炎、及び気管支炎のような疾病の治療において獣医診療において適当されるといわれる。
【0014】
米国特許出願公開第2002/0032228号は、下痢性疾患、百日咳、炭疸病、平滑筋収縮状態、及び乳腺炎の治療のための、例えば、ジフェニルヘテロ環誘導体のような化合物を含むヘテロ環の使用を公開する。セレコキシブ及びロフェコキシブが、好ましいジフェニルヘテロ環誘導体として記載されている。
【0015】
Gattefossee CorpolationのLabrafil製品パンフレット(Notise OL 0050/第5版)は、三半規管におけるLabrafilTMM−1944CSの特徴を論ずるValette(1957)による論文からの抜粋を含む。当該論文は、ウシの乳首の中にゲンチアナバイオレットで混合したLabrafilTMM−1944CSを注入することに関連する実験を記載する。LabrafilTMは、哺乳類の柔組織セクションの全表面を湿らせ、乳房後方のガングリオンに到達することが示された。
【0016】
Pharmaceutical Research 12(6),857〜868におけるGao et al.による2つの論文、“生分解性及び注入用ゲル処方からの避妊ステロイド剤の放出制御:試験管内評価”及び“生分解性及び注入用ゲル処方からの避妊ステロイド剤の放出制御:生体内評価”は、レボノルゲストレル、LabrafilTMM−1944CS、及びパルミトステアリン酸グリセリルを含むゲルの製造を記載する。
【0017】
耳の障害は、米国の子供の間で最も頻繁な疾病として一般的な風邪に続き第2位にある。たいていの耳の障害は、感染、アレルギー反応、耳への外傷に応答する痛む炎症である。耳の感染は、おそらく細菌、真菌、ウイルス性のものであり、正確な病因論の確定は、原因生物がしばしば単離及び培養が困難なため、現実的ではない。外耳炎(外耳の感染)、中耳炎(中耳の炎症)、及び耳漏(流出の影響で鼓膜が破れる中耳炎)は、最も流行っている耳の障害である。
【0018】
外耳三半規管の一部に関与する外耳炎は、高温多湿の天候において主に生ずる一般的な耳鼻科の問題であり、泳がない人に比べて泳ぐ人に生ずる頻度は5倍以上である。初期段階において、症状は、耳の三半規管の痒さと痛み、及び外部の耳管周辺に圧力を加えるときの圧痛を包含し、耳たぶが引っ張られ又はあごが動かされる。最終段階では、耳の三半規管において化膿が生じ、聴力が減衰し得る。外耳炎の場合の90%超は、細菌及び真菌の感染によるものである。
【0019】
病態は、組織表面、特に上皮表面組織、の気/液境界面の表面張力の変化に起因し、またこれを生じさせ得る。外部耳管は、上皮組織に沿っている。外部の耳管に沿って上皮組織上に通常分泌される耳垢の浸出液は、それに、特に高い表面張力を付与する。炎症性副生成物は、そのような表面張力をさらに増加させ得る。増加した表面張力は、耳炎の症状及び治療の双方における重要な要因となる。さらに、管の閉塞がない場合にさえ、外側の耳の三半規管の上皮層に存在する増加した表面張力は、治療物質の均一及び/又は有効な使用を阻害しがちである。
【0020】
過去において、外耳炎は、消炎作用はもとより抗菌作用も証明する治療物質の局所使用で治療されていた。例えば、硫酸ネオマイシン、硫酸コリスチン、ポリミキシンB、又はそれらの混合物といった実際に全て広いスペクトルをもつ抗細菌物質を含む、広いスペクトルの局所的に有効な抗生物質の耳の懸濁液は、病原細菌の破壊に有用である。局所的に作用する抗真菌薬、例えばナイスチン及びクロトリマゾールは、潜在的な真菌疾患の破壊に使用される。加えて、抗ウイルス性物質アシクロビルは、帯状疱疹を含むウイルス性外耳炎の治療に役立つ。
【0021】
上記の局所的に活性のある懸濁液中にしばしば含まれる、例えば、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、及びデキサメタゾンリン酸ナトリウムを含む抗炎症剤は、外耳炎の炎症過程のコントロールに使用されている。ほとんどの場合、抗菌及び抗炎症剤は、炎症過程自体のみでなく原因となり引き金となる疾病、例えば細菌性感染の治療のために組み合わせて利用される。それらもまた、ほとんどの場合、影響を受ける耳への局所性投与のために液滴形式における懸濁液として投与される。外側の耳の三半規管の上皮層へのそのような投薬のより均一なデリバリーを強化し提供するために、綿のような吸収材料を原料とした芯が、耳の三半規管の中に懸濁液を引き込むのに有用である。しかしながら、外耳炎の化膿した状態で存在する浸出液及び事実上全ての炎症状態において存在する耳垢に起因する高い表面張力は、外側の耳管を通じてのそのような投薬の均一な分配を妨げる。
【0022】
最も一般的な耳の障害である中耳炎は、米国において、聴力の低下の主要原因となっており、幼児期学習過程に干渉する重大な能力障害を提示する。Estrada(1997),Infect,Med.14(3),239−244を参照のこと。中耳炎は、毎年小児科医を訪れる幼児の35%以上を占め、このことは毎年の米国医療コストの35億ドル以上を意味する。
【0023】
中耳炎のエピソードの間、管の内腔の上皮層上に位置する気/液境界面に存在する相対的に高い表面張力は、このチャンネルを開くために要求される開口圧力を増加する。
【0024】
典型的には、中耳炎のような耳の感染症は、抗生物質治療によって治療される。The Merck Manual,第17版(1999),第7節、第84章を参照のこと。抗生物質の全身投与は、一般的に高い初期投与が要求され、耳において治療レベルに達するまでにかなりのタイムラグがある。非経口又は経口ルートを経由する薬の全身投与は、結局はエウスタキオ管及び中耳に届くのであるが、全身性副作用を示すかもしれず、さらに重要なことには、真に必要である適用薬の濃縮投与量を標的組織に直接的にデリバリーしようとするときは、特に有効というわけではない。同時に、直接的な薬の適用は、中耳の密閉室構造により難しい。
【0025】
医薬として認容される媒体中に配合された抗菌物質及び抗炎症剤の混合物は、以下に各々列挙したものを含む様々な特許及び刊行物において、耳への局所使用について提案されている。
【0026】
Cagleらに付与された米国特許番号第6,395,746号。
【0027】
Cagleらに付与された米国特許番号第6,440,964号。
【0028】
Cagleらに付与された米国特許番号第6,509,327号。
【0029】
Bergaminiらに付与された米国特許番号第5,679,665号。
【0030】
Purwar & Goldmanに付与された米国特許番号第5,965,549号。
【0031】
米国特許出願公開第2001/0049366号。
【0032】
米国特許出願公開第2002/0142999号。
【0033】
米国特許出願公開第2002/0044920号は、ステロイド、抗炎症化合物(例えば、NSAID又はCOX−2阻害剤としても知られる非ステロイド系抗炎症薬)、細胞毒性化合物、抗腫瘍性代謝物、又は2次抗リウマチ薬とともにTNF抑制因子及びピリミジン合成阻害剤を投与することによる免疫介在性耳疾患の治療を公開する。
【0034】
米国特許出願公開第2002/0076383号は、外部の耳管を通してのエアロゾルとしての組成物であって、当該組成物が上皮組織層で空気/液表面の低い表面張力において有効な量の脂質表面活性剤、展着剤及び推進剤を含み、当該展着物が脂質、ステロール、脂肪酸、コレステロール・エステル、リン脂質、炭水化物、及び蛋白質であり全てが粉末形なものからなる群より選択されたものの投与を公開する。当該組成物は、外耳炎の発症に対し抵抗力を提供すると同時に、外部の耳管の開通性を増加するといわれる。
【0035】
米国特許出願公開第2002/0064503号は、外部の気道を通じてのエアロゾルとしての組成物であり、当該組成物が上皮組織層で空気/液表面の低い表面張力において有効な量の脂質表面活性剤及び展着剤を含み、当該展着物がステロール、脂質、脂肪酸、コレステロール・エステル、リン脂質、炭水化物、及び蛋白質であり全てが粉末形なものからなる群より選択されたものの投与を公開する。当該組成物は、エウスタキオ管の内腔の開通性及び均圧性能を増加させるといわれる。
【0036】
点耳法は、例えば以下に挙げる各々の特許及び刊行物において、選択的COX−2阻害剤の処方タイプとして想定されている。
【0037】
米国特許出願第2001/0041726号。
【0038】
米国特許出願第2001/0053764号。
【0039】
米国特許出願第2002/0010146号。
【0040】
米国特許出願第2002/0013318号。
【0041】
Blackらに付与された米国特許番号第6,307,047号。
【0042】
Adamsらに付与された米国特許番号第6,329,526号。
【0043】
上記全ての特許及び刊行物は、参考文献によってここに組み入れられている。
【0044】
耳の障害の原因の理解が進む最近の進歩にもかかわらず、それらは、ほとんど防ぐことのできないままであり、有効に治療することが困難である。それゆえ、耳の疾患及び関連する合併症の予防及び治療についての有効な方法及び組成物の提供が有用となる。
【0045】
耳の疾患の治療のための耳への投与のための組成物としてのみでなく、乳産生動物における乳腺炎の治療及び予防のための乳房内投与を目的とする組成物のための最も一般的に使用される包装容器及びデリバリー装置は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど及びそれらの混合物のような、酸素透過性プラスチック材料で構築される。もし組成物が、例えば酸化的分解反応する傾向にある活性化薬物又は賦形剤の成分を含むならば、抗乳腺炎組成物として及び耳の疾患の治療及び予防のための組成物としての酸素透過性包装容器及びデリバリー装置は、そこに含まれる組成物の長期間の化学的及び/又は物理的安定性についての重要な問題をもたらす。
【0046】
上記参考文献は、乳腺炎の治療のための又は耳の疾患の治療のための多くの組成物を公開するが、酸素透過性容器において包装された組成物であり、当該組成物が酸化的分解反応の傾向のある医薬的活性物質及び/又は賦形剤の拡張した化学的及び/又は物理的安定性の提供の問題について何ら解決していない。上記教示にもかかわらず、以下に記す乳腺炎の治療又は耳の疾患の予防において使用される組成物についての先行技術を越えた利点の1以上を有する医薬組成物の、本分野における必要性が未だ存在する:(a)組成物が酸素透過性容器及びデリバリー装置の中にパッケージされ、特に当該組成物が酸化的分解反応する傾向にある医薬的に活性化した物質又は賦形剤であるときでさえ、拡張された化学的及び/又は物理的安定性、(b)乳腺炎の又は耳の疾患の炎症性成分の安全で有効な治療、(c)乳腺炎又は耳の疾患に関連した痛み、炎症、浮腫、発熱、及び腫れ物安全で有効な治療、(d)当該組成物の投与後、最小限の炎症もないこと、(e)炎症部分において有効な治療レベルに速く達するための、乳及び乳房液体における抗乳腺炎組成物の高速分散、(f)炎症部分において有効な治療レベルに速く達するための、耳のろう様の湿潤環境における耳の組成物の高速分散、(g)耳管の開通性が増加したときの、上皮組織の気/液境界面の表面張力の低下、及び(h)耳の炎症した粘膜のための保護皮膜。
【発明の開示】
【0047】
本発明の要約
今般、上記有利な特性の内のいくつか又は全て有する、新規治療方法及び医薬組成物が、開発された。特に、例えば乳産生動物の乳房又はヒト被験者又は動物被対象物の耳といった自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の新規治療及び/又は予防方法を提供する。当該方法は、自然の外面開口部を経由する当該器官への抗炎症剤の投与、及びこれとの併用療法におけるここに定義する第2の剤の投与を含む。抗炎症剤は、上記組成物に加えて、(a)水分散性及びエタノール分散性の両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む医薬組成物として投与される。
【0048】
水溶性媒体と接触する位置に置かれるとき、そのような組成物は低表面張力を有する。理論に拘束されないが、この低表面張力が、耳のよりろう様で湿潤な環境においてだけでなく乳のような乳房液体においても速い分散をもたらすと信じられる。したがって、本発明の好ましい方法において、液体含有器官への投与で、当該組成物は液体において分散する。
【0049】
本発明の当該方法における使用としての好ましい抗炎症剤は、選択的COX−2阻害剤である。
【0050】
当該方法は、例えば、乳腺炎又は乳産生動物における乳房の他の疾病の治療のためのそのような組成物の乳房内注入、又は耳の疾患の治療及び/又は予防のためのそのような組成物の耳への注入を含み得、多種多様な感染微生物に関連し得る炎症性疾患の多岐にわたって有効である。本明細書における用語”注入”は、液組成が、かかった時間にかかわらず、例えば、乳房内注入の場合の乳頭管又は耳への注入の場合の外部耳管といった、外面開口部を経由して液体含有器官に流れることを引き起こすいかなる実施をも包含する。本明細書における“注入(infusion)”と“注射(injection)”は、実質的に同意語である。例えば、当該組成物は、乳頭管の外面開口部の中に乳腺炎用注射器のカニューレノズルを挿入することによって及び乳房の中にノズルを通じて組成物を注入することによって乳房内に投与され得る。
【0051】
もう1つの態様において、例えば、選択的COX−2阻害剤といった抗炎症剤は、第2の剤と共に併用療法において投与される。当該第2の剤は、乳腺炎又は耳の疾患の治療において有用ないかなる治療効果のある活性物質にもなり得る。そのような第2の剤は、抗菌物質、抗新形成剤、麻酔薬、ナトリウムチャネルブロッカー、解熱薬、鎮痛薬、抗浮腫薬など、及びその混合物を非制限的に含む。
【0052】
当該第2の剤は、抗炎症剤の投与ルート以外のルートによって投与され得る。あるいは、両物質は同様のルートで、すなわち、例えば、乳房の場合の乳頭管又は耳の場合における耳管といった器官の外面開口部経由で投与され得る。同様のルートによって投与された場合、両物質は、上記のような媒体を含む液組成の形式で乳房内又は耳への注入によって投与されることが好ましい。抗炎症剤及び第2の剤は、両物質を含む1つの組成物において投与されることが特に好ましい。
【0053】
したがって、(a)水分散性及びエタノール分散性の両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む医薬的組成物がさらに製造される。当該媒体は、抗炎症効果のある量において、その中の抗炎症剤、例えば選択的COX−2阻害剤を安定して分散する。
【0054】
ある態様において、組成物中の抗炎症剤及び/又は賦形剤は、酸化的分解反応をする傾向があり、当該組成物は、酸素透過性壁を有する容器又はデリバリー装置においてパッケージされたとき、拡張された化学的及び/又は物理的安定性を示す。
【0055】
新規組成物は液体中で低表面張力を有し、それゆえ、従来の油性製剤に比べて、乳及び乳房の液体における当該組成物の分散が増加する。このことは、乳房を通じた高速分散を結果的にもたらし、それゆえ、抗炎症剤及び/又は第2の剤の炎症組織への速い到着及び炎症部分における薬物の有効なレベルの提供を許す。液体中の組成物の表面張力は、油/乳又は油/乳房の液体の境界面を横断するための組成物における懸濁粒子として必要なエネルギーばかりでなく、液体における当該組成物の分散及び拡散に必要なエネルギーも決定する。
【0056】
当該組成物の低表面張力は、従来の組成物と比較して耳のろう様湿潤環境における組成物の分散をも増加させる。粘膜及び耳の三半規管のろう状物質を含む脂質の至る所へのその結果としての組成物の高速分配は、抗炎症剤及び/又は第2の剤の炎症組織への速い到着及び炎症部分における薬物の有効なレベルの提供を許す。そのような組成物は、耳の炎症した粘膜についての保護皮膜をも産生し得る。
【0057】
好ましくは、当該方法又は組成物は、乳房の又は耳の疾患の炎症要素について有効な治療を提供する。好ましくは、当該方法又は組成物は、痛み、炎症、腫れ物、浮腫、及び/又はそのような疾患に関連する発熱の有効な治療及び/又は予防を提供する。
【0058】
乳房内注入によって投与されたとき、例えば乳腺炎の治療の場合、好ましい方法及び組成物は、追加の利点を有している。例えば好ましい方法は、適度に短いミルクアウト時間を可能とする。泌乳牛についてのミルクアウト時間は、乳腺炎治療の投与から売り物となる乳の産生再開までの時間帯である。そのような投与に続いて、乳における活性化物質の濃縮は、食用として適しているとみなされる前は、適した取り締まり機関に受け入れられるレベルまで落とさなければならない。適度に短いミルクアウト時間は、乳腺炎の発生によって引き起こされる酪農家に対する金銭的損失を削減する。
【0059】
好ましい方法は、子孫に活性化物質残留物を与えることがない、乳が出なくなったウシの乳腺炎治療後の、出産後の安い乳の差し控え期間を可能とする。
【0060】
あるいは又はさらに、好ましい方法は、乳腺炎治療後、0日での食肉処理肉回収期間を可能とする。治療後一定期間ウシに餌を与えて育てることを要求されるよりもむしろ、農業経営者が、治療されたウシを処分することが財政的に有利であるときはいつでも、そうすることを可能とするので、この特性は特に重要である。
【0061】
例えば、炎症要素を有する耳の感染型疾患の治療において、耳への注入によって投与されたとき、好ましい方法及び組成物は追加の利点を有する。例えば、好ましい方法は、耳管の開通性を増加させ、それゆえ、音の病気に対する妨害を緩和する。
【0062】
あるいは又はさらに、好ましい方法は、水中又は水上の毒、刺激物、及び抗原性物質の悪影響に対して抵抗し、耳の疾患の予防を助長する、耳上皮層の被覆を提供する。
【0063】
乳房内への使用であれ耳への使用であれ、本発明の方法及び組成物の更なる利点は、炎症部分に対する少なくとも抗炎症剤の標的化デリバリーを可能とすることである。本発明の組成物が、抗炎症剤及び本明細書における第2の剤の両方を含み使用されるとき、両物質の標的化デリバリーは、感染及び/又は炎症の部位へ供給される。
【0064】
好ましい組成物の更なる利点は、乳房内投与であれ耳への投与であれ、投与後最小限で全く炎症の無い状態とすることである。
【0065】
本発明の組成物の更なる利点は、従来の油性及び水溶性組成物と比較したとき、例えば改良された組成物再懸濁性により、改良された物理的安定性である。本発明の組成物は、ある薬物の凝集を引き起こすことが示され、それゆえ、再懸濁性を改良し、懸濁凝結性及び通常の効力より弱い又は全く効果の無い薬の起こり得るデリバリーの問題を回避した。
【0066】
本発明の医薬組成物の製造方法が提供される。当該方法は、いかなる順番でも、水分散性及びエタノール不溶性の両親媒性油、微晶ワックス、医薬として認容される非水溶性担体、及び例えば選択的COX−2阻害剤のような抗炎症剤を混和して当該組成物を製造することを含み、そのような組成物は、好ましくは、本明細書に記載される拡張した化学的及び/又は物理的安定性を有する。
【0067】
本発明は、それゆえ、当該技術分野におけるいくつかの長年にわたる問題の解決手段を提供し、従来の方法及び組成物を越えた1つの又は複数の利点を持つ。本発明のその他の特徴、利点、及び利益は、以下の記載から明らかとなるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
本発明の詳細な説明
本発明は、自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の治療及び/又は予防方法であって、当該方法は、抗炎症として有効な量の抗炎症剤、及び(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性の油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む媒体を含む医薬的組成物の形式で、当該外面開口部を経由して器官に抗炎症剤を投与することを含む、を提供する。本発明は、自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の治療又は予防のための薬物の製造における本発明の組成物の使用も提供する。本発明は、さらに自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の治療又は予防方法における使用のための組成物を提供する。
【0069】
当該方法は、感染状態に付随する炎症の治療及び/又は予防において特に役立つ。本明細書における“感染状態”とは、疾病、疾患又は病原菌によって仲介される状態又はさもなければ抗生物質のような抗菌物質での治療に応答する状態を含む。
【0070】
“抗炎症剤”を含む組成物及びそれに関する方法についての本明細書に記載の参考文献は、複数の抗炎症剤が使用されている点における、そのような方法及び組成物を包含することが理解されるであろう。さらに、抗炎症剤以外の複数の治療的活性化物質は、本明細書における“第2の剤”を形成する場合もあり得る。
【0071】
本明細書における用語“抗炎症として有効な量”とは、本発明における方法によって投与されたとき、治療された炎症状態の1以上の症状の軽減、救済、予防、又は遅らせるのに十分な抗炎症剤の量をいう。本明細書における用語“治療的に有効な量”とは、本発明における方法によって投与されたとき、治療された炎症状態の1以上の症状の軽減、救済、予防、又は遅らせるのに十分な活性化物質の量、又は病原体の量及び/又は活性を低減するのに十分な活性化物質の量をいう。用語“それぞれの治療的に有効な量において”とは、本発明の方法に従って併用療法において投与したとき、抗炎症剤の量及び第2の剤の量が、抗炎症効果及び抗菌、麻酔、ナトリウムチャネルブロッカー、抗浮腫、抗腫瘍、及び/又は解熱効果から選択された効果の両方を提供するのに十分であることを意味する。そのような量は、単剤治療において使用したときに治療的に有効である抗炎症剤の量又は第2の剤の量と同量か、以上か、未満となり得る。
【0072】
本明細書に想定されているような液体含有器官は、乳器、例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジのような乳産生動物の乳房を含む。“乳産生動物”は、いかなる哺乳類種においても雌であり得るが、好ましくは、例えば、ヤギ又はヒツジといった乳を製造するために飼育されている動物であり、炎症状態及び/又は感染状態において、又は治療状態において乳を分泌するかしないかにかかわらずそのような動物を包含する。乳器の自然な外面開口部は、乳頭管の開口部をいう。液体含有器官は、ヒト及び動物対象の耳も含む。耳の自然の外面開口部は、外部耳管の開口部である。
【0073】
本発明は、自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の治療方法をさらに提供し、当該方法は、外面開口部を経由した当該器官への抗炎症剤の投与及び各治療的に有効な量における本明細書に定義されるような第2の剤との併用療法における投与を含み;当該抗炎症剤は、上述の物質及び(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性の油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体からなる媒体を含む医薬の組成物として投与される。
【0074】
本明細書における用語“併用治療”とは、当該抗炎症剤及び第2の剤が、これらの治療物質の相互作用から有益な効果を提供するように個別に又は共に投与する、治療計画を意味する。そのような有益な効果は、治療物質の薬物動態的又は薬理学的な相互作用を非制限的に含み得る。併用療法は、例えば、単剤療法の間に通常投与されるよりも、1つ又は両方の物質の低い投与量を可能にし得、それゆえ、高い投与量に関連した副作用のリスク又は事故を低減する。あるいは、併用療法は、単剤療法における各物質の通常の投与量において増加した治療的効果を導き得る。本明細書における“併用療法”は、付随的及び任意に結果として治療に続いて又は同時に起こるといった、分離した単剤療法計画の一部としての複数の治療物質の投与を包含することを目的としていない。
【0075】
抗炎症剤及び第2の剤の投与は、典型的には所定の期間にわたり実行される(通常は、選択した併用に依存して数分、数時間、数日、又は数週間)。これらの治療物質は、逐次的方法で、すなわち、典型的には約24時間以下、離れた異なる時機に、又は実質的に同時に投与され得る。
【0076】
同時に投与されるとき、当該抗炎症剤及び第2の剤は、分離投薬形態において、又は共通の製剤、すなわち、単独投薬形態において投与され得る。当該2つの物質が逐次的又は分離投薬形態において投与されたとき、当該第2の剤は、いかなるルート及びいかなる医薬として認容され得る投薬形態においても、例えば、抗炎症剤のために使用した以外のルート及び/又は投薬形態においても投与され得る。あるいは、抗炎症剤のような当該第2の剤は、(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体からなる媒体を含む媒体内で分散し得、液体含有器官の自然外面開口部を経由して投与され得る。好ましい態様において、両物質は、同じ媒体内において相互に分散され、単独の操作で投与される。
【0077】
好ましい第2の剤は、医薬的に認容され得る媒体中に配合され、抗炎症剤及び第2の剤の両方は、例えば、乳房内及び耳の注入といった器官を含む同様の液体の中に投与される。医薬として認容され得る担体又は媒体は、本明細書において要求される量における組成物の構成成分として投与されるとき、被験者に受け入れ難いほどの障害作用や毒作用の全く無いものである。そのような担体又は媒体の賦形剤成分が、組成物におけるもう1つの賦形剤又は治療用物質と共に有害な方法において反応を示すことは全くない。
【0078】
抗炎症剤を含む医薬組成物は、本明細書の記載のように媒体中分散した上記物質を有する、液体の注射可能な又は注入可能な組成物である。本明細書における用語“分散”とは、溶解(すなわち分子的分散)又は例えば乳化及び懸濁液といったコロイド状の分散を意味する。典型的に、当該抗炎症剤は、当該媒体において固体粒子形に懸濁される。
【0079】
当該媒体は、場合により追加の成分と共に3つの必須成分を含む。
【0080】
3つの必須成分の内1つは、水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性油である。“両親媒性油”は、明らかな極域及び明らかな非極域を伴った分子構造を有する物質として定義される。構造的に、両親媒性油のこれらの2つの領域は、2つの領域の特異的性質が明らかに分離するほど十分に遠く離れている。用語“エタノール不溶性”は、当該両親媒性油が20℃のエタノールにおいて本質的に不溶性であることを意味する。
【0081】
当該媒体の2つめの必須成分は、微晶質のワックスである。
【0082】
当該媒体の3つめの必須成分は、医薬として認容される非水溶性の担体である。そのような担体は、典型的に、下記にさらに十分に説明するように、油である。
【0083】
媒体成分の選択は、液体含有器官に投与する上で、当該液体において分散する組成物を提供する点で重要である。理論に拘束されないが、当該器官の液体におけるそのような分散は、当該器官における炎症部分に対する、抗炎症剤、及び場合によっては第2の剤の標的化デリバリーをもたらすと信じられている。
【0084】
本発明の方法が乳頭管を経由する乳房への組成物の注射又は注入を含む場合、当該方法は、乳腺炎、その他の乳房の疾病及び/又は乳房の疾病に関連する状態の有効な治療を提供し得る。“乳房内注入”は、関係する時間にかかわらず、液組成物が乳頭管を経由して乳房内に流れるようにする手術である。本明細書において、“注入(infusion)”と“注射(ingection)”は、実質的に同義語である。
【0085】
本発明の方法が外部耳管を経由する耳への注射又は注入を含む場合、“耳への注入”として記載される本明細書における方法は、関係する時間にかかわらず、耳の疾病の有効な治療及び/又は予防及び/又はそれとともに関連する合併症を提供し得る。そのような耳の疾病又はそれとともに関連する合併症に苦しむ対象は、人間、ペット、ウマ、農業家畜などである。そのような耳の疾病の例は、外耳炎(外耳の感染)、中耳炎(中耳の感染)、中耳炎の急性型、分泌型、漿液型、慢性型を含む、耳漏(破れた鼓膜が流出を引き起こす中耳炎)、急性乳突炎、耳の外科的処置に関する感染症(鼓膜切開術など)、耳硬化症、耳痛、耳の痛み、耳の炎症、耳の出血、レルモワイエ症候群、メニエール病、前庭ニューロン炎、良性発作性頭位めまい症、耳帯状疱疹、ラムジーハント症候群、ウイルス性ニューロン炎、神経節炎、膝状のヘルペス、化膿性の迷路炎及びウイルス性の内リンパ迷路炎を含む迷路炎、外リンパろう、老年性難聴、薬物性耳毒性、聴神経腫、航空性中耳炎、感染性鼓膜炎、水疱性鼓膜炎、耳新生物、扁平上皮癌、基底細胞癌、他の耳の癌、前癌の耳の状態、非クロム親和性パラガングリオーマ、非クロム親和性傍神経節腫、頚静脈グロムス腫瘍、鼓室型グロムス腫瘍、軟骨膜炎、耳の湿疹様皮膚炎、悪性外耳道炎、軟骨膜下血腫、耳垢腺腫瘍、嵌入した耳垢、皮脂嚢胞、骨腫、ケロイド、耳鳴、めまい、鼓膜感染症、鼓膜炎、耳のフルンケル、錐体尖炎、伝音及び感音難聴、鼓膜外膿腫、横静脈洞血栓症、硬膜下蓄膿症、耳性水頭症、ダンディー症候群、水疱性鼓膜炎、散在外耳炎、異物、閉塞性角化症、耳真菌症、外傷、急性気圧性中耳炎、急性エウスタキオ管閉塞症、上記感染の内いくつかに関連する合併症(聴力損失、脳膿瘍、発熱、コレステリン腫、中耳及び内耳の石灰化、破れた鼓膜、髄膜炎、顔面筋麻痺などのような)、手術後の耳痛などを非制限的に含む。
【0086】
本発明の方法は、外耳炎、耳漏、及び耳の外科的処置に関連する炎症部分を有する感染の治療に特に適している。
【0087】
1つの態様における耳の疾病は、新生組織形成である。そのような新生組織形成の例は、耳の新生組織形成、扁平上皮癌、基底細胞腫、悪性外耳炎、非クロム親和性傍神経節腫、悪性頸静脈、悪性鼓室球腫瘍、癌の前の耳の状態などを非制限的に含む。
【0088】
第2の剤と抗炎症剤の併用治療は、どちらかの物質だけの投与と比べて機能が強化された治療法の選択肢を提供する。上記のように、当該抗炎症剤は、(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む媒体中で分散され、例えば、乳房内又は耳への注入によって投与され、一方、当該第2の剤は、できうる限り早い放出又は持続する放出の医薬的投薬形態で処方される。第2の剤の適した投薬形態は、懸濁、溶液、乳化、タブレット、カプセル、錠剤、粉、顆粒、エリキシル剤、チンキ剤、シロップ、トローチ剤、糖衣錠、ゲル、軟膏、広げられるペースト、スラリー、エアゾールスプレー、点耳、点鼻薬法、点眼薬、坐薬、移植(インプラント)などを非制限的に含み、口の周囲及び口内を含む経口であり、例えば、舌下、口腔など;非経口であり、例えば、筋肉内、皮下、静脈、腹腔内、関節内、皮内、髄腔内、胸骨内、髄内、滑液嚢内、鞘内、心臓内、脳室内、関節包内、頭蓋内など;乳房内、局所的、経皮的、鼻腔内、耳、粘膜、直腸、膣内、肺などを非制限的に含むいかなるルートをも経由して投与され得る。
【0089】
場合によっては、上記の治療的物質の投与は、他の生理活性物質及び非薬物療法とさらに組み合わせて行われる。
【0090】
本発明の全態様において、少なくとも抗炎症剤は、局所的に投与されている。そのような局所的投与の利点は、筋肉内、皮下、及び経口ルートのような他の投与ルートと比較して、抗炎症剤がその作用部位へ優先的に導かれ、治療作用のより速い開始及び炎症部位へのより完全なデリバリーを導くことである。局所的投与は、得られる効果のための総薬用量を減少することができ、肝臓の初回通過効果を避けることができる。加えて、局所的投与は、感染部位以外の部位で、副次的効果、特に活性化物質と関連するものを減少又は除去する。活性化物質の局所的投与は、一般毒性を減らし望まれない全身的効果を最小限とすることによって、治療指数を改良することもできる。治療指数は、治療的有効量と薬物中毒量の間の差益の指標であり、典型的に、LD50(母集団の50%の致死量)対ED50(母集団の50%の治療的有効量)の比として表される。
【0091】
本発明は、さらなる態様として、乳房内及び/又は耳への注入に適合し、(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性の油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む媒体であり;抗炎症効果量において、例えば選択的COX−2阻害剤といった、その中の抗炎症剤を安定して分散する当該媒体を含む医薬的組成物を提供する。
【0092】
好ましいそのような組成物は、耳管の開通性を増加するために、耳の疾患に関連する上皮組織の気/液境界面の高い表面張力を下げる。上皮層の気/液境界面の表面張力における減少は、液体貯留を最小限にし得、場合によっては、そこの表面張力を上昇させることによって管に保持される液体の排出を可能とし、及び/又は耳管の上皮壁の隣接面と反対面の分離を許し(しばしば組織の表面張力を上昇させることにより距離が縮まる)、その結果音の伝導が改善される。本明細書における用語“開通性の増加”は、利用できる導管を形作るための耳管の開口、及び閉塞の減少又は除去をいう。音の伝導の妨害は、音量の低減、炎症の結果としての上皮壁の腫れに起因する耳管の部分的閉塞又は完全閉塞、その結果分泌された耳垢の増加した量の蓄積、及び/又は免疫応答の廃棄物又は外因性の水を含む液体を含むその後の液体の堆積に起因する。
【0093】
特に本発明の態様において、組成物の構成要素(抗炎症剤及び/又は第2の剤及び/又は賦形剤の要素)は、酸化的分解反応される傾向にある。そのような組成物は、酸素透過性容器又はデリバリー装置にパッケージされているときでさえ、拡張された化学的及び/又は物理的安定性を示す。本明細書における用語“拡張された化学的及び/又は物理的安定性”は、本明細書における態様の組成物は、同濃度における同薬物を含む標準組成物より優れた化学的及び/又は物理的安定性を有することを意味する。本明細書における“標準組成物”とは、両親媒性油及び微晶質のワックスの内1つ又は両方を欠如しているが、他の点では本発明の組成物と似ている組成物を意味する。
【0094】
酸素透過性容器又はデリバリー装置は、いかなる適した熱可塑性プラスチック材料からも作られ得る。そのような材料の例は、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、及び特にポリオレフィンのポリマー及びコポリマーを非制限的に含む。ポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソプレン、ポリペンテン、そのコポリマー及びその混合物を含む。
【0095】
乳房内投与の組成物は、一般的に、乳頭管を経由して乳腺の中に直接組成物を押し出すことを可能とする、乳頭の中への挿入のためのカニューレノズルを提供する注射器にパッケージされている。乳房内懸濁製剤は、カニューレノズルに薬物の一部が沈殿することを避けるため、一般的に肥厚した媒体で製造されるが、ノズルに栓をすることを引き起こし、組成物の不完全な放出の結果となる。
【0096】
本明細書における抗炎症剤は、鎮痛作用及び解熱作用の内の1つ又は双方、加えて抗炎症活性を有し得る。本明細書における“抗炎症剤”とは、第1に鎮痛薬及び解熱薬であるが、第2に抗炎症活性を有する化合物を包含する。本明細書において使用される抗炎症剤の例は、アセクロフェナク、アセメタシン、e−アセトアミドカプロン酸、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチル酸(アスピリン)、S−アデノシルメチオニン、アルクロフェナク、アルクロメタゾン、アルフェンタニル、アルゲストン、アリルプロジン、アルミノプロフェン、アルオキシピリン、アルファプロジン、ビス(アセチルサリチル酸)アルミニウム、アムシノニド、アンフェナク、アミノクロルテノキサゼン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、2−アミノ−4−ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、アミキセトリン、サリチル酸アンモニウム、アンピロキシカム、アムトルメチングアシル、アニレリジン、アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、ベクロメタゾン、ベンダザック、ベノリレ−ト(benorylate)、ベノキサプロフェン、ベンズピペリロン、ベンジダミン、ベンジルモルヒネ、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、ベジトラミド、α−ビサボロール、ブロムフェナク、p−ブロモアセトアニリド、
【0097】
5−ブロモサリチル酸アセテート、ブロモサリゲニン、ブセチン、ブクロクス酸、ブコローム、ブデソニド、ブフェキマク、ブマジゾン、ブプレノルフィン、ブタセチン(butacetin)、ブチブフェン、ブトルファノール、カルバマゼピン、カルビフェン、カルプロフェン、カルサラム、セレコキシブ、クロロブタノール、クロロプレドニゾン、クロルテノキサジン、コリン、トリサリチル酸マグネシウム、サリチル酸コリン、シンコフェン、シンメタシン、シンノキシカム(cinnoxicam)、シラマドール、クリダナク、クロベタゾール、クロコルトロン、クロメタシン、クロニタゼン、クロニキシン、クロピラク、クロプレドノール、クローブ、コデイン、コデインメチルブロマイド、リン酸コデイン、硫酸コデイン、コルチゾン、コルチバゾール、クロプロパミド、クロテタミド(crotethamide)、シクラゾシン、デフラザコート、デヒドロテストステロン、デラコキシブ、デソモルヒネ、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、デキソキサドロール、デキシトロモルアミド、デキストロプロポクシフェン、デゾシン、ジアモルフォン(diamorphone)、ジアンプロミド、ジクロフェナク、ジフェナミゾール、ジフェンピラミド(difenpiramide)、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルニサル、ジフルプレドナート、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート(dihydrocodeinone enol acetate)、
【0098】
リン酸ジヒドロコデイン(dihydrocodeine phosphate)、ジヒドロモルヒネ、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム(dihydroxyaluminum acetylsalicylate)、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、塩酸ジフェンヒドラミン、ジピパノン、ジプロセチル(diprocetyl)、ディピロン、ジタゾール、dl−マレイン酸クロルフェニラアミン、ドロキシカム、エモルファゾン、エンフェナム酸、エノキソロン、エピリゾール、エプタゾシン、エテルサラート、エテンザミド、エトヘプタジン、エトドラク、エトキサゼン(ethoxazene)、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトドラク、エトフェナマート、エトニタゼン、エトリコキシブ、オイゲノール、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロフェナク(fenchlofenac)、フェンクロズ酸、フェンドサール、フェノプロフェン、フェンタニル、フェンチアザク、フェプラジノール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルアザコルト、フルクロロニド(flucloronide)、フルフェナミン酸、フルメタゾン、フルニソリニド、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルオシノロンアセトミド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン(fluocortolone)、フルオレソン、
【0099】
フルオロメトロン、フルペロロン(fluperolone)、フルピルチン、フルプレドニデン(fluprednidene)、フルプレドニゾロン(fluprednisolone)、フルプロフェン、フルプロクァゾン、フルランドレノリド、フルルビプロフェン、フルチカゾン、フォルモコルタル(formocortal)、ホスホサール、フロフェナク、ゲンチジン酸、グラフェニン、グルカメタシン、サリチル酸グリコール、グアイアズレン、ハルシノニド、ハロベタソール、ハロメタゾン(halometasone)、ハロプレドノン(haloprednone)、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロコルタマート(hydrocortamate)、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロキサム、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラック、酢酸イソフルプレドン(isoflupredone)、イソラドール(isoladol)、イソメサドン、イソニキシン、イソキセパク、イソキシカム、ケトベミドン、ケトプロフェン、ケトラック、p−ラクトフェネチド(lactophenetide)、レフェタミンン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル−モルファン、ロフェンタニル、ロナゾラク、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リジン、塩化リゾチーム、マジプレドン(mazipredone)、
【0100】
メクロフェナム酸、メドリゾン、メフェナム酸、メロキシカム、メペリジン、メプレドニゾン(meprednisone)、メプタジノール、メサラミン、メタゾシン、メタドン、メトトリメプラジン、塩酸メチルエフェドリン、メチルプレドニゾロン、サリチル酸メチル、メチアジン酸、メトホリン、メトポン、ミロプロフェン、モフェブタゾン、モフェゾラク、モメタゾン、モラゾン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、サリチル酸モルホリン、マイロフィン(myrophine)、ナブメトン、ナルブフィン、ナロルフィン、1−ナフチルサリチル酸塩、ナプロキセン、ナルセイン、ネフォパム、ニコモルヒネ(nicomorphine)、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニメスリド、
【0101】
5’−ニトロ−2’−プロポキシアセトアニリド、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、ノスカピン、オルサラジン、アヘン、オキサセプロール、オキサメタシン、オキサプロジン、オキシピナク(oxipinac)、オキシコドン、オキシモルフォン、オキシフェンブタゾン、パパベレタム(papaveretum)、パラメタゾン、パラニリン(paranyline)、パレコキシブ、パルサルミド、ペンタゾシン、ペリソキサール、フェナセチン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、塩酸フェナゾピリジン、フェノコール(phenocoll)、フェノペリジン、フェノピラゾン(phenopyrazone)、アセチルサリチル酸フェニル、フェニルブタゾン、塩酸フェニルプロパノールアミン、サリチル酸フェニル、フェニラミドール、
【0102】
ピケトプロフェン、ピミノジン、ピペブゾン、ピペリロン、ピラゾラク、ピリトラミド、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プレドニカルベート(prednicarbate)、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニバル(prednival)、プレドニリデン(prednylidene)、プログルメタシン、プロヘプタジン、プロメドール(promedol)、プロパセタモール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、プロピフェナゾン、プロクアゾン、プロチジン酸、プロキオサゾール、ラミフェナゾン、レミフェンタニル、メチル硫酸リマゾリウム、ロフェコキシブ、サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、o−酢酸サリチルアミド、サリチル酸、サリチルスルホン酸、サルサラート、サルベリン、セラチオペプチダーゼ、シメトリド、スドキシカム、スフェンタニル、スルファサラジン、スリンダク、スーパーオキシドジスムターゼ、スプロフェン、スキシブゾン、タルニフルマート、テニダプ、テノキシカム、テロフェナマート、テトランドリン(tetrandrine)、チアゾリノブタゾン(thiazolinobutazone)、チアプロフェン酸、チアラミド、チリジン、チノリジン、チオピナク、チオキサプロフェン、チキソコルトル(tixocortol)、トルフェナム酸、トルメチン、トラマドール、トリアムシノロン、トロペシン(tropesin)、バルデコキシブ、ビミノール、キセンブシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、ジドメタシン、ゾメピラクなど、及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0103】
ある態様において、当該抗炎症剤はステロイドである。適したステロイドは、アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、ベタメタゾン17−吉草酸塩、クロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、クロコルトロン、コルチゾン、デヒドロテストステロン、デオキシコルチコステロン、デソニド、デソキシメタゾン(desoximetasone)、デキサメタゾン、デキサメタゾン21−イソニコチン酸、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、フルオロメトロン、フルランドレノリド、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロベタソール、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、ヒドロコルチゾンヘミスクシナート、ヒドロコルチゾン21−リジネート(lysinate)、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、イソフルプレドン(isoflupredone)、
【0104】
酢酸イソフルプレドン(isoflupredone)、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンスレプトナート(suleptnate)、モメタゾン、プレドニカルベイト、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロンヘミスクシナート、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムプレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロンなど、及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0105】
もう1つの態様において、当該抗炎症剤は、例えば、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルヒネ、デキシトロモルアミド、デキストロプロポクシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボファナシル−モルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、マイロフィン(myrophine)、ナルブフィン、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ(nicomorphine)、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム(papaveretum)、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール(promedol)、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドールなど、及びその組み合わせから選択された鎮痛薬である。
【0106】
さらにもう1つの態様において、当該抗炎症剤は、例えば、(サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、オルサラジン、サルサラート、スルファサラジンなどのような)サリチル酸誘導体、(インドメタシン、エトドラク、スリンダクなどのような)インドール及びインデン酢酸、{エトフェナム酸(etofenamic acid)、メクロフェナム酸、メフェナム酸、フルフェナミン酸、ニフルム酸、及びトルフェナム酸などのような}フェナマート(fenamates)、{アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク(fenchlofenac)、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、
【0107】
イソキセパック、ケトロラック、オキシピナク(oxipinac)、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、ゾメピラクなどのような}ヘテロアリル酢酸、{アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピプロフェン(piprofen)、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、チオキサプロフェンなどのような}アリル酢酸及びプロピオン酸の誘導体、{オキシカム誘導体である、アンピロキシカム、シンノキシカム(cinnoxicam)、ドロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、スドキシカム、及びテノキシカム、及びピラゾロン誘導体であるアミノピロン、アンチピリン、アパゾン、ジピロン、オキシフェンダブタゾン、フェニルブタゾンなどのような}エノール酸、(アセトアミノフェンのような)パラ−アミノフェノール誘導体、(ナブメトンなどのような)アルカノン、ニメスリバ、プロクァゾンなど、及びその組み合わせから選択されたNSAIDである。
【0108】
好ましい態様として、抗炎症剤は選択的COX−2阻害剤である。選択的COX−2は、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性を選択的に阻害する化合物である。用語“選択的COX−2阻害剤”及び“選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤”は、交互に、シクロオキシゲナーゼ−1の重要な阻害をせずにシクロオキシゲナーゼ酵素のイソ型COX−2を選択的に阻害する、治療用化合物として言及される。本明細書における用語“選択的COX−2阻害剤”は、生体内でCOX−1に対してCOX−2の選択的阻害を示す化合物に変わるプロドラッグ又は塩も言及する。好ましい選択的COX−2阻害剤は、少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約50、さらにより好ましくは少なくとも約100の選択的因子を示し、その場合“選択的因子”は、IC50(COX−1)/IC50(COX−2)と定義され、ここで、IC50は試験管内又は生体内の試験において酵素活性の50%阻害を作り出す化合物の濃度を示す。
【0109】
選択的COX−2阻害剤は、下記の化合物、その互変異性体、立体異性体、鏡像異性体、塩、水和物、プロドラッグ、及び組み合わせを非制限的に含む本発明に適用できる。本技術分野において知られる、そのようないかなる選択的COX−2阻害薬又はプロドラッグをも使用できる。
【0110】
本明細書において使用される好ましい選択的COX−2阻害薬は、式(I):
【化1】

{式中、Aは、部分的不飽和又は不飽和複素環又は炭素環、好ましくはピラゾリル基、フラノニル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、シクロペンテノニル基、及びピリダジノニル基から選択される複素環基から選択された置換基であり;
Xは、O、S又はCH2であり;
nは、0又は1であり;
1は、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールから選択された少なくとも1つの置換基であり、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ、及びアルキルチオから選択された1以上のラジカルで置換可能部位で場合によっては置換され;
2は、メチル、アミノ、又はアミノカルボニルアルキルであり;
3は、ヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロサイクリルオキシ(heterocyclyloxy)、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロサイクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ(aralkoxy)、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、アミノスルフォニル、アルキルアミノスルフォニル、N−アリールアミノスルフォニル、アリールスルフォニル、及びN−アルキル−N−アリールアミノスルフォニルから選択された1以上のラジカルであり、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ、及びアルキルチオから選択された1以上のラジカルで置換可能部位で場合によっては置換され;
4は、ヒドリド及びハロから選択される。}で表される化合物又はそのプロドラッグ又は医薬として認容される塩である。
【0111】
選択的COX−2阻害薬の特に好ましいグループは、以下の式(II):
【化2】

{式中、R5はメチル基又はアミノ基であり、R6はヒドロゲン基又はC1-4アルキル基又はアルコキシ基であり、X’はN又はCR7(R7がヒドロゲンかハロゲンである)であり、そしてYとZは、独立して、1以上の位置でオキソ基、ハロ基、メチル基又はハロメチル基で、場合によっては置換される5〜6員環の隣接した原子である炭素原子または窒素原子である。}で表される化合物又はその異性体、互変異性体、医薬的に認容され得る塩又はプロドラッグである。好ましいそのような5,6員環は、シクロペンテノン、フラノン、メチルピラゾール、イソキサゾール、及びわずか1箇所で置換されたピリジン環である。
【0112】
選択的COX−2阻害薬のさらに特に好まれるグループは、以下の式(III):
【化3】

{式中、X’’はO、S又はN−低アルキル基であり;R9はヒドロゲン又はハロゲン;R10はヒドロゲン、ハロゲン、低アルキル、低アルコキシ又はハロアルコキシ、低アラルキルカルボニル、低ジアルキルアミノスルフォニル、低アルキルアミノスルフォニル、低アラルキルアミノスルフォニル、低ヘテロアラルキルアミノスルフォニル、又は窒素含有5,6員ヘテロサイクロスルフォニルであり;R11及びR12は、独立したヒドロゲン、低アルキル、低アルコキシ又はアリールである。}で表される化合物;及びその医薬として認容される塩である。
【0113】
式(III)の特に有用な化合物は、(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシル酸である。
【0114】
選択的COX−2阻害薬のさらに特別好ましいグループは、5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸及びその誘導体である。このクラスの特別有用な化合物は、ルミラコキシブ及びその医薬として認容され得る塩である。
【0115】
例えば、セレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシル酸、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(2H)−ピリダジノン、4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(アベラコキシブとしても知られる。)、ベンジル−4−[(4−オキソピペリジン−1−イル)スルホニル]ピペリジン−4−カルボキシル酸tert−ブチル1、4−[5−(フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド及びその塩、さらに特にセレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ及びその塩、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、ベンジル−4−[(4−オキソピペリジン−1−イル)スルホニル]ピペリジン−4−カルボキシル酸tert−ブチル1、及び4−[5−(フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミドは、本発明における方法及び組成物において有用である。
【0116】
本発明の組成物において使用されるバルデコキシブは、例えば、Tallyらに付与された米国特許第5,633,272号において説明されているような、既知の方法によっても製造され得る。本発明の組成物において使用されるパレコキシブ及びその塩は、例えば、Tallyらに付与された米国特許第5,932,598号において説明されているような、既知の方法によっても製造され得る。本発明の組成物において使用されるロフェコキシブは、例えば、Ducharmeらに付与された米国特許第5,474,995号において説明されているような、既知の方法によっても製造され得る。本発明の組成物において使用されるエトリコキシブは、例えば、Ducharmeらに付与された国際特許公開第WO98/03484号において説明されているような、既知の方法によっても製造され得る。本発明の組成物において使用される2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オンは、例えば、欧州特許第0863134号において説明されているような、いかなる既知の方法によっても製造され得る。本発明の組成物において使用されるデラコキシブは、例えば、Talleyらに付与された米国特許第5,466,823号において説明されているような、既知の方法によっても製造され得る。本発明の組成物において使用される2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(2H)−ピリダジノンは、例えば、Ducharmeらに付与された国際特許公開第WO00/24719号において説明されているような、既知の方法によっても製造され得る。その他の選択的COX−2阻害薬は、そのような薬物を開示する特許公報において説明される方法を含む、既知の方法によっても製造され得る;例えば、セレコキシブの場合、上記の米国特許第5,466,823号又はZhiらに付与された米国特許第5,892,053号である。上記の全ての特許及び公報は、参考文献として本明細書に組み入れている。
【0117】
当該抗炎症剤が選択的COX−2阻害剤である場合において、本発明の組成物における好ましい濃度範囲は、約0.01〜約1000mg/mlであり、さらに好ましくは約0.1〜約750mg/mlであり、さらに好ましくは約5〜約250mg/mlである。選択的COX−2阻害剤以外の第2の剤について、適した濃度範囲は、公開されたデータによりいわゆる当業者によって決定される。
【0118】
特定の薬化合物についての本明細書におけるいかなる参考文献も、その互変異性体、立体異性体、鏡像異性体、塩、水和物、及び化合物のプロドラッグを含み、もし文中でそう要求していなくとも、当該薬のいずれかの固相形に特定されるものでないことを理解すべきである。
【0119】
ある態様において、選択的COX−2阻害剤と共に併用療法において投与される当該第2の剤は、抗菌物質である。本発明に従って使用に適し得る抗菌物質は、乳房の疾病及び/又はそれとともに関連する合併症の治療及び/又は予防に有効である物質も含む。適した抗菌物質は、{ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、コキサシリン(coxacillin)、ナフシリン、メチシリン、オキサシリン、アモキシシリン、テモシリン、チカルシリンなどのような}ペナムペニシリン系を含む天然及び合成ペニシリン型物質のようなベータ−ラクタム抗菌物質、ペニシリナーゼ−安定性ペニシリン系、(ピペラシリン、アズロシリン、メズロシリン、カルベニシリン、テモシリン、チカルシリンなどのような)アシルアミノ及びカルボキシペニシリン系、及び(ストレプトマイシン、ネオマイシン、フラマイセチン、ゲンタミシン、アプラマイシン、アミカシン、スペクチノマイシン、アモキシシリン、アンピシリンなどのような)広域スペクトルペニシリン系、セファロスポリン系、(チロシン、チルミコシン、アイブロシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、スピラマイシン、ジョサマイシン、キタサマイシンなどのような)マクロライド系、(リンコマイシン、クリンダマイシン、ピルリマイシンなどのような)リンコサミド系、{チアミューリン(tiamullin)、バルネミューリン(valnemullin)のような}プリューロミューチリン(pleuromutilins)、ポリペプチド、(バンコマイシンなどのような)グリコペプチド系、(ポリミキシンB、ポリミキシンEなどのような)ポリミキシン系、(スルファメタジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファトロキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファニルアミド、スルファメトキサゾール、スルフィキサゾール、スルファメチゾール、マフェニドなど、単独で又はトリメトプリムとの組み合わせのような)スルホンアミド系、クロランフェニコール、チアンフェニコール、フロルフェニコール、{テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドメクロサイクリン(domeclocycline)、ドキシサイクリン、ミノサイクリンなどのような}テトラサイクリン型物質系、{シプロフロキサシン、エノキサシン、
【0120】
グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、シノカシン(cinocacin)、ナリジクス酸などのような}キノロン系及びフルオロキノロン系、チアミューリン(tiamulin)、コリスチン、メロペネム、スルバクタム、タゾバクタム、メタサイクリン、ピリメタシン、スルファセトアミド、例えば、エペゾリド、リネゾリド、N−((5S)−3−(3−フルオロ−4−(4−(2−フルオロエチル)−3−オキシ−1−ピペラジニル)フェニル−2−オキシ−5−オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド、(S)−N−((3−(5−(3−ピリジル)チオフェン−2−イル)−2−オキシ−5−オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド、2,2−ジフルオロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−グリコロイルピペラジン−1−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)エタンチオアミド、塩酸(S)−N−((3−(5−(4−ピリジル)ピリド−2−イル)−2−オキシ−5−オキサゾリジニル)メチル)アセトアミドなどのようなオキサゾリジノン系、(カナマイシン、トブラマイシン、ネチルマイシンなどのような)アミノグリコシド系、アミノサイクリトール系、アンフェニコール、アンサマイシン、カルバフェネム(carbaphenem)、セファマイシン、リファンピシン、モノバクタム、オキサセファム、(キヌプリスチン、ダルフォプリスチンなどのような)ストレプトグラミン系、サイクロセリン、ムピロシン、ウレアヒドロキサマート、(トリメトプリムなどのような)葉酸類似体系、
【0121】
{アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン(actinoplanone)、アエロプリシニン誘導体、日本曹達アニソマイシン系、アントラサイクリン、アジノマイシン−A、ブスカベリン(busucaberin)、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン−1、カリーチマイシン(calichemycin)、クロムオキシマイシン(chromoximysin)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジトリサルビシンB(ditrisarubicin)、ドキソルビシン、ドキソルビシン−フィブリノゲン、エルサミシンA、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン(esorubicin)、エスペラミシン−A1b、フォストリシン(fostriecin)、グリドバクチン(glidobactin)、グレガチン−A、グリンカマイシン(grincamycin)、ハービマイシン、イダルビシン、イルジンS、カズサマイシン、ケサリロジン系(kesarirhodins)、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ムタマイシン(mutamycin)、マイコフェノレイト モフェティル、ネオエナクチン(neoenactin)、
【0122】
オキサリジン(oxalysine)、オキサウノマイシン(oxaunomycin)、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、ポロスラマイシン(porothramycin)、ピリンダマイシンA(pyrindamycinA)、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン(rodorubicin)、シバノミシン(sibanomicin)、シーウェンマイシン(siwenmycin)、ソランギシン−A(sorangicin−A)、スパルソマイシン、ステッフィマイシン B(steffimycin B)、タリソマイシン、テルペンテシン(terpentecin)、トラジン、トリクロザリン A(tricrozarin A)、ゾルビシン(zorubicin)などのような}抗生物質型抗新形成剤系、(2,4−ジアミノピリミジンのような)全身性抗菌系、ニトロフラン スルホン系、マルボフロキサシンなど、及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0123】
好ましい抗菌物質は、塩酸セフチオフル、セフチオフル遊離酸、例えば、セフチオフル結晶性遊離酸、セフチオフルナトリウム、その他のセフチオフル塩、セファレキシン、セファラジン、セフキノム、セファセトリル、セファロニウム、セフロキシム、セファジジム(cefazidime)、セフォペラゾン、セフェメタカルボン酸ナトリウム(sodium cephemethcarboxylate)、セフェム七水和物、セファロスポリン二−又は三−水和物、セファドロキシル一水和物、セファゾリンナトリウム一水和物、セフィキシミン(cefiximine)、セフタキシム、セフチゾキシム、セフトリアクソン、o−ホルミルセファマンドール、3−アセトキシミチル−7−(イミノセトアミド)−セファロスポラン酸誘導体の塩、
【0124】
7−(D−アルファ−アミノ−アルファ−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミノ)−3−メチル−3−セフェム−1−カルボキシル酸の一水和物、シン−7−((2−アミノ−1−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル)アミノ)−3−メチル−3−セフェム−4−カルボキシル酸の塩酸塩、セフェム酸付加塩、7−ベータ−(2−(2−アミノ−4−チアゾリル)アセトアミド)−3−(((1−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−1H−テトラアゾール−5−イル)チオ)メチル)−3−セフェム−4−カルボキシル酸(ピバロイルオキシ)メチル、セファレキシン、セファレキシン一水和物、7−(D−2−ナフチグリシルアミノ)−3−メチル−3−セフェム−4−カルボキシル酸四水和物などを非制限的に含むセファロスポリン系である。
【0125】
本発明に従って有用な最も好ましいセファロスポリンは、セフチオフル及び医薬として認容されるその塩である。特別好まれるものは、最も特別なのが結晶性形状であるセフチオフル遊離酸、及び塩酸セフチオフルである。
【0126】
当該抗菌物質がセフチオフル又はその塩の他の形状である場合において、本発明の組成物における好ましい濃度範囲は、約1〜約1000mg/mlであり、さらに好ましくは約5〜約750mg/mlであり、さらに好ましくは約10〜約100mg/mlである。セフチオフル以外の抗菌物質について、同程度の抗菌作用となる適した濃度範囲は、公開されたデータによりいわゆる当業者によって決定される。
【0127】
もう1つの態様において、当該第2の剤は、抗新形成剤である。適する抗新形成剤は、アナストロゾール、炭酸カルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、エフロルニチン、エトポシド、エキセメスタン、フルオキシメストリン(fluoxymestrine)、ゲムシタビン、ゴセレリン、イリノテカン、ケトコナゾール、レトロゾール、レウコボリン、レバミソール、メゲストロール、パクリタキセル、ラロキシフェン、レチノイン酸、セレニウム(セレノメチオニン)、スリンダク スルホン、タモキシフェン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、ビンバスチン(vinbastine)、ビンクリスチン、ビノレルビンなど、及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0128】
もう1つの態様において、第2の剤は、麻酔薬である。麻酔薬は、アンブカイン、アモラノン、アミロカイン、ベノキシナート、ベンゾカイン、ベトキシカイン、ビフェナミン、ブピバカイン、ブタカイン、ブタムベン(butamben)、ピクリン酸ブタムベン、ブタニリカイン、ブテタミン、ブトキシカイン(butoxycaine)、カルチカイン(carticaine)、クロロプロカイン、コカエチレン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン、ジメチソキン、ジメトカイン、ジペロドン、ジフェニルヒドラミン、ジクロニン、エクゴニジン、エクゴニン、塩化エチル、エチドカイン、β−オイカイン、ホモカイン、ヘキシルカイン、ヒドロプロカイン、ヒドロキシプロカイン、ヒドロキシテトラカイン、イソブカイン(isobucaine)、p−アミノ安息香酸イソブチル、ケトカイン、ロイシノカイン、レボキサドロール、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン(metabutoxycaine)、メタブテタミン(metabutethamine)、ミルテカイン、オクタカイン、オルトカイン、オキセサザイン、オキシプロカイン、パレトキシカイン、フェナカイン、フェノール、ピペロカイン、ピリドカイン、ポリドカノール、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、プリマカイン(primacaine)、プロパラカイン、プロピポカイン、プロポキシカイン、プセウドコカイン(pseudococaine)、ピロカイン、リプリビカン(replivicaine)、ロピバカイン、サリチルアルコール、テトラカイン、トリカイン、トリメカイン、キシロカインなど、及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0129】
好ましい麻酔薬は、リドカイン、ブピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、及びその互変異性体、立体異性体、鏡像異性体、塩、水和物、及びその組み合わせを含む。
【0130】
もう1つの態様において、第2の剤は、ナトリウムチャネルブロッカーである。本発明において有用なナトリウムチャネルブロッカーは、痛みの減退や、浮腫の削減などを非制限的に含む様々なメカニズムによって抗炎症剤の効果を補完するものを含む。
【0131】
本発明に従って有用なナトリウムチャネルブロッカーは、以下の非制限リスト:NaV1.8(PN3)サブタイプ ナトリウムチャネルブロッカー系、NaV1.3(タイプIII)サブタイプ ナトリウムチャネルブロッカー系、カルボキサミド系、フェナマート系、オキシカム系、プロパナミド系、ピラジノイルグアニジン セミカルバゾン系、セミカルバジド系などから選択され得る。
【0132】
あるいは、本発明に従って使用に適用し得るナトリウムチャネルブロッカーは、以下の非制限リスト:アミロライド、4−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピリミジン、アミトリプチリン、アンヒドロテトロドトキシン、アプリンジン、アズールA、ベンザミル、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサジネート(banzoxazinate)、カルベジロール、デオキシテトロドトキシン、ジソピラミド、エンカイニド、エトキシテトロドトキシン、ユープロシン、フェナルコミン、フルアリジン(fluarizine)、ガバペンチン、イソフルラン、リファリジン、ロルカイニド、1−メタンスルホニル−3−(4−フェノキシ)フェニル−1H−ピラゾール、メトキシフルラン キシロカイン、メトキシテトロドトキシン、塩化メチル、
【0133】
2−メチル−1−[3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール]プロパノン、メキシレチン、N−アセナフチ−5−イル−N’−4−メトキシナフチル グアニジン、ネパイン、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−N−4−ピリジニル ウレア、N−[3−(2,6−ジメチル−1−ピペリジニル)]−α−フェニルベンゼンアセタミド、N−メチルストリキニーネ、1−[3−[4−(4−ニトロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール]エタノン、オクスカバゼピン(oxcabazepine)、オキセサゼイン、オキシブロカイン(oxyburocaine)、オキシタザイン(oxythazaine)、パンクロニウム、フェナミル、フェニル ベンゾチアゾール、フェニトイン、プレガバリン、プロカインアミド、プロパフェノン、プロパノカイン ラリトリン、リルゾール、サキシトキシン、テカカイン(tekacain)、テトロジアミノトキシン(tetrodiaminotoxin)、テトロドン酸、テトロドトキシン、トピラマート、5−(2,3,5−トリクロロフェニル)−2,4−ジアミノ−ピリミジン、6−(2,3,5−トリクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン−5−イルアミン、ベラパミル、ゾラミン、ゾニサミドなど、及びその組み合わせから選択される。
【0134】
本発明において適用され得る両親媒性油は、水分散性及びエタノール不溶性である全ての両親媒性油を含む。
【0135】
好ましい当該両親媒性油は、ポリエチレングリコールと共に天然トリグリセリドのアルコホロシス(alcoholosis)反応により製造されたグリセリドをポリグリコール化させ、その例は、以下のGattefossee社の油又は別の製造業者からの実質的に等しい油:LabrafilTMのM−1944CS、LabrafilTMのM−1966CS、LabrafilTMのM−1969CS、LabrafilTMのM−1980CS、LabrafilTMのM−2125CS、LabrafilTMのWL−2609BS、LabrafilTMのISO及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0136】
さらにより好ましい両親媒性油は、オレイン酸又はリノレン酸のどちらの主要な脂肪酸成分をも含み、上記のように製造されたグリセリドをポリグリコール化され、その例は、以下のGattefossee社の油又は別の製造業者からの実質的に等しい油:LabrafilTMのM−1944CS、LabrafilTMのM−1966CS、LabrafilTMのM−1969CS、LabrafilTMのM−1980CS、LabrafilTMのM−2125CS、LabrafilTMのWL−2609BS、及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0137】
さらにより好ましい両親媒性油は、オレイン酸の主要な脂肪酸成分を含み、上記のように製造されたグリセリドをポリグリコール化され、その例は、以下のGattefossee社の油又は別の製造業者からの実質的に等しい油:LabrafilTMのM−1944CS、LabrafilTMのM−1966CS、LabrafilTMのM−1980CS、及びその組み合わせを非制限的に含む。
【0138】
最も好ましい両親媒性油は、5−オレイン酸ペジコール(pegicol)であり、例えば、Gattefossee社のLabrafilTMのM−1944CSである。
【0139】
本発明の組成物における、両親媒性油の好ましい濃度範囲は、約0.01%〜約99%(重量/容量)であり、さらに好ましくは約1%〜約80%(重量/容量)であり、さらに好ましくは約3%〜約25%(重量/容量)である。
【0140】
微晶質ワックスは、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients、第3版」又は「National Formulary、第19版(NF 19)」において定義されており、Witco Corporarionを含む多くの製造業者から手に入れ得る。
【0141】
本発明の組成物における、微晶質ワックスの好ましい濃度範囲は、約0.001%〜約50%(重量/容量)であり、さらに好ましくは約0.1%〜約40%(重量/容量)であり、さらに好ましくは約1%〜約15%(重量/容量)である。
【0142】
本発明の医薬として認容される非水溶性担体は、完全飽和又は部分飽和又は不飽和となり得る。非水溶性担体の例は、植物油、鉱油、合成潤滑油及びその組み合わせを非制限的に含む。完全飽和非水溶性担体の例は、(約C6〜約C24までの長さの鎖を有する脂肪酸トリグリセリド類のような)中鎖から長鎖までの脂肪酸のエステル類を非制限的に含む。脂肪酸の混合物は、(例えば、ココナッツ油、パーム核油、ババスー油のような)天然油から分割され、精製される。いくつかの態様において、中鎖トリグリセリド(約C6〜約C12まで)が有用である。実例となる飽和非水溶性担体は、カプリン酸(約20%〜約45%まで)及びカプリル酸(約45%〜約80%まで)を含む。その他の完全飽和非水溶性担体は、Hulsの登録商標MiglyolTM及び810、812、829、及び840の記号表示がついて売られているものを含む、飽和したココナッツ油(典型的に、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、カプリン酸、カプロン酸の混合物を含む)を非制限的に含む。Drew Chemicalsにより販売されているNeoBeeTM製品も留意する。ミリスチン酸イソプロピルは、本発明の組成物として有用な非水溶性担体のもう1つの例である。
【0143】
合成潤滑油の例は、例えば、ヘキサン酸、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン酸、ヘプタデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、及びリグノセリン酸などのような、6〜24炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪酸のトリグリセリド及びプロピレン・グリコール・ジエステルを含む。不飽和カルボン酸は、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸などを含む。当該非水溶性担体は、脂肪酸又は混合されたグリセリド及び/又は少なくともグリセロールの1つの分子が変化する炭素原子長の脂肪酸とエステル化されているプロピレン・グリコール・ジエステルの、モノ−、ジ−、及びトリグリセリル エステルを含み得ることがわかる。本発明の組成物における担体として有用な“非油性”の非制限の例は、ポリエチレン・グリコールである。
【0144】
好ましい非水溶性の担体は、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、オリーブ油、分別したココナッツ油、ピーナッツ油、ひまわり油、ベニバナ油、アーモンド油、アアボガド油、パーム油、パーム核油、ババスー油、ブナの実油、亜麻仁油、及びナタネ油などのような植物油である。最も好ましい非水溶性担体は、綿実油である。一例として、綿実油は、Sigma Chemical Coからの70%不飽和脂肪酸の製造において利用される。
【0145】
本発明の組成物における、非水溶性担体の好ましい濃度範囲は、約0.5%〜約99%(重量/容量)であり、さらに好ましくは約10%〜約95%(重量/容量)であり、さらに好ましくは約40%〜約90%(重量/容量)である。
【0146】
本発明の組成物は、場合によってさらに、当該組成物の必須成分と有害に反応しない、慣用の医薬賦形剤をも含み得る。そのような賦形剤は、酸化防止剤、防腐剤、懸濁剤、安定剤、可溶化物質、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、着色物質、アルコール、等張物質、緩衝物質、透過性物質、抗刺激物、及びその組み合わせからなる。
【0147】
本発明の組成物は、乳産生動物の乳房の乳頭管の外面開口部の中に乳腺炎用注射器のカニューレノズルを挿入すること及び乳房の中に当該組成物を注入することによって乳腺炎の治療のために投与し得る。
【0148】
本発明の組成物は、被験者の耳の外耳管の中に耳用注射器のノズル、耳に水滴を落とすディスペンサー、又はその他の適した耳へのデリバリー装置を挿入すること及び耳の中に当該組成物を注入することによって、耳の疾患の治療又は予防のために投与し得る。
【0149】
特定な場合における投与するための組成物の好ましい量は、使用される特定の組成物、医薬の使用方法、特に治療する場所及び器官、及びその他の因子に従って変化するであろうことが理解され得る。与えられた目的のための投薬量は、伝統的熟慮、例えば、適当な慣用の製薬プロトコルを用いて、当該医薬組成物と既知の物質との活性の慣用の比較によって決定され得る。
【0150】
本発明は、投与される器官の炎症部位への抗炎症剤の局所的デリバリーを第一に導くけれども、本発明の組成物は、乳房内注入を経由した乳産生動物への抗炎症剤の全身性のデリバリーにも有用であることを企図している。例えば、経口又は非経口のような、他のルートより乳房内注入によってウシのような乳産生動物に治療用物質を投与することの方が、しばしばより有効で便利である。このように、例えば、関節炎状態を含む乳房以外の炎症状態の治療において、本明細書における組成物は、乳房内注入によって投与され得る。
【0151】
例えば、当該選択的COX−2阻害剤デラコキシブのような抗炎症剤を含む、本発明の実例となる懸濁液組成物は、以下の組成物:
選択的COX−2阻害剤 1〜350mg/ml
LabrafilTMM−1944CS 1〜75%
微晶質ワックス 0.1〜25%
綿実油 100%までの適量
を有している。
【実施例】
【0152】
以下の実施例は、本発明の態様を説明するものであるが、限定して解釈するものではない。
【0153】
実施例1
乳房内注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
パレコキシブ遊離酸 100mg/ml
LabrafilTMM−1944CS 50mg/ml
微晶質ワックス NF 70mg/ml
綿実油 NF 適量
を有すように製造される。
【0154】
当該微晶質ワックス及び綿実油の総量の約27%をケトルで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。綿実油の残りを製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、ケトル内の微晶質ワックス/綿実油混合物を綿実油を含む製造タンクに移し、十分に混合する。当該結果混合物を38〜45℃まで冷却し、LabrafilTMM−1944CSを媒体を形成するために混合しながら当該製造タンクに加える。パレコキシブをそのとき媒体に加え、結果組成物を均一な懸濁液を形成するために混合する。当該懸濁液を、検査し、12mlの高密度ポリエチレン乳腺炎用注射器に充填する。当該パッケージ製品を最終的に、1製品あたり25〜40kGyのガンマ線照射によって殺菌する。
【0155】
上記懸濁液を1200mgパレコキシブ/クオーター/日の投与量で泌乳牛の乳房の感染したクオーターにそれぞれに乳房内注入により投与する。当該懸濁液は、泌乳牛の治療において有効である。
【0156】
実施例2
乳房内注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
デラコキシブ 170mg/ml
LabrafilTMM−1966CS 100mg/ml
微晶質ワックス NF 50mg/ml
トウモロコシ油 NF 適量
を有すように製造される。
【0157】
当該微晶質ワックス及びトウモロコシ油を、製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、当該混合物を30〜45℃まで冷却し、LabrafilTMM−1966CSを、媒体を形成するため混合しながら当該製造タンクに加える。当該デラコキシブをそのとき媒体に加え、均一な懸濁液を形成するように混合する。当該懸濁液を検査し、12mlの高密度ポリエチレン乳腺炎用注射器に充填する。当該パッケージ製品を最終的に、1製品あたり25〜40kGyのガンマ線照射によって殺菌する。
【0158】
上記懸濁液を、3400mgデラコキシブ/クオーターの投与量で乳が出なくなったウシの乳房のクオーターの4つ全てに乳房内注入により投与する。当該懸濁液は、乳が出なくなったウシの乳腺炎の治療において有効である。
【0159】
実施例3
耳への注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
ロフェコキシブ 25mg/ml
LabrafilTMM−1980CS 500mg/ml
微晶質ワックス NF 0.10mg/ml
没食子酸プロピル 1.0mg/ml
鉱油 NF 適量
を有すように製造される。
【0160】
当該微晶質ワックス及び鉱油の総量の約27%を、ケトルで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。鉱油の残りを製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、ケトル内の微晶質ワックス/鉱油混合物を鉱油を含む製造タンクに移し、十分に混合する。当該結果混合物を38〜45℃まで冷却し、LabrafilTMM−1980CSを混合しながら当該製造タンクに加える。没食子酸プロピルを媒体を形成するように混合しながら製造タンクに加える。当該ロフェキシブを当該結果媒体に加え、均一な懸濁液を形成するように混合する。当該懸濁液を検査し、20mlのポリプロピレン容器に充填する。
【0161】
上記懸濁液を2.5mgロフェコキシブ/kg体重の投与量で犬の耳への注入によって投与する。当該懸濁液は、イヌ科の動物の外耳炎の治療において有効である。
【0162】
実施例4
乳房内注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
デラコキシブ 300mg/ml
LabrafilTMM−1944CS 50mg/ml
微晶質ワックス NF 70mg/ml
綿実油 NF 適量
を有すように製造される。
【0163】
当該微晶質ワックス及び綿実油の総量の約27%をケトルで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。綿実油の残りを製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、ケトル内の微晶質ワックス/綿実油混合物を綿実油を含む製造タンクに移し、十分に混合する。当該結果混合物を38〜45℃まで冷却し、LabrafilTMM−1944CSを媒体を形成するように混合しながら当該製造タンクに加える。デラコキシブを当該結果媒体に加え均一な懸濁液を形成するように混合する。当該懸濁液を検査し、12mlの高密度ポリエチレン乳腺炎用注射器に充填する。当該パッケージ製品を最終的に、1製品あたり25〜40kGyのガンマ線照射によって殺菌する。
【0164】
上記懸濁液を12000mgデラコキシブ/クオーターの投与量で乳が出なくなったウシの乳房のクオーターの4つ全てに乳房内注入によって投与する。当該懸濁液は、乳が出なくなったウシの乳腺炎の治療において有効である。
【0165】
実施例5
乳房内注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
バルデコキシブ 1.5mg/ml
LabrafilTMWL−2609BS 75mg/ml
微晶質ワックス NF 100mg/ml
MiglyolTM812 適量
を有すように製造される。
【0166】
当該微晶質ワックス及びMiglyolTM812の総量の約30%をケトルで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。MiglyolTM812の残りを製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、ケトル内の微晶質ワックス/MiglyolTM812混合物をMiglyolTM812を含む製造タンクに移し、十分に混合する。当該結果混合物を38〜45℃まで冷却し、LabrafilTMWL−2609BSを媒体を形成するように混合しながら当該製造タンクに加える。当該バルデコキシブを当該結果媒体に加え均一な懸濁液を形成するように混合する。当該懸濁液を検査し、12mlの高密度ポリエチレン乳腺炎用注射器に充填する。当該パッケージ製を最終的に、1製品あたり25〜40kGyのガンマ線照射によって殺菌する。
【0167】
上記懸濁液を30mgバルデコキシブ/クオーターの投与量で乳が出なくなったウシの乳房のクオーターの4つ全てに乳房内注入によって投与する。当該懸濁液は、乳が出なくなったウシの乳腺炎の治療において有効である。
【0168】
実施例6
耳への注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
塩酸セフチオフル(微粒) 100mg/ml
デラコキシブ 100mg/ml
LabrafilTMM−1944CS 700mg/ml
微晶質ワックス NF 0.05mg/ml
鉱油 適量
を有すように製造される。
【0169】
当該微晶質ワックス及び鉱油の総量の約27%をケトルで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。鉱油の残りを製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、ケトル内の微晶質ワックス/鉱油混合物を鉱油を含む製造タンクに移し、十分に混合する。当該結果混合物を38〜45℃まで冷却し、LabrafilTMM−1944CSを媒体を形成するために混合しながら当該製造タンクに加える。当該塩酸セフチオフル及び当該デラコキシブを当該結果媒体に加え均一な懸濁液を形成するように混合する。当該懸濁液を検査し、50mlのポリプロピレン容器に充填する。
【0170】
上記懸濁液を4mg塩酸セフチオフル/kg体重及び4mgデラコキシブ/kg体重の投与量で被験対象の耳への注入によって投与する。当該懸濁液を中耳炎の治療及び/又は予防において有効である。
【0171】
実施例7
耳への注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
塩酸セフチオフル(微粒) 100mg/ml
パレコキシブ遊離酸 100mg/ml
LabrafilTMM−1944CS 700mg/ml
微晶質ワックス NF 0.1mg/ml
綿実油 NF 適量
を有すように製造される。
【0172】
当該微晶質ワックス及び綿実油を製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、当該混合物を38〜45℃まで冷却し、LabrafilTMM−1944CSを媒体を形成するように混合しながら当該製造タンクに加える。当該塩酸セフチオフル及び当該パレコキシブを当該結果媒体に加え均一な懸濁液を形成するように混合する。当該懸濁液を検査し、60mlのポリプロピレン容器に充填する。
【0173】
上記懸濁液を4mg塩酸セフチオフル/kg体重及び4mgパレコキシブ/kg体重の投与量で被験対象の耳への注入によって投与する。当該併用療法は、中耳炎の治療及び/又は予防において有効である。
【0174】
実施例8
耳への注入によって投与される懸濁液は、以下の組成物:
リドカイン 100mg/ml
パレコキシブ遊離酸 100mg/ml
LabrafilTMM−1944CS 700mg/ml
微晶質ワックス NF 0.1mg/ml
綿実油 NF 適量
を有すように製造される。
【0175】
当該微晶質ワックス及び綿実油を製造タンクで、混合しながら85〜98℃まで加熱する。微晶質ワックスが完全に溶けたあと、当該混合物を38〜45℃まで冷却し、LabrafilTMM−1944CSを媒体を形成するように混合しながら当該製造タンクに加える。当該リドカイン及び当該パレコキシブを当該結果媒体に加え均一な懸濁液を形成するように混合する。当該懸濁液を検査し、60mlのポリプロピレン容器に充填する。
【0176】
上記懸濁液を4mgリドカイン/kg体重及び4mgパレコキシブ/kg体重を被験対象の耳への注入によって投与する。当該併用療法は、中耳炎の治療及び/又は予防において有効である。
【0177】
本発明を詳細に、またその好ましい態様を参照して記載してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明を修正し変形し得ることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の治療及び/又は予防方法であって、当該方法は、当該外面開口部を経由して当該器官に抗炎症物質を含む医薬組成物を投与すること、ここで当該組成物は、(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む媒体をさらに含み;及び上記抗炎症物質との併用療法において、第2の剤であって抗菌剤、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、ナトリウムチャネルブロッカー、抗新形成剤、及び抗浮腫物質からなる群より選択される第2の剤を投与すること、ここで当該第2の剤は上記抗炎症物質の投与ルート以外のルートにより投与される、を含む前記方法。
【請求項2】
前記液体含有器官が乳産生動物の乳房であり、かつ前記組成物が乳房内注入により投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前期炎症状態が乳腺炎に関連する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記液体含有器官が被験対象の耳であり、かつ前記組成物が当該耳への注入により投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前期炎症状態が、外耳炎、中耳炎、耳漏、急性乳突炎、耳の外科的処置に関する感染症、耳硬化症、耳痛、耳の痛み、耳の炎症、耳の出血、レルモワイエ症候群、メニエール病、前庭ニューロン炎、良性発作性頭位めまい症、耳帯状疱疹、ラムジーハント症候群、ウイルス性ニューロン炎、神経節炎、膝状のヘルペス、化膿性の迷路炎及びウイルス性の内リンパ迷路炎を含む迷路炎、外リンパろう、老年性難聴、薬物性耳毒性、聴神経腫、航空性中耳炎、感染性鼓膜炎、水疱性鼓膜炎、耳新生物、扁平上皮癌、基底細胞癌、他の耳の癌、前癌の耳の状態、非クロム親和性パラガングリオーマ、非クロム親和性傍神経節腫、頚静脈グロムス腫瘍、鼓室型グロムス腫瘍、軟骨膜炎、耳の湿疹様皮膚炎、悪性外耳道炎、軟骨膜下血腫、耳垢腺腫瘍、嵌入した耳垢、皮脂嚢胞、骨腫、ケロイド、耳鳴、めまい、鼓膜感染症、鼓膜炎、耳のフルンケル、錐体尖炎、伝音及び感音難聴、鼓膜外膿腫、横静脈洞血栓症、硬膜下蓄膿症、耳性水頭症、ダンディー症候群、水疱性鼓膜炎、散在外耳炎、異物、閉塞性角化症、耳真菌症、外傷、急性気圧性中耳炎、急性エウスタキオ管閉塞症、手術後の耳痛、及びこれらに関連する合併症からなる群より選択される耳の疾病に関連する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前期炎症状態が、外耳炎、中耳炎、耳漏、及び耳の外科的処置に関連する炎症性の要素を有する感染からなる群より選択される耳の疾病に関連する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の剤のための前記媒体が、(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の剤が抗菌剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抗菌剤が、天然の及び合成のペニシリン−型抗生物質、セファロスポリン、マクロライト、リンコサミド、プルーロミューティリン(pleuromutilins)、ポリペプチド、ポリミキシン、スルホンアミド、クロラムフェニコール、チアンフェニコール、フロルフェニコール、テトラサイクリン−型抗生物質、キノロン、フルオロキノロン、チアミューリン(tiamulin)、シプロフロキサシン、コリスチン、ドメクロサイクリン(domeclocycline)、マフェニド、メタサイクリン、ノルフロキサチン、オフロキサシン、ピリメタミン、シルバー スルファジアジン、スルファセタミド、スルフィソキサゾール、トブラマイシン、ヴェインミューリン(vanemulin)、オキサゾリジノン、グリコペプチド、アミノグリコシド及びアミノサイクリトール(aminocyclitols)、アンフェニコール(amphenicol)、アンサマイシン(ansamycin)、カルバペネム、セファマイシン、バンコマイシン、モノバクタム、オキサセファム(oxacephem)、全身性抗菌薬、抗生物質−型抗悪性腫瘍物質、ニトロフランスルホン、マルボフロキサシン、並びにその互変異体、立体異性体、鏡像異性体、塩、水和物、及びプロドラッグからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項10】
前記抗菌剤がオキサゾリジノンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記オキサゾリジノンが、エペレゾリド、リネゾリド、N−((5S)−3−(3−フルオロ−4−(4−(2−フルオロエチル)−3−オキシ−1−ピペラジニル)フェニル−2−オキシ−5−オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド、(S)−N−((3−(5−(3−ピリジル)チオフェン−2−イル)−2−オキシ−5−オキサゾリヂニル)メチル)アセトアミド、2,2−ジフルオロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−グリコロイルピペラジン−1−イル)フェニル]−2−オキソ−1、3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)エタンチオアミド、及び(S)−N−((3−(5−(4−ピリジル)ピリド−2−イル)−2−オキシ−5−オキサゾリヂニル)メチル)アセトアミド ハイドロクロライドからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗菌剤がセファロスポリンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記セファロスポリンが、セフチオフル、セファレキシン、セフラジン、セフキノム(cefquinome)、セファセトリル、セファロニウム(sephalonium)、セフロキシム、セファジジン(cefazidime)、セフォペラゾン、セフェメト(cephemeth)カルボン酸ナトリウム、セフェム、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフィキシム、セフタキシム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、o−ホルミルセファマンドール、3−アセトキシメチル−7−(イミノセタミド)−セファロスポラニン酸誘導体の塩、7−(D−α−アミノ−α−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミノ)−3−メチル−3−セフェム−1−カルボン酸、シン(syn)−7−((2−アミノ−1−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル)アミノ)−3−メチル−3−セフェム−4−カルボン酸の塩酸塩、セフェム酸、(ピバロイルオキシ)メチル−7−β−(2−(2−アミノ−4−チアゾリル)アセトアミド)−3−(((1−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−1H−テトラアゾル−5−イル)チオ)メチル)−3−セフェム−4−カルボン酸、セファレキシン、7−(D−2−ナフチグリシルアミノ)−3−メチル−3−セフェム−4−カルボン酸、並びにその互変異体、立体異性体、鏡像異性体、塩、水和物、及びプロドラッグからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記セファロスポリンがセフチオフル又はその医薬として認容される塩又は型である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
自然の外面開口部を有する液体含有器官における炎症状態の治療及び/又は予防方法であって、当該方法は、当該外面開口部を経由して当該器官に抗炎症物質を含む医薬の組成物を投与することを含み、ここで当該組成物は(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む媒体をさらに含み;そして上記組成物は、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、ナトリウムチャネルブロッカー、抗新形成剤、及び抗浮腫物質からなる群より選択される第2の剤をさらに含む、前記方法。
【請求項16】
前記炎症状態が、腫瘍形成に関連し、そして前記第2の剤が抗新形成剤を含む、請求項4又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記抗炎症物質が、アセクロフェナク、アセメタシン、ε−アセトアミドカプロン酸、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチル酸、S−アデノシルメチオニン、アルクロフェナク、アルクロメタゾン、アルフェンタニル、アルゲストン、アリルプロジン、アルミノプロフェン、アルオキシピリン、アルファプロジン、ビス(アセチルサリチル酸)アルミニウム、アムシノニド、アンフェナク、アミノクロルテノキサジン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、2−アミノ−4−ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、アミキセトリン、サリチル酸アンモニウム、アンピロキシカム、アムトルメチン グアシル、アニレリジン、アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、ベクロメタゾン、ベンダザック、ベノリレ−ト(benorylate)、ベノキサプロフェン、ベンズピペリロン、ベンジダミン、ベンジルモルヒネ、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、ベタメタゾン-17-吉草酸塩、ベジトラミド、α−ビサボロール、ブロムフェナク、p−ブロモアセトアニリド、5−ブロモサリチル酸アセテート、ブロモサリゲニン、ブセチン、ブクロクス酸、ブコローム、ブデソニド、ブフェキマク、ブマジゾン、ブプレノルフィン、ブタセチン(butacetin)、ブチブフェン、ブトルファノール、カルバマゼピン、カルビフェン、カルプロフェン、カルサラム、クロロブタノール、クロロプレドニゾン、クロルテノキサジン、サリチル酸コリン、シンコフェン、シンメタシン、シラマドール、クリダナク、クロベタゾール、クロコルトロン、クロメタシン、クロニタゼン、クロニキシン、クロピラク、クロプレドノール、クローブ、コデイン、コデインメチルブロマイド、リン酸コデイン、硫酸コデイン、コルチゾン、コルチバゾール、クロプロパミド、クロテタミド(crotethamide)、シクラゾシン、デフラザコート、デヒドロテストステロン、デソモルヒネ、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン−21−イソコチン酸、デキソキサドロール、デキシトロモルアミド、デキストロプロポクシフェン、デオキシコルチコステロン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン(diamorphone)、ジクロフェナク、ジフェナミゾール、ジフェンピラミド(difenpiramide)、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルニサル、ジフルプレドナート、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン エノール アセテート(dihydrocodeinone enol acetate)、ジヒドロモルヒネ、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム(dihydroxyaluminum acetylsalicylate)、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、ジプロセチル(diprocetyl)、ディピロン、ジタゾール、ドロキシカム、エモルファゾン、エンフェナム酸、エノキソロン、エピリゾール、エプタゾシン、エテルサラート、エテンザミド、エトヘプタジン、エトキサゼン(ethoxazene)、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトドラク、エトフェナマート、エトニタゼン、オイゲノール、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロズ酸、フェンドサール、フェノプロフェン、フェンタニル、フェンチアザク、フェプラジノール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルアザコルト、フルクロロニド(flucloronide)、フルフェナミン酸、フルメタゾン、フルニソリニド、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン(fluocortolone)、フルオレソン、フルオロメトロン、フルペロロン(fluperolone)、フルピルチン、フルプレドニデン(fluprednidene)、フルプレドニゾロン(fluprednisolone)、フルプロクァゾン、フルランドレノリド、フルルビプロフェン、フルチカゾン、フォルモコルタル(formocortal)、ホスホサール、ゲンチジン酸、グラフェニン、グルカメタシン、サリチル酸グリコール、グアイアズレン、ハルシノニド、ハロベタソール、ハロメタゾン(halometasone)、ハロプレドノン(haloprednone)、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロコルタマート(hydrocortamate)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンヘミスクシナート、ヒドロコルチゾン21−リジネート(lysinate)、ヒドロコルチゾンシピオネート、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロキサム、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラック、イソフルプレドン(isoflupredone)、酢酸イソフルプレドン(isoflupredone acetate)、イソラドール(isoladol)、イソメタドン、イソニキシン、イソキセパク、イソキシカム、ケトベミドン、ケトプロフェン、ケトラック、p−ラクトフェネチド(lactophenetide)、レフェタミンン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル−モルファン、ロフェンタニル、ロナゾラク、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リジン、マジプレドン(mazipredone)、メクロフェナム酸、メドリゾン、メフェナム酸、メロキシカム、メペリジン、メプレドニゾン(meprednisone)、メプタジノール、メサラミン、メタゾシン、メタドン、メトトリメプラジン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンスレプトナート(suleptnate)、メチアジン酸、メトホリン、メトポン、モフェブタゾン、モフェゾラク、モメタゾン、モラゾン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、サリチル酸モルホリン、マイロフィン(myrophine)、ナブメトン、ナルブフィン、ナロルフィン、サリチル酸1−ナフチル、ナプロキセン、ナルセイン、ネフォパム、ニコモルヒネ(nicomorphine)、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニメスリド、5’−ニトロ−2’−プロポキシアセトアニリド、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オルサラジン、アヘン、オキサセプロール、オキサメタシン、オキサプロジン、オキシコドン、オキシモルフォン、オキシフェンブタゾン、パパベレタム(papaveretum)、パラメタゾン、パラニリン(paranyline)、パルサルミド、ペンタゾシン、ペリソキサール、フェナセチン、フェナドキソン、フェナゾシン、塩酸フェナゾピリジン、フェノコール(phenocoll)、フェノペリジン、フェノピラゾン(phenopyrazone)、フェノモルファン、アセチルサリチル酸フェニル、フェニルブタゾン、サリチル酸フェニル、フェニラミドール、ピケトプロフェン、ピミノジン、ピペブゾン、ピペリロン、ピプロフェン(piprofen)、ピラゾラク、ピリトラミド、ピロキシカム、プラノプロフェン、プレドニカルベート(prednicarbate)、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニバル(prednival)、プレドニリデン(prednylidene)、プログルメタシン、プロヘプタジン、プロメドール(promedol)、プロパセタモール、プロペルジン、プロピラム、プロポキシフェン、プロピフェナゾン、プロクアゾン、プロチジン酸、プロキオサゾール、ラミフェナゾン、レミフェンタニル、メチル硫酸リマゾリウム、サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、o−酢酸サリチルアミド、サリチル酸、サリチルスルホン酸、サルサラート、サルベリン、シメトリド、スフェンタニル、スルファサラジン、スリンダク、スーパーオキシドジスムターゼ、スプロフェン、スキシブゾン、タルニフルマート、テニダプ、テノキシカム、テロフェナマート、テトランドリン(tetrandrine)、チアゾリノブタゾン(thiazolinobutazone)、チアプロフェン酸、チアラミド、チリジン、チノリジン、チキソコルトル(tixocortol)、トルフェナム酸、トルメチン、トラマドール、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、トロペシン(tropesin)、ビミノール、キセンブシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、及びゾメピラクからなる群より選択される、請求項1又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記抗炎症物質がステロイドを含む、請求項1又は15に記載の方法。
【請求項19】
前記抗炎症物質が非ステロイド性抗炎症薬を含む、請求項1又は15に記載の方法。
【請求項20】
前記抗炎症物質が選択的COX−2阻害剤を含む、請求項1又は15に記載の方法。
【請求項21】
前記選択的COX−2阻害剤が以下の式:
【化1】

{式中、R5はメチル基又はアミノ基であり、R6は水素又はC1-4のアルキル基又はアルコキシル基であり、X’はN又はCR7(ここでR7が水素又はハロゲンである)であり、そしてYとZは、独立して、1以上の位置でオキソ基、ハロ基、メチル基又はハロメチル基で場合により置換される5〜6員環の隣接した原子を定める炭素又は窒素原子である。}を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記選択的COX−2阻害剤が、デラコキシブ、パレコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(2H)−ピリダジノン、4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、ベンジル−4−[(4−オキソピペリジン−1−イル)スルホニル]ピペリジン−4−カルボン酸tert−ブチル1、4−[5−(フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、並びにその塩及びプロドラッグからなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記選択的COX−2阻害剤がデラコキシブである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記選択的COX−2阻害剤がパレコキシブ又はその塩である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記選択的COX−2阻害剤がセレコキシブである、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記選択的COX−2阻害剤がバルデコキシブである、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
(a)水分散性及びエタノール不溶性である両親媒性油、(b)微晶質のワックス、及び(c)医薬として認容される非水溶性の担体を含む媒体;ここで当該媒体は、抗炎症有効量の抗炎症剤をその中に安定して分散して有し、並びに鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、ナトリウムチャネルブロッカー、抗新形成剤、及び抗浮腫からなる群より選択された第2の剤を含む医薬の組成物。
【請求項28】
前記抗炎症物質が、アセクロフェナク、アセメタシン、ε−アセトアミドカプロン酸、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチル酸、S−アデノシルメチオニン、アルクロフェナク、アルクロメタゾン、アルフェンタニル、アルゲストン、アリルプロジン、アルミノプロフェン、アルオキシピリン、アルファプロジン、ビス(アセチルサリチル酸)アルミニウム、アムノシド、アンフェナク、アミノクロルチノキサジン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、2−アミノ−4−ピコリン、アミノプロピロン(aminopropylon)、アミノピリン、アミキセトリン、サリチル酸アンモニウム、アンピロキシカム、アムトルメチン グアシル、アニレリジン、アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、ベクロメタゾン、ベンダザック、ベノリレ−ト(benorylate)、ベノキサプロフェン、ベンズピペリロン、ベンジダミン、ベンジルモルヒネ、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、ベタメタゾン-17-吉草酸塩、ベジトラミド、α−ビサボロール、ブロムフェナク、p−ブロモアセトアニリド、5−ブロモサリチル酸アセテート、ブロモサリゲニン、ブセチン、ブクロクス酸、ブコローム、ブデソニド、ブフェキマク、ブマジゾン、ブプレノルフィン、ブタセチン(butacetin)、ブチブフェン、ブトルファノール、カルバマゼピン、カルビフェン、カルプロフェン、カルサラム、クロロブタノール、クロロプレドニゾン、クロルテノキサジン、サリチル酸コリン、シンコフェン、シンメタシン、シラマドール、クリダナク、クロベタゾール、クロコルトロン、クロメタシン、クロニタゼン、クロニキシン、クロピラク、クロプレドノール、クローブ、コデイン、コデインメチルブロマイド、リン酸コデイン、硫酸コデイン、コルチゾン、コルチバゾール、クロプロパミド、クロテタミド(crotethamide)、シクラゾシン、デフラザコート、デヒドロテストステロン、デソモルヒネ、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン−21−イソコチン酸、デキソキサドロール、デキシトロモルアミド、デキストロプロポクシフェン、デオキシコルチコステロン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン(diamorphone)、ジクロフェナク、ジフェナミゾール、ジフェンピラミド(difenpiramide)、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルニサル、ジフルプレドナート、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン エノール アセテート(dihydrocodeinone enol acetate)、ジヒドロモルヒネ、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム(dihydroxyaluminum acetylsalicylate)、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、ジプロセチル(diprocetyl)、ディピロン、ジタゾール、ドロキシカム、エモルファゾン、エンフェナム酸、エノキソロン、エピリゾール、エプタゾシン、エテルサラート、エテンザミド、エトヘプタジン、エトキサゼン(ethoxazene)、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトドラク、エトフェナマート、エトニタゼン、オイゲノール、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロズ酸、フェンドサール、フェノプロフェン、フェンタニル、フェンチアザク、フェプラジノール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルアザコルト、フルクロロニド(flucloronide)、フルフェナミン酸、フルメタゾン、フルニソリド、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルオシノロン アセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン(fluocortolone)、フルオレソン、フルオロメトロン、フルペロロン(fluperolone)、フルピルチン、フルプレドニデン(fluprednidene)、フルプレドニゾロン(fluprednisolone)、フルプロクァゾン、フルランドレノリド、フルルビプロフェン、フルチカゾン、フォルモコルタル(formocortal)、ホスホサール、ゲンチジン酸、グラフェニン、グルカメタシン、サリチル酸グリコール、グアイアズレン、ハルシノニド、ハロベタソール、ハロメタゾン(halometasone)、ハロプレドノン(haloprednone)、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロコルタマート(hydrocortamate)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンヘミスクシナート、ヒドロコルチゾン21−リジネート(lysinate)、ヒドロコルチゾンサイピオネート(cypionate)、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロキサム、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラック、イソフルプレドン(isoflupredone)、酢酸イソフルプレドン(isoflupredone acetate)、イソラドール(isoladol)、イソメタドン、イソニキシン、イソキセパク、イソキシカム、ケトベミドン、ケトプロフェン、ケトラック、p−ラクトフェネチド(lactophenetide)、レフェタミンン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル−モルファン、ロフェンタニル、ロナゾラク、ロルノキシカム、、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リジン、マジプレドン(mazipredone)、メクロフェナム酸、メドリゾン、メフェナム酸、メロキシカム、メペリジン、メプレドニゾン(meprednisone)、メプタジノール、メサラミン、メタゾシン、メタドン、メトトリメプラジン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、メチルプレドニゾロンスレプトネート(suleptnate)、メチアジン酸、メトホリン、メトポン、モフェブタゾン、モフェゾラク、モメタゾン、モラゾン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、サリチル酸モルホリン、マイロフィン(myrophine)、ナブメトン、ナルブフィン、ナロルフィン、サリチル酸1−ナフチル、ナプロキセン、ナルセイン、ネフォパム、ニコモルヒネ(nicomorphine)、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニメスリド、5’−ニトロ−2’−プロポキシアセトアニリド、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オルサラジン、アヘン、オキサセプロール、オキサメタシン、オキサプロジン、オキシコドン、オキシモルフォン、オキシフェンブタゾン、パパベレタム(papaveretum)、パラメタゾン、パラニリン(paranyline)、パルサルミド、ペンタゾシン、ペリソキサール、フェナセチン、フェナドキソン、フェナゾシン、塩酸フェナゾピリジン、フェノコール(phenocoll)、フェノペリジン、フェノピラゾン(phenopyrazone)、フェノモルファン、アセチルサリチル酸フェニル、フェニルブタゾン、サリチル酸フェニル、フェニラミドール、ピケトプロフェン、ピミノジン、ピペブゾン、ピペリロン、ピラゾラク、ピリトラミド、ピロキシカム、ピプロフェン(piprofen)、プラノプロフェン、プレドニカルベート(prednicarbate)、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニバル(prednival)、プレドニリデン(prednylidene)、プログルメタシン、プロヘプタジン、プロメドール(promedol)、プロパセタモール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、プロピフェナゾン、プロクアゾン、プロチジン酸、プロキサゾール、ラミフェナゾン、レミフェンタール、メチル硫酸リマゾリウム、サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、o−酢酸サリチルアミド、サリチル酸、サリチルスルホン酸、サルサラート、サルベリン、シメトリド、スフェンタニル、スルファサラジン、スリンダク、スーパーオキシドジスムターゼ、スプロフェン、スキシブゾン、タルニフルマート、テニダプ、テノキシカム、テロフェナマート、テトランドリン(tetrandrine)、チアゾリノブタゾン(thiazolinobutazone)、チアプロフェン酸、チアラミド、チリジン、チノリジン、チキソコルトル(tixocortol)、トルフェナム酸、トルメチン、トラマドール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トロペシン(tropesin)、ビミノール、キセンブシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、及びゾメピラクからなる群より選択された、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記抗炎症物質がステロイドを含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
前記抗炎症物質が非ステロイド性抗炎症薬を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項31】
前記抗炎症物質が選択的COX−2阻害剤を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項32】
前記選択的COX−2阻害剤が以下の式:
【化2】

{式中、R5はメチル基又はアミノ基であり、R6は水素又はC1-4のアルキル基又はアルコキシル基であり、X’はN又はCR7(ここでR7が水素又はハロゲンである)であり、そしてYとZは、独立して、1以上の位置でオキソ基、ハロ基、メチル基又はハロメチル基で場合により置換される5〜6員環の隣接した原子を定める炭素又は窒素原子である。}を有する、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記選択的COX−2阻害剤が、デラコキシブ、パレコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(2H)−ピリダジノン、4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、ベンジル−4−[(4−オキソピペリジン−1−イル)スルホニル]ピペリジン−4−カルボン酸tert−ブチル1、4−[5−(フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、並びにその塩及びプロドラッグからなる群より選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
前記選択的COX−2阻害剤がデラコキシブである、請求項31に記載の組成物。
【請求項35】
前記選択的COX−2阻害剤がパレコキシブである、請求項31に記載の組成物。
【請求項36】
前記選択的COX−2阻害剤がセレコキシブである、請求項31に記載の組成物。
【請求項37】
前記選択的COX−2阻害剤がバルデコキシブである、請求項31に記載の組成物。
【請求項38】
前記選択的COX−2阻害剤が約0.01〜約1000mg/mlの濃度で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項39】
前記選択的COX−2阻害剤が約0.1〜約750mg/mlの濃度で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項40】
前記選択的COX−2阻害剤が約5〜約20mg/mlの濃度で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項41】
前記両親媒性油が、ポリエチレングリコールと天然のトリグリセリドとのアルコール分解反応によって調製されるポリグリコール化グリセリドである、請求項27〜40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記ポリグリコール化グリセリドが、オレイン酸又はリノレン酸の主要脂肪酸構成成分を含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記ポリグリコール化グリセリドが、オレイン酸の主要脂肪酸構成成分を含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
前記ポリグリコール化グリセリドが、5−オレイン酸ポリエチレングリコールである、請求項41に記載の組成物。
【請求項45】
前記両親媒性油が、前記組成物の約1〜約80重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項46】
前記両親媒性油が、組成物の約3〜約25重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項47】
前記両親媒性油が、組成物の約0.01〜約99重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項48】
前記微晶質ワックスが、組成物の約0.001〜約50重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項49】
前記微晶質ワックスが、組成物の約0.1〜約40重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項50】
前記両親媒性油が、組成物の約1〜約15重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項51】
前記非水溶性媒体が、植物油、鉱油、中〜長鎖脂肪酸及びそのアルキルエステル、中〜長鎖脂肪酸のプロピレングリコール−ジ−エステル、脂肪酸とポリエチレングリコールとのモノ−、ジ−、及びトリグリセリルエステルからなる群より選択される、請求項27〜40のいずれか1項に記載に記載の組成物。
【請求項52】
前記非水溶性担体が植物油である、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記植物油が、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、オリーブ油、分別したココナッツ油、ピーナッツ油、ひまわり油、ベニバナ油、アーモンド油、アアボガド油、パーム油、パーム核油、ババスー油、ブナの実油、亜麻仁油、及びナタネ油からなる群より選択される、請求項51に記載の組成物。
【請求項54】
前記植物油が綿実油である、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記非水溶性担体が、組成物の約0.5〜約99重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項56】
前記非水溶性担体が、組成物の約10〜約95重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項57】
前記非水溶性担体が、組成物の約40〜約90重量/容量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項58】
酸化防止剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、懸濁剤、滑沢剤、可溶化物質、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、着色料、アルコール、透過性物質、抗刺激物、等張物質、及び緩衝物質からなる群より選択される少なくとも1つの賦形剤をさらに含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項59】
前記第2の剤が麻酔薬を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の剤がナトリウムチャネルブロッカーを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項61】
前記第2の剤が治療上効果的な量の麻酔薬を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項62】
前記ポリグリコール化グリセリドが、5−オレイン酸ポリエチレングリコールであり;前記非水溶性媒体が綿実油であり;抗炎症物質が、デラコキシブ、パレコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(2H)−ピリダジノン、4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、ベンジル−4−[(4−オキソピペリジン−1−イル)スルホニル]ピペリジン−4−カルボン酸tert−ブチル1、4−[5−(フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、並びにその塩及びそのプロドラッグからなる群より選択され;及び前記第2の剤がリドカインを含む、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
酸素透過性壁を有し、かつ請求項27に記載の組成物をその中に含有する容器又はデリバリーデバイスを含む製造物品。
【請求項64】
前記壁が、ポリエチレンを含む酸素透過性材料で構成されている、請求項63に記載の物品。
【請求項65】
前記組成物が、強化された化学的及び/又は物理的安定性を示す、請求項63に記載の物品。

【公表番号】特表2007−500691(P2007−500691A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521702(P2006−521702)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002461
【国際公開番号】WO2005/009436
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】