説明

抗生物質産物、その使用法および製剤

抗生物質産物が少なくとも3個の用量形態を含み、そのそれぞれは異なる放出プロファイルを持ち、抗生物質産物は約12時間以下でCmaxに到達する。一実施例において、即時放出用量形態、遅延放出用量形態、および持続放出用量形態があり、用量形態それぞれは異なる放出プロファイルを持ち、そのそれぞれは異なる時点でCmaxに到達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年7月21日に受理された合衆国暫定出願連続番号60/488,901号の優先権を主張し、その開示はその全体を引用例としてここに組み込まれている。
【0002】
本発明は、抗生物質産物ならびにその使用法と製剤に関する。
【背景技術】
【0003】
細菌感染と闘うために数多くの抗生物質がこれまでに使用されており、これからも使用されるであろう。一般にこの抗生物質は、即時放出用量形態の反復投薬により投与することができるが、コンプライアンスが低下したり、調節放出製剤(遅滞放出)としてより多い投与投薬量になることがある。本発明は、改良された抗生物質産物を提供するに指向する。
【発明の開示】
【0004】
本発明の一つの見地に従って、少なくとも2個、望ましくは少なくとも3個の抗生物質用量形態より成る抗生物質製薬産物が提供される。このような用量形態は、各用量形態が異なる放出プロファイルを持つように製剤される。
【0005】
とりわけ望ましい実施例において、望ましくは少なくとも2個、より望ましくは少なくとも3個の用量形態があり、そのそれぞれは異なる放出プロファイルを持ち、用量形態それぞれの放出プロファイルは、第一および第二用量形態が、異なる時点でそこに含まれる抗生物質の放出をそれぞれ開始する形をとり、また第三用量形態は、第二用量形態がそこに含まれる抗生物質の放出を開始するのとほぼ同じ時点、またはその後の時点にそこに含まれる抗生物質の放出を開始する形をとる。
【0006】
もう一つのとりわけ望ましい実施例において、少なくとも2個、望ましくは少なくとも3個の用量形態があり、そのそれぞれは異なる放出プロファイルを持ち、用量形態それぞれの放出プロファイルは、用量形態それぞれが抗生物質産物の投与後異なる時点でそこに含まれる抗生物質の放出を開始する形をとる。
【0007】
かくして本発明の見地に従って、少なくとも2個、望ましくは少なくとも3個の抗生物質用量形態を含む単一または一体の抗生物質が提供され、用量形態のそれぞれは、異なる放出プロファイルを持ち、これにより少なくとも2個の用量形態に含まれる抗生物質が、異なる時点で放出を開始することになる。
【0008】
一般に、第二または第三用量形態のいずれも、第一用量形態がそこに含まれる抗生物質の放出を開始する前に、それぞれが含む抗生物質の放出を開始しない。
【0009】
より詳細には、一つの見地において、抗生物質産物は少なくとも3個の用量形態を含み、その第一用量形態は即時放出用量形態であり、第二用量形態は遅延放出用量形態であり、また第三用量形態は持続放出用量形態であり、持続放出容量形態は遅延放出用量形態とほぼ同時点、または遅延放出用量形態の後の時点(持続放出の開始がある一定時間遅れる)で放出を開始し、遅延放出用量形態は、即時放出用量形態からの放出が開始された後に放出を開始する。
【0010】
本発明の更なる見地に従って、抗生物質産物は少なくとも4個の異なる用量形態を含むことができ、その少なくとも3個の用量形態は、抗生物質産物の投与後異なる時点でそこに含まれる抗生物質の放出を開始する。
【0011】
抗生物質産物は、一般に異なる放出時間で5個以上の用量形態を含むことはない。
【0012】
望ましい実施例に従って、抗生物質は、投与された時に、産物から放出される全抗生物質の最大血清濃度が12時間以内、望ましくは11時間以下で到達されるような全体放出プロファイルを持つ。一実施例では、抗生物質産物から放出される全抗生物質の最大血清濃度は、投与後4時間以降で達成される。
【0013】
本発明者の一つの望ましい実施例に従って、少なくとも3個の用量形態で存在する。少なくとも3個の用量形態の一つは即時用量形態であり、その抗生物質放出開始は、抗生物質産物投与後、実質的に遅れることはない。少なくとも3個の用量形態の第二は、その用語が従来の技術で公知である遅延放出用量形態である。少なくとも3個の用量形態の第三のものは、その用語が従来の技術で公知である持続放出用量形態である。持続放出用量形態からの抗生物質放出の開始が、第二用量形態とほぼ同時点で開始され、またその開始が、第二用量形態からの抗生物質の放出開始後まで遅らされるが、放出が開始された時には、この第三用量形態は、持続放出用量形態として抗生物質の放出を開始する、ということが更なる特性である。持続放出用量形態の放出開始の遅れは、抗生物質産物の型に依存してpH感受性または非pH感受性腸溶剤皮の使用によって達成することができ、これにより第三用量形態からの抗生物質の持続放出が、即時放出用量形態と遅延放出用量形態両方からの抗生物質の放出開始後まで遅らされる。より詳細には、少なくとも2個の用量形態の第二のものから放出される抗生物質は、少なくとも3個の用量形態の第一のものから放出される抗生物質が血清内Cmax(血清内最大血清濃度)に到達した後の時点でCmaxを達成し、また第三用量形態から放出される抗生物質は、第二用量形態から放出される抗生物質のCmaxの後で血清内Cmaxを達成する。
【0014】
すべての実施例において、少なくとも2個の用量形態の第二のものからの抗生物質の遅延放出の開始は、抗生物質の即時放出が第一用量形態から開始された後まで遅らされる。
【0015】
3個またはそれ以上の用量形態を含む一実施例では、第三用量形態からの抗生物質の持続放出の開始は、抗生物質の遅延放出が第二用量形態から開始された後まで遅らされる。
【0016】
3個またはそれ以上の用量形態を含む一実施例では、第三用量形態は、第二抗生物質が抗生物質の遅延放出を開始するほぼ同じ時点で抗生物質の持続放出を開始する。
【0017】
一実施例において、少なくとも2個の用量形態の第二のものは第一用量形態の少なくとも1時間後にそこに含有する抗生物質の放出を開始し、その放出の開始が少なくとも3個の用量形態の第一用量形態からの抗生物質放出の開始後6時間以下で起こる。
【0018】
一般に即時放出用量形態は、約0.5乃至約2時間以内でそこから放出される抗生物質のCmaxを産出し、また少なくとも3個の用量形態の第二の用量形態は、約4時間以下でそこから放出された抗生物質のCmaxを産出する。一般にこのような第二用量形態のCmaxは、抗生物質産物の投与後2時間以降に達成される。しかし、もっと短い時間でCmaxを達成することは、本発明の範囲内で可能である。
【0019】
前に示したように、抗生物質産物は、少なくとも3個、または少なくとも4個あるいはより異なった用量形態を含む。例えば、もし抗生物質産物が第三用量形態を含む場合には、そこから放出された抗生物質は、第一および第二用量形態それぞれから放出される抗生物質でCmaxが達成される後に、Cmaxに到達する。望ましい実施例では、第三用量形態からの抗生物質の放出は、第一用量形態および第二用量形態両方からの抗生物質の放出開始の後に開始される。一つの実施例では、第三用量形態からの抗生物質放出でのCmaxは、8時間以内で達成される。
【0020】
も一つの実施例において、抗生物質は、少なくとも4個の用量形態を含み、少なくとも4個の用量形態のそれぞれは異なる放出プロファイルを持ち、これにより少なくとも4個の異なる用量形態のそれぞれからの抗生物質放出は、異なる時間でCmaxを達成する。
【0021】
前に示したように、望ましい実施例において、抗生物質がそれぞれ異なる放出プロファイルを持つ少なくとも2個または少なくとも3個あるいは少なくとも4個の異なる用量形態を含むかどうかに拘わらず、抗生物質産物から放出されるすべての抗生物質に対するCmaxは、12時間以内に達成されており、更により一般的には11時間以下で達成される。
【0022】
前に示したように、とりわけ望ましい実施例において、抗生物質産物が異なる放出プロファイルを持つ少なくとも2個または少なくとも3個あるいは少なくとも4個の異なる用量形態をそれぞれ含有する場合、個々の用量形態それぞれから放出される抗生物質のCmaxは、12時間以下で達成され、より一般的にはそれぞれは11時間以下で達成される。
【0023】
望ましい実施例において、抗生物質産物は一日一回投与産物であり、これにより抗生物質産物の投与後は、一日中更に産物を投与されない。すなわち望ましい投薬法は、24時間にわたり産物を1回のみ投与することである。かくして本発明に従って、抗生物質の単一投与があり、すべての抗生物質の放出は、抗生物質の全Cmaxが12時間以下で到達するようなやり方で、異なる放出プロファイルで達成されるように抗生物質が放出される。単一投与という用語は、24時間にわたり投与される全抗生物質が、それらが基本的に同一時点に投与されるという条件の下で、単一の錠剤、またはカプセルあるいは2個またはそれ以上であってもよいが同時に投与されることを意味する。
【0024】
それぞれが異なる放出プロファイルを持つ少なくとも3個の抗生物質用量形態を含む単一用量抗生物質産物は、単一放出プロファイルを持つ抗生物質用量形態を含む単一用量抗生物質産物よりも改善されたものであることを、出願人は発見した。薬理許容担体内で抗生物質用量形態のそれぞれは、1個またはそれ以上の抗生物質を持ち、また用量形態のそれぞれは同じ抗生物質または異なる抗生物質を持つことができる。
【0025】
用量形態がもう一つの用量形態の後に放出を開始するとここで開示された時には、そのような専門用語は、その用量形態がそのような後で開始される放出を産出するように設計され意図されることを意味することは理解されねばならない。しかしそのような設計と意図があるにも拘わらず、抗生物質のいくらかの「漏出」が起こり得ることが従来の技術でも知られている。このような「漏出」は、ここで使用されている「放出」ではない。
【0026】
もし少なくとも4個の用量形態が使用されるならば、少なくとも4個の用量形態の第四のものは持続放出用量形態または遅延放出用量形態である。第四の用量形態が持続放出用量形態である場合には、たとえ少なくとも4個の用量形態の第四の用量形態のCmaxが他の用量形態それぞれのCmaxに到達した後に到達されるとしても、このような第四用量形態からの抗生物質放出は、第二および第三用量形態からの放出の前または後に開始されることがある。
【0027】
前に記載のように、本発明の抗生物質産物は、各種の投与経路により投与用に製剤される。例えば抗生物質産物は、局所投与、眼または耳への投与、直腸または膣投与、鼻滴薬、吸入、注射用、または経口投与などに適したやり方で製剤される。望ましい実施例において、抗生物質産物は、経口投与に適した方法で製剤される。
【0028】
例えば、皮膚への適用による局所投与の抗生物質産物を製剤するに際して、それぞれが一つの抗生物質を含有する少なくとも2個の異なる用量形態が、水中油型乳剤または油中水型乳剤の用量形態などを含むことにより、局所投与用に製剤される。このような製剤においては、即時放出用量形態は連続相にあり、持続および遅延放出用量形態は不連続相にある。製剤は、更に前に記載の3個の用量形態での送達のやり方で産出される。例えば油中水中油型乳剤が提供され、油は即時放出成分を含む連続相であり、油に分散された水は遅延放出用量形態を含み、また水に分散された油は持続放出用量形態を含む。
【0029】
パッチの形態で抗生物質産物を提供することも本発明の範囲内にあり、これは前に記載の異なる放出プロファイルを持つ抗生物質用量形態を含む。
【0030】
更に、抗生物質産物は、例えば液体エマルジョンとして眼または耳あるいは鼻での使用のために製剤される。例えば用量形態は疎水性ポリマーでコーティングされ、これにより用量形態はエマルジョンの油相にあり、また用量形態は親水性ポリマーでコーティングされ、これにより用量形態はエマルジョンの水相にあることができる。
【0031】
更に異なる放出プロファイルを持つ少なくとも3個の異なる用量形態を有する抗生物質産物が、従来の技術で既知の直腸または膣投与のために製剤される。これはクリームまたはエマルジョン、あるいは局所投与に使用されるものに類似の他の溶解可能用量形態の形をとる。
【0032】
更なる実施例として、抗生物質産物は、粒子をコーティングし吸入薬用に粒子を微粉化することで、吸入治療に使用するために製剤される。
【0033】
望ましい実施例において、抗生物質産物は、経口投与に適した方法で製剤される。かくして例えば、経口投与のために、用量形態それぞれはペレットまたは粒子として使用され、次いでペレットまたは粒子は、例えばカプセル、または錠剤に包埋され、あるいは経口投与用液に懸濁されて一体の薬剤産物に形成される。
【0034】
選択肢として、経口送達システムを製剤する際に、産物の用量形態のそれぞれは、錠剤として製剤され、錠剤のそれぞれはカプセルに入れて一体の抗生物質産物を産生する。かくして例えば、抗生物質産物は、即時放出錠剤である錠剤の形態で第一用量形態を含み、また更に2個またはそれ以上の追加錠剤を含み、その一つは前に記載の抗生物質の遅延放出を提供し、またそのもう一つのものは抗生物質の持続放出を提供し、これにより各錠剤から放出される抗生物質のCmaxが異なる時間で到達し、抗生物質産物から放出される全抗生物質のCmaxは、12時間以内で達成される。
【0035】
投与の異なる経路に向けて異なる放出プロファイルを持つ少なくとも3個の用量形態を含む抗生物質産物の製剤は、ここで教示から従来の技術の範囲内にあるものと見做される。従来の技術で知られるように、遅延放出および持続放出に関しては、放出の時間は剤皮内の抗生物質の濃度およびまたは剤皮の厚みにより制御することができる。
【0036】
本発明に従って、用量形態のそれぞれは同じ抗生物質を含有する。しかし用量形態のそれぞれは、1個以上の抗生物質を含有することができる。
【0037】
即時放出成分
本システムの即時放出部分は、抗生物質を放出するために投与後速やかに分解する成分の混合物であり得る。これは、他の3成分と混合され、または圧縮される別個のペレットまたは顆粒のいずれかの形態をとることができる。
【0038】
即時放出成分として抗生物質に加えられる物質は、必ずしもそれに限定されないが、微晶質セルロース、コーンスターチ、前ゼラチン化スターチ、じゃがいも澱粉、米澱粉、カルボキシメチルナトリウム澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、キトーサン、ヒドロキシキトーサン、ヒドロキシメチレーテッドキトーサン、架橋キトーサン、架橋ヒドロキシメチルキトーサン、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、マルトース、フラクトース、グルコース、レブロース、蔗糖、ポリビニルピロリドン(PVP)、アクリル酸誘導体(カルボポール、ユードラジット他)、ポリエチレングリコール、例えば低分子量PEGs(PEG2000−10000)および高分子量PEGs(ポリオックス)で分子量20,000ダルトン以上などである。
【0039】
1.0%乃至60%(W/W)の範囲で存在するようにこれらの物質を持つことが有用である。より望ましくは、これらの物質は3−40%の範囲で存在する。もっとも望ましくは、これらの物質は5−20%の範囲で存在し、そのため薬剤負荷は高水準で保持され、全用量形態のサイズは最小化される。
【0040】
加えて、薬物の分解、または摂取あるいは投与後の成分の分解に役立てるために、本システムに他の成分を持つことは有用である。これらの成分は、界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、モノグリセリン酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノステトアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノ酪酸グリセリル、カプリロカプロイルマクロゴル−8グリセリド、界面活性剤のプルロニック系などのノニオン系界面活性剤の一つ、または界面活性を持ついずれか他の物質、あるいは前記のものの何らかの配合物などである。物質は更にクロスカルメロースナトリウム、架橋PVP、その他など当業者にとって既知の錠剤分解物質またはスーパー錠剤分解物質であってもよい。
【0041】
これらの物質は0.05−15%(W/W)比で存在することができる。
【0042】
非pH感受性遅延放出成分
本組成物の成分は即時放出ユニットと同一ではあるが、組成物に追加のポリマーを組み込んでいるか、またはペレットあるいは顆粒表面の剤皮として付加されたものである。非pH依存性ポリマーを持つ遅延放出に影響を与えるいくつかの方法は、当業者にとって既知である。これらはなかでも可溶または腐食性バリヤシスム、酵素分解バリヤシステム、可裂コーティングシステム、およびブラグドカプセルシステムなどでもある。これらのシステムは文献内で十分に記載されており(アメリカン・ファーマスーティカル・レビュー、2001年ウインター版でのブッスマーおよびボドマイヤー、「標識パルス薬剤送達についての考察」参照)、これらの製造についての製剤と方法は、ここで引用例として組み込まれている。
【0043】
本発明のこの成分に適した放出の遅延を得るために使用できる物質は、必ずしもこれに限定されないが、4,000ダルトン以上の分子量を持つポリエチレングリコール(PEG)、(カルボワックス、ポリオックス)、ろう、例えば白ろうまたはハチろう、パラフィン、アクリル酸誘導体(ユードラジットRS)、酢酸セルロース、およびエチルセルロースなどであることができる。
【0044】
典型的には、これらの物質は、本成分の0.5−25%(W/W)の範囲にあることができる。望ましくは物質は、望ましいin vivoラグタイムとTmaxを提供するのに十分な量で存在する。
【0045】
pH感受性(腸溶)放出成分
本組成物の成分は、即時放出成分と同一であるが、組成物に組み込まれるか、またはペレットあるいは顆粒をおおう剤皮としての追加のポリマーを伴うものである。
【0046】
この目的に有用な物質の種類は、必ずしもそれに限定されないが、酢酸フタル酸セルロース、ユードラジットL、ユードラジットS、ユードラジットFS、およびセルロース誘導体の他のフタル酸塩であることができる。
【0047】
これらの物質は、4−20%(W/W)またはそれ以上の濃度で存在することができる。望ましくは物質は、望ましいin vivoラグタイムとTmaxを提供するのに十分な量で存在する。
【0048】
持続放出成分
本組成物の成分は、即時放出成分と同一であるが、組成物に組み込まれるか、またはペレットあるいは顆粒をおおう剤皮としての追加のポリマーを伴うものである。
【0049】
この目的に有用な物質の種類は、必ずしもそれに限定されないが、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ユードラジットRS、およびユードラジットRL、カルボポール、または8,000ダルトンを越える分子量のポリエチレングリコールであることができる。
【0050】
これらの物質は、4−20%(W/W)の濃度で存在することができる。望ましくはその量は、望ましいin vivo放出ファイルを提供するのに十分な量である。
【0051】
持続放出用量形態の放出開始を遅らせたい場合、適切なコーティングを持続放出開始を遅らせるために使用することができ、pH感受性または非pH感受性コーティングがそれである。
【0052】
持続放出用量形態のための非pH感受性コーティング
本発明のこの成分に適した放出の遅延を得るために使用できる物質は、必ずしもこれに限定されないが、4,000ダルトン以上の分子量を持つポリエチレングリコール(PEG)、(カルボワックス、ポリオックス)、ろう、例えば白ろうまたはハチろう、パラフィン、アクリル酸誘導体(ユードラジット)、酢酸セルロース、およびエチルセルロースなどであることができる。
【0053】
典型的には、これらの物質は、本成分の0.5−25%(W/W)の範囲にあることができる。望ましくは物質は、望ましいin vivoラグタイムとTmaxを提供するのに十分な量で存在する。
【0054】
持続放出用量形態のためのpH感受性コーティング
この目的に有用な物質の種類は、必ずしもそれに限定されないが、酢酸フタル酸セルロース、ユードラジットL、ユードラジットS、ユードラジットFS、およびセルロース誘導体の他のフタル酸塩であることができる。
【0055】
これらの物質は、4−20%(W/W)もしくはそれ以上の濃度で存在することができる。望ましくは物質は、望ましいiv vivoラグタイムとTmaxを提供するのに十分な量で存在する。
【0056】
前に記載したように、本発明の抗生物質組成物を含むユニットは、カプセル内に含まれる別のペレットまたは粒子、あるいは錠剤に包埋されまたは液体懸濁液に懸濁された粒子の形態にあることができる。
【0057】
本発明の抗生物質組成物は、例えば下記の投与経路のいずれかにより投与される:舌下、粘膜経由、経皮、腸管外等、また望ましくは経口投与される。本組成物は、抗生物質の治療有効量を含み、その量は使用される抗生物質、処置される疾病または感染症、また組成物が一日に送達される回数などで変化するであろう。組成物は、細菌感染を処置するための有効な量で宿主に投与される。
【0058】
本システムは、20時間以下の排出半減期、とりわけ12時間以下の排出半減期を持つ抗生物質の実質的な治療活性を延長するのに特に有用であり、また2−10時間の半減期を持つ薬物に対して特に有用である。以下は約1−12時間の半減期を持ついくつかの抗生物質の例である。セファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セファピリン、セファセロール、セファプロジル、セファドリン、セファマンドール、セフォニシド、セフォラニド、セフロキシム、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタキシジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフメタゾール、セフォテタン、セフォキシチン、ローラカルベフ、イミペネム、エリスロマイシン(およびエリスロマイシン塩、例えばエストレート、琥珀酸エチル、グルセプテート、ラクトビオネート、ステアリン酸などの塩)、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、トロレアノマイシン、ペニシリンV、ペニシリン塩、および複合体、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、アモキシシリン、アモキシシリンとクラブラン酸カリウム、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリンインダニルナトリウム(およびカルベニシリンの他の塩)、メズロシリン、ピペラシリン、ピペラシリンとタキソバクタム、チカルシリン、チカルシリンとクラブラン酸カリウム、クリンダマイシン、バンコマイシン、ノボビオシン、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、シクロセリン、エタムブトール塩酸およびその他の塩、エチオナミド、およびイソニアジド、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキシサン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、スルファシチン、スルフラメラジン、スルファメタジン、スルファメチキソール、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、スルファピリジン、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファピリジン(原文通り)、メトロニダゾール、メセナミン、ホスホマイシン、ニトロフラントイン、トリメトプリム、クロファジミン、コトリアモキサゾール、ペンタミジン、およびトリメトレキセートである。
【0059】
本発明は、更に下記の実施例に関連して更に記載されるであろう。しかし本発明の範囲はそれにより限定されるものではない。本明細書におけるすべての百分率は、別途指定のない限り重量によるものである。
【0060】
実施例
I.即時放出成分
成分を適切な薬物攪拌機または造粒機、例えば遊星攪拌機、高剪断造粒機、流動床造粒機、または押出機で、水または他の溶媒の存在の下で、あるいはドライブレンドで混合して組成物を製剤する。水または他の溶媒が使用された場合には、真空乾燥機または強制空気オーブンなどの適切な薬物乾燥機で混合物を乾燥する。産物は篩にかけられまたは造粒され、例えば回転錠剤プレスなどの適切な錠剤プレスを用いて圧縮され、あるいは適切な充填剤と共にカプセルまたはサシェに充填される。
【0061】
成 分 濃度(% W/W)
実施例1
アモキシシリン 65%(W/W)
微晶質セルロース 20
ポビドン 10
クロスカルメロースナトリウム 5
実施例2
アモキシシリン 55%(W/W)
微晶質セルロース 25
ポビドン 10
クロスカルメロースナトリウム 10
実施例3
アモキシシリン 65%(W/W)
微晶質セルロース 20
ヒドロキシプロピルセルロース 10
クロスカルメロースナトリウム 5
実施例4
アモキシシリン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール4000 10
ポリエチレングリコール2000 10
ヒドロキシプロピルセルロース 5
実施例5
アモキシシリン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール8000 20
ポリビニルピロリドン 5
実施例6
クラリスロマイシン 65%(W/W)
微晶質セルロース 20
ヒドロキシプロピルセルロース 10
クロスカルメロースナトリウム 5
実施例7
クラリスロマイシン 75%(W/W)
微晶質セルロース 15
ヒドロキシプロピルセルロース 5
クロスカルメロースナトリウム 5
実施例8
クラリスロマイシン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール4000 10
ポリエチレングリコール2000 10
ヒドロキシプロピルセルロース 5
実施例9
クラリスロマイシン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール8000 20
ポリビニルピロリドン 5
実施例10
シプロフロキサシン 65%(W/W)
微晶質セルロース 20
ヒドロキシプロピルセルロース 10
クロスカルメロースナトリウム 5
実施例11
シプロフロキサシン 75%(W/W)
微晶質セルロース 15
ヒドロキシプロピルセルロース 5
クロスカルメロースナトリウム 5
実施例12
シプロフロキサシン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール4000 10
ポリエチレングリコール2000 10
ヒドロキシプロピルセルロース 5
実施例13
シプロフロキサシン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール8000 20
ポリビニルピロリドン 5
実施例14
セフチブテン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール4000 10
ポリエチレングリコール2000 10
ヒドロキシプロピルセルロース 5
実施例15
セフチブテン 75%(W/W)
ポリエチレングリコール4000 20
ポリビニルピロリドン 5
【0062】
II.非pH感受性遅延放出成分
記載されたpH依存性遅延放出成分を調剤するためには、アメリカン・ファーマスーティカル・レビュー、2001年ウインター版でのブッスマーおよびボドマイヤー、「標識パルス薬剤送達についての考察」記載のいずれかの方法を利用することができる。実施例16および17は、ユードラジットフィルムの透過率と厚みに依存して設定量の時間後に、ユードラジットフィルムの透過率の急激な増加を生じるようにユードラジットRS層の下の有機酸層を利用するものであり、その結果内部中心がユードラジット膜を通して放出することを可能にする。実施例18は、外部酢酸セルロース膜の透過率、塑性、および厚みで規定されるある時間後に不溶コーティング膜を破壊する高度に膨潤可能な中心を利用する。コーティングは、当業者に既知の流動床プロセッサーでのウルスターカラムコーティングなどの方法を利用して中心に適用される。
【0063】
更に本成分は、実施例19の通り調製される。本実施例では、各成分を適切な薬物攪拌機または造粒機、例えば遊星攪拌機、高剪断造粒機、流動床造粒機または押出機で、水または他の溶媒の存在下で、あるいはホットメルト法で混合して組成物を製剤する。水または他の溶媒が使用された場合には、真空乾燥機または強制空気オーブンなどの適切な薬物乾燥機で混合物を乾燥する。
【0064】
成分は冷却された後、産物は篩がけされ、または造粒され、また例えば回転錠剤プレスなどの適切な錠剤プレスを用いて圧縮され、あるいは適切なカプセル製造機でカプセルに充填される。
【0065】
成 分 濃度(% W/W)
実施例16
実施例4からの中心 65%(W/W)
クエン酸 10
ユードラジットRSポリマー 20
滑石 4
TEC 1
実施例17
実施例9からの中心 75%(W/W)
クエン酸 10
ユードラジットRSポリマー 20
滑石 4
TEC 1
実施例18
実施例1からの中心 93%(W/W)
酢酸セルロース 6.75
PEG 400 0.25
実施例19
シプロフロキサシン 70%(W/W)
ポリオックス 20
ヒドロキシプロピルセルロース 5
クロスカルメロースナトリウム 5
【0066】
III.腸溶放出成分
実施例20−27は、そのような腸溶ポリマーを活性中心に重畳して腸溶放出成分を作成する当業者によく知られたフィルムコーティング技術を利用する。一般にこのステップは、まず有機または水性溶媒でコーティング分散液を作ることを含む。第二にコーティングが、できる限り均一なフィルムを産出するために適切な条件で適用される。これはパンコーターまたは流動床ウルスターカラムコーターなどの適切なコーティング機器で行われる。選択肢として、産物はもし必要ならば更に養生される。
【0067】
マトリックス型腸溶成分を作るためには、各成分を適切な薬物攪拌機または造粒機、例えば遊星攪拌機、高剪断造粒機、流動床造粒機、または押出機で、水または他の溶媒の存在下で、あるいはホットメルト法で混合して実施例28−32の成分を製剤する。水または他の溶媒が使用された場合には、真空乾燥機または強制空気オーブンなどの適切な薬物乾燥機で混合物を乾燥する。産物は冷却される。
【0068】
いずれかの方法で製造された産物は、篩にかけられまたは造粒され、また例えば回転錠剤プレスなどの適切な錠剤プレスを用いて圧縮され、またはMG2フツーラなどの適切なカプセルに充填機を用いてカプセルに充填される。
【0069】
成 分 濃度(% W/W)
実施例20
実施例1からの中心 65%(W/W)
酢酸フタル酸セルロース 30
TEC 5
実施例21
実施例5からの中心 75%(W/W)
酢酸フタル酸セルロース 20
トリアセチン 5
実施例22
実施例1からの中心 65%(W/W)
ユードラジットL 25
滑石 8
TEC 2
実施例23
実施例1からの中心 65%(W/W)
ユードラジットFS 28
滑石 5
TEC 2
実施例24
実施例1からの中心 65%(W/W)
ユードラジットS 28
滑石 5
TEC 2
実施例25
実施例7からの中心 75%(W/W)
ユードラジットL 20
滑石 3.5
TEC 1.5
実施例26
実施例11からの中心 60%(W/W)
ユードラジットL 35
滑石 4
TEC 1
実施例27
実施例15からの中心 65%(W/W)
酢酸フタル酸セルロース 32.5
TEC 2.5
実施例28
アモキシシリン 75%(W/W)
微晶質セルロース 5
フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース 20
実施例29
アモキシシリン 60%(W/W)
ラクトース 10
ユードラジットL30D 30
実施例30
シプロフロキサシン 70%(W/W)
ポリエチレングリロール4000 10
酢酸フタル酸セルロース 20
実施例31
クラリスロマイシン 60%(W/W)
ポリエチレングリロール2000 10
ラクトース 20
ユードラジットL30D 10
実施例32
セフチブテン 70%(W/W)
微晶質セルロース 20
酢酸フタル酸セルロース 10
【0070】
IV.持続放出成分
実施例33−38は、そのような持続放出ポリマーを活性中心に重畳して持続放出成分を作成する当業者によく知られたフィルムコーティング技術を利用する。一般にこのステップは、まず有機または水性溶媒でコーティング分散液を作ることを含む。第二にコーティングができる限り均一なフィルムを産出するために適切な条件で適用される。これはパンコーターまたは流動床ウルスターカラムコーターなどの適切なコーティング機器で行われる。選択肢として、産物はもし必要ならば更に養生される。養生研究は持続放出膜で推奨される。
【0071】
マトリックス型持続放出成分を作るためには、各成分を適切な薬物攪拌機または造粒機、例えば遊星攪拌機、高剪断造粒機、流動床造粒機、または押出機で、水または他の溶媒の存在下で、あるいはホットメルト法で混合して実施例39−42の成分を製剤する。水または他の溶媒が使用された場合には、真空乾燥機または強制空気オーブンなどの適切な薬物乾燥機で混合物を乾燥する。
【0072】
いずれかの方法で製造された産物は、篩にかけられまたは造粒され、また例えば回転錠剤プレスなどの適切な錠剤プレスを用いて圧縮され、MG2フツーラなどのカプセル充填機を用いてカプセルに充填される。
【0073】
成 分 濃度(% W/W)
実施例33
実施例1からの中心 75%(W/W)
エチルセルロース 20
滑石 5
実施例34
実施例5からの中心 80%(W/W)
ユードラジットRS 10
ユードラジットRL 5
滑石 3
TEC 2
実施例35
実施例5からの中心 90%(W/W)
エチルセルロース 9
トリアセチン 1
実施例36
実施例7からの中心 90%(W/W)
シュアレアーゼ 10
実施例37
実施例11からの中心 85%(W/W)
コリコートSR 10
TBC 5
実施例38
実施例15からの中心 80%(W/W)
ポリエチレングリロール8000 5
ユードラジットRS 15
実施例39
アモキシシリン 75%(W/W)
ヒドロキシエチルセルロース 10
ポリエチレングリロール4000 10
ヒドロキシプロピルセルロース 5
実施例40
シプロキサン 75%(W/W)
ラクトース 10
ポビドン(PVP) 10
ポリエチレングリロール2000 5
実施例41
クラリスロマイシン 75%(W/W)
ポリエチレングリロール4000 10
ポビドン(PVP) 10
ヒドロキシプロピルセルロース 5
実施例42
セフチブテン 75%(W/W)
ラクトース 15
ポリエチレングリロール4000 5
ポリビニルピロリドン 5
【0074】
V.持続放出を遅らせるコーティングをされた持続放出用量形態
本発明における抗生物質の持続放出開始を遅らせるためには、即時放出成分ビートを持続放出コーティングで被覆し、次いで腸溶コーティングすなわち非pH感受性遅延放出コーティングを前記被覆ビードに適用するか、または選択肢として、持続放出マトリックス成分ビートが腸溶コーティングすなわち非pH感受性遅延放出コーティングで被覆されるかのいずれかによって達成することができる。
【0075】
コーティングは、胃腸管の望ましい環境または位置で治療薬をパルスする産物を形成するために、持続放出被覆ビードまたは持続放出マトリックスビードのいずれかに適用することができる。
【0076】
V A.下記の実施例は、実施例のセクションIからの即時放出ビードに適用される持続放出コーティング物質の詳細な製剤を記載し、その結果として本発明の持続放出成分を生成する。
【0077】
実施例43 ユードラジットRS実施例−有機コーティング
【0078】
【表1】

【0079】
ステップ1. ユードラジットをアセトンに溶解する。
ステップ2. 別コンテナーのTECと滑石を同じアセトンで混合する。
ステップ3. ステップ2をステップ1に加え、噴霧前に20分混合する。
【0080】
実施例44 シュアレアーゼ(登録商標)実施例−水性コーティング
【0081】
【表2】

【0082】
ステップ1. 噴霧の前にシュアレアーゼと水を30分混合する。
【0083】
持続放出コーティングのビードへの適用のための指示事項:
流動床を具えたウルスターカラムに被覆されるビードを装荷する。4乃至20%の重量増加を与えてビードを有効に被覆するように、ビードの当業者に既知の速度と温度でコーティングをビードに噴霧する。最適取扱いと安定性を維持するコーティング溶媒の特定水準までビードを乾燥する。必要な場合、持続放出フィルムの追加の固定のために、ビードを養生する。
【0084】
V B.下記のものは、第二、第三、または追加の用量形態のいずれかまたはすべての作用の開始を選択的に遅らすために使用できるpH感受性、すなわち腸溶放出コーティングの実施例である。
【0085】
前記持続放出コーティングで処理された即時放出成分に、または持続マトリックスペレットに対して適用される水性ユードラジットL30D−55分散液の組成は、下記の実施例45で提供される。
【0086】
実施例45 ユードラジット(登録商標)L20D−55水性分散液
【0087】
【表3】

【0088】
ユードラジット(登録商標)L30D−55水性分散液の調製手順
【0089】
ステップ1. クエン酸トリエチルと滑石を脱イオン水に懸濁する。
ステップ2. 次いでTEC/滑石懸濁液はパワージェン700高剪断混合機を用いて均質化される。
ステップ3. TEC/滑石懸濁液を、ユードラジット(登録商標)L30D−55ラテックス分散液に攪拌しながらゆっくり加える。
ステップ4. マトリックスペレットに適用前に1時間コーティング分散液を攪拌する。
【0090】
実施例46 ユードラジット(登録商標)S100水性コーティング分散液の調製
マトリックスペレットに適用される水性ユードラジット(登録商標)S100分散液の組成は下記の通りに提供される。
【0091】
ユードラジット(登録商標)S100水性コーティング分散液
【0092】
【表4】

【0093】
ユードラジット(登録商標)S水性分散液の調製手順
【0094】
パートI.
(i)ユードラジット(登録商標)S100粉末を脱イオン水で攪拌しながら分散する。
(ii)水酸化アンモニウム液を水滴状に攪拌しながら分散液に加える。
(iii)60分攪拌しながら部分中和分散液を放置する。
(iv)クエン酸トリエチルを水滴状に攪拌しながら分散液に加える。
【0095】
パートB追加前約2時間攪拌する。
【0096】
パートII.
(i)滑石を水必要量に分散する。
(ii)パワージェン700D高剪断混合機を用いて分散液を均質化する。
(iii)次いでパートBは軽く攪拌しながらパートAのポリマー分散液に加えられる。
【0097】
水性コーティング分散液適用のためのコーティング条件
下記のコーティングバラメータがユードラジット(登録商標)L30D−55およびユードラジット(登録商標)S100水性フィルムコーティングそれぞれでマトリックスペレットを被覆するために使用された。
【0098】
コーティング設備 STREA 1TMテーブルトップ実験用流動床コーター
噴霧ノズル径 1.0mm
材料仕込み 300g
入口空気温度 40乃至45℃
出口空気温度 30乃至33℃
噴霧空気圧 1.8バール
ポンプ吐出量 2g/分
【0099】
(i)マトリックスパレットに12%被覆量増加を与えるようにマトリックスペレットをL30D−55分散液で被覆する。
(ii)マトリックスペレットに20%の被覆量増加を与えるようにマトリックスペレットをS100分散液で被覆する。
【0100】
V C.下記の実施例は、第二、第三、または追加の用量形態のいずれかまたはすべての作用の開始を選択的に遅らせるために使用される非pHは感受性コーティング物質の詳細な調製を記載する。
【0101】
実施例47 破砕可能フィルム
【0102】
【表5】

【0103】
ステップ1. 酢酸セルロースをアセトンに溶解する。
ステップ2. TECをステップ1に加え、20分混合したままにしておく。
【0104】
持続放出コーティングのビートへの適用のための指示事項:
流動床を具えたウルスターカラムに被覆されるビードを装荷する。ビードは、水分への露出で急速に膨潤する成分を含む必要がある。セクションIのクロスカルメロースナトリウムを含むビードは、セクションIVからの膨潤機親水性ポリマーのビードと同じく良い候補となり得る。4乃至20%の重量増加を与えてビードを有効に被覆するように、ビードの当業者に既知の速度と温度でコーティングをビードに噴霧する。最適取り扱いと安定性を維持するコーティング溶媒の特定水準までビードを乾燥する。
【0105】
破砕可能フィルムコーティング適用のためのコーティング条件
下記のコーティングパラメータが破砕可能フィルムコーティングの実施例39からのマトリックスミニ錠剤を被覆するために使用された。2.5%の重量増加が望ましいラグタイムを提供した。
【0106】
コーティング設備 1.3Lパンを備えたベクターLDCSコーティングシステム
噴霧ノズル径 0.8mm
材料仕込み 800g
入口空気温度 40乃至45℃
出口空気温度 18乃至23℃
噴霧空気圧 25psi
ポンプ吐出量 6g/分
【0107】
前記腸溶コーティングおよび非pH感受性コーティングは、実施例33−42に見られる持続放出マトリックスビードに、または前もって持続放出コーティングで処理された即時放出成分のいずれかに適用することができ、それにより作用の開始を遅らせる持続放出ビードを提供する。更に腸溶コーティングまたは非pH感受性コーティングは、作用開始の遅延を提供するため直接即時放出成分ビードに適用することができる。
【0108】
VI.最終組成物
個別成分すべてが製造された後、最終用量形態はアセンブルされ、錠剤、カプセルまたはサシェの形状をとる。望ましくは、最終用量形態はカプセルまたは錠剤の形状である。より望ましくは、最終用量形態は錠剤である。
【0109】
各種の用量形態は、12時間以下でCmaxを達成し、また産物が抗感染薬の1日1回投与を提供するような比率で最終用量形態に組合される。望ましくは、第一、第二、および第三用量形態は、それぞれ全用量形態の20−70%、10−70%、および10−70%を提供する。より望ましくは、第一、第二、および第三用量形態の比率は、それぞれ25−66%、15−60%、および15−60%の範囲にある。もっと望ましくは、第一、第二、および第三用量形態の比率は、それぞれ33−60%、25−50%、および25−50%の範囲にある。
【0110】
抗生物質の1日2回投与を改良し、また抗生物質の1日1回投与を改良したものを提供する抗生物質産物を提供するという点で、本発明はとりわけ有利なものとなる。
【0111】
本発明の数多くの改良および変化は前記の教示で可能であり、従って最初に記載した請求項の範囲内で本発明は特に記載されたもの以外にも実行可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一日一回投与の抗生物質産物であって、第一、第二、および第三の抗生物質用量形態を含み、前記抗生物質用量形態それぞれは、少なくとも1個の抗生物質および薬理許容担体を含み、前記第一抗生物質用量形態は、即時放出用量形態であり、前記第二抗生物質用量形態は、遅延放出用量形態であり、また前記第三抗生物質用量形態は、持続放出用量形態であり、ここで前記第二用量形態は、前記第一用量形態が、抗生物質の放出を開始した後に抗生物質の放出を開始し、またここで前記第三用量形態は、前記第二用量形態が抗生物質の放出を開始するのとほぼ同じ時点で抗生物質の放出を開始し、または前記第三用量形態は、前記第二用量形態が抗生物質の放出を開始した後に抗生物質の放出を開始し、また前記抗生物質産物から放出される全抗生物質のCmaxは、投与の約12時間以下で達成され、また前記1日1回投与の抗生物質が、24時間にわたり少なくとも1個の抗生物質の全用量を含むことを特徴とする抗生物質産物。
【請求項2】
請求項1記載の抗生物質産物であって、前記第三用量形態は、前記第二用量形態が抗生物質の放出を開始するのとほぼ同時点に抗生物質の放出を開始することを特徴とする抗生物質。
【請求項3】
請求項1記載の抗生物質産物であって、前記第三用量形態は、前記第二用量形態が抗生物質の放出を開始した後に抗生物質の放出を開始することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項4】
請求項1記載の抗生物質産物であって、前記抗生物質産物のCmaxが投与の4時間以降に到達されることを特徴とする抗生物質産物。
【請求項5】
請求項1記載の抗生物質産物であって、第一用量形態から放出される抗生物質が前記抗生物質産物の投与後約0.5乃至約2時間以内にCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項6】
請求項1記載の抗生物質産物であって、前記抗生物質産物が経口用量形態であることを特徴とする抗生物質産物。
【請求項7】
請求項1記載の抗生物質産物であって、第二用量形態から放出される抗生物質は、第一用量形態から放出される抗生物質がCmaxに到達した後にCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項8】
請求項1記載の抗生物質産物であって、第三用量形態から放出される抗生物質は、第二用量形態から放出される抗生物質がCmaxに到達した後にCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項9】
請求項1記載の抗生物質産物であって、第一用量形態が抗生物質全用量の約20−70%を含み、第二用量形態が抗生物質全用量の約10−70%を含み、また第三用量形態が抗生物質全用量の約10−70%を含み、また第三用量形態が抗生物質全用量の約10−70%を含むことを特徴とする抗生物質産物。
【請求項10】
請求項1記載の抗生物質産物であって、第一用量形態が抗生物質全用量の約25−66%を含み、第二用量形態が抗生物質全用量の約15−60%を含み、また第二用量形態が抗生物質全用量の約15−60%を含むことを特徴とする抗生物質産物。
【請求項11】
請求項1記載の抗生物質産物であって、第一用量形態が抗生物質全用量の約33−60%を含み、第二用量形態が抗生物質全用量の約25−50%を含み、また第三用量形態が抗生物質全用量の約25−50%を含むことを特徴とする抗生物質産物。
【請求項12】
請求項1記載の抗生物質産物であって、更に第四抗生物質用量形態を含み、前記第四抗生物質用量形態は、持続放出または遅延放出用量形態のいずれかであり、また少なくとも1個の抗生物質と薬理許容担体を含み、また前記第四抗生物質用量形態から放出される前記少なくとも1個の抗生物質は、前記第一、第二、および第三用量形態のそれぞれから放出される抗生物質がCmaxに到達した後にCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項13】
請求項12記載の抗生物質産物であって、前記抗生物質産物のCmaxが投与の4時間以降に到達されることを特徴とする抗生物質産物。
【請求項14】
請求項12記載の抗生物質産物であって、第一用量形態から放出される抗生物質が前記抗生物質産物の投与後、約0.5乃至約2時間以内にCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項15】
請求項12記載の抗生物質産物であって、第二用量形態から放出される抗生物質産物が前記抗生物質産物の投与後約4時間以下でCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項16】
請求項12記載の抗生物質産物であって、前記抗生物質産物が経口用量形態であることを特徴とする抗生物質産物。
【請求項17】
請求項12記載の抗生物質産物であって、第二用量形態から放出される抗生物質産物は、第一用量形態から放出される抗生物質産物がCmaxに到達した後にCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項18】
請求項12記載の抗生物質産物であって、第三用量形態から放出される抗生物質は、第二用量形態から放出される抗生物質がCmaxに到達した後にCmaxに到達することを特徴とする抗生物質産物。
【請求項19】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項1記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項2記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項3記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項4記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項5記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項6記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項7記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項8記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項9記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項10記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項11記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項12記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項13記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項14記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項15記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項16記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項17記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
宿主の細菌感染を処置する方法であって、請求項18記載の抗生物質産物を一日一回宿主に投与することを含むことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2006−528189(P2006−528189A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521185(P2006−521185)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/023295
【国際公開番号】WO2005/009365
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(503139061)アドバンシス ファーマスーティカル コーポレイション (13)
【Fターム(参考)】