説明

抗癌性を有する水及びその水の製造方法

【課題】飲料摂取や注射によって体内に取り入れることで体内の癌細胞の増殖を抑制させることができ、かつ副作用の心配のない水及びその水の製造方法を提供するものである。
【解決手段】イオン交換樹脂32を内蔵する軟水生成器10,12と、トルマリンを内蔵するイオン生成器と、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石54を内蔵する岩石収納器とを順に直列に連結し、イオン交換樹脂32とトルマリンと火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石54との順に水を通過させる。この水には水素イオン(H+)やヒドロニウムイオン(H3+)を大量に含んでおり、この水を通常の飲食用水として体内に摂取するか、それと併せて体内に注射投入することで、癌細胞の分裂増殖を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料摂取や注射によって体内に取り入れることによって体内の癌細胞の増殖を抑制できる抗癌性を有する水及びその水の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、癌患者を治療するための研究が、多くの医師や学者によって行われている。体内に摂取して癌を治療する手段としては、主には薬剤がある。現在までに抗癌剤として多くの発明が提供されており、その薬剤として例えば特許文献1が提供されている。
【0003】
薬剤の他に体内に摂取して癌を治療するものとして、アガリクスやメシマコブ等のきのこ類が知られている。アガリクスやメシマコブは、煮出してその汁を飲むか、あるいは直接それらを食品として摂取することで、体内の癌細胞の分裂増殖を阻止することができると巷間流布されている。しかし、日本の厚生労働省は、アガリクスやメシマコブ等のきのこ類が抗癌性のあるものとは認めていない。
【0004】
【特許文献1】特開2004−352673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
抗癌性のある薬剤は、その開発に多大の時間と多大の経費がかかるため、大手の製薬会社でなければ、一般には開発をすることが出来ないものである。また、抗癌性のある薬剤を摂取すると、抜け毛等の副作用がある。更に、薬剤は一般に、2種類以上の薬剤を併用すると想定外の副作用が発生するおそれがあり、他の病気も併せ持っている患者にとっては、互いの薬剤による副作用がないことを確認しない限り、安心して2種類以上の薬剤を併用することができない。その他、飲食品としてのアガリクスやメシマコブ等のきのこ類は、本当に抗癌性があるかどうかは、科学的に未だ実証されていない。
【0006】
本発明はこの点に鑑みてなされたもので、飲料摂取や注射によって体内に取り入れることで体内の癌細胞の分裂増殖を抑制させることができ、かつ副作用の心配のない水及びその水の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る抗癌性を有する水の製造方法(実施例1)は、イオン交換樹脂と、トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石との順に水を通過させることを特徴とするものである。本発明に係る抗癌性を有する水の製造方法(実施例2)は、イオン交換樹脂と、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石と、トルマリンとの順に水を通過させることを特徴とするものである。本発明に係る抗癌性を有する水の製造方法(実施例3及び実施例4)は、トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通過させることを特徴とするものである。本発明は、前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とするものである。本発明は、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が、黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とするものである。本発明は、前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とするものである。本発明は、前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とするものである。本発明は、前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とするものである。本発明は、前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とするものである。本発明は、前記イオン交換樹脂がイオン交換によってナトリウムイオンを発生させることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る抗癌性を有する水(実施例1)は、イオン交換樹脂と、トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石との順に水を通過させることを特徴とするものである。本発明に係る抗癌性を有する水(実施例2)は、イオン交換樹脂と、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石と、トルマリンとの順に水を通過させることを特徴とするものである。本発明に係る抗癌性を有する水(実施例3及び実施例4)は、トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通過させることを特徴とするものである。本発明は、前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とするものである。本発明は、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が、黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とするものである。本発明は、前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とするものである。本発明は、前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とするものである。本発明は、前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とするものである。本発明は、前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とするものである。本発明は、前記イオン交換樹脂がイオン交換によってナトリウムイオンを発生させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、イオン交換樹脂とトルマリンと火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石との3種類のものに水を通過させるか、トルマリンと火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石との2種類のものに水を通過させて特殊な水(以下“創生水”とする)を製造するものである。その創生水を、飲用摂取したり、注射投入したりすることで、体内に発生した癌細胞の分裂増殖を抑制するものである。本発明は、日常の飲食用水としての創生水を摂取するだけで良いので、他の病気を併せ持っている人は、他の病気の薬剤を安心して摂取することができる。また、創生水は飲料に適した水であるので、抗癌性の薬剤を摂取する場合のような抜け毛等の副作用の心配をしなくて済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、飲料摂取か注射投入のいずれかによって体内に取り入れることで、体内に発生した癌細胞の分裂増殖を抑制するための特殊な水及びその水の製造方法である。
【実施例1】
【0011】
次に、本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。図1は本発明に係る抗癌性を有する水の製造装置の一実施例を示す構成図である。第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12とイオン生成器14と岩石収納器16とを、連絡管18a,18b,18cを介して、順に直列に連結する。第1の軟水生成器10には、例えば水道のような圧力のある水が水供給管20から連絡管22を介して第1の軟水生成器10に供給される。水供給管20と連絡管22との間には、蛇口のような入口用開閉弁24が備えられ、連絡管22の途中には逆止弁26が備えられる。岩石収納器16の出口側には吐出管28が取り付けられ、吐出管28の先端または途中に出口用開閉弁30が備えられる。
【0012】
水道水の場合、水供給管20から送り出される水は、第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12とイオン生成器14と岩石収納器16の順を経て、出口用開閉弁30を開くことによって吐出管28から取り出される。水道水以外の場合は、図示しないが、水槽に溜めた水をポンプによって、水供給管20を経由して第1の軟水生成器10に導入する。この場合、ポンプと第1の軟水生成器10との間に逆止弁26を備える。
【0013】
第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12は、その内部に粒状のイオン交換樹脂32を大量に収納するもので、その断面図を図2に示す。軟水生成器10,12の本体34は筒状をしており、その筒状の上下端面に水の出入口36a,36bを有する。筒状の本体34の内部には、上下の端面からやや離れた位置の内壁に、それぞれ中央に穴を開けたシールド部材38a,38bを備える。その一対のシールド部材38a,38bの間に、イオン交換樹脂32を細かい網40に入れた状態で収納する。上下の出入口36a,36bからやや離れた位置の内壁に、中央に穴を開けたシールド部材38を備えるのは、イオン交換樹脂32を入れた網40を一対のシールド部材38の間に配置し、出入口36a,36b付近に空間42a,42bを形成させるためである。また、シールド部材38a,38bの中央の穴から水を出入りさせるようにしたのは、水がイオン交換樹脂32に必ず接触させるためである。イオン交換樹脂32を網40に入れるのは、粒状のイオン交換樹脂32を洗浄するために取り出す際に、網40ごと粒状のイオン交換樹脂32を取り出せるようにしたものである。
【0014】
第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12は、その高さを例えば80cmとし、内径を10cmとする。そして、例えばイオン交換樹脂32の収納高さを70cmとし(上下に空間42a,42bを存在させる)。この際、イオン交換樹脂32の収納高さは、少なくともイオン交換が充分行なえるような高さが必要である。一方、イオン交換樹脂32の収納高さが高くなりすぎると(例えばイオン交換樹脂32の収納高さが約200cm以上になると)、イオン交換樹脂32が水の抵抗となって軟水生成器の内部を通過する流量が減少するため、イオン交換樹脂32の収納高さを流量が減少しない高さにする。イオン交換樹脂32を収納する容器を2つに分けたのは、第1の軟水生成器10や第2の軟水生成器12の高さをイオン生成器14や岩石収納器16と同じ程度の高さに低く押えるためと、そこを通過する水の圧損失によって流量が減少することを避けるためである。また、2つの軟水生成器10,12を1つにまとめて、1つの軟水生成器にすることも可能である。水の流量に応じて軟水生成器の内径とイオン交換樹脂32の収納高さと、軟水生成器の直列に連結する数を任意に設定することができる。
【0015】
イオン交換樹脂32は、水に含まれているCa2+やMg2+やFe2+等の金属イオンを除去して、水を軟水にするためのものであり、特に水の硬度をゼロに近い程度に低くするためのものである。イオン交換樹脂32としては、例えば、スチレン・ジビニルベンゼンの球状の共重合体を均一にスルホン化した強酸性カチオン交換樹脂(RzSO3Na)を用いる。このイオン交換樹脂32は、水に含まれているCa2+やMg2+やFe2+等の金属イオンとは、以下のイオン交換反応を生じる。
2RzSO3Na + Ca2+ → (RzSO32Ca + 2Na+
2RzSO3Na + Mg2+ → (RzSO32Mg + 2Na+
2RzSO3Na + Fe2+ → (RzSO32Fe + 2Na+
即ち、イオン交換樹脂32を通すことによって、水に含まれているCa2+やMg2+やFe2+等を除去することができる。イオン交換樹脂32として強酸性カチオン交換樹脂(RzSO3Na)を用いることによって、ナトリウムイオン(Na+)が発生する。イオン交換樹脂32は、Na+以外のものが発生するものであっても構わないが、Na+を発生するものの方が好ましい。水が水道水であれば、その水道水の中にはCa2+やMg2+やFe2+等の金属イオンの他に塩素が含まれているが、水道水がイオン交換樹脂32を通ることによって、この塩素には何も変化が生じない。
【0016】
一方、水(H2O)がイオン交換樹脂32を通ることによって、以下のように変化する。
2O → H+ + OH- ……(1)
2O + H+ → H3+ ……(2)
即ち、(1)(2)に示すように、イオン交換樹脂32を通ることによって、水からは水酸化イオン(OH-)とヒドロニウムイオン(H3+)とが発生する。
【0017】
このように、水が硬水であった場合に、イオン交換樹脂32を通過することによって、水からCa2+やMg2+やFe2+等の金属イオンが除去されて軟水となる。また、イオン交換樹脂32を通過することによって、水の中にNa+とOH-とヒドロニウムイオン(H3+)とが発生する。しかし、水道水に含まれている塩素(Cl)はイオン化しないでそのまま通過する。なお、イオン交換樹脂32の種類によっては、Na+が発生しないこともある。
【0018】
次に、前記イオン生成器14の部分断面図を図3に示す。イオン生成器14は、複数個のカートリッジ44を同じ配置で上下に連続して直列に連結したものである。各カートリッジ44の内部に、粒状のトルマリン46のみか、粒状のトルマリン46と板状の金属48との混合物かのいずれかを収納する。トルマリンは、プラスの電極とマイナスの電極とを有するもので、このプラスの電極とマイナスの電極によって、水に4〜14ミクロンの波長の電磁波を持たせ、かつ水のクラスターを切断してヒドロニウムイオン(H3+)を発生させるためのものである。その4〜14ミクロンの波長の電磁波が持つエネルギは0.004watt/cm2である。ここで、トルマリン46とは、トルマリン石を細かく砕いたものであっても良いが、トルマリンとセラミックと酸化アルミニウム(銀を含むものもある)との重量比を約10:80:10とする市販のトルマリンペレットと呼ばれるトルマリン混合体であっても良い。このトルマリンペレットに含まれるセラミックは、プラスの電極とマイナスの電極を分離しておく作用をする。ここで、トルマリン46をセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱することによって、水の攪拌によって所定の期間(例えば直径4mmで約3ヶ月)で消滅するトルマリン46を作ることができる。イオン交換樹脂32を通過させて水を硬度がゼロに近い軟水にして、その軟水の中でトルマリン46同士をこすり合わせる。硬度がゼロに近い軟水では、トルマリン46のマイナスの電極にマグネシウムやカルシウムが付着するのを防ぐことができ、トルマリン46のプラスとマイナスの電極としての働きを低下させることを防ぐことができる。
【0019】
前記金属48としては、アルミニウム、ステンレス、銀の少なくとも1種類の金属を用いる。この金属48としては、金属48としては、水中で錆を発生させたり水に溶けたりしない金属が望ましく、更に人体に悪影響を及ぼさないものが望ましい。この金属48のうち、アルミニウムは殺菌作用や抗菌作用と共に漂白作用を有しており、ステンレスは殺菌作用や抗菌作用と共に洗浄向上作用を有しており、銀は殺菌作用や抗菌作用を有している。金属48としては、銅や鉛は毒性を有しているので採用することができない。また、金等の高価な素材はコスト上からも採用することができない。前記トルマリン46と金属48との重量比は、10:1〜1:10が望ましい。
【0020】
カートリッジ44は一端を開放した筒状をしており、その底面50に多数の穴52が設けられている。カートリッジ44の内部にトルマリン混合体46と金属48とを入れた場合に、底面50の穴52をトルマリン46や金属48が通過しないように穴52の大きさを設定する。図3に示すように、各カートリッジ44は多数の穴52を設けた底面50を下側にし、その底面50の上にトルマリン46や金属48を載せる。そして、各カートリッジ44の内部を下位から上位に向かって流れるように設定する。即ち、各カートリッジ44においては、底面50の多数の穴52を通過した水が、下から上に向けてトルマリン46と金属48とに噴射するように設定されている。ここで、水道水は高い水圧を有するので、その水圧を有する水がカートリッジ44内のトルマリン46と金属48に勢いよく衝突し、その水の勢いでトルマリン46と金属48とがカートリッジ44内で攪拌されるように、穴52の大きさ並びに個数を設定する。水が通過する勢いを用いてトルマリン46と金属48をカートリッジ44内で攪拌する方法としては、種々の手段が考えられるが、どのような従来既知の撹拌手段を用いても構わない。水をトルマリンに噴射してトルマリンを攪拌するのは、その攪拌によってトルマリンと水とに摩擦が生じ、電極が水に溶け出して水のクラスターを切断し、ヒドロニウムイオン(H3+)を大量に発生させるためである。また、水道水のような圧力のある水を穴52を通して下からトルマリン等に噴射することによって、攪拌手段を設けなくて済む。
【0021】
実際の設置例としては、内径5cmで深さが7cmの収容容積を有するカートリッジ44を4段に重ね、そのカートリッジ44内にトルマリン46と金属48とを充分収納するが、トルマリン46と金属48とがカートリッジ44内で自由に移動できるような分量とする。カートリッジ44の段数を増減しても構わないし、収容容積を大きくした1個のカートリッジ44にしても良い。このように、トルマリン46と金属48を収容容積を小さくした複数のカートリッジ44に分散させて、それらの複数のカートリッジ44を接続させることで、水の勢いによってトルマリン46と金属48との撹拌効率を高めることができる。カートリッジ44内に収納したトルマリン46は、水に溶けて数ヶ月で消滅するので、各カートリッジ44は例えば螺合等の手段によって容易に着脱出来るようにし、各カートリッジ44内にトルマリン46を容易に補充できるようにする。なお、金属48は水に溶けないので補充する必要がないが、トルマリン46と金属48とを入れたカートリッジ44全体を取替えることも可能である。カートリッジ44は使用流量の大小に応じてその収容容積を変えるようにしても良い。
なお、カートリッジ44内には、トルマリン46のみか、トルマリン46と金属48とを混合させたものを収容すると前述した。カートリッジ44を通過する水に加えるマイナスイオンを増やすためには、トルマリン46同士がこすり合うことでこと達成することができる。このため、カートリッジ44内にトルマリン46のみを収容しても良い。しかし、金属48をトルマリン46と混合させることによって、トルマリン46に発生するマイナスイオンをより増加させることができる。
【0022】
トルマリン46にはプラス電極とマイナス電極とがあるため、トルマリンが水で攪拌されると、水(H2O)は水素イオン(H+)と水酸化イオン(OH-)とに解離する。
2O → H+ + OH- ……(1)
更に、水素イオン(H+)と水(H2O)とによって、界面活性作用を有するヒドロニウムイオン(H3+)が発生する。このヒドロニウムイオン(H3+)の発生量は、前記イオン交換樹脂32によって発生する量よりはるかに多い量である。
2O + H+ → H3+ ……(2)
このヒドロニウムイオン(H3+)の一部は、水(H2O)と結びついてヒドロキシルイオン(H32-)と水素イオン(H+)になる。
3+ + H2O → H32- + 2H+ ……(3)
【0023】
イオン交換樹脂32を通過した水を、イオン生成器14を通過させることによって、水の内部にヒドロニウムイオン(H3+)とヒドロキシルイオン(H32-)とH+とOH-とが発生する。なお、イオン交換樹脂32を通過した塩素(Cl)と、イオン交換樹脂32で発生したNa+とは、反応することなくそのままイオン生成器14を通過する。
【0024】
イオン生成器14を通過した水を、次に、火成岩のうち二酸化珪素を多く含む岩石54(二酸化珪素を約65〜76%を含む岩石)を収納する岩石収納器16の内部を通過させる。火成岩(火山岩と深成岩とに分けられる)のうち二酸化珪素を多く含む岩石54としては、火山岩には黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩があり、深成岩には花崗岩がある。岩石収納器16の内部には、これらの岩石のうちの少なくとも1種類以上の岩石を収納する。黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩、あるいは花崗岩はマイナス電子を帯びている。
【0025】
これら火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石(黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩、あるいは花崗岩)は、原石の状態で−20〜−240mmVの酸化還元電位を有する。但し、岩石54は水に溶けたり、飲料水等として害になったりするものを除く。岩石収納器16は例えば内径を10cmとし、高さを80cmの筒とし、その内部に例えば5mm〜50mm粒程度の大きさの火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石54を、水の通過流量を落とさない程度の量を収容する。
【0026】
この岩石収納器16の内部に、イオン生成器14を通過を通過した水を通過させると、水にe-(マイナス電子)が加えられる。この結果、水道水に含まれている塩素(Cl)はマイナス電子によって、塩素イオンとなる。
Cl + e- → Cl- ……(4)
このCl-と前記Na+とはイオンとして安定した状態になる。安定した状態とは、蒸発することなくイオン状態が長期間保たれることを意味する。また、前記ヒドロキシルイオン(H32-)もイオンとして安定した状態になる。水が岩石54を通過することによって、イオン生成器14を通過した水と比べて、ヒドロニウムイオン(H3+)が更に発生し、かつヒドロキシルイオン(H32-)も水素イオン(H+)も更に発生する。
2O + H+ → H3+ ……(2)
3+ + H2O → H32- + 2H+ ……(3)
水が岩石54を通過することによって、その他に、以下の反応も発生する。
OH- + H+ → H2O ……(5)
2H+ + 2e- → 2H2 ……(6)
更に、水が岩石収納器16を通過すると、岩石54のマイナス電子によって、水の酸化還元電位が+340mmVから−20〜−240mmVになる。水に代えてお湯を使うと、マイナスの酸化還元電位がより安定する。
【0027】
以上のように、水を先ずイオン交換樹脂32に通過させ、次にトルマリン46と金属48とに通過させ、最後に岩石54を通過させた水(以下、この水を“創生水”とする)には、Na+と、Cl-と、H+と、OH-と、ヒドロニウムイオン(H3+)と、ヒドロキシルイオン(H32-)とが存在する。また、この創生水は、そのエネルギは0.004watt/cm2である4〜14ミクロンの波長の電磁波を有し、−20〜−240mmVの酸化還元電位を有する。
【0028】
この創生水の水質検査結果を、以下に示す。この創生水と比較する水道水の値をカッコ内に示す。但し、水道水において創生水と同じ値は、「同じ」とする。 亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素:1.8mg/l(同じ)、塩素イオン:6.8mg/l(9.0mg/l)、一般細菌:0個/ml(同じ)、シアンイオン0.01mg/l未満(同じ)、水銀:0.0005mg/l未満(同じ)、有機リン:0.1mg/l未満(同じ)、銅:0.01mg/l未満(同じ)、鉄:0.05mg/l未満(0.08mg/l未満)、マンガン:0.01mg/l未満(同じ)、亜鉛:0.005mg/l未満(0.054mg/l未満)、鉛:0.01mg/l未満(同じ)、六価クロム:0.02mg/l未満(同じ)、カドミウム:0.005mg/l未満(同じ)、ヒ素:0.005mg/l未満(同じ)、フッ素:0.15mg/l未満(同じ)、カルシウム・マグネシウム等(硬度):1.2mg/l(49.0mg/l)、フェノール類:0.005mg/l未満(同じ)、陰イオン海面活性剤0.2mg/l未満(同じ)、pH値:6.9(同じ)、臭気:異臭なし(同じ)、味:異味なし(同じ)、色度:2度(同じ)、濁度:0度(1度)
【0029】
この創生水は、以下に列挙する多くの特徴を有する。
(a)界面活性作用がある。
創生水はヒドロニウムイオン(H3+)並びにヒドロキシルイオン(H32-)を含み、界面活性作用(OW型エマルジョン乳化作用)を有する。
(b)抗菌作用並びに殺菌作用がある。
金属48としてのアルミニウム、ステンレス、銀のいずれにも、抗菌作用並びに殺菌作用がある。また、イオン交換樹脂32によってNa+を発生させる場合には、Na+も抗菌作用並びに殺菌作用がある。
(c)微弱エネルギ(育成光線)作用がある。
トルマリンは微弱エネルギ(4〜14ミクロンの波長の電磁波)を放出する。この微弱エネルギは水の大きいクラスターを切断して、クラスター内に抱えこまれていた有毒ガスや重金属類を水から外部に放出し、人間の健康に良い水になる。この微弱エネルギは吸収光であるため物体や動植物に吸収されやすく、人間の原子や分子や細胞を励起状態にさせ、人間を含めた動植物の細胞に良い影響を与える。
(d)活性酸素消去作用がある。
創生水は、−20〜−240mmVの酸化還元電位を有し、そのマイナスの酸化還元電位によって活性水素が発生し、人体の内部の活性酸素を還元減少させる働きをする。
【0030】
本願発明者は、創生水を使用した種々の実験を行った結果、創生水が動物に発生する癌細胞を抑制するという結果を得た。ここで、創生水を使用して癌細胞を抑制する実験結果について説明する。
先ず、多数のラットに、癌細胞を植え付ける。癌細胞は、L−1210(実験用癌細胞)で、各ラットの腹腔中に20,000個を注入する。これによって、各ラットは腹水癌を持つことになる。癌細胞の定着を確認したラット18匹を、それぞれ6匹ずつ3つのグループに分ける。実験としては、第1グループには、飲料水として通常の水道水を与える。第2グループには、飲料水として創生水を与える。第3グループには、飲料水として創生水を与えると共に、尻尾から静脈に創生水を注射投入する。注射投入する創生水の量は、実験開始の最初の7日間が1.5cc〜2.0ccで、その後は3日間隔で同量を注射投入する。
【0031】
元来、ラットに1.5ccの創生水を注射投入することは、常識では考えられないものである。ラットへの1.5ccの水の注射投入を人間に換算すると、4リットルの水を注射投入することになります。通常は、ラットに1.5ccの水道水を注射投入した場合には、ラットは短時間で死んでしまいます。しかし、ラットに1.5ccの創生水を注射投入しても、ラットは死にませんでした。
【0032】
その後の結果は、第1グループのラット6匹は、7週目で全部が死亡した。7週間が経過した時点で、第2グループのラットと第3グループのラットは全部(但し、共食いによる死亡のものを除く)が生存した。更に、10週目になっても、第2グループのラットと第3グループのラット6の全部が生存した。ラットに癌細胞が植え付けられた場合、一般には7週目で全部が死亡することから、10週以上生きていることが不思議であり、この結果から、創生水を飲料として飲んだ場合や、創生水を飲料として飲むと共に創生水を静脈に注射した場合は、癌治療に効果があることが判明した。
【0033】
前回の実験(1回目の実験)が正しいかどうか確認するために、再度同じ実験(2回目の実験)を行った。即ち、癌細胞の定着を確認したラット18匹を再び3つのグループに分け、同じ条件で実験した。但し、今回は、途中で各グループの1匹ずつを解剖しながら実験を行いました。3〜4週目で、各グループのラットを解剖して、癌の存在や癌の進行具合を確認しました。3つのグループのラットの解剖写真を図5乃至図8に示します。なお、図5乃至図8については、参考資料としてカラー写真を提出しております。
【0034】
第4週1日目に解剖した第1グループのラットには、図5と図6に示す通り、大きく膨らんだ癌細胞の存在が見られた。即ち、第1グループのラットでは癌細胞が分裂増殖していることが分かった。第4週4日目の第2グループのラットには、図7に示す通り癌細胞が全く存在しなかった。第3週2日目の第3グループのラットには、図8に示す通り癌細胞が全く存在しなかった。即ち、第2グループと第3グループのラットからは、癌細胞が消滅していることが分かった。その後、第7週目には第1グループの全てのラットが死亡したが、第2グループと第3グループのラットは第10週目に入っても、共食いでの死亡以外には全部が生存していた。
【0035】
以上のように、2回の実験から、創生水を飲料として飲んだ場合や、創生水を飲料として飲むと共に創生水を静脈に注射した場合は、ラットに関しては癌治療に効果があることは明らかです。ラットでの動物実験において顕著な効果があることから、人間に関しても同様の効果があることが類推できる。
【0036】
創生水が癌細胞の分裂増殖の抑制効果がある理由は、創生水に含まれる水素イオン(H+)やヒドロニウムイオン(H3+)が持つプロトン効果(水素イオン効果)に拠るのではないかと推察できる。癌細胞(細菌)も、生物の一種として細胞膜を有している。その細胞膜の内側と外側には、H+のポテンシャル差があり、そのH+のポテンシャル差を利用して、物質が細菌の内部に入る。但し、細胞膜には、細菌内に入れてはならない物質の内部への侵入を阻止する壁としての役割を有している。それにもかかわらず、創生水には、水素イオン(H+)やヒドロニウムイオン(H3+)が多く含まれているため、水素イオン(H+)が細菌の細胞膜の浸透圧の高低差の勾配に逆らって、水素イオン(H+)を細菌の細胞膜の外部から内部へ移動させる力が大きい(プロトン駆動力が大きい)ものと考えられる。細菌の内部に水素イオン(H+)やヒドロニウムイオン(H3+)を多く含んだ創生水が浸入することで、細菌は分裂増殖力を失うものと推定される。
【0037】
創生水は、薬液を添加するものではなく、水道水や井戸水をそのまま利用してするものである。よって、創生水は、自然の水が持つ特性を失わずに安定したものであり、環境への残留物を出すものではない。創生水は更に、人体への影響が無いものである。このように、創生水は、水道水や井戸水と同様に安全性と安定性とを有しており、飲用水として適しており、保管等に問題が無く、通常の水として取り扱うことができる。創生水は通常の水であるので、抗癌作用を有するものであっても、薬剤による脱毛等の副作用の心配が無く、かつ他の薬剤との関係で副作用の心配がないものである。
【実施例2】
【0038】
実施例1においては、水をイオン交換樹脂32,トルマリン46(またはトルマリン46と金属48とを混合したもの),岩石54の順に通過を通過させたが、水をイオン交換樹脂32,岩石54,トルマリン46(またはトルマリン46と金属48とを混合したもの)の順にしても良い。即ち、図4に示すように、水を第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12と岩石収納器16とイオン生成器14の順に通過させるようにしてもよい。この場合においても、イオン生成器14内へは水が下から上に向けて移動するように設定する。
【0039】
この実施例2においては、イオン交換樹脂32を通過した水は、次に岩石54を通過する。この岩石54によって、水の内部にe-(マイナス電子)が発生する。この結果、水道水に含まれている塩素はマイナス電子によって、塩素イオンとなる。
Cl + e- → Cl- ……(4)
このCl-とイオン交換樹脂32によって発生したNa+とはイオンとして安定した状態になる。なお、イオン交換樹脂32を通過した水であっても、Na+を含まない場合もある。
イオン交換樹脂32を通過した水には、前記(1)(2)に示すように、H+とOH-とヒドロニウムイオン(H3+)とが存在する。イオン交換樹脂32を通過した水が、その後、岩石54を通過することによって、以下の反応も発生する。
OH- + H+ → H2O ……(5)
2O + H+ → H3+ ……(2)
2H+ + 2e- → 2H2 ……(6)
この反応においては、ヒドロニウムイオン(H3+)が、イオン交換樹脂32によって発生する量よりも更に多くの量が発生する。
以上のように、イオン交換樹脂32の後に岩石54を通過することによって、水の中に従来から存在したNa+とOH-と、新たに発生するCl-とヒドロニウムイオン(H3+)とが存在することになる。また、岩石54を通過させた水は、酸化還元電位が−20〜−240mmVになる。水に代えてお湯を使うと、マイナスの酸化還元電位が更に安定する。
【0040】
この岩石54を通過した水を、次にトルマリン46と金属48を内蔵するイオン生成器14の内部を通過させる。これによって、以下の反応が生じる。
2O → H+ + OH- ……(1)
2O + H+ → H3+ ……(2)
このヒドロニウムイオン(H3+)は大量に発生する。またヒドロニウムイオン(H3+)の一部はヒドロキシルイオン(H32-)になる。
3+ + H2O → H32- + 2H+ ……(3)
この結果、トルマリン46と金属48を通過させた水には、従来存在したNa+と、Cl-と、OH-と、ヒドロニウムイオン(H3+)と、ヒドロキシルイオン(H32-)とH+とが存在する。
【0041】
即ち、実施例2で創り出した創生水と実施例1で創り出した創生水とは、Na+と、Cl-と、OH-と、ヒドロニウムイオン(H3+)と、ヒドロキシルイオン(H32-)とH+とが存在し、同じ成分となる。更に、0.004watt/cm2のエネルギを有する4〜14ミクロンの電磁波と、−20〜−240mmVの酸化還元電位を有する。この結果、実施例2で創り出した創生水と実施例1で創り出した創生水とは、同じ効果を有する。この実施例2で創り出した創生水を使用して、3つのグループのラットによる実験結果を行った。この実施例2の創生水での実験結果は、実施例1の創生水と同じ結果であり、実施例2の創生水も癌細胞を抑制できることが判明した。
【実施例3】
【0042】
この実施例3は、第1図における第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12とを用いずに、トルマリン46(またはトルマリン46と金属48とを混合したもの)を内蔵するイオン生成器14と岩石54を内蔵する岩石収納器16とを直列に連結したものである。この実施例3では、イオン交換樹脂を通過させないので、イオン生成器14に至る水道水には、Ca2+やMg2+やFe2+等の金属イオンが除去されずに含まれている。また、前記(1)(2)に示すような、H+やOH-やヒドロニウムイオン(H3+)も発生しない。
ここで、水道水をイオン生成器14に通すと、水素イオン(H+)と水酸化イオン(OH-)とが発生する。
2O → H+ + OH- ……(1)
これらの水素イオン(H+)と水酸化イオン(OH-)のうち、水素イオン(H+)と水(H2O)とが結びついて、ヒドロニウムイオン(H3+)となる。
2O + H+→ H3+ ……(2)
このように、トルマリン46と金属48とを内蔵するイオン生成器14を通過した水には、H+とOH-とヒドロキシルイオン(H32-)が発生する。また、0.004watt/cm2のエネルギを持つ4〜14ミクロンの波長の電磁波を有する。
【0043】
イオン生成器14を通過した水が、次に岩石54内蔵した岩石収納器16を通過すると、先ず水道水に含まれている塩素がマイナスイオンの働きによって、塩素イオンとなる。
Cl + e- → Cl- ……(4)
このCl-はイオンとして安定した状態になる。安定した状態とは、蒸発することなくイオン状態が長期間保たれることを意味する。また、ヒドロニウムイオン(H3+)も更に発生する。ヒドロニウムイオン(H3+)のうち、一部は水と反応して、ヒドロキシルイオン(H32-)となる。
3+ + H2O → H32- + 2H+……(3)
このヒドロキシルイオン(H32-)もイオンとして安定した状態になる。
また、水が岩石54を通過することによって、以下の反応も発生する。
OH- + H+ → H2O ……(5)
2H+ + 2e- → 2H2 ……(6)
即ち、水が岩石54を通過することによって、(1)(6)(2)(3)に示すように、OH-と、H+と、ヒドロニウムイオン(H3+)と、ヒドロキシルイオン(H32-)とが存在または発生することになる。更に、水が岩石54を通過することによって、−20〜−240mmVの酸化還元電位となる。
【0044】
この実施例3では、水はイオン交換樹脂を通過させていないので、水にCa2+やMg2+やFe2+等の金属イオンが含まれる可能性がある点が、実施例1や実施例2と相違する。即ち、水は硬水となる場合があり、また、Na+を含まないので、抗菌作用並びに殺菌作用が若干落ちる。
しかし、金属48を通過させ、4〜14ミクロンの波長の電磁波と、−20〜−240mmVの酸化還元電位とを有するので、前記(b)の微弱エネルギ(育成光線)作用と、(c)の抗菌作用や殺菌作用とを有するものである。この実施例3で創り出した創生水を使用して、3つのグループのラットによる実験結果を行った。この実施例3の創生水での実験結果は、実施例1の創生水と同じ結果であり、実施例3の創生水も癌細胞を抑制できることが判明した。
【実施例4】
【0045】
この実施例4は、実施例3のイオン生成器14と岩石収納器16とを入れ替えたものである。即ち、イオン交換樹脂32を通過させないので、最初に岩石54を通過させ、次にトルマリン46(またはトルマリン46と金属48とを混合したもの)を通過させるものである。この実施例でも実施例3と同様に、最後までCa2+やMg2+やFe2+等の金属イオンが含まれ、水にNa+を含まないものである。
ここで、水道水を岩石収納器16に通すと、塩素はマイナスイオンによって、塩素イオンとなる。
Cl + e- → Cl- ……(4)
【0046】
次に、岩石54を通過した水をトルマリン混合体46と混合用金属48に通過させると、水(H2O)は水素イオン(H+)と水酸化イオン(OH-)とに解離する。
2O → H+ + OH- ……(1)
これらの水素イオン(H+)と水酸化イオン(OH-)のうち、水素イオン(H+)と水(H2O)とが結びついて、ヒドロニウムイオン(H3+)が発生する。
2O + H+→ H3+ ……(2)
即ち、水が岩石54を通過することによって、(1)(2)に示すように、OH-と、H+と、ヒドロニウムイオン(H3+)とが発生することになる。更に、水が岩石54を通過することによって、水が−20〜−240mmVの酸化還元電位となる。
【0047】
岩石54を通過させた水を、その後、トルマリン46と金属48とを内蔵させたイオン生成器14を通過させる。これによって、ヒドロニウムイオン(H3+)が更に発生する。ヒドロニウムイオン(H3+)のうち、一部は水と反応して、ヒドロキシルイオン(H32-)となる。
3+ + H2O → H32- + 2H+……(3)
また、水が岩石54を通過することによって、以下の反応も発生する。
OH- + H+ → H2O ……(5)
このように、最初に岩石54を通過させ、次にトルマリン混合体46と混合用金属48を通過させた水においては、(4)(1)(2)(3)に示すように、Cl-と、H+と、OH-と、ヒドロニウムイオン(H3+)と、ヒドロキシルイオン(H32-)とが発生する。更に、水は4〜14ミクロンの波長の電磁波を有している。
【0048】
この実施例4では、水はイオン交換樹脂を通過させていないので、Ca2+やMg2+やFe2+等の金属イオンが含まれる可能性がある点が、実施例1や実施例2と相違する。この結果、水は硬水となる場合があり、実施例1や実施例2と比べて洗浄効果が落ちる。また、Na+を含まないので、抗菌作用並びに殺菌作用が若干落ちる。しかし、金属48を通過させ、4〜14ミクロンの波長の電磁波と、−20〜−240mmVの酸化還元電位とを有するので、前記実施例3と同様に、(b)の微弱エネルギ(育成光線)作用と、(c)の抗菌作用や殺菌作用とを有するものである。この実施例4で創り出した創生水を使用して、3つのグループのラットによる実験結果を行った。この実施例4の創生水での実験結果は、実施例1の創生水と同じ結果であり、実施例4の創生水も癌細胞を抑制できることが判明した。
【0049】
なお、1回目と2回目の実験では、創生水を飲料水として体内に摂取する場合と、創生水を飲料水として体内に摂取すると共に創生水を静脈に注射投入する場合とを示したが、創生水を静脈に注射投入する場合について実験はしていない。しかし、創生水を静脈に注射投入する場合の方が、創生水を飲料水として体内に摂取する場合と比べて、癌細胞に直接創生水を投入できることから、創生水を静脈に注射投入する場合についての実験を省略した。言い換えると、創生水を静脈に注射投入する場合は、創生水を飲料水として体内に摂取する場合よりも、癌細胞の分裂増殖をより抑制できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る抗癌性を有する水を製造する装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】図1に示す製造装置に用いる軟水生成器の断面図である。
【図3】図1に示す製造装置に用いるイオン生成器の要部断面図である。
【図4】本発明に係る抗癌性を有する水を製造する装置の他の実施例を示す構成図である。
【図5】第1グループに属するラットの第4週第1日目における解剖写真である。
【図6】図5の中央部付近における癌細胞の拡大写真である。
【図7】第2グループに属するラットの第4週第4日目における解剖写真である。
【図8】第3グループに属するラットの第3週第2日目における解剖写真である。
【符号の説明】
【0051】
10 第1軟水生成器
12 第2軟水生成器
14 イオン生成器
16 岩石収納器
32 イオン交換樹脂
46 トルマリン混合体
48 混合用金属
54 岩石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換樹脂と、トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石との順に水を通過させることを特徴とする抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項2】
前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とする請求項1記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項3】
火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が、黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項1または2記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項4】
前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項3記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項5】
前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とする請求項4記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項6】
前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項5記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項7】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項3記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項8】
前記イオン交換樹脂がイオン交換によってナトリウムイオンを発生させることを特徴とする請求項1乃至3記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項9】
イオン交換樹脂と、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石と、トルマリンとの順に水を通過させることを特徴とする抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項10】
前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とする請求項9記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項11】
火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が、黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項9または10記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項12】
前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項11記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項13】
前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とする請求項12記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項14】
前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項13記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項15】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項11記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項16】
前記イオン交換樹脂がイオン交換によってナトリウムイオンを発生させることを特徴とする請求項9乃至11記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項17】
トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通過させることを特徴とする抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項18】
前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とする請求項17記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項19】
前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項18記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項20】
前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とする請求項19記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項21】
前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項20記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項22】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項17又は18記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項23】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項22記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項24】
イオン交換樹脂と、トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石との順に水を通過させることを特徴とする抗癌性を有する水。
【請求項25】
前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とする請求項24記載の抗癌性を有する水。
【請求項26】
火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が、黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項24または25記載の抗癌性を有する水。
【請求項27】
前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項26記載の抗癌性を有する水。
【請求項28】
前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とする請求項27記載の抗癌性を有する水。
【請求項29】
前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項28記載の抗癌性を有する水。
【請求項30】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項26記載の抗癌性を有する水。
【請求項31】
前記イオン交換樹脂がイオン交換によってナトリウムイオンを発生させることを特徴とする請求項24乃至26記載の抗癌性を有する水の製造方法。
【請求項32】
イオン交換樹脂と、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石と、トルマリンとの順に水を通過させることを特徴とする抗癌性を有する水。
【請求項33】
前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とする請求項32記載の抗癌性を有する水。
【請求項34】
火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が、黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項32または33記載の抗癌性を有する水。
【請求項35】
前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項34記載の抗癌性を有する水。
【請求項36】
前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とする請求項35記載の抗癌性を有する水。
【請求項37】
前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項36記載の抗癌性を有する水。
【請求項38】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項34記載の抗癌性を有する水。
【請求項39】
前記イオン交換樹脂がイオン交換によってナトリウムイオンを発生させることを特徴とする請求項32乃至34記載の抗癌性を有する水。
【請求項40】
トルマリンと、火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通過させることを特徴とする抗癌性を有する水。
【請求項41】
前記トルマリンに、水に溶けて人体に悪影響を及ぼすことがない金属を混在させることを特徴とする請求項40記載の抗癌性を有する水。
【請求項42】
前記金属がアルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項41記載の抗癌性を有する水。
【請求項43】
前記トルマリンと前記金属との重量比を10:1〜1:10としたことを特徴とする請求項42記載の抗癌性を有する水。
【請求項44】
前記トルマリンをセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項43記載の抗癌性を有する水。
【請求項45】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石が黒曜石や真珠岩や松脂岩等の流紋岩または花崗岩のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項40又は41記載の抗癌性を有する水。
【請求項46】
前記火成岩のうちの二酸化珪素を多く含む岩石を800°C以上で加熱したものとすることを特徴とする請求項45記載の抗癌性を有する水。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−284420(P2007−284420A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15753(P2007−15753)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(391039999)
【Fターム(参考)】