説明

抗癌薬としての置換(ヘテロアリールメチル)チオヒダントイン

本願発明は、本願明細書に記載および定義される一般式(I)で示される置換された(ヘテロアリールメチル)チオヒダントイン化合物に、その製造方法に、障害の治療および/または予防における使用に、および障害、特に前立腺癌の治療および/または予防用の医薬の製造における使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、本願明細書に記載および定義される一般式(I)で示される置換された(ヘテロアリールメチル)チオヒダントイン化合物に、その製造方法に、障害の治療および/または予防における使用に、および障害、特に前立腺癌の治療および/または予防用の医薬の製造における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
先進工業国では、前立腺癌は、肺癌に続いて、男性の癌による死亡の第2の主たる原因である。55歳以上の男性において、死全体の4%が前立腺腫瘍障害に起因しており、80歳を越える男性では、70%近くが前立腺癌であることが検死調査から分かる。死亡率はまだ相対的に低いが、毎年約14%増加している。前立腺腫瘍であると診断された男性の数が最近では30%増加しており、それは新たな疾患数が増加したというよりも、むしろ母集団が一般に歳を重ねているという事実、診断方法が改良されているという事実、および系統的スクリーニング計画が導入されたという事実によるものとすることができる(E. J. Small、D. M. Reese、Curr. Opi. Oncol. 2000, 12, 265-272)。
【0003】
前立腺腫瘍はアンドロゲンに依存して成長します。腫瘍が局所的に前立腺に限定される限り、該腫瘍は外科的介入、または放射線療法により取り除くことができるが、これらの方法では裏付けのある危険性を伴う。腫瘍がもはや前立腺被膜に限定されず、すでに転移癌を形成している場合には、アンドロゲンの腫瘍への供給を減らすことで該腫瘍は処置される。このことは外科的に去勢により、または医薬的に抗アンドロゲン(ビカルタミド、酢酸シプロテロン、フルタミド)、LHRHアゴニスト(ロイプロリド、ゴセレリン、ブセレリン)、LHRHアンタゴニスト(セトロレリックス)または5α−レダクターゼ阻害剤(フィナステリド)を用いて治療することで達成される。副腎アンドロゲン合成は外科的去勢において影響を受けないままであるので、外科的去勢と薬物処置を組み合わせることがしばしばである(S. Leewansangtong、E. D. Crawford、Endocrine-Related Cancer 1998、5、325-339)。しかしながら、これらの処置は、一時的に成功するだけであって、少なくとも2年後には、腫瘍の再発が観察され、それにその大部分は現在の化学的去勢療法に対して耐性である(L. J. Denis、K. Griffith、Semin. in Surg. Onc. 2000, 18, 52-74)。この50年の集中した研究にもかかわらず、これら進行した段階に対して本当に効果的処置は分かっていない。去勢耐性前立腺癌患者の5年間の生存率は15%未満である。
【0004】
アンドロゲン受容体が、腫瘍が進行する初期のホルモン依存性段階だけでなく、後期の去勢耐性段階においても、前立腺腫瘍の発症と成長において重要な役割を果たしていることを示す複数の証拠がある。
【0005】
アンドロゲン受容体は、リガンド依存性転写因子として機能する、ステロイドホルモン受容体のファミリーに属する。細胞質性で、非リガンドのアンドロゲン受容体は、シャペロン蛋白との複合体を形成する。アンドロゲンとの結合で、構造的変化が起こり、シャペロンが複合体より解離し、リガンド形成したアンドロゲン受容体は核に移行する。遺伝子調節領域にある同種DNA応答因子に結合し、補因子が補充された後、アンドロゲン受容体は標的遺伝子の所定のサブセットを活性化または抑制する(D. J. Lambら、Vitam. Horm。 2001、62、199-230)。
【0006】
強くかつ長期にわたって持続する抗アンドロゲン性作用を有する化合物の同定は、前立腺癌患者に新たな治療選択肢を提供するであろう。非ステロイド性抗アンドロゲンを用いる研究は、ステロイド性化合物との比較にて、該アンドロゲンが有利であって、したがって好ましいことを明らかにした。このように、非ステロイド性化合物で、副作用がより少なく、より選択的な作用を得ることができる。
【0007】
例えば、米国特許第5434176号、米国特許第5411981号または米国再発行第35956号(フェニルイミダゾリジン誘導体)、米国特許第5589497号、米国特許第6162444号、米国特許出願2004/0009969(ピペラジン誘導体)、米国特許出願2009/0111864(ジアリールヒダントイン)、EP494819、EP580459、WO95/18794、WO97/00071(特に、置換フェニルジメチルヒダントインならびにそのイミノであるかチオン誘導体)、WO00/37430(フェニルアラニン、フェニルヒダントインならびにフェニル尿素)、WO01/58855(アミノプロパニリド)、EP1122242(置換シアノフェニルピペラジン)、WO2006/133567、WO2006/013887、WO2006/028226またはWO2006/124118)などの多くの異なる特許または特許出願に、非ステロイド性抗アンドロゲンが記載されている。
【0008】
WO2006/124118は、ジアリールチオヒダントインを含む、ジアリールヒダントイン化合物、および去勢耐性前立腺癌の治療におけるその使用に関する。米国特許再発行第35956号(以下にさらに記載する)とは異なり、WO2006/124118は[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]置換チオヒダントインの代わりにアラルキル残基を用いることを示唆せず、その代わりにピリジルなどのヘテロアリールを含むアリールに焦点を当てている。WO2006/124118に例示される2つのピリジル誘導体、RD82とRD83は、「前立腺癌を治療するためのビカルタミドと同等であり」、したがって、段階4にランク付けられ、それはWO2006/124118の発明者によれば、クレームされているジアリールヒダントインのピリジル誘導体は特に有望な特性を有しないことを意味する。対照的に、WO2006/124118のより有望な結果(段階1にランク付けられる)が置換フェニル残基により特徴付けられる化合物について得られた。
【0009】
また、Tranら(Science, Vol.3234, (2009), 787-790)により記載される2種の抗アンドロゲン性ジアリールチオヒダントイン化合物、RD162とMDV3100は、アンドロゲン受容体の発現の増加の場合にアンタゴニスト活性を保持する、置換フェニル残基により特徴付けられる。
【0010】
米国特許再発行第35956号は、一般に、とりわけ、[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]置換チオヒダントインまたは12個までの炭素原子のアラルキルを有するヒダントインを開示する。米国特許再発行第35956号によれば。「アラルキル」なる語は、特定のアリールで置換された特定のアルキルを含む。「アルキル」なる語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなどの12個までの炭素原子のアルキルを包含する。「アリール」なる語は、フェニルおよびナフチルなどの炭素環式アリール、およびまた、酸素、硫黄および窒素からなる群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5ないし6個の環原子のヘテロ環式アリールを含むものと定義される。米国特許再発行第35956号は、ピリジン、ピリミジニル、ピリダジニルおよびピラジニルなどの6員環ヘテロアリールに詳細に言及している。米国特許再発行第35956号にて詳細に開示される[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]置換ヒダントイン化合物の「アラルキル」基は、フェニルメチル(実施例26)および置換フェニルメチル基[(4−フルオロフェニル)メチル](実施例27)、[(4−メトキシフェニル)メチル](実施例28)および[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル](実施例29)に限定される。
【0011】
米国特許再発行第35956号に明確に示される[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]置換チオヒダントイン化合物は、非置換アルキル(実施例12、38、39、81)、ヒドロキシアルキル(実施例23、71、75、77)、アルコキシアルキル(実施例79)と関連する。。
【0012】
米国特許再発行第35956号は、選択された化合物のラットのアンドロゲン受容体に対するアフィニティおよびマウスにおけるその抗アンドロゲン活性の各々に関するデータを提供する。ヒト「野生型」AR(Swiss-Prot Acc. No. P10275、Entry Version 159、Sequence Version 2)に関しても、W741LまたはW741C(Haraら、Cancer Research, 63: 149-153, 2003)またはE709Y(Georgeら、Molecular Endocrinology, 20(4): 724-734, 2006)の変異形態の何れに対しても、これら個々の化合物がヒトアンドロゲン受容体に対して抗アンドロゲン活性を示すデータは開示されていない。米国特許再発行第35956号はまた、特定の化合物のアゴニスト特性の可能性に関するデータを何ら提供しない。さらには、ヒト前立腺癌から派生する細胞にて抗増殖活性を示すデータ、あるいはこれら化合物を医薬用途、特に前立腺癌の効果的な治療に適するようにする、該化合物の合理的な代謝安定性またはクリアランスを示す、データを何ら開示していない。
【0013】
抗アンドロゲン薬投与後の癌再発とアンドロゲン受容体変異との間の関連性に関する臨床的知見がいくらか報告されている。
【0014】
フルタミドと去勢を組み合わせた内分泌療法の後に前立腺癌の再発を経験した17の患者のうち5人でアンドロゲン受容体変異が観察され、そのすべての変異がアンドロゲン受容体の位置877でのアミノ酸のミスセンス変異であった(Taplinら、Cancer Res., 59: 2511-2515, 1999)。位置877の変異したこれら薬物のうち、フルタミドを含む、数種の抗アンドロゲン薬がアゴニストとして行動し、前立腺癌細胞の増殖を刺激することが判明した(Veldscholteら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 173: 534-540, 1990)。
【0015】
Haapalaら(Lab. Invest.、81: 1647-1651, 2001)は、アンドロゲン受容体の異なる変異を記載し、それがビカルタミドと外科的去勢を組み合わせた内分泌療法後に前立腺癌の再発を経験した患者から由来の生検サンプルにて同定された。検出された変異の3つがミスセンス変異(G166S、W741C、M749I)であり、2つがサイレント多形性であった。調査された腫瘍はどれも、アンドロゲン受容体の増殖を示さなかった。
【0016】
Haapalaらは、前立腺腫瘍の異なる型のアンドロゲン受容体変種が種々の型のホルモン療法の間に選択されると結論つける。
【0017】
Haraら(Cancer Research, 63: 149-153, 2003)は、ビカルタミドが最も一般的に使用される抗アンドロゲンであり、W741CおよびW741Lアンドロゲン受容体変異体の両方に対するアゴニストとして作用することを明らかにした。W741CおよびW741K変異はアンドロゲン受容体のリガンド結合ドメインにある同じコドン741に影響する。一のケースにて、コドン741のTGG(トリプトファン)がTGT(システイン)に変異する。他のケースでは、TTG(ロイシン)に変異する。ビカルタミドにインビトロにて曝露したわずか6−13週間以内に、LNCaP−FGC細胞は、その成長が最初は抑制されるが、コドン741が変異しているため、生存するのに、ビカルタミドをアンドロゲン受容体アゴニストとして用いるようになった。
【0018】
W741C変異がビカルタミドのアゴニストとしての作用を引き起こすとの付加的な証拠が異種移植片実験から由来のデータを介して提供された(Yoshidaら、Cancer Research、65:9611-9616, 2005)。
【0019】
Georgetら(Molecular Endocrinology、20(4):724-734, 2006)はE709Y変異がビカルタミドの部分アゴニストへの変換を惹起することを明らかにした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体だけでなく、W741LまたはW741C変異体などのアンドロゲン受容体の特定の変異形態を阻害する抗アンドロゲンの同定が、種々の段階にて、特に去勢耐性段階にて、および/またはアンドロゲン受容体のW741LまたはW741C変異を示すかかる患者群の前立腺腫瘍を治療するにおいて、思うに極めて有益であろう。
【0021】
さらには、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体に関して最小のアゴニスト活性を有し、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体のアンドロゲン活性に拮抗する効能を有する化合物の同定が、異なる段階で、特にその治療耐性段階にて前立腺腫瘍を治療するために必要とされる。これらの化合物はまた、アンドロゲン受容体のW741Lおよび/またはW741Cおよび/またはE709Y変異形態のアンドロゲン活性の拮抗作用においても有効であることが好ましい。
【0022】
これらの特性に加えて、所望の化合物は、既知の化合物と比べて、前立腺腫瘍細胞に対して強い抗増殖活性を有し、および/または例えば妥当な代謝安定性または(血中)クリアランスなどの所望の薬理特性を示すことが好ましい。
【0023】
したがって、本願発明の目的は、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体に関して最小のアゴニスト活性を有し、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体のアンドロゲン活性に拮抗する高い効能を有する化合物を提供することである。
【0024】
本願発明のさらなる目的は、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体に関する最小のアゴニスト活性に、およびヒト「野生型」アンドロゲン受容体に対する高いアンタゴニスト効能に加えて、ヒトアンドロゲン受容体のW741L変異形態のアンドロゲン活性に拮抗する効能を有する化合物を提供することである。
【0025】
本願発明のもう一つ別の目的は、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体に関する最小のアゴニスト活性に、およびヒト「野生型」アンドロゲン受容体に対する高いアンタゴニスト効能に加えて、ヒトアンドロゲン受容体のW741Lおよび/またはW741Cおよび/またはE709Y変異形態のアンドロゲン活性に拮抗する効能を有し、および/または例えば妥当な代謝安定性またはクリアランスなどの所望の薬理特性を示す化合物を提供することである。
【0026】
さらには、アンドロゲン受容体が去勢耐性前立腺癌にて頻繁に過剰発現されていることが示された(Linja MJら、Cancer Res 2001; 61: 3550-5;Latil Aら、Cancer Res 2001; 61: 1919-26)。加えて、去勢耐性前立腺癌の約30%はアンドロゲン受容体遺伝子増幅を担持する(Visakorpi Tら、Nat Genet 1995; 9: 401-6)。アンドロゲン受容体が去勢耐性前立腺癌の発生に関与しているという機能的証明がChenら(Chen CDら、Nat Med 2004;10:33-9)によって示され、彼らはアンドロゲン受容体発現の増加が一貫して抗アンドロゲン療法耐性の発生に関連する修飾だけであり、異所性アンドロゲン受容体の過剰発現がアンドロゲン依存性前立腺癌細胞をアンドロゲン非依存性細胞に形質転換するのに十分であったことを明らかにした。また、異なるグループ(Kokontis Jら、Cancer Res 1994; 54: 1566-73; Waltering KKら、Cancer Res 2009, 69: 8141-9)は、以前に、LNCaP細胞の低レベルのアンドロゲンへの適合が内在性アンドロゲン受容体の発現の増加と関係していることを明らかにした。アンドロゲン受容体の過剰発現が去勢耐性前立腺癌で一般的であるとの知見と共に、このレセプターの過剰発現が前立腺癌の進行の鍵となる作用機序であることを、実験データは示唆します。
【0027】
したがって、アンドロゲン受容体遺伝子の増幅によりアンドロゲン受容体を過剰発現する細胞系の増殖を阻害する抗アンドロゲンの同定は、種々の段階にある、特に去勢耐性段階にある前立腺腫瘍の治療にて、および/またはアンドロゲン受容体遺伝子の増幅によりアンドロゲン受容体の過剰発現を示すそのような患者群の前立腺腫瘍の治療にて、おそらく極めて有効であろう。
【0028】
したがって、本願発明のもう一つ別の目的は、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体に関する最小のアゴニスト活性に、およびヒト「野生型」アンドロゲン受容体に対する高いアンタゴニスト効能に加えて、ヒトアンドロゲン受容体のW741Lおよび/またはW741Cおよび/またはE709Y変異形態のアンドロゲン活性に拮抗する効能を有し、VcaPなどのアンドロゲン受容体遺伝子の増幅と共に前立腺癌細胞系に対する抗増幅作用を示す(Korenchuk Sら、In Vivo 2001、15,163-8、2001;Liu Wら、Neoplasia 2008, 10:897-907)、化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本願発明は、式(I):
【化1】

[式中
Xは窒素またはCH基を意味し、

フッ素化C−C−アルキル−基、ペルフッ素化C−C−アルキル−基、トリフルオロメチル基;
所望によりフッ素化されていてもよいC−C−アルコキシ−基;
メチル、フッ素およびトリフルオロメチルからなる群より選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メチル、フッ素およびトリフルオロメチルからなる群より選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ−基;
メチル、フッ素およびトリフルオロメチルからなる群より選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよいメトキシ−C−C−アルコキシ−基;
メチル、フッ素およびトリフルオロメチルからなる群より選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよいメトキシエトキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、フラニル、チアゾリルおよびオキサジアゾリルからなる群より選択される5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ−、トリフルオロメトキシ−、塩素、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシメチルおよびシアノからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジアゼパニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、イミダゾリジニルおよびオキサゼパニルから選択される5、6または7員ヘテロ環基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、フッ素、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、イミノ、C−C−アルキルイミノ、メチルイミノ、シアノイミノおよびシアノからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基;
残基−O(CH−Yであって、ここでn=2またはn=3であり、Yがピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジアゼパニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、イミダゾリジニルおよびオキサゼパニルから選択される所望により置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基であり、ここで該5、6または7員ヘテロ環基がメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、フッ素、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、イミノ、C−C−アルキルイミノ−およびシアノからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、残基;あるいは
残基−N=S(=O)Rであって、ここでRがアリール基またはフェニル基を示し、RはC−C−アルキルまたはメチル基を示す、残基を意味し;
は水素、メチル、アミノまたはフッ素を意味する]
で示される化合物またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
【0030】
本願発明の化合物は、式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物およびその塩の溶媒和物、式(I)に包含される以下に示される式の化合物およびその塩、溶媒和物およびその塩の溶媒和物、および式(I)に包含され、以下に実施態様として示される化合物およびその塩、溶媒和物およびその塩の溶媒和物、および式(I)に包含されるが、以下、もはや塩、溶媒和物およびその塩の溶媒和物ではないとして言及される化合物である。
【0031】
本願発明の化合物は、その構造に応じて、立体異性体の形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)にて存在してもよい。 本願発明は、したがって、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびその各々の混合物に関する。立体異性的に純粋な成分はエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーのそのような混合物より既知の方法により単離され得る。
【0032】
本願発明の化合物が互変異性体の形態であり得る場合、本願発明はすべての互変異性体の形態を包含する。
【0033】
本願発明の目定のための好ましい塩は、本願発明の化合物の生理学的に許容される塩である。しかしながら、医薬用途、その用途には適しないが、例えば本願発明の化合物の単離または精製に用いることができる塩もまた含まれる。
【0034】
本願発明の化合物の生理学的に許容される塩は、鉱酸、カルボン酸酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の酸付加塩を包含する。
【0035】
本願発明の化合物の生理学的に許容される塩はまた、一例として、好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)、およびアンモニア、または一例として、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジンなどの1ないし16個の炭素原子を有する有機アミンより由来のアンモニア塩などの、通常の塩基の塩を含む。
【0036】
溶媒和物は、本願発明の目的のために、固体または液体状態にて配位結合により溶媒分子との複合体を形成する本願発明の化合物の形態について使用される用語である。水和物は配位結合が水との間で生じる溶媒和物の特定の形態である。水和物は本願発明の範囲内にある溶媒和物として好ましい。
【0037】
加えて、本願発明は、本願発明の化合物のプロドラッグを包含する。 「プロドラッグ」なる語は、それ自体は生物学的に活性または不活性であるが、体内に滞留している間に(例えば、代謝作用または加水分解により)本願発明の化合物に変換される化合物を包含する。
【0038】
本願発明の目的のために、置換基は、特記しない限り、以下の意義を有する:
【0039】
「アルキル」なる語は、それ自体で、およびアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノおよびアルキルカルボニルアミノ中の「アルク」および「アルキル」なる語は、具体的に示される数の炭素原子を有する、例えばC−3の1、2または3個の炭素原子、C−4の2、3または4個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖のアルキル基、一例として、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチルを示す。炭素原子の数が特に示されていない場合、概して、1ないし6個の、好ましくは1ないし4個の、特に好ましくは1ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、一例として、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを示す。特に、アルキル基は1、2、3つまたは4個の炭素原子を有する「C−C−アルキル」であり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたはtert−ブチルである。好ましくは、アルキル基は1、2つまたは3個の炭素原子を有する「C−C−アルキル」であり、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである。
【0040】
「フッ素」および「塩素」なる語は、各々、フッ素および塩素から選択されるハロゲン原子を示す。
【0041】
「フッ化C−C−アルキル−」基なる語は、好ましくは、直鎖または分岐鎖の飽和した一価の炭化水素基を意味するものとして理解されるべきであり、その中の「アルキル」なる語は、上記に定義したとおりであり、アルキル中の1または複数の水素原子が1個のフッ素原子により、あるいは2、3、4、5、6または7個のフッ素原子により置換されていると理解されるべきである。フッ化C−C−アルキル基は、例えば、−CF、−CHF、−CHF、−CFCFまたは−CHCF基であり、ペルフルオロ化C−C−アルキル基または−CF基であることが好ましい。
【0042】
「アルコキシ」は、一例として、好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびtert−ブトキシを示す。「C−C−アルコキシ−」なる語は、好ましくは、直鎖または分岐鎖の飽和した一価の、式−O−アルキルで示される炭化水素基を意味するものとして理解されるべきであり、その中の「アルキル」なる語は、上記に定義したとおりであり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシまたはその異性体である。 特に、「C−Cアルコキシ」基は、メトキシであるもの、エトキシ、プロポキシまたは2−メチルプロポキシ基である。
【0043】
「フッ化C−C−アルコキシ−」基なる語は、好ましくは、直鎖または分岐鎖の飽和した一価の炭化水素基を意味するものとして理解されるべきであり、その中の「アルコキシ」なる語は、上記に定義したとおりであり、アルコキシ中の1または複数の水素原子が1個のフッ素原子により、あるいは2、3、4、5、6、7、8または9個のフッ素原子により置換されていると理解されるべきである。フッ化C−C−アルコキシ基は、例えば、−OCF、−OCHF、−OCHF、OCHCHF、OCHCHF、−OCFCF、O−CFCHFまたは−OCHCF基である。
【0044】
「ヒドロキシ−C−Cアルコキシ」なる語は、好ましくは、直鎖または分岐鎖の飽和した一価の上記に定義したとおりのC−4アルコキシ基を意味するものであり、その中の1または複数の水素原子が1個のヒドロキシ基により置換されていると理解されるべきである。C−C−ヒドロキシアルコキシ基は、例えば、2−ヒドロキシエトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、2,3−ジヒドロキシプロポキシ、2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ基、好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ基である。
【0045】
「メトキシ−C−C−アルコキシ−」なる語は、好ましくは、直鎖または分岐鎖の飽和した一価の上記に定義したとおりのC−4アルコキシ基を意味するものであり、その中の1または複数の水素原子が1個のメトキシ基により置換されていると理解されるべきである。「メトキシ−C−C−アルコキシ基−」は、例えば、2−メトキシエトキシ、3−メトキシプロポキシ、2−メトキシプロポキシ、好ましくは2−メトキシエトキシ基である。
【0046】
「ヘテロ芳香族基」は芳香族単環基を示す「5員ヘテロ芳香族基」は5個の環原子を有し、S、OおよびNからなる群からのヘテロ原子を4個まで、3個まで、好ましくは2個まで有し、一例として、ピラゾリル、チエニル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルである。好ましくは、イミダゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリルまたはピラゾリル基である。 また好ましくは、1H−ピラゾール−1−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−5−イル、1H−イミダゾール−1−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル、2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル、1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル、1H−テトラゾール−1−イルまたはチエン−2−イル基である。最も好ましくは、1H−イミダゾール−1−イル基である。
【0047】
「ヘテロ環基」なる語は、概して、4−7個の、好ましくは5−6個の環原子を有し、3個までの、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはN、O、S、SO、SO、SO(NH)からなる群からのヘテロ基を有する単環の非芳香族ヘテロ環基を示す。ヘテロシクリル基は飽和または部分飽和であり得る。O、NおよびSからなる群からの2個までのヘテロ原子を有する5−7員の単環の飽和したヘテロシクリル基が好ましい。以下のテトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリジニルが、一例として、言及される。好ましくは、ヘテロ環基は、モルホリニル、チオモルホリニルまたはピロリジニル基を示す。モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、イミダゾリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イル基も好ましい。
【0048】
「アリール」なる語は、好ましくは、一価の、芳香族の単環式炭化水素環、特に6個の炭素原子を有する環(「C−アリール」基)、好ましくはフェニル基を意味するとして理解されるべきである。
【0049】
本願明細書を通して、例えばC−C−アルキル、C−Cアルコキシル、C−C−アルキルイミノの定義に関連して使用される「C−C」なる語は、1ないし4個の有限数の、すなわち、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル基を意味するものとして理解されるべきである。さらには、「C−C」なる語は、その中に含まれる、下位群、例、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−Cとして解釈されると理解されるべきである。
【0050】
本願明細書を通して、例えばペルフルオロ化されたC−C−アルキルの定義に関連して使用される「C−C」なる語は、1ないし3個の有限数の炭素原子、すなわち、1、2または3個の炭素原子を有するアルキル基を意味するものとして理解されるべきである。さらには、「C−C」なる語は、その中に含まれる、下位群、例、C−C、C−C、C−Cとして解釈されると理解されるべきである。
【0051】
同様に、本願明細書を通して、例えば「ヒドロキシ−C−Cアルコキシル」または「メトキシ−C−Cアルコキシル」の定義に関連して使用される「C−C」なる語は、2ないし4個の有限数の炭素原子、すなわち2、3または4個の炭素原子を有するアルキル基を意味するものとして理解されるべきである。さらには、「C−C」なる語は、その中に含まれる、下位群、例、C−C、C−C、C−Cとして解釈されると理解されるべきである。
【0052】
本願明細書にて使用される、例えば、本願発明の一般式の化合物の置換基の定義にある「1または複数の」なる語は、1、2、3、4または5個の、特に1、2、3または4個の、さらに詳細には1、2または3個の、さらにより詳細には1または2個の個数を意味すると理解される。
【0053】
化合物、塩、水和物、溶媒和物等の複数の形態が使用される場合、このことはまた、単一の化合物、塩、異性体、水和物、溶媒和物等を意味するように取り扱われる。
【0054】
本願発明の化合物の基が置換されている場合、該基は、特記しない限り、一回または複数回置換されていてもよい。本願発明の範囲内で、繰り返して生じる基のすべての意味は相互に独立している。1、2または3個の同一または異なる置換基による置換が好ましい。 1個の置換基による置換がとりわけ特に好ましい。
【0055】
好ましい式(I)の化合物は、
Xが窒素またはCH基を意味し、

フッ素化C−C−アルキル−基、ペルフッ素化C−C−アルキル−基、トリフルオロメチル基;
−C−アルコキシ−基、C−C−アルコキシ−基、メトキシ基;
メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ−基、2,2−ジヒドロ−3−ヒドロキシプロポキシ−基;
メトキシ−C−C−アルコキシ−基、メトキシエトキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニルおよびイミダゾリルからなる群より選択される5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたは塩素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジアゼパニル、イミダゾリジニルから選択される5、6または7員ヘテロ環基であって、メチル、ヒドロキシメチル、イミノ、メチルイミノ、シアノイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基;
残基−O(CH−Yであって、ここでn=2であり、Yがモルホリン−4−イル基または2−オキソイミダゾリジン−1−イル基を示す残基;または
残基−N=S(=O)Rであって、ここでRがフェニル基を示し、Rがメチル基を示す残基を意味し;
が水素、メチルまたはアミノを意味する、化合物またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩である。
【0056】
式(I)のさらに好ましい化合物は、
Xが窒素またはCH基を意味し、

メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基により所望により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メトキシ−C−C−アルコキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される所望により置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルおよび塩素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはイミダゾリジニルから選択される所望により置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基であって、メチル、イミノ、メチルイミノ、シアノイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基;または
残基−O(CH−Yであって、n= 2およびYが2−オキソイミダゾリジン−1−イル基である残基を意味し;
が水素またはメチルを意味する、化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩である。
【0057】
式(I)のさらに好ましい化合物は、
XがCH基を意味し、

フッ素化C−C−アルキル−基、ペルフッ素化C−C−アルキル−基、特に好ましくはトリフルオロメチル基;
−C−アルコキシ−基、C−C−アルコキシ基、メトキシ基;
メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ基;
メチルおよびフッ素からなる群より選択1または2個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ基、2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロポキシ−基;
メトキシ−C−C−アルコキシ−基、メトキシエトキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される所望により置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチルで置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、イミダゾリジニルおよびピロリジニルからなる群より選択される所望により置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基であって、メチル、ヒドロキシメチル、イミノ、メチルイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される、1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基;または
残基−O(CH−Yであって、n=2およびYがモルホリン−4−イル基または2−オキソイミダゾリジン−1−イル基である残基を意味し;
が水素、メチルまたはアミノを意味する、化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩である。
【0058】
式(I)のさらに好ましい化合物は、
XがCH基を意味し、

フッ素化C−C−アルキル−基、ペルフッ素化C−C−アルキル−基、トリフルオロメチル基;
メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メチルまたはフッ素で所望により置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ−基、2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロポキシ−基;
メトキシ−C−C−アルコキシ−基、メトキシエトキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基、(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ−基;
トリアゾリル、テトラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される所望により置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチルで置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルからなる群より選択される所望により置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基であって、メチル、イミノ、メチルイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基;または
残基−O(CH−Yであって、n=2およびYがモルホリン−4−イル基または2−オキソイミダゾリジン−1−イル基である残基を意味し;
が水素またはメチルを意味する、化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩である。
【0059】
式(I)のさらに特に好ましい化合物は、
Xが窒素またはCH基を意味し、

メチル基で所望により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される所望により置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルおよび塩素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはイミダゾリジニルより選択される所望により置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基であって、メチル、イミノ、メチルイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基;または
残基−O(CH−Yであって、n=2およびYが2−オキソイミダゾリジン−1−イル基である、残基を意味し、
が水素またはメチルを意味する、化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩である。
【0060】
式(I)のとりわけ好ましい化合物は、
Xが窒素またはCH基を意味し、

メチルで所望により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メチルで所望により置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ−基;
トリフルオロメチル基で所望により置換されていてもよいイミダゾリル基を意味し;
が水素を意味する、化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩である。
【0061】
とりわけ好ましい実施態様において、本願発明は、XがCH基である、式(I)の化合物に関する。
【0062】
もう一つ別の好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
がメチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基で所望により置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基を意味する、化合物に関する。
【0063】
もう一つ別の好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
がメチル基で所望により置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基を意味する、化合物に関する。
【0064】
特に好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
が2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ−基を意味する、化合物に関する。
【0065】
もう一つ別の好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
がピラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される所望により置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であり、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたは塩素からなる群より選択される1個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基を意味する、化合物に関する。
【0066】
もう一つ別の好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
がトリフルオロメチル基で所望により置換されていてもよいイミダゾリル基を意味する、化合物に関する。
【0067】
特に好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
がトリフルオロメチル基で所望により置換されていてもよい1H−イミダゾール−1−イル基を意味する、化合物に関する。
【0068】
もう一つ別の特に好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
が4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル基を意味する、化合物に関する。
【0069】
もう一つ別の特に好ましい実施態様において、本願発明は、式(I)の化合物であって、
が水素を意味する、化合物に関する。
【0070】
個々の組み合わせ、または好ましい組み合わせにて、個別に記載されている部分の定義はまた、必要ならば、他の組み合わせの部分の定義と、個々に詳細に記載されている組み合わせとは独立して、置き換えられる。
【0071】
上記した好ましい範囲の2またはそれ以上の組み合わせが極めて特に好ましい。
【0072】
特に、本願発明の対象は以下の化合物である:
4−(3−{[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−3−({6−[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}メチル)−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[4−アミノ−2−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(2−メチルモルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−{3−[(6−メトキシピリジン−3−イル)メチル]−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(1−イミノ−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[3−({6−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(4,4−ジメチル−2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[2−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(4−クロロ−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−3−({6−[1−(メチルイミノ)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−({6−[4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)イミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(チエン−2−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−{4,4−ジメチル−3−[(6−{[メチル(オキシド)フェニル−λ−スルファニリデン]アミノ}ピリジン−3−イル)メチル]−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−({6−[3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)イミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[3−({6−[4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−3−({6−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}メチル)−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
{4−[5−({3−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}メチル)ピリジン−2−イル]−1−オキシド−1λ− チオモルホリン−1−イリデン}シアナミド、
4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2−メチルピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
またはその塩、溶媒和物あるいはその溶媒和物の塩である。
【0073】
本願発明のもう一つ別の態様は、化合物(R)−4−{4,4−ジメチル−3−[(6−{[メチル(オキシド)フェニル−λ−スルファニリデン]アミノ}ピリジン−3−イル)メチル]−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルである。
【0074】
特に好ましい態様において、本願発明は、4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−({6−[4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)イミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルに関する。
【0075】
もう一つ別の特に好ましい態様において、本願発明は、4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルに関する。
【0076】
本願発明は、さらには、本願発明の式(I)の化合物の調製方法であって、一般式(2):
【化2】

の中間体を、一般式(5)
【化3】

[式中、X、RおよびRは一般式(I)の化合物についての記載と同意義である]
で示される化合物と反応させ、こうして一般式(6):
【化4】

の化合物を得、ついでそれを加水分解して一般式(I)の化合物とし、得られた式(I)の化合物を、必要ならば、その溶媒和物、塩および/またはその塩の溶媒和物に対応する(i)溶媒、および/または(ii)塩基または酸と反応させることを含む方法に関する。
【0077】
一般式(2)の化合物と、一般式(5)の化合物との反応は、非プロトン性溶媒、特にテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはまたはジメチルスルホキシドもしくはこれらの溶媒の混合液中、好ましくはテトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミド中で実施され得る。該反応は室温(=20℃)から溶媒の沸点までの範囲にある温度で実施される。該反応は適当な塩基、特にトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン、好ましくはトリエチルアミンの存在下で実施され得る。反応は1ないし24時間の反応時間の後に完了するのが好ましい。
【0078】
一般式(6)の化合物の所望の式(I)の化合物への加水分解は、プロトン性溶媒、好ましくはメタノールまたはエタノール中、塩化水素または硫酸の希釈溶液などの適当な酸、好ましくは塩化水素の4N溶液を添加することで行われる。該反応は室温(=20℃)から溶媒の沸点までの温度で行われる。該反応は1ないし24時間の反応時間の後に完了するのが好ましい。
【0079】
本願発明は、式(6)の化合物の製造方法であって、一般式(2):
【化5】

の中間化合物を、一般式(5):
【化6】

[式中、X、RおよびRは一般式(I)の化合物についての記載と同意義である]
で示される化合物と反応させ、こうして一般式(6):
【化7】

の化合物を得る、方法に関する。
【0080】
一般的用語または好ましい範囲にて詳細に記載されている部分の上記した定義はまた、式(I)の最終生成物、同様に各々の製造にて要求される出発物質および中間体にも適用される。
【0081】
本願発明の化合物の調製は以下の合成経路により説明され得る:
【化8】

【0082】
その対応するイソチオシアネート(2)は、4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(1)から出発し、既知の方法(Katritzkyら、Comprehensive Heterocyclic Chemistry;Permagon Press:Oxford UK(1984). March. Advanced Organic Chemistry、第3版;John Wiley:New York(1985))を用いて合成されてもよい。例えば、4−イソチオシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(2)は、以下に記載されるように、テトラヒドロフラン中、室温(=20℃)での4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(1)とチオホスゲンとの反応から入手可能である。別に、4−イソチオシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルは市販されている(例、Fluorochem、Oakwood、UK)。
【0083】
アセトンシアノヒドリン(3)とアミン(4)を反応させてアミノイソブチロニトリル(5)を得る(例えば、a)Buchererら、Chemische Berichte 1906、39、992;b)Cleveら、米国特許出願2004/0009969を参照のこと)。該反応は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)またはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、室温(=20℃)でモレキュラーシーブを用いて下記のように実施され得る。もう一つ別の可能な方法が、化合物3と4を、溶媒なしで高温で、例えば80℃で、硫酸マグネシウムの存在下で反応させることである(Jungら、米国出願2007/0254933)。アミノイソブチロニトリル(5)をイソチオシアネート(2)と反応させ、6の型の化合物を得ることができる(Cleveら、米国出願2004/0009969)。該反応は、例えば、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒を用いて、トリエチルアミンなどの適当な塩基の存在下、高温で実施され得る。最後に、6の型の化合物は式(I)の所望の化合物に加水分解され得る(Cleveら、米国出願2004/0009969)。該反応は、例えば、メタノールなどの溶媒中、塩化水素の4N溶液を室温(=20℃)で添加することにより実施され得る。
【0084】
4の型のアミンは市販されているか、あるいは確立された合成方法により容易に入手可能である。
【0085】
【化9】

【0086】
例えば、7の型の2−クロロ−ピリジンまたは2−クロロ−ピリミジン誘導体と、8の型の適当なアルコール誘導体と反応させることで、9の型の化合物が得られる。この型のC−O結合形成反応は、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、0℃ないし70℃の範囲にある温度で、例えば、本願明細書にて記載されるように実施され得る(例えば、Arientiら、米国出願2005/70550を参照のこと)。最後に、触媒として、例えばラネーニッケルを用いて9の型の化合物を水素化することで所望の生成物10が得られる(例えば、Forrestら、J. Chem. Soc. 1948, 1939を参照のこと)。
【0087】
【化10】

【0088】
11の型の2−クロロ−ピリジンまたは2−クロロ−ピリミジン誘導体と、12の型の適当なアミン誘導体を反応させて、13の型の化合物を得る。この型のC−N結合形成反応は、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、室温(=20℃)ないし100℃の範囲にある温度で、例えば、本願明細書に記載されるように実施され得る(例えば、Hammondら、WO2005/005399を参照のこと)。最後に、触媒として、例えばラネーニッケルを用いて13の型の化合物を水素化することで所望の生成物14が得られる(例えば、Nettekoven、米国出願2006/122187を参照のこと)。
【0089】
【化11】

【0090】
15の型の2−クロロ−ピリジンまたは2−クロロ−ピリミジン誘導体と、16の型の適当なアミド誘導体を反応させて、17の型の化合物を得る。この型のC−N結合形成反応は、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドまたはトルエンなどの溶媒中、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、70℃ないし100℃の範囲にある温度で、例えば、本願明細書に記載されるように実施され得る。
【0091】
【化12】

【0092】
19の型の2−クロロ−ピリジンまたは2−クロロ−ピリミジン誘導体と、20の型のN−H基を有する適当な5員ヘテロ芳香族化合物を反応させて、21の型の化合物を得る。この型のC−N結合形成反応は、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、外界温度ないし120℃の範囲にある温度で、例えば、本願明細書に記載されるように実施され得る(例えば、Hirano、米国出願2004/19045を参照のこと)。最後に、触媒として、例えばラネーニッケルを用いて21の型の化合物を水素化することで所望の生成物22が得られる。
【0093】
【化13】

【0094】
23の型の2−クロロ−ピリジンまたは2−クロロ−ピリミジン誘導体と、24の型のボロン酸またはエステル部分を有する適当な5員ヘテロ芳香族化合物を反応させて、25の型の化合物を得る。このススキ反応型のC−C結合形成反応は、1,2−ジメトキシエタンまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの触媒および炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、90℃ないし140℃の範囲にある温度で、例えば、本願明細書に記載されるように実施され得る(例えば、Berdiniら、WO2005/061463を参照のこと)。
【0095】
本願発明の化合物は、予測できない作用の有用な薬理学的および薬物動態学的スペクトルを示す。
【0096】
したがって、該化合物はヒトおよび動物の障害の治療および/または予防用医薬として用いるのに適している。
【0097】
本願発明の範囲内で、「治療」なる語は予防を包含する。
【0098】
本願発明の化合物の薬理活性は、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体に対してアゴニスト活性が最も小さく、ヒト「野生型」アンドロゲン受容体のアンドロゲン活性に拮抗する高い能力を有する、抗アンドロゲンとしての作用により説明することができる。
【0099】
さらには、本願発明の化合物は、ヒトアンドロゲン受容体のW741Lおよび/またはW741Cおよび/またはE709Yの成熟形態のアンドロゲン活性を強力に拮抗する。
【0100】
さらには、本願発明の化合物は望ましい薬理特性を示す。例えば、実施例1、2、9、10、13、17、18、21、23および24の化合物は、各々、ヒト肝ミクロソームにて、0.26 l/時間/kg(実施例1)、0.39 l/時間/kg(実施例2)、0.48 l/時間/kg(実施例9)、0.35 l/時間/kg(実施例10)、0.19 l/時間/kg(実施例13)、0.09 l/時間/kg(実施例17)、0.11 l/時間/kg(実施例18)、0.40 l/時間/kg(実施例21)、1.0x10−4 l/時間/kg(実施例23)および0.4 l/時間/kg(実施例24)のインビボでの肝血中クリアランス値(CL)を示した。本願発明との関連で、インビボでの肝血中クリアランス値(CL)(calculated hepatic in vivo blood clearance)は、以下に記載の方法(「(インビボでの肝血中クリアランス(CL)および最大経口バイオアベイラビリティ(Fmax)の値を含む)インビトロでの代謝安定性の測定」)に従って測定されるのが好ましい。
【0101】
さらには、本願発明の化合物はLNCaPおよび/またはVCaPなどの前立腺腫瘍細胞系での抗増殖活性を媒介する。例えば、実施例 1、2、3、4、5、7、8、9、10、13、15、16、18、19、20、22および23の化合物は、各々、59nM(実施例1)、314nM(実施例2)、127nM(実施例3)、117nM(実施例4)、200nM(実施例5)、118nM(実施例7)、120nM(実施例8)、303nM(実施例9)、283nM(実施例10)、124nM(実施例13)、116nM(実施例15)、121nM(実施例16)、117nM(実施例18)、96nM(実施例19)、46nM(実施例20)、135nM(実施例22)および160nM(実施例23)の阻害IC50(LNCaP)を示した。例えば、実施例4、7、8および10の化合物は、各々、124nM(実施例4)、106nM(実施例7)、92nM(実施例8)および229nM(実施例10)の阻害IC50(VCaP)を示した。本願発明との関連で、LNCaPおよび/またはVCaPなどの前立腺腫瘍細胞系についてのIC50は、以下に記載の方法(「LNCaP細胞での増殖」;「VCaP細胞での増殖」)に従って測定されるのが好ましい。
【0102】
本願発明は、障害の、好ましくは高増殖性障害、好ましくはアンドロゲン受容体介在障害、またはアンドロゲン感受性障害であって、その進行がアンドロゲン受容体の活性化により助成される障害を治療および/または予防するための(=障害の治療および/または予防におけるもちいるための)本願発明の化合物の使用に関する。本願発明の化合物は細胞増殖および/または細胞分裂を阻害し、遮断し、軽減し、減少させ、および/またはアポトーシスを生成するのに利用され得る。この方法は、ヒトを含む、それを必要とする哺乳動物に、一定量の本願発明の化合物、または障害を治療するのに効果的なその医薬上許容される塩、異性体、多形態、代謝物、水和物、溶媒和物またはエステルを投与することを含む。
【0103】
高増殖性障害は、限定されるものではないが、例えば、前立腺癌、乳癌、呼吸器系癌、脳癌、男女生殖器官癌、消化管癌、尿路癌、眼癌、肝臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、甲状腺、副甲状腺およびその遠隔転移癌などの充実性腫瘍、およびリンパ腫、肉腫および白血病などの血液腫瘍を包含する。該障害はまた、良性前立腺肥大(BPH)ならびに乾癬およびケロイドなどの皮膚に影響を及ぼす過形成を包含する。さらには、本願発明の化合物はアクネ、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性脱毛、性的早熟と多嚢胞性卵巣症候群などの障害の治療および/または予防に使用される。
【0104】
男性生殖器官の腫瘍は、限定されるものではないが、前立腺、精巣および精巣上体癌を含む。前立腺癌の例は、限定されないが、インサイチュ癌腫、前立腺上皮内腫瘍、腺癌、転移癌、ホルモン耐性前立腺癌および去勢耐性前立腺癌を包含する。特に、本願発明は、アンドロゲン依存性前立腺癌または去勢耐性前立腺癌の治療および/または予防にて用いるための、および/または良性前立腺肥大症(BPH)の治療および/または予防に用いるための本願発明の化合物の使用に関する。
【0105】
特に、本願発明は、去勢耐性前立腺癌の、特に化学療法にナイーブな形態の去勢耐性前立腺癌の、および/または化学療法耐性形態の去勢耐性前立腺癌の治療および/または予防に用いるための本願発明の化合物の使用に関する。
【0106】
さらには、本願発明は、アンドロゲン受容体遺伝子の増幅によるアンドロゲン受容体の過剰発現により特徴付けられる、去勢耐性前立腺癌の治療および/または予防のための本願発明の化合物の使用に関する。
【0107】
さらには、本願発明は、アンドロゲン受容体のW741Lおよび/またはW741Cおよび/またはE709Yの変異により特徴付けられる、去勢耐性前立腺癌の治療および/または予防のための本願発明の化合物の使用に関する。
【0108】
本願発明の関連において、「アンドロゲン依存性前立腺癌」なる語は、GnRH(LHRH)リガンドおよび抗アンドロゲンを用いる治療に応答し、血中PSAレベルの低下により測定される、前立腺腫瘍を意味するものとして理解されるべきである。
【0109】
本願発明の関連において、「去勢耐性前立腺癌」なる語は、アンドロゲン除去療法の後に、例えばGnRH(LHRH)リガンドおよび抗アンドロゲンを用いる治療の後に進行する前立腺腫瘍として理解されるべきである。これは、通常、血中PSAレベルまたは速度の上昇により測定される。
【0110】
「化学療法にナイーブな形態」なる語の去勢耐性前立腺癌は、アンドロゲン除去療法に対する耐性の出現の後に、化学療法での治療がなされなかったことを意味するものとして理解されるべきである。
「化学療法耐性形態」なる語の去勢耐性前立腺癌は、タキサンまたはミトキサントロンなどの化学療法での治療に対する応答を示さない、前立腺癌を意味するものとして理解されるべきである。
【0111】
本願発明の関連において、「良性前立腺過形成(BPH)」なる語は、尿の流れに干渉する、前立腺の間質および上皮細胞の過形成をいう。
【0112】
女性生殖器官の腫瘍は、限定されるものではないが、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、膣癌および外陰癌、ならびに子宮肉腫を包含する。子宮内膜(子宮内膜症)および子宮筋層(子宮筋腫、子宮平滑筋腫)の良性過増殖性障害も同様に包含される。
【0113】
乳癌の例は、限定されるものではないが、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、腺管上皮内癌および小葉上皮内癌を包含する。
【0114】
呼吸器の癌の例は、限定されるものではないが、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫を包含する。
【0115】
脳癌の例は、限定されるものではないが、脳幹および視床下部膠腫、小脳および大脳星細胞腫、髄芽細胞腫、上衣細胞腫ならびに神経外胚葉細胞および松果体腫瘍を包含する。
【0116】
消化管癌の例は、限定されるものではないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺癌を包含する。
【0117】
尿路癌は、限定されるものではないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎う、尿管、尿道およびヒト乳頭状腎細胞癌を包含する。
【0118】
眼癌は、限定されるものではないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫を包含する。
【0119】
肝臓癌は、限定されるものではないが、肝細胞癌(線維総板変異体を含むまたは含まない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)、および混合型肝細胞胆管癌を包含する。
【0120】
皮膚癌は、限定されるものではないが、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌および非黒色腫皮膚癌を包含する。
【0121】
頭頸部癌は、限定されるものではないが、咽頭癌、下咽頭癌、鼻咽頭癌、口腔咽頭癌、唇口腔癌および扁平上皮細胞癌を包含する。リンパ腫は、限定されるものではないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫を包含する。
【0122】
肉腫は、限定されるものではないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫を包含する。
【0123】
白血病は、限定されるものではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病およびヘアリー細胞白血病を包含する。
【0124】
これらの障害はヒトで十分に特徴付けられているが、他の哺乳動物でも同様の病因で存在し、本願発明の医薬組成物を投与することで治療することができる。
【0125】
本願明細書を通して使用される「治療する」または「治療」なる語は、通常、例えば、癌などの疾患または障害の症状を根絶、緩和、減少、軽減、改善の目的のために該対象を取扱または介護するのに用いられる。
【0126】
本願発明のさらなる発明特定要件は、障害、特に上記した障害の治療および/または予防のための本願発明の使用である。
【0127】
本願発明のさらなる発明特定要件は、上記した高増殖性障害の、特に前立腺癌の、および/またはアンドロゲン依存性前立腺癌の、および/または去勢耐性前立腺癌の、および/または良性前立腺過形成(BPH)の治療方法にて用いるための本願発明の化合物である。
【0128】
特に、本願発明は、去勢耐性前立腺癌の、特に化学療法的にナイーブな形態の去勢耐性前立腺癌の、および/または化学療法耐性形態の去勢耐性前立腺癌の治療および/または予防のための方法にて用いるための本願発明の化合物に関する。
【0129】
本願発明のさらなる発明特定要件は、障害、特に上記した障害の治療および/または予防のための医薬の製造における本願発明の化合物の使用である。
【0130】
本願発明のさらなる発明特定要件は、有効量の本願発明の化合物を用いる、障害、特に上記した障害の治療および/または予防のための方法である。
【0131】
本願発明のさらなる発明特定要件は、少なくとも1種の本願発明の化合物および少なくと1または複数のさらに活性な成分を含む、特に上記した障害の治療および/または予防のための組成物、好ましくは医薬併用剤または医薬である。一例として、好ましいと称される組み合わせに適する活性成分は:
【0132】
LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)アゴニスト(=GnRH(ゴンアドトロピン放出ホルモン)アゴニスト)、
LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)アンタゴニスト(=GnRH(ゴンアドトロピン放出ホルモン)アンタゴニスト)、
C(17,20)−リアーゼ阻害剤、
5−アルファ−レダクターゼ阻害剤I型、
5−アルファ−レダクターゼ阻害剤II型、
細胞増殖抑制剤、
VEGF(血管内皮成長因子)−キナーゼ阻害剤、
アンチゲスタゲン、
アンチエストロゲン、
EGF抗体、
エストロゲンまたは
他のAR(アンドロゲン受容体)アンタゴニストである。
【0133】
例えば、本願発明の化合物は、既知の抗高増殖性薬または他の適応薬等、ならびにその混合物および組み合わせと併用され得る。他の適応薬は、限定されるものではないが、抗血管形成剤、分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝産物、DNA挿入剤、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾剤または抗ホルモン剤を包含する。
【0134】
付加的な医薬製剤は、アルデスロイキン、アレンドロン酸、アルファフェロン、アリトレチノイン、アロプリノール、アロプリム、アロキシ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミホスチン、アムルビシン、アムスクリン、アナストロゾール、アンズメット、アラネスプ、アルグラビン、アルセニックトリオキシド、アロマシン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BCGまたはタイスBCG、ベスタチン、ベタメタゾンアセテート、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、ベキサロテン、ブレオマイシンスルフェート、ブロックスリジン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルシトニン、カンパス、クラドリビン、クロドロン酸、シクロホスファミド、シタラビン、ダカラバジン、ダクチノマイシン、ダウノキソーム、デカドロン、デカドロンホスフェート、デレストロゲン、デニロイキンジフチトックス、デオメドロール、デスロレリン、デキストラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフルカン、ドセタキセール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロナビノール、DW−166HC、エリガード、エリテック、エレンス、エメンド、エピルビシン、エポエチンアルファ、エポゲン、エプタプラチン、エルガミソール、エストレース、エストラジオール、エストラムスチンホスフェートナトリウム、エチニルエストラジオール、エチオール、エチドロン酸、エトポホス、エトポシド、ファドロゾール、ファルストン、フィルグラスチム、フィナステリド、フリグラスチム、フロクスリジン、フルコナゾール、フルドラビン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、5−フルオロウラシル(5−FU)、フルオキシメステロン、フルタミド、ホルメスタン、ホステアビン、ホテムスチン、フルベストラン、ガンマガード、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グレベック、グリアデル、ゴセレリン、塩酸グラニセトロン、ヒストレリン、ヒカムチン、ヒドロコルトン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、ヒドロキシウレア、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イフォスファミド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ2、インターフェロンアルファ−2A、インターフェロンアルファ−2B、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a、インターロイキン−2、イントロンA、イリノテカン、キトリル、レンチナンスルフェート、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミソール、レボフォリン酸カルシウム塩、レボトロイド、レボキシル、ロムスチン、ロニダミン、マリノール、メクロレタミン、メコバラミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メネスト、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メトビックス、ミルテホシン、ミノシクリン、ミトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、モドレナル、ミオセット、ネダプラチン、ネウラスタ、ネウメガ、ネウポゲン、ニルタミド、ノルバデックス、NSC−631570、OCT−43、オクトレオチド、塩酸オンダンセトロン、オラプレッド、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペジアプレッド、ペガスパルガーゼ、ペガシス、ペントスタチン、ペシバニル、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィメルナトリウム、プレドニムスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレマリン、プロカルバジン、プロクリット、ラルチトレキセッド、レビフ、レニウム−186エチドロネート、リツキシマブ、ロフェロン−A、ロムルチド、サラゲン、サンドスタチン、サルグラモスチム、セムスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソルメドロール、スパルフォシン酸、幹細胞療法剤、ストレプトゾシン、ストロンチウム−89クロリド、シントロイド、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、タストラクトン、タキサン、タキソテレ、テセロイキン、テモゾロミド、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、テストレッド、チオグアニン、チオテパ、サイロトロピン、チルドロン酸、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トレキサール、トリメチルメラミン、トリメトレキセート、酢酸トリプトレリン、パモ酸トリプトレリン、UFT、ウリジン、バルルビシン、ベスナリノン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビルリジン、ジネカルド、ジノスタチンスチマラマー、ゾフラン、ABI−007、アコルビフェン、アクチムン、アフィニタック、アミノプテリン、アルゾキシフェン、アソプリスニル、アタメスタン、アトラセンタン、ソラフェニブ、アバスチン、CCI−779、CDC−501、セレブレックス、セツキシマブ、クリスナトール、酢酸サイプトテロン、デシタビン、DN−101、ドキソルビシン−MTC、dSLIM、ヅタステリド、エドテカリン、エフロルニチン、エキサテカン、フェンレチニド、二塩酸ヒスタミン、ヒストレリンヒドロゲルインプラント、ホルミウム−166DOTMP、イバンドロン酸、インターフェロンガンマ、イントロン−PEG、イキサベピロン、キーホールリンペットヘモシアニン、L−651582、ランレオチド、ラソフォキシフェン、リブラ、ラナファルニブ、ミプロキシフェン、ミノドロネート、MS−209、リポソームMTP−PE、MX−6、ナファレリン、ネモルビシン、ネオバスタット、ノラトレキセッド、オブリメルセン、オンコ−TCS、オシデム、パクリタキセルポリグルタメート、パミドロネートジナトリウム、PN−401、QS−21、クアゼパム、R−1549、ラロキシフェン、ランピルナーゼ、13−シス −レチノイン酸、サトラプラチン、セオカルチトール、T−138067、テルセバ、タキソプレキン、チモシンアルファ1、チアゾフリン、チプファルニブ、チラパザミン、TLK−286、トレミフェン、トランスMID−107R、バルスポダル、バプレオチド、バタラニブ、ベルテポルフィン、ビンフルニン、Z−100、ゾレドロン酸またはその組み合わせであり得る。
【0135】
組成物に添加することのできる任意の抗高増殖性剤は、限定されるものではないが、出典明示により本願明細書の一部とする、Merck Index(1996)の第11版の癌化学療法の薬物投与計画に列挙されている化合物を包含し、例えば、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブチル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、デクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、ミトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニソロン、プレドニソン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトドシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシンが挙げられる。
【0136】
本願発明の組成物に用いるのに適する他の抗高増殖性剤は、限定されるものではないが、出典明示により本願明細書の一部とする、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版)、編集者 Molinoffら、McGraw-Hill公開 1225−1287頁(1996)の新生物疾患の治療に用いられると認識される化合物を包含し、アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジンクラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2',2'−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、フルダラビンホスフェート、フルオキシメステロン、フルタミド、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イダルビシン、インターフェロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート、メルファラン、ミトタン、パクチタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、テストステロンプロピオネート、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジン、およびビノレルビンが挙げられる。
【0137】
本願発明の組成物に用いるのに適する他の抗高増殖性剤は、限定されるものではないが、エポチロンおよびその誘導体、イリノテカン、ラロキシフェンおよびトポテカンなどの他の抗癌剤を包含する。
【0138】
本願発明の化合物はまた、蛋白治療薬と組み合わせて投与されてもよい。癌または他の血管形成障害の治療に適し、本願発明の組成物での使用に適するかかる蛋白治療薬は、限定されるものではないが、インターフェロン(例、インターフェロンアルファ、ベータまたはガンマ)、超アゴニストモノクローナル抗体、ツエビンゲン、TRP−1蛋白ワクチン、コロストリニン、抗FAP抗体、YH−16、ゲンツズマブ、インフリキシマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、デニロイキンジフチトックス、リツキシマブ、チモシンアルファ1、ベバシズマブ、メカセルミン、メカセルミンリンファベート、オプレルベキン、ナタリズマブ、rhMBL、MPE−CP1+ZD−2767−P、ABT−828、ErbB特異的イムノトキシン、SGN−35、MT−103、リンファベート、AS−1402、B43−ゲニステイン、L−19をベースとする放射性免疫治療薬、AC−9301、NY−ESO−1ワクチン、IMC−1C11、CT−322、rhCC10、r(m)CRP、MORAb−009、ビスクミン、MDX−1307、Her−2ワクチン、APC−8024、NGR−hTNF、rhH1.3、IGN−311、エンドスタチン、ボロシキシマブ、PRO−1762、レキサツムマブ、SGN−40、ペルツズマブ、EMD−273063、L19−IL−2融合蛋白、PRX−321、CNTO−328、MDX−214、チガポチド、CAT−3888、ラベツズマブ、アルファ粒子放出放射性同位体連結のリンツズマブ、EM−1421、超急性ワクチン、ツコツズマブセルモロイキン、ガリキシマブ、HPV−16−E7、ジャベリン−前立腺癌、ジャベリン−メラノーマ、NY−ESO−1ワクチン、EGFワクチン、CYT−004−MelQbG10、WT1ペプチド、オレゴボマブ、オファツズマブ、ザルツズマブ、シントレデキンベスドトックス、WX−G250、アルブフェロン、アフリベルセプト、デノスマブ、ワクチン、CTP−37、エフングマブまたは131I−chTNT−1/Bを包含する。蛋白療法に有用なモノクローナル抗体は、限定されるものではないが、ムロモナブ−CD3、アブシキシマブ、エドレコロマブ、ダクリズマブ、ゲンツズマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、セツキシマブ、ベビシズマブ、エファチズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ムロモマブ−CD3、チルキシマブ、ダクリズマブ、トラスツズマブ、パリビズマブ、バシリキシマブおよびインフリキシマブを包含する。
【0139】
一般に、細胞障害性および/または細胞増殖抑制性薬物と、本願発明の化合物または組成物との併用は:
(1)いずれかの薬物を単独で投与した場合と比べて、腫瘍の成長を減少させるか、または腫瘍を消滅さえさせる、より優れた効能を提供すること、
(2)より少量の化学療法剤の投与を提供すること、
(3)単一薬剤での化学療法および特定の他の併用療法で観察されるよりも有害な薬理学的合併症の少ない、患者にて十分に許容される化学療法的処置を提供すること、
(4)哺乳動物、特にヒトにてより広範囲の異なる型の癌の治療を提供すること、
(5)治療された患者の間でより高い応答を提供すること、
(6)標準的化学療法処置と比べて、処置された患者の間でより長期の生存期間を提供すること、
(7)腫瘍の進行に長期間を費やさせること、および/または
(8)他の癌治療薬の併用がアンタゴニスト作用を付与する既知の場合と比べて、薬剤を単独で用いた結果と少なくとも同等の効能および許容性の結果を付与すること
に役立つであろう。
【0140】
本願発明の化合物は、全身的に、および/または局所的に作用しうる。この目的ために、該化合物は、例えば、経口、非経口、経肺、経鼻、舌下、舌側、頬側、経直腸、皮膚、経皮、経結腸または経耳経路などの適切な方法にて、またはインプラントまたはステントとして投与され得る。
【0141】
これらの投与経路では、本願発明の化合物を適当な投与形態にて投与することが可能である。
【0142】
経口投与には、先行文献に記載されるように作用し、本願発明の化合物を迅速に、および/または修飾された形態にて送達する、投与形態が適しており、それは、本願発明の化合物を、例えば、錠剤(被覆または被覆されていない錠剤、例えば、腸溶性コーティング剤またはその溶解を遅らせるか、不溶性であり、本願発明の化合物の放出を調節するコーティング剤で被覆された錠剤)、口腔にて速やかに分解する錠剤、またはフィルム/ウェハー、フィルム/凍結乾燥産物、カプセル(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒、ペレット、散剤、エマルジョン、懸濁液、エアロゾルまたは液剤などの結晶および/または非晶質および/または溶解した形態にて含む。
【0143】
非経口投与は吸収工程を回避して(例えば、静脈内、動脈内、静脈内、髄腔内または腰内)にて、または吸収工程を含むんで(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)で起こり得る。非経口投与に適する投与形態は、とりわけ、液剤、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥産物または滅菌散剤の形態の注射および注入用製剤である。
【0144】
他の投与経路に適する例は、吸入用医薬形態(とりわけ、散剤吸入器、噴霧器)、点鼻剤/液剤/スプレー; 舌側、舌下または頬側投与される錠剤、フィルム/ウェハーまたは懸濁液、坐剤、眼または耳用製剤、膣カプセル、水性懸濁液(ローション、振盪性混合物)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、プラスターなど)、乳液、ペースト、フォーム、散布剤、インプラントまたはステントである。
【0145】
本願発明の化合物は所定の投与形態に変換され得る。これは不活性な非毒性の医薬的に適切なアジュバントと混合することで自体公知な方法でなされ得る。これらのアジュバントは、とりわけ、キャリア(例えば、微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレイン酸)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定化剤(例えば、アスコルビン酸などの酸化防止剤)、着色剤(例えば、酸化鉄などの無機顔料)および矯味および/または矯臭剤を包含する。
【0146】
したがって、本願発明は、少なくとも1つの本願発明の化合物を、通常、1または複数の不活性な非毒性の医薬的に適切なアジュバントと一緒に含む医薬、および上記した高増殖性障害の治療および/または予防のための使用を提供する。
【0147】
標準的な毒性試験および標準的な薬理学的アッセイにより哺乳動物にて上記した症状の治療を決定し、これらの結果をこれらの症状を治療するのに用いられる既知の医薬の結果と比較することで、高増殖性障害の治療に有用な化合物を評価するのに標準的な既知の実験室技法に基づき、本願発明の化合物の有効量は所望の各々の適応症の治療について容易に決定され得る。これらのうちの一つの症状の治療にて投与されるべき活性成分の量は、使用される個々の化合物および投与単位、投与方法、治療期間、治療される患者の年齢および性別、および治療される症状の特性および程度に応じて、大きく変化し得る。
【0148】
投与されるべき活性成分の総合量は、一般に、一日当たり約0.001mg/kgないし約200mg/kg体重、好ましくは一日当たり約0.01mg/kgないし約20mg/kg体重の範囲にあろう。臨床的に有用な投与計画は、一日に1ないし3回の投与から、4週間に1回の投与まで一定の範囲にあろう。加えて、患者が特定の期間薬物を服用しない休薬期間は、薬理作用と耐容性の間の全体のバランスに効果的である可能性がある。単位用量は約0.5mgないし約1500mgの活性成分を含有してもよく、一日に1または複数の回数または一日に1回より少ない回数投与され得る。経口投与について一日当たりの平均用量は約0.05ないし10mg/kg、好ましくは0.1ないし4mg/kg体重である。静脈内、筋肉内、皮下および非経口注射を含む注射による投与、および注入技法の使用による一日の平均用量は、好ましくは、0.01ないし200mg/kg全体重であろう。経直腸投与による一日の平均量は、好ましくは、0.01ないし200mg/kg全体重であろう。経膣投与による一日の平均量は、好ましくは、0.01ないし200mg/kg全体重であろう。局所投与による一日の平均量は0.1ないし1000mg、好ましくは0.1ないし200mgの範囲にあり、一日に1ないし4回投与されるであろう。経皮濃度は、一日の用量を0.01ないし200mg/kgに維持するのに必要である濃度であるのが好ましい。吸入投与による一日の平均量は、好ましくは、0.01ないし100mg/kg全体重であろう。
【0149】
それでも、必要ならば、体重、投与経路、活性成分に対する個々の応答、調製モード、投与する期間または間隔に応じて、上記した量を逸脱する必要があるかもしれない。かくして、ある場合には、用量を上記した最小量よりも少なくしても十分であり、他の場合には、上記した上限を越えなければならない。より多量で投与する場合には、その用量を一日で複数の個々の用量に分割することが望ましい。
【0150】
もちろん、各患者の初期の投与計画とそれに続く投与計画は、顧問診断医により決定される症状の特性および重篤度、使用される個々の化合物の活性、患者の年齢および一般的症状、投与期間、投与経路、薬物の排泄速度、薬物の組み合わせ等に従って変化するであろう。本願発明の化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはエステルまたは組成物による望ましい治療法および投与回数は、通常の治療試験を用いて当業者により確認され得る。
【0151】
本願発明の化合物は、腫瘍増殖および転移、特に腫瘍増殖の予治療を行った、または行っていない、すべての適応および段階の充実性腫瘍の、治療および予防、すなわち防止にて用いることができる。
【0152】
本願発明はまた、有効量の少なくとも1の本願発明の化合物または本願発明の医薬を投与することで、ヒトおよび動物の、例えば前立腺癌などの高増殖性障害を調節する方法に関する。
【0153】
本願発明はまた、哺乳動物の高増殖性障害を治療する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に有効量の本願発明の化合物または本願発明の医薬または本願発明の組成物を投与することを含む、方法に関する。
【0154】
以下の試験および実施例におけるデータ%は、特記しない限り、重量%であり;部は重量部である。液体/液体の溶液の溶媒比、希釈比および濃度データは、各ケースにて、容量をベースとする。
【0155】
アッセイ:
化合物のインビトロ薬理特性は以下のアッセイに従って決定され得る:
【0156】
野生型ヒトアンドロゲン受容体に対する細胞をベースとするトランス活性化アッセイ
ヒトアンドロゲン受容体(Swiss−Prot Acc. No. P10275、Entry Version 159、Sequence Version 2)およびMMTVプロモータ(Catoら、EMBO J. 6:363-8、1987)を含有するpGL4.14(#E6691、Promega Corporation、Madison、WI、USA)をベースとする受容体プラスミドで安定的にトランスフェクトしたPC−3細胞(Kaighnら、Invest. Urol. 17:16-23、1979)を用いた。該細胞を5%チャコールストリップの培地で成長させ、384ウェルプレートにて一ウェル当たりに1000個の濃度で細胞を播種した。アンタゴニスト活性を測定するのに、該プレートは5.12x10−12から1x10−5Mの範囲で変化する濃度で試験されるべき化合物を含有した。該アッセイを1x10−10 R1881(メチルトリエノロンとしても公知)の存在下で行った。37℃、5%CO雰囲気中で一夜インキュベートした後、15μlのSteady Glo Lysis and Detection試薬(Promega Corporation. Madison、WI、USAからのSteady Glo Luciferase assay system E2550)を添加した。抗アンドロゲン活性についてのIC50を計算し、ならびに2μMの化合物の存在下での阻害%を非刺激性ルシフェラーゼシグナルと比較した。上記のように、R1881の不在下で、ルシフェラーゼ活性を測定することで、同じ濃度範囲の化合物を用いてアゴニスト活性を測定した。EC50をアンドロゲン活性について計算した。アッセイ/リードプレート(ポリスチロール;384、NV−ホワイトセル培養プレート;Perkin Elmer)を用いた。
【0157】
ヒトアンドロゲン受容体変異体W741LまたはW741Cに対する細胞をベースとするトランス活性化アッセイ
PC−3細胞(Kaighnら、Invest. Urol. 17:16-23、1979)を5%チャコールストリップの培地で成長させ、96ウェルプレートにて一ウェル当たりに10000個の濃度で細胞を播種した。該細胞を、ヒトアンドロゲン受容体W741LまたはW741C変異体(Haraら、Cancer Research、63:149-153、2003)をコードするpSG5誘導のプラスミド(Stratagene、La Jolla、CA、USAからの#216201)、およびpGL4.14 14(#E6691、Promega Corporation、Madison、WI、USA)をベースとするMMTV−ルシフェラーゼ受容体プラスミドで一時的にトランスフェクトした。試験されるべき化合物を1x10−9ないし1x10−6Mで変化する濃度範囲で、1x10−10 R1881と一緒に添加した。37℃、5%CO雰囲気で24時間インキュベートした後、100μlのSteady Glo Lysis and Detection試薬(Promega Corporation. Madison、WI、USAからのSteady Glo Luciferase assay system E2550)を添加した。Steady Glo Luciferase Assay(E2550、Promega)を用い、Victor 3 Luminometer(PerkinElmer、Waltham、MA、USA)にてルシフェラーゼ活性を測定することで、アンタゴニスト活性を測定した。IC50値を抗アンドロゲン活性について計算した。
【0158】
ヒトアンドロゲン受容体変異体E709Yに対する細胞をベースとするトランス活性化アッセイ
PC−3細胞(Kaighnら、Invest. Urol. 17:16-23、1979)を5%チャコールストリップの培地で成長させ、96ウェルプレートにて一ウェル当たりに10000個の濃度で細胞を播種した。該細胞を、ヒトアンドロゲン受容体E709Y変異体(Georgetら、Molecular Endocrinology、20(4):724-734、2006)をコードするpSG5誘導のプラスミド(Stratagene、La Jolla、CA、USAからの#216201)、およびpGL4.14 14(#E6691、Promega Corporation、Madison、WI、USA)をベースとするMMTV−ルシフェラーゼ受容体プラスミドで一時的にトランスフェクトした。試験されるべき化合物を1x10−9ないし1x10−6Mで変化する濃度範囲で、1x10−10 R1881と一緒に添加した。37℃、5%CO雰囲気で24時間インキュベートした後、100μlのSteady Glo Lysis and Detection試薬(Promega Corporation. Madison、WI、USAからのSteady Glo Luciferase assay system E2550)を添加した。Steady Glo Luciferase Assay(E2550、Promega)を用い、Victor 3 Luminometer(PerkinElmer、Waltham、MA、USA)にてルシフェラーゼ活性を測定することで、アンタゴニスト活性を測定した。IC50値を抗アンドロゲン活性について計算した。
【0159】
LNCaP細胞を用いる増殖アッセイ
LNCaP細胞(Horoszewiczら、「Models for Prostate Cancer」(G.P. Murphy編)、Alan R. Liss、New York 1981、115-132頁;Horoszewiczら、Cancer Res. 43:1809-1818、1983)を、フェノールレッドを含まず、5%チャコールストリップの血清を捕捉したRPMI(F1235、Biochrom AG、Berlin、Germany)中、96ウェルプレートにて2000個細胞/ウェルで播種した。3日後に、細胞をR1881(1x10−10)および化合物で処理した(0日目)。0日目および7日目にAlamar Blue(DAL1100、Invitrogen、Life Technologies、Lohne、Germany)染色操作(2.5時間)により細胞数を決定した。蛍光をVictor 3 (励起530nm;発光590nm)にて測定した。刺激誘導成長はR1881だけで処理した細胞について7日目に測定されたシグナルとして定義された。基底レベルはR1881なしで成長させた細胞について7日目に測定されたシグナルとして定義された。
【0160】
VCaP細胞を用いる増殖アッセイ
VCaP細胞(Korenchukら、In Vivo 15:163-168、2001)を、フェノールレッドを含み、10%チャコールストリップの血清を捕捉したDMEM(F0445、Biochrom AG、Berlin、Germany)中、96ウェルプレートにて16000個細胞/ウェルで播種した。1日後に、細胞をR1881(1x10−10)および化合物で処理した(0日目)。0日目および7日目にAlamar Blue(DAL1100、Invitrogen、Life Technologies、Lohne、Germany)染色操作(2.5時間)により細胞数を決定した。蛍光をVictor 3 (励起530nm;発光590nm)にて測定した。刺激誘導成長はR1881だけで処理した細胞について7日目に測定されたシグナルとして定義された。基底レベルはR1881なしで成長させた細胞について7日目に測定されたシグナルとして定義された。
【0161】
化合物のインビトロでの薬物動態特性は以下のアッセイに示されうる:
インビトロでの代謝安定性の測定(肝臓のインビボ血中クリアランス(CL)および最大経口生物学的利用能(Fmax)の計算を含む))
【0162】
試験化合物のインビトロでの代謝安定性を、該化合物を1μMで、ヒト肝臓ミクロソームの100mMリン酸緩衝液(pH7.4、NaHPOxHO+NaHPOx2HO)中懸濁液と一緒に、0.5mg/mlの蛋白濃度で、37℃でインキュベートすることで測定した。1.2mgのNADP、3IUのグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、14.6mgのグルコース−6−ホスフェートおよび4.9mgのMgClをリン酸緩衝液(pH7.4)中に含有する共同因子の混合物を添加することで、反応を活性化させた。インキュベーションにおける有機溶媒を<0.2%のジメチルスルホキシド(DMSO)および<1%のメタノールに限定した。インキュベーションの間に、ミクロソーム懸濁液を連続して振盪し、アリコートを2、8、16、30、45および60分で採取し、それに等容量の冷メタノールを直ちに添加した。サンプルを−20℃で一夜にわたって凍結させ、その後で3000rpmで15分間遠心分離に付し、LCMS/MS検出と共に、Agilent 1200 HPLCシステムで上澄を解析した。
【0163】
試験化合物の半減期を濃度−時間でプロットして測定した。半減期より、内因性クリアランスを計算した。付加的なパラメータである、肝血流量、肝比重およびミクロソーム蛋白含量と一緒に、肝臓のインビボ血中クリアランス(CL)および最大経口生物学的利用能(Fmax)を異なる種類で計算した。以下のパラメータ値を用いた:肝血流量−ヒト1kgに付き1.3リットル/時間;肝比重−ヒト1kgに付き21g;ミクロソーム蛋白含量−40mg/g。
【0164】
該記載のアッセイで、ミクロソームのI期の代謝作用だけが、例えば、典型的には、チトクロムP450およびフラビンモノオキシゲナーゼ(FMO)による酸化還元反応、およびエステラーゼ(エステルおよぼアミド)による加水分解反応で反映される。
【0165】
本願明細書に記載の実施例は本願発明を説明するものであり、該発明はその所定の実施例に限定されるものではない。
【0166】
実施例1
4−(3−{[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化14】

【0167】
1a)中間体の生成
中間体1.1:
4−イソチオシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化15】

【0168】
チオホスゲン(6.3ml;82.7ミリモル)を水浴中で室温に冷却しながら4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(14.0g;75.2ミリモル)のテトラヒドロフラン(140.0ml)中溶液にゆっくりと添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、最後に蒸発させて濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄した。有機相をホワットマンフィルター(Whatman filter)を用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。粗生成物を最後にクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル 2:1)に付して精製し、所望の生成物(16.6g;72.7ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):7.84(m,1H)、7.59(m,1H)、7.48(m,1H)
【0169】
4−イソチオシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルも市販されている(例、Fluorochem、Oakwood、UK)。
【0170】
中間体1.2:
6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化16】

【0171】
炭酸カリウム(4.99g;36.1ミリモル)を撹拌しながら6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(5.00g;36.1ミリモル)および1H−イミダゾール(2.46g;36.1ミリモル)のジメチルスルホキシド(35.0ml)中溶液に室温で添加した。反応混合物を100℃で4.5時間撹拌し、1H−イミダゾール(0.49g;7.2ミリモル)を再び添加した。混合物をさらに1時間100℃で撹拌した。冷却した後、反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、減圧下50℃で乾燥させ、所望の生成物(4.45g;26.2ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.76(m,1H)、8.42(m,1H)、8.09(m,1H)、7.66(m,1H)、7.47(m,1H)、7.24(m,1H)
【0172】
中間体1.3:
1−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メタナミン
【化17】

【0173】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル(4.45g;26.2ミリモル)のアンモニアのメタノール中7N溶液(100ml)中溶液をオートクレーブ中20バールの水素雰囲気下でラネーニッケル(4.5g;50%)を用いて25℃で4時間水素添加した。バッチを濾過し、蒸発させて濃縮し、粗生成物(4.60g)を得、それをさらに精製することなく使用した。
【0174】
1b)最終生成物の生成
6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−メタナミン(4.55g;26.1ミリモル)をテトラヒドロフラン(80.0ml)に懸濁させた。アセトンシアノヒドリン(8.0ml;87.2ミリモル、Fluka)、N,N−ジメチルホルムアミド(6.0ml)およびモレキュラーシーブ(4Å)を添加した後、反応物を室温で一夜撹拌した。反応物を濾過し、蒸発させて濃縮した。
【0175】
残渣をテトラヒドロフラン(100.0ml)に溶かした。4−イソチオシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(5.41g;23.7ミリモル)およびトリエチルアミン(6.6ml;47.5ミリモル)を加え、反応物を1時間還流し、該反応物を蒸発させて濃縮した。
【0176】
残渣をメタノール(68.0ml)に溶かした。塩化水素のメタノール中4N溶液(23.7ml)を加え、該反応物を室温で一夜撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 95:5)に付して精製し、所望の生成物(3.03g;6.4ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.54(m,1H)、8.36(m,1H)、8.04(m,1H)、7.98(m,1H)、7.92(m,1H)、7.80(m,1H)、7.64(m,1H)、7.38(m,1H)、7.21(m,1H)、5.13(s,2H)、1.55(s,6H)
【0177】
実施例2
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化18】

【0178】
実施例2は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−メタナミンはApollo Scientific Limited、UKより購入された。
H−NMR(CDCl):8.79(m,1H)、8.04(m,2H)、7.91(m,1H)、7.80(m,1H)、7.71(m,1H)、5.16(s,2H)、1.54(s,6H)
【0179】
実施例3
4−[4,4−ジメチル−3−({6−[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}メチル)−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化19】

【0180】
3a)中間体の生成
中間体3.1:
6−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]−3−ピリジンカルボニトリル
【化20】

【0181】
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(60%;0.65g;16.2ミリモル)を室温で4−モルホリンエタノール(1.42g;11.0ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(90ml)中溶液に添加した。バッチを室温で10分間撹拌し、ついで60℃で1時間撹拌した。室温に冷却した後、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1.50g;11.0ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中溶液を加え、該バッチを一夜撹拌した。炭酸水素ナトリウム飽和溶液を加え、該バッチをクロロホルムで抽出した。有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 2:3)に付して精製、所望の生成物(1.48g;6.4ミリモル)を得た。
【0182】
3b)最終生成物の生成
実施例3は、6−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]−3−ピリジンカルボニトリルより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(DMSO−d):8.34(m,1H)、8.27(m,2H)、8.04(m,1H)、7.79(m,1H)、6.77(m,1H)、5.01(s,2H)、4.32(tr,2H)、3.52(br,4H)、2.63(br,2H)、2.40(br,4H)、1.43(s,6H)
【0183】
実施例4
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化21】

【0184】
4a)中間体の生成
中間体4.1:
6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化22】

【0185】
ジイソプロピルエチルアミン(12.4ml;72.5ミリモル)およびモルホリン(7.2ml;82.9ミリモル)を、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(10.1g;73.0ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(78.0ml)および水(26.0ml)中溶液に室温で滴下した。バッチを90℃で一夜撹拌した。室温に冷却した後、塩化ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムの希釈溶液を添加し、該バッチを酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮し、粗生成物(13.6g)を得、それをさらに精製することなく使用した。
H−NMR(CDCl):8.41(m,1H)、7.62(m,1H)、6.58(m,1H)、3.80(m,4H)、3.65(m,4H)
【0186】
4b)最終生成物の生成
実施例4は、6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.24(m,1H)、7.96(m,1H)、7.90(m,1H)、7.78(m,1H)、7.72(m,1H)、6.63(m,1H)、5.01(s,2H)、3.82(tr,4H)、3.51(tr,4H)、1.50(s,6H)
【0187】
実施例5
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化23】

【0188】
実施例5は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−カルボニトリルはABCR GmbH & Co. KG、Germanyより購入された。
H−NMR(DMSO−d):8.34(m,1H)、8.28(m,1H)、8.24(m,1H)、8.04(m,1H)、7.79(m,1H)、6.75(m,1H)、5.11(m,1H)、5.00(s,2H)、3.81(m,2H)、3.43(m,2H)、1.94(m,2H)、1.57(m,2H)、1.43(s,6H)
【0189】
実施例6
4−(3−{[4−アミノ−2−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化24】

【0190】
6a)中間体の生成
中間体6.1:
4−アミノ−2−(4−モルホリニル)−5−ピリミジンカルボニトリル
【化25】

【0191】
4−アミノ−2−クロロ−5−ピリミジンカルボニトリル(3.0g;19.0ミリモル)およびモルホリン(2.0ml、23.3ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(30.0ml)中溶液を60℃で撹拌した。20 時間後に、さらにモルホリン(1.0ml;11.6ミリモル)を添加し、該バッチをさらに5時間撹拌した。バッチを蒸発させて濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、10%クエン酸溶液、炭酸水素ナトリウム飽和溶液、最後に塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて濃縮し、所望の生成物(3.5g)を得、それをさらに精製することなく使用した。
H−NMR(DMSO−d):8.24(s,1H)、7.27(br,2H)、3.67(m,4H)、3.56(m,4H)
【0192】
6b)最終生成物の生成
実施例6は、4−アミノ−2−(4−モルホリニル)−5−ピリミジンカルボニトリルより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):7.97(m,1H)、7.90(m,1H)、7.86(m,1H)、7.75(m,1H)、5.55(br,2H)、5.05(s,2H)、3.74(m,8H)、1.53(s,6H)
【0193】
実施例7
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(2−メチルモルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化26】

【0194】
実施例7は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料6−(2−メチルモルホリン−4−イル)ピリジン−3−メタナミンはUkrorgsyn-BB、Chinaより購入された。
H−NMR(CDCl):8.22(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.79(m,1H)、7.71(m,1H)、6.62(m,1H)、5.01(s,2H)、4.02(m,3H)、3.70(m,2H)、2.96(m,1H)、2.62(m,1H)、1.50(s,6H)、1.26(d,3H)
【0195】
実施例8
4−{3−[(6−メトキシピリジン−3−イル)メチル]−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化27】

【0196】
実施例8は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料6−メトキシピリジン−3−メタナミンはEnamine Ltd.、Ukraineより調製された。
H−NMR(CDCl):8.21(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.80(m,1H)、7.77(m,1H)、6.76(m,1H)、5.05(s,2H)、3.94(s,3H)、1.49(s,6H)
【0197】
実施例9
4−(3−{[6−(1−イミノ−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化28】

【0198】
9a)中間体の生成
中間体9.1:
6−(チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化29】

【0199】
チオモルホリン(1.34g;13.0ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.0ml)中溶液を6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1.00g;7.2ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(8.0ml)中溶液に室温で滴下した。該バッチを室温で一夜撹拌した。冷水(50.0ml)を加え、該バッチを濾過した。沈殿物を水/エタノール(4:1)で洗浄し、最後に真空下で乾燥させ、所望の生成物(1.08g;5.3ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):8.45(m,1H)、7.81(m,1H)、6.91(m,1H)、3.97(m,4H)、2.58(m,4H)
【0200】
中間体9.2:
6−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化30】

【0201】
塩化鉄(III)(12mg;0.07ミリモル)を6−(チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル(500mg;2.4ミリモル)のアセトニトリル(1.8ml)中溶液に添加し、該バッチを室温で10分間撹拌した。過塩素酸(500mg;2.6ミリモル)を加え、該バッチを室温で2.5時間撹拌した。該バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、 真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 9:1)に付して精製し、所望の生成物(248mg;1.0ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):8.50(m,1H)、7.87(m,1H)、7.06(m,1H)、4.27(m,2H)、3.89(m,2H)、2.84(m,2H)、2.68(m,2H)
【0202】
中間体9.3:
N−[4−(5−シアノピリジン−2−イル)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−1−イリデン]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化31】

【0203】
6−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル(187mg;0.85ミリモル)、トリフルオロアセトアミド(191mg;1.69ミリモル)、酸化マンガン(136mg;3.38ミリモル)および酢酸ロジウム(II)二量体(17mg;0.09ミリモル)のジクロロメタン(20ml)中懸濁液に、ヨードベンゼンジアセテート(408mg;1.27ミリモル)を40℃で添加した。得られた混合物を40℃で6時間撹拌し、最後にシリカ上で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 97:3)に付して精製し、所望の生成物(266mg、0.80ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):8.56(m,1H)、7.97(m,1H)、7.13(m,1H)、4.46(m,2H)、3.89(m,4H)、3.81(m,2H)
【0204】
中間体9.4:
6−(1−イミノ−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化32】

【0205】
N−[4−(5−シアノピリジン−2−イル)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−1−イリデン]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(248mg;0.75ミリモル)のメタノール(16.0ml)中溶液に、室温で、炭酸カリウム(516mg;3.71ミリモル)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。該バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 95:5)に付して精製し、所望の生成物(104mg;0.44ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.48(m,1H)、7.72(m,1H)、6.74(m,1H)、4.29(m,2H)、4.17(m,2H)、3.11(m,4H)、2.66(br,1H)
【0206】
中間体9.5:
[4−(5−シアノピリジン−2−イル)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−1−イリデン]カルバミン酸エチル
【化33】

【0207】
6−(1−イミノ−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル(100mg;0.42ミリモル)のピリジン(4.0ml)中溶液に、0℃でクロロギ酸エチル(60mg;0.55ミリモル)を添加した。混合物を室温にゆっくりと加温し、一夜撹拌した。該バッチを真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶かした。有機相を塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、ホワットマンフィルターを用いて濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 95:5)に付して精製し、所望の生成物(91mg;0.29ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.49(m,1H)、7.76(m,1H)、6.78(m,1H)、4.43(m,2H)、4.16(q,2H)、4.08(m,2H)、3.69(m,2H)、3.30(m,2H)、1.31(tr,3H)
【0208】
中間体9.6:
{4−[5−({3−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}メチル)ピリジン−2−イル]−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−1−イリデン}カルバミン酸エチル
【化34】

【0209】
中間体9.6は、[4−(5−シアノピリジン−2−イル)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−1−イリデン]カルバミン酸エチルから出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.28(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.80(m,2H)、6.76(m,1H)、5.01(s,2H)、4.36(m,2H)、4.16(q,2H)、4.00(m,2H)、3.67(m,2H)、3.29(m,2H)、1.53(s,6H)、1.30(tr,3H)
【0210】
9b)最終生成物の生成
{4−[5−({3−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}メチル)ピリジン−2−イル]−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−1−イリデン}カルバミン酸エチル(29mg;0.048ミリモル)を撹拌しながら濃硫酸(0.54ml)に室温で溶かした。25時間後、該バッチを注意して氷水に添加し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液で塩基性にした。該バッチを酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、最後に真空下で濃縮した。残渣をHPLCクロマトグラフィーに付して精製し、所望の生成物(12mg;0.02ミリモル)を得た。
【0211】
システム:Waters Autopurificationsystem:Pump 254、Sample Manager 2767、CFO、DAD 2996、ELSD 2424、SQD 3001
カラム:Kromasil C18 5μm 150x21.2mm
溶媒:A=HO+0.1% HCOOH
B=アセトニトリル
勾配:0−1分10%B、1−7.5分10−100%B、7.5−10分100%B
流速:25mL/分
温度:室温
検出:DADスキャン範囲 210−400nm
MS ESI+、ESI−、スキャン範囲 160−1000m/z
ELSD
保持時間:6.4−6.8分
H−NMR(CDCl):8.26(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.78(m,2H)、6.73(m,1H)、5.01(s,2H)、4.21(m,2H)、4.09(m,2H)、3.10(tr,4H)、2.60(br,1H)、1.52(s,6H)
【0212】
実施例10
4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化35】

【0213】
10a)中間体の生成
中間体10.1:
6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリル
【化36】

【0214】
水素化ナトリウム(60%;346mg)を2−メチルプロパン−1,2−ジオール(650mg;7.2ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(66.7ml)中溶液に加え、該バッチを室温で1時間攪拌した。6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1000mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.7ml)中溶液を加え、該バッチを室温で一夜攪拌した。混合物を氷および塩化ナトリウム希釈溶液で希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム希釈溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル 1:1)に付して精製し、所望の生成物(508mg;2.6ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.46(m,1H)、7.81(m,1H)、6.88(m,1H)、4.26(s,2H)、2.35(br,1H)、1.33(s,6H)
【0215】
10b)最終生成物の生成
実施例10は、6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.17(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.81(m,2H)、6.82(m,1H)、5.05(s,2H)、4.21(s,2H)、3.08(br,1H)、1.50(s,6H)、1.33(s,6H)
【0216】
実施例11
4−(3−{[6−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化37】

【0217】
11a)中間体の生成
中間体11.1:
4−{3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化38】

【0218】
中間体11.1は、6−クロロピリジン−3−メタナミン(Aldrich)から出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.45(m,1H)、7.98(m,1H)、7.91(m,1H)、7.87(m,1H)、7.79(m,1H)、7.35(m,1H)、5.08(s,2H)、1.51(s,6H)
【0219】
11b)最終生成物の生成
カリウムtert-ブチレートのテトラヒドロフラン中1N溶液(0.18ml;0.18ミリモル)をアルゴン下で2−メトキシ−エタノール(11mg;0.15ミリモル)のテトラヒドロフラン(0.6ml)中溶液に室温で添加した。該バッチを50℃で30分間攪拌し、4−{3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(80mg;0.18ミリモル)のテトラヒドロフラン(0.2ml)中溶液を添加した。19時間還流させた後、さらに2−メトキシ−エタノール(11mg;0.15ミリモル)およびカリウムtert-ブチレートのテトラヒドロフラン中1N溶液(0.18ml;0.18ミリモル)を加え、該バッチをさらに28時間還流させた。さらに、2−メトキシ−エタノール(55mg;0.75ミリモル)を加え、該バッチを2日間還流させた。最後に、さらなるカリウムtert-ブチレートのテトラヒドロフラン中1N溶液(0.44ml;0.44ミリモル)を加え、該バッチを2日間還流させた。冷却した後、該バッチを水で希釈し、ジクロロメタン(2x)で抽出した。合わせた有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をHPLCに付して精製し、所望の生成物(5mg;0.01ミリモル)を得た。
【0220】
システム:Waters Autopurification
カラム:XBridge C18 5μm 100x30mm
溶媒:A=HO+0.1% HCOOH
B=アセトニトリル
勾配::0分 99%A 1%B
1.00分 99%A 1%B
7.50分 1%A 99%B
10.00分 1%A 99%B
流速: 50.0mL/分
検出装置:DADスキャン範囲 210−400nm
MS ESI+、ESI−、スキャン範囲 160−1000m/z
H−NMR(CDCl):8.18(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.77(m,2H)、6.82(m,1H)、5.05(s,2H)、4.47(m,2H)、3.75(m,2H)、3.44(s,3H)、1.48(s,6H)
【0221】
実施例12
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化39】

【0222】
最終生成物の生成
実施例12は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−メタナミンはUkrorgsyn(詳細については、上記を参照のこと)より購入された。
H−NMR(CDCl):8.17(m,1H)、7.95(m,2H)、7.78(m,1H)、7.64(m,1H)、6.46(m,1H)、4.98(s,2H)、3.61(m,2H)、3.81(tr,2H)、2.69(m,2H)、2.57(m,2H)、2.38(s,3H)、2.01(m,2H)、1.50(s,6H)
【0223】
実施例13
4−(4,4−ジメチル−3−{[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化40】

【0224】
実施例13は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボニトリルはFluorochem、Oakwood、UKより購入された。
H−NMR(CDCl):7.99(m,1H)、7.95(m,1H)、7.84(m,1H)、7.70(m,1H)、7.54(m,1H)、5.08(s,2H)、2.72(s,3H)、1.53(s,6H)
【0225】
実施例14
4−[3−({6−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化41】

【0226】
実施例14は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料1−[5−(アミノメチル)ピリジン−2−イル]ピペリジン−4−メタノールはUkrorgsyn(詳細については、上記を参照のこと)より購入された。.
H−NMR(CDCl):8.20(m,1H)、7.93(m,2H)、7.78(m,1H)、7.65(m,1H)、6.65(m,1H)、4.98(s,2H)、4.30(m,2H)、3.53(m,2H)、2.87(m,2H)、2.70(br,1H)、1.78(m,3H)、1.49(s,6H)、1.28(m,2H)
【0227】
実施例15
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化42】

【0228】
実施例15は実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。必要な出発材料6−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−メタナミンはUkrorgsyn(詳細については、上記を参照のこと)より購入された。
H−NMR(CDCl):8.60(m,1H)、8.04(m,1H)、7.99(m,1H)、7.93(m,1H)、7.81(m,1H)、7.35(m,1H)、7.30(m,1H)、7.05(m,1H)、5.15(s,2H)、2.63(s,3H)、1.56(s,6H)
【0229】
実施例16
4−(3−{[6−(4,4−ジメチル−2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化43】

【0230】
16a)中間体の生成
中間体16.1:
6−(4,4−ジメチル−2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化44】

【0231】
4,4−ジメチルピロリジン−2−オン(Key Organics Limited、UKより購入;991mg、8.76ミリモル)のトルエン(2ml)中溶液を、水素化ナトリウム(60%、192mg)のトルエン(1ml)中懸濁液に0℃で添加した。バッチを室温に加温し、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(606mg;4.4ミリモル)のトルエン(2ml)中懸濁液を添加した。該バッチを95℃で5時間攪拌した。冷却した後、該バッチを氷水に添加し、酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 1:1)に付して精製し、所望の生成物(383mg、1.78ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.59(m,2H)、7.90(m,1H)、3.83(s,2H)、2.52(s,2H)、1.24(s,6H)
【0232】
b)最終生成物の生成
実施例16は、6−(4,4−ジメチル−2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.43(m,1H)、8.41(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.82(m,2H)、5.08(s,2H)、3.82(s,2H)、2.49(s,2H)、1.50(s,6H)、1.24(s,6H)
【0233】
実施例17
4−(3−{[2−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化45】

【0234】
実施例17は、Anichem Inc、North Brunswick、USAより購入した、2−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリミジン−5−メタナミン塩酸塩から出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.85(m,2H)、8.61(m,1H)、7.99(m,1H)、7.90(m,1H)、7.87(m,1H)、7.78(m,1H)、7.18(m,1H). 5.06(s,2H)、1.61(s,6H)
【0235】
実施例18
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化46】

【0236】
18a)中間体の生成
中間体18.1:
6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化47】

【0237】
アルゴン下、炭酸ナトリウム(348mg、3.28ミリモル)の水(1.5ml)中溶液を、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(200mg、1.44ミリモル)および1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(274mg、1.32ミリモル)の1,2−ジメトキシエタン(2.9ml)中溶液に添加した。最後に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(166mg、0.14ミリモル)を加え、該バッチを、密封管中、マイクロ波にて135℃で30分間攪拌した。冷却した後、該バッチを酢酸エチルで希釈し、0.5Nの水酸化ナトリウムおよび塩化ナトリウムの希釈溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→酢酸エチル)に付して精製し、所望の生成物(190mg;1.03ミリモル)を得た。
H−NMR(D6−DMSO):8.87(m,1H)、8.40(m,1H)、8.19(m,1H)、8.08(m,1H)、7.81(m,1H)、3.86(s,3H)
【0238】
b)最終生成物の生成
実施例18は、6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.59(m,1H)、7.97(m,1H)、7.94(m,1H)、7.92(m,2H)、7.82(m,2H)、7.45(m,1H)、5.11(s,2H)、3.96(s,3H)、1.52(s,6H)
【0239】
実施例19
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化48】

【0240】
19a)中間体の生成
中間体19.1:
6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化49】

【0241】
炭酸カリウム(2.00g;14.4ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.00g;14.4ミリモル)および4−メチル−1H−イミダゾール(1.42g;17.3ミリモル)のジメチルスルホキシド(18.0ml)中溶液に室温で添加した。反応混合物を100℃で6時間攪拌し、さらに炭酸カリウム(0.40g;2.9ミリモル)および4−メチル−1H−イミダゾール(0.24g;2.9ミリモル)を添加した。混合物を100℃でさらに3時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、乾燥させ、所望の生成物(1.86g;10.1ミリモル)を得た。
H−NMR(D6−DMSO):8.95(m,1H)、8.54(m,1H)、8.49(m,1H)、7.96(m,1H)、7.74(m,1H)、2.19(s,3H)
【0242】
b)最終生成物の生成
実施例19は、6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.51(m,1H)、8.35(m,1H)、8.00(m,2H)、7.92(m,1H)、7.80(m,1H)、7.34(m,2H)、5.12(s,2H)、2.32(s,3H)、1.54(s,6H)
【0243】
実施例20
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化50】

【0244】
20a)中間体の生成
中間体20.1:
6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化51】

【0245】
アルゴン下、炭酸ナトリウム(870mg、8.21ミリモル)の水(3.6ml)中溶液を、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(500mg、3.61ミリモル)および1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(685mg、3.30ミリモル)の1,2−ジメトキシエタン(7.3ml)中溶液に添加した。最後に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(417mg、0.36ミリモル)を加え、該バッチを密封管中マイクロ波にて135℃で30分間攪拌した。冷却した後、該バッチを酢酸エチルで希釈し、水酸化ナトリウムおよび塩化ナトリウムの0.5N希釈溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→酢酸エチル)に付して精製し、所望の生成物(560mg;3.04ミリモル)を得た。
H−NMR(D6−DMSO):9.07(m,1H)、8.36(m,1H)、8.01(m,1H)、7.51(m,1H)、6.98(m,1H)、4.14(s,3H)
【0246】
b)最終生成物の生成
実施例20は、6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.72(m,1H)、7.99(m,1H)、7.91(m,2H)、7.81(m,1H)、7.61(m,1H)、7.51(m,1H)、6.61(m,1H). 5.15(s,2H)、4.25(s,3H)、1.54(s,6H)
【0247】
実施例21
4−(3−{[6−(4−クロロ−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化52】

【0248】
21a)中間体の生成
中間体21.1:
6−(4−クロロ−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化53】

【0249】
炭酸カリウム(734mg;5.3ミリモル)は、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(735mg;5.3ミリモル)および5−クロロ−2−メチル−1H−イミダゾール(619mg;5.3ミリモル)のジメチルスルホキシド(5.2ml)中溶液に室温で添加された。反応混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、乾燥させ、所望の生成物(935mg;4.3ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):9.03(m,1H)、8.54(m,1H)、7.89(m,1H)、7.84(m,1H)、2.56(s,3H)
【0250】
b)最終生成物の生成
実施例21は、6−(4−クロロ−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.61(m,1H)、8.07(m,1H)、7.99(m,1H)、7.93(m,1H)、7.81(m,1H)、7.33(m,1H)、7.21(m,1H)、5.15(s,2H)、2.60(s,3H)、1.57(s,6H)
【0251】
実施例22
4−[4,4−ジメチル−3−({6−[1−(メチルイミノ)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化54】

【0252】
22a)中間体の生成
中間体22.1:
6−[1−(メチルイミノ)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル]ピリジン−3−カルボニトリル
【化55】

【0253】
ホルムアルデヒド(0.12ml、4.2ミリモル)を、6−(1−イミノ−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−カルボニトリル(中間体12.4)(200mg、0.85ミリモル)のギ酸(4.30ml)中溶液に添加し、該バッチを80℃で24時間攪拌した。冷却した後、該バッチを水に加え、酢酸エチル(1x)およびジクロロメタン(3x)で抽出した。合わせた有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 95:5)に付して精製し、所望の生成物(82mg、0.33ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):8.51(m,1H)、7.92(m,1H)、7.06(m,1H)、4.26(m,2H)、3.76(m,2H)、3.14(m,2H)、3.02(m,2H)、2.63(s,3H)
【0254】
b)最終生成物の生成
実施例22は、6−[1−(メチルイミノ)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル]ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて調製された。
H−NMR(CDCl):8.25(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.77(m,2H)、6.72(m,1H)、5.00(s,2H)、4.21(m,2H). 4.01(s,2H)、3.01(m,4H)、2.85(s,3H)、1.52(s,6H)
【0255】
実施例23
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−({6−[4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)イミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化56】

【0256】
23a)中間体の生成
中間体23.1:
6−[4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル
【化57】

【0257】
炭酸カリウム(1.02g;7.3ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1.02g;7.3ミリモル)および4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(1.00g;7.3ミリモル)のジメチルスルホキシド(7.1ml)中溶液に室温で添加した。該反応混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却した後、反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、乾燥させ、所望の生成物(1.49g;6.3ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):9.02(m,1H)、8.82(m,1H)、8.68(m,1H)、8.61(m,1H)、8.16(m,1H)
【0258】
b)最終生成物の生成
実施例23は、6−[4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.58(m,1H)、8.36(m,1H)、8.09(m,1H)、7.99(m,2H)、7.93(m,1H)、7.81(m,1H)、7.42(m,1H)、5.15(s,2H)、1.56(s,6H)
【0259】
実施例24
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(チエン−2−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化58】

【0260】
24a)中間体の生成
中間体24.1:6−(チエン−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化59】

【0261】
アルゴン下、炭酸ナトリウム(870mg、8.2ミリモル)の水(3.6ml)中溶液を、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(500mg、3.6ミリモル)および4,4,5,5−テトラメチル−2−(チエン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(692mg、3.3ミリモル)の1,2−ジメトキシエタン(7.3ml)中溶液に添加した。最後に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(417mg、0.4ミリモル)を加え、該バッチを密封管中マイクロ波にて135℃で30分間攪拌した。冷却した後、該バッチを酢酸エチルで希釈し、0.5Nの水酸化ナトリウムおよび塩化ナトリウムの希釈溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→酢酸エチル)に付して精製し、所望の生成物(490mg;2.6ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):8.91(m,1H)、8.29(m,1H)、8.09(m,1H)、7.98(m,1H)、7.77(m,1H)、7.21(m,1H)
【0262】
b)最終生成物の生成
実施例24は6−(チエン−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.61(m,1H)、7.99(m,1H)、7.93(m,1H)、7.88(m,1H)、7.80(m,1H)、7.67(m,1H)、7.59(m,1H)、7.42(m,1H)、7.13(m,1H)、5.11(s,2H)、1.52(s,6H)
【0263】
実施例25
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化60】

【0264】
25a)中間体の生成
中間体25.1:
6−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化61】

【0265】
攪拌しながら、イミダゾリジン−2−オン(2.51g、28.0ミリモル)のジメチルスルホキシド(6.0ml)中溶液を、水素化ナトリウム(60%)(0.62g、15.4ミリモル)のトルエン(3ml)中懸濁液に0℃でアルゴン下にて添加した。バッチを室温に加温し、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.00g;14.0ミリモル)のジメチルスルホキシド(6ml)中溶液を添加した。バッチを95℃で5時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加し、酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 9:1)に付して精製し、所望の生成物(89mg、0.5ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.56(m,1H)、8.41(m,1H)、7.81(m,1H)、5.32(br,1H)、4.19(tr,2H)、3.62(tr,2H)
【0266】
b)最終生成物の生成
実施例25は、6−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.37(m,1H)、8.28(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.77(m,2H)、5.06(s,2H)、4.93(br,1H)、4.17(tr,2H)、3.59(tr,2H)、1.49(s,6H)
【0267】
実施例26
(R)−4−{4,4−ジメチル−3−[(6−{[メチル(オキシド)フェニル−λ−スルファニリデン]アミノ}ピリジン−3−イル)メチル]−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化62】

【0268】
26a)中間体の生成
中間体26.1:
(R)−6−{[メチル(オキシド)フェニル−λ−スルファニリデン]アミノ}ピリジン−3−カルボニトリル
【化63】

【0269】
水素化ナトリウム(60%)(79mg、2.0ミリモル)を(R)−(−)−S−メチル−S−フェニルスルホキシミン(560mg、3.6ミリモル)のトルエン(1.0ml)中溶液に0℃でアルゴン下にて添加した。6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(250mg;1.8ミリモル)のトルエン(2ml)およびDMF(2ml)中溶液を加え、バッチを95℃で6時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加し、酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機相をホワットマンフィルターを用いて濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 95:5)に付して精製し、所望の生成物(87mg、0.3ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.31(m,1H)、7.99(m,2H)、7.67(m,2H)、7.57(m,2H)、6.89(m,1H)、3.40(s,3H)
【0270】
b)最終生成物の生成
実施例26は、(R)−6−{[メチル(オキシド)フェニル−λ−スルファニリデン]アミノ}ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.12(m,1H)、8.01(m,2H)、7.96(m,1H)、7.90(m,1H)、7.78(m,1H)、7.67(m,1H)、7.62(m,1H)、7.56(m,2H)、6.87(m,1H)、5.02(d,1H)、4.93(d,1H)、3.37(s,3H)、1.42(s,6H)
【0271】
実施例27
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化64】

【0272】
27a)中間体の生成
中間体27.1:
6−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルおよび6−(5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルの混合物
【化65】

【0273】
炭酸カリウム(2.00g;14.4ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.00g;14.4ミリモル)および3−メチル−1H−ピラゾール(1.00ml;14.4ミリモル)のジメチルスルホキシド(14.0ml)中溶液に室温で添加した。反応混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、減圧下、50℃で乾燥させ、所望の生成物の混合物(1.28g;7.0ミリモル)を得た。
【0274】
b)最終生成物の生成
実施例27は、6−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル および6−(5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルの混合物より出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。生成物は分取性HPLCを用いて単離された。
【0275】
システム:Dionex:Pump P 580、Gilson:Liquid Handler 215、Knauer:UV-Detector K-2501
カラム:Chiralpak IA 5μm 250x30mm
溶媒:エタノール/メタノール 50:50+0.1%ジエチルアミン
流速:25mL/分
温度:室温
検出:UV 254nm
保持時間:11.0−12.1分
H−NMR(CDCl):8.51(m,1H)、7.98(m,1H)、7.92(m,3H)、7.82(m,1H)、7.59(m,1H)、6.20(m,1H)、5.15(s,2H)、2.70(s,3H)、1.52(s,6H)
【0276】
実施例28
4−(3−{[6−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化66】

【0277】
28a)中間体の生成
中間体28.1:
6−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリル
【化67】

【0278】
水素化ナトリウム(60%;428mg)を、2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジオール(1000mg;8.9ミリモル、SALTIGO Fluorine Team、Leverkusen、Germanyより購入)のN,N−ジメチルホルムアミド(20.0ml)中溶液に添加し、該バッチを室温で1時間攪拌した。6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(618mg、4.5ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(5.0ml)中溶液を加え、該バッチを室温で一夜攪拌した。混合物を氷および塩化ナトリウム希釈溶液で希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム希釈溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル 6:4)に付して精製し、所望の生成物(596mg;2.8ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):8.49(m,1H)、7.88(m,1H)、6.95(m,1H)、4.72(tr,2H)、3.88(trd,2H)、2.57(tr,1H)
【0279】
b)最終生成物の生成
実施例28は、6−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.19(m,1H)、7.98(m,1H)、7.92(m,1H)、7.88(m,1H)、7.80(m,1H)、6.89(m,1H)、5.06(s,2H)、4.66(tr,2H)、3.80(m,3H)、1.51(s,6H)
【0280】
実施例29
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化68】

【0281】
29a)中間体の生成
中間体29.1:
6−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルおよび6−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化69】

【0282】
炭酸カリウム(2.00g;14.4ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.00g;14.4ミリモル)および1H−1,2,3−トリアゾール(0.84ml;14.4ミリモル)のジメチルスルホキシド(14.0ml)中溶液に室温で添加した。反応混合物を100℃で4時間攪拌した。冷却した後、反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 1:1)に付して精製し、生成物6−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル(678mg、4.0ミリモル)および6−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリル(360mg、2.1ミリモル)を得た。
【0283】
6−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル:
H−NMR(CDCl):8.81(m,1H)、8.63(m,1H)、8.40(m,1H)、8.21(m,1H)、7.88(m,1H)
6−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリル:
H−NMR(CDCl):8.88(m,1H)、8.24(m,1H)、8.15(m,1H)、7.98(s,2H)
【0284】
b)最終生成物の生成
実施例29は、6−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.59(m,2H)、8.24(m,1H)、8.08(m,1H)、7.99(m,1H)、7.93(m,1H)、7.83(m,2H)、5.17(m,2H)、1.55(s,6H)
【0285】
実施例30
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化70】

【0286】
b)最終生成物の生成
実施例30は、6−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.63(s,1H)、8.12(m,2H)、7.99(m,1H)、7.92(m,3H)、7.81(m,1H)、5.18(s,2H)、1.54(s,6H)
【0287】
実施例31
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化71】

【0288】
31a)中間体の生成
中間体31.1:
6−(1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化72】

【0289】
炭酸カリウム(2.00g;14.4ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.00g;14.4ミリモル)および1H−テトラゾール(1.01g;14.4ミリモル)のジメチルスルホキシド(14.0ml)中溶液に室温にて添加した。反応混合物を100℃で4時間攪拌した。冷却した後、反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をさらに精製することなく用いた。
【0290】
b)最終生成物の生成
実施例31は、6−(1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルから出発して、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):9.53(s,1H)、8.62(m,1H)、8.14(m,2H)、7.99(m,1H)、7.92(m,1H)、7.81(m,1H)、5.18(s,2H)、1.57(s,6H)
【0291】
実施例32
4−(3−{[6−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化73】

【0292】
32a)中間体の生成
中間体32.1:
6−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル
【化74】

【0293】
炭酸カリウム(2.00g;14.4ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.00g;14.4ミリモル)および4,5−ジクロロ1H−イミダゾール(1.98g;14.4ミリモル)のジメチルスルホキシド(14.0ml)中溶液に室温で添加した。反応混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、所望の生成物を得た。
H−NMR(CDCl):8.85(m,1H)、8.20(m,1H)、8.18(s,1H)、7.84(m,1H)
【0294】
b)最終生成物の生成
実施例32は、6−(4,5−ジクロロ1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.62(m,1H)、8.09(m,1H)、8.06(s,1H)、7.99(m,1H)、7.92(m,1H)、7.81(m,1H)、7.63(m,1H)、5.16(s,2H)、1.57(s,6H)
【0295】
実施例33
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−({6−[3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)イミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化75】

【0296】
33a)中間体の生成
中間体33.1:
6−[3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル
【化76】

【0297】
炭酸カリウム(2.01g;14.6ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.02g;14.6ミリモル)および3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(2.00g;14.6ミリモル)のジメチルスルホキシド(14.1ml)中溶液に室温で添加した。反応混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加した。沈殿物を冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、所望の生成物(3.14g、13.1ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):9.75(m,1H)、9.08(m,1H)、8.59(m,1H)、8.07(m,1H)
【0298】
b)最終生成物の生成
実施例33は、6−[3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):9.23(m,1H)、8.57(m,1H)、8.09(m,1H)、7.98(m,2H)、7.92(m,1H)、7.81(m,1H)、5.17(s,2H)、1.55(s,6H)
【0299】
実施例34
4−[3−({6−[4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化77】

【0300】
34a)中間体の生成
中間体34.1:
6−[4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル
【化78】

【0301】
炭酸カリウム(2.00g;14.4ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2.02g;14.6ミリモル)および1H−イミダゾール−4−メタノール(1.42g;14.4ミリモル)のジメチルスルホキシド(14.0ml)中溶液に室温で添加した。反応混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム希釈溶液で希釈し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)に付して精製し、所望の生成物(724mg;3.6ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):8.93(m,1H)、8.55(m,1H)、8.46(m,1H)、8.00(m,1H)、7.82(m,1H)、5.07(tr,1H)、4.38(d,2H)
【0302】
b)最終生成物の生成
実施例34は、6−[4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルから出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(DMSO−d):8.61(m,1H)、8.46(m,1H)、8.38(m,1H)、8.33(m,1H)、8.09(m,2H)、7.77(m,2H)、5.16(s,2H)、5.00(tr,1H)、4.43(d,2H)、1.52(s,6H)
【0303】
実施例35
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−3−({6−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}メチル)−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化79】

【0304】
35a)中間体の生成
中間体35.1:
6−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−3−カルボニトリル
【化80】

【0305】
1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリジン−2−オン(1.08g、8.3ミリモル)を、水素化ナトリウム(60%)(0.37g、9.1ミリモル)のトルエン(3.3ml)中懸濁液にアルゴン下で添加し、室温で10分間撹拌した。6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1.15g;8.3ミリモル)を加え、バッチを95℃で4時間攪拌した。冷却した後、、該反応混合物を氷水に添加し、酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(NaSO)させ、濾過し、蒸発させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール 9:1)に付して精製し、所望の生成物(0.70mg、3.0ミリモル)を得た。
H−NMR(DMSO−d):8.68(m,1H)、8.14(m,1H)、7.00(m,1H)、6.33(br,1H)、4.44(tr,2H)、3.42(m,4H)、3.21(tr,2H)
【0306】
b)最終生成物の生成
実施例35は、6−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):8.19(m,1H)、7.97(m,1H)、7.91(m,1H)、7.79(m,2H)、6.76(m,1H)、5.05(s,2H)、4.45(tr,2H)、3.60(m,4H)、3.41(tr,2H)、1.50(s,6H)
【0307】
実施例36
{4−[5−({3−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}メチル)ピリジン−2−イル]−1−オキシド−1λ,4−チオモルホリン−1−イリデン}シアナミド
【化81】

【0308】
4−ジメチルアミノピリジン(6.0mg、0.049ミリモル)およびブロモシアン(9.4mg、0.089ミリモル)を、4−(3−{[6−(1−イミノ−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(24.0mg、0.045ミリモル)のジクロロメタン(0.22ml)中溶液に添加した。バッチを室温で4時間攪拌し、最後に濃縮した。残渣を分取性HPLCに付して精製し、所望の生成物(12.0mg、0.020ミリモル)を得た。
【0309】
システム:Agilent:Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、ELSD、Prep FC
カラム:XBrigde C18 5μm 150x19mm
溶媒A:HO/0.1% HCOOH
溶媒B:メタノール
勾配:0−12.5分 50−80%B、12.5−15分 80−100%B
流速:21mL/分
温度:室温
検出:MWD 214nm/ELSD
保持時間:7.0−8.5分
H−NMR(CDCl):8.29(m,1H)、7.97(m,1H)、7.90(m,1H)、7.86(m,1H)、7.79(m,1H)、6.80(m,1H)、5.02(s,2H)、4.54(m,2H)、3.89(m,2H)、3.54(m,2H)、3.33(m,2H)、1.52(s,6H)
【0310】
実施例37
4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2−メチルピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化82】

【0311】
37a)中間体の生成
中間体37.1:
6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2−メチルピリジン−3−カルボニトリル
【化83】

【0312】
水素化ナトリウム(60%)(314mg、7.9ミリモル)を、2−メチルプロパン−1,2−ジオール(591mg;6.6ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(60.5ml)中溶液に加え、該バッチを室温で1時間攪拌した。6−クロロ−2−メチルピリジン−3−カルボニトリル(1000mg、6.6ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.0ml)中溶液を添加し、該バッチを室温で一夜攪拌した。混合物を氷および塩化ナトリウム希釈溶液で希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム希釈溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル 1:1)に付して精製し、所望の生成物(489mg;2.4ミリモル)を得た。
H−NMR(CDCl):7.72(m,1H)、6.68(m,1H)、4.24(s,2H)、2.72(s,1H)、2.64(s,3H)、1.31(s,6H)
【0313】
37b)最終生成物の生成
実施例37は、6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2−メチルピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。
H−NMR(CDCl):7.98(m,1H)、7.93(m,1H)、7.82(m,1H)、7.58(m,1H)、6.68(m,1H)、5.06(s,2H)、4.22(s,2H)、2.55(s,3H)、1.47(s,6H)、1.32(s,6H)
【0314】
実施例38
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化84】

【0315】
38a)中間体の生成
中間体38.1:
6−(5−メチル−1H−テトラゾール−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリルおよび6−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルの混合物
【化85】

【0316】
炭酸カリウム(1.70g;12.3ミリモル)を、攪拌しながら、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1.71g;12.3ミリモル)および5−メチル−1H−テトラゾール(0.87ml;12.3ミリモル)のジメチルスルホキシド(11.9ml)中溶液に室温で添加した。該反応混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却した後、該反応混合物を氷水に添加し、酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(NaSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)に付して精製し、所望の生成物の混合物(1.27g;6.8ミリモル)を得、それをさらに精製することなく使用した。
【0317】
b)最終生成物の生成
実施例38は、6−(5−メチル−1H−テトラゾール−2−イル)ピリジン−3−カルボニトリルおよび6−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルより出発し、実施例1の調製と同様にして調製された。生成物を分取性HPLCを用いて単離した。
【0318】
システム:Dionex:Pump P 580、Gilson:Liquid Handler 215、Knauer:UV−Detector K−2501
カラム:Chiralpak IB 5μm 250x30mm
溶媒:ヘキサン/エタノール 50:50+0.1%ジエチルアミン
流速:30mL/分
温度:室温
検出:UV 254nm
保持時間:7.8−10.2分
H−NMR(CDCl):8.65(m,1H)、8.10(m,2H)、7.99(m,1H)、7.93(m,1H)、7.82(m,1H)、5.18(s,2H)、2.96(s,3H)、1.57(s,6H)
【0319】
実施例39
化合物のインビトロでの薬理特性
表1
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【0320】
1、2=上記したアッセイの「野生型ヒトアンドロゲン受容体に対する細胞をベースとするトランス活性化アッセイ」に従って測定
3=上記したアッセイの「ヒトアンドロゲン受容体変異体W741LまたはW741Cに対する細胞をベースとするトランス活性化アッセイ」に従って測定
【0321】
4=米国特許US RE35956の実施例26に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルおよびベンジルアミンより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて、4−(3−ベンジル−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルが調製された。
H−NMR(CDCl):7.98(d,1H)、7.94(d,1H)、7.83(dd,1H)、7.43(dbr,2H)、7.37(m,2H)、7.35(m,1H)、5.14(s,2H)、1.45(s,6H)
【0322】
5=米国特許US RE35956の実施例27に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルおよび4−フルオロベンジルアミンより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて、4−[3−(4−フルオロベンジル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルが調製された。
H−NMR(CDCl):7.98(d,1H)、7.93(d,1H)、7.82(dd,1H)、7.43(dd,2H)、7.06(dd,2H)、5.10(s,2H)、1.46(s,6H)
【0323】
6=米国特許US RE35956の実施例28に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルおよび4−メトキシベンジルアミンより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて、4−[3−(4−メトキシベンジル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルが調製された。
H−NMR(CDCl):7.97(d,1H)、7.93(d,1H)、7.81(dd,1H)、7.37(d,2H)、6.89(d,2H)、5.09(s,2H)、3.81(s,3H)、1.45(s,6H)
【0324】
7=米国特許US RE35956の実施例29に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルおよび4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンより出発し、実施例1の調製に記載の条件と同様の条件を用いて、4−{4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルが調製された。
H−NMR(CDCl):7.99(d,1H)、7.94(d,1H)、7.83(dd,1H)、7.64(d,2H)、7.55(d,2H)、5.17(s,2H)、1.48(s,6H)
【0325】
米国特許US RE35956に開示されるジアリールチオヒダントイン化合物と比べて、本願発明の化合物が有利な特性を有することを示すのは表1より明らかである。特に、該化合物はアンドロゲン受容体(野生型)に対して高い効能を示すと同時に、アンドロゲン受容体(野生型)に対してほとんどアゴニスト効能を示さなかった。さらには、本願発明の化合物は変異アンドロゲン受容体W741Lの阻害に関して高い効能を示す。
【0326】
表2
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【0327】
1=上記したアッセイの「ヒトアンドロゲン受容体変異体E709Yに対する細胞をベースとするトランス活性化アッセイ」に従って測定
4=米国特許US RE35956の実施例26に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
5=米国特許US RE35956の実施例27に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
6=米国特許US RE35956の実施例28に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
7=米国特許US RE35956の実施例29に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
【0328】
表2は、本願発明の化合物が変異アンドロゲン受容体E709Yの阻害に関して高い効能を有することを示す。
【0329】
表3
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【0330】
3=上記したアッセイの「ヒトアンドロゲン受容体変異体W741LまたはW741Cに対する細胞をベースとするトランス活性化アッセイ」に従って測定
4=米国特許US RE35956の実施例26に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
5=米国特許US RE35956の実施例27に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
7=米国特許US RE35956の実施例29に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
【0331】
表3は本願発明の化合物が変異アンドロゲン受容体W741Cの阻害に関して高い効能を有することを示す。
【0332】
表4
【表4−1】

【表4−2】

【表4−3】

【表4−4】

【0333】
4=米国特許US RE35956の実施例26に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
5=米国特許US RE35956の実施例27に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
6=米国特許US RE35956の実施例28に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
7=米国特許US RE35956の実施例29に記載のヒダントインのチオヒダントインアナログ
8=上記したアッセイの「VCaP細胞を用いる増殖アッセイ」に従って測定
【0334】
表4は本願発明の化合物がVCaP細胞にて高い抗増殖活性を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中
Xは窒素またはCH基を意味し、

フッ素化C−C−アルキル−基;
フッ素化されていてもよいC−C−アルコキシ−基;
メチル、フッ素およびトリフルオロメチルからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メチル、フッ素およびトリフルオロメチルからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよいメトキシ−C−C−アルコキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、フラニル、チアゾリルおよびオキサジアゾリルからなる群より選択される置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ−、トリフルオロメトキシ−、塩素、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシメチルおよびシアノからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジアゼパニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、イミダゾリジニルおよびオキサゼパニルから選択される置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、フッ素、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、イミノ、C−C−アルキルイミノ、メチルイミノ、シアノイミノおよびシアノからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基;
残基−O(CH−Yであって、ここでn=2またはn=3であり、Yがピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジアゼパニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、イミダゾリジニルおよびオキサゼパニルから選択される置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基であり、ここで該5、6または7員ヘテロ環基がメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、フッ素、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、イミノ、C−C−アルキルイミノ−およびシアノからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、残基;あるいは
残基−N=S(=O)Rであって、ここでRがアリール基またはフェニル基を示し、RがC−C−アルキルまたはメチル基を示す、残基を意味し;
は水素、メチル、アミノまたはフッ素を意味する]
で示される化合物またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
【請求項2】
Xが窒素またはCH基を意味し、

ペルフッ素化C−C−アルキル−基;
−C−アルコキシ−基;
メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メトキシ−C−C−アルコキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニルおよびイミダゾリルからなる群より選択される置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたは塩素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、イミダゾリジニルおよびジアゼパニルから選択される置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基であって、メチル、ヒドロキシメチル、イミノ、メチルイミノ、シアノイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5、6または7員ヘテロ環基;
残基−O(CH−Yであって、ここでn=2であり、Yがモルホリン−4−イル基または2−オキソイミダゾリジン−1−イル基である残基;または
残基−N=S(=O)Rであって、ここでRがフェニル基を示し、Rがメチル基を示す残基を意味し;
が水素、メチルまたはアミノを意味する、請求項1記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
【請求項3】
Xが窒素またはCH基を意味し、

メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基により置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
メトキシ−C−C−アルコキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルおよび塩素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはイミダゾリジニルから選択される置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基であって、メチル、イミノ、メチルイミノ、シアノイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基;または
残基−O(CH−Yであって、n=2およびYが2−オキソイミダゾリジン−1−イル基である残基を意味し;
が水素またはメチルを意味する、請求項1または2記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩。
【請求項4】
Xが窒素またはCH基を意味し、

メチル基で置換されていてもよいヒドロキシ−C−C−アルコキシ−基;
(テトラヒドロ−2H−ピラニル)オキシ−基;
ピラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルおよび塩素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはイミダゾリジニルより選択される置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基であって、メチル、イミノ、メチルイミノ、オキシドおよびオキソからなる群より選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい5または6員ヘテロ環基;または
残基−O(CH−Yであって、n=2およびYが2−オキソイミダゾリジン−1−イル基である、残基を意味し、
が水素またはメチルを意味する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩。
【請求項5】
XがCH基を意味し、

メチルおよびフッ素からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基;
ピラゾリルおよびイミダゾリルからなる群より選択される置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基であって、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルおよび塩素からなる群より選択される1個の置換基で置換されていてもよい5員ヘテロ芳香族基;
が水素を意味する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩。
【請求項6】
XがCH基を意味し、

メチルで置換されていてもよいヒドロキシプロポキシ−基;
トリフルオロメチル基で置換されていてもよいイミダゾリル基;
が水素を意味する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩。
【請求項7】
4−(3−{[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−3−({6−[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}メチル)−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[4−アミノ−2−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(2−メチルモルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−{3−[(6−メトキシピリジン−3−イル)メチル]−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(1−イミノ−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[3−({6−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(4,4−ジメチル−2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[2−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(4−クロロ−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−3−({6−[1−(メチルイミノ)−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−4−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−({6−[4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)イミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(チエン−2−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−{4,4−ジメチル−3−[(6−{[メチル(オキシド)フェニル−λ−スルファニリデン]アミノ}ピリジン−3−イル)メチル]−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−{[6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル]メチル}イミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−3−{[6−(1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−(3−{[6−(4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−3−({6−[3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)イミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[3−({6−[4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
4−[4,4−ジメチル−5−オキソ−3−({6−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}メチル)−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
{4−[5−({3−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル}メチル)ピリジン−2−イル]−1−オキシド−1λ−チオモルホリン−1−イリデン}シアナミド、
4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2−メチルピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、または
4−(4,4−ジメチル−3−{[6−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、または溶媒和物の塩。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の製造方法であって、一般式(2):
【化2】

の中間体の化合物を、一般式(5)
【化3】

[式中、X、RおよびRは一般式(I)の化合物についての記載と同意義である]
で示される化合物と反応させ、こうして一般式(6):
【化4】

の化合物を得、ついでそれを加水分解して一般式(I)の化合物とし、得られた式(I)の化合物を、必要ならば、その溶媒和物、塩および/またはその塩の溶媒和物に対応する(i)溶媒、および/または(ii)塩基または酸と反応させることを含む、方法。
【請求項9】
障害の治療および/または予防に用いるための請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載の化合物と、少なくとも1または複数のさらに活性な成分とを組み合わせて含む、組成物。
【請求項11】
少なくとも1または複数のさらに活性な成分が、
LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、
LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)アンタゴニスト、
C(17,20)−リアーゼ阻害剤、
5−アルファ−レダクターゼ阻害剤I型、
5−アルファ−レダクターゼ阻害剤II型、
細胞増殖抑制剤、
VEGF(血管内皮成長因子)−キナーゼ阻害剤、
アンチゲスタゲン、
アンチエストロゲン、
EGF抗体、
エストロゲンまたは
他のアンドロゲン受容体アンタゴニスト
より選択される、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれかに記載の化合物と、1または複数の不活性で、非毒性の医薬的に好適なアジュバントとを組み合わせて含む、医薬。
【請求項13】
前立腺癌の治療および/または予防のための請求項12記載の医薬。
【請求項14】
前立腺癌が去勢耐性前立腺癌である、請求項13記載の医薬。
【請求項15】
有効量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、または請求項10または11に記載の組成物、または請求項12〜14のいずれか一項に記載の医薬を過剰増殖障害の治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、該障害の治療法。

【公表番号】特表2013−504523(P2013−504523A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528249(P2012−528249)
【出願日】平成22年8月28日(2010.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005297
【国際公開番号】WO2011/029537
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】