説明

抗糖尿病化合物としてのオキサジアゾール・ベータ・カルボリン誘導体

構造式Iのベータ−カルボリン誘導体は、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)の選択的アンタゴニストであって、2型真性糖尿病の、および、高血糖症、インスリン抵抗性、肥満、脂質障害、および高血圧を含めた、しばしばこの病気に関連する疾患の治療で有用である。該化合物は、鬱病および不安の治療でも有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2型真性糖尿病の、および高血糖症、インスリン抵抗性、肥満、脂質障害、および高血圧を含めた、しばしばこの病気に関連する疾患の治療で有用な、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)の選択的アンタゴニストである、置換されたベータ−カルボリン誘導体に関する。該化合物は鬱病および不安の治療においても有用である。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、多数の原因因子に由来し、絶食状態における、または経口グルコース耐性テストの間におけるグルコースの投与後の、血漿中グルコースの上昇したレベル(高血糖症)によって特徴付けられる病気である。糖尿病には、2つの一般的に認識された形がある。1型糖尿病、またはインスリン−依存性真性糖尿病(IDDM)においては、患者は、グルコース資化を調節するホルモンであるインスリンをほとんどまたは全く生産しない。2型糖尿病またはインスリン−非依存性真性糖尿病(NIDDM)においては、膵臓中の島細胞によってインスリンは生産されている。2型糖尿病を有する患者は、筋肉、肝臓および脂肪組織を含めた、主なインスリン−感受性組織においてグルコースおよび脂質の代謝を刺激するにおいてインスリンの効果に対して抵抗を有する。これらの患者は、しばしば、インスリンの正常なレベルを有しており、高インスリン血症(上昇した血漿中インスリンレベル)を有し得る、というのは、彼らは、増大した量のインスリンを分泌することによって、インスリンの低下した有効性を補っているからである(Polonsky,Int.J.Obes.Relat.Metab.Disord.24 Suppl 2:S29−31,2000)。膵臓島内のベータ細胞は、最初に、インスリン出力を増加させることによってインスリン抵抗性を補う。インスリン抵抗性は、減少した数のインスリン受容体によって主として引き起こされるのではなく、むしろ、未だ完全には理解されていないインスリン受容体結合後欠陥によって引き起こされる。インスリンに対する応答性のこの欠如の結果、筋肉中でのグルコースの摂取、酸化および貯蔵の不十分なインスリン−媒介活性化、および脂肪細胞中の脂肪分解の、および肝臓におけるグルコースの生産および分泌の不適切なインスリン−媒介抑制をもたらす。結局は、インスリン抵抗性を適切に補うことはできないために、患者は糖尿病になり得る。ヒトにおいては、ベータ細胞塊中での不十分な増加(または現実の減少)による2型糖尿病の開始は、見掛け上、非−糖尿病インスリン抵抗性個体に対する増大したベータ細胞アポトーシスによるものである(Butler et al.,Diabetes 52:102−110,2003)。
【0003】
糖尿病に伴って起こる執拗なまたは制御されない高血糖症は、増大したおよび未熟な罹患率および死亡率に関連する。しばしば、異常なグルコースホメオスタシスは、肥満、高血圧、および脂質、リポ蛋白質およびアポリポ蛋白質の代謝の改変、ならびに他の代謝および血流力学病に直接的に、および間接的の双方で関連する。2型真性糖尿病の患者は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心臓病、卒中、末梢血管病、高血圧、腎症、神経障害および網膜障害を含めた、マクロ血管およびミクロ血管合併症の有意に増大した危険性を有する。従って、グルコースホメオスタシス、脂質代謝、肥満、および高血圧の効果的な治療的制御は、真性糖尿病の臨床的な管理および処置において臨界的に重要である。
【0004】
インスリン抵抗性を有する患者は、しばしば、一緒にして症候群Xまたは代謝症候群といういくつかの兆候を呈する。1つの広く用いられる定義によれば、代謝症候群を有する患者は、5つの兆候の以下の群:(1)腹部肥満、(2)高トリグリセリド血症、(3)低レベルの高密度リポ蛋白質コレステロール(HDL)、(4)高い血圧、および(5)もし患者が糖尿病でもあれば、2型糖尿病の特徴的な範囲内にあろう上昇した絶食グルコースから選択される3以上の兆候を有すると特徴付けられる。これらの兆候の各々は、成人における高い血中コレステロールの検出、評価および処置に関する国内コレステロール教育プログラム専門家パネルの第三報告書(成人処置パネルIII、またはATP III)、National Institutes of Health,2001,NIH公表番号01−3670において臨床的に定義されている。代謝症候群の患者は、彼らが明白な真性糖尿病を有するかまたは発症するかに拘わらず、アテローム性動脈硬化症および冠動脈心臓病のような、2型糖尿病に伴って起こるマクロ血管およびミクロ血管合併症を発症する増大した危険を有する。
【0005】
2型糖尿病に対していくつかの利用可能な治療があり、その各々が、それ自体の制限および可能な危険性を有する。身体の運動、およびカロリーのダイエット的摂取の低下は、しばしば、糖尿病の状態を劇的に改善し、2型糖尿病の、およびインスリン抵抗性に関する前糖尿病疾患の通常の推奨される最前線の治療である。この治療に関するコンプライアンスは、一般に、よく確立された二次的なライフスタイルおよび過剰な食物の消費のため、特に、大量の脂肪および炭水化物を含有する食物のため非常に貧弱である。薬理学的治療は、病理生理学の3つの領域:(1)肝臓グルコース生産(ビグアニド)、(2)インスリン抵抗性(PPARアゴニスト)、(3)インスリン分泌(スルホニル尿素);
(4)インクレチン・ホルモン・ミメティックス(エキセナチドおよびルラグリシドのような、GLP−1誘導体およびアナログ);および(5)インクレチンホルモン分解の阻害剤(DPP−4阻害剤)にかなり焦点を当ててきた。
【0006】
ビグアニドは、2型糖尿病を治療するのに広く用いられている薬物のクラスに属する。フェンフォルミンおよびメトフォルミンは2つの最良な公知のビグアニドであり、高血糖症のいくらかの修正を引き起こさない。ビグアニドは、肝臓グルコース生産を阻害することによって主として作用し、およびインスリン感受性を中程度に改善するともされている。ビグアニドは、単療法として用いることができ、または低血糖症の危険性を増大させることなく、インスリンまたはインスリン分泌促進剤のような、他の抗−糖尿病薬物と組み合わせて用いることができる。しかしながら、フェンフォルミンおよびメトフォルミンは乳酸アシドーシス、嘔吐/吐気および下痢を誘導しかねない。メトフォルミンは、フェンフォルミンよりも副作用のより低い危険性を有し、2型糖尿病の治療のために広く処方されている。
【0007】
グルタゾン(例えば、5−ベンジルチアゾリジン−2,4−ジオン)は、高血糖症および2型糖尿病の他の兆候を軽減することができる化合物のクラスである。現在市販されているグリタゾン(ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)は、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)ガンマサブタイプのアゴニストである。PPAR−ガンマアゴニストは、2型糖尿病のいくつかの動物モデルにおいて筋肉、肝臓および脂肪組織でインスリン感受性を実質的に増加させ、その結果、低血糖症の発生なくして、上昇した血漿中グルコースレベルの部分的または完全な修正をもたらす。PPAR−ガンマアゴニズムは、グリタゾンで治療されているヒト患者で観察される改善されたインスリン感性化の原因であるとされている。新しいPPARアゴニストが現在は開発されている。より新しいPPAR化合物の多くは、PPARアルファ、ガンマおよびデルタサブタイプの1つ以上のアゴニストである。現在市販されているPPARガンマアゴニストは、血漿中グルコースおよびヘモグロビンA1Cを低下されるにおいて中程度に有効である。現在市販されている化合物は、脂質代謝をかなり改善するのではなく、現実には、脂質プロフィールに対してネガティブな効果を有し得る。かくして、PPAR化合物は糖尿病療法において重要な前進を表す。
【0008】
もう1つの広く用いられている薬物治療は、スルフォニル尿素のようなインスリン分泌促進剤(例えば、トルブタミド、グリピジド、およびグリメピリド)の投与を含む。これらの薬物は、膵臓β−細胞を刺激して、より多くのインスリンを分泌させることによって、インスリンの血漿中レベルを増加させる。膵臓β−細胞におけるインスリンの分泌はグルコース、および代謝、神経およびホルモンシグナルのアレイによる厳格な調節下にある。グルコースはその代謝を通じてインスリンの生産および分泌を刺激して、ATPおよび他のシグナリング分子を生じさせ、他方、他の細胞該シグナルは、原形質膜上に存在するGPCRを通じてインスリン分泌の増強剤または阻害剤として作用する。スルフォニル尿素および関連インスリン分泌促進剤は、β−細胞中のATP−依存性K+チャネルをブロックすることによって作用し、これは、インスリン放出の刺激に伴って、細胞の脱分極、および電圧−依存性Ca2+チャネルの開口を引き起こす。このメカニズムは非−グルコース依存性であり、よって、インスリンの分泌は周囲のグルコースレベルに拘わらず起こり得る。これは、たとえグルコースレベルが低くてもインスリン分泌を引き起こすことができ、その結果、低血糖症がもたらされ、これは重症な場合には致命的となり得る。インスリン分泌促進剤の投与は、従って、注意深く制御されなければならない。インスリン分泌促進剤は、しばしば、2型糖尿病に対する最前線の薬物治療として用いられる。
【0009】
ジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、およびアログリプチン)は、食物の消費に応答してインスリン分泌を増加させる新しい経路を提供する。グルカゴン−様ペプチド−1(GLP−1)のレベルは、摂食およびグルカゴンがインスリンの生産を刺激した後に、存在するグルコースの増加に応答して増大する。多くの細胞の表面に存在するセリンプロテアーゼ酵素DDP−4はGLP−1を分解する。DDP−4阻害剤はGLP−1の分解を低下させ、かくして、その作用を増強させ、摂食を通じてのグルコースの増大に応答してのより大きなインスリン生産を可能とする。
【0010】
グルコース−依存性インスリン分泌によって制御される膵臓島−ベースのインスリン分泌に対する更新された焦点があった。このアプローチは、β−細胞の機能の安定化および回復に対する潜在能力を有する。この点において、本出願は、食事を食べたことに起因するグルコースの上昇に応答してインスリン分泌を増加させるための手段としての、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)のアンタゴニストである化合物を特許請求する。これらの化合物は、ベータ細胞塊および島機能の評価のために、イメージング用のリガンド(例えば、PET、SPECT)として用いてもよい。β−細胞塊の減少は、特定の患者に関して経時的に決定することができる。
【0011】
米国特許第6,586,445号は、糖尿病を含めた、多数の病気を治療するためのソマトスタチン受容体アンタゴニストおよびナトリウムチャネルブロッカーとしてのβ−カルボリン誘導体を開示する。関連する例は、Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000,2001に提供された化合物に基づくイミダゾリルテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体である。米国特許第6,861,430号は、鬱病、不安、および二極障害の治療のためのSSTR3アンタゴニストとしてのβ−カルボリン誘導体を開始する。PCT出願国際公開第2009/011836号は、糖尿病の治療のためのSSTR3アンタゴニストとしてのβ−カルボリン誘導体を開示する。選択的SSTR3アンタゴニストであるデカヒドロイソキノリン誘導体は、Banziger et al.,Tetrahedron:Assymetry 14:3469−3477,2003に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,586,445号
【特許文献2】米国特許第6,861,430号
【特許文献3】国際公開第2009/011836号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Polonsky,Int.J.Obes.Relat.Metab.Disord.24 Suppl 2:S29−31,2000
【非特許文献2】Butler et al.,Diabetes 52:102−110,2003
【非特許文献3】Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000,2001
【非特許文献4】Banziger et al.,Tetrahedron:Assymetry 14:3469−3477,2003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は構造式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩に向けられる。
【0015】
【化1】

これらの二環β−カルボリン誘導体はSSTR3のアンタゴニストとして効果的である。従って、それらは、2型糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、アテローム性動脈硬化症、代謝症候群、鬱病および不安のような、SSTR3の拮抗作用に対して応答する障害の治療、制御または予防で有用である。
【0016】
本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物にも関する。
【0017】
本発明は、本発明の化合物および医薬組成物を投与することによって、それを必要とする対象において、SSTR3の拮抗作用に応答する障害、病気または疾患を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0018】
本発明は、本発明の化合物および医薬組成物を投与することによって2型糖尿病、高血糖症、インスリン抵抗性、肥満、脂質障害、アテローム性動脈硬化症、および代謝障害を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0019】
本発明は、本発明の化合物および医薬組成物を投与することによって、鬱病および不安を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0020】
本発明は、当該疾患を治療するのに有用なことが知られているもう1つの剤の治療上有効量と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによって、肥満を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0021】
本発明は、当該疾患を治療するのに有用であることが公知であるもう1つの剤の治療上有効量と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによって、2型糖尿病を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0022】
本発明は、当該疾患を治療するのに有用であることが公知であるもう1つの剤の治療上有効量と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによって、アテローム性動脈硬化症を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0023】
本発明は、当該疾患を治療するのに有用であることが公知であるもう1つの剤の治療上有効量と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによって、脂質障害を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0024】
本発明は、当該疾患を治療するのに有用であることが公知であるもう1つの剤の治療上有効量と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによって、代謝症候群を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【0025】
本発明は、当該疾患を治療するのに有用であることが公知であるもう1つの剤の治療上有効量と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによって、鬱病および不安を治療し、制御し、または予防する方法にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、SSTR3のアンタゴニストとして有用なβ−カルボリン誘導体に関する。本発明の化合物は、構造式I:
【0027】
【化2】

[式中、
は:
(1)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(2)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(3)−C3−10シクロアルキル、および
(4)−C3−10シクロヘテロアルキル
からなる群から選択され、
ここに、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
は:
(1)−C1−6アルキル、
(2)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、および
(4)−C3−6シクロヘテロアルキル
からなる群から選択され、
ここに、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換されたC1−10アルキル
からなる群から選択され;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換された−C1−8アルキル
からなる群から選択され;
およびRは、各々、独立して:
(1)水素、および
(2)ピリジン
からなる群から選択され、
ここに、ピリジンは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、ただし、RおよびRの一方はピリジンであって、および他方は水素であり;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換されたC1−10アルキル
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)水素、
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−OCF
(5)−OCHF、および
(6)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換された−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換されたC1−10アルキル
からなる群から選択され;
10およびR11は、各々、独立して:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換された−C1−4アルキル
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)−C1−6アルキル、
(2)−OC1−6アルキル、
(3)−OH、
(4)−NRS(O)
(5)ハロゲン
(6)−S(O)
(7)−S(O)NR
(8)−NR
(9)−C(O)R
(10)−OC(O)R
(11)オキソ、
(12)−CO
(13)−CN、
(14)−C(O)NR
(15)−NRC(O)R
(16)−NRC(O)OR
(17)−NRC(O)NR
(18)−CF
(19)−OCF、および
(20)−OCHF
からなる群から選択され;
およびRは、各々、独立して:
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
(6)C3−10シクロヘテロアルキル、
(7)C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル−、および
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−
からなる群から選択され、
ここに、RおよびRが水素でない場合、各RおよびRは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
各Rは、独立して:
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
(6)C3−10シクロヘテロアルキル、
(7)C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル−、および
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−
からなる群から選択され、
ここに、Rが水素でない場合、各Rは置換されていないか、あるいはRから選択される1〜3の置換基で置換されており;
は:
(1)ハロゲン、および
(2)置換されていないか、あるいは1〜5のフッ素で置換された−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S(O)−C1−4アルキル、
(5)−CN、
(6)−CF
(7)−OCHF、および
(8)−OCF
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S(O)−C1−4アルキル、
(5)−CN、
(6)−CF
(7)−OCHF、および
(8)−OCF
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)−OR
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−S(O)
(5)−S(O)NR
(6)−NR
(7)−C(O)R
(8)−OC(O)R
(9)オキソ、
(10)−CORe、
(11)−CN、
(12)−C(O)NR
(13)−NRC(O)R
(14)−NRC(O)OR
(15)−NRC(O)NR
(16)−CF
(17)−OCF
(18)−OCHF、および
(19)−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
nは0、1、2、3または4であり;および
mは0、1または2である]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩によって記載される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は多数の実施態様を有し、それを以下にまとめる。本発明は式Iの化合物を含み、これは、式Ia、Ib、Ic、Id、IeおよびIIの化合物を含む。本発明は、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、および式Iの化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も含む。式Iの化合物は、2型糖尿病、高血糖症、肥満、および2型糖尿病に関連する脂質障害の治療で有用である。
【0029】
本発明の1つの実施態様において、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されている。この実施態様のクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換され、ここにおいて、シクロアルキルは、−ORから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換され、ここにおいて、シクロアルキルは、−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜3の置換基と置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、また、シクロアルキルは−ORから独立して選択される1の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6−アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、また、ここにおいて、シクロアルキルは、−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル基−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換され、また、ここにおいて、シクロアルキルは、−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0030】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−C1−6−アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルであって、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜2の置換基で置換される群、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−10シクロアルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルであり、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜2の置換基で置換されるもの、またはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0031】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0032】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、ここにおいてシクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンが−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、ここにおいて、シクロブチルおよびシクロヘキシルが、−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0033】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換され、また、ここにおいて、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンが、−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0034】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0035】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンは−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0036】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンは−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0037】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンはRから独立して選択される1の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH3、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、Rから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0038】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、−OHおよび−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0039】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンは−O−C1−6アルキル−から独立して選択される1の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、−O−C1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0040】
この実施態様の別のクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6−アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいてアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、および−C3−10シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルとシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、−O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜2の置換基で置換される;またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0041】
この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは−CH−O−CHCHおよび−CH−O−CHCDからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルは置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスの別のサブクラスでは、Rは−CH−O−CHCHであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6−アルキル−O−C1−6アルキルである。このクラスのサブクラスでは、Rは、−CH−O−CHCHおよび−CH−O−CHCDからなる群から選択される。このクラスの別のサブクラスでは、Rは−CH−O−CHCHである。このクラスの別のサブクラスでは、Rは−CH−O−CHCDである。
【0042】
この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜2の置換基で置換されている、あるいはそれらの薬学的に許容される塩である。このクラスのサブクラスでは、Rは−CH−O−CHCH−O−CHであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6−アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルである。このクラスのサブクラスでは、Rは−CH−O−CHCH−O−CHである。
【0043】
この実施態様の別のクラスでは、Rは−C3−10シクロアルキルであり、ここにおいて、シクロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、シクロブチル、シクロヘキシル、およびビシクロ[3.1.0]ヘキサンから選択され、ここにおいて、シクロブチル、シクロヘキシル、およびビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスの別のサブクラスでは、Rは、シクロブチルおよびシクロヘキシルから選択され、ここにおいて、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスの別のサブクラスでは、Rはシクロブチルまたはシクロヘキシルである。
【0044】
この実施態様の別のクラスでは、Rは−C3−10シクロアルキルであり、ここにおいて、シクロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換され、また、シクロアルキルは、−OHおよび−OC1−6アルキルから選択される1の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rは、シクロブチル、シクロヘキシル、およびビシクロ[3.1.0]ヘキサンから選択され、ここにおいて、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換され、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサンは、−OHおよび−OC1−6アルキルから選択される1の置換基で置換される。このクラスの別のサブクラスでは、Rは、シクロブチルおよびシクロヘキシルから選択され、ここにおいて、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、ここにおいて、シクロブチルおよびシクロヘキシルは、−OHおよび−OC1−6アルキルから選択される1の置換基で置換される。
【0045】
この実施態様の別のクラスでは、Rは−C3−10シクロヘテロアルキルであり、ここにおいて、シクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。このクラスのサブクラスでは、Rはテトラヒドロピランとテトラヒドロフランから選択され、ここにおいて、テトラヒドロピランとテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0046】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−7シクロアルキル、および−C3−6シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0047】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C3−7シクロアルキル、および−C3−6シクロヘテロアルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロアルキル、およびシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは、−CH、−C(CH、−CH(CH、−CHCH−O−CH、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0048】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは、−CH、−C(CH、および−CH(CHからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0049】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは−C1−6アルキルである。この実施態様のクラスでは、Rは、−CH、−C(CHおよび−CH(CH−からなる群から選択される。
【0050】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは−CHCH−O−CHであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。本発明のもう1つの実施態様において、Rは−CHCH−O−CHである。
【0051】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは−C3−6シクロヘテロアルキルであり、ここにおいて、シクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、テトラヒドロピランとテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはテトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランからなる群から選択される。
【0052】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素および−C1−10アルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C16アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0053】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素および−C1−8アルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0054】
本発明のもう1つの実施態様において、RおよびRは各々、水素およびピリジンからなる群から独立して選択され、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、RとRのうちの1つがピリジンであり他方が水素である場合には、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。
【0055】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素およびピリジンからなる群から独立して選択され、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、RとRのうちの1つがピリジンで他方が水素である場合には、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1または2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは水素である。
【0056】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素およびピリジンから独立して選択され、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、RとRのうちの1つがピリジンで他方が水素である場合には、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1または2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは水素である。
【0057】
本発明のもう1つの実施態様において、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1、2、あるいは3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1または2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Riから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンはRから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジンであり、ここにおいて、ピリジンはRから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1、2、または3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ピリジンは、ここにおいて、置換されていないか、Rから独立して選択される1または2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはRから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはRから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0058】
本発明のもう1つの実施態様において、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、ハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される1、2、または3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、ハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される1または2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、ハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、ハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、ハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはハロゲンから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはC1−6アルキルから独立して選択される1の置換基で置換される。
【0059】
本発明のもう1つの実施態様において、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、フルオロおよび−CHから独立して選択される1、2、または3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、フルオロおよび−CHから独立して選択される1または2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、フルオロおよび−CHから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはフルオロおよび−CHから独立して選択される2の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはフルオロおよび−CHの置換基で置換される。この実施例の別の種類では、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、フルオロおよび−CHから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはフルオロおよび−CHから独立して選択される1の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンはフルオロで置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは−CHで置換される。
【0060】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、および5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル;あるいはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。この実施態様のクラスでは、Rは5−フルオロ−ピリジン−2−イル、またはその薬学的に許容される塩である。この実施態様の別のクラスでは、Rは5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル、またはその薬学的に許容される塩である。
【0061】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素および−C1−10アルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0062】
本発明のもう1つの実施態様において、Rはそれぞれ、水素、−NRS(O)、ハロゲン、−OCF、−OCHF、および−C1−10アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、Rはそれぞれ、水素とハロゲンからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rはハロゲンである。
【0063】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素およびC1−10アルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−10アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−10アルキルである。
【0064】
本発明のもう1つの実施態様において、R10とR11は、水素、および−C1−4アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、R10とR11は水素である。この実施態様の別のクラスでは、R10とR11は−C1−4アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、R10とR11は−C1−4アルキルである。
【0065】
本発明のもう1つの実施態様において、R10は、水素および−C1−4アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、R10は水素である。この実施態様の別のクラスでは、R10は−C1−4アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、R10は−C1−4アルキルである。
【0066】
本発明のもう1つの実施態様において、R11は、水素および−C1−4アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、R11は水素である。この実施態様の別のクラスでは、R11は−C1−4アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、R11は−C1−4アルキルである。
【0067】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは各々、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−OH、−NRS(O)m、ハロゲン、−S(O)mR−S(O)mNR、−NR、−C(O)R、−OC(O)R、オキソ、−CO、−CN、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−CF、−OCFおよび−OCHFからなる群から独立して選択される。この実施態様のクラスでは、Rは各々、−OC1−6アルキル、−OH、−NRS(O)ハロゲン、−S(O)mR、−S(O)mNR−NR、−C(O)R、−OC(O)R、オキソ、−CO、−CN、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NRcC、−CF、−OCFおよび−OCHFからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは各々、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキルおよびハロゲンからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは各々、−OC1−6アルキルおよびハロゲンからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−OC1−6アルキルである。この実施態様の別のクラスでは、Rは−ハロゲンである。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0068】
本発明のもう1つの実施態様において、RおよびRは各々、水素、−C1−10アルキル、−C2−10アルケニル、−C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル、−C3−10シクロヘテロアルキル、C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル−、およびヘテロアリール−C1−10アルキル−からなる群から独立して選択され、ここにおいて、RとRが水素でない場合、RおよびRは各々、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、RおよびRは各々、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、RおよびRは各々、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、RとRは各々水素である。この実施態様の別のクラスでは、RとRは各々−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、RとRは各々−C1−6アルキルである。
【0069】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素、−C1−10アルキル、−C2−10アルケニル、−C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、C3−10シクロヘテロアルキル、C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル−、およびヘテロアリール−C1−10アルキル−からなる群から独立して選択され、ここにおいて、Rが水素でない場合、Rは各々、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0070】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、水素、−C1−10アルキル、−C2−10アルケニル、−C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、C3−10シクロヘテロアルキル、C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル−、およびヘテロアリール−C1−10アルキル−からなる群から独立して選択され、ここにおいて、Rが水素でない場合、Rは各々、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rgから独立して選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0071】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは各々、水素、−C1−10アルキル、−C2−10アルケニル、−C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、−C3−10シクロヘテロアルキル、C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−10アルキル−、およびヘテロアリール−C1−10アルキル−からなる群から独立して選択され、ここにおいて、Rが水素でない場合、Rは各々、置換されていないか、Rから選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは各々、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは各々、水素および−C1−6アルキルからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは水素である。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから選択される1〜3の置換基で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0072】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、ハロゲンおよび−C1−10アルキルからなる群から選択され、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様のクラスでは、Rは、Br、F、Cl、および−CHからなる群から選択され、ここにおいて、−CHは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、F、Clおよび−CHから選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは、Fおよび−CHから選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rはハロゲンである。このクラスのサブクラスでは、RはF、BrおよびClから選択される。このクラスの別のサブクラスでは、RはFである。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−10アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、1〜5のフッ素で置換される。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。この実施態様の別のクラスでは、Rは−CHである。
【0073】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは各々、ハロゲン、−C1−10アルキル、−O−C1−4アルキル、−S(O)−Cl−4アルキル、−CN、−CF、−OCHFおよび−OCFからなる群から独立して選択される。この実施態様のクラスでは、Rは各々、ハロゲンおよび−C1−6アルキルからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rはハロゲンである。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0074】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは各々、ハロゲン、−C1−10アルキル、−O−C1−4アルキル、−S(O)−C1−4アルキル、−CN、−CF、−OCHFおよび−OCFからなる群から独立して選択される。この実施態様のクラスでは、Rは各々、ハロゲンおよび−C1−6アルキルからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rはハロゲンである。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。
【0075】
本発明のもう1つの実施態様において、Rはそれぞれ、−OR、−NRS(O)、ハロゲン、−S(O)−S(O)NR、−NR、−C(O)R、オキソ、−CO、−CN、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−CF、−OCF、−OCHFおよび−C1−10アルキルからなる群から独立して選択される。
【0076】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは各々、ハロゲンおよび−C1−6アルキルからなる群から独立して選択される。この実施態様のクラスでは、Rは各々、F、Br、Clおよび−CHからなる群から独立して選択される。この実施態様の別のクラスでは、Rは各々、Fおよび−CHからなる群から独立して選択される。別の実施態様には、Rは各々、ハロゲンからなる群から独立して選択される。このクラスのサブクラスでは、Rは、Br、ClおよびFからなる群から独立して選択される。このクラスの別のサブクラスでは、RはClまたはFである。このクラスのサブクラスでは、RはFである。この実施態様の別のクラスでは、Rは−C1−6アルキルである。このクラスのサブクラスでは、Rは−CHである。
【0077】
本発明のもう1つの実施態様において、mは0、1、あるいは2である。この実施態様のクラスでは、mは1または2である。この実施態様の別のクラスでは、mは0または2である。この実施態様の別のクラスでは、mは0または1である。この実施態様の別のクラスでは、mは0である。この実施態様の別のクラスでは、mは1である。この実施態様の別のクラスでは、mは2である。
【0078】
本発明のもう1つの実施態様において、nは0、1、2、3、または4である。この実施態様のクラスでは、nは0、1、または2である。この実施態様の別のクラスでは、nは0または1である。この実施態様の別のクラスでは、nは1または2である。この実施態様の別のクラスでは、nは0または2である。この実施態様の別のクラスでは、nは0である。この実施態様の別のクラスでは、nは1である。実施態様この実施態様の別のクラスでは、nは2である。この実施態様の別のクラスでは、nは3である。この実施態様の別のクラスでは、nは4である。
【0079】
本発明のもう1つの実施態様において、R、R、R、R、R、R、R10およびR11が各々水素である式IおよびIIの化合物;またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0080】
本発明のもう1つの実施態様において、Rが−OC1−6アルキルであり;Rが−C1−6アルキルであり;および各Rが、独立して、ハロゲンおよび−C1−6アルキルからなる群から選択される式IおよびIIの化合物;またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0081】
本発明のもう1つの実施態様において、式IおよびIIの化合物が提供され、ここにおいて、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、各々水素であり;Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1または2の置換基で置換されており;また、Rは、−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、および−C3−6シクロヘテロアルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルとシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される;またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0082】
本発明のもう1つの実施態様において、式IおよびIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩が提供され、ここにおいて、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1の置換基で置換されており;R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、各々水素であり;Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1または2の置換基で置換されており;また、Rは、−C1−6アルキル、−C1−6−アルキル−O−C1−6アルキル、および−C3−6シクロヘテロアルキルからなる群から独立して選択され、ここにおいて、アルキルとシクロヘテロアルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される置換基で置換される。
【0083】
本発明のもう1つの実施態様において、Rは、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCD、−CH−O−CHCH−O−CH、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換され;R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、各々水素であり;Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、Rから独立して選択される1または2の置換基で置換され;また、Rは−CH、−C(CH、−CH(CH、−CHCH−O−CH、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択され、ここにおいて、アルキル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換される群;またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0084】
本発明のもう1つの実施態様において、式IおよびIIの化合物が提供され、ここにおいて、Rは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、ハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される1または2の置換基で置換されており;また、Rは−C1−6アルキルであり、ここにおいて、アルキルは、置換されていないか、Rから独立して選択される1〜3の置換基で置換されるもの、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0085】
本発明のもう1つの実施態様において、式IおよびIIの化合物が提供され、ここにおいて、Rは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり;Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、ハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される1または2の置換基で置換され;また、Rは−C1−6アルキルである;またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0086】
本発明のもう1つの実施態様において、式IおよびIIの化合物が提供され、ここにおいて:Rは、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり;Rはピリジン−2−イルであり、ここにおいて、ピリジンは、置換されていないか、フルオロおよび−CHから独立して選択される1または2の置換基で置換されており;Rは−CHである;またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0087】
本発明のもう1つの実施態様において、*でマークされた立体原性炭素原子において示されたR立体化学立体配置を有する構造式II:
【0088】
【化3】

の化合物が提供される。
【0089】
本発明のもう1つの実施態様において、本発明は構造式Ia:
【0090】
【化4】

の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0091】
本発明のもう1つの実施態様において、本発明は構造式Ib:
【0092】
【化5】

の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0093】
本発明のもう1つの実施態様において、本発明は構造式Ic:
【0094】
【化6】

の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0095】
本発明のもう1つの実施態様において、本発明は構造式Id:
【0096】
【化7】

の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0097】
本発明のもう1つの実施態様において、本発明は構造式Ie:
【0098】
【化8】

の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0099】
SSTR3のアンタゴニストとしての有用な本発明の化合物の例示的であるが非限定的な例は以下のβ−カルボリン:
【0100】
【化9】




およびその薬学的に許容される塩である。
【0101】
本明細書中で確認されるSSTR3は、インスリン分泌に影響し、およびベータ−細胞塊を評価するための標的である。グルコース刺激インスリン分泌は、SSTR3の発現を無くすることによって、およびSSTR3選択的アンタゴニストの使用を通じて刺激されることが判明した。インスリンの重要な制約的作用は、血中グルコースレベルを増大させることである。当該特許出願に開示されているように、SSTR3の標的化は、治療的適用、診断的適用および潜在的な治療剤の評価を含めた異なる用途を有する。
【0102】
ソマトスタチンは、7回膜貫通(TM)ドメインG蛋白質結合型受容体のファミリーによって媒介される生物学的効果の広いスペクトルムを呈するホルモンである(Lahlou et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1014:121−131,2004,Reisine et.al.,Endocrine Review 16:247−442,1995)。ソマトスタチンの主な活性な形態はソマトスタチン−14およびソマトスタチン−28である。ソマトスタチン−14は環状テトラデカペプチドである。ソマトスタチン−28はソマトスタチン−14の拡大された形態である。
【0103】
ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)は、ソマトスタチンに応答する、5つのうちの3つの、関連するG−蛋白質受容体サブタイプである。他の受容体はソマトスタチンサブタイプ受容体1(SSTR1)、ソマトスタチンサブタイプ受容体2(SSTR2)、ソマトスタチンサブタイプ受容体4(SSTR4)およびソマトスタチンサブタイプ受容体5(SSTR5)である。5つの区別されるサブタイプは、異なる染色体上の分離された別々の遺伝子によってコードされる(Patel et al.,Neuroendocrinol.20:157−198,1999)。全ての5つの受容体サブタイプは、低いナノモラー親和性でもって、ソマトスタチン−14およびソマトスタチン−28に結合する。ソマトスタチンに対するリガンド結合ドメインは、第二の細胞外ループによる潜在的寄与でもってTMs III−VIIにおける残基からなる。ソマトスタチン受容体は、頻繁には、同一細胞に共存する多数のサブタイプとして多くの組織で広く発現される。
【0104】
5つの異なるソマトスタチン受容体は、全て、百日咳−トキシン感受性蛋白質(Gαi1−3)によってアデニレートシクラーゼの阻害に機能的にカップリングしている(Lahlou et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1014:121−131,2004)。ペプチド分泌のソマトスタチン−誘導は、主として、細胞内Ca2+の減少に由来する。
【0105】
ソマトスタチンの効果の広いスペクトルの中で、いくつかの生物学的応答が異なる受容体サブタイプ選択性でもって同定されている。これらはSSTR2およびSSTR5によって媒介される成長ホルモン(GH)分泌、SSTR1およびSSTR5によって媒介されるインスリン分泌、SSTR2によって媒介されるグルカゴン分泌、およびSSTR2によって媒介される免疫応答を含む(Patel et al.,Neuroendocrinol.20:157−198,1999;Crider et.al.,Expert Opin.Ther.Patents 13:1427−1441,2003)。
【0106】
異なる生物からの異なるソマトスタチン受容体配列は当該分野で周知である(例えば、Reisine et al.,Endocrine Review 16:427−442,1995参照)。ヒト、ラット、およびネズミSSTR3配列およびコードする核酸配列が配列番号:3(ヒトSSTR3 cDNA gi|44890055|ref|NM_001051.2|CDS 526..1782);配列番号:4(ヒトSSTR3 AA GI|4557861|ref|NP_001042.1|;配列番号:5(マウスSSTR3 cDNA gi|6678040|ref|NM_009218.1|CDS 1..1287);配列番号:6(マウスSSTR3 AA GI|6678041|ref|NP_033244.1|);配列番号:7(ラットSSTR3 cDNA gi|19424167|ref|NM_133522.1|CDS 656..1942);配列番号:8(ラットSSTR3 A gi|19424168|ref|NP_598206.1|)に提供されている。
【0107】
SSTR3アンタゴニストは、SSTR3およびSSTR3をコードする核酸を用いて同定することができる。適当なアッセイは、SSTR3への結合についてSSTR3アゴニストと競合する化合物の検出、およびSSTR3細胞または生理学的関連活性に対する化合物の機能的効果の決定を含む。SSTR3細胞活性は、cAMP阻害、ホスホリパーゼCの増加、チロシンホスファターゼの増加、内皮酸化窒素シンターゼ(Enos)の減少、Kチャネルの増加、Na/h交換の減少、およびERKの減少を含む(Lahlou et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1014:121−131,2004)。機能的活性は、SSTR3を発現する細胞系を用い、1つ以上のSSTR3活性に対する化合物の効果を決定して決定することができる(例えば、Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2900−3000,2001;Hocart et al.,J.Med.Chem.41:1146−1154,1998)。
【0108】
SSTR3結合アッセイは、ソマトスタチンを標識し、ソマトスタチン結合を阻害する化合物の能力を決定することによって行うことができる(Poitout et al.,J.Med.Chem.44:29900−3000,2001;Hocart et.al.,J.Med.Chem.41:1146−1154,1998)。化合物の受容体への結合を測定するためのさらなるフォーマットは当該分野で周知である。
【0109】
SSTR3阻害についての生理学的に関連する活性はインスリン分泌の刺激である。インスリン分泌の刺激は、イン・ビトロまたはイン・ビボで評価することができる。
【0110】
SSTR3アンタゴニストは、実験的に、または入手可能な情報に基づいて同定することができる。種々の異なるSSTR3アンタゴニストが当該分野で周知である。そのようなアンタゴニストの例はペプチドアンタゴニスト、β−カルボリン誘導体、およびデカヒドロイソキノリン誘導体を含む(Poitout et al.,J.Med.Chem.44:29900−3000,2001,Hocart et al.,J.Med.Chem.41:1146−1154,1998,Reubi et al.,PNAS 97:13973−13978,2000,Banziger et al.,Tetrahedron:Assymetry 14:3469−3477,2003,Crider et al.,Expert Opin.Ther.Patents 13:1427−1441,2003,Troxler et al.,国際公開番号国際公開第02/081471号、国際公開日2002年10月17日)。
【0111】
アンタゴニストが、SSTR3に結合し(Ki)およびSSTR3活性に影響する(IC50)、およびSSTR3に選択的に結合し、およびSSTR3活性に選択的に影響するそれらの能力に基づいて特徴付けすることができる。好ましいアンタゴニストが、SSTR3に強くかつ選択的に結合し、およびSSTR3活性を阻害する。
【0112】
SSTR3結合に関する異なる実施態様において、アンタゴニストは600未満、好ましくは100未満、より好ましくは50未満、なおより好ましくは25未満、なおより好ましくは10未満のKi(nM)を有する。Kiは、Poitout et al.,J.Med.Chem.44:29900−3000,2001によって記載されているように測定することができ、および本明細書中に記載されている。
【0113】
選択的SSTR3アゴニストは、それがSSTR1、SSTR2、SSTR4、およびSSTR5に結合するよりも少なくとも10倍強くSSTR3に結合する。選択的SSTR3結合に関する異なる実施態様において、アゴニストは、1000よりも大きな、好ましくは2000nMよりも大きなKiでもって、SSTR1、SSTR2、SSTR4、およびSSTR5の各々に結合し、および/またはそれがSSTR1、SSTR2、SSTR4、およびSSTR5に結合するよりも少なくとも40倍、より好ましくは少なくとも100倍、またはより好ましくは少なくとも500倍大きくSSTR3に結合する。
【0114】
SSTR3活性に関する異なる実施態様において、アンタゴニストは600未満、好ましくは100未満、より好ましくは50未満、またはより好ましくは10nM未満のIC50(nM)を有する。IC50は、Poitout et al.,J.Med.Chem.44:29900−3000,2001によって記載されているように、SSTR3を発現するCHO−K1細胞におけるフォルスコリン(1μM)によるcAMP蓄積のソマトスタチン−14誘導低下の阻害を測定することによって決定することができる。
【0115】
好ましいアンタゴニストは好ましいまたはより好ましいKi、好ましいまたはより好ましいIC50および好ましいまたはより好ましい選択性を有する。より好ましいアンタゴニストは25未満のKi(nM)を有し;SSTR1、SSTR2、SSTR4、およびSSTR5と比較して、SSTR3に対して少なくとも100倍選択的であり;および50未満のIC50(nM)を有する。
【0116】
オキサジアゾール環系がR置換基で置換された本発明のβ−カルボリン化合物は、ナトリウム、ならびに他のイオンチャネルに対してかなり低い親和性を有することが判明し、かくして、SSTR3のより選択的アンタゴニストである。この選択性は、本発明の化合物の潜在的な心血管および他の副作用を低下させると予測される。
【0117】
構造式(I)および(II)におけるエーテル側鎖、オキサジアゾール、および置換されたピリジンの組合せは、別の置換基の化合物に対して、ヒトSSTR3受容体に対する増大した結合能力(より低いKiおよび/またはより低いIC50)の予期せぬ利点を有する。加えて、Rが線状または環状エーテルである、あるいはRがエーテルまたはアルコキシ置換基で置換された構造式(I)および(II)の化合物は、hERGカリウムイオンチャネルに対する有意に減少した能力の予期せぬ利点を有する。hERGチャネルブロックに対するこのより低い能力は、SSTR3受容体に対するMK−499結合の減少によって証明されるように、トルサデス・ドゥ・プアンテスとして公知である胎児心室不整脈を時々引き起こすことに関連するQT間隔の延長についての潜在能力を低下させる。hERGチャネルブロックおよび心室性不整脈の間の関係の議論については、以下の最近のレビューを参照されたし:M.R.Bowlby et al.,Curr.Drug.Metab.9:965−970(2008);A.Lagrutta et al.,Curr.Topics Med.Chem.8:1102−1112(2008);A.Dennis et al.,Biochem.Soc.Trans.35:1060−1063(2007);およびM.Recanatini et al.,Med.Res.Rev.25:133−166(2005)。式(I)および(II)の化合物は、SSTR3の受容体に関連する活性についてより大きな選択性(>10,000倍選択的)、および潜在的に致命的な不整脈に関するより広い安全率の予期せぬ利点を有する。
【0118】
[アルキル」、ならびにアルコキシ、アルカノイルのように接頭辞「アルク」を有する他の基は、直鎖または分岐鎖、またはその組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどを含む。
【0119】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を含有し、かつ直鎖または分岐鎖、またはその組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例は、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等を含む。
【0120】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、または直鎖または分岐鎖ま他はその組合せであってもよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例は、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどを含む。
【0121】
「シクロアルキル」は単環または二環または架橋された飽和炭素環を意味し、その各々は、3〜10の炭素原子を有する。該用語は、結合点が非−芳香族部分にあるアリール基に融合した単環も含む。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニル等を含む。
【0122】
「アリール」は、炭素原子のみを含有する単環または二環の芳香族環を意味する。該用語は、結合点が芳香族部分にある単環シクロアルキルまたは単環シクロヘテロアルキル基に融合したアリール基も含む。アリールの例としては、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1、4−ベンゾジオキサニルなどが挙げられる。
【0123】
「ヘテロアリール」は、O、SおよびNから選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する芳香族または部分的に芳香族の複素環を意味する。「ヘテロアリール」は、かくして、アリール、シクロアルキル、および芳香族性でない複素環のような他の種類の環に融合したヘテロアリールを含む。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル(ピリジニル)、オキサゾリル、オキサジアゾリル(特に、1,3,4−オキサジアゾール−2−イルおよび1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニル、など挙げられる。ヘテロシクリル基およびヘテロアリール基については、環、および3−15の原子を含む環システムが1−3環を形成して含まれている。
【0124】
「シクロヘテロアルキル」は、N、SおよびOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する単環または二環または架橋された飽和環を意味し、該環の各々は、結合点が炭素または窒素であってもよい3〜10の原子を有する。該用語は、結合点が非−芳香族性部分にある、アリールまたはヘテロアリール基に融合した単環複素環を含む。「シクロヘテロアルキル」の例としては、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、イミダゾリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリニル、2−Hフタラジニル、イソインドリニル、ベンゾオキサゼピニル、5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−b]チアゾリル、テトラヒドロキノリニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリルなどが挙げられる。この用語は、さらに芳香族でない部分的に不飽和の一環の環、例えば、窒素もしくはN−置換される−(lH,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N−置換されるウラシル)によって結合される2または4のピリドン誘導体を含む。用語は、さらに、5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルのような架橋された環、およびアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルを含んでいる。該シクロヘテロアルキル環は、環炭素および/または環窒素上で置換されていてもよい。
【0125】
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0126】
「オキソ」とは、例えば、(1)カルボニル基である「C=(O)];(2)スルホキシド基である「S=(O)」;および(3)ピリジル−N−オキサイドのようなN−オキサイド基である「N=(O)」のような、二重結合を介して分子に結合した酸素原子である官能基「=O」を意味する。
【0127】
いずれかの変数(例えば、R、R)などがいずれかの構成において、または式Iにおいて一回を超えて起こる場合、各出現でのその定義はあらゆる他の出現におけるその定義から独立している。また、置換基および/または変数の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0128】
本明細書を通じて用いられる標準的な命名方法の下では、指名された側鎖の末端部分が最初に記載され、続いて、結合点に向けて隣接する官能性が記載される。例えば、C1−5アルキルカルボニルアミノC1−6アルキル置換基は、
【0129】
【化10】

と同等である。
【0130】
本発明の化合物を選択するにおいて、当業者であれば、種々の置換基、すなわち、R、R等は、化学的構造結合性および安定性の周知である原理と合致して選択されるべきことを認識している。
【0131】
用語「置換された」は、命名された置換基による置換の多数の程度を含むとみなされるべきである。多数の置換基部位が開示され、または特許請求される場合、置換された化合物は、開示されたまたは特許請求される置換基部位の1つ以上によって、1回または複数回独立して置換され得る。独立して置換されたとは、(2つ以上の)置換基が同一または異なり得ることを意味する。
【0132】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体:
構造式Iの化合物は1つ以上の不斉中心を含有してもよく、かくして、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオ異性体混合物および個々のジアステレオ異性体として起こり得る。本発明は、構造式Iの化合物の全てのそのような異性体形態を含むことを意味する。
【0133】
構造式Iの化合物は、例えば、適当な溶媒、例えば、メタノールまたは酢酸エチルまたはその混合物からの分別結晶化によって、あるいは光学的に活性な固定相を用いるキラルクロマトグラフィーを介してそれらの個々のジアステレオ異性体に分離することができる。絶対立体化学は、必要であれば、公知の絶対立体配置の不斉中心を含有する試薬で誘導体化された結晶性生成物または結晶性中間体のX−線結晶学によって決定することができる。
【0134】
別法として、一般構造式Iの化合物のいずれの立体異性体または異性体の、光学的に純粋な出発物質または公知の絶対立体配置の試薬を用いる立体特異的合成によって得ることができる。
【0135】
所望により、当該化合物のラセミ混合物を、個々のエナンチオマーが単離されるように分離することができる。該分離は、ジアステレオ異性体混合物を形成するための、エナンチオマー的に純粋な化合物への化合物のラセミ混合物のカップリング、続いての、分別結晶化またはクロマトグラフィーのような標準的な方法による個々のジアステレオ異性体の分離のような、当該分野で周知である方法によって行うことができる。カップリング反応は、しばしば、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。次いで、ジアステレオマー誘導体を付加されたキラル残基の開裂によって純粋なエナンチオマーに変換することができる。本発明のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー方法によって直接的に分離することもでき、その方法は、当該分野で周知である。
【0136】
本明細書中に記載された化合物のいくつかは、オレフィン性二重結合を含有し、特に断りのない限り、EおよびZ幾何異性体の双方を含めるつもりである。
【0137】
本明細書中に記載された化合物のいくつかは、1つ以上の二重結合のシフトが伴う水素の異なる結合点を有する互変異性体として存在することもできる。例えば、ケトンおよびそのエノール形態はケト−エノール互変異性体である。個々の互変異性体ならびにその混合物は、本発明の化合物に含まれる。本発明の化合物内に含まれることが意図される互変異性体の例は以下に示される:
【0138】
【化11】

構造式Iの化合物において、原子はそれらの天然同位体の豊富さを呈することができ、原子の1個以上は、同一の原子番号を有するが、天然に圧倒的に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する特定の同位体を人工的に豊富化することができる。本発明は、構造式Iの化合物の全ての適当な同位体変種を含むことを意図する。例えば、水素(H)の異なる同位体形態はプロチウム(H)およびジューテリウム(Dとしても示されるH)を含む。プロチウムは天然に見出される圧倒的な水素同位体である。ジューテリウムについての豊富化は、イン・ビボの半減期の増加、または投与の要件の低下のようなある種の治療的利点を供することができるか、あるいは生物学的試料の特徴付けのための標準として有用な化合物を提供することができる。構造式I内にある同位体的に豊富化された化合物は、当業者に周知である慣用的な技術によって、あるいは適当な同位体的に豊富化された試薬および/または中間体を用いてスキームおよび実施例に記載されたのに同様なプロセスによって、過度な実験なくして調製することができる。
【0139】
塩:
本明細書中で用いるように、構造式Iの化合物への言及は、薬学的に許容される塩も含み、それらが、遊離化合物に対する前駆体、またはそれらの薬学的に許容される塩として用いられる場合、あるいは他の合成操作においては、薬学的に許容されない塩も含ませるつもりである。
【0140】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で投与してもよい。用語「薬学的に許容される塩」とは、無機または有機塩基および無機または有機酸を含めた、薬学的に許容される非−毒性塩基または酸から調製される塩をいう。用語「薬学的に許容される塩」内に含まれる塩基性化合物の塩とは、遊離塩基を適当な有機または酸と反応させることによって一般的には調製される本発明の化合物の非−毒性塩をいう。代表的な本発明の塩基性化合物の塩は、限定されるものではないが、以下の:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、二硫酸塩、二酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グルコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムケート、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(バモ酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツル酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジドおよび吉草酸塩を含む。さらに、本発明の化合物が酸性部位を運ぶ場合、その適当な薬学的に許容される塩は、限定されるものではないが、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を含めた無機塩基から由来する塩を含む。特に好ましいのはアンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非−毒性塩基に由来する塩は、第一級、第二級および第三級アミン、環状アミン、およびアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンのような塩基性イオン−交換樹脂の塩を含む。
【0141】
また、本発明の化合物に存在するカルボン酸(−COOH)またはアルコール基の場合には、メチル、エチル、またはピバロイルオキシメチルのようなカルボン酸誘導体、またはO−アセチル、O−ピバロイル、O−ベンゾイル、およびO−アミノアシルのようなアルコールのアシル誘導体の薬学的に許容されるエステルを使用することができる。徐放もしくはプロドラッグ処方として用いられる溶解度または加水分解特徴を修飾するための当該分野で公知のエステルおよびアシル基が含まれる。
【0142】
構造式Iの化合物の、限定されるものではないが、酢酸エチル溶媒和物、特に、水和物を含めた溶媒和物は同様に本発明に含まれる。
【0143】
本発明の例示は、実施例および本明細書中に開示された化合物の使用である。
【0144】
用途:
本明細書中に記載された化合物は、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)の優れたかつ選択的なアンタゴニストである。該化合物は、一般的にはアンタゴニストである、SSTR3リガンドによって変調される病気の治療で効果的である。これらの病気の多くを以下にまとめる。
【0145】
以下の病気の1つ以上は、治療上有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の、治療を必要とする患者への投与によって治療することができる。また、式Iの化合物は、これらの病気の1つ以上を治療とするための医薬の製造で用いることができる:
(1)非−インスリン依存性真性糖尿病(2型糖尿病);
(2)高血糖症;
(3)代謝症候群;
(4)肥満;
(5)高コレステロール血症;
(6)高トリグリセリド血症(トリグリセリドが豊富なリポ蛋白質の上昇したレベル);
(7)混合または糖尿病性脂質異常症;
(8)低HDLコレステロール;
(9)高LDLコレステロール;
(10)高アポBリポ蛋白質血症;および
(11)アテローム性動脈硬化症。
【0146】
該化合物の使用の1つの実施態様は、治療上有効量を、治療必要とする患者に投与することによる、以下の病気の1つ以上の治療に向けられる。該化合物は、これらの病気の1つ以上の治療で用いられる医薬の製造で用いることができる:
(1)2型糖尿病;
(2)高血糖症;
(3)代謝症候群;
(4)肥満;および
(5)高コレステロール血症。
【0147】
該化合物は、糖尿病患者において、および損なわれたグルコース耐性を有する、および/または前糖尿病疾患にある非−糖尿病患者において、グルコースおよび脂質を降下させるのに有効であると予測される。該化合物は、しばしば、糖尿病または前糖尿病患者においてしばしば起こる血清グルコースのレベルの振れを変調することによって、これらの患者でしばしば起こる高インスリン血症を軽減することができる。該化合物は、インスリン抵抗性を治療または低下させるのにも有効であり得る。該化合物は、妊娠性糖尿病を治療または防止するのに有効であり得る。
【0148】
本明細書中に記載された化合物、組成物および医薬は、代謝症候群に関連する有害な続発症の危険性を低下させるのに、およびアテローム性動脈硬化症を発症する危険性を低下させ、アテローム性動脈硬化症の開始を遅らせ、および/またはアテローム性動脈硬化症の続発症の危険性を低下させるのにも有効であり得る。アテローム性動脈硬化症の続発症は、狭心症、跛行、心臓発作、卒中その他を含む。
【0149】
高血糖症を制御下に維持することによって、該化合物は、血管再狭窄および糖尿病性網膜障害を遅らせ、または予防するのにも有効であり得る。
【0150】
本発明の化合物は、それらが、1型糖尿病を治療するのに、または2型糖尿病の患者がインスリン療法を必要とするのを妨げるのに有用であるように、β−細胞の機能を改良し、または回復するのにも利用性を有することができる。
【0151】
該化合物は、一般に、以下の病気の1つ以上を治療するのに有効であり得る:(1)(非−インスリン依存性真性糖尿病、またはNIDDMとしても公知である)2型糖尿病、(2)高血糖症、(3)損なわれたグルコース耐性、(4)インスリン抵抗性、(5)肥満、(6)脂質障害、(7)脂質異常症、(8)高脂血症、(9)高トリグリセリド血症、(10)高コレステロール血症、(11)低HDLレベル、(12)高LDLレベル、(13)アテローム性動脈硬化症およびその続発症、(14)血管再狭窄、(15)腹部肥満、(16)網膜障害、(17)代謝症候群、(18)高い血圧(高血圧)、および(19)インスリン抵抗性。
【0152】
本発明の1つの局面は、治療を必要とする患者に、治療上有効量の式Iを有する化合物を投与することを含む、混合または糖尿病性脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、および/または高トリグリセリド血症を治療し、および制御する方法を提供する。該化合物は単独で用いてもよく、あるいは有利には、コレステロール生合成阻害剤、特に、ロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、またはZD−4522のようなHMG−CoAレダクターゼ阻害剤と共に投与してもよい。該化合物は、有利には、コレステロール吸収阻害剤(例えば、スタノールエステル、チクエシドのようなステロールグリコシドおよびエゼチミブのようなアゼチジノン)、(アバシミブのような)ACAT阻害剤、CETP阻害剤(例えば、トルセトラピブ、および公開された出願国際公開第2005/100298号、同第2006/014413号、および同第2006/014357号に記載されたもの)、ナイアシンおよびナイアシン受容体アゴニスト、胆汁酸隔離剤、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、および胆汁酸再接種阻害剤のような他の脂質降下薬物と組み合わせて用いてもよい。これらの組合せ治療は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高脂血症、高トリグリセリド血症、脂質異常症、高LDL、および低HDLからなる群から選択される1つ以上の関連疾患の治療または制御で有効であり得る。
【0153】
投与および用量範囲:
投与のいずれの適当な経路も、哺乳動物、特にヒトに、本発明の化合物の有効な用量を供するのに使用することができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、目、肺、鼻等を使用することができる。投与形態は、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏剤、アエロゾル剤等を含む。好ましくは、式Iの化合物は経口投与される。
【0154】
使用される有効成分の有効な用量は、使用される特定の化合物、投与の態様、治療すべき疾患、および治療すべき疾患の重症度に依存して変化し得る。そのような用量は当業者によって容易に確認され得る。
【0155】
式Iの化合物がそれに対して示される、真性糖尿病および/または高血糖症または高トリグリセリド血症、あるいは他の病気を治療し、または制御する場合、一般的に満足できる結果は、本発明の化合物を、動物体重キログラム当たり約0.1ミリグラム〜約100ミリグラムの日用量にて投与され、好ましくは、単一の日用量として、または1日につき2〜6回の分割容量にて、または徐放形態にて与える場合に得られる。ほとんどの大きな哺乳動物では、合計日用量は約1.0ミリグラム〜約1000ミリグラムである。70kgのヒトの成人の場合には、合計日用量は、一般には、約1ミリグラム〜約500ミリグラムである。特に優れた化合物では、成人ヒトについての用量は0.1mgと低くすることができる。いくつかの場合には、日用量は1gmと高くすることができる。投与計画はこの範囲内に、またはこの範囲の外側でさえ調整して、最適な治療応答を供することができる。
【0156】
経口投与は、通常、錠剤またはカプセル剤を用いて行われるであろう。錠剤およびカプセル剤における用量の例は0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、および750mgである。他の経口形態は同一または同様な用量を有してもよい。
【0157】
医薬組成物:
本発明のもう1つの局面は、式Iの化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、有効成分として式Iの化合物または薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される担体および置き換えられていないまたは他の治療成分を含む。用語「薬学的に許容される塩」は、無機塩基または酸および有機塩基または酸を含めた、薬学的に許容される非−毒性塩基または酸から調製された塩をいう。医薬組成物は、もしプロドラッグが投与されるならば、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含むことができる。
【0158】
いずれかの所与の場合における最も適当な経路は、治療すべきの疾患の性質および重症度に、および有効成分の性質に依存するが、組成物は、経口、直腸、局所、(皮下、筋肉内および静脈内を含めた)非経口、目(眼科)、肺(鼻または頬吸入)、または鼻投与に適した組成物を含む。それらは、便宜には、単位投与形態で存在させることができ、製薬の分野で周知である方法のいずれかによって調製することができる。
【0159】
現実的な使用では、式Iの化合物は、慣用的な医薬調合技術に従って、医薬担体とよく混合させた有効成分として合わせることができる。担体は、投与に望まれる製剤の形態、例えば、経口または(静脈内を含めた)非経口に依存して、種々の形態を取り得る。経口投与形態として組成物を調製するにおいて、例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤のような経口液体製剤の場合には、例えば、水、グリコール、油、アルコール、フレーバー剤、保存剤、着色剤のような通常の医薬媒体を、あるいは例えば、散剤、ハードおよびソフトカプセル剤および錠剤のような経口固体製剤の場合には、澱粉、糖、マイクロクリスタリンセルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、バインダー、崩壊剤等のような担体を使用することができ、固体経口製剤は液体製剤よりも好ましい。
【0160】
投与のその容易性のため、錠剤およびカプセル剤は、最も有利な経口投与単位形態を表し、その場合、固体医薬担体が明白に使用される。望まれるならば、錠剤は、標準的な水性または非水性技術によってコーティングすることができる。そのような組成物および製剤は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含有すべきである。これらの組成物における活性な化合物のパーセンテージは、もちろん、変化するかもしれず、便宜には、該単位の重量の約2パーセント〜約60パーセントの間とすることができる。そのような治療的に有用な組成物における活性な化合物の量は、有効な用量が得られるようなものである。活性な化合物は、例えば、液体点剤またはスプレーとして鼻腔内投与することもできる。
【0161】
錠剤、丸剤、カプセル剤等は、トラガカントガム、アカシア、トウモロコシ澱粉またはゼラチンのようなバインダー;リン酸二カルシウムのような賦形剤;トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、アルギン酸のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;およびスクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味剤を含んでもよい。投与単位形態がカプセル剤である場合、それは、前記したタイプの物質に加えて、脂肪油のような液体担体を含有してもよい。
【0162】
いくつかの場合において、投与されるべき化合物または塩の溶解度に応じて、化合物または塩を、置き換えられていない、あるいはラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリエトキシル化トリグリセリド、および1つ以上の中鎖脂肪酸のモノおよび/またはジグリセリドを含めた、1つ以上の中鎖脂肪酸のトリグリセリドのような油、トリアセチンのような親油性溶媒、親水性溶媒(例えば、プロピレングリコール)、またはこれらの2つ以上の混合物中の溶液として処方するのが有利であろう。界面活性剤(特に、2つ以上の界面活性剤)を含有する液剤は、水との接触に際してエマルジョンまたはミクロエマルジョンを形成するであろう。当該化合物は、ホットメルト押出およびスプレー乾燥のような方法によってアモルファス相としてそれが分散されている水溶性ポリマー中で処方することもでき、そのようなポリマーは、ホモポリマーおよびコポリマーも含めた、酢酸ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMCS)、およびポリビニルピロリドンを含む。
【0163】
種々の他の物質を、コーティングとして、あるいは投与単位の物理的形態を修飾するために存在させてもよい。例えば、錠剤はシェラック、糖または双方でコーティングされてもよい。シロップ剤またはエリキシル剤は、有効成分に加えて、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、色素、およびチェリーもしくはオレンジフレーバーのようなフレーバーを含有してもよい。
【0164】
式Iの化合物は非経口投与することもできる。これらの活性な化合物の液剤または懸濁剤は、界面活性剤、またはヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート80、および中鎖および長鎖脂肪酸のモノおよびジグリセリドのような界面活性剤の混合物と適切に混合された水中で調製することができる。分散剤は、グリコール、液状ポリエチレングリコール、および油中のその混合物中で調製することもできる。貯蔵および使用の通常の条件下で、これらの製剤は、微生物の成長を妨げるために保存剤を含有する。
【0165】
注射用途に適した医薬形態は、滅菌注射液剤または分散剤の即席製剤用の、滅菌水性液剤もしくは分散剤および滅菌粉末を含む。全ての場合において、該形態は滅菌されていなければならず、かつ容易なシリンジ性が存在する程度に流動的でなければならない。それは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコール)、その適当な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒体であり得る。
【0166】
組合せ療法:
式Iの化合物は、それに対して式Iの化合物が有用である病気または疾患の治療または緩和でやはり有用であり得る他の薬物と組み合わせて用いてもよい。そのような他の薬物は、そのために通常用いる経路および量にて、式Iの化合物と同時に、または順次に投与してよい。2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満、代謝症候群、これらの病気に伴う共−病的状態を有する患者の治療においては、1を超える薬物が共通して投与される。本発明の化合物は、通常、これらの疾患のための1つ以上の他の薬物を既に服用している患者に投与することができる。しばしば、該化合物は、患者の血糖レベルが治療に適切に応答していない場合に、メトフォルミン、スルホニル尿素、および/またはPPARアゴニストのような1つ以上の抗糖尿病化合物で治療されつつある患者に投与されるであろう。
【0167】
式Iの化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、そのような他の薬物および式Iの化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が好ましい。しかしながら、組合せ療法は、式Iの化合物および1つ以上の他の薬剤を異なる重複するスケジュールで投与する療法も含む。また、1つ以上の他の有効成分と組み合わせて用いる場合に、本発明の化合物および他の有効成分を、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で用いることができると考えられる。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて、1つ以上の他の有効成分を含有するものを含む。
【0168】
式Iの化合物と組み合わせて投与でき、かつ別々に、または同一の医薬組成物中で投与できる他の有効成分の例は、限定されるものではないが:
(a)グリタゾンおよび非−グリタゾン双方(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、ネトグリタゾン、T−131、LY−300512、LY−818、および国際公開第02/08188号、同第2004/020408号、および同第2004/020409号に開示された化合物)を含めた、PPARガンマアゴニストおよび部分アゴニスト;
(b)メトフォルミンおよびフェンフォルミンのようなビグアニド;
(c)蛋白質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;
(d)シタグリプチン、サキサグリプチン、ビルダグリプチン、およびアログリプチンのようなジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤;
(e)インスリンまたはインスリンミメティックス;
(f)トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、および関連物質のようなスルホニル尿素;
(g)(アカルボーズのような)α−グルコシダーゼ阻害剤;
(h)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522および他のスタチン)、(ii)胆汁酸隔離剤(コレスチラミン、コレスチポール、および架橋されたデキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ナイアシン受容体アゴニスト、ニコチニルアルコール、ニコチン酸、またはその塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体のようなPPARαアゴニスト(ゲンフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレートおよびベータフィブレート)、(v)エゼチミルのようなコレステロール吸収阻害剤、(vi)アバシミブのような、アシルCoA:コレステロールアセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、(vii)トルセトラピブのようなCETP阻害剤、および(viii)プロブコールのようなフェノール性抗酸化剤、のような患者の脂質プロフィールを改良する剤;
(i)ムラグリタザール、テサグリタザール、ファルグリタザール、およびJP−501のようなPPARα/γデュアルアゴニスト;
(j)国際公開第97/28149号に開示されたもののような、PPARδアゴニスト;
(k)フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンチラミン、スビトラミン、オルリスタット、ニューロペプチドYY5阻害剤、MC4Rアゴニスト、カンナビノイド受容体1(CB−1)アンタゴニスト/逆アゴニスト(例えば、リモナバントおよびタラナバント)、およびβアドレナリン作動性受容体アゴニストのような抗−肥満化合物;
(l)理想的な胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(m)アスピリン、非−ステロイド抗−炎症薬物、グルココルチコイド、アズルフィジン、およびシクロオキシゲナーゼ−2(Cox−2)選択的阻害剤のような炎症性疾患で用いるのを意図した剤;
(n)グルカゴン受容体アンタゴニスト;
(o)GLP−1;
(p)GIP−1;
(q)エキセンジン(例えば、エキセナチドおよびリルグラチド)のようなGLP−1アナログおよび誘導体;および
(r)11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(HSD−1)阻害剤;
を含む。
【0169】
前記組合せは、本発明の化合物と、1つの他の活性な化合物のみならず、2つ以上の他の活性な化合物との組合せを含む。非−限定的例は、式Iを有する化合物と、ビグアニド、スルホニル尿素、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、他のPPARアゴニスト、PTP−1B阻害剤、DPP−4阻害剤、およびカンナビノイド受容体1(CB1)逆アゴニスト/アンタゴニストから選択される2つ以上の活性な化合物との組合せを含む。
【0170】
生物学的アッセイ
ソマトスタチンサブタイプ受容体3の生産
SSTR3は、化学合成に関連するもの、および組換え生産に関連するものを含めた、当該分野で周知である技術を用いて生産することができる(例えば、Vincent,Peptide and Protein Drug Delivery,New York,N.Y.,Decker,1990;Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−2002,およびSambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第二版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989参照)。
【0171】
蛋白質を生産するための組換え核酸技術は、蛋白質をコードする組換え遺伝子の細胞への導入、または該遺伝子の生産、および該蛋白質の発現を含む。精製された蛋白質は細胞から得ることができる。別法として、細胞または細胞抽出中での蛋白質の活性を評価することができる。
【0172】
組換え遺伝子は、蛋白質発現のための調節エレメントと共に蛋白質をコードする核酸を含有する。組換え遺伝子は、細胞ゲノム中に存在させることができ、あるいは発現ベクターの一部であり得る。
【0173】
組換え遺伝子の一部として存在させることができる調節エレメントは、蛋白質をコードする配列と天然に結合したもの、および蛋白質をコードする配列と天然で結合していない外因性調節エレメントを含む。外因性プロモーターのような外因性調節エレメントは、特に、宿主中の組換え遺伝子を発現させるのに、または発現のレベルを増加させるのに有用であり得る。一般に、組換え遺伝子に存在させる調節エレメントは転写プロモーター、リボソーム結合部位、ターミネーター、および置換されていないまたは存在するオペレーターを含む。真核生物細胞におけるプロセッシング用の好ましいエレメントはポリアデニル化シグナルである。
【0174】
細胞中での組換え遺伝子の発現は、発現ベクターの使用を介して促進される。好ましくは、発現ベクターは、組換え遺伝子に加えて、宿主中での自律的複製用の複製起点、選択マーカー、限定された数の有用な制限酵素部位、および高コピー数のためのポテンシャルも含有する。発現ベクターの例は、クローニングベクター、修飾されたクローニングベクター、特に設計されたプラスミドおよびウィルスである。
【0175】
所望ならば、特定の宿主中の発現はコドン最適化を介して増強することができる。コドン最適化はより好ましいコドンの使用を含む。異なる宿主でのコドン最適化のための技術は当該分野で周知である。
【0176】
単離されたマウス島細胞におけるSSTR3アンタゴニストによるグルコース依存性インスリン分泌(GDIS)の増強;
膵臓ランゲルハウス島は、LacyおよびKostianovskyの元来の方法(Lacy et al.,Diabetes 16:35−39,1967)の修飾であるコラゲナーゼ消化および不連続フィコールグラジエント分離によって、正常なC57BL/6Jマウス(Jackson Laboratory,Maine)の膵臓から摘出した。該島を、GDISアッセイの前に、RPMI 1640培地(11mMグルコース)中で一晩培養した。
【0177】
GDISを測定するために、島を、まず、(ペトリ皿中の)2mMグルコースを含むクレブス−リンゲル炭酸水素塩(KRB)緩衝液中で30分間プレインキュベートした。該KRB培地は143.5mM Na、5.8mM K、2.5mM Ca2+、1.2mM Mg2、124.1mM Cl、1.2mM PO3−、1.2mM SO2+、25mM CO2−、2mg/mLウシ血清アルブミン(pH7.4)を含有する。次いで、島を96−ウェルプレートに移し(1島/ウェル)、2または16mMグルコース、およびオクトレオチドおよびSST3アンタゴニストのようなテストすべき他の剤を含む200μlのKRB緩衝液中で37℃にて60分間インキュベートした。(Zhou et al.,J.Biol.Chem.278:51316−51323,2003)。インスリンは、市販のキット(ALPCO Diagnostics,Windham,NH)を用いるELISAによってインキュベーション緩衝液のアリコット中で測定した。
【0178】
SSTR結合アッセイ:
全ての5つのサブタイプのSSTRの受容体−リガンド結合アッセイは、従前に報告されているように、96−ウェルフォーマットでクローン化されたヒトソマトスタチン受容体を安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞から単離された膜で行った。(Yang et al.,PNAS 95:10836−10841,1998,Birzin et al.,Anal.Biochem.307:159−166,2002)。SSTR1〜SSTR5用の安定な細胞系は、リポフェクタミンを用いて全ての5つのSSTRについてのDNAで安定にトランスフェクトすることによって発生させた。ネオマイシン−抵抗性クローンを、400μg/mL G418を含有する培地中で選択し、および維持した(Rohrer et al.,Science 282:737−740,1998)。
【0179】
SSTR結合濾過アッセイ:
結合アッセイは、(0.1nMで用いる)ラジオリガンドとしての(3−125I−Tyr11)−SRIF−14、およびPackard Unifilterアッセイプレートを用いて行った。アッセイ緩衝液は、1mM EDTA、5mM MgCl、ロイペプチン(10μg/mL)、ペプスタチン(10μg/mL)、バシトラシン(200μg/mL)、およびアプロチニン(0.5μg/mL)を含む50mM TrisHCl(pH7.8)からなるものであった。CHO−K1細胞膜、放射性標識ソマトスタチン、および未標識テスト化合物を本アッセイ緩衝液中に再懸濁または希釈した。未標識テスト化合物を0.01nM〜10,000nMの濃度の範囲にわたって調べた。化合物についてのKi値は、ChengおよびPrusoffのBiochem Pharmacol. 22:3099−3108(1973)によって記載されているように決定した。
【0180】
SSTR結合シンチレーション近接度アッセイ(SPA):
SSTR3についての受容体−リガンド結合シンチレーション近接度アッセイ(SPA)(N.D.Cook.Drug Discovery Today 1(1996),pp.287−294)は、クローン化ヒトソマトスタチン受容体を安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞から単離した膜で行った。結合アッセイは、SSTR3のためのラジオリガンドとして125I−SS14を用いて384ウェルフォーマットで行った。アッセイ緩衝液は、1mM EGTA、5mM MgCl、ロイペプチン(10μg/mL)、ペプスタチン(10μg/mL)、バシトラシン(200μg/mL)、およびアプロチニン(0.5μg/mL)からなるものであった。CHO−K1細胞膜をSPAビーズに予め結合させ、アッセイ緩衝液中の未標識テスト化合物および放射性標識ソマトスタチンと共にインキュベートした。室温での5時間後に、cpm/ウェルを決定した。テスト化合物を、0.00001nM〜1200nMの濃度の範囲にわたって10点滴定で調べた。パーセント阻害は、最大達成可能値として、DMSOの存在下で結合を用いて各データ点について決定した。結果は4パラメーターフィットを用いてプロットし、最大阻害の50%を反映する屈曲点をIC50として報告した。
【0181】
本発明の化合物、特に、実施例1〜22の化合物はSSTR3結合アッセイでテストし、表1に示されるように、SSTR3に対して600nM〜0.1nMの範囲のKiおよび/またはIC50値を有することが判明し、およびSSTR1、SSTR2、SSTR4、およびSSTR5受容体に対して100nMよりも大きなKiおよび/またはIC50値を有することが判明した。本発明の好ましい化合物は、SSTR3に対して100nM〜0.1nMの範囲のKi/IC50値、およびSSTR1、SSTR2、SSTR4、およびSSTR5受容体に対して100nMよりも大きなKi/IC50値を有することが判明した。
【0182】
SSTR3媒介環状AMP生産の阻害剤を評価するための機能アッセイ:
受容体の機能的活性に対する種々の親和性でもってヒトおよびネズミSSTR3に結合する化合物の効果は、SSTR3発現CHO細胞における、フォルスコリン(FSK)単独、またはFSK+SS−14の存在下でcAMP生産を測定することによって評価した。FSKは、アデニレートシクラーゼを活性化することによってこれらの細胞においてcAMP生産を誘導するように作用し、他方、SS−14は、GTP−結合蛋白質(Gαi)のアルファサブユニットを介して、SSTR3への結合によるSSTR3安定細胞でのcAMP生産、およびアデニレートシクラーゼの引き続いての阻害を抑制する。
【0183】
当該化合物のアゴニズム活性を測定するために、本発明者らは、ヒトまたはマウスSSTR3安定CHO細胞を当該化合物と共に15分間プレインキュベートし、続いて、(当該化合物の継続的存在下で)細胞を3.5μM FSKと共に1時間インキュベートした。インキュベーションの間に生じたcAMPの量を、製造業者の支持に従い、Lance Campアッセイキット(Perkin Elmer,CA)で定量した。本出願に記載した化合物の大部分は、アゴニズム活性を全くまたはほとんど示さない。従って、本発明者らは、各化合物のアゴニズム活性を反映させるために%活性を用いた。%活性化は以下の式で計算した。
【0184】
%活性化=[(FSK−未知)/(FSK−SS−14]×100
化合物の拮抗作用活性を測定するために、本発明者らは、ヒトまたはマウスSSTR3安定CHO細胞を化合物と共に15分間プレインキュベートし、続いて、(化合物の連続的存在下で)細胞を3.5μM FSK+100nMSS−14の混合物と共にインキュベートした。インキュベーションの間に生じたcAMPの量は、やはり、Lance cAMPアッセイで定量した。各化合物の拮抗作用活性は、%阻害(SS−14の作用をブロックするその最大能力)および100nMのSS−14の効果を50%だけ抑制するのに必要なテスト化合物の濃度であるEC50の値の双方によって反映された。各化合物の%阻害は以下の式を用いて計算した。
【0185】
%阻害=[1−(未知cAMP/FSK+SS−14cAMP)]×100
いくつかの場合において、ヒト血清の20%を、機能アッセイの拮抗作用モードの間にインキュベーション緩衝液に含ませて、能力の血清シフトを評価した。
【0186】
本発明の化合物、特に、実施例1〜22の化合物は、SSTR3機能性アンタゴニストアッセイでテストし、表1に示されたように、2.5マイクロモラー未満のEC50値を有することが判明し、および80%を超える阻害を有することが判明した。本発明の好ましい化合物は、SSTR3アンタゴニストアッセイにおいて0.5マイクロモラー未満のEC50値、および80%を超える阻害を有することが判明した。本発明のより好ましい化合物は、SSTR3アンタゴニストアッセイにおいて0.1マイクロモラー未満のEC50値、および85%を超える阻害を有することが判明した。
【0187】
マウスにおけるグルコース耐性テスト:
雄C57BL/6Nマウス(7〜12週齢)をケージ当たり10匹収容し、通常のダイエットげっ歯類固形飼料および水に自由にアクセスさせた。マウスを処理群にランダムに割り当て、4〜6時間絶食させた。ベースライン血中グルコース濃度は、尾傷の血液からグルコメータ−によって決定した。次いで、動物をビヒクル(0.25%メチルセルロース)またはテスト化合物で経口処理した。血中グルコース濃度は処理(t=0分)後の設定された時点に測定し、次いで、マウスを、デキストロースで腹腔内(2〜3g/kg)または経口(3〜5k/kg)挑戦する。陰性対照としてビヒクル−処理マウスの1つの群をセーラインで挑戦する。血中グルコースレベルを、デキストロース挑戦から20、40、60分後に尾出血から決定する。t=0〜t=60分の血中グルコースエクスカーシンプロフィールを用いて、各処理について曲線下面積(AUC)を積分する。各処理についてのパーセント阻害値は、セーライン−挑戦対照に対して正規化されたAUCデータから得られる。同様なアッセイをラットにおいて実施することができる。本発明の化合物は、0.1〜100mg/kgの範囲において経口用量後に活性である。
【0188】
以下のスキームおよび実施例で用いる略語:
aq.:水性;API−ES:大気圧イオン化−電子スプレー(マススペクトルの用語);Ac:アセテート;AcCN;アセトニトリル;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;Buはブチルである;BuLi:n−ブチルリチウム;Celite(商標):珪藻土;CDI:カルボニルジイミダゾール;D:ジューテリウム;d:日;DCM:ジクロロメタン;DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基);DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロイル)カルボジイミド塩酸塩;EPA:エチレンポリアクリルアミド(プラスチック);eq:当量;Etはエチルである;EtOAc:酢酸エチル;EtOH:エタノール;g:グラム;hまたはhr:時間;Hex:ヘキサン;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC:高圧液体クロマトグラフィー;HPLc/MS:高圧液体クロマトグラフィー/マススペクトル;in vacuo:減圧下での回転蒸発;IBX:2−ヨードソ安息香酸:iPrOHまたはIPA:イソプロピルアルコール;IPACまたはIPAc:酢酸イソプロピル;KHMDS:カリウムヘキサメチルジシラジド;L:リットル;LC:液体クロマトグラフィー;LC−MS:液体クロマトグラフィー−マススペクトル;LDA:リチウムジイソプロピルアミド:M:モラー;Me:メチル;MeCN:メチルシアニド;MeI:ヨウ化メチル;MeOH:メタノール;MHz:メガヘルツ;mg:ミリグラム;min:分;mlまたはmL:ミリリットル;mmOL:ミリモル;MPCL:中圧液体クロマトグラフィー;MSまたはms:マススペクトル;MTBE:メチルtert−ブチルエーテル;N:ノーマル;NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラチド;nm:ナノメートル;NBSはN−ブロモスクシンイミドである;NMR:核磁気共鳴;NMM:N−メチルモルホリン;Phはフェニルである;PyBOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;Pd(PPhClは二塩化ビス(トリフェニルホスフィニル)パラジウムである;Rt:保持時間;rtまたはRT:室温;satd.:飽和した;SFC:超臨界液体クロマトグラフィー;TEA:トリエチルアミン;TFA:トリフルオロ酢酸;TFAA:トリフルオロ酢酸無水物;THF:テトラヒドロフラン;TLCまたはtlc:薄層クロマトグラフィー;TosylまたはTs:p−トルエンスルホニル;pTSAおよびTsOH:p−トルエンスルホン酸。
【0189】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法は以下のスキームおよび実施例に示される。出発物質は商業的に入手可能であるか、文献中の公知の方法によって、あるいは示されたように製造される。本発明は、さらに、前記で定義された構造式Iの化合物の調製のためのプロセスを提供する。いくつかの場合において、これまでの反応スキームを行う順序は、反応を促進するために、または望まない反応生成物を回避するために変更してもよい。以下の実施例は説明のみの目的で提供し、開示された発明に対する限定と解釈されるべきではない。全ての温度は、他のことが示されているのでなければ、摂氏℃である。
スキーム1
【0190】
【化12】

本発明の化合物は、L.Poitout et el.,J.Med.Chem.2001,44,1990に記載されたのと同様な方法によって調製し、それはスキーム1に例示されている。置換されたピリジン誘導体AをStilleカップリング条件下で反応させて、ビニルエーテル中間体A2が得られ、これをブロモアセチルピリジンBに変換した。N−Boc−D−トリプトファンCを炭酸セシウムの存在下でブロモメチルケトンBと反応させて、ケト−エーテルDを得た。酢酸アンモニウムとDとの反応は置換されたイミダゾールEに対して環化を行う。p−トルエンスルホン酸での処理によって保護基を除去して、アミンFをビスートシレート塩として得た。ケトンGは、以下のスキーム2に概説された方法によって調製した。アセチルヒドラジドをオルトギ酸トリメチルと反応させて、2−メチル−1,3,4−オキサジアゾールが得られ、これを引き続いてリチウム化し、エトキシ酢酸エチルと反応させて、ケトンGを得た。ピクター−スペングラー(Picter−Spengler反応を介するケトンGとFとの反応により、テトラヒドロ−β−カルボリンがジアステレオマーの混合物として得られ、これを、引き続いて、HPLCによって分離して、所望の異性体Hを得た。
スキーム2
【0191】
【化13】

注目するケトンはスキーム2に概説された方法によって調製される。アシルヒドラジドをオルトギ酸トリメチルと反応させて、2−置換1,3,4−オキサジアゾールを得る。ブチルリチウムでのリチウム化、引き続いて、エトキシ酢酸エチルとの反応により、エトキシメチル(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ケトンGを得る。
【0192】
中間体1
(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンジトシレート
【0193】
【化14】

工程A:2−クロロアセチル−5−フルオロピリジン
200mLのTHF中の2−ブロモ−5−フルオロピリジン(50.0g、284ミリモル)を、室温にて、塩化イソプロピルマグネシウム(THF中の2M、284mL、568ミリモル)に25分間にわたって滴下し、混合物を室温で2時間攪拌した。150mLのTHF中の2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルアセタミド(43.0g、313ミリモル)の溶液を、室温にて、反応混合物に30分間にわたって滴下した。混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、混合物を、500mLの2N HClを含む2000gの氷に注いだ。混合物をエーテルに抽出し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を1Lの温かいヘキサンに溶解させ、数グラムのシリカゲルで処理して、着色した不純物を除去した。次いで、得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮し、氷浴中で30分間冷却した。得られた固体を濾過によって単離して、2−クロロアセチル−5−フルオロピリジンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.53(d,1H)、8.19(dd,1H)、7.60(td,1H)、5.09(s,2H)。
【0194】
工程B:2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバミン酸tert−ブチル
Gordon,T.et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.1993,3,915;Gordon,T.et al.,Tetrahedron Lett.1993,34,1901;およびPoitout,L.et al.,J.Med.Chem.2001,44,2990に記載された手法を用い、2−クロロアセチル−5−フルオロピリジンを2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバミン酸tert−ブチルに変換した。
【0195】
DMF(700ml)中のN−Boc−D−トリプトファン(126g.415ミリモルおよび炭酸カリウム(31.5g、228ミリモル)の混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、2−クロロアセチル−5−フルオロピリジン(72g、415ミリモル)を固体として3分間にわたって何回かに分けて加えた。混合物を一晩攪拌した。次いで、反応を水(3L)に注ぎ、2×2LのEtOAcで抽出した。抽出物を合わせ、水で2回洗浄し、次いで、飽和ブラインで洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、シリカゲルのパッドを通して濾過し、濃縮して、明るい茶色固体が得られ、これを約1Lのエーテル中にトリチュレートし、次いで、氷浴中で冷却した。得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、風乾して、エステル中間体がクリーム色の固体として得られ、これを引き続いての反応で用いた。
【0196】
エステル中間体(133g)を、p−キシレン(2L)中の酢酸アンモニウム(186g)と混合した。反応混合物を、ディーン−シュタルクトラップを取り付けて2時間加熱還流した。次いで、混合物を室温まで冷却し、2LのEtOAcで希釈した。層を分離し、水性層をさらに1.5LのEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水(2×1L)、飽和NaHCO、およびブラインで洗浄し、次いで、NaSO上で乾燥し、約1Lまで濃縮した。2時間放置した後、得られた生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、風乾して、2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバミン酸tert−ブチルをクリーム色粉末として得た。LC−MS:m/e422.4(M+H)(2.49分)。H NMR(500MHz,DMSO−d6):δ12.03(S,1H)、10.75(s,1H)、8.46(s,1H)、7.90(m,1H)、7.67(t,1H)、7.55(m,2H)、7.30(d,1H)、7.14(d,1H)、7.08−6.92(m,4H)、4.91(m,1H)、3.34(m,1H)、3.17(m,1H)、1.33(s,9H)。
【0197】
工程C:2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミン
2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバミン酸tert−ブチル(100g、237ミリモル)をCHCNに加え、5分間攪拌した。全容量が1.6Lとなるまで、さらにCHCNを徐々に加え、続いて、p−トルエンスルホン酸一水和物(149g、783ミリモル)を加えた。混合物を1時間で60℃まで加熱し、次いで、室温まで冷却した。得られた固体を濾過によって分離し、CHCNで洗浄し、風乾して、2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンを得た。LC−MS:m/e422.4(M+H)(2.1.92分)。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.54(s,1H)、8.05−7.97(m,2H)、7.89(td,1H)、7.69(d,4H)、7.43(d,1H)、7.31(d,1H)、7.18(d,4H)、7.10−7.03(m,2H)、6.95(t,1H)、5.03(dd,1H)、3.70−3.59(m,2H)、2.32(s,6H)。
【0198】
中間体2
(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンジトシレート
【0199】
【化15】

工程A:2−(1−エトキシ−エテニル)−5−フルオロ−6−メチル−ピリジン
1,4−ジオキサン(250ml)中の2−ブロモ−5−フルオロ−6−メチルピリジン(25g、132ミリモル)、1−エトキシビニルトリ−l−ブチルスズ(48.9ml、145ミリモル)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(4.62g、6.58ミリモル)の混合物を、窒素下で、一晩で100℃まで加熱した。次いで、反応を室温まで冷却し、溶媒をin vacuoにて除去した。残渣を(ヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントで溶出する)シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、同定されなかった不純物と共に、生成物2−(1−エトキシ−エテニル)−5−フルオロ−6−メチル−ピリジンを得た。この生成物を次の工程で用いた。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.51(dd,1H)、7.28(t,1H)、5.33(d,1H)、4.31(d,1H)、3.96(q,2H)、2.53(d,3H)、1.43(t,3H)。
【0200】
工程B:2−ブロモアセチル−5−フルオロ−6−メチル−ピリジン
THF(200mL)および水(8mL)中の工程Aから得られた2−(1−エトキシ−エテニル)−5−フルオロ−6−メチル−ピリジン(15.3g)の溶液を室温にてN−ブロモスクシンイミド(12.02g)で処理した。10分間攪拌した後、反応をin vacuoにて濃縮した。得られた残渣を、(ヘキサン中の酢酸エチルのグラジエントで溶出する)シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、同定されなかった不純物と共に、2−ブロモアセチル−5−フルオロ−6−メチル−ピリジンを得た。この生成物を次の工程で用いた。H NMR(500MHz,CDCC):δ7.98(dd,1H)、7.44(t,1H)、4.83(s,2H)、2.57(d,3H)。
【0201】
工程C:(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンビス−トシレート塩
中間体1の調製、工程BおよびCについて記載された手法に従って、2−ブロモアセチル−5−フルオロ−6−メチル−ピリジンをN−t−ブチルオキシカルボニル−D−トリプトファンと反応させて、(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンビス−トシレート塩を得た。
【0202】
N−Boc−D−トリプトファン(7.8g、25.6ミリモル)をDMF(40ml)に溶解させ、KCO(1.948g、14.10ミリモル)で処理した。混合物を10分間攪拌し、次いで、20mLのDMF中の2−ブロモアセチル−5−フルオロ−メチル−ピリジン(7.24g、24.35ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。反応を濾過して、固体を捨てた。濾液を水で処理し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥して(NaSO)、残渣を得た。ヘキサン中の5%〜50%酢酸エチルで溶出することによるMPLCによって残渣を精製して、エステル中間体を得た。LC−MS:m/e456.24(M+H)(3.38分、7分方法)。
【0203】
エステル中間体(10g)を酢酸アンモニウム(39.5g、513ミリモル)およびp−キシレン(200ml)で処理し、油浴(160℃)中で4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した。酢酸での水性抽出、続いての、水およびブラインでの洗浄、次いでの乾燥(NaSO)および乾燥により、イミダゾール中間体を得た。中間体1、工程Cについて前記した手法を用い、イミダゾール中間体を(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンビス−トシレート塩を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.02(s,1H)、7.86(dd,1H)、7.81(m,1H)、7.68(d,4H)、7.44(d,1H)、7.32(d,1H)、7.18(d,4H)、7.08(m,2H)6.96(t,1H)、5.02(t,1H)、3.64(m,2H)、2.58(s,3H)、2.32(s,6H);LC−MS:m/e336.12(M+H)(1.35分、4分方法)。
【0204】
中間体3
エトキシメチル5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−4−イルケトン
【0205】
【化16】

工程A:2−メチル−1,3,4−オキサジアゾール
オルトギ酸トリメチル(395mL,3577ミリモル)中の酢酸ヒドラジド(53.0g、715ミリモル)の混合物にp−トルエンスルホン酸一水和物(13.61g、71.5ミリモル)を加えた。混合物を125℃の浴中で加熱した。反応を一晩(16時間)加熱した後、反応を放冷し、約200mLまで濃縮した。得られた残渣を、0〜100%のN−ヘキサン/EtOのグラジエントを用いるフラッシュクロマトグラフィーカラム(Biotage(商標)−65)上で精製して、所望の生成物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ2.57(s,3H)、8.84(s,1H)。
【0206】
工程B:エトキシメチル5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルケトン
THF(100mL)中の2−メチル−1,3,4−オキサジアゾール(5.0g、59.5ミリモル)の攪拌溶液に、N下で、−78℃にて、n−BuLi(23.79mL、59.5ミリモル)を滴下した。1時間後、エトキシ酢酸エチル(10.22g、77ミリモル)を加えた。次いで、反応混合物を−40℃まで温め、2時間攪拌した。次いで、反応混合物を65mLの1.0N HClでクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を水、次いで、ブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、0〜100%のn−ヘキサン/EtOのグラジエントを用いるフラッシュクロマトグラフィーカラム(Biotage(商標)−40M)上で精製して、所望の生成物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ1.27(t,3H)、2.64(s,3H)、3.69(q,2H)、4.88(s,2H)。
【実施例】
【0207】
実施例1および2
【0208】
【化17】

ピリジン(50mL)中のエトキシメチル5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルケトン(中間体3、5.0g、29.4ミリモル)の溶液に、(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンジトシレート(中間体2、20.0g、29.4ミリモル)およびテトラエトキシシラン(13.18mL、58.8ミリモル)を加えた。混合物を80℃の浴中で加熱した。反応を一晩(12時間)加熱した後、反応を放冷し、EtOAcで希釈した。有機層を水(3回)、次いで、ブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濃縮した。溶媒Bが48:50:2 EtO/EtOAc/NHOHであるヘキサン中の0〜100%の溶媒Bのグラジエントを用いる2つのフラッシュクロマトグラフィーカラム(Biotage(商標)−65)上で得られた残渣を精製したが、*位置における異性体の混合物は分離されなかった。次いで、20%(i−プロパノール+0.2%DEA)を用いるChiralpak(商標)ASカラム上のSFCによって、*位置における異性体の混合物を分離して、より速い異性体(異性体A)および遅い異性体(異性体B)を得た。20%(MeOH+0.2%DEA)で溶出する分析SFC Chiralpak(商標)ASカラムでは、より速い異性体はRt=3.44分を有し、より遅い異性体はRt=4.25分を有した。
【0209】
異性体A、実施例1:LCMS m/e=488.19、2.53分;H NMR(500MHz,CDOD):δ1.16(T,3H)、2.53(s,6H)、3.09(m,1H)、3.22(m,1H)、3.60(q,2H)、4.18(1H,dd,J=9.7Hz)、4.23(1H,dd,J=9.8Hz)、4.72(m,1H)、7.03−7.74(m,7H)。
【0210】
異性体B、実施例2:LCMS m/e=488.22、2.54分;H NMR(500MHz,CDOD):δ1.17(t,3H)、2.53(s,3H)、2.55(s,3H)、3.13(m,1H)、3.20(m,1H)、3.59(m,2H)、4.11(1H,dd,J=9.3Hz)、4.17(1H,dd,J=9.2Hz)、4.52(m,1H)、7.03−7.76(m,7H)。
【0211】
表1中の実施例でリストした化合物は、中間体1または中間体2いずれかを適当なケトンと反応させることによって、実施例1および2についての手法に従って調製した。実施例3〜22では、ジアステレオマーの対が得られ、実施例1および2の手法に従って分離した。より活性な異性体についてのデータのみを表1で報告する。
【0212】
【表1】






用語「nd」は決定されなかったことを意味する。
【0213】
ODカラムとは、イソプロパノール/ヘプタン溶媒系を用いるChiralcel(商標)ODカラムをいう。
【0214】
ADカラムとは、イソプロパノール/ヘプタン溶媒系を用いるChiralpak(商標)ADカラムをいう。
医薬処方の実施例
本発明の化合物の経口組成物の具体的な実施対応として、実施例のいずれかの化合物の50mgを、十分に微細な粉砕されたラクトースとで処方して、合計量580〜590mgを供して、サイズOのハードゼラチンカプセルに充填する。
【0215】
本発明の化合物の経口組成物の第2の具体的実施態様として、実施例のいずれかの化合物の100mg、マイクロクリスタリンセルロース(124mg)、カルメロースナトリウム(8mg)、および無水の粉砕されていない二塩基性リン酸カルシウム(124mg)をブレンダー中で徹底的に混合し;次いで、ステアリン酸マグネシウム(4mg)およびフマル酸ステアリルナトリウム(12mg)をブレンダーに加え混合し、混合物を直接的圧縮のために回転錠剤プレスに移す。得られた錠剤は置き換えられないか、あるいは味のマスキングのためにOpadry(登録商標)IIでフィルム−被覆する。
【0216】
当該発明をその特定の実施態様に言及して記載し、説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の変形、修飾および置換をそこでなすことができるのを認識するであろう。例えば、先に記載した好ましい用量の他の有効な用量は、特定の疾患で治療されるヒトの応答性の変動の結果として適用可能であろう。同様に、観察された薬理学的応答は、選択された特定の活性化合物、または医薬担体が存在するか否か、ならびに使用する処方のタイプおよび投与の態様に従って、さらにそれに依存して、変化し得るが、そのような予測される変動または結果の差は、本発明の目的および十指に従って考えられる。従って、本発明は続いての請求の範囲の範囲によってのみ限定され、そのような請求の範囲は合理的に広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
は:
(1)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(2)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(3)−C3−10シクロアルキル、および
(4)−C3−10シクロヘテロアルキル
からなる群から選択され、
ここに、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
は:
(1)−C1−6アルキル、
(2)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、および
(4)−C3−6シクロヘテロアルキル
からなる群から選択され、
ここに、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換されたC1−10アルキル
からなる群から選択され;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換された−C1−8アルキル
からなる群から選択され;
およびRは、各々、独立して:
(1)水素、および
(2)ピリジン
からなる群から選択され、
ここに、ピリジンは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており、ただし、RおよびRの一方はピリジンであって、および他方は水素であり;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換されたC1−10アルキル
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)水素、
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−OCF
(5)−OCHF、および
(6)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換された−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
は:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換されたC1−10アルキル
からなる群から選択され;
10およびR11は、各々、独立して:
(1)水素、および
(2)置換されていないか、または1〜5のフッ素で置換された−C1−4アルキル
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)−C1−6アルキル、
(2)−OC1−6アルキル、
(3)−OH、
(4)−NRS(O)
(5)ハロゲン
(6)−S(O)
(7)−S(O)NR
(8)−NR
(9)−C(O)R
(10)−OC(O)R
(11)オキソ、
(12)−CO
(13)−CN、
(14)−C(O)NR
(15)−NRC(O)R
(16)−NRC(O)OR
(17)−NRC(O)NR
(18)−CF
(19)−OCF、および
(20)−OCHF
からなる群から選択され;
およびRは、各々、独立して:
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
(6)C3−10シクロヘテロアルキル、
(7)C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル−、および
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−
からなる群から選択され、
ここに、RおよびRが水素でない場合、各RおよびRは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
各Rは、独立して:
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
(6)C3−10シクロヘテロアルキル、
(7)C3−10シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル−、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル−、および
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−
からなる群から選択され、
ここに、Rが水素でない場合、各Rは置換されていないか、あるいはRから選択される1〜3の置換基で置換されており;
は:
(1)ハロゲン、および
(2)置換されていないか、あるいは1〜5のフッ素で置換された−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S(O)−C1−4アルキル、
(5)−CN、
(6)−CF
(7)−OCHF、および
(8)−OCF
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S(O)−C1−4アルキル、
(5)−CN、
(6)−CF
(7)−OCHF、および
(8)−OCF
からなる群から選択され;
各Rは、独立して:
(1)−OR
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−S(O)
(5)−S(O)NR
(6)−NR
(7)−C(O)R
(8)−OC(O)R
(9)オキソ、
(10)−CORe、
(11)−CN、
(12)−C(O)NR
(13)−NRC(O)R
(14)−NRC(O)OR
(15)−NRC(O)NR
(16)−CF
(17)−OCF
(18)−OCHF、および
(19)−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
nは0、1、2、3または4であり;および
mは0、1または2である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
、R、R、R、R、R10およびR11が各々水素である請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が、独立して:
(1)水素、および
(2)ハロゲン
からなる群から選択される請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
、R、R、R、R、R、R10およびR11が各々水素である請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が―OC1−6アルキルであり;Rが−C1−6アルキルであり;および各Rが独立して:ハロゲンおよび−C1−6アルキルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
がピリジンであり、ここに、ピリジンは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1、2または3の置換基で置換されている請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
がピリジン−2−イルであり、ここに、ピリジンは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1または2の置換基で置換されている請求項6に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
がピリジン−2−イルであり、ここに、ピリジンは置換されていないか、あるいはC1−6アルキルから独立して選択される1まはた2の基で置換されている請求項6に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が:
(1)5−フルオロ−ピリジン−2−イルおよび
(2)5−フルオロ−6−メチル−ピリジン−2−イル
からなる群から選択される請求項8に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
が:
(1)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(2)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、
(3)−C3−10シクロアルキル、および
(4)−C3−10シクロヘテロアルキル
からなる群から選択され、ここに、アルキル、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルは置換されていないか、あるいは―O−C1−6アルキルから独立して選択される1〜2の置換基で置換されている請求項2に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
R1が:
(1)−CH−O−CHCH
(2)−CH−O−CHCD
(3)−CH−O−CHCH−O−CH
(4)シクロブチル、
(5)シクロヘキシル、
(6)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン
(7)テトラヒドロピラン、および
(8)テトラヒドロフラン
からなる群から選択され、
ここに、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトラヒドロフランは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されている請求項2に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
が−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり、ここに、アルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されている請求項11に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
各Rが、独立して:
(1)−C1−6アルキル、
(2)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、および
(3)−C3−6シクロヘテロアルキル
からなる群から選択され、
ここに、アルキルおよびシクロヘテロアルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されている請求項2に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
が−C1−6アルキルであり、ここに、アルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されている請求項2に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
が:
(1)−CH−O−CHCH
(2)−CH−O−CHCD
(3)−CH−O−CHCH−O−CH
(4)シクロブチル、
(5)シクロヘキシル、
(6)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、
(7)テトラヒドロピランおよび
(8)テトラヒドロフラン
からなる群から選択され、
ここに、アルキル、シクロブチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、テトラヒドロピラン、およびテトロヒドロフランは、置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
、R、R、R、R、R、R10およびR11が各々水素であり;Rがピリジン−2−イルであり、ここに、ピリジンは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1または2の置換基で置換されており;および
が:
(1)−CH
(2)−C(CH
(3)−CH(CH
(4)−CHCH−O−CH
(5)テトラヒドロピラン、
および
(6)テトラヒドロフラン
からなる群から選択され、
ここに、アルキル、テトラヒドロピランおよびテトロヒドロフランは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されている請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
が−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルであり、ここに、アルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されており;
がピリジン−2−イルであり、ここに、ピリジンは置換されていないか、あるいはハロゲンおよびC1−6アルキルから独立して選択される1または2の置換基で置換されており;Rが−C1−6アルキルであり、ここに、アルキルは置換されていないか、あるいはRから独立して選択される1〜3の置換基で置換されている請求項15に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
*でマークされた立体原性炭素原子において示されたR立体化学立体配置を有する構造式II:
【化2】

の請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
【化3】




からなる群から選択される請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
【化4】

からなる群から選択される請求項18に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
【化5】

からなる群から選択される請求項18に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
【化6】

からなる群から選択される請求項18に記載の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
薬学的に許容される担体と組み合わせて、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項23】
それを必要とする哺乳動物において、ソマトスタチンサブタイプ受容体3の拮抗作用に応答する障害、疾患、または病気を治療するための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項24】
該障害、疾患、または病気が:2型糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖症、肥満、脂質障害、代謝症候群、および高血圧からなる群から選択される請求項23に記載の化合物の使用。
【請求項25】
それを必要とする哺乳動物において、2型糖尿病、高血糖症、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、代謝症候群および高血圧を治療するための医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。

【公表番号】特表2013−517272(P2013−517272A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548999(P2012−548999)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/020796
【国際公開番号】WO2011/088025
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】