説明

抗糖尿病性の二環式化合物

二環式の環に縮合したシクロプロピルカルボン酸又はカルボン酸誘導体(例えば、アミド)を含む、三環式化合物(これは、その医薬的に許容される塩及びそのプロドラッグを含む)は、G−タンパク質共役受容体40(GPR40)の作動薬であり、並びに治療用化合物として、特に2型糖尿病の、及びこの疾患としばしば関連される状態(これは、肥満及び脂質障害(例えば、混合性又は糖尿病性の脂質異常症、高脂質血症、高コレステロール血症、及び高トリグリセリド血症)を含む)の、治療において有用である。
【要約図1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二環式の環に縮合したシクロプロピルカルボン酸又はカルボン酸誘導体を含む、三環式化合物(医薬的に許容される塩及びそのプロドラッグを含む)に関し、これは、G−タンパク質共役受容体40(GPR40)の作動薬であり、並びに治療用化合物として、特に2型糖尿病の、及びこの糖尿病としばしば関連される状態(これは、肥満及び脂質障害を含む)の、治療において有用である。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、複合的な原因因子に由来する疾患であり、及び空腹状態における、又は経口的ブドウ糖負荷試験の間のグルコースの投与後の、血漿グルコースのレベルの上昇(高血糖)により特徴づけられる。糖尿病の2つの一般に認識される形態がある。1型糖尿病、あるいはインスリン依存性糖尿病(IDDM)において、患者は殆ど又はまったくインスリン(グルコース利用を調節するホルモン)を産生できない。2型糖尿病、あるいはインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)において、インスリンはなお体内において産生される。2型糖尿病を有する患者は、主なインスリン感受性組織(これは、筋肉、肝臓、及び脂肪組織である)においてグルコース及び脂質代謝を刺激する際にインスリンの影響に耐性を有する。これらの患者はしばしば、インスリンの正常なレベルを有し、そして、彼らは、増加した量のインスリンを分泌することによりインスリンの低減された有効性を補うので、高インスリン血症(血漿インスリンレベルの上昇)を有し得る。インスリン耐性は、インスリン受容体の減少した数により主に生じるのではなく、むしろ未だ完全には理解されていないポスト−インスリン受容体結合欠陥により引き起こされる。このインスリンに対する応答性の喪失は、筋肉におけるグルコースの取り込み、酸化、及び保存の不十分なインスリン媒介性の活性化、並びに脂肪組織における脂肪分解、及び肝臓におけるグルコース産生及び分泌の不十分なインスリン媒介性の抑制を生じる。
【0003】
糖尿病とともに生じる持続性又は非制御性の高血糖は、増加した及び早期の、罹患率及び死亡率と関連づけられる。しばしば異常なグルコース恒常性は、肥満、高血圧、並びに脂質、リポタンパク質、及びアポリポタンパク質代謝の変化、並びに他の代謝及び血行動態の疾患と、直接的及び間接的の両方で、関連づけられる。2型糖尿病を伴う患者は、大血管及び微小血管の合併症(これは、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心臓病、脳梗塞、末梢血疾患、高血圧、腎症、神経障害、及び網膜症を含む)の有意に増加した危険性を有する。それゆえ、グルコース恒常性、脂質代謝、肥満、及び高血圧の治療的制御は、糖尿病の臨床管理及び治療において非常に重要である。
【0004】
インスリン耐性を有する患者はしばしば、X症候群、あるいはメタボリック・シンドロームとして共に言及される、いくつかの症状を有する。1つの広範に使用される定義によれば、メタボリック・シンドロームを有する患者は以下の群の5つの症状:(1)異常な肥満;(2)高トリグリセリド血症;(3)低い高比重リポタンパク質コレステロール(HDL);(4)高血圧;及び(5)上昇した空腹時グルコース(これは、患者がまた糖尿病である場合、2型糖尿病に特徴的な範囲内にあり得る)から選択される3つ以上の症状を有するとして特徴づけられる。これらの症状のそれぞれは、成人の高血中コレステロールの検出、評価、及び治療に対する全米コレステロール教育プログラム専門委員会の第3回目の報告書(Adult Treatment Panel III、あるいはATPIII)、国立衛生研究所、2001年、NIH出版番号01−3670において臨床的に定義される。メタボリック・シンドロームを伴う患者は、彼らが明白な糖尿病を有していても有していなくても、又は発症していても発症していなくても、2型糖尿病とともに生じる、アテローム性動脈硬化症及び冠状動脈性心臓病のような大血管及び微小血管の合併症を発症する増加した危険性を有する。
【0005】
2型糖尿病についていくつかの利用可能な治療があり、そのそれぞれは、それ自身、制限及び潜在的な危険性を有する。運動及び食事摂取のカロリーの減少はしばしば、糖尿病の状態を劇的に改善し、そして2型糖尿病の、及びインスリン耐性と関連される前−糖尿病状態の、通常推奨される第一選択の治療法である。この処置でのコンプライアンスは、十分に確立されたあまり体を動かさない生活形態及び過剰な食糧消費のために、特に高量の脂肪及び炭水化物を含有する食糧のために、非常に不十分である。薬理学的な治療は、病態生理学の3つの分野:(1)肝臓グルコース産生(ビグアニド)、(2)インスリン耐性(PPAR作動薬)、及び(3)インスリン分泌に焦点を当てた。
【0006】
ビグアニドは、2型糖尿病を治療するために広範に使用される1つのクラスの薬物である。2つの最も知られるビグアニドの、フェンホルミン及びメトホルミンは、高血糖のいくらかの是正を引き起こす。ビグアニドは、肝臓のグルコース産生を阻害することにより主に作用し、そしてそれらはまた、インスリン感受性をやや改善すると考えられている。ビグアニドは、単独治療として、又は他の抗糖尿病薬物(例えば、インスリン若しくはインスリン分泌促進剤)との組み合わせにおいて、高血圧の危険性を増加することなく使用され得る。しかし、フェンホルミン及びメトホルミンは、乳酸アシドーシス及び吐き気/下痢を誘導し得る。メトホルミンは、フェンホルミンよりも副作用の低い危険性を有し、そして2型糖尿病の治療のために広範に処方される。
【0007】
グリタゾン(すなわち、5−ベンジルチアゾリジン−2,4−ジオン)は、2型糖尿病の高血糖及び他の症状を緩和し得る新規なクラスの化合物である。現在市販されるグリタゾン(ロシグリタゾン及びピオグリタゾン)は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ガンマサブタイプの作動薬である。PPAR−Aガンマ作動薬は、2型糖尿病のいくつかの動物モデルにおける筋肉、肝臓、及び脂肪組織中で、インスリン感受性を実質的に増加し、低血糖症の発生を伴わずに、上昇した血漿グルコースレベルの部分的な又は完全な補正を生じる。PPAR−ガンマ作動薬は、グリタゾンで治療されるヒト患者において観察される、改善したインスリン感作を担うと考えられる。新規なPPAR作動薬が現在開発されている。より最新のPPAR化合物の多くは、1つ以上のPPARアルファ、ガンマ、及びデルタのサブタイプの作動薬である。PPARアルファ及びPPARガンマの両方のサブタイプの作動薬である化合物(PPARアルファ/ガンマ二重作動薬)が創製され、そして試験されたが、これまでのところ、どれも規制当局により承認されていない。現在市販のPPARガンマ作動薬は血漿グルコース及びヘモグロブリンA1Cを減少することにおいてそこそこ効果的である。現在市販の化合物は、脂質代謝を非常には改善しないが、脂質状態に対するネガティブな効果を実質的に有し得る。選択的なPPARガンマ部分作動薬(SPPARM)が現在開発されており、等しく有効であり得、体重増加及び浮腫のような副作用がより少ない。従って、PPAR化合物は糖尿病治療において重要な進歩を示す。
【0008】
別の広範に使用される薬物処置は、スルホニル尿素のようなインスリン分泌促進剤(例えば、トルブタミド及びグリピジド)の投与を包含する。これらの薬物は、膵臓β−細胞を刺激してより多くのインスリンを分泌することにより、インスリンの血漿レベルを増加させる。膵臓β細胞におけるインスリン分泌は、グルコース、並びに一連の代謝、神経、及びホルモンのシグナルによる厳密な調節下にある。グルコースは、その代謝を介して、インスリンの産生及び分泌を刺激して、ATP及び他のシグナル伝達分子を生成し、一方、他の細胞外シグナルは、血漿膜上のGPCRの存在を介して、インスリン分泌の増強因子又は阻害因子として作用する。スルホニル尿素及び関連のインスリン分泌促進剤は、β−細胞におけるATP−依存性のK+チャンネルをブロックすることにより作用し、これは細胞の脱分極化及び電圧依存性のCa2+チャンネルの開口を引き起こし、インスリン放出の刺激を伴う。この機構は、グルコース非依存性であり、従ってインスリン分泌は周囲のグルコースレベルにかかわらず生じ得る。このことは、グルコースレベルが低い場合であってもインスリン分泌を引き起こし得、低血糖を生じ、これは重篤な場合において致死的であり得る。それゆえ、インスリン分泌促進剤の投与は、注意深く制御されなくてはならない。インスリン分泌促進剤はしばしば、2型糖尿病の第一選択の薬物治療として使用される。
【0009】
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−4)阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デナグリプチン、及びサクサグリプチン)は、食料消費に応答してインスリン分泌を増加するための新規な経路を提供する。ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−4)は、広範な組織分布を伴う細胞表面タンパク質であり、広範な生物学的機能に関与している。DPP−4は、T細胞活性化マーカーCD26に同一であり、そして多くの免疫調節性の、内分泌性の、及び神経学的なペプチドをインビトロで切断し得る。インクレチンであるGLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)及びGIP(グルコース依存性インスリン分泌促進ペプチド;胃抑制ペプチドとしてもまた知られる)はインスリン分泌を刺激し、そしてDPP−4によりインビボで迅速に不活化される。これらのペプチジルホルモンは、小腸の上皮に位置した内分泌細胞により分泌される。これらの内分泌細胞が消化管の管腔におけるグルコースの濃度の増加を感知すると、これらはインクレチン放出についての誘発因子として作用する。インクレチンは、膵臓におけるβ細胞への循環を介して運搬され、そして消化食事から生じる血中グルコースの増加を見越して、β細胞により多くのインスリンを分泌させる。DPP−4(−/−)欠損マウスでの研究、及びDPP4阻害剤での臨床治験は、DDP−4阻害は、GLP−1及びGIPの定常状態の濃度を増加し、改善した耐糖能を生じることを示す。DPP−4によるこれらのペプチドの不活性化は、グルコース恒常性においてある役割を果たす。それゆえ、DPP−4阻害剤は、2型糖尿病の治療において、並びに2型糖尿病にしばしば付随する多数の状態(これは、メタボリック・シンドローム、反応性低血症、及び糖尿病性脂質異常症を含む)の治療及び予防において、有用性を有する。GLP−1は、血中グルコースを低くすることを助け、そしてグルコース恒常性に寄与する、他の効果を有する。GLP−1は、肝臓からのグルカゴン分泌を阻害する。グルカゴンは、肝臓中のグリコーゲン保存からのグルコース産生を刺激することにより血中グルコースレベルを増加するホルモンである。GLP−1はまた、胃の空腹化を遅延し、これは経時的にグルコース吸収が広がることを助け、従って高血糖を制限する。また、動物における研究は、GLP−1が、β細胞の数を、増殖を促進することを介して、又はアポトーシスを阻害することによるかのいずれかで、増加し得ることを示した。従って、GLP−1作用の、その分解を妨げることによる増強作用は、2型糖尿病と関連した高血糖を軽減するためのいくつかの機構を提示する。
【0010】
グルコース依存性のインスリン分泌により制御される膵島ベースのインスリン分泌が新たに注目されている。このアプローチはβ細胞機能の安定化及び修復についての可能性を有する。この点に関して、いくつかのオルファンG−タンパク質共役受容体(GPCR)が近年同定され、これはβ−細胞において優先的に発現され、そしてグルコース刺激性インスリン分泌(GSIS)に関与している。GPR40は、ヒト(及びげっ歯類)膵島において、並びにインスリン分泌細胞株において、高度に発現される細胞表面GPCRである。長鎖脂肪酸(FA)及び合成化合物(これは、PPARγ作動薬のチアゾリジンジオンのいくつかのメンバーを含む)に対するいくつかの天然に存在する媒体が、近年、GPR40についてのリガンドとして同定された(Itoh,Y.ら、Nature.422:173[2003];Briscoe,C.P.ら、J.Biol.Chem.278:11303[2003];Kotarsky,Kら、Biochem.Biophys.Res.Comm.301:406[2003])。高血糖状態下、GPR40作動薬は膵島からのインスリンの放出を増加し得る。この応答の特異性は、siRNAによるGPR40活性の阻害が、GSISのFA誘導性の増幅を軽減することを示す結果により示唆される。これらの知見は、インスリン放出を促進すると考えられるFAの脂質誘導体の細胞内産生に加えて、FA(及び他の合成GPR40作動薬)はまた、FA誘導性インスリン分泌を媒介することにおいてGPR40に結合する細胞外リガンドとして作用するかもしれないということを示す。2型糖尿病の治療のための可能性のある標的としての、GPR40のいくつかの潜在的な利点がある。第一に、GPR40媒介性のインスリン分泌はグルコース依存性であるので、低血糖症の危険性は殆ど又は全くない。第二に、GPR40の制限される組織分布(おもに膵島において)は、他の組織におけるGPR40の活性と関連した副作用が少ないことを示唆する。第三に、膵島において活性であるGPR40作動薬は、膵島機能を修復又は保存する可能性を有し得る。このことは非常に有利である。なぜなら、長期間の糖尿病治療はしばしば、膵島活性の漸減を導き、従って長期間の治療後に、2型糖尿病の患者を、毎日のインスリン注射で処置することがしばしば必要であるからである。膵島機能を修復及び保存することにより、GPR40作動薬は、2型糖尿病患者における膵島機能の低減及び喪失を遅延又は予防するかもしれない。
【発明の開示】
【0011】
発明の要旨
本明細書において記載される化合物のクラスは、GPR40作動薬の新規なクラスである。この化合物はGPR40作動薬により調節される疾患(これは、2型糖尿病、2型糖尿病又は前糖尿病インスリン耐性と関連され得る高血糖症、及びまた肥満を含む)の治療において有用である。
【0012】
本発明は、式Iの化合物、又は医薬的に許容されるその塩に関し、その個々のジアステレオマー及びエナンチオマー、並びにそのジアステレオマー及び/又はエナンチオマーの混合物を含む:
【0013】
【化1】

【0014】
式Iにおいて、Arは、フェニル、ナフチル、5員ないし6員の単環式の芳香族複素環(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)、及びベンゾ芳香族複素環基(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する、5員ないし6員の芳香族複素環に縮合したフェニル基を含んでなる)からなる群より選択される。
【0015】
式Iにおいて、Arは、フェニル、フェノキシ、ベンジル、及び5員ないし6員の芳香族複素環(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)から独立に選択される1個ないし2個の芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−SC1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−OC(=O)C1−6アルキル、−C(=O)OC1−6アルキル、−S(O)1−6アルキル、−NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし5個の置換基で置換されていてもよく、ここで(a)C1−6アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びにOH及び−OC1−4アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、(b)−C3−6シクロアルキルは、すべての場合において、ハロゲン及びCHから独立に選択される1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、並びに(c)芳香族置換基であるフェニル、フェノキシ、ベンジル、及び5員ないし6員の芳香族複素環(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−SC1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−OC(=O)C1−6アルキル、−C(=O)OC1−6アルキル、−S(O)1−6アルキル、NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及び−O(CH)q(4員ないし6員の複素環(これは、O、S、及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する))から独立に選択される1個ないし5個の基で置換されていてもよく、ここでC1−6アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びにOH及び−OC1−4アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、並びに4員ないし6員の複素環(これは、O、S,及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する)は、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよく;
Xは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−、−OCR1011−、−SCR1011−、−NRCR1011−、−CR1011O−、−CR1011S−、−CR1011NR−、及びCRCRO−からなる群より選択され;
Yは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−、−C(=O)−、−CR−、−OCR−、−SCR−、及び−CRCR−からなる群より選択され;
Zは、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立にH、ハロゲン、C1−3アルキル、及び−OC1−3アルキルからなる群より選択され、ここでC1−3アルキル及び−OC1−3アルキルはそれぞれ1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく;
は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−SC1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−OC(=O)C1−6アルキル、−C(=O)OC1−6アルキル、−S(O)1−6アルキル、−NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、及び−S(O)NR1314からなる群より選択され、ここでC1−6アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく;
、R13、及びR14は、それぞれ独立にH、C1−5アルキル、−C(=O)C1−5アルキル、及び−S(O)1−5アルキルからなる群より選択され、ここでC1−5アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく;
、R、R、R、R10、及びR11は、それぞれ独立にH、ハロゲン、−OH、及びC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択され;
12は、H及びC1−7アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)からなる群より選択され;
pは、0ないし3の整数であり;並びに
qは、0又は1である。
【0016】
アルキル基は、別に定義されていない限り、アルコキシのような他の置換基のアルキル部分を含み、直鎖又は分枝している。
【0017】
発明の詳細な記載
本発明は多数の実施態様を有し、これは以下にまとめられる。本発明は、明細書に示されるような化合物を包含し、そしてまた化合物の個々のジアステレオマー、エナンチオマー、及びエピマー、並びにそのジアステレオマー及び/又はエナンチオマーの混合物(ラセミ混合物を含む)を包含する。本発明はまた、該化合物の医薬的に許容される塩、並びに該化合物と医薬的に許容される担体とを含んでなる医薬組成物を包含する。該化合物は特に、インスリン耐性、2型糖尿病、並びに2型糖尿病及びインスリン耐性と関連づけられる脂質異常症を治療するにおいて有用である。
【0018】
1つの実施態様は、式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩に関し、ここでArは、フェニル、ナフチル、5員ないし6員の単環式の芳香族複素環基(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)からなる群より選択され、
ここでArは、フェニル、フェノキシ、及び5員ないし6員の芳香族複素環(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)から選択される1つの芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−5アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−3アルキル、−SC1−3アルキル、−C(=O)C1−3アルキル、−OC(=O)C1−3アルキル、−C(=O)OC1−3アルキル、−S(O)1−3アルキル、−NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで(a)C1−3アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、(b)C1−5アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、(c)−C3−6シクロアルキルは、すべての場合において、ハロゲン及びCHから独立に選択される1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、並びに(d)フェニル、フェノキシ、及び5員ないし6員の芳香族複素環(これはN、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)から選択される芳香族置換基は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−5アルキル、−OC1−3アルキル、−SC1−3アルキル、−C(=O)C1−3アルキル、−OC(=O)C1−3アルキル、−C(=O)OC1−3アルキル、−S(O)1−3アルキル、NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及びO(CH)q(4員ないし6員の複素環(これは、O、S、及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する))から独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−3アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びにOH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、−C1−5アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに4員ないし6員の複素環(これは、O、S,及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する)は、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい。
【0019】
別の実施態様は、式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩に関し、ここでArは、フェニル、ナフチル、キノリル、ピリジル、及びチアゾイルからなる群より選択され、これは、フェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルから選択される1つの芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、−OC1−2アルキル、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−4アルキル及び−OC1−2アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに置換基であるフェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルは、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)OH、C1−4アルキル、−OC1−4アルキル、及び−O(CH)q(4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−4アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、そして4員ないし6員の環状エーテルは、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい。4員ないし6員の環状エーテルはモノエーテルを意味する。例としては、オキセタン、テトラヒドロフラン、及びテトラヒドロピランである。
【0020】
上記のような化合物のサブグループにおいて、R、R、及びRは、それぞれ独立にH、F、Cl、C1−3アルキル、及びCFからなる群より選択される。
【0021】
上記のような化合物のサブグループにおいて、Rは、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−4アルキル、−OC1−4アルキル、−C(=O)C1−4アルキル、及び−NR1314からなる群より選択され、ここでC1−4アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい。
【0022】
上記のような化合物のサブグループにおいて、Rは、H、C1−3アルキル、及び−C(=O)C1−3アルキルからなる群より選択され、ここでC1−3アルキル及び−C(=O)C1−3アルキルは、1個ないし5個のFで置換されていてもよい。
【0023】
上記のような化合物のサブグループにおいて、R、R、及びR10は、それぞれ独立にH、−OH、及びCHからなる群より選択される。
【0024】
上記のような化合物のサブグループにおいて、R、R、及びR11は、それぞれ独立にH及びCHからなる群より選択される。
【0025】
上記のような化合物のサブグループにおいて、R13及びR14は、それぞれ独立にH、C1−5アルキル、及び−S(O)1−5アルキルからなる群より選択される。
【0026】
上記のような化合物のサブグループにおいて、pは、0又は1である。
【0027】
式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩のサブグループにおいて、
Xは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−CHR11O−、−CHNH−、−CHCHO−、及び−OCH−からなる群より選択される。
【0028】
上記のようなサブグループにおいて、Yは、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−OCH−、−C(=O)−、−CHR−、−NR−、及び−CHCH−からなる群より選択される。
【0029】
上記のようなサブグループにおいて、Zは、−C(=O)OR12及び−C(=O)NR1314からなる群より選択される。
【0030】
上記のようなサブグループにおいて、R、R、及びRは、それぞれ独立にH、CH、及びCFからなる群より選択される。
【0031】
上記のようなサブグループにおいて、Rは、ハロゲン、CH、及びCFからなる群より選択される。
【0032】
上記のようなサブグループにおいて、Rは、H及びCHからなる群より選択される。
【0033】
上記のようなサブグループにおいて、Rは、H及び−OHからなる群より選択される。
【0034】
上記のようなサブグループにおいて、R11は、H及びCHから選択される。
【0035】
上記のようなサブグループにおいて、R12は、H及びC1−5アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)からなる群より選択される。
【0036】
上記のようなサブグループにおいて、R13は、H、C1−3アルキル、及び−S(O)1−3アルキルからなる群より選択される。
【0037】
上記のようなサブグループにおいて、R14はHである、
【0038】
上記のようなサブグループにおいて、pは0である。
【0039】
好ましいサブグループは、式Iの化合物を含んでなり、ここで
Arは、フェニル、ナフチル、ピリジル、及びチアゾリルからなる群より選択され、並びにArはフェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルから選択される1つの芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、−OC1−2アルキル、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−4アルキル及び−OC1−2アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、そして置換基であるフェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルは、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、C1−3アルキル、−OC1−3アルキル、及び−O(CH)q(4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−3アルキルは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく、及び−OC1−3アルキルは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく、並びにOH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、並びに4員ないし6員の環状エーテルは、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよく;
Xは、−O−、−CHR11O−、−CHNH−、−OCH−、及び−CHCHO−からなる群より選択され;
Yは、−S−、−S(O)−、−O−、−OCH−、−C(=O)−、−CHR−、及び−CHCH−からなる群より選択され;
Zは、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立にH及びCHからなる群より選択され;
は、H及びOHからなる群より選択され;
11は、H及びCHから選択され;
12は、Hであり;
13は、H、C1−3アルキル、及び−S(O)1−3アルキルからなる群より選択され;
14は、Hであり;
pは、0であり;並びに
qは、0又は1である。
【0040】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Zは、−C(=O)OR12及び−C(=O)NR1314からなる群より選択される。
【0041】
化合物の好ましいサブグループにおいて、Arは、1個ないし3個の置換基で置換される。
【0042】
化合物の好ましいサブグループにおいて、pは0である。
【0043】
明細書中に記載される化合物のサブグループにおいて、Arは、
(a)フェニル(これは、ハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、−OC1−2アルキル、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−4アルキル及び−OC1−2アルキルは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく;並びに(i)フェニル(これは、ハロゲン、−CN、−NO、CH、−OCH、CF、−OCF、−OCHF、−OCHCHOC1−2アルキル、及び−O(CH)q(オキセタン及びテトラヒドロピランから選択される4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで4員ないし6員の環状エーテルは、ハロゲン、CH、及びCFから選択される1個の基で置換されていてもよい);(ii)フェノキシ(これは、CH、CF、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよい);並びに(iii)1,2,4−オキサジアゾール−3−イル(これは、1個ないし2個のCH基で置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよい);
(b)ナフチル(これは、CH、CF、ハロゲン、及び−CNから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい);
(c)ピリジル(これは、CH、CF、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい);並びに
(d)1,3−チアゾール−5−イル(これは、フェニル、CH、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし2個の置換基で置換されていてもよい)からなる群より選択される。
【0044】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Xは、−O−、−CHO−、−CH(CH)O−、−CHCHO−、−CHNH−、及び−OCH−からなる群より選択される。
【0045】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Yは、−S−、−S(O)−、−O−、−OCH−、−C(=O)−、−CH(OH)−、−CH−、及び−CHCH−からなる群より選択される。
【0046】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Zは、−C(=O)OH、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択される。
【0047】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Zは、−C(=O)OH及び−C(=O)NR1314からなる群より選択される。
【0048】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、R、R、及びRは、それぞれ独立にH及びCHからなる群より選択される。
【0049】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、R13は、H、C1−3アルキル、及びS(O)1−3アルキルからなる群より選択される。
【0050】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、R14は、Hである。
【0051】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、pは、0である。
【0052】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Arは、フェニル(これは、ハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、CF、−OCF、−OCHF、−OC1−2アルキル、及び−O−シクロプロピルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよい)であり;並びに(i)フェニル(これは、ハロゲン、−CN、−NO、CH、−OCH、CF、−OCF、−OCHCHOC1−2アルキル、及び−O(CH)q(オキセタン及びテトラヒドロピランから選択される4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで4員ないし6員の環状エーテルは、CH、及びCFから選択される1個の基で置換されていてもよい);(ii)フェノキシ(これは、CH、CF、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよい);並びに(iii)1,2,4−オキサジアゾール−3−イル(これは、1個ないし2個のCH基で置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよい。
【0053】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Xは、−O−及び−CHO−からなる群より選択される。他のサブグループにおいて、Xは、Oである。
【0054】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Yは、Oである。
【0055】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Zは、−C(=O)OH及び−C(=O)NR1314からなる群より選択される。他のサブグループにおいて、Zは−C(=O)OHである。
【0056】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、R13は、H、CH、及び−S(O)CHからなる群より選択される。
【0057】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、R14は、Hである。
【0058】
本明細書において記載される化合物のサブグループにおいて、Arは、フェニル(これは、ハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、CF、−OCF、−OCHF、−OC1−2アルキル、及び−O−シクロプロピルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよい)であり、並びに1つのフェニル基(これは、ハロゲン、−CN、−NO、CH、−OCH、CF、−OCF、−OCHCHOC1−2アルキル、及び−O(CH)q(オキセタン及びテトラヒドロピランから選択される4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよい)で置換されていてもよく、ここで4員ないし6員の環状エーテルは、CH、及びCFから選択される1個の基で置換されていてもよい。
【0059】
上記の特定の立体化学が好ましいが、他の立体異性体(ジアステレオマー、エナンチオマー、エピマー、及びこれらの混合物を含む)もまた、GPR40媒介性疾患を治療することにおける有用性を有し得る。不活性な又は活性が低いジアステレオ異性体及びエナンチオマーは、受容体及び活性化の機構に関する科学的研究に有用である。
【0060】
特定の化合物の構造、及び合成法、及び化合物を調製するためのスキームは以下の実施例において開示される。合成の詳細が実施例において提供されない場合、該化合物は、医化学又は合成有機化学の当業者により、本明細書において提供されるスキーム及び合成情報を適用することにより、容易に調製される。立体化学的な中心が規定されない場合、構造はその不斉中心における立体異性体の混合物を示す。このような化合物について、個々の立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)はまた、本発明の化合物である。本発明の化合物は、医薬的に許容される塩を包含する。
【0061】
本発明の化合物は、(a)該化合物又はその医薬的に許容される塩、及び(b)医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物において使用されていてもよい。本発明の化合物は1つ以上の他の活性な医薬成分を含む医薬組成物において使用されていてもよい。本発明の化合物はまた、式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩が唯一の活性成分である医薬組成物において使用されていてよい。
【0062】
式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩は、ヒト又は他の哺乳動物患者における2型糖尿病の治療のための薬剤の製造において使用されてもよい。
【0063】
2型糖尿病を治療する方法は、かかる処置は必要な患者へ、式Iの化合物、若しくはその医薬的に許容される塩、又は該化合物を含んでなる医薬組成物の治療上有効量を投与することを含む。式Iの化合物の他の医療的用途は以下に記載される。
【0064】
定義
「Ac」はアセチルであり、これはCHC(=O)−である。
【0065】
「アルキル」は、炭素鎖が別に定義されない限り、直鎖状であってもよく、又は分枝されていてもよく、又はその組み合わせであってもよい、飽和炭素鎖を意味する。接頭辞「alk」(例えば、アルコキシ(alkoxy)及びアルカノイル(alkanoyl))を有する他の基はまた、炭素鎖が別に定義されない限り、直鎖状であってもよく、又は分枝されていてもよく、又はその組み合わせであってもよい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペプチル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。
【0066】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭素鎖を意味し、及びこれは、別に定義されない限り、直鎖状であってもよく、又は分枝されていてもよく、又はその組み合わせであってもよい。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル,2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが挙げられる。
【0067】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む炭素鎖を意味し、及びこれは、別に定義されない限り、直鎖状であってもよく、又は分枝されていてもよく、又はその組み合わせであってもよい。アルキニルの例としては、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどが挙げられる。
【0068】
「シクロアルキル」は、飽和炭素環を意味し、特定された数の炭素原子を有する。用語は又、アリール基に縮合した炭素環を記載するために使用されてもよい。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。シクロアルケニル環は環中に二重結合を含む。
【0069】
「アリール」は、一般に、炭素環式芳香族構造を言及するために使用される。最も一般的なアリール基は、フェニル及びナフチルである。フェニルは、概して、最も好ましいアリール基である。
【0070】
「複素環」は、N、S、及びOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、飽和又は部分的不飽和環又は環系を意味し、ここでヘテロ原子の数及び環の大きさ、並びに不飽和の程度(もしあれば)は、本明細書において定義される。複素環の例としては、テトラヒドロフラン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、オキセタン(4員の環状エーテル)、及びテトラヒドロピラン(6員の環状エーテル)が挙げられる。
【0071】
「ヘテロアリール」は、本明細書においてより具体的に定義されるように、N、O、及びS(SO及びSOを含む)から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む芳香族複素環を意味する。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル(S−オキシド及びジオキシドを含む)、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリル、キナゾリニル、ジベンゾフラニルなどが挙げられる。
【0072】
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられる。
【0073】
「Me」はメチルを表す。
【0074】
用語「医薬的に許容される」は、適切な医学的判断を使用して、及び全ての適用される政府規制に従って、ヒト又は動物への投与に安全及び適切である、該化合物、材料、組成物、塩、及び/又は投薬形態を言及するために本明細書において用いられる。
【0075】
用語「組成物」は、医薬組成物におけるように、活性成分と、担体を構成する不活性成分とを含んでなる生成物、及び任意の2つ以上の成分の組み合わせ、錯体形成、若しくは凝集から、又は1つ以上の成分の解離から、又は1つ以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用から、直接的に又は間接的に、得られる任意の生成物を包含する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の組成物と、医薬的に許容される担体とを混合することにより調製される任意の組成物を包含する。
【0076】
置換基「テトラゾール(テトラゾリル)」は、2H−テトラゾール−5−イル置換基及びその互変異体を意味する。
【0077】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異体
式Iの化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでもよく、従ってラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、並びにジアステレオマー及び/又はエナンチオマーの混合物として存在してもよい。本発明は、式Iの化合物のすべてのこのような異性体形態を含むことが意図される。具体的には、本発明の化合物は、少なくとも3つの不斉中心を有する。さらなる不斉中心が、分子上の種々の置換基の性質に依存して存在してもよい。混合物中の、及び純粋な又は部分的に精製された化合物としての、すべての可能性のある光学異性体、立体異性体、及びジアステレオマーが、本発明の範囲内に含まれることが意図される(すなわち、純粋な化合物としての、又は混合物中の、不斉中心のすべての可能性のある組み合わせ)。
【0078】
本明細書において記載される化合物のいくつかは、オレフィン二重結合を含んでもよく、そして別途特定されない限り、E及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0079】
本明細書において記載される化合物のいくつかは、水素の結合の異なる点を伴って存在してもよく、互変異体と言及される。例は、ケトン及びそのエノール形態であり、ケト−エノール互変異体として知られる。個々の互変異体及びその混合物が、式Iの化合物とともに包含される。
【0080】
1つ以上の不斉中心を有する式Iの化合物は、当該技術分野において周知の方法によりジアステレオ異性体、エナンチオマーなどに分離し得る。
【0081】
あるいは、エナンチオマー及びキラル中心を有する他の化合物は、光学的に純粋な出発材料及び/又は公知の配座の試薬を使用する立体特異的合成により、合成されてもよい。
【0082】

用語「医薬的に許容される塩」は、医薬的に許容される非毒性の塩基又は酸(これは、無機塩基又は有機塩基、及び無機酸又は有機酸を含む)から調製される塩を言及する。無機塩基に由来する塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などをが挙げられる。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウムの塩である。固体形態における塩は、1つよりも多い結晶構造において存在してもよく、及びまた水和物の形態にあってもよい。医薬的に許容される有機非毒性塩基に由来する塩としては、第一、第二、及び第三アミン、置換アミン(これは、天然に存在する置換アミンを含む)、環状アミンの塩、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなど)が挙げられる。
【0083】
本発明の化合物が塩基性である場合、又はこれがその構造において塩基性の置換基を有する場合、塩は、医薬的に許容される非毒性の酸(無機酸及び有機酸を含む)から調製されてもよい。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。特に好ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、及び酒石酸である。
【0084】
本明細書において使用する、式Iの化合物に対する言及は、医薬的に許容される塩をまた含むことが意図される。
【0085】
代謝物−プロドラッグ
本発明は治療的に活性な代謝物を包含し、ここで代謝物自体は請求の範囲内にある。本発明はまた、プロドラッグを包含し、これはそれらが患者に投与されるときに、又はそれらが患者に投与された後に、請求の範囲の化合物に変換される化合物である。いくつかの場合において、本出願の請求の範囲の化学構造は、それ自身プロドラックであってもよい。
【0086】
有用性
本明細書において記載される化合物は、GPR40受容体の強力な作動薬である。該化合物、及びその医薬的に許容される塩は、GPR40受容体リガンドにより調節される疾患の治療において有効であってもよく、これは一般に作動薬である。これらの疾患の多くは以下にまとめられる。
【0087】
1つ以上の以下の疾患は、式Iの化合物又はその医薬的に受容される塩の治療上有効量を、かかる処置の必要な患者へ投与することにより、治療され得る。また、式Iの化合物は、1つ以上のこれらの疾患を治療するための薬剤の製造のために使用されてもよい:
(1)インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病);
(2)高血糖症;
(3)メタボリック・シンドローム;
(4)肥満;
(5)高コレステロール血症;
(6)高グリセロール血症(トリグリセリド高含有リポタンパク質の上昇したレベル);
(7)混合性又は糖尿病性の脂質異常症;
(8)低HDLコレステロール;
(9)高LDLコレステロール;
(10)高アポBタンパク質血症;及び
(11)アテローム性動脈硬化症。
【0088】
該化合物の好ましい使用は、かかる処置の必要な患者に、治療上有効量を投与することによる、1つ以上の以下の疾患の治療についてである。該化合物は、1つ以上のこれらの疾患の治療のための薬剤を製造するために使用されてもよい:
(1)2型糖尿病、及び特に2型糖尿病と関連される高血糖症;
(2)メタボリック・シンドローム;
(3)肥満;及び
(4)高コレステロール血漿。
【0089】
該化合物は、糖尿病患者において、並びに耐糖能異常を有するか、及び/又は前糖尿病状態にある、非糖尿病患者において、グルコース及び脂質を低下するのに有効であると期待される。該化合物は、高インスリン血症(これはしばしば糖尿病又は前糖尿病患者において生じる)を、これらの患者においてしばしば生じる血清グルコースのレベルにおける揺れを調節することにより、改善し得る。該化合物はまた、インスリン耐性を治療又は減少するにおいて有効であってもよい。該化合物は妊娠性糖尿病を、治療する、又は予防するにおいて有効であってもよい。
【0090】
本明細書において記載されるような化合物、組成物、及び薬剤はまた、メタボリック・シンドロームと関連した有害な続発症の危険性を減少することにおいて、並びにアテローム性動脈硬化症を発症する危険性を減少し、アテローム性動脈硬化症の発症を遅延し、及び/又はアテローム性動脈硬化症の続発症の危険性を減少することにおいて、有効であってもよい。アテローム性動脈硬化症の続発症としては、狭心症、跛行、心臓発作、脳梗塞などが挙げられる。
【0091】
高血糖をコントロールし続けることによって、該化合物はまた、血管再狭窄及び糖尿病性網膜症を、遅延する、又は予防するのに有効であってもよい。
【0092】
脳中のインスリン及びインスリン様増殖因子における障害は、認知症及びアルツハイマー病と関連づけられる。de la Monteら、J.Alzheimer’s Disease,10(1):89−109、2006年9月を参照のこと。本明細書において開示される化合物は、アルツハイマー病を、治療し、予防し、又はその進行を遅延することにおける有用性を有してもよい。
【0093】
本発明の化合物はまた、β−細胞の機能を改善し、又は修復することにおける有用性を有していてもよく、それによりそれらは、1型糖尿病を治療することにおいて、又は2型糖尿病患者を、インスリン療法を必要とすることから遅延し、又は予防することにおいて、有用であってもよい。
【0094】
該化合物は一般に、1つ以上の以下の疾患を処置するにおいて効果的であってもよい:(1)2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病、あるいはNIDDMとしてもまた知られる)、(2)高血糖症、(3)耐糖能異常、(4)インスリン耐性、(5)肥満、(6)脂質異常、(7)脂質異常症、(8)高脂質血症、(9)高トリグリセリド血症、(10)高コレステロール血症、(11)低HDLレベル、(12)高LDLレベル、(13)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(14)血管再狭窄、(15)異常な肥満、(16)網膜症、(17)メタボリック・シンドローム、(18)高血圧、並びに(19)インスリン耐性。
【0095】
本発明の1つの態様は、混合性又は糖尿病性の脂質異常症、高コレステロール血漿、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂質血症、及び/又は高トリグリセリド血症の治療及び制御のための方法を提供し、これは式Iを有する化合物の治療上有効量を、かかる処置の必要な患者に、投与することを包含する。該化合物は、単独で使用されてもよく、又は有利には、コレステロール生合成阻害剤、特にHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、ロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、又はイタバスタチン)とともに投与されてもよい。該化合物はまた、他の脂質を低下する薬物(例えば、コレステロール吸収阻害剤(例えば、スタノールエステル、ステロールグリコシド(例えば、チクエシド)、及びアゼチジノン(例えば、エゼチミブ))、ACAT阻害剤(例えば、アバシミブ)、CETP阻害剤(例えば、トルセトラピブ、並びに公開された出願WO2005/100298、WO2006/014413、及びWO2006/014357において記載される阻害剤)、ナイアシン及びナイアシン受容体作動薬、胆汁酸抑制薬、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、並びに胆汁酸再取り込み阻害剤)と組み合わせて有利に使用されてもよい。これらの組み合わせ治療は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高脂質血症、高トリグリセリド血症、脂質異常症、高LDL、及び低HDLからなる群より選択される1つ以上の関連した状態の治療又は制御に有効であり得る。
【0096】
投与及び用量範囲
投与の任意の適切な経路が、哺乳動物(特にヒト)に、本発明の化合物の有効量を提供するために用いられてもよい。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼、肺、鼻などが用いられてもよい。投薬形態としては、錠剤、トローチ、分散剤、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾールなどが挙げられる。好ましくは式Iの化合物は、経口で投与される。
【0097】
用いられる活性成分の有効な投薬量は、用いられる特定の化合物、投与の態様、治療される状態、及び治療される状態の重篤度に非常に依存して変えてもよい。このような投薬量は、当業者により容易に確認され得る。
【0098】
糖尿病、及び/又は高血糖症若しくは高トリグリセリド血症、又は式Iの化合物が処方される他の疾患を、処置又は制御する場合、概して、本発明の化合物が、動物の体重の1キログラム当たり、約0.1ミリグラムないし100ミリグラムの1日投薬量で投与され、好ましくは単回の1日量として、又は1日2回ないし6回の分割された用量において又は徐放性形態で与えられる場合に、十分な結果が得られる。最も大きな哺乳動物について、1日の総投薬量は、約1.0ミリグラムないし約1000ミリグラムである。70kgの成人ヒトの場合において、1日の総用量は一般に、約1ミリグラムないし約500ミリグラムである。特に強力な化合物について、成人ヒトについての投薬量は、0.1mgほどの低さであってもよい。いくつかの場合において、1日用量は1gmほどであってもよい。投薬レジメはこの範囲内に調整されてもよく、又は至適な治療応答を提供するためにさらにこの範囲外に調整されてもよい。
【0099】
経口投与は、通常、錠剤又はカプセルを使用して行われる。錠剤及びカプセル中の用量の例は、0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、及び750mgである。他の経口形態はまた、同じ又は類似の投薬量を有してもよい。
【0100】
医薬組成物
本発明の別の局面は、式Iの化合物と医薬的に許容される担体とを含んでなる医薬的組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、活性成分として式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩と、医薬的に受容される担体と、必要に応じて他の治療的な成分とを含んでなる。用語「医薬的に許容される塩」は、医薬的に許容される非毒性の塩基又は酸(これは無機塩基又は無機酸、及び有機塩基又は有機酸を含む)から調製される塩を言及する。医薬組成物はまた、プロドラッグが投与される場合、プロドラッグ、又はその医薬的に許容される塩を含んでもよい。
【0101】
組成物は、経口、直腸、局所、非経口(これは、皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)、眼(眼科用)、肺(鼻腔又は口腔)、経鼻投与(例えば、液滴又はスプレイ)に適切な組成物を含むが、任意の所定の場合における最も適切な経路は、治療される状態の性質及び重篤度に、並びに活性成分の性質に依存する。これらは、簡便に単位投薬形態にあってもよく、薬学の当該分野において周知の任意の方法により調製されてもよい。
【0102】
実際の使用において、式Iの化合物は、従来の医薬の調合技術に従って、医薬担体との密接な混合剤中の活性成分として混合されてもよい。担体は、投与(例えば、経口又は非経口(これは、静脈内を含む))に所望される製剤の形態に依存して、広範に多様な形態をとってもよい。経口投薬形態として組成物を調製する際に、任意の有用な医薬媒体(例えば、経口液体製剤(例えば、懸濁液、エリキシル、及び溶液)の場合において、水、グリコール、油、アルコール、香料、保存剤、着色剤など;又は経口固体製剤(例えば、粉末、硬カプセル及び軟カプセル、並びに錠剤)の場合において、担体(例えば、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤など)が用いられてもよく、固体経口製剤は、液体製剤よりも好ましい。
【0103】
それらの投与の容易さのために、錠剤及びカプセルは最も便利な経口投薬単位形態を示し、この場合において、固体の医薬担体が用いられる。所望される場合、錠剤は標準的な水性又は非水性技術により被覆されてもよい。このような組成物及び製剤は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含むべきである。これらの組成物中の活性な化合物のパーセンテージは変化してもよく、そして簡便には、単位重量の約2パーセントないし約60パーセントの間である。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な用量が得られるような量である。
【0104】
錠剤、ピル、カプセルなどはまた、結合剤(例えば、トラガカントゴム、アカシア、コーンスターチ、又はゼラチン);腑形剤(リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);及び甘味剤(例えば、スクロース、ラクトース、又はサッカリン)を含んでもよい。投薬単位形態がカプセルである場合、これは上述のタイプの材料に加えて、液体担体(例えば、油脂)を含んでもよい。
【0105】
いくつかの場合において、投与される化合物又は塩の溶解度に依存して、該化合物又は塩を、油(例えば、1つ以上の中鎖脂肪酸のトリグリセリド)、親油性溶媒(例えば、トリアセチン)、親水性溶媒(例えば、プロピレングリコール)、又はこれらの2つ以上の混合物中に、溶液として処方することが有利であってもよく、また1つ以上のイオン性又は非イオン性の界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリエトキシル化トリグリセリド、並びに1つ以上の中鎖脂肪酸のモノ及び/又はジグリセリド)を含んでもよい。界面活性剤(特に2つ以上の界面活性剤)を含む溶液は、水との接触の際にエマルジョン又はマイクロエマルジョンを形成する。該化合物はまた、水溶性のポリマー中に処方されてもよく、ここではこれは、熱溶解押し出し及びスプレイ乾燥のような方法により非晶質相として分散しており、このようなポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びポリビニルピロリジノンを含み、単独重合体及び共重合体を含む。
【0106】
種々の他の材料が、投薬単位の物理的形態を改変するためのコーティング剤として存在していてもよい。例えば、錠剤は、セラック、糖、又はその両方で被覆されてもよい。シロップ又はエリキシルは、、活性成分に加えて、甘味剤としてスクロースを、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素、及び香料(例えば、サクランボ又はオレンジ風味)を含んでもよい。
【0107】
式Iの化合物はまた、非経口的に投与されてもよい。これらの活性化合物の溶液又は懸濁液は、1つの界面活性剤、又は界面活性剤の混合物(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート80、並びに中鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド)とともに適切に混合される水中に調製されてもよい。分散剤はまた、油中の、グリセロール、液体、ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中に調製されてもよい。保存及び使用の通常の条件下、これらの製剤は微生物の増殖を防止するために保存剤を含む。
【0108】
注射可能な使用に適切な医薬形態としては、滅菌水溶液又は分散剤、及び滅菌の注射可能な溶液又は分散剤の即席調合製剤のための滅菌粉末が挙げられる。すべての場合において、形態は滅菌でなくてはならず、及び容易な注射能力が存在する程度に流動性でなくてはならない。これは、製造及び保存の条件下で安定でなくてはならず、並びに微生物(例えば、細菌及び真菌)の汚染作用に対して保護されなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリセロール、及び液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、及び植物油を含む、溶媒又は分散媒体であってよい。
【0109】
併用療法
式Iの化合物は、式Iの化合物が有用である疾患及び状態の治療又は緩和においてまた有用であってもよい他の薬物と組み合わせて、使用されてもよい。このような他の薬物は、それらについて通常使用される経路により、及び量において、式Iの化合物と同時に又は連続的に、投与されてもよい。2型糖尿病、インスリン耐性、肥満、メタボリック・シンドローム、及びこれらの疾患に付随する併存疾患を有する患者の治療において、1つよりも多い薬物が、通常、投与される。本発明の化合物は、一般に、これらの状態についての1つ以上の他の薬物を既に服用する患者に投与されてもよい。しばしば、該化合物は、1つ以上の抗糖尿病化合物(例えば、メトホルミン、スルホニル尿素、及び/又はPPAR作動薬)で処置された患者に、患者の血糖レベルが処置に対して十分には応答しない場合に投与される。
【0110】
式Iの化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような他の薬物と、式Iの化合物とを含む単位投薬形態における医薬組成物が好ましい。しかし、組み合わせの治療はまた、式Iの化合物と、1つ以上の他の薬物とが、異なる重複スケジュールにおいた投与される治療をまた包含する。1つ以上の他の活性成分との組み合わせにおいて使用される場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、それぞれが単独で使用される場合よりも低い用量において使用されてもよい。従って、本発明の医薬組成物は、1つ以上の他の活性成分を、式Iの化合物と組み合わせて含む医薬組成物を包含する。
【0111】
式Iの化合物と組み合わせて、及び別々に又は同じ医薬組成物中でのいずれかで、投与されてもよい他の活性成分の例としては以下が挙げられるが、これらに制限されない:
(a)PPARガンマ作動薬及び部分作動薬(これは、グリタゾン及び非グリタゾンの両方を含む(例えば、ピオグリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、ネトグリタゾン、T−131、及びWO02/08188;WO2004/020408、WO2004/020409、及びWO2006/096514において開示される化合物));
(b)ビグアニド(例えば、メトホルミン及びフェンホルミン);
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;
(d)ジペプチジルペプチターゼIV(DP−IV)阻害剤(例えば、シタグリプチン、サクサグリプチン、及びビルダグリプチン);
(e)インスリン又はインスリン模倣剤;
(f)スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、及び関連物質);
(g)α−グリコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース);
(h)患者の脂質状態を改善する薬剤(例えば、(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、及び他のスタチン)、(ii)胆汁抑制薬(コレスチルアミン、コレスチポール、及び架橋されたデキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ナイアシン受容体作動薬、ニコチンアルコール、ニコチン酸、又はその塩、(iv)PPARα作動薬(例えば、フェノフィブリン酸誘導体(ゲンフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート、及びベンザフィブレート))、(v)コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ)、(vi)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えば、アバシミブ)、(vii)CETP阻害剤(例えば、WO2006/014357、WO2005/100298、及びWO2006/014413において開示される化合物)、及び(viii)フェノール系酸化防止剤(例えば、プロブコール));
(i)PPARα/γ二重作動薬、
(j)PPARδ作動薬(例えば、GW501516);
(k)抗肥満化合物(フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンチラミン、シブトラミン、オルリスタット、神経ペプチドY5阻害剤、Mc4r作動薬、カンナビノイド受容体(CB−1)作動薬/逆作動薬、及びβ3アドレナリン受容体作動薬;
(l)回腸胆汁酸輸送体阻害剤;
(m)炎症状態における使用するための薬剤(例えば、アスピリン、非ステロイド抗炎症薬、グルココルチコイド、アズルフィジン、及びシクロ−オキシゲナーゼ2選択性阻害剤);
(n)グルカゴン受容体作動薬;
(o)GLP−1;
(p)GIP−1;
(q)GLP−1アナログ(例えば、エクセジン(例えば、エクセナチド(Byetta);並びに
(r)ヒドロキシステロールデヒドロゲナーゼ−1(HSD−1)阻害剤。
【0112】
上記の組み合わせは、1つの他の活性化合物とのみでなく、また2つ以上の他の活性化合物と、本発明の化合物との組み合わせを包含する。制限されない例としては、ビグアニド、スルホニル尿素、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、他のPPAR作動薬、PTP−1B阻害剤、DP−IV阻害剤、及び抗肥満化合物から選択される2つ以上の活性な化合物と、式Iを有する化合物との組み合わせが挙げられる。
【0113】
生物学的アッセイ
GPR40を発現する細胞の作製
ヒト及びマウスのGPR40の安定な細胞株が、NFAT BLA(β−ラクタマーゼ)を安定に発現するCHO細胞において作製された。ヒトGPR40の安定な細胞株は、エクオリン発現レポーターを安定に発現するHEK細胞において作製された。発現プラスミドは、製造業者の指示に従ってリポフェクタミン(Life Technologies)を使用してトランスフェクトされた。安定な細胞株は、薬物選択後に作製された。
【0114】
FLIPRアッセイ
FLIPR(Fluorimetric Imaging Plate Reader、Molecular Devices)アッセイが、安定なクローンの作動薬誘導性のカルシウム動員を測定するために行われた。FLIPRアッセイについて、アッセイの1日前に、GPR40/CHO NFAT BLA細胞を、壁面が黒色で底面が透明な384−ウェルプレート(Costar)に、1.4×10e4細胞/20μl培地/ウェルにて播種した。細胞は、20μl/ウェルのアッセイ緩衝液(HBSS、0.1%BSA、20mM HEPES、2.5mM プロベネシド、pH7.4)(これは、8μM フルオ−4、AM、0.08% プルロン酸を含有する)とともに、室温で、100分間、インキュベートされた。蛍光出力が、FLIPRを使用して測定された。化合物はDMSO中に溶解され、そしてアッセイ緩衝液で所望される濃度に希釈された。13.3μl/ウェルの化合物溶液が添加された。
【0115】
リン酸イノシトール転換アッセイ
アッセイは、96−ウェル形式において行われる。ヒトCPR40を安定に発現するHEK細胞は、72時間以内に60ないし80%の集密度になるようにプレートされる。72時間後、プレートは吸引され、そして細胞はイノシトール非含有DMEM(ICN)で洗浄される。洗浄培地は、150μLの3H−イノシトール標識化培地(0.4%ヒトアルブミン又は0.4%マウスアルブミン、1×ペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質、グルタミン、25mM HEPESを含有するイノシトール非含有培地、これに3H−ミオ−イノシトール NEN 番号NET114A 1mCi/mL、25Ci/mmol(ローディング培地中で1:150希釈される)が添加され、1μCi/150μLの最終の比放射能である)で置き換えられる。あるいは、ヒト及びマウスのアルブミンは、LiClの添加の前に、一晩の標識化工程後に添加されてもよい。
【0116】
アッセイは典型的に、18時間の標識化後、翌日に行われる。アッセイの日に、5μLの300mM LiClがすべてのウェルに添加され、そして37℃にて20分間、インキュベートされる。0.75μLの200×化合物が添加され、そして60分間、37℃にて、細胞とともにインキュベートされる。次いで、培地は吸引して除かれ、そしてアッセイは60μL 10mMギ酸の添加で終結される。細胞は、室温にて60分間、溶解される。15ないし30μLの溶解物は、70μL/1mg YSi SPAビーズ(Amersham)と、透明な底面のIsoplate中で混合される。プレートは2時間室温にて、振盪される。ビーズは沈められ、そしてプレートはWallac Microbeta中で計測される。
【0117】
インビボ研究
雄性C57BL/6Nマウス(7ないし12週齢)は、ケージあたり10匹で飼育され、そして通常の食餌(げっ歯類の食物)及び水への随意の接近を与えられる。マウスは無作為に処置群に割り当てられ、そして4ないし6時間、絶食される。基準の血中グルコース濃度が、尾部の傷の血液から糖測定器により決定される。次いで、動物は、ビヒクル(0.25%メチルセルロース)又は試験化合物で経口的に処置される。血中グルコース濃度は、処置(t=0分)後の設定された時点にて測定され、次いでマウスは、デキストロース(2g/kg)で腹腔内負荷試験される。ビヒクル処置されたマウスの1つの群は、ネガティブコントロールとして、生理食塩水で負荷試験される。血中グルコースのレベルはデキストロース負荷試験の20、40、60分後にて採血された尾部出血から決定される。t=0からt=60分までの血中グルコース排除プロフィールが、各処置についての曲線下面積(AUC)を積分するために使用される。各処置についての阻害パーセントの値は、生理食塩水で負荷試験されたコントロール対して正規化されたAUCデータから作成される。
【実施例】
【0118】
以下の実施例は、本発明を説明するために提供され、本発明をいかようにも制限するとして解釈されるべきではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲により規定される。
【0119】
これらの実施例における化合物はすべて、上記の結合アッセイを使用して、1nMないし4μMの範囲にあるIC50値を有する。好ましい化合物は、1nMないし100nMの範囲にあるIC50を有する。
【0120】
本発明の化合物を調製するためのいくつか方法が、以下のスキーム及び実施例において説明される。出発材料は、市販されるか、又は文献における公知の手順により、若しくは説明されるように、調製されるかのいずれかである。本発明はさらに、上述で規定されるような式Iの化合物の調製のためのプロセスを提供する。いくつかの場合において、前述の反応スキームを行う順序は、反応を容易にするために、又は不要な反応生成物を回避するために、変化してもよい。以下の実施例は、説明の目的のためのみに提供され、そして開示される発明に対する制限として解釈されるべきではない。
【0121】
三環式酸GPR40作動薬についての一般的な手順
【0122】
【化2】

【0123】
1−ベンゾフラン−6−オール中間体の合成
【0124】
【化3】

【0125】
工程1.6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−ベンゾフラン−3(2H)−オン
DMF(375mL)中の6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−オン(30g、0.2mol)の攪拌溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(39.2g、0.26mol)及びトリエチルアミン(42mL、0.3mol)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。次いで、これをジエチルエーテル(1.5L)で希釈し、塩化アンモニウム(750mL、水溶液、飽和)及びブライン(450mL)で洗浄し、硫酸マグネシウ上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、Biotage65iシリカゲルカラム上で精製し、酢酸エチル及びヘキサン(3:7)で溶出した。最終生成物を黄色固体として回収した。
【0126】
【化4】

【0127】
工程2.6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−3−オール
窒素下、−78℃にて、ジクロロメタン(1.4L)中の6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−オン(42g、158mmol)の攪拌溶液に、ジクロロメタン中のDIBAL−H(238mL、1.0M、238mmol)の溶液をゆっくり添加した。反応を、−78℃にて1時間攪拌し、次いで酢酸エチル(1.0L)で注意深く反応を停止した。冷水浴を除去し、そしてRochelle塩溶液(400mL、10%)を、2時間にわたって攪拌しながら連続的に添加した。次いで、混合物をMTBE(4.0L)で希釈し、ブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、黄色油として最終生成物を生じた。
【0128】
【化5】

【0129】
工程3.1−ベンゾフラン−6−オール
THF(1.3L)中の6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−オール(35.2g、0.2mol)の攪拌溶液に、塩酸(323mL、1.0N)を添加した。混合物を、65℃にて2時間、攪拌した。室温への冷却後、これをブライン(2.0L)で希釈し、酢酸エチル(4.0L)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラム上で精製し、ヘプタン中の酢酸エチル(1ないし30%)で溶出した。最終生成物を淡褐色の固体として回収した。
【0130】
1−ベンゾフラン−6−オールの代替合成
1−ベンゾフラン−6−オールはまた、市販の材料又は公知の方法により容易に得られる材料を用いて、以下の3工程手順を使用して作製される。
【0131】
工程1.2−クロロ−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタノン2
【0132】
【化6】

【0133】
34.0Lの1,4−ジオキサンを含有する100Lの丸底フラスコ(RBF)を、subsurface lineを介して5.0kgのHClガスで充填した。次いでレゾルシノール(10.0kg)を固体として添加し、続いて固体ZnCl(6.20kg)を添加した。21ないし29℃のわずかな発熱が、ZnClの添加後に生じた。混合物を氷/水浴で冷却し、そしてクロロアセトニトリル(7.50kg)を、2時間にわたって、温度を40℃未満に維持しながら、分けて添加した。反応混合物を、室温で9時間熟成させ、次いで水(34L)を、0.5時間にわたって充填した。40℃への発熱が水の添加の開始時に生じ、そして反応は、添加の終結により27℃に最終的に冷却した。得られたスラリーを、11時間室温で熟成させた。さらなる水(14L)を添加し、そしてスラリーを0℃に冷却した。スラリーを濾過し、水で洗浄し(4×20L)、次いで窒素の高速流下で乾燥した。乾燥の5日後、クロロケトン2が、紅梅色の固体として単離された。
【0134】
工程2.2の、6−ヒドロキシ−1−ベンゾフラン−3(2H)−オン3への環状化
【0135】
【化7】

【0136】
固体NaOMe(6134g)を、49Lのメタノール(MeOH)中のクロロケトン2(7062g)の0℃の溶液に、2時間にわたって、温度を20℃未満に維持しながら、分けて添加した。スラリーを、室温で1時間熟成させ、その時点で環状化が完全であることをHPLCにより決定した。混合物を0℃に冷却し、そして2N HCl(49L)を、温度を20℃未満に維持しながら添加した。スラリーを5〜10℃に冷却し、ろ過し、そして先ず冷却1:1MeOH/水(5L)で、次いで水(16L)で洗浄した。湿式濾過ケーキを、イソプロピルアルコール(IPA)(18L)でスラリー洗浄し、次いでヘプタンで最終的に洗浄した。次いでろ過ケーキを、窒素の高速流下で乾燥した。ケトン3が白色の固体として単離された。
【0137】
工程3.1−ベンゾフラン−6−オール4へのケトンの還元/脱離
【0138】
【化8】

【0139】
酢酸(HOAc)(3.11L、3当量)を、23℃にて6時間にわたって、41.0Lのテトラヒドロフラン(THF)中のNaBH(1368g)のスラリーに添加した。活発なガス発生が生じ、そして温度を30℃未満にて維持するために氷/水浴を使用した。混合物を少なくとも8時間、周囲温度にて維持した。ケトン3(2715g、1当量)を固体として、1時間にわたって分けて添加して、ガス発生を最小にし、そして氷/水浴を温度を30℃未満にて維持するために使用した。得られた混合物を室温にて6時間熟成した。水(6L)を、温度を30℃未満に維持するように冷却を伴い、2時間にわたって添加した。活発なガス発生が、特に水添加の最初に生じた。スラリーは、水添加の間に厚くなった。スラリーに5N HCl(5L)を1時間にわたって添加し、そして混合物を0.5時間熟成させた。解離を、HPLCにより完全としてアッセイした。反応混合物を100L抽出容器に移し、そして26Lのメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)及び17Lの水を添加した。次いで10N NaOH(5L)を添加し、そして混合物を十分に混合した。暗色水溶液層(pH約9)を分離した。有機層を10重量%NaCO(5L)で洗浄した。洗浄水溶液のpHは約10であった。次いで、有機層を20%ブライン(5L)で洗浄した。有機層を回転式エバポレーター上で濃縮し、次いでトルエン(6L)でフラスコからリンスした。次いで、トルエン(4L)を添加し、そして得られた薄層スラリーを濾過して不純物を除いた。濾液を回転式エバポレータ上で油に濃縮し、これは最終的に1−ベンゾフラン−6−オール4に、薄いオレンジ色の固体として固化された。
【0140】
実施例1
【0141】
【化9】

【0142】
【化10】

【0143】
工程1.6−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ベンゾフラン
6mlのDMF中の1−ベンゾフラン−6−オール(418.5mg、3.1mmol)の攪拌溶液に、3−クロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド(681.4mg、3.4mmol)及び炭酸セシウム(1.5g、4.7mmol)を添加した。反応混合物を80℃にて2時間加熱した。室温への冷却後、これを酢酸エチルで希釈し、水(2×)及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし30%)で溶出した。最終生成物を、無色の油として回収した。H NMR(CDCl,δppm):6.8(s,1H),7.0(two d,2H),7.2(s,1H),7.4(d,1H),7.6(d,1H),7.7(s,1H),7.8(s,1H)。
【0144】
【化11】

【0145】
工程2.エチル−4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボキシレート
ジクロロメタン(4.5ml)中の上述のフェノキシベンゾフラン(250mg、0.80mmol)の攪拌溶液に、酢酸ロジウム二量体(42mg、0.1mmol)、続いてジクロロメタン(4.5ml)中のエチルジアゾ酢酸水溶液(0.50mL、4.8mmol)を、5.5時間にわたってシリンジポンプを介してゆっくりと添加した。添加後、反応混合物を室温で一晩、攪拌した。沈殿物を濾過して除き、そして溶媒をエバポレートした。残渣を、分取TLCによりシリカゲルプレート上で精製し、微量生成物としてのシス(又はエンド−)ジアステレオマーとともに、トランス(又はエキソ−)ジアステレオマーを得た。トランス(エキソ)ジアステレオマーのH NMR(CDCl,δppm):1.3(t,3H),1.4(m,1H),3.3(m,1H),4.2(q,2H),5.2(m,1H),6.6(m,2H),7.0(d,1H),7.4(d,1H),7.5(d,1H),7.8(s,1H)。シス(又はエンド)ジアステレオマーのH NMR(CDCl,δppm),:1.1(t,3H),1.9(m,1H),3.3(m,1H),4.0(q,2H),5.2(m,1H),6.6(m,2H),7.0(d,1H),7.4(d,1H),7.5(d,1H),7.8(s,1H)。
【0146】
【化12】

【0147】
工程3.(1R,1aR,6bS)−4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボン酸
THF−MeOH(1.6mlないし0.8ml)中の上述のトランスエステル(44mg、0.11mmol)の攪拌溶液に、LiOH(0.83mL、2N水溶液)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をHCl(0.5N)で酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得、これをChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。上述で示される所望されるエナンチオマーが単離された。H NMR(CDCl,δppm):1.4(m,1H),3.4(m,1H),5.2(m,1H),6.6(m,2H),7.0(d,1H),7.4(d,1H),7.5(d,1H),7.8(s,1H)。他のエナンチオマーがまた単離された:H NMR(CDCl,δppm):1.9(m,1H),3.4(m,1H),5.2(m,1H),6.6(m,2H),6.8(d,1H),7.4(d,1H),7.5(d,1H),7.8(s,1H).MS:369.1(M−1)。
【0148】
【化13】

【0149】
実施例2
【0150】
【化14】

【0151】
【化15】

【0152】
工程1.[2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ベンゾフラン
ジオキサン(6mL)及びDMF(12mL)中の1−ベンゾフラン−6−オール(309mg、2.3mmol)のスラリー溶液に、2−メチル−4−トリフルオロメチルフェニルヨウ化物(600mg、2.3mmol)、ヨウ化銅(108mg、0.57mmol)、ジメチルグリシン塩酸塩(243mg、1.7mmol)、及び炭酸セシウム(1.88g、5.8mmol)を添加した。反応物を、110℃にて22時間攪拌した。室温への冷却後、溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸エチル中に溶解し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし10%)で溶出した。最終生成物を、淡黄色の油として回収した。
【0153】
【化16】

【0154】
工程2.4−[2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1、工程2及び3の方法に従う。MS:349.2(M−1)。
【0155】
【化17】

【0156】
実施例3
【0157】
【化18】

【0158】
【化19】

【0159】
工程1.2−(ジフルオロメトキシ)−1−フルオロ−4−トリフルオロメチルベンゼン
100mlのDMF(100mL)及び水(10mL)中の2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−1−フェノール(9.9g、54.9mmol)の攪拌溶液に、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(20.9g、137.2mmol)及び炭酸セシウム(26.8g、82.3mmol)を添加した。反応混合物を100℃にて2時間攪拌した。これを室温に冷却した後、これを酢酸エチル(700ml)で希釈し、水(3×)及びブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物(無色の油、揮発性)をさらなる処理を伴わずに次の工程に使用した。H NMR(CDCl,δppm):6.6(t,1H),7.3(m,1H),7.6(m,2H)。
【0160】
【化20】

【0161】
工程2.6−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ベンゾフラン
DMF(300mL)中の1−ベンゾフラン−6−オール(13.4g、100mmol)及び2−(ジフルオロメトキシ)−1−フルオロ−4−トリフルオロメチルベンゼン(29.9g、130mmol)の攪拌溶液に、炭酸セシウム(65.2g、200mmol)を添加した。反応混合物を75℃にて16時間(又は110℃にて2時間)攪拌した。室温への冷却後、これを酢酸エチルで希釈し、水(2×)及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし20%)で溶出した。最終生成物を、無色の油として回収した。H NMR(CDCl,δppm):6.7(t,1H,J=74Hz),6.8(s,1H),7.0(m,2H),7.2(s,1H),7.4(d,1H),7.6(m,3H)。
【0162】
【化21】

【0163】
工程3.エチル4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸塩
ジクロロメタン(10mL)中の銅(1)トリフラート(トルエン錯体、Aldrich、25mg、0.05mol)及び(R,R)−2,2’−イソプロピリデン−ビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)(DL Chiral、35mg、0.12モル)の溶液を室温で2時間攪拌した。ジアゾ酢酸エチル(原液、1滴)を添加し、そして溶液を一時的に茶色にした。ジクロロメタン(約5mL)中の前述の工程からのベンゾフラン(1.0g、2.9mmol)の溶液を添加し、続いてジクロロメタン(5mL)中のジアゾ酢酸エチル(1.25mL、14.3mmol)の溶液を、8時間にわたってゆっくりと添加した。添加の完了後、反応物を室温で一晩攪拌した。沈殿物を濾過して除き、そして溶媒をエバポレートした。残渣をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(5ないし40%)で溶出して、所望されるトランス(又はエキソ−)ジアステレオマーを、淡黄色の油として得た。H NMR(CDCl,δppm):1.3(t,3H,J=7.1Hz),1.4(m,1H),3.3(m,1H),4.2(q,2H,J=7.1Hz),5.2(m,1H),6.6(t,1H,J=74Hz),6.6(m,1H),7.0(d,1H),7.4(d,1H),7.45(d,1H),7.6(s,1H)。
【0164】
【化22】

【0165】
工程4.(1R,1aR,6bS)−4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボン酸
THF(30mL)及びMeOH(10mL)中の上述のエステル(0.7g、1.6mmol)の攪拌溶液に、水酸化リチウム(16mL、1.0N、16mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をHCl(2N水溶液)で酸性化し、そしてEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、所望される酸(70%鏡像体過剰率(ee))を白色の結晶性固体として得た。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出し、所望されるエナンチオマーを得た。生成物は、実施例29の後に記載されるプロセスにより調製される生成物と同じ結晶形態学を有する、結晶性無水物である。H NMR(CDCl,δppm):1.4(m,1H),3.4(m,1H),5.2(m,1H),6.6(t,1H,J=74Hz),6.6(d,1H),7.0(d,1H),7.4(d,1H),7.5(d,1H),7.6(s,1H)。MS:401.1(M−1)。
【0166】
実施例4
【0167】
【化23】

【0168】
【化24】

【0169】
工程1.典型的な手順は以下のようである:1−ブロモ−4−フルオロナフタレン(1当量)、CuI(25.0モル%)、ラセミトランス−N,N’−ジメチルクロロヘキサン−1,2−ジアミン(50モル%)、及びNaI(2.5当量)を密封された管に添加し、脱気し、次いでジオキサンを添加した。反応混合物を再度脱気し、窒素で洗い流し、そして110℃にて24時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして固体試薬を濾過して除いた。濾液を濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、所望の生成物を提供した。
【0170】
【化25】

【0171】
工程2.典型的な実験において、1−ヨード−4−フルオロナフタレン(1当量)、CuI(1.5ないし2.5当量)、MFSDA(7ないし10当量)、DIEA(7ないし10当量)を、密封された管に添加し、脱気し、次いでDMFを添加した。次いで、反応混合物を再度脱気し、そして窒素で洗い流し、そして75℃にて12時間加熱した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして濾過した。濾液を水で洗浄し、そして水相を酢酸エチルで抽出した(3×)。合わせた有機層を重炭酸ナトリウム及び水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、所望の生成物を得た。
【0172】
【化26】

【0173】
工程3.4−{[4−(トリフルオロメチル)−1−ナフチル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1の方法に従う。最終生成物をChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%のエタノールで溶出した。MS:385.1(M−1)。
【0174】
実施例5
【0175】
【化27】

【0176】
4−(4−シアノ−2−メチルフェノキシ)−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボン酸
実施例3の方法に従う。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%のエタノールで溶出した。MS:308.3(M+1)。
【0177】
実施例6
【0178】
【化28】

【0179】
4−[2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3の方法に従う。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%のエタノールで溶出した。MS:365.1(M−1)。
【0180】
実施例7
【0181】
【化29】

【0182】
【化30】

【0183】
工程1.2−クロロ−3−ブロモ−6−フルオロトルエン(670mg、3mmol)、CuI(143mg、0.75mmol)、ラセミトランス−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(213mg、1.5mmol)、及びNaI(1.12g、7.5mmol)を、密封された管に添加し、脱気し、次いでジオキサン(6mL)を添加した。反応混合物を再度脱気し、窒素で洗い流し、そして110℃にて72時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして固体試薬を濾過して除去した。濾液を濃縮して残渣を得、これを短いシリカゲルカラムを通過させて、所望の生成物を提供した。
【0184】
【化31】

【0185】
工程2.工程1において得られた物質(600mg、2.2mmol)、CuI(628mg、3.3mmol)、MFSDA(2.96g、15.4mmol)、及びDIEA(2.7mL、15.4mmol)を密封された管に添加し、脱気し、次いでDMF(2mL)を添加した。次いで、反応混合物を再度脱気し、そして窒素で洗い流し、そして75℃にて16時間加熱した。次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして濾過した。濾液を水で洗浄し、そして水槽を酢酸エチルで抽出した(3×)。合わせた有機層を重炭酸ナトリウム及び水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0186】
【化32】

【0187】
工程3.4−[3−クロロ−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1、又は実施例3の方法に従う。MS:385.0(M+1)。
【0188】
実施例8
【0189】
【化33】

【0190】
【化34】

【0191】
工程1.AcOH(12mL)中の2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェノール(1080mg、6mmol)の溶液に、トリフル酸(triflic acid)(0.265mL、3mmol)及びNCS(881mg、6.6mmol)を添加し、そして混合物を、60℃にて20時間、加熱した。AcOHを除去し、そして残渣を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、そして濃縮した。次いで、粗生成物を、溶出液として水中のMeCN/0.5%TFA(20ないし70%)を用いて、逆相HPLCにより分離して、所望の生成物を得た。
【0192】
【化35】

【0193】
工程2.クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(178mg、1.17mmol)及び炭酸セシウム(228mg、0.7mmol)を、10容量%の水を含有するDMF(1mL)中の6−フルオロ−2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノールの溶液に添加し、そして反応混合物を1時間100℃にて加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで洗浄し、そして水(3×)、ブライン(1×)で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮して粗生成物を得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程に使用した。
【0194】
【化36】

【0195】
工程3.4−[3−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1又は実施例3の方法に従う。MS:437.0(M+1)。
【0196】
実施例9
【0197】
【化37】

【0198】
【化38】

【0199】
工程1.ジクロロメタン(8mL)中の3−ヨード−フェニルボロン酸(991mg、4mmol)及び1−ベンゾフラン−6−オール(269mg、2mmol)の溶液に、酢酸銅(363mg、2mmol)、ピリジン(0.8mL、10mmol)及び4A分子ふるい(300mg)を添加した。反応混合物を脱気し、そして酸素バルーン下で一晩、攪拌した。次いでこれを、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし10%)で溶出して、所望の生成物を得た。
【0200】
【化39】

【0201】
工程2.6−[(4’−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−イル)オキシ]−1−ベンゾフラン
DMF(4mL)中の上述のヨウ化フェニル(318mg、0.95mmol)及び対応するボロン酸(188mg、1.13mmol)の溶液に、PdCldppf(77mg、0.9mmol)及びKPO(502mg、2.36mmol)を添加した。反応混合物を100℃にて20時間加熱した。室温への冷却及び通常の水性後処理の後、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0〜10%)で溶出して、所望の生成物を無色の油として得た。
【0202】
【化40】

【0203】
工程3.4−[(4’−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−イル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1、又は実施例3を参照のこと。MS:387.3(M−1)。
【0204】
実施例10
【0205】
【化41】

【0206】
【化42】

【0207】
工程1.DMF(2mL)中の2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェノールの溶液に、臭化シクロプロピル(2当量)、NaI(10mol%)、及び炭酸セシウム(3当量)を添加した。反応混合物を150℃にて一晩、圧力管中で加熱した。反応の完了をLCMSにより確認した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、そして酢酸エチルで抽出した(3×)。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗生成物を得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0208】
【化43】

【0209】
工程2.4−[2−(シクロプロピルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1又は実施例3の方法に従う。MS:393.0(M+1)。
【0210】
実施例11
【0211】
【化44】

【0212】
【化45】

【0213】
工程1.メタノール(40mL)中の3−(tert−ブチル)フェノール(3g、20mmol)の溶液に、ヨウ素(5.58g、22mmol)を分けて添加し、そして混合物を、48時間、室温で攪拌した。溶媒を除去し、そして残渣を酢酸エチル(200mL)中に溶解した。溶液をNaSO(3×)及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(10ないし20%)を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た。
【0214】
【化46】

【0215】
工程2.クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(4g、26.17mmol)及び炭酸セシウム(5.1g、15.7mmol)を、10容量%の水を含有するDMF(22mL)中の5−(tert−ブチル)−2−ヨード−1−フェノール(2.89g、10.47mmol)の溶液に添加し、そして反応混合物を、密封された管中で、3日間100℃にて加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水(3×)及びブライン(1×)で洗浄した。有機層を、MgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(0ないし10%)を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た。
【0216】
【化47】

【0217】
工程3.4−[4−tert−ブチル−2−(ジフルオロメトキシ)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例2の方法に従う。MS:391.0(M+1)。
【0218】
実施例12
【0219】
【化48】

【0220】
【化49】

【0221】
工程1.1−ブロモ−2−クロロ−4−(ジフルオロメトキシ)ベンゼン
実施例3、工程1の方法に従う。
【0222】
【化50】

【0223】
工程2.4−[2−クロロ−4−(ジフルオロメトキシ)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例2の方法に従う。MS:369.2(M+1)。
【0224】
実施例13
【0225】
【化51】

【0226】
【化52】

【0227】
工程1.DMF(2mL)中の2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェノールの溶液に、ヨードエタン(2当量)及び炭酸セシウム(3当量)を添加した。反応混合物を、75℃にて一晩加熱した。反応の完了をLCMSにより確認した。次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、そして酢酸エチルで抽出した(3×)。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗生成物を得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0228】
【化53】

【0229】
工程2.4−[2−エトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1又は実施例3の方法に従う。MS:381.0(M+1)。
【0230】
実施例14
【0231】
【化54】

【0232】
4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例2の方法に従う。MS:403.9(M+1)。
【0233】
実施例15
【0234】
【化55】

【0235】
【化56】

【0236】
工程1.2−ブロモ−5−クロロアニソール(461mg、2.08mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)中に溶解し、そして0℃に冷却した。冷却した溶液に、三臭化ホウ素溶液(ジクロロメタン中の1M、2当量)を添加した。反応混合物を、0℃にて5分間攪拌し、室温に加温し、そして室温で2時間攪拌した。次いで、反応混合物を氷水中に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した(3×)。次いで合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗フェノールを得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0237】
【化57】

【0238】
工程2.クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(2.5当量)及び炭酸セシウム(1.5当量)を、10容量%の水を含有するDMF中の2−ブロモ−5−クロロフェノールの溶液に添加し、そして反応混合物を、3時間100℃にて加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水(3×)、次いでブライン(1×)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して粗生成物を得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0239】
【化58】

【0240】
工程3.4−[4−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例2の方法に従う。MS:369.2(M+1)。
【0241】
実施例16
【0242】
【化59】

【0243】
【化60】

【0244】
工程1.クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(692mg、4.54mmol)及び炭酸セシウム(888mg、2.73mmol)を、10容量%の水を含有するDMF(3mL)中の6−フルオロ−3−トリフルオロメチル−4−クロロフェノールの溶液に添加し、そして反応混合物を、1時間100℃にて加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水(3×)、ブライン(1×)で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程に使用した。
【0245】
【化61】

【0246】
工程2.4−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1又は実施例3の方法に従う。MS:437.1(M+1)。
【0247】
実施例17
【0248】
【化62】

【0249】
【化63】

【0250】
工程1.4−フルオロ−3−メトキシベンゾニトリル(1g、6.62mmol)を、無水ジクロロメタン(10mL)中に溶解し、そして0℃に冷却した(氷浴)。冷却した溶液に、ジクロロメタン中の三臭化ホウ素溶液(1M、2当量)を添加した。反応混合物を0℃にて5分間攪拌し、室温に加温し、そして室温にて一晩攪拌した。反応混合物のLCMSは、いくらかの出発物質がなお存在することを示した。さらに2当量の三臭化ホウ素溶液を添加し、そして反応物を室温にて一晩攪拌した。LCMSは、反応が進行したことを示したが、いくらかの出発物質がなお存在した。次いで、反応混合物を45℃にて一晩加熱して、LCMSにより確認されたように、反応を完了した。次いで、反応混合物を氷水中に注ぎ、室温に加温し、そして酢酸エチルで抽出した(3×)。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗フェノールを得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0251】
【化64】

【0252】
工程2.クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(2.5当量)及び炭酸セシウム(1.5当量)を、10容量%の水を含有するDMF(3mL)中の2−フルオロ−5−シアノフェノールの溶液に添加し、そして反応混合物を、3時間100℃にて加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水(3×)で、次いでブライン(1×)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得、これをさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0253】
【化65】

【0254】
工程3.4−[4−シアノ−2−(ジフルオロメトキシ)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1又は実施例3の方法に従う。MS:359.9(M+1)。
【0255】
実施例18
【0256】
【化66】

【0257】
4−[(4−シアノ−1−ナフチル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1の方法に従う。MS:344.0(M+1)。
【0258】
実施例19
【0259】
【化67】

【0260】
【化68】

【0261】
工程1.6−[2−(ジフルオロメトキシ)−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ベンゾフラン
DMF(1mL)中の実施例16の工程2から得られた物質(50mg、0.132mmol)の溶液に、ボロン酸メチル(12mg、0.2mmol)、炭酸セシウム(129mg、0.4mmol)、及びPd(PPh(30.5mg、0.026mmol)を添加した。混合物を脱気し、窒素で洗い流し、そして120℃にて5時間、加熱した。溶媒を除去し、そして残渣を、ヘキサン/酢酸エチル(10/1)を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、所望される化合物を得た。
【0262】
【化69】

【0263】
工程2.4−[2−(ジフルオロメトキシ)−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1、工程2及び3、並びに実施例3、工程3及び4の方法に従う。MS:417.0(M+1)。
【0264】
実施例20
【0265】
【化70】

【0266】
(1R,1aR,6bS)−4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−N−(メチルスルホニル)−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボキサミド
アセトニトリル(1.5mL)中の対応する酸(実施例3、30mg、0.075mmol)の攪拌溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(9.5mg、0.082mmol)及びEDC(15.7mg、0.081mmol)を添加した。混合物を室温で3日間攪拌し、そしてN−ヒドロキシスクシンイミドエステル中間体(30mg)を単離した。これを、ジクロロメタン(1mL)中に溶解し、そしてDMAP(触媒量)及びメタンスルホンアミド(11.4mg、0.12mg)で処理した。反応物を50℃にて一晩攪拌した。最終生成物を、C18カラム上での逆相LCにより、続いてシリカゲル上での分取TLCにより単離し、これをジクロロメタン中の10%MeOH中で展開した。MS:480.1(M+1)。
【0267】
実施例21
【0268】
【化71】

【0269】
(1R,1aR,6bS)−4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボキサミド
アセトニトリル(15mL)中の対応する酸(実施例3、402mg、1.0mmol)の攪拌溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(126.6mg、1.1mmol)及びEDC(210.9mg、1.1mmol)を添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、次いで水酸化アンモニウム(0.2mL、3mmol)を添加した。反応物を室温で3時間攪拌した。沈殿物を濾過して除き、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ジクロロメタン中のメタノール(0ないし10%)で溶出した。最終生成物を白色固体として回収した。MS:402.3(M+1)。
【0270】
実施例22
【0271】
【化72】

【0272】
【化73】

【0273】
工程1.5−{(1S,1aR,6bS)−4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボニトリル
DMF(5mL)中の対応するアミド(実施例21、386mg、0.96mmol)の攪拌溶液に、塩化シアヌル(cyanuric chloride)(89mg、0.48mmol)を添加した。反応物を室温で2時間攪拌した。水性後処理の後、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし30%)で溶出した。最終生成物を無色の油として得た。
【0274】
【化74】

【0275】
工程2.5−{(1S,1aR,6bS)−4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−イル}−2H−テトラゾール
2−プロパノール(1.25mL)及び水(2.5mL)中の上述のニトリル(82.8mg、0.216mmol)の攪拌溶液に、アジ化ナトリウム(70.2mg、1.08mmol)及び臭化亜鉛(73mg、0.32mmol)を添加した。反応物を100℃にて一晩攪拌した。粗生成物を濾過により、黄色がかった沈殿物として回収した。純粋な生成物を、C18カラム上での逆相LCにより、白色固体として単離した。
【0276】
【化75】

【0277】
実施例23
【0278】
【化76】

【0279】
【化77】

【0280】
工程1.6−ヒドロキシ−2−メチル−1−ベンゾフラン−3(2H)−オン
メタンスルホン酸(75mL)中のレゾルシノール(5.5g、50mmol)の攪拌溶液に、2−ブロモプロピオン酸(4.7mL、50mmol)及びP(4.0g、28mmol)を添加した。得られる混合物を30分間80℃にて攪拌した。室温への冷却後、反応混合物を氷上に注ぎ、そしてクロロホルムで抽出した(2×)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。オレンジ色の粗生成物(約12g)を注意深く、水酸化ナトリウム水溶液(2N、245mL)中に0ないし5℃にて取り出し、そして得られた混合物を室温で一晩乾燥した。濃茶色の溶液を0℃に冷却し、そして濃HClで、注意深くpH約3に酸性化した。次いでこれを酢酸エチルで抽出した(3×)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(20ないし75%)で溶出した。室温に置いた際に、最終生成物を結晶性の塩として得た。NMRは互変異性体の混合物を示した(殆どがエノール形態)。
【0281】
【化78】

【0282】
工程2.6−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−メチル−1−ベンゾフラン−3(2H)−オン
アセトニトリル(40mL)中の上述のケトン(3.6g、21mmol)の攪拌溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(3.4g、22.5mmol)及びトリエチルアミン(3.5mL、25mmol)を添加した。混合物を室温にて18時間攪拌した。通常の水性後処理の後、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(10ないし50%)で溶出した。最終生成物を無色の油として回収した。
【0283】
【化79】

【0284】
工程3.2−メチル−1−ベンゾフラン−6−オール
エタノール(5mL)中の上述のケトン(250mg、0.9mmol)の攪拌溶液に、ホウ化水素ナトリウム(100mg、2.6mmol)を添加した。混合物を室温にて一晩攪拌した。塩酸(5mL、3N)を注意深く添加し、そして反応を室温にてもう一日攪拌した。通常の水性後処理の後、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(5ないし45%)で溶出した。最終生成物を結晶性の固体として回収した。
【0285】
【化80】

【0286】
工程4.4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a−メチル−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3の方法に従う。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで抽出した。MS:417.3(M+1)。
【0287】
【化81】

【0288】
実施例24
【0289】
【化82】

【0290】
【化83】

【0291】
工程1.1−[3−(ベンジルオキシ)フェノキシ]アセトン
実施例1、工程1の方法に従う。
【0292】
【化84】

【0293】
工程2.3−メチル−1−ベンゾフラン−6−オール
ジクロロメタン(250mL)中の上述のケトン(1.6g、6.2mmol)の攪拌溶液に、ジクロロメタン(50mL)中の三フッ化ホウ素エーテル(0.95mL、7.5mmol)の溶液を1時間にわたってゆっくりと添加した。得られた紺青色の溶液を室温でさらに1時間攪拌した。重炭酸ナトリウム(水溶液、飽和)で注意深く反応を停止した。通常の水性後処理の後、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製して、ヘキサン中の酢酸エチル(5ないし25%)で溶出した。最終生成物を白色固体として回収した。
【0294】
【化85】

【0295】
工程3.4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−6b−メチル−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3の方法に従う。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:417.2(M+1)。
【0296】
実施例25
【0297】
【化86】

【0298】
4−[(3−フェノキシベンジル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1の方法に従う。MS:375.3(M+1)。
【0299】
実施例26
【0300】
【化87】

【0301】
4−[(2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1の方法に従う。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:387.2(M+1)。
【0302】
実施例27
【0303】
【化88】

【0304】
4−{[4’−(2−エトキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−3−イル]メトキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3の方法に従う。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:473.3(M−1)。
【0305】
【化89】

【0306】
実施例28
【0307】
【化90】

【0308】
【化91】

【0309】
工程1.6−[(3−ヨードベンジル)オキシ]−1−ベンゾフラン
DMF(10mL)中の1−ベンゾフラン−6−オール(1.0g、7.5mmol)及び3−ヨード臭化ベンジル(2.7g、9.0mmol)の攪拌溶液に、炭酸カリウム(1.5g、11.0mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下、室温で3日間攪拌した。反応を酢酸エチルで希釈し、水(2×)及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(10〜50%)で溶出した。最終生成物を、淡黄色の粘性油として回収した。
【0310】
【化92】

【0311】
工程2.エチル4−[(3−ヨードベンジル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸(中間体A)
実施例3、工程3の方法に従う。所望のトランス(又はエキソ−)ジアステレオマーを淡黄色の結晶性の固体として得た。
【0312】
【化93】

【0313】
工程3.4−[(3−ヨードベンジル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1、工程3の方法に従う。最終生成物を、わずかに着色された固体として得た。MS:409.1(M+1)。
【0314】
実施例29
【0315】
【化94】

【0316】
(1R,1aR,6bS)−4−[(4’−メトキシ−2’,6’−ジメチルビフェニル−3−イル)メトキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボン酸
ジオキサン(2mL)中の実施例28、工程2からのエチルエステル(中間体A)(50mg、0.11mmol)の溶液に、dppf(10mg、0.011mmol)及び2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンボロン酸(20mg、0.12mmol)を添加し、続いてLiOH(0.6mL、2N 0.12mmol)を添加した。反応物を密封し、そして80℃にて一晩攪拌した。室温への冷却後、塩化アンモニウム(水溶液、飽和)で反応を停止した。有機層を分離し、そしてC18逆相カラム上に直接的に注入し、水中のアセトニトリル及び0.1%TFAで溶出した。所望の生成物を、凍結乾燥後に薄青色の固体として単離した。MS:417.3(M+1)。
【0317】
2−(ジフルオロメトキシ)−1−フルオロ−4−トリフルオロメチルベンゼンの代替の合成
【0318】
【化95】

【0319】
上向き攪拌棒、熱温度計、窒素注入口、コンデンサー、及び水蒸気浴を備える100Lの丸底フラスコに、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェノール(5.50kg)、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(9.31kg)、及びDMF(4L)を充填した。4LのDMFをフラスコに充填した場合、46.7℃への発熱があった。反応物の温度を、氷/水浴で迅速に冷却することにより、即座に19℃に下げた。次いで、さらなる37.3LのDMF(合計DMF、41.3L)をゆっくりと充填し、内部温度を30℃を下回って維持した。周囲の温度への冷却後、水(5.5L)を充填し、10℃の発熱を生じた。次いで、炭酸カリウム(5.28kg)を添加した。氷水浴を取り出し、そして水蒸気浴を使用して、バッチを97℃に加熱した。反応を、2時間97℃への熟成後に完了し、HPLCアッセイにより確認されたように、1%未満の開始材料が残存した。反応物を周囲の温度に冷却し、そして水(42L)をゆっくりと添加した。バッチを170L抽出器に移し、MTBE(2×18L)で抽出した。有機層を合わせ、水(1×11L)及びブライン(1×11L)で洗浄した。MTBE溶液を、熱温度計、蒸留装置、及び加熱マントルを備える22Lフラスコにポンプで注入した。MTBEを、55ないし118℃及び大気圧で、蒸留して除いた。所望の生成物を、120ないし157℃及び大気圧での蒸留により精製し、透明な油として単離した。
【0320】
6−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ベンゾフランの代替の合成
【0321】
【化96】

【0322】
13.8LのN−メチルピロリジノン(NMP)中の2−(ジフルオロメトキシ)−1−フルオロ−4−トリフルオロメチルベンゼン(5207g)、1−ベンゾフラン−6−オール(2767g)、及びCsCO(13.44kg)を、100L RBFに充填した。それらが混合された後、40℃への発熱が生じた。混合物を105℃に加温し、そしてその温度で7時間熟成した。混合物を周囲の温度に冷却し、次いでトルエン(34L)及び水(34L)を添加した。有機層を、1N NaOH(7.5L)で先ず洗浄し、次いで15重量%ブライン(6L)で洗浄した。有機層を約28Lに濃縮した。Karl−Fischer滴定により水の量は200μg/mL未満であった。トルエン溶液をSiO(5.0kg)のプラグを介して濾過した。シリカをトルエン(14,2L)で洗浄した。濾液を回転式エバポレーター上で濃縮して、6−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ベンゾフランビアリールエーテルを、薄いオレンジ色の油として得た。
【0323】
(1R,1aR,6bS)−4−[(2−ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボン酸の代替の合成
工程1.エチル(1R,1aR,6bS)−4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボン酸を得るための非対称性のシクロプロパン化
【0324】
【化97】

【0325】
ジクロロメタン(18L)、リガンド(R)−(+)−2,2’−イソプロピリデン−ビス−(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン(66.8g)、及び(CuOTf)2−トルエン複合体(41.3g)を、100Lシリンダーに充填し、これは上向き攪拌棒、熱温度計、滴下漏斗、及び窒素注入口を備えていた。反応混合物を23℃にて、これが殆ど均一な緑色の溶液になるまで熟成し、底に少量の固体を伴った(典型的に2ないし6時間を必要とした)。フェノキシベンゾフラン(6.031kg、91.35重量%、92.0アッセイ%純度、26.9ppm水(Karl Fischer滴定による)を、ジクロロメタン(4L)で反応器中でリンスした。反応混合物を室温で0.5時間熟成し、次いで−9ないし−12℃に冷却した。ジクロロメタン中のジアゾ酢酸エチル(85重量%、5.64kg、2.63当量)を、−9ないし−12℃にて30時間にわたってゆっくりと反応混合物に添加し、所望の生成物への96A%の変換を生じさせ、エキソ:エンドの比率は約29.3:1であった。反応混合物を周囲の温度にゆっくりと加温し、そして0.5時間熟成させた。EDTA二ナトリウム塩溶液(0.05M、18L)を添加し、そして反応混合物を1時間20℃にて熟成した。相を分離し、そして有機層をさらなる0.05M EDTAナトリウム塩溶液(8L)で洗浄した。有機層中の所望されるエキソ生成物をアッセイして、6.17kg(90%収率、92,1%鏡像体過剰率)であった。溶液を濃縮し、そして溶媒を、次の工程のためにメタノール(25L、総容量)に切り替えた。
【0326】
工程2.エステル加水分解、シス−アミノインダノール(CIA)塩としての単離
【0327】
【化98】

【0328】
THF(30L)、水(15L)、及びLiOH(5当量)を、MeOH中の以前の工程からのエステルの溶液を含有する100L RBFに添加した。混合物は迅速に暗色になり、38℃発熱した。反応を3時間、周囲の温度にて熟成させ、次いで円筒状の反応容器に移した。トルエン(30L)及び5N HCl(1.1当量)を添加し、そして層を分離した。有機層を水(2×30L)で洗浄した。次いで有機層を、水の共沸除去により約29Lに濃縮した。LiCl沈殿物が、濃縮の間に形成された。Ecosorb C905(50重量%、2.89kg)を薄層スラリーに添加し、次いで混合物を周囲の温度にて2時間熟成させ、solka flocを介して濾過し、そしてトルエン(23L)でリンスした。濾液を29Lに濃縮し、そして(R,S)−CAI,(R,S)−シス−アミノインダノール(加水分解したエステルのアッセイされた量と比較して0.96当量)を添加した。混合物を85℃に加温してすべての固体を溶解した。次いで混合物を75℃に冷却し、そしてCAI塩は結晶化を開始した。混合物を15分間、75℃にて熟成し、次いでヘプタン(13.5L)を1時間にわたって添加した。混合物を、室温にゆっくりと冷却させた。混合物を濾過した。固体生成物を2:1トルエン/ヘプタン(18L)で洗浄し、次いで窒素下で5日間、乾燥した。単離した生成物は98.6%純粋な固体、98.0%ee(鏡像体過剰率)であった。
【0329】
CAI塩(上述からの5900gの98.6重量%生成物)を、85℃にてトルエン(53L)中に溶解し、次いで70℃に冷却して、薄層スラリーを得た。
ヘプタン(18L)を、温度を65ないし70℃に維持しながら、1時間にわたって添加した。混合物を室温に3時間にわたって冷却させ、次いで濾過した。濾過ケーキを、窒素下で2日間乾燥した。単離された生成物の純度は、99A%を越え、及び98.8%ee(鏡像体過剰率)であった。
【0330】
工程3.(1R,1aR,6bS)−4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−カルボン酸
【0331】
【化99】

【0332】
以前の工程からのCAI塩(5463g)を、MTBE(27.3L)と10.9Lの1N HCl(1.1当量)との混合物を含む100Lの円筒状の容器に添加した。15分間の十分な攪拌後、水層を安定させ、そして層を分離した。有機層を11.8Lの水で洗浄した。次いで、有機層をIPA(16L)に切り替えた。水(8L)を一回で添加し、次いで1%種晶(初期のバッチから得た)を添加した。(生成物は、種晶を伴わずに(何も利用可能でない場合)、結晶化する)。15分後、水(32L)を1時間にわたって添加した。混合物を14時間熟成させ、次いで濾過し、2:3 IPA/水(15L)で洗浄し、そして窒素下で20時間乾燥した。生成物の純度は99.78A%、98.6%ee(鏡像体透過率)であった。生成物は、結晶性無水遊離酸であり、これは以下に記載の方法により特徴づけられる。結晶性の生成物は、実施例3において単離された生成物と同じ結晶形態学を有する。
【0333】
実施例3の結晶性遊離酸の特徴付け
X−線粉末回析研究は、分子構造、結晶化度、及び多形を特徴付けするために広範に使用される。上記のプロセスにより調製される実施例3の結晶性無水遊離酸のX−線粉末回析パターンは、PW3040/60コンソールを備えるPhilips Analytical X’Pert PRo X−ray Diffraction Systemにおいて調製された。PW3373/00セラミックCu LEF X−線チューブK−Alpha放射線を、供給源として使用した。
【0334】
図1は、上記のプロセスにより調製される実施例3の結晶性無水遊離酸のX−線回析パターンを示す。結晶性無水遊離酸は9.7、6.1、及び5.6オングストロームのd−間隔に対応する特徴的な回析ピークを示した。これはさらに、4.8、4.4、及び4.1オングストロームのd−間隔により特徴づけられた。これはさらに、3.7、3.4、及び3.2オングストロームのd−間隔により特徴づけられた。
【0335】
上記のプロセスにより調製される実施例3の結晶性無水遊離酸はさらに、その固体炭素−13核磁気共鳴(NMR)スペクトルにより特徴づけられた。固体炭素−13NMRスペクトルを、Bruker 4mm H/X/Y CPMASプローブを使用して、Bruker DSX 500WB NMRシステムにおいて得た。炭素−13NMRスペクトルは、変動振幅交差分極、総サイドバンド抑制、及び100kHzでのSPINAL減結合とともに、プロトン/炭素−13交差分極マジック角回転を利用する。サンプルを10.0kHzにてスピンし、そして30秒間の遅れの再循環で、合計512回のスキャンを収集した。10Hzの線幅拡大を、FTが行われる前にスペクトルに適用した。化学シフトは、二次参照として、グリシンのカルボニル炭素を使用して、TMS規模で報告される(176.03p.p.m.)。
【0336】
図2は、上記のプロセスにより調製される生成物の結晶性無水遊離酸の固体炭素−13 CPMAS NMRスペクトルを示す。結晶性無水遊離酸は、180.9、153.7、69.7、及び23.0p.p.m.の化学シフト値を伴う、特徴的なシグナルを示した。結晶性遊離酸のさらなる特徴は、160.9、123.5、及び31.5p.p.m.の化学シフト値を伴うシグナルである。なおさらに結晶性遊離酸は、125.8、112.9、及び115.2p.p.m.の化学シフト値を伴うシグナルにより特徴づけられる。
【0337】
上記のプロセスにより調製される実施例3の結晶性遊離酸のDSCデータを、TA装置DSC2910又は等価な装置を使用して、密封化皿において、窒素雰囲気下、10℃/分の加熱速度で獲得した。
【0338】
図3は、結晶性無水遊離酸の異なる示差走査熱量測定を示す。結晶性無水遊離酸は、融解に起因して吸熱を示し、121.0℃の開始温度、122.8℃のピーク温度、及び64.4J/gのエンタルピー変化を伴った。
【0339】
実施例30
【0340】
【化100】

【0341】
4−[(4−ヨードベンジル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:409.2(M+1)。
【0342】
実施例31
【0343】
【化101】

【0344】
4−[(4’−メトキシ−2’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例29を参照のこと。MS:403.1(M+1)
【0345】
実施例32
【0346】
【化102】

【0347】
4−{[2’,6’−ジメチル−4’−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ビフェニル−3−イル]メトキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3、工程3及び4を参照のこと。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:485.4(M−1)。
【0348】
実施例33
【0349】
【化103】

【0350】
4−{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:351.2(M+1)。
【0351】
実施例34
【0352】
【化104】

【0353】
4−{[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:351.3(M+1)。
【0354】
実施例35
【0355】
【化105】

【0356】
4−({2’,6’−ジメチル−4’−[(3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ビフェニル−3−イル}メトキシ)−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3、工程3及び4を参照のこと。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:487.3(M+1)。
【0357】
実施例36
【0358】
【化106】

【0359】
4−[2−(4−メチル−2−フェニル−1,3−チアゾール−5−イル)エトキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3を参照のこと。MS:394.0(M+1)。
【0360】
実施例37
【0361】
【化107】

【0362】
4−{[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:369.0(M+1)。
【0363】
実施例38
【0364】
【化108】

【0365】
4−{[4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:365.0(M+1)。
【0366】
実施例39
【0367】
【化109】

【0368】
4−{[3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:369.3(M+1)。
【0369】
実施例40
【0370】
【化110】

【0371】
4−{[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:369.3(M+1)。
【0372】
実施例41
【0373】
【化111】

【0374】
4−{[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:369.3(M+1)。
【0375】
実施例42
【0376】
【化112】

【0377】
4−{[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:351.3(M+1)。
【0378】
実施例43
【0379】
【化113】

【0380】
4−[(3−ニトロベンジル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:328.3(M+1)。
【0381】
実施例44
【0382】
【化114】

【0383】
4−{[3−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンジル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:365.1(M+1)。
【0384】
実施例45
【0385】
【化115】

【0386】
4−[(3−シアノベンジル)オキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例28を参照のこと。MS:308.1(M+1)。
【0387】
実施例46
【0388】
【化116】

【0389】
工程1
【0390】
【化117】

【0391】
6−[1−(3−フェノキシフェニル)エトキシ]−1−ベンゾフラン
実施例62、工程2を参照のこと。
【0392】
工程2
【0393】
【化118】

【0394】
4−[1−(3−フェノキシフェニル)エトキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3、工程3及び4を参照のこと。MS:389.1(M+1)。
【0395】
実施例47
【0396】
【化119】

【0397】
4−{1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例46を参照のこと。MS:365.0
【0398】
実施例48
【0399】
【化120】

【0400】
4−{1−[4’−(2−エトキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−3−イル]エトキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例46を参照のこと。MS:489.1(M+1)。
【0401】
【化121】

【0402】
実施例49
【0403】
【化122】

【0404】
工程1
【0405】
【化123】

【0406】
5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]インダン−1−オン
実施例1、工程1を参照のこと。
【0407】
工程2
【0408】
【化124】

【0409】
5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]インダン−1−オール
上述のインダノン(2.0g、6mmol)の攪拌溶液に、ホウ化水素ナトリウムを数回に分けて添加した。30分後、塩酸(2N)で注意深く反応を停止した。粗生成物を酢酸エチルで抽出し、そしてシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし40%)で溶出して、最終生成物を無色の油として得た。
【0410】
工程3
【0411】
【化125】

【0412】
2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル1H−インデン−6−イルエーテル
ジクロロメタン(30mL)中の上述のインダノール(1.05g、3.2mmol)の攪拌溶液に、0℃にて、塩化メタンスルホニル(0.3mL、3.8mmol)及びトリエチルアミン(1.1mL、8.0mmol)を添加した。反応物を室温に2時間にわたって加温し、そして一晩攪拌した。通常の水性後処理の後、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし30%)で溶出した。最終生成物をわずかに黄ばんだ油として得た。
【0413】
工程4
【0414】
【化126】

【0415】
最終生成物を、実施例1、工程2及び工程3の方法を使用して、工程3からのインデニルエーテルから得た。MS:367.1(M−1)。
【0416】
実施例50
【0417】
【化127】

【0418】
4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1,1a,6,6a−テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3及び49を参照のこと。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%で溶出した。MS:401.3(M+1)。
【0419】
実施例51
【0420】
【化128】

【0421】
4−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3及び49を参照のこと。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:370.1(M−1)。
【0422】
【化129】

【0423】
実施例52
【0424】
【化130】

【0425】
工程1
【0426】
【化131】

【0427】
6−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]インダン−1−オン
30mlのDMF中の6−ヒドロキシインダン−1−オン(1.48g、10mmol)の攪拌溶液に、3−クロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド(2.46g、12mmol)及び炭酸セシウム(8.40g、25mmol)を添加した。反応混合物を80℃にて12時間加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水(2×)及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(2ないし40%)で溶出した。最終生成物を黄褐色の油として回収した。
【0428】
工程2
【0429】
【化132】

【0430】
6−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1H−インデン−1−オン
トルエン(5.0mL)中の6−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]インダン−1−オン(200mg、0.612mmol)の攪拌溶液に、0℃にて窒素下、トリエチルアミン(0.104mL、0.734mmol)、続いてトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.140g、0.612mmol)を添加した。反応物を室温に加温し、そして10分間攪拌し、次いでジエチルエーテル及び飽和化重炭酸ナトリウムで希釈した。水層をジエチルエーテルで抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(1.0mL)中に溶解し、そして室温にて暗所中、カニューレを介して、アセトニトリル(4.0mL)中のPd(OAc)(134mg、0.60mmol)の懸濁液に添加した。得られた反応混合物を1.25時間攪拌し、次いでジエチルエーテルで希釈し、セリットを介して濾過し、そして濃縮して最終生成物を黄色の油として得、これはさらなる精製を伴わずに進めた。
【0431】
工程3
【0432】
【化133】

【0433】
エチル4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−6−オキソ−1,1a,6,6a−テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン−1−エキソ−カルボキシレート
トルエン(2.0mL)中の(ジメチルスルフラニリデン)酢酸エチル(J.Med.Chem.1997,40,528,168mg,0.73mmol)の攪拌溶液に、DBU(0.111g、0.73mmol)を室温で添加した。混合物を1時間攪拌し、その後トルエン(0.5mL)中の6−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1H−インデン−1−オン(0.188g、0.58mmol)の溶液を暗所中で添加した。反応混合物を12時間室温で攪拌し、次いで飽和化塩化アンモニウムで反応を停止し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(4ないし60%)で溶出した。生成物を透明な油として回収した。
【0434】
工程4
【0435】
【化134】

【0436】
4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−6−オキソ−1,1a,6,6a−テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1を参照のこと。逆相HPLC(0.1%TFA/HO/アセトニトリル勾配)による精製は、生成物を白色固体として提供した。MS:383.0(M+1)。
【0437】
実施例53
【0438】
【化135】

【0439】
4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−6−オキソ−1,1a,6,6a−テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン−1−エキソ−カルボン酸
実施例52を参照のこと。MS:414.0(M+1)。
【0440】
実施例54
【0441】
【化136】

【0442】
工程1
【0443】
【化137】

【0444】
エチル4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−6−ヒドロキシ−1,1a,6,6a−テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン−1−エキソ−カルボキシレート
THF(0.5mL)中の対応するケトエステル(24mg、0.054mmol)の攪拌溶液に、THF中のホウ化水素リチウム溶液(2.0M、0.065mL)を、0℃にて添加した。1時間後、飽和化重炭酸ナトリウムで反応を停止し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。ヘキサン中の酢酸エチル(4%ないし60%)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーは、生成物(ジアステレオマーの4:1混合物)を無色の油として提供した。
【0445】
工程2
【0446】
【化138】

【0447】
4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−6−ヒドロキシ−1,1a,6,6a−テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1を参照のこと。最終生成物(ジアステレオマーの4:1混合物)を白色固体として回収した。MS:416.1(M+1)。
【0448】
【化139】

【0449】
実施例55
【0450】
【化140】

【0451】
工程1
【0452】
【化141】

【0453】
5−アミノインダン−1−オール
THF(100mL)中の5−ヒドロキシインダン−1−オン(4g、0.27モル)の攪拌溶液に、THF(20ml、0.2モル)中の水素化アルミニウムリチウムの1M溶液を、氷浴で冷却して、約20分間内に滴下して添加した。次いで混合物を室温で2ないし4時間攪拌した。次いで、気体がもはや発生しなくなるまで、1.0N NaOH溶液で反応を停止し、そして室温で30分間、攪拌を維持した。懸濁液を濾過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、生成物を油として得た。粗生成物をさらなる精製を伴わずに次の工程において使用した。
【0454】
工程2
【0455】
【化142】

【0456】
1H−インデン−6−アミン
メタノール(100mL)中の5−アミノ−1−ヒドロキシインダン(4.2g、0.26mol)の攪拌溶液に、塩酸(100mL、1.0N)を添加した。混合物を40℃にて2時間攪拌し、次いで灰色粉末としての生成物に、減圧下で乾燥に濃縮した。
【0457】
工程3
【0458】
【化143】

【0459】
N−1H−インデン−6−イル−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−アミン
実施例1、工程1を参照のこと。最終生成物を、無色の油として回収した。
【0460】
工程4
【0461】
【化144】

【0462】
N−(2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−N−1H−インデン−6−イルアセタミド
ジクロロメタン(4.0ml)中の4−[(2’,6’−ジメチルビフェニル−3−イル)メチルアミノ]−インデン(170mg、0.52mmol)の攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(100mg、5.3mmol)を氷浴中で添加した。混合物を0℃にて4時間攪拌し、乾燥に濃縮し、そしてシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0ないし30%)で溶出した。最終生成物を無色の油として回収した。
【0463】
工程5
【0464】
【化145】

【0465】
4−[(2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イル)アミノ]−1,1a,6,6a−テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1、工程2及び3を参照のこと。シクロプロパン化を、ジクロロエタン中で、80℃にて行った。MS:384.2(M+1)。
【0466】
実施例56
【0467】
【化146】

【0468】
5−[(2’,6’−ジメチルビフェニル−3−イル)メトキシ]−1a,2,3,7b−テトラヒドロ−1H−シクロプロパ[a]ナフタレン−1−エキソ−カルボン酸
実施例55を参照のこと。MS:398.2(M+1)。
【0469】
【化147】

【0470】
実施例57
【0471】
【化148】

【0472】
工程1
【0473】
【化149】

【0474】
DMF(20mL)中の3,3’−ジヒドロキシジフェニルジスルフィド(1.01g、4.03mmol)及びCsCO(3.3g、10mmol)の懸濁液に、3−クロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド(2g、10mmol)を添加した。反応を100℃にて一晩加熱した。次いで、混合物を冷却し、そしてエーテル(200mL)と水(200mL)との間に分配した。水層をさらにエーテルで抽出した(2×100mL)。有機層を合わせ、水(1×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた油を次の工程において直接使用した。
【0475】
工程2
【0476】
【化150】

【0477】
THF(30mL)中の工程1からの生成物(約3.6mmol)の溶液を、窒素を介して30分間泡立てることにより脱気した。次いで、n−BuP(896μL、3.6mmol)を添加した。反応物を、室温にて1時間攪拌した。完成した反応物を、EtOAc(200mL)と水(150mL)との間に分配した。水層をさらにEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(1×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。次いで混合物をフラッシュクロマトグラフィー(0%ないし50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望のチオールを得た。
【0478】
工程3
【0479】
【化151】

【0480】
DMF(40mL)中の工程2からの生成物(2.4g、8mmol)に、NaH(鉱物油中の60%、345mg)を添加した。30分間室温での攪拌後、透明な溶液を得た。次いで、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(10mmol、1.55mL)を反応物に添加した。反応を室温で1時間後に完了した。合わせた反応物を、MTBE(200mL)と水(150mL)との間に分配した。水層をさらにMTBE(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(1×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。次いで、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0%ないし15%EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望の生成物を得た。
【0481】
工程4
【0482】
【化152】

【0483】
CHCl(40mL)中のBF3.EtO(3.55mmol、0.45mL)の攪拌溶液に、CHCl(15mL)中の工程3からの生成物(1.36g、3.32mmol)を、室温で1時間にわたってゆっくりと添加した。添加後、反応を室温にて一晩攪拌し、その後、飽和化NaHCO水溶液(100mL)で反応を停止した。有機層を分離し、そして水槽をさらに、CHCl(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(1×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。次いで、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0%ないし15%EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望の生成物を得た。
【0484】
工程5
【0485】
【化153】

【0486】
4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾチオフェン−1−エキソ−カルボン酸
実施例1、工程2及び3を参照のこと。シクロプロパン化を、ジクロロエタン中で80℃にて行った。MS:387.0(M+1)。
【0487】
実施例58
【0488】
【化154】

【0489】
4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾチオフェン−1−エキソ−カルボン酸2,2−ジオキシド
CHCl(0.5mL)中の実施例57(3mg)の溶液に、m−CPBA(10mg)を添加した。室温で1時間後、有機溶媒を真空下で除去し、そして残渣を逆相HPLC(C18.5ミクロン、20%ないし80%のCHCN/HO/0.1%TFA)により精製した。合わせた純粋な画分を一晩凍結乾燥して所望の生成物を得た。MS:418.7(M+1)。
【0490】
実施例59
【0491】
【化155】

【0492】
4−[2−(ジフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾチオフェン−1−エキソ−カルボン酸
実施例57を参照のこと。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:418.9(M+1)。
【0493】
実施例60
【0494】
【化156】

【0495】
(1S,1aR,7bS)−5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,2,3,7b−テトラヒドロ−1H−シクロプロパ[a]ナフタレン−1−カルボン酸
実施例49を参照のこと。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:363.3(M+1)。
【0496】
実施例61
【0497】
【化157】

【0498】
(1R,1aR,7bS)−5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1,1a,2,7b−テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン−1−カルボン酸
実施例49を参照のこと。最終生成物を、ChiralPak AD−H準分取カラム上で精製し、ヘプタン中の4ないし7%エタノールで溶出した。MS:385.1(M+1)。
【0499】
【化158】

【0500】
実施例62
【0501】
【化159】

【0502】
工程1
【0503】
【化160】

【0504】
1−ベンゾフラン−6−イルメタノール
THF(5ml)中のメチル1−ベンゾフラン−6−カルボキシレート(J.Med.Chem.1995,38,3094;142mg、0.8mmol)の溶液を、−10℃にて、THF(2mL)中の水酸化アルミニウムリチウム(92mg、2.4mmol)の攪拌懸濁液に滴下して添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、0℃に冷却し、そして水(1mL)でゆっくり処理した。混合物を、2N HClでpH1にし、そして酢酸エチルで抽出した(3×)。合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して最終生成物を得た。
【0505】
工程2
【0506】
【化161】

【0507】
6−{[3−トリフルオロメチル]フェノキシ}メチル}−1−ベンゾフラン
1,1’−[(E)−ジアゼン−1,2−ジイルジカルボニル]ジペリジン、(304mg、1.2mmol)を、0℃にて、トルエン(11mL)中の1−ベンゾフラン−6−イルメタノール(119mg、0.8mmol)、トリ−n−ブチルホスフィン(0.3mL、1.2mmol)、及び3−(トリフルオロメチル)フェノール(0.1mL、0.8mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物を室温にて18時間攪拌し、ヘキサン(6mL)で希釈し、そして濾過した。濾液を濃縮し、そして残渣をシリカゲルカラム上で精製して、1ないし4%EtOAc/ヘキサン勾配で溶出して、最終生成物を白色固体として得た。
【0508】
工程3
【0509】
【化162】

【0510】
4−[(3−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−エキソ−カルボン酸
実施例3、工程3及び4を参照のこと。
【0511】
実施例63
【0512】
【化163】

【0513】
【化164】

【0514】
工程1
メチル化して、(1R,1aR,6bS)−エチル4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−メチル−1−カルボキシレート、及び(1S,1aR,6bS)−エチル4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−メチル−1−カルボキシレートを得る。
【0515】
窒素下、−78℃にて、ヨードメタン(61.4mg、0.43mmol)、続いてシクロヘキサン中のLDA(0.23mL、1.5M、0.35mmol)の溶液を、THF(4ml)中のスキーム11におけるシクロプロピルカルボン酸エステル(115mg、0.29mmol)の攪拌溶液に添加した。添加後、濃茶色の反応溶液を−78℃にて2時間攪拌した。次いで、塩化アンモニア飽和水溶液で反応を停止し、そして得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。残渣を、シリカゲルプレート上で分取TLCにより精製して、1R−(又はエキソ−)ジアステレオマー(開始材料との混合物において)、MS:413.2(M+1);及び1S−(又はエンド−)ジアステレオマー(出発物質との混合物において)、MS:413.1(M+1)を得た。
【0516】
工程2A
【0517】
【化165】

【0518】
実施例63(a)
(1R,1aR,6bS)−4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−メチル−1−カルボン酸
THF−MeOH(1.5ml〜0.5ml)中の上述の1Rエステル(10mg、0.024mmol)の攪拌溶液に、LiOH(1mL、1N水溶液)を添加した。反応混合物を室温にて一晩攪拌した。ギ酸(約40%)で反応を停止した。得られた弱酸性の溶液を、分取HPLC逆相(C−18)カラム上で精製し、アセトニトリル/水+0.1%ギ酸で溶出して、所望の生成物を得た。H NMR(CDCl,δppm):0.9(s,3H),3.5(d,1H),5.2(d,1H),6.6(m,2H),7.0(d,1H),7.3(m,1H),7.5(m,1H),7.8(s,1H)。
【0519】
工程2B
【0520】
【化166】

【0521】
実施例63(b)
(1S,1aR,6bS)−4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1a,6b−ジヒドロ−1H−シクロプロパ[b][1]ベンゾフラン−1−メチル−1−カルボン酸
【0522】
THF−MeOH(1.5ml〜0.5ml)中の上述の1Sエステル(20mg、0.048mmol)の攪拌溶液に、LiOH(1mL、1N水溶液)を添加した。反応混合物を室温にて一晩攪拌した。ギ酸(約40%)で反応を停止した。得られた弱酸性の溶液を、分取HPLC逆相(C−18)カラム上で精製し、アセトニトリル/水+0.1%ギ酸で溶出して、所望の生成物を得た。H NMR(CDCl,δppm):1.4(s,3H),3.1(m,1H),4.9(m,1H),6.6(m,2H),6.9(d,1H),7.4(d,1H),7.5(m,1H),7.8(m,1H)。
【図面の簡単な説明】
【0523】
【図1】実施例3の結晶性無水遊離酸の特徴的なX線回析パターンである。
【図2】実施例3の結晶性無水遊離酸の典型的な炭素−13交差分極マジック角回転(CPMAS)核磁気共鳴(NMR)スペクトルである。
【図3】実施例3の結晶性無水遊離酸の典型的なDSC曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、Arは、フェニル、ナフチル、5員ないし6員の単環式の芳香族複素環基(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)、及びベンゾ芳香族複素環基(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし6員の芳香族複素環に縮合したフェニル基を含んでなる)からなる群より選択され、
ここでArは、フェニル、フェノキシ、ベンジル、及び5員ないし6員の芳香族複素環(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)から独立に選択される1個ないし2個の芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−6アルキル、−SC1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−OC(=O)C1−6アルキル、−C(=O)OC1−6アルキル、−S(O)1−6アルキル、−NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし5個の置換基で置換されていてもよく、ここで(a)C1−6アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OH及び−OC1−4アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、(b)−C3−6シクロアルキルは、すべての場合において、ハロゲン及びCHから独立に選択される1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、並びに(c)芳香族置換基であるフェニル、フェノキシ、ベンジル、及び5員ないし6員の芳香族複素環(これは、N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−SC1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−OC(=O)C1−6アルキル、−C(=O)OC1−6アルキル、−S(O)1−6アルキル、NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及び−O(CH)q(4員ないし6員の複素環(これは、O、S、及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する))から独立に選択される1個ないし5個の基で置換されていてもよく、ここでC1−6アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OH及び−OC1−4アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、並びに4員ないし6員の複素環(これは、O、S,及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する)は、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよく;
Xは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−、−OCR1011−、−SCR1011−、−NRCR1011−、−CR1011O−、−CR1011S−、−CR1011NR−、及び−CRCRO−からなる群より選択され;
Yは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−、−C(=O)−、−CR−、−OCR−、−SCR−、及び−CRCR−からなる群より選択され;
Zは、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立にH、ハロゲン、C1−3アルキル、及び−OC1−3アルキルからなる群より選択され、ここでC1−3アルキル及び−OC1−3アルキルはそれぞれ1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく;
は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−SC1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル、−OC(=O)C1−6アルキル、−C(=O)OC1−6アルキル、−S(O)1−6アルキル、−NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、及び−S(O)NR1314からなる群より選択され、ここでC1−6アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく;
、R13、及びR14は、それぞれ独立にH、C1−5アルキル、−C(=O)C1−5アルキル、及び−S(O)1−5アルキルからなる群より選択され、ここでC1−5アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく;
、R、R、R、R10、及びR11は、それぞれ独立にH、ハロゲン、−OH、及びC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択され;
12は、H及びC1−7アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)からなる群より選択され;
pは、0ないし3の整数であり;並びに
qは、0又は1である]
で示される化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Arは、フェニル、ナフチル、5員ないし6員の単環式の芳香族複素環基(これは、独立にN、O、及びSから選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)からなる群より選択され、
ここでArは、フェニル、フェノキシ、及び5員ないし6員の芳香族複素環(これはN、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)から選択される1つの芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−5アルキル、−C3−6シクロアルキル、−OC1−3アルキル、−SC1−3アルキル、−C(=O)C1−3アルキル、−OC(=O)C1−3アルキル、−C(=O)OC1−3アルキル、−S(O)1−3アルキル、−NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで(a)C1−3アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、(b)−C1−5アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、(c)−C3−6シクロアルキルは、すべての場合において、ハロゲン及びCHから独立に選択される1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、並びに(d)フェニル、フェノキシ、及び5員ないし6員の芳香族複素環(N、O、及びSから独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する)から選択される芳香族置換基は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−5アルキル、−OC1−3アルキル、−SC1−3アルキル、−C(=O)C1−3アルキル、−OC(=O)C1−3アルキル、−C(=O)OC1−3アルキル、−S(O)1−3アルキル、−NR1314、−C(=O)N(R13)(R14)、−S(O)NR1314、及び−O(CH)q(4員ないし6員の複素環(これは、O、S、及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する))から独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−3アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、C1−5アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに4員ないし6員の複素環(これは、O、S、及びNから独立に選択される1個ないし2個のヘテロ原子を有する)は、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Arは、フェニル、ナフチル、キノリル、ピリジル、及びチアゾリルからなる群より選択され、ここでArは、フェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルから選択される1つの芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、−OC1−2アルキル、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−4アルキル及び−OC1−2アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに置換基であるフェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルは、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)OH、C1−4アルキル、−OC1−4アルキル、及び−O(CH)q(4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の基で置換されてもよく、ここでC1−4アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、そして4員ないし6員の環状エーテルは、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Zは、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立にH、F、Cl、C1−3アルキル、及びCFからなる群より選択され;
は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−C(=O)H、−C(=O)OH、C1−4アルキル、−OC1−4アルキル、−C(=O)C1−4アルキル、及び−NR1314からなる群より選択され、ここでC1−4アルキルは、すべての場合において、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく;
は、H、C1−3アルキル、及び−C(=O)C1−3アルキルからなる群より選択され、ここでC1−3アルキル及び−C(=O)C1−3アルキルは、1個ないし5個のFで置換されていてもよく;
、R、及びR10は、それぞれ独立にH、−OH、及びCHからなる群より選択され;
、R、及びR11は、それぞれ独立にH及びCHからなる群より選択され;
13及びR14は、それぞれ独立にH、C1−5アルキル、及び−S(O)1−5アルキルからなる群より選択され;
pは、0又は1であり;並びに
qは、0又は1である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
Xは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−CHR11O−、−CHNH−、−OCH−、及び−CHCHO−からなる群より選択され;
Yは、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−OCH−、−C(=O)−、−CHR−、−NR−、及び−CHCH−からなる群より選択され;
Zは、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立にH、CH、及びCFからなる群より選択され;
は、ハロゲン、CH、及びCFからなる群より選択され;
は、H及びCHからなる群より選択され;
は、H及び−OHからなる群より選択され;
11は、H及びCHから選択され;
12は、H及びC1−5アルキル(これは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよい)からなる群より選択され;
13は、H、C1−3アルキル、及び−S(O)1−3アルキルからなる群より選択され;
14は、Hであり;
pは、0又は1であり;並びに
qは、0又は1である、請求項3に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
Arは、フェニル、ナフチル、ピリジル、及びチアゾリルからからなる群より選択され、ここでArは、フェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルから選択される1個の芳香族基で置換されていてもよく、並びにハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、−OC1−2アルキル、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−4アルキル及び−OC1−2アルキルは、1個ないし5個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに置換基であるフェニル、フェノキシ、及びオキサジアゾリルは、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、C1−3アルキル、−OC1−3アルキル、及び−O(CH)q(4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−3アルキルは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく、並びに−OC1−3アルキルは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく、及び−OH及び−OC1−3アルキル(これは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく、並びに4員ないし6員の環状エーテルは、ハロゲン、CH、及びCFから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよく;
Xは、−O−、−CHR11O−、−CHNH−、−OCH−、及び−CHCHO−からなる群より選択され;
Yは、−S−、−S(O)−、−O−、−OCH−、−C(=O)−、−CHR−、及び−CHCH−からなる群より選択され;
Zは、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立にH及びCHからなる群より選択され;
は、H及び−OHからなる群より選択され;
11は、H及びCHから選択され;
12は、Hであり;
13は、H、C1−3アルキル、及び−S(O)1−3アルキルからなる群より選択され;
14は、Hであり;
pは、0であり;並びに
qは、0又は1である、請求項5に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
pが0であり;及びArが1個ないし3個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
Arは
(a)フェニル(ここで、フェニルは、ハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、−OC1−2アルキル、及び−OC3−6シクロアルキルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、ここでC1−4アルキル及び−OC1−2アルキルは、1個ないし3個のハロゲンで置換されていてもよく、並びにここでフェニルは、(i)フェニル(これは、ハロゲン、−CN、−NO、CH、−OCH、CF、−OCF、−OCHF、−OCHCHOC1−2アルキル、及び−O(CH)q(オキセタン及びテトラヒドロピランから選択される4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで4員ないし6員の環状エーテルは、ハロゲン、CH、及びCFから選択される1個の基で置換されていてもよい);(ii)フェノキシ(これは、CH、CF、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよい);並びに(iii)1,2,4−オキサジアゾール−3−イル(これは、1個ないし2個のCH基で置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよく;
(b)ナフチル(これは、CH、CF、ハロゲン、及び−CNから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい);
(c)ピリジル(これは、CH、CF、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし2個の基で置換されていてもよい);
(d)1,3−チアゾール−5−イル(これは、フェニル、CH、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし2個の置換基で置換されていてもよい)、からなる群より選択され;
Xは、−O−、−CHO−、−CH(CH)O−、−CHCHO−、−CHNH−、及び−OCH−からなる群より選択され;
Yは、−S−、−S(O)−、−O−、−OCH−、−C(=O)−、−CH(OH)−、−CH−、及び−CHCH−からなる群より選択され;
Zは、−C(=O)OH、−C(=O)NR1314、及び5−テトラゾリルからなる群より選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立にH及びCHからなる群より選択され;
13は、H、C1−3アルキル、及び−S(O)1−3アルキルからなる群より選択され;
14は、Hであり;
pは、0であり;並びに
qは、0又は1である、請求項7に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
Arはフェニル(ここで、フェニルは、ハロゲン、−CN、−NO、C1−4アルキル、CF、−OCF、−OCHF、−OC1−2アルキル、及び−O−シクロプロピルから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよく、並びに(i)フェニル(これは、ハロゲン、−CN、−NO、CH、−OCH、CF、−OCF、−OCHCHOC1−2アルキル、及び−O(CH)q(オキセタン及びテトラヒドロピランから選択される4員ないし6員の環状エーテル)から独立に選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで4員ないし6員の環状エーテルは、CH及びCFから選択される1個の基で置換されていてもよい);(ii)フェノキシ(これは、CH、CF、及びハロゲンから独立に選択される1個ないし3個の基で置換されていてもよい);並びに(iii)1,2,4−オキサジアゾール−3−イル(これは、1個ないし2個のCH基で置換されていてもよい)から選択される1個の基で置換されていてもよい)であり;
Xは、−O−及びCHO−からなる群より選択され;
Yは、Oであり;
Zは、−C(=O)OH及び−C(=O)NR1314からなる群より選択され;
13は、H、CH、及び−S(O)CHからなる群より選択され;並びに
14は、Hである、請求項8に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
以下の構造を有する化合物:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

からなる群より選択される、請求項8に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される担体とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項12】
2型糖尿病の治療のための薬剤を製造するための、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項13】
2型糖尿病を、かかる処置の必要な患者において治療する方法であって、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩の治療上有効量を、患者への投与することを特徴とする方法。
【請求項14】
(1)請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩;
(2)以下;
(a)PPARガンマ作動薬及び部分作動薬;
(b)ビグアニド;
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤;
(e)インスリン又はインスリン模倣剤;
(f)スルホニル尿素;
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤;
(h)患者の脂質状態を改善する薬剤(当該薬剤は、(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)胆汁抑制薬、(iii)ニコチンアルコール、ニコチン酸、又はその塩、(iv)PPARα作動薬、(v)コレステロール吸収阻害剤、(vi)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、(vii)CETP阻害剤、及び(viii)フェノール系酸化防止剤からなる群より選択される);
(i)PPARα/γ二重作動薬、
(j)PPARδ作動薬
(k)抗肥満化合物;
(l)回腸胆汁輸送体阻害剤;
(m)抗炎症剤;
(n)グルカゴン受容体作動薬;
(o)GLP−1;
(p)GIP−1;
(q)GLP−1アナログ;並びに
(r)HSD−1阻害剤からなる群より選択される1つ以上の化合物;
(3)医薬的に許容される担体、を含んでなる、医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−537524(P2009−537524A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510986(P2009−510986)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/011372
【国際公開番号】WO2007/136573
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】