説明

抗細菌組成物およびその使用方法

本明細書中では、抗細菌組成物、キット、および製品を開示する。本明細書中ではさらに、組織、とりわけ創傷を含めた表面を開示した組成物で処置する方法を開示する。本明細書中では、抗細菌組成物および開示した組成物を使用するための方法を開示する。開示した組成物は、a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;およびb)ペルオキシド源;を含み、組成物は約3〜約8のpHを有する。開示した抗細菌組成物を含むキットをさらに開示する。また、開示した抗細菌組成物を含む製品も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援に関する陳述
本発明は、国立科学財団により授与された以下の助成金:IBN−061485、IBN−0614685、およびMCB−054571、および国立衛生研究所GM−34766の政府支援によりなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
関連出願への相互参照
本願は、2008年7月25日に出願された、米国仮特許出願61/083,790号の優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0003】
開示の分野
本明細書中では、抗細菌組成物、キット、および製品を開示する。本明細書中ではさらに、組織、とりわけ創傷を含めた不活性および生体のどちらの表面も、開示した組成物で処置する方法を開示する。
【背景技術】
【0004】
開示の背景
抗細菌組成物、すなわち殺菌性または静菌性の組成物は、典型的には抗細菌活性をもたらすように作用する単一の強力な成分または複数の成分の混合物を含む。単一の強力な成分、たとえば有機分子を含む組成物は、1種の細菌または微生物の限られたクラスに限定されている場合がある。また、標的微生物が単一の化学種に対して免疫を発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製造者によって配合されるまたは使用時に消費者によって調製されることができ、抗細菌活性を誘導するための自然界に見つかる抗細菌剤として使用することができ、微生物に感染した部位を処置するための有効な方法として役割を果たすことができる抗細菌組成物が、長年にわたって必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中では、抗細菌組成物および開示した組成物を使用するための方法を開示する。開示した組成物は、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;および
b)ペルオキシド源;
を含み、組成物は約3〜約8のpHを有する。
【0007】
開示した抗細菌組成物を含むキットをさらに開示する。また、開示した抗細菌組成物を含む製品も開示する。
【0008】
開示した方法は、微生物に汚染された部位、たとえば創傷を有効量の開示した組成物と接触させることを含む。
【0009】
本開示のさらなる利点は、部分的には以下の説明に記載し、部分的には説明から明らかであり、または本開示を実施することによって知ることができる。本開示の利点は、添付の特許請求の範囲中で特に指摘した要素および組合せによって、実現かつ達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はどちらも例示的および説明的なものでしかなく、特許請求した本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、大腸菌MC4100に対する、過酸化水素を含む(Bの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Bの白のシェーディング)45mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物ならびに過酸化水素を含む(Aの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Aの白のシェーディング)5−グアニジノ−2−オキソペンタン酸を含む試料の、細胞数の7を超える対数単位の低下を示すグラフである。
【図2】図2は、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物を、過酸化水素を用いて(▲)vs過酸化水素を用いずに(△)、大腸菌C921−b2に対して試験した場合の、1mLあたりに存在する生存コロニーの対数に対するα−ケト酸の濃度の効果を示すグラフである。
【図3】図3は、過酸化水素を含む組成物を、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いて(●)vs6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いずに(○)、大腸菌C921−b2に対して試験した場合の、1mLあたりに存在する生存コロニーの対数に対する過酸化水素の濃度の効果を示すグラフである。
【図4】図4は、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物を、過酸化水素を用いて(▲)vs過酸化水素を用いずに(△)、ビブリオ・ハーベイに対して試験した場合の、1mLあたりに存在する生存コロニーの対数に対するα−ケト酸の濃度の効果を示すグラフである。
【図5】図5は、過酸化水素を含む組成物を、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いて(●)vs6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いずに(○)、ビブリオ・ハーベイに対して試験した場合の、1mLあたりに存在する生存コロニーの対数に対する過酸化水素の濃度の効果を示すグラフである。
【図6】図6は、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物を、過酸化水素を用いて(▲)vs過酸化水素を用いずに(△)、黄色ブドウ球菌に対して試験した場合の、1mLあたりに存在する生存コロニーの対数に対するα−ケト酸の濃度の効果を示すグラフである。
【図7】図7は、過酸化水素を含む組成物を、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いて(●)vs6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いずに(○)、黄色ブドウ球菌に対して試験した場合の、1mLあたりに存在する生存コロニーの対数に対する過酸化水素の濃度の効果を示すグラフである。
【図8】図8は、大腸菌MC4100に対する5mMの過酸化水素を含む(Bの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Bの白のシェーディング)27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物vs6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含まない対照試料の、pH6での細胞数の対数単位の低下を示すグラフである。
【図9】図9は、大腸菌MC4100に対する5mMの過酸化水素を含む(Bの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Bの白のシェーディング)27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物vs6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含まない対照試料の、pH7での細胞数の対数単位の低下を示すグラフである。
【図10】図10は、大腸菌MC4100に対する5mMの過酸化水素を含む(Bの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Bの白のシェーディング)27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物vs6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含まない対照試料の、pH8での細胞数の対数単位の低下を示すグラフである。
【図11】図11は、大腸菌MC4100に対する、開示した組成物の構成成分の連続処理の、pH7での対数低下vs対照(A)を示すグラフである。グラフ(B)は、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を単独で用いた処理を表す。グラフ(C)は、過酸化水素を単独で用いた処理を表す。グラフ(D)は、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いた処理、次いで過酸化水素を用いた処理を表す。グラフ(E)は、過酸化水素、次いで6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いた処理を表す。グラフ(F)は、開示した組成物の一例を用いた処理を表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書中に記載の材料、化合物、組成物、物品、および方法は、以下の開示した主題の具体的な態様の詳細な説明およびその中に含まれる実施例を参照して、より容易に理解され得る。
【0012】
本発明の材料、化合物、組成物、物品、装置、および方法を開示および記載する前に、以下に記載する態様はもちろん変化し得るため、これらは具体的な合成方法または具体的な試薬に限定されないことを理解されたい。また、本明細書中で使用する用語は特定の態様を説明する目的のみのものであり、限定することを意図しないことも理解されたい。
【0013】
また、本明細書全体にわたって様々な出版物が引用されている。これらの出版物の開示は、開示した事項が関連する最新技術をより完全に説明するために、その全体で本出願の明細書中に参考として組み込まれている。また、開示した参考文献は、参考文献が依存する文章中で記述されている、参考文献中に含有される材料について、個々にかつ明確に本明細書中に参考として組み込まれている。
【0014】
一般定義
本明細書および続く特許請求の範囲中では、以下の意味を有すると定義されるいくつかの用語を参照する。
【0015】
本明細書中のすべてのパーセンテージ、比および割合は、別段に指定しない限りは重量によるものである。別段に指定しない限りは、すべての温度は摂氏(℃)である。
【0016】
「製薬上許容される」とは、生物学的または他の様式で望ましくないものではない材料、すなわち、臨床的に許容されない生物学的効果を引き起こさずに、またはそれが含有される医薬組成物の他の構成成分のうちの任意のものと有害な様式で相互作用せずに、関連する活性化合物と共に個体に投与することができる材料を意味する。
【0017】
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体にわたって、言葉「含む(comprise)」ならびに「含むこと(comprising)」および「含む(comprises)」などのこの言葉の他の形態とは、それだけには限定されないが、たとえば、他の添加剤、構成成分、整数、またはステップが含まれることを意味し、それを除外することを意図しない。
【0018】
説明および添付の特許請求の範囲中で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」には、内容により明らかにそうでないと指示される場合以外は、複数の指示対象が含まれる。したがって、たとえば、「a組成物」への言及には、2つ以上の開示した化合物の混合物、他の製薬上活性のある化合物と組み合わせた開示した化合物の混合物、または開示した化合物、本明細書中で定義した化合物の溶媒和物もしくは希釈物と他の製薬上許容される成分との混合物が含まれる。
【0019】
「任意選択の」または「任意選択で」とは、続いて記載する事象または状況が起こることができるまたはできないことを意味し、この記載には、事象または状況が起こる場合および起こらない場合が含まれる。
【0020】
範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現することができる。そのような範囲を表す場合、別の態様には、一方の特定の値からおよび/または他方の特定の値までが含まれる。同様に、先行詞「約」を使用することによって値を近似として表す場合、特定の値が別の態様を形成することを理解されたい。それぞれの範囲の端点は、他の端点に関連する場合および他の端点とは独立した場合のどちらでも有意であることをさらに理解されたい。また、本明細書中に開示する値はいくつか存在し、それぞれの値もその値自体に加えて「約」その特定の値として本明細書中に開示することも理解されたい。たとえば、値「10」を開示する場合は、「約10」も開示する。また、当業者によって適切に理解されるように、ある値を開示する場合、その値「以下」、「その値以上」、および値間の可能な範囲も開示することも理解されたい。たとえば、値「10」を開示する場合は、「10以下」および「10以上」も開示する。また、本出願全体にわたってデータをいくつかの異なる様式で提供し、このデータはデータ点の任意の組合せについて端点および開始点および範囲を表すことも理解されたい。たとえば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」を開示する場合は、10および15を超える、それ以上、それ未満、それ以下、およびそれに等しい値ならびに10〜15を開示するとみなされることを理解されたい。また、2つの特定の単位の間のそれぞれの単位も開示することも理解されたい。たとえば、10および15を開示する場合は、11、12、13、および14も開示する。
【0021】
本明細書中で使用する場合、「対象」とは、個体を意味する。したがって、「対象」には、家畜(たとえば、ネコ、イヌなど)、牧畜(たとえば、畜牛、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験動物(たとえば、マウス、ウサギ、ラット、モルモットなど)、および鳥が含まれることができる。また、「対象」には、任意の動物、たとえば、霊長類またはヒトなどの哺乳動物も含まれることができる。
【0022】
「低下させる」または「低下させること」もしくは「低下」などのこの言葉の他の形態とは、事象または特徴(たとえば、微生物の成長または生存)を下げることを意味する。これは典型的には何らかの標準または予測値に関連する、言い換えればそれに相対的であるが、必ずしも標準または相対値を参照する必要はないことを理解されたい。たとえば、「神経変性を低下させる」とは、変性したドーパミン産生ニューロンの量を下げることを意味する。
【0023】
「防止する」または「防止すること」もしくは「防止」などのなどのこの言葉の他の形態とは、特定の事象もしくは特徴を止めること、特定の事象もしくは特徴の発生もしくは進行を安定化もしくは遅延させること、または特定の事象もしくは特徴が起こる可能性を最小限にすることを意味する。防止することとは、典型的にはたとえば低下させることよりも絶対的であるため、対照との比較を必要としない。本明細書中で使用する場合、ある物を低下させることはできても防止することができない場合はあるが、低下させることができる物は防止することもできる。同様に、ある物を防止することはできても低下させることができない場合はあるが、防止することができる物は低下させることもできる。低下させるまたは防止するを使用した場合、具体的に別段に指定しない限りは、他方の言葉の使用も明確に開示することを理解されたい。
【0024】
「処置(処理)する」または「処置(処理)した」もしくは「処置(処理)」などのこの言葉の他の形態とは、特定の特徴または事象(たとえば、微生物の成長または生存)を低下、防止、阻害、分解、または排除するために組成物を投与することまたは方法を行なうことを意味する。用語「制御」は用語「処置」と同義的に使用される。
【0025】
「衛生化すること」または「衛生化する」などのこの言葉の他の形態とは、望ましくない微生物の集団数の対数の少なくとも3以上の低下を意味する。開示した組成物の一部は衛生化を提供するために配合されている。
【0026】
「消毒すること」または「消毒する」などのこの言葉の他の形態とは、望ましくない微生物の集団数の対数の少なくとも6以上の低下を意味する。開示した組成物の一部は消毒を提供するために配合されている。
【0027】
「滅菌すること」または「滅菌する」などのこの言葉の他の形態とは、処置後に測定可能なレベルの望ましくない微生物が存在しないことを意味する。開示した組成物の一部は滅菌を提供するために配合されている。
【0028】
「部位」とは、開示した組成物を施用する位置、たとえば、組織、食品表面、硬表面、多孔性表面などを意味する。
【0029】
「最終組成物」または他の形態とは、部位に施用する組成物を意味する。たとえば、固体形態の組成物では、最終組成物は担体を加えた後の組成物であり、組成物は部位に投与する準備ができている。液体濃縮物である組成物では、最終組成物はさらに希釈した後の組成物である。
【0030】
本明細書全体にわたって、識別子「第1」および「第2」は、もっぱら開示した主題の様々な構成成分およびステップの識別を支援するために使用することを理解されたい。識別子「第1」および「第2」は、これらの用語によって修飾される構成成分またはステップに対して任意の特定の順序、量、優先度、または重要度を暗示することを意図しない。
【0031】
化学的定義
明細書および終結の特許請求の範囲における組成物中の特定の要素または構成成分の重量部への言及は、重量部を表す組成物または物品中の要素または構成成分と任意の他の要素または構成成分との重量の関係性を示す。したがって、2重量部の構成成分Xおよび5重量部の構成成分Yを含有する化合物中では、XおよびYは2:5の重量比で存在し、追加の構成成分が化合物中に含有されているかどうかにかかわらず、そのような比で存在する。
【0032】
構成成分の重量パーセント(wt.%)は、そうでないと具体的に記述した場合以外は、構成成分が含まれる配合物または組成物の合計重量に基づく。
【0033】
本明細書中で使用する用語「イオン」とは、電荷(陽性、陰性、もしくは両方(たとえば双性イオン))を含有する、または電荷を含有させることができる、任意の分子、分子の一部分、分子クラスター、分子複合体、部分、または原子をいう。分子、分子の一部分、分子クラスター、分子複合体、部分、または原子において電荷を生じさせる方法は本明細書中に開示されており、当分野で知られている方法、たとえば、プロトン化、脱プロトン化、酸化、低下、アルキル化などによって達成することができる。
【0034】
用語「陰イオン」とはイオンの一種であり、用語「イオン」の意味に含まれる。「陰イオン」とは、正味の負電荷を含有する、または正味の負電荷を含有させることができる、任意の分子、分子の一部分(たとえば双性イオン)、分子クラスター、分子複合体、部分、または原子である。本明細書中で使用する用語「陰イオン前駆体」とは、化学反応(たとえば脱プロトン化)によって陰イオンに変換することができる分子を具体的にいう。
【0035】
用語「陽イオン」とはイオンの一種であり、用語「イオン」の意味に含まれる。「陽イオン」とは、正味の正電荷を含有する、または正味の正電荷を含有させることができる、任意の分子、分子の一部分(たとえば双性イオン)、分子クラスター、分子複合体、部分、または原子である。本明細書中で使用する用語「陽イオン前駆体」とは、化学反応(たとえば、プロトン化またはアルキル化)によって陽イオンに変換することができる分子を具体的にいう。
【0036】
以下の化学的階層は、本開示の範囲を説明および可能にするため、ならびに本開示の化合物を含む単位を特に指摘し、はっきりと特許請求するために、本明細書の全体にわたって使用するが、しかし、別段に具体的に定義しない限りは、本明細書中で使用する用語は当業者のものと同じである。用語「ヒドロカルビル」とは、1つまたは複数の有機官能基を任意選択で含有する任意の炭素原子に基づく単位(有機分子)を表し、塩、とりわけカルボン酸塩、第四級アンモニウム塩を構成する無機原子が含まれる。用語「ヒドロカルビル」の広義の範囲内には「非環状ヒドロカルビル」および「環状ヒドロカルビル」のクラスがあり、これらの用語はヒドロカルビル単位を環状および非環状クラスへと分類するために使用する。
【0037】
以下の定義に関して、「環状ヒドロカルビル」単位は、環中に炭素原子のみを含み得るか(すなわち炭素環およびアリール環)、または環中に1つもしくは複数のヘテロ原子を含み得る(すなわち複素環およびヘテロアリール環)。「炭素環式」の環では、環中の炭素原子の最小数は3個の炭素原子であり、シクロプロピルである。「アリール」環では、環中の炭素原子の最小数は6個の炭素原子であり、フェニルである。「複素環式」の環では、環中の炭素原子の最小数は1個の炭素原子であり、ジアジリニルである。酸化エチレンは2個の炭素原子を含み、C複素環である。「ヘテロアリール」環では、環中の炭素原子の最小数は1個の炭素原子であり、1,2,3,4−テトラゾリルである。本明細書中で使用する用語「非環状ヒドロカルビル」および「環状ヒドロカルビル」の非限定的な説明を以下に示す。
【0038】
A.置換および非置換の非環状ヒドロカルビル:
本開示の目的のために、用語「置換および非置換の非環状ヒドロカルビル」には3個の単位の分類が包含される。
【0039】
1)直鎖状または分枝状のアルキルであり、その非限定的な例には、メチル(C)、エチル(C)、n−プロピル(C)、イソプロピル(C)、n−ブチル(C)、sec−ブチル(C)、iso−ブチル(C)、tert−ブチル(C)などが含まれ;置換された直鎖状または分枝状のアルキルであり、その非限定的な例には、ヒドロキシメチル(C)、クロロメチル(C)、トリフルオロメチル(C)、アミノメチル(C)、1−クロロエチル(C)、2−ヒドロキシエチル(C)、1,2−ジフルオロエチル(C)、3−カルボキシプロピル(C)などが含まれる。
【0040】
2)直鎖状または分枝状のアルケニルであり、その非限定的な例には、エテニル(C)、3−プロペニル(C)、1−プロペニル(2−メチルエテニルも)(C)、イソプロペニル(2−メチルエテン−2−イルも)(C)、ブテン−4−イル(C)などが含まれ;置換された直鎖状または分枝状のアルケニルであり、その非限定的な例には、2−クロロエテニル(2−クロロビニルも)(C)、4−ヒドロキシブテン−1−イル(C)、7−ヒドロキシ−7−メチルオクタ−4−エン−2−イル(C)、7−ヒドロキシ−7−メチルオクタ−3,5−ジエン−2−イル(C)などが含まれる。
【0041】
3)直鎖状または分枝状のアルキニルであり、その非限定的な例には、エチニル(C)、プロパ−2−イニル(プロパルギルも)(C)、プロピン−1−イル(C)、および2−メチル−ヘキサ−4−イン−1−イル(C)が含まれ;置換された直鎖状または分枝状のアルキニルであり、その非限定的な例には、5−ヒドロキシ−5−メチルヘキサ−3−イニル(C)、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタ−3−イン−2−イル(C)、5−ヒドロキシ−5−エチルヘプタ−3−イニル(C)などが含まれる。
【0042】
B.置換および非置換の環状ヒドロカルビル:
本開示の目的のために、用語「置換および非置換の環状ヒドロカルビル」には5個の単位の分類が包含される。
【0043】
1)本明細書中で用語「炭素環式」とは、「3〜20個の炭素原子を含む環を包含し、前記環を構成する原子は炭素原子に限定され、さらに、それぞれの環は、1つまたは複数の水素原子を置き換えることができる1つまたは複数の部分で独立して置換され得る」として定義される。以下の単位の分類を包含する「置換および非置換の環状炭素」の非限定的な例を以下に示す。
【0044】
i)単一の置換または非置換の炭化水素環を有する環状炭素であり、その非限定的な例には、シクロプロピル(C)、2−メチル−シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、2,3−ジヒドロキシシクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロペンタジエニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘプチル(C)、シクロオクタニル(C)、2,5−ジメチルシクロペンチル(C)、3,5−ジクロロシクロヘキシル(C)、4−ヒドロキシシクロヘキシル(C)、および3,3,5−トリメチルシクロヘキサ−1−イル(C)が含まれる。
【0045】
ii)2つ以上の置換または非置換の縮合炭化水素環を有する環状炭素であり、その非限定的な例には、オクタヒドロペンタレニル(C)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−イル(C)、デカヒドロアズレニル(C10)が含まれる。
【0046】
iii)置換または非置換の二環状炭化水素環である環状炭素であり、その非限定的な例には、ビシクロ−[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、1,3−ジメチル[2.2.1]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、およびビシクロ[3.3.3]ウンデカニルが含まれる。
【0047】
2)本明細書中で用語「アリール」とは、「少なくとも1つのフェニルまたはナフチル環を包含する単位であって、フェニルまたはナフチル環と縮合したヘテロアリールまたは複素環は存在せず、さらに、それぞれの環は、1つまたは複数の水素原子を置き換えることができる1つまたは複数の部分で独立して置換され得る単位」として定義される。以下の単位の分類を包含する「置換および非置換のアリール環」の非限定的な例を以下に示す。
【0048】
i)CまたはC10の置換または非置換のアリール環;置換または非置換にかかわらずフェニルおよびナフチル環であり、その非限定的な例には、フェニル(C)、ナフチレン−1−イル(C10)、ナフチレン−2−イル(C10)、4−フルオロフェニル(C)、2−ヒドロキシフェニル(C)、3−メチルフェニル(C)、2−アミノ−4−フルオロフェニル(C)、2−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル(C)、2−シアノフェニル(C)、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル(C)、3−メトキシフェニル(C)、8−ヒドロキシナフチレン−2−イル(C10)、4,5−ジメトキシナフチレン−1−イル(C10)、および6−シアノ−ナフチレン−1−イル(C10)が含まれる。
【0049】
ii)CまたはC10アリール環を1または2個の飽和環と縮合させて得られたC〜C20環系であり、その非限定的な例には、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル(C)、およびインダニル(C)が含まれる。
【0050】
3)本明細書中で用語「複素環式」および/または「複素環」とは、「3〜20個の原子を有する1つまたは複数の環を含む単位であって、少なくとも1つの環中の少なくとも1つの原子が、窒素(N)、酸素(O)、もしくは硫黄(S)、またはN、O、およびSの混合物から選択されるヘテロ原子であり、さらに、ヘテロ原子を含有する環が同時に芳香環ではない単位」として定義される。以下の単位の分類を包含する「置換および非置換の複素環」の非限定的な例を以下に示す。
【0051】
i)1つまたは複数のヘテロ原子を含有する単一の環を有する複素環式単位であり、その非限定的な例には、ジアジリニル(C)、アジリジニル(C)、ウラゾリル(C)、アゼチジニル(C)、ピラゾリジニル(C)、イミダゾリジニル(C)、オキサゾリジニル(C)、イソオキサゾリニル(C)、チアゾリジニル(C)、イソチアゾリニル(C)、オキサチアゾリジノニル(C)、オキサゾリジノニル(C)、ヒダントイニル(C)、テトラヒドロフラニル(C)、ピロリジニル(C)、モルホリニル(C)、ピペラジニル(C)、ピペリジニル(C)、ジヒドロピラニル(C)、テトラヒドロピラニル(C)、ピペリジン−2−オニル(バレロラクタム)(C)、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−アゼピニル(C)、2,3−ジヒドロ−1H−インドール(C)、および1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(C)が含まれる。
【0052】
ii)そのうちの1つが複素環である2つ以上の環を有する複素環式単位であり、その非限定的な例には、ヘキサヒドロ−1H−ピロリジニル(C)、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾリル(C)、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インドリル(C)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル(C)、およびデカヒドロ−1H−シクロオクタ[b]ピロリル(C10)が含まれる。
【0053】
4)本明細書中で用語「ヘテロアリール」とは、「5〜20個の原子を含む1つまたは複数の環を包含し、少なくとも1つの環中の少なくとも1つの原子は、窒素(N)、酸素(O)、もしくは硫黄(S)、またはN、O、およびSの混合物から選択されるヘテロ原子であり、さらに、ヘテロ原子を含む環のうちの少なくとも1つは芳香環である」として定義される。以下の単位の分類を包含する「置換および非置換の複素環」の非限定的な例を以下に示す。
【0054】
i)単一の環を含有するヘテロアリール環であり、その非限定的な例には、1,2,3,4−テトラゾリル(C)、[1,2,3]トリアゾリル(C)、[1,2,4]トリアゾリル(C)、トリアジニル(C)、チアゾリル(C)、1H−イミダゾリル(C)、オキサゾリル(C)、イソオキサゾリル(C)、イソチアゾリル(C)、フラニル(C)、チオフェニル(C)、ピリミジニル(C)、2−フェニルピリミジニル(C)、ピリジニル(C)、3−メチルピリジニル(C)、および4−ジメチルアミノピリジニル(C)が含まれる。
【0055】
ii)そのうちの1つがヘテロアリール環である2つ以上の縮合環を含有するヘテロアリール環であり、その非限定的な例には、7H−プリニル(C)、9H−プリニル(C)、6−アミノ−9H−プリニル(C)、5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジニル(C)、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジニル(C)、ピリド[2,3−d]ピリミジニル(C)、2−フェニルベンゾ[d]チアゾリル(C)、1H−インドリル(C)、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−H−インドリル(C)、キノキサリニル(C)、5−メチルキノキサリニル(C)、キナゾリニル(C)、キノリニル(C)、8−ヒドロキシ−キノリニル(C)、およびイソキノリニル(C)が含まれる。
【0056】
5)C〜Cアルキレン単位によって別の部分、単位、または分子のコアと接続しているC〜Cテザー環状ヒドロカルビル単位(炭素環式単位、CもしくはC10アリール単位、複素環式単位、またはヘテロアリール単位にかかわらない)。テザー環状ヒドロカルビル単位の非限定的な例には、以下の式を有するベンジルC〜(C)が含まれる:
【0057】
【化1】

[式中、Rは、任意選択で、1つまたは複数の独立して選択される水素の置換である]。さらなる例には、他のアリール単位、とりわけ、(2−ヒドロキシフェニル)ヘキシルC〜(C);ナフタレン−2−イルメチルC〜(C10)、4−フルオロベンジルC〜(C)、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルC〜(C)、ならびに置換および非置換のC〜C10アルキレン炭素環式単位、たとえば、シクロプロピルメチルC〜(C)、シクロペンチルエチルC〜(C)、シクロヘキシルメチルC〜(C)が含まれる。この分類には、置換および非置換のC〜C10アルキレン−ヘテロアリール単位、たとえば以下の式を有する2−ピコリルC〜(C)単位が含まれる:
【0058】
【化2】

[式中、Rは上記定義と同じである]。さらに、C〜C12テザー環状ヒドロカルビル単位にはC〜C10アルキレン複素環式単位およびアルキレン−ヘテロアリール単位が含まれ、その非限定的な例には、アジリジニルメチルC〜(C)およびオキサゾール−2−イルメチルC〜(C)が含まれる。
【0059】
本開示の目的のために、環状炭素はC〜C20であり;アリール環はCまたはC10であり;複素環はC〜Cであり;ヘテロアリール環はC〜Cである。
【0060】
本開示の目的のため、かつ本開示の定義に一貫性を与えるために、1個のヘテロ原子を含む縮合環単位およびスピロ環、二環状環などは、本明細書中でヘテロ原子含有環に対応する環状ファミリーに包含されるとして特徴づけ、そう呼ぶが、当業者は別の特徴づけを有する場合がある。たとえば、以下の式を有する1,2,3,4−テトラヒドロキノリン:
【0061】
【化3】

は、本開示の目的のために複素環式単位であるとみなされる。以下の式を有する6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン:
【0062】
【化4】

は、本開示の目的のためにヘテロアリール単位であるとみなされる。縮合環単位が飽和環(複素環)およびアリール環(ヘテロアリール環)のどちらにもヘテロ原子を含有する場合は、アリール環が優勢であり、本発明を説明する目的で本明細書中において環を割り当てる分類の種類を決定する。たとえば、以下の式を有する1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフトピリジン:
【0063】
【化5】

は、本開示の目的のためにヘテロアリール単位であるとみなされる。
【0064】
用語「置換された」は本明細書全体にわたって使用する。用語「置換された」とは、「置換された単位または部分とは、本明細書中以下に定義する1個の置換基またはいくつかの置換基によって置き換えられた1つまたは複数の水素原子を有する、非環状または環状にかかわらないヒドロカルビルの単位または部分である」として、本明細書中に記載の単位に適用される。単位は、水素原子を置換する場合は一度にヒドロカルビル部分の1個の水素原子、2個の水素原子、または3個の水素原子を置き換えることができる。さらに、これらの置換基は、2個の隣接する炭素上の2個の水素原子を置き換えて、前記置換基、新しい部分、または単位を形成することができる。たとえば、1個の水素原子の置換えを必要とする置換された単位には、ハロゲン、ヒドロキシルなどが含まれる。2個の水素原子の置換えには、カルボニル、オキシミノなどが含まれる。隣接する炭素原子からの2個の水素原子の置換えにはエポキシなどが含まれる。3個の水素の置換えにはシアノなどが含まれる。用語、置換されたは、ヒドロカルビル部分、とりわけ芳香環、アルキル鎖は、水素原子のうちの1つまたは複数が置換基によって置き換えられていることができることを示すために、本明細書全体にわたって使用する。部分を「置換された」として記載する場合、任意の数の水素原子が置き換えられていてよい。たとえば、4−ヒドロキシフェニルは「置換された芳香族環状炭素(アリール環)」であり、(N,N−ジメチル−5−アミノ)オクタニルは「置換されたC直鎖状アルキル単位であり、3−グアニジノプロピルは「置換されたC直鎖状アルキル単位」であり、2−カルボキシピリジニルは「置換されたヘテロアリール単位」である。
【0065】
本開示の目的のために、用語「化合物」、「類似体」、および「組成物」とは、互いに同等の関係にあり、本明細書全体にわたって互換性があるように使用する。開示した化合物にはすべての鏡像異性体形態、ジアステレオマー形態、塩などが含まれる。
【0066】
本明細書中に開示した化合物には、すべての塩形態、たとえば、塩基性の基、とりわけアミンの塩、および酸性の基、とりわけカルボン酸の塩がどちらも含まれる。プロトン化された塩基性基と塩を形成することができる陰イオンの非限定的な例は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、硫酸水素、炭酸、炭酸水素、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピルビン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸などである。酸性基の塩を形成することができる陽イオンの非限定的な例は、アンモニウム、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ビスマス、リシンなどである。
【0067】
開示したα−ケト酸およびペルオキシド源を含む抗細菌組成物が抗細菌組成物を形成することができ、形成された組成物が構成成分を単独でまたは連続して投与した場合よりも高い抗細菌特性を有することが、今回驚くべきことに見い出された。
【0068】
α−ケト酸
開示した組成物は、以下の式を有する1つまたは複数のα−ケト酸を含む。
【0069】
【化6】

単位
は、以下から選択される単位を含む窒素原子である:
i)−NR3a3b
ii)−NRC(=R)R
iii)−NRNR8a8b
iv)−N=R;または
v)−C(=NR10)R11
【0070】
一実施形態では、Rは−NR3a3bであり、R3aおよびR3bは、それぞれ以下から独立して選択される:
i)水素;
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル;または
iii)ヒドロキシル。
【0071】
本実施形態の1つの反復では、R3aおよびR3bはそれぞれ水素であり、それにより式−NHを有するRが提供される。−NHに等しいR単位を有するα−ケト酸の非限定的な例には、
i)以下の式を有する4−アミノ−2−オキソブタン酸およびその塩:
【0072】
【化7】


ii)以下の式を有する5−アミノ−2−オキソペンタン酸およびその塩:
【0073】
【化8】


iii)以下の式を有する6−アミノ−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0074】
【化9】


iv)以下の式を有する6−アミノ−3−メチル−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0075】
【化10】

;ならびに
v)以下の式を有する6−アミノ−6−メチル−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0076】
【化11】

が含まれる。
【0077】
本実施形態の別の反復では、R3aは水素であり、R3bはC〜Cアルキルであるか、または、R3aおよびR3bはそれぞれ独立してC〜Cアルキルである。この反復の非限定的な例には、6−(メチルアミノ)−2−オキソヘキサン酸メチル
i)以下の式を有する6−(メチルアミノ)−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0078】
【化12】


ii)以下の式を有する6−(ジメチルアミノ)−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0079】
【化13】


iii)以下の式を有する6−(エチルアミノ)−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0080】
【化14】


iv)以下の式を有する6−[エチル(メチル)アミノ]−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0081】
【化15】

;ならびに
v)以下の式を有する6−(ジエチルアミノ)−2−オキソヘキサン酸およびその塩:
【0082】
【化16】

が含まれる。
【0083】
別の実施形態では、Rは−NRC(=R)Rであり、式中、
は以下であり:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル、
は以下であり:
i)O;
ii)S;あるいは
iii)NR12[式中、R12は、水素、ヒドロキシル、またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルである]、
は以下である:
i)水素;
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状または環状のアルキル;
iii)C〜Cの直鎖状、分枝状または環状のアルコキシ;あるいは
iv)−NR13a13b[式中、R13aおよびR13bは、それぞれ独立して、水素またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルである]。
【0084】
本実施形態の1つの反復では、Rは水素であり、RはNHであり、RはNHであり、それにより、式−NHC(=NH)NHを有するR単位が提供される。
【0085】
本実施形態の別の反復では、Rは水素であり、RはNHであり、Rは−NR13a13bであり;R13aは水素またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルであり、R13bはC〜Cの直鎖状、分枝状または環状のアルキルである。本実施形態の非限定的な例には、−NHC(=NH)NHCH、−NHC(=NH)N(CH、−NHC(=NH)NHCHCH、および−NHC(=NH)N(CHCHが含まれる。
【0086】
さらなる実施形態では、Rは−C(=NR10)R11であり、式中、R10は、水素、ヒドロキシル、またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルであり;R11は以下から選択される:
i)NR16[式中、R16は、水素またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルである];あるいは
ii)CR17a17b[式中、R17aおよびR17bは、それぞれ以下から独立して選択される:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル]。
【0087】
さらなる実施形態では、Rは−NRNR8a8bである[式中、R、R8a、およびR8bは、それぞれ以下から独立して選択される:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル]。
【0088】
さらなる実施形態では、Rは−N=Rである[式中、Rは以下である:
i)NR14;または
ii)CR15a15b[式中、R14、R15a、およびR15bは、それぞれ以下から独立して選択される:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル]]。
【0089】
2aおよびR2b単位
2aおよびR2bは、それぞれ以下から独立して選択される:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル。
【0090】
指数xは整数1〜10であり、開示したα−ケト酸を含む式(CR2a2b)を有する単位の数を決定する。指数xは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の値を有することができる。
【0091】
Mは、水素または電気中性をもたらすために十分な量の水溶性陽イオンである。たとえば、Mが二価の陽イオン、たとえばCa2+陽イオンである場合、2個のカルボン酸部分が存在する。したがって、Mが一価の陽イオン、たとえばK陽イオンである場合、1個のカルボン酸部分がそれぞれのM単位について存在する。適切な陽イオンの非限定的な例には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびビスマスが含まれる。
【0092】
開示した組成物は、約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含み得る。一実施形態では、最終組成物は、約0.1mM〜約100mMの1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含み得る。別の実施形態では、最終組成物は、約2mM〜約30mMの1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含み得る。さらなる実施形態では、最終組成物は、約10mM〜約30mMの1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含み得る。さらなる実施形態では、最終組成物は、約15mM〜約30mMの1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含み得る。さらなる実施形態では、最終組成物は、約20mM〜約30mMの1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含み得る。さらなる実施形態では、最終組成物は、約25mM〜約30mMの1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含み得る。
【0093】
開示したα−ケト酸は、当業者に周知の手順によって調製することができる。容易に入手可能な出発物質からの開示したα−ケト酸の一般合成の概要を以下に示す。
【0094】
以下の例のように、配合者は、本明細書中に上述のω窒素含有アミノ酸、とりわけ、ω−アミノC〜C11の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のアルキル酸、ω−グアニジノC〜C11の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のアルキル酸、ω−アミジノC〜C11の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のアルキル酸などを購入し、酸をα−ケト酸へと変換することができる。
【0095】
ステップ(a)窒素含有基Rの保護
この例によれば、窒素含有R単位を、窒素保護基によって既に保護されている場合以外は、保護されたR単位Pを有する化合物へと変換する。
【0096】
【化17】

保護基Pは、同族体化反応ステップ(b)および加水分解反応ステップ(c)に適合性のある、配合者によって選択された任意の基であることができる。
【0097】
ステップ(b)シアニド源との反応。
【0098】
ステップ(b)では、保護された窒素含有酸をシアニド源と反応させて、一般式を有する化合物を形成する。
【0099】
【化18】

上記変換に適合性のある任意のシアニド源がステップ(b)での使用に適している。
【0100】
ステップ(c)シアニド基の加水分解。
【0101】
ステップ(c)は、加水分解によってシアニド(cyaninde)部分をカルボン酸部分へと変換することに関する。加水分解は存在する保護基Pの種類に応じて酸または塩基のどちらかを用いて達成することができる。
【0102】
【化19】

生じるケト酸は遊離酸または酸の塩として単離することができる。
【0103】
ステップ(d)窒素含有部分の保護基の除去
ステップ(d)は、以下の反応に示すように、保護基を除去して最終a−ケト酸を得ることに関する。
【0104】
【化20】

配合者は保護基を除去するために任意の適合性のある方法を使用することができる。
【0105】
開示したα−ケト酸は以下の生化学的手順を用いて調製することができる。Meister(1952)「Enzymatic preparation of α−keto acids.」J.Biol.Chem.197、309−317(1952)の方法を少し修正した。たとえば、10mg/mLのL−リシン一塩酸塩を、3×10−3mg/mLのエスカピン(escapin)および0.13mg/mLのカタラーゼと共に、二回蒸留したHO中、30℃、振盪器上で、薄層クロマトグラフィーによって決定してL−リシンが完全に消費されるまでの20〜24時間まで、インキュベーションした。その後、エスカピンおよびカタラーゼを除去するために、この溶液をAmicon Ultra−4遠心フィルター装置(Millipore Corp.、米国マサチューセッツ州Billerica)を使用して濾過し、その後、後に使用するまで−80℃で保管した。すべての化学薬品はSigma−Aldrich(米国モンタナ州St.Louis)から購入した。
【0106】
組成物
開示した組成物を完全に配合する、すなわち使用できる状態の水溶液であることができる、または、開示した組成物は、使用時に消費者が合わせる別々の構成成分を含み得る。たとえば、本明細書中に開示するように、活性成分および補助材料は、使用時に水および他の担体と混合する乾燥形態であることができる。あるいは、組成物を下地上に含浸させるまたは他の様式で配置することができ、部位に施用する準備ができた際に、水を加えることによって再構成することができる。
【0107】
一態様では、開示した組成物は、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)1つまたは複数のペルオキシド源;および
c)担体;
を含む水溶液に関し、組成物のpHは約3〜約8である。
【0108】
本態様の一実施形態は、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)過酸化水素;および
c)担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物に関する。
【0109】
本実施形態の一般例には、
a)約2mM〜約100mMの開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)約0.01重量%(3mM)〜約30重量%(8.8×10mM)の過酸化水素;および
c)バランスの担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物が含まれる。
【0110】
本態様の別の実施形態は、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)過酸化水素;
c)緩衝系;および
d)担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物に関する。
【0111】
本実施形態の一般例には、
a)約2mM〜約100mMの開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)約0.01重量%(3mM)〜約30重量%(8.8×10mM)の過酸化水素;
c)約0.01%〜約50重量%の緩衝系;および
d)バランスの担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物が含まれる。
【0112】
本態様のさらなる実施形態は、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)過酸化水素;
c)安定化剤系;および
d)担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物に関する。
【0113】
本実施形態の一般例には、
a)約2mM〜約100mMの開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)約0.01重量%(3mM)〜約30重量%(8.8×10mM)の過酸化水素;
c)約0.01%〜約50重量%の安定化剤系;および
d)バランスの担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物が含まれる。
【0114】
本態様のさらなる実施形態は、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)過酸化水素;
c)緩衝系;
d)安定化剤系;および
e)担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物に関する。
【0115】
本実施形態の一般例には、
a)約2mM〜約100mMの開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)約0.01重量%(3mM)〜約30重量%(8.8×10mM)の過酸化水素;
c)約0.01%〜約50重量%の緩衝系;
d)約0.01%〜約50重量%の安定化剤系;および
e)バランスの担体;
を含み、pHが約3〜約8である組成物が含まれる。
【0116】
別の態様では、開示した組成物は、使用時に混合する複数の構成成分を含み得る組成物に関する。構成成分は、使用前に混合し、その後さらに希釈する液体濃縮物であることができるか、または、構成成分は、水および/もしくは適切な担体でさらに希釈せずに使用前に合わせることができる。
【0117】
本態様では、施用装置は2つのリザーバを含み得る。第1のリザーバは第1の構成成分の溶液を、第2のリザーバは第2の構成成分を含有することができ、2つのリザーバの内容物は、部位に送達される際または部位に施用する前に施用装置内で混合される。一実施形態には、部位に送達するそれぞれの構成成分の相対量を使用者が調節することを可能にする計量装置が器具上に含まれる。したがって、使用者が組成物を施用する際により大量の過酸化水素または開示したα−ケト酸を合わせることができる。
【0118】
本態様の一実施形態は、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0119】
組成物のこの実施形態の1つの反復は、
A)以下を含む、液体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の適合性のある補助成分;および
c)担体;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0120】
組成物のこの実施形態の別の反復は、
A)以下を含む、液体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の緩衝系;および
c)担体;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0121】
組成物のこの実施形態のさらなる反復は、
A)以下を含む、液体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の適合性のある補助成分;および
c)担体;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0122】
組成物のこの実施形態のさらなる反復は、
A)以下を含む、液体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の緩衝系;および
c)担体;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0123】
組成物のこの実施形態のさらに別の反復は、
A)以下を含む、液体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の過酸前駆体;および
c)担体;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0124】
組成物のこの実施形態の別の反復は、
A)以下を含む、液体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の過酸前駆体;
c)約0.01重量%〜約99.99重量%の緩衝系;および
d)担体;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0125】
さらなる態様では、開示した組成物は、使用時に混合する複数の構成成分を含み得る組成物に関し、開示したα−ケト酸は、第2の構成成分と合わせる前に担体と混合するまたは第2の構成成分に直接加える、粉末、顆粒、ビーズなどの形態の乾燥した第1の構成成分の一部である。
【0126】
本態様では、第1の構成成分は、使用時に第2の構成成分と混合することができる固体組成物である。たとえば、組成物はキットの形態であることができ、第1の構成成分および第2の構成成分を使用前に混合することによって組成物を再構成する。混合は、第1の構成成分のパケットまたは容器を、第2の構成成分を含有するリザーバ中に溶かすことによって行うことができる。
【0127】
本態様の一実施形態は、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、固体濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0128】
組成物のこの実施形態の1つの反復は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;および
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の適合性のある補助成分;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0129】
組成物のこの実施形態の別の反復は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の緩衝系;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0130】
組成物のこの実施形態のさらなる反復は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の適合性のある補助成分;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0131】
組成物のこの実施形態のさらなる反復は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の緩衝系;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0132】
組成物のこの実施形態のさらに別の反復は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の過酸前駆体;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0133】
組成物のこの実施形態の別の反復は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の過酸前駆体;
c)約0.01重量%〜約99.99重量%の緩衝系;ならびに
B)以下を含む第2の構成成分:
a)過酸化水素;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は、合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する。
【0134】
別の態様では、組成物は固体組成物を含むことができ、部位に施用する前に使用者が過酸化水素源を加える。本態様による組成物は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;および
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の過酸前駆体;ならびに
B)以下を含む、使用者によって提供される第2の構成成分:
a)過酸化水素源;および
b)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分は使用前に合わせ、組成物は約3〜約8の最終pHを有する。
【0135】
本態様の一実施形態は、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約90重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;
b)約0.01重量%〜約90重量%の過酸前駆体;および
c)約0.01重量%〜約90重量%の緩衝系;ならびに
B)以下を含む、使用者によって提供される第2の構成成分:
a)過酸化水素源;および
b)担体;
を含む組成物に関し、第1の構成成分および第2の構成成分は使用前に合わせ、組成物は約3〜約8の最終pHを有する。
【0136】
ペルオキシド源
開示した組成物は過酸化水素源を含み、過酸化水素の濃度は最終組成物中で約0.5mM〜約30mMである。別の実施形態では、過酸化水素の濃度は最終組成物中で約0.5mM〜約7mMである。さらなる実施形態では、過酸化水素の濃度は最終組成物中で約1mM〜約5mMである。さらなる実施形態では、過酸化水素の濃度は最終組成物中で約2mM〜約5mMである。
【0137】
1.過酸化水素
開示した組成物は、過酸化水素源として過酸化水素を約0.0017重量%(0.5mM)〜約30重量%(8.8×10mM)の任意の濃度で含み得る。一実施形態では、過酸化水素の濃度は約0.5重量%〜約5重量%である。別の実施形態では、過酸化水素の濃度は約0.1重量%〜約1重量%である。さらなる実施形態では、過酸化水素の濃度は約0.1重量%〜約4重量%である。
【0138】
開示した組成物の別の実施形態では、本明細書中に記載の固体構成成分は容器または他の適切な包装中で提供することができ、使用者は、過酸化水素の医薬的供給源、たとえば3%溶液の安定化過酸化水素を店または薬局から購入し、開示した固体構成成分を含有するキットまたは包装上に記載された指示によって指示されているように一定量の購入した過酸化水素を固体構成成分と混合することができる。
【0139】
2.過酸
開示した抗細菌組成物は、約0.01重量%〜約50重量%の1つまたは複数の過酸を含み得る。1つの反復では、開示した組成物は約0.05重量%〜5重量%の1つまたは複数の過酸を含み得る。別の反復では、開示した組成物は約0.05重量%〜5重量%の1つまたは複数の過酸を含み得る。さらなる反復では、開示した組成物は約0.5重量%〜10重量%の1つまたは複数の過酸を含み得る。さらに別の反復では、開示した組成物は約1重量%〜5重量%の1つまたは複数の過酸を含み得る。さらなる反復では、開示した組成物は約0.5重量%〜2重量%の1つまたは複数の過酸を含み得る。さらなる反復では、開示した組成物は約5重量%〜25重量%の1つまたは複数の過酸を含み得る。
【0140】
開示した組成物が使用前に合わせる2つの構成成分の系を含む場合、過酸を含む構成成分は約0.01%〜約100重量%の1つまたは複数の過酸を含む。第1の構成成分が開示したa−ケト酸のうちの1つまたは複数を含む固体である一実施形態では、第1の構成成分は、約0.01%〜約99.99重量%の、使用者が過酸化水素源を加えた際に過酸を形成することができる1つまたは複数のカルボン酸を含み得る。固体構成成分が緩衝系を含む一実施形態では、第1の構成成分は、約0.01%〜約90重量%の、使用者が過酸化水素源を加えた際に過酸を形成することができるカルボン酸を含み得る。
【0141】
1つまたは複数の過酸は購入することができるか、または過酸は対応するカルボン酸から形成することができる。一実施形態では、過酸または過酸の組合せは、過酸化水素(H)溶液を所望の量のカルボン酸またはカルボン酸混合物と合わせることによって形成する。より高分子量の脂肪酸の場合、担体の一部としての溶媒は脂肪酸に完全に溶解性であることが必要な場合がある。また、H溶液をペルオキシ酢酸、ペルオキシグルタル酸または様々なペルオキシ脂肪酸などの事前に作製した過酸に加えて、過酸組成物の混合物を生じることもできる。1つの反復では、組成物は約1重量%〜約50重量%の遊離過酸化水素を含み得る。別の反復では、組成物は約、5重量%〜約25重量%の過酸化水素を含み得る。
【0142】
適切なC〜C18過酸は、ペルオキシ脂肪酸、モノペルオキシまたはジペルオキシジカルボン酸、およびペルオキシ芳香族酸である。本発明中で用いるC〜C18過酸は、構造的に以下のように表し得る:
100CO
[式中、R100は、約1〜17個の炭素原子を有する炭化水素部分である](C過酸は、一般にCCOHとして構造的に表す)。R100は、鎖がたとえば−OH、−COHで置換され得るか、または、鎖はアルキルエーテル(alkyether)カルボン酸の場合のようにヘテロ原子を含み得る。R100は、飽和または不飽和の直鎖状、分枝状または環状のアルキルであることができる。
【0143】
過酸化水素と反応させてペルオキシ脂肪酸を形成することができる適切なC〜C18カルボキシル脂肪酸の非限定的な例には、酢酸(C)、プロピオン酸(C)、酪酸(C)、ペンタン酸(C)、ヘキサン酸(C)、ヘプタン酸(C)、オクタン酸(C)、ノナン酸(C)、デカン酸(C10)、ウンデカン酸(C11)、ドデカン酸(C12)、トリデカン酸(C13)、テトラデカン酸(C14)、ヘキサデカン酸(C16)、およびオクタデカン酸(C18)などの飽和脂肪酸が含まれる。これらの酸は天然および合成源のどちらからも誘導することができる。天然源には、動物および植物性の脂肪または油が含まれ、これらは完全に水素化されているべきである。合成酸は石油ワックスの酸化によって生成することができる。
【0144】
他の適切な酸は、ジカルボン酸および芳香族酸の酸化から誘導するC〜C18過酸である。適切なジカルボン酸にはアジピン酸(C)およびセバシン酸(C10)が含まれる。適切な芳香族酸の例には安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシ安息香酸などが含まれる。これらの酸を過酸化水素と反応させて、開示した組成物中での使用に適している過酸形態を形成することができる。非限定的な例には、モノペルオキシ−またはジペルオキシアジピン酸、モノペルオキシまたはジペルオキシセバシン酸、および過酸化安息香酸が含まれる。
【0145】
3.過酸素化合物
開示した組成物は、過酸化水素源として適切な過酸素化合物を含み得る。組成物は約0.01重量%〜約30重量%の1つまたは複数の過酸素化合物を含み得る。一実施形態では、組成物は約0.01重量%〜約30重量%の1つまたは複数の過酸素化合物を含む。別の実施形態では、組成物は約0.5重量%〜約5重量%の1つまたは複数の過酸素化合物を含む。さらなる実施形態では、組成物は約1重量%〜約10重量%の1つまたは複数の過酸素化合物を含む。さらなる実施形態では、組成物は約2重量%〜約5重量%の1つまたは複数の過酸素化合物を含む。さらなる実施形態では、組成物は約0.5重量%〜約3重量%の1つまたは複数の過酸素化合物を含む。
【0146】
過酸素化合物の一分類には、過ホウ酸塩、たとえば、無水過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム一水和物、または公称式NaBO・3HOを有する過ホウ酸ナトリウム四水和物が含まれる。過酸素化合物の他の例は、過炭酸ナトリウム、過リン酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、および過酸化尿素である。
【0147】
配合者は、その配合および使用に応じて、開示ものおよび過酸化水素を放出する他の過酸素化合物の間で選択することができる。たとえば、過ホウ酸ナトリウム一水和物は32%の過酸化水素に相当する利用可能な酸素含有率を提供する一方で、1当量の過ホウ酸ナトリウム四水和物は重量あたりに基づいて50%少ない過酸化水素を提供する。
【0148】
補助成分
緩衝系
開示した組成物は約3〜約8のpHを有する。一実施形態では、pHは約5〜約7である。別の実施形態では、pHは約5〜約6である。さらなる実施形態では、pHは約4.5〜約5.5である。さらなる実施形態では、pHは約5である。さらなる実施形態では、pHは約6である。しかし、組成物は、約3〜約8の任意のpHまたはその任意の小数部分、たとえば、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、および8のpHを有することができる。
【0149】
開示した組成物は、液体として事前に配合する、使用時に希釈する、または使用時に構成するかにかかわらず、組成物のpHを約3〜約8のpHに維持するための緩衝系を含み得る。一実施形態では、pHは約5〜約7である。別の実施形態では、pHは約5〜約6である。さらなる実施形態では、pHは約4.5〜約5.5である。さらなる実施形態では、pHは約5である。さらなる実施形態では、pHは約6である。しかし、組成物は、約3〜約8のpHまたはその任意の小数部分、たとえば、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、および8のpHに緩衝するための緩衝系を含み得る。
【0150】
配合者は、所望する抗細菌活性レベルに応じて、処置する微生物の種類または施用部位、たとえば、熱傷犠牲者の皮膚、開放創、不活性表面、または食品表面と適合性があるように、溶液のpHを調節することができる。
【0151】
適切な有機酸緩衝系の非限定的な例には、酢酸/酢酸ナトリウム、グリコール酸/グリコール酸ナトリウム、乳酸/乳酸ナトリウム、コハク酸/コハク酸一ナトリウム、アジピン酸/アジピン酸一ナトリウム、リンゴ酸/リンゴ酸一ナトリウム、酒石酸/酒石酸一ナトリウムなどが含まれる。適切な無機緩衝系の非限定的な例にはリン酸緩衝液系が含まれる。
【0152】
界面活性剤
開示した組成物は、約0.05%〜約0.2重量%の界面活性剤を含み得る。さらなる態様では、開示した組成物は約0.05%〜約0.2重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。一実施形態では、界面活性剤は約10〜約20のHLBを有する。開示した組成物の一態様は、約12〜約18のHLBを有する界面活性剤を含む。開示した組成物のさらなる態様は、約13〜約16のHLBを有する界面活性剤を含む。開示した組成物の別の実施形態は、約0.1%〜約0.2重量%の界面活性剤を含む。
【0153】
一実施形態では、組成物は約10〜約20のHLBを有する非イオン性界面活性剤を含む。開示した組成物の一態様は、約12〜約18のHLBを有する非イオン性界面活性剤を含む。開示した組成物のさらなる態様は、約13〜約16のHLBを有する非イオン性界面活性剤を含む。開示した組成物の別の実施形態は、約0.1%〜約0.2重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0154】
適切な界面活性剤には、陰イオン性界面活性剤、たとえば直鎖状アルキルスルフェートが含まれる。直鎖状アルキルスルフェート界面活性剤の非限定的な例には、C10(デシル)スルフェート、C12(ドデシル)スルフェート、およびC14(テトラデシル)スルフェートが含まれる。さらに、2つ以上のアルキル界面活性剤の混合物を使用することができる。直鎖状アルキルスルフェートの適切な塩には、アンモニウム、ナトリウム、およびカリウムが含まれる。
【0155】
さらに、分枝状アルキル界面活性剤、たとえば、その全体が本明細書中に参考として含まれる米国特許第6,232,282号に開示されている中鎖分枝状アルキルスルフェート界面活性剤を開示した組成物中で使用することができる。
【0156】
開示した組成物中での使用に適した非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレンC〜C12アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタントリ(C12〜C18)−アルカノエート、ポリオキシエチレンソルビタンジ(C12〜C18)−アルカノエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ−、ジ−、およびトリ−(C12〜C18)−アルカノエート、ならびにポリオキシエチレンC12〜C20アルキルエーテルが含まれる。
【0157】
開示した組成物中で使用するための適切な非イオン性界面活性剤の1つの分類は、以下の式を有するポリオキシエチレンC〜C12アルキルフェニルエーテルである:
【0158】
【化21】

[式中、YはC〜C12アルキル単位であり、nは指数5〜40である]。C〜C12アルキルフェニルエーテルの非限定的な例には、商標名IGEPAL(商標)CA−520およびIGEPAL(商標)CO−520の下で販売されているポリオキシエチレン(5)イソオクチルフェニルエーテル、商標名TRITON(商標)X−114の下で販売されているポリオキシエチレン(8)イソオクチルフェニルエーテル、商標名IGEPAL(商標)CO−630の下で販売されているポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル、商標名TRITON(商標)X−100の下で販売されているポリオキシエチレン(10)イソオクチルフェニルエーテル、商標名TRITON(商標)N−101の下で販売されているポリオキシエチレン(分枝状)ノニルフェニルエーテル、商標名IGEPAL(商標)CO−720の下で販売されているポリオキシエチレン(12)ノニルフェニルエーテル、商標名IGEPAL(商標)CA−720の下で販売されているポリオキシエチレン(12)イソオクチルフェニルエーテル、商標名IGEPAL(商標)CO−890の下で販売されているポリオキシエチレン(40)ノニルフェニルエーテル、ならびに商標名TRITON(商標)X−405の下で販売されているポリオキシエチレン(40)イソオクチルフェニルエーテルが含まれる。
【0159】
開示した組成物中で使用するための非イオン性界面活性剤の別の分類は、ポリオキシエチレンソルビタンモノ−、ジ−、およびトリ−(C12〜C18)−アルカノエートであり、その非限定的な例には、商標名TWEEN(商標)85の下で販売されているポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、商標名TWEEN(商標)80の下で販売されているポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、商標名TWEEN(商標)60の下で販売されているポリオキシ−エチレン(20)ソルビタンモノステアレート、商標名TWEEN(商標)40の下で販売されているポリオキシエチル−エン(20)ソルビタンモノパルミテート、および商標名TWEEN(商標)20の下で販売されているポリオキシエチル−エン(20)ソルビタンモノラウレートが含まれる。
【0160】
開示した組成物中で使用するための非イオン性界面活性剤のさらなる分類は、ポリオキシエチレンC〜C20アルキルエーテルであり、その非限定的な例には、以下の式を有するエトキシレートアルコールが含まれる:
RO(CHCHO)
[式中、Rは、6〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基であり、mは約2〜約20の整数である]。適切なエトキシレートアルコール界面活性剤の一例は、Shell ChemicalsのNEODOL(商標)エトキシ化アルコールである。適切なエトキシ化アルコールの非限定的な例には、BASFから入手可能なNEODOL(商標)91−5、NEODOL(商標)91−6、NEODOL(商標)91−8、NEODOL(商標)91−9、NEODOL(商標)23−6.5、NEODOL(商標)25−5、NEODOL(商標)25−7、NEODOL(商標)25−9、NEODOL(商標)25−12、NEODOL(商標)45−7、およびNEODOL(商標)135−7が含まれる。
【0161】
過酸開始剤
開示した組成物が有機酸を過酸素源、すなわち過ホウ酸塩と組み合わせて含み、配合した際に有機酸が過酸へと変換される実施形態では、組成物は過酸(preoxy acid)活性化剤を含み得る。一実施形態では、組成物は約0.5重量%〜約15重量%の活性化剤を含み得る。別の実施形態では、組成物は、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の活性化剤を含み得る。
【0162】
一実施形態では、有機酸対活性化剤のモル比は少なくとも1:1〜約10:1の範囲であることができる。別の実施形態では、有機酸対活性化剤のモル比は約3:1〜約20:1の範囲であることができる。活性化剤の非限定的な例は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4−ニトロベンゾイルカプロラクタム、3−クロロベンゾイル−カプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、フェニルベンゾエート(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C10−OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C−OBS)、過加水分解性エステルおよびその混合物から選択される。
【0163】
キレート化剤
過酸を含む組成物の生物活性および安定性を増強させるために、様々なキレート化剤を開示した組成物に加えることができる。たとえば、名称「DEQUEST2010」の下でMonsanto Companyから販売されている1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸が有効であることが判明している。他の有効なキレート化剤には1,6ピリジンジカルボン酸が含まれる。カルシウムおよびマグネシウムなどの硬質イオンを制御または捕捉するためにキレート化剤を開示した組成物に加えることができる。このようにして、衛生化能力を増強させることができる。
【0164】
意図する最終使用に応じて、望ましい性質を与えるために開示した組成物によって企図される低pHで十分に安定な他の材料を組成物に加えることができる。たとえば、最終pHを調節するためにリン酸(HPO)を本発明の組成物に加えることができる。その色および匂いを変えるため、その粘度を調節するため、その熱(すなわち凍結−解凍)の安定性を増強させるため、またはそれが消費者により許容されるようにする傾向がある他の性質を提供するために、追加の化合物を濃縮物(したがって最終的には使用する溶液)に加えることができる。固体配合物では、最終水溶液に適合性のある固化防止化合物を加えることができる。
【0165】
担体
開示した組成物は、固体形態でない場合は液体担体を含み得る。使用者は乾燥または固体配合物に液体担体を加えて組成物を完成させることができる、たとえば、使用者は、一実施形態では、一定量の水を粉末または他の固体配合物に加える。別の実施形態では、使用者は、キットの指示書によって一定量の過酸化水素、たとえば3重量%溶液の過酸化水素を加えるように指示される場合がある。複数の担体を加えることができるか、または複数の担体が本明細書中に開示する液体実施形態を構成することができる。
【0166】
一実施形態では、水が担体である。別の実施形態では、担体は、過酸化水素源の水溶液、たとえば、過酸化水素の水溶液または過酸化水素源、すなわち過ホウ酸塩の水溶液であることができる。さらに、C〜C10の直鎖状、分枝状、および環状脂肪族アルコールが、単独で担体であることができるか、または担体系の一部であることができる。一実施形態では、メタノールを共担体として加える。
【0167】
配合物
開示した抗細菌組成物は、使用方法に適応するように配合することができる。たとえば、配合物は処置する部位に直接塗布する液体であることができる。あるいは、配合物は、2つの構成成分の系、たとえば、使用時に一緒に混合して最終抗細菌組成物を作製する固体構成成分および液体構成成分であることができる。別の実施形態では、配合物は、混合して最終組成物を提供する2つの液体を含み得る。さらなる実施形態では、組成物は、粉末、顆粒、凝集体、ビーズなどの形態の固体構成成分を含み得る。固体構成成分の形態は、配合者によって所望される任意の手段によって、たとえば、ゲル、ペースト、または粉末の一部として、部位に送達することができる。さらに、配合物を下地、たとえば、帯具、生理用ナプキンなどに塗布することができる。配合物は、液体として下地に塗布し、乾燥させ、その後、液体担体を加えることによって、または液体が接触した際、たとえば、ヒトの皮膚などの湿った表面を拭いた際、または体液、すなわち熱傷などの開放創からの液体に接触した際に、再構成されることができる。固体組成物は担体以外のすべての必要な成分を含むことができ、使用者がこれを加えた際に有効な抗細菌組成物が提供される。
【0168】
開示したα−ケト酸は、配合者によって選択された任意の形態または任意の様式で開示した組成物内に配合することができる。たとえば、開示したα−ケト酸である6−アミノ−2−ケトヘキサン酸は、遊離酸として、または酸の塩として、たとえば、以下の式を有する化合物として組成物内に配合することができる。
【0169】
【化22−1】

【実施例】
【0170】
本開示による液体組成物の非限定的な例を以下に示す。以下の表中に記載した量は、溶液1000mLあたりのそれぞれの成分のグラム数である。
【0171】
【表1】

【0172】
【表2−1】

【0173】
【表2−2】

【0174】
【表4】

【0175】
【表5】

【0176】
【表6】

【0177】
【表7】

【0178】
【表8】

表Iの実施例1の組成物は以下のように調製することができる。2Lのエルレンマイヤーフラスコに500mLのクエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝液を入れる。6−アミノ−2−ケトヘキサン酸(4g、275mmol)を2mLのエタノールに溶かす。十分に撹拌しながらα−ケト酸溶液をエルレンマイヤーフラスコに加える。過酸化水素(5.7mLの3%水溶液)を加える。蒸留水を用いて体積を1リットルにする。
【0179】
本開示による固体組成物の非限定的な例を以下に示す。使用前に以下の表中に開示した組成物1グラムを1000mLの水に加える。以下の表中の量はグラムである。
【0180】
【表9】

【0181】
【表10】

【0182】
【表11】

【0183】
【表12】

【0184】
【表13】

【0185】
【表14】

実施例1〜70の組成物は下地に塗布することができる。たとえば、無菌的な帯具を組織に施用する医学的状況下で組成物を使用することができる。第1の面および第2の面を有する2面の吸収性の織ったまたは不織のセルロース下地は、第1の面上に本明細書中に開示する有効量の組成物を供述(deposed)させることができる。非限定的な実施例1〜40によって表される組成物は、下地の一方の面にスプレーすることができるか、あるいは下地を実施例1〜40によって表される溶液に浸し、その後、創傷に施用することができる。別の実施形態では、第2の面上に通気性の不透湿の表面シートが配置された下地を使用することができ、実施例1〜70に例示した組成物を第1の面に塗布して創傷に施用することができる。
【0186】
以下の表は開示した組成物の非限定的な例を提供し、施用時に固体の第1の構成成分を液体の第2の構成成分と混合する。固体構成成分では、すべての値はグラムである。液体構成成分では、すべての値は重量パーセントである。それぞれの例における液体構成成分の体積は1000mLである。
【0187】
【表15】

【0188】
【表16】

方法
一態様では、本明細書中では、抗細菌保護を提供するために開示した組成物のうちの1つまたは複数を用いて部位を処置する方法を開示する。本方法は、微生物に対する保護を必要としている部位を、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)1つまたは複数のペルオキシド源;および
c)担体;
を含む、pHが約3〜約8である組成物と接触させることを含む。
【0189】
さらなる実施形態では、本方法は、微生物に対する保護を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0190】
別の実施形態では、本方法は、微生物に対する保護を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、固体濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0191】
さらなる実施形態では、本方法は、微生物に対する保護を必要としている部位を、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;および
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の過酸前駆体;ならびに
B)以下を含む、使用者によって提供される第2の構成成分:
a)過酸化水素源;および
b)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を使用前に合わせ、約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0192】
別の態様では、本明細書中では、開示した組成物のうちの1つまたは複数を用いて衛生をもたらす、部位を衛生化する方法を開示する。本方法は、衛生化を必要としている部位を、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)1つまたは複数のペルオキシド源;および
c)担体;
を含む、pHが約3〜約8である組成物と接触させることを含む。
【0193】
さらなる実施形態では、本方法は、衛生化を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0194】
別の実施形態では、本方法は、衛生化を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、固体濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0195】
さらなる実施形態では、本方法は、衛生化を必要としている部位を、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;および
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の過酸前駆体;ならびに
B)以下を含む、使用者によって提供される第2の構成成分:
a)過酸化水素源;および
b)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を使用前に合わせ、約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0196】
別の態様では、本明細書中では、開示した組成物のうちの1つまたは複数を用いて衛生をもたらす、部位を消毒する方法を開示する。本方法は、消毒を必要としている部位を、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)1つまたは複数のペルオキシド源;および
c)担体;
を含む、pHが約3〜約8である組成物と接触させることを含む。
【0197】
さらなる実施形態では、本方法は、消毒を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0198】
別の実施形態では、本方法は、消毒を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、固体濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0199】
さらなる実施形態では、本方法は、消毒を必要としている部位を、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;および
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の過酸前駆体;ならびに
B)以下を含む、使用者によって提供される第2の構成成分:
a)過酸化水素源;および
b)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を使用前に合わせ、約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0200】
さらなる態様では、本明細書中では、開示した組成物のうちの1つまたは複数を用いて衛生をもたらす、部位上の生物膜を制御する方法を開示する。本方法は、1つもしくは複数の生物膜を有する部位または生物膜形成の制御を必要としている部位を、
a)開示したα−ケト酸のうちの1つまたは複数;
b)1つまたは複数のペルオキシド源;および
c)担体;
を含む、pHが約3〜約8である組成物と接触させることを含む。
【0201】
さらなる実施形態では、本方法は、1つもしくは複数の生物膜を有する部位または生物膜形成の制御を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0202】
別の実施形態では、本方法は、1つもしくは複数の生物膜を有する部位または生物膜形成の制御を必要としている部位を、
A)約0.01重量%〜約100重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸を含有する、固体濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、ペルオキシド源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数のペルオキシド源;
b)安定化系;および
c)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を合わせた際に約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0203】
さらなる実施形態では、本方法は、1つもしくは複数の生物膜を有する部位または生物膜形成の制御を必要としている部位を、
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)約0.01重量%〜約99.99重量%の1つまたは複数の開示したα−ケト酸;および
b)約0.01重量%〜約99.99重量%の過酸前駆体;ならびに
B)以下を含む、使用者によって提供される第2の構成成分:
a)過酸化水素源;および
b)担体;
を含み、第1の構成成分および第2の構成成分を使用前に合わせ、約3〜約8の最終pHを有する組成物と接触させることを含む。
【0204】
本態様に関連して、組成物をしつこいウォーターマーク、水垢および/または石けんかすなどで汚れた硬表面上に塗布する。そのような汚れには、浴室の表面でしばしば遭遇する。
【0205】
開示した方法の一実施形態では、生物膜を破壊するおよび/またはその形成を防止するために上述の組成物を高湿度の環境にある部位に塗布する。部位は、シャワー、トイレもしくは流し台などの浴室表面、流し台もしくは廃棄物処理機などの台所表面、または布地表面などの硬表面であることができる。あるいは、食器洗い機、冷蔵庫などの高湿度の家電製品の内部を処理するために組成物を使用することができる。あるいは、部位は別の台所および/あるいはスポンジ、まな板(木製もしくはプラスチック製)、または浴用タオルなどの他の表面であることができる。本開示の代替実施形態では、組成物を洗濯用途で、たとえば、洗濯槽および/または鉢の内部に塗布することができる。組成物を布地に塗布することができる。組成物は、悪臭を低下させる、洗浄を補助する、および/または湿った環境で保管中の衣服、カーテンなどの布地上のカビの成長を防止することができる。
【0206】
代替実施形態では、プール、スパ、および/または温水浴槽において洗浄を減らすおよび/または塩素の使用を減らして表面ファウリングを防止するために、組成物を使用することができる。さらなる代替実施形態では、屋外のカビおよび/または藻類の生長を防止するために、組成物を羽目板、屋根ふき、デッキ、および/または中庭などの屋外部位上に使用することができる。
【0207】
さらなる実施形態では、組成物は、植物および/または花瓶および/または水槽において、たとえばより少ない洗浄よりで長く持続する利点をもたらすために使用することができる。さらなる実施形態では、組成物は、生物膜が形成されやすい自動車の空調ユニットおよび他の空調ユニットにおいて、生物膜の形成を防止または処理するために使用することができる。さらなる実施形態では、組成物は、家庭用水濾過システム(たとえば、フィルター、ハウジング、および/もしくは供給ライン)ならびに業務用の水冷および/もしくは処理システムにおける生物膜の形成を防止するため、または基底カビによる生物膜の形成を防止するために使用することができる。また、組成物は、船舶の処理およびそれからの微生物の除去にも適切である。
【0208】
医療適用
一態様では、開示した組成物は、1つまたは複数の製薬上活性のある成分、たとえば抗生物質と組み合わせることができる。本方法は、部位を、
I)本明細書中に開示した任意の形態の組成物;および
II)有効量の製薬上活性のある成分
を含む医学的組成物と接触させることを含む。
【0209】
組成物は、対象を、細菌感染症などの生物膜の発生に関連する病状について、嚢胞性線維症もしくはHIVについて、免疫無防備状態の対象について処置するために使用し得る。別の実施形態では、組成物は、カテーテル、チューブ、人工装具などの医学的または歯学的装置の処理として、それ上の生物膜の形成を防止または処理するために使用することができる。さらなる実施形態では、組成物は、歯または義歯上などの口腔ケア用途において、溶菌斑および/または匂いを制御するために使用することができる。
【0210】
さらなる態様では、組成物は、皮膚上の生物膜の形成を制御するため、たとえば、フケを制御するため(頭皮上のマラセジア生物膜の防止)、手/皮膚の洗浄剤中(天然のミクロフローラの成長防止もしくは修復)、脱臭用途のため、またはフットケアのため(天然のミクロフローラを破壊しない足白癬などの真菌成長の防止)に使用することができる。本発明の一実施形態では、組成物は、靴表面上の細菌および/または真菌の生物膜の形成を制御するシューズケア用途で使用することができる。さらなる実施形態では、組成物は、毒素ショック症候群を防止するためまたは不均衡なミクロフローラを修復するために使用することができる(たとえば、たとえばおむつにおける閉塞した皮膚、または膣管)。
【0211】
他の使用方法
さらなる態様では、組成物は、金属、セラミック、ガラス、複合体、もしくはポリマー部分を有する任意の加工機構、特に紙、食品、薬物、および化粧品加工用途において使用することができるか、または、金属、セラミック、ガラス、複合体、もしくはポリマー部分上の生物膜の形成を防止するためおよび紙製品における真菌もしくは細菌の生物膜の成長を防止するために使用することができる。一実施形態では、組成物は、食品および/または飲料を処理する方法として、すなわち保存料として使用することができる。
【0212】
本発明の一代替実施形態では、化合物および/または組成物は、バイオファウリングを防止するための汎用の表面コーティング(たとえば、家、船舶、布地、カーペット、靴などのペンキまたはコーティング)中で使用することができる。本発明の一代替実施形態では、化合物および/または組成物は、汎用の含浸材料(たとえば、プラスチック、木材、複合体)または制御された送達系において使用することができる。本発明の一代替実施形態では、化合物および/または組成物は、材料の保護(たとえば、木材、羽目板、屋根など)および機材の保護などの建築用途に使用することができる。本発明の一代替実施形態では、化合物および/または組成物は、海および淡水のバイオファウリング防止(たとえば、船舶、桟橋、突堤、ブイ、ロープ、および軍事用途)で使用することができる。上述のように、本発明の組成物は、食品サービス、食品加工または保健医療業界における加工施設または機材の洗浄または衛生化において有用である。本発明の組成物を用いることができる加工施設の例には、乳製品ミルクライン、連続醸造システム、ポンプ食品システムおよび飲料ラインなどの食品加工ライン等が含まれる。食品サービスの食器も本発明の組成物で衛生化することができる。また、組成物は、保健医療業界で見つかる床、カウンター、家具、医療器具および機材などなどの固体表面を衛生化または消毒するためにも有用である。そのような表面はしばしば、血液、他の危険な体液またはその混合物などの液体がこぼれた際に汚染される。
【0213】
一般に、現場システムまたは他の表面の実際の洗浄(すなわち、それ中の望まない廃物の除去)は、熱水と共に導入する配合洗剤などの様々な材料を用いて達成する。この洗浄ステップの後、本発明の衛生化組成物を使用する溶液濃度で、非加熱の周囲温度の水中でシステム内に施用または導入する。一部の実施形態では、本発明の組成物の使用する水溶液を加熱することは通常は必要でないが、一部の状況下では、その抗細菌活性をさらに増強させるために加熱することが望ましい場合がある。
【0214】
微生物
開示した組成物および方法によって処理することができる微生物の非限定的な例を以下に示す。
【0215】
本明細書中に開示した組成物および方法によって処理可能なグラム陽性細菌には、それだけには限定されないがM.tuberculosis、M.bovis、M.typhimurium、M.bovis strain BCG、BCG substrains、M.avium、M.intracellulare、M.africanum、M.kansasii、M.marinum、M.ulcerans、M.avium subspecies paratuberculosis、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus equi、Streptococcus pyogenes、 Streptococcus agalactiae、Listeria monocytogenes、Listeria ivanovii、Bacillus anthracis、B.subtilis、Nocardia asteroides、およびNocardia species、Streptococcus viridans group、Peptococcus species、Peptostreptococcus species、Actinomyces israeliiおよびActinomyces species、Propionibacterium acnesならびにEnterococcus speciesが含まれることができる。本明細書中に開示した組成物および方法によって処理可能なグラム陰性細菌には、それだけには限定されないが、Clostridium tetani、Clostridium perfringens、Clostridium botulinum、他のClostridium species、Pseudomonas aeruginosa、他のPseudomonas species、Campylobacter species、 Vibrio cholerae、Ehrlichia species、Actinobacillus pleuropneumoniae、Pasteurella haemolytica、Pasteurella multocida、他のPasteurella species、Legionella pneumophila、他のLegionella species、Salmonella typhi、他のSalmonella species、Shigella species Brucella abortus、他のBrucella species、Chlamydi trachomatis、Chlamydia psittaci、Coxiella burnetti、Escherichia coli、Neiserria meningitidis、Neiserria gonorrhea、Haemophilus influenzae、Haemophilus ducreyi、他のHemophilus species、Yersinia pestis、Yersinia enterolitica、他のYersinia species、Escherichia coli、E.hiraeおよび他のEscherichia species他のEnterobacteriacae、Brucella abortusおよび他のBrucella species、Burkholderia cepacia、Burkholderia pseudomallei、Francisella tularensis、Bacteroides fragilis、Fusobascterium nucleatum、Provetella species、Cowdria ruminantium、Klebsiella species、ならびに Proteus speciesが含まれることができる。
【0216】
グラム陽性およびグラム陰性細菌の上記例は限定することを意図しないが、すべての生物膜に関連する細菌、および非グラムの試験応答性細菌を含めたより大きな集団の代表例であることを意図する。他の細菌種の例には、それだけには限定されないが、Abiotrophia、Achromobacter、Acidaminococcus、Acidovorax、Acintobacter、Actinobacillus、Actinobaculum、Actinomadura、Actinomyces、Aerococcus、Aeromonas、Afipia、Agrobacterium、Alcaligenes、Alloiococcus、Alteromonas、Amycolata、Amycolatopsis、Anaerobospirillum、Anaerorhabdus、Arachnia、Arcanobacterium、Arcobacter、Arthrobacter、Atopobium、Aureobacterium、Bacteroides、Balneatrix、Bartonella、Bergeyella、Bifidobacterium、Bilophila Branhamella、Borrelia、Bordetella、Brachyspira、Brevibacillus、Brevibacterium、Brevundimonas、Brucella、Burkholderia、Buttiauxella、Butyrivibrio、Calymmatobacterium、Campylobacter、Capnocytophaga、Cardiobacterium、Catonella、Cedecea、Cellulomonas、Centipeda、Chlamydia、Chlamydophila、Chromobacterium、Chyseobacterium、Chryseomonas、Citrobacter、Clostridium、Collinsella、Comamonas、Corynebacterium、Coxiella、Cryptobacterium、Delftia、Dermabacter、Dermatophilus、Desulfomonas、Desulfovibrio、Dialister、Dichelobacter、Dolosicoccus、Dolosigranulum、Edwardsiella、Eggerthella、Ehrlichia、Eikenella、Empedobacter、Enterobacter、Enterococcus、Erwinia、Erysipelothrix、Escherichia、Eubacterium、Ewingella、Exiguobacterium、Facklamia、Filifactor、Flavimonas、Flavobacterium、Francisella、Fusobacterium、Gardnerella、Globicatella、Gemella、Gordona、Haemophilus、Hafnia、Helicobacter、Helococcus、Holdemania Ignavigranum、Johnsonella、Kingella、Klebsiella、Kocuria、Koserella、Kurthia、Kytococcus、Lactobacillus、Lactococcus、Lautropia、Leclercia、Legionella、Leminorella、Leptospira、Leptotrichia、Leuconostoc、Listeria、Listonella、Megasphaera、Methylobacterium、Microbacterium、Micrococcus、Mitsuokella、Mobiluncus、Moellerella、Moraxella、Morganella、Mycobacterium、Mycoplasma、Myroides、Neisseria、Nocardia、Nocardiopsis、Ochrobactrum、Oeskovia、Oligella、Orientia、Paenibacillus、Pantoea、Parachlamydia、Pasteurella、Pediococcus、Peptococcus、Peptostreptococcus、Photobacterium、Photorhabdus、Plesiomonas、Porphyrimonas、Prevotella、Propionibacterium、Proteus、Providencia、Pseudomonas、Pseudonocardia、Pseudoramibacter、Psychrobacter、Rahnella、Ralstonia、Rhodococcus、Rickettsia Rochalimaea Roseomonas、Rothia、Ruminococcus、Salmonella、Selenomonas、Serpulina、Serratia、Shewenella、Shigella、Simkania、Slackia、Sphingobacterium、Sphingomonas、Spirillum、Staphylococcus、Stenotrophomonas、Stomatococcus、Streptobacillus、Streptococcus、Streptomyces、Succinivibrio、Sutterella、Suttonella、Tatumella、Tissierella、Trabulsiella、Treponema、Tropheryma、Tsakamurella、Turicella、Ureaplasma、Vagococcus、Veillonella、Vibrio、Weeksella、Wolinella、Xanthomonas、Xenorhabdus、Yersinia、およびYokenellaが含まれる。
【0217】
処置する部位、たとえば生物膜は、たとえば寄生生物などの他の微生物も含有する場合がある。生物膜中に存在する場合がある、本明細書中に開示した組成物および方法によって処理することができる寄生生物の例には、それだけには限定されないが、Toxoplasma gondii、Plasmodium falciparum、Plasmodium vivax、Plasmodium malariaeおよび他のPlasmodium speciesなどのPlasmodium species、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania majorなどのLeishmania species、Schistosoma mansoniおよび他のShistosoma speciesなどのSchistosoma、ならびにEntamoeba histolyticaが含まれる。
【0218】
処置する部位は、それだけには限定されないが、本明細書中に開示する組成物および方法によって処理することができるCandida albicans、Cryptococcus neoformans、Histoplama capsulatum、 Aspergillus fumigatus、 Coccidiodes immitis、 Paracoccidiodes brasiliensis、Blastomyces dermitidis、Pneomocystis carnii、Penicillium marneffi、Alternaria alternateおよびFusarium speciesなどの真菌種をさらに含有する場合がある。
【0219】
一態様では、部位は、Bacillus、Campylobacter、Clostridium、Enterococcus、Escherichia、Fusarium、Listeria、Proprionibacterium、Pseudomonas、Salmonella、Staphylococcus、Streptococcus、ShewanellaおよびToxoplasmaから選択される1つまたは複数の微生物を含み得る。
【0220】
手順
開示した組成物の有効性を3つの微生物、すなわち大腸菌、ビブリオ・ハーベイ、および黄色ブドウ球菌に対して試験した。
【0221】
図1は、45mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および10mMの過酸化水素を含む組成物(グラフB、黒のシェーディング)ならびに過酸化水素を含まない45mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含む組成物(グラフB、白のシェーディング)を用いて、1mLあたりの生存大腸菌MC4100コロニー中、pH7における、7を超える対数単位の低下を示すグラフである。グラフAは、45mMの5−グアニジノ−2−オキソペンタン酸および10mMの過酸化水素を含む組成物(グラフB、黒のシェーディング)ならびに過酸化水素を含まない45mMの5−グアニジノ−2−オキソペンタン酸を含む組成物(グラフB、白のシェーディング)を表す。それぞれの試験の3個の試料を本明細書中に手順1として記載したアッセイで実行した。
【0222】
手順1
大腸菌MC4100を、コロニーがpH7のLuria−Bertani培地(LB)中で約3×10個の細胞/mLの密度に達するまでインキュベーションし、その後、pH7のLBまた調節したpH緩衝液を有するLBに移した。その後、細菌を、それぞれ過酸化水素を用いてまたは用いずに、37℃のThermomixer(Eppendorf)中で、10分間6−アミノ−2−ケトヘキサン酸または5−グアニジノ−2−オキソペンタン酸で処理した。その後、試料を段階希釈し、pH7の固体LB培地を含むペトリ皿上に播種し、終夜37℃でインキュベーションした。適切な希釈率を用いてコロニー形成単位を計数することによって生細胞数を得た。殺菌効果の統計的有意性をANOVA、次いで事後試験で分析した、α=0.05。
【0223】
a−ケト酸の濃度および過酸化水素の濃度の効果を測定するために一連のアッセイを実施した。このグラム陰性種の病原性株の非病原性形態である大腸菌C921−b2;グラム陰性の海産種であるビブリオ・ハーベイ;および大腸菌MC4100のグラム陽性かつ病原性の種である黄色ブドウ球菌で置き換えて、手順1に記載したアッセイを繰り返した。
【0224】
図2、4および6は、大腸菌C921−b2(図2)、ビブリオ・ハーベイ(図4)、および黄色ブドウ球菌(図6)に対する、様々な濃度の6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および5mMの過酸化水素(▲)vs過酸化水素を含まない様々な濃度の6−アミノ−2−ケトヘキサン酸(△)を含む組成物を表すグラフである。
【0225】
図3、5および7は、大腸菌C921−b2(図3)、ビブリオ・ハーベイ(図5)、および黄色ブドウ球菌(図7)に対する、様々な濃度の過酸化水素および27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸(▲)vs6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を含まない様々な濃度の過酸化水素(△)を含む組成物を表すグラフである。
【0226】
図8は、 大腸菌MC4100に対する、27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および5mMの過酸化水素を含む(Bの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Bの白のシェーディング)組成物の、pH6での6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および過酸化水素を含まない(Aの白のシェーディング)ならびに5mMの過酸化水素のみを含む(A、黒のシェーディング)対照試料に対する、細胞数の対数単位の低下を示すグラフである。
【0227】
図9は、大腸菌MC4100に対する、27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および5mMの過酸化水素を含む(Bの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Bの白のシェーディング)組成物の、pH7での6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および過酸化水素を含まない(Aの白のシェーディング)ならびに5mMの過酸化水素のみを含む(A、黒のシェーディング)対照試料に対する、細胞数の対数単位の低下を示すグラフである。
【0228】
図10は、大腸菌MC4100に対する、27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および5mMの過酸化水素を含む(Bの黒のシェーディング)および過酸化水素を含まない(Bの白のシェーディング)組成物の、pH8での6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および過酸化水素を含まない(Aの白のシェーディング)ならびに5mMの過酸化水素のみを含む(A、黒のシェーディング)対照試料に対する、細胞数の対数単位の低下を示すグラフである。
【0229】
開示したα−ケト酸および過酸化水素源の組合せvs開示したα−ケト酸単独または過酸化水素源単独の有効性を試験するために、手順1をpH7で大腸菌MC4100に対して実施した。図11は、大腸菌MC4100に対する、開示した組成物の構成成分の連続処理の、pH7での対数低下vs対照(A)を示すグラフである。グラフ(B)は、27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を単独で用いた処理を表す。グラフ(C)は、5mMの過酸化水素を単独で用いた処理を表す。
【0230】
その後、27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を加え、次いで5mMの過酸化水素を加えたか、または5mMの過酸化水素を加え、次いで27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を加えて、手順1を実施した。グラフ(D)は、27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いた処理、次いで5mMの過酸化水素を用いた処理を表す。グラフ(E)は、5mMの過酸化水素、次いで27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸を用いた処理を表す。グラフ(F)は、27.5mMの6−アミノ−2−ケトヘキサン酸および5mMの過酸化水素を含む組成物を用いた処理を表す。
【0231】
理論に限定されることを望まずに、開示した組成物の溶液は、いくつかの一過性および/または不安定な反応性の種の平衡混合物を含む。たとえば、6−アミノ−2−オキソヘキサン酸を含む組成物の場合、以下の平衡が起こる場合がある。
【0232】
【化22−2】

最終産物である化合物4および5を過酸化水素源と合わせた場合、これらの化合物は抗細菌活性を示さない。したがって、上に示したものなどの中間体の混合物が、開示したa−ケト酸を過酸化水素源の存在下で部位に施用した場合の殺菌活性を司っていると考えられる。
【0233】
明白かつ本発明に固有の他の利点が当業者には明らかであろう。特定の特長および部分的な組合せが有効であり、他の特長および部分的な組合せを参照せずに用い得ることを理解されたい。これは特許請求の範囲によって企図され、その範囲内にある。その範囲から逸脱せずに本発明から多くの可能な実施形態を行い得るため、本明細書中に記載したまたは添付の図面に示したすべての事項は、例示的であり、限定的な意味でないと解釈されることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)以下の式を有する1つまたは複数のα−ケト酸:
【化23】

[式中、Rは、以下から選択される単位を含む窒素原子であり:
i)−NR3a3b
ii)−NRC(=R)R
iii)−NRNR8a8b
iv)−N=R;または
v)−C(=NR10)R11
3aおよびR3bは、それぞれ以下から独立して選択され:
i)水素;
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル;または
iii)ヒドロキシル;
は以下であり:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル;
は以下であり:
i)O;
ii)S;あるいは
iii)NR12[式中、R12は、水素、ヒドロキシル、またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルである];
は以下であり:
i)水素;
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状または環状のアルキル;
iii)C〜Cの直鎖状、分枝状または環状のアルコキシ;あるいは
iv)−NR13a13b[式中、R13aおよびR13bは、それぞれ独立して、水素またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルである];
、R8a、およびR8bは、それぞれ以下から独立して選択される:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル;
は以下であり:
i)NR14;または
ii)CR15a15b
14、R15a、およびR15bは、それぞれ以下から独立して選択され:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル;
10は、水素、ヒドロキシル、またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルであり;
11は、以下から選択され:
i)NR16;または
ii)CR17a17b
16は、水素またはC〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキルであり;
17aおよびR17bは、それぞれ以下から独立して選択され:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル;
2aおよびR2bは、それぞれ以下から独立して選択され:
i)水素;または
ii)C〜Cの直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル;
指数xは整数1〜10であり;
Mは、水素または水溶性陽イオンである];ならびに
b)過酸化水素源;
を含み、約3〜約8のpHを有する抗細菌組成物。
【請求項2】
a)請求項1に記載の1つまたは複数のα−ケト酸;
b)1つまたは複数の過酸化水素源;および
c)担体
を含む組成物。
【請求項3】
A)請求項1に記載の1つまたは複数のα−ケト酸を含む、濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、過酸化水素源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数の過酸化水素源;
b)安定化系;および
c)担体
を含む組成物。
【請求項4】
A)請求項1に記載の1つまたは複数のα−ケト酸を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分;ならびに
B)以下を含む、過酸化水素源を含有する第2の構成成分:
a)1つまたは複数の過酸化水素源;
b)安定化系;および
c)担体
を含む組成物。
【請求項5】
A)以下を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分:
a)請求項1に記載の1つまたは複数のα−ケト酸;および
b)過酸前駆体;ならびに
B)以下を含む、使用者によって提供される第2の構成成分:
a)過酸化水素源;および
b)担体
を含む組成物。
【請求項6】
前記指数xが3〜5である、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
それぞれのR2aおよびR2bが水素である、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
が−NR3a3bである、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
が−NH、−NHCH、および−N(CHから選択される、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
が−NHである、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記1つまたは複数のα−ケト酸が、5−アミノ−2−ケトペンタン酸、6−アミノ−2−ケトヘキサン酸、および5−グアニジノ−2−ケトペンタン酸から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記α−ケト酸が6−アミノ−2−ケトヘキサン酸である、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
pHが約5〜約7である、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
pHが約5〜約6である、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
pHが約4.5〜約5.5である、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
pHが約5である、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
pHが約6である、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
前記1つまたは複数のα−ケト酸の濃度が最終組成物中で約0.1mM〜約100mMである、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記1つまたは複数のα−ケト酸の濃度が最終組成物中で約2mM〜約30mMである、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
前記1つまたは複数のα−ケト酸の濃度が最終組成物中で約10mM〜約30mMである、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
前記1つまたは複数のα−ケト酸の濃度が最終組成物中で約15mM〜約30mMである、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
前記1つまたは複数のα−ケト酸の濃度が最終組成物中で約20mM〜約30mMである、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
前記1つまたは複数のα−ケト酸の濃度が最終組成物中で約25mM〜約30mMである、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
前記過酸化水素源の濃度が最終組成物中で約0.5mM〜約10mMである、請求項1から23のいずれかに記載の組成物。
【請求項25】
前記過酸化水素源の濃度が最終組成物中で約0.5mM〜約7mMである、請求項1から23のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
前記過酸化水素源の濃度が最終組成物中で約1mM〜約5mMである、請求項1から23のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
前記過酸化水素源の濃度が最終組成物中で約1mM〜約4mMである、請求項1から11のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
前記過酸化水素源の濃度が最終組成物中で約2mM〜約5mMである、請求項1から11のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
約0.01重量%〜約50重量%の1つまたは複数の過酸を含む、請求項1から28のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
前記過酸が、以下の式:
100CO
[式中、R100は、約1〜17個の炭素原子を有する炭化水素部分であり、R100は、−OH、−COHによって鎖中で置換され得るか、または鎖は1つまたは複数のヘテロ原子を含み得る]
を有するC〜C18の飽和または不飽和の直鎖状、分枝状または環状のアルキル過酸である、請求項1から29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
界面活性剤をさらに含む、請求項1から30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
安定化剤をさらに含む、請求項1から31のいずれかに記載の組成物。
【請求項33】
緩衝系をさらに含む、請求項1から32のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
部位に抗細菌保護を提供する方法であって、微生物に対する保護を必要としている該部位を請求項1から33のいずれかに記載の組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項35】
部位を衛生化する方法であって、該部位を請求項1から33のいずれかに記載の組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項36】
部位を消毒する方法であって、該部位を請求項1から33のいずれかに記載の組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項37】
部位上の生物膜を制御する方法であって、該部位を請求項1から33のいずれかに記載の組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項38】
前記部位がヒトまたは動物の組織である、請求項34から37に記載の方法。
【請求項39】
前記部位が硬表面である、請求項34から37に記載の方法。
【請求項40】
請求項1から33のいずれかに記載の組成物および有効量の製薬上活性のある薬剤を含む医学的組成物。
【請求項41】
A)請求項1に記載の1つまたは複数のα−ケト酸を含む、固体濃縮物の形態の第1の構成成分を含む第1のリザーバ;ならびに
B)以下を含む、過酸化水素源を含有する第2の構成成分を含む第2のリザーバ:
a)1つまたは複数の過酸化水素源;
b)安定化系;および
c)担体
を含む、部位上の微生物を処理するためのキット。
【請求項42】
A)
a)請求項1に記載の1つまたは複数のα−ケト酸を含む、液体濃縮物の形態の第1の構成成分を含む第1のリザーバ;および
b)担体;ならびに
B)以下を含む、過酸化水素源を含有する第2の構成成分を含む第2のリザーバ:
a)1つまたは複数の過酸化水素源;
b)安定化系;および
c)担体
を含む、部位上の微生物を処理するためのキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−529088(P2011−529088A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520249(P2011−520249)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/051862
【国際公開番号】WO2010/011998
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511020184)ジョージア ステイト ユニバーシティ リサーチ ファンデーション, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】