説明

抗結核組成物及びその調製方法

【課題】バイオアベイラビリティに優れたリファンピシン及びイソニアジドを含む経口用抗結核剤を提供する。
【解決手段】リファンピシンは、直ちに放出する形体で製剤化され、胃において実質的に放出され、イソニアジドは、フタル酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ酢酸ビニルフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース酸スクシネート、アルギン酸、メタクリル酸ポリマー、カルボマー、ポラクリリンカリウム、シェラック又はキトサンのpH感受性ポリマーで徐放性剤形に製剤化される。リファンピシン及びイソニアジドは、放出後、胃の酸性胃内容物において、液状で、相互に接触しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リファンピシン及びイソニアジドを含む経口用抗結核剤の医薬組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結核は、主に発展途上国の重要な問題であるが、最近はHIV感染した個体においてマイコバクテリウム感染症の発症が先進国でも増えている。結核治療の管理は、薬剤耐性が出てくるために更に複雑である。結核の薬剤耐性は、薬剤の処方又は服用が不適切なことによるものであり、実際上は結果として単独療法になる。単独療法の可能性を減じるために、世界保健機関(WHO)及び国際結核肺疾患予防連合(IUATLD)は、抗結核剤を併用して服用すべきであることを奨めている(結核治療用一定用量併用錠剤、1999年4月27日ジュネーブで開催された非公式会議の報告書、世界保健機関感染症流行情報、1999年)。冒頭薬剤の多くの併用は、リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド又はエタンブトールを含有している。この一定用量併用(FDC)錠剤は、必要な薬剤すべてが単一錠剤に併用されるように正しい数の薬剤を正しい用量で送達する簡単な方法を与えるものである。患者の体重によって丸剤の数を変えることにより、用量の計算を必要とせずに完全な治療がもたらされる。しかしながら、そのようなFDC錠剤は欠点がなくはない。主な問題点は、他の薬剤の存在下にリファンピシンのバイオアベイラビリティに対する効果が悪いことである。様々な研究者がFDC錠剤のこの問題のいくつかの態様に対して研究し、いくつかの推奨が文献に報告されている。
【0003】
リファンピシンが同じ製剤内で他の薬剤と併用した場合、製造手順が厳密に制御されない場合にはバイオアベイラビリティが負に影響することがWHOにより考えられている。この背景に対して、WHOとIUATLDは1994年に共同声明を発表し、リンファンピシンの良好な品質と証明されたバイオアベイラビリティを有するFDC錠剤のみが結核の治療に用いるべきであると勧告した(匿名; 1994; Tuber. Lung Dis.; 75: 180-181)。FDC錠剤の品質保証に対するザ インターナショナル ジャーナル オブ ツベルクロシス アンド ラング ディジーズの特別補遺に近刊の論文がいくつかある。これらには、南アフリカとインドで行われた研究におけるリファンピシンバイオアベイラビリティを評価する簡易プロトコールとその使用(Ellard, G.A.; 1999; Int. J. Tuberc. Lung Dis.; Nov 3; 11; Suppl. 3: S284-5; Mclleron, H.ら,; 1999; Int. J. Tuberc. Lung Dis.; Nov. 3; 11; Suppl 3; S329-35; Panchagnula, R.ら; 1999; Int J Tuberc. Lung Dis.; Nov. 3; 11; Suppl 3; S336-42)、リファンピシン、イソニアジド及びピラジナミドを分析する高性能液体クロマトグラフィー法(Smith, P.ら; 1999; Int. J. Tuberc. Lung Dis.; Nov. 3; 11; Suppl 3; S325-28)、リファンピシンのバイオアベイラビリティ実験の熟達を確実にする手順(Ellard, G.A.; 1999; Int. J. Tuberc. Lung Dis.; Nov. 3; 11; Suppl 3; S343-46)、イソニアジドの存在下のリファンピシンの溶解試験手順の改良(Shishoo, C.J.ら; 1999; Int. J. Pharm.; Nov 10; 190(1): 109-23)及びリファンピシンの薬理学の総説(Ellard, G.A.ら; 1999; Int. J. Tuberc. Lung Dis.; Nov 3; 11 Suppl 3; S301-8: S317-21)が含まれている。
【0004】
併用製品からのリファンピシンの吸収が悪いのは、胃の酸性条件での薬剤の分解によるものであり、これはイソニアジドの存在下に促進する(Shishoo, C.J.ら; 1999; Int. J. Pharm.; Nov 10; 190(1): 109-23; Singh, S.ら; 2000; Pharm. Pharmacol. Commun: 6: 491-494)。この分解の機序はSinghらによって提唱された(Singh, S.ら2000: Pharm. Pharmacol. Commun.: 6: 405-410)。イソニアジドの不在下の酸性条件でのリファンピシンの分解は3-ホルミルリファマイシンの形成で止まるが、イソニアジドの存在下に反応が進行して3-ホルミルリファマイシンとイソニアジド間でヒドラゾンを形成することが実験からわかった。更に、3-ホルミルリファマイシンが形成されるとすぐにイソニアジドと相互作用し、速い二次反応であるがヒドラゾンを形成することが示された。ヒドラゾンは酸性条件で不安定であるので、3-ホルミルリファマイシンとイソニアジドは緩慢な一次反応によって可逆的な方法で再生される。この複雑な反応プロセスにおいて、リファンピシンは更に分解し、イソニアジドは回収される。
Devaniら(Devani, M.B.ら; 1985; J. Pharm. Sci.; 74: 427-432)も還元糖の存在下にイソニアジドからヒドラゾン形成の速度論を述べている。
【0005】
いずれの論文も上記問題に対する製造技術の解決法を示していない。発明者らは、注意深い実験とかなりの量の知能と時間を消費した後にFDC錠剤における薬剤のバイオアベイラビリティの問題を解決する新規な方法を見出した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書に記載される本発明は、イソニアジドの存在下にリファンピシンのバイオアベイラビリティの損失を阻止するために試みが行われた抗結核剤の組成物を開示するものである。
実験中に、発明者らは、リファンピシンの分解がイソニアジドの存在下にpH依存性であることがわかった。分解は、pH約1においては最小であり、pHが2〜3の範囲にある場合は急激に増大する。その後、pH 3より高いpHの分解は最小である。
胃の内容物のpHは、通常は1〜3であり、結果として、他の抗結核剤、特にイソニアジドと共に経口投与した場合にリファンピシンの分解が著しい。
この問題は、両方の薬剤の全バイオアベイラビリティを妥協せずに胃腸管内部の異なる場所で放出が行われるような方法で両方の薬剤の放出又は溶解を制御することにより解決した。2つの薬剤、即ち、リファンピシンとイソニアジドは胃腸管内の溶液状態で相互に接触せず、よって相互作用を阻止することを意味する。その組成物は、塩酸エタンブトールやピラジナミドのような他の既知の抗結核剤を含むこともできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
有効成分の部位特異的放出は、様々な手法で達成された。例えば、
a)pH感受性物質の使用によって胃腸管内の異なる場所でリファンピシンとイソニアジドの放出を制御する方法、
b)リファンピシンとイソニアジドの溶液状態での接触を避けるようにpH感受性でない物質でバリヤーコート及び/又はマトリックスを形成することにより薬剤の溶解を制御する方法、
c)薬剤の溶解速度に著しい差があるように薬剤の異なる結晶形を用いる方法、d)メチルポリシロキサン、天然油又は合成油のような物質の使用によりリファンピシンの界面活性剤作用を変性する方法。そのような物質は、リファンピシンの溶解性の対応する低下とともに界面活性剤作用を低下させる。
好ましくは、薬剤は放出がpH約5.0で行われるように変性される。pH 5.0での薬剤放出は、バイオアベイラビリティの損失がないように非常に速やかに行われる。一方、他の薬剤又は薬剤群は、より酸性(pH 1.0〜3.0)条件の胃で放出される。
更に、本発明は、経口懸濁液剤形の一定用量併用抗結核剤を開示する。懸濁液タイプの剤形は、単一用量の有効成分の全量が非常に多量になる一定用量併用に特に重要である。そのような多量は硬又は軟ゼラチンカプセルに充填することができない。圧縮錠剤でさえ大きくなりすぎ、非常に嚥下しにくい。
【0008】
驚くべきことに、本発明においては、1種以上の有効成分が持続性又は徐放性で存在することができる多量併用抗結核剤を有効成分のバイオアベイラビリティの損失を招かない経口懸濁液の形で便利に投与することが可能であることがわかった。これは、微粉末にした場合でさえpH依存徐放性をもつリファンピシン及び/又はイソニアジドの分子分散液を製造することにより達成された。そのような粉末は、他の薬剤と混和することができ、錠剤に圧縮することができ、他の薬剤と共に懸濁液にすることもできる。他の利点は、多量薬剤に深刻な問題である錠剤のサイズの増大が最小であることである。
【0009】
本発明における有効成分は、味マスキング形態であってもよい。そのような剤形は、塊での結核の治療や既存のタイプの剤形のコンプライアンスがないために一般に起こる薬剤耐性出現の減少に非常に望ましい。
有効成分は、薬剤-薬剤/賦形剤相互作用を阻止するバリヤーコーティングをしてもよい。
懸濁液は、用時調製の形であってもよく、使用前に再構成されてもよい。好ましくは、用時調製懸濁液は、非水性基剤/担体を有する。適切な懸濁液基剤の例としては、グリコール又はグリコール誘導体; プロピレンカーボネート; グリセロール; 動物油、植物油又は鉱油; 中鎖トリグリセリド; 天然植物油とアルキレンポリオールとのエステル転移反応生成物; ポリオールと脂肪酸とのエステルが挙げられる。
懸濁液剤形の他の成分としては、当業者に既知の懸濁化剤、粘度付与剤、抗ケーク剤、甘味剤、香味剤、着色剤等が含まれる。
【0010】
薬剤放出を変化させるために用いられるポリマーは、天然ポリマー、半合成ポリマー、合成ポリマー又は人変性ポリマーであってもよい。適切な材料としては、セルロース又はセルロース誘導体、例えば、ミクロクリスタリンセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、プロピオン酸酢酸セルロース、トリメリット酸酢酸セルロース、セルロースカルボキシメチルエーテル又はその塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート; ポリエチレン、ポリクォターニウム-1、ポリ酢酸ビニル(ホモポリマー)、ポリ酢酸ビニルフタレート、アルギン酸プロピレングリコール、PVM/MA(
ポリビニルメタクリレート/マレイン酸無水物)コポリマー、PVP/ジメチコニルアクリレート/ポリカルバミル/ポリグリコールエステル、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、PVP(ポリビニルピロリドン)/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ポリカルバミルポリグリコールエステル、PVP/ポリカルバミルポリグリコールエステル、PVP/VA(ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル)コポリマーラノリン又はラノリン誘導体、緩衝剤、親油性材料等、脂肪、脂肪酸グリセリド、オレイン酸、コレステロール、ポリオールと脂肪酸とのエステル転移反応生成物、グリセリルモノステアレート、ステアリン酸、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、トリベヘニン; ポリアルキレンポリオール、例えば、ポリエチレングリコール; ゼラチン又はゼラチン誘導体; アルギン酸塩; カルボマー; ポリカルボフィル; メタクリル酸コポリマー; カラゲナン、ペクチン、キトサン、シクロデキストリン、レシチン; ガラクトマンナンを含有する天然ゴム又は合成ゴム、例えば、キサンタンゴム、トラガントゴム、アラビアゴム、寒天、グアゴム等; イオン交換樹脂、例えば、ポラクリリンカリウム、アクリル酸コポリマー、スルホン酸ポリスチレンナトリウム、ポリスチレンコポリマー等、緩衝剤、例えば、オルトリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、オルトリン酸二水素カリウム、ホウ酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液、シュウ酸塩緩衝液等が含まれる。
【0011】
本発明の他の実施態様においては、吸収を速やかにするために有効成分を微粉化した形にあってもよい。微粉化は、エアジェットミリング、ボールミル等の方法で行うことができる。平均粒径は、5ミクロン未満でなければならない。
更に、本発明は、ピペリン又はその誘導体のような生物学的利用能増強剤の使用を開示する。本発明の組成物と共にトリカツのようなアーユルヴェーダ製剤もバイオアベイラビリティを高めるのに援助することができる。
本発明は、更に、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない次の実施例の援助により記載される。
【0012】
1. リファンピシンのマイクロ封入
フタル酸酢酸セルロース 64 g
リファンピシン 800 g
ポリエチレングリコール 4000 6.4 g
水 1200 ml
塩酸 0.5 ml
ジクロロメタン 200 ml
イソプロピルアルコール 100 ml
手順
1. フタル酸酢酸セルロースとポリエチレングリコール4000をイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。
2. 0.5 mlの塩酸を含有する水にリファンピシンを分散させてスラリーをつくり、水浴上で50℃に保つ。
3. そのスラリーにCAP溶液を絶えず撹拌しながら添加する。
4. マイクロカプセルをろ別し、乾燥する。
上記リファンピシンのマイクロカプセルを他の抗結核剤と適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0013】
2. リファンピシンのマイクロ封入
アルギン酸ナトリウム 20 g
リファンピシン 100 g
塩化カルシウム溶液 5% w/v

手順
1. アルギン酸ナトリウムを精製水に溶解する。
2. 上記溶液にリファンピシンを分散させる。
3. 上記懸濁液を塩化カルシウム溶液に絶えず撹拌しながら滴下する。
4. マイクロカプセルをろ別し、乾燥する。
上記リファンピシンのマイクロカプセルを他の抗結核剤と適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0014】
3. リファンピシンのマイクロカプセルの調製
リファンピシン 100 g
エチルセルロース M20 100 g
水 600 ml
ジクロロメタン 300 ml
手順
1. エチルセルロースをジクロロメタンに溶解する。
2. リファンピシンを水に分散し、水浴中で40℃に保つ。
3. 薬剤スラリーにエチルセルロース溶液を絶えず撹拌しながら添加する。
4. マイクロカプセルをろ別し、水洗し、風乾する。
上記リファンピシンのマイクロカプセルを他の抗結核剤と適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0015】
4. リファンピシンのマイクロスフェア
キトサン 500 mg
プルロニック(登録商標(以下同様)) F68 2 g
リファンピシン 10 mg
トリポリリン酸ナトリウム(10% w/v水溶液として) 10 g
水 200 ml
手順
1. キトサンを界面活性剤としてプルロニックF-68を含有する酢酸に溶解する。
2. 10 mgの薬剤をキトサン溶液に添加する。次に、トリポリリン酸ナトリウムを激しく振盪しながら滴下する。濁った懸濁液を架橋の結果として生成し、キトサンマイクロスフェアを沈殿する。
3. マイクロスフェアを3000 rpmで10分間遠心分離し、沈降物を脱イオン蒸留水で2回洗浄し、乾燥する。
上記リファンピシンマイクロスフェアを他の抗結核剤と適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0016】
5. リファンピシンのマイクロスフェア
リファンピシン 10 g
寒天 4 g
クエン酸 2 g
水 50 ml
ポリビニルアルコール 15 g
エタノール 100 ml
手順
1. クエン酸を水に溶解し、リファンピシンを分散し、その中に寒天を絶えず撹拌しながら分散させる。
2. 一方、ポリビニルアルコールをエタノールに溶解する。
3. 水溶液をポリビニルアルコールのアルコール溶液に絶えず撹拌しながら添加する。
4. 蒸発乾固し、マイクロスフェアを分離する。そのマイクロスフェアを次に例示される懸濁液剤形に処方することができる。
【0017】
リファンピシン 0.200 g
(実施例5のマイクロスフェアとして)
イソニアジド(実施例39のような
味マスキングとして) 0.300 g
ピラジナミド 0.750 g
塩酸エタンブトール(実施例28のような
味マスキングとして) 0.400 g
アスパルテーム 0.025 g
ラブラファック(登録商標(以下同様))PG
(ガッテフォス、フランス) 5.000 g
コーン油 3.000 g
ブチル化ヒドロキシアニソール 0.0015 g
香味剤 0.097 g
手順
1. ラブラファックPGとコーン油を混合し、その中にブチル化ヒドロキシアニソールを溶解する。
2. 次に、そのバルクにリファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、塩酸エタンブトール、香味剤及びアスパルテームを撹拌しながら添加する。
【0018】
6. 二重層錠剤
層-I
リファンピシン 0.225 g
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 0.050 g
イソプロピルアルコール 2.000 g
層-II
イソニアジド 0.150 g
ピラジナミド 0.750 g
塩酸エタンブトール 0.400 g
デンプン 0.075 g
水 0.500 g
手順
1. ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをイソプロピルアルコールに溶解したものでリファンピシンを造粒し、乾燥する。
2. 別に、イソニアジド、ピラジナミド、及び塩酸エタンブトールを水中デンプンペーストで造粒し、乾燥する。
3. 顆粒を二重層錠にロータプレスにより圧縮する。イソニアジド(層-II)は直ちに放出する。リファンピシン層は、pH 5.5以上で遅れて放出する。
【0019】
7. リファンピシンの腸溶性コーティングビーズ
リファンピシン 0.5 kg
ノンパレルビーズ 1.2 kg
ポリビニルピロリドン 0.100 kg
イソプロピルアルコール 7.00リットル
オイドラギット L100 0.40 kg
アセトン 6.00リットル
水 1.00リットル
クエン酸トリエチル 0.04 kg
手順
1. 流動床コーターを用いてリファンピシンの腸溶性コーティングビーズを調製する。
2. リファンピシンとポリビニルピロリドンをイソプロピルアルコールに分散したものを流動ノンパレルビーズに噴霧する。
3. オイドラギットL100とクエン酸トリエチルを水/アセトン混合液に分散したものをリファンピシンビーズに噴霧する。
そのビーズを他の薬剤と共に用いて次に例示される製剤に調製することができる。
(i) リファンピシン 600 mg
(実施例6のような腸溶性コーティングビーズとして)
(ii)イソニアジド 150 mg
(i)と(ii)を混合し、硬ゼラチンカプセルに充填する、又は(i)と(ii)を適切な滑沢剤と希釈剤、例えば、ラクトース、ミクロクリスタリンセルロースと混合し、錠剤に圧縮するか硬カプセルに充填する。
【0020】
8. リファンピシン顆粒剤(徐放性)
リファンピシン 9.00 kg
オイドラギット L100(ロームファーマ、ドイツ) 1.00 kg
アセトン 3.0リットル
水 0.5リットル
手順
1. オイドラギットL100をアセトンと水の混合液に溶解する。
2. リファンピシンを上記溶液とともに急速ミキサ造粒機で顆粒する。湿塊を10メッシュスクリーンに篩過し、乾燥する。
3. 顆粒を乾燥した後、顆粒を30メッシュスクリーンに篩過する。その顆粒を経口懸濁液又はカプセルに添加することができ、他の活性剤と賦形剤と共に錠剤に圧縮することもできる。
上記リファンピシン顆粒を他の抗結核剤及び適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0021】
9. 腸溶性(徐放性)作用をもつリファンピシンの分子分散液
リファンピシン 9.00 kg
オイドラギット L100(ロームファーマ、ドイツ) 0.50 kg
フタル酸酢酸セルロース 1.00 kg
イソプロピルアルコール 5.0リットル
塩化メチレン 10.0リットル
手順
1. オイドラギットL100とフタル酸酢酸セルロースをイソプロピルアルコールと塩化メチレンの混合液に別々に溶解する。両方の溶液を混合する。
2. リファンピシンを塩化メチレンに溶解し、上記溶液に添加し、1時間混合する。
3. 溶媒を水浴上で蒸発させ、残留物をメッシュサイズ100の篩に通す。
上記リファンピシン粉末は、酸段階、即ち、pH 1〜3で2時間までほとんど放出しない。pH 5.5より高いpHでは85%を超える薬剤が約45分で放出する。この粉末を他の抗結核剤と適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。圧縮時に、酸段階でのリファンピシンの放出に変化はない。
【0022】
10. 腸溶性(徐放性)作用をもつリファンピシンの分子分散液
リファンピシン 8.00 kg
オイドラギット L100(ロームファーマ、ドイツ) 0.50 kg
フタル酸酢酸ポリビニル 0.75 kg
イソプロピルアルコール 4.0リットル
ジクロロメタン 8.0リットル
1. オイドラギットL100とフタル酸酢酸ポリビニルをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に別々に溶解する。両方の溶液を混合する。
2. リファンピシンをジクロロメタンに溶解し、これを上記溶液に添加し、1時間混合する。
3. 溶媒を水浴上で蒸発させ、メッシュサイズ100の篩に通す。
上記リファンピシン粉末を他の抗結核剤及び適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0023】
11. 腸溶性(徐放性)作用をもつリファンピシンの分子分散液
リファンピシン 2.00 kg
シェラック 0.10 kg
イソプロピルアルコール 1.0リットル
塩化メチレン 2.0リットル
手順
1. シェラックをイソプロピルアルコールと塩化メチレン混合液に別に溶解する。
2. リファンピシンを塩化メチレンに溶解し、上記溶液に添加し、2時間混合する。
3. 溶媒を水浴上で蒸発させ、残留物をメッシュサイズ100の篩に通す。
上記リファンピシン粉末を他の抗結核剤及び適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0024】
12. リファンピシン顆粒剤(徐放性)
リファンピシン 2.00 kg
オイドラギット L30D 0.20 kg
精製水 0.50リットル
手順
1. オイドラギットL30Dを精製水で希釈する。
2. リファンピシンを上記溶液とマスミキサで1.5〜2.0時間造粒する。
3. 湿塊をマルチミルに通し、顆粒を乾燥する。
その顆粒を用いた経口懸濁液を次に記載する。
【0025】
経口懸濁液
リファンピシン 225 mg
(実施例12のような徐放性顆粒として)
イソニアジド 150 mg
(実施例39のような味マスキング用
味マスキングとして)
塩酸エタンブトール 400 mg
(実施例28のような味マスキング用
イオン交換複合体として)
ピラジナミド 750 mg
コロイド状二酸化ケイ素 100 mg
アスパルテーム 20 mg
香味剤 適量
中鎖トリグリセリド 適量10 mlまで
手順
コロイド状二酸化ケイ素、アスパルテームを中鎖トリグリセリドに分散させる。リファンピシン顆粒、イソニアジド、塩酸エタンブトール及びピラジナミド及び香味剤を撹拌しながら添加する。
【0026】
13. 吸収増強剤としてピペリンを含有するFDC製剤
リファンピシン 225 mg
(実施例12のような徐放性顆粒として)
ピペリン 60 mg
イソニアジド 150 mg
(実施例39のような味マスキング用
味マスキングとして)
塩酸エタンブトール 400 mg
(実施例28のような味マスキング用
イオン交換複合体として)
ピラジナミド 750 mg
コロイド状二酸化ケイ素 100 mg
アスパルテーム 20 mg
香味剤 適量
中鎖トリグリセリド 適量 10 mlまで
手順
コロイド状二酸化ケイ素、アスパルテームを中鎖トリグリセリドに分散させる。リファンピシン顆粒、ピペリン、イソニアジド、エタンブトール及びピラジナミド及び香味剤を撹拌しながら添加する。
【0027】
14. リファンピシンのpH感受性速効性顆粒

リファンピシン 20部
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 52部
ラクトース 13部
ヒドロキシプロピルセルロース 5部
アルコール(エタノール95% v/v) 20部
フィルム
手順
1. リファンピシン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトースを混合する。
2. 上記バルクをヒドロキシプロピルセルロースのアルコール溶液と造粒する。
3. 顆粒を乾燥し、メッシュ60に篩過する。
4. 顆粒をイソプロピルアルコールとアセトン中のユードライトL100とフタル酸ジブチルの腸溶フィルム形成溶液でコーティングする。
その顆粒を用いてカプセル剤、錠剤又は経口懸濁液を調製することができる。
【0028】
15. リファンピシンのミリスフェア
相-1
リファンピシン 10 g
アルギン酸ナトリウム 20 g
水 90 g
相-II
キトサン 5 g
塩化カルシウム 5 g
水 200 ml
リファンピシンとアルギン酸ナトリウムを水に分散することにより相-I溶液を調製する。キトサン、塩化カルシウムを水に溶解して相-IIを調製する。相-Iを相-IIに撹拌しながら滴下する。リファンピシンの軟ミリスフェアを形成する。
ろ過で分離し、真空乾燥する。
そのミリスフェアを用いて他の抗結核剤と共に経口懸濁液剤形を処方することができる。
【0029】
16. 親油性マトリックス中のリファンピシン
リファンピシン 5.0 kg
グリセリルモノステアレート 2.0 kg
ポロキサマー(登録商標(以下同様)) 188 0.1 kg
ラクトース 2 kg
エチルセルロース 0.5 kg
アルコール(エタノール95% v/v) 2.0 リットル
手順
1. グリセリルモノステアレートとポロキサマーをアルコールに溶解し、70℃まで過熱して透明溶液を得る。
2. そのバルクに薬剤を添加し、冷却する。
3. アルコールを蒸発させ、残留物を希釈剤としてのラクトースと結合剤としてエチルセルロースと造粒する。
その顆粒を用いて他の抗結核剤と共に錠剤、カプセル、剤形又は懸濁液剤形を処方することができる。
【0030】
17. カルボマーマトリックス中のリファンピシン
リファンピシン 5.0 kg
カルボマー(カルボポール(登録商標(以下同様))
934P、BFグッドリッチ) 1.0 kg
ラクトース 5.0 kg
エチルセルロース 0.5 kg
アセトン 2.0リットル
アルコール(エタノール95% v/v) 10.0リットル
水 5.0リットル
手順
1. 薬剤をアルコールに溶解し、カルボポールを水に溶解する。両方の溶液を混合し、1時間放置する。
2. 溶媒を蒸発させ、塊を粉末に微粉砕し、希釈剤としてのラクトースと結合剤としてのアセトン中のエチルセルロースと造粒する。
その顆粒を用いて他の抗結核剤と共に錠剤、カプセル、剤形又は経口懸濁液剤形を処方することができる。
【0031】
18. リファンピシンのメソソーム
リファンピシン 2.0 kg
グリセリルモノステアレート 1.0 kg
パルミチン酸 0.5 kg
トゥイーン 60 0.1 kg
水 5.0リットル
グリセリルモノステアレートとパルミチン酸を水浴中で溶融し、その中に薬剤を分散させる。溶融した塊をトゥイーン60を含有する熱精製水に撹拌しながら注ぐ。次に、これを氷冷却水に連続して撹拌しながら添加する。メソソームをろ過し、風乾する。
リファンピシンの上記メソソームを抗結核剤及び適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0032】
19. 有核錠製剤(徐放性形態のリファンピシン)
核錠 1錠中
リファンピシン 225 mg
デンプン 20 mg
ラクトース 28 mg
水 ---
ステアリン酸マグネシウム 10 mg
ラウリル硫酸ナトリウム 10 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 30 mg
リファンピシンとラクトースを篩に通し、デンプンペーストと造粒し、マルチミルを通過させる。顆粒を50〜60℃で乾燥し、メッシュサイズ18の篩に通す。デンプングリコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムをメッシュサイズ40の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
【0033】
リファンピシン錠剤の腸溶性コーティング(バッチサイズ2.0 kg)
オイドラギット L100 88.00 g
精製タルク 20.00 g
クエン酸トリエチル 18.00 g
ジクロロメタン 1.30リットル
イソプロピルアルコール 0.60リットル
オイドラギットL 100をイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにクエン酸トリエチルとタルクを添加し、45分間混合する。錠剤を6〜8%w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0034】
外部錠
ピラジナミド 750 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
イソニアジド 150 mg
ステアリン酸マグネシウム 10 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 30 mg
ラクトース 65 mg
ポビドン 50 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、イソニアジド及びラクトースを篩に通し、水中ポビドン溶液と造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウムとデンプングリコール酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合する。中間のリファンピシン腸溶性コーティング錠と共に錠剤に圧縮する。
【0035】
外部錠のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4% w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0036】
20. 有核錠製剤(徐放性形態のイソニアジド)
核錠 1錠中
イソニアジド 150 mg
ラクトース 30 mg
デンプン 5 mg
水 ---
ステアリン酸マグネシウム 3 mg
精製タルク 3 mg
イソニアジドとラクトースを篩に通し、デンプンペーストと造粒し、マルチミルに通す。顆粒を50o〜60℃で乾燥し、メッシュサイズ18の篩に通す。ステアリン酸マグネシウムとタルクをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
【0037】
イソニアジド錠剤の腸溶性コーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 80.00 g
精製タルク 25.00 g
セバシン酸ジブチル 15.00 g
ジクロロメタン 1.30リットル
イソプロピルアルコール 0.60リットル
フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにセバシン酸ジブチルとタルクを添加し、45分間混合する。錠剤を4〜6% w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0038】
外部錠
ピラジナミド 750 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
リファンピシン 225 mg
ラクトース 70 mg
ステアリン酸マグネシウム 10 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 15 mg
ポビドン 30 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、リファンピシン及びラクトースを篩に通し、水中ポビドン溶液と造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウムとデンプングリコール酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合する。中間のイソニアジド腸溶性コーティング錠と共に錠剤に圧縮する。
【0039】
外部錠のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4%w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0040】
21. 徐放性形態のイソニアジドを含有する錠剤
核錠 1錠中
イソニアジド 150 mg
ラクトース 30 mg
オイドラギット L 30 D(ロームファーマ、ドイツ) 50 mg
精製水 ---
イソニアジドとラクトースを篩に通し、希釈したオイドラギットL 30 Dの水性分散液とマスミキサで少なくとも2時間造粒する。顆粒を篩に通し、乾燥する。
【0041】
外部錠
イソニアジド腸溶性コーティング 230 mg
(イソニアジド150 mgに等価)
塩酸エタンブトール 400 mg
ピラジナミド 750 mg
リファンピシン 225 mg
ラクトース 20 mg
ステアリン酸マグネシウム 10 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 35 mg
ポビドン 30 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、リファンピシン及びラクトースを篩に通し、水中ポビドン溶液で造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。上記顆粒とステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム及びイソニアジド顆粒とを混合し、圧縮する。
【0042】
錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4% w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0043】
22. 腸溶性(徐放性)作用をもつイソニアジドの分子分散液
イソニアジド 10.00 kg
オイドラギット L100(ロームファーマ、ドイツ) 2.00 kg
イソプロピルアルコール 5.0リットル
アルコール(エタノール95% v/v) 15.0リットル
オイドラギットL100をイソプロピルアルコールに溶解する。イソニアジドをアルコールに溶解し、上記溶液に添加し、1時間混合する。溶媒を水浴上で蒸発させ、残留物をメッシュサイズ100の篩に通す。
上記粉末を用いてカプセル剤、錠剤又は経口懸濁液を調製することができる。
【0044】
23. 腸溶性(除放性)作用をもつイソニアジドの分子分散液
イソニアジド 8.00 kg
オイドラギット L100(ロームファーマ、ドイツ) 1.00 kg
ポリ酢酸ビニルフタレート 0.75 kg
イソプロピルアルコール 4.0 リットル
アルコール(エタノール95% v/v) 15.0 リットル
オイドラギットL100とポリ酢酸ビニルフタレートをイソプロピルアルコールに別々に溶解する。両方の溶液を混合し、イソニアジドをアルコールに溶解し、上記溶液に添加し、1時間混合する。溶媒を水浴上で蒸発させ、残留物をメッシュサイズ100の篩に通す。
上記粉末を用いてカプセル剤、錠剤又は経口懸濁液剤に調製することができる。
【0045】
24. 腸溶性(徐放性)作用をもつイソニアジドの分子分散液
イソニアジド 2.00 kg
シェラック 0.10 kg
イソプロピルアルコール 1.0 リットル
アルコール(エタノール95% v/v) 5.0 リットル
シェラックをイソプロピルアルコールに溶解する。イソニアジドをアルコールに溶解し、上記溶液に添加し、2時間混合する。溶媒を水浴上で蒸発させ、残留物をメッシュサイズ100の篩に通す。
上記分子分散液を用いた経口懸濁液を次に記載する。
経口分散液
イソニアジド 150 mg
(実施例23のような徐放性分子分散液として)
リファンピシン 225 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
(実施例28のような味マスキング用
イオン交換複合体として)
ピラジナミド 750 mg
コロイド状二酸化ケイ素 100 mg
アスパルテーム 20 mg
香味剤 適量
中鎖トリグリセリド 適量 10 mlまで
コロイド状二酸化ケイ素、アスパルテームを中鎖トリグリセリドに分散させる。イソニアジド粉末、リファンピシン、塩酸エタンブトール及びピラジナミド及び香味剤を撹拌しながら添加する。
【0046】
25. イソニアジドの腸溶性ビーズ
イソニアジド 1.0 kg
ノンパレルビーズ 3.0 kg
ポリビニルピロリドン 0.20 kg
イソプロピルアルコール 14.00リットル
オイドラギット L100 0.80 kg
アセトン 12.00リットル
水 2.00リットル
クエン酸トリエチル 0.10 kg
手順
イソニアジドの腸溶性コーティングビーズを流動床コーターを用いて製造する。イソプロピルアルコール中のイソニアジドとポリビニルピロリドンの分散液を流動ノンパレルビーズに噴霧する。イソニアジドビーズに水/アセトン混合液中のオイドラギットL100とクエン酸トリエチルの分散液を更にコーティングする。
そのビーズを他の薬剤と共に用いて次に例示される製剤を調製することができる。
(i) イソニアジド 150 mg
(実施例25のような腸溶性コーティングビーズとして)
(ii)リファンピシン 600 mg
(i)と(ii)を混合し、硬ゼラチンカプセルに充填し、(i)と(ii)及び適切な滑沢剤と希釈剤、ラクトース、ミクロクリスタリンセルロースと混合し、錠剤に圧縮する。
【0047】
26. 親油性マトリックス中のイソニアジド
イソニアジド 5.0 kg
グリセリルモノステアレート 2.0 kg
ポロキサマー 188 0.1 kg
ラクトース 2 kg
エチルセルロース 1.0 kg
アルコール(エタノール95% v/v) 10.0 リットル
グリセリルモノステアレートとポロキサマーをアルコールに溶解し、70℃まで加熱して透明溶液を得る。このバルクに薬剤を添加し、冷却する。アルコールを蒸発させ、混合液を希釈剤としてのラクトースと結合剤としてのエチルセルロースと造粒する。
上記イソニアジド顆粒を他の抗結核剤及び適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤と混和することができる。
【0048】
27. 持続性形態のイソニアジドを含有する二重層錠剤
層-1
イソニアジド 0.150 g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース K4M 0.050 g
イソプロピルアルコール 2.000 g
層-II
リファンピシン 0.225 g
塩酸エタンブトール 0.400 g
ピラジナミド 0.750 g
デンプン 0.075 g
水 0.500 g
イソニアジドをイソプロピルアルコール中のヒドロキシプロピルメチルセルロースK4Mの溶液と造粒し、乾燥する。リファンピシン、塩酸エタンブトール及びピラジナミドを水中デンプンペーストと造粒し、乾燥する。ロータプレスにより二重層錠剤に圧縮する。リファンピシン(層-II)は直ちに放出する。イソニアジド層は、徐放性形態で放出する。
【0049】
28. 複合体形成を用いた味マスキング形態の塩酸エタンブトール
塩酸エタンブトール 1.0 kg
ポリスチレンコポリマー 2.0 kg
水 5.0リットル
ポリスチレンコポリマーを水に分散し、それに塩酸エタンブトールを絶えず撹拌しながら添加する。2時間撹拌を続け、複合体をろ過し、乾燥する。
上記複合体は、他の抗結核剤を含有する味マスキング徐放性イソニアジド懸濁液の錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤形に含むことができる。
【0050】
29. 有核錠剤(徐放性形態のリファペンチン)
核錠: 1錠中
リファペンチン 150 mg
ミクロクリスタリンセルロース 75 mg
デンプン 10 mg
水 ---
エデト酸二ナトリウム 3 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
精製タルク 2 mg
ラウリル硫酸ナトリウム 5 mg
リファペンチンとミクロクリスタリンセルロースを篩に通し、その塊をデンプンペーストと造粒し、マルチミルに通す。顆粒を50o〜60℃で乾燥し、メッシュサイズ18の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、エデト酸二ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム及び精製タルクをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
【0051】
リファペンチン錠剤の腸溶性コーティング(バッチサイズ2.0 kg)
フタル酸酢酸セルロース 85.00 g
精製タルク 20.00 g
ポリエチレングリコール 400 10.00 g
ジクロロメタン 1.33リットル
イソプロピルアルコール 0.66リットル
イソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液にフタル酸酢酸セルロースを溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400とタルクを添加し、45分間混合する。錠剤を4〜6% w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0052】
外部錠
ピラジナミド 750 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
イソニアジド 150 mg
ラクトース 60 mg
ステアリン酸マグネシウム 20 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 30 mg
デンプン 20 mg
精製タルク 5 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、イソニアジド及びラクトースを篩に通し、精製水中で調製したデンプンペーストと造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、精製タルク及びデンプングリコール酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合する。中間のリファペンチン腸溶性コーティング錠と共に錠剤に圧縮する。
【0053】
外部錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4% w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0054】
30. 発泡錠/顆粒(徐放性形態のリファンピシン)
1錠中
リファンピシン腸溶顆粒 225 mg
(実施例8からのリファンピシンに等価)
ピラジナミド 750 mg
イソニアジド 150 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
無水クエン酸 340 mg
重炭酸ナトリウム 360 mg
無水炭酸ナトリウム 20 mg
ポビドン 50 mg
ポリエチレングリコール6000 25 mg
安息香酸ナトリウム 20 mg
アスパルテーム 20 mg
ステアリン酸マグネシウム 7.5 mg
ラウリル硫酸ナトリウム 2.5 mg
香味剤 25 mg
イソプロピルアルコール ---
ジクロロメタン ---
【0055】
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、イソニアジドをメッシュサイズ40の篩に通す。無水クエン酸、重炭酸ナトリウム及び無水炭酸ナトリウムをメッシュサイズ100の篩に通し、上記バルクと混合する。ポビドンをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解し、バルクと結合剤溶液と造粒し、湿塊ヲマルチミルに通し、顆粒を乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。
ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000、アスパルテーム、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム及び香味剤を篩に通し、乾燥した顆粒と混合する。
上記発泡顆粒は、ポーチ/サシェイ又は錠剤剤形で投与し得る。処理はすべて20%を超えない相対湿度と25℃を超えない温度の除湿した条件で行う。
【0056】
31. 徐放性形態のリファンピシンを含有する緩衝化錠剤
1錠中
リファンピシン 225 mg
ピラジナミド 750 mg
イソニアジド 150 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
ラクトース 22.5 mg
デンプン 30 mg
ステアリン酸マグネシウム 7.5 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 30 mg
炭酸ナトリウム 100 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、及びイソニアジド及びラクトースをメッシュサイズ40の篩に通す。上記バルクを含水デンプンペーストと造粒し、湿塊をマルチミルに通し、顆粒を乾燥する。ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを篩に通し、乾燥した顆粒、リファンピシン腸溶性コーティング顆粒と混合し、圧縮する。
【0057】
錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4%w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0058】
32. 徐放性形態のイソニアジドを含有する硬ゼラチンカプセル剤
1カプセル中
イソニアジド腸溶性コーティング錠 200 mg=1錠
(実施例20)
リファンピシン(圧縮) 225 mg
ラウリル硫酸ナトリウム 3 mg
リファンピシンをメッシュサイズ22の篩に通し、予めメッシュサイズ40の篩に通したラウリル硫酸ナトリウムと混合する。228 mgの上記粉末とイソニアジド腸溶性コーティング錠1つを空の硬ゼラチンカプセルサイズ『0』に充填する。
【0059】
33. 腸溶性(徐放性)作用をもつリファブチンの分子分散液
リファブチン 10.00 kg
オイドラギット L100(ロームファーム、ドイツ) 2.50 kg
イソプロピルアルコール 6.0リットル
ジクロロメタン 17.0リットル
オイドラギットL100をイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。リファブチンをジクロロメタンに溶解し、上記溶液に添加し、1時間混合する。溶媒を水浴上で蒸発させ、残留物をメッシュサイズ100の篩に通す。
上記リファブチン粉末を他の抗結核剤及び適切な賦形剤と混和して錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤に処方することができる。
【0060】
34. 徐放性形態のリファブチン含有錠剤
1錠中
リファブチン
(実施例33のような徐放性分子分散液として) 150 mg
イソニアジド 150 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
ピラジナミド 750 mg
ラクトース 135 mg
ステアリン酸マグネシウム 20 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 30 mg
精製タルク 5 mg
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、イソニアジド及びラクトースを篩に通し、精製水中で調製したデンプンペーストと造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、精製タルク及びリファブチン徐放性粉末と乾燥した顆粒とを混合し、圧縮する。
【0061】
錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒドロキシプロピルメチルセルロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4%w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0062】
35. 徐放性形態のイソニアジドを含有する再構成用粉末
各10mlの再構成した懸濁液は下記成分を含有する。
イソニアジド
(実施例22のような『イソニアジドに等価』の
徐放性分子分散液として) 150 mg
リファンピシン 225 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
(実施例28のような味マスキング用
イオン交換複合体として)
ピラジナミド 750 mg
ヒドロキシ安息香酸メチル 5 mg
メタ重亜硫酸ナトリウム 10 mg
甘味剤 適量
キサンタンゴム 20 mg
香味剤 適量
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、イソニアジド徐放性粉末、リファンピシン、ヒドロキシ安息香酸メチル、及びメタ重亜硫酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通す。キサンタンゴムと甘味剤をメッシュサイズ100の篩に通す。両方のバルクを混合し、褐色ガラスびんに充填する。
【0063】
36. 徐放性形態のリファンピシンを含有する再構成用粉末
各10 mlの再構成懸濁液は下記成分を含有する。
リファンピシン
(実施例9のような徐放性分子分散液として) 225 mg
イソニアジド 150 mg
(実施例39のような味マスキングとして)
塩酸エタンブトール 400 mg
(実施例28のような味マスキング用イオン交換複合体として)
ピラジナミド 750 mg
ヒドロキシ安息香酸メチル 5 mg
メタ重亜硫酸ナトリウム 10 mg
甘味剤 適量
キサンタンゴム 20 mg
香味剤 適量
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、イソニアジド、リファンピシン徐放性粉末、ヒドロキシ安息香酸メチル、及びメタ重亜硫酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通す。キサンタンゴムと甘味剤をメッシュサイズ100の篩に通す。両方のバルクを混合し、褐色ガラスびんに充填する。
【0064】
37. キット形態の抗結核製剤
キットは、次の成分を含有する。
(A) イソニアジド150 mgの錠剤1錠(腸溶性コーティング)
(B) リファンピシン、塩酸エタンブトール及びピラジナミドを含有する錠剤1錠(フィルムコーティング)
(A) イソニアジド錠剤150 mg(腸溶性コーティング)
1錠中
イソニアジド 150 mg
ラクトース 30 mg
デンプン 5 mg
水 ---
ステアリン酸マグネシウム 3 mg
精製タルク 3 mg
イソニアジドとラクトースを篩に通し、塊をデンプンペーストと造粒し、マルチミルを通す。顆粒を50o〜60℃で乾燥し、メッシュサイズ18の篩に通す。ステアリン酸マグネシウムとタルクをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
【0065】
イソニアジド錠剤の腸溶性コーティング(バッチサイズ2.0 kg)
オイドラギットL 100 80.00 g
精製タルク 25.00 g
クエン酸トリエチル 15.00 g
ジクロロメタン 1.30リットル
イソプロピルアルコール 0.60リットル
オイドラギットL100をイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにクエン酸トリエチルとタルクを添加し、45分間混合する。
錠剤を4〜6%w/wの蓄積重量までコーティングする。
(B) リファンピシン、塩酸エタンブトール及びピラジナミド錠剤(フィルムコーティング)
1錠中
ピラジナミド 750 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
リファンピシン 225 mg
ラクトース 50 mg
ステアリン酸マグネシウム 15 mg
タルク 6 mg
デンプン 19 mg
クロスポビドン 35 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、リファンピシン及びラクトースを篩に通し、精製水中で調製したデンプンペーストと造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、精製タルク及びクロスポビドンをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
【0066】
錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4%w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0067】
38. キット形態の抗結核製剤
キットは次の成分を含有する。
(A) リファンピシン150 mgの錠剤1錠(腸溶性コーティング)
(B) イソニアジド、塩酸エタンブトール及びピラジナミドを含有する錠剤1錠(フィルムコーティング)
(A) リファンピシン錠剤150 mg(腸溶性コーティング)
1錠中
リファンピシン 225 mg
ミクロクリスタリンセルロース 55 mg
デンプン 10 mg
水 ---
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
ラウリル硫酸ナトリウム 5 mg
リファンピシンとミクロクリスタリンセルロースを篩に通し、塊をデンプンペーストと造粒し、マルチミルに通す。顆粒を50o〜60℃で乾燥し、メッシュサイズ18の篩に通す。ステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
【0068】
リファンピシン錠剤の腸溶性コーティング(バッチサイズ2.0 kg)
オイドラギットL 100 80.00 g
精製タルク 25.00 g
クエン酸トリエチル 15.00 g
ジクロロメタン 1.30リットル
イソプロピルアルコール 0.60リットル
オイドラギットL100をイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにクエン酸トリエチルとタルクを添加し、45分間混合する。
錠剤を4〜6%w/wの蓄積重量までコーティングする。
(B) イソニアジド、塩酸エタンブトール及びピラジナミド錠剤(フィルムコーティング)
1錠中
ピラジナミド 750 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
イソニアジド 150 mg
ステアリン酸マグネシウム 15 mg
タルク 6 mg
デンプン 35 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 35 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール及びイソニアジドを篩に通し、精製水中で調製したデンプンペーストと造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、精製タルク及びデンプングリコール酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
【0069】
錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒドロキシプロピルメチルセルロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにプロピレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4%w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0070】
39. 複合体形成を用いた味マスキング形態のイソニアジド
イソニアジド 1.0 kg
ポリスチレンコポリマー 2.0 kg
水 5.0リットル
ポリスチレンコポリマーを水に分散し、それにイソニアジドを絶えず撹拌しながら添加する。2時間撹拌を続け、複合体をろ過し、乾燥する。
上記複合体を他の抗結核材を含有する味マスキング徐放性イソニアジド懸濁液の錠剤、カプセル剤又は懸濁液剤形に含めることができる。
【0071】
40. リファンピシンと他の結核剤のマイクロエマルジョン製剤
1錠中
リファンピシン 150 mg
ピラジナミド 250 mg
塩酸エタンブトール 267 mg
イソニアジド 100 mg
ポロキサマー188 25 mg
ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート 20 mg
水素添加油 20 mg
ステアリン酸マグネシウム 15 mg
タルク 6 mg
デンプン 35 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 35 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、リファンピシン及びイソニアジドを篩に通し、ポロキサマー188、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート及び水素添加植物油を含有するデンプンペーストと造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、精製タルク及びデンプングリコール酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒と混合し、圧縮する。
水で希釈したその錠剤は、マイクロエマルジョンを与える。
【0072】
41. リファンピシン用小胞担体
リファンピシン 500 mg
クロロホルム 適量
コレステロール 49 mg
ポリソルベート 80 35 mg
ジクロロメタン 10 ml
塩化カルシウム(25mM溶液) 10 ml
リファンピシンを最少量のクロロホルムに溶解し、それにコレステロール、ポリソルベート80及びジステアリルホスファチジルコリンを添加する。ジクロロメタン、2mlの塩化カルシウム溶液を添加する。2時間又は乳白エマルジョンが生じるまで音波処理し、半固体の粘稠な液体が得られるまで回転蒸発器で温度と圧力の制御された条件で溶媒層を蒸発させる。ここで、残り量の塩化カルシウム溶液を添加し、溶媒を回転蒸発器で一晩蒸発させ、小胞担体を集める。
その担体を錠剤、カプセル剤又は液剤剤形に取り入れることができる。
【0073】
42. 分子分散液(徐放性)形態のリファンピシンを含有する錠剤
1錠中
リファンピシン
(実施例9のような徐放性分子分散液として) 225 mg
ピラジナミド 750 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
イソニアジド 150 mg
ラクトース 60 mg
ステアリン酸マグネシウム 20 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 30 mg
デンプン 20 mg
精製タルク 5 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、イソニアジド及びラクトースを篩に通し、精製水中で調製したデンプンペーストと造粒する。湿塊をマルチミルに通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、精製タルク及びデンプングリコール酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒とリファンピシン徐放性粉末と混合する。混和物を錠剤に圧縮する。
【0074】
錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4%w/wの蓄積重量までコーティングする。
【0075】
43. 分子分散液(徐放性)形態のイソニアジドを含有する錠剤
1錠中
イソニアジド
(実施例23のような『リファンピシンに等価』の
徐放性分子分散液として) 150 mg
ピラジナミド 750 mg
塩酸エタンブトール 400 mg
リファンピシン 225 mg
ラクトース 60 mg
ステアリン酸マグネシウム 20 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 30 mg
デンプン 20 mg
精製タルク 5 mg
精製水 ---
ピラジナミド、塩酸エタンブトール、リファンピシン及びラクトースを篩に通し、精製水中で調製したデンプンペーストと造粒する。湿塊をマルチミルを通し、顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥した顆粒をメッシュサイズ16の篩に通す。ステアリン酸マグネシウム、精製タルク及びデンプングリコール酸ナトリウムをメッシュサイズ60の篩に通し、乾燥した顆粒とイソニアジド徐放性粉末と混合する。混和物を錠剤に圧縮する。
【0076】
錠剤のフィルムコーティング(バッチサイズ2.0 kg)
ヒプロメロース 40.00 g
精製タルク 2.00 g
ポリエチレングリコール 400 8.00 g
二酸化チタン 2.00 g
着色剤 適量
ジクロロメタン 0.66リットル
イソプロピルアルコール 0.33リットル
ヒプロメロースをイソプロピルアルコールとジクロロメタンの混合液に溶解する。上記バルクにポリエチレングリコール400、二酸化チタン、精製タルク及び着色剤を添加し、45分間混合する。錠剤を3〜4%w/wの蓄積重量までコーティングする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リファンピシン及びイソニアジドを含む経口用抗結核剤の医薬組成物であって、前記リファンピシンは、直ちに放出する形体で製剤化され、胃において実質的に放出され、前記イソニアジドは、フタル酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ酢酸ビニルフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース酸スクシネート、アルギン酸、メタクリル酸ポリマー、カルボマー、ポラクリリンカリウム、シェラック又はキトサンのpH感受性ポリマーで徐放性剤形に製剤化され、その結果、放出後、リファンピシン及びイソニアジドが、胃の酸性胃内容物において、液状で、相互に接触しないことを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
更に、エタンブトール、ピラジナミド及びそれらの組合せから選択される抗結核剤を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記イソニアジドが、分子分散液の形にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
該薬剤が個々の単位剤形にあるキット形で調剤される、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
リファンピシン又はイソニアジド又は両者が、微粉化した形にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
異なる溶解速度を有する、リファンピシン又はイソニアジド又は両者の結晶形又は多形態を含む請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
錠剤、カプセル剤、懸濁液、香錠、ゼリー又は再構成用粉末の剤形である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
該錠剤が、フィルムコーティング錠、圧縮コーティング錠又は二重層錠である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記懸濁液が、用時調製又は再構成の形態である、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記懸濁液が、懸濁化剤、粘度付与剤、抗ケーク剤、甘味剤、香味剤及び着色剤から成る群から選択される他の成分を含有する請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記懸濁液が、グリコール又はグリコール誘導体; プロピレンカーボネート; グリセロール; 動物油、植物油又は鉱油; 中鎖トリグリセリド; 天然植物油とアルキレンポリオールとのエステル転移反応生成物; 及びポリオールと脂肪酸とのエステルから成る群から選択される非水性基剤/担体を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
該抗結核剤が、味がマスクされた形態である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組。
【請求項13】
前記リファンピシンが、一層において直ちに放出される形体で製剤化され、イソニアジドが、他の層において持続性剤形で製剤化されている、二重層錠である、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の医薬組成物を調製する方法であって、
前記リファンピシンは、直ちに放出する形体で製剤化され、胃において実質的に放出され、前記イソニアジドは、フタル酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ酢酸ビニルフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース酸スクシネート、アルギン酸、メタクリル酸ポリマー、カルボマー、ポラクリリンカリウム、シェラック又はキトサンのpH感受性ポリマーで徐放性剤形に製剤化され、その結果、放出後、リファンピシン及びイソニアジドが、胃の酸性胃内容物において、液状で、相互に接触しないことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記イソニアジドが、マイクロスフィア形成により、徐放性剤形とされる、請求項14記載の方法。

【公開番号】特開2008−56696(P2008−56696A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295610(P2007−295610)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【分割の表示】特願2002−517064(P2002−517064)の分割
【原出願日】平成13年4月10日(2001.4.10)
【出願人】(500445631)パナセア バイオテック リミテッド (29)
【Fターム(参考)】