説明

抗腫瘍剤としてのCCI−779の使用

【課題】難治性腫瘍の治療のための薬剤の提供。
【解決手段】3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオン酸とのラパマイシン42−エステル(CCI−779)の使用に関する。特に、CCI−779は、腎臓癌、軟部組織癌、乳癌、肺の神経内分泌性腫瘍、子宮頚癌、子宮癌、頭頚部癌、神経膠芽細胞腫、非小細胞肺癌、前立腺癌、膵臓癌、リンパ腫、黒色腫、小細胞肺癌、卵巣癌または結腸癌の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗腫瘍剤としての、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオン酸とのラパマイシン42−エステル(CCI−779)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ラパマイシンは、特にカンジダアルビカンスに対する抗真菌活性を有することが、インビトロおよびインビボの両方で見出されている、ストレプトマイセスヒグロスコピカスにより産生される大環状トリエン抗生物質である[C. Vezina et al., J. Antibiot. 28, 721 (1975);S N. J. Sehgal et al., Antibiot. 28, 727 (1975); H. A. Baker et al., J. Antibiot. 31, 539 (1978); 米国特許第3,929,992号;および米国特許第3,993,749号]。ラパマイシン単独(米国特許第4,885,171号)、またはピシバニルとの組み合わせ(米国特許第4,401,653号)が抗腫瘍活性を有することも示されている。
【0003】
ラパマイシンの免疫抑制作用は、FASEB 3, 3411(1989)に開示されている。シクロスポリンAおよびFK−509、他の大環状分子も、免疫抑制剤として効果的であり、それゆえ、移植拒絶を予防するのに有用であることも示されている[FASEB 3, 3411(1989); FASEB 3, 5256 (1989); R. Y. Calne et al., Lancet 1183 (1978);および米国特許第5,100,899号]。R. Martel et al[Can. J. Physiol. Pharmacol. 55, 48(1977)]は、ラパマイシンが、多発性硬化症のモデルである試験的アレルギー脳脊髄炎モデルにおいて、関節リウマチのモデルであるアジュバント関節炎モデルにおいて有効であること、およびIgE様抗体の形成を効果的に阻害することを開示した。
【0004】
ラパマイシンは、全身性紅斑性狼瘡[米国特許第5,078,999号]、肺炎[米国特許第5,080,899号]、インシュリン依存性真性糖尿病[米国特許第5,321,009号]、乾癬などの皮膚疾患[米国特許第5,286,730号]、内臓疾患[米国特許第5,286,731号]、血管傷害の後の平滑筋細胞増殖および血管内膜肥厚[米国特許第5,288,711号および第5,516,781号]、成人T細胞白血病/リンパ腫[欧州特許出願第525,960A1]、目の炎症[米国特許第5,387,589号]、悪性癌[米国特許第5,206,018号]、心臓の炎症性疾患[米国特許第5,496,832号]、および貧血[米国特許第5,561,138号]を予防または治療するのにも有用である。
CCI−779を含む、ラパマイシンのヒドロキシエステルの調製および使用が米国特許第5,362,718号に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,929,992号明細書
【特許文献2】米国特許第3,993,749号明細書
【特許文献3】米国特許第4,885,171号明細書
【特許文献4】米国特許第4,401,653号明細書
【特許文献5】米国特許第5,100,899号明細書
【特許文献6】米国特許第5,078,999号明細書
【特許文献7】米国特許第5,080,899号明細書
【特許文献8】米国特許第5,321,009号明細書
【特許文献9】米国特許第5,286,730号明細書
【特許文献10】米国特許第5,286,731号明細書
【特許文献11】米国特許第5,288,711号明細書
【特許文献12】米国特許第5,516,781号明細書
【特許文献13】欧州特許出願第525,960A1
【特許文献14】米国特許第5,387,589号明細書
【特許文献15】米国特許第5,206,018号明細書
【特許文献16】米国特許第5,496,832号明細書
【特許文献17】米国特許第5,561,138号明細書
【特許文献18】米国特許第5,362,718号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】C. Vezinaら, J. Antibiot. 28, 721 (1975)
【非特許文献2】S N. J. Sehgalら, Antibiot. 28, 727 (1975)
【非特許文献3】H. A. Bakerら, J. Antibiot. 31, 539 (1978)
【非特許文献4】FASEB 3, 3411(1989)
【非特許文献5】FASEB 3, 5256 (1989)
【非特許文献6】R. Y. Calneら, Lancet 1183 (1978)
【非特許文献7】R. Martelら[Can. J. Physiol. Pharmacol. 55, 48(1977)]
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の記載)
本発明により、抗腫瘍剤としての、および特に、通常の治療について難治性腫瘍のための、または通常の治療が適当でない患者のための、CCI−779の使用が提供される。特に、CCI−779は、腎臓癌、軟部組織癌、乳癌、肺の神経内分泌性腫瘍、子宮頚癌、子宮癌、頭頚部癌、神経膠芽細胞腫、非小細胞肺癌、前立腺癌、膵臓癌、リンパ腫、黒色腫、小細胞肺癌、卵巣癌または結腸癌の治療に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に従い用いるように、「治療」なる用語は、腫瘍疾患を有する哺乳動物における腫瘍の増殖を阻害する、腫瘍を根絶する、または腫瘍を軽減する目的で当該哺乳動物にCCI−779の有効量を提供することにより、腫瘍疾患を有する哺乳動物を治療することを意味する。
【0009】
本発明に従い用いるように、CCI−779を提供することに関して「提供する」なる用語は、CCI−779を直接投与すること、またはCCI−779の有効量を体内で形成するプロドラッグ、誘導体、または類似体を投与することのいずれかを意味する。
【0010】
本発明に従い用いられるように、「難治性腫瘍」なる用語は、典型的には、所定の腫瘍に適する標準的な化学療法で処置した後に進行した、患者における腫瘍を意味する。
CCI−779の調製は、米国特許第5,362,718号に開示されており、この内容は本明細書中に出典明示により組み込む。
CCI−779の抗腫瘍活性は、ヒトの腎臓細胞癌(治療の選択肢が非常に制限されている、迅速進行性疾患)を治療するCCI−779の能力を測定する、臨床前インビトロおよびインビボ通常薬理学的試験法ならびに2つのI期ヒト臨床試験において確認した。
【実施例】
【0011】
臨床前試験法
インビトロ試験法:腎臓腫瘍系統HTB−44およびCRL−1161を、American Tissue Culture Collection(ATCC)、Bethesda, MDから得た。SN12−C系統を、Dr. J. Fdler, M.D. Anderson Hospital, Houston, TXから得た。細胞を2mMのグルタミン、1mMのナトリウムピルベート、5mlのペニシリンストレプトマイシン溶液、1mMの非必須アミノ酸溶液、10%のウシ胎児溶液を追加したMEM(Gibco)中にて培養した。細胞(5×10)を96ウェルのプレートに蒔き、200mlの最終容積とし、24時間37℃にてインキュベートした。100μg/mlにて始めるCCI−779の対数希釈物を次いで培養物に48時間添加した。最後の5時間の間、細胞に1μciのH−チミジン(New England Nuclear, 6.7 ci/m Mol)を適用した。細胞を次いで回収し、チミジンの取りこみの程度を液体シンチレーションスペクトロメトリーにより測定した。IC50を、対照の未処置の細胞におけるチミジンの最大の取りこみの50%を生じる濃度として決定した。
【0012】
インビボ試験法:雌のBalb/c nu/nuマウスを、Charles River Labs, Wilmington, DEから6−8週齢で得た。マウス(n=10/群)に、マトリゲル(BD Biosciences)の50%溶液中に再懸濁した5×10の細胞をsc注射し、そして腫瘍を増殖させた。腫瘍のサイズが100mgに達したとき、マウスをCCI−779を25mg/kgで用いて経口処置した。CCI−779は試験期間中、5日間毎日行う14日の反復サイクルで投与した。CCI−779に関して用いた処方は、CCI−779を再懸濁するための50%エタノール、49%フォサール(phosal)、1%トゥイーン80ビヒクルであり、ここでストックを投与前にビヒクルの1:10希釈にて再懸濁した。腫瘍の増殖をバーニヤキャリパー(vernier caliper)を用いて評価し、次いで体積(1×w×h)を式:1×w/2を用いて質量へと変換した。
【0013】
結果
ヒトの腎臓細胞の腫瘍は、CCI−779の存在または不在下で3日間インビトロ培養し、そして増殖における効果を、対照対処置細胞に関するH−チミジンの取りこみにより決定した。表1は、試験した全3系統のIC50(50%増殖阻害濃度)が低nMの範囲にあったことを示している。
【0014】
【表1】

【0015】
2つのヒト腎臓系統(HTB−44およびCRL−1161)におけるCCI−779の効果を、ヌードマウスの脇腹に腫瘍細胞を植え付けることによりインビボで評価した。腫瘍が一度約100mgのサイズに増殖するやいなや、マウスをCCI−779またはビヒクル対照で処置した。CCI−779の25mg/kgにての処置により、マウスにおける腫瘍細胞の増殖の有意な阻害を生じた(表2)。
【0016】
【表2】

【0017】
臨床試験
2つの単一薬剤(CCI−779)I期臨床試験を行った。一番目の試験では、CCI−779を30分のi.v.注入として毎日5日間、2から3週ごとに投与した。二番目の試験では、CCI−779を30分のi.v.注入として、毎週一回投与した。両試験はオープンラベルの、投与量を上昇させながらの、シングルアームの、マルチセンター試験であった。CCI−779が許容され、そして明白な疾患の進行の形跡がない限り、患者に処置を継続した。以下の適格性基準を用いた。
【0018】
包括基準
1. 通常の治療について難治性であるか、または通常の治療が適当でない、進行癌(充実性腫瘍、および一番目の試験では、リンパ腫)の組織学的診断を有する患者
2. 測定可能な、または評価可能な疾患
3. 先の化学治療および/または放射線治療以来少なくとも3週(ニトロソ尿素またはミトマイシンCからは6週)
4. いずれかの他の試験薬以来少なくとも4週
5. 少なくとも18歳の年齢
6. 妥当な骨髄、腎臓、および肝臓機能
7. 血清コレステロール350mg/dLおよびトリグリセリド300mg/dL
8. ECOGパーフォーマンス状態0−2
9. 少なくとも3ヶ月の余命
10. サイン入り、日付入り、証人の署名入り成文インフォームドコンセント
【0019】
トータル63人の患者および24人の患者を一番目および二番目の試験にそれぞれ含めた。投与レベルは、それぞれ0.75−24mg/mおよび7.5−220mg/mの範囲で、2週間ごと毎日×5、および週1回のスケジュールとした。
【0020】
以下に、得られた結果をまとめる。
週1回のスケジュールにおける腎臓癌を有する患者において、1の局所反応(腫瘍サイズの50%の低下)および2のより程度の低い反応(腫瘍サイズの25%だが<50%の低下)が認められた。毎日×5のスケジュールにおける腎臓癌患者においては、1のより程度の低い反応、1の未確認のより程度の低い反応、および約5ヶ月継続する1の永続性疾患(腫瘍サイズの<25%の増加から<25%の低下)が認められた。毎日×5の投与スケジュールにおける軟部組織肉腫を有する患者においては、1の潜在的な部分反応、2のより程度の低い反応および1の約51/2ヶ月継続する永続性疾患が認められた。週1回の投与スケジュールにおける乳癌の患者においては、1の局所反応が認められた。週1回の投与スケジュールにおける肺の神経内分泌性腫瘍を有する患者においては、1の局所反応が認められた。毎日×5の投与スケジュールにおける子宮頚癌を有する患者においては、1のより程度の低い反応が認められた。毎日×5の投与スケジュールを受けている子宮癌を有する患者においては、1の未確認のより程度の低い反応が認められた。毎日×5の投与スケジュールを受けている頭頚部癌を有する患者においては、約81/2ヶ月間の1の永続性疾患が認められた。毎日×5の投与スケジュールを受けている非小細胞肺癌を有する患者においては、1の局所反応が認められた。これらの結果は、これらの試験における患者が、通常の治療では一般に難治性である進行癌を有することを考慮すると、およびさらに、これらが、I期試験の主な目的は評価される薬物の安全性および耐性を決定することであるがゆえに効能は制限されることの多いI期臨床試験であることを考慮すると、特に驚くべきことである。
【0021】
臨床前試験法および臨床試験の結果に基けば、CCI−779は腫瘍、特に難治性腫瘍を治療するのに有用である。より詳細には、CCI―779は、腎臓癌、軟部組織癌、乳癌、肺の神経内分泌性腫瘍、子宮頚癌、子宮癌、頭頚部癌、神経膠芽細胞腫、非小細胞肺癌、前立腺癌、膵臓癌、リンパ腫、黒色腫、小細胞肺癌、卵巣癌または結腸癌の治療に有用である。
【0022】
化学治療に典型的なように、投与管理は、疾患の重篤度、疾患に対する反応、いずれかの治療に関連する毒性、年齢、患者の健康を含む多くの要因に基いて、治療を行っている内科医により厳密に検討される。CCI−779を用いて得られる結果に基いて、毎日投与管理にて投与される場合、初めのi.v.注入投与量は約0.1から100mg/mとし、および週1回の投与管理にて投与される場合は、約0.1から1000mg/mとするように計画する。他の投与管理および変更が予見でき、そして内科医の指導により決定される。CCI−779はi.v.注入または経口により、好ましくは錠剤またはカプセルの形態で投与することが好ましい。投与の他の経路、例えばインプラント、非経口(加えて、i.v.、例えば腹膜内および皮下注射など)、直腸、鼻腔内、経膣、および経皮投与によるものなども可能である。
【0023】
投与管理は投与の経路に従い変化することが求められる。例えば、経口投与のための投与量は、i.v.投与のための投与量よりも10倍まで多いことが多い。CCI−779は単一の活性化学薬として投与されてよく、1以上の抗腫瘍剤を含む化学治療管理の部分であってもよいことは予想される。付随する化学治療剤の使用は、各特定の薬剤の投与量を低下させ、それにより、特定の薬物の安全係数を増すためにしばしば許容される。
【0024】
本発明の活性化合物を含む経口製剤は、錠剤、カプセル、頬面製剤、トローチ、ロゼンジおよび経口液体、懸濁液または溶液を含むいずれかの通常用いられる経口製剤を含んでよい。カプセルは、不活性充填剤および/または希釈剤、医薬上許容されるスターチなど(例えば、コーン、ポテトまたはタピオカスターチ)、シュガー、人工甘味剤、粉末セルロース、クリスタリンおよびミクロクリスタリンセルロースなど、小麦粉、ゼラチン、ガムなどとの活性化合物の混合物を含んでよい。有用な錠剤製剤は、常套の圧縮、湿式顆粒化または乾式顆粒化法により作製されてよく、および医薬上許容される希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、表面改質剤(界面活性剤を含む)、制限するものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ナトリウムラウイルスルフェート、ミクロクリスタリンセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアガム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、錯体シリカ、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、乾燥スターチおよび粉末シュガーを含む、懸濁または安定剤を用いてよい。好ましい表面改質剤には、ノニオンおよびアニオン表面改質剤が含まれる。表面改質剤の典型的な例には、制限されるものではないが、ポロキサマー188、ベンズアルコニウムクロライド、ステアリン酸カルシウム、セトスチールアルコール、セトマクロゴル乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイドシリコンジオキシド、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、マグネシウムアルミニウムシリケート、およびトリエタノールアミンが含まれる。本明細書中の経口製剤は、活性化合物の吸収を変更するための通常の遅延または時間放出製剤を利用してよい。経口製剤は、必要とされるように適当な溶解剤または乳化剤を含む水または果汁に活性成分を投与することから成ってもよい。
【0025】
いくらかの場合に、化合物は、エアゾルの形態で気道に直接投与することが望まれ得る。
本発明の化合物は、非経口または腹腔内にて投与されてよい。これらの活性化合物の遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての溶液または懸濁液は、ヒドロキシープロピルセルロースなどの界面活性剤と適当に混合して水中にて調製することができる。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらのオイル中の混合物にて調製することもできる。貯蔵および使用の通常の条件下、これらの調製物は微生物の増殖を妨げるための保存剤を含む。
【0026】
注射使用に適した医薬製剤には、滅菌注射可能溶液または分散剤の即席調製のための滅菌水溶液または分散剤および滅菌粉末が含まれる。全ての場合において、製剤は無菌でなければならず、容易な注射可能性(easy stringability)が存在する程度まで液状でなければならない。それは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、適当なそれらの混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒質であってよい。
【0027】
本開示の目的に関して、経皮投与は、体、および上皮ならびに粘膜組織を含む体管の内層の表面を横切る全投与を含むことが理解される。そのような投与は、本発明の化合物、または医薬上許容されるその塩を、ローション、クリーム、泡、パッチ、懸濁液、溶液、および坐薬(直腸および経膣)にて用いて行い得る。
【0028】
経皮投与は、活性化合物、および活性化合物に対して不活性であり、皮膚に対して無毒であり、かつ全身吸収のための薬剤を皮膚を通じて血流に送達することを許容するキャリアを含む経口パッチの使用により達成されてよい。キャリアはクリームおよび軟膏、ペースト、ゲル、および閉塞装置などのかなり多数の形態をとり得る。クリームおよび軟膏は、油中水型または水中油型いずれかの粘性液体または半固体エマルジョンであってよい。活性成分を含むペトロレウムまたは親水性のペトロレウム中に分散された吸収粉末から成るペーストも適当であり得る。活性成分を必要に応じてキャリアと共に含む貯蔵器を覆っている半透膜、または活性成分を含んでいるマトリックスなどの種々の閉塞装置を用いて活性成分を血流へ放出してよい。他の閉塞装置が文献において公知である。
【0029】
坐薬製剤は、坐薬の融点を変更するためのワックス、およびグリセリンを必要に応じて添加した、ココアバターを含む常套の物質から作製されてよい。水溶性坐薬基剤、種々の分子量のポリエチレングリコールなども用いてよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における難治性腫瘍の治療のための医薬の調製における、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオン酸とのラパマイシン42−エステル(CCI−779)の使用であって、該難治性腫瘍が腎細胞癌または乳癌より選択されるところの、使用。
【請求項2】
難治性腫瘍が腎細胞癌である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
難治性腫瘍が乳癌である、請求項1記載の使用。
【請求項4】
哺乳動物における難治性腫瘍の治療に用いるための3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオン酸とのラパマイシン42−エステル(CCI−779)を含む生成物であって、該難治性腫瘍が腎細胞癌または乳癌より選択されるところの、生成物。
【請求項5】
難治性腫瘍が腎細胞癌である、請求項4記載の生成物。
【請求項6】
難治性腫瘍が乳癌である、請求項4記載の生成物。

【公開番号】特開2010−18620(P2010−18620A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216883(P2009−216883)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【分割の表示】特願2002−542375(P2002−542375)の分割
【原出願日】平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願人】(591011502)ワイス エルエルシー (573)
【Fターム(参考)】