説明

抗腫瘍化合物としてのインドール誘導体

一般式(I)


(式中、Arは、式(a)


のヘテロ環式基であり、R、R、R、R、R、R、R、n、および点線は許容される意味を有する)
の抗腫瘍化合物が、Polyclinidae科Aplidium属のcyaneum種の被嚢類の動物から得られ、本発明は、その誘導体を更に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規抗腫瘍化合物、それらを含む医薬組成物、及びそれらの抗腫瘍剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかのインドールアルカロイドが、腫瘍細胞株に対して細胞毒性を有する事が開示されている。例えば、Hernandez Franco L.et,al(J.Nat.Prod.,1998,61,1130−1132)は、被嚢類のAplidium meridianumから単離されたメリジアニン(meridianin)A−Eを開示しており、9.3μMから33.9μMの間のIC50値を有するLMM3細胞株に対する細胞毒性を示す。
【0003】
さらに、幾つかのメリジアニンは、サイクリン依存性キナーゼ、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3、環状ヌクレオチド依存性キナーゼ、及びカゼインキナーゼ1などの各種のタンパク質キナーゼのインヒビターとして開示されている(Gompel M.et al.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2004,14,1703−1707)。
【0004】
幾つかのインドリルピリミジン及びインドリルピラジンは、Jiang B.et al(Bioorganic & Medicinal Chemistry,2001,9,1149−1154)によって、強力な抗腫瘍剤として開示されている。2,3−ビス(3−インドリル)ピリミジン(化合物8)は、0.01μM未満のGI50値で、IGROV1腫瘍細胞株に対する強力な選択的細胞毒性活性を示し、2−アミノー3メトキシ−5−(3’−インドリル)ピラジン(化合物19)はCCRF−CEM癌細胞株に対する優れた選択的な阻害(GI50=0.81μM)及びHOP−92癌細胞株に対する優れた選択的な阻害(GI50=0.03μM)を示した。
【0005】
最後に、2つのアミノイミダゾリニルインドール化合物は、異なる種類の癌細胞のin vitroにおける増殖を阻害することが開示されている。具体的には、Sun H.H.及びSakemi S.(J.Org.Chem.,1991,56,4307−4308)は、ジスコダームインドール(discodermindole)は、P388に対して1.8μg/mL、A−549に対して4.6μg/mL、及びHT−29細胞株に対して12μg/mLのIC50値を与えた。一方、Cohen J.et al.(Pharmaceutical Biology,2004、42(1)、59−61)は、6−ヒドロキシジスコダームインドールが、4.6及び>5μg/mLの各々のIC50値で培養したP388及びA−549のin vitroにおける増殖を阻害したことを開示している。加えて、この論文は、下式の構造の化合物を与える6−ヒドロキシジスコダームインドールの水素化分解を開示している。
【0006】
【化1】

【0007】
この化合物についての活性データは報告されていない。
【非特許文献1】Hernandez Franco L.et,al.,J.Nat.Prod.,1998,61,1130−1132
【非特許文献2】Gompel M.et al.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2004,14,1703−1707
【非特許文献3】Jiang B.et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2001,9,1149−1154
【非特許文献4】Sun H.H.及びSakemi S. J.Org.Chem.,1991,56,4307−4308
【非特許文献5】Cohen J.et al.,Pharmaceutical Biology,2004、42(1)、59−61
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
癌は動物及びヒトに死をもたらす。癌患者に投与するために活性且つ安全な抗腫瘍剤を得るために、多大な努力が継続的に為されている。本発明の解決すべき課題は、癌の治療に有用な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、本発明は、一般式Iの抗腫瘍化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、若しくは立体異性体に関する。
【0010】
【化2】

【0011】
式中、Arは、下式のヘテロ環式基である。
【0012】
【化3】

【0013】
、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、NR、NRCOR、SO、COOR、COR、CONR、OR、及びOCORから独立に選択される。
【0014】
、R、R、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、ハロゲン、CN、NO、COOR、COR、CONR、OR、OCOR、NR、及びNRCORから独立に選択される。
【0015】
nは0及び1から選択される。
【0016】
及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、及び置換又は非置換のヘテロ環式基から独立に選択される。
【0017】
Ar基は、その原子1、2、又は3によって、インドール基の炭素原子2又は3に結合して良い。
【0018】
点線は、1つの任意の追加の結合を表わすが、前記追加の結合が存在する際は、二重結合を有するN原子がR基を有しないという条件がある。
【0019】
他の態様では、本発明は、上記の式Iの化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、若しくは立体異性体を、製薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。
【0020】
他の態様では、本発明は、上述の式Iの化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、若しくは立体異性体の癌の治療における又は癌の治療のための医薬の調製における使用にも関する。本発明の他の態様は、治療方法及びこれらの方法において使用するための化合物である。そのため、本発明は、上記の化合物の治療上有効量を癌に冒された個体に投与する工程を含む、癌に冒されている任意の哺乳動物、特にヒトを治療する方法も提供する。
【0021】
本発明は、Polyclinidae科Aplidum属cyaneum種の被嚢類の動物由来の式Iの化合物の単離並びにこれらの化合物の誘導体の形成にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、上記の一般式Iの化合物に関する。
【0023】
これらの化合物では、置換基は以下の指針に従って選択して良い。
【0024】
アルキル及びアルコキシ基は、分枝又は非分枝であって良く、好ましくは1から12の炭素原子を有する。アルキル及びアルコキシ基の1つのより好ましい種類は、1から約6の炭素原子を有する。メチル、エチル、プロピル、ブチル、並びにイソプロピル、イソブチル、及びイソペンチルを含むペンチルは、本発明の化合物において特に好ましいアルキル基である。メトキシ、エトキシ、イソプロポキシを含むプロポキシは、本発明の化合物において特に好ましいアルコキシ基である。
【0025】
本発明の化合物において好ましいアルケニル及びアルキニル基は、1つ又は複数の不飽和結合を有し、分枝又は非分枝であって良く、2から約12の炭素原子を有する。1つの更に好ましい種類のアルキニル基は、2から約6の炭素原子を有する。
【0026】
本発明の化合物における適切なアリール基は、単環又は多環式化合物であり、別々のアリール基及び/又は融合したアリール基を含有する多環式化合物を含む。典型的なアリール基は、1から3の別々の環又は融合した環を含有し、6から約18の炭素環原子を含有する。特に好ましいアリール基は、置換又は非置換のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル、及びアントラシルを含む。
【0027】
適切なヘテロ環式基は、ヘテロ芳香族及びヘテロ脂肪族基を含む。本発明の化合物において適切なヘテロ芳香族基は、N、O、又はS原子から選択される1、2、又は3のヘテロ原子を含有し、例えば、8−クマリニルを含むクマリニル、8−キノリニルを含むキノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチアゾール基を含む。本発明の化合物における適切なヘテロ脂環式基は、N、O、又はS原子から選択される1、2、又は3のヘテロ原子を含有し、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノ、及びピロリジニル基を含む。
【0028】
好ましいアリールアルキル及びアリールアルケニル基は、アルキル鎖及びアルケニル鎖が分枝又は非分枝であり、好ましくは1から12の炭素原子及び2から12の炭素原子を各々有する基である。アルキル鎖の1つのより好ましい種類は、1から約6の炭素原子を有し、アルケニル鎖の1つのより好ましい種類は2から約6の炭素原子を有する。アリールアルキル及びアリールアルケニル基の好ましいアリール部分は、単環又は多環の部分を含み、別々のアリール基及び/又は融合したアリール基を含有する多環部分を含む。典型的なアリール部分は、1から3の別々の環又は融合した環を含有し、6から約18の炭素環原子を含有する。特に好ましいアリール部分は、置換又は非置換のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル、及びアントラシルを含む。従って、本発明の化合物における適切なアリールアルキル及びアリールアルケニル基は、7から30の炭素原子及び8から30の炭素原子を各々有する。
【0029】
上述の基は、OR’、=O、SR’、SOR’、SOR’、NO、NHR’、N(R’)、=N−R’、NHCOR’、N(COR’)、NHSOR’、CN、ハロゲン、COR’、COR’、OCOR’、CONHR’、CON(R’)、置換または非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、並びに置換又は非置換のヘテロ環式基などの1つ又は複数の適切な基によって、1つ又は複数の利用可能な位置において置換されて良く、上記式中、R’基の各々は、H、OH、NO、NH、SH、CN、ハロゲン、COH、COアルキル、COH、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、並びに置換又は非置換のヘテロ環式基からなる群から独立に選択される。本発明の化合物における適切なハロゲン置換基は、F、Cl、Br、及びIを含む。その様な基が置換される場合は、置換基は上述の列挙した基から選択されて良い。
【0030】
用語「製薬学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ」は、任意の製薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、水和物、又は受容者に投与すると本明細書に記載の化合物を(直接的又は間接的に)提供し得る任意の他の化合物を意味する。しかしながら、製薬学的に許容される塩の調製に有用である可能性があるため、製薬学的に許容されない塩も本発明の範囲内である事が理解されるであろう。塩、プロドラッグ、及び誘導体の調製は、当該技術分野において既知の方法によって実施されて良い。
【0031】
例えば、本発明の化合物の製薬学的に許容される塩は、従来の化学的な方法によって、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から合成される。一般的に、その様な塩は、例えば、これらの化合物の遊離酸又は塩基の形態を、化学量論量の適当な酸又は塩基と、水中又は有機溶媒中あるいはその2つの混合物中において反応させることによって調製する。一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルなどの非水性媒体が調製されて良い。酸付加塩の例は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸付加塩、並びに、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、及びp−トルエンスルホン酸塩などの有機酸付加塩を含む。アルカリ付加塩の例は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びアンモニウム塩などの無機塩、並びに、例えば、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、N,N−ジアルキレンエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、及び塩基性アミノ酸塩などの有機アルカリ塩を含む。
【0032】
本発明の化合物は、遊離の化合物として又は溶媒和物(例えば、水和物)としてのいずれかの結晶の形態であって良く、双方の形態が本発明の範囲内である事が意図される。溶媒和の方法は当該技術分野において一般的に知られている。
【0033】
式Iの化合物のプロドラッグである任意の化合物が、本発明の範囲及び精神に含まれる。用語「プロドラッグ」は、その最も広い意味で使用され、本発明の化合物にin vivoで変換する誘導体を含む。その様な誘導体は、当業者に容易に想起され、例えば、遊離のヒドロキシ基がエステル誘導体に変換する化合物を含む。
【0034】
本明細書で言及する任意の化合物は、その様な特定の化合物並びにある変形物又は形態を表わすことを意図する。特に、本明細書で言及する化合物は、不斉中心を有して良く、そのため異なる鏡像異性体で存在して良い。本明細書で言及する化合物の全ての光学異性体及び立体異性体、並びにそれらの混合物が本発明の範囲内であると解される。かくして、本発明で言及する任意の所定の化合物は、ラセミ化合物、1つ又は複数の鏡像異性体、1つ又は複数のジアステレオマー体、1つ又は複数のアトロプ異性体、並びにそれらの混合物の任意の1つを表わすと意図される。
【0035】
さらに、本明細書で言及する化合物は、幾何異性体(すなわち、シス及びトランス異性体)として、互変異性体として、又はアトロプ異性体として存在して良い。具体的には、用語「互変異性体」は、平衡状態で存在し、一方の異性体から他方の異性体に容易に変換する化合物の2又は複数の構造異性体の1つを意味する。一般的な互変異性体のペアは、アミン−イミン、アミド−イミド、ケト−エノール、ラクタム−ラクチムなどである。加えて、本明細書で言及する任意の化合物が、水和物、溶媒和物、および多形体、並びにそれらの混合物を、その様な形態が媒体中で存在する際に、表わすことが意図される。加えて、本明細書で言及する化合物は、同位体標識した形態で存在して良い。本明細書で言及する化合物の全ての幾何異性体、互変異性体、アトロプ異性体、水和物、溶媒和物、多形体、及び同位体標識した形態、並びにそれらの混合物が、本発明の範囲内であると解される。
【0036】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書で挙げる量的な表現の幾つかは、用語「約」を用いて、制限されていない。用語「約」が明確に使用されていてもいなくても、本明細書に挙げた量は、実際の所定の値を示すことを意図し、且つ、その様な所定の値の測定条件及び/又は実験条件による同等値および近似値を含む、当該技術分野の通常の技術に基づいて合理的に推察されるであろうその様な所定の値に対する近似値を示すことも意図すると解される。
【0037】
本発明の好ましい化合物は、一般式IIのものである。
【0038】
【化4】

【0039】
式中、RからRは、上述のものと同じ意味を有する。
【0040】
特に好ましい化合物は、R及びRが、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のアリール、OR、及びCORから独立に選択されるものであり、Rは上述のものと同じ意味を有する。
【0041】
特に好ましいRは、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のアリール、OR、及びCORであり、Rは上述のものと同じ意味を有する。
【0042】
特に好ましいR、R、R、Rは、水素、ハロゲン、OR、OCOR、NR、NRCORであり、R及びRは上述のものと同じ意味を有する。
【0043】
特に好ましいRは、水素、ハロゲン、NR、及びNOであり、R及びRは上述のものと同じ意味を有する。
【0044】
加えて、点線の1つにおける1つの追加の結合の存在が好ましい。
【0045】
さらに、本発明の特に好ましい化合物は、式IIIのものである。
【0046】
【化5】

【0047】
式中、Rは、好ましくは、水素およびCORから選択され、Rは置換又は非置換のC−Cアルキルであり、メチルが最も好ましい;
は、好ましくは、水素及びORであり、Rは置換又は非置換のC−Cアルキルであり、メチルが最も好ましい;
、R、R、及びRは、好ましくは、水素及びハロゲンから独立して選択され、Brが好ましいハロゲンである;
及びRは好ましくは水素であり;並びに
波線(〜〜〜)は、二重結合が(E)−異性体又は(Z)−異性体として存在して良いことを意味する。
【0048】
本発明の特に好ましい化合物は以下のものである。
【0049】
【化6】

【0050】
本発明の化合物は、合成方法によって容易に製造される。例えば、本発明の化合物は、Fresneda P. et al. Tetrahedron Letters, 2000, 41 , 4777‐4780; Fresneda P. et al. Tetrahedron, 2001 , 57, 2355−2363; 及びJiang B. et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2001, 9, 1 149− 1 154に記載の手法を応用して得られて良い。合成経路は、これらの文献の2つ以上から得られる工程を組み合わせて使用して良い。
【0051】
例えば、本発明の化合物は、スキーム1に示す合成順序に従って製造されて良い。
【0052】
【化7】

【0053】
スキーム1において、R、R、及びRは、所望の置換基であり、上述のものである。
【0054】
このプロセスは、以下の重要な工程を含んで良い:
a)ビルスマイヤー−ハーク反応による対応する置換インドールのホルミル化によって、対応するアルデヒドを得る。この反応のために、Hanley AB.et al.(J Chem. Soc.Perkin Trans.1.1990,2273−2276)に開示されている手法を使用して良い。
b)上記のように得られたアルデヒドとジエチル2,2−ジエトキシエチルホスホネートとの間のホーナー・ワズワース・エモンズ反応によって、保護された置換アクリルアルデヒドを得る。この反応のために、Mouloungui Z. et al.(Syn.Comm.1988,18,1241−1245)に開示された手法を使用して良い。
c)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−イミン環の形成を、文献(Weis AL.及びZamir DJ. J.Org.Chem.1987,52,3421−3425)に従って、グアニジンを使用する置換アクリルアルデヒドの直接的な処理によって実施して、所望の化合物を得る。
【0055】
アナログが、各々の場合において中間体化合物の適当な置換を選択することによって、上記のものと同等のプロセスによって合成されて良い。
【0056】
必要な際には、適当な保護基が置換基に対して使用されて良く、反応基が影響を受けないことを確実にする。合成は、適当な段階において所望の置換基に変換する前駆置換基の使用を意図しても良い。環構造における飽和又は不飽和は、合成の一部に導入されるか又は除外されて良い。出発物質及び試薬は、意図する化合物の合成を確実にするために望まれるように修飾されて良い。加えて、アナログが、合成有機化学において通常の手法及び当業者に既知の通常の手法によって合成されても良い。
【0057】
加えて、本発明の化合物の幾つかは海産物由来のものであって良い。
【0058】
化合物IからIVは、Polyclinidae科Aplidium属cyaneum種の被嚢類の動物から単離された。被検物の2つのサンプルを、ASC.ANT.EQ.433−1及びASC.ANT.EQ.1097−1というリファレンスコードで、アリカンテ大学(スペイン)の環境科学部(潰瘍生物学科)に寄託した。この被嚢類の動物は、220から300mの間の範囲の深さでウェッデル海(経度:−10.533333、緯度:−71.933333)における底引き網漁によって得られた。そして、その説明を以下に記載する。
【0059】
Aplidium caeruleumとしても知られているAplidium cyaneumは、75から約1000mの大陸棚及び大陸斜面の水において、環南極に分布している。コロニーは直立しており、こん棒状である。1つの基部から2つの丸い突起又は頭が存在して良く、特に広いコロニーでは、広範に広がっているコロニーの上部を支持する、2つの反転した円錐状の基部が存在して良い。コロニーの高さは一般的には約4cmである。殻の外層は、皮膚様であり、丈夫であるか、又は砂で非常に傷つきやすい。内部では、殻は柔らかく、保存された被検体では、明るい青色又は赤色に着色されている。着色は、常に等しく分布しているわけではなく、多くの場合において血管及び殻の膜質繊維に限定されるが、殻のマトリックスは無色である。個虫が、目立った中央の一般的な排出腔の周囲に6から15の個虫の円形のシステムで殻に配置される。個虫は大きく、多くの場合には収縮した状態で12mmもの長さであり、胸部において3mmまでの幅である。入水孔は6の突起を有する。心房性開口は、良く発達した括約筋と共に、変化する長さの、頑丈な舌の形をした物を有するサイフォンに為され、開口部の前縁から3又は4の突起が分かれている場合がある。心房性サイフォンの基部には、狭いフリルのついた心房性被膜が存在する。筋系は、腹部及び後腹部の腹側面の双方の面に従って伸長している胸部上で、約20の縦束と共に良く発達している。鰓嚢は、6から20列のスティグマで幅広く、多くの場合は全てパラスティグマの導管を有しているか、最も後部の列が存在しないパラスティグマの導管を有しているか、又はパラスティグマの導管を有しない。食道は狭く、胃は10から13の浅い折り畳みを有する「シールド状」を好み、多くの場合には破損しているか又は不規則であり、特に腸に対して離れた位置に存在する。折り畳みは全く存在しなくて良い。肛門の境界は、約12の長い指状突起によって縁取られている。後腹部は、多くの場合には、長く丈夫であり、多数の突起を有する睾丸小胞が存在し、卵の集団を前部に有する二列に存在する。
【0060】
上述の式Iの化合物の重要な特徴は、それらの生物活性であり、特に細胞毒性及び抗腫瘍活性である。
【0061】
本発明では、細胞毒性及び抗腫瘍活性を有する一般式Iの化合物の新規医薬組成物並びにそれらの抗腫瘍剤としての使用を提供する。かくして、本発明は、本発明の化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、若しくは立体異性体を、製薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物も提供する。
【0062】
医薬組成物の例は、任意の固体(錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤など)又は液体(溶液剤、懸濁剤、又はエマルション)の経口投与用、局所投与用、又は非経口投与用組成物を含む。
【0063】
本発明の化合物又は組成物の投与は、静脈内輸液、経口製剤、並びに腹腔内及び静脈内投与などの任意の適切な方法によるものであって良い。
【0064】
本発明において、24時間までの輸液時間が使用されることが好ましく、より好ましくは1から12時間、最も好ましくは1から6時間である。病院に一泊すること無く治療を可能にする短い輸液時間は、特に望ましい。しかしながら、輸液は、12から24時間であって良く、必要な場合には更に長くて良い。輸液は、1から4週間の適切な期間に実施されて良い。本発明の化合物を含有する医薬組成物は、持続放出製剤において、リポソーム又はナノスフェアにカプセル化することによって、又は他の標準的な送達手段によって送達されて良い。
【0065】
前記組成物の正しい用量は、特定の製剤、適用の態様、並びに治療する特定の位置、対象者、及び腫瘍によって変化するであろう。年齢、体重、性別、食事、投与時間、排出速度、対象者の状態、併用薬、反応感度、及び疾患の重度などの他の因子が考慮に入れられるであろう。投与は、最大耐量内で連続的又は定期的に実施されて良い。
【0066】
本発明の化合物又は組成物を他の薬剤と共に使用して、併用療法を提供して良い。他の薬剤は、同じ組成物の一部を形成して良く、又は同じ時間又は異なる時間に投与するための別々の組成物として提供して良い。
【0067】
これらの化合物の抗腫瘍活性は、肺癌、結腸癌、乳癌、及び頸癌を含むが、それらに限らない。
【実施例】
【0068】
(実施例1)
海洋生物および収集の態様の説明
Aplidium cyaneumは、220から300mの間の範囲の深さでウェッデル海(経度:−10.533333、緯度:−71.933333)における底引き網漁によって得られた。被検物の2つのサンプルを、ASC.ANT.EQ.433−1及びASC.ANT.EQ.1097−1というリファレンスコードで、アリカンテ大学(スペイン)の環境科学部(潰瘍生物学科)に寄託した。
【0069】
(実施例2)
化合物IからIVの単離
凍結した生物(437g)をさいの目に切って、室温において、HO(1L+2×300mL)で抽出し、MeOH:CHCl(1:1)(3×500)の混合物で抽出した。前記生物抽出物を減圧条件下で蒸発させて、939.7mgの粗精製物を得た。この物質を、HOからMeOH及び続いてMeOH:CHCl(1:1)及びCHClの段階グラジエントを使用してLichroprep RP−18でクロマトグラフィー(VLC)にかけた。HO:MeOH(1:1、51.3mg)で溶出した画分を、半調製逆相HPLC(SymmetryPrep C18,7.8×150mm,7μm,グラジエントは、HO+0.1%TFA:CHCN+0.1%TFA,10から60%CHCN+0.1%TFA、流速は、2.3mL/分、254nmでUV検出)に供して、化合物I(1.5mg)をトリフルオロ酢酸塩の形態で、化合物II(5.1mg)、化合物III(5.3mg)をトリフルオロ酢酸塩の形態で、化合物IV(14.7mg)、化合物V(10.5mg)をトリフルオロ酢酸塩の形態で、並びに化合物VI(11.4mg)で得た。
【0070】
化合物Iは、淡黄色の油である。[α]25D - 0.8° (c 0.1 , CHCI3); IR (NaCl) vmax 3369, 2922, 1668, 1627, 1459, 1 198, 1 134 cm-1; (+)-HRESIMS m/z 293.0399 [M+H]+ (Calcd. for C12H14N479Br 293.0396). 1H (500 MHz) 及び13C NMR (125 MHz) である。表1を参照のこと。
【0071】
化合物IIは、淡黄色の油である。[α]25D + 8.7° (c 0.1 , CHCl3); IR (NaCl) vmax 3430, 1661 , 1436, 1257, 1200, 1 138 cm-1; (+)-HRESIMS m/z 335.0508 [M+H]+ (Calcd. for C14H16N479BrO 335.0501); 1H (500 MHz) 及び13C NMR(125 MHz)である。表1を参照のこと。
【0072】
化合物IIIは、淡黄色の油である。[α]25D + 3.1° (c 0.1, CHCI3); IR (NaCl) vmax 3373, 1668, 1627, 1438, 1201, 1 137 cm-1; (+)-HRESIMS m/z 323.0516 [M+H]+ (Calcd. for C13H16N479BrO 323.0501); 1H (500 MHz)及び13C NMR (125 MHz)である。表2を参照のこと。
【0073】
化合物IVは、淡黄色の油である。[α]25D + 9.5° (c 0.1 , CHCl3); IR (NaCl) vmax 3433, 1670, 1451, 1259, 1200, 1134 cm-1; (+)-HRESIMS m/z 365.0611 [M+H]+ (Calcd. for C15H18N479BrO2 365.0607); 1H (500 MHz) and 13C NMR {125 MHz)である。表2を参照のこと。
【0074】
化合物Vは、淡黄色の油である。[α]25D + 0.5° (c 0.1 , CHCl3); IR (NaCl) vmax 3411 , 1672, 1439, 1201, 1135 cm-1; (+)-HRESIMS m/z 400.9609 [M+H]+ (Calcd. for C13H15N479Br2O 400.9607); 1H (500 MHz)及び13C NMR ( 125 MHz)である。表3を参照のこと。
【0075】
化合物VIは、淡黄色の油である。[α]25D + 1.9° (c 0.1 , CHCl3); IR (NaCl) vmax 3440, 1680, 1440, 1260, 1201, 1135 cm -1; {+)-HRESIMS m/z 442.9734 [M+H]+ (Calcd. for C15H17N479Br2O2 442.9712); 1H (500 MHz)及び13C NMR ( 125 MHz)である。表3を参照のこと。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【化8】

【0080】
(実施例3)
抗腫瘍スクリーニングのためのバイオアッセイ
これらのアッセイの最終結果は、試験しようとするサンプルに対する細胞の連続的な表出によって「in vitro」の腫瘍細胞培養物の増殖を妨げることである。
【0081】
【表4】

【0082】
比色分析による細胞増殖の阻害
スルホローダミンV(SRB)反応を使用する比色分析タイプのアッセイを、細胞増殖及び生存を定量測定するために応用した(Philip Skehan et al.(1990),New Colorimetoric cytotoxicity assay for anticancer drug screening,J.Natl.Cancer Inst.,82:1107−1112に記載の技術であるに従った)。
【0083】
この形態のアッセイは、9mmの直径の96ウェル細胞培養マイクロプレートを使用する(Faircloth et al.Methods in cel science,(1988),11(4),201−205;Mosmann et al,Journal of Immunological.Methods(1983),65(1−2)、55−63)。大半の細胞株は、American Type Culture Collection(ATCC)から得られ、異なるヒトの癌の種類に由来する。
【0084】
細胞は、0.1g/Lペニシリンおよび0.1g/Lストレプトマイシンを添加したRPMI1640 10% FBSに維持し、ついて、37℃、5%CO、及び98%湿度でインキュベートした。実験のために、トリプシンを使用してサブコンフルエントな培養物から細胞を回収して、プレーティングの前に新しい培地に再懸濁した。
【0085】
細胞を、96ウェルマイクロタイタープレートに、5×10細胞/ウェルで195μl培地の一定分量において播種し、18時間に亘って薬剤を含まない培地において増殖させることによってプレート表面に細胞を接着させる。その後、サンプルを、DMSO:EtOH:PBS(0.5:0.5:99)に溶解し、10から10−8μg/mLの範囲において5μlの一定分量で添加する。48時間の曝露後に、抗腫瘍活性をSRB方法論(50μLの冷50%(w/v)トリクロロ酢酸(TCA)を添加して細胞を固定化し、60分間に亘って4℃でインキュベートする)によって測定する。プレートを脱イオン水で洗浄して乾燥させる。100μLのSRB溶液(1%酢酸中で0.4%w/v)を各マイクロタイターウェルに添加して、室温で10分間に亘ってインキュベートする。未結合のSRBは、1%酢酸で洗浄することによって除去する。プレートを空気乾燥させて、結合した染色物をトリス緩衝液に可溶化する。490nmの単波長において自動分光光度プレートリーダーで、光学濃度を読み取る。
【0086】
三回重複してウェルを試験したデータの平均+/−SDについての値を算出した。細胞反応についての幾つかのパラメータ(GI=増殖阻害、TGI=全体の増殖阻害(細胞増殖抑制)、及びLC=細胞殺滅(細胞毒性効果))を算出した。
【0087】
抗分裂アッセイプロトコル
細胞培養物の分裂比は、特定のマイクロプレートイムノアッセイ(ELISA)を用いて測定した。HeLa細胞(子宮頸癌、ATCC#CCL−2)を、所定の化合物の存在下又は不在下で96ウェルマイクロタイタープレートにおいてインキュベートした。18時間後、細胞をPBSで洗浄して、75μlの新しく調製した可溶化緩衝液(1mM EGTA(pH 7.5)、0.5mM PMSF、及び1mM NaVO)中で氷上において30分間に亘って可溶化した。細胞抽出物の一定分量(60μL)を高結合表面ELISAプレートに移し、2時間に亘って室温でスピードバック中において乾燥させた。次いで、プレートを100μL PBS−1%BSAで30分間に亘って30℃でブロックして、続いて抗MPM2一次マウスモノクローナル抗体(Upstate Biotechnology,cat#05−368)と共に18時間に亘って4℃でインキュベートし、適当なペルオキシダーゼ接合二次抗体と共に1時間に亘って30℃でインキュベートした。0.02%Tween−20で激しく洗浄した後に、ペルオキシダーゼ反応を30μLのTMB(3,3’,5,5’−テトラメチル−ベンジジン)を用いて、30分間に亘って30℃で実施した。反応は、30μLの4% HSO溶液を添加することによって停止させた。アッセイは、マイクロプレート分光光度計において450nmのO.D.を測定することによって定量した。結果は、対照(タキソール)分裂比の50%を生じさせる化合物の濃度として表わした。
【0088】
表4から5は、本発明の化合物の生物活性におけるデータを示す。
【0089】
【表5】

【0090】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、Arは、下式
【化2】

のヘテロ環式基であって、
、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、NR、NRCOR、SO、COOR、COR、CONR、OR、及びOCORから独立に選択される;
、R、R、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、ハロゲン、CN、NO、COOR、COR、CONR、OR、OCOR、NR、及びNRCORから独立に選択される;
nは0及び1から選択される;
及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、及び置換又は非置換のヘテロ環式基から独立に選択される;
Ar基は、その原子1、2、又は3によって、インドール基の炭素原子2又は3に結合して良い;
点線は、1つの任意の追加の結合を表わすが、前記追加の結合が存在する際は、二重結合を有するN原子がR基を有しないという条件がある]
の化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、若しくは立体異性体であって、下式
【化3】

の化合物ではない、化合物。
【請求項2】
nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の一般式II
【化4】

[RからR及び点線は請求項1に規定のものである]
を有する、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRが、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のアリール、OR、及びCORから独立に選択されるものであり、Rが請求項1に規定のものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のアリール、OR、及びCORから選択され、Rが請求項1に規定のものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
、R、R、及びRが、水素、ハロゲン、OR、OCOR、NR、NRCORから独立に選択され、R及びRが請求項1に規定のものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、水素、ハロゲン、NR、及びNOから選択され、R及びRが請求項1に規定のものである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
1つの追加の結合が点線の1つに存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
一般式III
【化5】

[式中、RからRは請求項1に規定のものであり、波線は、二重結合が(E)−異性体又は(Z)−異性体として存在して良いことを意味する]
を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が、水素及びCORから選択され、Rが置換又は非置換のC−Cアルキルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が、水素及びORから選択され、Rが置換又は非置換のC−Cアルキルである、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項12】
、R、R、及びRが、水素及びハロゲンから独立に選択される、請求項9から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
、R、R、及びRが、水素及びBrから独立に選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
及びRが水素である、請求項9から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
以下の構造:
【化6A】

【化6B】

の1つを有するか、又はそれらの製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、若しくは立体異性体である、請求項9に記載の化合物。
【請求項16】
一般式I
【化7】

[式中、Arは、下式
【化8】

のヘテロ環式基であって、
、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、NR、NRCOR、SO、COOR、COR、CONR、OR、及びOCORから独立に選択される;
、R、R、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、ハロゲン、CN、NO、COOR、COR、CONR、OR、OCOR、NR、及びNRCORから独立に選択される;
nは0及び1から選択される;
及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、及び置換又は非置換のヘテロ環式基から独立に選択される;
Ar基は、その原子1、2、又は3によって、インドール基の炭素原子2又は3に結合して良い;
点線は、1つの任意の追加の結合を表わすが、前記追加の結合が存在する際は、二重結合を有するN原子がR基を有しないという条件がある]
の化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、若しくは立体異性体、並びに製薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項17】
式Iの化合物が請求項1から15のいずれか一項に記載のものである、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
一般式I
【化9】

[式中、Arは、下式
【化10】

のヘテロ環式基であって、
、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、NR、NRCOR、SO、COOR、COR、CONR、OR、及びOCORから独立に選択される;
、R、R、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、ハロゲン、CN、NO、COOR、COR、CONR、OR、OCOR、NR、及びNRCORから独立に選択される;
nは0及び1から選択される;
及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、及び置換又は非置換のヘテロ環式基から独立に選択される;
Ar基は、その原子1、2、又は3によって、インドール基の炭素原子2又は3に結合して良い;
点線は、1つの任意の追加の結合を表わすが、前記追加の結合が存在する際は、二重結合を有するN原子がR基を有しないという条件がある]
の化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、又は立体異性体の、癌の治療のための医薬の製造における使用。
【請求項19】
式Iの化合物が請求項1から15のいずれか一項に記載のものである、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
癌に冒された任意の哺乳動物、好ましくはヒトを治療する方法であって、
一般式I
【化11】

[式中、Arは、下式
【化12】

のヘテロ環式基であって、
、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、NR、NRCOR、SO、COOR、COR、CONR、OR、及びOCORから独立に選択される;
、R、R、R、及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、置換又は非置換のヘテロ環式基、ハロゲン、CN、NO、COOR、COR、CONR、OR、OCOR、NR、及びNRCORから独立に選択される;
nは0及び1から選択される;
及びRの各々は、水素、置換又は非置換のC−C12アルキル、置換又は非置換のC−C12アルケニル、置換又は非置換のC−C12アルキニル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールアルキル、置換又は非置換のアリールアルケニル、及び置換又は非置換のヘテロ環式基から独立に選択される;
Ar基は、その原子1、2、又は3によって、インドール基の炭素原子2又は3に結合して良い;
点線は、1つの任意の追加の結合を表わすが、前記追加の結合が存在する際は、二重結合を有するN原子がR基を有しないという条件がある]
の化合物、又はその製薬学的に許容される塩、誘導体、互変異性体、プロドラッグ、又は立体異性体の治療上有効量を癌に冒された個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項21】
式Iの化合物が請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
以下の構造:
【化13A】

【化13B】

の1つを有する化合物を得るための、アプリジウム シアネウム(Aplidium cyaneum)から抽出及び単離する工程を含む方法。

【公表番号】特表2009−515866(P2009−515866A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539511(P2008−539511)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050386
【国際公開番号】WO2007/054748
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(501440835)ファルマ・マール・ソシエダード・アノニマ (30)
【Fターム(参考)】