説明

抗腫瘍抗体、タンパク質、及びそれらの使用

【課題】腫瘍に発現し、しかし正常成人造血細胞に発現しない、40kDaタンパク質に結合する抗体、生産の方法及びそのような抗体の使用を提供する。
【解決手段】多様なタイプの腫瘍細胞の表面に発現される40kDaタンパク質に特異的に結合することができるが、しかし成人正常造血細胞には結合しない、モノクローナル抗体。新規モノクロ−ナル抗体はそれが特異的に結合する腫瘍細胞の増殖を遮断し、そして、アポトーシスを誘導し得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、抗体、及び、それらが特異的に結合するタンパク質、及び、その生産方法及び腫瘍細胞に特異的に結合するそのような抗体の使用に関する。
【0002】
発明の背景
E710.2.3細胞株はクローン化されたマウスCD4−CD8−胸腺Tリンパ腫細胞株であり、もとはAKR/Jマウスの胸腺腫瘍から単離された。単独で低密度で培養するとき、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)で刺激しなければ、E710.2.3は自発的には増殖しない。E710.2.3は、胸腺細胞あるいは脾細胞との接触により刺激され増殖し得る。しかしながら、E710.2.3はPMAあるいは他の細胞がなくても、高密度で培養したときは自発的に増殖し得る。E710.2.3を同系マウスに注入すると、リンパ器官及び胸腺に悪性腫瘍として成長する。
【0003】
発明の概要
本発明は、多様なタイプの腫瘍細胞の表面に発現される40kDaタンパク質に特異的に結合することができるが、しかし成人正常造血細胞には結合しない、モノクローナル抗体の発見に基づいている。その新規モノクロ−ナル抗体はそれが特異的に結合する腫瘍細胞の増殖を遮断し、そして、アポトーシスを誘導し得る。
【0004】
これらの発見に基づき、本発明はモノクローナル抗体、あるいは、その抗原結合断片を特徴とし、そのモノクローナル抗体は(a)胎児胸腺細胞に結合し、(b)細胞への結合に基づいて細胞増殖を阻害し、及び(c)成人胸腺細胞には結合しない。モノクローナル抗体はまた、細胞への結合に基づいて同型の凝集を誘導し、結合した細胞にアポトーシスを誘導することができ、及びE710.2.3、RMA−S、CTLL、LB17.4、A20、WEHI−231、PBK101A2、C2.3、B16、MC57、WOP−3027、293T、143Btk、Jurkat及びCosの群中の、1つ又はそれ以上の腫瘍細胞株と特異的に結合し得る。抗体は、例えば検出可能な標識で、標識され得る。
【0005】
ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377によって生産されるモノクローナル抗体DMF10.62.3、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405よって生産されるモノクローナル抗体DMF10.167.4、及び、ハイブリドーマ細胞株ATCC 番号PTA−404よって生産されるモノクローナル抗体DMF10.34.36はまた、本発明の範囲内である。
【0006】
本発明はまた、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405、又はハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−404によって生産されるモノクローナル抗体が結合するタンパク質と同様のタンパク質に結合する、モノクローナル抗体を特徴とする。モノクローナル抗体はヒト化し得る。
【0007】
他の側面において、本発明は、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405またはハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−404により産生されるモノクローナル抗体が結合する40kDaタンパク質に特異的に結合する、モノクローナル抗体、あるいは、その抗原結合断片を特徴づける。
【0008】
さらに他の側面では、本発明は、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405、又はハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−404にって生産されるモノクローナル抗体が結合するタンパク質と同様のタンパク質に結合する、キメラモノクローナル抗体、あるいは、その抗原結合断片を特徴づけ、キメラ抗体は、軽鎖及び重鎖の非ヒト可変領域及びヒト定常領域を含む。
【0009】
また他の側面では、本発明は、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405、又はハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−404によって生産されるモノクローナル抗体が結合するエピトープと同様のエピトープに結合する、モノクローナル抗体、あるいは、その抗原結合断片を特徴とする。
【0010】
本発明はまた、モノクローナル抗体、あるいは、その抗原結合断片を特徴とし、それは、(i)分子量40kDa、(ii)胎児胸腺細胞表面における発現、(iii)成人胸腺細胞表面には発現なし、 (iv)抗体の結合により細胞増殖を遮断する能力、及び、(v)抗体の結合により同型凝集を誘導する能力、により特徴づけられるタンパク質に特異的に結合する。モノクローナル抗体は、(vi)抗体の結合に基づいて細胞にアポトーシスを誘導する能力、及び、(vii)E710.2.3、RMA−S、CTLL、LB17.4、A20、WEHI−231、PBK101A2、C2.3、B16、MC57、WOP−3027、293T、143Btk、Jurkat及びCosを含む腫瘍細胞株の群の表面における発現、によりさらに特徴づけられるタンパク質に特異的に結合する。
【0011】
本発明はさらに、本明細書中に記載のモノクローナル抗体の抗原結合断片を特徴とする。抗原結合断片は、例えば検出可能な標識により標識され得る。
【0012】
本発明はまた、本明細書中に記載のモノクローナル抗体を生産する、ハイブリドーマ細胞株を特徴とする。例えば、本発明はハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405、あるいは、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−404を特徴とする。
【0013】
本発明はさらに、(i)分子量40kDa、(ii)胎児胸腺細胞表面における発現、(iii)成人胸腺細胞表面には発現なし、(iv)本明細書中に記載の抗体の結合に基づいて細胞増殖を遮断する能力、及び、(v)本明細書中に記載の抗体の結合により同型凝集を誘導する能力、により特徴づけられる、実質的に純粋なタンパク質を特徴とする。タンパク質はさらに、(vi)E710.2.3、RMA−S、CTLL、LB17.4、A20、WEHI−231、PBK101A2、C2.3、B16、MC57、WOP−3027、293T、143Btk、Jurkat及びCosを含む腫瘍細胞株の群における発現、及び、(vii)本明細書中に記載の抗体の結合に基づいて細胞にアポトーシスを誘導する能力、によりさらに特徴づけられる。
【0014】
他の側面において、本発明は、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377、ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405、又はハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−404によって生産されるモノクローナル抗体が結合する、実質的に純粋なタンパク質を特徴とする。
【0015】
本発明はまた、本明細書中に記載のモノクローナル抗体、及び、薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物を特徴とする。本発明はさらに被検体(subject)の腫瘍細胞を検出する方法を特徴づける。方法は、被検体からの細胞試料を、本明細書中に記載の1つ又はそれ以上のモノクローナル抗体との接触、及び、試料への抗体の結合を検出することを含み、ここで、結合は、被検体における腫瘍細胞の存在を示す。腫瘍細胞の例は、胸腺リンパ腫、T細胞腫瘍、B細胞リンパ腫、メラノーマ、骨肉腫、及び、急性T細胞白血病を含む。腫瘍細胞はまた、患者にも存在してもよい。腫瘍を検出するために使用するモノクローナル抗体は、標識され得る。
【0016】
本発明はまた、腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を特徴づける。方法は、腫瘍細胞と、本明細書中に記載の腫瘍細胞の増殖を阻害するために十分な量のモノクローナル抗体との接触を含む。
【0017】
他の態様において、本発明は細胞にアポトーシスを誘導する方法を特徴とする。方法は、細胞と、本明細書中に記載の細胞にアポトーシスを誘導するために十分な量の1つ又はそれ以上のモノクローナル抗体との接触を含む。細胞は、胸腺リンパ腫、T細胞腫瘍、B細胞リンパ腫、メラノーマ、骨肉腫、及び、急性T細胞白血病を含む群から選択された腫瘍細胞であり得る。細胞は、in vitroあるいはin vivoであり得る。
【0018】
本発明はまた、本明細書中に記載の1つ又はそれ以上のモノクローナル抗体、及び、その使用のための説明書を含む、腫瘍診断のためのキットを含む。キットは、胸腺リンパ腫、T細胞腫瘍、B細胞リンパ腫、メラノーマ、骨肉腫、及び、急性T細胞白血病を含む群から選択される腫瘍細胞を含み得る。本発明はまた、本明細書中に記載の1つ又はそれ以上のモノクローナル抗体を含む、腫瘍細胞標的薬剤を含むことができ、それは腫瘍細胞に機能基(moiety)を運ぶためにその機能基に結合され得る。Moietyの例は、抗腫瘍薬剤、細胞毒、サイトカインあるいはレポーターグループを含む。
【0019】
本発明の他の態様は、機能基を哺乳動物の腫瘍細胞に選択的に運ぶ方法である。方法は本明細書中に記載の、機能基が結合した標的薬剤を哺乳動物に投与すること、及び、標的薬剤が腫瘍細胞に到達するために十分な時間を許容することを含み、標的薬剤中の抗体は腫瘍細胞に結合し、それにより哺乳動物において機能基を腫瘍細胞に選択的に運ぶ。機能基の例は、抗腫瘍薬剤、細胞毒、サイトカイン及びレポーターグループを含む。
【0020】
本発明はさらに、本明細書中に記載の40kDaタンパク質を単離する方法を含む。方法は、タンパク質を含む試料を本明細書中に記載のモノクローナル抗体と、モノクローナル抗体/タンパク質複合体の形成を可能にするのに十分な時間および条件下で接触すること、もしある場合、その複合体の1つ又はそれ以上を試料から除くこと、及び、複合体からタンパク質を除くことを含み、それによりタンパク質を単離する。
【0021】
“単離された核酸配列”とは、その中では自然に起こる、生物のゲノム中の核酸配列を挟む遺伝子から実質的にない核酸配列である。それゆえその用語は、ベクター、自己複製プラスミド若しくはウイルス、あるいは、原核生物または真核生物のゲノム核酸配列に組み込まれた、リコンビナント核酸配列を含む。それはまた、cDNA、ゲノム断片、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により作成される断片、あるいは、制限断片のような分離した分子を含む。
【0022】
タンパク質に“特異的に結合する”抗体とは、タンパク質に結合するが、しかし、タンパク質、例えば40kDaタンパク質を自然に含む、試料、例えば生物学的な試料中の他の分子を認識および結合はしないものである。
【0023】
“保存された”アミノ酸置換とは、一つのアミノ酸残基を同種の側鎖をもつ別のアミノ酸残基に置き換える置換である。同種の側鎖をもつアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野において定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、及び、芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)をもつアミノ酸を含む。保存された置換においてはアミノ酸の任意のファミリーもそのファミリーの任意の他の構成員に置き換えるのに使われ得る。“ポリペプチド、ペプチド、及び、タンパク質”という用語は、本明細書中においては置き換え可能であるように使用され、アミノ酸残基の鎖に言及する。
【0024】
抗体の“抗原結合断片”とは、抗体全体により結合される、抗原、例えば40kDaタンパク質のエピトープに結合可能な抗体の部分である。
【0025】
“エピトープ”とは、抗原、例えばタンパク質の特定の領域であり、そこに抗体が結合し、免疫応答を引き出すことが可能である。
【0026】
“実質的に純粋な”40kDaタンパク質とは、それが自然と付随するタンパク質及び自然に発生する有機分子が重量で少なくとも60%ない40kDaのタンパク質である。好ましくは調製物は少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも99%重量の40kDaタンパク質である。実質的に純粋な40kDaタンパク質は、例えば、本明細書中に記載の抗体、あるいは、モノクローナル抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより、及び/または、物理的な精製技術により、得ることができる。
【0027】
“単離された”抗体とは、実質的に自然と附随する他の自然に発生する有機分子がない抗体である。
【0028】
細胞の増殖を遮断する抗体あるいは他の分子とは、細胞周期、分裂、あるいはその両方を阻害する、抗体あるいは分子である。
【0029】
“同型の凝集”により、同じ型の細胞が互いに接着することで刺激される、生物学的に活性な過程を意味する。
【0030】
“レポーターグループ”とは、適切な検出システムあるいは方法により容易に測定あるいは検出が可能である、発光、蛍光、酵素活性、電子密度、または、放射活性のような物理的あるいは化学的な特性をもつ分子あるいは化合物である。
【0031】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的また科学的な用語は、本発明の属する分野の当業者により共通に理解されるのと同様の意味を持つ。本明細書中に記載のものと同様あるいは均等な方法および材料が、本発明の実施あるいはテストに用いられ得るが、適切な方法及び材料は以下に記載される。本明細書中で言及される全ての公開物、特許出願、特許、及び他の参照は、それら全てが参照として援用される。争議の場合、定義を含む本明細書は制御するだろう。さらに、材料、方法、及び例は、例証に過ぎず、限定を意図しない。本発明は、腫瘍細胞に発現する40kDaタンパク質を認識する抗体を特徴とする。抗体は、腫瘍細胞の増殖を阻害するため、および、それが特異的に結合する腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するために使用され得る。モノクローナル抗体は、診断的に(例えば悪性細胞の存在を決定するために)使用することができ、あるいは、治療的には腫瘍細胞をそれ自身により治療するか、あるいは、それに抗腫瘍薬剤を結合させて運ぶことにより使用され得る。
【0032】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明により、及び、請求の範囲により、明らかになるだろう。
【0033】
発明の詳細な説明
本発明は、40kDaタンパク質に特異的に結合する抗体、例えばモノクローナル抗体を特徴とする。40kDaタンパク質は、胸腺リンパ腫、T細胞腫瘍、B細胞リンパ腫、メラノーマ、骨肉腫、及び、急性T細胞白血病を含む、並びにヒト、サル、及び、マウスを含む多様な異なる種における、腫瘍細胞の多様な型に発現する新規細胞表面タンパク質である。その抗体は正常成人造血細胞には反応性を示さない。本発明の抗体が40kDaタンパク質を発現する細胞に結合すると、細胞は増殖を停止し、及びアポトーシスを受ける。40kDaタンパク質は、モノクローナル抗体が細胞表面のこのタンパク質に結合したとき細胞がアポトーシスを受けることの観察に基づく、新規の死誘導タンパク質である。
【0034】
40kDaタンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体を生産する、3つのハイブリドーマ細胞株は、ATCCに受け入れ番号PTA−377(DMF10.62.3)、受け入れ番号PTA−405(DMF10.167.4)、あるいは、受け入れ番号PTA−404(DMF10.34.36)のもとで保管されている。
【0035】
本明細書中に記載の抗体は、多様な使用を有する。その抗体は、哺乳動物、例えばヒトの組織における悪性細胞の存在を決定するための、in vitroでの診断アッセイに使用し得る。その抗体はまた、レポーターグループで標識した本明細書中に記載の単離された抗体を被検体に投与することにより、in vivoにおける腫瘍の局在にも使用され得る。その抗体はまた、治療的な応用をもつ。加えてその抗体は、腫瘍を治療すること、または、抗腫瘍薬剤を運搬することにも使用され得る。
【0036】
抗体作成の方法
抗体とは、イムノグロブリン分子、及び、イムノグロブリン分子の免疫学的に活性な部分である。イムノグロブリン分子の断片の例は、40kDaタンパク質に特異的に結合できる、抗体の断片、例えばF(ab)及びF(ab’)2部分を含む。断片はその抗体をペプシンのような酵素で処理することにより生産することができる。モノクローナル抗体又はモノクローナル抗体組成物という用語は、ポリペプチドまたはタンパク質の特定のエピトープに免疫反応が可能である、ただ一つの抗原結合部位の種類を含む、抗体分子の集合をいう。モノクローナル抗体組成物はこのように、特異的に結合するタンパク質への単一の結合親和性を典型的に示す。
【0037】
免疫法
40kDaタンパク質に対するポリクローナル及びモノクローナル抗体は、適切な被検体(例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、あるいは他の哺乳動物)に、適切な免疫原を含む免疫原調製物を用いて、免疫することによって生じされ得る。免疫原は、新規40kDaタンパク質の発現を全て示した、不死化させた細胞株E710.2.3、RMA−S、CTLL、LB17.4、A20、WEHI−231、PBK101A2、C2.3、B16、MC57、WOP−3027、293T、143Btk、Jurkat及びCos由来の細胞のような細胞を含む。
【0038】
あるいは、免疫原は、精製または単離された40kDaタンパク質そのものであり得る。例えば、ATCC番号PTA−377、PTA−405、あるいは、PTA−404として保管されるハイブリドーマ細胞株により生産されるモノクローナル抗体は、アフィニティークロマトグラフィー、免疫沈降、または、当該技術分野においてよく知られた他の技術を利用して、例えばE710.2.3、RMA−S、CTLL、LB17.4、A20、WEHI−231、PBK101A2、C2.3、B16、MC57、WOP−3027、293T、143Btk、Jurkat及びCosといった、タンパク質を生産し得る細胞から、そのタンパク質を単離するために使用することができる。
【0039】
被検体によって生じた抗体は次に、その抗体が胎児胸線細胞に結合し、一方、成人胸線細胞には結合しないかどうかを決定するため、スクリーニングされ得る。このような抗体はさらに本明細書中に記載されるアッセイにおいてスクリーニングされ得る。例えば、これらの抗体はそれが結合する細胞の細胞増殖を阻害するか、細胞の同型凝集を誘導するか、及び/または、それらが結合する細胞にアポトーシスを誘導するかを決定する為に、アッセイされ得る。抗体が望ましい特性をもつことを同定する適切な方法が本明細書中に記載される。例えば、細胞に結合し細胞死を誘導する抗体の能力は、R&D(Minneapolis,MN)またはPharmingen(San Diego,CA)から商業的に入手可能なキットを用いてアッセイされ得る。
【0040】
免疫原(例えば、精製されたタンパク質、タンパク質を発現する腫瘍細胞、あるいは組換え体として発現した40kDaタンパク質)の単位投与量、及び、免疫方法は、免疫される被検体、その免疫状態、及び、被検体の体重に依存するだろう。被検体において免疫応答を増強するために、免疫原は、完全フロイントまたは不完全アジュバントのような、アジュバントとともに投与され得る。上に記載の免疫原による被検体の免疫は、ポリクローナル抗体の応答を誘導する。免疫された被検体における抗体力価は、固定化した抗原、例えば本明細書中に記載の40kDaタンパク質を使用するELISAのような標準的な技術によって、経時的にモニターできる。
【0041】
40kDaタンパク質に対する抗体を生じる他の方法は、ヒトイムノグロブリン遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを使用することを含む(Woodら、PCT公開WO 91/00906;Kucherlapatiら、PCT公開WO 91/10741つ又はLonbergら、PCT公開WO 92/03918を参照)。あるいは、ヒトモノクローナル抗体は、ヒトの抗体産生細胞あるいは組織(例えば、ヒト骨髄細胞、末梢血リンパ球(PBL)、ヒト胎児リンパ節組織、または、造血幹細胞)を移植した免疫欠失マウスに、抗原を導入することにより産生され得る。そのような方法はSCID−huマウス(Duchosalら、 PCT公開WO 93/05796、アメリカ合衆国特許番号5,411,749、または、McCuneら、(1988)Science 241:1632−1639)参照)、あるいは、Rag−1/Rag−2欠損マウスで抗体を生じさせることを含む。ヒト抗体-免疫欠失マウスはまた商業的に入手できる。例えばRag−2欠損マウスはTaconic Farms(Germantown,NY)から入手できる。
【0042】
ハイブリドーマ
モノクローナル抗体は、被検体を免疫原で免疫することにより生産され得る。免疫後適切な時間において、例えば、抗原力価が十分に高レベルであるときに、抗体産生細胞を免疫された動物から回収することができ、そして、標準的な技術を用いてモノクローナル抗体を調製するのために使用される。例えば、抗体産生細胞は、標準的な体細胞融合方法によって、骨髄腫細胞のような不死化された細胞と融合し、ハイブリドーマを得ることができる。このような技術は当該技術分野においてよく知られており、例えば、Kohler及びMilsteinにより独自に開発されたハイブリドーマ技術(1975)Nature,256:495−497)、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbarら、(1983)Immunology Today,4:72)、及び、ヒトモノクローナル抗体を産生するEBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.pp.77−96)を含む。モノクローナル抗体ハイブリドーマを作成する技術はよく知られている。
【0043】
モノクローナル抗体はまた、抗体産生細胞、例えばヒトイムノグロブリンを発現しそして40kDaタンパク質を免疫されたトランスジェニックマウス由来の脾細胞を回収することにより、作成され得る。その脾細胞はヒト骨髄腫との融合により、あるいは、Epstein−Barrウイルス(EBV)を用いた形質転換により、不死化され得る。これらのハイブリドーマは、専門分野において記載のヒトB細胞−あるいはEBV−ハイブリドーマ技術を用いて作成され得る(例えば、Boyleら、欧州特許公開番号0 614 984)。
【0044】
40kDaタンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞は、ハイブリドーマ培養上清のスクリーニングにより、例えば、固定化した40kDaタンパク質に特異的に結合する抗体を選択するスクリーニングによって、または、抗体が望ましい特性、例えば、細胞増殖の阻害能力を持つかを決定するための本明細書中に記載の抗体のテストによって、検出される。
【0045】
本明細書中に記載のスクリーニングアッセイで試験陽性のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞は、栄養培地で、ハイブリドーマ細胞が培養培地にモノクローナル抗体を分泌するのに十分な条件及び時間で培養し、それにより抗体全体を生産することができる。ハイブリドーマ細胞に適する組織培養技術及び培養培地は専門分野において一般的に記載される(例えば、R.H.Kenneth,in Monoclonal Antibodies: A New Dimension In Biological Analyses,Plenum Publishing Corp.,New York,New York(1980)参照)。抗体を含む条件化ハイブリドーマ培養上清を、次に集めることができる。
【0046】
組換え結合抗体ライブラリー
モノクローナル抗体は、組換え結合免疫グロブリンライブラリーの構築及び40kDaタンパク質を有するライブラリーのスクリーニングにより設計されうる。ファージディスプレイライブラリー(phage display library)を生成及びスクリーニングするキットは商業的に入手可能である(例えば、ファルマシア組換えファージ抗体システム、カタログ番号27−9400−01;及びストラタジーンSurfZAPファージディスプレイキット、カタログ番号240612)。簡単には、抗体ライブラリーをスクリーニングして、40kDaタンパク質と特異的に結合する抗体を発現するファージを同定して単離する。好ましい態様において、ライブラリーの一次スクリーニングは固定化40kDaタンパク質を用いたスクリーニングを含む。
【0047】
スクリーニングの後、ディスプレイファージを単離して、選択した抗体をコードする核酸をディスプレイファージから(例えば、ファージゲノムから)回収して、よく知られる組換えDNA技術により他の発現ベクター中でサブクローン化を行うことができる。核酸はさらに操作(例えば、追加的な定常領域などの追加的な免疫グロブリンドメインをコードする核酸との結合)及び/又は宿主細胞において発現させることができる。
【0048】
キメラ及びヒト化抗体
キメラ及びヒト化抗体などの抗体の組換え形態もまた、抗体に対するヒト患者の反応を最小にするために調製することができる。ヒトでない被検体で生産されるあるいはヒトでない抗体遺伝子の発現から誘導される抗体を治療的にヒトに使用するとき、それらは外来物として様々な程度で認識され、免疫反応が患者の中で生じうる。免疫反応を最小あるいは除去する1つのアプローチは、キメラ抗体誘導体、すなわちヒトでない動物の可変領域とヒトの定常領域を結合させた抗体分子を生産することである。そのような抗体はもとのモノクローナル抗体のエピトープ結合特異性を保持しているが、ヒトに投与するときはより免疫原性が小さく、従って患者はより寛容になりやすくなりうる。
【0049】
キメラモノクローナル抗体は、当該技術分野において既知の組換えDNA技術により生産することができる。例えば、ヒトでない抗体分子の定常領域をコードする遺伝子はヒトの定常領域をコードする遺伝子と置換される(Robinsonら、 PCT特許公報PCT/US86/02269;Akiraら、欧州特許出願184,184;あるいはTaniguchi,M., 欧州特許出願171,496参照)。キメラ抗体はさらに、抗体結合に関係しない可変領域の部分をヒトの可変領域の均等な部分に換えることにより“ヒト化”されうる。“ヒト化”キメラ抗体の一般的な概説は、Morrison,S.L.(1985) Science, 229:1202−1207及びOiら,(1986)Bio Techniques, :214により提供される。そのような方法は単離、操作、及び少なくとも1つの重鎖あるいは軽鎖由来の免疫グロブリン可変領域の全てあるいは一部をコードする核酸配列の発現を含む。そして、ヒト化キメラ抗体、あるいはその断片をコードするcDNAは適切な発現ベクター中でクローン化できる。適した“ヒト化”抗体は相補性決定領域(CDR)置換により代替的に生産できる(米国特許5,225,539;Jonesら(1986)Nature 321:552−525;Verhoeyanら(1988)Science 239:1534;及びBeidlerら(1988)J.Immunol. 141:4053−4060)。
【0050】
エピトープインプリンティング(epitope imprinting)もまた、ATCC番号PTA−377、ATCC番号PTA−405、あるいはATCC番号PTA−404として寄託されるハイブリドーマにより生産される40kDaタンパク質に特異的なハムスター抗体の結合特異性を保持する“ヒト”抗体ポリペプチド二量体を生産するために使用されうる。簡単には、抗原に特異的に結合するヒトではない可変領域(VH)及びヒトの定常領域(CH1)をコードする遺伝子を大腸菌において発現させてヒトVλCλ遺伝子のファージライブラリーに感染させる。そして、ファージディスプレイ抗体断片を40kDaタンパク質への結合についてスクリーニングする。選択したヒトVλ遺伝子をVλCλ鎖の発現のために再クローン化して、これらの鎖を有する大腸菌をヒトVHCH1遺伝子のファージライブラリーに感染させて、ライブラリーは抗原コートチューブ(antigen coated tubes)を用いたスクリーニングの球状物(round)になりやすい。Hoogenboomら、PCT公報WO 93/06213参照。
【0051】
抗体断片
本発明は、新規抗腫瘍抗体及びFab、F(ab’)2、及びFv断片などの抗体の活性結合領域を含むそのあらゆる断片を含む。そのような断片は、当該技術分野でよく確立されている技術を使用して抗体から生産できる(Rousseauxら,in Methods Enzymol.,121:663−69 Academic Press,(1986)参照)。例えば、F(ab’)2断片は抗体分子のペプシン消化により生産され、Fab断片はF(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することにより生成できる。
【0052】
抗体の有用性
本明細書中に記載される抗体は様々な用途を有する。抗体はヒト組織中において悪性細胞の存在を決定する診断目的のためにin vitroで使用できる。方法は40kDaタンパク質の存在について組織試料を検査することを含む。例えば、組織試料はハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377、ATCC番号PTA−405、あるいはATCC番号PTA−404により生産されるモノクローナル抗体を接触させることができ、組織試料において細胞に特異的に結合する抗体の能力が決定される。結合によって腫瘍細胞の存在が示される。あるいは、抗体は放出抗原について血液試料をスクリーニングするためにも使用できる。
【0053】
抗体は、検出可能シグナルを与えるレポーターグループ(reporter group)で標識される本発明の単離抗体を被検体に投与することにより、腫瘍の位置をin vivoで突きとめるためにも使用できる。そして、結合抗体は外部シンチグラフィー、放射トーモグラフィー、あるいは放射性核スクリーニングを使用して検出される。方法は疾病の程度に関して患者における癌のステージを明らかにするため、及び治療に応じた変化をモニターするために使用できる。
【0054】
抗体はまた治療的な適用も有する。新規抗体は腫瘍を治療するために用いられるが、なぜなら腫瘍細胞に対する抗体の特異的な結合により細胞の増殖停止あるいは死が引き起こされるからである。
【0055】
抗体は、例えば標的薬剤として、抗腫瘍剤を腫瘍へ運ぶために治療的にも使用できる。そのような抗腫瘍剤は化学療法剤、毒素、免疫学的反応媒介物、酵素、及び放射線同位体を含む。
【0056】
検出可能標識
40kDaタンパク質と反応する抗体は、例えば被検体における腫瘍の存在を検出するために診断的に使用できる。検出は抗体を検出可能標識に結合させることにより容易になりうる。検出可能標識の例は、様々な酵素、配合団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、電子密度標識、MRIの標識、及び放射性物質を含む。適する酵素の例は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、あるいはアセチルコリンエステラーゼ;適する配合団複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンを含む;適する蛍光物質の例は、アンベリフェロン、フルオレシン、フルオレシンイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレシン、ダンシルクロライドあるいはフィコエリスリンを含む;発光物質の例は、ルミノールを含む;生物発光物質の例はルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンを含み、並びに適する放射性物質の例は、125I、131I、35Sあるいは3Hを含む。
【0057】
標的薬剤としての抗体
本明細書中に記載される抗体及び抗体断片は機能基に結合することができ、抗体は40kDaタンパク質を発現する腫瘍細胞の部位に対する機能基を明らかにするために使用できる。機能基の例は、毒素、放射性核腫、あるいは腫瘍細胞を殺すために使用できる化学療法剤、あるいは40kDaタンパク質を発現する腫瘍を位置づけて寸法で分類するために使用できる造影剤を含む。ヒトにおける腫瘍に対する機能基を明らかにするために使用される抗体は好ましいモノクローナル抗体であり、例えばヒト化モノクローナル抗体である。
【0058】
抗体は、機能基及びハイブリッドタンパク質分子をコードする融合遺伝子によりコードされる抗体によって、あるいは別々に生産される抗体と機能基を結合させるために使用される結合、例えば非ペプチド共有結合、例えば非アミド結合、のどちらかにによって機能基と融合できる。本明細書中に記載される抗体は、免疫細胞に特異的であり、腫瘍を殺す免疫細胞を刺激する他の抗体に融合させることもできる。
【0059】
毒素
有用な毒素分子はペプチド毒素を含み、細胞間に存在するときには顕著な細胞障害性である。毒素の例は細胞毒素、酵素活性を崩壊させてその結果腫瘍細胞を殺す代謝崩壊物(阻害物及び活性化物)、及びエフェクター部分に限られた範囲内で全ての細胞を殺す放射性分子を含む。代謝崩壊物は細胞の代謝を変化させる分子、例えば酵素あるいはサイトカインであり、そのため通常の機能が変わる。広範には、毒素という用語は腫瘍細胞に死をもたらすあらゆるエフェクターを含む。
【0060】
多くのペプチド毒素は、一般化された真核生物的受容体結合ドメインを有する;これらの例では、毒素は標的タンパク質を有していない細胞を殺すことを防ぐために(例えば、40kDaタンパク質は有していないが非修飾毒素のための受容体をもつ細胞の殺害を防ぐために)修飾されるに違いない。そのような修飾は、分子の細胞障害性機能を保存する様式で行われるに違いない。潜在的に有用な毒素は、ジフテリア毒素、コレラ毒素、リシン、0−志賀様毒素(SLT−I、SLT−II、SLT−IIv)、LT毒素、C3毒素、志賀毒素、百日咳毒素、破傷風毒素、Pseudomonas外毒素、アロリン、サポニン、モデシン、及びゲラニンを含むがこれらには限定されない。その他の毒素は腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)及びリンホトキシン(LT)を含む。抗腫瘍活性を有するもう一つの毒素は、カリーチアミシンガンマ1(calicheamicin gamma 1)、腫瘍に対してかなりの有効性をもつ抗腫瘍抗性を含有するジネエン(diyne−ene)、である(Zein, N.ら, Science240:1198−201(1988))。
【0061】
例として、ジフテリア毒素は本明細書中に記載される抗体と結合しうる。ジフテリア毒素は、配列が知られているMurphy,米国特許番号4,675,382に詳細に記載されており、本明細書中で参照により援用される。Corynebacterium diphtheriaeにより分泌される天然のジフテリア毒素分子は、特徴づけできるいくつかの機能的ドメインで構成されており、トランスロケーションドメイン及び一般化される細胞結合ドメイン(アミノ酸残基475から535)を含む、酵素的な活性フラグメントA(アミノ酸Gly1−Arg193)及びフラグメントB(アミノ酸Ser194−Ser535)として、分子のアミノ末端で始まる。
【0062】
抗体への毒素の結合
抗体と毒素機能基はいくつかの方法のいずれかで結合させることができる。もし化合物が融合遺伝子の発現により生産されるならば、ペプチド結合は細胞毒素及び抗体の間の結合として働く。あるいは、毒素及び抗体は別々に生産されて、後に非ペプチド共有結合により結合させることができる。例えば、共有結合はジスルフィド結合の形態をとりうる。この場合、この抗体をコードするDNAは追加のシステインコドンを含有するために従来の方法で設計できる。
【0063】
ジスルフィド結合の結合について、毒素分子はまた修飾抗体のシステインと反応するメルカプト基を用いて誘導される。ペプチド毒素の場合、この結合は毒素をコードするDNA配列にシステインコドンを挿入することにより達成できる。あるいは、メルカプト基はそれ自身あるいはシステイン残基の部分としてのどちらかにより、固層ポリペプチド技術を使用して導入できる。例えば、ペプチドへのメルカプト基の導入は、Hiskey,Peptides,3:137(1981)により記載される。
【0064】
誘導はまた、Bachaら,米国特許番号4,468,382のペプチドホルモン誘導について記載される方法に従って行うことができる。タンパク質へのメルカプト基の導入は、Maasenら,Eur.J.Biochem.,134:32(1983)に記載される。ひとたび要求されるメルカプト基が存在すると、細胞毒素及び抗体を精製する、両方の硫黄基を還元する、細胞毒素及び抗体を(約1:5から1:20の割合で)混合して、ジスルフィド結合形成を室温で(一般に20から30分)完成に向かわせる。そして、混合物をリン酸緩衝塩水に対して透析して、反応しない抗体及び毒素分子を除去する。セファデックス(登録商標)クロマトグラフィーなどを使用して、大きさに基づいて毒素−毒素及び抗体−抗体結合物から所望する毒素−抗体結合化合物を分離する。
【0065】
免疫反応モジュレーター
抗腫瘍機能基はまた、局所レベルにおける体の免疫系を活性あるいは阻害のどちらかをする免疫系のモジュレーターでもありうる。例えば、腫瘍に運搬されるサイトカイン、例えばIL−2などのリンホカイン、は腫瘍の近隣において細胞障害性Tリンパ球あるいはナチュラルキラー細胞の増殖を引き起こすことができる。
【0066】
放射性分子
機能基あるいはレポーターグループは、いわゆる“ホウ素中性子捕獲治療”(BNCT)における特異的な条件のもとで放射性となる、例えば低エネルギー中性子の光線に暴露されるときのホウ素、放射性分子、例えば放射性核腫、あるいはいわゆる感光剤、例えば前駆分子でもありうる(Barthら,Scientific American,October 1990:100−107(1990))。そのような放射性エフェクター部分を有する化合物は、腫瘍細胞増殖を阻害するため及び画像化(imaging)目的のために腫瘍細胞を標識するための両方に使用されうる。
【0067】
放射性核腫はα、β、あるいはγ粒子のいずれかを放射しうる単一原子放射能分子である。アルファ粒子エミッターはβあるいはγ粒子エミッターよりも好ましく、なぜならそれらはより短い距離で相対的に非常に高いエネルギーを放出するため、それゆえ正常細胞に重大な貫通、及び損害、を与えずに効率的であるからである。適するα粒子放出放射性核腫は211At、212Pb、及び212Biを含む。
【0068】
放射性分子は直接にあるいは二機能性キレートにより抗体と密接に結合しなければならない。このキレートはin vivoで放射性分子の溶出及びそれゆえの早熟な放出をさせてはいけない(Waldmann,Science252:1657−62(1991))。本発明にBNCTを適用するために、ホウ素の安定同位体、例えばホウ素10を抗腫瘍機能基あるいは化合物のエフェクター部分として選択する。ホウ素は、腫瘍細胞に対する抗体の特異的な結合により腫瘍細胞に運ばれて腫瘍細胞内あるいは上で凝集する。蓄積するのに十分な量のホウ素を得られる時間の後、腫瘍は画像化(image)されて低エネルギー中性子の光線に照射され、約0.025 eVのエネルギーを有する。この中性子照射それ自体は腫瘍の周囲の健常な組織、あるいは腫瘍自体のどちらかに対して少ししか障害を引き起こさないが(例えば、腫瘍細胞の表面上の)ホウ素10は中性子を捕獲して、そこで安定同位体、ホウ素11を形成する。ホウ素11は直ちに分解して、リチウム7核及び約2.79 mEVのエネルギーを有するα粒子を生み出す。これらの重粒子は高度に致死的であるが、非常に局所的で、放射の形態をとり、なぜなら粒子は約1細胞の直径(10マイクロ)の経路長(path lenght)しか有していないためである。
【0069】
計算により、腫瘍細胞を破壊するためには、約10億のホウ素原子が1平方センチメートル当たり1012から1013の熱中性子の流れに加えて要求され、このためα粒子により生成される放射線が窒素及び水素との中性子補獲反応により生成されるバックグランド放射線を上回るということが示されている。
【0070】
画像化機能基
本明細書中に記載される抗体は40kDaタンパク質と特異的に結合し、従ってヒト腫瘍を検出するためにも有用である。1つのそのようなアプローチは、適した機能基あるいはレポーターグループ、例えば検出可能シグナルを生産する画像化試薬を用いて標識される抗体を使用する腫瘍画像化技術によりin vivoで腫瘍を検出することを含む。そのような試薬を用いて抗体を標識するための画像化試薬及び手順はよく知られている(例えば、Wensel及びMeares,Radio Immunoimaging and Radioimmunotherapy,Elsevier,New York(1983);Colcherら, Meth.Enzymol.,121:802−16(1986)参照)。標識化抗体は放射性核スキャンニングなどの技術により検出できる(例えば、Bradwellら、in Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therary, Baldwinら(eds.),pp.65−85,Academic Press(1985)参照)。
【0071】
投与
本明細書中に記載される抗体は、腫瘍を画像化するためあるいは治療するために被検体、例えば動物あるいはヒトに投与できる。抗体は単独、あるいは混合、例えば医薬的に許容可能な賦形剤あるいはキャリア(例えば、生理食塩水)の存在下、で投与できる。賦形剤あるいはキャリアは投与の様式及び経路に基づいて選択される。適した医薬的なキャリアはRemington’s Pharmaceutical Services(E. W.Martin)、当該技術分野でよく知られている参考文献、及びUSP/NF(米国薬局方及び国立処方集)(United States Pharmacopeia and the National Formularly)に記載されている。
【0072】
医薬的組成物は投与の意図した経路と合うように製剤化される。投与経路の例は非経口的、例えば静脈内的、皮内的、皮下的、経口的(例えば吸入)、経皮的(局所的)、経粘膜的、及び直腸的な投与を含む。非経口的、皮内的、あるいは皮下的な適用に使用される溶液あるいは懸濁液は以下の成分を含みうる:注射のための水、塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールあるいはその他の合成溶剤などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールあるいはメチルパラベン(methyl paraben)などの抗菌剤;アスコルビン酸あるいは重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤:酢酸、クエン酸あるいはリン酸などの緩衝液及び塩化ナトリウムあるいはデキストロースなどの張度の調節のための薬剤。pHは塩酸あるいは水酸化ナトリウムなどの酸あるいは塩基を用いて調節できる。非経口的な調製物はアンプル、使い捨て注射器、あるいはガラスあるいはプラスチック製の複数用量バイアル内に封入できる。
【0073】
本発明の組成物のための投与及び用量計画の最も効果的な様式は、疾病の重度及び経過、治療に対する患者の健康及び反応、及び治療医の判断に依存する。従って、組成物の投与量は個々の患者で適定すべきである。本発明の抗体組成物の効果的な用量は、約1μgから約5000 mg、好ましくは約1から約500 mg、あるいは好ましくは約100−200 mgの範囲内である。
【0074】
診断的キット
本発明はまた、上で開示される方法を実行するための診断的キットを含む。診断的キットは、(a)本明細書中で記載されるモノクローナル抗体、及び(b)抗体に特異的に結合するパートナー及び結合抗体を検出するための標識の結合物を含む。キットは緩衝剤及びタンパク質安定化剤など、例えば多糖類など、の補助的薬剤も含みうる。診断的キットはさらに、必要なところで、バックグランド干渉を減少させる薬剤、対照試薬、及び試験を行うための装置を含むシグナル産生系のその他の成分を含む。もう一つの態様において、診断的キットは本発明のモノクローナル抗体及び検出可能シグナルを産生できる標識の結合物を含む。上述されるような補助的薬剤も存在しうる。診断的キットの使い方の説明書もまた一般的に含む。
【0075】
ポリペプチド
本明細書中に記載されるモノクローナル抗体は、結合する40kDaタンパク質を単離及び特徴づけするために使用できる。モノクローナル抗体に認識されるタンパク質は、胸腺リンパ腫、T細胞腫瘍、B細胞リンパ腫、メラノーマ、骨肉腫、及び急性T細胞白血病を含む様々な腫瘍細胞に見出される新規細胞表面タンパク質である。モノクローナル抗体がこのタンパク質と結合するとき、タンパク質が発現される細胞が死ぬという観察に基づき、そのタンパク質は死誘導分子である。
【0076】
本発明のモノクローナル抗体に認識されるタンパク質は、タンパク質を発現する細胞(例えば、E710.2.3、RMA−S、CTLL、LB17.4、A20、WEHI−231、PBK101A2、C2.3、B16、MC57、WOP−3027、293T、143Btk、Jurkat、あるいはCos)から単離できる。例えば、本明細書中に記載されるモノクローナル抗体は、タンパク質を免疫沈降するために使用できる。タンパク質の配列を決定するために、タンパク質はSDS−PAGEにより精製でき、イモビロン膜(Millipore Corp.,Bedford,MA)上で電気ブロットできて、膜はクーマシーブリリアントブルーで染色できる。そして、染色したタンパク質バンド(Mr=40kDa)は、一連のアミノ末端配列解析のためにカミソリの刃で切り出すことができる。自動化エドマン分解などのアミノ末端配列解析は当該技術分野でよく知られている。
【0077】
本発明はまた、非関連タンパク質と融合する40kDaタンパク質を含む融合タンパク質も特色とする。非関連タンパク質は、精製、検出、可溶化を容易にするため、あるいは幾つかの他の機能を提供するために選択されうる。融合タンパク質は合成的に生産できる、あるいはタンパク質は適するカップリング試薬、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、を使用して非関連タンパク質に結合できる。あるいは、融合タンパク質は、適する発現ベクター内で融合タンパク質を発現するヌクレオチド配列のクローン化によって組み換え的に生産できる。そして、組換え融合ポリペプチドは、培養培地あるいは細胞の融解物から精製できる。
【0078】
40kDaタンパク質は、例えばある腫瘍に対して免役するためのワクチンとして有用である。ワクチンなどを調製する手順は当該技術分野で知られている(例えば、Estinら, Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA),85:1052(1988)参照)。簡単には、組換えウイルスをクローン化腫瘍関連タンパク質の発現のために構築する。組換えウイルスに感染した細胞は、細胞表面で宿主の組織適合抗原及び免疫原性ウイルスタンパク質と共にタンパク質を発現するであろう。これは腫瘍拒絶において鍵となる役割をする細胞性免疫の誘導を与える。本発明はまたモジュレーターを同定するための方法、すなわち40kDaタンパク質と結合するあるいは40kDaタンパク質の発現あるいは活性化に対して刺激的あるいは阻害的な効果を有する試験化合物あるいは薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子あるいは薬物)も提供する。例えば、40kDaタンパク質の拮抗物質は細胞内でアポトーシスを阻害するために有用であろう。この拮抗物質は被検体において誤った(abherrant)アポトーシスを阻害する役割をするかもしれない。
【0079】
実施例
実施例1:抗腫瘍抗体の生成
リンパ腫の成長あるいは生存及び/又は正常な胸腺細胞機能に関係しうる新規機能分子を同定する試みにおいて、E710.2.3を注射したハムスター由来のハイブリドーマを以下のように生成した。アメリカンハムスターに1千万のE710.2.3を腹腔内注射して、融合前にブースターを7−10回行った。融合は記載(Schreiberら (1985)Immunol 134:1609)されるように融合パートナーP3X63−AG8.653を使用して行った。ハイブリッドの上清は、最初に免疫蛍光及びフローサイトメトリーを使用してE710.2.3Aへの結合能力についてスクリーニングした。本明細書中にDMF10.62.3として援用される1つの特定の抗体は、E710.2.3の表面を明るく染色した。
【0080】
免疫蛍光解析により、DMF10.62.3は多くのマウス細胞株に反応するが(表I)、その他には存在しないことが明らかになった(表II)。陽性細胞株は、いくつかのT細胞株(例えば、RMA−S)、いくつかのB細胞リンパ腫(例えば、A20及びWEHI−231)、及びマクロファージ細胞株(C2.3)を含んだ。DMF10.62.3はまた、非造血性起源のいくつかの不死化した細胞に特異的に結合して、間質細胞株(PBK101A2)、メラノーマ(B16)、肉腫(MC57)、及びポリオーマ形質転換線維芽細胞(WOP−3027)を誘導した。いくつかのその他の未成熟(例えば、G58.2)及び成人T細胞(例えば、EL4)、マクロファージ(例えば、A3.1)、樹状細胞(DC2.4)、及び線維芽細胞株(LADp31)は、DMF10.62.3に関して陰性であった。興味深いことに、mAbはまたいくつかのヒトの不死化した細胞株にも反応して、Jurkat、293T及び143Btk−を誘導し、サルSV40−形質転換腎臓細胞株、Cos7にも反応した。DMF10.62.3は、Bリンパ芽球様細胞、721、及び子宮頸癌細胞HeLaなどの特定のヒト細胞株には結合しなかった。代表的な細胞株の染色パターンは、DMF10.62.3陽性細胞E710.2.3(Fig.1A)、A20(Fig.1B)及びJurkat(Fig.1C)及びDMF10.62.3陰性細胞、RF33.70(Fig.1D)についてFig.1に示す。
【0081】
【表1】

【0082】
上のデータは、新規抗体が多くのしかし全てではない不死化した細胞株に特異的に結合し、結合は種あるいは細胞系に限定されないことを示した。
【0083】
【表2】

【0084】
実施例2:DMF10.62.3に認識される分子の発現
DMF10.62.3に認識される分子の発現を、以下のように胎児胸腺細胞において調べた。C57B1/10マウスの調整された(timed)妊娠により胎生14日目で屠殺された胚を作り出した。胎児胸腺はエッペンドルフチューブガラスプランジャーを使用してPBSに回収した。単一細胞懸濁液は、Fcレセプターをブロックするために抗FcガンマレセプターII/II(Pharmingen)と共に20分間氷中にてインキベートした。続いて、細胞をDMF10.62.3あるいはハムスターIgGのどちらかと共に30分間染色した後、FITC結合ヤギ抗ハムスター、さらにアロフィコヤニン(allophycoyanin)(APC)結合抗Thy1.2(Pharmingen)を加えた。いくつかの実験においては、PE結合抗CD25及びCy−Chrome結合抗CD44(Pharmingen)も含んだ。染色細胞は1%パラホルムアルデヒド中で一晩固定して、続いてフローサイトメトリーにより解析した。
【0085】
結果から、DMF10.62.3で染色した14日目胎児胸腺細胞は40kDaタンパク質に関して陽性であることが明らかになり、タンパク質はThy1.2陽性細胞上に存在することが見出された(Fig.2A)。興味深いことに、タンパク質はCD25+CD44+胎児胸腺細胞ならびにCD44+CD25-胎児胸腺細胞の両方に存在した。しかし、成人胸腺(Fig.2C)、成人脾臓(Fig.2B)及び成人骨髄細胞(Fig.2D)の染色により、DMF10.62.3に認識されるタンパク質は、これらのいかなる細胞においても対照のハムスターIgGで認められた以上のレベルでは存在しないことが示された。さらに、タンパク質は、複数パラメータ解析においてCD4-CD8-細胞上で同期(gate)した後、RAG−/−マウス由来のこの集団のフローサイトメトリーあるいは解析により、成人CD4-CD8-胸腺細胞上では検出できなかった。14日目胎児肝臓細胞もDMF10.62.3には反応しなかった。
【0086】
DMF10.62.3に認識されるタンパク質が正常な、活性化された細胞に存在するかどうかを決定するために、以下のように脾臓T細胞をT細胞有糸分裂促進物質ConAで活性化して、DMF10.62.3に認識されるタンパク質の発現について染色した。脾臓、胸腺、及び骨髄細胞は成人(4−6月齢)Balb/cあるいはC57B1/6マウスから調製した。赤血球はトリス塩化アンモニウムリーシスを使用して脾臓細胞懸濁液から除去した。すぐに非刺激細胞を染色した。リンパ芽球は培養において1μg/mlのConAあるいは10μg/mlのLPSで刺激した。培養1−3日後、細胞をDMF10.62.3の発現について染色した。バックグランド以上の顕著な染色は、非刺激細胞(Fig.3A)あるいは活性化24(Fig.3B)、48(Fig.3C)、72(Fig.3D)時間後にConAで刺激した細胞では認められなかった(FACプロファイルではシフトしていない)。陽性対照として、ConA刺激細胞をCD25で染色した。期待されるように、ConA処理により非刺激細胞と比較するとこれらの細胞上のCD25発現は顕著に増加した(細胞へのCD25の結合はFACプロファイルのシフトを引き起こす)。同様に、脾臓B細胞をリポ多糖(LPS)で刺激したとき、DMF10.62.3の染色は24(Fig.3E)、48(Fig.3F)、72(Fig.3G)時間では認められなかったが(FACプロファイルではシフトしていない)、しかし、これらの細胞はCD25を強く発現した(FACプロファイルではシフトした)。DMF10.62.3に認識されるタンパク質は成人骨髄細胞上には存在していない(Fig.2D)。これらのデータは、DMF10.62.3に認識されるタンパク質はいくつかの胎児胸腺細胞上に存在しているが、成熟した動物の造血起源の正常の静止あるいは活性化細胞上には存在していないことを示す。
【0087】
実施例3:DMF10.62.3は腫瘍細胞の増殖を阻害する
E170.2.3細胞を低密度で成長させて、PMAの非存在下で維持すると、細胞はゆっくり増殖するかあるいは全く増殖しない。しかし、それらは胸腺細胞と共培養すると増殖する。 DMF10.62.3は当初、この胸腺細胞誘導増殖をブロックする能力により同定された。表IIIで示すように、DMF10.62.3は完全にこの反応を阻害する(Fig.4A)。増殖アッセイは以下のように行った。E10.2.3細胞を洗浄してPMAを除去して、低細胞濃度(<105/ml)で48時間コンプリートRPMI中にて培養して、バックグランドの増殖を減少させた。続いて、5 x 103細胞を72時間平底マイクロタイタープレートにて25 ng/mlのPMAあるいは5 x 105の胸腺細胞と共に抗体の存在下あるいは非存在下で培養した。細胞の自発的な増殖に対する抗体の効果を調べる実験では、E710.2.3(高密度での成長>105/ml)あるいはRMA−S細胞を様々な濃度の抗体の存在下あるいは非存在下で36時間培養した。3H−チミジン(1 TCi/ウェル)を最後の5時間加えて、DNA内への標識の取り込みをJ−シンチレーションカウンター(Wallac,Gaithersburg,MD)にて測定した。
【0088】
【表3】

【0089】
その他の刺激に対するE710.2.3の反応を阻害するDMF10.62.3の能力も調べた。表IIIに示すように、抗体はE710.2.3のPMA誘導増殖もブロックした。さらに、E710.2.3は高密度で成長させたときには自発的に増殖して、DMF10.62.3はこの反応を阻害した(Fig.4A)。増殖は3μg/mlで顕著に阻害されて、12.5μg/mlで完全な阻害が観察される。対して、ハムスターIgGは、これらのあらゆる刺激に対するE710.2.3の反応には効果を持たなかった。同様に、もとの融合由来の多くのmAbはE710.2.3に結合したが、その増殖は阻害しなかった(例えば、DMF10.132)(表III)。従って、DMF10.62.3は増殖を誘導するために使用される刺激に関わらず、E710.2.3の増殖を特異的に阻害した。
【0090】
DMF10.62.3に認識されるタンパク質は、多くのその他の細胞株に存在する。従って、抗体がそれらの自発的な増殖に同様な効果を持つかどうかを決定することは興味深い。DMF10.62.3はRAM−S(Fig.4B)ならびに試験した多くのその他の細胞株の増殖を阻害した。対して、抗体はDMF10.62.3タンパク質の存在が陰性であるRF33.70の自発的な増殖には効果を持たなかった(Fig.4C)。
【0091】
実施例4:DMF10.62.3はアポトーシスによる細胞死を誘導する
アポトーシスはR&D(Minneapolis,MN)及びPharmingen(San Diego,CA)からのキットを使用してアッセイした。簡単には、2 x 105の細胞を様々な濃度の抗体と共に200 il培地でインキベートした。インキベーションの終わりに、細胞をPBSにて2回(X)洗浄して、15分間PI及びFITCアネキシンで処理して、そしてフローサイトメトリーで解析した。DNA断片は、Schattnerら((1995)J. Exp.Med.182:1557)に記載されるように、2%アガロースゲル上でのアガロースゲル電気泳動によりアッセイした。
【0092】
抗体DMF10.62.3で処理した細胞の培養は視覚化して点検して、インタクトな細胞の数の減少を書き留めた。加えて、細胞はもはや生体染色トリパンブルーを排出しなかった。この観察ならびに増殖阻害は、抗体が細胞に対して細胞障害的であることを示唆した。従って、研究はDMF10.62.3が細胞死を誘導する機序を決定するために行われた。
【0093】
細胞はアポトーシスあるいは壊死により死にうる。アポトーシスが起こりつつある細胞に見られる早期の変化の1つは、細胞質膜上のホスファチジルセリンの外面化であり、これはFITCアネキシンで染色することにより検出できる。過程における早期では、アポトーシス細胞はヨウ化プロピジンなどの生体染色を排出することができ、従ってFITCアネキシン陽性及びPI陰性として同定できる。アポトーシス過程の後期では、膜の完全性が失われてFITCアネキシン陽性細胞がPI陽性になる。対して、壊死の間、細胞は膜の完全性を失い、FITCアネキシン陽性及びPI陰性がなく同時にPI陽性及びFITCアネキシン陽性となる。
【0094】
Fig.5Aから5IのFACプロファイルにおいて、左の下方の象限にある細胞は生細胞であり、下方の右の象限にある細胞はアポトーシスを起こしつつあり(FITCアネキシン陽性)、上方の右の事象にある細胞はアポトーシスあるいは壊死により死んでいる細胞である(PI陽性及びFITCアネキシン陽性)。各々の事象にある細胞のパーセンテージも示す。本研究では、あるパーセンテージのE710.2.3細胞は培養において自発的なアポトーシスを起こした(10.9から15%でアネキシン+、PI−)。しかし、1μg/ml程度のDMF10.62.3は1時間でアポトーシスの顕著な増加を引き起こし(28.9%でアネキシン+、PI−;Fig.5A)、このアポトーシスは時間にわたり増加した(3時間までに48.6%でアネキシン+、PI陽性)(Fig. 5C)。より高濃度のDMF10.62.3(15μg/ml)は、時間においてより急速に(1時間までに37.1%でアネキシン+、PI陽性)及びより多くの細胞で(Fig.5E−G)アポトーシスを刺激した。対して、同量のハムスターIgGでの処理は、培地のみより顕著な効果は持たなかった(Figs.5D, 5H,5I)。アポトーシスはまた、アガロースゲル電気泳動によるDNA断片の視覚化により証明された。
【0095】
DMF10.62.3に認識されるタンパク質はその他の細胞上で発現し、この抗体は(試験したところでは)それらの増殖を阻害したため、DMF10.62.3はまたそれらを刺激してアポトーシスを起こすかどうかをさらに調べた。DMF10.62.3はマウス細胞株RMA−S、CTLL、LB27.4及びA20及びヒト細胞株Jurkat及び143BTK−の顕著なアポトーシスを引き起こした(表IV)。アポトーシスは15μg/mlのDMF10.62.3を使用して誘導され、より高濃度の抗体で増加した。対して、DMF10.62.3はタンパク質が陰性であるRF33.70ではアポトーシスを引き起こさなかった。DMF10.62.3により誘導されるアポトーシスのレベルは、種々の細胞株間で変化しており、表面発現のレベルさらにはタンパク質を発現する集団内での細胞のパーセンテージに依存している可能性がある(表IV)。例えば、大半のE710.2.3及びRMA−S細胞は高レベルでタンパク質を発現しており、DMF10.62.3はこれらの細胞株の両方で高レベルのアポトーシスを誘導した。対して、ほんの少数のA20及びLB27.4細胞は低レベルで40kDaタンパク質を発現しており、DMF10.62.3はこれらの細胞においてより低レベルのアポトーシスを誘導した(表IV)。E710.2.3及びRAM−S細胞はfasを発現していないため、DMF10.62.3によるアポトーシスの刺激はfas依存性である可能性がある(表IV)。
【0096】
【表4】

【0097】
実施例5:DMF10.62.3はE710.2.3及びその他の細胞株において同型的凝集(homotypic aggregation)を引き起こす
同型的凝集(homotypic aggregation)は生物学的な活性過程であり、それにより細胞は刺激されて互いに接着する。凝集アッセイは以下のように設定した。105の細胞を200 ilコンプリートRPMI中で様々な濃度のDMF10.62.3あるいはハムスターIgGと共にあるいは抗体を用いずにインキベートした。阻害剤の効果を試験するために、105の細胞を阻害剤と共に30分間プレインキベートして、そしてDMF10.62.3 mAb(10μg/ml)を6時間阻害剤の継続的な存在下で加えた。凝集に対するパラホルムアルデヒドの効果を試験するために、細胞を10分間1%パラホルムアルデヒド中で固定して、洗浄して、そしてDMF10.62.3を6時間加えた。凝集は視覚的に点数をつけた。顕微鏡写真は熱電気的冷却電荷結合素子(CCD)カメラ(Princeton Instruments,Trenton,NJ)を使用して6時間の時点で撮影した。DMF10.62.3は培養においてE710.2.3の同型的凝集を誘導することが見出された。6時間の時点で、顕著な凝集が5μg/mlあるいはそれ以上の抗体で処理した細胞で観察された。対して、ハムスターIgGあるいは培地で処理した培養物には凝集は観察されなかった。この凝集は、アクチン微小フィラメントを破壊するサイトカラシンB、カルモジュリン依存性過程を阻害するトリフルオペラジン、ATP合成を阻害するNaアジド+2デオキシグルコース、及びCa2+及びMg2+をキレートするEDTAを含む様々な濃度の薬剤で処理することによりブロックされた。対して、凝集は微小管形成を阻害するコルヒチンには影響されなかった。凝集は4℃でのインキベーション及びパラホルムアルデヒドでの処理によっても阻害された(表V)。これらの結果から、凝集は活動的な過程であり単一の凝集ではないことが示される。
【0098】
【表5】

【0099】
DMF10.62.3は、DMF10.62.3結合タンパク質を発現するいくつかの他の細胞株(例えば、RMA−S、CTLL)の同型的凝集も引き起こした。しかし、バックグランド以上の凝集は、いくつかの他のDMF10.62.3陽性細胞株(例えば、Jurkat、LB27.4、A20、143Btk−)に関してはほとんど見られなかった。DMF10.62.3が結合しないRF33.70では凝集は見られなかった。
【0100】
凝集アッセイは、新規抗体が本発明の新規抗腫瘍抗体の1つであるかどうかを決定するのを助けるために使用できる。
【0101】
実施例6:DMF10.62.3はGPI結合性でない40kDaタンパク質を免疫沈降する
DMF10.62.3により結合されるタンパク質を特徴づけるために、以下のように35S標識化及び免疫沈降を行った。5 x 106のE710.2.3細胞をメチオニン除去培地にて1時間欠乏(starve)させて、そして0.5 mCi/mlの35S メチオニンと共に2時間インキベートした。標識化細胞は、Townsendら((1990)J.Immunol 146:2235)により記載されるように免疫沈降緩衝液中で融解した。不純物を除いた融解物はハムスターIgGで事前浄化し(preclear)、プロテインAセファロース結合DMF10.62.3を用いて免疫沈降して、14%ゲルでのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により解析した。DMF10.62.3結合タンパク質の分子量を決定するために、E710.2.3細胞を35S メチオニンと共に2時間標識化した。標識化細胞由来の免疫沈降物は、還元状態のもとでSDS−PAGEにより解析した。
【0102】
mAb DMF10.62.3は、還元状態のもとでE710.2.3由来の約40kDaタンパク質を免疫沈降した。このタンパク質の電気泳動移動度は、非還元状態のもとでも変わらなかった。このバンドは正常ハムスターIgGを用いた免疫沈降物、あるいは抗MHCクラスI抗体、Y−3を用いた免疫沈降物には見られなかった。40kDaタンパク質は、表面標識化E710.2.3及びRMA−S細胞の融解物中でも同定された。
Thy−1及びLy−6 A/Eなどのいくつかの細胞表面分子は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーにより細胞表面に結合する。この表面結合はPI−PLCでの処理に感受性がある。DMF10.62.3に認識されるタンパク質がGPI結合性かどうかを決定するために、細胞表面にタンパク質を発現するRMA−S細胞をPI−PLCで処理した。PI−PLC処理によりDMF10.62.3染色は衰えなかったが、GPI結合分子Thy−1に関する染色は減少した;DMF10.62.3に認識される40kDaタンパク質は、GPIにより細胞表面に繋がれているのではないことが示唆される。
【0103】
実施例7:DMF62.3抗体のin vivoでの効果
AKRマウスに5 x 106の同系のE710.2.3腫瘍細胞をIVあるいはIPで注射して、塩水あるいは0.5 mgの対照あるいはDMF62.3抗体のIP注射を初日及び再度10日後に与えた。動物の生存は50日間追跡した(表VI)。
【0104】
【表6】

【0105】
寄託申告(Deposit Statement)
モノクローナル抗体DMF10.62.3を生産するハイブリドーマ細胞株は、1999年7月20日にAmerican Type Culture Collection(ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, VAにより受理され(ATCC番号PTA−307)、モノクローナル抗体DMF10.167.4及びDMF10.34.36を生産するハイブリドーマ細胞株は、1999年7月22日にAmerican Type Culture Collection(ATCC), 10801 University Boulevard,Manassas,VAにより受理された(それぞれATCC番号PTA−405及びPTA−404)。ハイブリドーマは、37 CFR 1.14及び35 USC 122のもとでそれに対して権利を与えるために、特許及び商標委員によって決定されるものにそれらを開示する特許出願が未決の間は、ハイブリドーマへの接触が有効であることを保証する、という条件の下で寄託されている。寄託は、主題の出願の対照、あるいはその所産が提出される国において、外国の特許法により要求されるときに有効である。しかし、寄託の有効性は、政府の決定により認められる特許権利の減損において主題の発明を実行するための許可は継続しないことを理解されるべきである。
【0106】
さらに、主題の培養の寄託は、微生物の寄託についてのブタペスト条約の規定に合わせて、保存されて公共に利用できる、すなわち、それらは寄託の試料の供給の最も最近の要求の後少なくとも5年間、及びいかなる場合でも、寄託した日の後少なくとも30年間、あるいは培養を開示することを発するいかなる特許の実施可能な生命にとって、寄託からの試料の最後の要求の後さらに5年間、それらを生存させてコンタミをしないようにし続けるために必要なあらゆる配慮をもって保存されるであろう。寄託者は、受託者が試料を要求したとき寄託の状態のために試料が供給できない寄託は戻さなければならないという義務を承認する。社会に対する主題の培養寄託の有効性におけるあらゆる制限は、それらを開示する特許の承認の上変更できないよう除去されるであろう
その他の態様
本発明はその詳細な記述に関連して記載されているが、先の記述は説明を意図して折り本発明の範囲を限定するものではなく、それは添付の請求項の範囲により定義される。その他の観点、利点、及び修飾は次の請求項の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1A−Dは、DMF10.62.3により検出される、E710.2.3(図1A)、A20(図1B)、Jurkat(図1C)、及び、RF33.70(図1D)における、40kDa蛋白の発現を示す4つのフローサイトメトリーのグラフである。
【図2】図2A−Dは、DMF10.62.3により検出される、14日の胎児胸腺(図2A)、総成人脾臓(図2B), 総成人胸腺(図2C)、及び総成人骨髄(図2D)における、40kDa蛋白の発現を示す4つのフローサイトメトリーのグラフである。
【図3】図3A−Gは、DMF10.62.3により検出される、未刺激でフレッシュに回収されたT及びB細胞(図3A)、24時間活性化されたT細胞(図3B)、48時間活性化されたT細胞(図3C)、72時間活性化されたT細胞(図3D)、24時間活性化された脾臓B細胞(図3E)、48時間活性化された脾臓B細胞(図3F)、及び72時間活性化された脾臓B細胞(図3G)における、40kDa蛋白の発現を示す7つのフローサイトメトリーのグラフである。
【図4】図4A−Cは、モノクロ−ナル抗体DMF10.62.3による、E710.2.3細胞(図4A)、RMA−S細胞(図4B)、または、RF33.70細胞(図4C)の、自発的な増殖の阻害を示す3つの線グラフである。
【図5】図5A−Iは、1μg/mlのDMF10.62.3で1時間(図5A)、1μg/mlのDMF10.62.3で2時間(図5B)、1μg/mlのDMF10.62.3で3時間(図5C)、ハムスターIgGで3時間(図5D)、15μg/mlのDMF10.62.3で1時間(図5E)、15μg/mlのDMF10.62.3で2時間(図5F)、15μg/mlのDMF10.62.3で3時間(図5G)、ハムスターIgGで3時間(図5H)、及び、抗体なしで(図5I)処理したE710.2.3細胞における、アポトーシスの誘導を示す9つのフローサイトメトリーのグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から成る群:
(i)抗体DMF10.167.4の相補性決定領域を有するヒト化抗体;
(ii)抗体DMF10.62.3の相補性決定領域を有するヒト化抗体;
(iii)抗体DMF10.34.36の相補性決定領域を有するヒト化抗体;
(iv)ヒトの軽鎖及び重鎖の定常領域と抗体DMF10.167.4の軽鎖及び重鎖の可変領域とを有するキメラ抗体;
(v)ヒトの軽鎖及び重鎖の定常領域と抗体DMF10.62.3の軽鎖及び重鎖の可変領域とを有するキメラ抗体;
(vi)ヒトの軽鎖及び重鎖の定常領域と抗体DMF10.34.36の軽鎖及び重鎖の可変領域とを有するキメラ抗体;
(vii)ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−405によって生産されるモノクローナル抗体DMF10.167.4;
(viii)ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−377によって生産されるモノクローナル抗体DMF10.62.3;及び
(ix)ハイブリドーマ細胞株ATCC番号PTA−404によって生産されるモノクローナル抗体DMF10.34.36、
より選択される、単離抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
抗体又はその抗原結合断片が細胞に結合した場合に同型の細胞凝集を誘導する、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項3】
抗体又はその抗原結合断片が結合する細胞においてアポトーシスを誘導する、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項4】
抗体又はその抗原結合断片が、E710.2.3、RMA−S、CTLL、LB17.4、A20、WEHI−231、PBK101A2、C2.3、B16、MC57、WOP−3027、293T、143Btk、Jurkat、及びCosから成る群より選択される1種以上の腫瘍細胞株に特異的に結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項5】
抗体がE710.2.3細胞に特異的に結合する、請求項4に記載の単離抗体。
【請求項6】
検出可能な標識を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単離抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
検出可能な標識が、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、及び放射性物質から成る群より選択される、請求項6に記載の単離抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
モノクローナル抗体DMF10.167.4、DMF10.62.3、又はDMF10.34.36によって結合されたエピトープに結合する、単離抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
細胞株ATCC番号PTA−405、ATCC番号PTA−377、及びATCC番号PTA−404から成る群より選択される、ハイブリドーマ細胞株。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の単離抗体又はその抗原結合断片及び薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の単離抗体又はその抗原結合断片を含む、腫瘍細胞増殖を阻害するための医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の単離抗体又はその抗原結合断片を含む、細胞においてアポトーシスを誘導するための医薬組成物。
【請求項13】
細胞が、胸腺リンパ腫、T細胞腫、B細胞リンパ腫、メラノーマ、骨肉腫、及び急性T細胞白血病から成る群より選択される腫瘍細胞である、請求項11又は12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
細胞がin vitro又はin vivoである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片及びその使用説明書を含むキット。
【請求項16】
胸腺リンパ腫、T細胞腫、B細胞リンパ腫、メラノーマ、骨肉腫、又は急性T細胞白血病から成る群より選択される腫瘍を検出するための、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
機能基に結合した請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含む腫瘍細胞標的薬剤であって、機能基は、細胞毒、放射性核種、放射性同位体、化学療法剤、及び造影剤から成る群より選択される、前記薬剤。
【請求項18】
被験者の腫瘍細胞に機能基を選択的に運搬するための、請求項17に記載の腫瘍標的薬剤。
【請求項19】
抗体タンパク質複合体の形成を可能にするのに十分な時間及び条件下でタンパク質を含む試料を請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片に接触させること;
必要な場合は、試料から複合体を除去すること;及び
前記複合体からタンパク質を除去し、それによりタンパク質を単離すること、
を含む、タンパク質を単離するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−219477(P2011−219477A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103871(P2011−103871)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【分割の表示】特願2001−521950(P2001−521950)の分割
【原出願日】平成12年7月18日(2000.7.18)
【出願人】(505231659)ユニバーシティ オブ マサチューセッツ (23)
【Fターム(参考)】