説明

抗菌、脱臭、保冷機能を備えた遺体保存安置布団

【課題】 遺体安置布団の機能を抗菌、脱臭、保冷機能を一体化する事により、腐敗に伴う異臭防止と遺体の損傷防止となり良好な状態を長時間保つことが可能な抗菌、脱臭、保冷機能を備えた遺体保存安置布団を得る。
【解決手段】 遺体の胴体部に保冷剤を収納する断熱部材からなる保冷袋を設け、遺体と接する遺体の首下全体を覆う防腐布を設け、この防腐布に炭化珪素又は酸化珪素50乃至70%重量、酸化アルミニュウム15乃至25%重量、酸化チタン5乃至10%重量の割合で焼成されてなる超微粒状抗菌セラミックス粉体を含着させたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は遺体の良好な保存を長時間持続させるために、保冷機能を持ち、抗菌、脱臭効果によって、遺体の保存効果を高める、遺体安置布団に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日までの遺体安置は専用の掛布団、敷布団に安置しドライアイス、又は保冷剤を遺体の両横に設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−126404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の遺体安置方法は、異臭発生と雑菌発生に伴う遺体の腐敗の進行防止が困難であり、また経済的負担も大きく、精神的、実務的労働負担となっている。また特殊薬剤を白い小袖の死に装束などに含浸または包含、あるいはコーティングするための準備をする必要があり、般用的に入手が困難である。
【0005】
この発明は上述のような問題を解決するためになされたもので、遺体安置布団に遺体の長時間保冷機能と抗菌、脱臭効果を兼ね備え一体化した遺体保存安置布団を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の遺体保存安置布団は、遺体の胴体部に保冷剤を収納する断熱材からなる保冷袋を設け、遺体と接する遺体の首下全体を覆う防腐布を設け、この防腐布は炭化珪素又は、炭化珪素50乃至70%重量、酸化アルミニュウム15乃至25%重量、酸化チタン5乃至10%重量の割合で焼成されてなる超微粒状抗菌セラミックス粉体を含着させたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の抗菌、脱臭、保冷機能を備えた遺体保存安置布団は、遺体を安置する布団本体であることは勿論であり、遺体安置布団本体に断熱材で袋状にした機能を設けたことによって、専用の保冷剤の保冷効果時間が長時間保つことが可能となり、しかも遠赤外線とマイナスイオンが発生する特殊セラミックスを定着させた紙繊布を遺体に接触する面にすることによって、抗菌効果と脱臭効果と保冷効果のトリプル効果により、遺体を長時間安置しても腐敗の進行防止と異臭防止を可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 この発明の実施形態1を示す遺体保存安置布団の裏面図である。
【図2】 この発明の実施形態1を示す遺体保存安置布団の記号A−Aに沿う一部切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1は、この発明の一実施の形態を示す抗菌、脱臭、保冷機能を備えた遺体保存安置布団の裏面図である。図2は、図1に示す遺体保存安置布団の一部切欠断面図である。図において、1は布団本体であり、表面はテトロンの布生地である。2は万一水滴が発生した場合に、遺体の濡れ防止と布団本体1の布団表面の布生地が濡れないようにするための紙繊布である。3は発泡ポリエチレンとアルミ蒸着フィルムの断熱素材で形成した保冷袋である。4は保冷袋3によって作られた、保冷剤を長時間に渡って冷めたい状態で保管する保冷袋3の内部である。5は紙繊布2に特殊セラミックスを含着させた防腐布であり、特殊セラミックスからの遠赤外線とマイナスイオンの作用がある、防腐布5は布団本体1の表面布生地の一部として縫製されている。6は断熱材で形成した保冷袋3が布団本体1から離脱しないための縫付である。7は保冷剤の出し入れを容易にすると共に保冷剤が保冷袋3から安易に出ないためのファスナーである。8は布団本体1の中綿である。保冷袋3の防腐布5側は遺体に冷気を伝え易くするために、弱断熱素材とする。
【0010】
このように構成された抗菌、脱臭、保冷機能を備えた遺体保存安置布団においては、布団本体1を遺体安置専用布団として使用することは勿論ではあるが、遺体保存安置布団の中に一体化した断熱部材で作られた保冷袋3によって、保冷剤の冷気を長時間逃がす事無く保存され、紙繊布2によって水滴が発生した場合は吸収し、防腐布5に特殊セラミックスを定着させた防腐布5によって、セラミックスが発する遠赤外線とマイナスイオンの作用により遺体が濡れる状態を防ぐことも出来ると同時に、最大の目的は抗菌効果と脱臭効果と保冷袋3によって形成された、保冷剤収納内部4に保冷剤を挿入し、保冷袋3の弱断熱素材からの冷気伝導により、遺体の長時間保冷効果が保たれる三つの機能の働きにより、遺体より発生する異臭防止と腐敗の抑制をすることが可能となり、衛生管理上遺体を、良好な状態で安置することが出来る。またこの発明の布団は遺体の上部だけでなく、下部にも用いて両面からの使用が可能である。
【0011】
上述の特殊セラミックスは、炭化珪素又は酸化珪素50乃至70%重量、酸化アルミニュウム15乃至25%重量、酸化チタン5乃至10%重量の割合で焼成されてなる超微粒状抗菌セラミックス粉体を含着させたものである
【符号の説明】
【0012】
1 布団本体
2 紙繊布
3 保冷袋
4 保冷剤収納部
5 防腐布
6 縫付
7 ファスナー
8 中綿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺体保存安置布団であって、遺体の胸部及び腹部に当たる部位に保冷剤を収納する断熱部材からなる保冷袋を設け、この保冷袋を含め遺体と接する遺体の首下全体を覆う防腐布からなり、この防腐布は紙繊布に炭化珪素又は酸化珪素50乃至70%重量、酸化アルミニュウム15乃至25%重量、酸化チタン5乃至10%重量の割合で焼成されてなる超微粒状抗菌セラミックス粉体を含着させた遺体保存安置布団。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−34818(P2013−34818A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185299(P2011−185299)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(511209734)
【Fターム(参考)】