抗菌キャビネット
【課題】バットの支持部分の製造に、バリ取り等の後加工が不要になるようにする。
【解決手段】内部に保管品を載せたバット1の両側縁1aを支持する左右の支持面18a,19aを有し、前面3aにバット1を出し入れする開口4が設けられた本体3と、開口4を開閉する扉5と、本体内に設けられた殺菌灯とを備え、左右の支持面18a,19aにはバット1の側縁1aが開口4側から差し込まれるバット1の側縁1aよりも若干広く形成された左右の支持用溝25,27がほぼ同じ高さの位置に設けられており、左右の支持用溝25,27は上下方向に間隔をあけて複数段設けられている。
【解決手段】内部に保管品を載せたバット1の両側縁1aを支持する左右の支持面18a,19aを有し、前面3aにバット1を出し入れする開口4が設けられた本体3と、開口4を開閉する扉5と、本体内に設けられた殺菌灯とを備え、左右の支持面18a,19aにはバット1の側縁1aが開口4側から差し込まれるバット1の側縁1aよりも若干広く形成された左右の支持用溝25,27がほぼ同じ高さの位置に設けられており、左右の支持用溝25,27は上下方向に間隔をあけて複数段設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば歯科治療用のピンセット、鉗子、歯科用ミラー等の治療器具を収容し、殺菌灯の光を照射しながら保管する抗菌キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
本体内にバットを上下に多段配置する抗菌キャビネットとして、例えば実用新案登録第3071006号公報に開示されたものがある。この抗菌キャビネットでは、図15に示すように、本体101内の左右の側面に複数段のレール102を形成し、左右の対となるレール102上にバット103の両側縁を載せることで複数枚のバット103を上下に多段配置している。
【0003】
レール102が形成される側壁は一般的にステンレス製の板材によって形成されており、レール102はステンレス製の板材を切り起こし加工することで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3071006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の抗菌キャビネットでは、レール102を切り起こし加工によって形成しているので、形成したレール102のそれぞれに対して切断面のバリ取り等の後加工を施す必要がある。特に、抗菌キャビネットでは、その性質上、収容空間104内を常に清潔に保つ必要があり、頻繁に清掃を行うことから使用者がレール102に触れる機会が多く、切り起こし加工の切断面を滑らかにしておく必要がある。そのため、バット103の支持部分の製造コストが増加する。また、バット103などは切り起こしたレール102の上部に載せ置かれているだけである為、振動等によってバット103等が暴れて外れ落ちる虞がある。この事で抗菌キャビネット内に保管された保管物もバラバラになる虞がある。
【0006】
本発明は、バットの支持部分の製造にバリ取り等の後加工が不要な抗菌キャビネットを提供することを目的とする。さらに、振動等でバット等が暴れる事のない抗菌キャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために請求項1記載の抗菌キャビネットは、内部にバット又は当該バットを載せるプレートの両側縁を支持する左右の支持面を有し、前面にバット又はバットおよびプレートを出し入れする開口が設けられた本体と、開口を開閉する扉とを備え、左右の支持面にはバット又はプレートの側縁が開口側から差し込まれるバット又はプレートの側縁よりも若干広く形成された支持用溝がほぼ同じ高さの位置に設けられており、左右の支持面の支持用溝は上下方向に間隔をあけて複数段設けられているものである。
【0008】
また、請求項2記載の抗菌キャビネットは、支持用溝の差し込み口部分には幅広となっているガイド部が設けられているものである。
【0009】
また、請求項3記載の抗菌キャビネットは、支持用溝の差し込み口部分に上下の段で異なる目印を設けたものである。
【0010】
さらに、請求項4記載の抗菌キャビネットは、左右の支持面は樹脂製であるものである。
【0011】
また、請求項5記載の抗菌キャビネットは、本体内には殺菌灯が設けられており、殺菌灯から照射される光を透過させる孔を左右の支持面に有しているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の抗菌キャビネットでは、バット又は当該バットを載せるプレートの両側縁を支持する左右の支持面に支持用溝を形成し、支持用溝にバット又はプレートの側縁を差し込むことでバット又はプレートを支持するようにしているので、バット又はプレートの支持構造部分にバリ取り等の後加工を施す必要がなくなり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。即ち、図15の抗菌キャビネットのように、切り起こし加工で形成されたレールは謂わば凸構造であり、突出する凸部分の表面を滑らかにする必要がある。これに対し、本発明では、支持面に形成した支持用溝でバット又はプレートを支持しており、バット又はプレートの支持構造部分が謂わば凹構造となる。そのため、表面に突出する部分がなくなり、バリ取り等の後加工が不要になる。また、そもそも支持用溝を形成する加工方法ではバリが発生することもない。そのため、バット又はプレートの支持構造部分の製造が容易となり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。
【0013】
また、バット又はプレートの支持構造部分を凹構造にすることで、清掃時に清掃道具が引っかかるような凸部分が存在しなくなるので、清掃が容易になる。さらに、バット又はプレートの側縁を凹部で上下から挟むような構造であり、バット又プレートの側縁を凸部に載せる構造に比べて、振動等によってバット又はプレートを外れ難くすることができる。
【0014】
さらに、支持溝の幅はバット又はプレートの側縁よりも若干広く形成されているので、支持溝への差し込み時のバット又はプレートの左右方向の傾斜を所定角度以内に抑えることができ、バット又はプレートの左右の段ずれを防止することができる。そのため、抗菌キャビネットの使い勝手が向上する。
【0015】
また、請求項2記載の抗菌キャビネットでは、支持用溝の差し込み口部分には幅広となっているガイド部が設けられているので、バット又はプレートの側縁を支持用溝に差し込む際にバット又はプレートの側縁を正確に位置決めしなくても支持用溝に差し込むことができ、バット又はプレートの差し込みが容易になる。そのため、抗菌キャビネットの使い勝手を更に向上させることができる。
【0016】
また、請求項3記載の抗菌キャビネットでは、支持用溝の差し込み口部分に上下の段で異なる目印が設けられているので、バット又はプレートの差し込み時に段ずれに気づきやすくなり、この点からも抗菌キャビネットの使い勝手を更に向上させることができる。
【0017】
さらに、請求項4記載の抗菌キャビネットでは、左右の支持面を樹脂製にしているので、左右の支持面への支持用溝の形成が容易であり、製造コストを減少させることができる。
【0018】
また、請求項5記載の抗菌キャビネットでは、殺菌灯からの照射光によって保管品の殺菌、滅菌を行うことができる。また、左右の支持面には殺菌灯の照射光を通す孔が設けられているので、殺菌灯の照射光を減衰させずに保管品に照射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の抗菌キャビネットの実施形態の一例を示し、扉を閉めた状態の正面図である。
【図2】同抗菌キャビネットの扉を開けた状態の正面図である。
【図3】同抗菌キャビネットの背面図である。
【図4】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図5】図2のY−Y線に沿う断面図である。
【図6】左右の支持面の支持用溝にバットを差し込んだ状態を示す断面図である。
【図7】殺菌灯を外に移動させた状態の抗菌キャビネットの側面図である。
【図8】外側支持板を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図9】内側支持板を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図10】バットの側縁を支持する支持用溝を示し、(A)は外側支持板を正面から見た図、(B)は外側支持板を前側(手前側)から見た図である。
【図11】バットの側縁を支持する支持用溝を示し、は外側支持板を後側(奥側)から見た図である。
【図12】左右の支持面の支持用溝によってバットの段ずれを防止する様子を説明するための図である。
【図13】本発明の抗菌キャビネットの他の実施形態を示し、左右に開閉するシャッタードアタイプの扉を示す斜視図である。
【図14】本発明の抗菌キャビネットの更に他の実施形態を示し、左右に開閉するスライドドアタイプの扉を示す斜視図である。
【図15】従来の抗菌キャビネットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の構成を図面に示す形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1〜図7に、本発明の抗菌キャビネットの実施形態の一例を示す。本実施形態の抗菌キャビネットは、歯科治療用のピンセット、鉗子、歯科用ミラー等の治療器具をバット1に載せた状態で収容し、殺菌灯2の光を照射しながら保管するものであり、内部に殺菌灯2が装着され、前面3aに保管品を出し入れする開口4が設けられた本体3と、開口4を開閉する扉5を備えている。本実施形態では本体3内の幅方向中央位置に殺菌灯2を配置し、殺菌灯2の両側に保管品の収容空間6を設けている。
【0022】
保管品は、例えば歯科治療用のピンセット、鉗子、歯科用ミラー等の治療器具であり、これらを載せるバット1も含む。
【0023】
本体3内には、殺菌灯2を点灯させる点灯器具7が設けられている。点灯器具7のソケット7aに殺菌灯2を装着することで殺菌灯装置8となる。点灯器具7のメインスイッチ9は使用者が操作しやすい位置、例えば本体3の前面3aの左下位置に設けられている。なお、図中符号10はグローランプである。本実施形態では蛍光灯タイプの殺菌灯2を使用しているが、蛍光灯タイプ以外の殺菌灯、例えばLED(発光ダイオード)タイプの殺菌灯を使用しても良い。殺菌灯装置8は、本体3内スペースの幅方向中央位置に立てた状態で配置され、移動手段11によって左右の支持部材12に取り付けられている。殺菌灯装置8は、殺菌灯2が本体3内スペースの前後方向中央に位置するように前後方向中央位置よりも若干手前側の位置に配置されている。即ち、殺菌灯2は本体3内スペースの前後方向にも左右方向にも中央に設けられているので、1本の殺菌灯2で左右の収容空間6を均等に照射することができると共に、各々の収容空間6内についても照射が偏らないようにしている。
【0024】
左右の支持部材12は移動手段11の揺動体13を挟むようにして床板15と天井板(図示省略)との間に取り付けられている。左右の支持部材12は例えば板状部材であり、殺菌灯2に対向する位置には大きな窓12aが形成されている。左右の支持部材12の奥側端は連結されている。左右の支持部材12は、例えば殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂で形成されている。このような樹脂としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等がある。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、樹脂以外の材料、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材を設けることが好ましい。保護材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、箔やシートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材を設けても良い。
【0025】
移動手段11は、殺菌灯2の交換時に殺菌灯2を開口4から本体3の外に移動させるもので、本実施形態では、殺菌灯装置8を支持する揺動体13と、揺動体13を左右の支持部材12に揺動可能に取り付けるシャフト14より構成されている。即ち、本実施形態の移動手段11は殺菌灯2を前方(手前側)に倒すことで殺菌灯2を開口4から外に移動させるようにしている。
【0026】
ただし、移動手段11は殺菌灯2を前方に倒すことで本体3の外に移動させるものには限られない。例えば、殺菌灯装置8を前方にスライドさせることで立てた状態のまま開口4から本体3の外に移動させるようにしても良く、その他の手段によって殺菌灯2を開口4から本体3の外に移動させるようにしても良い。また、殺菌灯装置8を外に移動させる電動モータを設け、使用者のスイッチ操作によって電動で本体3の外に移動させるようにしても良い。
【0027】
本実施形態では、揺動体13として、例えば殺菌灯装置8とほぼ同じ長さ、ほぼ同じ幅を有する角パイプを使用している。ただし、角パイプ以外のものを使用しても良い。揺動体13は床板15から浮かせた状態で設けられており、床板15に当たり殺菌灯装置8を立てた状態に止めるストッパ16が殺菌灯装置8の底面に設けられている。なお、ストッパ16を揺動体13の底面に設けても良い。
【0028】
また、揺動体13には使用者が指を差し込む操作部13aが設けられている。本実施形態では、操作部13aとして揺動体13の手前側面の上端に切り欠きが設けられている。使用者は操作部13aに指を引っかけることで、揺動体13を容易に手前側に倒すことができる。
【0029】
なお、殺菌灯装置8を揺動体13に直接取り付けても良いが、本実施形態では揺動体13に殺菌灯ホルダ17を取り付け、殺菌灯ホルダ17に殺菌灯装置8を取り付けている。殺菌灯ホルダ17には予備の殺菌灯(図示省略)が取り付けられており、使用中の殺菌灯2の交換が必要になった時に迅速に交換できるようにしている。殺菌灯2を迅速に交換できるので、殺菌灯装置8の使用をすぐに再開することができる。殺菌灯ホルダ17を揺動体13と殺菌灯装置8との間に設けることで、左右の収容空間6の間の謂わばデッドスペースを有効に活用することができると共に、邪魔にならず且つすぐに取り出すことができ、しかも分かりやすい位置に予備の殺菌灯を保管しておくことができる。
【0030】
なお、揺動体13および殺菌灯ホルダ17には殺菌灯2の照射光は当たらない構成であるが、殺菌灯2の照射光が当たる場合には、外側支持板18および内側支持板19と同様の照射光によって劣化し難い材料で形成することが好ましい。
【0031】
ただし、殺菌灯ホルダ17を別の位置に設けても良い。また、殺菌灯ホルダ17を設けなくても良い。さらに、予備のグローランプを保管しておくホルダを設けても良い。
【0032】
保管品を収容する収容空間6は殺菌灯装置8の左右両側にそれぞれ設けられている。各収容空間6の左右には外側支持板18と内側支持板19が、上下には上側反射板20と下側反射板21が、前後には扉5と背側反射板22がそれぞれ設けられている。即ち、左右の収容空間6はこれら6面によって囲まれた空間である。左右の収容空間6は殺菌灯装置8を挟んで左右対称の構造になっている。ここでは、片方の収容空間6について説明し、もう片方の収容空間6についての説明は省略する。
【0033】
外側支持板18を図8に示す。外側支持板18は、バット1を支持する支持面18aの前後部分を幅方向外側に折り曲げた断面コ字形状をなした板材であり、本体3の側板3bに嵌め込まれると共にねじ止めされている。
【0034】
支持面18aにはバット1の側縁1aが開口4側から差し込まれる支持用溝25が設けられている。本実施形態ではバット1の収容枚数を18枚としているので、上下方向に一定の間隔をあけて18段の支持用溝25が設けられている。ただし、必ずしも支持用溝25の段数は18段に限るものではなく、バット1の収容枚数に応じて適宜変更可能である。また、各段の支持用溝25の間隔は等間隔でなくても良い。
【0035】
本実施形態では、左右2つの収容空間6を設けているので、18段の収容空間6を2列設けている。
【0036】
外側支持板18の上下の支持用溝25の間には殺菌灯2から照射された光を通過させる孔18bが多数設けられている。本実施例では孔形状は楕円形状であるが、孔形状は楕円に限らず、丸形状でも四角形状であっても構わない。開口した孔から殺菌灯から照射された光を通過させる事ができればよいだけである。また、外側支持板18の裏面(支持面18aに対して反対側の面)には、殺菌灯2の光を収容空間6側に反射する反射板26が重ね合わされて固定されている。ただし、外側支持板18自体が殺菌灯2の光を良好に反射させるものである場合には、孔18bの形成と反射板26を省略し、外側支持板18自体を反射板として利用することが好ましい。
【0037】
内側支持板19を図9に示す。内側支持板19は、バット1を支持する支持面19aの前後部分を幅方向殺菌灯2側に折り曲げた断面コ字形状をなした板材であり、支持部材12の脇に配置され、天井板および床板15に取り付けられている。
【0038】
支持面19aにはバット1の側縁1aが開口4側から差し込まれる支持用溝27、即ち、外側支持板18の支持面18aの支持用溝25と対を成す支持用溝27が設けられている。本実施形態ではバット1の収容枚数を18枚としているので、上下方向に一定の間隔をあけて18段の支持用溝27が設けられている。ただし、必ずしも支持用溝27の段数は18段に限るものではなく、バット1の収容枚数に応じて適宜変更可能である。また、各段の支持用溝27の間隔は等間隔でなくても良い。
【0039】
内側支持板19の上下の支持用溝27の間には殺菌灯2から照射された光を通過させる孔19bが多数設けられている。本実施例では孔形状は楕円形状であるが、孔形状は楕円に限らず、丸形状でも四角形状であっても構わない。開口した孔から殺菌灯から照射された光を通過させる事ができればよいだけである。また、内側支持板19の裏面(殺菌灯2側の面)の窓12aを塞がない位置、即ち殺菌灯2からの光の照射を妨げない位置には、殺菌灯2の光を収容空間6側に反射する反射板28が重ね合わされて固定されている。ただし、内側支持板19自体が殺菌灯2の光を良好に反射させるものである場合には、反射板28が重ねられている領域については孔19bの形成と反射板28を省略し、内側支持板19自体を反射板として利用することが好ましい。
【0040】
本実施形態では、外側支持板18および内側支持板19を樹脂によって形成している。外側支持板18および内側支持板19を樹脂製にすることで、支持用溝25,27を安価に形成することできると共に、バリ取り等の後工程の不要な支持用溝25,27を形成するのが容易である。使用する樹脂としては、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難いもの、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等の使用が好ましい。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合や、使用する材料が照射光を十分に反射させることができないものである場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材や、反射膜,反射シート等の反射材を設けることが好ましい。なお、一般的には保護材と反射材とは共通のものとなる。保護材、反射材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、アルミ箔等の金属箔の貼付、ミラーシートや保護シートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料や照射光を十分に反射させることができる材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材や反射材を設けても良い。
【0041】
外側支持板18の支持面18aと内側支持板19の支持面19a、即ち左右の支持面18a,19aは向かい合っており、バット1の長辺の長さとほぼ同じ間隔をあけて配置されている。各支持面18a,19aの対となる支持用溝25,27はほぼ同じ高さ(同じ高さ又は同じと同一視できる高さ)の位置に設けられている。支持用溝25,27の形状を図8〜図11に示す。本実施形態の支持用溝25,27には、差し込み時のバット1の左右の段ずれ、即ち、バット1の左右の側縁1aが異なる段の支持用溝25,27に差し込まれる現象を防止する幅狭部25a,27aが設けられている。幅狭部25a,27aの幅はバット1の側縁1bよりも若干広く形成されている。幅狭部25a,27aは差し込まれたバット1の左右方向の傾斜を所定角度θ以内に抑えるもので、図12に示すように、仮にバット1が傾くことができる最大の角度θまで傾斜した場合であっても、左右の支持用溝25,27間で段ずれが生じないようになっている。即ち、幅狭部25a,27aの幅Wおよび深さDは、バット1の傾斜できる最大の角度θを段ずれを防止できるサイズになっている。
【0042】
なお、本実施形態では、後述の差し込み口部分25b,27b以外の部分を幅狭部25a,27aとし、幅狭部25a,27bを連続した長いものとしているが、短い幅狭部25aを間隔をあけて部分的に設けても良い。
【0043】
また、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bは幅広のガイド部となっている。即ち、前側(手前側)ほど支持用溝25,27の幅Wが拡がっている。差し込み口部分(ガイド部)25b,27bの幅Wを広くすることで、差し込むバット1の高さが多少上下にずれていても、バット1を支持用溝25,27に差し込むことができると共に、バット1を奥に進めることでその高さを正確な高さに修正するので、バット1の支持用溝25,27への差し込みが容易である。
【0044】
なお、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bをバット1の差し込みを容易にする幅広(前側ほど幅Wを拡がる)のガイド部にしていたが、必ずしもガイド部を設ける必要はなく、そのまま同じ幅Wで奥へと続くようにしても良い。
【0045】
また、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bに上下の段で異なる目印33(図10)を設けている。上下の段で異なる目印33を設けることで、バット1の差し込み時に左右の支持用溝25,27を見比べることで左右の段ずれに気づき易くなり、段ずれの発生防止を図ることができる。目印33としては、例えば、差し込み口部分25b,27bの形状の相違、色の相違(異なる色を付ける、色を付ける段と付けない段、等)、記号・マークの付加(異なる記号・マークを付ける、記号・マークを付ける段と付けない段、等)があるがこれらに限られない。本実施形態では目印33として、差し込み口部分25b,27bの形状を相違させている。より具体的には、差し込み口部分25b,27bの形状として角を丸めたAタイプ(図10の最上段の差し込み口部分25bの目印33)と角を残したBタイプ(図10の上から2段目の差し込み口部分25bの目印33)の2種類の形状を準備し、差し込み口部分25b,27bの形状を上下の段で交互に変えている。
【0046】
なお、上下の段の差し込み口部分25b,27bの形状を相違させる手段としては上述の様に角の形状を変えるものを採用しても良いが、必ずしもこれに限られない。例えば、差し込み口部分25b,27bの先端の位置を前後にずらす(例えば、1段おきに引っ込める)ようにしても良いし、その他でも良い。
【0047】
また、本実施形態では、バット1の左右の段ずれ防止を図る目印33を設けていたが、目印33を省略しても良い。
【0048】
また、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bは深さDが深くなっている。即ち、前側(手前側)ほど支持用溝25,27の深さDが深くなっている。そのため、差し込むバット1の左右方向の位置が多少ずれていても、バット1を支持用溝25,27に差し込むことができると共に、バット1を奥に進めることでその位置を修正するので、バット1の支持用溝25,27への差し込みが容易である。
【0049】
なお、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bの深さDを前側ほど深くしてバット1の差し込みを容易にしていたが、必ずしもこのように深さDを変化させる必要はなく、そのまま同じ深さDで奥へと続くようにしても良い。
【0050】
各段の支持用溝25,27にバット1の両側縁1aを差し込むことで、最大18段のバット1を上下に間隔をあけて並べることができる。
【0051】
支持用溝25,27は、各支持板18,19の成型時に同時に形成しても良いし、後から溝加工しても良く、その他の手段で加工しても良い。
【0052】
また、本実施形態では、左右の支持面18a,19aの対向する位置に孔34を設けており、図示しない支持棒を各孔34間に渡し、治療器具を吊り下げることができるようにしている。即ち、治療器具をバット1に載せず、支持棒に直接吊り下げることもできる。このように左右の支持面18a,19aに孔34を設けておくことで、必要に応じて支持棒の使用を可能にし、バット1に載せた状態での保管と支持棒に吊り下げた状態での保管とを併用することができるので、抗菌キャビネットが更に使いやすいものとなる。ただし、孔34を省略し、バット1に載せた状態での保管専用にしても良い。
【0053】
下側反射板21は床板15の外側支持板18と内側支持板19との間の部位に取り付けられている。また、上側反射板20は天井板の外側支持板18と内側支持板19との間の部位に取り付けられている。
【0054】
本実施形態では、本体3の前面3aの開口4を開閉する扉5としてシャッタードア(以下、シャッタードア5という)を使用しており、シャッタードア5を開口4に沿って開閉させるガイド手段29はシャッタードア5の両側縁1aを案内する左右一対のガイドレール(以下、ガイドレール29という)である。ガイドレール29を図4〜図6に示す。左右一対のガイドレール29は、本体3の左右の側板3bの内側面に取り付けられている。各ガイドレール29は側板3bの前側縁から上端縁を通って後側縁へと連続しており、開扉時にシャッタードア5を本体3内に収容する。シャッタードア5がガイドレール29に沿って後方に移動することで開口4が開き(開扉)、逆に前方に移動することで開口4が閉じられる(閉扉)。本実施形態では、左右のガイドレール29は中央が高く、その前後が下がっている。したがって、シャッタードア5を開けるために使用者がシャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで持ち上げると、シャッタードア5の重心がガイドレール29の後側の垂直部分29aに到達し、シャッタードア5は自重によって後方に移動する。即ち、シャッタードア5の前部が自動的に上昇する。一方、シャッタードア5を閉じるために使用者がシャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで下げると、シャッタードア5の重心がガイドレール29の前側の垂直部分29bに到達し、シャッタードア5は自重によって前方に移動する。即ち、シャッタードア5の前部が自動的に下降する。このように、シャッタードア5を所謂半自動的に開閉させることができるため、シャッタードア5の開閉が容易になると共に、使用者の開閉操作をアシストすることができる。これらのため、抗菌キャビネットの使い勝手が更に良くなる。また、シャッタードア5の閉め忘れを確実に防止することができ、衛生的にも良好である。
【0055】
シャッタードア5は多数の遮蔽板を互いに揺動可能に連結したもので、各遮蔽板は、例えば殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂で形成されている。このような樹脂としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等がある。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、樹脂以外の材料、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材を設けることが好ましい。保護材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、箔やシートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材を設けても良い。
【0056】
また、シャッタードア5の遮蔽板を殺菌灯2の照射光を透過させる材料で形成した場合には、後述するようにシャッタードア5を点灯確認手段として利用することができる。上述の材料のうち殺菌灯2の照射光を透過させるものとしては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の樹脂や、ガラス等がある。
【0057】
また、ガイドレール29は、例えば殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂で形成されている。このような樹脂としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等の使用が好ましい。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合や、使用する材料が照射光を十分に反射させることができないものである場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材や、反射膜,反射シート等の反射材を設けることが好ましい。なお、一般的には保護材と反射材とは共通のものとなる。保護材、反射材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、アルミ箔等の金属箔の貼付、ミラーシートや保護シートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料や照射光を十分に反射させることができる材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材や反射材を設けても良い。
【0058】
抗菌キャビネットには、シャッタードア5を閉じた状態で殺菌灯2の点灯を目視によって確認できる点灯確認手段が設けられている。本実施形態では点灯確認手段としてシャッタードア5を光透過性(殺菌灯2からの照射光を透過させる)にし、シャッタードア5を通して殺菌灯2の点灯を確認できるようにしている。ここで、シャッタードア5の全面を光透過性にしても良いし、シャッタードア5の一部を光透過性にしても良い。シャッタードア5の全面を光透過性にする手段としては、例えば各遮蔽板を光透過性の材料により形成することがある。また、シャッタードア5の一部を光透過性にする手段としては、例えば、遮蔽板の一部を光透過性の材料で形成すると共に、残りの遮蔽板を照射光を透過させない材料で形成することや、各遮蔽板を光透過性の材料で形成すると共に、一部の遮蔽板の裏面に反射材を設けて照射光の透過を遮ることが考えられる。ここで、反射材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、アルミ箔等の金属箔の貼付、ミラーシートの貼付等が考えられる。また、照射光を透過させない材料で形成した遮蔽板の裏面に更に反射材を設けても良い。なお、点灯確認手段を通じて本体3の外に漏れ出る殺菌灯2の照射光はシャッタードア5の透過時に減衰されており、使用者が目視しても安全である。
【0059】
なお、シャッタードア5の一部を光透過性にすることで、照射光が見える部分と見えない部分とで模様を形成することができる。例えば、シャッタードア5の一部の遮蔽板の裏面にミラーシート等の反射材を設け、反射材を設けた遮蔽板と設けていない遮蔽板との配置によってシャッタードア5のデザインを種々変化させることができる。
【0060】
なお、点灯確認手段はシャッタードア5の全部又は一部の遮蔽板を光透過性の材料で形成することに限られず、例えばシャッタードア5又は本体3に窓を設けても良い。
【0061】
抗菌キャビネットには、シャッタードア5を開けると殺菌灯2が消され、閉じると殺菌灯2が点けられる点灯スイッチ30が設けられている。点灯スイッチ30は例えばシャッタードア5の開閉を検出するスイッチであり、例えば閉扉時にシャッタードア5の前端5aが当たる位置、例えば床板15の前部中央位置に設けられている。シャッタードア5が閉められると、点灯スイッチ30の操作部はシャッタードア5の前端5aによって床板15内に押し込められる。これにより、点灯スイッチ30がオンとなって殺菌灯2が点灯される。また、シャッタードア5が開けられると、点灯スイッチ30の操作部は図示しないばね等の付勢手段によって床板15内から上方へと突出する。これにより点灯スイッチ30がオフとなり殺菌灯2が消灯される。シャッタードア5が完全に閉まらなければ殺菌灯2は点灯しないので、殺菌灯2の照射光が使用者の目に直接入ることが無く、より安全性に優れている。また、殺菌灯2の点灯によりシャッタードア5がきちんと閉じたことを確認することができる。
【0062】
ただし、点灯スイッチ30を設ける位置は上述の位置に限るものではなく、シャッタードア5の閉扉時にオン操作される位置であれば特に制限されない。
【0063】
また、点灯スイッチ30の構成はこれに限るものではなく、シャッタードア5の開閉を検出できるものであれば、他の構成でも構わない。例えば、シャッタードア5を閉めることでシャッタードア5の前端5aに設けた電極と床板15に設けた電極とが接触して、又はシャッタードア5の側面に設けた電極と閉扉時に当該電極に接触する位置に設けた電極とが接触して殺菌灯2を点灯させる構成等でも良い。あるいは、光,磁気等によりシャッタードア5の開閉を検知するセンサスイッチを使用しても良い。
【0064】
本体3の背面には殺菌灯装置8の電源コード(図示省略)を引き出す孔31が設けられている。本実施形態では背面の四隅に孔31を設けており、いずれか1つの孔31を選択して電源コードを引き出している。四隅に孔31を設けることで、抗菌キャビネットの設置場所の電気コンセントの位置等に応じて電源コードを引き出す位置を適宜選択することができ、見た目の悪化と電源コードが邪魔になることを防止している。ただし、孔31を設ける位置は背面の四隅に限るものではなく、他の位置に孔31を設けても良い。また、背面以外、例えば側面、底面、上面等に孔31を設けても良い。さらに、孔31の数は4つに限るものではなく、1つ、2つ、3つ、あるいは5つ以上でも良い。
【0065】
また、本体3の背面には壁掛け用のブラケット32が設けられている。このブラケット32を使用して抗菌キャビネットを壁に掛けても良いし、ブラケット32を使用せずに台等の上に載せるようにしても良い。
【0066】
次に、抗菌キャビネットの使用について説明する。抗菌キャビネットは、治療器具を載せたバット1を左右の収容空間6内に上下方向に多段に並べて保管する。各バット1は外側支持板18の支持面18aに設けられた支持用溝25と内側支持板19の支持面19aに設けられた支持用溝27、即ち左右の支持用溝25,27に差し込まれる。左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bは、上下方向(幅W方向)および左右方向(深さD方向)に拡がっている。そのため、使用者がバット1の側縁1aの先端を正確に位置決めしなくても差し込み口部分25b,27bに差し込むことができ、バット1の支持用溝25,27への差し込みが容易である。
【0067】
また、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bの形状は上下の段で異なっているので、即ち上下の段で異なる目印33が設けられているので、バット1差し込み時に上下の段の支持用溝25,27を見比べることで左右の段ずれに気づき易くなり、段ずれの発生防止を図ることができる。
【0068】
バット1の両側縁1aを支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bに差し込んだ後、バット1を奥に押し込むことでバット1の両側縁1aが支持用溝25,27の幅狭部25a,27aへと進められる。ここで、幅狭部25a,27aの幅Wおよび深さDはバット1の傾斜を最大角度θに抑える値になっている。仮に、差し込んだバット1に左右の段ずれが生じていた場合にはバット1の傾斜が角度θを超えることになるから、バット1の両側縁1aを幅狭部25a,27aへと押し進めることができない。一方、バット1の両側縁1aが同じ段の支持用溝25,27に差し込まれている場合には、バット1は傾斜せず水平になるので、バット1の両側縁1aを幅狭部25a,27aへと押し進めることができる。このため、バット1の段ずれを防止することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、バット1の左右に段ずれが生じていた場合にはバット1の両側縁1aを左右の支持用溝25,27の幅狭部25a,27aに進めることができないようにしていたが、必ずしも完全に進めることができないようにする必要はなく、摩擦抵抗の増加により進め難くすることで使用者に段ずれの発生を認識させることができるようにすれば足りる。
【0070】
そして、バット1を奥まで押し進めると、当該バット1の収容が完了する。本実施形態では、左右の収容空間6にそれぞれ最大18段のバット1を上下に間隔をあけて並べることができる。
【0071】
保管するバット1の収容が完了した後、殺菌灯装置8の点灯器具7のメインスイッチ9を入れた状態でシャッタードア5を閉じると、点灯スイッチ30がオンとなり、殺菌灯2が点灯する。あるいは、シャッタードア5を閉じて点灯スイッチ30をオンさせた後、メインスイッチ9を入れて殺菌灯2を点灯させても良い。なお、シャッタードア5を閉じる際、シャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで降ろすと、シャッタードア5の前部は自重で落下し始めるので、軽い力でシャッタードア5を閉じることができると共に、シャッタードア5の所謂半開きを防止することができる。
【0072】
殺菌灯2は左右の収容空間6の間に設けられており、1本の殺菌灯2によって左右の収容空間6を照射することができる。殺菌灯2の照射光は、支持部材12の窓12aおよび左右の内側支持板19の孔19bを通り抜けて左右の収容空間6内に到達する。各収容空間6内では照射光は上側反射板20、下側反射板21、外側支持板18の支持面18aおよび反射板26、内側支持板19の支持面19aおよび反射板28、背側反射板22により繰り返し反射される。なお、シャッタードア5の全面が点灯確認手段になっていない場合には、点灯確認手段になっていない部位によっても反射される。また、各段のバット1およびバット1上の治療器具によっても繰り返し反射される。さらに、各収容空間6内での反射光の一部は左右の内側支持板19の孔19bおよび左右の支持部材12の窓12aを通じて左右の収容空間6の間で行き来する。このように殺菌灯2の照射光は各収容空間6内で反射を繰り返えすことで、隅々まで照射され、バット1上の治療器具を殺菌又は滅菌する。
【0073】
この状態では、点灯確認手段、即ちシャッタードア5を通じて殺菌灯2の点灯を目視によって確認することができる。
【0074】
保管している治療器具およびバット1を取り出すためにシャッタードア5を開けると、点灯スイッチ30がオフとなり、殺菌灯2が消える。シャッタードア5を開ける際、シャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで持ち上げると、シャッタードア5の重心が後側垂直部分29aに到達するので、シャッタードア5は自重によって前部を上昇させ、軽い力でシャッタードア5を開けることができる。
【0075】
シャッタードア5を開けた後、バット1を手前側に引き出すことでバット1の両側縁1aを支持用溝25,27から引き抜くことができ、バット1を開口4を通じて収容空間6から取り出すことができる。
【0076】
ガイドレール29はシャッタードア5を開口4に沿って開閉させるので、例えば開き戸タイプの扉を有する抗菌キャビネットに比べて、保管品を出し入れする開口の前方に扉を開閉させるスペースを必要としない。そのため、抗菌キャビネットの設置に必要なスペースを狭くすることができる。
【0077】
また、ガイドレール29はシャッタードア5を開口4に沿って開閉させるので、このような動作であれば、使用者が指先ではなく、手のひら、手の甲、腕、肘等を使用してシャッタードア5を開閉操作することが可能であり、医療分野での使用に適した抗菌キャビネットを提供することができる。
【0078】
また、殺菌灯2は本体3内に装備されており、シャッタードア5を開けても殺菌灯2が外に露出することはないので、開き戸の裏側に殺菌灯2を設けた場合のように開扉時に殺菌灯2が外に露出することがなく、露出した殺菌灯2に余分な気を遣う必要がなくなり、使い勝手が向上する。
【0079】
殺菌灯2を交換する場合には、シャッタードア5を開けた状態で移動手段11の揺動体13を手前側に倒し、殺菌灯装置8を開口4から外方に取り出して仰向けに露出させる。この状態でソケット7aから使用済みの殺菌灯2を取り外す。次に、殺菌灯ホルダ17から予備の殺菌灯2を取り外し、ソケット7aに装着する。その後、揺動体13を持ち上げて起こし、殺菌灯装置8を左右の内側支持板19の間に立てることで、殺菌灯2の交換が終了する。殺菌灯装置8を本体3の外に取り出して交換作業を行うことができるので、殺菌灯2の交換作業が容易である。また、殺菌灯装置8の近傍の分かりやすい位置に予備の殺菌灯2が常時配備されているで、交換が必要な時に素早く殺菌灯2を交換でき、殺菌灯装置8の使用を素早く再開することができる。
【0080】
また、収容空間6内にバット1を収容した状態で殺菌灯装置8を外に移動させることができるので、バット1を取り出さなくても殺菌灯2を交換することができる。そのため、抗菌キャビネットが使い勝手の良いものとなる。
【0081】
この抗菌キャビネットは、バット1の両側縁1aを支持する左右の支持面18a,19aに支持用溝25,27を形成し、支持用溝25,27にバット1の両側縁1aを差し込むことでバット1を支持するようにしているので、バット1の支持構造部分にバリ取り等の後加工を施す必要がなくなり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。即ち、バット1を支持する部材を例えば切り起こし加工で形成した場合には、この支持部材は謂わば凸構造であり、突出する凸部分の表面を滑らかにする必要がある。これに対し、抗菌キャビネットでは、支持面18a,19aに形成した支持用溝25,27でバット1を支持しており、バット1の支持構造部分が謂わば凹構造となる。そのため、表面に突出する部分がなくなり、バリ取り等の後加工が不要になる。また、そもそも支持用溝25,27を形成する加工方法ではバリが発生することがない。そのため、バット1の支持構造部分の製造が容易となり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。また、バリが発生することがないので、使用者が手を切る虞がなく、より安全性に優れている。
【0082】
また、バット1の支持構造部分を凹構造にすることで、清掃時に清掃道具が引っかかるような凸部分が存在しないので、清掃作業が容易になる。
【0083】
さらに、バット1の両側縁1aを凹部で上下から挟むような構造であり、バット1の両側縁1aを凸部に載せる構造に比べて、可動範囲を制限する事で振動等によってバット1が暴れて外れる事を防止することができる。
【0084】
この抗菌キャビネットは殺菌灯2を本体3内に装着しており、扉5を殺菌灯2から独立させている。そのため、扉5を開口4に沿って開閉させることができ、開き戸のように扉を開くために前方に広いスペースを必要とせず、抗菌キャビネットの設置に必要なスペースを狭くすることができる。
【0085】
また、この抗菌キャビネットは殺菌灯2を本体3内に装着しており、扉5を殺菌灯2から独立させているので、扉5としてシャッタードア、スライドドア等、様々なタイプのものを採用することができ、扉5のバリエーションを増やすことができる。そのため、抗菌キャビネットのデザインの自由度を向上させることができる。
【0086】
また、この抗菌キャビネットでは、2つの収容空間6の間に殺菌灯2を設けているので、2つの収容空間6を1本の殺菌灯2で照射することができ、高価な殺菌灯2の使用数を最小数に抑えることができる。そのため、抗菌キャビネットの製造コストを大きく減少させることができる。
【0087】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0088】
例えば、上述の説明では、バット1の両側縁1aを左右の支持用溝25,27に差し込むようにしていたが、例えばバット1を載せるプレートの両側縁を支持用溝25,27に差し込むようにしても良い。即ち、各段の支持用溝25,27にプレートを差し込むことで上下に複数段の棚を形成し、各棚にバット1を載せるタイプの抗菌キャビネットにも適用可能である。
【0089】
また、上述の説明では、シャッタードア5として上下に開閉させるものを使用していたが、例えば図13に示すように、左右に開閉させるシャッタードア5を使用しても良い。なお、図13では、本体3等の記載を省略しており、図中手前側が抗菌キャビネットの前面である。
【0090】
また、上述の説明では、扉5としてシャッタードアを採用していたが、シャッタードアに限るものではなく、シャッタードア以外のものを採用しても良い。例えば、図14に示すように、開口4に沿って左右に開閉するスライドドアや、開口4に沿って上下に1枚ドアを開閉するスライドドアを採用しても良い。この場合にも、開き戸のように扉を開くために前方に広いスペースを必要とせず、抗菌キャビネットの設置に必要なスペースを狭くすることができる。なお、図14では、本体3等の記載を省略しており、図中手前側が抗菌キャビネットの前面である。
【0091】
また、扉5を開閉させる電動モータ、流体シリンダ等のアクチュエータを設け、使用者のスイッチ操作によって扉5を開閉させるようにしても良く、あるいは、使用者をセンサによって検知して自動で手を触れずに扉5を開閉させるようにしても良い。
【0092】
また、上述の説明では、扉5は開口4に沿って開閉するものであったが、例えば開き戸タイプの扉等、開口4に沿って開閉する扉以外の扉を使用しても良い。
【0093】
また、上述の説明では、1本の殺菌灯2で両側の収容空間6を照射するようにしていたが、殺菌灯2を複数本設けても良い。例えば、本体3内スペースの左右方向に中央位置に2本の殺菌灯2を前後又は左右に並べ、2本の殺菌灯2によって左右両側の収容空間6を照射するようにしても良い。あるいは、本体3内スペースに2つの収容空間6を隣り合わせに並べて形成すると共に、本体3の左右の側板3bの内側に殺菌灯2をそれぞれ設け、右側の殺菌灯2で右側の収容空間6を照射し、左側の殺菌灯2で左側の収容空間6を照射するようにしても良い。さらには、本体3内スペースに1つの収容空間6を設け、この収容空間6の両側に殺菌灯2をそれぞれ設けるようにしても良い。また、本実施形態の予備の殺菌灯を保管するスペースのかわりに、もう1本の殺菌灯2を配置する事で複数本の殺菌灯2を並べても良い。
【0094】
また、上述の説明では、本体3内に2つの収容空間6を設け、バット1を2列配置にしていたが、バット1の列は2列に限るものではなく、1列でも良く、あるいは3列以上でも良い。1列の場合、その片側のみに殺菌灯2を設けても良いし、両側に殺菌灯2を設けても良い。また、3列以上の場合、各列の間毎に殺菌灯2を設けても良いし、隣り合う2列でペアを作り、ペアとなる列の間のみに殺菌灯2を設けても良い。
【0095】
例えば、上述の説明では、殺菌灯2を立てた状態で本体3内に配置していたが、横に倒した状態で本体3内に配置しても良い。この場合、横に倒した殺菌灯2の両側、即ち上下に収容空間6を設けることができる。
【0096】
また、上述の説明では、殺菌灯2の側方に収容空間6を設けていたが、例えば殺菌灯2の手前側に収容空間6を設けたり、殺菌灯2の奥側に収容空間6を設けても良い。
【0097】
また、上述の説明では、本体3内に殺菌灯2を装備していたが、扉5の裏側に殺菌灯2を装備しても良い。
【0098】
また、上述の説明では、保管品の殺菌、滅菌に殺菌灯2を使用していたが、殺菌灯2以外の手段、例えば高圧蒸気を使用して殺菌・滅菌する手段等を使用しても良い。
【符号の説明】
【0099】
保管品
1 バット
1a バットの両側縁
3 本体
3a 前面
4 開口
5 扉
18a、19a 左右の支持面
25,27 左右の支持用溝
25a,27a 支持用溝の幅狭部
25b,27b 支持用溝の差し込み口部分(ガイド部)
33 目印
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば歯科治療用のピンセット、鉗子、歯科用ミラー等の治療器具を収容し、殺菌灯の光を照射しながら保管する抗菌キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
本体内にバットを上下に多段配置する抗菌キャビネットとして、例えば実用新案登録第3071006号公報に開示されたものがある。この抗菌キャビネットでは、図15に示すように、本体101内の左右の側面に複数段のレール102を形成し、左右の対となるレール102上にバット103の両側縁を載せることで複数枚のバット103を上下に多段配置している。
【0003】
レール102が形成される側壁は一般的にステンレス製の板材によって形成されており、レール102はステンレス製の板材を切り起こし加工することで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3071006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の抗菌キャビネットでは、レール102を切り起こし加工によって形成しているので、形成したレール102のそれぞれに対して切断面のバリ取り等の後加工を施す必要がある。特に、抗菌キャビネットでは、その性質上、収容空間104内を常に清潔に保つ必要があり、頻繁に清掃を行うことから使用者がレール102に触れる機会が多く、切り起こし加工の切断面を滑らかにしておく必要がある。そのため、バット103の支持部分の製造コストが増加する。また、バット103などは切り起こしたレール102の上部に載せ置かれているだけである為、振動等によってバット103等が暴れて外れ落ちる虞がある。この事で抗菌キャビネット内に保管された保管物もバラバラになる虞がある。
【0006】
本発明は、バットの支持部分の製造にバリ取り等の後加工が不要な抗菌キャビネットを提供することを目的とする。さらに、振動等でバット等が暴れる事のない抗菌キャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために請求項1記載の抗菌キャビネットは、内部にバット又は当該バットを載せるプレートの両側縁を支持する左右の支持面を有し、前面にバット又はバットおよびプレートを出し入れする開口が設けられた本体と、開口を開閉する扉とを備え、左右の支持面にはバット又はプレートの側縁が開口側から差し込まれるバット又はプレートの側縁よりも若干広く形成された支持用溝がほぼ同じ高さの位置に設けられており、左右の支持面の支持用溝は上下方向に間隔をあけて複数段設けられているものである。
【0008】
また、請求項2記載の抗菌キャビネットは、支持用溝の差し込み口部分には幅広となっているガイド部が設けられているものである。
【0009】
また、請求項3記載の抗菌キャビネットは、支持用溝の差し込み口部分に上下の段で異なる目印を設けたものである。
【0010】
さらに、請求項4記載の抗菌キャビネットは、左右の支持面は樹脂製であるものである。
【0011】
また、請求項5記載の抗菌キャビネットは、本体内には殺菌灯が設けられており、殺菌灯から照射される光を透過させる孔を左右の支持面に有しているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の抗菌キャビネットでは、バット又は当該バットを載せるプレートの両側縁を支持する左右の支持面に支持用溝を形成し、支持用溝にバット又はプレートの側縁を差し込むことでバット又はプレートを支持するようにしているので、バット又はプレートの支持構造部分にバリ取り等の後加工を施す必要がなくなり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。即ち、図15の抗菌キャビネットのように、切り起こし加工で形成されたレールは謂わば凸構造であり、突出する凸部分の表面を滑らかにする必要がある。これに対し、本発明では、支持面に形成した支持用溝でバット又はプレートを支持しており、バット又はプレートの支持構造部分が謂わば凹構造となる。そのため、表面に突出する部分がなくなり、バリ取り等の後加工が不要になる。また、そもそも支持用溝を形成する加工方法ではバリが発生することもない。そのため、バット又はプレートの支持構造部分の製造が容易となり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。
【0013】
また、バット又はプレートの支持構造部分を凹構造にすることで、清掃時に清掃道具が引っかかるような凸部分が存在しなくなるので、清掃が容易になる。さらに、バット又はプレートの側縁を凹部で上下から挟むような構造であり、バット又プレートの側縁を凸部に載せる構造に比べて、振動等によってバット又はプレートを外れ難くすることができる。
【0014】
さらに、支持溝の幅はバット又はプレートの側縁よりも若干広く形成されているので、支持溝への差し込み時のバット又はプレートの左右方向の傾斜を所定角度以内に抑えることができ、バット又はプレートの左右の段ずれを防止することができる。そのため、抗菌キャビネットの使い勝手が向上する。
【0015】
また、請求項2記載の抗菌キャビネットでは、支持用溝の差し込み口部分には幅広となっているガイド部が設けられているので、バット又はプレートの側縁を支持用溝に差し込む際にバット又はプレートの側縁を正確に位置決めしなくても支持用溝に差し込むことができ、バット又はプレートの差し込みが容易になる。そのため、抗菌キャビネットの使い勝手を更に向上させることができる。
【0016】
また、請求項3記載の抗菌キャビネットでは、支持用溝の差し込み口部分に上下の段で異なる目印が設けられているので、バット又はプレートの差し込み時に段ずれに気づきやすくなり、この点からも抗菌キャビネットの使い勝手を更に向上させることができる。
【0017】
さらに、請求項4記載の抗菌キャビネットでは、左右の支持面を樹脂製にしているので、左右の支持面への支持用溝の形成が容易であり、製造コストを減少させることができる。
【0018】
また、請求項5記載の抗菌キャビネットでは、殺菌灯からの照射光によって保管品の殺菌、滅菌を行うことができる。また、左右の支持面には殺菌灯の照射光を通す孔が設けられているので、殺菌灯の照射光を減衰させずに保管品に照射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の抗菌キャビネットの実施形態の一例を示し、扉を閉めた状態の正面図である。
【図2】同抗菌キャビネットの扉を開けた状態の正面図である。
【図3】同抗菌キャビネットの背面図である。
【図4】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図5】図2のY−Y線に沿う断面図である。
【図6】左右の支持面の支持用溝にバットを差し込んだ状態を示す断面図である。
【図7】殺菌灯を外に移動させた状態の抗菌キャビネットの側面図である。
【図8】外側支持板を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図9】内側支持板を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図10】バットの側縁を支持する支持用溝を示し、(A)は外側支持板を正面から見た図、(B)は外側支持板を前側(手前側)から見た図である。
【図11】バットの側縁を支持する支持用溝を示し、は外側支持板を後側(奥側)から見た図である。
【図12】左右の支持面の支持用溝によってバットの段ずれを防止する様子を説明するための図である。
【図13】本発明の抗菌キャビネットの他の実施形態を示し、左右に開閉するシャッタードアタイプの扉を示す斜視図である。
【図14】本発明の抗菌キャビネットの更に他の実施形態を示し、左右に開閉するスライドドアタイプの扉を示す斜視図である。
【図15】従来の抗菌キャビネットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の構成を図面に示す形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1〜図7に、本発明の抗菌キャビネットの実施形態の一例を示す。本実施形態の抗菌キャビネットは、歯科治療用のピンセット、鉗子、歯科用ミラー等の治療器具をバット1に載せた状態で収容し、殺菌灯2の光を照射しながら保管するものであり、内部に殺菌灯2が装着され、前面3aに保管品を出し入れする開口4が設けられた本体3と、開口4を開閉する扉5を備えている。本実施形態では本体3内の幅方向中央位置に殺菌灯2を配置し、殺菌灯2の両側に保管品の収容空間6を設けている。
【0022】
保管品は、例えば歯科治療用のピンセット、鉗子、歯科用ミラー等の治療器具であり、これらを載せるバット1も含む。
【0023】
本体3内には、殺菌灯2を点灯させる点灯器具7が設けられている。点灯器具7のソケット7aに殺菌灯2を装着することで殺菌灯装置8となる。点灯器具7のメインスイッチ9は使用者が操作しやすい位置、例えば本体3の前面3aの左下位置に設けられている。なお、図中符号10はグローランプである。本実施形態では蛍光灯タイプの殺菌灯2を使用しているが、蛍光灯タイプ以外の殺菌灯、例えばLED(発光ダイオード)タイプの殺菌灯を使用しても良い。殺菌灯装置8は、本体3内スペースの幅方向中央位置に立てた状態で配置され、移動手段11によって左右の支持部材12に取り付けられている。殺菌灯装置8は、殺菌灯2が本体3内スペースの前後方向中央に位置するように前後方向中央位置よりも若干手前側の位置に配置されている。即ち、殺菌灯2は本体3内スペースの前後方向にも左右方向にも中央に設けられているので、1本の殺菌灯2で左右の収容空間6を均等に照射することができると共に、各々の収容空間6内についても照射が偏らないようにしている。
【0024】
左右の支持部材12は移動手段11の揺動体13を挟むようにして床板15と天井板(図示省略)との間に取り付けられている。左右の支持部材12は例えば板状部材であり、殺菌灯2に対向する位置には大きな窓12aが形成されている。左右の支持部材12の奥側端は連結されている。左右の支持部材12は、例えば殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂で形成されている。このような樹脂としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等がある。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、樹脂以外の材料、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材を設けることが好ましい。保護材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、箔やシートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材を設けても良い。
【0025】
移動手段11は、殺菌灯2の交換時に殺菌灯2を開口4から本体3の外に移動させるもので、本実施形態では、殺菌灯装置8を支持する揺動体13と、揺動体13を左右の支持部材12に揺動可能に取り付けるシャフト14より構成されている。即ち、本実施形態の移動手段11は殺菌灯2を前方(手前側)に倒すことで殺菌灯2を開口4から外に移動させるようにしている。
【0026】
ただし、移動手段11は殺菌灯2を前方に倒すことで本体3の外に移動させるものには限られない。例えば、殺菌灯装置8を前方にスライドさせることで立てた状態のまま開口4から本体3の外に移動させるようにしても良く、その他の手段によって殺菌灯2を開口4から本体3の外に移動させるようにしても良い。また、殺菌灯装置8を外に移動させる電動モータを設け、使用者のスイッチ操作によって電動で本体3の外に移動させるようにしても良い。
【0027】
本実施形態では、揺動体13として、例えば殺菌灯装置8とほぼ同じ長さ、ほぼ同じ幅を有する角パイプを使用している。ただし、角パイプ以外のものを使用しても良い。揺動体13は床板15から浮かせた状態で設けられており、床板15に当たり殺菌灯装置8を立てた状態に止めるストッパ16が殺菌灯装置8の底面に設けられている。なお、ストッパ16を揺動体13の底面に設けても良い。
【0028】
また、揺動体13には使用者が指を差し込む操作部13aが設けられている。本実施形態では、操作部13aとして揺動体13の手前側面の上端に切り欠きが設けられている。使用者は操作部13aに指を引っかけることで、揺動体13を容易に手前側に倒すことができる。
【0029】
なお、殺菌灯装置8を揺動体13に直接取り付けても良いが、本実施形態では揺動体13に殺菌灯ホルダ17を取り付け、殺菌灯ホルダ17に殺菌灯装置8を取り付けている。殺菌灯ホルダ17には予備の殺菌灯(図示省略)が取り付けられており、使用中の殺菌灯2の交換が必要になった時に迅速に交換できるようにしている。殺菌灯2を迅速に交換できるので、殺菌灯装置8の使用をすぐに再開することができる。殺菌灯ホルダ17を揺動体13と殺菌灯装置8との間に設けることで、左右の収容空間6の間の謂わばデッドスペースを有効に活用することができると共に、邪魔にならず且つすぐに取り出すことができ、しかも分かりやすい位置に予備の殺菌灯を保管しておくことができる。
【0030】
なお、揺動体13および殺菌灯ホルダ17には殺菌灯2の照射光は当たらない構成であるが、殺菌灯2の照射光が当たる場合には、外側支持板18および内側支持板19と同様の照射光によって劣化し難い材料で形成することが好ましい。
【0031】
ただし、殺菌灯ホルダ17を別の位置に設けても良い。また、殺菌灯ホルダ17を設けなくても良い。さらに、予備のグローランプを保管しておくホルダを設けても良い。
【0032】
保管品を収容する収容空間6は殺菌灯装置8の左右両側にそれぞれ設けられている。各収容空間6の左右には外側支持板18と内側支持板19が、上下には上側反射板20と下側反射板21が、前後には扉5と背側反射板22がそれぞれ設けられている。即ち、左右の収容空間6はこれら6面によって囲まれた空間である。左右の収容空間6は殺菌灯装置8を挟んで左右対称の構造になっている。ここでは、片方の収容空間6について説明し、もう片方の収容空間6についての説明は省略する。
【0033】
外側支持板18を図8に示す。外側支持板18は、バット1を支持する支持面18aの前後部分を幅方向外側に折り曲げた断面コ字形状をなした板材であり、本体3の側板3bに嵌め込まれると共にねじ止めされている。
【0034】
支持面18aにはバット1の側縁1aが開口4側から差し込まれる支持用溝25が設けられている。本実施形態ではバット1の収容枚数を18枚としているので、上下方向に一定の間隔をあけて18段の支持用溝25が設けられている。ただし、必ずしも支持用溝25の段数は18段に限るものではなく、バット1の収容枚数に応じて適宜変更可能である。また、各段の支持用溝25の間隔は等間隔でなくても良い。
【0035】
本実施形態では、左右2つの収容空間6を設けているので、18段の収容空間6を2列設けている。
【0036】
外側支持板18の上下の支持用溝25の間には殺菌灯2から照射された光を通過させる孔18bが多数設けられている。本実施例では孔形状は楕円形状であるが、孔形状は楕円に限らず、丸形状でも四角形状であっても構わない。開口した孔から殺菌灯から照射された光を通過させる事ができればよいだけである。また、外側支持板18の裏面(支持面18aに対して反対側の面)には、殺菌灯2の光を収容空間6側に反射する反射板26が重ね合わされて固定されている。ただし、外側支持板18自体が殺菌灯2の光を良好に反射させるものである場合には、孔18bの形成と反射板26を省略し、外側支持板18自体を反射板として利用することが好ましい。
【0037】
内側支持板19を図9に示す。内側支持板19は、バット1を支持する支持面19aの前後部分を幅方向殺菌灯2側に折り曲げた断面コ字形状をなした板材であり、支持部材12の脇に配置され、天井板および床板15に取り付けられている。
【0038】
支持面19aにはバット1の側縁1aが開口4側から差し込まれる支持用溝27、即ち、外側支持板18の支持面18aの支持用溝25と対を成す支持用溝27が設けられている。本実施形態ではバット1の収容枚数を18枚としているので、上下方向に一定の間隔をあけて18段の支持用溝27が設けられている。ただし、必ずしも支持用溝27の段数は18段に限るものではなく、バット1の収容枚数に応じて適宜変更可能である。また、各段の支持用溝27の間隔は等間隔でなくても良い。
【0039】
内側支持板19の上下の支持用溝27の間には殺菌灯2から照射された光を通過させる孔19bが多数設けられている。本実施例では孔形状は楕円形状であるが、孔形状は楕円に限らず、丸形状でも四角形状であっても構わない。開口した孔から殺菌灯から照射された光を通過させる事ができればよいだけである。また、内側支持板19の裏面(殺菌灯2側の面)の窓12aを塞がない位置、即ち殺菌灯2からの光の照射を妨げない位置には、殺菌灯2の光を収容空間6側に反射する反射板28が重ね合わされて固定されている。ただし、内側支持板19自体が殺菌灯2の光を良好に反射させるものである場合には、反射板28が重ねられている領域については孔19bの形成と反射板28を省略し、内側支持板19自体を反射板として利用することが好ましい。
【0040】
本実施形態では、外側支持板18および内側支持板19を樹脂によって形成している。外側支持板18および内側支持板19を樹脂製にすることで、支持用溝25,27を安価に形成することできると共に、バリ取り等の後工程の不要な支持用溝25,27を形成するのが容易である。使用する樹脂としては、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難いもの、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等の使用が好ましい。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合や、使用する材料が照射光を十分に反射させることができないものである場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材や、反射膜,反射シート等の反射材を設けることが好ましい。なお、一般的には保護材と反射材とは共通のものとなる。保護材、反射材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、アルミ箔等の金属箔の貼付、ミラーシートや保護シートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料や照射光を十分に反射させることができる材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材や反射材を設けても良い。
【0041】
外側支持板18の支持面18aと内側支持板19の支持面19a、即ち左右の支持面18a,19aは向かい合っており、バット1の長辺の長さとほぼ同じ間隔をあけて配置されている。各支持面18a,19aの対となる支持用溝25,27はほぼ同じ高さ(同じ高さ又は同じと同一視できる高さ)の位置に設けられている。支持用溝25,27の形状を図8〜図11に示す。本実施形態の支持用溝25,27には、差し込み時のバット1の左右の段ずれ、即ち、バット1の左右の側縁1aが異なる段の支持用溝25,27に差し込まれる現象を防止する幅狭部25a,27aが設けられている。幅狭部25a,27aの幅はバット1の側縁1bよりも若干広く形成されている。幅狭部25a,27aは差し込まれたバット1の左右方向の傾斜を所定角度θ以内に抑えるもので、図12に示すように、仮にバット1が傾くことができる最大の角度θまで傾斜した場合であっても、左右の支持用溝25,27間で段ずれが生じないようになっている。即ち、幅狭部25a,27aの幅Wおよび深さDは、バット1の傾斜できる最大の角度θを段ずれを防止できるサイズになっている。
【0042】
なお、本実施形態では、後述の差し込み口部分25b,27b以外の部分を幅狭部25a,27aとし、幅狭部25a,27bを連続した長いものとしているが、短い幅狭部25aを間隔をあけて部分的に設けても良い。
【0043】
また、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bは幅広のガイド部となっている。即ち、前側(手前側)ほど支持用溝25,27の幅Wが拡がっている。差し込み口部分(ガイド部)25b,27bの幅Wを広くすることで、差し込むバット1の高さが多少上下にずれていても、バット1を支持用溝25,27に差し込むことができると共に、バット1を奥に進めることでその高さを正確な高さに修正するので、バット1の支持用溝25,27への差し込みが容易である。
【0044】
なお、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bをバット1の差し込みを容易にする幅広(前側ほど幅Wを拡がる)のガイド部にしていたが、必ずしもガイド部を設ける必要はなく、そのまま同じ幅Wで奥へと続くようにしても良い。
【0045】
また、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bに上下の段で異なる目印33(図10)を設けている。上下の段で異なる目印33を設けることで、バット1の差し込み時に左右の支持用溝25,27を見比べることで左右の段ずれに気づき易くなり、段ずれの発生防止を図ることができる。目印33としては、例えば、差し込み口部分25b,27bの形状の相違、色の相違(異なる色を付ける、色を付ける段と付けない段、等)、記号・マークの付加(異なる記号・マークを付ける、記号・マークを付ける段と付けない段、等)があるがこれらに限られない。本実施形態では目印33として、差し込み口部分25b,27bの形状を相違させている。より具体的には、差し込み口部分25b,27bの形状として角を丸めたAタイプ(図10の最上段の差し込み口部分25bの目印33)と角を残したBタイプ(図10の上から2段目の差し込み口部分25bの目印33)の2種類の形状を準備し、差し込み口部分25b,27bの形状を上下の段で交互に変えている。
【0046】
なお、上下の段の差し込み口部分25b,27bの形状を相違させる手段としては上述の様に角の形状を変えるものを採用しても良いが、必ずしもこれに限られない。例えば、差し込み口部分25b,27bの先端の位置を前後にずらす(例えば、1段おきに引っ込める)ようにしても良いし、その他でも良い。
【0047】
また、本実施形態では、バット1の左右の段ずれ防止を図る目印33を設けていたが、目印33を省略しても良い。
【0048】
また、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bは深さDが深くなっている。即ち、前側(手前側)ほど支持用溝25,27の深さDが深くなっている。そのため、差し込むバット1の左右方向の位置が多少ずれていても、バット1を支持用溝25,27に差し込むことができると共に、バット1を奥に進めることでその位置を修正するので、バット1の支持用溝25,27への差し込みが容易である。
【0049】
なお、本実施形態では、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bの深さDを前側ほど深くしてバット1の差し込みを容易にしていたが、必ずしもこのように深さDを変化させる必要はなく、そのまま同じ深さDで奥へと続くようにしても良い。
【0050】
各段の支持用溝25,27にバット1の両側縁1aを差し込むことで、最大18段のバット1を上下に間隔をあけて並べることができる。
【0051】
支持用溝25,27は、各支持板18,19の成型時に同時に形成しても良いし、後から溝加工しても良く、その他の手段で加工しても良い。
【0052】
また、本実施形態では、左右の支持面18a,19aの対向する位置に孔34を設けており、図示しない支持棒を各孔34間に渡し、治療器具を吊り下げることができるようにしている。即ち、治療器具をバット1に載せず、支持棒に直接吊り下げることもできる。このように左右の支持面18a,19aに孔34を設けておくことで、必要に応じて支持棒の使用を可能にし、バット1に載せた状態での保管と支持棒に吊り下げた状態での保管とを併用することができるので、抗菌キャビネットが更に使いやすいものとなる。ただし、孔34を省略し、バット1に載せた状態での保管専用にしても良い。
【0053】
下側反射板21は床板15の外側支持板18と内側支持板19との間の部位に取り付けられている。また、上側反射板20は天井板の外側支持板18と内側支持板19との間の部位に取り付けられている。
【0054】
本実施形態では、本体3の前面3aの開口4を開閉する扉5としてシャッタードア(以下、シャッタードア5という)を使用しており、シャッタードア5を開口4に沿って開閉させるガイド手段29はシャッタードア5の両側縁1aを案内する左右一対のガイドレール(以下、ガイドレール29という)である。ガイドレール29を図4〜図6に示す。左右一対のガイドレール29は、本体3の左右の側板3bの内側面に取り付けられている。各ガイドレール29は側板3bの前側縁から上端縁を通って後側縁へと連続しており、開扉時にシャッタードア5を本体3内に収容する。シャッタードア5がガイドレール29に沿って後方に移動することで開口4が開き(開扉)、逆に前方に移動することで開口4が閉じられる(閉扉)。本実施形態では、左右のガイドレール29は中央が高く、その前後が下がっている。したがって、シャッタードア5を開けるために使用者がシャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで持ち上げると、シャッタードア5の重心がガイドレール29の後側の垂直部分29aに到達し、シャッタードア5は自重によって後方に移動する。即ち、シャッタードア5の前部が自動的に上昇する。一方、シャッタードア5を閉じるために使用者がシャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで下げると、シャッタードア5の重心がガイドレール29の前側の垂直部分29bに到達し、シャッタードア5は自重によって前方に移動する。即ち、シャッタードア5の前部が自動的に下降する。このように、シャッタードア5を所謂半自動的に開閉させることができるため、シャッタードア5の開閉が容易になると共に、使用者の開閉操作をアシストすることができる。これらのため、抗菌キャビネットの使い勝手が更に良くなる。また、シャッタードア5の閉め忘れを確実に防止することができ、衛生的にも良好である。
【0055】
シャッタードア5は多数の遮蔽板を互いに揺動可能に連結したもので、各遮蔽板は、例えば殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂で形成されている。このような樹脂としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等がある。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、樹脂以外の材料、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材を設けることが好ましい。保護材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、箔やシートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材を設けても良い。
【0056】
また、シャッタードア5の遮蔽板を殺菌灯2の照射光を透過させる材料で形成した場合には、後述するようにシャッタードア5を点灯確認手段として利用することができる。上述の材料のうち殺菌灯2の照射光を透過させるものとしては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の樹脂や、ガラス等がある。
【0057】
また、ガイドレール29は、例えば殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂で形成されている。このような樹脂としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等の使用が好ましい。ただし、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い樹脂以外の樹脂、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリプロピレン(PP)等を使用しても良く、あるいは、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属を使用しても良く、さらには、例えばガラス等を使用しても良い。なお、殺菌灯2からの照射光によって劣化する虞のある材料を使用する場合や、使用する材料が照射光を十分に反射させることができないものである場合には、照射光が当たる面に保護膜,保護シート等の保護材や、反射膜,反射シート等の反射材を設けることが好ましい。なお、一般的には保護材と反射材とは共通のものとなる。保護材、反射材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、アルミ箔等の金属箔の貼付、ミラーシートや保護シートの貼付等が考えられる。また、殺菌灯2からの照射光によって劣化し難い材料や照射光を十分に反射させることができる材料を使用する場合であっても、照射光が当たる面に保護材や反射材を設けても良い。
【0058】
抗菌キャビネットには、シャッタードア5を閉じた状態で殺菌灯2の点灯を目視によって確認できる点灯確認手段が設けられている。本実施形態では点灯確認手段としてシャッタードア5を光透過性(殺菌灯2からの照射光を透過させる)にし、シャッタードア5を通して殺菌灯2の点灯を確認できるようにしている。ここで、シャッタードア5の全面を光透過性にしても良いし、シャッタードア5の一部を光透過性にしても良い。シャッタードア5の全面を光透過性にする手段としては、例えば各遮蔽板を光透過性の材料により形成することがある。また、シャッタードア5の一部を光透過性にする手段としては、例えば、遮蔽板の一部を光透過性の材料で形成すると共に、残りの遮蔽板を照射光を透過させない材料で形成することや、各遮蔽板を光透過性の材料で形成すると共に、一部の遮蔽板の裏面に反射材を設けて照射光の透過を遮ることが考えられる。ここで、反射材を設ける手段としては、例えばめっき等の表面処理、アルミ箔等の金属箔の貼付、ミラーシートの貼付等が考えられる。また、照射光を透過させない材料で形成した遮蔽板の裏面に更に反射材を設けても良い。なお、点灯確認手段を通じて本体3の外に漏れ出る殺菌灯2の照射光はシャッタードア5の透過時に減衰されており、使用者が目視しても安全である。
【0059】
なお、シャッタードア5の一部を光透過性にすることで、照射光が見える部分と見えない部分とで模様を形成することができる。例えば、シャッタードア5の一部の遮蔽板の裏面にミラーシート等の反射材を設け、反射材を設けた遮蔽板と設けていない遮蔽板との配置によってシャッタードア5のデザインを種々変化させることができる。
【0060】
なお、点灯確認手段はシャッタードア5の全部又は一部の遮蔽板を光透過性の材料で形成することに限られず、例えばシャッタードア5又は本体3に窓を設けても良い。
【0061】
抗菌キャビネットには、シャッタードア5を開けると殺菌灯2が消され、閉じると殺菌灯2が点けられる点灯スイッチ30が設けられている。点灯スイッチ30は例えばシャッタードア5の開閉を検出するスイッチであり、例えば閉扉時にシャッタードア5の前端5aが当たる位置、例えば床板15の前部中央位置に設けられている。シャッタードア5が閉められると、点灯スイッチ30の操作部はシャッタードア5の前端5aによって床板15内に押し込められる。これにより、点灯スイッチ30がオンとなって殺菌灯2が点灯される。また、シャッタードア5が開けられると、点灯スイッチ30の操作部は図示しないばね等の付勢手段によって床板15内から上方へと突出する。これにより点灯スイッチ30がオフとなり殺菌灯2が消灯される。シャッタードア5が完全に閉まらなければ殺菌灯2は点灯しないので、殺菌灯2の照射光が使用者の目に直接入ることが無く、より安全性に優れている。また、殺菌灯2の点灯によりシャッタードア5がきちんと閉じたことを確認することができる。
【0062】
ただし、点灯スイッチ30を設ける位置は上述の位置に限るものではなく、シャッタードア5の閉扉時にオン操作される位置であれば特に制限されない。
【0063】
また、点灯スイッチ30の構成はこれに限るものではなく、シャッタードア5の開閉を検出できるものであれば、他の構成でも構わない。例えば、シャッタードア5を閉めることでシャッタードア5の前端5aに設けた電極と床板15に設けた電極とが接触して、又はシャッタードア5の側面に設けた電極と閉扉時に当該電極に接触する位置に設けた電極とが接触して殺菌灯2を点灯させる構成等でも良い。あるいは、光,磁気等によりシャッタードア5の開閉を検知するセンサスイッチを使用しても良い。
【0064】
本体3の背面には殺菌灯装置8の電源コード(図示省略)を引き出す孔31が設けられている。本実施形態では背面の四隅に孔31を設けており、いずれか1つの孔31を選択して電源コードを引き出している。四隅に孔31を設けることで、抗菌キャビネットの設置場所の電気コンセントの位置等に応じて電源コードを引き出す位置を適宜選択することができ、見た目の悪化と電源コードが邪魔になることを防止している。ただし、孔31を設ける位置は背面の四隅に限るものではなく、他の位置に孔31を設けても良い。また、背面以外、例えば側面、底面、上面等に孔31を設けても良い。さらに、孔31の数は4つに限るものではなく、1つ、2つ、3つ、あるいは5つ以上でも良い。
【0065】
また、本体3の背面には壁掛け用のブラケット32が設けられている。このブラケット32を使用して抗菌キャビネットを壁に掛けても良いし、ブラケット32を使用せずに台等の上に載せるようにしても良い。
【0066】
次に、抗菌キャビネットの使用について説明する。抗菌キャビネットは、治療器具を載せたバット1を左右の収容空間6内に上下方向に多段に並べて保管する。各バット1は外側支持板18の支持面18aに設けられた支持用溝25と内側支持板19の支持面19aに設けられた支持用溝27、即ち左右の支持用溝25,27に差し込まれる。左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bは、上下方向(幅W方向)および左右方向(深さD方向)に拡がっている。そのため、使用者がバット1の側縁1aの先端を正確に位置決めしなくても差し込み口部分25b,27bに差し込むことができ、バット1の支持用溝25,27への差し込みが容易である。
【0067】
また、左右の支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bの形状は上下の段で異なっているので、即ち上下の段で異なる目印33が設けられているので、バット1差し込み時に上下の段の支持用溝25,27を見比べることで左右の段ずれに気づき易くなり、段ずれの発生防止を図ることができる。
【0068】
バット1の両側縁1aを支持用溝25,27の差し込み口部分25b,27bに差し込んだ後、バット1を奥に押し込むことでバット1の両側縁1aが支持用溝25,27の幅狭部25a,27aへと進められる。ここで、幅狭部25a,27aの幅Wおよび深さDはバット1の傾斜を最大角度θに抑える値になっている。仮に、差し込んだバット1に左右の段ずれが生じていた場合にはバット1の傾斜が角度θを超えることになるから、バット1の両側縁1aを幅狭部25a,27aへと押し進めることができない。一方、バット1の両側縁1aが同じ段の支持用溝25,27に差し込まれている場合には、バット1は傾斜せず水平になるので、バット1の両側縁1aを幅狭部25a,27aへと押し進めることができる。このため、バット1の段ずれを防止することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、バット1の左右に段ずれが生じていた場合にはバット1の両側縁1aを左右の支持用溝25,27の幅狭部25a,27aに進めることができないようにしていたが、必ずしも完全に進めることができないようにする必要はなく、摩擦抵抗の増加により進め難くすることで使用者に段ずれの発生を認識させることができるようにすれば足りる。
【0070】
そして、バット1を奥まで押し進めると、当該バット1の収容が完了する。本実施形態では、左右の収容空間6にそれぞれ最大18段のバット1を上下に間隔をあけて並べることができる。
【0071】
保管するバット1の収容が完了した後、殺菌灯装置8の点灯器具7のメインスイッチ9を入れた状態でシャッタードア5を閉じると、点灯スイッチ30がオンとなり、殺菌灯2が点灯する。あるいは、シャッタードア5を閉じて点灯スイッチ30をオンさせた後、メインスイッチ9を入れて殺菌灯2を点灯させても良い。なお、シャッタードア5を閉じる際、シャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで降ろすと、シャッタードア5の前部は自重で落下し始めるので、軽い力でシャッタードア5を閉じることができると共に、シャッタードア5の所謂半開きを防止することができる。
【0072】
殺菌灯2は左右の収容空間6の間に設けられており、1本の殺菌灯2によって左右の収容空間6を照射することができる。殺菌灯2の照射光は、支持部材12の窓12aおよび左右の内側支持板19の孔19bを通り抜けて左右の収容空間6内に到達する。各収容空間6内では照射光は上側反射板20、下側反射板21、外側支持板18の支持面18aおよび反射板26、内側支持板19の支持面19aおよび反射板28、背側反射板22により繰り返し反射される。なお、シャッタードア5の全面が点灯確認手段になっていない場合には、点灯確認手段になっていない部位によっても反射される。また、各段のバット1およびバット1上の治療器具によっても繰り返し反射される。さらに、各収容空間6内での反射光の一部は左右の内側支持板19の孔19bおよび左右の支持部材12の窓12aを通じて左右の収容空間6の間で行き来する。このように殺菌灯2の照射光は各収容空間6内で反射を繰り返えすことで、隅々まで照射され、バット1上の治療器具を殺菌又は滅菌する。
【0073】
この状態では、点灯確認手段、即ちシャッタードア5を通じて殺菌灯2の点灯を目視によって確認することができる。
【0074】
保管している治療器具およびバット1を取り出すためにシャッタードア5を開けると、点灯スイッチ30がオフとなり、殺菌灯2が消える。シャッタードア5を開ける際、シャッタードア5の前端5aをある程度の高さまで持ち上げると、シャッタードア5の重心が後側垂直部分29aに到達するので、シャッタードア5は自重によって前部を上昇させ、軽い力でシャッタードア5を開けることができる。
【0075】
シャッタードア5を開けた後、バット1を手前側に引き出すことでバット1の両側縁1aを支持用溝25,27から引き抜くことができ、バット1を開口4を通じて収容空間6から取り出すことができる。
【0076】
ガイドレール29はシャッタードア5を開口4に沿って開閉させるので、例えば開き戸タイプの扉を有する抗菌キャビネットに比べて、保管品を出し入れする開口の前方に扉を開閉させるスペースを必要としない。そのため、抗菌キャビネットの設置に必要なスペースを狭くすることができる。
【0077】
また、ガイドレール29はシャッタードア5を開口4に沿って開閉させるので、このような動作であれば、使用者が指先ではなく、手のひら、手の甲、腕、肘等を使用してシャッタードア5を開閉操作することが可能であり、医療分野での使用に適した抗菌キャビネットを提供することができる。
【0078】
また、殺菌灯2は本体3内に装備されており、シャッタードア5を開けても殺菌灯2が外に露出することはないので、開き戸の裏側に殺菌灯2を設けた場合のように開扉時に殺菌灯2が外に露出することがなく、露出した殺菌灯2に余分な気を遣う必要がなくなり、使い勝手が向上する。
【0079】
殺菌灯2を交換する場合には、シャッタードア5を開けた状態で移動手段11の揺動体13を手前側に倒し、殺菌灯装置8を開口4から外方に取り出して仰向けに露出させる。この状態でソケット7aから使用済みの殺菌灯2を取り外す。次に、殺菌灯ホルダ17から予備の殺菌灯2を取り外し、ソケット7aに装着する。その後、揺動体13を持ち上げて起こし、殺菌灯装置8を左右の内側支持板19の間に立てることで、殺菌灯2の交換が終了する。殺菌灯装置8を本体3の外に取り出して交換作業を行うことができるので、殺菌灯2の交換作業が容易である。また、殺菌灯装置8の近傍の分かりやすい位置に予備の殺菌灯2が常時配備されているで、交換が必要な時に素早く殺菌灯2を交換でき、殺菌灯装置8の使用を素早く再開することができる。
【0080】
また、収容空間6内にバット1を収容した状態で殺菌灯装置8を外に移動させることができるので、バット1を取り出さなくても殺菌灯2を交換することができる。そのため、抗菌キャビネットが使い勝手の良いものとなる。
【0081】
この抗菌キャビネットは、バット1の両側縁1aを支持する左右の支持面18a,19aに支持用溝25,27を形成し、支持用溝25,27にバット1の両側縁1aを差し込むことでバット1を支持するようにしているので、バット1の支持構造部分にバリ取り等の後加工を施す必要がなくなり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。即ち、バット1を支持する部材を例えば切り起こし加工で形成した場合には、この支持部材は謂わば凸構造であり、突出する凸部分の表面を滑らかにする必要がある。これに対し、抗菌キャビネットでは、支持面18a,19aに形成した支持用溝25,27でバット1を支持しており、バット1の支持構造部分が謂わば凹構造となる。そのため、表面に突出する部分がなくなり、バリ取り等の後加工が不要になる。また、そもそも支持用溝25,27を形成する加工方法ではバリが発生することがない。そのため、バット1の支持構造部分の製造が容易となり、抗菌キャビネットの製造コストを減少させることができる。また、バリが発生することがないので、使用者が手を切る虞がなく、より安全性に優れている。
【0082】
また、バット1の支持構造部分を凹構造にすることで、清掃時に清掃道具が引っかかるような凸部分が存在しないので、清掃作業が容易になる。
【0083】
さらに、バット1の両側縁1aを凹部で上下から挟むような構造であり、バット1の両側縁1aを凸部に載せる構造に比べて、可動範囲を制限する事で振動等によってバット1が暴れて外れる事を防止することができる。
【0084】
この抗菌キャビネットは殺菌灯2を本体3内に装着しており、扉5を殺菌灯2から独立させている。そのため、扉5を開口4に沿って開閉させることができ、開き戸のように扉を開くために前方に広いスペースを必要とせず、抗菌キャビネットの設置に必要なスペースを狭くすることができる。
【0085】
また、この抗菌キャビネットは殺菌灯2を本体3内に装着しており、扉5を殺菌灯2から独立させているので、扉5としてシャッタードア、スライドドア等、様々なタイプのものを採用することができ、扉5のバリエーションを増やすことができる。そのため、抗菌キャビネットのデザインの自由度を向上させることができる。
【0086】
また、この抗菌キャビネットでは、2つの収容空間6の間に殺菌灯2を設けているので、2つの収容空間6を1本の殺菌灯2で照射することができ、高価な殺菌灯2の使用数を最小数に抑えることができる。そのため、抗菌キャビネットの製造コストを大きく減少させることができる。
【0087】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0088】
例えば、上述の説明では、バット1の両側縁1aを左右の支持用溝25,27に差し込むようにしていたが、例えばバット1を載せるプレートの両側縁を支持用溝25,27に差し込むようにしても良い。即ち、各段の支持用溝25,27にプレートを差し込むことで上下に複数段の棚を形成し、各棚にバット1を載せるタイプの抗菌キャビネットにも適用可能である。
【0089】
また、上述の説明では、シャッタードア5として上下に開閉させるものを使用していたが、例えば図13に示すように、左右に開閉させるシャッタードア5を使用しても良い。なお、図13では、本体3等の記載を省略しており、図中手前側が抗菌キャビネットの前面である。
【0090】
また、上述の説明では、扉5としてシャッタードアを採用していたが、シャッタードアに限るものではなく、シャッタードア以外のものを採用しても良い。例えば、図14に示すように、開口4に沿って左右に開閉するスライドドアや、開口4に沿って上下に1枚ドアを開閉するスライドドアを採用しても良い。この場合にも、開き戸のように扉を開くために前方に広いスペースを必要とせず、抗菌キャビネットの設置に必要なスペースを狭くすることができる。なお、図14では、本体3等の記載を省略しており、図中手前側が抗菌キャビネットの前面である。
【0091】
また、扉5を開閉させる電動モータ、流体シリンダ等のアクチュエータを設け、使用者のスイッチ操作によって扉5を開閉させるようにしても良く、あるいは、使用者をセンサによって検知して自動で手を触れずに扉5を開閉させるようにしても良い。
【0092】
また、上述の説明では、扉5は開口4に沿って開閉するものであったが、例えば開き戸タイプの扉等、開口4に沿って開閉する扉以外の扉を使用しても良い。
【0093】
また、上述の説明では、1本の殺菌灯2で両側の収容空間6を照射するようにしていたが、殺菌灯2を複数本設けても良い。例えば、本体3内スペースの左右方向に中央位置に2本の殺菌灯2を前後又は左右に並べ、2本の殺菌灯2によって左右両側の収容空間6を照射するようにしても良い。あるいは、本体3内スペースに2つの収容空間6を隣り合わせに並べて形成すると共に、本体3の左右の側板3bの内側に殺菌灯2をそれぞれ設け、右側の殺菌灯2で右側の収容空間6を照射し、左側の殺菌灯2で左側の収容空間6を照射するようにしても良い。さらには、本体3内スペースに1つの収容空間6を設け、この収容空間6の両側に殺菌灯2をそれぞれ設けるようにしても良い。また、本実施形態の予備の殺菌灯を保管するスペースのかわりに、もう1本の殺菌灯2を配置する事で複数本の殺菌灯2を並べても良い。
【0094】
また、上述の説明では、本体3内に2つの収容空間6を設け、バット1を2列配置にしていたが、バット1の列は2列に限るものではなく、1列でも良く、あるいは3列以上でも良い。1列の場合、その片側のみに殺菌灯2を設けても良いし、両側に殺菌灯2を設けても良い。また、3列以上の場合、各列の間毎に殺菌灯2を設けても良いし、隣り合う2列でペアを作り、ペアとなる列の間のみに殺菌灯2を設けても良い。
【0095】
例えば、上述の説明では、殺菌灯2を立てた状態で本体3内に配置していたが、横に倒した状態で本体3内に配置しても良い。この場合、横に倒した殺菌灯2の両側、即ち上下に収容空間6を設けることができる。
【0096】
また、上述の説明では、殺菌灯2の側方に収容空間6を設けていたが、例えば殺菌灯2の手前側に収容空間6を設けたり、殺菌灯2の奥側に収容空間6を設けても良い。
【0097】
また、上述の説明では、本体3内に殺菌灯2を装備していたが、扉5の裏側に殺菌灯2を装備しても良い。
【0098】
また、上述の説明では、保管品の殺菌、滅菌に殺菌灯2を使用していたが、殺菌灯2以外の手段、例えば高圧蒸気を使用して殺菌・滅菌する手段等を使用しても良い。
【符号の説明】
【0099】
保管品
1 バット
1a バットの両側縁
3 本体
3a 前面
4 開口
5 扉
18a、19a 左右の支持面
25,27 左右の支持用溝
25a,27a 支持用溝の幅狭部
25b,27b 支持用溝の差し込み口部分(ガイド部)
33 目印
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にバット又は当該バットを載せるプレートの両側縁を支持する左右の支持面を有し、前面に前記バット又は前記バットおよび前記プレートを出し入れする開口が設けられた本体と、前記開口を開閉する扉とを備え、前記左右の支持面には前記バット又は前記プレートの側縁が前記開口側から差し込まれる前記バット又は前記プレートの側縁よりも若干広く形成された支持用溝がほぼ同じ高さの位置に設けられており、前記左右の支持面の支持用溝は上下方向に間隔をあけて複数段設けられていることを特徴とする抗菌キャビネット。
【請求項2】
前記支持用溝の差し込み口部分には幅広となっているガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の抗菌キャビネット。
【請求項3】
前記支持用溝の差し込み口部分に上下の段で異なる目印を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌キャビネット。
【請求項4】
前記左右の支持面は樹脂製であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の抗菌キャビネット。
【請求項5】
前記本体内には殺菌灯が設けられており、前記殺菌灯から照射される光を透過させる孔を前記左右の支持面に有していることを特徴とする請求項4記載の抗菌キャビネット。
【請求項1】
内部にバット又は当該バットを載せるプレートの両側縁を支持する左右の支持面を有し、前面に前記バット又は前記バットおよび前記プレートを出し入れする開口が設けられた本体と、前記開口を開閉する扉とを備え、前記左右の支持面には前記バット又は前記プレートの側縁が前記開口側から差し込まれる前記バット又は前記プレートの側縁よりも若干広く形成された支持用溝がほぼ同じ高さの位置に設けられており、前記左右の支持面の支持用溝は上下方向に間隔をあけて複数段設けられていることを特徴とする抗菌キャビネット。
【請求項2】
前記支持用溝の差し込み口部分には幅広となっているガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の抗菌キャビネット。
【請求項3】
前記支持用溝の差し込み口部分に上下の段で異なる目印を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌キャビネット。
【請求項4】
前記左右の支持面は樹脂製であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の抗菌キャビネット。
【請求項5】
前記本体内には殺菌灯が設けられており、前記殺菌灯から照射される光を透過させる孔を前記左右の支持面に有していることを特徴とする請求項4記載の抗菌キャビネット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−94588(P2013−94588A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242818(P2011−242818)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】
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