説明

抗菌剤としての三環系化合物

本発明は、三環式含窒素化合物および抗菌剤としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それを含有する組成物および結核の治療における使用を含む抗菌剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO9937635、WO0021948、WO0021952、WO0043383、WO0078748、WO0107432、WO0107433、WO0250040、WO02/08224、WO02/24684WO02/50061、WO02/56882、WO02/96907、WO2003087098、WO2003010138、WO2003064421、WO2003064431、WO2004002992、WO2004002490、WO2004014361、WO2004041210、WO2004096982、WO2002050036、WO2004058144、WO2004087145、WO2006002047、WO2006014580、WO2006010040、WO2006017326、WO2006012396、WO2006017468、WO2006020561、WO2006081179、WO2006081264、WO2006081289、WO2006081178、WO2006081182、WO01/25227、WO02/40474、WO02/07572、WO2004024712、WO2004024713、WO2004035569、WO2004087647、WO2004089947、WO2005016916、WO2005097781、WO2006010831、WO2006021448、WO2006032466、WO2006038172、WO2006046552、WO06099884、WO06126171、WO06137485、WO06105289、WO06125974、WO06134378、WO07016610、WO07081597、WO07071936、WO07115947、WO07118130、WO07122258、WO08006648、WO08003690およびWO08009700は、抗菌活性を有するキノリン、ナフチリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ピペリジンおよびピペラジン誘導体を開示している。WO2004104000は、カンナビノイド受容体で選択的に作用することができる三環式縮合環化合物を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
ZはCHまたはNであり;
1aおよびR1bは、独立して、水素;ハロゲン;シアノ;(C1−6)アルキル;(C1−6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;カルボキシ;(C1−6)アルキルまたは(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキル;ヒドロキシ(C1−6)アルキル;1または2個の(C1−6)アルキル、ホルミル、(C1−6)アルキルカルボニルまたは(C1−6)アルキルスルホニル基によりN−置換されていてもよいアミノ基;アミノ基が(C1−4)アルキルにより置換されていてもよいアミノカルボニルから選択され;
は水素、または(C1−4)アルキルであるか、あるいはRと一緒になって下記に定義するYを形成し;
Aは基(ia)または(ib):
【化2】

(式中:RはR1aまたはR1bと同意義であるか、またはオキソであり、nは1または2である)
であり;
または、Aは基(ii):
【化3】

(式中、W、WおよびWはCRであるか、
または、WおよびWはCRであり、WはWおよびN間の結合を意味し;
XはO、CR、またはNRであり;
1個のRはR1aおよびR1bと同意義であって、残りおよびRは水素であるか、または1個のRおよびRは一緒になってオキソを意味し、残りは水素であり;
は水素または(C1−6)アルキルであるか;またはRと一緒になってYを形成し;
は水素;ハロゲン;(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;または(C1−6)アルキルであり;
YはCRCH;CHCR;(C=O);CR;CR(C=O);または(C=O)CRであり;
またはXがCRである場合、RおよびRは一緒になって結合を意味する)
であり;
は基−X1a−X2a−X3a−X4aであり、ここに:
1aはCH、COまたはSOであり;
2aはCR14a15aであり;
3aはNR13a、O、S、SOまたはCR14a15aであり;ここに:
14aおよびR15aは、各々独立して、H;(C1−4)アルキルチオ;ハロ;カルボキシ(C1−4)アルキル;ハロ(C1−4)アルコキシ;ハロ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;(C1−4)アルコキシカルボニル;ホルミル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C2−4)アルケニルオキシカルボニル;(C2−4)アルケニルカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニルオキシ;(C1−4)アルコキシカルボニル(C1−4)アルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1−4)アルキル;メルカプト(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;Rの対応する置換基と同様に置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニル;(C1−4)アルキルスルホニル;(C2−4)アルケニルスルホニル;またはアミノ基が(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよいアミノスルホニル;アリール;アリール(C1−4)アルキル;アリール(C1−4)アルコキシから選択される:ただし、同じ炭素原子上のR14aおよびR15aの両方が、置換されていてもよいヒドロキシおよび置換されていてもよいアミノから選択されることはない;あるいは
14aおよびR15aは一緒になってオキソであり;
13aは水素;トリフルオロメチル;(C1−6)アルキル;(C2−6)アルケニル;(C1−6)アルコキシカルボニル;(C1−6)アルキルカルボニル;またはアミノカルボニル(ここに、アミノ基は、(C1−6)アルコキシカルボニル、(C1−6)アルキルカルボニル、(C2−6)アルケニルオキシカルボニル、(C2−6)アルケニルカルボニル、(C1−6)アルキルまたは(C2−6)アルケニルにより置換されていてもよく、さらに、(C1−6)アルキルまたは(C2−6)アルケニルにより置換されていてもよい)であるか;または
隣接する2つのR14a基またはR13aおよびR14a基は、一緒になって結合を意味し、残りのR13a、R14aおよびR15a基は、上記と同意義であるか;または
隣接する2つのR14a基および2つのR15a基は、一緒になって結合を意味して、X2aおよびX3aが三重結合で結合され;
4aは、フェニルまたは、O、SおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含有するCまたはN結合単環式芳香族5−または6−員ヘテロサイクルであり:これらは、(C1−4)アルキルチオ;ハロ;カルボキシ(C1−4)アルキル;ハロ(C1−4)アルコキシ;ハロ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;(C1−4)アルコキシカルボニル;ホルミル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C2−4)アルケニルオキシカルボニル;(C2−4)アルケニルカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニルオキシ;(C1−4)アルコキシカルボニル(C1−4)アルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1−4)アルキル;メルカプト(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;Rの対応する置換基と同様に置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニル;(C1−4)アルキルスルホニル;(C2−4)アルケニルスルホニル;またはアミノ基が(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよいアミノスルホニル;アリール、アリール(C1−4)アルキルまたはアリール(C1−4)アルコキシから選択される3個までの基によりC−置換されていてもよく;
トリフルオロメチル;ヒドロキシ、(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;アリール;アリール(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニル;ホルミル;(C1−6)アルキルスルホニル;またはアミノカルボニル(ここに、アミノ基は、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C2−4)アルケニルオキシカルボニル、(C2−4)アルケニルカルボニル、(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよく、さらに、(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよい)によりN−置換されていてもよく;
は水素またはヒドロキシであるか、またはZがNである場合、Rはフルオロである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0004】
本発明はまた、哺乳動物、特にヒトの結核を含む細菌感染症の治療方法であって、該治療を必要とする哺乳動物に、有効量の式(I)で示される化合物、またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0005】
本発明はまた、哺乳動物における結核を含む細菌感染症の治療に用いるために医薬の製造における、式(I)で示される化合物、またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
【0006】
本発明はまた、式(I)で示される化合物、またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の態様において、R1aおよびR1bは、各々独立して、水素、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキル、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシメチルまたはハロゲン;より特別には、水素、メトキシ、メチル、シアノ、またはハロゲンである。
ある具体例において、R1aおよびR1bは、水素、メトキシ、メチル、またはハロゲン、例えばクロロまたはフルオロである。ある具体例において、R1aまたはR1b基の1つだけが水素以外である。特定の具体例において、ZはCHであり、R1aはメトキシ、フルオロまたはシアノであり、R1bは水素であり、より特別には、R1aはフルオロであり、R1bは水素である。他の詳しい具体例において、ZはNであり、R1aはクロロ、フルオロまたはメトキシである。さらに詳しい具体例において、ZはNであり、R1aおよびR1bは両方とも水素以外であり、さらに特別には、ハロゲン、例えばR1aフルオロおよびR1bクロロまたはフルオロである。
【0008】
特定の態様において、Rは水素である。
特定の態様において、ZはCHであり、Rは水素であり、さらに特別には、R基に結合する炭素原子上の立体化学は、RがHである場合、Rである。さらなる態様において、ZはNであり、RはOHである。
特定の態様において、ZはNであり、R基が結合している炭素原子上での立体化学はSである。
【0009】
の具体的な例としては、水素;置換されていてもよいヒドロキシ;置換されていてもよいアミノ;ハロゲン;(C1−4)アルキル;1−ヒドロキシ−(C1−4)アルキル;置換されていてもよいアミノカルボニルが挙げられる。より具体的には、R基は水素;CONH;1−ヒドロキシアルキル例えば、CHOH;置換されていてもよいヒドロキシ、例えばメトキシ;置換されていてもよいアミノ;およびハロゲンであり、特に、フルオロである。最も特別には、Rは水素、ヒドロキシまたはフルオロである。
【0010】
特定の態様において、Aが(ia)である場合、nは1である。さらなる態様において、Rは3−または4−位にある。さらに特別な態様において、Aは(ia)であり、nは1であり、Rは3−位にあり、より具体的には、NR基に対してcis位にある。
特定の具体例において、Aは基(ia)であり、ここに、nは1であり、Rは水素またはヒドロキシである。
【0011】
より特別には、Aが3−ヒドロキシピペリジン−4−イルである場合、立体配置は(3R,4S)または(3S,4R)である。
さらにより特別には、Aが3−ヒドロキシピペリジン−4−イルである場合、立体配置は(3R,4S)である。
【0012】
特定の態様において、Aが(ii)である場合、xはOであり、RはHであり、W、WおよびWは各々CHである。
1aは、好ましくは、CHである。
2aは、好ましくは、CHであり、X3aと一緒になってCH=CHまたはC≡C基を形成する。
3aは、好ましくは、CH、O、SまたはNHであり、またはX2aと一緒になってCH=CHまたはC≡C基である。
【0013】
好ましいリンカー基−X1a−X2a−X3a−は、−(CH−O−、−CH−CH=CH−、−(CH−、−(CH−NH−または−CHCONH−を含む。
4aに関するモノサイクリック芳香族ヘテロサイクリック基は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、イソイミダゾリル、チアゾリル、フラニルおよびイミダゾリル、2H−ピリダゾン、1H−ピリド−2−オンを含む。好ましい芳香族ヘテロサイクリック基は、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、チアゾール−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イルおよびフル−2−イルを含む。
【0014】
ヘテロサイクリックX4a上の好ましい置換基は、ハロ、特にフルオロ、トリフルオロメチルおよびニトロを含む。
フェニルX4a上の好ましい置換基は、ハロ、特にフルオロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、メチル、メトキシカルボニル、1−メチルエチルおよびメチルカルボニルアミノである。
好ましくは、X4aは、ピリド−2−イル、フル−2−イル、4−(1−メチルエチル)フェニル、ピリド−3−イル、2,5−ジフルオロフェニル、3−フルオロフェニル,5−フルオロピリド−3−イル、3,5−ジフルオロフェニルまたはチアゾール−2−イルである。
【0015】
本明細書において用いられる場合、「アルキル」なる語は、直鎖または分岐鎖を有する基、例えば、適当には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを包む。「アルケニル」なる語はそれに応じて解釈されるべきである。
【0016】
ハロまたはハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包む。
ハロアルキル部分は1〜3個のハロゲン原子を含む。
【0017】
本発明の範囲内の化合物はヘテロシクリル基を含み、そのヘテロシクリル基の特性に応じて2種以上の互変異性型にて存在してもよく;このような互変異性型のすべては本願発明の範囲内に含まれる。
【0018】
本発明の化合物のいくつかは水性または有機溶媒のような溶媒から結晶化または再結晶化してもよい。そのような場合には、溶媒和物が形成され得る。本願発明はその範囲内に、凍結乾燥のような方法により製造され得る、水和物および可変量の水を含有する化合物を含んでいる化学量論的溶媒和物を含む。
【0019】
ZがNである本発明の化合物は、N−オキシドを形成してもよい。
本発明における具体的な化合物は、実施例に記載の化合物およびその医薬上許容される塩またはN−オキシドを含む。
【0020】
さらには、「式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩」のような語句は、式(I)で示される化合物、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、式(I)のN−オキシド、式(I)の溶媒和物またはこれらの医薬上許容される組み合わせを含むことを意図することが理解されるであろう。それゆえ、説明を目的とする本明細書で使用される非限定的な例として、「式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩」は、さらには溶媒和物として存在する、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩および/またはN−オキシドを含んでもよい。
【0021】
式(I)で示される化合物は医薬組成物での使用を意図としているので、具体的な実施形態において、それらは実質的に純粋な状態、例えば、少なくとも60%純度、より適切には少なくとも75%の純度、詳細には少なくとも85%の純度、特に少なくとも98%の純度(%は重量基準に対する重量)にて提供されることがすぐに理解されるであろう。該化合物の純粋でない調製物は医薬組成物に使用される、より純粋な剤形を調製するために用いてもよい;これらの化合物のあまり純粋でない調製物は、少なくとも1%の、より適切には少なくとも5%、およびより詳細には10%の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩および/または溶媒和物を含まなくてはならない。
【0022】
本発明における具体的な化合物は、実施例に記載の化合物およびその医薬上許容される塩または溶媒和物を含む。
【0023】
上記した式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩は、酸付加塩または四級アンモニウム塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸もしくはリン酸のような鉱酸、または酢酸、フマル酸、((2E)−2−ブテン二酸)、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸(4−メチルベンゼンスルホン酸)、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸もしくは酒石酸のような有機酸との塩を含む。ZがNである式(I)で示される化合物はまた、N−オキシドとして調製されてもよい。本願発明はこのようなすべての誘導体に及ぶものである。
【0024】
ある種の式(I)で示される化合物は、光学異性体、例えばジアステレオ異性体および全ての比率での異性体の混合物、例えばラセミ混合物にて存在してもよい。本願発明はこのようなすべての形態、具体的には純粋な異性体を含む。例えば、本発明は、NR、R、および/またはRの結合部でのエナンチオアマーおよびジアステレオマーを含む。異なる異性体は、一の異性体を他の異性体から慣用的方法により分離もしくは分割してもよく、または所定の異性体を慣用的な合成方法により、もしくは立体特異的合成もしくは不斉合成により得てもよい。ある種の式(I)で示される化合物は多形体として存在することができ、本発明はかかる多形体を包含する。
【0025】
本発明のさらなる態様において、式(I)で示される化合物(式中、R9はHである)およびその医薬上許容される塩を調製するプロセスが提供され、プロセスは、式(IIA):
【化4】

[式中、R21は、(C1-6)アルキル(メチルなど)であり、R20はR5またはそれに変換可能な基であり、かつR2'はR2またはそれに変換可能な基であり、ここで、Z、A、R1a、R1b、R2およびR5は、式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を環化させて、式(IIB):
【化5】

[式中、R9はHである]
で示される化合物を生じる工程、その後、所望によるかまたは必要に応じて、R20およびR2'をR5およびR2に変換する工程、任意で可変の基を相互変換する工程、および/またはその医薬上許容される塩を形成する工程を含む。
【0026】
環化反応は、式(IIA)で示される化合物の、メタンスルホニルクロライド、p-トルエンスルホニルクロライド、メタンスルホン酸無水物または無水p-トルエンスルホン酸およびトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基といった活性化剤を用いた処理によって達成される。メシレートまたはトシレートの調製は、通常の条件下で行われ、式(IIB)で示される化合物がインサイツで形成される。
【0027】
本発明のさらなる態様において、式(I)で示される化合物(式中、ZはCHであり、かつR9はOHである)およびその医薬上許容される塩を調製するプロセスが提供され、そのプロセスは、式(IIC):
【化6】

[式中、R21は(C1-6)アルキル(メチルなど)であり、R22はHまたは(C1-6)アルキル(メチルなど)であり、かつR1a、R1bは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を環化させて、式 (IID):
【化7】

で示される化合物を生じる工程、その後、-CO2Hを−CH2-A-NR2-R5に変換する工程、任意で可変の基を相互変換する工程、および/またはその医薬上許容される塩を形成する工程を含む。
【0028】
環化反応は、式(IIC)で示される化合物を、過塩素酸リチウムのアセトニトリル中溶液または水酸化リチウムの水溶液で処理することによって達成され、三環式ヒドロキシ-カルボン酸(IID)が得られる。-CO2Hの−CH2-A-NR2-R5への変換は、メタノールの硫酸中溶液を使用したメチル化、ついで、ジオールの、ボロヒドリドナトリウムのメタノール中溶液を用いた還元、およびトシル誘導体への塩化トシル/酸化ジブチルスズを用いた変換によって達成される。アミンHN-A-NR20R2'R20(式中、R20はR5またはそれに変換可能な基であり、かつR2はR2またはそれに変換可能な基である)との反応によって、式 (IIB)で示される化合物(式中、R9はOHである)が得られる。
【0029】
所望により、R20およびR2'の一方は、N-保護基(t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたは9-フルオレニルメチルオキシカルボニルなど)である。これは、当業者に周知のいくつかの方法(例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis, T.W. GreeneおよびP.G.M. Wuts, Wiley-Interscience, 1999を参照のこと)、例えば、慣用的な酸加水分解 (例えば、トリフルオロ酢酸または塩酸を用いた)によって除去される。
【0030】
式(IIB)(式中、R20は水素である)の遊離アミンは、慣用的な手段(例えば、アシル誘導体とのアミドまたはスルホンアミド形成)によってNR2R5に変換され得る(化合物(式中、X1aはCOまたはSO2であるか、またはX1aはCH2である)について、塩基の存在下、ハロゲン化アルキルのアルキル化、アシル誘導体を用いたアルキル化/還元または慣用的な条件下でアルデヒドを用いた還元的アルキル化(例えば、Smith, M.B.; March, J.M. Advanced Organic Chemistry, Wiley-Interscience 2001を参照のこと)。
【0031】
式(IIA) で示される化合物は、下記スキーム1によって調製され得る:
【化8】

【0032】
一般的な構造(III)で表される化合物は、アクリル酸エステル(IV)の化合物HA-N(R20)R2'(例えば、Boc保護アミノ-ピペリジン)との、マイケル付加についての慣用的な条件下での反応によって調製され得る(例えば、Smith, M.B.; March, J.M. Advanced Organic Chemistry, Wiley-Interscience 2001を参照のこと)。 (III)の(IIA)への還元は、水素化アルミニウムリチウムとの慣用的な条件下での処理によって得られる(例えば、Smith, M.B.; March, J.M. Advanced Organic Chemistry, Wiley-Interscience 2001を参照のこと)。
【0033】
式(IIC)で示される化合物は、ビニルエステル(IV)の慣用的なエポキシ化(例えば、m-クロロペル安息香酸またはt-ブチルヒドロペルオキシドを用いた酸化)によって調製され得る。
【0034】
中間体(IV)(式中、ZはCHである)への経路をスキーム2aに示す:
【化9】

アニリン(XI)は、シンナミド(X) (塩化アルミニウムで環化されている)に変換されて(フェニル部分の喪失を伴う−M.C. Elliotら、 S.R. Inglis ら、 J. Med. Chem. 47 (22) ,5405-5417 (2004)] Synlett, 5, 898-900 (2004)を参照のこと)、(IX)を生じる。これは、例えば、ヨウ化メチルまたは硫酸ジメチルと選択的にO-アルキル化され、 (VIII)を生じ、メチル基がN-ブロモスクシニミドで官能化されて、ブロモメチルアナログ(VII)を生じる。これは、KCN、またはNaCNおよび臭化テトラブチルアンモニウム用いた処理によってニトリル(VI)に変換され、それは、酸触媒メタノリシス(TMS-クロライドまたはHClのメタノール中溶液)を経て、メチルエステル(V)を生じ、次いで、パラホルムアルデヒドでビニル化される。いくつかの脱メチル化した材料が(V)と一緒に形成されるが、TMS-ジアゾメタンで再メチル化され得る。この経路は、R1a=Fに特に適している。
【0035】
中間体(IV)(式中、ZはCHである)への別の経路を、スキーム3に示す:
【化10】

【0036】
キノリノン(XIV)は、市販のアニリン(XVI)のシンナモイル クロライドとの(XV)への反応、およびその後の環化によって調製される(この手順の例として、Cottet, F.; Marull, M.; Lefebvre, O.; Schlosser, M European Journal of Organic Chemistry (2003), 8, 1559を参照のこと)。(XIV)は、ブロモ-キノリン(XIII)へと、標準的な条件下で変換され得る(例えば、Smith, M.B.; March, J.M. Advanced Organic Chemistry, Wiley-Interscience 2001を参照のこと)。ボロン酸(XII)は、(XIII)から、標準的な条件下で合成され得る(例えば、Li, W.; Nelson, D.; Jensen, M.; Hoerrner, R.; Cai, D.; Larsen, R.; Reider, P J. Org. Chem. (2002), 67(15), 5394を参照のこと)。(XII)の公知のブロモ-アクリル酸との(IV)へのカップリング(合成について、Rachon, J.; Goedken, V.; Walborsky, H. J. Org. Chem. (1989), 54(5), 1006を参照のこと)は、スズキカップリング反応を使用して達成され得る(条件について、Littke, A.; Dai, C.; Fu, G. J. Am. Chem. Soc. (2000), 122(17), 4020を参照のこと。この経路は、R1a=Hに特に適している。
スキーム2aおよび3aにおいて、第1ステージでのRCOCl試薬、シンナモイルクロライドは、(2E)-3-エチルオキシ-2-プロペノイルクロライドによって置き換えてもよく、続くトリフルオロ酢酸または硫酸によって達成される環化は、三塩化アルミニウムを代用してもよい(E. Baston ら、 European J. Med. Chem., 2000 35(10), 931。
中間体 (IV)(式中、ZはNである)への経路を、スキーム2bに示す。アクリル酸(IV)は、トリフラート (V)(式中、R1aはHまたはClである)の公知のスタンナンとの反応によって調製され得る(このスタンナンの合成について、Zhang, H. X.; Guibe, F.; Balavoine, G. J.Org.Chem. (1990), 55(6), 1857を参照のこと)。スティルカップリング条件下、(VI) (例えば、Levin, Jeremy I. Tetrahedron Letters (1993), 34(39), 6211を参照のこと)。
【0037】
【化11】

【0038】
中間体(IV)(式中、ZはNであり、R1aはH、Cl、F、シアノ、(C1-6)アルキルである)への別の経路を、スキーム3bに示す。Lは脱離基(トリフラートまたはハロゲン、例えば、臭素など)である。例えば、クロロトリフラート(IX)(L=トリフラート、R1a=Cl)のマロン酸ジメチルのナトリウム塩との塩基性条件下での反応により、慣用的な条件化でジエステル(VIII)が提供される(例えば、Fellows, Ingrid M.; Kaelin, David E., Jr.; Martin, Stephen F. J. Am. Chem. Soc., 2000, 122(44), 10781を参照のこと)。Pd/Pt-Bu2を使用するマロン酸エステルのブロモフルオロ誘導体(IX)(L=Br, R1a=F)とのパラジウム触媒反応は、(VIII)を生じる(例えば、Beare, Neil A.; Hartwig, John F. J. Org.Chem., 2002, 67(2), 541を参照のこと)。また、マロン酸ジメチルのナトリウム塩のブロモフルオロ誘導体(IX)(L=Br, R1a=F)またはブロモクロロ誘導体(L=Br, R1a=Cl)との銅触媒反応で、(VIII)(例えば、US6156925を参照のこと)が生じる。
【0039】
ジエステル(VIII)は、ジエステル混合物をLiClのDMSO/水中溶液にて100℃で加熱することによって脱炭酸されて、エステル(VII)を標準的な条件下で生じ得る(例えば、Krapcho, A. Paul; Jahngen, E. G. E., Jr.; Lovey, A. J.; Short, Franklin W. Tetrahedron Lett., 1974, (13), 1091; Krapcho ら、 J. Org. Chem. 1987, 52(9), 1880を参照のこと)。 (VII)のアクリル酸(IV)への変換は、パラホルムアルデヒドとの塩基性条件下での反応によって達成され得る(例えば、Serelis, Algirdas K.; Simpson, Gregory W. Tetrahedron Lett. 1997, 38(24), 4277を参照のこと)。
【0040】
【化12】

【0041】
式(I)で示される化合物(式中、ZはCHであり、Aは(ia)であり、nは1であり、かつR3はHであり、かつUはCH2である)の別の経路は、式(IIE):
【化13】

[式中、R1aおよびR1bは、式 (I)にて記載するものと同じ]
で示される化合物の化合物R5NH2との還元性アルキル化による反応を含む。
【0042】
式(IIE)で示される化合物は、下記スキーム4によって調製され得る:
【化14】

【0043】
(IV)の適当な保護ケトピペリジン(例えば、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン)との反応、続くエステルおよび環化物の無水メタンスルホンを用いた還元により、三環式中間体が得られる。アセタールの塩酸での脱保護は、ケトンを遊離させる。
【0044】
式(IIB)で示される化合物(式中、ZはCHであり、R1aはFであり、R1bはHであり、R9はHであり、R20はHであり、R2'はBocであり、Aは(ia)であり、nは1であり、かつR3はHである)(化合物 5)へのさらに別の経路は、スキーム5Aを含む:
【化15】

【0045】
ジオール3を、慣用的な方法によって、リパーゼTLおよびビニルエステル(例えば、酢酸ビニルまたはピバル酸ビニル)を用いた処理によって酵素的非対称化反応、ついで、無水メタンスルホン酸を用いた環化、ナトリウムメトキシドのメタノール中溶液を用いたエステル加水分解、および得られたアルコールのメシレート4への活性化に供して、所望のE1エナンチオマー(化合物4)を得てもよい。
【0046】
このプロセスの別法を、スキーム5Bに示す:
【化16】

【0047】
本発明のさらなる態様において、式 (I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩(式中、ZはNである)を調製するプロセスが提供され、プロセスは、式(IIF):
【化17】

で示される化合物を、化合物HA-N(R20)R2'(式中、Wは脱離基であり、R20はR5またはそれに変換可能な基であり、かつR2'はR2またはそれに変換可能な基であり、かつA、R1a、R1b、R2、R9、R5は式(I)の記載と同意義である)と反応させて式(IIG):
【化18】

で示される化合物を生じる工程、その後、所望によるかまたは必要に応じて、R20およびR2'をR5およびR2に変換する工程、任意で可変の基を相互変換する工程、および/またはその医薬上許容される塩を形成する工程を含む。
【0048】
適当な溶媒(例えば、エタノールまたはN,N-ジメチルホルムアミド)中適当な塩基(例えば、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミン)の存在下、室温〜60oCの間で反応させるなど、アミンカップリングについて慣用的な条件下で反応を実施する。R9がOHである場合、塩基を用いた処理は、エポキシドを生じ、アミンと反応して(IIG)を生じ得る。そのような反応を、エポキシドを介して、単離の必要性なく進める。
【0049】
式(IIF)で示される化合物が、下記スキーム6によって調製され得る:
【化19】

【0050】
ブロモ-ナフチリジン(1)を、メチルビニル-アナログ(2)に、スズキ条件下で変換する。メチル基をNaOClで官能化して、クロロアナログ(3)を得、環化によりビニル三環式ナフチリドン(4)を得た。ビニル三環式ナフチリドン(4)を、ジヒドロキシル化アナログ(5)に、AD-混合-αおよび/またはβ、オスミウム酸カリウム、オスミウム酸カリウムおよびキラル誘導体化リガンド(ジヒドロキシル酸オレフィンスとして知られる)の混合物を使用して変換した。K. B. Sharpless ら、 Chem. Rev., 1994, 94, 2483を参照のこと。別のキラルリガンド(例えば、ヒドロキニーネアントラキノン-1,4-ジイルジエーテルなど)を使用してもよい。第1のヒドロキシル基を、式(IIA)で示される化合物の脱離基Wに、例えば、塩化トシル/酸化ジブチルスズを用いてトシレート(6)に、慣用的に官能化する。
【0051】
ビニル誘導体(4)(式中、R1aはFであり、かつR1bはHである)への別の経路を、スキーム7に示す:
【化20】

【0052】
(1)などの臭化物を、ジエステル(8)に、マロン酸ジメチルのナトリウム塩を用いた銅-触媒反応に変換してもよい一方、(7)などのトリフラートを、(8)に、マロン酸ジメチルのナトリウム塩を用いた反応によって直接変換してもよい。ジエステルを、モノエステル(9)に、Krapchoら、 J. Org. Chem., 1987, 52(9), 1880の条件を使用して、つまり、ジエステルの混合物をLiClのDMSO/水中溶液を用いて100℃で24時間加熱することによって、変換してもよい。パラホルムアルデヒドを用いた凝縮によって、プロペノアート(10)を得、次いで、アミノピペラジン(ZはHまたはOHである)を用いたマイケル付加をし、エステルのアルコールへの還元および環化によって、三環式誘導体(11)を生じる。酸-触媒レトロ-マイケル反応によって、重要なオルフィン(4)を得、スキーム6に記載の方法にしたがって、さらに変換してもよい。
【0053】
R9ヒドロキシを、合成の任意の時点(例えば、中間体(5))で、フッ素化剤(例えば、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド)で処理することによってフルオロに変換してもよい。
【0054】
所望により、R9の結合位置での光学異性体の分解を、式(I)、(IIB)または(IIG)で示される化合物について、任意の慣用的な方法(例えば、予備的高速液体クロマトグラフィー)によって実施する。
【0055】
R1a、R1b、R2、AおよびR5 の相互変換は、慣用的である。所望により、保護ヒドロキシ基を有する化合物において、分子の残りの部分を混乱させずに除去され得る適切で慣用的なヒドロキシ保護基としては、アシルおよびアルキルシリル基が挙げられる。N-保護基は、慣用的な方法によって除去される。
【0056】
R1aおよびR1b基の相互変換は、慣用的に、式 (I)または(IIB)で示される化合物について実施される。例えば、R1aまたはR1bメトキシは、R1aまたはR1bヒドロキシに、リチウムおよびジフェニルホスフィンまたはHBrを用いた処置(Irelandら, J. Amer. Chem. Soc., 1973, 7829に記載の一般的な方法)によって変換可能である。脱離基(例えば、ハロゲン化物)を有する適当なアルキル誘導体を用いたヒドロキシ基のアルキル化は、R1aまたはR1b置換アルコキシを生じる。R1aハロゲンは、他のR1a(例えば、ヒドロキシ、アルキルチオール(チオールを介して)およびアミノに、慣用的な手段、例えば、金属触媒カップリング反応(例えば、銅、Synlett (2003), 15, 2428-2439およびAngewandte Chemie, International Edition, 2003, 42(44), 5400-5449にて概説される)を使用して変換可能である。R1bハロ(例えば、ブロモ)を、M. A. Alonso ら、 Tetrahedron 2003, 59(16), 2821に記載の方法によって導入してもよい。R1aまたはR1bハロ(例えば、ブロモ)を、シアノに、シアン化銅(I)のN,N-ジメチルホルムアミド中溶液で処理することによって変換してもよい。R1aまたはR1bカルボキシを、R1aまたはR1bシアノの慣用的な加水分解によって入手してもよく、カルボキシをヒドロキシメチルに慣用的な還元によって変換してもよい。
【0057】
式HA-N(R20)R2'および(V)で示される化合物は、公知の化合物であるか、または公知の化合物に類似のやり方で調製され得る。例えば、WO0224684、WO2004/035569、WO2004/089947、WO02/08224、WO02/50061、WO02/56882、WO02/96907、WO2003087098、WO2003010138、WO2003064421、WO2003064431、WO2004002992、WO2004002490、WO2004014361、WO2004041210、WO2004096982、WO2002050036、WO2004058144、WO2004087145、WO2003082835、WO2002026723、WO06002047、WO06014580、WO06134378、WO06137485、WO07016610、WO07081597、WO07071936、WO07115947、WO07118130、WO07122258、WO08006648、WO08003690およびWO08009700を参照のこと。
【0058】
スキーム8に示すように、式 (XIII)で表されるヒドロキシ-アミノメチルピロリジン(HA-NH(R20)、Aは(ii)であり、XはCR4R8であり、W1は単結合であり、W2およびW3は両方ともCH2であり、R4およびR7はHであり、かつR8はOHである)を、二重に保護されたキラルの中間体(XVI)から調製し、予備的HPLCによって分離してもよい。ベンジルオキシカルボニル保護基を、水素添加によって除去し、(XV)およびトリフルオロアセトアミド(XIV)に変換されたアミノ基を得てもよい。t-ブトキシカルボニル(Boc)保護基を、HClで除去して、ピロリジン塩酸塩(III)を生じる。
【化21】

【0059】
中間体(XVI)を、スキーム9の一般的な方法によって調製してもよい:
【化22】

【0060】
スキーム10において、式(XVII)で表されるアミノメチルピロリジン((HA-NH(R20)、Aは(ii)であり、XはCR4R8であり、W1は単結合であり、W2およびW3は両方ともCH2であり、R4、R7およびR8は全てHである)を、市販のBoc-保護アミノメチルピロリジンから調製し、トリフルオロアセトアミドに変換してもよい。
【化23】

【0061】
式(XXI)で表されるアミノメチルモルホリン中間体((HA-NH(R20)、Aは(ii)であり、XはOであり、W1、W2およびW3はそれぞれCH2である)は、キラルのジクロロベンジル中間体 (XXIII)(WO2003082835)(スキーム9)から、まずアミノ基をBoc-保護基 (XXII)で保護し、ジクロロベンジル基を水素添加することによって (XXI)を得て、モルホリンN-原子をベンジルオキシカルボニル基(クロマトグラフィーによる精製を可能にするために)(XX)で保護し、さらに水素添加することによって必要なモルホリン誘導体(XXI)を得ることで調製される。
【0062】
【化24】

【0063】
R5-ハロゲン化物およびR5-W誘導体、アシル誘導体またはアルデヒドは、市販であるか、または慣用的に調製されたものである。アルデヒドは、対応するエステルの水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ジ−イソブチルアルミニウムを用いた部分的な還元、または、より好ましくは、アルコールへの水素化アルミニウムリチウムまたはボロヒドリドナトリウムを用いた還元 (Reductions by the Alumino- and Borohydrides in Organic Synthesis, 2nd ed., Wiley, N.Y., 1997; JOC, 3197, 1984; Org. Synth. Coll., 102, 1990; 136, 1998; JOC, 4260, 1990; TL, 995, 1988; JOC, 1721, 1999; Liebigs Ann./Recl., 2385, 1997; JOC, 5486, 1987を参照のこと)、ついで、アルデヒドへの二酸化マンガン(II)を用いた酸化によって調製され得る。アルデヒドはまた、カルボン酸から、混合アルデヒドへの変換(例えば、イソブチルクロロホルムアミドを用いた反応)、続いて、ボロヒドリドナトリウム(R. J. Alabaster ら, Synthesis, 598, 1989)を用いた還元によって、ヒドロキシメチル置換ヘテロ芳香族または芳香族を生じ、次いで、標準的な酸化剤(例えば、二クロム酸ピリジニウムまたは二酸化マンガン(II))を用いた酸化によって調製され得る。アシル誘導体は、対応するエステルの酸化によって調製され得る。R5-ハロゲン化物(例えば、臭化物)は、アルコールR5OHから、リントリブロミドのジクロロメタン/トリエチルアミン中溶液を用いた反応によって調製され得る。X2aがCOであり、X3aがNR13aである場合、R5-ハロゲン化物は、X4a-NH2アミンおよびブロモアセチルブロミドをカップリングさせることによって調製してもよい。R5-W 誘導体(例えば、メタンスルホニル誘導体)は、アルコールR5OHから、メタンスルホニルクロライドを用いた反応によって調製してもよい。脱離基Wを、慣用的な方法によって、別の脱離基W、例えば、ハロゲン基に変換してもよい。
【0064】
アミンR2'R4'NHは、市販のものであるかまたは慣用的に調製したものである。例えば、 アミンは、ブロモ誘導体から、アジ化ナトリウムのジメチルホルムアミド(DMF)中溶液を用いた反応、ついで、アジドメチル誘導体のパラジウム-炭素上での水素添加によって調製してもよい。別法は、カリウムフタルイミド/DMFを使用して、フタルイミドメチル誘導体を得て、ついで、ヒドラジンのDCM中溶液を用いた反応によって一級アミンを遊離させることによって調製してもよい。
アミン(ここで、X2aはCOであり、X3aはNR13aである)は、例えば、1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドを使用する慣用的なカップリングによって、X4a-NH2を有するN-保護グリシン誘導体HO2C-X1a-NH2を反応させることによって、調製してもよい。
【0065】
式(I)で示される化合物の調製についてのさらなる詳細は実施例に示す。
【0066】
本発明による抗菌化合物は、他の抗菌化合物/抗結核剤化合物と同様に、ヒトまたは獣医薬としての使用に都合のよいいずれの方法によって、投与のために製剤化されてもよい。
【0067】
本発明の医薬組成物は、いずれの経路による投与のために処方することができ、経口、局所または非経口の使用に適した形態であるものを含み、ヒトを含む哺乳動物の結核を含む細菌感染症の治療に使用してもよい。
【0068】
組成物は、錠剤、カプセル、散剤、顆粒、トローチ、坐剤、クリームまたは、経口または滅菌非経口溶液または懸濁液のような液体製剤の形態であってもよい。
【0069】
本発明の局所製剤は、例えば、軟膏、クリームもしくはローション、眼用軟膏および点眼もしくは点耳剤、含浸包帯およびエアロゾールとして提供してもよく、保存剤、薬剤の浸透を補助する溶媒、軟膏およびクリーム中の皮膚軟化剤のような適切な標準的な添加剤を含んでもよい。
【0070】
また製剤は、クリームまたは軟膏基剤およびローション用のエタノールまたはオレイルアルコールのような、適合する標準的な担体を含んでもよい。そのような担体は、製剤の約1%〜約98%まで存在してもよい。より一般的には、これらは製剤の約80%までを形成するであろう。
【0071】
経口投与用の錠剤およびカプセルは、単位投与剤形であってもよく、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントもしくはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールもしくはグリシン;打錠潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールもしくはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン;または許容される湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、のような標準的な賦形剤を含んでもよい。錠剤は、通常の薬務において周知の方法によって被覆されていてもよい。経口用液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、使用前に水または適当なビヒクルでもどす乾燥製剤として提供してもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤、例えばソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルもしくは硬化食用油、乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレイン酸エステル、もしくはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、例えばアーモンド油、グリセリンのような油性エステル、プロピレングリコール、もしくはエチルアルコール;保存料、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピルもしくはソルビン酸、および、所望により、標準的な香料または着色料のような、標準的な添加剤を含んでもよい。
【0072】
座剤は、標準的な坐剤基剤、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドを含むであろう。
【0073】
非経口投与のための液体単位剤形は、化合物および滅菌ビヒクル、好ましくは水、を利用して調製される。化合物を、使用するビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁または溶解することができる。溶液の調製において、化合物を注射のための水に溶解し、滅菌濾過し、その後、適当なバイアルまたはアンプルに充填して、密封する。
【0074】
有利には、局所麻酔剤、保存料および緩衝剤のような薬剤をビヒクル中に溶解することができる。安定性強化のため、組成物は真空化で水分が除去され、バイアルに充填した後冷凍される。ついで、凍結乾燥粉末をバイアル中に密閉し、注射のための水の入った添付のバイアルを供給し、使用前に液体にもどしてもよい。非経口の懸濁液は化合物がビヒクル中に溶解の代わりに懸濁していることおよびろ過による滅菌ができないことを除いて、実質的に同じ方法で調製する。化合物は、滅菌ビヒクルに懸濁する前に、エチレンオキシドに曝露することにより滅菌することができる。有利には、化合物の均一な分布を促進するため、界面活性剤または湿潤剤が組成物に含まれる。
【0075】
組成物は、投与方法に応じて、0.1重量%から、好ましくは10〜60重量%の活性物質を含んでもよい。組成物が単位用量を含む場合、各々の単位は、好ましくは、50〜1000mgの活性成分を含有するであろう。成人の治療に用いられる投与量は、好ましくは、1日あたり100〜3000mg、例えば、投与経路および頻度に応じて1日あたり1500mgであろう。そのような投与量は、1日あたり約1.5〜約50mg/kgに相当する。適切には、投与量は1日あたり5〜30mg/kgである。
【0076】
式(I)で示される化合物は、本発明の組成物中にある唯一の治療剤であってもよく、または、他の抗結核化合物を含む抗菌剤と組み合わせてもよい。他の抗菌剤がβ−ラクタムである場合、β−ラクタマーゼ阻害剤を用いてもよい。
【0077】
式(I)で示される化合物は、グラム−陰性およびグラム−陽性の生物の両方を含む広範囲の生物に起因する細菌感染、例えば上気道および/または下気道感染症、皮膚および軟組織感染症および/または尿路感染症の治療に使用することができる。式(I)で示される化合物はまた、Mycobacterium tuberculosisにより引き起こされる結核の治療に用いることができる。いくつかの式(I)で示される化合物は、1つ以上の生物に対して活性であり得る。これは、本明細書に記載の方法により測定することができる。
【0078】
以下の実施例は、式(I)で示される特定の化合物の調製および種々のMycobacterium tuberculosisを含む細菌性生物に対する式(I)で示される特定の化合物の活性を説明する。
【実施例】
【0079】
実施例および実験
一般的
実施例の略語:
rt=室温
MS=質量スペクトル
ES=エレクトロスプレー質量分析
LCMSまたはLC−MS=液体クロマトグラフィー質量分析
HPLC=高速液体クロマトグラフィー(Rtは保持時間をいう)
MDAPまたはMass directed autoprep=マスディレクティッド分取HPLC
特定の試薬はまた、本明細書で略記される。DMFはN,N−ジメチルホルムアミドをいい、TFAはトリフルオロ酢酸をいい、THFはテトラヒドロフランをいい、Pd/Cは炭素担持パラジウム触媒をいい、DCMはジクロロメタンをいい、Bocはtert−ブトキシカルボニルをいい、MeOHはメタノールをいい、NMPはN−メチル−2−ピロリドンをいい、AcOHは酢酸をいい、DMSOはジメチルスルホキシドをいい、Pol−BHはBorohydride on Amberlite IRA−400,Macroporous,20−50メッシュ、(水素化ホウ素(ポリスチレンメチル)トリメチルアンモニウム)をいい、DIBAL−Hは水素化ジイソブチルアルミニウムをいう。
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、400または250MHzで記録され、化学シフトは内部標準テトラメチルシラン(TMS)から低磁場に100万分の1単位(δ)で記録される。NMRデータの略語は、以下のとおりである:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、dd=ダブレット・オブ・ダブレット、dt=ダブレット・オブ・トリプレット、app=見掛けの、br=広範な、Jはヘルツで測定されたNMRカップリング定数を示す。CDClはジュテリオクロロホルムであり、DMSO−dはヘキサジュウテリオジメチルスルホキシドであり、およびCDODはテトラジュテリオメタノールである。質量スペクトルは、エレクトロスプレー(ES)イオン化技法を用いて得られた。全ての温度は、摂氏温度で記録される。
MP−炭酸塩は、マクロ多孔性トリエチルアンモニウム メチルポリスチレン炭酸塩(Argonaut Technologies)をいう。Chiralpak ADおよびAD−Hカラムは、アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(Chiral Technologies USA)でコーティングされた分取カラム(5um粒径 AD−Hおよび10um粒径 AD 21x250mm;20um粒径 AD,101.1x250mm)のシリカからなる。Chiralpak AS−Hカラムは、5umシリカにコーティングされたアミローストリス[(S)−α−メチルベンジルカルバメート)からなる。Chiralpak IAカラムは、5umシリカに固体化したアミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)からなる。Luna(商標)C18セミ分取逆相カラムは、C18アルキル鎖で高密度にコーティングされたシリカ粒子からなり、広いpH範囲(pH1.5〜pH10)内で優れた酸安定性を有する。SCX(強カチオン交換)カラムは、シリカ担体に共有結合したベンゼンスルホン酸を有し、それ自体は高pKa(すなわち、塩基性)有機分子、例えば、アミンを強く保持し、その後、適当な溶媒中の過剰のアンモニアで遊離されうる。測定された保持時間は、クロマトグラフィー法の緻密な条件に依存する。下記の実施例で引用される場合には、それらは溶出の順序を示す。
水素化リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジ−イソブチルアルミニウム、水素化ナトリウム、ボロヒドリドナトリウムおよびトリアセトキシボロヒドリドナトリウムを含む金属水素化物に関する反応は、アルゴン雰囲気下または他の不活性気体下で実施される。
当業者であれば、他の調製法と同様の手法またはその一般法で行われた調製法に関する言及は、所定のパラメータの変化、例えば、時間、温度、後処理条件、試薬量のわずかな変化などを包含してもよいことを認識するであろう。
【0080】
実施例1 (4S)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−[(4−{[(2E)−3−(2−ピリジニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン二塩酸塩
【化25】

(a)ピリジン−トリス(1−メチルエテニル)ボロキシン(1:1)
削り屑状マグネシウム(magnesium turnings)(20.83g,868mmol)のTHF(1.2リットル)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下室温にて2−ブロモプロペン(20ml)で処理し、少し加熱すると反応が始まった。始まると、外部加熱を止め、反応混合物を、約1.5時間かけて追加量の2−ブロモプロペン(53ml)を3回に分けて加えることにより約50−60℃に維持した。臭化イソプロペニルマグネシウムを含有する混合物を常温に冷却した。対応するピリジン−トリス(トリエテニル)ボロキシン(1:1)(J.Org.Chem.2002,67,4968)について記載されているように、残りの製法を続けた。臭化イソプロペニルマグネシウムの溶液(1.2リットルのTHF中約826mmol)および追加分の500mlのTHF中臭化イソプロペニルマグネシウム250mmol(市販の物質)を、アルゴン雰囲気下で−78℃に冷却したホウ酸トリメチル(217ml,1937mmol)の1リットルTHF中溶液に加えた。加え終わった(約1時間)後、混合物を1時間−78℃に維持した後に5分かけて1M HCl(550ml)を加えた。混合物を常温に加温し、次いで、ブライン(500ml)およびジエチルエーテル(500ml)を加えた。水相をジエチルエーテル(3x500ml)でさらに抽出し、合した有機抽出物を、水(500ml)、ブライン(500ml)で洗浄し、(硫酸ナトリウム)乾燥し、約1/8量に蒸発させた。ピリジン(220ml)を加え、混合物を4時間攪拌した。蒸発させて、油を得た(86.4g、83%)。
δH(CDCl,400MHz) 1.80(9H,s),5.45(3H,s),5.65(3H,s),7.62(2H,t),8.02(1H,m),8.85(2H,d)。
2−ブロモプロペンとマグネシウムの反応を開始するために、触媒ヨウ素を用いてもよい。過剰のホウ酸およびその誘導体を、ピリジンを加える前にセライト(登録商標)に通して濾過することにより反応混合物から除去してもよい。
【0081】
(b)7−フルオロ−8−(1−メチルエテニル)−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
方法A
8−ブロモ−7−フルオロ−2−(メトキシ)−1,5−ナフチリジン(8.53g,33.2mmol)(合成に関しては、WO2004058144,実施例53(g)を参照)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.92g,1.7mmol)の脱気ジメトキシエタン(300ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下で30分間攪拌した。炭酸カリウム(4.58g,33.2mmol)、水(90ml)およびピリジン−トリス(1−メチルエテニル)ボロキシン(1:1)(3.8g,13.3mmol)を加え、混合物を10時間還流温度に加熱した。混合物を冷却し、水(500ml)およびジエチルエーテル(500ml)で処理した。相を分離し、水相をジエチルエーテル(3x500ml)でさらに抽出した。合した有機抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中0−50%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、黄色油を得た(6.9g,95%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 219(MH+)。
方法B
フラスコに、空気を抜きながらTHF(50ml)および削り屑状マグネシウム(1.9g,2当量)を加えた。混合物を室温にて30−60分間攪拌した。最初の10−20%部分のTHF(20mL)中2−ブロモプロペン(6.9ml,9.4g,全部で1.3当量)を加えた。触媒量のヨウ素および40℃への加熱を用いて、グリニャール反応を開始し、次いで、自然冷却した。グリニャール反応が始まると、温度上昇が観察された。温度を62℃以下に維持しながら、残りの2−ブロモプロペンを加えた。加えた後の得られた混合物は約50℃であり、反応の終了を確保するために約47℃で加熱した。
別々のフラスコにTHF(20ml)を加えた。固体塩化亜鉛(20g,2.5当量)を少量ずつ加え、温度上昇が観察された。混合物を約10℃まで冷却した。
上記の新たに調製したグリニャール試薬(THF中)を、25℃以下に温度を維持しながらゆっくりとした速度でZnCl混合物に移した。得られた混合物を、室温まで加温し、さらに20mlのTHFを加え、室温にて約2時間攪拌した。
上記の反応混合物に、固体としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4,1.3g,2%mol]を少量ずつ、そして、固体として8−ブロモ−7−フルオロ−2−(メトキシ)−1,5−ナフチリジン(15.0g,1当量)を少量ずつ加えた。発熱は観察されなかった。HPLCで反応の終了を観測するまで、反応混合物を還流温度で加熱した。
反応物を約10℃まで冷却し、100mlの10%クエン酸水性溶液でクエンチし(発熱)、抽出するために酢酸エチル(100ml)を加えた。有機層を100mlの水で洗浄し、水層を100mlの酢酸エチルで抽出した。合した有機溶液を、濃縮乾固し、暗色油を得、さらに溶出液としてヘプタン/酢酸エチル(1/0,3/1,2/1)でシリカカラムに付して精製した(11.8g,HPLCによると面積比当たり収率約93%および純度約97%)。
臭化亜鉛を塩化亜鉛の代わりに用いてもよく、パラジウム触媒の濃度を0.5%に減少させてもよい。水の代わりに4%クエン酸水性溶液で洗浄工程を行ってもよい。
【0082】
(c)8−[1−(クロロメチル)エテニル]−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
方法A
7−フルオロ−8−(1−メチルエテニル)−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(7.3g,33.5mmol)のtert−ブタノール(500ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下、塩化セシウム(III)七水和物(12.5g,33.5mmol)で処理し、次いで、次亜塩素酸ナトリウムの溶液(12%w/v,21.1ml,33.5mmol)で滴下処理した。黄色懸濁液を形成した。15分後、追加量の次亜塩素酸ナトリウム(12%w/v,21.1ml,33.5mmol)を加えた。10分攪拌した後、飽和水性硫酸ナトリウム溶液(200ml)を加えた。5分攪拌した後、水(500ml)を加え、混合物をエーテル(3x500ml)で抽出した。合した有機抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中0−50%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(4.9g,58%)。
有機抽出物を、硫酸マグネシウムでの乾燥の代わりにブラインおよび酢酸エチルで洗浄することにより乾燥してもよい。
方法B
7−フルオロ−8−(1−メチルエテニル)−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(31.86g,146mmol)のtert−ブタノール(2L)中溶液を、塩化セシウム(III)七水和物(54.4g,146mmol)で処理し、15分間攪拌し、次いで、15分かけて加えた次亜塩素酸ナトリウムの溶液(12%w/v,139ml,221mmol)で処理した。15分攪拌した後、飽和水性硫酸ナトリウム溶液(800ml)を加えた。30分攪拌した後、追加量の水を加え、混合物をジエチルエーテル(1x500ml,2x2L)で抽出した。合した有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。残渣を、0−100%ジクロロメタンのヘキサン中勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(17.5g,48%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 253(MH+)。
【0083】
(d)3−フルオロ−4−メチリデン−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
8−[1−(クロロメチル)エテニル]−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(4.9g,19.5mmol)およびヨウ化ナトリウム(29g,195mmol)のアセトン(100ml)中混合物を、18時間還流温度に加熱した。混合物を蒸発させ、残渣を水(200ml)およびジクロロメタン(200ml)の間に分配した。水相をジクロロメタン(2x200ml)でさらに抽出し、合したジクロロメタン抽出物を水(2x200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。得られた固体を、酢酸エチル(50ml)でトリチュレートし、濾過し、酢酸エチル(20ml)で洗浄して、褐色固体を得た。次いで、該物質を酢酸エチルで溶解し、シリカ栓に通して濾過した。蒸発させて、固体を得た(1.4g,36%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 203(MH+)。
必要に応じて生成物をn−ヘキサンで処理し、沈殿除去してもよく、冷アセトンと攪拌することにより固体を精製した。
【0084】
(e)3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
方法A
3−フルオロ−4−メチリデン−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(37.1g,183mmol)、tert−ブタノール(1.5リットル)、水(1.5リットル)およびADミックスα(Aldrich)(246g)の混合物を、室温にて16時間勢いよく攪拌した。硫酸ナトリウム(300g)を加え、混合物を30分間攪拌した。相を分離し、水相を酢酸エチル中10%メタノール(全容量1リットル)で3回抽出した。合した有機抽出物を乾燥し、蒸発させ、固体を得た(45g,100%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 237(MH+)。
方法B
1Lの3つ首フラスコに、ヘキサシアノ鉄酸カリウム(III)(24.50g)、炭酸カリウム(粒状,10.25g)、オスミウム酸カリウム(VI)二水和物(25mg)、および水(125mL)を加えた。該混合物を室温にて10分間攪拌し、それに予め溶解していたヒドロキノリンアントラキノン−1,4−ジイル ジエーテル((DHQ)AQN)(200mg)の2−ブタノール(125mL)中溶液を加えた。得られた混合物を15分間攪拌し、それに3−フルオロ−4−メチリデン−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(4.60g)を加えた。得られた混合物を常温にて18時間攪拌した。混合物にNaSO(37.25g)を加え、室温にて30分間攪拌した。該混合物に、水(100mL)およびメタノール(10mL)を加え、3x250mLの酢酸エチルで抽出した。合した酢酸エチルフラクションをブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ゴムとして標題化合物を得た。キラルHPLCは、4R/4Sの比率が13.3/86.7であることを示した。
t−ブタノールを、(DHQ)AQNとの上記反応において2−ブタノールの代わりに用いてもよく、また酢酸エチルの代わりに抽出工程で用いてもよい。必要に応じて生成物を加温トルエンで溶解し、冷却して、固体として生成物を沈殿してもよい。
【0085】
(f)1,1−ジメチルエチル {1−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
方法A
3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(25.09g,106.3mmol)のジクロロメタン(1リットル)、THF(1 リットル)およびN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)中溶液を、トリエチルアミン(22.7ml,159mmol)、塩化パラ−トルエンスルホニル(20.2g,106.3mmol)および酸化ジブチルスズ(1.32g,5.23mmol)で処理した。室温にて16時間攪拌した後、水(400ml)を加え、次いで、有機相を分離し、水性炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させて、いくつかの対応するエポキシドおよびDMFを含有する粗スルホン酸トルエンを得た(約3:1 4S:4R)(43.8g)。該物質を、エタノール(1.1リットル)で溶解し、炭酸ナトリウム(33.4g)および1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(28.3g,142mmol)で処理した。混合物を週末にかけて攪拌し、次いで、ほぼ蒸発乾固した。残渣を水およびジクロロメタン中5%メタノールの間に分配した。相を分離し、水相を2回量のジクロロメタン中5%メタノールでさらに抽出した。合した有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。残渣を、2−5%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィー(2kg)に付して、生成物を得た(39.94g,90%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 419(MH+)。
方法B
3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(合計3.65g,エナンチオマー率4R/4S:15.7/84.3で1.32gおよびエナンチオマー率4R/4S:17/83で2.33g)、塩化トルエンスルホニル(2.94g)、酸化ジブチルスズ(IV)(192mg)、テトラヒドロフラン(無水,146mL)、ジクロロメタン(無水,146mL)、トリエチルアミン(3.31mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(無水,14.6mL)を、懸濁液として室温にて18時間攪拌した。混合物を、水、飽和水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、対応するスルホン酸トルエンを得た。
上記のスルホン酸トルエン、1,1−ジメチルエチル−4−ピペリジニルカルバメート(4.13g)、NaCO(4.87g)のエタノール(160mL)中混合物を、懸濁液として室温にて2.5日間攪拌した。該混合物を、1.50gのエナンチオマー率4R/4S:17/83を有する3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オンから同様に調製された別群と合した。得られた混合物を濾過し、NaCOケークをエタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、300mLのジクロロメタン中5%メタノール中で処理した。得られた溶液を、飽和水性NaHCO(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ゴムを得た。ジクロロメタンでトリチュレートし、1.27gの標題化合物を得た(収率14%,エナンチオマー率4R/4S:15/85)。濾液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して精製し、2.00gの標題化合物を得た(収率22%,エナンチオマー率4R/4S:52/48)。上記のNaCOケークを、水中で処理し、ジクロロメタン中5%メタノールで抽出し、3.85gの標題化合物を得た(収率42%,エナンチオマー率: 0/100)。
2.0gの標題化合物(エナンチオマー率4R/4S:15/85)を45mLの熱エタノールで溶解した。溶液を室温にて1.5日間熟成し、0℃にて5時間、−20℃にて1日間冷却し、濾過して、0/100の測定エナンチオマー率4R/4Sを有する1.12gの物質を得た。
1.050gの15/85のエナンチオマー率4R/4Sを有する標題化合物および52/48のエナンチオマー率4R/4Sを有する400mg(この得られた混合物の測定エナンチオマー率4R/4Sは24/76であった)を、40mLの熱エタノールで溶解した。溶液を徐々に室温に冷却し、常温にて2.5日間熟成し、0℃にて15分間冷却し、濾過し、3x1.5mLの冷エタノールで洗浄し、乾燥し、580mgの0/100の測定エナンチオマー率4R/4Sを有する標題化合物を得た。濾液は48/52の測定エナンチオマー率4R/4Sを有していた。
塩化p−トルエンスルホニルとの反応および1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメートとの反応を両方とも、ジクロロメタン中で行ってもよい。炭酸カリウムを、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメートとの反応において炭酸ナトリウムの代わりに用いてもよい。必要に応じて、反応の終了を促進するためにトリエチルアミンを該反応物に加えてもよい。
粗生成物からの高い鏡像異性体純度(4S)を有する標題化合物を調製するための精製プロトコールは、以下のとおりである:
1.反応物にメタノール、次いで、水を加え、5−10分間攪拌する。
2.有機層を分離する。
3.水層をDCM中10%メタノールで抽出する。
4.有機層を合し、ブライン溶液で洗浄する。
5.減圧下25−35℃にて溶媒をその容量の1/10未満に除去する。
6.n−ヘキサン中10%酢酸エチルを残渣に加える。
7.室温にて10−12時間攪拌する。
8.固体を濾過し、真空下50−60℃にて6−8時間固体を乾燥する。
9.段階8およびアセトニトリルを加える。
10.60−70℃にて1−2時間反応物を攪拌する。
11.室温にて10−12時間反応物を攪拌する。
12.温度を50−60℃に上昇させ、2−3時間または濾過した試料からの固体が分析キラルHPLCにより望ましくない異性体:<1.0%を示すまで攪拌する。
13.50−60℃にて単離した固体を濾過し、アセトニトリルで固体を洗浄する。
14.30−45分間固体を吸引する。
15.真空下50−60℃にてオーブン中で物質を乾燥する。
得られた(4S)−1,1−ジメチルエチル {1−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメートを、キラルクロマトグラフィー工程の必要性をなくす、以下の段階(g)において用いてもよい。
【0086】
(g)4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
1,1−ジメチルエチル {1−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(47.94g,115mmol)のジクロロメタン/メタノール(870ml/610ml)中溶液を氷浴で冷却し、塩酸の1,4−ジオキサン中溶液(4M,1.5リットル)で処理した。得られた混合物を、室温にて1.5時間攪拌し、次いで、一部蒸発させた。濾過し、少量のジクロロメタンで洗浄し、真空中で乾燥して、固体として標題化合物の塩酸塩を得た(51.55g)。標題化合物塩酸塩(50.5g)を水(500ml)で溶解し、pH8になるまで飽和水性炭酸ナトリウム溶液で処理した(約100ml)。混合物を蒸発乾固し、得られた固体をクロロホルム中15%メタノール(3x500ml)で抽出した。抽出物を分けて蒸発させ、22g、10g、および4gの固体物質を得、それは分光学的分析により本質的に同一であった。
標題化合物(96.5g)を、アセトニトリル:イソプロピルアルコール:イソプロピルアミン 80:20:0.1で溶出するChiralpak ADカラムのクロマトグラフィーに付して、最初にE1エナンチオマー(4S)−4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(66.1g)、次いで、E2エナンチオマー(4R)−4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(24.4g)を得た。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 319(MH+)。
別法として、溶媒としてジクロロメタン中c.HClを用いて該反応を行ってもよい。塩酸塩としての生成物を、アセトンから沈殿し、無水酢酸ナトリウムを用いて中和した後、以下の段階(h)にて直接用いてもよい。
【0087】
(h)標題化合物
(4S)−4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(80mg,0.25mmol)および(2E)−3−(2−ピリジニル)−2−プロペナール(0.20mmol)のメタノール中1%酢酸(7mL)中混合物を、2分間振盪し、次いで、シアノ水素化ホウ素(ポリスチリル)メチルトリメチルアンモニウム(200 mg,4.0mmol/g,0.8mmol)を加えた。混合物を、1日間振盪し、次いで、濾過し、蒸発させた。残渣を、ジクロロメタン中0−15% 2Mアンモニア/メタノールで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して精製し、黄色ゴムとして標題化合物の遊離塩基を得た(35mg)。
δH(CDCl,250MHz) 1.40−2.00(4H,m),2.40(1H,t),2.40−2.60(2H,m),2.85(1H,d),2.90−3.15(2H,m),3.25(1H,d),3.55(2H,d),4.35(1H,d),4.45(1H,d),6.60−6.85(3H,m),7.15(1H,m),7.28(1H,m),7.60(1H,t) 7.90(1H,d),8.38(1H,s),8.55(1H,m)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 436(MH+)。
標題化合物の遊離塩基をジクロロメタン(2mL)で溶解し、エーテル中1M HCl(0.5 mL)で処理し、次いで、エーテル(5mL)で希釈した。得られた沈殿を、遠心分離により単離し、白色固体として標題化合物を得た(41mg)。
【0088】
実施例2 (4S)−3−フルオロ−4−[(4−{[(2E)−3−(2−フラニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン二塩酸塩
【化26】

(4S)−4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(合成に関しては、実施例1(g),エナンチオマーE1を参照)(80mg,0.25mmol)および(2E)−3−(2−フラニル)−2−プロペナール(24mg,0.2mmol)のジクロロメタン/メタノール(1mL/0.2mL)中溶液を、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(127mg)で処理した。19時間後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)で処理した。相を分離し、水相を20%メタノール/ジクロロメタン(1mL)で抽出した。合した有機抽出物を、ジクロロメタン中0−30%メタノールで溶出するクロマトグラフィーに付して、橙色ゴムとして標題化合物の遊離塩基を得た(47mg)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 436(MH+)。
標題化合物の遊離塩基を、実施例1と同一の製法により標題化合物に変換し、淡褐色固体として標題化合物を得た(48mg)。
δH(d−6DMSO,400MHz) 2.10−2.40(4H,m),3.20−3.40(2H,m),3.65−4.05(7H,m),4.45(1H,d),4.85(1H,d),6.15(1H,m),6.55(2H,m),6.75(1H,m),6.85(1H,m),7.55(1H,m),7.70(1H,bs),8.10(1H,m),8.60(1H,bs),9.70(2H,bs),10.40(1H,bs)
【0089】
実施例3 9−フルオロ−1−{[4−({2−メチル−3−[4−(1−メチルエチル)フェニル]プロピル}アミノ)−1−ピペリジニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン モノトリフルオロ酢酸塩
【化27】

1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(合成に関しては、調製例1を参照)(30mg,0.1mmol)のDCM/NMP(0.38mL/0.12mL)中溶液および2−メチル−3−[4−(1−メチルエチル)フェニル]プロパナール(53mg,0.28mmol)のDCM/NMP(0.25mL/0.25mL)中溶液を合し、次いで、NMP中38%AcOH(0.1ml)で処理した。反応混合物を一晩撹拌した。Pol−BH(250mg,2.5−5mmol/g)を加え、次いで、1mlのMeOHを加えた。反応物を一晩撹拌した。生成物を濾過し、溶媒を真空下で除去し、次いで、1:1 DMSO:MeOH(0.5ml)で再度溶解し、MDAP(0.1%TFA含有0%HO−0.1%TFA含有100%CHCN)に付して精製した。標題化合物をTFA塩として単離した(15.7mg)。MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 476。
【0090】
実施例4 (1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(3−ピリジニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン モノトリフルオロ酢酸塩
【化28】

(1R)−1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(合成に関しては、調製例1,エナンチオマーE1を参照)(30mg,0.1mmol)のDCM/NMP(0.38mL/0.12mL)中溶液および(2E)−3−(3−ピリジニル)−2−プロペナール(37mg,0.28mmol)のDCM/NMP(0.25mL/0.25mL)中溶液を合し、次いで、NMP中38%AcOH(0.1ml)で処理した。反応混合物を一晩撹拌した。Pol−BH(250mg,2.5−5mmol/g)を加え、次いで、1mlのMeOHを加えた。反応物を一晩撹拌した。生成物を濾過し、溶媒を真空下で除去し、次いで、1:1 DMSO:MeOH(0.5ml)で再度溶解し、MDAP(0.1%TFA含有0%HO−0.1%TFA含有100%CHCN)に付して精製した。標題化合物をTFA塩として単離した(28.1mg)。MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 419。
【0091】
実施例5 (1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(2−フラニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン モノトリフルオロ酢酸塩
【化29】

(1R)−1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(合成に関しては、調製例1,エナンチオマーE1を参照)(30mg,0.1mmol)のDCM/NMP(0.38mL/0.12mL)中溶液および(2E)−3−(2−フラニル)−2−プロペナール(34mg,0.28mmol)のDCM/NMP(0.25mL/0.25mL)中溶液を、NMP中38%AcOH(0.1ml)で処理した。反応混合物を一晩撹拌した。Pol−BH(250mg,2.5−5mmol/g)を加え、次いで、1mlのMeOHを加えた。反応物を一晩撹拌した。生成物を濾過し、溶媒を真空下で除去し、次いで、1:1 DMSO:MeOH(0.5ml)で再度溶解し、MDAP(0.1%TFA含有0%HO−0.1%TFA含有100%CHCN)に付して精製した。標題化合物をTFA塩として単離した(28.9mg)。MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 408。
【0092】
実施例6 (1R)−1−[(4−{[(2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン二塩酸塩
【化30】

10mLの丸底フラスコに、DCM(4ml)およびメタノール(0.800ml)中の(1R)−1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(合成に関しては、調製例1,エナンチオマーE1を参照)(75mg,0.249mmol)および(2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロペナール(合成に関しては、調製例14を参照)(41.8mg,0.249mmol)を加え、黄色溶液を得た。反応物を8時間攪拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(105mg,0.498mmol)を加えた。反応物を室温にて一晩攪拌した。反応物をDCM(25mL)で希釈し、飽和NaHCO、次いで、飽和NaClで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、DCM中0−15%MeOHで溶出し、標題化合物の遊離塩基を得た。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 454。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d) δ ppm 1.3−1.51(m,2H),1.87−2.00(m,2H),2.11(td,J=11.3,2.40Hz,1H),2.26(td,J=11.3,2.40Hz,1H),2.51(dd,J=12.38,10.86Hz,1H),2.55−2.70(m,2H),2.75−2.85(m,1H),2.88(dd,J=12.00,4.42Hz,1H),3.02−3.09(m,1H),3.52(dd,J=6.32,1.26Hz,2H),4.03(m,1H),4.45−4.51(m,2H),6.41(dt,J=15.92,6.32Hz,1H),6.64(d,J=9.60Hz,1H),6.70(s,1H),6.85−6.92(m,2H),6.99(td,J=9.35,4.55Hz,1H),7.16(ddd,J=9.16,5.87,3.16Hz,1H),7.40(dd,J=8.59,4.55Hz,1H),7.68(d,J=9.60Hz,1H)。
生成物をDCMで溶解し、エーテル中1N HClで処理し、濃縮して、灰白色固体として標題化合物(40mg,0.076mmol,収率30.5%)を得ることにより、標題化合物の遊離塩基を標題二塩酸塩に変換した。
【0093】
実施例7 (1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン二塩酸塩
【化31】

10mLの丸底フラスコに、DCM(4ml)およびメタノール(0.800ml)中の(1R)−1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(合成に関しては、調製例1,エナンチオマーE1を参照)(75mg,0.249mmol)および(2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペナール(合成に関しては、調製例15を参照)(37.4mg,0.249mmol)を加え、黄色溶液を得た。反応物を8時間攪拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(105mg,0.498mmol)を加えた。反応物を室温にて一晩攪拌した。t=15時間のLCMSは、SMが残っていて反応が不完全であることを示した。第2部分のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(105mg,0.498mmol)を加え、反応物をさらに8時間攪拌した。反応物をDCM(25mL)で希釈し、飽和NaHCO、次いで、飽和NaClで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、DCM中0−15%MeOHで溶出し、標題化合物の遊離塩基を得た。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 436。
H NMR(400MHz,CDCl) δ ppm 1.44−1.60(m,2H),1.87−2.02(m,2H),2.07−2.14(m,1H),2.21−2.28(m,1H),2.50(dd,J=12.38,10.86Hz,1H),2.63−2.70(m,2H),2.81−2.87(m,2H),3.04(d,J=11.62Hz,1H),3.45−3.55(m,2H),4.04(br.s.,1H),4.45−4.52(m,2H),6.37(dt,J=15.73,6.41Hz,1H),6.53−6.60(m,1H),6.64(d,J=9.35Hz,1H),6.88(t,J=8.97Hz,1H),6.93(dd,J=16.67,1.77Hz,1H),7.10(dd,J=10.11,2.02Hz,1H),7.16(d,J=7.83Hz,1H),7.25−7.32(m,1H),7.40(dd,J=8.72,4.42Hz,1H),7.68(d,J=9.60Hz,1H)。
生成物をDCMで溶解し、エーテル中1N HClで処理し、濃縮して、灰白色固体として標題化合物(22mg,0.043mmol,収率17.39%)を得ることにより、標題化合物の遊離塩基を二塩酸塩に変換した。
【0094】
実施例8 (1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[3−(3−フルオロフェニル)プロピル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン二塩酸塩
【化32】

(1R)−1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キン−4−オン(合成に関しては、調製例1,エナンチオマーE1を参照)(0.060g,0.200mmol)および3−(3−フルオロフェニル)プロパナール(合成に関しては、調製例16を参照)(0.0305g,0.200mmol)を、イミン形成を促進するために反応混合物に加えられた硫酸ナトリウム(0.300g,2.112mmol)とともにDCM(2.5ml)およびメタノール(0.5ml)中で攪拌した。16.5時間後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.127g,0.601mmol)を加え、混合物を5.5時間攪拌した。次いで、さらに(0.069g,0.326mmol)およびDCM(2.5ml)およびメタノール(0.5ml)を加えた。反応物をさらに18時間攪拌した。混合物を、シリカカラムクロマトグラフィー(0−15%メタノール/クロロホルム)に付して精製し、ベージュ色油として標題化合物の遊離塩基を得た(22.3mg,25%)。
H NMR(400MHz,CDCl) δ ppm 0.90(s,1H),1.26−1.33(m,1H),1.88(br.s.,1H),2.47−2.54(m,1H),2.82(s,1H),2.85(d,J=3.79Hz,1H),2.97(d,J=7.83Hz,2H),2.93(br.s.,1H),4.00(br.s.,1H),4.44(s,1H),4.46(d,J=1.26Hz,1H),5.32(s,5H),6.63(s,1H),6.65(s,1H),6.89−6.96(m,3H),7.02(d,J=2.27Hz,1H),7.42(dd,J=8.59,4.55Hz,1H),7.69(d,J=9.35Hz,1H)。
MS(ES+) m/z 438。
2当量のジエチルエーテル中2M HClを標題化合物の遊離塩基のDCM溶液に加え、ベージュ色固体として標題化合物(6.0mg,6%)を得ることにより二塩酸塩に変換した。
【0095】
実施例9 (1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(5−フルオロ−3−ピリジニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン二塩酸塩
【化33】

(1R)−1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キン−4−オン(合成に関しては、調製例1,エナンチオマーE1を参照)(0.054g,0.179mmol)および(2E)−3−(5−フルオロ−3−ピリジニル)−2−プロペナール(合成に関しては、調製例17を参照)(0.027g,0.179mmol)を、イミン形成を促進するために反応混合物に加えられた硫酸ナトリウム(0.300g,2.112mmol)とともにDCM(2.5ml)およびメタノール(0.5ml)中で攪拌した、16.5時間後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.114g,0.536mmol)を加え、混合物を3.5時間攪拌した。混合物をDCMおよびメタノールで希釈し、カラムクロマトグラフィー(0−15%メタノール/クロロホルム)に付して精製し、ベージュ色の、ガラス状油として標題化合物の遊離塩基を得た(28.4mg,36%)。
H NMR(400MHz,CDCl) δ ppm 2.11(s,5H) 2.52(dd,J=12.38,10.86Hz,1H) 2.65(s,6H) 2.87(br.s.,1H) 3.61(d,J=6.06Hz,2H) 4.48(d,J=3.79Hz,1H) 4.50(d,J=1.26Hz,1H) 6.52(s,1H) 6.63(s,1H) 6.65(d,J=9.35Hz,2H) 6.89(t,J=8.97Hz,1H) 7.42(dd,J=8.72,4.42Hz,1H) 7.47(d,J=9.09Hz,1H) 7.69(d,J=9.35Hz,1H) 8.37(d,J=2.53Hz,1H) 8.44(s,1H)。
MS(ES+) m/z 437。
2当量のジエチルエーテル中2M HClを標題化合物の遊離塩基のDCM溶液に加え、ベージュ色調の橙色として標題化合物(18.9mg,21%)を得ることにより二塩酸塩に変換した。
【0096】
実施例10 (1R)−9−フルオロ−1−{[4−({2−[(3−フルオロフェニル)オキシ]エチル}アミノ)−1−ピペリジニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン二塩酸塩
【化34】

(1R)−1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キン−4−オン(合成に関しては、調製例1,エナンチオマーE1を参照)(0.043g,0.143mmol)および[(3−フルオロフェニル)オキシ]アセトアルデヒド(合成に関しては、調製例18を参照)(0.022g,0.143mmol)を、イミン形成を促進するために反応混合物に加えられた硫酸ナトリウム(0.300g,2.112mmol)とともにDCM(2.5ml)およびメタノール(0.5ml)中で攪拌した。16.5時間後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.091g,0.428mmol)を加え、混合物を5.25時間攪拌した。混合物をシリカカラムクロマトグラフィー(0−15%メタノール/クロロホルム)に付して精製し、白色の、ワックス状固体として標題化合物の遊離塩基を得た(20.9mg,33%)。
H NMR(400MHz,CDCl) δ ppm 2.10(s,3H) 2.53(d,J=1.52Hz,1H) 2.64(s,2H) 2.88(br.s.,2H) 3.17(t,J=5.05Hz,2H) 4.21(t,J=5.05Hz,2H) 4.48(s,1H) 4.49(d,J=5.56Hz,1H) 4.50(s,1H) 6.64−6.70(m,3H) 6.73(dd,J=8.46,2.40Hz,1H) 6.89(t,J=8.97Hz,1H) 7.23(s,1H) 7.25(d,J=6.82Hz,1H) 7.42(dd,J=8.72,4.67Hz,1H) 7.69(d,J=9.60Hz,1H)
MS (ES+) m/z 440。
2当量のジエチルエーテル中2M HClを標題化合物の遊離塩基のDCM溶液に加え、黄色固体として標題化合物(14.4mg,20%)を得ることにより二塩酸塩に変換した。
【0097】
調製例1 1−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン、(1R)−1−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(エナンチオマーE1)、(1S)−1−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(エナンチオマーE2)
【化35】

(a)(2E)−N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペンアミド
塩化シンナミル(100g,610mmol)の酢酸エチル(400ml)中溶液を、2分かけて勢いよく攪拌した3−フルオロ−2−メチルアニリン(75g,600mmol)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(850ml)、氷(約100g)および酢酸エチル(400ml)の混合物に加えた。0.25時間後、混合物を、水で洗浄しながら濾過し、濾液から生じる追加量の固体をそのようにして再度濾過した。得られた固体を減圧下で乾燥した(約160g,100%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 256(MH+)。
【0098】
(b)7−フルオロ−8−メチル−2(1H)−キノリノン
(2E)−N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペンアミド(75g,305mmol)のクロロベンゼン(400ml)中スラリーを、温度<30℃にて三塩化アルミニウム(163g,1.2mol)で徐々に処理した。反応物を勢いよく攪拌し、1時間65℃(内部温度)に、次いで、0.5時間75℃(内部温度)に加熱した。混合物を冷却し(約40℃)、次いで、勢いよく攪拌しながら過剰の氷に加えた。得られた沈殿を濾過により単離し、水で洗浄し、真空中で乾燥して、生成物を得た(42.5g,79%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 178(MH+)。
【0099】
(c)7−フルオロ−8−メチル−2−(メチルオキシ)キノリン
粗7−フルオロ−8−メチル−2(1H)−キノリノン(46g,260mmol)をDMSO(300ml)で懸濁し、35℃に加温し、次いで、アルゴン雰囲気下にてカリウムt−ブトキシド(32g,286mmol)で処理した(内部温度は45℃に上昇した)。15分後、ヨウ化メチル(21ml,48g,338mmol)を2分かけて加えた。(内部温度は60℃に上昇した)。30分後、混合物を水(2リットル)に加え、ヘキサン(1.5リットル)で抽出した。ヘキサン抽出物をさらにブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、1:1 ヘキサン:ジクロロメタン(500ml)で溶出する、シリカ層に通して濾過した。蒸発させて、生成物を得た(36.8g,74%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 192(MH+)。
【0100】
(d)8−(ブロモメチル)−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)キノリン
7−フルオロ−8−メチル−2−(メチルオキシ)キノリン(36.7g,192mmol)のトリフルオロメチルベンゼン(500ml)中溶液を、N−ブロモスクシニミド(37.6g,211mmol)および過酸化ベンゾイル(243mg,1mmol)で処理し、1時間20ワットのタングステンランプで照射しながら70℃(油浴温度)にて加熱した。冷却した混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、合した有機フラクションを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、乾燥した。溶液を、シリカ栓に通して濾過し、蒸発させて、淡黄色固体を得た(51.4g,99%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 271(MH+)。
【0101】
(e)[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]アセトニトリル
8−(ブロモメチル)−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)キノリン(22.6g,84mmol)のDMF(600ml)中溶液を、シアン化カリウム(25g,385mmol)で処理し、70℃(油浴温度)にて一晩加熱した。混合物を蒸発乾固し、残渣を酢酸エチルおよび水間で分配した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、シリカ栓に通して濾過し、蒸発させて、淡褐色固体を得た(17.6g,97%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 217(MH+)。
【0102】
(f)メチル [7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]アセテート
(i)[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]アセトニトリル(50g,0.231mol)の乾メタノール(850ml)中溶液を、塩化トリメチルシリル(100ml;0.78mol)で処理し、2.25時間79℃にて加熱した。混合物を蒸発させ、次いで、酢酸エチル(1L)および水(700ml)の間に分配した。メチル (7−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−8−キノリニル)アセテートを除去するために混合物を濾過し、水層を酢酸エチル(2x300ml)で再度抽出した。合した有機フラクションを、2N水酸化ナトリウム、水(x2)で洗浄し、(硫酸ナトリウム)乾燥し、蒸発させた。上記のように、同一段階に反応を繰り返した。
合した反応生成物を、ジクロロメタンで溶出する、シリカゲルのクロマトグラフィー(1.5kg)に付して得た(83.3g;72%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 250(MH+)。
(ii)回収したメチル (7−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−8−キノリニル)アセテート(11g,46.8mmol)を、ヘキサン中2M(トリメチルシリル)ジアゾメタン(30ml,60mmol)とともに攪拌しながら、メタノール(20ml)、アセトニトリル(200ml)およびトリエチルアミン(8ml,57mmol)で懸濁し、混合物を3時間室温にて攪拌した。それを蒸発乾固し、DCMで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、付加的な量のメチル [7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]アセテートを得た(10.8g)。[全収率81%]
【0103】
(g)メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート
メチル [7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]アセテート(48g;0.193mol)、パラホルムアルデヒド(41g;1.37mol)、炭酸カリウム(41g;0.295mol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(70g;0.307mol)のシクロヘキサン(1.2L)中混合物を、5時間勢いよく攪拌しながら86℃にて加熱した。混合物を冷却し、水を加え、混合物を酢酸エチル(x3)で抽出した。混合物を濾過し、酢酸エチル(x3)で再度抽出した。合した有機フラクションを水(x2)、ブラインで洗浄し、乾燥した。上記のように、同一段階に反応を繰り返し、生成物を合し、蒸発させて、次の工程において十分に純粋な(NMRによると約90%)、固体を得た(97.9g;粗収率97%)。他の10%の物質は、主に出発物質である。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 262(MH+)。
【0104】
(h)メチル 3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]−2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート
メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート(純度90%;106g;0.367molに相当)、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(80.75g;0.404mol)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(13ml)の乾燥DMF(1.2L)中溶液を80℃にて2時間、次いで、50℃にて一晩加熱した。混合物を蒸発乾固し、トルエンと共沸させて、ヘキサン、次いで、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(155.4g;92%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 462(MH+)。
【0105】
(i)1,1−ジメチルエチル (1−{2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート
−70℃にて、メチル 3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]−2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート(76g,0.165mol)の乾テトラヒドロフラン(900ml)中溶液を、水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン中溶液(1M,196ml,0.196mol)で処理し、1時間該温度にて、次いで、1時間0−10℃にて攪拌した。水(18ml)を、次いで、水酸化ナトリウム水溶液(2M,33ml,0.196mol)、および水(38ml)を慎重に加えた。混合物を0.5時間攪拌し、次いで、エーテルおよび硫酸ナトリウムを加え、混合物を0.5時間攪拌した。それを濾過し、蒸発させ、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、2群の白色固体を得た(57.7g;81%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 434(MH+)。
【0106】
(j)1,1−ジメチルエチル {1−[(9−フルオロ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル (1−{2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート(67.35g,0.156mol)のクロロホルム(1L)中溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(60ml,0.34mol)および無水メタンスルホン酸(32.6g,0.187mol)で処理した。混合物を、室温にて0.5時間攪拌し、次いで、65℃にて3時間加熱し、次いで、室温に冷却した。混合物を、炭酸水素ナトリウム溶液(2x1L)、ブライン(1L)で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、固体を得た(54.75g;88%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 402(MH+)。
【0107】
(k)標題化合物
方法A
1,1−ジメチルエチル {1−[(9−フルオロ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(54.75g,0.14mmol)をジクロロメタン(300ml)およびトリフルオロ酢酸(100ml)で溶解し、室温にて3時間攪拌し、蒸発乾固し、トルエンと共沸させた。残渣をエーテルでトリチュレートし、ピンク色固体を得、濾去し、追加量のエーテルで洗浄し、真空下35℃にて一晩乾燥し、固体を得た(62.35g;110%−過剰のTFAを含有する).
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 302(MH+)。
ラセミ物質(トリフルオロアセテート塩として;114g)を、Rt E1 7.2分およびRt E2 8.3分の80:20:0.1−CHCN:CHOH:イソプロピルアミンで溶出する20um Chiralpak ADカラムを用いて、2種のエナンチオマー、E1およびE2に分取キラルHPLCに付して分離した。
E1 29.3g(97.4%ee)およびE2 30.2g(94.4%ee)を回収した。
方法B
1,1−ジメチルエチル {1−[(9−フルオロ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(92g,229mmol)を、氷浴で外部冷却しながら濃塩酸(370ml)および水(300ml)で処理した。混合物を、室温に加温しながら一晩攪拌した。次いで、混合物を50℃にて3時間真空中で濃縮した。得られた非晶質ゲルをエタノール(1リットル)でトリチュレートし、勢いよく攪拌し、微細な白色固体を得た。これを、エーテル(3x500ml)で洗浄しながら濾過により単離した。真空中45℃にて乾燥して、白色固体を得た(70.56g,82%)。
1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(ラセミ体,二塩酸塩)(30g)を、80:20:0.1 アセトニトリル:メタノール:イソプロピルアミンで溶出する20um Chiralpak ADカラムの分取HPLCクロマトグラフィーに付して、灰白色固体としてE1エナンチオマー(Rt3.6分)を得た(9.42g)。
トリエチルアミンを、分取HPLC段階においてイソプロピルアミンの代わりに用いることができる。
【0108】
調製例2 1−({(3R,4S)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−1−ピペリジニル}メチル)−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
【化36】

これを、調製例1(h)、1(i)、1(j)および1(k)の一般法にしたがってメチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエートおよび1,1−ジメチルエチル[(3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−ピペリジニル]カルバメート(合成に関しては、WO2004058144,実施例34(a)(シス−エナンチオマー1)を参照)から調製し、白色固体の、ベンジル中心を有するラセミ体として生成物を得た。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 318(MH+)。
【0109】
調製例3 1−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−9−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン エナンチオマーE1およびE2
【化37】

(a)メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−オキシランカルボキシレート
m−クロロペル安息香酸(50%;6.95g;0.0201mol)を、メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート(2.63g;0.0101mol)およびメチル [7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]アセテートの1:1混合物(5.251g)のジクロロメタン(60ml)中溶液に加え、混合物を、6.5時間50℃にて、次いで、16時間たつまで40℃にて加熱した。[さらなるm−クロロペル安息香酸(3.5g)を2時間で加えた]。混合物を冷却し、水およびDCMで希釈し、過剰の硫酸ナトリウムで、次いで、水性炭酸水素ナトリウムでpH約8に処理し、次いで、ジクロロメタンで抽出した(3x以上)。有機フラクションを、乾燥し、蒸発させ、0−100%酢酸エチル−石油エーテル、次いで、0−20%メタノール−酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(2.614g;メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート出発物質に基に94%)。
【0110】
(b)9−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−カルボン酸
メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−オキシランカルボキシレート(3.105g;0.012mol)、および過塩素酸リチウム(2.38g;0.0224mol)のアセトニトリル(30ml)および水(30ml)中混合物を、120時間85℃にて加熱し、冷却し、蒸発乾固した。ジクロロメタン中10%メタノールを加え、得られた固体を回収し、乾燥して、得た(1.4g;51%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 249(MH+)。
【0111】
(c)メチル 9−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−カルボキシレート
9−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−カルボン酸(1.30g)のメタノール(52ml)中溶液を、濃硫酸(0.52ml)で処理し、室温にて1.5時間攪拌した。pHが約7になるまで過剰のMP−炭酸塩樹脂と攪拌することにより溶液をクエンチした。濾過し、蒸発させて、黄色固体を得た(0.855g;62%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 264(MH+)。
【0112】
(d)9−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
メチル 9−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−カルボキシレート(0.855g;3.25mmol)のメタノール(85ml)中溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.123g;3.25mmol)を加えた。混合物を該温度にて2時間攪拌した。それを塩化アンモニウム(5ml)でクエンチし、蒸発乾固し、残渣をメタノールで処理し、次いで、再度蒸発乾固した。水およびジクロロメタンを加え、水性フラクションを蒸発乾固し、メタノールで再度処理した。得られた固体を濾去し、乾燥し、(0.765g)、次の反応において十分に純粋であった。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 236(MH+)。
【0113】
(e)9−フルオロ−1−(ヒドロキシメチル)−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル 4−メチルベンゼンスルホネート
9−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(0.765g;3.25mmol)、塩化p−トルエンスルホニル(0.62g,3.25mmol)およびジ−n−ブチル(オキソ)スタンナン(40.5mg;0.1626mmol)のジクロロメタン(30ml)、テトラヒドロフラン(30ml)、DMF(3ml)およびトリエチルアミン(0.68ml)中混合物を室温にて16時間攪拌し、次いで、炭酸水素ナトリウム溶液を加え、混合物を10%メタノール−ジクロロメタンで抽出した。有機フラクションを乾燥し、蒸発させて、黄色油を得、0−100%酢酸エチル−石油エーテル、次いで、0−20%メタノール−酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、黄色油を得た(0.968g)(2工程かけて収率77%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 390(MH+)。
【0114】
(f)1,1−ジメチルエチル {1−[(9−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
9−フルオロ−1−(ヒドロキシメチル)−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル 4−メチルベンゼンスルホネート(0.968g;2.49mmol)、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(0.47g;2.35mmol)、および無水炭酸ナトリウム(0.746g;7.04mmol)のエタノール(100ml)中混合物を、室温にて16時間攪拌した。水を加え、混合物を10%メタノール−ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を乾燥し、蒸発させて、黄色油を得た(1.038g;100%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 418(MH+)。
【0115】
(g)標題化合物
1,1−ジメチルエチル {1−[(9−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(1.038g)のジクロロメタン(5ml)およびトリフルオロ酢酸(2.5ml)中溶液を室温にて2時間攪拌し、その間、さらに2mlのトリフルオロ酢酸を加え、蒸発乾固した。残渣を1:1 ジクロロメタン/メタノールで溶解し、pHが約8になるまで過剰のMP−炭酸塩樹脂と攪拌し、濾過し、蒸発させて、黄色油を得た(0.638g;81%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 318(MH+)。
ラセミ物質(0.90g)を、Rt E1 5.5分およびRt E2 7.0分の80:20:0.1−CHCN:CHOH:イソプロピルアミン(20ml/分)で溶出するChiralpak AD 10um(21×250mm)カラムを用いて2種のエナンチオマー、E1およびE2に分取キラルHPLCに付して分離した。
E1 379mg(>99%ee)およびE2 395mg(>99%ee)を回収した。
【0116】
調製例4 9−フルオロ−1−[((3R)−3−{アミノメチル}−1−ピロリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
【化38】

(a)1,1−ジメチルエチル (3R)−3−{[(トリフルオロアセチル)アミノ]メチル}−1−ピロリジンカルボキシレート
1,1−ジメチルエチル (3R)−3−(アミノメチル)−1−ピロリジンカルボキシレート(2g,10mmol)、トリエチルアミン(2.9ml,21mmol)およびジメチルアミノピリジン(0.13g,1mmol)のDCM(100ml)中溶液に、アルゴン雰囲気下室温にてトリフルオロ無水酢酸(1.5ml,10.5mmol)を加えた。2時間後、混合物を水(150ml)で処理し、DCM中10%メタノール(3x100ml)で抽出し、乾燥し、溶媒を蒸発させた。残渣を、0%−20%メタノール−DCM勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(3.12g,105%)。
δH(CDCl,400MHz) 1.5(9H,s),1.64(2H,d),2.04(1H,m),2.48(1H,m),3.01(0.5H,m),3.10(0.5H,m),3.20−3.60(4H,m),6.50(0.5H,bs),6.80(0.5H,bs)。
【0117】
(b)2,2,2−トリフルオロ−N−[(3S)−3−ピロリジニルメチル]アセトアミド塩酸塩
1,1−ジメチルエチル (3R)−3−{[(トリフルオロアセチル)アミノ]メチル}−1−ピロリジンカルボキシレート(3.12g,10mmol)のDCM(50ml)中溶液を、HClのジオキサン中4M溶液(25ml)で徐々に処理した。反応物を室温にて3時間攪拌した。次いで、溶媒を除去し、淡黄色油を得た(2.6g,112%)。
δH(MeOD,400MHz) 1.77(1H,m),2.18(1H,m),2.64(1H,m),2.99(1H,m),3.30(1H,m),3.70(5H,m),9.5(1H,bs)。
【0118】
(c)メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−((3R)−3− {[(トリフルオロアセチル)アミノ]メチル}−1−ピロリジニル)プロパノエート
メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート(2.4g,9.2mmol)、2,2,2−トリフルオロ−N−[(3S)−3−ピロリジニルメチル]アセトアミド塩酸塩(2.4g,10.12mmol)およびトリエチルアミン(3.4ml,23mmol)のDMF(30ml)中溶液を攪拌し、60℃にて一晩加熱した。溶媒を真空中で除去し、残渣を、0%−10%メタノール−DCM勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して、褐色油を得た(4.2g,100%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 458(MH+)。
【0119】
(d)メチル 3−[(3R)−3−(アミノメチル)−1−ピロリジニル]−2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート
メチル 2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−((3R)−3−{[(トリフルオロアセチル)アミノ]メチル}−1−ピロリジニル)プロパノエート(3.4g,7.4mmol)を、炭酸カリウムの2:5 水:メタノール(119ml)中7%溶液で4時間処理した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣をDCM中20%メタノールで再度溶解した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、0−20% 2Mアンモニア−メタノールのDCM中勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(2.2g,82%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 362(MH+)。
【0120】
(e)メチル 3−{(3R)−3−[({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)メチル]−1−ピロリジニル}−2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート
メチル 3−[(3R)−3−(アミノメチル)−1−ピロリジニル]−2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート(2.2g,6.1mmol)およびトリエチルアミン(0.86ml,6.1mmol)のDCM(30ml)中溶液を、0℃にて二炭酸ジ−tert−ブチル(1.3g,6.1mmol)のDCM中溶液で処理した。混合物を室温にて1時間攪拌した後、水(50ml)を加え、水性フラクションをDCM中20%メタノール(3x200ml)で抽出した。有機相を乾燥し、溶媒を蒸発させた。残渣を0−10% メタノール−DCM勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(2.56g,87%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 462(MH+)。
【0121】
(f)1,1−ジメチルエチル [((3R)−1−{2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−3−ピロリジニル)メチル]カルバメート
アルゴン雰囲気下−78℃にて、メチル 3−{(3R)−3−[({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)メチル]−1−ピロリジニル}−2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート(2.56g,5.55mol)の乾テトラヒドロフラン(60ml)中溶液を、水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン(1M,7.2ml,7.2mmol)中溶液で処理し、次いで、室温に徐々に加温した。0.5時間後、水(0.5ml)を、次いで、水酸化ナトリウム水溶液(2M,0.9ml)および水(1ml)を加えた。混合物を常温にて1時間攪拌した。それを濾過し、蒸発させ、残渣を0−20%メタノール−DCM勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(1.88g,78%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 434(MH+)。
【0122】
(g)1,1−ジメチルエチル ({(3R)−1−[(9−フルオロ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−3−ピロリジニル}メチル)カルバメート
1,1−ジメチルエチル [((3R)−1−{2−[7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−3−ピロリジニル)メチル]カルバメート(1.88g,4.4mmol)のクロロホルム(20ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下0℃にてジイソプロピルエチルアミン(1.2ml,7.04mmol)および塩化メタンスルホニル(0.45ml,5.5mmol)で処理した。混合物を0℃にて0.5時間攪拌し、室温に加温し、1時間攪拌し、次いで、45℃にて一晩加熱し、室温に冷却した。混合物をDCMで希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。水相をDCM中10%メタノール(3x80ml)で抽出した。有機相を乾燥し、溶媒を蒸発させた。残渣を、0−10%メタノール−DCM勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(1.47g,84%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 402(MH+)。
【0123】
(h)標題化合物
1,1−ジメチルエチル ({(3R)−1−[(9−フルオロ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−3−ピロリジニル}メチル)カルバメート(1.47g,3.7mmol)を、ジクロロメタン(15ml)およびトリフルオロ酢酸(15ml)で溶解し、室温にて30分間攪拌し、次いで、蒸発乾固した。残渣をメタノールで再度溶解し、過剰のAmberlyst(登録商標) A21イオン交換樹脂(Aldrich:アルキルアミン官能基を有する弱塩基性巨大網状樹脂)と1時間攪拌し、次いで、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、0−20%メタノール中2Mアンモニア−DCM勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して所望の化合物を得た(0.75g,68%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 302(MH+)。
【0124】
調製例5 1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン二塩酸塩
【化39】

(a)(2E)−N−(2−ブロモフェニル)−3−フェニル−2−プロペンアミド
0℃にて、2−ブロモアニリン(22.27g,0.13mol)および炭酸カリウム(26.8g,0.13mol)のアセトン(50ml)および水(65ml)中溶液に、塩化シンナモイル(21.57g,0.13mol)を15分かけて少量ずつ加えた。次いで、攪拌を促進するために、さらに150mlのアセトンおよび水の両方を加えた。反応物を0℃にて2時間攪拌した後、氷水(400ml)を加えた。得られた固体を濾過し、水(500ml)で洗浄し、減圧下で乾燥した。得られた固体を、熱ヘキサンでトリチュレートし、減圧下で乾燥して、白色固体として所望の化合物を得た(29.50g,75%)。
MS(ES+) m/z 303(MH,100%)。
【0125】
(b)8−ブロモ−2(1H)−キノリノン
アルゴン雰囲気下室温にて、(2E)−N−(2−ブロモフェニル)−3−フェニル−2−プロペンアミド(22.9g,76.0mol)のクロロベンゼン(100ml)中懸濁液に、三塩化アルミニウム(60.78g,133.34mmol)を加えた。反応物を125℃にて2時間加熱し、その後、反応混合物を50℃に冷却した後に氷水(3L)を慎重に加えた。得られた固体を濾過し、次いで、水(500ml)で洗浄し、次いで、熱エタノールでトリチュレートし、濾過し、減圧下で乾燥して、白色固体として所望の化合物を得た(7.39g,75%)。
MS(ES+) m/z 225(MH,100%)。
【0126】
(c)8−ブロモ−2−(メチルオキシ)キノリン
アルゴン雰囲気下0℃にて、8−ブロモ−2(1H)−キノリノン(2.76g,12.32mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中懸濁液に炭酸カリウム(3.4g,24.63mmol)を加えた。次いで、反応物を15分間攪拌した後にヨウ化メチル(0.91ml,14.78mmol)を加えた。反応物を室温に加温し、次いで、3時間攪拌した。次いで、反応混合物を蒸発させ、残渣をジクロロメタンおよび水で処理した。水性フラクションをジクロロメタンで再度抽出した。次いで、合した有機フラクションを、(MgSO)乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、次いで、残渣をメタノール−ジクロロメタン勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。黄色固体として所望の化合物を得た(2.16g, 74%)。
MS(ES+) m/z 239(MH,100%)。
【0127】
(d)[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]ボロン酸
文献製法(Li,W.;Nelson,D.;Jensen,M.;Hoerrner,R.;Cai,D.;Larsen,R.;Reider,P J.Org.Chem.(2002),67(15),5394)にしたがって、8−ブロモ−2−(メチルオキシ)キノリン(1.95g,8.19mmol)およびトリイソプロピルボレート(2.30ml,9.83mmol)のトルエン(20ml)およびテトラヒドロフラン(5ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下で−78℃に冷却した。次いで、n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M,3.9ml,9.83mmol)を20分かけて滴下した。反応物を−78℃にて2時間攪拌し、次いで、−20℃に加温した。次いで、反応物を2M HCl溶液(10ml)でクエンチし、ジクロロメタンでトリチュレートした。水性フラクションをジクロロメタンで再度抽出した。次いで、合した有機フラクションを(MgSO)乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をヘキサンでトリチュレートし、黄色固体として所望の化合物を得た(453mg,40%)。
MS(ES+) m/z 204(MH,100%)。
【0128】
(e)メチル 2−[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート
アルゴン雰囲気下、メチル 2−ブロモ−2−プロパノエート(452mg,2.74mmol)(合成に関しては、Rachon,J.;Goedken,V.;Walborsky,H.J.Org.Chem.(1989),54(5),1006を参照)の脱気テトラヒドロフラン(10ml)中溶液に、[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]ボロン酸(506mg,2.49mmol)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(25mg,0.05mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(23mg,0.025mmol)およびフッ化カリウム(477mg,8.217mmol)を加えた。反応物を70℃にて24時間加熱し、次いで、水およびジクロロメタンで処理した。水性フラクションをジクロロメタンで再度抽出した。次いで、合した有機フラクションを(MgSO)乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、酢酸エチル−ヘキサン勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付した。黄色固体として所望の化合物を得た(381mg,63%)。
MS(ES+) m/z 244(MH,100%),212(80%)。
【0129】
(f)メチル 3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]−2−[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート
メチル 2−[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート(381mg,1.57mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド(5ml)およびテトラメチルグアニジン(0.05ml)中溶液に、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(345mg,1.73mmol)を加えた。反応混合物を60℃にて12時間攪拌し、その後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、メタノール−ジクロロメタン勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付した。黄色固体として所望の化合物を得た(546mg,79%)。
MS(ES+) m/z 444(MH,100%)。
【0130】
(g)1,1−ジメチルエチル (1−{3−ヒドロキシ−2−[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート
−78℃にて、メチル 3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]−2−[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロパノエート(546mg,1.23mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)中溶液に、水素化アルミニウムリチウム(テトラヒドロフラン中1M,1.50ml,1.48mmol)を加えた。次いで、反応物を−78℃にて0.5時間攪拌した後に水(0.2ml)、次いで、2MのNaOH溶液(0.4ml)を加え、混合物を25℃に加温し、次いで、混合物を濾過し、(MgSO)乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、メタノール−ジクロロメタン勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。白色固体として所望の化合物を得た(370mg,72%)。
MS(ES+) m/z 416(MH,100%)。
【0131】
(h)1,1−ジメチルエチル {1−[(4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
0℃にて、1,1−ジメチルエチル (1−{3−ヒドロキシ−2−[2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]プロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート(370mg,0.892mmol)のクロロホルム(20ml)中溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.33ml,1.96mmol)および無水メタンスルホン酸(0.186g,1.07mmol)を加えた。次いで、反応物を70℃にて5時間加熱し、次いで、ジクロロメタンおよび水で処理した。水相をジクロロメタンで2回抽出し、合した有機相を(MgSO)乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、メタノール−ジクロロメタン勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(0.276g,81%)。
MS(ES+) m/z 384(MH,10%),284(100%)。
【0132】
(i)標題化合物
1,1−ジメチルエチル {1−[(4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(276mg,0.721mmol)のクロロホルム(5ml)およびMeOH(5ml)中溶液を、ジオキサン中4M HCl(10ml)で処理し、室温にて2時間攪拌した。反応混合物を蒸発させて、わずかに不純な二塩酸塩として所望の化合物を得(0.283g,110%)、これをさらに精製することなく用いた。
MS(ES+) m/z 306(M+Na,10%),284(MH+,100%)。
【0133】
調製例6 1−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−9−カルボニトリル
【化40】

(a)メチル 2−[7−ブロモ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]プロパノエート
メチル 2−[7−ブロモ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−2−プロパノエート(12.4g,38.5mmol)、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(8.5g,42.3mmol)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(10滴)の乾DMF(120mL)中溶液を、70℃にて3日間加熱した。追加量の1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(1.5g)を加え、混合物を100℃にてさらに1日間加熱した。混合物を蒸発させ、残渣をジクロロメタン中2%メタノールで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、淡黄色固体を得た(17.1g,85%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 523(MH+)。
【0134】
(b)1,1−ジメチルエチル (1−{2−[7−ブロモ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート
アルゴン雰囲気下−78℃にて、メチル 2−[7−ブロモ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]プロパノエート(17g,32.5mmol)のTHF(300mL)中溶液を、水素化アルミニウムリチウムのTHF中溶液(1M,39mL,39mmol)で処理した。反応物を−78℃にて1時間攪拌し、次いで、室温にて2時間攪拌した。水(18mL)を、次いで、水酸化ナトリウム水溶液(2M,40mL)および追加量の水(20mL)を加えた。濾過し、蒸発させて、固体を得た。これを、ジクロロメタン中0−20%メタノールで溶出するクロマトグラフィーに付して、黄色固体を得た(9.9g,61%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 495(MH+)。
【0135】
(c)1,1−ジメチルエチル {1−[(9−ブロモ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル (1−{2−[7−ブロモ−2−(メチルオキシ)−8−キノリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート(9.9g,20mmol)、無水メタンスルホン酸(4.2g,24mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(7.7mL,44mmol)のクロロホルム(260mL)中溶液を、60℃(油浴温度)にて1時間加熱し、次いで、1.5時間還流温度に加熱した。混合物を蒸発させ、残渣を、酢酸エチル中0−30%メタノールで溶出するクロマトグラフィーに付して、白色固体を得た(4.7g,51%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 463(MH+)。
【0136】
(d)1,1−ジメチルエチル {1−[(9−シアノ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル {1−[(9−ブロモ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(4.7g,10.2mmol)、シアン化銅(I)(3.3g,36.6mmol)およびDMF(60mL)の混合物を135℃にて2時間加熱した。混合物を蒸発乾固し、残渣を飽和水性アンモニアおよびジクロロメタンの間に分配した。水相をジクロロメタンでさらに抽出し、合した有機抽出物を乾燥し、蒸発させた(3.2g)。水相を酢酸エチルでさらに2回抽出し、これらの抽出物を合し、乾燥し、蒸発させた(0.5g)。残渣(合計3.7g)を合し、酢酸エチル中0−15%メタノールで溶出するクロマトグラフィーに付して、白色固体を得た(2.7g,65%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 409(MH+)。
【0137】
(e)1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−9−カルボニトリル
1,1−ジメチルエチル {1−[(9−シアノ−4−オキソ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(2.65g,6.5mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液を、TFA(50mL)で処理した。30分後、混合物を蒸発させ、残渣をクロロホルムと2回共沸させ、次いで、エーテルでトリチュレートした(3回)。得られた固体をジクロロメタン/メタノール(60mL/120mL)で再度溶解し、MP−炭酸塩樹脂(1g当たり3mmolの炭酸塩,22g,66mmol)で処理した。樹脂を濾過により除去し、ジクロロメタンおよびメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させて、白色固体を得た(2g)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 309(MH+).
【0138】
調製例7 1−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−9−(メチルオキシ)−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
【化41】

アルゴン雰囲気下室温にて、1−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン二塩酸塩(1.74g,4.64mmol)のメタノール(17mL)中溶液を、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(2.5ml,11.5mmol)で処理した。次いで、反応物を2時間85℃に加熱し、次いで、さらに追加量のメタノール中25%ナトリウムメトキシド(5ml)を加えた。反応物を85℃にて一晩(16時間)静置した。午前中にさらに追加量のメタノール中25%ナトリウムメトキシド(5ml)を加え、反応物を85℃にて1日のほとんど静置した。pHが8に達するまで、反応混合物を塩化アンモニウム(飽和)で処理し、溶媒を真空下で除去した。残渣をDCM中10%メタノールで再度溶解し、硫酸ナトリウムとともに室温にて1時間攪拌した。次いで、該混合物を濾過し、溶媒を除去し、黄色固体を得た(3.81g)。これを、メタノール、次いで、メタノール中2Mアンモニアで溶出する10gのSCXカラム上で精製し、黄色油性固体を得た(0.832,57%)。
MS(ES+) m/z 314(MH)。
【0139】
調製例8 (4R/S)−3−クロロ−4−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
【化42】

(a)ジメチル [3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]プロパンジオアート
方法1
0℃にて、マロン酸ジメチル(82ml,715mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1400ml)中溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液)(28.6g,715mmol)を加えた。混合物を0.5時間攪拌し、0.5時間超音波分解した後に1,1,1−トリフルオロ−メタンスルホン酸 3−クロロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル エステル(合成に関しては、WO2004058144,実施例1(b)を参照)(88.88g,238.5mmol)を加えた。次いで、反応混合物を50℃にて12時間加熱した。反応物を冷却し、酢酸エチル、水およびHCl(2M)(340ml)で処理した。有機相を水で2回洗浄し、乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をトルエンで処理し、1時間攪拌した。濾過して、所望の化合物を得たトルエン溶液を、ヘキサンおよび酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、追加量の所望の化合物を得た(全収率:62.72g,81%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 325(MH)。
方法2
(i)8−ブロモ−7−クロロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
0℃にて、3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4(1H)−オン(3−クロロ−6−(メトキシ)−1,5−ナフチリジン−4−オール(合成に関しては、WO2004058144,実施例1(a)を参照)(43g,204.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(500ml)中溶液に、三臭化リン(23.3ml,245.8mmol)を滴下した。次いで、反応混合物を10℃にて0.5時間、次いで、25℃にて1時間攪拌した。次いで、混合物を1600mlの水に注ぎ、炭酸カリウムでpH7に塩基性化した。形成した固体を濾過し、水で洗浄し、減圧下で乾燥して、所望の化合物を得た(51g,91%)。
MS (+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 274(MH
(ii)ジメチル [3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]プロパンジオアート
マロン酸ジメチル(68.6ml,600mmol)の1,4−ジオキサン(600ml)中溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液)(22g,550mmol)を加えた。混合物を75℃にて2時間攪拌した後に8−ブロモ−7−クロロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(54.5g,200mmol)および臭化銅(I)(10g,69.7mmol)を加えた。次いで、反応混合物を100℃にて12時間加熱した。反応物を冷却し、酢酸エチル、水およびHCl(2N)(175ml)で処理した。水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を水で2回洗浄し、乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、ヘキサンおよび酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(63g,97%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 325(MH)。
【0140】
(b)メチル [3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]アセテート
ジメチル [3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]プロパンジオアート(56g,173mmol)のジメチルスルホキシド(1210ml)中溶液に、塩化リチウム(14.9g,350mmol)および水(3.2ml,180mmol)を加えた。混合物を16時間110℃に加熱し、次いで、冷却し、酢酸エチルおよび水で処理した。有機相を水で2回洗浄し、水相を酢酸エチルで抽出し、これを水で洗浄した。合した有機相を乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、ヘキサンおよび酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(43g,94%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 267(MH)。
【0141】
(c)メチル 2−[3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]−2−プロパノエート
メチル [3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]アセテート(43g,162mmol)のシクロヘキサン(1060ml)中溶液に、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(71.2g,313mmol)、炭酸カリウム(42g,304mmol)およびパラホルムアルデヒド(42g)を加えた。次いで、反応混合物を80℃にて24時間加熱し、冷却し、酢酸エチルおよび水で処理した。水相を酢酸エチルで抽出した。合した有機相を乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、ヘキサンおよび酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、所望の化合物を得た(40g,89%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 279(MH)。
【0142】
(d)メチル (2R/S)−2−[3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]−3−[(3R,4S)−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ−3−ヒドロキシ−1−ピペリジニル}プロパノエート
メチル 2−[3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]−2−プロパノエート(10g)、1,1−ジメチルエチル[(3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−ピペリジニル]カルバメート (合成に関しては、WO2004058144,実施例34(a)、シス−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−ピペリジン エナンチオマー1を参照)(8.05g)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(1ml)のN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中混合物を、80℃にて4時間加熱し、冷却し、蒸発乾固した。メタノール/ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(17.4g,98%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 495(MH)。
【0143】
(e)1,1−ジメチルエチル ((3R,4S)−1−{(2R/S)−2−[3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]−3−ヒドロキシプロピル}−3−ヒドロキシ−4−ピペリジニル)カルバメート
アルゴン雰囲気下−70℃にて、メチル (2R/S)−2−[3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]−3−[(3R,4S)−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ−3−ヒドロキシ−1−ピペリジニル}プロパノエート(17.4g,35.2mmol)のTHF(400ml)中溶液を、水素化アルミニウムリチウムのTHF中1M溶液(40.5ml,40.5mmol)で滴下処理し、0℃に徐々に加温した。溶液を該温度にて2時間攪拌し、水(3ml)、2N水酸化ナトリウム(5.7ml)および水(6.6ml)で処理し、室温にて1時間攪拌し、濾過した。濾液を蒸発させ、残渣を、メタノール/ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(8.75g,53%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 467(MH)。
【0144】
(f)3−クロロ−4−メチリデン−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
アルゴン雰囲気下0℃にて、1,1−ジメチルエチル ((3R,4S)−1−{(2R/S)−2−[3−クロロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]−3−ヒドロキシプロピル}−3−ヒドロキシ−4−ピペリジニル)カルバメート(8.75g,18.7mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.9ml)のジクロロメタン(90ml)中溶液を、パラ−トルエンスルホン酸無水物(6.7g,20.6mmol)で処理した。室温にて3時間後、追加量のパラ−トルエンスルホン酸無水物(0.7g)を加えた。2.5日後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水相をジクロロメタン(2x)で抽出し、合した有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。残渣を、メタノール/ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して、最初に一部精製された標題化合物(0.84g,21%)、次いで、1,1−ジメチルエチル {(3R,4S)−1−[(3−クロロ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−3−ヒドロキシ−4−ピペリジニル}カルバメート(3.93g,48%)を得た。一部精製された標題化合物(0.84g)を、メタノール/ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して精製し、純粋な生成物を得た(0.57g)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 219(MH+)。
【0145】
(g)(4R/S)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
3−クロロ−4−メチリデン−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(565mg,2.6mol)のtert−ブタノール/水(25ml/25ml)中溶液を、AD−ミックスα/β(3.5g/3.5g)で処理し、一晩撹拌した。硫酸ナトリウム(5g)を加え、混合物を1時間攪拌した。酢酸エチル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインを加えた。相を分離し、水相を酢酸エチルで2回以上抽出した。合した有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。粗物質をクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(300mg)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 253(MH+).
【0146】
(h)[(4R/S)−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)]メチル 4−メチルベンゼンスルホネート
(4R/S)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(300mg,1.2mmol)のジクロロメタン/テトラヒドロフラン/N,N−ジメチルホルムアミド(10ml/10ml/2ml)中懸濁液を、トリエチルアミン(0.25ml,1.8mmol)、塩化パラ−トルエンスルホニル(220mg,1.2mol)および酸化ジブチルチスズ(15mg,0.06mmol)で処理した。3時間後、水を加え、相を分離した。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、乾燥し、蒸発させて、生成物を得た(465mg)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 407(MH+).
【0147】
(i)1,1−ジメチルエチル (1−{[(4R/S)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル]メチル}−4−ピペリジニル)カルバメート
[(4R/S)−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル 4−メチルベンゼンスルホネート(465mg,1.15mmol)、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(218mg,1.1mmol)および炭酸ナトリウム(350mg,3.3mmol)のエタノール(12.5ml)中混合物。1日以上後、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(100mg)を加えた。1時間後、混合物を蒸発させ、残渣を20%メタノール/ジクロロメタンおよび水の間に分配した。有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。粗物質をクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(410mg,82%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 435.5(MH+)。
【0148】
(j)標題化合物
1,1−ジメチルエチル (1−{[(4R/S)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル]メチル}−4−ピペリジニル)カルバメート(410mg)を、ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(5ml/4ml)で溶解した。30分後、混合物を蒸発させた。残渣をメタノール中に溶解し、Amberlyst樹脂で処理した。1時間後、混合物を濾過し、濾液を蒸発乾固した。粗物質を、ジクロロメタン中0−20%の2Mアンモニア/メタノールで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(300mg,95%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 335.5(MH+)。
【0149】
調製例9 3,8−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−4−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
【化43】

(a)2−クロロ−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボン酸
2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−ピリジンカルボン酸(51.12g,243mmol)のメタノール(400ml)中溶液を、メタノール中ナトリウムメトキシド(25%w/v,100ml,535mmol)で処理し、混合物を4時間還流温度に加熱した。冷却した混合物を水(400ml)で処理し、水性塩酸(2M)でpH2に酸性化し、次いで、約400mlに濃縮した。濾過し、水で洗浄し、18時間Pで真空中にて乾燥し、白色固体として生成物を得た(32.65g,65%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 208(MH+)。
【0150】
(b)1,1−ジメチルエチル [2−クロロ−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート
2−クロロ−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボン酸(32.65g,159mmol)のトルエン/トリエチルアミン/tert−ブタノール(300ml/26.4ml/75ml)中混合物を、ジフェニルホスホリルアジド(37.7ml,174.8mmol)で処理し、2時間100℃に加熱した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)で処理し、次いで、酢酸エチル(3x500ml)で抽出した。合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、石油中0−40%ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して、白色固体として生成物を得た(36.35g,83%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 221/223(M(−t−Bu)H+)。
【0151】
(c)1,1−ジメチルエチル [2−[1−(エチルオキシ)エテニル]−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート
脱気した1,1−ジメチルエチル [2−クロロ−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート(20g,72.2mmol)の1,4−ジオキサン(200ml)中溶液を、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(1.05g)、フッ化セシウム(21.93g)およびトリブチル[1−(エチルオキシ)エテニル]スタンナン(26.9ml)で処理し、次いで、一晩100℃に加熱した。冷却した混合物を、10%水性フッ化カリウム溶液で処理した。0.5時間攪拌した後、混合物を、1,4−ジオキサンで洗浄しながら珪藻土に通して濾過した。酢酸エチルおよび水を濾液に加えた。相を分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合した有機抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、急速にヘキサン中25−50%ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して、淡褐色油として生成物を得た(22.2g,99%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 313(MH+)。
【0152】
(d)1,1−ジメチルエチル [5−フルオロ−2−(フルオロアセチル)−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート
1,1−ジメチルエチル [2−[1−(エチルオキシ)エテニル]−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート(6.72g,21.54mmol)、アセトニトリル(70ml)、および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下0℃にて5分かけて[1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボレート)(Selectfluor(商標))(8.9g,25.05 mmol)で滴下処理した。加えた後、混合物を室温にて0.5時間攪拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)で処理し、10分間攪拌し、次いで、水(100ml)希釈し、酢酸エチル(3x200ml)で抽出した。合した有機抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中0−50%ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して、白色固体として生成物を得た(3.72g,57%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 247(M(−t−Bu)H+)。
【0153】
(e)1,1−ジメチルエチル [2−[3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロアクリロイル]−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート
1,1−ジメチルエチル [5−フルオロ−2−(フルオロアセチル)−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート(3.72g,12.32mmol)の乾トルエン(20ml)中溶液を、{(ジメチルアミノ)[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]メチル}ジメチルアミン(Bredereck試薬)(3.05ml,14.78mmol)で処理し、40℃にて2時間加熱した。混合物を蒸発させ、残渣を3x200mlのヘキサンでトリチュレートし、残りの固体を減圧下で乾燥して、生成物を得た(2.15g,49%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 358(MH+)。
【0154】
(f)8−ブロモ−3,7−ジフルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
1,1−ジメチルエチル [2−[3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロアクリロイル]−5−フルオロ−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバメート(2.15g,6.02mmol)のトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(20ml/20ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下室温にて0.5時間攪拌し、蒸発させた。塩基性になるまで、残渣を約50mlのメタノール中2Mアンモニアで処理し、蒸発させた。該残渣を減圧下で乾燥し、次いで、酢酸エチル中0−10%メタノールで溶出するクロマトグラフィーに付して、固体(3.64g)、8−ヒドロキシ−3,7−ジフルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンを得た。8−ヒドロキシ−3,7−ジフルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(3.64g)をN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)で溶解し、三臭化リン(0.68ml,7.22mmol)で処理した。1時間後、追加量の三臭化リン(0.68ml,7.22mmol)を加えた。0.5時間後、混合物を水で希釈し、固体炭酸カリウムで塩基性化した。濾過し、真空中で乾燥して、生成物を得た(0.95g,57%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 275/277(MH+)。
【0155】
(g)3,7−ジフルオロ−8−(1−メチルエテニル)−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
8−ブロモ−3,7−ジフルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(1.14g,4.15mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(240mg,0.21mmol)の脱気ジメトキシエタン(40ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下で30分間攪拌した。炭酸カリウム(570mg,4.2mmol)、水(12ml)およびピリジン−トリス(1−メチルエテニル)ボロキシン(1:1)(470mg,1.66mmol)を加え、混合物を5時間還流温度に加熱した。冷却した混合物を水(100ml)およびエーテル(200ml)で処理した。相を分離し、水相をエーテル(2x200ml)でさらに抽出した。合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中0−50%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、白色固体を得た(820mg,84%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 237(MH+)。
【0156】
(h)8−[1−(クロロメチル)エテニル]−3,7−ジフルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
アルゴン雰囲気下、3,7−ジフルオロ−8−(1−メチルエテニル)−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(820mg,3.5mmol)のtert−ブタノール(50ml)中溶液を、塩化セシウム(III)七水和物(1.29g,3.5mmol)、次いで、次亜塩素酸ナトリウムの溶液(12%w/v,2.6ml,4.2mmol)で処理した。30分攪拌した後、飽和水性硫酸ナトリウム溶液(20ml)を加えた。15分攪拌した後、混合物をエーテル(3x200ml)で抽出した。合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中0−50%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、白色固体を得た(320mg,34%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 271/273(MH+)。
【0157】
(i)3,8−ジフルオロ−4−メチリデン−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
8−[1−(クロロメチル)エテニル]−3,7−ジフルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(320mg,1.18mmol)およびヨウ化ナトリウム(885mg)のアセトニトリル(20ml)中混合物を、20時間還流温度に加熱した。冷却した混合物を蒸発させ、次いで、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中0−100%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(168mg,65%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 221(MH+)。
【0158】
(j)3,8−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
3,8−ジフルオロ−4−メチリデン−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(631mg,2.9mmol)のtert−ブタノール/水(30ml/30ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下、ADミックスα(4.3g)で処理した。18時間攪拌した後、反応混合物を飽和硫酸ナトリウム溶液(30ml)で処理した。10分攪拌した後、混合物をジクロロメタン中20%メタノール(3x300ml)で抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、白色固体を得た(710mg,97%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 255(MH+)。
【0159】
(k)[3,8−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル]メチル 4−メチルベンゼンスルホネート
3,8−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(710mg,2.79mmol)のジクロロメタン(35ml)およびテトラヒドロフラン(35ml)中溶液を、トリエチルアミン(0.58ml,4.19mmol)、塩化パラ−トルエンスルホニル(586mg,3.07mmol)および酸化ジブチルスズ(35mg,0.14mmol)で処理した。アルゴン雰囲気下室温にて6時間攪拌した後、混合物を蒸発させ、水(200ml)を加えた。水相をジクロロメタン(3x200ml)で抽出し、合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、所望の化合物を得(1.2g,100%)、これをさらに精製することなく用いた。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 409(MH+)。
【0160】
(l)1,1−ジメチルエチル (1−{[3,8−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル]メチル}−4−ピペリジニル)カルバメート
粗[3,8−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル]メチル 4−メチルベンゼンスルホネート(1.2g,2.79mmol)のエタノール(40mL)中溶液を、炭酸ナトリウム(889mg,8.38mmol)および1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(615mg,3.07mmol)で処理した。反応混合物を、アルゴン雰囲気下室温にて18時間攪拌し、蒸発させ、水(200mL)で処理した。水層をメタノールのジクロロメタン中10%溶液(3x200mL)で抽出し、合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、ジクロロメタン中メタノールの0−10%勾配で溶出するクロマトグラフィーに付して、黄色固体を得た(1.1g,91%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 437(MH+)。
【0161】
(m)標題化合物
1,1−ジメチルエチル (1−{[3,8−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル]メチル}−4−ピペリジニル)カルバメート(1.11g,2.5mmol)のクロロホルム(20mL)中溶液に、HClの1,4−ジオキサン中4M溶液(20mL)を加えた。反応混合物を15分間攪拌し、次いで、メタノール(20mL)を加え、15分間攪拌し、蒸発させ、水(40mL)で再度溶解した。塩基性になるまで、炭酸ナトリウム(約1g)を加えた。水層をジクロロメタン中メタノールの20%溶液(4x200mL)で抽出した。合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を得た(864mg,100%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 337(MH+)。
該物質の一部(740mg,E1:E2の推定比率 約3:1)を、50:50:0.1−CHCN:イソプロピルアルコール:イソプロピルアミンで溶出するChiralpak ADカラムを用いて、分取キラルHPLCに付して2種のエナンチオマーE1およびE2に分割し、最初の溶出エナンチオマーとして553mgのE1(4S)エナンチオマー(>99.5%ee)を得た。
【0162】
調製例10 (4R/S)−8−クロロ−4−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
【化44】

(a)(4R/S)−8−クロロ−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
(4R/S)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(1.44g,6.1mmol)およびN−クロロスクシニミド(2.04g,15.25mmol)の酢酸(40mL)および水(25mL)中混合物を、100℃にて1時間加熱した。さらなる2.5当量のN−クロロスクシニミド(2.04g,15.25mmol)を加え、反応混合物をさらに1時間攪拌し、蒸発させ、炭酸ナトリウムの水性溶液(100mL)で処理し、メタノールのジクロロメタン中10%溶液(3x500mL)で抽出した。水層を約20mLに減少させ、さらにメタノールのジクロロメタン中20%溶液(3x500mL)で抽出した。合した有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、過剰の塩を伴う生成物を得た(2.2g,130%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 271/273(MH+)。
【0163】
(b)((4R/S)−8−クロロ−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル 4−メチルベンゼンスルホネート
不純な(4R/S)−8−クロロ−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(2.20g,推定6.10mmol)のジクロロメタン/テトラヒドロフラン/N,N−ジメチルホルムアミド(50mL/50mL/5mL)中懸濁液に、塩化パラ−トルエンスルホニル(1.16g,6.10mmol)、酸化ジブチルスズ(76mg,0.31mmol)および最後にトリエチルアミン(1.27mL,9.15mmol)を加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下室温にて3時間攪拌し、水(100mL)で処理し、ジクロロメタン(3x200mL)で抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、さらに減圧下で乾燥して、粗生成物(46%)、エポキシド(8’−クロロ−3’−フルオロ−7’H−スピロ[オキシラン−2,4’−ピロロ[3,2,1−de][1,5]ナフチリジン]−7’−オン)(10%)および未知の物質(30%)を得た。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 425/427(MH+)。
【0164】
(c)1,1−ジメチルエチル {1−[((4R/S)−8−クロロ−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
アルゴン雰囲気下室温にて、粗((4R/S)−8−クロロ−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル 4−メチルベンゼンスルホネート(約2.5g,推定6.10mmol)のエタノール(50mL)中に、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(1.22g,6.10mmol)および炭酸水素ナトリウム(1.94g,18.31mmol)を加えた。反応混合物を8時間攪拌した。さらに0.5当量の1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(0.61g,3.05mmol)および1.5当量の炭酸水素ナトリウム(0.97g,9.15mmol)を加えた。反応混合物をさらに18時間攪拌し、水(200mL)で処理し、メタノールのジクロロメタン中10%溶液(3x200mL)で抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、クロマトグラフィーに付して、不純粋な物質を得、粗製物を以下の工程に用いた。
【0165】
(d)標題化合物
粗1,1−ジメチルエチル {1−[((4R/S)−8−クロロ−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(約1g,2mmol)のジクロロメタン/メタノール(20mL/20mL)中溶液を、HClの1,4−ジオキサン中4M溶液(20mL)で処理し、アルゴン雰囲気下室温にて30分間攪拌した。反応混合物を蒸発させ、水(約10mL)で溶解し、固体炭酸ナトリウムを加えることにより塩基性化し、蒸発させた。残渣を、メタノールのジクロロメタン中15%溶液(3x200mL)と攪拌した。合した有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、ジクロロメタンおよび2Mアンモニア/メタノールの勾配で溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(215mg,27%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 353/355(MH+)。
【0166】
調製例11 (4R/S)−4−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−3,4−ジフルオロ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン二塩酸塩
【化45】

(a)1,1−ジメチルエチル {1−[((4R/S)−3,4−ジフルオロ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル {1−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(15.93g,38.1mmol)のジクロロメタン(320ml)中溶液を、氷浴中で冷却し、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオライド(10.1ml,75.9mmol)で処理した。室温にて2.5時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、次いで、相を分離した。水相をジクロロメタンで2回以上抽出し、合した有機抽出物を合し、蒸発させた。ジクロロメタン中メタノール勾配で溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(5.35g,33%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 421(MH+)。
【0167】
(b)標題化合物
1,1−ジメチルエチル {1−[((4R/S)−3,4−ジフルオロ−7−オキソ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−4−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(98mg,0.23mmol)のジクロロメタン(2ml)およびメタノール(1.5ml)中溶液を、1,4−ジオキサン中塩酸(4M,3.5ml,14mmol)で処理した。1.5時間後、混合物を蒸発させて、生成物を得た(82mg)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 321(MH+)。
【0168】
調製例12 4−({4−アミノ−1−ピペリジニル}メチル)−3,4−ジフルオロ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(E1およびE2エナンチオマー)
【化46】

4.3gの(4R/S)−4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−3,4−ジフルオロ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン二塩酸塩の遊離塩基を、50:50:0.1 アセトニトリル:メタノール:イソプロピルアミンで溶出する、Chiralpak ADカラムを用いて分取キラルHPLCに付して、2種のエナンチオマーE1およびE2に分割し、エナンチオマーE1(最初に溶出)およびE2(2番目に溶出)を得た。
E1 net:1.5g、>99%ee
E2 net:2.0g、>99%ee
【0169】
調製例13 (4S)−4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−4−ヒドロキシ−3−(メチルオキシ)−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン エナンチオマーE1
(4S)−4−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン(エナンチオマーE1)を、その対応するギ酸塩(0.72g,2mmol)に変換し、メタノール(7mL)で溶解し、次いで、ナトリウムメトキシド(メタノール中25%,1.3mL,6mmol)で処理した。次いで、反応物をアルゴン雰囲気下還流温度にて約2時間加熱した。冷却した混合物を、約12滴の水性塩化アンモニウムで処理し、蒸発乾固した。残渣を20%メタノール/ジクロロメタンで2回抽出し、抽出物を濾過し、蒸発させて、生成物を得た(0.66g,100%)。
MS(+ve イオンエレクトロスプレー) m/z 331(MH+)。
【0170】
調製例14 (2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロペナール
(a)メチル (2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロパノエート
0℃にて、トランス−2,5−ジフルオロ桂皮酸のメタノール中懸濁液に、塩化チオニルを加え、混合物を室温にて一晩攪拌した。反応混合物を蒸発させ、生成物をシリカゲルカラム上で精製し、ヘキサン/酢酸エチル勾配0−80%で溶出し、297mgの白色固体を得た。
【0171】
(b)(2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロパン−1−オール
下−78℃にて、メチル (2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロパノエートのDCM(6ml)中溶液に、DIBAL−H 1.5Mのトルエン中溶液(2.21ml,3.22mmol)を加えた。混合物を−78℃にて30分間攪拌した。さらにDIBAL−H 1.5M(0.3ml)を加え、同温度にて10分後、反応が終了した。メタノール/酢酸(2ml/1ml)および水の混合物を反応混合物に加えた。層を分離し、有機層を飽和NaClで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させて、116mgの所望の生成物を得た。
【0172】
(c)標題化合物
(2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロパン−1−オール(116mg,0.68mmol)の溶液に、MnO(474mg,5.45mmol)を加え、混合物を室温にて一晩攪拌した。反応混合物を濾過し、それを蒸発させて、93mgの白色固体を得た。
【0173】
調製例15 (2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペナール
(a)(2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロパノエート
0℃にて、(2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン酸(840mg,1当量)のメタノール(8ml)中懸濁液に、塩化チオニル(0.443ml,1.2当量)を滴下した。反応混合物を室温にて一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色液体として904mgの生成物を得た。
MS(ES+) m/z 181(MH+)。
【0174】
(b)(2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロパン−1−オール
窒素下0℃にて、メチル (2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロパノエートのDCM(15ml)中溶液に、DIBAL−H 1.5Mのトルエン中溶液を滴下した。反応混合物を0℃にて3時間攪拌した。酒石酸Na,Kの飽和水溶液を加え、次いで、それをDCMで3回抽出した。合した有機相を飽和NaClで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、無色液体として711mgの標題化合物を得、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0175】
(c)標題化合物
二酸化マンガン(2.844g,32.7mmol)を、室温にて(2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロパン−1−オール(711mg,4.67mmol)のDCM(30ml)中溶液に加え、混合物を該温度にて一晩攪拌した。TLCが全て変換したことを示すまで、追加量の二酸化マンガン(2.844g,32.7mmol)を加えた。固体を濾去し、溶媒を蒸発させて、淡黄色油として標題化合物(587.7mg,3.91mmol,収率84%)N4890−39−1を得た。
MS(ES+) m/z 151(MH+)。
【0176】
調製例16 実施例8.3−(3−フルオロフェニル)プロパナール
(a)3−(3−フルオロフェニル)−1−プロパノール
窒素下0℃にて攪拌したメチル (2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロパノエート(合成に関しては、調製例15(a)を参照)のDCM(15ml)中溶液に、DIBAL−Hのトルエン中1.5M溶液を滴下した。反応混合物を78℃にて3時間攪拌した。Na,K酒石酸塩飽和水溶液を滴下し、次いで、それをDCMで3回抽出した。合した有機相を、飽和NaClで抽出し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、626.4mgの生成物を得、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0177】
(b) 標題化合物
ジメチルスルホキシド(333μl,4.69mmol)を、−78℃にて(ClCO)(1.004ml,2.008mmol)のDCM(7ml)中溶液に加えた。5分後、3−(3−フルオロフェニル)−1−プロパノール(206.5mg,1.339mmol)のDCM(4ml)中溶液を滴下し、−78℃にて15分間攪拌した。トリエチルアミン(784μl,5.62mmol)を徐々に加え、混合物を−78℃にて10分間攪拌し、次いで、室温に達し、さらに1時間攪拌した。水およびt−ブチルメチルエーテルを加えた。抽出し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、242.1mgの粗生成物を得た。5gシリカゲルカートリッジならびに溶出液としてジクロロメタンおよびヘキサンの混合液を用いてクロマトグラフィーに付して精製し、135.4mgの標題化合物を得た。
【0178】
調製例17 (2E)−3−(5−フルオロ−3−ピリジニル)−2−プロペナール
3−ブロモ−5−フルオロピリジン(816mg,4.64mmol)、トランス−ジ(μ−アセタト)ビス[o−(ジ−o−トリル−ホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)(87mg,0.093mmol)および酢酸ナトリウム(423mg,5.16mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下で圧力管に加えた。次いで、予め脱気したNMP(12ml)、次いで、2−プロペナール(684μl,4.64mmol)を反応混合物に連続して加えた。アルゴン雰囲気下140℃で2時間後、反応が終了した。HOおよびDCMを加え、有機層を分離した。ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空除去した。NMPを真空下で除去し、425mgの褐色油を得た。粗生成物を、シリカクロマトグラフィー(10gSi,ヘキサン:酢酸エチル 8:2)に付して精製し、87mgの淡色固体を得た。
MS(ES+) m/z 152[M+H]
【0179】
調製例18 [(3−フルオロフェニル)オキシ]アセトアルデヒド
(a)メチル [(3−フルオロフェニル)オキシ]アセテート
[(3−フルオロフェニル)オキシ]酢酸(200mg,1.175mmol)のメタノール(3ml)中溶液に、塩化チオニル(0.086ml,1.175mmol)を加え、混合物を室温にて3時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾固して、203mgの無色油を得た。
【0180】
(b)標題化合物
下−78℃にて、メチル [(3−フルオロフェニル)オキシ]アセテート(200mg,1.086mmol)のDCM(6ml)中溶液に、DIBAL−Hの溶液(1.140mlのTHF中1M溶液,1.140mmol)を加えた。混合物−78℃にて攪拌した。−78℃にて1時間後、0.76mLのDIBAL−H(トルエン中1.5M溶液,1.140mmol)を反応混合物に加え、次いで、−78℃にて1.5時間攪拌し続けた。反応の変換が終了しなかったので、0.760mlのDIBAL−H(トルエン中1.5M溶液 1.140mmol)を加え、最終的に混合物を−78℃にてさらに1時間攪拌した。反応混合物をDCMで希釈し、ロッシェル塩(酒石酸ナトリウムカリウム四水和物)水溶液を加えた。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させて、144mgの無色油を得た。
【0181】
生物学的活性
抗微生物活性アッセイ:
全細胞抗微生物活性は、臨床検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI))が推奨する手法、ドキュメントM7−A7、「好気的に生育する細菌のための希釈感受性試験方法(Methods for Dilution Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically)」を用いる培養液微量希釈によって測定した。化合物は、0.016〜16mcg/mLの範囲で1連の2倍希釈において試験した。
【0182】
最小阻害濃度(MIC)は、可視的な生育を阻害した化合物の最低濃度と決定した。MIC終点の決定を補助するためにミラーリーダーを用いた。
【0183】
化合物は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)を含むグラム陽性生物に対して評価された。
【0184】
さらに、化合物は、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)、モラキセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、およびステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)を含むグラム陰性株に対して評価された。
【0185】
本明細書に同定された実施例1、2,および4〜10の各々は、少なくとも1つの例示される塩形態で試験し、MIC≦2μg/mlを有していた。すべての上記した生物の少なくとも1つの株に関して、少なくとも1つの試験した実施例がMIC≦2μg/mlを有していた。
【0186】
マイコプラズマ結核H37Rv阻害アッセイ
列挙した化合物について最小阻害濃度(MIC)を、96ウェルフラットボトム・ポリスチレンマイクロタイタープレートで測定した。400μMで開始するニートDMSOでの薬剤の2倍希釈を10回行った。5μlのこれらの薬剤溶液を、95μlのMiddlebrook 7H9培地に加えた(Lines A−H、1〜10列のプレートレイアウト)。イソニアジドを正の対照として用い、イソニアジドの160μ/gmlで開始する2倍希釈法を8回行い、5μlのこの対照曲線を95μlのMiddlebrook 7H9(Difco catalogue Ref.271310)+ADC培地(Becton Dickinson CatalogueRef.211887)(列11、ラインA−H)に加えた。5μlのニートDMSOを列12に加えた(成長およびブランク対照)。
【0187】
接種菌を約1×10cfu/mlに標準化し、Middlebrook 7H9+ADC培地および0.025%Tween80(SigmaP4780)中で100倍希釈し、H37Rv株(ATCC25618)の最終接種菌を製造した。100μlのこの接種菌を、G−12およびH−12ウェル(ブランク対照)を除く全プレートに加えた。すべてのプレートをシールしたボックス内に置き、末梢ウェルの乾燥を予防し、これらを振盪することなく6日間37℃でインキュベートした。レザズリン溶液を、1個のレザズリン錠剤(レザズリン錠剤、Milk Testing;Ref330884Y VWR International Ltd)を30mlの滅菌PBS(リン酸緩衝セイライン)に溶解することにより調製した。25μlのこの溶液を各々のウェルに加えた。48時間後に蛍光を測定してMIC値を決定した(Spectramax M5 Molecular Devices、励起530nm、発光590nm)。
【0188】
実施例1および2を、マイコプラズマ結核H37Rv阻害アッセイで試験した。実施例1および2は、MIC値5.8μg/ml以下を示した。実施例1は、MIC値1.0μg/ml以下を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
ZはCHまたはNであり;
1aおよびR1bは、独立して、水素;ハロゲン;シアノ;(C1−6)アルキル;(C1−6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;カルボキシ;(C1−6)アルキルまたは(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキル;ヒドロキシ(C1−6)アルキル;1または2個の(C1−6)アルキル、ホルミル、(C1−6)アルキルカルボニルまたは(C1−6)アルキルスルホニル基によりN−置換されていてもよいアミノ基;アミノ基が(C1−4)アルキルにより置換されていてもよいアミノカルボニルから選択され;
は水素、または(C1−4)アルキルであるか、あるいはRと一緒になって下記に定義するYを形成し;
Aは基(ia)または(ib):
【化2】

(式中:RはR1aまたはR1bと同意義であるか、またはオキソであり、nは1または2である)
であり;
または、Aは基(ii):
【化3】

(式中、W、WおよびWはCRであるか、
または、WおよびWはCRであり、WはWおよびN間の結合を意味し;
XはO、CR、またはNRであり;
1個のRはR1aおよびR1bと同意義であって、残りおよびRは水素であるか、または1個のRおよびRは一緒になってオキソを意味し、残りは水素であり;
は水素または(C1−6)アルキルであるか;またはRと一緒になってYを形成し;
は水素;ハロゲン;(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;または(C1−6)アルキルであり;
YはCRCH;CHCR;(C=O);CR;CR(C=O);または(C=O)CRであり;
またはXがCRである場合、RおよびRは一緒になって結合を意味する)
であり;
は基−X1a−X2a−X3a−X4aであり、ここに:
1aはCH、COまたはSOであり;
2aはCR14a15aであり;
3aはNR13a、O、S、SOまたはCR14a15aであり;ここに:
14aおよびR15aは、各々独立して、H;(C1−4)アルキルチオ;ハロ;カルボキシ(C1−4)アルキル;ハロ(C1−4)アルコキシ;ハロ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;(C1−4)アルコキシカルボニル;ホルミル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C2−4)アルケニルオキシカルボニル;(C2−4)アルケニルカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニルオキシ;(C1−4)アルコキシカルボニル(C1−4)アルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1−4)アルキル;メルカプト(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;Rの対応する置換基と同様に置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニル;(C1−4)アルキルスルホニル;(C2−4)アルケニルスルホニル;またはアミノ基が(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよいアミノスルホニル;アリール;アリール(C1−4)アルキル;アリール(C1−4)アルコキシから選択される:ただし、同じ炭素原子上のR14aおよびR15aの両方が、置換されていてもよいヒドロキシおよび置換されていてもよいアミノから選択されることはない;あるいは
14aおよびR15aは一緒になってオキソであり;
13aは水素;トリフルオロメチル;(C1−6)アルキル;(C2−6)アルケニル;(C1−6)アルコキシカルボニル;(C1−6)アルキルカルボニル;またはアミノカルボニル(ここに、アミノ基は、(C1−6)アルコキシカルボニル、(C1−6)アルキルカルボニル、(C2−6)アルケニルオキシカルボニル、(C2−6)アルケニルカルボニル、(C1−6)アルキルまたは(C2−6)アルケニルにより置換されていてもよく、さらに、(C1−6)アルキルまたは(C2−6)アルケニルにより置換されていてもよい)であるか;または
隣接する2つのR14a基またはR13aおよびR14a基は、一緒になって結合を意味し、残りのR13a、R14aおよびR15a基は、上記と同意義であるか;または
隣接する2つのR14a基および2つのR15a基は、一緒になって結合を意味して、X2aおよびX3aが三重結合で結合され;
4aは、フェニルまたは、O、SおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含有するCまたはN結合単環式芳香族5−または6−員ヘテロサイクルであり:これらは、(C1−4)アルキルチオ;ハロ;カルボキシ(C1−4)アルキル;ハロ(C1−4)アルコキシ;ハロ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;(C1−4)アルコキシカルボニル;ホルミル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C2−4)アルケニルオキシカルボニル;(C2−4)アルケニルカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニルオキシ;(C1−4)アルコキシカルボニル(C1−4)アルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1−4)アルキル;メルカプト(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;Rの対応する置換基と同様に置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニル;(C1−4)アルキルスルホニル;(C2−4)アルケニルスルホニル;またはアミノ基が(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよいアミノスルホニル;アリール、アリール(C1−4)アルキルまたはアリール(C1−4)アルコキシから選択される3個までの基によりC−置換されていてもよく;
トリフルオロメチル;ヒドロキシ、(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;アリール;アリール(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニル;ホルミル;(C1−6)アルキルスルホニル;またはアミノカルボニル(ここに、アミノ基は、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C2−4)アルケニルオキシカルボニル、(C2−4)アルケニルカルボニル、(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよく、さらに、(C1−4)アルキルまたは(C2−4)アルケニルにより置換されていてもよい)によりN−置換されていてもよく;
は水素またはヒドロキシであるか、またはZがNである場合、Rはフルオロである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
ZがCHであり、Rが水素であり、R基に結合する炭素原子での立体化学がRであるか、またはZがNであり、RがOHであり、R基に結合する炭素原子での立体化学がSである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1aがフルオロであり、R1bが水素である、上記請求項いずれか一項記載の化合物。
【請求項4】
が水素である、上記請求項いずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
Aが(ia)であり、nが1であり、Rが3位にあるHまたはヒドロキシであるか、Aが(ii)であり、XがCRであり、RがHであり、RがHまたはOHであるか、またはAが(ii)であり、XがOであり、RがHであり、W、WおよびWが各々CHである、上記請求項いずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
Aがピペリジン−4−イルまたはピロリジン−3−イルメチルである、請求項4記載の化合物。
【請求項7】
−X1a−X2a−X3a−が、−(CH−O−、−CH−CH=CH−、−(CH−、−(CH−NH−または−CHCONH−である、上記請求項いずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
4aが、ハロ、トリフルオロメチルまたはニトロにより置換されていてもよい、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、チアゾール−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イルまたはフロ−2−イルである、上記請求項いずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
4aが、ハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、メチル、1−メチルエチル、メトキシカルボニルおよびメチルカルボニルアミノから選択される基により置換されていてもよいフェニルである、請求項1〜7いずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
4aが、ピリド−2−イル、フロ−2−イル、4−(1−メチルエチル)フェニル、ピリド−3−イル、2,5−ジフルオロフェニル、3−フルオロフェニル、5−フルオロピリド−3−イル、3,5−ジフルオロフェニルまたはチアゾール−2−イルである、請求項1〜7いずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
(4S)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−4−[(4−{[(2E)−3−(2−ピリジニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
(4S)−3−フルオロ−4−[(4−{[(2E)−3−(2−フラニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−4−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−7H−ピロロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−7−オン
9−フルオロ−1−{[4−({2−メチル−3−[4−(1−メチルエチル)フェニル]プロピル}アミノ)−1−ピペリジニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(3−ピリジニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(2−フラニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(1R)−1−[(4−{[(2E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−9−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[3−(3−フルオロフェニル)プロピル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(1R)−9−フルオロ−1−[(4−{[(2E)−3−(5−フルオロ−3−ピリジニル)−2−プロパン−1−イル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(1R)−9−フルオロ−1−{[4−({2−[(3−フルオロフェニル)オキシ]エチル}アミノ)−1−ピペリジニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
から選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項12】
哺乳動物、特にヒトにおける細菌感染症の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に、有効量の上記請求項いずれか一項記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項13】
哺乳動物における細菌感染症の治療において用いるための医薬の製造における請求項1〜11いずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項14】
治療において用いるための請求項1〜11いずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
哺乳動物の細菌感染症の治療に用いるための請求項1〜11いずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜11いずれか一項記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2010−524891(P2010−524891A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503500(P2010−503500)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054667
【国際公開番号】WO2008/128962
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】