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抗菌剤組成物
説明

抗菌剤組成物

【課題】安全で飲食品、香粧品、医薬品など広範な用途に応用でき、多種多様の微生物に対して生育阻害活性を示す抗菌剤組成物を提供することである。
【解決手段】3−ヒドロキシブタン酸メンチル、2−メチル−3−(メントキシ)プロパンー1,2−ジオール、2−(メントキシ)エタノール、3−メントキシプロパン−1−オール、2−(メントキシエトキシ)エタノール、及び、グリオキシル酸メンチルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の冷感剤を含有することを特徴とする抗菌剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全性が高く、優れた抗菌作用を有する抗菌剤組成物に関する。また、本発明は、当該抗菌剤組成物を含有する製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品や化粧品の保存性を高めるために、各種抗菌剤、例えば天然抗菌剤や合成抗菌剤が活用されている。合成抗菌剤としては、安息香酸エステル類やソルビン酸塩などが商品化されている。しかし、合成抗菌剤に関しては、化粧品や食品など直接人体に触れる製品に使用される場合、より安全性が保証されることが必要であることが指摘されている。また、天然抗菌剤に関しては、供給が不安定であり、生成に多くのコストがかかることが、指摘されている。
従って、従来の抗菌剤よりも、安全性が高く、かつ、安定して供給され、食品や化粧品に安心して使用できる抗菌剤が望まれている。そして、以下の文献に記載されるように、食品や化粧品等の保存性を高めるための各種抗菌剤に関する研究が進められている。
【0003】
天然抗菌剤としては、特許文献1(特開2007−45754号公報)に、有機溶媒等の溶媒で抽出されたオオバキ抽出物が開示されている。
合成抗菌剤としては、特許文献2(特開2011−06346号公報)には、化学合成により生成されたヒドロキウンデカン酸又はその塩が開示されている。
特許文献3(特開2004−18470号公報)には、メントールを主成分とするハッカオイルなど、食品用の香料成分等を抗菌剤として使用する技術が開示されている。
特許文献4(国際公開第2011/050871号公報)には、化学合成により生成されたメントキシプロパンジオールを有効成分とする抗菌剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−45754号公報
【特許文献2】特開2011−6346号公報
【特許文献3】特開2004−18470号公報
【特許文献4】国際公開第2011/050871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の状況を鑑みて、本発明は、安全で飲食品、香粧品、医薬品など広範な用途に応用でき、多種多様の微生物に対して生育阻害活性を示す抗菌剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、主に冷感剤として知られる多数の化合物中のある特定の一部の冷感剤が予想外にも優れた抗菌効果を有することを見出し、本発明を完成させた。なお、本願発明において抗菌剤として使用される化合物は、長年冷感剤として使用されてきたため、人体に対する安全性が確認されている。
本発明は、3−ヒドロキシブタン酸メンチル、2−メチル−3−(メントキシ)プロパンー1,2−ジオール、2−(メントキシ)エタノール、3−メントキシプロパン−1−オール、2−(メントキシエトキシ)エタノール、及び、グリオキシル酸メンチルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の冷感剤を含有することを特徴とする抗菌剤組成物を提供する。
また、本発明は、上述の抗菌剤組成物を含有することを特徴とする香料組成物を提供する。
また、本発明は、上述の抗菌剤組成物、又は、上述の香料組成物を含有することを特徴とする飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品を提供する。
また、本発明は、上述の抗菌剤組成物を配合することを特徴とする、香料組成物、飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品の製造方法を提供する。
なお、本明細書で記載される本願請求項に係る冷感剤は、右旋性及び左旋性の異性体並びにこれらのラセミ混合物を包含する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、安全に食品、化粧品、医薬品など広範な用途に応用でき、様々な製品において、広範な微生物の種類に対する生育阻害活性を示す抗菌剤組成物及び香料組成物を提供できる。
また本発明は、当該抗菌剤組成物又は当該香料組成物を含有する、微生物の生育が阻害された製品を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の抗菌剤組成物で使用される各成分について詳細に説明する。
<抗菌剤組成物>
本発明の抗菌剤組成物は、3−ヒドロキシブタン酸メンチル、2−メチル−3−(l−メントキシ)プロパンー1,2−ジオール、2−(メントキシ)エタノール、3−メントキシプロパン−1−オール、2−(メントキシエトキシ)エタノール、及び、グリオキシル酸メンチルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の冷感剤(以下、本願発明に係る冷感剤とも呼ぶ)を含有する。
本願発明に係る冷感剤は、予想外に優れた抗菌効果を有する。例えば、冷感剤として使用されてきた本願発明に係る冷感剤以外の冷感剤(N-アルキルーp−メンタンー3−カルボキサミド、N-メチルー2,2−イソプロピルメチルー3−メチルブタンアミド、メントール、3−メントキシプロパンー1、2−ジオール及び、p−メンタンー3,8−ジオールなど)と比較すると、非常に優れた抗菌効果を有することが理解できる。
【0009】
本願発明に係る冷感剤は全て、好気性及び嫌気性のいずれの微生物(例えば細菌、真菌など)に対しても生育阻害活性を有するが、3−ヒドロキシブタン酸メンチル及び3−メントキシプロパン−1−オールは、特に高い生育阻害活性を有し、好気性及び嫌気性のどちらの微生物に対しても強い生育阻害活性を有する。当該微生物としては、例えばコリネバクテリウム属、アクチノマイセス属などが挙げられる。3−ヒドロキシブタン酸メンチル及び3−メントキシプロパン−1−オールは、抗菌作用が知られている3−メントキシプロパン−1,2−ジオールと比較して、2〜8倍の生育阻害活性を有し、菌の種類によっては、8倍以上の生育阻害活性を有する。
また、2−メチル−3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオールは、抗菌作用が知られている3−メントキシプロパン−1,2−ジオールと比較して、対象菌体によって異なるが約2倍程度の生育阻害活性を有する。
以上から、本願発明においては、3−ヒドロキシブタン酸メンチル、2−メチル−3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、及び、3−メントキシプロパン−1−オールからなる群から選ばれる少なくとも1種類の冷感剤を含有することが更に好ましい。
【0010】
また、3−ヒドロキシブタン酸メンチルは、ポルフィロモナス・ジンジバリス(歯周病菌)などのポルフィロモナス属、スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌)などのスタフィロコッカス属、及び、コリネバクテリウム・キセロシス(腋臭原因菌)などのコリネバクテリウム属の抗菌剤として使用されることが望ましく、2−メチル−3−(l−メントキシ)プロパンー1,2−ジオールは、アクチノマイセス・ビスコーサス(虫歯菌)などのアクチノマイセス属の抗菌剤として使用されることが望ましく、3−メントキシプロパン−1−オールは、スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌)などのスタフィロコッカス属の抗菌剤として使用されることが望ましい。
【0011】
また、2−(メントキシ)エタノール及び2−(メントキシエトキシ)エタノールは、特に嫌気性の微生物に対する生育阻害活性が高く、更に具体的には、抗菌作用が知られている3−メントキシプロパン−1,2−ジオールと比較して、プロピオニバクテリウム・アクネス(JCM6473)及び(ATCC6919)、並びに、フゾバクテリウム・ヌクレアタムに対して2倍以上の生育阻害活性を有する。
また、グリオキシル酸メンチルは、抗菌作用が知られている3−メントキシプロパン−1,2−ジオールと比較して、対象菌体によって異なるが2倍から16倍、又はそれ以上の生育阻害活性を有する。
上記冷感剤は、市場で容易に入手可能であり、通常用いられる方法で合成することもできる。
【0012】
また、本発明の抗菌剤組成物は、メントール、イソプレゴール、メントン、カンファー、プレゴール、シネオール、ハッカオイル、N−アルキル−p−メンタン−3−カルボキサミド、3−メントキシ−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、4−l−メントキシブタン−1−オール、1−(2−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキシル)−エタノン、乳酸メンチル、メントールグリセリンケタール、N−メチル−2,2−イソプロピルメチル−3−メチルブタンアミド、コハク酸メンチル、グルタル酸メンチル、ペパーミントオイル、ユーカリプタスオイル、ハッカ油、スペアミントオイル、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、カプサイシン、ギンゲロール、バニリルブチルエーテル、4−(1−メントキシ−メチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(3’,4’−ジヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(2’−ヒドロキシ−3’−メトキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(4’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(3’,4’−メチレンジオキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メトキシ−メチル)−2−(3’−メトキシ−4’−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、トウガラシ油、トウガラシオレオレジン、ノニル酸バニリルアミド、ジャンブーオレオレジン、サンショウエキス、サアンショール−I、サアンショール−II、サンショウアミド、黒胡椒エキス、カビシン、ピペリン及びスピラントールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の成分(以下、この群に含まれる成分を併用成分とも呼ぶ)をさらに含有することが望ましい。本発明の抗菌剤組成物は、併用成分により更に抗菌活性が増強することが期待されるだけでなく、心地よい清涼感や温感を付与し、制御することも可能である。
【0013】
また、従来抗菌剤として汎用されている以下の化合物を併用することで相乗的に所望の抗菌活性を付与することも可能である:パラベン、安息香酸類(例えば安息香酸、安息香酸ナトリウムなど)、サリチル酸類、1,2−アルカンジオール、ヒドロキシカルボン酸のエステル又はエーテル、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化リゾチウム、ハロカルバン、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、フェノールスルホン酸アルミニウム、トリクロサン、グルコン酸クロルヘキシジン、亜硫酸水素ナトリウム溶液、亜硫酸ナトリウム(結晶)、亜硫酸ナトリウム(無水)、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、酵素分解ハトムギ抽出物、次亜硫酸ナトリウム、しらこたん白抽出物、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ツヤプリシン(抽出物)、デヒドロ酢酸ナトリウム、二酸化硫黄、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、ペクチン分解物、ホオノキ抽出物、ε−ポリリシン、レンギョウ抽出物、オールスパイス油、オリガナム油、オレンジ油、カシア油、クミン油、クローブ油、コリアンダー油、シソ油、シトロネラ油、シナモン油、ショウブ油、セージ油、ゼラニウム油、タイム油、ディル油、トリーモス油、ヒバ油、ビメント油、フェンネル油、ベイ油、ベチバー油、ペニーローヤル油、ペルーバルサム油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ローズマリー油、ローズ油、ローレル油、アスナロ油、アニス油、ウインターグリーン油、エストランゴン油、オニオン油、カルダモン油、キャラウェイ油、ケード油、スターアニス油、セダーウッド油、セロリ油、タラゴン油、タイワンヒノキ油、ナツメグ油、バーチ油、ブラックペパー油、ベージル油、ホワイトペパー油、マージョラム油、メース油、カナンガ油、ジャスミン油、スペアミント油、ハッカ油、パチュリ油、ボアドローズ油、緑茶抽出物、ウーロン茶抽出物、茶カテキン類、ジンジャー油、セレリーシード油、ロベージ油、バレリアン油、ホップ油、アンブレットシード油、ディルシード油、ベニーローヤル油、タンジー油、ワインリーズ油、麻黄抽出物、山椒油、麦門冬抽出物。
【0014】
≪抗菌作用の評価≫
本発明においては、抗菌作用の指標となる生育阻害活性を、寒天培地又は液体培地を利用する最小阻止濃度測定法(MIC)により評価する。なお、この最小阻止濃度測定法では、検討される生育阻害活性が殺菌的作用に基づくのか静菌的作用に基づくのかを判断することはできないが、本願明細書においては、殺菌的作用及び静菌的作用いずれも抗菌作用に含めるので、判断することができないことは問題にならない。
【0015】
<香料組成物>
本発明の香料組成物は、上述の抗菌剤組成物を含有する。香料組成物中の本願発明に係る冷感剤の含有量は、香料組成物の賦香率により任意に調整可能であるが、一般的には香料組成物の全質量に基づいて好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは、0.01〜20質量%、さらに好ましくは、0.05〜10質量%である。50質量%超過で含有する場合には、経済面でメリットが少なく、0.01質量%未満で含有する場合には、その効果が十分に発揮できない恐れがあるためである。
本発明の香料組成物は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、各種の合成香料、天然精油、合成精油、柑橘油、動物性香料、その他の香料組成物を調製する際に通常使用される調香成分をさらに含むことができる。
【0016】
本発明の香料組成物に用いられる合成香料としては、従来から香気及び香味を付与する目的で使用されているものであれば特に制限されなく、例えば、「合成香料 化学と商品知識」(印藤元一著、化学工業日報社)等に記載のエステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、炭化水素類、含窒素化合物、含硫化合物類および酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
【0017】
エステル類としては、例えば、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、ギ酸オクチル、ギ酸リナリル、ギ酸シトロネリル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ネリル、ギ酸テルピニル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸シス−3−ヘキセニル、酢酸トランス−2−ヘキセニル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸デシル、酢酸ドデシル、酢酸ジメチルウンデカジエニル、酢酸スチラリル、酢酸オシメニル、酢酸ミルセニル、酢酸ジヒドロミルセニル、酢酸リナリル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸テトラヒドロムゴール、酢酸ラバンジュリル、酢酸ネロリドール、酢酸ジヒドロクミニル、酢酸テルピニル、酢酸シトリル、酢酸ノピル、酢酸ジヒドロテルピニル、酢酸2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルメチル、酢酸ミラルディル、酢酸ベチコール、プロピオン酸デセニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸ネリル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、プロピオン酸スチラリル、プロピオン酸アニシル、酪酸オクチル、酪酸ネリル、酪酸シンナミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸オクチル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ネリル、イソ吉草酸リナリル、イソ吉草酸テルピニル、イソ吉草酸フェニルエチル、2−メチル吉草酸2−メチルペンチル、3−ヒドロキシヘキサン酸メチル、3−ヒドロキシヘキサン酸エチル、オクタン酸メチル、オクタン酸オクチル、オクタン酸リナリル、ノナン酸メチル、ウンデシレン酸メチル、安息香酸リナリル、ケイヒ酸メチル、アンゲリカ酸イソプレニル、ゲラン酸メチル、クエン酸トリエチル、アセト酢酸エチル、2−ヘキシルアセト酢酸エチル、ベンジルアセト酢酸エチル、2−エチル酪酸アリル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、ノナン酸エチル、デカン酸エチル、2,4−デカジエン酸エチル、2,4−デカジエン酸プロピル、アントラニル酸メチル及びリナリル、N−メチルアントラニル酸エチル等を挙げることができる。
【0018】
アルコール類としては、例えば、3−ヘプタノール、1−ノナノール、1−ウンデカノール、2−ウンデカノール、1−ドデカノール、プレノール、10−ウンデセン−1−オール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロムゴール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、オシメノール、テルピネオール、ホートリエノール、3−ツヤノール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−フェニルエチルアルコール、3−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、2,6−ジメチルヘプタノール、1−デカノール、トランス−2−ヘキセノール、シス−4−ヘキセノール、メチルトリメチルシクロペンテニルブテノール、シトロネロール、ジヒドロミルセノール、ロジノール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、イソプレゴール、メントール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、カルベオール、ジヒドロカルベオール、ペリラアルコール、4−ツヤノール、ミルテノール、α−フェンキルアルコール、ファルネソール、ネロリドール、セドレノール、アニスアルコール、ヒドロトロパアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、シンナミックアルコール、アミルシンナミックアルコール等を挙げることができる。
【0019】
アルデヒド類としては、例えば、アセトアルデヒド、n−ヘキサナール、n−ヘプタナール、n−オクタナール、n−ノナナール、2−メチルオクタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、デカナール、ウンデカナール、2−メチルデカナール、ドデカナール、トリデカナール、テトラデカナール、トランス−2−ヘキセナール、トランス−4−デセナール、シス−4−デセナール、トランス−2−デセナール、10−ウンデセナール、トランス−2−ウンデセナール、トランス−2−ドデセナール、3−ドデセナール、トランス−2−トリデセナール、2,4−ヘキサジエナール、2,4−デカジエナール、2,4−ドデカジエナール、5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール、シトラール、ジメチルオクタナール、α−メチレンシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ミルテナール、ネラール、α−あるいはβ−シネンサール、マイラックアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、オクタナールジメチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2−メチルウンデカナールジメチルアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタール、n−バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、2−メチルブタナール、2−ペンテナール、トランス−2−ヘプテナール、トランス−2−ノネナール、2,6−ジメチル−5−ペプテナール、2,4−ウンデカジエナール、トリメチルデカジエナール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、サフラナール、ベルンアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、p−メチルヒドロトロパアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、2−メチル−3−(4−メチルフェニル)プロパナール、シクラメンアルデヒド、シンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、p−メチルフェノキシアセトアルデヒド、アセトアルデヒドジエチルアセタール、シトロネリルメチルアセタール、アセトアルデヒド 2−フェニル−2,4−ペンタンジオールアセタール、2−ヘキセナールジエチルアセタール、シス−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ヘプタナールジエチルアセタール、2−ヘキシル−5−メチル−1,3−ジオキソラン、シトロネラールシクロモノグリコールアセタール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール等を挙げることができる。
【0020】
ケトン類としては、例えば、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、2−ウンデカノン、メチルヘプテノン、ジメチルオクテノン、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、2,3,5−トリメチル−4−シクロヘキセニル−1−メチルケトン、ネロン、ヌートカトン、ジヒドロヌートカトン、アセトフェノン、4,7−ジヒドロ−2−イソペンチル−2−メチル−1,3−ジオキセピン、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2,3−ヘキサジオン、3−ノナノン、エチルイソアミルケトン、ジアセチル、アミルシクロペンテノン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、ヘキシルシクロペンタノン、ヘプチルシクロペンタノン、シス−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、トリメチルペンチルシクロペンタノン、2−(2−(4−メチル)−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピルシクロペンタノン、ダマスコン、α−ダイナスコン、トリメチルシクロヘキセニルブテノン、ヨノン、メチルヨノン、アリルヨノン、プリカトン、カシュメラン、l−カルボン、メントン、カンファー、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、ベンジリデンアセトン、ラズベリーケトン、メチルナフチルケトン、ベンゾフェノン、フルフラールアセトン、ホモフロノール、マルトール、エチルマルトール、アセト酢酸エチルエチレングリコールケタール等を挙げることができる。
【0021】
フェノール類としては、例えば、チモール、カルバクロール、β−ナフトールイソブチルエーテル、アネトール、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル、クレオゾール、ベラトロール、ヒドロキノンジメチルエーテル、2,6−ジメトキシフェノール、4−エチルグアヤコール、オイゲノール、イソオイゲノール、エチルイソオイゲノール、tert−ブチルヒドロキノンジメチルエーテル等を挙げることができる。
【0022】
エーテル類としては、例えば、デシルビニルエーテル、α−テルピニルメチルエーテル、イソプロキセン、2,2−ジメチル−5−(1−メチル−1−プロペニル)−テトラヒドロフラン、ローズフラン、1,4−シネオール、ネロールオキサイド、2,2,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン、メチルヘキシルエーテル、オシメンエポキシド、リモネンオキサイド、ルボフィクス、カリオフィレンオキサイド、リナロールオキサイド、5−イソプロペニル−2−メチル−2−ビニルテトラヒドロフラン、ネロールオキサイド、ローズオキサイド等を挙げることができる。
【0023】
ラクトン類としては、例えば、γ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、ジャスンミラクトン、メチルγ−デカラクトン、7−デセノラクトン、ジャスモラクトン、プロピリデンフタリド、δ−ヘキサラクトン、δ−2−デセノラクトン、ε−ドデカラクトン、ジヒドロクマリン、クマリン等を挙げることができる。
【0024】
炭化水素類としては、例えば、オシメン、リモネン、α−フェランドレン、テルピネン、3−カレン、ビサボレン、バレンセン、アロオシメン、ミルセン、ファルネセン、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、テルピノーレン、p−サイメン、セドレン、β−カリオフィレン、カジネン等を挙げることができる。
【0025】
含窒素化合物又は含硫化合物類としては、例えば、アントラニル酸メチル、アントラニル酸エチル、N−メチルアントラニル酸メチル、N−2’−メチルペンチリデンアントラニル酸メチル、リガントラール、ドデカンニトリル、2−トリデセンニトリル、ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエノニトリル、インドール、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、リモネンチオール、1−P−メンテン−8−チオール、アントラニル酸ブチル、アントラニル酸シス−3−ヘキセニル、アントラニル酸フェニルエチル、アントラニル酸シンナミル、ジメチルスルフィド、8−メルカプトメントン等を挙げることができる。
【0026】
酸類としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、2−デセン酸、ゲラン酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、3−メチル吉草酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−メチルヘプタン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、乳酸、ピルビン酸、シクロヘキサンカルボン酸等を挙げることができる。
【0027】
天然香料としては、例えば、スイートオレンジ、ビターオレンジ、ネロリ、マンダリン、プチグレン、ベルガモット、タンゼリン、温州ミカン、ダイダイ、ハッサク、イヨカン、レモン、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチ、カボス、スウィーティー等を例示することができる。
【0028】
また、上記の天然香料以外に、例えば、シトロネラ、エレミ、オリバナム、マジョラム、アンゲリカルート、スターアニス、バジル、ヘイ、カラマス、キャラウェイ、カルダモン、ペッパー、カスカリラ、ジンジャー、セージ、クラリセージ、クローブ、コリアンダー、ユーカリ、フェンネル、ピメント、ジュニパー、フェネグリーク、ローレル、メース、スギ、センキュウ、アーモンド、アップルミント、アニス、アルテミシア、アルファルファ、アンズ、アンブレット、イグサ、イチゴ、イチジク、イランイラン、ウインターグリーン、ウメ、エルダー、エンジュ、オークモス、オールスパイス、オリス、カーラント、カッシー、カモミル、ガランガ、カリン、ガンビア、グァバ、グーズベリー、クスノキ、クチナシ、クベバ、クミン、クランベリー、コーラ、サンショウ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シソ、シベット、ジャスミン、ショウガ、ジンセン、シンナモン、スターフルーツ、スチラックス、スペアミント、ゼラニウム、タイム、タバナ、タンジー、タンジェリン、チャンパカ、チュベローズ、ツバキ、ディタニー、トルーバルサム、トンカ、ナッツ、ナツメ、ナツメグ、ナンテン、ニアウリ、ニンジン、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、ハチミツ、ハッカ、パッションフルーツ、バニラ、バラ、ヒソップ、ヒノキ、フーゼル油、ブチュ、ペパーミント、ペピーノ、ベルベナ、ボアドローズ、ポポー、ボルドー、ボロニア、マツ、マンゴー、ミツロウ、ミモザ、ミルフォイル、ムスク、メープル、メリッサ、メロン、モモ、ヤラヤラ、ラベンダー、リキュール、リツェア、リンデン、ルー、レンブ、ローズマリー、ロベージ等を本発明の香気及び香味付与又は改良剤として使用することもできる。
これらの調香成分の含有量は、特に制限されなく、香料組成物の目的及び用途に応じて適宜選択することができる。
【0029】
本発明の香料組成物は、さらに目的及び用途に応じて他の香料組成物と配合することができる。具体的には、オレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ユズフレーバー、スダチフレーバーなどのシトラス系香料;ストロベリーフレーバー、ラズベリーフレーバー、ブルーベリーフレーバーなどのベリー類系香料;マンゴーフレーバー、パパイヤフレーバー、グァバフレーバー、パッションフルーツフレーバー、ライチフレーバーなどのトロピカルフルーツ系香料;アップルフレーバー、グレープフレーバー、パイナップルフレーバー、バナナフレーバー、ピーチフレーバー、メロンフレーバー、アンズフレーバー、ウメフレーバー、チェリー(サクランボ)フレーバーなどのフルーツ系香料;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、コーヒーフレーバーなどの茶、コーヒー系香料;ビーフフレーバー、ポークフレーバー、チキンフレーバーなどのミート系香料;アサフェチダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、ウイキョウフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カッシャフレーバー、カモミールフレーバー、カラシナフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、シソフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、セージフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、パセリフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ローレルフレーバー、ワサビフレーバーなどのハーブ、スパイス系香料;オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、ネギフレーバー、キャベツフレーバー、キャロットフレーバー、セロリーフレーバー、シイタケフレーバー、松茸フレーバー、トマトフレーバー、ゴボウフレーバー、ミツバフレーバーなどの野菜系香料;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、和種ハッカフレーバーなどのミント系香料;バニラ系香料;アーモンドフレーバー、カシューナッツフレーバー、ピーナッツフレーバー、ヘーゼルナッツフレーバー、ウォルナッツフレーバー、チェスナッツフレーバー、マカデミアナッツフレーバー、ペカンナッツフレーバー、ピスタチオフレーバー、ブラジルナッツフレーバー、ココナッツフレーバーなどのナッツ系香料;ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、リキュールフレーバーなどの洋酒系香料;コーンフレーバー、ポテトフレーバー、スイートポテトフレーバー、米飯フレーバー、ブレッドフレーバーなどの穀物系香料;ハネーフレーバー、メープルシロップフレーバー、シュガーフレーバー、黒糖フレーバー、モラセスフレーバーなどのシュガー系香料などが挙げられる。
【0030】
上記合成香料は、市場で容易に入手可能であり、必要により容易に合成することもできる。上記天然香料に関しても、市販品を用いることもできるし、通常用いられる方法で容易に抽出精製することができる。
【0031】
本発明の香料組成物を用いて各種製品に香気付け及び香味付けを行う場合の本発明の香料組成物の使用量は、各種製品の種類または形態、製品に求められる香気付け及び香味付け効果または作用などに応じて調整することができる。
また、本発明の香料組成物を用いて、各種製品(例えば飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品など)を香気付け及び香味付けする場合は、香気付け及び香味付けする製品の種類や製品の最終形態(例えば液体状、固体状、粉末状、ゲル状、ミスト状、エアゾール状などの製品形態)に応じて適宜選択することができる。
【0032】
<飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品>
本発明の飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品(以下、まとめて製品とも呼ぶ)は、上述の抗菌剤組成物、又は、上述の香料組成物を含有する。当該製品中の本願発明に係る冷感剤の含有量は、これらの製品の賦香率により任意に調整可能であるが、一般的には製品の全質量に基づいて、好ましくは0.0001〜30質量%、より好ましくは、0.001%〜20質量%、さらに好ましくは、0.005%〜10質量%である。30質量%超過で含有する場合には、経済面でメリットが少なく、0.0001質量%未満で含有する場合には、その効果が十分に発揮できない恐れがあるためである。 また、これらの製品中の冷感剤、併用成分、及び、従来抗菌剤の含有量の和は、一般的には製品の全質量に基づいて例えば0.01%〜50質量%に設定できる。
【0033】
本発明の飲食品としては、例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料、清涼飲料、ドリンク剤類の如き飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類の如き冷菓類;ゼリー、プリンなどのデザート類;ケーキ、クッキー、チョコレート、チューインガムなどの洋菓子類;饅頭、羊羹、ウイロウなどの和菓子類;ジャム類;キャンディー類;パン類;緑茶、ウーロン茶、紅茶、柿の葉茶、カミツレ茶、クマザサ茶、桑茶、ドクダミ茶、プアール茶、マテ茶、ルイボス茶、ギムネマ茶、グァバ茶、コーヒー、ココアなどの茶飲料または嗜好飲料類;和風スープ、洋風スープ、中華スープなどのスープ類;風味調味料;各種インスタント飲料または食品類;各種スナック食品類などを挙げることができる。
【0034】
本発明の香粧品としては、例えば、フレグランス製品(香水、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロンなど)、基礎化粧品(洗顔クリーム、バニシングクリーム、クレンジングクリーム、コールドクリーム、マッサージクリーム、乳液、化粧水、美容液、パック、メイク落としなど)、仕上げ化粧品(ファンデーション、粉おしろい、固形おしろい、タルカムパウダー、口紅、リップクリーム、頬紅、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、眉墨、アイパック、ネイルエナメル、エナメルリムバーなど)、頭髪化粧品(ポマード、ブリランチン、セットローション、ヘアーステック、ヘアーソリッド、ヘアーオイル、ヘアートリートメント、ヘアークリーム、ヘアートニック、ヘアーリキッド、ヘアースプレー、バンドリン、養毛剤、染毛剤など)、日焼け化粧品(サンタン製品、サンスクリーン製品など)、薬用化粧品(制汗剤、アフターシェービングローション及びジェル、パーマネントウェーブ剤、薬用石鹸、薬用シャンプー、薬用皮膚化粧料など)が挙げられる。
【0035】
また、本発明の日用雑貨品としては、例えば、消臭・芳香剤(固形状タイプ、ゲル状タイプ、リキッドタイプなど)、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどを挙げることができる。
また、本発明の口腔用組成物としては、口腔用品(歯磨き粉、口腔洗浄料、マウスウォッシュ、トローチ、チューインガム類など)などを挙げることができる。
また、本発明の医薬品としては、例えば、ハップ剤、軟膏剤などの皮膚外用剤、及び、内服剤などを挙げることができる。
【実施例】
【0036】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0037】
以下の実施例及び比較例で検討される物質名において、「Coolact(登録商標)」は高砂香料工業株式会社の登録商標であり、「WS」はMillennium specialty chemicals社の登録商標名である。この「Coolact(登録商標)」は本明細書中で「CA」とも呼称する。これらの物質のIUPAC表記名は、下記の表のように対応する。
【0038】
【表1】

なお、メントールは、高砂香料工業株式会社から購入した。
以下、物質名を呼称で表記する。
【0039】
[実施例1] 好気性菌に対する生育阻害活性の測定
生育阻害活性試験において、皮膚関連菌として以下の菌を使用した。
・表皮ブドウ球菌:スタフィロコッカス・エピデルミデス(Staphylococcus epidermidis)(JCM2414T及びATCC12228)
・黄色ブドウ球菌:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(NBRC12732及びJCM2151)
・表在性感染症を引き起こす皮膚常在菌:コリネバクテリウム・ミヌチシマム(Corynebacterium minutissimum)(NBRC15361T
・腋臭原因菌:コリネバクテリウム・キセロシス(Corynebacterium xerosis)(JCM1324)
また、その他一般的な好気性菌として、以下の菌も使用した。
・大腸菌:エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)(NBRC3972)
・緑膿菌:シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(NBRC13275)
・腸内細菌:プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)(NBRC3167)
・肺炎桿菌:クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)(NBRC13277)
・枯草菌:バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)(NBRC3134)
【0040】
試験菌株を菌株分譲機関推奨の液体培地で培養後、更にMueller Hinton Broth(Difco)に移植して30℃で培養した。生育した菌を生理食塩水で106CFU/mLになるよう希釈調製し、接種用菌液とした。
【0041】
また、冷感剤による菌の生育阻害活性を検討するために、冷感剤:(3S)-CA20、(3R)-CA20、CA1、CA5、CA15、CA55又はCA MGHの濃度が最小阻止濃度測定法で必要な濃度になるようにエタノールで希釈しサンプル液とした。
【0042】
次に、溶解状態のMueller Hinton Agar(Difco)寒天培地溶液10mLに対して各サンプル液を夫々100μLを添加し、各寒天培地溶液をシャーレに入れて固めて、様々なサンプル液濃度(冷感剤濃度)を有するテストプレートを作製した。そして、上記各接種用菌液を5μLずつテストプレートにスタンプし、37℃にて一晩培養を行った。
このようにして、(3S)-CA20、(3R)-CA20、CA1、CA5、CA15、CA55、CA MGHによる生育阻害活性を検討した。菌の生育が認められなかった最小の冷感剤の濃度をMIC(最小発育阻止濃度)とした。
【0043】
[比較例1]
実施例1と同じ方法により、WS−3、WS−23、l−menthol、CA10、CA38の効果を検討した。菌の生育が認められなかった最小の冷感剤の濃度をMIC(最小発育阻止濃度)とした。
実施例1及び比較例1のMIC(最小発育阻止濃度)を表2に示す(単位:ppm)。
【0044】
【表2】

【0045】
表2の結果より、(3S)-CA20、(3R)-CA20、CA1、CA5、CA15、CA55、CA MGH(実施例)は、WS−3、WS−23、l−menthol、CA10、CA38(比較例)と比べ多くの菌株に対してMICが低い値となった。黄色ブドウ球菌、腋臭原因菌などの皮膚関連菌やその他の好気性菌に高い抗菌作用を発揮できることが分かった。
【0046】
[実施例2] 嫌気性菌に対する生育阻害活性の測定
抗菌活性試験には、以下の菌を用いた。
・ニキビ原因菌:プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(JCM6473)及び(ATCC6919)
・膿瘍菌:バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)(GAI5560)
・虫歯原因菌:ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)(JCM5175)
:アクチノマイセス・ネスランディイ(Actinomyces naeslundii)(JCM8350)
:アクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)(JCM8352)
・歯周病原因菌:フゾバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)(JCM6328)
:ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)(JCM8525)
:プレボテラ・ニグレセンス(Prevotella nigrescens)(JCM6322)
【0047】
試験菌株をGAM培地(日水製薬)またはSchaedler Broth(BBL)またはTrypticase Soy Broth(BBL)液体培地で生育させ、生育した菌を生理食塩水で濁度0.5マクファーランドになるよう希釈調製し、接種用菌液とした。培養は嫌気条件(三菱ガス化学社アネロパック使用)37℃で3日間行った。
【0048】
また、冷感剤による菌の生育阻害活性を検討するために、冷感剤:(3S)-CA20、(3R)-CA20、CA1、CA5、CA15、CA55又はCA MGHの濃度が最小阻止濃度測定法で必要な濃度になるようにエタノールで希釈しサンプル液とした。
【0049】
次に、溶解状態のTrypticase Soy Broth寒天培地溶液10mLに対して各サンプル液を夫々100μLを添加し、各寒天培地溶液をシャーレに入れて固めて、テストプレートを作製した。そして、上記各接種用菌液を5μLずつテストプレートにスタンプし、37℃にて3日間培養を行った。
このようにして、実施例1と同様に、(3S)-CA20、(3R)-CA20、CA1、CA5、CA15、CA55、CA MGHによる生育阻害活性を検討した。菌の生育が認められなかった最小の冷感剤の濃度をMIC(最小発育阻止濃度)とした。この時の濃度を表3に示す(単位:ppm)。
【0050】
[比較例2]
実施例2と同様に、WS−3、WS−23、l−menthol、CA10、CA38の効果を検討した。菌の生育が認められなかった最小の冷感剤の濃度をMIC(最小発育阻止濃度)とした。この時の濃度を表3に示す(単位:ppm)。
【0051】
【表3】

【0052】
表3の結果より、(3S)-CA20、(3R)-CA20、CA1、CA5、CA15、CA55、CA MGH(実施例)は、WS−3、WS−23、l−menthol、CA38(比較例)と比べ全ての菌株に対してMICが低い値となった。CA10と比べても多くのMICが低い値となった。ニキビ原因菌、膿瘍菌、虫歯原因菌、歯周病原因菌などの嫌気性菌に高い抗菌作用を発揮できることが分かった。
【0053】
今回開示された実施態様及び実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−ヒドロキシブタン酸メンチル、2−メチル−3−(メントキシ)プロパンー1,2−ジオール、2−(メントキシ)エタノール、3−メントキシプロパン−1−オール、2−(メントキシエトキシ)エタノール、及び、グリオキシル酸メンチルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の冷感剤を含有することを特徴とする抗菌剤組成物。
【請求項2】
3−ヒドロキシブタン酸メンチル、2−メチル−3−(メントキシ)プロパンー1,2−ジオール、及び、3−メントキシプロパン−1−オールからなる群から選ばれる少なくとも1種類の冷感剤を含有する、請求項1に記載の抗菌剤組成物。
【請求項3】
メントール、イソプレゴール、メントン、カンファー、プレゴール、シネオール、ハッカオイル、N−アルキル−p−メンタン−3−カルボキサミド、3−メントキシ−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、4−l−メントキシブタン−1−オール、1−(2−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキシル)−エタノン、乳酸メンチル、メントールグリセリンケタール、N−メチル−2,2−イソプロピルメチル−3−メチルブタンアミド、コハク酸メンチル、グルタル酸メンチル、ペパーミントオイル、ユーカリプタスオイル、ハッカ油、スペアミントオイル、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、カプサイシン、ギンゲロール、バニリルブチルエーテル、4−(1−メントキシ−メチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(3’,4’−ジヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(2’−ヒドロキシ−3’−メトキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(4’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(3’,4’−メチレンジオキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メトキシ−メチル)−2−(3’−メトキシ−4’−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、トウガラシ油、トウガラシオレオレジン、ノニル酸バニリルアミド、ジャンブーオレオレジン、サンショウエキス、サアンショール−I、サアンショール−II、サンショウアミド、黒胡椒エキス、カビシン、ピペリン及びスピラントールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の成分をさらに含有する、請求項1又は2に記載の抗菌剤組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌剤組成物を含有することを特徴とする香料組成物。
【請求項5】
前記冷感剤の含有量が0.01〜50質量%である、請求項4に記載の香料組成物。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌剤組成物、又は、請求項4若しくは5に記載の香料組成物を含有することを特徴とする飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品。
【請求項7】
前記冷感剤の含有量が0.0001〜30質量%である、請求項6に記載の飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌剤組成物を配合することを特徴とする、香料組成物、飲食品、香粧品、日用雑貨品、口腔用組成物、又は、医薬品の製造方法。

【公開番号】特開2013−14521(P2013−14521A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146348(P2011−146348)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000169466)高砂香料工業株式会社 (194)
【Fターム(参考)】