説明

抗菌剤

【課題】 本発明は、広範な微生物に対して優れた抗菌活性を有し、人体に安全な抗菌剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 下記一般式(1)で表わされるカチオン化オリゴ糖からなる抗菌剤。
【化1】


(式中、Rは、H又は下記化学式(2)で表される基であり、Rは、炭素数が12〜22の炭化水素基であり、nは1〜250の整数である。)
【化2】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗菌剤に関する。さらに詳しくは皮膚外用組成物、洗浄料、食品、日用品等に好ましく使用できる広範な微生物に対して優れた抗菌活性を有し、人体に安全な抗菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物の増殖を抑制するために、食品・医薬品・化粧品類等の抗菌・防腐剤としては、ソルビン酸、デヒドロ酢酸及びその塩、パラオキシ安息香酸誘導体などがよく使用されているが、安全性の点で問題があり、添加量や対象食品が制限(例えば、ソルビン酸及びその塩の食品への配合上限は0.2%であり、デヒドロ酢酸及びその塩は、チーズ、バター及びマーガリンにのみ使用可能、又、パラオキシ安息香酸メチルナトリウムの化粧品類への配合上限は1.0%)されていた。
【0003】
又、微生物の増殖を抑制するために、生体では皮膚や粘膜で物理的若しくは殺菌性物質や粘液の分布といった化学的な方法によって、微生物の侵入を抑え、更に、生体内に侵入した微生物に対しては、免疫グロブリンによる付着阻止、食細胞による食作用、リゾチームによる溶菌作用等、先天的で非特異的な感染抵抗や特定の病原菌に対する免疫応答などによって抵抗が行われている。
【0004】
しかしながら、もし、微生物の感染力が生体における抵抗力を上回ってしまえば、生体内では、例えば、黄色ブドウ球菌による膿皮症などの感染性皮膚炎、食中毒、敗血症、枯草菌による結膜炎、虹彩炎、大腸菌による尿路感染症、下痢症など、又、アクチノバシルスなどによる歯周病、う触原菌による虫歯、更にニキビ菌(プロピオニバクテリウムアクネス)、フケ菌(ピティロスポルムオバーレ)などによるニキビ、フケ又はフケに伴うカユミ等、様々な感染症を起こす危険性がある。
【0005】
従って、生体内外における感染症の予防や治療に対して、これまで様々な薬物が使用されて来たが、その大半を占める抗生物質や抗菌・防腐剤は、確かにその効果は強いが、安全性の面で問題があり、これらの使用には厳重な注意が必要で、その効力、安全性などの面において、更に有用な物質が求められていた。
そこで、本発明者らは、細菌、酵母、カビなどの微生物による感染症、疾患に対して抗菌、防腐効果、すなわち、殺菌若しくは経時により増殖を防止する効果があり、且つ、各種分野に利用しても安全であるものを探求すべく鋭意研究を重ねてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、広範な微生物に対して優れた抗菌活性を有し、人体に安全な抗菌剤を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題に鑑み、下記化学式(1)で表わされるカチオン化オリゴ糖が各種の微生物に対して強い抗菌・防腐効果を有し、人又は動物に対して安全であることを確認し、新規な抗菌剤として各種分野に応用することが非常に有効であることを発見し、本発明を完成するに至った。
【化3】

(式中、Rは、H又は下記化学式(2)で表される基であり、Rは、炭素数が12〜22の炭化水素基であり、nは1〜250の整数である。)
【化4】

【0008】
即ち、本発明は下記化学式(1)で表わされるカチオン化オリゴ糖からなる抗菌剤である。
【化5】

(式中、Rは、H又は下記化学式(2)で表される基であり、Rは、炭素数が12〜22の炭化水素基であり、nは1〜250の整数である。)
【化6】

【0009】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0010】
本発明に用いる下記化学式(1)のカチオン化オリゴ糖は、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−アルキルジメチルアンモニオ]プロピルオリゴ糖、又は、アルキルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖と称され、公知物質であるが抗菌剤としては新規な用途である。
【化7】

(式中、Rは、H又は下記化学式(2)で表される基であり、Rは、炭素数が12〜22の炭化水素基であり、nは1〜250の整数である。)
【化8】

【0011】
本発明に用いるカチオン化オリゴ糖はArchPersonalCare Products社等から市販されており(商品名:OligoquatM:ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖とプロピレングリコールの混合物)、容易に入手することができる。
【0012】
本発明に用いるカチオン化オリゴ糖は、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類や水の混合物として配合してもよい。
【0013】
本発明の抗菌剤は任意の皮膚外用組成物へ配合することができる。また、本発明の抗菌剤は医療器具類や患部の消毒洗浄を目的とする医療用洗浄料;食器等を殺菌洗浄する家庭用洗浄料;食品工業用洗浄料;食品包装フィルム、繊維、合成樹脂、木材、日用品等を抗菌加工するための抗菌剤;抗菌性塗料;口腔用組成物(ガム、キャンディ等)やかまぼこ、ちくわ等の水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、菓子類、めん類、ソース、醤油等の調味料、惣菜、飲料等の食品のための抗菌剤等としても配合することができる。
【0014】
本発明の抗菌剤の使用方法は特に限定されず、様々な対象に適用することができる。例えば、対象物に添加する方法、スプレーする方法、塗布する方法、浸漬させる方法、含浸させる方法、成形加工時等に練りこむ方法等、通常採用される方法をそのまま用いることができる。
【0015】
本発明の抗菌剤は、そのままでも利用できるが、抗菌剤として配合する場合の配合量は、製品形態、期待される作用の程度により異なり特に限定されないが、通常、100ppm以上、好ましくは、1000ppm以上が良い。
【0016】
又、本発明のカチオン化オリゴ糖を各種組成物に配合する場合は、本発明の効果を損なわない範囲内で、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品等に一般的に用いられる各種成分、例えば、砂糖、練乳、小麦粉、ショートニング、食塩、ブドウ糖、鶏卵、バター、マーガリン、水飴、カルシウム、鉄分、調味料、香辛料や油分(動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス油、シリコーン油、高級アルコール、リン脂質類、脂肪酸類等)、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性界面活性剤)、ビタミン類(ビタミンA群、ビタミンB群、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、ビタミンC群、ビタミンD群、ビタミンE群、その他フェルラ酸、γ−オリザノール等)、紫外線吸収剤(p−アミノ安息香酸、アントラニル、サルチル酸、クマリン、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、イミダゾリン、ピリミジン、ジオキサン、フラン、ピロン、カンファー、核酸、アラントイン及びそれらの誘導体、アミノ酸系化合物、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン等)、抗酸化剤(ステアリン酸エステル、ノルジヒドログアセレテン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パラヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポール等)、増粘剤(ヒドキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、カルボキシビニルポリマー、アラビアゴム、トラガントゴム、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、アルギン酸及びその塩等)、保湿剤(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、コンドロイチン硫酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、乳酸ナトリウム等)又、その他、低級アルコール、多価アルコール、水溶性高分子、pH調整剤、防腐・防黴剤、着色料、香料、清涼剤、安定化剤、動・植物抽出物、動・植物性蛋白質及びその分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植物性糖蛋白質及びその分解物、微生物培養代謝成分、血流促進剤、消炎剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、細胞賦活剤、アミノ酸及びその塩、角質溶解剤、収斂剤、創傷治療剤、増泡剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、乳化剤等と共に配合し、併用して用いることもできる。
【0017】
又、本発明のカチオン化オリゴ糖を皮膚外用組成物に配合した場合の剤型については、任意であり、常法により配合し、例えば、化粧水、クリーム、軟膏、乳液、ファンデーション、オイル、パック、石鹸(薬用石鹸も含む)、ボディソープ、口紅、爪化粧品、眉目化粧品、香水、洗顔料、口腔用類(歯磨き、マウスウオッシュ等)、防臭剤(腋臭、足臭等)、浴用剤、シャンプー、リンス、ヘアトニック、ヘアスプレー、染毛料等の剤型とすることができる。
【0018】
又、本発明のカチオン化オリゴ糖をその他の組成物に配合した場合の剤型についても、任意であり、常法により配合し、例えば、経口薬剤、繊維製品(シーツ類、衣類等)、更に衛生綿類、ウエットティシュや拭き取り用ペーパー類、除菌用クロス等の不織布に、又、口腔用組成物(ガム、キャンデー等)やかまぼこ、ちくわ等の水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、中華めん、うどん、そば等のめん類、ソース、醤油、たれ等の調味料、惣菜、ジュース、スープ等、一般的な飲食類の剤型とすることができる。
【0019】
更に、本発明のカチオン化オリゴ糖を配合した各種組成物の形態は、任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、泡状、固形状又は粉末状として用いることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のカチオン化オリゴ糖は、広範な微生物に対して優れた抗菌活性を有し、人体に安全な抗菌剤が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。配合量は質量%である。
【0022】
試験例1:抗菌効果
各種の菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)を求めた。 寒天平板法により、細菌については、カチオン化オリゴ糖としてステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖を用い、各濃度配合したソイビーンカゼインダイジェスト寒天培地(栄研製)に、下記各細菌を接種して30℃で24時間培養し、コロニーを形成しない各試験化合物の濃度(最小発育阻止濃度:MIC)を求めた。また、真菌については各試験化合物を各濃度配合したポテトデキストロース寒天培地に、下記各真菌を接種して25℃で48時間培養し、コロニーを形成しない各試験化合物の濃度(最小発育阻止濃度:MIC)を求めた。判定結果は以下の評価基準により表1に示した。
(試験菌)
Ps:緑膿菌 標準株(菌株名:Pseudomonas aeruginosa ATCC15442)
E:大腸菌 標準株(菌株名:Escherichia coli ATCC8739)
S:黄色ブドウ球菌 標準株(菌株名:Staphylococcus aureus ATCC6538)
Can:キャンジダ菌(酵母)標準株(菌株名:Candida albicans ATCC10231)
Asp:黒カビ 標準株(菌株名:Aspergillus niger ATCC16404)
【0023】
(評価基準)
A:最小発育阻止濃度が1000ppm未満
B:最小発育阻止濃度が、1000ppm以上、5000ppm未満
C:最小発育阻止濃度が、5000ppm以上、10000ppm未満
D:最小発育阻止濃度が、10000ppm以上、30000ppm未満
E:最小発育阻止濃度が、30000ppm以上
【0024】
【表1】

【0025】
試験例2:安全性試験
本試験に用いたステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖はArchPersonalCare Products社にて安全性試験を行っている。それによるとRIPT試験、及び皮膚刺激試験、眼刺激を行った結果、いずれも刺激性は極めて弱いと判断された。
【0026】
以上のように、本発明に用いるステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖の安全性は良好であった。
【実施例】
【0027】
以下に、本発明の利用方法を更に詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されることはなく、各種の医薬品、医薬部外品、化粧品分野の皮膚外用組成物、洗浄料、食品、日用品等に配合して用いることが出来る。尚、各実施例は各製品の製造における常法により製造したもので良く、配合量のみを示した。
【0028】
実施例1 化粧水 質量%
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 4.0
オレイルアルコール 0.1
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
POE(15)ラウリルエーテル 0.5
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
香料 適量
精製水 残余
【0029】
実施例2 化粧水 質量%
ソルビット 4.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 2.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
メチルセルロース 0.2
クインスシード 0.1
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール 0.1
エチルヘキサンジオール 0.3
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.2
香料 適量
精製水
【0030】
実施例3 化粧水 質量%
(アルコール相)
エタノール 5.0
オレイルアルコール 0.2
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
POE(15)ラウリルエーテル 0.5
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.1
フェノキシエタノール 0.2
香料 適量
(水相)
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 5.0
精製水 残余
【0031】
実施例4 化粧水 質量%
(アルコール相)
エタノール 5.0
POE(20)オレイルエーテル 0.5
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
香料 適量
(水相)
ジプロピレングリコール 6.0
ソルビット 4.0
PEG1500 5.0
メチルセルロース 0.2
クインスシード 0.1
精製水 残余
【0032】
実施例5 乳液 質量%
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.0
グリセリン 3.0
セタノール 1.5
ステアリルアルコール 1.8
ジメチルポリシロキサン(20cs) 1.5
スクワラン 2.0
ワセリン 2.0
イソプロピルミリステート 2.5
グリセリルモノステアレート 1.8
ポリオキシエチレン(POE=5)グリセリルモノステアレート 1.8
ポリオキシエチレン(POE=20)セチルエーテル 1.5
カルボキシビニルポリマー 0.25
水酸化カリウム 0.05
L−アルギニン 0.2
ジプロピレングリコール 5.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
エデト酸三ナトリウム 0.2
フェノキシエタノール 0.1
精製水 残量
【0033】
実施例6 乳液 質量%
ステアリン酸 2.5
セチルアルコール 1.5
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.5
3−ヘキシン−2,5−ジオール 0.2
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0
PEG1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール 2.0
3−ベンジルオキシ−1,2−プロパンジオール 1.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
カルボキシビニルポリマー 0.05
香料 適量
精製水 残余
【0034】
実施例7 乳液 質量%
流動パラフィン 7.0
ワセリン 3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 2.0
ベヘニルアルコール 1.0
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 7.0
ポリエチレングリコール1500 2.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.5
ホホバ油 1.0
イソステアリン酸 0.5
ステアリン酸 0.5
ベヘニン酸 0.5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 3.0
2−エチルヘキサン酸セチル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1.0
水酸化カリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.05
L−アルギニン 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
酢酸トコフェロール 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.15
精製水 残余
【0035】
実施例8 ジェル 質量%
95%エタノール 5.0
ジプロピレングリコール 15.0
POE(50)オレイルエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
水酸化ナトリウム 0.15
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
香料 適量
精製水 残余
【0036】
実施例 9 美容液 質量%
95%エタノール 5.0
POE(20)オクチルドデカノール 1.0
パントテニルエチルエーテル 0.1
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
水酸化カリウム 0.1
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
精製水 残余
【0037】
実施例10 パック 質量%
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0
POE(60)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
香料 0.2
(C相)
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール
(ケン化度90,重合度2000) 13.0
エタノール 5.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
精製水 残余
【0038】
実施例11 クリーム 質量%
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.0
ステアリルアルコール 3.5
ステアリン酸 2.0
スクワラン 10.5
イソプロピルミリステート 7.5
ポリオキシエチレン(POE=25)セチルアルコールエーテル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
酢酸トコフェロール 0.2
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.05
グリセリン 3.0
ジプロピレングリコール 5.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
フェノキシエタノール 0.2
エデト酸三ナトリウム 0.01
精製水 残量
【0039】
実施例12 クリーム 質量%
ステアリン酸 6.0
ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.0
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
エチルヘキサンジオール 2.0
プロピレングリコール 10.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.5
グリセリントリオクタノエート 10.0
スクワレン 5.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
香料 適量
精製水 残余
【0040】
実施例13 クリーム 質量%
流動パラフィン 10.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
エリスリトール 1.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.5
ポリエチレングリコール1500 5.0
スクワラン 15.0
水酸化カリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
酢酸トコフェロール 0.05
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3
ポリビニルアルコール 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−2) 0.1
【0041】
実施例14 クリーム 質量%
ワセリン 2.0
ジメチルポリシロキサン(6mPa.s) 2.0
エタノール 5.0
ベヘニルアルコール 0.5
バチルアルコール 0.2
グリセリン 7.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール20000 0.5
ホホバ油 3.0
スクワラン 2.0
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.5
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0
水酸化カリウム 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
パントテニルエチルエーテル 0.1
アルブチン 7.0
トラネキサム酸 1.0
酢酸トコフェロール 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
エデト酸三ナトリウム 0.05
エチルヘキサンジオール 1.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.6
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン
酸グリセリル 0.1
フェノキシエタノール 0.1
黄酸化鉄 適量
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
精製水 残余
【0042】
実施例15 クリーム 質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(分子量6000) 1.5
トリメチルシロキシケイ酸 0.5
グリセリン 2.0
エチルヘキサンジオール 1.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.8
ジプロピレングリコール 5.0
タルク 5.0
球状無水ケイ酸 0.5
パルミチン酸デキストリン被覆微粒子酸化チタン(30nm) 7.0
球状ポリエチレン粉末 2.0
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
・メチルポリシロサン共重合体(分子量55000) 1.0
フェノキシエタノール 0.2
エデト酸3ナトリウム 0.02
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
精製水 残余
【0043】
実施例16 洗顔料 質量%
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.5
3−ヘキシン−2,5−ジオール 0.1
ステアリン酸 8.0
パルミチン酸 6.0
ミリスチン酸 6.0
ラウリン酸 4.0
水酸化カリウム 5.2
グリセリルモノステアレート 2.0
プロピレングリコール 1.0
ビースワックス 1.5
ポリエチレングリコール1500 5.0
グリセリン 10.0
精製水 残量
【0044】
実施例17 リンス 質量%
シリコーン油 3.0
流動パラフィン 1.0
セチルアルコール 1.5
ステアリルアルコール 1.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.4
グリセリン 3.0
色素 適量
香料 適量
精製水 残余
【0045】
実施例18 ゼリー状パック 質量%
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.1
ポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル 0.5
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.05
カルボキシメチルセルロース 5.0
エタノール 12.0
ポリビニルアルコール 12.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エデト酸三ナトリウム 0.01
精製水 残 量
【0046】
実施例19 固形パウダリ−ファンデ−ション 質量%
タルク 15.0
セリサイト 10.0
球状ナイロン粉末 10.0
多孔性無水ケイ酸粉末 15.0
窒化ホウ素 5.0
二酸化チタン 5.0
酸化鉄 3.0
ステアリン酸亜鉛 5.0
流動パラフィン 残余
トリイソオクタン酸グリセリン 15.0
セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.2
香料 適量
【0047】
実施例20 油中水型乳化ファンデ−ション 質量%
球状ナイロン 10.0
多孔性無水ケイ酸粉末 8.0
雲母チタン 2.0
シリコーン処理セリサイト 2.0
シリコーン処理マイカ 12.0
シリコーン処理二酸化チタン 5.0
シリコーン処理酸化鉄 2.0
精製水 残余
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.8
2,2−ジメチル−1−フェニル−1,3−プロパンジオール 0.2
3−ヘキシン−2,5−ジオール 0.1
デカメチルシクロペンタシロキサン 18.0
ジメチルポリシロキサン 5.0
スクワラン 1.0
ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 2.0
香料 適量
【0048】
実施例21 白粉 質量%
タルク 残余
セリサイト 10.0
球状ナイロン粉末 10.0
窒化ホウ素 5.0
酸化鉄 3.0
炭酸マグネシウム 5.0
スクワラン 3.0
トリイソオクタン酸グリセリン 2.0
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.4
香料 適量
【0049】
実施例22 アイライナー 質量%
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.0
酸化鉄(黒) 14.0
イソプロピルミリステート 1.5
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
酢酸ビニル樹脂エマルジョン 45.0
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.05
カルボキシビニルポリマー 1.5
クエン酸アセチルトリブチル 1.0
ジプロピレングリコール 4.0
イソプロピルアルコール 1.0
エデト酸三ナトリウム 0.01
精製水 残量
【0050】
実施例23 アイシャド− 質量%
タルク 残余
マイカ 15.0
球状ナイロン粉末 10.0
窒化ホウ素 5.0
酸化鉄 3.0
酸化チタン被覆マイカ 5.0
スクワラン 3.0
トリイソオクタン酸グリセリン 2.0
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0
エチルヘキサンジオール 1.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.6
香料 適量
【0051】
実施例24 口紅 質量%
カルナバロウ 0.5
キャンデリラロウ 5.0
セレシン 10.0
スクワラン 残余
トリイソステアリン酸グリセリン 10.0
ジイソステアリン酸グリセリン 20.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.5
マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 4.0
合成ケイ酸ナトリウム−マグネシウム 0.5
疎水性シリカ 0.5
精製水 2.0
色剤 適量
香料 適量
【0052】
実施例25 ヘアフォーム 質量%
(原液処方)
アクリル樹脂アルカノールアミン液(50%) 8.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
流動パラフィン 5.0
グリセリン 3.0
香料 適量
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
エタノール 5.0
精製水 残余
(充填処方)
原液 90.0
液化石油ガス 10.0
【0053】
実施例26 ヘアトニック 質量%
硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 2.0
エタノール 60.0
香料 適 量
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.01
精製水 残 量
【0054】
実施例27 浴用剤 質量%
炭酸水素ナトリウム 64.5
無水硫酸ナトリウム 35.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.5
【0055】
実施例28 中華めん 質量%
小麦粉 98.0
食塩 1.0
甘味料 0.5
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.5
【0056】
実施例29 めんつゆ液 質量%
醤油 80.7
酢 1.0
ブドウ糖 15.0
グルタミン酸ソーダ 2.0
砂糖 1.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
【0057】
実施例30 そば 質量%
そば粉 96.0
食塩 0.9
水 3.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.1
【0058】
実施例31 パン 質量%
小麦粉 90.0
食塩 1.2
砂糖 2.0
水 6.5
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.3
【0059】
実施例32 ハム 質量%
ひき肉 95.0
鶏卵 4.0
食塩 0.5
香辛料 0.4
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.1
【0060】
実施例33 果汁飲料 質量%
ブドウ糖液糖 13.0
オレンジ果汁 85.0
香料 1.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.0
【0061】
前記の実施例は、いずれも良好な防腐性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品分野(人及びその他の動物用に用いる各種製剤も含む)の各種皮膚外用組成物に利用でき、具体的には、化粧水、乳液、クリーム(軟膏を含む)、サンスクリーン、ファンデーション、オイル、パック、石鹸(薬用石鹸も含む)、ボディソープ、口紅、爪化粧品、眉目化粧品、香水、洗顔料、口腔用類(歯磨き、マウスウオッシュ等)、防臭剤(腋臭、足臭等)、浴用剤、リンス、ヘアトニック、ヘアスプレー、染毛料などへの応用が上げられる。また、医療器具類や患部の消毒洗浄を目的とする医療用洗浄料、食器等を殺菌洗浄する家庭用洗浄料、食品工業用洗浄料などへの応用が上げられる。さらに、繊維製品(シーツ類、衣類等)、食品包装フィルム、合成樹脂、木材、日用品等の抗菌加工、各種形態の経口薬剤、衛生綿類、ウエットティシュや拭き取り用ペーパー類、除菌用クロス等の不織布に、又、口腔用組成物(ガム、キャンデー等)やかまぼこ、ちくわ等の水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生めん、ゆでめん、中華めん、うどん、そば、スパゲッティー等のめん類、醤油、ソース、たれ等の調味料、惣菜、ジュース、スープ等、一般的な飲食類への利用可能性がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)で表わされるカチオン化オリゴ糖からなる抗菌剤。
【化1】

(式中、Rは、H又は下記化学式(2)で表される基であり、Rは、炭素数が12〜22の炭化水素基であり、nは1〜250の整数である。)
【化2】


【公開番号】特開2006−28115(P2006−28115A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211140(P2004−211140)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】