説明

抗菌性および帯電防止性のポリマーおよびそのようなポリマーの種々の基材上への使用方法

【課題】多種多様の基材および材料に持続性の抗菌性および/または帯電防止性を付与する、場合によってはより低毒性のポリマー組成物を提供する。
【解決手段】陽イオン性に帯電したポリマー組成物から形成された被膜またはフィルムを適用するとによって付与される。このポリマー組成物は、非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、陽イオン電荷をポリマー組成物に与えることができるエチレン性不飽和モノマーと、陽イオン性に帯電したポリマー組成物中に組み込まれる立体安定化成分とを含む。本発明は、上記陽イオン性に帯電したポリマー組成物とブレンドされたベースポリマーを含むポリマー材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2003年7月3日に提出された米国仮出願第60/484,745号明細
書に対する優先権を主張し、この記載内容は、その全体が本明細書に記載されているかの
ように本明細書に組み入れられる。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、固有の抗菌性または帯電防止性を有するポリマーに関する。このようなポリ
マーは、多種多様の基材(例えば、布、金属、セルロース系材料、プラスチックなど)に
適用またはこれらと併用することによって、その基材に抗菌性および/または帯電防止性
を付与することができる。さらにこれらのポリマーは、他のポリマーと組み合わせること
で(例えば、本発明のポリマーを添加剤として使用することができる)、このような他の
ポリマーに抗菌性および/または帯電防止性を付与することもできる。
【背景技術】
【0003】
環境中に存在し、接触する人々に悪影響を与える可能性がある様々な細菌、菌類、ウイ
ルス、藻類、および他の微生物が知られている。このような微生物は、疾病、臭気、なら
びに多種多様の材料および基材に対する損傷の原因として望ましくない場合が多い。この
ような微生物を駆除するために、抗菌剤が提案されている。しかし、このような物質が、
持続性かつ適合性であり、多種多様のポリマー材料および基材の上に使用できる、または
これらと併用できることも必要とされている。
【0004】
抗菌性を付与するとして種々の添加剤およびポリマー系が提案されている。例えば、B
yckに付与された米国特許第3,872,128号明細書、Blakely et a
l.,に付与された第5,024,840号明細書、Malrose et al.,に
付与された第5,290,894号明細書、Ottersbach et al.,に付
与された第5,967,714号明細書,第6,203,856号明細書、および第6,
248,811号明細書、Klasse et al.,に付与された第6,194,5
30号明細書、ならびにSiddiqui et al.,に付与された第6,242,
526号明細書を参照されたい。
【0005】
帯電防止性に関しては、種々の基材は導電率が低いために静電荷が蓄積しやすい。この
ことは、プラスチック基材の場合に特に問題となる。このような蓄積は、加工に悪影響が
生じたり、電気的損傷の原因となったり(例えば、半導体デバイスにおいて)、電気アー
クの発生によって火災の危険性が生じたり、基材を取り扱う作業者が感電したりすること
がある。このような帯電に関する種々の解決法が提案されている。例えば、Weiper
t et al.,に付与された米国特許第4,029,694号明細書および第4,0
93676号明細書、Loginに付与された第4,098,842号明細書、Gagg
ar et al.,に付与された第4,857,590号明細書、ならびにSasak
i et al.,に付与された第4,859,727号明細書を参照されたい。
【0006】
しかしながら、多種多様の基材および材料に持続性の抗菌性および/または帯電防止性
を付与する、場合によってはより低毒性のポリマー組成物が依然必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、抗菌性および/または帯電防止性を有する基材に関する。非陽イオン性エチ
レン性不飽和モノマーと、ポリマー組成物に陽イオン電荷を与えることができるエチレン
性不飽和モノマーと、陽イオン性に帯電したポリマー組成物中に組み込まれる立体安定化
成分とを含む、陽イオン性に帯電したポリマー組成物から形成された被膜またはフィルム
を適用することによって、このような性質が付与される。
【0008】
本発明は、非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、ポリマー組成物に陽イオン電荷
を与えることができるエチレン性不飽和陽イオン性モノマーと、陽イオン性に帯電したポ
リマー組成物中に組み込まれる立体安定化成分とを含む陽イオン性に帯電したポリマー組
成物とブレンドされたベースポリマーを含むポリマー材料にも関する。
【0009】
本発明は、抗菌性および/または帯電防止性を基材に付与する方法にも関する。この方
法は、前述の陽イオン性に帯電したポリマー組成物を基材に適用するステップを含む。
【0010】
本発明は、抗菌性および/または帯電防止性をポリマー材料に付与する方法にも関する
。この方法は、ベースポリマーを、前述の陽イオン性に帯電したポリマー組成物とブレン
ドするステップを含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明において、本発明の実施を可能にするため、本発明の実施形態を詳細
に説明する。これらの特定の実施形態を参照しながら本発明を説明するが、これらの実施
形態に本発明が限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、以下の詳細な説
明を考慮すれば明らかとなるであろう多数の代替物、変更、および均等物を含んでいる。
【0012】
前出の要約のように、本発明は、抗菌性および/または帯電防止性を基材に付与または
提供するため、あるいは抗菌性および/または帯電防止性を有するポリマー材料を得るた
めにベースポリマーとブレンドするために、陽イオン性に帯電したポリマー組成物を使用
する。陽イオン性に帯電したポリマー組成物は、非陽イオン性エチレン性不飽和モノマー
、ポリマー組成物に陽イオン電荷を与えることができるエチレン性不飽和モノマー、およ
び立体安定化成分を含む。
【0013】
好適な基材としては、布(織布および不織布の両方)、有機および無機の粒子、繊維、
および凝集体;フォーム;フィルム;セルロース系材料(例えば、紙または木材);金属
;コンクリート;メーソンリー;ガラス;ならびに熱硬化性および熱可塑性の両方のプラ
スチックが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
種々の非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーを、前記組成物中に使用することができ
る。モノマーの例は、1999年8月6日に提出された米国特許出願第09/370,3
95号明細書、およびKrishnanに付与された米国特許第5,830,934号明
細書に見ることができ、これらの開示全体が本明細書に組み入れられる。このようなモノ
マーとしては、ビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン、p−メチルスチレン、クロロ
メチルスチレン、ビニルトルエン);オレフィン(例えば、エチレン);脂肪族共役ジエ
ンモノマー(例えば、ブタジエン);非芳香族不飽和モノ−またはジカルボン酸エステル
モノマー(例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル)
;不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステルをベースとするモノマー(例えば、マレイン
酸モノメチル);不飽和モノ−またはジカルボン酸モノマーおよびそれらの誘導体(例え
ば、イタコン酸);窒素含有モノマー(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(イソブト
キシメチル)アクリルアミド);リン含有モノマー;硫黄含有モノマー(例えばスチレン
スルホン酸塩);および分岐ビニルエステルを含むビニルエステルモノマー(例えば、ネ
オデカン酸ビニル、バーサチック酸ビニル)が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルのフッ素化類似体を使用するこ
ともできる。上記の混合物を使用することもできる。
【0015】
前記組成物は、好ましくは、全モノマー重量を基準にして約20〜約99%の非陽イオ
ン性エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0016】
前記組成物は、ポリマー組成物に陽イオン電荷を与えることができるエチレン性不飽和
陽イオン性モノマーも含む。この陽イオン性モノマーは、そのエチレン性不飽和によって
ポリマー組成物中に組み込まれる。本発明の目的においては、用語「陽イオン性モノマー
」とは、正味の正電荷を有するまたは正味の正電荷を与えるように変化することができる
あらゆるモノマーを意味する。例えば、この正電荷は、モノマー中に存在するヘテロ原子
によって与えられてもよい。代表的なヘテロ原子としては、窒素、硫黄、およびリンが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
陽イオン性モノマーの例としては、アミンおよびアミドモノマー、ならびに第4級アミ
ンモノマーが挙げられる。アミンおよびアミドモノマーとしては、アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸第3級ブチルアミノエチル、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイル
モルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジメ
チルアミノエチルビニルエーテル、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N,N−ジメ
チルアミノプロピルメタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルベンジルアミンメチルク
ロリド(第4級)、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド(第4級)、ジ
アリルジメチルアンモニウムクリロド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
メチルクロリド(第4級)、トリメチル−(ビニルオキシエチル)アンモニウムクリロド
、1−ビニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムクリロド、ビニルベンジルアミンヒド
ロクロリド、ビニルピリジニウムヒドロクロリド、およびそれらの混合物が挙げられるが
、これらに限定されるものではない。
【0018】
前記組成物中に使用することができる第4級アミンモノマーとしては、酸を使用したプ
ロトン化、またはハロゲン化アルキルを使用したアルキル化反応などによって上記アミン
モノマーから得られるものを挙げることができる。
【0019】
あるいは、陽イオン電荷を与えることができるエチレン性不飽和モノマーは、疎水性を
付与することができる第4級誘導体を含む。好ましい実施形態においては、この第4級誘
導体は、2〜20個の炭素を有するアルキル基(C2〜C20)をベースとしている。例え
ば、以下のものを使用することができる:
1.CH2=C(R)COOCH(OH)CH2+(X-)(R’)(式中、Rは、Hま
たはCH3であり、R’=(CH2nCH3または(CF2)CF3であり、X=Cl、Br
、I、または硫酸塩である)。例えば、これはメタクリル酸グリシジルと第2級アミンと
の反応生成物を第4級化したものであってよい。
2.CH2=C(R)ΦCH2+(X-)(R’)(式中、R、R’、およびXは上記と
同じ意味を有する)。これは、出発物質としてビニルベンジルクロリドを使用した上記と
同様の反応である。
3.第3の方法では、ビニルピリジンを使用して出発して、上記のアルキルピリジニウ
ム塩を得ることができる。
【0020】
アミン塩を使用することもでき、これは例えば、エポキシ基を第2級アミンと反応させ
た後、新しく形成された第3級アミンを酸で中和することによって得られる。この一例は
、メタクリル酸グリシジルと第2級アミンとの反応生成物であり、これはフリーラジカル
重合させることができる。第4級アミン官能基は、エポキシ基などを有するあらかじめ形
成されたポリマー上に後反応として形成することもできる。この種の反応の例は、論文「
Polymer Compositions for Cationic Electr
odepositable Coatings,Journal of Coating
s Technology,Vol 54,No 686,March 1982に記載
されている。これも理解すべきであるが、陽イオン性官能基は、スルホニウムまたはホス
ホニウムの化学反応を介して付与することもでき、その例も上記論文に記載されている。
【0021】
前記組成物は、好ましくは、全モノマー重量を基準にして約0.5〜約75%の、陽イ
オン電荷を与えることができるエチレン性不飽和モノマーを含み、この量は、ポリマー組
成物に選択される用途に依存する。
【0022】
前記組成物は、組成物を立体的に安定化させるために、陽イオン性に帯電したポリマー
組成物に組み込まれる成分も含む。 好適な成分としては、後述のモノマー、ポリマー、
およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されるものではない。本発明の目的
においては、モノマーの使用に関する用語「組み込まれる」は、そのモノマーが陽イオン
性ポリマーの主鎖に取り付けられることを意味するものと解釈することができる。組成物
中に「組み込まれる」ポリマーは、組成物表面上に吸着またはグラフトされることを意味
するものと解釈することができ、この例の1つはポリビニルアルコールであってよい。こ
の安定化成分は、ポリマー組成物に悪影響を与えずに組成物粒子に立体安定化を組み込む
非イオン性モノマーまたはポリマーを含んでもよい。立体安定剤として使用することがで
きる代表的なモノマーとしては、アルコキシル化(例えばエトキシル化またはプロポキシ
ル化)官能性を含むものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような
モノマーの例としては、以下の式で表されるモノマーが挙げられる:
CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、n=1〜30である);または
CH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびmはそれぞれ1〜15の範
囲とすることができる);および
CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびm=1〜15である)。
【0023】
好ましい化合物は、R”がC11であるウンデシレン酸エステルである。好ましくは、モ
ノマーは2000未満の分子量を有する。
【0024】
マレイン酸およびイタコン酸などの二酸のエトキシル化されたモノエステルおよびジエ
ステルも、同じ安定化作用を得るために使用することができる。
【0025】
界面活性剤のアクリレート、メタクリレート、ビニル、およびアリルの種類をベースと
する重合性界面活性剤を使用することもできる。この一例は、ドイツのデュッセルドルフ
(Dusseldorf)のヘンケル(Henkel)より販売されるTREM LF−
40である。これらの界面活性剤は、界面活性剤をポリマー組成物中に組み込むことがで
きるエチレン性不飽和を有する。他の界面活性剤と同様に、これらの材料は、様々な疎水
性および親水性の官能性を有する。本発明に特に適用可能な界面活性剤は、その親水性が
、アルキレンオキシド基(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオ
キシドなど)の存在に起因すると考えられている非イオン系界面活性剤である。BASF
のPluronicまたはTetronicのシリーズなどのエチレンオキシドおよび/
またはプロピレンオキシドのブロックコポリマーも使用することができ、特に帯電防止用
途に使用することができる。親水性の程度は、官能性の選択によって変動させることがで
きる。
【0026】
立体安定性を得るためには、ポリマーを使用することもできる。例えば、保護コロイド
を使用することができる。このような材料の例としては、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン(polyvinyl pyrollidone)、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリエチレングリコール、ポリグリコールエーテル、プロピレングリコール、
エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、エチレンオキシド/プロピレンオキ
シドコポリマー、および/またはエチレンオキシド/ブチレンオキシドコポリマーなどが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記モノマーおよびポリマーのいずれ
かの混合物を使用することもできる。安定性を付与するために使用することができる他の
モノマーおよびポリマーは、Krishnan et alに付与された米国特許第5,
830,934号明細書に挙げられている。
【0027】
前記組成物の安定化に使用される立体安定化成分は、モノマーの全重量を基準にして約
0.5〜約75%の範囲の量で存在する。
【0028】
本発明の組成物は、フリーラジカル開始剤を含むこともでき、その選択は当技術分野に
おいて周知である。好ましくは、分解によって陽イオン性化学種を発生し、組成物の陽イ
オン電荷に寄与するフリーラジカル開始剤が使用される。このような開始剤の例は、バー
ジニア州リッチモンド(Richmond,Virginia)のワコー・ケミカルズ(
Wako Chemicals)よりWako V−50で市販される2,2’−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド)である。
【0029】
本発明の組成物は、ポリマーの物理的性質および/または機械的性質を改善するための
他の添加剤を含むこともでき、その選択は当業者に周知である。このような添加剤として
は、加工助剤および性能助剤が挙げられ、例えば、限定するものではないが、架橋剤、天
然および合成のバインダー、可塑剤、軟化剤、発泡防止剤、起泡助剤、難燃剤、分散剤、
pH調整成分、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、およびその他の成分が挙げられる。
好ましい実施形態においては、0.1〜1.0重量%の非イオン系界面活性剤を使用する
ことができる。さらに、前記組成物は、好ましくは、従来の非重合性の陽イオンおよび陰
イオンの界面活性剤を含まない。
【0030】
吹き付け、ロール塗布、はけ塗り、浸漬、含浸、サイズプレスなどの当業者に周知の技
術を使用して、前記組成物を被膜またはフィルムとして基材に適用することができる。
【0031】
本発明の組成物は、他のポリマーを含むベースポリマーとブレンドすることができる。
好適なポリマーとしては、種々の熱可塑性および熱硬化性のポリマーが挙げられ、例えば
、限定するものではないが、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテル−アミドおよびイミ
ド、ポリオルガノシラン、ポリスルホン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリル
樹脂、スチレン−ブタジエン、スチレンアクリロニトリル、ABS、EVA、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリエーテル−エステル、ポリエポキシド、複素環式ポリマー、例え
ばポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、およびその誘導体など、ならびにラテ
ックス系材料が挙げられる。他の実施形態においては、陽イオン性に帯電したポリマーを
、他の陽イオン性ポリマーなどの抗菌性または帯電防止性を有する別のポリマーとブレン
ドすることができる。
【0032】
このブレンドは、相互侵入ポリマー網目(IPN)をその場で形成することができる。
これらの上記成分の1種類以上をコアとして有し、その上に、後に乳化法または懸濁法に
よって重合させることができるコアシェル格子または複合体を形成することができる。こ
れの別の例では、懸濁法または分散/ミニエマルジョン法の後ラジカル法を行うことによ
ってベース材料から出発してポリマー、例えばウレタンが製造される。したがって、縮合
法およびフリーラジカル法を併用することができる。この目的は、複合体であるより広範
囲のポリマーを製造することである。化学的性質の別の向上は、RAFT、ATRP、お
よびSFRP(ニトロキシドを使用)などの制御ラジカル重合法を使用して得ることがで
き、続いてブロック、グラフト、星型、超分岐、およびデンドリマーなどの種々の構造を
有するポリマーが得られる。これによって、ポリマーの形態、活性、および、独自性を制
御することができ、具体的な機能に適合するよう調整された分子を形成することが可能と
なる。
【0033】
前記組成物を使用し、界面活性剤および起泡剤を加えることによって連続気泡または独
立気泡のフォームを形成することができる。これらのフォームは、抗菌性および/または
帯電防止性を種々の物品に付与するために多種多様の方法で使用することができる。例え
ば、カーペットの下に敷かれるフォームなどの物品に消音性と抗菌性/帯電防止性との両
方を付与するためにフォームを使用することができる。このフォームは、枕またはマット
レスなどの物品自体として使用することもできる。このフォームは、おむつの吸収剤とし
て使用することができ、それによって尿を吸収しながら抗菌保護を行うことができる。
【0034】
本発明の組成物を使用して、陰イオン性ポリマーが含まれる両性ポリマーまたは双性イ
オン性ポリマーを製造することもできる。
【0035】
本発明の組成物の固有の抗菌性または帯電防止性を増強するために、添加剤として抗菌
剤および/または帯電防止剤を使用することができる。強力な抗菌性モノマーは、ウンデ
シレン酸またはアルコール、あるいは、ウンデシレン酸またはアルコールをヒドロキシル
または酸を含有しエチレン性不飽和を有する材料と反応させてエステルを生成することで
得られる反応生成物である。酸官能性モノマーの例は、アクリル酸または無水マレイン酸
である。ヒドロキシル官能性モノマーの例は、メタクリル酸ヒドロキシエチルまたはポリ
エチレングリコールメタクリレートである。ウンデシレン酸は抗真菌性が得られることが
知られており、これは場合により、陽イオン性およびフェノール型の中間体を併用する場
合に特に、化学的性質を拡張する点で好都合となりうる。
【0036】
キトサン、改質キトサン、またはキトサン塩も、前記組成物中に組み込むことができる
。キトサンは、天然のアミノ官能性糖類であり、抗菌性であることが知られている。さら
に、キトサンは、立体安定化も得られる二重の目的で機能することができる。
【0037】
他の抗菌剤としては、銀、亜鉛など、およびそれらの塩および酸化物などの金属殺生物
剤、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、グルタラール、ハラゾン、ヘキサ
クロロフェン、ニトロフラゾン、ニトロメルソール、ポビドンヨード、チメロゾール(t
himerosol)、C1〜C5−パラベン、次亜塩素酸塩、クロフカルバン(clof
ucarban)、クロロフェン(clorophene)、ポロクサマーヨード、フェ
ノール類、酢酸マフェニド、塩酸アミナクリン、第4級アンモニウム塩、オキシクロロセ
ン(oxychlorosene)、メタブロムサラン、メルブロミン、ジブロムサラン
、ラウリン酸グリセリル、ナトリウムおよび/または亜鉛ピリチオン、(ドデシル)(ジ
エチレンジアミン)グリシン、および/または(ドデシル)(アミノプロピル)グリシン
;フェノール化合物(例えば、フェノール類、m−クレゾール、n−クレゾール、p−ク
レゾール、o−フェニル−フェノール、レソルシノール、ビニルフェノールなど)、高分
子量グアニジン、第4級アンモニウム塩、ポリミキシン、バシトラシン、サーキュリン、
オクタペプチン(octapeptin)類、リゾチーム、リソスタフィン、一般的な細
胞溶解酵素、バンコマイシン、リストセチン、アクチノイジン(actinoidin)
類およびアボパルシン類、チロシジンA、グラミシジンS、ポリオキシンD、ツニカマイ
シン、ネオマイシン、ストレプトマイシンなどが挙げられる。場合により有用となる抗菌
剤の網羅的なリストを本明細書に示すことは不可能であるが、それらは、「Antibi
otics,Chemotherapeutics,and Antibacteria
l Agents for Disease Control」,M.Grayson,
Ed.,J.Wiley and Sons,N.Y.,1982などの概要に見ること
ができる。作用機序による抗生物質の分類は、「The Molecular Basi
s of antibiotic Action」,Second Edition,E
.F.Gale et al,J.Wiley and sons,N.Y.,1981
に見ることができる。他の添加剤およびポリマー系は、Byckに付与された米国特許第
3,872,128号明細書、Blakely et alに付与された第5,024,
840号明細書、Malrose et alに付与された第5,290,894号明細
書、Ottersbach et alに付与された第5,967,714号明細書,第
6,203,856号明細書、および第6,248,811号明細書、Klasse e
t alに付与された第6,194,530号明細書、ならびにSiddiqui et
alに付与された第6,242,526号明細書に記載されており、これらの開示全体
が本明細書に組み入れられる。
【0038】
帯電防止剤としては、長鎖アミン、アミド、および第4級アンモニウム塩などの窒素化
合物、脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、多価アルコールおよびそれらの誘導体、リ
ン酸誘導体、高誘電率を有する液体中の電解質溶液、金属塩および金属酸化物、金属(例
えば、鉄)、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ならびに、半導体が挙げられる
。具体例としては、ClariantのHostenstat(登録商標)およびSan
din(登録商標)静電防止剤、BASFのLarostat(登録商標)静電防止剤、
BayerのBayhydrol(登録商標)静電防止剤、UniquemaのAtme
r(登録商標)静電防止剤、AlcoのVersaTL(登録商標)、ならびにAtof
ina、Noveon、Ciba、Eastman、Agfa、Ormecon Che
mie、およびPanipolから提供される他の種々の静電防止剤が挙げられる。
【0039】
帯電防止組成物の提供に関して、アルキルアミンまたはエトキシル化アミンと、無水マ
レイン酸との反応生成物を使用することもできる。これによって、他のモノマーと共重合
可能なエトキシレートまたはアルキル鎖を有するマレイミド型モノマーを得ることができ
る。アルキレンオキシドマクロマーと、スチレンスルホネート、アクリルアミドプロパン
スルホン酸(AMPS)カルボン酸(例えば、アクリル酸またはメタクリル酸の誘導体)
などの他のモノマーとのコポリマーは、強力な帯電防止性添加剤である。他の帯電防止法
は、Weipert et al.,に付与された米国特許第4,029,694号明細
書および第4,093676号明細書、Loginに付与された第4,098,842号
明細書、Gaggar et al.,に付与された第4,857,590号明細書、な
らびにSasaki et al.,に付与された第4,859,727号明細書におい
て提案されており、これらの開示全体が本明細書に組み入れられる。
【0040】
陽イオン性に帯電したポリマー組成物は、特定の基材に加えた後に加工するための固体
の形態の添加剤として使用することもできる。この固体が使用される場合、加工段階中に
ベースポリマーに加えられ、例えば、押出成形または射出成形の前のポリカーボネートま
たはSANの中にペレットとして加えられる。この場合、本発明の組成物は、表面上の局
所的な被膜とは対照的に、物品の一体部分となる。前記ポリマーは、分散液/エマルジョ
ンの噴霧乾燥によって、または懸濁重合によって直接固体として製造することによって、
固体形態にすることができる。
【0041】
本発明の組成物を、加工しながら直接繊維中に組み込むことが可能な方法を考えること
もできる。1つの方法では、繊維の溶融紡糸/押出成形中に行われる。前記添加剤は、加
工段階中にポリオレフィン、ポリエステル、アクリルなどの繊維の製造に使用されるポリ
マーに直接加えることができるし、または、マスターバッチ中にポリマーおよび他の成分
とともにあらかじめ配合し充分混合した後に、繊維を形成するポリマーに加えることもで
きる。この方法では、繊維を形成するポリマーに加える前に、前記組成物が充分に混合さ
れる。この方法では、前記組成物は、直接押し出されるか、繊維の一部となるかによって
、その抗菌性または帯電防止性が付与される。これは、溶融紡糸可能なあらゆるポリマー
に利用され、前記添加剤は、意図される規定の性質以外に相溶性、親水性、可撓性などを
付与するように計画することができる。次にこれらの繊維は、前述の概要で示した用途な
どの多くの用途に使用することができる。繊維の溶液紡糸も考慮することができ、その場
合、前記添加剤は紡糸溶液中に溶解され、次にスピナレットから押し出される。
【0042】
固体添加剤の加工で恩恵が得られる別の分野は、プラスチックおよびゴムの物品である
。この場合も、押出成形、射出成形などの加工ステップ中に前記組成物ポリマー(熱可塑
性添加剤として機能する)を粉末またはペレットとして加えることを考えることができる
し、または、EVAおよびEMAなどの相溶化ポリマーに実際に加工する前に押出機を使
用してペレット化して、押出機、射出成形機、ブロー成形などを使用した後加工ステップ
中に規定量で任意の熱可塑性ポリマーに加えることもできる。熱可塑性ポリマーの典型的
なプラスチック加工ステップは、これらの固体添加剤に適合している。また、前記添加剤
は、顔料、流動助剤、潤滑剤などの他の成分および所望のポリマーとともに混合して、マ
スターバッチとして知られるものを得ることができる。これらのマスターバッチは、バン
バリー(Banbury)ミキサーなどの高剪断混合装置中で形成され、次にその混合物
が押出機中でペレット化される。次に、マスターバッチは、プラスチック物品またはフィ
ルムの製造元によって、従来のプラスチック加工設備を使用して加工される。上記方法の
いずれかまたは全ては、所望の抗菌性および/または帯電防止性を得る目的でマトリック
スポリマー中に添加剤を供給するために使用することができる。この場合も、その用途は
、前述の概要と類似している。乾燥したポリマーは、フェノール樹脂、エポキシなどの熱
硬化性ポリマーに加え、圧縮成形などの技術を使用して加工することもでき、ゴム用の添
加剤加工技術は、バンバリーを使用したゴムコンパウンドの製造と類似しており、次に、
例えば二本ロールミルに通してシートにすることができるし、または管、パイプ、ホース
などに押し出すこともできる。
【0043】
具体的な用途の1つは、Corian(登録商標)などのアクリルポリマーまたは不飽
和ポリエステルでできている人工または合成の大理石表面の分野であってもよい。前記ポ
リマー添加剤は、これらの樹脂と混合し、次に注型または硬化させることによって、これ
をマトリックス中に組み込むことができる。これによって、局所的被膜とは異なり、マト
リックス中に添加剤が永久的に組み込まれる。同様に、前述の性質を有する表面を得るた
めにボートなどに使用されるゲルコートおよび注型用樹脂中にこれらの添加剤を使用する
こともできる。不飽和ポリエステル樹脂が使用される場合、スチレン中に添加剤を溶解さ
せることが好ましい。
【0044】
固体の別の例は、前述の性質を有する接着剤を形成するための、ホットメルト接着剤組
成物中の添加剤としてのこれらの使用である。これらポリマーは、適切な流動性を得るた
めに要求される相溶性および分子量を有する必要がある。
【0045】
セルロース系材料の場合、固体材料の使用は、木材から製造される複合体において装幀
することができ、この場合、顆粒状、ペレット状、または粉末の形態の木材を他の成分と
混合した後、圧縮成形などの技術によってある形状に成形することができる。UF、MF
、エポキシ、およびウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が木材の接着に使用され、前記ポリ
マー組成物は、加工段階中にこれらとともに加えることができる。この方法を使用して、
下地材および建築材料ならびにOSBボードなどの用途を考慮することができる。
【0046】
紙における固体材料の使用は、高圧積層板または化粧板および成形物品の製造において
考慮することができる。この場合も、前記固体材料を、パルプ繊維および充填剤と混合し
、圧縮成形して、最終製品にすることができる。カートン、箱などの包装材料も、本発明
の実施による恩恵を得ることができる。
【0047】
乾燥形態の陽イオン性に帯電したポリマー組成物は、セメント/コンクリートと混合し
、硬化させて、所望の付加的な性質を有するコンクリート構造を形成することができる。
グラウト、シーラー、マスチックなども、この粉末の使用に適している。これを他の充填
剤などと混合して、抗菌性−帯電防止性を有する花崗岩のカウンター表面や床などを作製
することもできる。セメント中および装飾用コンクリート中における再分散可能な粉末が
さらに別の用途となる。
【0048】
本発明の組成物は、抗菌性および/または帯電防止性を改善するために、Byckに付
与された米国特許第3,872,128号明細書、Blakely et alに付与さ
れた第5,024,840号明細書、Malrose et alに付与された第5,2
90,894号明細書、ottersbach et alに付与された第5,967,
714号明細書,第6,203,856号明細書、および第6,248,811号明細書
、Klasse et alに付与された第6,194,530号明細書、Siddiq
ui et alに付与された第6,242,526号明細書、Weipert et
alに付与された米国特許第4,029,694号明細書および第4,093676号明
細書、Loginに付与された第4,098,842号明細書、Gaggar et a
lに付与された第4,857,590号明細書、ならびにSasaki et alに付
与された第4,859,727号明細書に記載されるような他の方法および処方と組み合
わせることもできる。
【0049】
[可能性のある用途]
本発明の組成物は、当業者に周知の種々の技術を使用して多種多様の基材に適用するこ
とができる。以下の一覧は、基材の種類を限定することを意図したものではない。例えば
、ラテックスとしての前記組成物は、被膜としてまたはフィルムとして以下の基材に適用
することができる:
【0050】
1.不織布および織布および繊維:例としては、綿および羊毛などの天然繊維から、ナ
イロン、アクリル、ポリエステル、ウレタンなどの合成繊維までが挙げられる。適用工程
は、ロッド/ナイフコーティング、含浸、裏面塗布、印刷などの方法によって、または個
々の繊維上の前処理として、または最終製品として行われる。
【0051】
2.プラスチック/ゴム:例としては、日用品に成形されるポリオレフィンなどの熱可
塑性樹脂から、ポリスルホン、アセタール、ポリカーボネートなどのエンジニアリングサ
ーモプラスチック、エポキシ、ウレタンなどの熱硬化性樹脂、および押出フィルムまたは
インフレーションフィルムまでが挙げられる。前記ポリマーは、ロッド/ナイフコーティ
ング、吹き付け、浸漬によって表面上の被膜として、または押出工程中の積層被膜として
、または成形工程中の型内に適用される被膜として適用される。ゴム製品としては、シー
ト、押出物品、成形物品、複合材料などが挙げられる。
【0052】
3.紙:これは、あらかじめ形成された紙、およびウェットエンド処理における添加剤
としての両方を含む。典型的な紙加工としては、含浸または浸透、ロッド/ナイフコーテ
ィングなど、サイズプレス、およびウェットエンド添加、吹き付けが挙げられる。
【0053】
4.無機/有機材料:これは、クレー、マイカ、顔料、殺生物剤、殺虫剤などの無機粒
子のカプセル化およびコーティングに基づく多種多様の送達機構を含んでおり、さらに、
石膏ボード、シーラー、グラウトなどの最終製品を形成するための種々の充填剤を含む配
合物の一部、ドライ壁、タイルなどの無機表面上に吹き付け、ローラー塗布、はけ塗りな
どによって適用される被膜も含んでいる。これは、ガラス繊維マットの被膜または含浸に
おける使用も含んでいる。
【0054】
5.木材:これは、天然および加工済みの両方のあらゆる種類の木製基材を含んでおり
、その適用方法は、前述の種々の方法であってよい。
【0055】
6.金属:この場合も、これは金属と、炭素鋼、ステンレス鋼などの合金との両方を含
んでおり、例えば、中実棒鋼、シート、コイル、ロープなどを含んでおり、前記組成物は
、吹き付け浸漬、はけ塗り、ローラー塗布などの多数の方法の1つによって被膜として適
用される。
【0056】
具体的な用途としては、布:例えば、住宅用および商業用カーペット、タイルなど;液
体および空気用フィルター−HVAC、電気掃除機、自動車;医療用の手術着、ドレープ
、包帯剤、カバーなど;衣服、家具、シート、タオルなどのための繊維、印刷および染色
された布の予備処理;おむつおよび尿漏れ防止商品、トリム、椅子張り、マット、フィル
ターなどの自動車内装用途;椅子張りのコーティング、積層、および接合用接着剤;吸音
用フォーム;枕およびマットレスなどの発泡物品;ベルト材料−食品取り扱い用など;テ
ープ類−マスキングテープ、外科手術用テープ、工業用テープ、例えば、電気、工業、お
よび家庭用の清掃用拭き取り材、布、およびスポンジ;靴製品、例えば、中敷き、ボック
ストウなど;プラスチック/ゴム、例えば工具の取手−例えば、ねじ回し、ショベル;玩
具、ゴム手袋、シート、物品;機械のハウジング−例えば、コンピュータ、ディスプレイ
、および診断装置、電気掃除機、器具;医療用具−例えば、カテーテル、バルーン、チュ
ービング、シリンジ、診断キットなど;包装/製品保護−生鮮食料品、コンピュータ周辺
機器、半導体、メモリチップ、CD、DVDなど;アクリル、ポリカーボネートなどの衝
撃改質剤;手袋のオーバーディップ(overdip)およびアンダーディップ(und
erdip)−クリーンルーム用手袋、通気性フィルム、繊維で補強された手袋の貫通防
止;まな板;包装用の押出フィルムおよびインフレーションフィルム;紙:真空バッグ、
本の表紙、空気フィルター、液体フィルター、壁紙、湿式および乾式の拭き取り材、ティ
ッシュペーパーなど;ビニル製床敷物用のフェルト、モールドパルプ用途、包装材料−箱
、カートン、成形物品など;サイズプレス被膜−贈物用包装材料、インクジェット媒体、
通気性被膜など;紙、テープ、およびラベル中のウェットエンド添加剤−マスキング用、
手術用、一般用など;接着剤−テープ、ラベル、転写シール、フィルム、製本、間圧接着
剤、およびFPLAなど;靴中敷き、無機/無機材料、例えば充填剤および顔料のコーテ
ィング/カプセル化、建築用シーラーおよびグラウト、石膏壁板のコーティング/塗料、
外部/内部被膜;タイル接着剤、床のコーティング?病院、クリーンルーム、診療所、学
校など;病院および医療環境用のコーティング;天井用タイル、ガラス繊維コーティング
−ガラスマット、断熱材、強化複合材料など;液体消毒薬および洗浄剤、パーソナルケア
−シャンプー、ローション、クリーム、ヘアケアおよびスキンケア、ボディウォッシュ、
化粧品など;床以外の表面の衛生用コーティング−病院、診療所、学校、家庭、およびオ
フィス、硬質でおよび多孔質の表面コーティング−壁、天井、床、調理台など;装飾用コ
ンクリート、雑木破砕接着合板(OSB)などの木材のコーティング、下地材および建築
材料−コーティング、含浸など;複合建築材料、家具のコーティング;衛生用コーティン
グ−テーブルおよび調理台、ドアノブ、ドア取手;床張り−積層体、堅木、および他の合
成床、化粧板−テーブルトップ、調理台、家具など;金属、例えばキャビネット、ドアノ
ブ、取手など;家具、コーティング−電気製品、OEMなどが挙げられる。
【0057】
概略的に本発明を説明してきたが、本明細書において提供される実施例を参照すること
によってさらに理解することができ、これらの実施例は例証のみを目的として限定を意図
するものではない。
【実施例】
【0058】
実施例1〜4は、Bacillus subtilis ATCC #6633を試験
生物として使用して抗菌性を試験した。実施例3は、陰イオン性ポリマーであり、比較例
である。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
10〜100CFU/0.1mLを含有するQuanticult(登録商標)Plu
s培地を、各試験被膜で15枚の試験片上に接種し乾燥させた。ネガティブコーントロー
ル被膜を塗布した15枚の試験片に、同じ方法で接種した。ロダック(Rodac)プレ
ート(TSA含有ツイーン(Tween)およびレシチン)を使用して、1時間後、4時
間後、および24時間後に、各表面タイプの回復を調べた。各サンプル時間において、ロ
ダックプレートを、各表面タイプにつき5枚の試験片と接触させ、30〜35℃で48時
間〜5日間インキュベートした。CFUを計数し、各表面タイプについて平均した。試験
表面結果を、ネガティブコントロール表面結果と比較した。<70%の回復が、材料が抗
菌性であることを示している。結果を表1〜4に示す。
【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
【表6】

【0066】
これは、本発明の組成物が、細菌を迅速に死滅させ、比較例である実施例3と比較して
広域スペクトルの抗菌性ポリマー組成物として有効であることを示している。
【0067】
実施例1、2、および4の組成物を紙上に塗布した。物体を接地した場合に元の値の1
0%に電荷が減衰するまでの時間の長さを測定することによって、平均電荷減衰時間を求
めた。操作中、直流電圧供給を使用して物体に帯電させ、接地後の電圧低下を測定する。
表面上に2つの電極をのせ、一方の電極に一定電圧を印加することによって表面抵抗率を
測定する。表面から他方の電極まで流れる電流を測定する。次に、この電流と印加電圧と
から抵抗を求めることができる。結果を表5に示す。
【0068】
【表7】

【0069】
これは、本発明の組成物によって帯電防止性が付与されることを示している。
【0070】
本明細書において、本発明の典型的な実施形態を開示し、特定の用語を使用しているが
、それらは一般的および説明的な意味でのみ使用しており、限定を目的とするものではな
い。特許請求の範囲は、本出願が、あらゆる権限において優先出願として全ての法的要件
を満たすよう提供されており、本発明の全範囲を説明するものとして構成されているので
はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性および/または帯電防止性を与えるために被膜またはフィルムを有する基材であ
って、前記被膜またはフィルムが、陽イオン性に帯電したポリマー組成物から形成され、
該組成物が、
非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができるエチレン性不飽和モノマーと、
前記陽イオン性に帯電したポリマー組成物中に組み込まれる立体安定化成分と
を含む、基材。
【請求項2】
前記基材が、不織布および織布;有機および無機の粒子、繊維、および凝集体;フォー
ム;フィルム;セルロース系材料;金属;ならびにプラスチックからなる群より選択され
る、請求項1に記載の基材。
【請求項3】
前記非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーが、ビニル芳香族モノマー、オレフィン、
脂肪族共役ジエンモノマー、非芳香族不飽和モノカルボン酸エステルモノマーもしくは非
芳香族不飽和ジカルボン酸エステルモノマー、不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステル
をベースとするモノマー、不飽和モノカルボン酸モノマーもしくは不飽和ジカルボン酸モ
ノマーおよびそれらの誘導体、窒素含有モノマー、リン含有モノマー、硫黄含有モノマー
、ならびに、ビニルエステルモノマーからなる群より選択される、請求項1に記載の基材

【請求項4】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、アミンまたはアミドモノマーを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項5】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、第4級化アミンモノマーを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項6】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、前記ポリマー組成物に疎水性を付与することができる第4級誘導体を含む、請求項
1に記載の基材。
【請求項7】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能性を有するモノマーまたは保護コロイドで
ある、請求項1に記載の基材。
【請求項8】
前記アルコキシル化官能性を有するモノマーが、
(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、n=1〜30である);または
CH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびmはそれぞれ1〜15の範
囲とすることができる);および
CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびm=1〜15である)、な
らびに、
(d)(a)および(b)の混合物
からなる群より選択される、請求項7に記載の基材。
【請求項9】
前記立体安定化成分が、重合性界面活性剤である、請求項1に記載の基材。
【請求項10】
前記ポリマー組成物が、最大約1.0重量%の非イオン系界面活性剤をさらに含む、請
求項1に記載の基材。
【請求項11】
前記ポリマー組成物が、抗菌剤または帯電防止剤をさらに含む、請求項1に記載の基材

【請求項12】
前記抗菌剤が、キトサン系材料である、請求項11に記載の基材。
【請求項13】
前記抗菌剤が、銀および亜鉛、ならびに、それらの塩および酸化物からなる群より選択
される金属殺生物剤である、請求項11に記載の基材。
【請求項14】
前記帯電防止剤が、窒素化合物、脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、多価アルコー
ルおよびそれらの誘導体、リン酸誘導体、高誘電率を有する液体中の電解質溶液、金属塩
および金属酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ならびに、半導体
からなる群より選択される、請求項11に記載の基材。
【請求項15】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸またはアルコールであるか、あるいは、ヒドロキシルま
たは酸を含有しエチレン性不飽和を有する材料とウンデシレン酸との反応生成物である、
請求項11に記載の基材。
【請求項16】
抗菌性および/または帯電防止性を与えるために被膜またはフィルムが適用されている
基材であって、前記被膜またはフィルムが、陽イオン性に帯電したポリマー組成物から形
成され、該組成物が、
約20〜約99重量%の非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、
約0.5〜約75重量%の、陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができるエ
チレン性不飽和モノマーと、
約0.5〜約75重量%の立体安定化モノマーと、
0〜1.0重量%の非イオン系界面活性剤と
から実質的になり、
陽イオン性に帯電したポリマー組成物が、陽イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤
を含まない、基材。
【請求項17】
前記基材が、不織布および織布;有機および無機の粒子、繊維、および凝集体;フォー
ム;フィルム、セルロース系材料;コンクリート、メーソンリー;ガラス;金属;ならび
にプラスチックからなる群より選択される、請求項16に記載の基材。
【請求項18】
前記非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーが、ビニル芳香族モノマー、オレフィン、
脂肪族共役ジエンモノマー、非芳香族不飽和モノカルボン酸エステルモノマーもしくは非
芳香族不飽和ジカルボン酸エステルモノマー、不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステル
をベースとするモノマー、不飽和モノカルボン酸モノマーもしくは不飽和ジカルボン酸モ
ノマーおよびそれらの誘導体、窒素含有モノマー、リン含有モノマー、硫黄含有モノマー
、ならびに、ビニルエステルモノマーからなる群より選択される、請求項16に記載の基
材。
【請求項19】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、アミンまたはアミドモノマーを含む、請求項16に記載の基材。
【請求項20】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、第4級化アミンモノマーを含む、請求項16に記載の基材。
【請求項21】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、前記ポリマー組成物に疎水性を付与することができる第4級誘導体を含む、請求項
16に記載の基材。
【請求項22】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能性を有するモノマーまたは保護コロイドで
ある、請求項16に記載の基材。
【請求項23】
前記アルコキシル化官能性を有するモノマーが、
(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、n=1〜30である);または
CH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびmはそれぞれ1〜15の範
囲とすることができる);および
CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびm=1〜15である)、な
らびに、
(d)(a)および(b)の混合物
からなる群より選択される、請求項22に記載の基材。
【請求項24】
前記立体安定化成分が、重合性界面活性剤である、請求項16に記載の基材。
【請求項25】
前記ポリマー組成物が、抗菌剤または帯電防止剤をさらに含む、請求項16に記載の基
材。
【請求項26】
前記抗菌剤が、キトサン系材料である、請求項25に記載の基材。
【請求項27】
前記抗菌剤が、銀および亜鉛、ならびに、それらの塩および酸化物からなる群より選択
される金属殺生物剤である、請求項25に記載の基材。
【請求項28】
前記帯電防止剤が、窒素化合物、脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、多価アルコー
ルおよびそれらの誘導体、リン酸誘導体、高誘電率を有する液体中の電解質溶液、金属塩
および金属酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ならびに、半導体
からなる群より選択される、請求項25に記載の基材。
【請求項29】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸またはアルコールであるか、あるいは、ヒドロキシルま
たは酸を含有しエチレン性不飽和を有する材料とウンデシレン酸との反応生成物である、
請求項25に記載の基材。
【請求項30】
抗菌性および/または帯電防止性を有するポリマー材料であって、
該ポリマー材料が、陽イオン性に帯電したポリマー組成物とブレンドされたベースポリマ
ーを含み、前記ポリマー組成物が、
非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができるエチレン性不飽和モノマーと、
前記陽イオン性に帯電したポリマー組成物中に組み込まれる立体安定化成分と
を含む、ポリマー材料。
【請求項31】
前記ベースポリマーが、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテル−アミド、ポリエーテ
ル−イミド、ポリオルガノシラン、ポリスルホン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン、スチレンアクリロニトリル、ABS、EVA、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリエーテル−エステル、およびポリエポキシドからなる群
より選択される、請求項30に記載のポリマー材料。
【請求項32】
前記ポリマー材料が、固体である、請求項30に記載のポリマー材料。
【請求項33】
前記ポリマー材料が、フォームである、請求項30に記載のポリマー材料。
【請求項34】
前記非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーが、ビニル芳香族モノマー、オレフィン、
脂肪族共役ジエンモノマー、非芳香族不飽和モノカルボン酸エステルモノマーもしくは非
芳香族不飽和ジカルボン酸エステルモノマー、不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステル
をベースとするモノマー、不飽和モノカルボン酸モノマーもしくは不飽和ジカルボン酸モ
ノマーおよびそれらの誘導体、窒素含有モノマー、リン含有モノマー、硫黄含有モノマー
、ならびに、ビニルエステルモノマーからなる群より選択される、請求項30に記載のポ
リマー材料。
【請求項35】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、アミンまたはアミドモノマーを含む、請求項30に記載のポリマー材料。
【請求項36】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、第4級化アミンモノマーを含む、請求項30に記載のポリマー材料。
【請求項37】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、前記ポリマー組成物に疎水性を付与することができる第4級誘導体を含む、請求項
30に記載のポリマー材料。
【請求項38】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能性を有するモノマーまたは保護コロイドで
ある、請求項30に記載のポリマー材料。
【請求項39】
前記アルコキシル化官能性を有するモノマーが、
(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、n=1〜30である);または
CH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびmはそれぞれ1〜15の範
囲とすることができる);および
CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびm=1〜15である)、な
らびに、
(d)(a)および(b)の混合物
からなる群より選択される、請求項38に記載のポリマー材料。
【請求項40】
前記ポリマー組成物が、最大約1.0重量%の非イオン系界面活性剤をさらに含む、請
求項30に記載のポリマー材料。
【請求項41】
前記ポリマー組成物が、抗菌剤または帯電防止剤をさらに含む、請求項30に記載のポ
リマー材料。
【請求項42】
前記抗菌剤が、キトサン材料である、請求項41に記載のポリマー材料。
【請求項43】
前記抗菌剤が、銀および亜鉛、ならびに、それらの塩および酸化物からなる群より選択
される金属殺生物剤である、請求項41に記載のポリマー材料。
【請求項44】
前記帯電防止剤が、窒素化合物、脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、多価アルコー
ルおよびそれらの誘導体、リン酸誘導体、高誘電率を有する液体中の電解質溶液、金属塩
および金属酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ならびに、半導体
からなる群より選択される、請求項41に記載のポリマー材料。
【請求項45】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸またはアルコールであるか、あるいは、ヒドロキシルま
たは酸を含有しエチレン性不飽和を有する材料とウンデシレン酸との反応生成物である、
請求項41に記載のポリマー材料。
【請求項46】
抗菌性および/または帯電防止性を有するポリマー材料であって、
該ポリマー材料が、陽イオン性に帯電したポリマー組成物とブレンドされたベースポリマ
ーを含み、前記ポリマー組成物が、
約20〜約99重量%の非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、
約0.5〜約75重量%の陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができるエチ
レン性不飽和モノマーと、
約0.5〜約75重量%の立体安定化モノマーと、
0〜1.0重量%の非イオン系界面活性剤と
から実質的になり、
陽イオン性に帯電したポリマー組成物が、陽イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤
を含まない、ポリマー材料。
【請求項47】
前記非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーが、ビニル芳香族モノマー、オレフィン、
脂肪族共役ジエンモノマー、非芳香族不飽和モノカルボン酸エステルモノマーもしくは非
芳香族不飽和ジカルボン酸エステルモノマー、不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステル
をベースとするモノマー、不飽和モノカルボン酸モノマーもしくは不飽和ジカルボン酸モ
ノマーおよびそれらの誘導体、窒素含有モノマー、リン含有モノマー、硫黄含有モノマー
、ならびに、ビニルエステルモノマーからなる群より選択される、請求項46に記載のポ
リマー材料。
【請求項48】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、アミンまたはアミドモノマーを含む、請求項46に記載のポリマー材料。
【請求項49】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、第4級化アミンモノマーを含む、請求項46に記載のポリマー材料。
【請求項50】
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができる前記エチレン性不飽和モノマ
ーが、前記ポリマー組成物に疎水性を付与することができる第4級誘導体を含む、請求項
46に記載のポリマー材料。
【請求項51】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能性を有するモノマーまたは保護コロイドで
ある、請求項46に記載のポリマー材料。
【請求項52】
前記アルコキシル化官能性を有するモノマーが、
(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、n=1〜30である);または
CH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR”
(式中、R=HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルであ
り、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびmはそれぞれ1〜15の範囲
とすることができる);および
CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR”
(式中、Rは、HまたはC1〜C4アルキルであり、R’は、HまたはC1〜C4アルキルで
あり、R”は、HまたはC1〜C12アルキルであり、nおよびm=1〜15である)、な
らびに、
(d)(a)および(b)の混合物
からなる群より選択される、請求項51に記載のポリマー材料。
【請求項53】
前記ポリマー組成物が、抗菌剤または帯電防止剤をさらに含む、請求項46に記載のポ
リマー材料。
【請求項54】
前記抗菌剤が、キトサン材料である、請求項53に記載のポリマー材料。
【請求項55】
前記抗菌剤が、銀および亜鉛、ならびに、それらの塩および酸化物からなる群より選択
される金属殺生物剤である、請求項53に記載のポリマー材料。
【請求項56】
前記帯電防止剤が、窒素化合物、脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、多価アルコー
ルおよびそれらの誘導体、リン酸誘導体、高誘電率を有する液体中の電解質溶液、金属塩
および金属酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ならびに、半導体
からなる群より選択される、請求項53に記載のポリマー材料。
【請求項57】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸またはアルコールであるか、あるいは、ヒドロキシルま
たは酸を含有しエチレン性不飽和を有する材料とウンデシレン酸との反応生成物である、
請求項53に記載のポリマー材料。
【請求項58】
前記ベースポリマーが、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテル−アミド、ポリエーテ
ル−イミド、ポリオルガノシラン、ポリスルホン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン、スチレンアクリロニトリル、ABS、EVA、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリエーテル−エステル、およびポリエポキシドからなる群
より選択される、請求項53に記載のポリマー材料。
【請求項59】
前記ポリマー材料が、固体である、請求項53に記載のポリマー材料。
【請求項60】
前記ポリマー材料が、フォームである、請求項53に記載のポリマー材料。
【請求項61】
抗菌性および/または帯電防止性を基材に付与する方法であって、
陽イオン性に帯電したポリマー組成物を前記基材に適用するステップを含み、
前記ポリマー組成物が、
非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができるエチレン性不飽和モノマーと、
前記陽イオン性に帯電したポリマー組成物中に組み込まれる立体安定化成分とを含む、方
法。
【請求項62】
抗菌性および/または帯電防止性をポリマー材料に付与する方法であって、
非陽イオン性エチレン性不飽和モノマーと、
陽イオン電荷を前記ポリマー組成物に与えることができるエチレン性不飽和モノマーと、
前記陽イオン性に帯電したポリマー組成物中に組み込まれる立体安定化成分と
を含む陽イオン性に帯電したポリマー組成物をベースポリマーとブレンドするステップを
含む、方法。

【公開番号】特開2012−35628(P2012−35628A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180589(P2011−180589)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【分割の表示】特願2006−518806(P2006−518806)の分割
【原出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(509105215)マラード・クリーク・ポリマーズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】