説明

抗菌性物品及び製造方法

抗菌性物品及びかかる物品の製造方法が提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀を含む抗菌性物品及びかかる物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の創傷は湿潤環境においてより効率よく治癒するが、細菌感染の危険性は水分の存在下で増加する。更に、細菌は抗生物質に対する耐性を構築する可能性があり、ついには抗生物質を効かなくしてしまう。銀化合物は、表面(例えば、創傷組織)に対し、細菌の耐性が発現する危険性を最小限に抑えて、抗菌効果を付与することが知られている。創傷床の湿潤環境においては、例えば、銀は創傷への銀イオンの持続した放出によって送達される。
【0003】
文献では、綿又は他の基材上にコーティングされた銀塩は、安定剤がないと、紫外線(「UV」)又は可視光線に曝されたときに色が安定ではない。しかしながら、安定剤はまた、銀塩の溶解性を減少させ、このことはまた、銀イオンの放出を阻害する。銀イオンの放出が低すぎる(30分で水中に0.01mg/g包帯未満の)場合、その抗菌作用もまた減少されることになり、もはや創傷の治療のために効果がない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
創傷包帯又は同様のものとして使用された場合に抗菌活性を提供する、色安定性の抗菌性物品及びこうした物品の製造方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、物品及びかかる物品の製造方法を提供する。
【0006】
本発明の1つの態様においては、抗菌性物品の製造方法が提供され、前記方法は、銀組成物を基材に適用して、液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物は溶媒中に硫酸銀以外の銀塩を含み、前記銀組成物は安定剤を100万部当たり約100部(約100ppm)未満の量で含み、前記基材は、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、ガラス繊維、セラミック及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む工程と、前記液体被覆基材を乾燥して、前記基材に適用された銀塩を含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む。
【0007】
別の態様においては、本発明は、硫酸銀以外の銀塩であって、基材に適用された銀塩と、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、ガラス繊維、セラミック及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む基材と、を含む物品を提供し、前記物品は抗菌性であり、色安定性である。
【0008】
本発明の別の態様では、銀組成物を基材に適用して液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物は、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される銀塩を含む工程と、銀塩から銀金属を生成するのに十分な温度で前記液体被覆基材を加熱して、銀金属ナノ粒子と銀塩とを含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む方法が提供される。
【0009】
別の態様においては、本発明は、銀組成物を基材に適用して液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物は硫酸銀以外の銀塩を含む工程と、前記液体被覆基材を、銀塩から銀金属を生成するのに十分な温度で加熱して、銀金属ナノ粒子と銀塩とを含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む抗菌性物品の製造方法を提供する。
【0010】
なお別の態様では、本発明は、基材上に配置された銀金属及び銀塩を含む物品を提供し、前記銀塩は、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
【0011】
なお別の態様においては、本発明は、基材に適用された銀金属及び銀塩を含む物品を提供し、前記銀塩は硫酸銀以外の銀塩を含む。
【0012】
本明細書で使用される用語は、当業者に理解されるのと同一の意味を有するものと理解される。前述の記述にかかわらず、特定の用語は本明細書において記載された意味を有するものと理解すべきである。
【0013】
本明細書で使用するとき、「周囲温度」は存在する室温、典型的には約15℃〜約30℃の範囲内を意味する。
【0014】
「相対湿度」は、空気中に実際に存在する水蒸気量の同一温度においてとり得る最大量に対する比を意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、互換的に使用される。
【0016】
当業者は、発明を実施するための形態、種々の実施例及び添付された特許請求の範囲を包含する本開示の残りの部分を考慮して、本発明の範囲をより完全に理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、銀を含有する抗菌性物品を提供する。当該物品は、色安定性であり(紫外線又は可視光線に曝されたときに)、抗菌レベルの銀イオンを放出し、製造が驚くほど容易であり、創傷包帯、創傷パッキング材、又は創傷に直接適用するのに適した他の材料を作製できる。
【0018】
本発明の実施形態の記載において、用語「色安定性の」とは、物品が、時間とともに(例えば、光への曝露後少なくとも4時間で)、色及び/又は色の均一性において有意な目に見える変化を示さないことを意味する。色の変化は種々の方法のいずれかにおいて評価可能であり、本発明は色の変化を決定するための特定の方法又は技術に限定されない。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態では、色の変化は観察によって評価される。
【0020】
幾つかの実施形態では、色の変化は目盛付きのスケールを用いて評価される。例えば、色の変化は、試料を蛍光の下で観察し、それを色度標準と比較して試料の色に0から10までの点数をつけることによって評価してもよい。0、1又は2の点数は、ホワイトからクリーム色を包含する「白色」とみなされる。3〜5の点数は、薄い黄色から金色がかった黄色を包含する「黄色」であり、6〜10の点数は赤褐色から濃い茶色として分類される。色の変化の数値は、初めの点数を処理後の点数から引くことによって得られる。色変化に関する正の点数は、外観の黒化を表し、負の点数は外観の白化を表す。このスケールにおける1以下の色変化は、その色が最初に均質であり及び均質のままである限りにおいて、許容可能である(例えば、有意な変化なし)とみなされる。色が最初に不均質である場合には、0.5の色変化が有意であるとみなされる。
【0021】
幾つかの実施形態では、色変化は、ミノルタ・クロマメータ(Minolta Chroma Meter)(コニカ・ミノルタ・フォト・イメージングUSA社(Konica Minolta Photo Imaging U.S.A., Inc.)(ニュージャージー州、モーウォー(Mahwah))製の、CR−300)のような比色計を使用し、三刺激値を用いて測定することもできる。このスケールにおける、「Y」値における15%以下の色変化は、その試料の色が均質のままである限りにおいて、許容可能であるとみなされる。色が不均質である場合には、「Y」値における5%の色変化が有意であるとみなされる。
【0022】
なお他の実施形態においては、色変化は試験法ASTM D2244に従い比色計を用いて測定することができる。指示された期間曝露した後の試料と、曝露されていない試料との間の、得られるCIELAB色差(DE)を決定できる。対照のみの目的のためには、約2単位のDE又は色変化は、肉眼による検出に関する限界であるとみなされ、一方、20以上のDEは実質的な又は有意な色変化を表す。
【0023】
典型的には、当該技術は、銀塩を包含する物品に色安定性を与えるために、安定剤として知られる化学化合物の使用に頼ってきた。しかし、このような安定剤はまた銀塩の溶解性を減少させ、そのため銀イオンの放出は創傷に有効となるには低くなりすぎる(30分間に水中に0.01mg/g包帯未満)可能性がある。
【0024】
本発明の一実施形態では、色安定性は、基材に銀組成物を適用し、物品を乾燥することによって達成される。本発明の物品を製造するために適切な基材が使用された場合、乾燥された物品は安定剤又は同様のものを包含させる必要なしに、色安定性である。
【0025】
本発明の別の実施形態では、色安定性は、高温で乾燥させることによって、基材に適用される銀塩の一部(好ましくは30%未満)をナノスケール銀金属粒子(「ナノ粒子」)へと還元し、銀金属ナノ粒子の形成の結果としてしばしば薄い黄色から金色がかった茶色として観測される色を有した状態で色安定性である生成物を作製することによって達成される。
【0026】
本発明の1つの態様においては、抗菌性物品を製造するための方法は、基材上に銀化合物(類)を適用して(例えば、コーティングして)、銀塩を含む色安定性の抗菌性物品を提供することによって提供される。
【0027】
本発明の別の態様においては、抗菌性物品を製造するための方法は、基材上に銀化合物(類)を適用して(例えばコーティングして)、銀金属と銀塩とを含む色安定性の抗菌性物品を提供することによって提供される。
【0028】
幾つかの実施形態では、銀塩を適した溶媒(例えば、水)中に溶解し、銀塩溶液の形態のコーティング可能な液体銀組成物を提供することによって、銀組成物が最初に調製される。幾つかの実施形態では、銀組成物中で使用される溶媒は水からなる。幾つかの実施形態では、銀組成物中の溶媒は、主として水であり、銀塩の溶解性を高める他の成分を伴う。本発明における使用に適した銀塩は、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0029】
特定の実施形態では、前述の塩類のいずれか1つが、それ自体で又はいずれかの他の銀塩との組み合わせにおいて、適している。硫酸銀は前述の塩類とともには包含されない。
【0030】
幾つかの実施形態では、銀塩は、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる、前述の塩類の部分集合から選択される。
【0031】
幾つかの実施形態では、銀塩は、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ上の組み合わせからなる、塩類の別の部分集合から選択される。
【0032】
幾つかの実施形態では、銀塩は硫酸銀を除外するように選択される。幾つかの実施形態では、銀塩は硝酸銀である。幾つかの実施形態では、塩は安息香酸銀である。
【0033】
当該銀組成物は、合計の銀含有量が、組成物中で約1.0重量%まで、典型的には約0.01重量%〜約0.5重量%となるように処方されてよい。幾つかの実施形態では、当該銀組成物のpHは、組成物が基材に適用された場合のその基材に対する有害反応を回避するために所望の目標値に維持される。幾つかの実施形態では、銀組成物のpHは9以下に維持される。幾つかの実施形態では、銀組成物のpHは、例えば、セルロース系の基材に対する有害反応を最小限に抑えるために4よりも大きいが7未満に維持される。
【0034】
本発明の最終物品における色安定性は、銀組成物に対する安定剤(類)の添加を包含する必要なしに達成されるが、しかし、本発明の幾つかの実施形態においては、銀組成物中に少量の安定剤(類)が包含されてもよいということが理解されよう。安定剤としては、アンモニア、アンモニウム塩(例えば、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなど)、チオサルフェート、金属の非水溶性塩(例えば、塩化物のようなハロゲン化物)、ペルオキシド、三ケイ酸マグネシウム、及び/又はポリマーが挙げられる。安定剤は、銀組成物中に存在する場合、100ppm未満の量で存在してよい。幾つかの実施形態では、安定剤は、銀塩組成物の総重量基準で50ppm未満の量で存在してよく、幾つかの実施形態では、20ppm未満で存在してよい。あるいは、安定剤は、乾燥した色安定性の抗菌性物品の総重量基準で1000ppm未満の量で存在する。なお他の実施形態では、安定剤は、乾燥した色安定性の抗菌性物品の総重量基準で500ppm未満の量で存在し、なお他の実施形態では、安定剤は乾燥した色安定性の抗菌性物品の総重量基準で100ppm未満の量で存在する。
【0035】
幾つかの実施形態では、銀組成物は任意で、溶媒(例えば、水)への銀塩の溶解を促進するための化合物を包含してもよい。本発明で使用するために選択される塩(類)の溶解性に応じて、本発明の実施形態は、五ホウ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ペルオキシホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム(ammonium tertraborate)、クエン酸三アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される可溶化剤を包含してもよい。本発明の銀組成物に包含させるための可溶化剤の選択においては、本明細書に記載のように基材に該組成物を適用し、加熱した後に、蒸発又は分解する物質が好ましい。
【0036】
このように処方された銀組成物は、基材に適用されて液体被覆基材を提供する。幾つかの実施形態では、銀組成物は、基材の内部に浸透し、含浸される。例えば、吸収材料(例えば、ガーゼ)の場合、銀組成物は基材の繊維の間に含浸される。基材への銀組成物の適用は、連続したプロセスとして達成することができ、又は、別個の態様において、及び単一工程中でも、行うことが可能である。
【0037】
銀組成物を適用する基材又は基材材料として種々の材料のいずれのものを使用してもよい。
【0038】
特定の実施形態では、適した材料は、高分子材料を包含することができ、又は大きな長鎖分子で構成される。特定の実施形態では、基材のための材料は典型的に、約120℃よりも低い温度に加熱されたときに、銀塩類(例えば、硝酸銀)の存在下で容易に酸化されないという点で、「非酸化性」であるように選択される。適した基材としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリアクリル酸、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンポリエチレン、エチレンプロピレンコポリマー、及びエチレン−ブチレンコポリマー)、ポリウレタン(ポリウレタンフォームを包含する)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、ガラス繊維、セラミック及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられる。
【0039】
本発明の幾つかの実施形態では、基材は酢酸セルロースを含むか又はそれからなる。幾つかの実施形態では、基材はポリアミド(例えば、ナイロン6,6)を含むか又はそれからなる。
【0040】
特定の実施形態では、適した材料としては、例えば、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、ポリアミド、ポリアセテート、アルギネート、コラーゲン、ゼラチン、天然ゴム、ポリアクリルアミド、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせなどの材料から作られた、紙、天然又は合成繊維、糸及び毛糸のような、セルロース系材料及び非セルロース系材料を挙げることができる。
【0041】
加えて、上記の材料又はこれらの組み合わせは、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンポリエチレン、エチレンプロピレンコポリマー、及びエチレン−ブチレンコポリマー)、ポリウレタン(ポリウレタンフォームを包含する)、ポリ塩化ビニルを包含するビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせのような、他の材料と組み合わせることができる。材料の組み合わせは、基材に包含されてよい。幾つかの実施形態では、基材は、セルロース系材料、ナイロン、ポリエステル繊維、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む。
【0042】
基材は、多孔質又は無孔であることができ、銀組成物は、例えば、基材の表面上にコーティングされることも、又は基材中に含浸されることもできる。本発明の実施形態においては、基材は可撓性であってよく、天然又は合成化合物から作られた織布又は不織布材料を含むことができる。本発明の実施形態においては、基材は高分子ウェブ(不織布又は織布)、高分子フィルム、ヒドロコロイド、フォーム、紙、及び/又はこれらの組み合わせから選択されてよい。
【0043】
幾つかの実施形態では、基材は吸収性綿ガーゼであることができる。
【0044】
前述の材料から作られた多孔質基材としては、ニット、織布(例えば、チーズクロス及びガーゼ)、不織布(スパンボンド不織布、及びBMF(ブローンマイクロファイバーを包含する)、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートを挙げることができる。多孔質基材中の開口(すなわち、開口部)は、高い通気性を促進するために十分なサイズ及び十分な数である。特定の実施形態においては、多孔質基材は、1平方センチメートル当たり少なくとも1つの開孔を有する。特定の実施形態においては、多孔質基材は、1平方センチメートル当たり225以下の開孔を有する。特定の実施形態においては、開孔は、少なくとも0.1ミリメートル(mm)の平均開口部サイズ(すなわち、開口部の最大寸法)を有する。特定の実施形態においては、開孔は、0.5センチメートル(cm)以下の平均開口部サイズ(すなわち、開口部の最大寸法)を有する。幾つかの実施形態においては、多孔質基材は、少なくとも5g/mの坪量を有する。幾つかの実施形態においては、多孔質基材は、1000g/m以下、ある実施形態においては、200g/m以下の坪量を有する。多孔質基材は、可撓性でありながら引き裂きに対して抵抗性がある場合がある。幾つかの実施形態においては、多孔質基材の厚さは、少なくとも約0.0125ミリメートル(mm)である。特定の実施形態については、多孔質基材の厚さは、約15mm以下、特定の実施形態については約3mm以下である。
【0045】
幾つかの実施形態では、基材は、水蒸気の透過を可能にする透過性材料(類)を含む。幾つかの実施形態については、基材は、米国公開特許出願番号2004/0180093及び2005/0124724に記載される親水性粒子を含有する親水性ポリマー又は疎水性ポリマーマトリックスのようなヒドロコロイドであってよい。
【0046】
多糖類又は変性多糖類、再生セルロース(例えばレーヨン)、紙、綿、カルボキシメチルセルロースなどを包含するセルロース系材料が、本発明の特定の実施形態における使用のために適している場合がある。最終的な物品が創傷包帯として使用されるように意図された、又は湿った若しくは濡れた環境において使用される本発明の実施形態においては、吸収材料を含む基材を提供することが有利である場合がある。適した収材料としては、カルボキシメチル化材料−カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化レーヨンのような、セルロース繊維から作製されるか、又はそれらを組み込んだものが挙げられる。適した市販のセルロース系繊維としては、レンジング・ファイバー社(Lenzing Fibers, Inc.)から入手可能な商標名「テンセル(TENCEL)」で知られる溶媒スパンセルロース系繊維が挙げられる。PCT国際公開特許WO1993012275 A1に開示されているような前述のテンセル(TENCEL)繊維のカルボキシメチル化変形形態もまた、本発明の特定の実施形態における使用に適している。
【0047】
幾つかの実施形態では、基材は、液体、特に創傷浸出物に対し実質的に不透過性である。
【0048】
銀組成物は、室温、典型的には約70℃未満の温度において適用することができる。銀組成物は、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、ナイフコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティングなどのような、種々の既知のコーティング技術のいずれかを用いて基材上にコーティングすることができる。幾つかの実施形態では、基材を銀組成物の浴中に浸すか又は浴中を通すことも可能である。
【0049】
銀塩の適用に続いて、物品を乾燥して色安定性の抗菌性物品を提供するのに十分な温度で及び十分な持続時間の間、液体被覆基材に穏やかな加熱を適用してもよい。十分な高温はオーブン中で得られてもよく、本発明の特定の実施形態においては、温度は100℃未満であり典型的には約50℃〜約90℃の範囲内である。あるいは、液体被覆基材は、周囲温度又は室温で空気乾燥されてもよい。実際の乾燥温度は、乾燥に充てられる時間の長さ、液体被覆基材上の銀負荷、基材の種類及び重量等に応じて変えてよい。温度は、銀塩を還元したり又は基材を酸化したりすることなしに物品を乾燥するのに十分なだけ高くすベきであるということを、当業者は理解する。この態様では、乾燥された物品は色安定性である。理論に束縛されることを望まないが、この態様で作製された本発明の物品は、部分的には使用されている非酸化性基材(類)に起因して、色安定性であると考えられる。本発明の幾つかの実施形態においては、乾燥温度は、基材が硝酸銀によって酸化されて銀金属を形成することがない限り、又は基材が溶融又は燃焼することがない限り、100℃よりも高くすることが可能である。ポリエステルは、このタイプの基材の一例である。
【0050】
特定の実施形態では、物品を乾燥し(銀組成物から溶媒を除去することによって)及び銀塩の少なくとも一部を銀金属へと還元するのに十分な温度で及び十分な持続時間の間、液体被覆基材に熱を適用して、色安定性の抗菌性物品を提供する。銀金属の少なくとも一部は銀のナノ粒子の形態にある。本明細書で使用するとき、「ナノ粒子」とは、そのサイズがナノメートル(nm)単位で測定され、少なくとも1つの寸法が約200nm未満である、微細粒子のことをいう。銀金属の形成を達成するために、液体被覆基材のための乾燥温度は室温よりも高温となされる。十分に高い温度は、オーブン中で達成され、本発明の特定の実施形態においては、温度は約95℃を超え、約95℃〜約225℃の範囲内である。幾つかの実施形態では、液体被覆基材は約100℃〜約200℃の温度で乾燥される。なお他の実施形態では、液体被覆基材は、約110℃〜約180℃の温度で乾燥される。なお他の実施形態では、液体被覆基材は約130℃〜約175℃の温度で乾燥される。実際の乾燥温度は、乾燥に充てられる時間の長さ、液体被覆基材上の銀負荷、基材の種類及び重量等に応じて変えてよい。所望される実施形態において、温度は銀(I)の還元を達成するのに十分なだけ高くなされるべきであるということを、当業者は理解する。しかし、基材の融点及び酸化の可能性についても考慮がなされなければならない。創傷包帯として使用するために適した基材材料は、例えば、高温において容易に酸化可能な材料(例えば、セルロース系材料)を含む場合があり、結果として長時間の加熱又は非常に高い温度への曝露が最終物品の品質及び/又は一体性に対して有害であり得るということを、当業者は理解するだろう。過度に高い乾燥温度は幾つかの基材材料を燃焼又は溶融させてそれらをそれらの企図される目的(例えば、創傷包帯としての)に不適合にする可能性がある。
【0051】
特定の実施形態では、最終物品は基材に固着された銀金属及び銀塩を包含する。理論に束縛されることを望まないが、液体被覆基材の加熱は、特定の実施形態では、基材を酸化して、銀塩を銀金属へと還元するものと考えられる。基材の酸化及び金属銀のナノ粒子の形成は、本発明の最終抗菌性物品の特定のものにおいて観察される色(類)及び色安定性に関与していると考えられる。白色の基材(例えば、セルロース系材料)上では、液体被覆基材を処理する熱によって、最終物品が、光及び/又は熱に曝した後長期間安定である非白色(例えば、黄色から茶色)を有することになる可能性がある。
【0052】
好ましくは、本発明の物品は光(例えば、可視光線、紫外線)に対して安定のままであるため、それらは色安定性である。好ましくは、それらは抗菌的に有効なレベルの銀イオンを放出し、本発明の特定の実施形態では、皮膚創傷に創傷包帯として容易に適用可能である。当該物品は、製造が簡単であり、一般には安定剤は添加されない。
【0053】
特定の実施形態では、本発明は、基材に適用された容易に溶解可能な銀塩(類)を含む創傷包帯を提供する。他の実施形態では、本発明は、基材に適用され及び基材上に配置された、銀金属のナノ粒子並びに容易に溶解可能な銀塩(類)を含む、創傷包帯を提供する。本明細書で使用するとき、「〜に適用される」及び「〜上に配置される」は、銀及び/又は銀塩が基材表面上にあるように銀を基材上に配置することをいい、吸収材料の場合には、基材の内部に(例えば、最も外側の表面間の吸収構造体全体に渡って)分布されてもよい。
【0054】
最終物品が創傷包帯として使用されるべき実施形態においては、抗菌有効量の銀が物品から創傷床又は同様のものへと送達されるために利用可能である。物品は典型的には有効なレベルの銀放出(例えば、30分間に100gの水中に0.01mg/g包帯よりも多く)を維持する。最終物品の色は安定(例えば、熱及び光に対して)である。本発明の特定の実施形態では、物品は、その物品を可視光線又は紫外線に曝した後、4時間よりも長く、幾つかの実施形態では8時間よりも長く、幾つかの実施形態では24時間よりも長く、色安定性である。本発明の物品の光安定性は、その物品を光を遮るパッケージ中に包装すること、又はその物品を使用すべきときまで光の当たらない環境にその物品を貯蔵することによって、延長させることができる。
【0055】
乾燥された基材上の銀の濃度(特定の実施形態においては銀塩としての、及び特定の実施形態においては銀塩プラス銀金属としての)は、好ましくは基材1キログラム(kg)当たり約40,000ミリグラム(mg)Ag未満であり、及び幾つかの実施形態では、約20,000mgAg/kg基材未満である。なお他の実施形態では、銀の濃度は約10,000mgAg/kg基材未満である。
【0056】
銀が銀塩及び銀金属として存在する本発明の実施形態では、基材上の銀の総量のうち、30%未満が典型的に銀金属として存在する。
【0057】
幾つかの実施形態では、本発明の物品は、創傷包帯及び創傷パッキング材料又は創傷に直接適用されるか若しくは創傷と接触する他の材料のような、医療用物品である。しかしながら、本発明の物品は、銀の抗菌特性が必要とされるか又は所望される他の用途(医療用及び非医療用の用途)において使用されてもよい。他の可能性のある製品としては、衣類、寝具、マスク、塵用クロス、靴の中敷、おむつ、並びにブランケット、外科用ドレープ、及びガウンなどの病院用材料が挙げられる。
【0058】
本発明の物品の安定性は、室温における相対湿度が50%以下、より好ましくは30%以下、最も好ましくは20%以下に維持される場合に、持続し及び/又は向上する場合がある。相対湿度は、本発明の物品に関して、例えば、1)物品を相対湿度30%以下、好ましくは20%以下の環境に置き、次いで同じ環境下でその物品を包装すること、2)液体被覆基材をオーブン中で乾燥し、得られた物品を直ちに包装すること、及び/又は3)物品のパッケージ内に乾燥剤を添加すること、を包含する多くの方法によって、30%、好ましくは20%、又はそれより低く低下させることができる。低い湿度を維持するために適した環境としては、低い透湿度(MVTR)を有する材料で作られたパッケージ、例えば、PET/アルミホイル/LLDPE材料構造を有するテクニ・パウチパッケージ(Techni-Pouch package)(例えば、テクニパック社(Technipaq, Inc.)(イリノイ州、クリスタルレーク(Crystal Lake))から市販)が挙げられる。
【0059】
特定の実施形態では、本発明の物品は非接着性であるが、接着剤(例えば、感圧性接着剤)を既知の態様で物品に適用できることが理解されよう。医療用物品に使用するのに適した感圧性接着剤を、本発明の物品に使用することができる。すなわち、物品の皮膚への接着を容易にするように、感圧性接着剤を本発明の物品の表面に適用することができる。物品の銀含有面が創傷又は同様のものと接触した状態で皮膚に接着保持されるように、接着剤が、例えば、物品の表面の周囲に適用されてもよい。この態様においては、創傷床の水分条件下で、物品は創傷へと銀イオンを放出して、微生物の増殖を防ぐ。
【0060】
特定の実施形態においては、創傷への接着及び付着を低減するために、銀組成物でコーティングされた基材の片面又は両面を、浸透性非接着性外側層により被覆することができる。非接着性層を、例えば、コーティング又は積層によって、基材に付着させることができる。あるいは、コーティングされた基材を、スリーブのような非接着性層内に封入することができる。非接着性層は、綿ガーゼ上のナイロン又はペルフルオロ材料コーティングのような非接着性織布又は不織布で作製することができる。非接着性層は創傷包帯の創傷への付着を防ぐ。同時に、非接着性層は、コーティングされた基材からの銀の持続放出に悪影響を与えない。
【0061】
別の実施形態では、基材又は支持基材を非接着性材料で構成することができる。例えば、米国公開特許出願番号2004/0180093、同2005/0123590、及び同2005/0124724に記載されるように、非接着性親水性ポリマーを基材又は支持材料として使用すること、又は浸透性多孔質基材上にコーティングすることができる。
【0062】
必要に応じて、コーティングされた基材を、2枚の保護フィルム(例えば、薄いポリエステルフィルム)で被覆することができる。これらのフィルムは、任意でくっつき防止処理を包含してもよく、パッケージからの抽出、及び物品の取り扱いを容易にするために機能することができる。必要に応じて、コーティングされた基材を、使用に適したサイズの個々の圧定布に切断し、密閉されたサシェ内に包装し、及び殺菌することができる。
【0063】
代表的な実施例
1.
銀組成物を基材に適用して、液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物は溶媒中に硫酸銀以外の銀塩を含み、前記銀組成物は安定剤を約100ppm未満の量で含み、
前記基材は、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、ガラス繊維、セラミック及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む工程と、
前記液体被覆基材を乾燥して、基材に適用された銀塩を含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む、抗菌性物品の製造方法。
【0064】
2.前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
【0065】
3.前記銀塩が硝酸銀である、実施形態2に記載の方法。
【0066】
4.前記銀塩が安息香酸銀である、実施形態2に記載の方法。
【0067】
5.前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
【0068】
6.前記基材が、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンブチレンコポリマー、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
7.前記基材がポリアミドを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
8.前記基材が酢酸セルロースを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
9.前記基材が、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートからなる群から選択される材料を含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
10.前記銀組成物が安定剤を、前記銀塩組成物の総重量を基準にして50ppm未満の量で含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【0073】
11.前記銀組成物が安定剤を含まない、実施形態10に記載の方法。
【0074】
12.前記液体被覆基材の乾燥は室温で達成される、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
13.前記液体被覆基材の乾燥は、約100℃未満の温度で達成される、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
14.前記色安定性の抗菌性物品は、前記基材上の銀の濃度が約40,000mgAg/kg基材未満となるように前記基材に適用された銀塩を含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
15.前記色安定性の抗菌性物品は、前記基材上の銀の濃度が約20,000mgAg/kg基材未満となるように前記基材に適用された銀塩を含む、実施形態14に記載の方法。
【0078】
16.前記色安定性の抗菌性物品は、前記基材上の銀の濃度が約10,000mgAg/kg基材未満となるように前記基材に適用された銀塩を含む、実施形態15に記載の方法。
【0079】
17.硫酸銀以外の銀塩であって、基材に適用された銀塩と、
ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、ガラス繊維、セラミック及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む基材と、を含む物品であって、
前記物品は抗菌性であり、色安定性である、物品。
【0080】
18.前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態17に記載の物品。
【0081】
19.前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態18に記載の物品。
【0082】
20.前記銀塩が硝酸銀である、実施形態19に記載の物品。
【0083】
21.前記銀塩が安息香酸銀である、実施形態19に記載の物品。
【0084】
22.前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態18に記載の物品。
【0085】
23.前記基材がポリアミドを含む、実施形態17〜22のいずれか1つに記載の物品。
【0086】
24.前記基材が酢酸セルロースを含む、実施形態17〜22のいずれか1つに記載の物品。
【0087】
25.前記基材上の銀の濃度が、約40,000mgAg/kg基材未満である、実施形態17〜24のいずれか1つに記載の物品。
【0088】
26.前記基材上の銀の濃度が、約20,000mgAg/kg基材未満である、実施形態25に記載の物品。
【0089】
27.前記基材上の銀の濃度が、約10,000mgAg/kg基材未満である、実施形態26に記載の物品。
【0090】
28.安定剤の濃度が、物品の総重量基準で約1000ppm未満である、実施形態17〜27のいずれか1つに記載の物品。
【0091】
29.安定剤の濃度が、物品の総重量基準で約500ppm未満である、実施形態28に記載の物品。
【0092】
30.安定剤の濃度が、物品の総重量基準で約100ppm未満である、実施形態29に記載の物品。
【0093】
31.銀組成物を基材に適用して液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される銀塩を含む工程と、
銀塩から銀金属を生成するのに十分な温度で前記液体被覆基材を加熱して、銀金属ナノ粒子と銀塩とを含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む、抗菌性物品の製造方法。
【0094】
32.前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態31に記載の方法。
【0095】
33.前記銀塩が硝酸銀である、実施形態32に記載の方法。
【0096】
34.前記銀塩が安息香酸銀である、実施形態32に記載の方法。
【0097】
35.前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態31に記載の方法。
【0098】
36.前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、実施形態31〜35のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
37.前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルを包含するビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、実施形態36に記載の方法。
【0100】
38.前記基材がセルロース系材料を含む、実施形態36又は37に記載の方法。
【0101】
39.前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料である、実施形態38に記載の方法。
【0102】
40.前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態38に記載の方法。
【0103】
41.前記基材が、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートからなる群から選択される材料を含む、実施形態31〜40のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
42.前記液体被覆基材の加熱は、約95℃〜約225℃の範囲内の温度で達成される、実施形態31〜41のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
43.前記液体被覆基材の加熱は、約100℃〜約200℃の範囲内の温度で達成される、実施形態42に記載の方法。
【0106】
44.前記液体被覆基材の加熱は、約110℃〜約180℃の範囲内の温度で達成される、実施形態43に記載の方法。
【0107】
45.前記液体被覆基材の加熱は、約130℃〜約175℃の範囲内の温度で達成される、実施形態44に記載の方法。
【0108】
46.前記銀塩溶液が安定剤を、前記銀組成物の総重量を基準にして100ppm未満の量で含む、実施形態31〜45のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
47.前記銀塩溶液が安定剤を含まない、実施形態46に記載の方法。
【0110】
48.前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、実施形態31〜47のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
49.銀組成物を基材に適用して液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物は硫酸銀以外の銀塩を含む工程と、
前記液体被覆基材を、銀塩から銀金属を生成するのに十分な温度で加熱して、銀金属ナノ粒子と銀塩とを含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む、抗菌性物品の製造方法。
【0112】
50.前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態49に記載の方法。
【0113】
51.前記銀塩が硝酸銀である、実施形態50に記載の方法。
【0114】
52.前記銀塩が安息香酸銀である、実施形態50に記載の方法。
【0115】
53.前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態49に記載の方法。
【0116】
54.前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、実施形態49〜53のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
55.前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料をも含む、実施形態54に記載の方法。
【0118】
56.前記基材がセルロース系材料を含む、実施形態54又は55に記載の方法。
【0119】
57.前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料を含む、実施形態56に記載の方法。
【0120】
58.前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態56に記載の方法。
【0121】
59.前記基材が、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートからなる群から選択される材料を含む、実施形態49〜58のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
60.前記液体被覆基材の加熱は、約95℃〜約225℃の範囲内の温度で達成される、実施形態49〜59のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
61.前記液体被覆基材の加熱は、約100℃〜約200℃の範囲内の温度で達成される、実施形態60に記載の方法。
【0124】
62.前記液体被覆基材の加熱は、約110℃〜約180℃の範囲内の温度で達成される、実施形態61に記載の方法。
【0125】
63.前記液体被覆基材の加熱は、約130℃〜約175℃の範囲内の温度で達成される、実施形態62に記載の方法。
【0126】
64.前記銀塩溶液が安定剤を、前記銀組成物の総重量を基準にして100ppm未満の量で含む、実施形態49〜63のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
65.前記銀塩溶液が安定剤を含まない、実施形態64に記載の方法。
【0128】
66.前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、実施形態49〜65のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
67.基材上に配置された銀金属及び銀塩を含む物品であって、前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、物品。
【0130】
68.前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態67に記載の物品。
【0131】
69.前記銀塩が硝酸銀である、実施形態68に記載の物品。
【0132】
70.前記銀塩が安息香酸銀である、実施形態68に記載の物品。
【0133】
71.前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態67に記載の物品。
【0134】
72.前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、実施形態67〜71のいずれか1つに記載の物品。
【0135】
73.前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料をも含む、実施形態72に記載の物品。
【0136】
74.前記基材がセルロース系材料を含む、実施形態72又は実施形態73に記載の物品。
【0137】
75.前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料を含む、実施形態74に記載の物品。
【0138】
76.前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態74に記載の物品。
【0139】
77.前記基材が、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートからなる群から選択される材料である、実施形態67〜76のいずれか1つに記載の物品。
【0140】
78.前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、実施形態67〜77のいずれか1つに記載の物品。
【0141】
79.前記基材上の銀の濃度が、約40,000mgAg/kg基材未満である、実施形態67〜78のいずれか1つに記載の物品。
【0142】
80.前記基材上の銀の濃度が、約20,000mgAg/kg基材未満である、実施形態79に記載の物品。
【0143】
81.前記基材上の銀の濃度が、約10,000mgAg/kg基材未満である、実施形態80に記載の物品。
【0144】
82.基材に適用された銀金属及び銀塩を含む物品であって、前記銀塩が硫酸銀以外の銀塩を含む物品。
【0145】
83.前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態82に記載の物品。
【0146】
84.前記銀塩が硝酸銀である、実施形態83に記載の物品。
【0147】
85.前記銀塩が安息香酸銀である、実施形態83に記載の物品。
【0148】
86.前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態82に記載の物品。
【0149】
87.前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、実施形態82〜86のいずれか1つに記載の物品。
【0150】
88.前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料をも含む、実施形態87に記載の物品。
【0151】
89.前記基材がセルロース系材料を含む、実施形態87又は実施形態88に記載の物品。
【0152】
90.前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料を含む、実施形態89に記載の物品。
【0153】
91.前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施形態89に記載の物品。
【0154】
92.前記基材が、ニット、織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートからなる群から選択される材料である、実施形態82〜91のいずれか1つに記載の物品。
【0155】
93.前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、実施形態82〜92のいずれか1つに記載の物品。
【0156】
94.前記基材上の銀の濃度が、約40,000mgAg/kg基材未満である、実施形態82〜93のいずれか1つに記載の物品。
【0157】
95.前記基材上の銀の濃度が、約20,000mgAg/kg基材未満である、実施形態94に記載の物品。
【0158】
96.前記基材上の銀の濃度が、約10,000mgAg/kg基材未満である、実施形態95に記載の物品。
【実施例】
【0159】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。特に指示がない限り、部及び百分率は全て重量基準であり、水は全て蒸留水であり、分子量は全て重量平均分子量である。
【0160】
I.
実施例I−1
0.316グラム(g)の硝酸銀(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)(ウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee)))及び200gの蒸留水をガラス瓶に入れて、瓶に蓋をし、室温にて振盪器中で一晩混合することによって、硝酸銀コーティング溶液を調製した。この硝酸銀溶液(およそ1000マイクログラム(μg)Ag/グラム(g))溶液およそ6グラムを、ピペットでこの溶液を移してポリスチレン皿中に収容されたメッシュを飽和することによって、アメリカン・ファイバー・アンド・フィニッシング(American Fiber and Finishing)(ノースカロライナ州、アルベマール(Albemarle))からの100%ナイロン織布(SR−823−32×28、60gsm)のおよそ10cm(4インチ)×10cm(4インチ)片上にコーティングした。このメッシュを乾燥のためにオーブン中につるす前に、およそ1グラムのコーティング溶液がメッシュから垂れ落ちた。いくらかの追加の溶液がオーブン内のメッシュから垂れ落ちた(1gと見積もられる)。コーティングされたメッシュを、強制空気オーブン(ウィスコンシン・オーブン・カンパニー(Wisconsin Oven Company)(ウィスコンシン州、イーストトロイ(East Troy))から入手可能なメマートユニバーサルオーブン(Memmert Universal Oven))内で80℃で12分間加熱することにより乾燥した。乾燥後に得られた材料は外観が白色であった。これらの被覆された試料を、アルミホイル中に巻く(光から保護する)か、およそ20〜30%相対湿度環境の環境下で蛍光(フィリップス(Philips)、F32T8/TL735、ユニバーサル(Universal)/ハイビジョン(Hi-Vision)、E4)に曝露するか、又は45〜50%の相対湿度の環境下で蛍光(フィリップス、F32T8/TL735、ユニバーサル/ハイビジョン、K4)に曝露するか、のいずれかとした。これらの試料の色の点数は、ミノルタ・クロマメータ(Minolta Chroma Meter)(コニカ・ミノルタ・フォト・イメージング・U.S.A.社(Konica Minolta Photo Imaging U.S.A., Inc.)(ニュージャージー州、モーウォー(Mahwah)製の、CR−300)を用いて経時的に測定した。結果を表I−1に示す。
【0161】
【表1】

【0162】
実施例I−2
銀溶液を安息香酸銀(アルファ・エイサー(Alfa Aesar)(マサチューセッツ州、ワードヒル(Ward Hill)))としたこと、及びこの溶液を、0.459gの安息香酸銀及び200gの蒸留水をガラス瓶中に入れることによって調製したことを除いて、実施例I−1と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた安息香酸銀溶液はおよそ1000μgAg/gであった。試料の色は白色であった。色モニタリング実験の結果を表I−2に示す。
【0163】
【表2】

【0164】
実施例I−3(比較例)
光への曝露中に、市販の創傷包帯の経時の色点数も測定した。この市販の創傷包帯、コンバテック(ConvaTec)からの商標名アクアルセル(AQUALCEL)Ag、Lot 5F05519は、塩化銀/アルギン酸銀を、安定剤として作用する高濃度のクロライドとともに含有し、初めはオフホワイトの色を有する。光への曝露中に、試料の色は目に見えて灰色になる。これらの実験の結果を表I−3に示す。
【0165】
【表3】

【0166】
実施例I−4
基材を、ミリポア(Millipore)(マサチューセッツ州、ビレリカ(Billerica))からの硝酸セルロース及び酢酸セルロースからなるメンブランフィルター(0.22μMフィルター、GSWP 047 00)としたことを除いて、実施例I−1と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は白色であった。色モニタリング実験の結果を表I−4に示す。
【0167】
【表4】

【0168】
実施例I−5
基材を、ミリポア(Millipore)(マサチューセッツ州、ビレリカ(Billerica))からの硝酸セルロース及び酢酸セルロースからなるメンブランフィルター(0.22μMフィルター、GSWP 047 00)としたことを除いて、実施例I−2と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は白色であった。色モニタリング実験の結果を表I−5に示す。
【0169】
【表5】

【0170】
実施例I−6
基材を、デュポン(E. I. du Pont de Nemours and Company)(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington))からの100%ポリエステルスパンレース不織布(ソンタラ(SONTARA)8010、45gsm)としたことを除いて、実施例I−1と同様の方法で試料を調製した。硝酸銀溶液を手袋で覆った手の指先によりポリエステル基材の孔中に機械的に誘導することによって、このポリエステル不織布を湿らせた。(手袋は、キンバリー・クラーク(Kimberly Clark)(ジョージア州、ロスウェル(Roswell))によるセーフスキン・パウダーフリーパープルニトリルエグザムグローブ(SAFESKIN powder free purple nitrile exam gloves)(Ref 55083 ラージ)であった)。試料の初めの色は白色であった。色モニタリング実験の結果を表I−6に示す。
【0171】
【表6】

【0172】
実施例I−7
硝酸銀溶液を、1.261gの硝酸銀と200gの蒸留水をガラス瓶に入れることによって調製したことを除いて、実施例I−6と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた硝酸銀溶液はおよそ4000μgAg/gであった。試料の初めの色は白色であった。色モニタリング実験の結果を表I−7に示す。
【0173】
【表7】

【0174】
実施例I−8(比較例)
基材を、サンテック・ユニオン・ジャパン(Suntec Union、Japan)からの100%綿不織布(日清紡(Nissinbo)、AN20601050 60gsm、50ppm未満のクロライドを含有)としたことを除いて、実施例I−1と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表I−8に示す。
【0175】
【表8】

【0176】
実施例I−9(比較例)
基材を、サンテック・ユニオン・ジャパン(Suntec Union,Japan)からの100%綿不織布(日清紡(Nissinbo)、AN20601050 60gsm、50ppm未満のクロライドを含有)としたことを除いて、実施例I−2と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表I−9に示す。
【0177】
【表9】

【0178】
実施例I−10(比較例)
基材を、ファーマ・ジェルシー株式会社(FA~MA JERSEY s.p.a)(イタリア)からの70%ビスコース/30%PET繊維の不織布(507030RPET P1、白、50gsm)としたことを除いて、実施例I−1と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表I−10に示す。
【0179】
【表10】

【0180】
実施例I−11(比較例)
基材を、ファーマ・ジェルシー株式会社(FA~MA JERSEY s.p.a)(イタリア)からの70%ビスコース/30%PET繊維の不織布(507030RPET P1、白、50gsm)としたことを除いて、実施例I−2と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表I−11に示す。
【0181】
【表11】

【0182】
実施例I−12(比較例)
基材を、40ppm未満のクロライドを含有する、アールストローム・グリーン・ベイ社(Ahlstrom Green Bay, Inc.)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))からの70%リヨセル(LYOCELL)繊維/30%PETの不織布(SX−156、白、50gsm、有孔FT−10)としたことを除いて、実施例I−1と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表I−12に示す。
【0183】
【表12】

【0184】
II.
実施例II−1
0.0792gの硝酸銀(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)(ウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee)))及び200gの蒸留水をガラス瓶に入れて、瓶に蓋をし、室温にて振盪器中で一晩混合することによって、硝酸銀コーティング溶液を調製した。この硝酸銀溶液(およそ250μgAg/g)溶液およそ6グラムを、ピペットでこの溶液を移してポリスチレン皿中に収容されたメッシュを飽和することによって、サンテック・ユニオン・ジャパン(Suntec Union, Japan)からの100%綿不織布(日清紡(Nissinbo)、AN20601050 60gsm、50ppm未満のクロライドを含有)のおよそ10cm(4インチ)×10cm(4インチ)片上にコーティングした。このメッシュを乾燥のためにオーブン中につるす前に、およそ1グラムのコーティング溶液がメッシュから垂れ落ちた。いくらかの追加の溶液がオーブン内のメッシュから垂れ落ちた(1gと見積もられる)。コーティングされたメッシュを、強制空気オーブン(ウィスコンシンオーブン社(Wisconsin Oven Company)(ウィスコンシン州、イーストトロイ(East Troy))から入手可能なメマートユニバーサルオーブン(Memmert Universal Oven))内で105℃で12分間加熱することにより乾燥した。乾燥後に得られた材料は外観が白色であった。これらのコーティングされた試料を、アルミホイル中に巻く(光から保護する)か、およそ10〜20%相対湿度環境の環境下で蛍光(フィリップス(Philips)、F32T8/TL735、ユニバーサル(Universal)/ハイビジョン(Hi-Vision)、E4)に曝露するか、又は45〜50%の相対湿度の環境下で蛍光(フィリップス、F32T8/TL735、ユニバーサル/ハイビジョン、K4)に曝露するか、のいずれかとした。これらの試料の色の点数は、ミノルタ・クロマメータ(Minolta Chroma Meter)(コニカ・ミノルタ・フォト・イメージングU.S.A.社(Konica Minolta Photo Imaging U.S.A., Inc.)(ニュージャージー州、モーウォー(Mahwah)製の、CR−300)を用いて経時的に測定した。結果を表II−1に示す。
【0185】
色安定性試験が終了した後、ホイル中に保護された試料及び相対湿度10〜20%で蛍光に曝露された試料を銀イオンの放出に関して分析した。前述の試料からの銀放出は、蒸留水及び硝酸ナトリウムの溶液中で、銀イオン選択性の電極(オリオン(Orion)、VWRインターナショナル(VWR International)(イリノイ州、バタビア(Batavia))から入手可能)を用いて測定した。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1341gの試料は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.45mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1140gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり1.23mgの銀イオンを放出した。
【0186】
ホイル中に保持されたコーティング試料の複製品において、合計の銀含有量の測定も行われた。銀含有量に関しては、初めに試料を硝酸及び過酸化水素を用いて蒸解し(EPA法6010参照)、次いで誘導結合プラズマ原子発光分析(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectroscopy)(ICP−AES;バリアン、ビスタプロ、AX(Varian, Vista-Pro, AX))を用いて合計の銀を測定した。平均の銀含有量は1700mgAg/kg試料であった。最初に試料を室温で2.8重量%(w/w)炭酸アンモニウム溶液で一晩抽出することによって、銀金属分析を行った。次いで浸出液を廃棄し、試料を蒸解して上記のように銀含有量を決定した。ホイル中に保持された試料に関しては、試料の銀金属含有量は120mg/kg試料であった。
【0187】
【表13】

【0188】
実施例II−2(対照)
実施例II−1において使用された非コーティング綿基材の経時の色点数もまた測定した。これらの結果は表II−2に包含される。
【0189】
【表14】

【0190】
実施例II−3(比較例)
光への曝露中に、市販の創傷包帯の経時の色点数も測定した。コンバテック(ConvaTec)から商標名アクアセル(AQUACEL)Ag、Lot 5F05519で入手可能なこの市販の創傷包帯は、塩化銀/アルギン酸銀を、安定剤として作用する高濃度のクロライドとともに含有し、初めはオフホワイトの色を有する。光への曝露中に、試料の色は目に見えて灰色になった。これらの実験の結果を表II−3に示す。
【0191】
【表15】

【0192】
実施例II−4
硝酸銀溶液を、硝酸銀0.316gと蒸留水200gをガラス瓶に入れることによって調製したことを除いて、実施例II−1と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた硝酸銀溶液はおよそ1000μgAg/gであった。試料の色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表II−4に示す。
【0193】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1320gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり4.46mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1626gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり5.21mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は6950mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は350mg/kg試料であった。
【0194】
【表16】

【0195】
実施例II−5
乾燥温度を130℃としたことを除いて、実施例II−1と同様の方法で試料を調製した。試料の色はクリーム色(薄い黄色)であった。色モニタリング実験の結果を表II−5に示す。
【0196】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1341gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.49mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1280gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり1.06mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は2000mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は160mg/kg試料であった。
【0197】
【表17】

【0198】
実施例II−6
乾燥温度を130℃としたことを除いて、実施例II−4と同様の方法で試料を調製した。試料の色は薄い黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−6に示す。
【0199】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1376gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり4.28mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1462gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり5.18mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は7650mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は530mg/kg試料であった。
【0200】
【表18】

【0201】
実施例II−7
乾燥温度を155℃としたことを除いて、実施例II−1と同様の方法で試料を調製した。試料の色は黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−7に示す。
【0202】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1426gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.31mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1307gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり0.95mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は1850mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は250mg/kg試料であった。
【0203】
【表19】

【0204】
実施例II−8
乾燥温度を155℃としたことを除いて、実施例II−4と同様の方法で試料を調製した。試料の色は黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−8に示す。
【0205】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1366gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり2.49mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1351gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり4.97mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は6900mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は900mg/kg試料であった。
【0206】
【表20】

【0207】
実施例II−9
硝酸銀溶液を、硝酸銀0.632gと蒸留水200gをガラス瓶に入れることによって調製したことを除いて、実施例II−8と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた硝酸銀溶液はおよそ2000μgAg/gであった。試料の色は金色がかった黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−9に示す。
【0208】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1308gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり9.2mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1431gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり10.8mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は16,000mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は1400mg/kg試料であった。
【0209】
【表21】

【0210】
実施例II−10
銀溶液を、安息香酸銀(アルファ・エイサー(Alfa Aesar);マサチューセッツ州、ワードヒル(Ward Hill))とし、安息香酸銀0.230g及び蒸留水200gをガラス瓶中に入れることによって調製したことを除いて、実施例II−8と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた安息香酸銀溶液はおよそ500μgAg/gであった。試料の色は黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−10に示す。
【0211】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1341gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.22mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1323gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり0.71mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は3350mgAg/kg試料であった。
【0212】
【表22】

【0213】
実施例II−11
銀溶液を安息香酸銀としたこと及びこの溶液が安息香酸銀0.459g及び蒸留水200gをガラス瓶中に入れることによって調製されたことを除いて、実施例II−10と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた安息香酸銀溶液はおよそ1000μgAg/gであった。試料の色は黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−11に示す。
【0214】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1352gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.80mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1502gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり1.50mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は6750mgAg/kg試料であった。
【0215】
【表23】

【0216】
実施例II−12
基材を、40ppm未満のクロライドを含有する100%テンセル(TENCEL)繊維の不織布(グリーン・ベイ・ノンウーブンズ社(Green Bay Nonwovens, Inc.)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))からの、SX−152、白、65gsm、24メッシュ)としたことを除いて、実施例II−11と同様の方法で試料を調製した。試料の色は金色がかった茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−12に示す。
【0217】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1662gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり1.61mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1524gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり2.34mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は7650mgAg/kg試料であった。
【0218】
【表24】

【0219】
実施例II−13
乾燥温度を180℃としたことを除いて、実施例II−4と同様の方法で試料を調製した。試料の色は金色がかった黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−13に示す。
【0220】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1476gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.44mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1550gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に、試料1g当たり0.88mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は6900mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は1200mg/kg試料であった。
【0221】
【表25】

【0222】
実施例II−14
銀溶液を、0.127gの炭酸銀(アルファ・エイサー(Alfa Aesar)(マサチューセッツ州、ワードヒル(Ward Hill)))、0.48gの炭酸アンモニウム(マリンクロフト・ベーカー社(Mallinckroft Baker, Inc.)(ニュージャージー州、フィリプスバーグ(Phillipsburg)))、及び100gの蒸留水からなるものとしたことを除いて、実施例II−10と同様の方法で試料を調製した。コーティングされた綿試料の色は、金色がかった黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−14に示す。
【0223】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1386gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.44mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1498gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり0.48mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は8150mgAg/kg試料であった。
【0224】
【表26】

【0225】
実施例II−15
銀溶液を酢酸銀とし、この溶液を、0.309gの酢酸銀(マセソン・コールマン・アンド・ベル(Matheson, Coleman, and Bell)(オハイオ州、ノルウッド(Norwood)))及び200gの蒸留水をガラス瓶に入れることによって調製し、乾燥温度を170℃としたことを除いて、実施例II−10と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた酢酸銀溶液はおよそ1000μgAg/gであった。試料の色は黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−15に示す。
【0226】
銀イオン放出測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で少なくとも14日間光に曝露された0.1525gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.71mgの銀イオンを放出した。それに対し、この実験の間ホイル中に保持された0.1528gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり0.69mgの銀イオンを放出した。
【0227】
【表27】

【0228】
実施例II−16
硝酸銀溶液を、0.632gの硝酸銀と200gの蒸留水とをガラス瓶に入れることによって調製したことを除いて、実施例II−1と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた硝酸銀溶液はおよそ2000μgAg/gであった。試料の色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表II−16に示す。
【0229】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1516gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり10.6mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1368gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり12.4mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は14000mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は800mg/kg試料であった。
【0230】
【表28】

【0231】
実施例II−17
硝酸銀溶液を、1.261gの硝酸銀と200gの蒸留水とをガラス瓶に入れることによって調製したことを除いて、実施例II−1と同様の方法で試料を調製した。この結果得られた硝酸銀溶液はおよそ4000マイクログラム(μg)Ag/グラム(g)であった。試料の色は初めはオフホワイトであり、光に曝露すると灰色の領域(まだらな)が発現した。色モニタリング実験の結果を表II−17に示す。
【0232】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1360gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり35.35mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1211gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり27.37mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は28,500mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は1400mg/kg試料であった。
【0233】
【表29】

【0234】
実施例II−18
乾燥温度を130℃としたことを除いて、実施例II−16と同様の方法で試料を調製した。試料の色は薄い黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−18に示す。
【0235】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1423gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり14.81mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1411gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり10.36mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は13,000mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は970mg/kg試料であった。
【0236】
【表30】

【0237】
実施例II−19
乾燥温度を130℃としたことを除いて、実施例II−17と同様の方法で試料を調製した。試料の色は、不均一であり、わずかにまだらの外観を与える灰色/黒色の不規則領域を含有する薄い黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−19に示す。
【0238】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1176gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり35.25mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1313gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり24.93mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は28,000mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は1500mg/kg試料であった。
【0239】
【表31】

【0240】
実施例II−20
乾燥温度を155℃としたことを除いて、実施例II−19と同様の方法で試料を調製した。試料の色は不均一であり、一方の側が他方の側と比較してより濃い金色がかった黄色であった。より薄い側を色に関して試験した。これらの結果を表II−20に示す。
【0241】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1358gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり26.32mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1395gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり18.21mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は27,500mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は3100mg/kg試料であった。
【0242】
【表32】

【0243】
実施例II−21
乾燥温度を180℃としたことを除いて、実施例II−1と同様の方法で試料を調製した。試料の色は金色がかった黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−21に示す。
【0244】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1405gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.10mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1371gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり0.52mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は1850mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は450mg/kg試料であった。
【0245】
【表33】

【0246】
実施例II−22
乾燥温度を180℃としたことを除いて、実施例II−16と同様の方法で試料を調製した。試料の色は、濃い金色がかった黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−22に示す。
【0247】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1364gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.80mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1340gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり1.88mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は16000mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は2700mg/kg試料であった。
【0248】
【表34】

【0249】
実施例II−23
乾燥温度を180℃としたことを除いて、実施例II−17と同様の方法で試料を調製した。試料の色は、焦げ茶色の外観を与える黒色部分を有する濃い茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−23に示す。
【0250】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1443gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり1.50mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1496gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり3.30mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は27500mgAg/kg試料であった。銀金属含有量は7500mg/kg試料であった。
【0251】
【表35】

【0252】
実施例II−24
乾燥温度を130℃としたことを除いて、実施例II−10と同様の方法で試料を調製した。試料の色は薄い黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−24に示す。
【0253】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1385gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり0.84mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1286gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり1.93mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は3750mgAg/kg試料であった。
【0254】
【表36】

【0255】
実施例II−25
乾燥温度を130℃としたことを除いて、実施例II−11と同様の方法で試料を調製した。試料の色は黄褐色であった。色モニタリング実験の結果を表II−25に示す。
【0256】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1377gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり3.14mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1540gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり4.01mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は6850mgAg/kg試料であった。
【0257】
【表37】

【0258】
実施例II−26
基材を、40ppm未満のクロライドを含有する100%テンセル(TENCEL)繊維の不織布(グリーン・ベイ・ノンウーブンズ社(Green Bay Nonwovens, Inc.)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))からの、SX−152、白、65gsm、24メッシュ)としたことを除いて、実施例II−8と同様の方法で試料を調製した。試料の色は金色がかった黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−26に示す。
【0259】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間光に曝露された0.1902gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり2.19mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1931gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり2.87mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は7350mgAg/kg試料であった。
【0260】
【表38】

【0261】
実施例II−27
基材を、40ppm未満のクロライドを含有する、70%リヨセル(LYOCELL)繊維/30%PETの不織布(アールストローム・グリーン・ベイ社(Ahlstrom Green Bay, Inc.)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))からの、SX−156、白、50gsm、有孔FT−10)としたことを除いて、実施例II−8と同様の方法で試料を調製した。試料の色は金色がかった黄色であった。色モニタリング実験の結果を表II−27に示す。
【0262】
銀イオン放出及び合計の銀含有量の測定は、実施例II−1に記載した通りに行った。およそ20%の相対湿度で168時間(hr)光に曝露された0.1608gの試料の量は、この試料を98gの蒸留水及び2.96gの5M硝酸ナトリウム中に入れてから30分以内に、試料1g当たり2.99mgの銀イオンを放出した。それに対し、168時間の間ホイル中に保持された0.1515gの試料は、98gの蒸留水及び2.96gの硝酸ナトリウム中に試料1g当たり6.53mgの銀イオンを放出した。平均の合計銀含有量は8450mgAg/kg試料であった。
【0263】
【表39】

【0264】
実施例II−28(比較例)
乾燥温度を80℃としたことを除いて、実施例II−4と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表II−28に示す。
【0265】
【表40】

【0266】
実施例II−29(比較例)
乾燥温度を80℃としたことを除いて、実施例II−11同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表II−29に示す。
【0267】
【表41】

【0268】
実施例II−30(比較例)
基材を、70%ビスコース/30%PET繊維の不織布(ファーマ・ジェルシー株式会社(FA-MA JERSEY S.p.A.)(イタリア)からの、507030RPET P1、白、50gsm)としたことを除いて、実施例II−28と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表II−30に示す。
【0269】
【表42】

【0270】
実施例II−31(比較例)
基材を、70%ビスコース/30%PET繊維の不織布(ファーマ・ジェルシー株式会社(FA-MA JERSEY S.p.A.)(イタリア)からの、507030RPET P1、白、50gsm)としたことを除いて、実施例II−29と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表II−31に示す。
【0271】
【表43】

【0272】
実施例II−32(比較例)
乾燥温度を80℃としたことを除いて、実施例II−27と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色はオフホワイトであった。色モニタリング実験の結果を表II−32に示す。
【0273】
【表44】

【0274】
実施例II−33
乾燥温度を155℃としたことを除いて、実施例II−30と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は金色がかった茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−33に示す。
【0275】
【表45】

【0276】
実施例II−34
乾燥温度を155℃としたことを除いて、実施例II−31と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は金色がかった茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−34に示す。
【0277】
【表46】

【0278】
実施例II−35
基材を、織布ナイロン繊維(アメリカン・ファイバー・アンド・フィニッシング(American Fiber and Finishing)(ノースカロライナ州、アルベマーレ(Albemarle))からの、SR−823−32×28、60gsm)としたことを除いて、実施例II−8と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−35に示す。
【0279】
【表47】

【0280】
実施例II−36
基材を、織布ナイロン繊維(アメリカン・ファイバー・アンド・フィニッシング(American Fiber and Finishing)(ノースカロライナ州、アルベマーレ(Albemarle))からの、SR−823−32×28、60gsm)としたことを除いて、実施例II−11と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−36に示す。
【0281】
【表48】

【0282】
実施例II−37
基材を、硝酸セルロース及び酢酸セルロースからなるメンブランフィルター(ミリポア(Millipore)(マサチューセッツ州、ビレリカ(Billerica))から入手可能な、0.22μMフィルター、GSWP 047 00)としたことを除いて、実施例II−8と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は薄い茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−37に示す。
【0283】
【表49】

【0284】
実施例II−38
基材を、硝酸セルロース及び酢酸セルロースからなるメンブランフィルター(ミリポア(Millipore)(マサチューセッツ州、ビレリカ(Billerica))から入手可能な、0.22μMフィルター、GSWP 047 00)としたことを除いて、実施例II−11と同様の方法で試料を調製した。試料の初めの色は薄い茶色であった。色モニタリング実験の結果を表II−38に示す。
【0285】
【表50】

【0286】
本明細書中に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、その全体が参照することによって組み込まれる。本発明の様々な変更や改変は、本発明の範囲及び趣旨を逸脱せずに、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で示される例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるべく意図されていないこと、並びに、かような実施例及び実施形態は、以下に示されるように、本明細書に示す請求項によってのみ限定されるべく意図されている、本発明の範囲に沿った例示としてのみ提示されること、を理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀組成物を基材に適用して、液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物は溶媒中に硫酸銀以外の銀塩を含み、前記銀組成物は安定剤を約100ppm未満の量で含み、
前記基材は、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、ガラス繊維、セラミック及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む工程と、
前記液体被覆基材を乾燥して、基材に適用された銀塩を含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む、抗菌性物品の製造方法。
【請求項2】
前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記銀塩が硝酸銀である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記銀塩が安息香酸銀である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基材が、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンコポリマー類、エチレンブチレンコポリマー類、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基材がポリアミドを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記基材が酢酸セルロースを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基材が、多孔質基材、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート及び穿孔シートからなる群から選択される材料を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記銀組成物が安定剤を、前記銀塩組成物の総重量を基準にして50ppm未満の量で含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記銀組成物が安定剤を含まない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記液体被覆基材の乾燥は室温で達成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記液体被覆基材の乾燥は、約100℃未満の温度で達成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記色安定性の抗菌性物品は、前記基材上の銀の濃度が約40,000mgAg/kg基材未満となるように前記基材に適用された銀塩を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記色安定性の抗菌性物品は、前記基材上の銀の濃度が約20,000mgAg/kg基材未満となるように前記基材に適用された銀塩を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記色安定性の抗菌性物品は、前記基材上の銀の濃度が約10,000mgAg/kg基材未満となるように前記基材に適用された銀塩を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
硫酸銀以外の銀塩であって、基材に適用された銀塩と、
ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、ガラス繊維、セラミック及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む基材と、を含む物品であって、
前記物品は抗菌性であり、かつ色安定性である、物品。
【請求項18】
前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記銀塩が硝酸銀である、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記銀塩が安息香酸銀である、請求項19に記載の物品。
【請求項22】
前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の物品。
【請求項23】
前記基材がポリアミドを含む、請求項17〜22のいずれか一項に記載の物品。
【請求項24】
前記基材が酢酸セルロースを含む、請求項17〜22のいずれか一項に記載の物品。
【請求項25】
前記基材上の銀の濃度が、約40,000mgAg/kg基材未満である、請求項17〜24のいずれか一項に記載の物品。
【請求項26】
前記基材上の銀の濃度が、約20,000mgAg/kg基材未満である、請求項25に記載の物品。
【請求項27】
前記基材上の銀の濃度が、約10,000mgAg/kg基材未満である、請求項26に記載の物品。
【請求項28】
安定剤の濃度が、物品の総重量基準で約1000ppm未満である、請求項17〜27のいずれか一項に記載の物品。
【請求項29】
安定剤の濃度が、物品の総重量基準で約500ppm未満である、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
安定剤の濃度が、物品の総重量基準で約100ppm未満である、請求項29に記載の物品。
【請求項31】
銀組成物を基材に適用して液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される銀塩を含む工程と、
銀塩から銀金属を生成するのに十分な温度で前記液体被覆基材を加熱して、銀金属ナノ粒子と銀塩とを含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む、抗菌性物品の製造方法。
【請求項32】
前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記銀塩が硝酸銀である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記銀塩が安息香酸銀である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルを包含するビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記基材がセルロース系材料を含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記基材が、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートを包含する多孔質基材からなる群から選択される材料を含む、請求項31〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記液体被覆基材の加熱は、約95℃〜約225℃の範囲内の温度で達成される、請求項31〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記液体被覆基材の加熱は、約100℃〜約200℃の範囲内の温度で達成される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記液体被覆基材の加熱は、約110℃〜約180℃の範囲内の温度で達成される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記液体被覆基材の加熱は、約130℃〜約175℃の範囲内の温度で達成される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記銀塩溶液が安定剤を、前記銀組成物の総重量を基準にして100ppm未満の量で含む、請求項31〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記銀塩溶液が安定剤を含まない、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、請求項31〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
銀組成物を基材に適用して液体被覆基材を提供する工程であって、前記銀組成物は硫酸銀以外の銀塩を含む工程と、
前記液体被覆基材を、銀塩から銀金属を生成するのに十分な温度で加熱して、銀金属ナノ粒子と銀塩とを含む色安定性の抗菌性物品を提供する工程と、を含む、抗菌性物品の製造方法。
【請求項50】
前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記銀塩が硝酸銀である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記銀塩が安息香酸銀である、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項49〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記基材がセルロース系材料を含む、請求項54又は55に記載の方法。
【請求項57】
前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記基材が、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートを包含する多孔質基材からなる群から選択される材料を含む、請求項49〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記液体被覆基材の加熱は、約95℃〜約225℃の範囲内の温度で達成される、請求項49〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記液体被覆基材の加熱は、約100℃〜約200℃の範囲内の温度で達成される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記液体被覆基材の加熱は、約110℃〜約180℃の範囲内の温度で達成される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記液体被覆基材の加熱は、約130℃〜約175℃の範囲内の温度で達成される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記銀塩溶液が安定剤を、前記銀組成物の総重量を基準にして100ppm未満の量で含む、請求項49〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記銀塩溶液が安定剤を含まない、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、請求項49〜65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
基材上に配置された銀金属及び銀塩を含む物品であって、前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、亜塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、次亜硝酸銀、銀レブニレート、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、プロピオン酸銀、ステアリン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、物品。
【請求項68】
前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項67に記載の物品。
【請求項69】
前記銀塩が硝酸銀である、請求項68に記載の物品。
【請求項70】
前記銀塩が安息香酸銀である、請求項68に記載の物品。
【請求項71】
前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項67に記載の物品。
【請求項72】
前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項67〜71のいずれか一項に記載の物品。
【請求項73】
前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項72に記載の物品。
【請求項74】
前記基材がセルロース系材料を含む、請求項72又は請求項73に記載の物品。
【請求項75】
前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料を含む、請求項74に記載の物品。
【請求項76】
前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項74に記載の物品。
【請求項77】
前記基材が、多孔質基材、ニット、織布、不織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートからなる群から選択される材料である、請求項67〜76のいずれか一項に記載の物品。
【請求項78】
前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、請求項67〜77のいずれか一項に記載の物品。
【請求項79】
前記基材上の銀の濃度が、約40,000mgAg/kg基材未満である、請求項67〜78のいずれか一項に記載の物品。
【請求項80】
前記基材上の銀の濃度が、約20,000mgAg/kg基材未満である、請求項79に記載の物品。
【請求項81】
前記基材上の銀の濃度が、約10,000mgAg/kg基材未満である、請求項80に記載の物品。
【請求項82】
基材に適用された銀金属及び銀塩を含む物品であって、前記銀塩が硫酸銀以外の銀塩を含む物品。
【請求項83】
前記銀塩が、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、フルオロケイ酸銀、パラ過ヨウ素酸三水素銀、銀レブニレート、プロピオン酸銀、酒石酸銀、マイルド銀タンパク質、銀タンパク質及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項82に記載の物品。
【請求項84】
前記銀塩が硝酸銀である、請求項83に記載の物品。
【請求項85】
前記銀塩が安息香酸銀である、請求項83に記載の物品。
【請求項86】
前記銀塩が、ヨウ素酸銀、シュウ酸銀、リン酸銀、銀スルファジアジン、サッカリン酸銀、アントラニル酸銀、次亜硝酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項82に記載の物品。
【請求項87】
前記基材が、セルロース系材料、ナイロン、ポリアミド、ポリアセテート、コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、天然ゴム、アルギネート及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項82〜86のいずれか一項に記載の物品。
【請求項88】
前記基材がまた、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、繊維ガラス、セラミック繊維、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、スチレン−エチレンブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−ブチレン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項87に記載の物品。
【請求項89】
前記基材がセルロース系材料を含む、請求項87又は請求項88に記載の物品。
【請求項90】
前記セルロース系材料が、カルボキシメチル化コットン、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維、及びカルボキシメチル化レーヨン並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される吸収性カルボキシメチル化材料を含む、請求項89に記載の物品。
【請求項91】
前記セルロース系材料が、綿、レーヨン、麻、ジュート、竹繊維、酢酸セルロース、カルボキシメチル化溶媒スパンセルロース繊維及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項89に記載の物品。
【請求項92】
前記基材が、多孔質基材、ニット、織布、押出成形多孔質シート、及び穿孔シートからなる群から選択される材料である、請求項82〜91のいずれか一項に記載の物品。
【請求項93】
前記抗菌性物品は非白色を有して色安定性である、請求項82〜92のいずれか一項に記載の物品。
【請求項94】
前記基材上の銀の濃度が、約40,000mgAg/kg基材未満である、請求項82〜93のいずれか一項に記載の物品。
【請求項95】
前記基材上の銀の濃度が、約20,000mgAg/kg基材未満である、請求項94に記載の物品。
【請求項96】
前記基材上の銀の濃度が、約10,000mgAg/kg基材未満である、請求項95に記載の物品。

【公表番号】特表2010−506945(P2010−506945A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533475(P2009−533475)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/081477
【国際公開番号】WO2008/060795
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】