抗菌性粘着製品
【課題】 ヨウ素が本来有する抗菌作用を有効に発揮できる粘着製品の提供。
【解決手段】 粘着剤層中にヨウ素−シクロデキストリン包接化物を含有する粘着製品。
【解決手段】 粘着剤層中にヨウ素−シクロデキストリン包接化物を含有する粘着製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープ、例えば粘着ラベル、粘着シート、絆創膏、手術用ドレープや医療器具の包装材などの医療用粘着製品に用いるに適した抗菌性粘着製品に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープなどの粘着製品を皮膚に貼付した場合、貼付部位は密封され、蒸れも生じるため、非常に細菌感染を起こしやすい。
【0003】
また、ざ瘡(にきび)の治療用粘着製品に、殺菌剤としてヨウ素を配合することが知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、ヨウ素自身は常温においても揮発しやすく、持続性、安定性、臭いの点で問題がある。
【0005】
一方、ヨウ素の包接化物であるヨウ素−シクロデキストリン包接化物が知られているが(特許文献2、3)、粘着製品に適用された例はなく、粘着剤中に配合した場合に、ヨウ素が本来有する抗菌作用を有効に発揮できるか不明であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2000−513347号公報(請求項14)
【特許文献2】特開昭51−88625号公報
【特許文献3】特開2002−370902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ヨウ素が本来有する抗菌作用を有効に発揮できる粘着製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)粘着剤層中にヨウ素−シクロデキストリン包接化物を含有する粘着製品。
(2)粘着剤層が多価アルコールを含有する前記(1)に記載の粘着製品。
(3)多価アルコールがエチレングリコール又はプロピレングリコールである前記(2)に記載の粘着製品。
(4)粘着剤層中の粘着剤がアクリル系粘着剤である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着製品。
(5)医療用途に用いる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着製品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ヨウ素が本来有する抗菌作用を有効に発揮できる粘着製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に用いるヨウ素−シクロデキストリン包接化物としては、特に制限はなく、粉末状、顆粒状等いずれの形態でもよい。また、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物中のヨウ素含量は、特に制限はないが、通常5〜35質量%、好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは19〜25質量%である。
【0011】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の調製に用いるヨウ素は、特に制限されるものではなく、市販品をそのまま使用してもよい。
【0012】
また、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の調製に用いるシクロデキストリンもまた、特に制限されるものではなく、市販品をそのまま使用しても、又はデンプンにBacillus macerans由来のアミラーゼを作用させることなどの公知の方法によって製造してもよい。なお、本明細書において、「シクロデキストリン」は、それぞれ6、7及び8個の環状α−(1→4)結合したD−グルコピラノース単位から構成されるα−、β−及びγ−シクロデキストリンを包含するのみならず、例えば、メチル体、プロピル体、モノアセチル体、トリアセチル体及びモノクロロトリアジニル体等の、シクロデキストリンの化学修飾体をも包含するものである。シクロデキストリンの市販品の具体例としては、CAVAMAX W6及びCAVAMAX W6 Pharma(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるα−シクロデキストリン;CAVAMAX W7及びCAVAMAX W7 PHARMA(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるβ−シクロデキストリン;CAVAMAX W8、CAVAMAX W8 Food及びCAVAMAX W8 Pharma(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるγ−シクロデキストリン;CAVASOL W7 M、CAVASOLW7 M Pharma及びCAVASOL W7 M TL(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるメチル−β−シクロデキストリン;CAVASOLW7 HP及びCAVASOL W7 HP Pharma(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン;CAVASOL W7 A(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるモノアセチル−β−シクロデキストリン;CAVASOL W7 TA(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるトリアセチル−β−シクロデキストリン;ならびにCAVASOL W7 MCT(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるモノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリンなどが挙げられる。これらのうち、安全性などを考慮すると、食品添加物として認可されるβ−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンならびにこれらの化学修飾体が好ましく使用され、特にヨウ素−シクロデキストリン包接化物内へのヨウ素の包接量の調整が容易である点を考慮すると、β−シクロデキストリン及びこの化学修飾体がシクロデキストリンとして最も好ましく使用される。
【0013】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の製法等は、例えば特開昭51−88625号公報、特開2002−370902号公報に詳細に記載されている。
【0014】
なお、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物としては、例えば、β−シクロデキストリンとヨウ素との包接体(有効ヨウ素20質量%含有品)の粉末が、「BCDI(20%)」の製品名(販売元:純正化学株式会社、製造元:日宝化学株式会社)で市販されているので、これらの市販品を用いてもよい。
【0015】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の配合量は、粘着剤(固形分)100質量部に対して、通常1質量部以上25質量部以下、好ましくは3質量部以上15質量部以下である。
【0016】
本発明において、粘着剤層の形成に用いる粘着剤としては、特に制限はなく、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、好ましくはアクリル系粘着剤が挙げられる。
【0017】
粘着剤としてアクリル系粘着剤を用いる場合、アクリル系重合体の原料単量体の主成分として用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に制限はないが、通常、エステル基を構成するアルキル基が炭素数1〜18のアルキル基である各種のアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルを使用でき、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル等を挙げることができる。
【0018】
また、アクリル系重合体を構成する単量体としては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよいし、更に共重合可能な他の単量体を併用してもよい。共重合可能な他の単量体としては、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、N−ビニルピロリドン等のアクリル系粘着剤の改質用単量体として知られる各種の単量体をいずれも使用可能である。
【0019】
これらの単量体の重合は、溶液重合、エマルジヨン重合、塊状重合等の通常の重合方法によって行われる。重合の反応温度は、通常50〜85℃、好ましくは60〜80℃である。
【0020】
溶液重合を行う場合には、アセトン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の溶媒中で、固形分濃度通常0.5〜60質量%、好ましくは5〜50質量%で、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド等の重合開始剤を用いて行われる。
【0021】
重合開始剤の配合量(固形分)は、アクリル系重合体(固形分)100質量部に対して、通常0.05〜1質量部である。
【0022】
前記アクリル系粘着剤には、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート等のイソシアナート化合物;1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のエポキシ化合物;トリスエチルアセトアセテートアルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等の金属キレート化合物;N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン、ヘキサメチレンジエチレン尿素等のイミン化合物などの架橋剤(硬化剤)を添加することもできる。
【0023】
架橋剤の配合量(固形分)は、アクリル系重合体(固形分)100質量部に対して、通常0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
【0024】
本発明の粘着製品においては、粘着剤層に多価アルコールを配合することにより、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物が粘着剤中に均一に含まれることにより平滑な粘着剤面が得られ、ヨウ素含有率の高い粘着製品を得ることができる。前記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、好ましくはエチレングリコール又はプロピレングリコールが挙げられる。
【0025】
多価アルコールの配合量は、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物100質量部に対して、好ましくは100〜1000質量部、更に好ましくは200〜600質量部である。
【0026】
粘着剤層には、前記粘着剤のほか、必要に応じて、ロジン系樹脂(水素化ロジンエステルなど)、テルペン系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂、エステルガム、油脂性フェノール樹脂等の粘着付与剤、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、プロセスオイル、ポリイソブチレン、ポリブテン、流動パラフィン、スクワレン、シリコーン油、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、ヤシ油、牛脂等の軟化剤;カオリン、タルク、ベントナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、硫酸アルミニウム、無水ケイ酸、シリカ、メタケイ酸アルミニウム、アルミナ等の充填剤;BHT、BHA、グアヤコールエステル、ノルジヒドログアヤレチック酸等の酸化防止剤を含有させてもよい。
【0027】
本発明の粘着製品は、粘着テープ、粘着ラベル、粘着シート、絆創膏、手術用ドレープや医療器具の包装材などの医療用粘着製品等を含むものであり、支持体又は剥離シート上に前記の粘着剤組成物を塗布し、粘着剤層を形成することにより得ることができる。
【0028】
本発明の粘着製品における粘着剤層の塗布量は、通常5〜200g/m2、好ましくは10〜100g/m2である。
【0029】
本発明の粘着製品の粘着剤層は支持体上に設けられる場合が多い。当該支持体としては、特に制限はなく、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド等の樹脂フィルムや、紙、合成紙、布、金属箔などが挙げられる。
【0030】
このような支持体の厚さは、通常5〜1000μm、好ましくは20〜500μmである。
【0031】
また、粘着製品の支持体を設けた反対側の面には、粘着剤層を保護するため剥離シートを積層してもよい。剥離シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリエステル等のフィルムに剥離剤としてシリコーン樹脂を塗布したものが挙げられる。
【0032】
更に、本発明の粘着製品は、前述の支持体を用いない形であってもよい。この場合、粘着製品は、粘着剤層の両面が剥離シートで保護された形状で使用される。また、剥離シートを用いずに、一方の面に粘着剤層を有し、他方の面が当該粘着剤層の粘着剤に対し剥離性を有する支持体からなら粘着製品として巻体として使用してもよい。
【0033】
本発明の粘着製品の製造に際しては、前述の粘着剤の配合物を混合撹拌した後、ナイフコーター、ロールナイフコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター等の公知の塗工装置により、前述の支持体又は剥離シート上に所望の厚さに塗工する。該配合物が溶液、懸濁液等である場合は、乾燥により溶媒等の揮発分を除去し、粘着剤層を形成する。次いで、露出した粘着剤層側に剥離シート又は支持体を積層して本発明の粘着製品が製造される。
【0034】
本発明の粘着製品は、例えば創傷被覆材、穿刺部固定部材、絆創膏等の粘着テープや、手術用ドレープ、また医療用具に貼付する粘着ラベルとして好適に用いられる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0036】
(実施例1)
アクリル酸n−ブチル65質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル32質量部、アクリル酸3質量部及び酢酸エチル50質量部の混合溶液に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.25質量部を加え、更に酢酸エチル50.25質量部を加えながら、不活性ガス雰囲気中で65℃にて12時間重合を行い、アクリル系粘着剤溶液を調製した。(固形分濃度50%)
【0037】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物(β−シクロデキストリンとヨウ素との包接体(有効ヨウ素20質量%含有品)の粉末;製品名「BCDI(20%)」;販売元:純正化学株式会社、製造元:日宝化学株式会社)100質量部に対し、プロピレングリコール400質量部を加え、予め完全に溶解させておいた。
【0038】
また、水素化ロジンエステル(荒川化学工業社製、超淡色ロジンエステルKE−311)100質量部に対し、酢酸エチル100質量部を加え、これも完全に溶解させておいた。
【0039】
前記の得られたアクリル系粘着剤100質量部(固形分)に対し、前記のヨウ素−シクロデキストリン包接化物のプロピレングリコール溶液37.04質量部、前記の水素化ロジンエステルの酢酸エチル溶液22.2質量部及びヘキサメチレンジエチレン尿素(有機多価イミン化合物系架橋剤)0.4質量部(固形分)を加えた後、混合撹拌してアクリル系粘着剤塗工液を調製した。
【0040】
前記アクリル系粘着剤塗工液を剥離シート(リンテック(株)製、商品名SP−KP85Gシロ)に乾燥後の塗布量が40g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥し、ポリウレタンフィルム(厚さ30μm)と貼り合わせ、粘着剤をポリウレタン側に転写することにより本発明の粘着テープ(粘着剤中のヨウ素含有率0.93質量%)を得た。
【0041】
(実施例2)
実施例1と同様にして得られたアクリル系粘着剤100質量部(固形分)に対し、実施例1と同様のヨウ素−シクロデキストリン包接化物のプロピレングリコール溶液59.82質量部、実施例1と同様の水素化ロジンエステルの酢酸エチル溶液22.2質量部及びヘキサメチレンジエチレン尿素(有機多価イミン化合物系架橋剤)0.4質量部(固形分)を加えた後、混合撹拌してアクリル系粘着剤塗工液を調製した。
【0042】
前記アクリル系粘着剤塗工液を剥離シート(リンテック(株)製、商品名SP−KP85Gシロ)に乾燥後の塗布量が40g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥し、ポリウレタンフィルム(厚さ30μm)と貼り合わせ、粘着剤をポリウレタン側に転写することにより本発明の粘着テープ(粘着剤中のヨウ素含有率1.31質量%)を得た。
【0043】
(実施例3)
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を溶解する溶媒をエチレングリコールとした以外は実施例1と同様の方法によって粘着テープを得た。
【0044】
(実施例4)
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を溶解する溶媒をプロピレングリコールに代えて酢酸エチルとした以外は実施例1と同様の方法によって粘着テープを得た。
【0045】
(比較例1)
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を配合しない以外は実施例1と同様の方法によって粘着テープを得た。
実施例及び比較例の粘着テープについて、下記の方法に従って、黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対する抗菌試験を行った。
【0046】
(試験方法)
(1)試験菌
大腸菌(E. coli(ATCC8739))及び黄色ブドウ球薗(S. aureus(ATCC6538))(いずれも凍結乾燥状態)を購入して使用した。
【0047】
(2)試験菌液の調製
・予備培養
菌液を白金耳を用いて5mLのNutrient broth(CM1);ニュートリエントブイヨン(OXOID社製)中に菌を移植し、32℃で約18時間静置予備培養した。
・本培養
予備培養液2mLを予備培養と同じニュートリエントブイヨン(100mL)に入れ、2.5時間振盪培養した。
【0048】
(3)抗菌試験
粘着テープの剥離シートを剥がし、粘着面を上にして固定した。
粘着面に予め用意しておいた前記の菌液(0.1mL)を滴下し、剥離シートを被せた後、シャーレ中で32℃×24時間培養した。培養中の菌液の乾燥を防止するため、シャーレ内に容器を用意し、粘着テープはその中に固定し、シャーレには水をはった。
【0049】
菌数の確認は、粘着テープ及び剥離シートを10mLの0.2%−Tween80生理食塩水(10mL)中にて十分に洗い流したものを、系列希釈した液をTryptone soya agar(CM131):トリプトンソーヤ寒天培地(OXOID社製)上に滴下し、コンラージ棒で塗り広げ、コロニー数をカウントした。
結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を配合しない比較例1の粘着テープにおいては細菌のコロニーが観察されたが、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を配合した実施例1〜4の粘着テープでは細菌のコロニーは観察されなかった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープ、例えば粘着ラベル、粘着シート、絆創膏、手術用ドレープや医療器具の包装材などの医療用粘着製品に用いるに適した抗菌性粘着製品に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープなどの粘着製品を皮膚に貼付した場合、貼付部位は密封され、蒸れも生じるため、非常に細菌感染を起こしやすい。
【0003】
また、ざ瘡(にきび)の治療用粘着製品に、殺菌剤としてヨウ素を配合することが知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、ヨウ素自身は常温においても揮発しやすく、持続性、安定性、臭いの点で問題がある。
【0005】
一方、ヨウ素の包接化物であるヨウ素−シクロデキストリン包接化物が知られているが(特許文献2、3)、粘着製品に適用された例はなく、粘着剤中に配合した場合に、ヨウ素が本来有する抗菌作用を有効に発揮できるか不明であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2000−513347号公報(請求項14)
【特許文献2】特開昭51−88625号公報
【特許文献3】特開2002−370902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ヨウ素が本来有する抗菌作用を有効に発揮できる粘着製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)粘着剤層中にヨウ素−シクロデキストリン包接化物を含有する粘着製品。
(2)粘着剤層が多価アルコールを含有する前記(1)に記載の粘着製品。
(3)多価アルコールがエチレングリコール又はプロピレングリコールである前記(2)に記載の粘着製品。
(4)粘着剤層中の粘着剤がアクリル系粘着剤である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着製品。
(5)医療用途に用いる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着製品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ヨウ素が本来有する抗菌作用を有効に発揮できる粘着製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に用いるヨウ素−シクロデキストリン包接化物としては、特に制限はなく、粉末状、顆粒状等いずれの形態でもよい。また、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物中のヨウ素含量は、特に制限はないが、通常5〜35質量%、好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは19〜25質量%である。
【0011】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の調製に用いるヨウ素は、特に制限されるものではなく、市販品をそのまま使用してもよい。
【0012】
また、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の調製に用いるシクロデキストリンもまた、特に制限されるものではなく、市販品をそのまま使用しても、又はデンプンにBacillus macerans由来のアミラーゼを作用させることなどの公知の方法によって製造してもよい。なお、本明細書において、「シクロデキストリン」は、それぞれ6、7及び8個の環状α−(1→4)結合したD−グルコピラノース単位から構成されるα−、β−及びγ−シクロデキストリンを包含するのみならず、例えば、メチル体、プロピル体、モノアセチル体、トリアセチル体及びモノクロロトリアジニル体等の、シクロデキストリンの化学修飾体をも包含するものである。シクロデキストリンの市販品の具体例としては、CAVAMAX W6及びCAVAMAX W6 Pharma(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるα−シクロデキストリン;CAVAMAX W7及びCAVAMAX W7 PHARMA(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるβ−シクロデキストリン;CAVAMAX W8、CAVAMAX W8 Food及びCAVAMAX W8 Pharma(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるγ−シクロデキストリン;CAVASOL W7 M、CAVASOLW7 M Pharma及びCAVASOL W7 M TL(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるメチル−β−シクロデキストリン;CAVASOLW7 HP及びCAVASOL W7 HP Pharma(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン;CAVASOL W7 A(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるモノアセチル−β−シクロデキストリン;CAVASOL W7 TA(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるトリアセチル−β−シクロデキストリン;ならびにCAVASOL W7 MCT(いずれも、ワッカーケミカルズ・イーストアジア株式会社製)として市販されるモノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリンなどが挙げられる。これらのうち、安全性などを考慮すると、食品添加物として認可されるβ−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンならびにこれらの化学修飾体が好ましく使用され、特にヨウ素−シクロデキストリン包接化物内へのヨウ素の包接量の調整が容易である点を考慮すると、β−シクロデキストリン及びこの化学修飾体がシクロデキストリンとして最も好ましく使用される。
【0013】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の製法等は、例えば特開昭51−88625号公報、特開2002−370902号公報に詳細に記載されている。
【0014】
なお、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物としては、例えば、β−シクロデキストリンとヨウ素との包接体(有効ヨウ素20質量%含有品)の粉末が、「BCDI(20%)」の製品名(販売元:純正化学株式会社、製造元:日宝化学株式会社)で市販されているので、これらの市販品を用いてもよい。
【0015】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物の配合量は、粘着剤(固形分)100質量部に対して、通常1質量部以上25質量部以下、好ましくは3質量部以上15質量部以下である。
【0016】
本発明において、粘着剤層の形成に用いる粘着剤としては、特に制限はなく、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、好ましくはアクリル系粘着剤が挙げられる。
【0017】
粘着剤としてアクリル系粘着剤を用いる場合、アクリル系重合体の原料単量体の主成分として用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に制限はないが、通常、エステル基を構成するアルキル基が炭素数1〜18のアルキル基である各種のアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルを使用でき、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル等を挙げることができる。
【0018】
また、アクリル系重合体を構成する単量体としては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよいし、更に共重合可能な他の単量体を併用してもよい。共重合可能な他の単量体としては、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、N−ビニルピロリドン等のアクリル系粘着剤の改質用単量体として知られる各種の単量体をいずれも使用可能である。
【0019】
これらの単量体の重合は、溶液重合、エマルジヨン重合、塊状重合等の通常の重合方法によって行われる。重合の反応温度は、通常50〜85℃、好ましくは60〜80℃である。
【0020】
溶液重合を行う場合には、アセトン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の溶媒中で、固形分濃度通常0.5〜60質量%、好ましくは5〜50質量%で、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド等の重合開始剤を用いて行われる。
【0021】
重合開始剤の配合量(固形分)は、アクリル系重合体(固形分)100質量部に対して、通常0.05〜1質量部である。
【0022】
前記アクリル系粘着剤には、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート等のイソシアナート化合物;1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のエポキシ化合物;トリスエチルアセトアセテートアルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等の金属キレート化合物;N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン、ヘキサメチレンジエチレン尿素等のイミン化合物などの架橋剤(硬化剤)を添加することもできる。
【0023】
架橋剤の配合量(固形分)は、アクリル系重合体(固形分)100質量部に対して、通常0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
【0024】
本発明の粘着製品においては、粘着剤層に多価アルコールを配合することにより、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物が粘着剤中に均一に含まれることにより平滑な粘着剤面が得られ、ヨウ素含有率の高い粘着製品を得ることができる。前記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、好ましくはエチレングリコール又はプロピレングリコールが挙げられる。
【0025】
多価アルコールの配合量は、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物100質量部に対して、好ましくは100〜1000質量部、更に好ましくは200〜600質量部である。
【0026】
粘着剤層には、前記粘着剤のほか、必要に応じて、ロジン系樹脂(水素化ロジンエステルなど)、テルペン系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂、エステルガム、油脂性フェノール樹脂等の粘着付与剤、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、プロセスオイル、ポリイソブチレン、ポリブテン、流動パラフィン、スクワレン、シリコーン油、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、ヤシ油、牛脂等の軟化剤;カオリン、タルク、ベントナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、硫酸アルミニウム、無水ケイ酸、シリカ、メタケイ酸アルミニウム、アルミナ等の充填剤;BHT、BHA、グアヤコールエステル、ノルジヒドログアヤレチック酸等の酸化防止剤を含有させてもよい。
【0027】
本発明の粘着製品は、粘着テープ、粘着ラベル、粘着シート、絆創膏、手術用ドレープや医療器具の包装材などの医療用粘着製品等を含むものであり、支持体又は剥離シート上に前記の粘着剤組成物を塗布し、粘着剤層を形成することにより得ることができる。
【0028】
本発明の粘着製品における粘着剤層の塗布量は、通常5〜200g/m2、好ましくは10〜100g/m2である。
【0029】
本発明の粘着製品の粘着剤層は支持体上に設けられる場合が多い。当該支持体としては、特に制限はなく、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド等の樹脂フィルムや、紙、合成紙、布、金属箔などが挙げられる。
【0030】
このような支持体の厚さは、通常5〜1000μm、好ましくは20〜500μmである。
【0031】
また、粘着製品の支持体を設けた反対側の面には、粘着剤層を保護するため剥離シートを積層してもよい。剥離シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリエステル等のフィルムに剥離剤としてシリコーン樹脂を塗布したものが挙げられる。
【0032】
更に、本発明の粘着製品は、前述の支持体を用いない形であってもよい。この場合、粘着製品は、粘着剤層の両面が剥離シートで保護された形状で使用される。また、剥離シートを用いずに、一方の面に粘着剤層を有し、他方の面が当該粘着剤層の粘着剤に対し剥離性を有する支持体からなら粘着製品として巻体として使用してもよい。
【0033】
本発明の粘着製品の製造に際しては、前述の粘着剤の配合物を混合撹拌した後、ナイフコーター、ロールナイフコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター等の公知の塗工装置により、前述の支持体又は剥離シート上に所望の厚さに塗工する。該配合物が溶液、懸濁液等である場合は、乾燥により溶媒等の揮発分を除去し、粘着剤層を形成する。次いで、露出した粘着剤層側に剥離シート又は支持体を積層して本発明の粘着製品が製造される。
【0034】
本発明の粘着製品は、例えば創傷被覆材、穿刺部固定部材、絆創膏等の粘着テープや、手術用ドレープ、また医療用具に貼付する粘着ラベルとして好適に用いられる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0036】
(実施例1)
アクリル酸n−ブチル65質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル32質量部、アクリル酸3質量部及び酢酸エチル50質量部の混合溶液に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.25質量部を加え、更に酢酸エチル50.25質量部を加えながら、不活性ガス雰囲気中で65℃にて12時間重合を行い、アクリル系粘着剤溶液を調製した。(固形分濃度50%)
【0037】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物(β−シクロデキストリンとヨウ素との包接体(有効ヨウ素20質量%含有品)の粉末;製品名「BCDI(20%)」;販売元:純正化学株式会社、製造元:日宝化学株式会社)100質量部に対し、プロピレングリコール400質量部を加え、予め完全に溶解させておいた。
【0038】
また、水素化ロジンエステル(荒川化学工業社製、超淡色ロジンエステルKE−311)100質量部に対し、酢酸エチル100質量部を加え、これも完全に溶解させておいた。
【0039】
前記の得られたアクリル系粘着剤100質量部(固形分)に対し、前記のヨウ素−シクロデキストリン包接化物のプロピレングリコール溶液37.04質量部、前記の水素化ロジンエステルの酢酸エチル溶液22.2質量部及びヘキサメチレンジエチレン尿素(有機多価イミン化合物系架橋剤)0.4質量部(固形分)を加えた後、混合撹拌してアクリル系粘着剤塗工液を調製した。
【0040】
前記アクリル系粘着剤塗工液を剥離シート(リンテック(株)製、商品名SP−KP85Gシロ)に乾燥後の塗布量が40g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥し、ポリウレタンフィルム(厚さ30μm)と貼り合わせ、粘着剤をポリウレタン側に転写することにより本発明の粘着テープ(粘着剤中のヨウ素含有率0.93質量%)を得た。
【0041】
(実施例2)
実施例1と同様にして得られたアクリル系粘着剤100質量部(固形分)に対し、実施例1と同様のヨウ素−シクロデキストリン包接化物のプロピレングリコール溶液59.82質量部、実施例1と同様の水素化ロジンエステルの酢酸エチル溶液22.2質量部及びヘキサメチレンジエチレン尿素(有機多価イミン化合物系架橋剤)0.4質量部(固形分)を加えた後、混合撹拌してアクリル系粘着剤塗工液を調製した。
【0042】
前記アクリル系粘着剤塗工液を剥離シート(リンテック(株)製、商品名SP−KP85Gシロ)に乾燥後の塗布量が40g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥し、ポリウレタンフィルム(厚さ30μm)と貼り合わせ、粘着剤をポリウレタン側に転写することにより本発明の粘着テープ(粘着剤中のヨウ素含有率1.31質量%)を得た。
【0043】
(実施例3)
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を溶解する溶媒をエチレングリコールとした以外は実施例1と同様の方法によって粘着テープを得た。
【0044】
(実施例4)
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を溶解する溶媒をプロピレングリコールに代えて酢酸エチルとした以外は実施例1と同様の方法によって粘着テープを得た。
【0045】
(比較例1)
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を配合しない以外は実施例1と同様の方法によって粘着テープを得た。
実施例及び比較例の粘着テープについて、下記の方法に従って、黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対する抗菌試験を行った。
【0046】
(試験方法)
(1)試験菌
大腸菌(E. coli(ATCC8739))及び黄色ブドウ球薗(S. aureus(ATCC6538))(いずれも凍結乾燥状態)を購入して使用した。
【0047】
(2)試験菌液の調製
・予備培養
菌液を白金耳を用いて5mLのNutrient broth(CM1);ニュートリエントブイヨン(OXOID社製)中に菌を移植し、32℃で約18時間静置予備培養した。
・本培養
予備培養液2mLを予備培養と同じニュートリエントブイヨン(100mL)に入れ、2.5時間振盪培養した。
【0048】
(3)抗菌試験
粘着テープの剥離シートを剥がし、粘着面を上にして固定した。
粘着面に予め用意しておいた前記の菌液(0.1mL)を滴下し、剥離シートを被せた後、シャーレ中で32℃×24時間培養した。培養中の菌液の乾燥を防止するため、シャーレ内に容器を用意し、粘着テープはその中に固定し、シャーレには水をはった。
【0049】
菌数の確認は、粘着テープ及び剥離シートを10mLの0.2%−Tween80生理食塩水(10mL)中にて十分に洗い流したものを、系列希釈した液をTryptone soya agar(CM131):トリプトンソーヤ寒天培地(OXOID社製)上に滴下し、コンラージ棒で塗り広げ、コロニー数をカウントした。
結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を配合しない比較例1の粘着テープにおいては細菌のコロニーが観察されたが、ヨウ素−シクロデキストリン包接化物を配合した実施例1〜4の粘着テープでは細菌のコロニーは観察されなかった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤層中にヨウ素−シクロデキストリン包接化物を含有する粘着製品。
【請求項2】
粘着剤層が多価アルコールを含有する請求項1記載の粘着製品。
【請求項3】
多価アルコールがエチレングリコール又はプロピレングリコールである請求項2記載の粘着製品。
【請求項4】
粘着剤層中の粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着製品。
【請求項5】
医療用途に用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着製品。
【請求項1】
粘着剤層中にヨウ素−シクロデキストリン包接化物を含有する粘着製品。
【請求項2】
粘着剤層が多価アルコールを含有する請求項1記載の粘着製品。
【請求項3】
多価アルコールがエチレングリコール又はプロピレングリコールである請求項2記載の粘着製品。
【請求項4】
粘着剤層中の粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着製品。
【請求項5】
医療用途に用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着製品。
【公開番号】特開2010−215925(P2010−215925A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140851(P2010−140851)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【分割の表示】特願2003−396081(P2003−396081)の分割
【原出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【出願人】(000227652)日宝化学株式会社 (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【分割の表示】特願2003−396081(P2003−396081)の分割
【原出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【出願人】(000227652)日宝化学株式会社 (34)
【Fターム(参考)】
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