説明

抗菌性組成物、製品及び使用方法

本発明は、抗菌性組成物を含む。より具体的には、a.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と;b.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の酸と;c.組成物の約0重量%〜約99.85重量%の水とを含み、該組成物が発泡している、抗菌性組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性組成物に関する。より具体的には、a.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と、b.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の酸と、c.組成物の約0重量%〜約99.85重量%の水と、を含み、該組成物が発泡している、抗菌性組成物に関する。
【0002】
更に、本発明は、a.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の非アニオン性界面活性剤と、b.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の酸と、c.組成物の約0重量%〜約99.85重量%の水と、を含む組成物を収容する装置に関し、その組成物が分配されるとき発泡している。
【背景技術】
【0003】
ヒト及び哺乳類の健康は、家庭、学校及び職場、並びに一般的な環境における微生物の実体の拡散により影響を受ける。実際に、ウイルス及び細菌は、学校及び職場において多くの長期欠席を誘発する、種々の疾患及び病気を引き起こし続けている。SARS(重症急性呼吸器症候群)、鳥インフルエンザ、広範囲に及ぶ食中毒等の結果として、大衆は人間及び所有物の両方の衛生化により更に関心を持つようになった。その結果、医療業界による推進として、一般に体の一部のような感染した表面に接触する任意の領域、(例えば、手洗い)、食品(例えば、未調理の肉、野菜、果物等)、調理器具、調理表面(例えば、調理台、シンク等)の洗浄が一般大衆に促されている。このような方法は、病原微生物を人の皮膚並びにその他の表面から除去する試みにおいて重要であることが知られている。結果として、当業者は、自分達の研究の焦点を、好適な抗菌性組成物、特に水の使用を伴ってあるいは伴わずに、微生物を即効的にかつ残存的に(residual)殺す組成物の同定及び展開に対する試みに合わせてきた。
【0004】
細菌及び/又はウイルスの成長を遅らせる及び/又は成長を止めるための、いくつかの最新の組成物及び方法が存在する。例えば、硬質表面、食品(例えば、果物又は野菜)及び皮膚、特に手を、ウイルス及び細菌に対して有効である抗菌性又は非薬用石鹸で洗浄することは周知である。ウイルス及び細菌の除去は、主に、抗菌剤の機能以外に、石鹸の界面活性(surfactancy)及び洗浄手順の機械的作用によることが多い。しかしながら、多くの従来の製品及び洗浄を含む衛生化方法は、「外出時(on the go)」の、つまり、消費者が流水の効果を享受することができないときの、衛生化のジレンマに対処することができない。当業者は、広域スペクトル抗菌剤を、消毒ローション、手の衛生化剤(sanitizer)、清浄拭き取り用品等に組み込むことを介して、このジレンマを解決しようと試みてきた。このような物品は、対象組成物の適用中又は適用後の水の必要性を低下させる。しかしながら、種々のリーブオン型の手の衛生化剤は、残効性を欠くという点で十分有効ではない。これは、石鹸で頻繁に洗浄するのを一般に推奨したことに対する代償であり、水は依然として細菌の拡散を防ぎ、また予防する最良の方法である。したがって、人間が頻繁に洗浄を続けて、ウイルス及び細菌の拡散を低減することが推奨されてきた。
【0005】
他の従来の抗菌性清浄化製品としては、防臭石鹸、硬質表面用清浄剤、及び手術用消毒剤が挙げられる。これらの伝統的なリンスオフ型抗菌製品は、洗浄中細菌を除去するよう配合されている。抗菌性石鹸を含むこのような製品のいくつかはまた、グラム陽性細菌に対する残効性を提供するが、グラム陰性細菌に対しては制限された残効性を提供することを示す。「残効性(Residual effectiveness)」は、一般的に、対象抗菌性が、洗浄及び/又はすすぎ過程後のある長さの期間、微生物の成長を防ぐ、又は微生物を連続的に殺すことに関与することにより、基材上の微生物の成長を制御することを意味する。グラム陰性細菌に対する制限された残効性のジレンマに取り組むために、当業者は高濃度の刺激の強い界面活性剤を最新の抗菌製品に組み込もうとしてきた。しかしながら、このような材料は、皮膚組織に乾燥及び炎症を引き起こすことが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、消費者が使用して、洗浄を伴ってあるいは伴わずに微生物を即効的にかつ残存的に殺す、適用後の皮膚への乾燥及び炎症を最小限に抑える、及び消費者が許容可能な審美性を提供することができる抗菌性組成物の同定及び展開に対する重要な必要性が依然として存在したままである。皮膚の乾燥及び炎症に関連する問題に取り組む試みにより、一般的に、有意な即効的又は残存的効果を提供するには弱すぎる高濃度の界面活性剤を組み込んでいる水性系抗菌性処方が導入された。
【0007】
ライノウイルスによる風邪の大部分は、ウイルスに汚染された手又は物体との直接接触により伝染するため、手又は表面上のウイルスを不活化することにより感染リスクを低下させることが可能である。手洗いは汚染された指の消毒に非常に有効であるが、残存活性に欠けることに悩まされている。
【0008】
したがって、即効的かつ残存的な抗菌活性を提供する、皮膚を乾燥させない又は皮膚に炎症を起こさない、皮膚上に不快な残留物を残すような不快な審美性を有しない、安定な抗菌性組成物であって、保管中経時的に有意な量の抗菌活性物質が失われない抗菌性組成物に対する必要性が依然として存在したままである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、a.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と、b.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の酸と、c.組成物の約0重量%〜約99.85重量%の水と、を含み、該組成物が発泡している、抗菌性組成物を含む。
【0010】
本発明は、更に、a.少なくとも1種の抗菌性活性物質と、b.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、非アニオン性界面活性剤と、c.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の酸と、d.組成物の約0重量%〜約99.85重量%の水と、を含み、該組成物が発泡している、抗菌性組成物に関する。
【0011】
本発明は、更に、装置内に収容された組成物を含む装置であって、前記組成物がa.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と、b.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の酸と、c.組成物の約0重量%〜約99.85重量%の水とを含む装置に関する。
【0012】
本発明は、更に、a)局所的に安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を、治療を必要とする領域に適用する工程と、b)必要に応じてその適用を繰り返す工程と、を含む、細菌を殺す方法に関する。
【0013】
本発明は、更に、a)局所的に安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を、治療を必要とする領域に適用する工程と、b)必要に応じて前記適用を繰り返す工程と、を含む、ウイルスを不活性化する方法に関する。
【0014】
本発明は、更に、a)局所的に安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を、細菌又はウイルスに接触又は感染している利用者の皮膚の領域に適用する工程と、b)必要に応じて前記適用を繰り返す工程と、を含む、哺乳類の細菌及びウイルス関連疾患を予防及び/又は治療する方法に関する。
【0015】
本発明は、更に、a)請求項1に記載の安全かつ有効な量の組成物を利用者の皮膚の領域に適用する工程と、b)必要な場合、前記組成物を実質的に利用者の皮膚全域に広げる工程と、c)前記組成物を乾燥させ、利用者の皮膚上に残存させる工程と、を含む、利用者の皮膚を衛生化する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、a.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と、b.組成物の約0.01重量%〜約15重量%の、少なくとも1種の酸と、c.組成物の約0重量%〜約99.85重量%の水と、を含み、該組成物が発泡している、抗菌性組成物を含む。
【0017】
本明細書で使用するとき、「抗菌性」とは、抗ウイルス、抗細菌、抗真菌、抗酵母、及び抗カビ活性が挙げられ、即効性及び残存性の両方である。
【0018】
本明細書で使用する時、「抗ウイルス残効性」とは、ケラチン性組織(例えば、皮膚)又は他の表面上に、適用後一定期間有効性を維持し、顕著な抗ウイルス活性を提供する残留物を残す、又はその状態を付与することを意味する。好ましくは、本明細書に記載する組成物は、ライノウイルスのような病原ウイルスにおいて、1.0対数低下、好ましくは1.5対数低下、好ましくは2.0対数低下、及び好ましくは少なくとも約3.0対数低下が、少なくとも約.25時間、少なくとも約0.5時間、少なくとも約1.0時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間維持されるような、抗ウイルス残効性を呈する。
【0019】
本明細書で使用するとき、「抗細菌残効性」とは、ケラチン性組織(例えば、皮膚)又は他の表面上に、有効性を維持し、顕著な抗細菌有効性(特にグラム陽性細菌及びグラム陰性菌に対する)を提供する残留物を残す、又はその状態を付与することを意味する。好ましくは、本明細書に記載する組成物は、大腸菌のような細菌において、少なくとも約1.0対数低下、少なくとも約1.5対数低下、及び少なくとも約2.0対数低下が、少なくとも約0.5時間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間維持されるような、抗細菌残効性を呈する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「安全かつ有効な量」は、明白な効果(例えば、細菌を殺す)を著しく誘発するのに十分であるが、重篤な副作用(例えば、過度の皮膚の炎症)を避けるのに十分低い、化合物、成分、又は組成物(適用可能なとき)の量を意味する。
【0021】
本明細書で使用するとき、語句「実質的に含まない」は、組成物が、組成物の約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満、更により好ましくは0.25重量%未満、及び更により好ましくは約0.1重量%未満、更により好ましくは0.01重量%未満の記載された成分を含むことを意味する。
【0022】
更に本明細書で使用するとき、細菌及びウイルス関連疾患に関する「治療」とは、1種若しくはそれ以上の細菌及び/若しくはウイルス関連疾患の伝染を予防する、軽減する、改善する、抑制する若しくは緩和する、並びに/又は、組成物を局所的に提供した利用者に即効性及び/若しくは残存性抗菌活性を提供する、抗菌性組成物の投与を意味する。
【0023】
本発明はまた、1種若しくはそれ以上の細菌及び/若しくはウイルス関連疾患の伝染を抑制する若しくは緩和する、並びに/又は、抗菌性組成物の投与により局所的に適応された組成物を有する表面に即効性及び/若しくは残存性抗菌活性を提供して、1種若しくはそれ以上の細菌及び/若しくはウイルス関連疾患に曝される前に、表面を衛生化及び/若しくは清浄化することを含む、「予防」方法を目的とすることができる。
【0024】
本明細書の全ての重量、測定値及び濃度は、特に指定のない限り、組成物全体に関して25℃で測定される。
【0025】
本発明の組成物及び方法のこれらの及び他の制限事項並びに本明細書に使用するのに好適な任意成分の多くについては、以下で詳細に説明する。
【0026】
全ての百分率、部及び比率は、本明細書で使用されるとき、特に指定がない限り、総組成物の重量を基準とする。列記された成分に関するとき、このような重量は全て、活性物質の量に基づくものであり、したがって特に指定がない限り、市販材料に含まれる場合のある溶媒又は副産物を含まない。
【0027】
本発明の組成物及び方法は、本明細書に記載の本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載の追加の若しくは任意の成分、構成要素若しくは制限のいずれか、又は哺乳類による使用、好ましくはヒトによる使用が意図された組成物中で有用な他のものも含むことができる、これらから成ることができる、又はこれらから本質的に成ることができる。
【0028】
組成物
本発明は、好ましくは、哺乳類の皮膚、毛髪、爪、又は他の類似のケラチン含有表面を清浄化及び/又は衛生化するために、個人により用いられる抗菌性組成物である。抗菌性組成物の好ましいpHの範囲は、約1〜約7、約2〜約6.5、約2〜約5、及び約2.6〜約4.5である。
【0029】
本発明の抗菌性組成物は、液体若しくは半液体、クリーム若しくはムース若しくはゲル又は発泡組成物であることができる。本発明の組成物及び方法を定義する目的のために想到される製品形態は、典型的には、リーブオン型組成物であり、これは組成物が哺乳類に局所的に適用され、その後(すなわち、数分以内)その上に残る、及び/又は洗い流されない及び/又は拭き取られないことを意味する。抗菌性組成物はまた、リンスオフ型であることもでき、これは組成物が哺乳類に局所的に適用され、その後(すなわち数分以内に)水ですすぎ落とされる、及び/又は他の方法で基材若しくは他の好適な除去手段を用いて拭き取られることを意味する。好ましくは、組成物はリーブオン型組成物である。抗菌性組成物は、本明細書で使用するとき、細菌、ウイルス、真菌、酵母及びカビの成長及び生存率を制御する目的のために、哺乳類の皮膚に適用するのに好適な製品を意味する。好ましくは、抗菌性組成物は効果が温和であり、これはこれらの組成物が十分な清浄化又は衛生化効果を提供するが、哺乳類を過度に乾燥させないことを意味する。本発明の組成物は、分配するとき、発泡組成物の提供に役立つことができる装置に収容することができる。
【0030】
非アニオン性界面活性剤
本発明の抗菌性組成物は、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤を含むことができる。非アニオン性界面活性剤は、哺乳類に適用するのに好適な非アニオン性界面活性剤を含む。非アニオン性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される。
【0031】
存在するとき、抗菌性組成物は、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤を、組成物の約0.01重量%〜約15重量%、約0.05重量%〜約13重量%、約0.1重量%〜約10重量%、及び約0.2重量%〜約9重量%、約1重量%〜約8重量%、及び約1重量%〜約5重量%の範囲の濃度で含む。
【0032】
非イオン性界面活性剤
抗菌性組成物は、非イオン性界面活性剤を、組成物の約0.01重量%〜約15重量%、約0.05重量%〜約13重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約9重量%、約0.25重量%〜約8重量%、約1重量%〜約8重量%、及び約1.5重量%〜約5重量%の範囲の濃度で含むことができる。
【0033】
本発明の組成物で用いるための非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、マカッチャン(McCutcheon)の洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの機能性材料(Functional Materials)、北アメリカ版(1992年)に開示されている。
【0034】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤としては、アミンオキシド、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、C〜C20アルキルアルコキシル化脂肪酸エステル、C〜C22アルキルエトキシ化エステル、C〜C20アルキルエトキシ化脂肪族アルコール、C〜C20アルキル糖エステル、C〜C20アルキルリン酸エステル、C〜C20アルキルグリセロールエステル、エトキシレート、グリセリド、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。非限定的な例としては、デシルグルコシドポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、ポリソルベート60、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20トリオレイン酸ソルビタン(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルステアリン酸ナトリウム、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート及び混合物が挙げられる。好ましくは、非イオン性界面活性剤はC12ジメチルアミンオキシドである。
【0035】
両性界面活性剤及び/又は双極性界面活性剤
抗菌性組成物は、両性界面活性剤を、組成物の約0.01重量%〜約15重量%、約0.05重量%〜約13重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約9重量%、約0.75重量%〜約7重量%、約0.75重量%〜約6重量%、及び約0.75重量%〜約5重量%の範囲の濃度で含むことができる。
【0036】
抗菌性組成物は、双極性界面活性剤を、組成物の約0.01重量%〜約15重量%、約0.05重量%〜約13重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約9重量%、約0.25重量%〜約7重量%、約1重量%〜約6重量%、及び約1重量%〜約5重量%の範囲の濃度で含むことができる。
【0037】
広範囲の両性及び/又は双極性界面活性剤を、本発明の組成物で用いることができる。特に有用なのは、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述されているもの、好ましくは窒素がカチオン状態であるものであって、この場合、その脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、該ラジカルの1つはイオン化可能な水溶性基、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、又はホスホン酸基を含有するものである。
【0038】
本発明の組成物で有用な両性界面活性剤の非限定的な例は、マカッチャン(McCutcheon)の洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)出版、及びマカッチャンの機能性材料(Functional Materials)、北アメリカ版(1992年)に開示されており、その全文を参考することにより本明細書に組み込む。
【0039】
両性界面活性剤の非限定的な例は、ベタイン、スルテイン、ヒドロキシスルテイン、アルキルイミノアセテート、イミノジアルカノエート、アミノアルカノエート及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0040】
ベタインの例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、セチルジメチルベタイン(ロンザ社(Lonza Corp.)からロンザイン(Lonzaine)16SPとして入手可能)、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、アミドベタイン及びアミドスルホベタイン(ここでは、RCONH(CHラジカルは、ベタインの窒素原子と結合している)、オレイルベタイン(ヘンケル(Henkel)から両性ベルベテックス(Velvetex)OLB−50として入手可能)、並びにコカミドプロピルベタイン(ヘンケルからベルベテックスBK−35及びBA−35として入手可能)のような、高級アルキルベタインが挙げられる。
【0041】
本明細書で使用するのは、以下の構造を有する両性界面活性剤である。
【化1】

式中、Rは、約9〜約22個の炭素原子を有する非置換の、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖のアルキルである。好ましいRは約11個〜約18個の炭素原子、より好ましくは約12個〜約18個の炭素原子、及びより好ましくは約14個〜約18個の炭素原子を有し;mは1〜約3の整数、より好ましくは約2〜約3の整数、及びより好ましくは約3であり;nは0又は1、好ましくは1であり;R及びRは、1個〜約3個の炭素原子を有し、非置換又はヒドロキシ基で1つ置換されているアルキル基から成る群から独立して選択され、好ましいR及びRはCHであり;Xは、CO、SO、及びSOから成る群から選択され;Rは、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖、非置換又はヒドロキシ基で1つ置換されている、1個〜約5個の炭素原子を有するアルキル基から成る群から選択される。XがCOであるとき、Rは、好ましくは1個又は3個の炭素原子、より好ましくは1個の炭素原子を有する。XがSO又はSOであるとき、Rは好ましくは約2個〜約4個の炭素原子、より好ましくは3個の炭素原子を有する。
【0042】
本発明の両性界面活性剤の例としては、以下の化合物が挙げられる:
セチルジメチルベタイン(この物質はまた、セチルベタインというCTFA表記を有する)
【化2】

コカミドプロピルベタイン
【化3】

式中、Rは約9〜約13個の炭素原子を有する。
【0043】
スルタイン及びヒドロキシスルタインの例としては、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(ローディア(Rhodia)からミラテイン(Mirataine)CBSとして入手可能)のような物質が挙げられる。
【化4】

式中、Rは約9〜約13個の炭素原子を有する。
【0044】
他の有用な両性界面活性剤の例は、アルキルイミノアセテート、並びに式RN[CHCOM]及びRNH(CHCOMのイミノジアルカノエート及びアミノアルカノエートであり、式中、mは1から4であり、RはC〜C22アルキル又はアルケニルであり、Mは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属アンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。更に、イミダゾリニウム及びアンモニウム誘導体も挙げられる。好適な両性界面活性剤の具体的な例としては、3−ドデシル−アミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、全文を参考として本明細書に組み込む米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されたもののような、N−高級アルキルアスパラギン酸、及び「ミラノール(Miranol)」という商品名で販売され、全文を参考として本明細書に組み込む米国特許第2,528,378号に記述されている製品が挙げられる。ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム及びこれらの混合物のようなアンホ酢酸塩も有用である。
【0045】
アンホ酢酸塩及び二アンホ酢酸塩も使用してよい。
【0046】
アンホ酢酸塩
【化5】

二アンホ酢酸塩
【化6】

アンホ酢酸塩及び二アンホ酢酸塩は、式(上記)に従い、式中、Rは、炭素原子数8〜18個の脂肪族基である。Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムのようなカチオンである。幾つかの実施形態では、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、及びココニアンホ酢酸二ナトリウムが好ましい。組成物中で用いるのに好適な双極性界面活性剤としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタインのような高級アルキルベタインを含むベタインが挙げられる。スルホベタインは、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン等で表すことができ;RCONH(CHラジカルがベタインの窒素原子に結合しているアミドベタイン及びアミドスルホベタインもまた本発明で有用である。
【0047】
カチオン性界面活性剤
抗菌性組成物は、カチオン性界面活性剤を、組成物の約0.01重量%〜約15重量%、約0.05重量%〜約13重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約9重量%、約0.25重量%〜約7重量%、約1重量%〜約6重量%、及び約1.5重量%〜約5重量%の範囲の濃度で含むことができる。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルカノールアミン、ジカルボン酸、脂肪族アルコール、コアミドプロピルPG−ジモニウムクロライドホスフェート(モナ社(Mona Corp.)からモナクアットPTC(Monaquat PTC)として市販されている)及びコカミドプロピルベタインアミドMEAクロライド(セピック(Seppic)からモンタリンC40(Montaline C40)として市販されている)のような第四級アンモニウム化合物由来のエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0048】

本発明の組成物は、少なくとも1種の酸を含むことができる。本開示の目的のために、酸は、濃縮組成物中で少なくとも部分的に解離した状態を保つプロトン供与剤として定義される。本明細書に開示する酸は、基材(例えば、製品又は皮膚)の表面上における低pH緩衝剤の作製を促進し、それにより組成物及びそれが組み込まれた製品の残存性微生物活性を延長する。
【0049】
本発明の抗菌性組成物は、少なくとも1種の酸を、組成物の約0.01重量%〜約15重量%、あるいは約0.02重量%〜約10重量%、あるいは約0.05重量%〜約7重量%、約1重量%〜約5重量%の濃度で含むことができる。
【0050】
本発明の好適な酸としては、ピログルタミン酸(PCA)、アジピン酸、グルコン酸、グリコノラクトン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グルタル酸、酒石酸、アスコルビン酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、マロン酸、サリチル酸、ポリアクリル酸、カルボキシメチルアスパラギン酸、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、オキシ二コハク酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二コハク酸、タータラート二コハク酸、タータラート一コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸、直鎖ポリ(アクリル)酸及びそのコポリマー、約250,000未満の分子量を有する架橋されたポリ(アクリル)酸、ポリ(α−ヒドロキシ)酸及びそのコポリマー、ポリスルホン酸及びそのコポリマー、カラギーニン酸(carageenic acid)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、これらの塩並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、少なくとも1種の酸は、ピログルタミン酸、コハク酸、グルタル酸及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0051】
抗菌性活性物質
本発明の抗菌性組成物は、抗菌性活性物質を含むことができる。抗菌性組成物は、抗菌性活性物質を、組成物の少なくとも約0.01重量%、あるいは約0.01重量%〜約15重量%、約0.05重量%〜約13重量%、約0.01重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約9重量%、約1重量%〜約8重量%、及び約1.5重量%〜約5重量%の濃度で含むことができる。抗菌性活性物質の非限定的な例としては、トリクロカルバン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
揮発性溶媒
抗菌組成物はまた揮発性溶媒を含むことができる。これにより、組成物は十分な抗菌効果を有することができ、また残留物をわずかしか残さずに、又は実質的に残さずに適用表面から迅速に蒸発できるため、有利である。更に、揮発性溶媒は、組成物の保存に役立つことができる。このような組成物は、水で洗い流す必要なく、手又は他の表面を衛生化するのに有用であり、よってどこでも使用できることが見出されている。揮発性溶媒の非限定的な例としては、一水酸直鎖及び分岐鎖C〜Cアルコール又はこれらの混合物が挙げられる。非限定的な例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メントール、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の組成物で特に有用なのはエタノールである。揮発性溶媒は、約0.01%〜約95%、約0.01%〜約80%、約0.01%〜約60%、約0.01%〜約30%、約0.1%〜約25%、約1%〜約20%、約4%〜約15%、約8%〜約10%の濃度で存在することができる。
【0053】
液体担体
本発明の抗菌性組成物は、液体担体物質を含むことができる。液体担体物質は、水性溶媒、揮発性溶媒及びこれらの混合物から成る群から選択される。水性溶媒の例としては、水が挙げられる。存在する場合、水は本発明の抗菌性組成物中に、組成物の約0重量%〜約99.85重量%、約10重量%〜約90重量%、約20重量%〜約80重量%、約25重量%〜約80重量%の濃度で存在する。
【0054】
追加成分
本発明の組成物は、幅広い範囲の追加成分を含むことができる。追加成分の非限定的な例としては、抗菌性金属塩、追加の温和な促進剤、追加安定剤、研磨剤、抗ニキビ剤、酸化防止剤、生物学的添加剤、化学的添加剤、着色剤、化粧用収れん剤、冷却剤、キレート剤、変性剤、薬用収れん剤、乳化剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、芳香剤化合物、保湿剤、不透明化剤、可塑剤、防腐剤、噴射剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚軟化剤、皮膚加湿剤、溶媒、発泡促進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、溶媒、紫外線吸収剤、及び増粘剤(水性及び非水性)、金属イオン封鎖剤、ビタミン、酸化防止剤、緩衝剤、角質溶解剤等、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、追加成分は、溶媒、キレート剤、防腐剤、芳香剤、緩衝剤、抗菌性金属塩及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0055】
抗菌性金属塩の非限定的な例としては、亜鉛、鉄、銅、銀、スズ、ビスマス及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
防腐剤の非限定的な例としては、塩化ベンゾアルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベン、グルタル酸クロルヘキシジン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
装置
本発明の装置は、好ましくは、本発明の抗菌性組成物を含有する。本発明の装置の非限定的な例としては、瓶、キャニスタ(canister)、容器、袋(sachet)及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、装置は透明である。透明な装置は、利用者に装置を通して組成物を見せることができる、有色及び無色の両方が挙げられる。装置は、装置から分配されるとき、発泡組成物を提供するのに役立つことができる。
【0058】
装置は、ある材料を含む。装置は、その中に組成物が収容されている単一のチャンバを有することができる、及び/又は、装置は、組成物を両方のチャンバの中に収容することができる、若しくは、組成物を作り上げる個々の成分が分離され、二重のチャンバ装置の別のチャンバ内に位置することができる二重のチャンバを有することができる。
【0059】
装置が袋であるとき、抗菌性組成物は、単一使用事象及び/又は複数の使用事象で消費者に供給することができる。好ましい例では、袋は袋内に位置するスポンジを含む。好ましくは、スポンジは高分子発泡体である。好ましくは、高分子発泡体は連続気泡型である。高分子発泡体は、任意の好適な弾力的、圧縮性、多孔質材料から製造することができる。好ましくは、高分子発泡体は、ポリウレタン、セルロース、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない材料から製造される。
【0060】
本発明で装置を製造するために用いることができる材料の非限定的な例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン(PE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール−修飾ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、配向ポリスチレン(OPS)、配向ポリプロピレン(OPP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(Terphthalate)ポリエステル(PETP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム(TPR)、金属化フィルム、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリフェン(Polyphene)及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、装置の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール−修飾ポリエチレンテレフタレート(PETG)、配向ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、ポリフェン、ガラス、金属化フィルム、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む。
【0061】
使用方法
本発明の抗菌性組成物は、種々の用途に好適である。本組成物の好適な用途としては、ウイルス、細菌;真菌、酵母及びカビの根絶、抗ウイルス残効性の提供;哺乳類の感冒、流感又は関連する呼吸器疾患の感染の予防及び/又は治療;哺乳類の下痢の予防及び/又は治療又は伝染;細菌に感染した表面との接触に起因する哺乳類の細菌関連疾患の予防及び/又は治療及び/又は伝染;硬質表面の衛生化;哺乳類の健康全般の改善;長期欠席の低減;フケ及びニキビの予防及び/又は治療;並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、確実にこれらに限定される訳ではない。感冒又は呼吸器疾患の予防又は治療の場合、風邪又は呼吸器疾患がライノウイルスにより引き起こされたとき、本明細書に開示した組成物及び製品による治療が有効であることに留意すべきである。下痢の場合、下痢がロタウイルス又は細菌により引き起こされたとき、本組成物及び/又は製品による治療が有効である。
【0062】
本発明の1つの態様では、細菌を殺す方法を提供する。方法は、安全かつ有効な量の本発明の組成物及び/又は製品を、治療を必要とする領域に局所的に適用する工程と、所望により適用後前記組成物及び/又は製品を除去する工程とを含む。本発明の別の態様では、ウイルスを不活性化する方法を開示する。この方法もまた、安全かつ有効な量の本発明の組成物及び/又は製品を、治療を必要とする領域に局所的に適用する工程と、所望により適用後前記組成物及び/又は製品を除去する工程とを含む。ウイルスを不活性化する方法は、ロタウイルス、ライノウイルス及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるウイルスの治療に有用である。
【0063】
本発明の1つの態様では、利用者の皮膚を衛生化する方法を提供する。方法は、安全かつ有効な量の本発明の組成物及び/又は製品を利用者の皮膚の領域に局所的に適用する工程と、該組成物が必要とされる利用者の皮膚の実質的に全域に広げる工程と、該組成物を乾燥させて利用者の皮膚上に残存させる工程と、所望により、適用後前記組成物及び/又は製品を除去する工程とを含む。本発明の別の態様では、抗細菌及び抗ウイルス残効性を提供する方法を提供する。方法は、好ましくは、安全かつ有効な量の本発明の組成物及び/又は製品を、治療を必要とする領域に局所的に適用する工程と、所望により適用後前記組成物を除去する工程とを含む。本発明の更に別の態様では、疾患がそれぞれライノウイルス又はロタウイルスにより引き起こされた場合、哺乳類の呼吸器疾患又は下痢を予防及び/又は治療する方法が想定される。方法は、安全かつ有効な量の本発明の組成物及び/又は製品を、治療を必要とする哺乳類の領域に局所的に適用する工程と、所望により適用後前記組成物及び/又は製品を除去する工程とを含む。更に、本発明は、哺乳類の細菌に感染した基材との接触に起因する哺乳類の細菌関連疾患の予防及び/又は治療方法を包含しようとする。方法は、安全かつ有効な量の本発明の組成物及び/又は製品を、細菌に感染している哺乳類の領域に局所的に適用する工程と、所望により適用後前記組成物及び/又は製品を除去する工程とを含む。
【0064】
本発明の組成物が有効である、治療を必要とする領域及び/又は表面の例としては、1つ又はそれ以上の手及び/又は脚、鼻、鼻管(nasal canal)又は鼻腔、耳又は外耳道若しくは耳腔(ear passage)、衣料品、硬質表面、炎症のある、ニキビの影響を受けた、又は傷ついた皮膚、手術前又は後の領域、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
抗菌性組成物の正確な量及び/又は用いられる製品の性質は、配合者及び本方法の施術者の要求及び能力に依存する。それにもかかわらず、本発明の抗菌性組成物又は製品は、ケラチン性組織に局所的に適用されるとき、それらは使用1回あたり約0.1mL又は0.1g〜約5mL又は5g、約0.4mL又は0.4g〜約4mL又は4g、約0.4mL又は0.4g〜約2mL又は2gの組成物という投与量で適用される。子供の手の場合、適用される量は、成人の手に適用される量のおよそ半分であることができるが、子供もまた大人と同じ量を受容することもできる。更に、本発明の組成物及び製品は、毎日約2〜約6回、治療を必要とする表面に局所的に適用される。適用するとすぐに、組成物を、確実に被覆するための期間、典型的には最大約30秒間、又は約20秒間、又は約10秒間、又は約5秒間、処理された表面上でこする。
【実施例】
【0066】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらは、例証の目的で与えられており、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0067】
(実施例1〜6)
【表1】

【表2】

【0068】
実施例1〜6は、まずタンクに水を加えることにより製造することができる。酸/緩衝剤、ポリクオタニウム(polyquaternium)−10、ソルビン酸カリウム、EDTA二ナトリウム、酢酸亜鉛のような成分を添加し、タンク内で水に溶解させる。次に、成分であるベンジルアルコール及びアロエベラゲルをタンクに添加する。
【0069】
次いで、非イオン性界面活性剤を加えて、ブレンドする。エタノール、芳香剤及び存在する場合トリクロサンのプレミックスを調製する。プレミックスをタンクに添加し、組成物を均質になるまで混合する。組成物を次いで装置内に定置する。
【0070】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味することを意図する。
【0071】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0072】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって本発明の範囲に含まれるすべてのこうした変更及び改変を付属の特許請求の範囲において網羅するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性組成物であって、
a.前記組成物の0.01重量%〜15重量%の、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と、
b.前記組成物の0.01重量%〜15重量%の、少なくとも1種の酸と、
c.前記組成物の0重量%〜99.85重量%の水と、
を含み、前記組成物が発泡している、抗菌性組成物。
【請求項2】
前記組成物が、リーブオン型組成物、リンスオフ型組成物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の少なくとも0.01重量%の抗菌性活性物質を更に含み、前記抗菌性活性物質が、トリクロカルバン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記抗菌性活性物質が、トリクロカルバン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記非アニオン性界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記非イオン性界面活性剤が、好ましくは、アミンオキシド、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、C〜C20アルキルアルコキシル化脂肪酸エステル、C〜C22アルキルエトキシ化エステル、C〜C20アルキルエトキシ化脂肪族アルコール、C〜C20アルキル糖エステル、C〜C20アルキルリン酸エステル、C〜C20アルキルグリセロールエステル、エトキシレート、グリセリド及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、1〜7のpH、好ましくは2〜6.5のpH、好ましくは2〜5のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の0.01重量%〜95重量%の揮発性溶媒を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
抗菌性金属塩、追加の温和な促進剤、追加安定剤、研磨剤、抗ニキビ剤、酸化防止剤、生物学的添加剤、化学的添加剤、着色剤、キレート剤、化粧用収れん剤、冷却剤、変性剤、薬用収れん剤、乳化剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、芳香剤化合物、保湿剤、不透明化剤、可塑剤、防腐剤、噴射剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚軟化剤、皮膚加湿剤、溶媒、発泡促進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、塩、溶媒、紫外線吸収剤、及び増粘剤(水性及び非水性)、金属イオン封鎖剤、ビタミン、酸化防止剤、緩衝剤、角質溶解剤等、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される追加成分を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
装置内に収容された組成物を含む装置であって、前記組成物が
a.前記組成物の0.01重量%〜15重量%の、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と、
b.前記組成物の0.01重量%〜15重量%の酸と、
c.前記組成物の0重量%〜99.85重量%の水と、
を含む、装置。
【請求項9】
前記装置が、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン(PE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール−修飾ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、配向ポリスチレン(OPS)、配向ポリプロピレン(OPP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム(TPR)、金属化フィルム、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリフェン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記組成物の少なくとも0.01重量%の抗菌性活性物質を更に含み、前記抗菌性活性物質が、トリクロカルバン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記非アニオン性界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記組成物が1〜7のpHを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記組成物の0.01重量%〜95重量%の揮発性溶媒を更に含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
抗菌性金属塩、追加の温和な促進剤、追加安定剤、研磨剤、抗ニキビ剤、酸化防止剤、生物学的添加剤、化学的添加剤、着色剤、化粧用収れん剤、冷却剤、キレート剤、変性剤、薬用収れん剤、乳化剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、芳香剤化合物、保湿剤、不透明化剤、可塑剤、防腐剤、噴射剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚軟化剤、皮膚加湿剤、溶媒、発泡促進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、塩、溶媒、紫外線吸収剤、及び増粘剤(水性及び非水性)、金属イオン封鎖剤、ビタミン、酸化防止剤、緩衝剤、角質溶解剤等、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される追加成分を更に含む、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、瓶、キャニスタ、容器、袋、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
前記装置が透明である、請求項8に記載の装置。
【請求項17】
a)安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を、治療を必要とする領域に局所的に適用する工程と、b)必要に応じて前記適用を繰り返す工程と、を含む、細菌を殺す方法。
【請求項18】
a)安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を、治療を必要とする領域に局所的に適用する工程と、b)必要に応じて前記適用を繰り返す工程と、を含む、ウイルスを不活性化する方法。
【請求項19】
a)安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を、細菌若しくはウイルスに接触又は感染している利用者の皮膚の領域に局所的に適用する工程と、b)必要に応じて前記適用を繰り返す工程と、を含む、哺乳類の細菌及びウイルス関連疾患の伝染を予防及び/又は治療及び/又は低減する方法。
【請求項20】
a)安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を、利用者の皮膚の領域に適用する工程と、b)前記組成物を必要に応じて実質的に利用者の皮膚全域に広げる工程と、c)前記組成物を乾燥させて、利用者の皮膚上に残存させる工程と、を含む、利用者の皮膚を衛生化する方法。

【公表番号】特表2010−524976(P2010−524976A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504314(P2010−504314)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/062344
【国際公開番号】WO2008/137632
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】