説明

抗菌活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド

【課題】抗菌活性を有する単離されたポリペプチドの提供。
【解決手段】本発明は、抗菌活性を有する単離されたポリペプチド及び前記ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、前記ポリヌクレオチドを含んで成る、核酸構造体、ベクター及び宿主細胞、並びに前記ポリペプチドの生成及び使用方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、抗菌活性を有する単離されたポリペプチド及び前記ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、前記ポリヌクレオチドを含んで成る、核酸構造体、ベクター及び宿主細胞、並びに前記ポリペプチドの生成及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
抗菌活性を有するポリペプチド及び前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを供給することが本発明の目的である。
【発明の概要】
【0003】
発明の要約
本発明は、C-x(3)-C-x(7,9)-C-C; C-C-x(8)-C-x-C; 又は C-x-C-x(8,11)-Cにより表されるアミノ酸配列を含んで成る、抗菌活性を有するポリペプチドに関する。
1つの態様においては、前記ポリペプチドはデフェンシンである。
【0004】
もう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、
(a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59と、
少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
【0005】
(b)(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321;又は
(ii)(i)の相補的鎖と、
少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;又は
【0006】
(c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59の、
1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失、及び/又は挿入を含んで成る変異体から成る群から選択される。
【0007】
本発明はまた、
(a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59と、
少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
【0008】
(b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321と、
少なくとも60%の同一性を有するポリヌクレオチド;及び
【0009】
(c)(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321;又は
(ii)(i)の相補的鎖と、
少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドから成る群から選択された、抗菌活性を有するポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドにも関する。
【0010】
本発明はまた、前記ポリヌクレオチドを含んで成る、核酸構造体、組換え発現ベクター及び組換え宿主細胞にも関する。
本発明はまた、抗菌活性を有するそのようなポリペプチドの生成方法に関し、ここで前記方法は、
(a)前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとする条件下で増殖し;そして (b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る。
本発明はまた、本発明のポリペプチド及びポリヌクレオチドの使用方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
抗菌活性:用語“抗菌活性”とは、微生物細菌を殺害するか、又はその増殖を阻害できる活性として本明細書において定義される。本発明においては、用語“抗菌”とは、殺細菌及び/又は静菌、及び/又は殺真菌及び/又は静真菌効果、及び/又はウィルス効果が存在することを意味し、ここで用語“殺菌”とは、細菌細胞を殺害できるものとして理解されるべきである。用語“静菌”とは、細菌増殖を阻害でき、すなわち細菌細胞の増殖を阻害できるものとして理解されるべきである。用語“殺真菌”とは、真菌を阻害でき、すなわち真菌細胞の増殖を阻害できるものとして理解されるべきである。用語“殺ウィルス”とは、ウィルスを不活性化できるものとして理解されるべきである。用語“微生物細胞”とは、細菌又は真菌細胞(酵母を包含する)を示す。
【0012】
本発明においては、用語“微生物細胞の増殖の阻害”とは、前記細胞が非増殖状態にあり、すなわちそれが増殖できないことを意味する。
本発明のためには、抗菌活性は、Lehrer など., Journal of Immunological Methods, Vol. 137 (2) pp. 167-174 (1991)により記載される方法に従って決定され得る。他方では、抗菌活性は、CLSI (Clinical and Laboratory Standards Institute; formerly known as National Committee for Clinical and Laboratory Standardsとして以前は知られている)からのNCCLSガイドラインに従って決定され得る。
【0013】
抗菌活性を有するポリペプチドは、抗菌活性を有するポリペプチドの25%(w/w)水溶液;好ましくは10%(w/w)水溶液;より好ましくは5%(w/w)水溶液;さらにより好ましくは1%(w/w)水溶液;最も好ましくは0.5%(w/w)水溶液;及び特に0.1%(w/w)水溶液における20℃での8時間(好ましくは、4時間、より好ましくは、2時間、最も好ましくは1時間、及び特に30分)のインキュベーションの後、E. コリ(DSM1576)の生存細胞の数を1/100に低めることができる。
【0014】
抗菌活性を有するポリペプチドはまた、1000ppmの濃度で添加される場合;好ましくは500ppmの濃度で添加される場合;より好ましくは250ppmの濃度で添加される場合;さらに好ましくは100ppmの濃度で添加される場合;最も好ましくは50ppmの濃度で添加される場合;及び特に25ppmの濃度で添加される場合、微生物増殖基質における25℃での24時間で、E. コリ(DSM1576)の増殖を阻害することができる。
【0015】
抗菌活性を有するポリペプチドは、抗菌活性を有するポリペプチドの25%(w/w)水溶液;好ましくは10%(w/w)水溶液;より好ましくは5%(w/w)水溶液;さらにより好ましくは1%(w/w)水溶液;最も好ましくは0.5%(w/w)水溶液;及び特に0.1%(w/w)水溶液における20℃での8時間(好ましくは、4時間、より好ましくは、2時間、最も好ましくは1時間、及び特に30分)のインキュベーションの後、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)(ATCC6633)の生存細胞の数を1/100に低めることができる。
【0016】
抗菌活性を有するポリペプチドはまた、1000ppmの濃度で添加される場合;好ましくは500ppmの濃度で添加される場合;より好ましくは250ppmの濃度で添加される場合;さらに好ましくは100ppmの濃度で添加される場合;最も好ましくは50ppmの濃度で添加される場合;及び特に25ppmの濃度で添加される場合、微生物増殖基質における25℃での24時間で、バチルス・サブチリス(ATCC6633)の増殖を阻害することができる。
【0017】
本発明のポリペプチドは、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、及びさらに最も好ましくは少なくとも100%の、
配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、
として示されるアミノ酸配列から成るポリペプチドの抗菌活性を有する。
【0018】
デフェンシン:用語“デフェンシン”とは、本明細書において使用される場合、デフェンシン種類の抗菌ペプチドに属するような、当業者により認識されるポリペプチドを意味する。ポリペプチドが本発明のデフェンシンであるかどうかを決定するために、そのようなアミノ酸配列が好ましくは、自由に入手できるHMMERソフトウェアパッケージを用いることにより、PFAMデータベースの隠されたmnrkovモデルプロフィール(HMMプロフィール)と比較される(例6を参照のこと)。
【0019】
PFAMデフェンシンファミリーは、デフェンシン_1又は"哺乳類デフェンシン" (受託番号 PF00323), デフェンシン_2 又は "節足動物デフェンシン" (受託番号PF01097), デフェンシンβ 又は "βデフェンシン" (受託番号PF00711 ), デフェンシン_プロペプ 又は"デフェンシンプロペプチド" (受託番号PF00879) 及び γ-チオニン又は "γ-チオニン ファミリー" (受託番号PF00304)を包含する。
【0020】
デフェンシンは、β−デフェンシンクラス、θ−デフェンシンクラス、昆虫(節足動物)デフェンシンクラス、又は植物デフェンシンクラスに属することができる。
1つの態様においては、本発明のデフェンシンのアミノ酸配列は、4, 5, 6, 7, 8, 9, 又は 10個のシステイン残基、好ましくは6, 7, 8, 9, 又は 10個のシステイン残基、より好ましくは6, 8, 又は10個のシステイン残基、及び最も好ましくは6又は8個のシステイン残基を含んで成る。
【0021】
デフェンシンはまた、デフェンシンクラスのいずれかの特徴的な特徴を共有する合成デフェンシンでもあり得る。
そのようなデフェンシンの例は、α- デフェンシン HNP-1 (ヒト好中球 ペプチド) HNP-2 及び HNP-3; β- デフェンシン-12, ドロソマイシン, ヘリオマイシン, γ1-プロチオニン, 昆虫デフェンシン A, 及びに開示されるPCT 出願WO 99/53053号, WO 02/085934号、WO 03/044049号、PCT/DK2005/000725号、及びPCT/DK2005/000735号を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0022】
単離されたポリペプチド:用語“単離されたポリペプチド”とは、本明細素において使用される場合、SDS−PAGEにより決定される場合、少なくとも20%の純度、好ましくは40%の純度、より好ましくは少なくとも60%の純度、さらにより好ましくは少なくとも80%の純度、最も好ましくは少なくとも90%の純度、及びさらなる最も好ましくは少なくとも95%の純度であるポリペプチドを言及する。
【0023】
実質的に純粋なポリペプチド:用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本明細書において、多くとも10%、好ましくは多くとも8%、より好ましくは多くとも6%、より好ましくは多くとも5%、より好ましくは多くとも4%、多くとも3%、さらにより好ましくは多くとも2%、最も好ましくは多くとも1%及びさらに最も好ましくは多くとも0.5%(重量による)の天然において結合される他のポリペプチド材料を含むポリペプチド調製物を示す。従って、好ましくは、実質的に純粋なポリペプチドは、調製物の存在する合計ポリペプチド材料の少なくとも92%の純度、好ましくは少なくとも94%の純度、好ましくは少なくとも95%の純度、好ましくは少なくとも96%の純度、好ましくは少なくとも97%の純度、好ましくは少なくとも98%の純度、さらに好ましくは少なくとも99%の純度、最も好ましくは少なくとも99.5%の純度、及びさらに最も好ましくは少なくとも100%(重量による)の純度である。
【0024】
本発明のポリペプチドは好ましくは、実質的に純粋な形で存在する。特に、好ましくはポリペプチドは、“実質的に純粋な形”で存在し、すなわちポリペプチド調製物は、天然において結合される他のポリペプチド材料を実質的に有さない。これは、例えば、良く知られている組換え方法、又は従来の精製方法によりポリペプチドを調製することにより達成され得る。
本明細書においては、用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、用語“単離されたポリペプチド”及び“単離された形でのポリペプチド”と同じ意味である。
【0025】
同一性:2種のアミノ酸配列間の又は2種のヌクレオチド配列間の関連性が、パラメーター“同一性”により記載される。
本発明に関しては、2種のアミノ酸配列間の同一性の程度は、FASTAプログラムパッケージのバージョン2.0xに包含されるプログラムFASTAを用いて決定され得る(W. R. Pearson and D. J. Lipman (1988), "Improved Tools for Biological Sequence Analysis", PNAS 85:2444-2448; and W. R. Pearson (1990) "Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA", Methods in Enzymology 183:63- 98を参照のこと)。使用される評点マトリックスはBLOSUM50であり、ギャップペナルティーは−12であり、そしてギャップ延長ペナルティーは−2であった。
【0026】
2種のヌクレオチド配列間の同一性の程度は、上記と同じアルゴリズム及びソフトウェアパッケージを用いて決定される。使用される評点マトリックスは同一性マトリックスであり、ギャップペナルティーは−16であり、そしてギャップ延長ペナルティーは−4であった。
【0027】
他方では、2種のアミノ酸配列は、EMBOSSパッケージ (http://emboss.org)バージョン2.8.0からのNeedleプログラムを用いることにより決定される。このNeedle−プログラムは、Needleman, S. B. and Wunsch, C. D. (1970) J. MoI. Biol. 48, 443-453に記載される世界的一列整列アルゴリズムを実行する。使用される置換マトリックスはBLOSUM62であり、ギャップ開放ペナルティーは10であり、そしてギャップ延長ペナルティーは0.5である。
【0028】
本発明のアミノ酸配列(“発明の配列”、例えば配列番号2のアミノ酸1〜49)と、異なったアミノ酸配列(“外来性配列”)との間の同一性の程度は、“発明の配列”の長さ、又はいずれにせよ、最も短い“外来性配列”の長さにより割り算された、2種の配列一列整列のオーバーラップのおける正確な適合の数として計算される。結果は、%同一性で表される。
【0029】
正確な適合は、“発明の配列”及び“外来性配列”がオーバーラップの同じ位置において同一のアミノ酸残基を有する場合、発生する(下記一列整列の例においては、配列の長さは、配列におけるアミノ酸残基の数である(例えば、配列番号2のアミノ酸1〜49の長さは49である)。
【0030】
ポリペプチドフラグメント:用語“ポリペプチドフラグメント”とは本明細書においては、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28、又はその相同配列のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失された1又は複数のアミノ酸を有するポリペプチドとして定義され、ここで前記フラグメントは抗菌活性を有する。
【0031】
副配列:用語“副配列”とは本明細書においては、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27、又はその相同配列の5’及び/又は3’末端から欠失される1又は複数のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列として定義され、ここで前記副配列は抗菌活性を有するポリペプチドフラグメントをコードする。
【0032】
対立遺伝子変異体:本明細書においては、用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の他の形のいずれかを示す。対立遺伝子変動は、天然においては、突然変異を通して発生し、そして集団内の多形現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異はサイレントであり得るか(コードされるポリペプチドの変化が存在しない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子によりコードされるポリペプチドである。
【0033】
実質的に純粋にポリヌクレオチド:用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本明細書において使用される場合、他の外来性の又は所望しないヌクレオチドを有さず、そして遺伝子構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在するポリヌクレオチド調製物を意味する。従って、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、それが天然において結合される他のポリヌクレオチド材料を、多くとも10重量%、好ましくは多くとも8重量%、より好ましくは多くとも6重量%、より好ましくは多くとも5重量%、より好ましくは多くとも4重量%、より好ましくは多くとも3重量%、さらにより好ましくは多くとも2重量%、最も好ましくは多くとも1重量%、及びさらに最も好ましくは多くとも0.5重量%含む。しかしながら、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、天然に存在する5’及び3’未翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターを含むことができる。
【0034】
好ましくは、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、少なくとも90%の純度、好ましくは少なくとも92%の純度、より好ましくは少なくとも94%の純度、より好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも96%の純度、より好ましくは少なくとも97%の純度、さらにより好ましくは少なくとも98%の純度、最も好ましくは少なくとも99%の純度、及びさらに最も好ましくは少なくとも99.5%(重量による)の純度が好ましい。本発明のポリヌクレオチドは好ましくは、実質的に純粋な形で存在する。特に、好ましくは、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、“実質的に純粋な形”で存在し、すなわちポリヌクレオチド調製物は、それが天然において結合される他のポリヌクレオチドは、用語“単離されたポリヌクレオチド”及び“単離された形でのポリヌクレオチド”と同じ意味である。ポリヌクレオチドは、ゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成起源、又はそれらのいずれかの組合せのものであり得る。
【0035】
cDNA:用語“cDNA”とは、本明細書において使用される場合、真核細胞から得られた成熟した、スプライシングされたmRNA分子から逆転写により調製され得るDNA分子として定義される。cDNAは、その対応するゲノムDNAに通常存在するイントロン配列を欠いている。初期の一次RNA転写体はmRNAへの前駆体であり、そしてそれは、成熟したスプライシングされたmRNAとして出現する前、一連の段階を通してプロセッシングされる。それらの段階は、スプライシングと呼ばれる工程によるイントロン配列の除去を包含する。従って、mRNA由来のcDNAは、いずれのイントロン配列をも欠いている。
【0036】
核酸構造体:本明細書において使用される場合、用語“核酸構造体”とは、天然に存在する遺伝子から単離され、又は他方では、天然に存在しない態様で核酸のセグメントを含むように修飾されている、一本鎖又は二本鎖核酸分子として定義される。用語“核酸構造体”とは、核酸構造体が本発明のコード配列の発現のために必要とされるすべての制御配列を含む場合、用語“発現カセット”と同じ意味である。
【0037】
制御配列:用語“制御配列”とは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のために必要であるか、又はそのために好都合であるすべての成分を包含するよう定義される。個々の制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対して生来であっても又は外来性であっても良い。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と制御配列との連結を促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーを提供され得る。
【0038】
作用可能に連結される:用語“作用可能に連結される”とは、制御配列が、ポリペプチドのコード配列の発現を指図するようポリヌクレオチド配列のコード配列に対する位置で適切に配置されている配置として本明細書において定義される。
【0039】
コード配列:本明細書において使用される場合、用語“コード配列”とは、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列を直接的に特定するヌクレオチド配列を包含する。コード配列の境界は一般的に、ATG開始コドン又は他の開始コドン、例えばGTG及びTTGにより通常開始する読取枠により決定される。コード配列は、DNA、cDNA、又は組換えヌクレオチド配列であり得る。
【0040】
発現:用語“発現”とは、ポリペプチドの生成に包含されるいずれかの段階、例えば転写、後−転写修飾、翻訳、後−翻訳修飾及び分泌(但し、それらだけには制限されない)を包含する。
【0041】
発現ベクター:本明細書においては、用語“発現ベクター”とは、本発明のポリペプチドとコードするポリヌクレオチドを含んで成り、そしてその発現を提供する追加のヌクレオチドに作用可能に連結される線状又は環状DNA分子を包含する。
【0042】
宿主細胞:用語“宿主細胞”とは、本明細書において使用される場合、本発明のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体による形質転換、トランスフェクション、トランスダクション及び同様のものに対して感受性であるいずれかの細胞型を包含する。
【0043】
修飾:用語“修飾”とは本明細書において、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、
から成るポリペプチドのいずれかの化学的修飾、及び前記ポリペプチドをコードするDNAの遺伝子操作を意味する。前記修飾は、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入、及びアミノ酸側鎖の置換;又はアミノ酸配列における類似する特徴を有する異常アミノ酸の使用であり得る。特に、修飾は、アミド化、例えばC-末端のアミド化であり得る。
【0044】
人工変異体:本明細書において使用される場合、用語“人工変異体”とは、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の修飾されたヌクレオチド配列を発現する生物により生成される抗菌活性を有するポリペプチドを意味する。修飾されたヌクレオチド配列は、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27に開示されるヌクレオチド配列の修飾により、ヒト介在を通して得られる。
【0045】
発明の特定の記載:
抗菌活性を有するポリペプチド:
第1の観点においては、本発明は、C-x(3)-C-x(7,9)-C-C; C-C-x(8)-C-x-C; 又は C-x-C-x(8,11)-Cにより表されるアミノ酸配列を含んで成る、抗菌活性を有するポリペプチドに関する。
【0046】
1つの態様においては、前記ポリペプチドは、
C-x(3)-C-x(7,9)-C-C 及び C-C-x(8)-C-x-C;又は
C-C-x(8)-C-x-C 及び C-x-C-x(8,11)-C; 又は
C-x(3)-C-x(7,9)-C-C 及び C-x-C-x(8,11)-C; 又は
C-x(3)-C-x(7,9)-C-C 及び C-C-x(8)-C-x-C 及び C-x-C-x(8,11 )-Cにより表されるアミノ酸配列を含んで成る。
【0047】
パターンC-x(3)-C-x(7,9)-C-C; C-C-x(8)-C-x-C; 及び C-x-C-x(8,11)-Cは、PROSITE (www.expasy.org/prosite/)パターン定義フォーマットを用いて解釈されるであろう:
−アミノ酸についての標準IUPAC一文字コードが使用される;
−記号“x”は、いずれかのアミノ酸が許容される位置のために使用され;
−パターンにおける個々の要素は、“−”によりその隣接物から分離され;そして
−前記パターンの要素の反復は、数値、又は括弧内の数範囲により示される。例えば、x(3)はx-x-xに対応し、x(2, 4)はx-x, 又はx-x-x, 又はx-x-x-xに対応する。
【0048】
PROSITE方法論の使用についてのより一層の情報に関しては、Sigrist など.
PROSITE: a documented database using patterns and profiles as motif descriptors. Brief Bioinform. 3:265-274 (2002)を参照のこと。
【0049】
第1の観点の態様であり得る第2の観点においては、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59(すなわち、成熟ポリペプチド)、
に対する少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、及びさらに最も好ましくは少なくとも97%の同一性の程度を有し、そして抗菌活性を有する、アミノ酸配列を含んで成るポリペプチド(この後、“相同ポリペプチド”)に関する。
【0050】
もう1つの好ましい観点においては、相同ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59と、
10個のアミノ酸、好ましくは5個のアミノ酸、より好ましくは4個のアミノ酸、さらにより好ましくは3個のアミノ酸、最も好ましくは2個のアミノ酸、及びさらに最も好ましくは1個のアミノ酸により異なるアミノ酸配列を有する。
【0051】
本発明のポリペプチドは好ましくは、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のアミノ酸配列、又はその対立遺伝子変異体;又は抗菌活性を有するそのフラグメントを含んで成る。好ましい観点においては、ポリペプチドは、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のアミノ酸配列を含んで成る。
【0052】
もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、
あるいはその対立遺伝子変異体;又は抗菌活性を有するそのフラグメントを含んで成る。
【0053】
もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59を含んで成る。
【0054】
もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のアミノ酸配列、又はその対立遺伝子変異体;又は抗菌活性を有するそのフラグメントから成る。もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のアミノ酸配列から成る。
【0055】
もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、又はその対立遺伝子変異体;又は抗菌活性を有するそのフラグメントから成る。
【0056】
もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59から成る。
【0057】
第2の観点においては、本発明は、
(i) 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321、
【0058】
(ii)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321に含まれるcDNA配列、
【0059】
(iii)上記(i)及び(ii)の副配列、又は(iv)(i), (ii)又は(iii)の相補鎖と、非常に低い緊縮条件、好ましくは低い緊縮条件、より好ましくは中位の緊縮条件、より好ましくは中位の高い緊縮条件、さらにより好ましくは高い緊縮条件、及び最も好ましくは非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる抗菌活性を有する単離されたポリペプチドに関する(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatus, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York)。
【0060】
配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の副配列は、少なくとも100個の連続したヌクレオチド、又は好ましくは少なくとも200個の連続したヌクレオチドを含む。さらに、副配列は、抗菌活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。
【0061】
配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27のヌクレオチド配列、又はそれらの副配列、及び配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のアミノ酸配列又はそのフラグメントは、当業界において良く知られている方法に従って、異なった属又は種の株からの抗菌活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定し、そしてクローン化するための核酸プローブを企画するために使用され得る。
【0062】
特に、そのようなプローブは、そこにおける対応する遺伝子を同定し、そして単離するために、標準のサザンブロット方法に従って、興味ある属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションのために使用され得る。そのようなプローブは、完全な配列よりも相当に短いが、しかし少なくとも14個、好ましくは少なくとも25個、より好ましくは少なくとも35個、及び最も好ましくは少なくとも70個の長さのヌクレオチドであるべきである。
【0063】
しかしながら、好ましくは、核酸プローブは少なくとも100個の長さのヌクレオチドである。例えば、核酸プローブは、少なくとも200個、好ましくは少なくとも270個の長さのヌクレオチドであり得る。DNA及びRNAの両プローブが使用され得る。プローブは典型的には、対応する遺伝子を検出するためにラベルされる(例えば、32P, 3H, 35S, ビオチン、又はアビジンにより)。そのようなプローブは、本発明により包含される。
【0064】
従って、そのような他の生物から調製されたゲノムDNA又はcDNAライブラリーは、上記に記載されるプローブとハイブリダイズし、そして抗菌活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーンされ得る。そのような生物からのゲノム又は他のDNAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、又は他の分離技法により分離され得る。ライブラリーからのDNA又は分離されたDNAが、ニトロセルロース又は他の適切なキャリヤー材料に移行され、そしてその上に固定され得る。配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27、又はその副配列と相同であるクローン又はDNA、又はその副配列を同定するためには、キャリヤー材料がサザンブロットに使用される。
【0065】
本発明のためには、ハイブリダイゼーションは、ヌクレオチド配列が、非常に低い〜非常に高い緊縮条件下で、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27で示されるヌクレオチド配列、その相補的鎖、又はその副配列に対応するラベルにされた核酸プローブにハイブリダイズすることを示す。核酸プローブがそれらの条件下でハイブリダイズする分子は、X−線フィルムを用いて検出される。
【0066】
好ましい観点においては、核酸プローブは、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のポリペプチド又はその副配列をコードするポリヌクレオチド配列である。もう1つの好ましい観点においては、核酸プローブは、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27である。もう1つの好ましい観点においては、核酸プローブは、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の成熟ポリペプチドコード領域である。
【0067】
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長さの長いプローブに関して、非常に低い〜非常に高い緊縮条件は、最適には12〜24時間の標準のサザンブロット方法に従っての、5×SSPE、 0.3%SDS、 200μg/ml の剪断され、そして変性されたサケ精子DNA、及び25%ホルムアミド(非常に低い及び低い緊縮に関して)、35%ホルムアミド(中位及び中−高緊縮に関して)、又は50%ホルムアミド(高い及び非常に高い緊縮に関して)における42℃でのプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションとして定義される。
【0068】
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長いプローブに関しては、キャリヤー材料は最終的に、2×SSC、 0.2%SDS溶液を用いて、好ましくは少なくとも45℃(非常に低い緊縮)、より好ましくは少なくとも50℃(低い緊縮)、より好ましくは少なくとも55℃(中位の高い緊縮)、より好ましくは少なくとも60℃(中−高緊縮)、さらにより好ましくは少なくとも65℃(高い緊縮)及び最も好ましくは少なくとも70℃(非常に高い緊縮)で、それぞれ15分間、3度洗浄される。
【0069】
約15個〜約70個の長さのヌクレオチドである短いプローブに関しては、緊縮条件は、0.9MのNaCl、0.09Mのトリス−HCl, pH7.6、 6mM のEDTA、 0.5のNP-40, 1×Denhardt’s溶液、1mMのピロリン酸ナトリウム、1mMの一塩基性リン酸ナトリウム、0.1mMのATP及び0.2mgの酵母RNA(ml当たり)における、Bolton and McCarthy(1962、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 48: 1390)に従って計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度での標準のサザンブロット方法に従ってのプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション、及び後−ハイブリダイゼーション洗浄として定義される。
【0070】
約15個〜約70個の長さのヌクレオチドである短いプローブに関しては、キャリヤー材料は、6×SSC及び0.1%SDSにより15分間、1度、及び6×SSCを用いて、計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度でそれぞれ15分間、2度、洗浄される。
【0071】
第3の観点においては、本発明は、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28又はその成熟ポリペプチドの1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失、及び/又は挿入を含んで成る人工変異体に関する。好ましくは、好ましくは、アミノ酸変更は、タンパク質の折りたたみ及び/又は活性に実質的に影響を及ぼさない保存性アミノ酸置換又は挿入;典型的には1〜約30個のアミノ酸の小さな欠失;小さなアミノ−又はカルボキシル−末端延長、例えばアミノ末端メチオニン残基の延長;約20〜25個までの残基の小さなリンカーペプチドの延長;又は実効電荷又は他の機能、例えばポリヒスチジン系、抗原性エピトープ又は結合ドメインを変えることにより精製を促進する小さな延長であるマイナーな性質のものである。
【0072】
保存性置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)のグループ内である。一般的に、非活性を変更しないアミノ酸置換は当業界において知られており、そしてたとえば、H. Neurath and R.L. Hill, 1979, The Proteins, Academic Press, New York により記載されている。最も通常生じる交換は次のものである: Ala/Ser, Val/Ile, Asp/Glu, Thr/Ser, Ala/Gly, Ala/Thr, Ser/Asn, Ala/Val, Ser/Gly, Tyr/Phe, Ala/ Pro, Lys/Arg, Asp/Asn, Leu/Ile, Leu/Val, Ala/Glu及びAsp/Gly並びにそれらの逆。
【0073】
20個の標準アミノ酸の他に、非標準アミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン、6−N−メチルリシン、2−アミノイソ酪酸、イソバリン及びα−メチルセリン)が、野生型ポリペプチドのアミノ酸残基により置換され得る。制限された数の非保存性のアミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、アミノ酸残基により置換され得る。“不自然なアミノ酸”は、タンパク質合成の後、修飾され、そして/又は標準のアミノ酸の化学構造とは異なる、それらの側鎖に化学構造を有している。不自然なアミノ酸は、化学的に合成され得、そして好ましくは、市販されており、そしてピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−メチルプロリン及び3,3−ジメチルプロリンを包含する。
【0074】
他方では、アミノ酸変化は、ポリペプチドの生理化学的性質が変更されるような性質のものである。例えば、アミノ酸変化は、ポリペプチドの熱安定性を改良し、基質変異性を変更し、pH最適性を変え、そして同様のことをする。
【0075】
親ポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発、又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-1085, 1989)。後者の技法においては、単一のアラニンの突然変異が分子におけるあらゆる残基に導入され、そして得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するために、生物学的活性(すなわち、抗菌活性)について試験される。また、Hilton など., J. Biol. Chem. 271: 4699-4708, 1996を参照のこと。
【0076】
酵素又は他の生物学的相互作用の活性部位はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異に関して、核磁気共鳴、結晶学、電子回折、又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、構造の物理的分析によっても決定され得る。例えば、de Vos など., Science 255: 306-312, 1992; Smith など., J. Mol. Biol. 224: 899-904, 1992; Wlodaver など., FEBS Lett. 309: 59-64, 1992を参照のこと。必須アミノ酸の本体はまた、本発明のポリペプチドに関連するポリペプチドとの同一性の分析からも推定され得る。
【0077】
単一又は複数のアミノ酸置換は、突然変異誘発、組換え及び/又はシャフリング、続く適切なスクリーニング方法、例えばReidhaar-Olson and Sauer (Science 241: 53-57, 1988), Bowie and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-2156, 1989), WO95/17413号又はWO95/22625号により開示される既知の方法を用いて、生成され、そして試験され得る。使用され得る他の方法は、エラープロンPCR、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30: 10832-10837, 1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号;Huse, WIPO Publication WO92/06204号)及び特定領域の突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46: 145, 1986; Ner など., DNA 7: 127, 1988)を包含する。
【0078】
突然変異誘発/シャフリング方法は、宿主細胞においてクローン化され、突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために、高い処理量の自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子は、宿主細胞から回収され、そして近代装置を用いて急速に配列決定され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける重要な個々のアミノ酸残基の急速な決定を可能にし、そして未知の構造体のポリペプチドに適用され得る。
【0079】
配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、の
アミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、10、好ましくは9、より好ましくは8、より好ましくは7、より好ましくは多くとも6、より好ましくは多くとも5、より好ましくは4、さらにより好ましくは3、最も好ましくは2、及びさらに最も好ましくは1である。
好ましい態様においては、本発明のポリペプチドは、デフェンシンポリペプチドである。
【0080】
N−末端延長
本発明のポリペプチドのN−末端延長は適切には、1〜50個のアミノ酸、好ましくは2〜20個のアミノ酸、特に3〜15個のアミノ酸から成る。1つの態様においては、N−末端ペプチド延長は、Arg(R)を含まない。もう1つの態様においては、N−末端延長は、下記にさらに定義されるように、kex2又はkex2−様分解部位を含んで成る。好ましい態様においては、N−末端は、少なくとも2個のGlu(E)及び/又はAsp(D)アミノ酸残基を含んで成るペプチド、例えば次の配列:EAE、EE、DE及びDDの1つを含んで成るN−末端延長である。
【0081】
Ken2部位
kex2部位(例えば、Methods in Enzymology Vol 185, ed. D. Goeddel, Academic Press Inc. (1990), San Diego, CA, "Gene Expression Technology"を参照のこと)及びkex2−様部位は、プロペプチドコード領域といくつかのタンパク質の成熟領域との間に見出される二塩基性認識部位(すなわち、分解部位)である。
kex2部位又はkex2−様部位の挿入は、ある場合、高められたタンパク質分泌レベルをもたらすプロペプチド分解部位での正しいエンドペプチダーゼプロセッシングを改良することが示されている。
【0082】
本発明においては、kex2又はkex2−様部位の挿入は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、
として示される成熟ポリペプチドに比較して、延長される抗菌ポリペプチドをもたらすN−末端延長における一定の位置での分解を得るための可能性をもたらす。
【0083】
融合されたポリペプチド
本発明のポリペプチドはまた、もう1つのポリペプチドが本発明のポリペプチド又はそのフラグメントのN−末端又はC−末端で融合されている、融合されたポリペプチド又は分解できる融合ポリペプチドを包含する。融合されたポリペプチドは、本発明のヌクレオチド配列(又はその一部)に、もう1つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(又はその一部)を融合することにより生成される。融合ポリペプチドを生成するための技法は、当業界において知られており、ポリペプチドをコードするコード配列を連結することを包含し、その結果、それらは読み取り枠を整合し、そして融合されたポリペプチドの発現は、同じプロモーター及びターミネーターの制御下にある。
【0084】
抗菌活性を有するポリペプチド源
本発明のポリペプチドは、いずれかの属の微生物から得られる。本発明のためには、用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドが前記源により、又はその源からのヌクレオチド配列が挿入されている細胞により生成されることを意味する。好ましい態様においては、ポリペプチドは細胞外に分泌される。
【0085】
本発明のポリペプチドは、細菌ポリペプチドであり得る。例えば、前記ポリペプチドは、グラム陽性細胞ポリペプチド、例えば、バチルス(bacillus)ポリペプチド、例えばバチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウス(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)又はバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)ポリペプチド;又はストレプトミセス(Streptomyces)ポリペプチド、例えばストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus)ポリペプチド;又はグラム陰性細菌ポリペプチド、例えばE.コリ(E. coli)又はプソイドモナスsp. (Pseudomonas sp.) ポリペプチドであり得る。
【0086】
本発明のポリペプチドは、菌類ポリペプチド、及びより好ましくは、酵母ポリペプチド、例えばカンジダ(Candida)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizos accharomyces)、又はヤロウイア(Yarrowia)ポリペプチド;又はより好ましくは、糸状菌ポリペプチド、例えばアクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポリス(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカノマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ピロミセス(Piromyces)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)又はトリコダーマ(Trichoderma)ポリペプチドであり得る。
【0087】
好ましい観点においては、ポリペプチドは、抗菌活性を有する、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)ポリペプチドである。
【0088】
もう1つの好ましい態様においては、ポリペプチドは、アスペルギラス・アキュレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギラス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギラス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギラス・ホエチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギラス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギラス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、フサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロックウェレンズ(Fusarium crookwellense)、フサリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearium)、フサリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フサリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、
フサリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・レチキュラタム(Fusarium reticulatum)、フサリウム・ロゼウム(Fusariumu roseum)、フサリウム・サムブシウム(Fusarium sambucinum)、
【0089】
フサリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フサリウム・トルロサム(Fusarium torulosaum)、フサリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)又はフサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコル・ミエヘイ(Mucor miehei)、ミセリオプラソ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)、トリコダーマ・ハルジアナル(Trichoderma harzianum)、トリコダーマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコダーマ・ロンジブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコダーマ・レセイ(Trichoderma reesei)又はトリコダーマ・ビリデ(Trichoderma viride)ポリペプチドである。
【0090】
もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは、アレニコラ・マリナ(Arenicola marina)ポリペプチド、例えば配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のポリペプチドである。
前述の種に関しては、本発明は完全及び不完全状態の両者、及び他の分類学的同等物、例えばアナモルフを、それらが知られている種の名称にかかわらず、包含することが理解されるであろう。当業者は適切な同等物の正体を容易に理解するであろう。
【0091】
それらの種の株は、次の多くの培養物寄託所から容易に入手できる:American Type Culture Collection (ATCC), Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSM), Centraalbureau Voor Schimmelcaltures (CBS), 及びAgricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center (NRRL)。
【0092】
さらに、そのようなポリペプチドは、他の源、例えば天然源(例えば、土壌、培養土、水、等)から単離された微生物から、上記プローブを用いて同定され、そして得られる。天然の生息地から微生物を単離する技法は当業界において良く知られている。次に、ポリヌクレオチド配列は、もう1つの微生物のゲノム又はcDNAライブラリーを同様にスクリーニングすることによって誘導され得る。ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列がプローブにより検出されると、配列は当業者に知られている技法を用いることによって同定され、又はクローン化され得る(例えば、Sambrook など.,1989年、前記を参照のこと)。
【0093】
本発明のポリペプチドはまた、もう1つのポリペプチドが前記ポリペプチド又はフラグメントのN−末端又はC−末端で融合されている、融合された又は切断可能な融合ポリペプチドも包含することができる。融合されたポリペプチドは、1つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(又はその一部)を、本発明のヌクレオチド配列(又はその一部)に融合することによって生成される。融合ポリペプチドを生成するための技法は、当業界において知られており、そしてポリペプチドをコードするコード配列を、それらが整合して存在し、そして融合されたポリペプチドの発現が同じプロモーター及びターミネーターの制御下にあるよう、連結することを包含する。
【0094】
ポリヌクレオチド
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチドにも関する。好ましい観点においては、ヌクレオチド配列は、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27により示される。もう1つの好ましい観点においては、ヌクレオチド配列は、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の成熟ポリペプチドコード領域である。
【0095】
本発明はまた、遺伝子コードの縮重により、それぞれ配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27とは異なる、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又はそれらの成熟ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も包含する。
【0096】
本発明はまた、抗菌活性を有する、配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28のフラグメントをコードする配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の副配列にも関する。
【0097】
本発明はまた、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の成熟ポリペプチドコード配列に少なくとも1つの突然変異を含んで成る変異体ポリヌクレオチドにも関し、ここで前記変異体ヌクレオチド配列は、
配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、
から成るポリペプチドをコードする。
【0098】
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離し、又はクローン化するために使用される技法は、当業界において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそれらの組み合わせを包含する。そのようなゲノムDNAからの本発明のポリヌクレオチドのクローニングは、例えば良く知られているポリメラーゼ鎖反応(PCR)、又は共有する構造特徴を有するクローン化されたDNAフラグメントを検出するために発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いることによってもたらされ得る。例えば、Innisなど., 1990, PCR: A Guide to Methods and Application; Academic Press, New York を参照のこと。他の核酸増幅方法、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結された活性化転写(LAT)及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が使用され得る。ポリヌクレオチドは、アスペルギラス(Aspergillus)株、又は他の又は関連する生物からクローン化され得、そして従って、ヌクレオチド配列のポリペプチドコード領域の対立遺伝子又は種変異体であり得る。
【0099】
配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の成熟ポリペプチドコード配列(すなわち、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297, 配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255, 配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255, 配列番号21のヌクレオチド 118 − 252, 配列番号23のヌクレオチド 151 − 297, 配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は配列番号27のヌクレオチド 145 − 321)に対する、本発明はまた、活性ポリペプチドをコードする、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、及び最も好ましくは少なくとも97%の同一性の程度を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにも関する。
【0100】
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の修飾は、そのポリペプチドに実質的に類似するポリペプチドの合成のために必要である。用語、ポリペプチドに“実質的に類似する”とは、ポリペプチドの天然に存在しない形を意味する。それらのポリペプチドは、その天然源から単離されたポリペプチドとは、いくつかの構築された態様で異なり、例えば非活性、熱安定性、pH最適性又は同様のものにおいて異なる変異体であり得る。
【0101】
変異体配列は、配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27のポリペプチドコード部分として提供されるヌクレオチド配列、例えばその副配列に基づいて、及び/又はヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのもう1つのアミノ酸配列を生ぜしめないが、しかしポリペプチドの生成のために意図された宿主生物のコドン使用法に対応するヌクレオチド置換の導入により、又は異なったアミノ酸配列を生ぜしめることができるヌクレオチド置換の導入により構成され得る。ヌクレオチド置換の一般的記載のためには、Fordなど., 1991, Protein Expression and Purification 2:95-107を参照のこと。
【0102】
そのような置換は、分子の機能に対して決定的である領域外で行われ、そしてさらに活性ポリペプチドをもたらすことは、当業者に明らかであろう。本発明の単離されたポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの活性に必須であり、そして従って、好ましくは置換を受けやすくないアミノ酸残基は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(例えば、Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081-1085を参照のこと)。
【0103】
後者の技法においては、突然変異は分子における正に荷電された残基ごとに導入され、そしてその得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するために抗菌活性について試験される。基質−酵素相互作用の部位はまた、核磁気共鳴分析、クリスタログラフィー又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、立体構造体の分析により決定され得る(例えば、de Vos など., 1992, Science 255: 306-312; Smith など., 1992, Journal of Molecular Biology 224: 899-904; Wlodaver など., 1992, FEBS Letters 309: 59-64を参照のこと)。
【0104】
本発明はまた、本明細書に定義されるように、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321、
【0105】
(ii)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 1− 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 1− 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 1 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 1− 252,
配列番号23のヌクレオチド 1− 297,
配列番号25のヌクレオチド 1− 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 1− 321に含まれるcDNA配列、又は
【0106】
(iii)上記(i)又は(ii)の相補的鎖;又はその対立遺伝子変異体及び副配列(Sambrookなど., 1989, 前記)と、
低い緊縮条件、好ましくは中位の緊縮条件、より好ましくは中位の高い緊縮条件、さらにより好ましくは高い緊縮条件、及び最も好ましくは非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズする、本発明のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドにも関する。
【0107】
本発明はまた、
(a)(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321、
【0108】
(ii)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド 1− 297,
配列番号11又は配列番号 13のヌクレオチド 1− 255,
配列番号15、配列番号17又は配列番号 19のヌクレオチド 1 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 1− 252,
配列番号23のヌクレオチド 1− 297,
配列番号25のヌクレオチド 1− 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 1− 321に含まれるcDNA配列、又は
【0109】
(iii)上記(i)又は(ii)の相補的鎖と、
低い、中位、中位の高い、高い、又は非常に高い緊縮条件下でDNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)抗菌活性を有するポリペプチドをコードする、前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる、単離されたポリヌクレオチドにも関する。
【0110】
核酸構造体
本発明はまた、制御配列と適合できる条件下で、適切な宿主細胞におけるコード配列の発現を指図する1又は複数の制御配列に作用可能に連結される本発明の単離されたポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体にも関する。
【0111】
本発明のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、ポリペプチドの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、ポリヌクレオチド配列の操作は、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされる。組換えDNA方法を用いてポリヌクレオチド配列を修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
【0112】
制御配列は、適切なプロモーター配列、すなわち本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含む。プロモーターは、宿主細胞において転写活性を示すいずれかのヌクレオチド配列、例えば変異体の、切断された、及びハイブリッドのプロモーターであり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は異種である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。
【0113】
特に細胞宿主細胞において本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリlacオペロン、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトゲン性アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliguefaciens) α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリスxylA及びxylB遺伝子及び原生動物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa−Kamaroffなど., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731)、及びtac プロモーター(De Boer など., 1983, Proceedings of the National Academy of Science USA 80: 21-25)である。さらなるプロモーターは、“Useful proteins from recombinant bacteria” in Scientific American, 1980, 242: 74-94; 及びSambrookなど., 1989, 前記に記載される。
【0114】
糸状菌宿主細胞における本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・アワモリグルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、アスペルギラス・オリザエ アルカリプロテアーゼ、アスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアセトアミダーゼ、フサリウム・ベネナタムアミログルコシダーゼ(WO00/56900号)、フサリウム・ベネナタムDaria(WO00/56900号)、フサリウム・ベネナタムQuinn(WO00/56900号)、フサリウム・オキシスポラムトリプシン様プロテアーゼ(WO96/00787号)、トリコダーマ・レセイβ−グルコシダーゼ、トリコダーマ・レセイセロビオヒドロラーゼI、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼI、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼII、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼIII 、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼIV、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼV、トリコダーマ・レセイキシラナーゼI、トリコダーマ・レセイキシラナーゼII、トリコダーマ・レセイβ−キシロシダーゼ、並びにNA2-tpiプロモーター(アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ及びアスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッド)、及びそれらの変異体の切断され、及びハイブリッドのプロモーターである。
【0115】
酵母宿主においては、有用なプロモーターは、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセス・セレビシアエガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH1、ADH2/GAP)、サッカロミセス・セレビシアエトリオースホスフェートイソメラーゼ(TPI)、サッカロミセス・セレビシアエ金属チオニン(CUP1)、及びサッカロミセス・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼから得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは、Romunosなど., 1992, Yeast8:423−488により記載される。
【0116】
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を終結するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3’側末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのターミネーターが本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、アスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼ及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼについての遺伝子から得られる。
【0117】
酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ、サッカロミセス・セレビシアエチトクロムC(CYC1)、及びサッカロミセス・セレビシアエグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼについての遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、Romanosなど., 1992, 前記により記載される。
【0118】
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
【0119】
酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセル・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)についての遺伝子から得られる。
【0120】
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわちヌクレオチド配列の3’末端に操作可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
【0121】
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギキラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、フサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ及びアスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990により記載されている。
【0122】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたポリペプチドを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード領域でもあり得る。核酸配列のコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたポロペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード領域を含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。しかしながら、分泌路中に発現されたポリペプチドを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
【0123】
細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バチルスNCIB11837マルトゲン性アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ、バチルス・リケニホルミススブチリシン、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ、バチルス・アステロサーモフィラス中性プロテアーゼ(nprT, nprS, nprM)、及びバチルス・サブチリスprsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチド領域である。追加のシグナルペプチドは、Sinomen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137 により記載される。
【0124】
糸状菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガー中性アミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイアスペラギン酸プロテイナーゼ、ヒューミコラ・インソレンスセルラーゼ及びヒューミコラ・ラヌギノサリパーゼについての遺伝子から得られたシグナルペプチドコート領域である。
【0125】
好ましい観点においては、シグナルペプチドコード領域は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 −50〜 −32をコードする、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド1 −57;配列番号12又は配列番号 14のアミノ酸 −39〜 −19をコードする、配列番号11又は配列番号13のヌクレオチド1 −63;配列番号16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 −37〜 −17をコードする、配列番号15、配列番号17又は配列番号19のヌクレオチド1 −63;配列番号22のアミノ酸 −39〜 −19をコードする、配列番号21のヌクレオチド1 −63;配列番号24のアミノ酸 −50〜 −32をコードする、配列番号23のヌクレオチド1 −57;配列番号26のアミノ酸 −40〜 −20をコードする、配列番号25のヌクレオチド1 −63;又は配列番号28のアミノ酸 −48〜 −27をコードする、配列番号27のヌクレオチド1 −66である。
【0126】
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセル・セレビシアエインバーターゼについての遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanos など., 1992, 前記により記載される。
【0127】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は多くの場合、チモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。プロペプチドコード領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ(nprT)、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。
【0128】
好ましい観点においては、プロペプチドコード領域は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 −31〜 −1をコードする、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド58 −150;配列番号12又は配列番号 14のアミノ酸 −18〜 −1をコードする、配列番号11又は配列番号13のヌクレオチド64 −117;配列番号16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 −16〜 −1をコードする、配列番号15、配列番号17又は配列番号19のヌクレオチド64 −111;配列番号22のアミノ酸 −18〜 −1をコードする、配列番号21のヌクレオチド64−117;配列番号24のアミノ酸 −31〜 −1をコードする、配列番号23のヌクレオチド58−150;配列番号26のアミノ酸 −19〜 −1をコードする、配列番号25のヌクレオチド64 −120;又は配列番号28のアミノ酸 −26〜 −1をコードする、配列番号27のヌクレオチド67−144である。
【0129】
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0130】
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始又は停止を引き起こすそれらのシステムである。原核生物系における調節システムは、lac, tac及びtrpオペレーターシステムお包含する。酵母においては、ADH2システム又はGAL1システムが使用され得る。糸状菌においては、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼプロモーター及びアスペルギラス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターが、調節配列として使用さえ得る。調節配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核システムにおいては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属と共に増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、ポリペプチドをコードする核酸配列が、調節配列により作用可能に連結される。
【0131】
発現ベクター
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上記の種々の核酸及び制御配列は、1又は複数の便利な制限部位でポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入又は置換を可能にするためにそれらの部位を含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。他方では、本発明のヌクレオチド配列は、前記ヌクレオチド配列又は前記配列を含んで成る核酸構造体を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列により作用可能に連結される。
【0132】
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利にゆだねられ得、そしてヌクレオチド配列の発現をもたらすことができるいずれかのベクター(例えば、プラスミド又はウィルス)であり得る。ベクターの選択は典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞とベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状又は閉環された環状プラスミドであり得る。
【0133】
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、例えばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム又は人工染色体であり得る。ベクターは自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。他方では、ベクターは、糸状菌細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドが使用され得る。
【0134】
本発明のベクターは好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、及び同様のものを提供する。
【0135】
細菌選択マーカーの例は、バチルス・サブチリス又はバチルス・リケニホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1及びURA3である。糸状菌宿主細胞に使用するための選択マーカーは、次の群から選択されるが、但しそれらだけには限定されない;amdS (アセトアミダーゼ)、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG (オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 及びtrpC (アントラニル酸シンターゼ)、並びにそれらの同等物。アスペルギラス・ニジュランス又はアスペルギラス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子及びストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar遺伝子が、アスペルギラス細胞への使用のために好ましい。
【0136】
本発明のベクターは好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込み、又は細胞のゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素を含む。
【0137】
宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中へのベクターの安定した組み込みのためのベクター中のポリペプチド、又はいずれか他の要素をコードするポリヌクレオチド配列に依存する。他方では、ベクターは、染色体における正確な位置で、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるための追加のヌクレオチド配列を含むことができる。正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は好ましくは、相同組換えの可能性を高めるためにその対応する標的配列と高い程度の同一性を示す十分な数の核酸、例えば100〜10,000個の塩基対、好ましくは400〜10,000個の塩基対、及び最も好ましくは800〜10,000個の塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配合と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コード又はコードヌクレオチド配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
【0138】
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてのベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の起点は、細胞において機能する自律複製を仲介するいずれかのプラスミド複製体であり得る。用語“複製の起点”又は“プラスミド複製体”とは、本明細書においては、プラスミド又はベクターのインビボでの複製を可能にするヌクレオチド配列として定義される。
【0139】
複製の細菌起点の例は、E.コリにおける複製を可能にするプラスミドpBR322, pUC19, pACYC177及びpACYC184, 及びバチルスにおける複製を可能にするpUB110, pE194, pTA1060及びpAMβ1の複製の起点である。
酵母宿主細胞への使用のための複製の起点の例は、複製の2ミクロン起点、すなわちARS1, ARS4, ARS1及びCEN3の組み合わせ、及びARS4及びCEN6の組み合わせである。
【0140】
糸状菌細胞において有用な複製の起点の例は、AMA1及びANS1である(Gems など., 1991 , Gene 98:61-67; Cullen et al., 1987, Nucleic Acids Research 15: 9163-9175; WO 00/24883号)。AMA1遺伝子の単離及び前記遺伝子を含んで成るプラスミド又はベクターの構成は、WO00/24883号に開示される方法に従って達成され得る。
【0141】
本発明のポリヌクレオチドの1以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。ポリヌクレオチドのコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、又はポリヌクレオチドと共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、ポリヌクレオチドの追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
本発明の組換え発現ベクターを構成するために上記要素を連結するために使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)。
【0142】
宿主細胞
本発明はまた、ポリペプチドの組換え生成において都合良く使用される、本発明のポリヌクレオチドを含んで成る組換え宿主にも関する。本発明のポリヌクレオチドを含んで成るベクターは、そのベクターが染色体組み込み体として、又は前記のような自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入される。用語“宿主細胞”とは、複製の間に生じる突然変異のために、親細胞と同一ではない親細胞のいずれかの子孫を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその源に、かなりの程度依存するであろう。
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、又は単細胞微生物、真核生物であり得る。
【0143】
有用な単細胞微生物は、細菌細胞、例えば次のグラム陽性細菌:バチルス細胞、例えばバチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシ(Bacillus clausii)、バチルス・コアギランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びバチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、又はストレプトミセス細胞、例えばストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus)、又は次のグラム陰性細菌:E.コリ及びプソイドモナスsp.(但し、それらだけには限定されない)である。好ましい態様においては、細菌宿主細胞は、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・ステアロサーモフィラス又はバチルス・サブチリス細胞である。もう1つの好ましい態様においては、バチルス細胞は、好アルカリ性バチルスである。
【0144】
細菌宿主細胞中へのベクターの導入は例えば、コンピテント細胞(例えば、Young and Spizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81: 823-829, 又はDubnau and Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56: 209-221 を参照のこと)を用いてプロトプラスト形質転換(例えば、Changand Cohen, 1979, Molecular General Genetics 168: 111-115)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawa and Dower, 1988, Biotechniques 6: 742-751を参照のこと)又は接合(例えば、Koehler and Thorne, 1987, Journal of Bacteriology 169: 5771-5278を参照のこと)によりもたらされ得る。
【0145】
宿主細胞は、真核生物、例えば哺乳類、昆虫、植物、又は菌類細胞であり得る。
好ましい態様においては、宿主細胞は菌類細胞である“菌類”とは、本明細書において使用される場合、門アスコミコタ(Ascomycota)、バシジオミコタ(Basidiomycota)、キトリジオミコタ(Chytridiomycota)及びヅイゴミコタ(Zygomycota)(Hawksworth など., Ainsworth and Bisby’s Dictionary of the Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKにより定義される)、及びオーミコタ(Oomycota)(Hawksworth など., 1995, 前記、171ページに引用される)、並びに栄養胞子菌(Hawksworh など., 1995, 前記)を包含する。
【0146】
より好ましい態様においては、菌類宿主細胞は酵母細胞である“酵母”とは、本明細書において使用される場合、子嚢胞子酵母(Endomycetals)、担子胞子酵母、及び不完全菌類(Blastomycetes)に属する酵母を包含する。酵母の分類は未来において変化し得るので、本発明のためには、酵母は、Biology and Activities of Yeast (Skinner, F.A., Passmore, S.M., and Davenport, R.R., eds. Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9, 1980) に記載のようにして定義されるであろう。
【0147】
さらにより好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hunsenula)、クレベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)又はヤロウィア(Yarrowia)である。
【0148】
最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyses cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイビリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensisi)、又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、クルベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、ヤロウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)細胞である。
【0149】
もう1つのより好ましい態様においては、菌類宿主細胞は糸状菌細胞である。“糸状菌”とは、ユーミコタ(Eumycota)及びオーミコタ(Oomycota)のすべての糸状形を包含する(Hawksworthなど., 1995, 前記により定義されるような)。糸状菌は一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合多糖類から構成される菌子体壁により特徴づけられる。成長増殖は、菌子拡張によってであり、そして炭素代謝は絶対好気性である。対照的に、酵母、例えばサッカロミセス・セレビシアエによる成長増殖は、単細胞葉状体の発芽によってであり、そして炭素代謝は発酵性である。
【0150】
さらにより好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジュウム(Aureobasidium)、ベルカンデラ(Bjerkandera)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、コプリナス(Coprinus)、コリオラス(Coriolus)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポルセ(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカリマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicilium)、ファネロカエト(Phanerochaete)、フェビア(Phlebia)、ピロミセス(Piromyces)、プレウロタス(Pleurotus)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)又はトリコダーマ(Trichoderma)の種の細胞であるが、但しそれらだけには限定されない。
【0151】
最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アスペルギラス・アワモリ、アスペルギラス・フミガタス、アスペルギラス・ホエチダス、アスペルギラス・ジャポニカ、アスペルギラス・ニジュランス、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・オリザエ細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、フサリウム・バクトリジオイデス、フサリウム・セレアリス、フサリウム・クロックウェレンズ、フサリウム・クルモラム、フサリウム・グラミネアラム、フサリウム・グラミナム、フサリウム・ヘテロスポラム、フサリウム・ネグンジ、フサリウム・オキシスポラム、フサリウム・レチキュラタム、フサリウム・ロゼウム、フサリウム・サムブシウム、フサリウム・サルコクロウム、フサリウム・スポロトリキオイデス、フサリウム・スルフレウム、フサリウム・トルロサム、フサリウム・トリコセシオイデス又はフサリウム・ベネナタム細胞である。
【0152】
さらに最も好ましい観点においては、糸状菌親宿主細胞は、ベルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)又はセリポリオプシス・スベルミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、コプリナス・シネレス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルスタス(Coriolus hirsutus)、ヒューミコラ・インソレンス、ヒューミコラ・ラヌギノサ、ムコル・ミエヘイ、ミセリオプソラ・サーモフィリア、ネウロスポラ・クラサ、ペニシリウム・プルプロゲナム、ファネロカエト・キソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フェビア・ラジアタ(Phlebia radiata)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、チエラビア・テレストリス、トラメテス・ビロサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコダーマ・ハルジアナム、トリコダーマ・コニンギ、トリコダーマ・ロンジブラキアタム、トリコダーマ・レセイ又はトリコダーマ・ビリデ細胞である。
【0153】
菌類細胞は、プロトプラスト形質転換、プロトプラストの形質転換、及びそれ自体知られている態様での細胞壁の再生を包含する工程により形質転換され得る。アスペルギラス及びトリコダーマ宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、ヨーロッパ特許第238023号及びYeltonなど., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81; 1474-1874に記載される。フラリウム種を形質転換するための適切な方法は、Malardierなど., 1989, Gene78: 147-156, 及びWO96/00787号により記載される。
【0154】
酵母は、Becker and Guarente. In Abelson, J.N. and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York; Ito など, 1983, Journal of Bacteriology 153: 163; 及びHinnen など, 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75; 1920により記載される方法を用いて形質転換され得る。
【0155】
生成方法
本発明はまた、(a)その野生型において、前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下でポリペプチドを生成することができる細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドの生成方法にも関する。好ましくは、細胞は、アレニコラ属及びより好ましくは、アレニコラ・マリナのものである。
【0156】
本発明はまた、(a)ポリペプチドの生成を助ける条件下で宿主細胞を培養し;そして(b)ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関する。
【0157】
本発明はまた、(a)ポリペプチドの生成を助ける条件下で宿主細胞を培養し;そして(b)ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関し、ここで前記宿主細胞は配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の成熟ポリペプチドコード領域に少なくとも1つの突然変異を有する変異体ヌクレオチド配列を含んで成り、ここで前記変異体ヌクレオチド配列は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12又は配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、から成るポリペプチドをコードする。
【0158】
本発明の生成方法においては、細胞は、当業界において知られている方法を用いて、ポリペプチドの生成のために適切な栄養培地において培養される。例えば、細胞は、ポリペプチドの発現及び/又は単離を可能にする、適切な培地において、及び条件下で行われる実験室用又は産業用発酵器において、振盪フラスコ培養、小規模又は大規模発酵(連続、バッチ、供給バッチ、又は団体状態発酵を包含する)により培養され得る。培養は、炭素及び窒素源及び無機塩を含んで成る適切な栄養培地において、当業界において知られている方法を用いて行われる。適切な培地は、市販されているか、又は公開されている組成(例えば、American Type Culture Collection のカタログにおける)に従って調製され得る。ポリペプチドが栄養培地に分泌される場合、ポリペプチドは培地から直接的に回収され得る。ポリペプチドが分泌されない場合、それは細胞溶解物から回収され得る。
【0159】
ポリペプチドは、そのポリペプチドに対して特異的である、当業界において知られている方法を用いて検出され得る。それらの検出方法は、特定の抗体の使用を包含する。例えば、抗菌活性アッセイは、本明細書に記載されるようなポリペプチドの活性を決定するために使用され得る。
得られるポリペプチドは、当業界において知られている方法により回収され得る。例えば、ポリペプチドは、従来の方法、例えば遠心分離、濾過、抽出、噴霧−乾燥、蒸発又は沈殿(但し、それらだけには限定されない)により、栄養培地から回収され得る。
【0160】
本発明のポリペプチドは、当業界において知られている種々の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動方法(例えば、分離用等電点電気泳動)、示差溶解性(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS−PAGE又は抽出(但し、それらだけには限定されない)により精製され得る(例えば、Protein Purification, J.C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publlishers, New York, 1989を参照のこと)。
【0161】
植物
本発明はまた、ポリペプチドを、回収できる量で発現し、そして生成するために、本発明の抗菌活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列により形質転換されているトランスジェニック植物、その植物部分又は植物細胞にも関する。ポリペプチドは、植物又は植物部分から回収され得る。他方では、組換えポリペプチドを含む植物又は植物部分は、食物又は飼料の品質を改良し、例えば栄養価値、嗜好性及び流動性質を改良するために、又は抗栄養因子を破壊するために使用され得る。
【0162】
トランスジェニック植物は、双子葉植物又は単子葉植物又は構築されたその変異体であり得る。単子葉植物の例は、草、例えば湿潤地の草本(ブルーグラス、イチゴツナギ属)、飼草、例えばウシノケグサ、ドクムギ、温帯性草本、例えばヌカボ、及び穀類、例えば小麦、オート麦、ライ麦、イネ、モロコシ、ライコムギ(小麦(Triticum)及びライ麦(Secale)の安定化されたハイブリッド)及びトウモロコシ(サトウモロコシ)である。
【0163】
双子葉植物の例は、タバコ、マメ科植物、例えばルピナス、ジャガイモ、砂糖大根、エンドウ、インゲン豆及び大豆、及びアブラナ科植物(ブラシカセアエ科(Brassicaceae))、例えばカリフラワー、ナタネ種子及び密接に関連するモデル生物アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)である。
【0164】
植物部分の例は、茎、カルス、葉、根、果物、種子及び塊茎、並びにそれらの部分を含んで成る個々の組織、例えば表皮、葉肉、柔組織、維管束組織、分裂組織である。また特定の植物細胞区画、例えばクロロプラスト、アポプラスト、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシゾーム及び細胞質が、植物部分であると思われる。さらに、組織起源が何であろうと、いずれの植物細胞でも、植物部分であると思われる。同様に、植物部分、例えば本発明の利用を促進するために単離された特定の組織及び細胞はまた、植物部分、例えば胚、内生精子、アリューロン及び被膜であると思われる。
【0165】
そのような植物、植物部分及び植物細胞の子孫はまた、本発明の範囲内に包含される。
本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物又は植物細胞は、当業界において知られている方法に従って構成され得る。手短には、植物又は植物細胞は、本発明のポリペプチドをコードする、1又は複数の発現構造体を、植物宿主ゲノム中に導入し、そして得られる修飾された植物又は植物細胞をトランスジェニック植物又は植物細胞中に成長せしめることによって構成される。
【0166】
便利には、発現構造体は、選択の植物又は植物における核酸配列の発現のために必要とされる適切な調節配列により作用可能に連結される本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る核酸構造体である。さらに、発現構造体は、発現構造体が組み込まれている宿主細胞を同定するために有用な選択マーカー、及び問題の植物中への構造体の導入のために必要なDNA配列を含んで成る(後者は、使用されるDNA導入方法に依存する)。
【0167】
調節配列、例えばプロモーター及びターミネーター配列、及び任意には、シグナル又は遷移配列の選択は、ポリペプチドがいつ、どこで及びいかにして、発現されるかの所望に基づいて決定される。例えば、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の発現は、構造的又は誘発的であり、又は進行的、段階的又は組織特異的であり、そして遺伝子生成物は特定の組織又は植物部分、たとえば種子又は葉に標的化され得る。調節配列は、たとえばTague など., Plant Phys., 86: 506, 1988により記載されている。
【0168】
構成的発現のために、次のプロモーターが使用され得る:35S−CaMVプロモーター(Franck など., 1980, Cell 21: 285-294)、トウモロコシユビキチン1(Christensen AH, Sharrock RA and Quail 1992. Maize polyubiquitin genes: structure, thermal perturbation of expression and transcript splicing, and promoter activity following transfer to protoplasts by electroporation)、又はイネアクチン1プロモーター(Plant Mo. Biol. 18,675-689. ; Zhang W, McElroy D. and Wu R 1991, Analysis of rice Act1 5'region activity in transgenic rice plants. Plant Cell 3,1155-1165)。
【0169】
器官特異的プロモーターは例えば、貯蔵吸込み組織、例えば種子、ジャガイモ塊茎及び果物(Edwards & Coruzzi, 1990, Ann. Rev. Genet. 24: 275-303)、又は代謝吸込み組織、例えば分裂組織(Ito など., 1994, Plant Mol. Biol. 24: 863-878)からのプロモーター、種子特異的プロモーター、例えばイネからのグルテリン、プロラミン、グロブリン又はアルブミンプロモーター(Wu など., 1998, Plant and Cell Physiology 39: 885- 889)、Vicia fabaからのレグニンB4及び未知の種子タンパク質遺伝子からのVicia fabaプロモーター(Conrad など., 1998, Journal of Plant Physiology 152: 708-711)、種子油体タンパク質からのプロモーター(Chen など., 1998, Plant and Cell Physiology 39: 935-941)、ブラシカ・ナパス(Brassica napus)からの貯蔵タンパク質napAプロモーター又は当業界において知られている、例えばWO91/14772号に記載されるようないずれか他の種子特異的プロモーターであり得る。
【0170】
さらに、プロモーターは、葉特異的プロモーター、例えばイネ又はトマトからのrbcsプロモーター(Kyozuka など., 1993, Plant Physiology 102: 991-1000)、クロレラウィルスアデニンメチルトランスフェラーゼ遺伝子プロモーター(Mitra and Higgins, 1994, Plant Molecular Biology 26: 85-93)、又はイネからのaldP遺伝子プロモーター(Kagaya など., 1995, Molecular and General Genetics 248: 668-674)、又は創傷誘発性プロモーター、例えばジャガイモpin2プロモーター(Xu など., 1993, Plant Molecular Biology 22 : 573-588)であり得る。同様に、プロモーターは、非生物学的処理、例えば温度、渇水又は塩分の変更により誘発できるか、又はプロモータを活性化する外部的に適用される物質、例えばエタノール、エストロゲン、植物ホルモン様エチレン、アブシジン酸、ジベレリン酸及び/又は重金属により誘発できる。
【0171】
プロモーターエンハンサー要素がまた、植物における本発明のポリペプチドのより高い発現を達成するために使用され得る。例えば、プロモーターエンハンサー要素は、プロモーターと、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に位置するイントロンであり得る。例えば、Xuなど., 1993(前記)は、発現を増強するためへのイネアクチン1遺伝子の最初のイントロンの使用を開示する。
発現構造体の選択マーカー遺伝子及びいずれか他の部分は、当業界において入手できるそれらから選択され得る。
【0172】
核酸構造体は、当業界において知られている従来の技法、例えばアグロバクテリウム介在性形質転換、ウィルス介在性形質転換、マイクロインジェクション、粒子衝撃、バイオリステック形質転換及びエレクトロポレーションに従って、植物ゲノム中に組込まれる(Gasserなど., 1990, Science 244: 1293; Potrykus, 1990, BiolTechnology 8 : 535; Shimamoto など., 1989, Nature 338: 274)。
【0173】
現在、アグロバクテリウム・ツメファシエンス介在性遺伝子トランスファーは、トランスジェニック双子葉類を生成するための選択方法であり(再考のためには、Hooykas and Schilperoort, 1992, Plant Molecular Biology 19: 15-38を参照のこと)、そして、それはまた、単子葉類を形質転換するためにも使用され得るが、しかし他の形質転換方法が一般的にそれらの植物のために好ましい。現在、トランスジェニック単子葉類を生成するための選択方法は、胚細胞又は成長胚の粒子衝撃である(形質転換DNAにより被覆された微小金又はタングステン粒子)(Christou, 1992, Plant Journal 2 : 275-281; Shimamoto, 1994, Current Opinion Biotechnology 5: 158-162; Vasil など., 1992, BiolTechnology 10: 667-674)。単子葉類の形質転換のための他の方法は、Omirullehなど., 1993, Plant Molecular Biology21: 415-428により記載されるようにプロトプラスト形質転換に基づかれる。
【0174】
形質転換に続いて、そこに組込まれた発現構造体を有する形質転換体が選択され、そして当業界において良く知られていた方法に従って、完全な植物に再生される。しばすば、形質転換方法は、2種の別々のT-DNA構造体による同時形質転換を用いることによる、再生の間又は次の生成において、選択遺伝子の選択的排除、又は特異的組換え酵素による選択遺伝子の部位特異的排除のために企画される。
【0175】
本発明はまた、(a)本発明の抗菌活性有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んで成るトランスジェニック植物又は植物細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で栽培し、そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関する。
【0176】
組成物
本発明はまた、本発明のポリペプチドを含んで成る組成物、例えば医薬組成物にも関する。好ましくは、組成物は、そのようなポリペプチドにおいて富化されている。用語“富化された”とは、組成物の抗菌活性が、例えば1.1の富化倍率、高められたことを示唆する。
【0177】
組成物はさらに、もう1つの医薬的活性剤、例えば追加の殺菌剤、例えば上記に定義されるような抗菌活性を示すもう1つの抗菌ポリペプチドを含んで成ることができる。殺菌剤は、当業者において知られているような抗生物質であり得る。抗生物質の種類は、ペニシリン、例えばペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、カルベニシリン、ナフシリン、アンピシリン、等;β−ラクタマーゼインヒビターと組合してのペニシリン、セファロスポリン、例えばセファクロール、セファゾリン、セフロキシム、モキサラクタム、等;カルバペネム;モノベクタム;アミノグリコシド;テトラサイクリン;マクロリド;リンコマイシン;ポリミキシン;スルホンアミド;キノロン;クロラムフェニコール;メトロニダゾール;スペクチノマイシン;トリメトプリム、バンコマイシン、等を包含する。殺菌剤はまた、抗−真菌剤、例えばポリエン、例えばアンフォテリシンB、ナイスタチン;5−フルコシン;及びアゾール、例えばミコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール及びフルコナゾールであり得る。
【0178】
1つの態様においては、殺菌剤は、非酵素化学剤である。もう1つの態様においては、殺菌剤は、非ポリペプチド化学剤である。
組成物は、適切なキャリヤー材料を含んで成る。組成物はまた、それが医薬として使用される場合、所望する遺伝子座に、本発明の抗菌ポリペプチドを供給できる適切な供給ビークルを含んで成ることができる。
【0179】
ポリペプチド組成物は、当業界において知られている方法に従って調製され、そして液体又は乾燥組成物の形で存在することができる。例えば、ポリペプチド組成物は、当業界において知られている方法に従って安定化され得る。
本発明のポリペプチド組成物の好ましい使用の例は、下記に与えられる。本発明のポリペプチド組成物の用量及び組成物が使用される他の条件は、当業界において知られている方法に基づいて決定され得る。
【0180】
方法及び使用
本発明はまた、抗菌活性を有するポリペプチドの使用方法にも向けられる。抗菌ポリペプチドは、典型的には、細菌、菌類、酵母又は藻類による汚染にさらされるいずれかの遺伝子座で有用である。典型的には、遺伝子座、微生物が殺害される必要があり、又はそれらの増殖が制御される必要がある、水性システム、例えば冷却水システム、洗濯すすぎ水、油システム、例えば切削油、滑剤、油田及び同様のものにおいて存在する。しかしながら、本発明はまた、既知の抗菌組成物が有用であるすべての用途、例えば木材、ラテックス、接着剤、グルー、紙、厚紙、布、革、プラスチック、コーキング及び飼料に使用され得る。
【0181】
他の使用は、食品、飲料物、化粧品、例えばローション、クリーム、ゲル、軟膏、石鹸、シャンプー、コンディショナー、制汗剤、デオドラント、マウス洗浄剤、コンタクトレンズ製品、又は食品成分の保存を包含する。
従って、本発明の抗菌ポリペプチドは、消毒液として、例えば眼又は口における感染、皮膚感染の処理において;発汗抑制剤又は脱臭剤において;コンタクトレンズ、及び歯(経口ケアー)の清浄及び殺菌のために有用である。
【0182】
一般的に、本発明の抗菌ポリペプチドは、いずれかの硬質表面上での微生物をも、清浄し、消毒し、又はその増殖を阻害するために有用であることが企画される。本発明の抗菌ポリペプチドと都合良く接触せしめられ得る表面の例は、使用される加工装置、例えば酪農、化学又は医薬加工プラント、水衛生システム、オイル加工プラント、製紙加工プラント、水処理プラント及び冷却塔の表面である。本発明の抗菌ポリペプチドは、問題の表面上での微生物の清浄、消毒又はその増殖の阻害のために有効である量で使用されるべきである。
【0183】
さらに、本発明の抗菌ポリペプチドは、食品加工プラントにおいて、及び食品が調製されるか又は加工されるいずれかの領域、例えば病院、老人ホーム、及びレストランの場所における表面及び調理用品の清浄のために使用され得る。
それはまた、水性ペイントにおける保存剤又は消毒剤としても使用され得る。
本発明はまた、本発明の抗菌ポリペプチド又は組成物の薬剤としての使用にも関する。さらに、本発明の抗菌ポリペプチド又は組成物はまた、微生物、例えば菌類又は細菌、好ましくはグラム陽性細菌を制御するか又は攻撃するための薬剤の製造のためにも使用され得る。
【0184】
本発明の組成物及び抗菌ポリペプチドは、抗菌性獣医又はヒト治療剤又は予防剤とし使用され得る。従って、本発明の組成物及び抗菌ポリペプチドは、微生物感染、例えば細菌又は菌類感染、好ましくはグラム陽性細菌感染の処理のための獣医又はヒト治療剤又は予防剤の調製に使用される。特に、微生物感染は、肝疾患、例えば結核、肺炎及び嚢胞性線維症(但し、それらだけには限定されない);及び性的に伝達される疾病、例えば淋病及びクラミジア(但し、それらだけには限定されない)に関連している。
【0185】
本発明の組成物は、有効量の本発明の抗菌ポリペプチドを含んで成る。
用語“有効量”とは、本明細書において使用される場合、問題の微生物の増殖を阻害するのに十分である、本発明の抗菌ポリペプチドの量を意味する。
本発明はまた、創傷治癒組成物又は製品、例えば包帯、医療装置、例えばカテーテル、及び抗−フケ髪用製品、例えばシャンプーにも関する。
【0186】
本発明の抗菌ポリペプチドの配合物は、微生物感染を有するか又はその素因を有する宿主に投与される。投与は、好ましくは局在化されるであろう特定の微生物に依存して、局部的であるか、局在化されるか、又は全身性であり得る。一般的に、本発明の抗菌ポリペプチドの用量は、微生物集団を、少なくとも約50%、通常少なくとも1対数、低めるのに十分であり、そして2又はそれ以上の対数、微生物を殺害することができる。本発明の化合物は、いずれの副作用も最少にすると共に、微生物集団を低める用量で投与される。組成物は、インビボ使用のためには、医者の案内下で得られ、そして使用されるであろうことが企画される。
【0187】
本発明の抗菌ポリペプチドは、グラム陰性細菌、例えばシュードモナス・アエルギノサ及びクラミジア・トラコマチス;及びグラム陽性細菌、例えばストレプトコーカス、例えばストレプトコーカス・プネウモニア、S.ウベリス、S.ヒオインテスチナリス、S.ピオゲネス又はアガラクチア;及びスタフィロコーカス、例えばスタフィロコーカス・アウレウス、S.エピダーミジス、S.シムランス、S.キシロサス、S.カルノサスを殺害するために特に有用である。
【0188】
本発明の抗菌ポリペプチドの配合物は、微生物肺感染、例えば肺炎;又は微生物創傷感染、例えば細菌創傷感染を有するか又は素因を有する宿主に投与され得る。
本発明の抗菌ポリペプチドの配合物はまた、皮膚感染、例えばアクネ、アトピー性皮膚炎又は脂漏性皮膚炎を有するか、又は素因を有する宿主にも投与され得;好ましくは、皮膚感染は、例えばスタフィロコーカス・エピダーミジス、スタフィロコーカス・アウレウス、プロピオニバクテリウム・アクネ、ピチロスポラム・オバレ又はマラセジア・フルフルにより引起される細菌性皮膚感染である。
【0189】
本発明の抗菌ポリペプチドはまた、特に従来の量の抗菌物質を導入することを所望しない場合、微生物を殺害するためにインビトロ配合物において有用である。例えば、本発明の抗菌ポリペプチドは、動物及び/又はヒト食品調製物に添加され得るか;又はそれらは、組織培養物における微生物の過剰増殖を妨げるために、細胞のインビトロ培養物のための添加剤として含まれ得る。
【0190】
本発明の抗菌ポリペプチドによる殺害に対する特定の微生物の感受性は、実験セクションに詳細されるように、インビトロ試験により決定され得る。典型的には、微生物の培養物が、タンパク質の作用を可能にするのに十分な時間、通常約1時間〜1日間、種々の濃度で抗菌ポリペプチドと組み合わされる。次に、生存微生物が計数され、そして殺害レベルが決定される。
【0191】
興味ある微生物は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:グラム陰性細菌、例えばシトロバクターsp.(Citrobacter sp.); エンテロバクターsp.(Enterobacter sp.);エスシュリシアsp.(Escherichia sp.), 例えばE. コリ;クレブシエラsp.(Klebsiella sp.); モノガネラsp.(Morganella sp.); プロテウスsp.(Proteus sp.); プロビデンシアsp.(Providencia sp.); サルモネラsp.(Salmonella sp.)、例えばS. チピ(S. typhi)、S. チビムリウム(S. typhimurium);セラチアsp.(Serratia sp.); シゲラsp.(Shigella sp.); シュードモナスsp.(Pseudomonas sp.), 例えばP. アエスギノサ(P. aeruginosa);エルシニアsp.(Yersinia sp.), 例えばY. ペスチス(Y. pestis)、Y. シュードツベルクロシス(Y. pseudotuberculosis)、Y. エンテロコリチカ(Y. enterocolitica);フランシスセラsp.(Franciscella sp.);パスツレラsp.(Pasturella sp.); ビブリオsp.(Vibrio sp.), 例えばV. コレラ(V. cholerae)、V. パラヘモリチカス(V.parahemolyticus);カンピロバクターsp.(Campylobacter sp.), 例えばC. ジュジュニ(C.jejuni);ヘモフィラスsp.(Haemophilus sp.), 例えばH. インフルエンザ(H.influenzae)、H. ダクレイ(H. ducreyi);
【0192】
ボルデテラsp.(Bordetella sp.) 、例えばB. ペルツシス(B. pertussis)、B. ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)、B. パラペルツシス(B. parapertussis);ブルセラsp.(Brucella sp.); ネイセリアsp.(Neisseria sp.), 例えばN. ゴノルホエアエ(N. gonorrhoeae)、N. メニングチジス(N. meningitidis)、等。興味ある他の細菌は次のものを包含する:レギオホラsp.(Legionella sp.), 例えばL. プネウモフィラ(L. pneumophila);リステリアsp.(Listeria sp.), 例えばL. モノシストゲネス(L.monocytogenes);マイコプラズマsp.(Mycoplasma sp.), 例えばM. ホミニス(M. hominis)、M. プネウモニアエ(M. pneumoniae);マイコバクテリウムsp.(Mycobacterium sp.), 例えばM. チュベルキュロシス(M. tuberculosis)、M. レプラエ(M. leprae);トレポネマsp.(Treponema sp.), 例えばT. パリダム(T. pallidum);ボレリアsp.(Borrelia sp.), 例えばB. ブルゴドルフェリ(B.burgdorferi);レプトスピラエsp.(Leptospirae sp.); リケツシアsp.(Rickettsia sp.), 例えばR. リケッシ(R.rickettsii)、R. チピ(R.typhi);クラミジアsp.(Chlamydia sp.), C. トラコマチス(C. trachomatis)、C. プネウモニアエ(C. pneumoniae)、C. ピシタジ(C.psittaci);ヘリコバクターsp.(Helicobacter sp.), 例えばH. ピロリ(H. pylori)、等。
【0193】
興味ある非細菌性病原体は、次のものを包含する;菌類及び原生動物病原体、例えばプラスモジアsp.(Plasmodia sp.), 例えばP. ファルシパラム(P. falciparum)、トリパノソマsp.(Trypanosoma sp.), 例えばT. ブルセイ(T.brucei);シストゾーム(shistosomes); エンタエモエバsp.(Entaemoeba sp.), クリプトコーカスsp.(Cryptococcus sp.), カンジダsp.(Candida sp.), 例えばC. アルビカンス(C.albicans);等。
【0194】
投与のための種々の方法が使用され得る。ポリペプチド配合物は、経口投与されるか、又は静脈内、皮下、腹膜内注射されるか、エアロゾル、眼内、膀胱内、局部、等により投与され得る。例えば、吸入による投与方法は、当業界において良く知られている。治療配合物の用量は、投与されるべき特定の抗菌ポリペプチド、疾病の性質、投与の頻度、投与の態様、宿主からの剤のクリアランス、及び同様のものに依存して、広く変化するであろう。初期用量は大きく、続いて少量の維持の用量が続く。用量は、まれに、毎週又は二週ごとに投与されるか、又は少ない用量に分けられ、そして毎週1度又は数回、1週2度、等で投与され、効果的用量レベルが維持される。多くの場合、経口投与が、静脈内投与される場合よりも高い用量を必要とするであろう。アミド結合、及びアミノ及びカルボキシル末端が、経口投与に基づいて高い安定性のために修飾され得る。例えば、カルボキス末端がアミド化され得る。
【0195】
配合物
本発明の化合物は、治療投与のために種々の配合物中に組込まれ得る。特に、本発明の化合物は、適切な医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤と組合すことにより医薬組成物中に配合され、そして固体、半固体、液体又は気体形、例えば錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、クリーム、発泡体、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル、微小球、ローション及びエアロゾルでも調製物中に配合され得る。化合物の投与は、種々の手段、例えば経口、頬内、直腸、非経口、腹膜内、皮膚内、経皮内、鞘内、等の投与で達成され得る。本発明の抗菌ポリペプチドは、投与の後、全身性であるか、又は移植の部位で活性用量を保持するように作用する移植物又は他の配合物の使用により局在化され得る。
【0196】
1つの態様においては、局部使用のための配合物は、二価のカチオン、特にカルシウム及びマグネシウムの効果的濃度を低めるキレート化剤を含んで成る。例えば、剤、例えばシトレート、EGTA又はEDTAが包含され、ここでシトレートが好ましい。シトレートの濃度は通常、約1〜10mMであろう。
【0197】
本発明の化合物は、単独で、お互い組合して投与されるか、又はそれらは、他の既知化合物(例えば、ペルホリン、抗−炎症剤、抗生物質、等)と組合して使用され得る。医薬投与形においては、化合物は、それらの医薬的に許容できる塩の形で投与され得る。次の方法及び賦形剤は単なる例示であり、制限するものではない。
【0198】
経口調製物に関しては、化合物は、錠剤、粉末、顆粒、又はカプセルを製造するために、単独で、又は適切な添加剤、例えば従来の添加剤、例えばラクトース、マンニトール、コーンスターチ又はジャガイモ澱粉;結合剤、例えば結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチ又はゼラチン;砕解剤、例えばコーンスターチ、ジャガイモ澱粉又はナトリウムカルボキシメチルセルロース;滑剤、例えばタルク又はステアリン酸マグネシウム;及び所望により、希釈剤、緩衝剤、保湿剤、保存剤及び風味剤と組合して使用され得る。
【0199】
化合物は、水性又は非水性溶媒、例えば植物油又は他の類似する油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステル又はプロピレングリコールに、それら;及び所望により、従来の添加剤、例えば溶解剤、等張剤、沈殿防止剤、乳化剤、安定剤及び保存剤を溶解し、懸濁し、又は乳化することにより注射用調製物に配合され得る。
化合物は、吸入を通して投与されるエアロゾル配合物に使用され得る。本発明の化合物は、加圧された許容できる噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素及び同様のもの中に配合され得る。
【0200】
化合物は、従来の添加剤、例えば溶解剤、等張剤、沈殿防止剤、乳化剤、安定剤及び保存剤との配合により、熱傷の感染を防ぐために、ローションとして使用され得る。
さらに、化合物は、種々の塩基、例えば乳化塩基又は水溶性塩基と共に混合することにより、坐剤に製造され得る。本発明の化合物は、坐剤を通して直腸投与され得る。坐剤は、ビークル、例えば体温で溶解し、室温で固化される、コアアバター、カーボワックス及びポリエチレングリコールを含むことができる。
【0201】
経口又は直腸投与のための単位用量形、例えばシロップ、エリキシル及び懸濁液が供給され得、ここで個々の用量単位、例えば錠剤又は坐剤は、本発明の1又は複数の化合物を含む、予定された量の組成物を含む。同様に、注射又は静脈内投与のための単位用量形は、無菌水、通常の塩溶液又はもう1つの医薬的に許容できるキャリヤーに溶液としての組成物に本発明の化合物を含んで成ることができる。
【0202】
持効性配合物のための移植体は、当業界において良く知られている。移植体は、生分解性又は非生分解性ポリマーと共に、微小球、スラブ、等として配合される。例えば、乳酸及び/又はグリコール酸のポリマーは、宿主により十分に許容される侵食できるポリマーを形成する。本発明の抗菌ポリペプチドを含む移植体は、感染の部位に接近して配置され、その結果、活性剤の局部濃度は、身体の残りに比較して高められる。
【0203】
用語“単位用量形”とは、本明細書において使用される場合、ヒト及び動物対象のための単位用量として適切な、生理学的に別々の単位を意味し、個々の単位は、医薬的に許容できる希釈剤、キャリヤー又はビークルと共に、所望する効果を生成するのに十分な量で、計算された予測される量の本発明の化合物を含む。本発明の単位用量形についての規定は、使用される特定の化合物、達成されるべき効果、及び宿主における化合物に関連する薬力学に依存する。
【0204】
医薬的に許容できる賦形剤、例えばビークル、アジュバント、キャリヤー又は希釈剤は、公的に容易に入手できる。さらに、医薬的に許容できる補助物質、例えばpH調節及び緩衝剤、張度調節剤、安定剤、湿潤剤及び同様のものは、公的に容易に入手できる。
【0205】
全身性投与のための典型的な用量は、投与当たり0.1pg〜100mg/kg体重である。典型的な用量は、毎日2〜6度、摂取される1つの錠剤であり得るか、又は1日1度、摂取され、そして比較的高い量の活性成分を含む1つの持効性カプセルであり得る。持効性効果は、異なったpH値で溶解するカプセル材料により、浸透圧によりゆっくり開放するカプセルにより、又は調節された開放性のいずれか他の既知手段により得られる。
【0206】
当業者は、用量レベルが特定の化合物の機能、徴候の重症度及び副作用に対する対象の感受性として変化することができることを容易に理解するであろう。特定の化合物のいくつかは、他の化合物よりもより有能である。所定の化合物についての好ましい用量は、種々の手段により当業者により容易に決定できる。好ましい手段は、所定の化合物の生理学的能力を測定することである。
【0207】
供給ビークルとしてのリポソームの使用は、1つの興味ある方法である。リポソームは標的細胞と融合し、そして内腔中の内容物を細胞中に供給する。リポソームは、接触を維持するために種々の手段、例えば単離、結合剤及び同様のものを用いて、融合のための十分な時間、細胞と接触して維持される。本発明の1つの観点においては、リポソームは、膜の融合に介在する精製されたタンパク質又はペプチド、例えばセンダイウィルス又はインフルエンザウィルス、等により調製され得る。脂質は、既知のリポソーム形成脂質、例えばカチオン性又は両性イオン性脂質、例えばホスファチジルコリンのいずれかの有用な組合せであり得る。残る脂質は通常、中性又は酸性脂質、例えばコレステロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール及び同様のものであろう。
【0208】
リポソームの調製に関しては、Kato など. (1991) J. Biol. Chem. 266: 3361により記載される方法が使用され得る。手短には、ペプチドを含む、脂質及び内腔組成物が、適切な水性媒体、便利には、合計固形物が約1〜10重量%の範囲で存在する塩溶液媒体において組み合わされる。約5〜60秒の短時間の強い攪拌の後、管を約25〜40℃で暖かな水浴に配置し、そしてこのサイクルを、約5〜10回、反復する。次に、組成物が便利な時間、一般的に約1〜10秒間、音波処理され、そしてさらに、かき混ぜることにより攪拌される。次に、その体積が、水性媒体を添加し、一般的には、体積を約1〜2倍に増加することにより拡張され、続いて振盪され、そして冷却される。この方法は、高分子量分子の内腔中への組込みを可能にする。
【0209】
他の活性剤を有する配合物
本発明の方法への使用に関しては、本発明の抗菌ポリペプチドは、他の医薬的活性剤、特に他の抗菌剤により配合され得る。興味ある他の剤は、当業界において知られているような広範囲の種類の抗生物質を包含する。抗生物質の種類は、ペニシリン、例えばペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、カルベニシリン、ナフシリン、アンピシリン、等;β−ラクタマーゼインヒビターと組合してのペニシリン、セファロスポリン、例えばセファクロール、セファゾリン、セフロキシム、モキサラクタム、等;カルバペネム;モノベクタム;アミノグリコシド;テトラサイクリン;マクロリド;リンコマイシン;ポリミキシン;スルホンアミド;キノロン;クロラムフェニコール;メトロニダゾール;スペクチノマイシン;トリメトプリム、バンコマイシン、等を包含する。
【0210】
抗−真菌剤、例えばポリエン、例えばアンホテリシンB、ナイスタチン;5−フルコシン;及びアゾール、例えばミコナゾール、ケイコナゾール、イトラコナゾール及びフルコナゾールはまた、有用である。抗結核薬剤は、イソニアジド、エタムブトール、ストレプトマイシン及びリファンピンを包含する。サイトカイン、例えばインターフェロンγ、腫瘍壊死因子α、インターロイキン12、等はまた、本発明の抗菌ポリペプチドの配合物に含まれ得る。
【0211】
インビトロ合成
本発明の抗菌ペプチドは、当業界において知られている従来の方法を用いて、インビトロ合成により調製され得る。種々の市販の合成装置、例えばApplied Biosystems Inc., Beckman, 等による自動化された合成機は市販されている。合成機を用いることにより、天然に存在するアミノ酸は、不自然なアミノ酸、特にD−異性体(又はD−形)、例えばD−アラニン及びD−イソロイシン、ジアステレオ異性体、異なった長さ又は官能性を有する側鎖、及び同様のものにより置換され得る。特定の配列及び調製の態様は、便利性、経済性、必要とされる純度及び同様のものにより決定されるであろう。
【0212】
化学結合は、結合のための便利な官能基、例えばアミド又は置換されたアミン形成、例えば還元性アミノ化のためのアミノ基、チオエーテル又はジスルフィド形成のためのチオール基、アミド形成のためのカルボキシル基、及び同様のものを含んで成る種々のペプチド又はタンパク質に供給され得る。
【0213】
所望には、種々の基が、他の分子又は表面への結合を可能にする、合成の間又は発現の間、ペプチド中に導入され得る。従って、システインが、チオエーテルを製造するために使用され、金属的複合体への結合のためにヒスチジンが、アミド又はエステルの形成のためにカルボキシル基が、アミドの形成のためにアミノ基が使用され、そして同様のことが行われる。
【0214】
ポリペプチドは、組換え合成の従来の方法に従って単離され、そして精製され得る。溶解物は、発現宿主から調製され、そして溶解物は、HPLC、排除クリマトグラフィー、ゲル電気泳動、親和性クロマトグラフィー又は他の精製技法を用いて精製される。ほとんどの場合、使用される組成物は、生成物の調製方法に関する汚染物及びその精製に関して、少なくとも20重量%、より通常には少なくとも約75重量%、好ましくは少なくとも約95重量%、及び治療目的のためには、通常少なくとも約99.5重量%の所望する生成物を含んで成るであろう。通常、%は、合計タンパク質に基づかれるであろう。
【0215】
動物飼料
本発明はまた、動物飼料への抗菌活性を有するポリペプチドの使用方法、及び本発明の抗菌ポリペプチドを含んで成る飼料組成物及び飼料添加物にも向けられる。
用語、動物とは、ヒトを包含するすべての動物を包含する。動物の例は、非反芻動物、及び反芻動物、例えば、動物、例えば牛、羊、ヤギ、及び馬である。特定の態様においては、動物は非反芻動物である。非反芻動物は、単一の胃を有する動物、例えばブタ又はイノシシ(子ブタ、成長しているブタ及び雌ブタを包含するが、但しそれらだけには限定されない);家禽類、例えば七面鳥、及び鶏(ブロイラー鶏、産卵鶏を包含するが、但しそれらだけには限定されない);子牛;及び魚(サケを包含するが、但しそれだけには限定されない)を包含する。
【0216】
用語、飼料又は飼料組成物とは、動物のために適切な、又は動物による摂取のために意図された、いずれかの化合物、調製物、混合物又は組成物を意味する。
本発明に従っての使用においては、抗菌ポリペプチドは、食事の前、後又は同時に動物に供給され得る。後者が好ましい。
【0217】
特定の態様においては、抗菌ポリペプチドは、それが飼料に添加される形において、又は飼料添加物に含まれる場合、良く定義されている。良く定義されたということは、抗菌ポリペプチド調製物がサイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合、少なくとも50%の純度であることを意味する(WO01/58275号の例12を参照のこと)。他の特定の態様においては、抗菌ポリペプチド調製物は、この方法により決定される場合、少なくとも60、70、80、85、88、90、92、94又は少なくとも95%の純度である。
【0218】
十分に定義された抗菌ポリペプチド調製物が好都合である。例えば、干渉性又は汚染性の他のプロテアーゼを実質に有さない抗菌ポリペプチドを、飼料に正しく適量に分けることがより容易である。用語“適量に分ける”とは、一貫した及び一定した結果を得ることの目的、及び所望する効果に基づいて用量を最適化する能力を正しくは意味する。
しかしながら、動物飼料への使用に関しては、純粋である抗菌ポリペプチドは必要ではなく;それは他の酵素を含むことができ、この場合、それは抗菌ポリペプチド調製物と呼ばれる。
【0219】
抗菌ポリペプチド調製物は、(a)飼料に直接的に添加され得(又は植物タンパク質の処理工程に直接的に使用され得る)、又は(b)1又は複数の中間体組成物、例えば続いて飼料に添加される(又は処理工程に使用される)飼料添加物又はプレミックスの生成に使用され得る。上記純度の程度は、上記(a)又は(b)のいずれに従って使用されても、元の抗菌ポリペプチド調製物の純度を意味する。
【0220】
この高さの程度の純度を有する抗菌ポリペプチド調製物は特に、組換え生成方法を用いて得ることができ、ところがそれらは、抗菌ポリペプチドが従来の発酵方法により生成される場合、得るにはそんなに容易ではなく、そしてより高いバッチからバッチへの変動を受けやすい。
そのような抗菌ポリペプチド調製物はもちろん、他の酵素と共に混合され得る。
【0221】
用語“植物タンパク質”とは、本明細書において使用される場合、植物由来の又は植物起源の少なくとも1つのタンパク質、例えば修飾されたタンパク質及びタンパク質誘導体を含む、いずれかの化合物、組成物、調製物又は混合物を意味する。特定の態様においては、植物タンパク質中のタンパク質含有率は、少なくとも10、20、30、40、50、又は60%(w/w)である。
【0222】
植物タンパク質は、植物タンパク質源、例えばマメ科植物及び穀物、例えばマメ科(Leguminosae)、アブラナ科、アカザ科及びイネ科、例えば大豆粉、ルピナス粉及びナタネ種子粉由来のものである。
特定の態様においては、植物タンパク質源は、1又は複数のマメ科植物、例えば大豆、ルピナス、エンドウ又はインゲン豆からの材料である。
【0223】
もう1つの特定の態様においては、植物タンパク質源は、1又は複数のアカザ科植物、例えばビート、砂糖大根、ホウレンソウ又はキノアからの材料である。
植物タンパク質源の他の例は、ナタネ種子、及びキャベツである。
大豆は、好ましい植物タンパク質源である。
植物タンパク質源の他の例は、穀物、例えば大麦、小麦ライ麦、オート麦、トウモロコシ、イネ、ライコムギ及びモロコシである。
【0224】
抗菌ポリペプチドは、それが比較的純粋な抗菌ポリペプチドとして存在する場合、いずれかの形で、又は動物飼料への添加のために意図された他の成分との混合物の形で、すなわち動物飼料添加物、例えばいわゆる動物飼料のためのプレミックスの形で、飼料に添加され得る。
さらなる観点においては、本発明は、動物の飼料への使用のための組成物、例えば動物飼料及び動物飼料添加物、例えばプレミックスに関する。
【0225】
本発明の抗菌ポリペプチドとは別に、本発明の動物飼料添加物は、少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は少なくとも1つの微量鉱物、及び/又は少なくとも1つのマクロ鉱物を含むことができる。
さらに、任意の飼料添加物成分は、着色剤、;芳香化合物;安定剤;及び/又は中でも、フィターゼ(EC3.1.3.8又は3.1.3.26);キシラーゼ(EC3.2.1.8)、ガラクタナーゼ(EC3.2.1.89);及び/又はβグルカナーゼ(EC3.2.1.4)から選択された少なくとも1つの他の酵素である。
【0226】
特定の態様においては、それらの他の酵素は、十分に定義されている(抗菌ポリペプチド調製物について上記に定義されるように)。
抗菌ペプチド(AMP)の例は、CAP18, Leucocin A, Tritrpticin, Protegrin-1, Thanatin, Defensin,及び Ovispirin 、例えば Novispirin (Robert Lehrer, 2000) 及び抗菌活性を保持するそれらの変異体又はフラグメントである。
【0227】
他の抗真菌ポリペプチド(AFP)の例は、WO94/01459号及びWO02/090384号に開示されるように、アスペルギラス・ギガンテウス(Aspergillus giganteus)、及びアスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)ペプチド、並びに抗真菌活性を保持するそれらの変異体及びフラグメントである。
通常、脂−及び水−溶性ビタミン、及び微量鉱物は、飼料への添加のために意図された、いわゆるプレミックスの一部を形成し、そしてマクロ鉱物は通常、別々に飼料に添加される。それらの組成物のいずれかは、本発明の抗菌ポリペプチドにより富化される場合、本発明の動物飼料添加物である。
【0228】
特定の態様においては、本発明の動物飼料添加物は、0.01〜10.0%、より特定には0.05〜5.0%;又は0.2〜1.0%(%は、100gの飼料当たりの添加物g数を意味する)のレベルで、動物規定食又は飼料への包含を意図される(又は包含すべきより意図される)。これは、特に、プレミックスのためである。
【0229】
次のものは、それらの成分の例の非制限的列挙である:
脂溶性ビタミンの例は、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE及びビタミンK、例えばビタミンK3である。
水溶性ビタミンの例は、ビタミンB12、ビオチン及びコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸及びパントテネート、例えばCa−D−パントテネートである。
【0230】
微量鉱物の例は、マンガン、亜鉛、鉄、銅、ヨウ素、セレン及びコバルトである。
マクロ鉱物の例は、カルシウム、リン及びナトリウムである。
それらの成分(家禽、及び子豚/豚により例示される)の栄養必要条件は、WO01/58275号の表Aに列挙される。栄養必要条件とは、それらの成分が示される濃度で規定食に供給されるべきであることを意味する。
【0231】
他方では、本発明の動物飼料添加は、WO01/58275号の表Aに特定される、少なくとも1つの個々の成分を含んで成る。少なくとも1つとは、1、又は2、又は3、又は4及び等〜すべての13個、又はすべての15個の個々の成分の1又は複数の成分のいずれかを意味する。より特定には、この少なくとも1つの個々の成分は、表Aの縦列4、又は5又は6に示される範囲内の飼料中濃度を提供するような量で本発明の添加物に包含される。
【0232】
本発明はまた、動物飼料組成物にも関する。動物飼料組成物又は規定食は、比較的に高いタンパク質含有率を有する。家禽及び豚規定食は、WO01/58275号の表B、縦列2−3に示されるように特徴づけられ得る。さらに、そのような魚規定食は通常、200−310g/kgの粗脂肪含有率を有する。
本発明の動物飼料組成物は、50−800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そしてさらに、本明細書に請求されるように、少なくとも1つの抗菌ポリペプチドを含んで成る。
【0233】
さらに、又は他方では(上記に示される粗タンパク質含有率)、本発明の動物飼料組成物は、10−30MJ/kgの代謝可能エネルギー含有率;及び/又は0.1−200g/kgのカルシウム含有率;及び/又は0.1−200g/kgの利用できるリン含有率;及び/又は0.1−100g/kgのメチオニン含有率:及び/又は0.1−150g/kgのメチオニン及びシステイン含有率;及び/又は0.5−50g/kgのリシン含有率を有する。
【0234】
特定の態様においては、前記代謝エネルギー、粗タンパク質、カルシウム、リン、メチオニン、メチオニン+システイン、及び/又はリシン含有率は、WO01/58275号(R. 2−5)の表Bにおける範囲2,3,4又は5のいずれか1つの範囲内である。
粗タンパク質は、係数6.25により掛け算される窒素(N)、すなわち粗タンパク質(g/kg)=N(g/kg)×6.25として計算される。窒素含有率は、Kjeldahl方法 (A. O. A. C. , 1984, Official Methods of Analysis 14th ed., Association of Official Analytical Chemists, Washington DC)により決定され得る。
【0235】
代謝可能エネルギーは、NRC publication Nutrient requirements in swine, ninth revised edition 1988, subcommittee on swine nutrition, committee on animal nutrition, board of agriculture, national research council. National Academy Press, Washington, D. C. , pp. 2-6、及びthe European Table of Energy Values for Poultry Feed-stuffs, Spelderholt centre for poultry research and extension, 7361 DA Beekbergen, The Netherlands. Grafisch bedrijf Ponsen & looijen bv, Wageningen. ISBN 90-71463-12-5に基づいて計算され得る。
【0236】
完全な動物規定食におけるカルシウム、利用できるリン及びアミノ酸の含有率は、飼料表、例えばVeevoedertabel 1997, gegevens over chemische samenstelling, verteerbaarheid en voederwaarde van voedermiddelen, Central Veevoederbureau, Runderweg 6,8219 pk Lelystad. ISBN 90- 72839-13-7に基づいて計算される。
特定の態様においては、本発明の動物飼料組成物は、上記に定義されるような少なくとも1つの植物タンパク質の又はタンパク質源を含む。
【0237】
さらなる特定の態様においては、本発明の動物用飼料組成物は、0-80%のトウモロコシ;及び/又は0-80%のモロコシ;及び/又は0−70%の小麦;及び/又は0-70%の大麦;及び/又は0-30%のオート麦;及び/及び0-40%の大豆ミール;及び/又は0-25%の魚ミール;0-25%の肉及び骨負ン及び/又は0-20%ホエーを含む。動物用規定食は、マッシュ飼料(ペレット化されていない)又はペレット化された飼料として製造され得る。典型的には、微粉砕された飼料材料が混合され、そして十分な量の必須ビタミン及び鉱物が、問題の種についての規定に従って添加される。酵素は、固体又は液体酵素配合として添加され得る。例えば、固体酵素配合物は典型的には、混合段階の前又はその間に添加され;そして液体酵素調製物は典型的には、ペレット化段階の後に添加される。酵素はまた、飼料添加物又はプレミックスにも組込まれ得る。
【0238】
規定食における最終酵素濃度は、0.01−200mgの酵素タンパク質/kg規定食、例えば0.5−25mgの酵素タンパク質/kg動物規定食の範囲内である。
抗菌ポリペプチドは、1又は複数の次の量(用量範囲)で投与される:0.01-200 ; 又は0.01-100 ; 又は0.5-100 ;又は0.05-50; 又は0.10-10−すべてのそれらの範囲はmgプロテアーゼタンパク質/kg飼料(ppm)である。
【0239】
kg飼料当たりmg抗菌ポリペプチドタンパク質を決定するために、抗菌ポリペプチドは飼料組成物から精製され、そして精製された抗菌ポリペプチドの非活性が適切なアッセイ(抗菌ポリペプチド活性、基質及びアッセイを参照のこと)を用いて決定される。飼料組成物の抗菌ポリペプチド活性はまた、同じアッセイを用いて決定され、そしてそれらの2種の決定に基づいて、mg抗菌ポリペプチドタンパク質/kg飼料での用量が計算される。
【0240】
同じ原理が、飼料添加物におけるmg抗菌ポリペプチドタンパク質を決定するために適用される。もちろん、サンプルが飼料添加物又は飼料を調製するために使用される抗菌ポリペプチドのために利用できる場合、比活性はこのサンプルから決定される(飼料組成物又は添加物から抗菌ポリペプチドを精製するために必要でない)。
【0241】
シグナルペプチド及びプロペプチド
本発明はまた、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 −50〜 −32から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド1 −57;配列番号12又は配列番号 14のアミノ酸 −39〜 −19から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号11又は配列番号13のヌクレオチド1 −63;配列番号16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 −37〜 −17から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号15、配列番号17又は配列番号19のヌクレオチド1 −63;配列番号22のアミノ酸 −39〜 −19から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号21のヌクレオチド1 −63;配列番号24のアミノ酸 −50〜 −32から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号23のヌクレオチド1 −57;配列番号26のアミノ酸 −40〜 −20から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号25のヌクレオチド1 −63;又は配列番号28のアミノ酸 −48〜 −27から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号27のヌクレオチド1 −66から成る第1ヌクレオチド配列;及び配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8又は配列番号 10のアミノ酸 −31〜 −1から成るプロペプチドをコードする、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7又は配列番号9のヌクレオチド58 −150;配列番号12又は配列番号 14のアミノ酸 −18〜 −1から成るプロペプチドをコードする、配列番号11又は配列番号13のヌクレオチド64 −117;配列番号16、配列番号18又は配列番号20のアミノ酸 −16〜 −1から成るプロペプチドをコードする、配列番号15、配列番号17又は配列番号19のヌクレオチド64 −111;配列番号22のアミノ酸 −18〜 −1から成るプロペプチドをコードする、配列番号21のヌクレオチド64−117;配列番号24のアミノ酸 −31〜 −1から成るプロペプチドをコードする、配列番号23のヌクレオチド58−150;配列番号26のアミノ酸 −19〜 −1から成るプロペプチドをコードする、配列番号25のヌクレオチド64 −120;又は配列番号28のアミノ酸 −26〜 −1から成るプロペプチドをコードする、配列番号27のヌクレオチド67−144から成る第2ヌクレオチド配列の1つ、又は両者に作用可能に連結されるタンパク質をコードする、前記第1及び第2のヌクレオチド配列に対して外来性の遺伝子を含んで成る核酸構造体にも関する。
【0242】
本発明はまた、組換え発現ベクター、及びそのような核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞にも関する。
本発明はまた、(a)そのような組換え宿主細胞を、タンパク質の生成のために適切な条件で培養し;そして(b)タンパク質を回収することを含んで成るタンパク質の生成方法にも関する。
【0243】
前記第1及び第2ヌクレオチド配列は、他の制御配列と共に、又は他の制御配列と組合して、それぞれ、外来性遺伝子に作用可能に連結され得る。そのような他の制御配列は、前記の通りである。前述のように、シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がタンパク質のアミノ末端で存在する場合、プロペプチド領域は、タンパク質のアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0244】
前記タンパク質は、宿主細胞に対して生来性でも又は異種性でもあり得る。用語“タンパク質”とは、コードされた生成物の特定の長さを言及することを本明細書においては意味せず、そして従って、ペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質を包含する。用語“タンパク質”とはまた、コードされた生成物を形成するために組み合わされ得る核酸のポリペプチドを包含する。タンパク質はまた、少なくとも2種の異なったタンパク質(ここで、1又は複数のタンパク質は宿主細胞に対して生来のものであるか又は異種のものであり得る)から得られた部分又は完全なポリペプチド配列の組み合わせを含んで成るハイブリッドポリペプチドを包含する。タンパク質はさらに、上記タンパク質及びハイブリッドタンパク質の天然に存在する対立遺伝子及び構築された変動性を包含する。
【0245】
好ましくは、タンパク質は、ホルモン又はその変異体、酵素、受容体又はその一部、抗体又はその一部、又はレポーターである。より好ましい態様においては、タンパク質はオキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ又はリガーゼである。さらにより好ましい態様においては、タンパク質は、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、インバーターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解ポリペプチド、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ又はキシラナーゼである。
【0246】
前記遺伝子は、いずれかの原核、真核生物又は他の源から得られる。
本発明はさらに、次の例により記載されるが、それらは本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0247】
緩衝液及び基質として使用される化学物質は、少なくとも試薬品種の市販の製品であった。
例1:アレニコラ・マリナのcDNAライブラリーの調製
cDNAライブラリーを、A.マリナ腸から調製した。ポリA富化されたRNAを精製し、cDNAを合成し、そしてライブラリーを標準の分子生物学的方法に従って製造した。一般的方法に基づく詳細なプロトコールは、国際特許出願WO01/12794号の例に見出され得る。クローニングのために使用されるベクターは、pMHAs7iであった。プラスミドpMHas7iは、pMhas5の誘導体であり(WO03/044049号を参照のこと)、ここでSfil適合されたcDNAと適合できるSfilクローニング部位がSMARTプロトコールにおいて創造された。手短には、λTriplX2(Clontech)のEcoRI-NotIヒトアルドラーゼcDNAフラグメントを、pMHas5のEcoRIクローニング部位中にクローン化した。得られるプラスミドpMHas7iは、SMART適合されたcDNAをクローニングするために必要とされる適切なSfil部位を端に有するヒトアルドラーゼcDNAを含む。
【0248】
cDNAのクローニングのためのpMHas7iの調製:ベクターを、Sfilにより制限し、そしてプラスミドを、アガロースゲル電気泳動によりアルドラーゼ挿入体から精製した。制限されたプラスミドを含むバンドを、GFX処理(GH Healthcare)により精製した。
【0249】
例2:A. マリナcDNAライブラリーのシグナルトラピングによるマリナシンペプチドファミリーの発見
cDNAプラスミドプールを、元のcDNA−pMHas5ベクター連結物の20,000個の全形質転換体から調製し、そしてシグナルをWO01/77315号に記載のようにして入手し、381の配列コンチグをもたらす。
【0250】
すべての381のコンチグを独立してブラストし、そして結果を分析した。1つのコンチグ(ZY151351)は、既知抗菌ポリペプチド(デフェンシン様ポリペプチド)と、いくらかのアミノ酸相同性を共有した。誘導されたポリペプチドを、マリナシン(Marinasin)1A(配列番号6)と命名した。
【0251】
マリナシン1Aポリペプチド配列とのブラスチングによる381のコンチグの再試験に基づいて、いくつかの他の“マリナシン”を同定した(配列番号8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26又は28)。
【0252】
例3:マリナシンのためのアスペルギラス発現ベクターの構成
マリナシン1B(配列番号8のアミノ酸1−49)、マリナシン2A(配列番号12のアミノ酸1−46)、マリナシン3B(配列番号18のアミノ酸1−48)、マリナシン4(配列番号22のアミノ酸1−45)、マリナシン5(配列番号24のアミノ酸1−49)、マリナシン6(配列番号26のアミノ酸1−44)、及びマリナシン7(配列番号28のアミノ酸1−59)の予測される成熟領域をコードするcDNAを、A. マリナ腸cDNAライブラリーから増幅し、そして次の態様で、プレクタシンプレ−プロ領域をコードするDNAフラグメントに融合した:表1に列挙されるオリゴヌクレオチドを用いてのPCR反応において、10ngのcDNAを鋳型として使用した。
【0253】
【表1】

【0254】
5pモルの個々のプライマーF及びR(例えば;マリナシン1B-F及びマリナシン1B-R)を、25μlの反応体積で使用し、ここでExpand High Fidelity PCR System (Roche)が使用された。94℃での2分間の変性の後、35サイクルのPCRを次のプログラムにより実施した:94℃で15秒及び60℃で60秒。
58bpのイントロンを含むプレクタシンプレ−プロ領域(WO03/044049号の例を参照のこと)を、表2に列挙されるオリゴヌクレオチドを用いて、プラスミド鋳型から増幅した。
【0255】
【表2】

【0256】
5pモルの個々のプライマーF及びR(例えば;PlecBHI-F及びマリナシン1B-R)を、25μlの反応体積で使用し、ここでExpand High Fidelity PCR System (Roche)が使用された。94℃での2分間の変性の後、35サイクルのPCRを次のプログラムにより実施した:94℃で15秒及び60℃で60秒。
【0257】
PCR反応物を、2%アガロースゲル上で分離した。マリナシンcDNA及びプレクタシンプレ−プロ領域についての予測されるサイズのバンドを、GFX DNA精製キット(Amersham)を用いて、その製造業者のプロトコールに従って単離した。1/50の精製された材料を、プレクタシン前方向プライマー及びマリナシン逆方向プライマーを用いての融合PCRについて鋳型として使用した(例えば、マリナシン1Bに関して:マリナシン1B-F及びマリナシン1B−Rの生成物を、鋳型としてのPlecBHI-F及びPlec-Mar1B-Rの生成物と共に、プライマーとしてのPlecBHI-F及びマリナシン1B-Rを用いて組合した)。5pモルの個々のプライマーF及びR(例えば、マリナシン1B-F及びマリナシン1B-R)を、25μlの反応体積で使用し、ここでExpand High Fidelity PCR System (Roche)が使用された。
【0258】
94℃での2分間の変性の後、25サイクルのPCRを次のプログラムにより実施した:94℃で15秒及び60℃で60秒。PCR反応物を、2%アガロースゲル上で分離した。プレクタシン/マリナシン融合構造体をコードする予測されるサイズのバンドを、GFX DNA精製キット(Amersham)を用いて、その製造者のプロトコールに従って単離した。フラグメントを、PCRプライマーにより挿入されたオーバーハングを切断するBamHI及びHindIII により消化した。消化されたフラグメントを単離し、そして発現プラスミドpDAu109 (WO2005/042735号の例を参照のこと)中にクローン化した。
【0259】
例4:アスペルギラスにおけるマリナシンの発現
pDAu109に基づくマリナシン発現プラスミドを用いて、アスペルギラス・オリザエ株BECh2 (WO00/393229号を参照のこと)を形質転換した。個々の株の10〜20の形質転換体を、スクロース及びアセトアミドを用いてCove最少プレート上で、選択的及び非誘発的条件下で2度、再単離した。マリナシンの発現を試験するために、形質転換体を、10mlのDap2C-1(WO2004/032648号の例における“培地”を参照のこと)を含む管において、26℃で3日間、増殖した。発現を、NuPage 16% Tricine SDSゲル(Invitrogen)上で、その製造業者により推薦されるようにして、培養上清液のMaldi-TOF及びSDS-pageにより確かめた。
【0260】
例5:放射拡散アッセイによる抗菌活性
例4に記載される上清液を、抗菌活性の検出のための公開されているプロトコールに従って、放射拡散アッセイにより分析した(Lehrer など, (1991) Ultra sensitive assays for endogenous antimicrobial polypeptides J Immunol Methods 137: 167-173)。標的細菌(106のコロニー形成単離(CFU))を、10mlのアンダーレイアガロース(1%の低電気浸透アガロース、0.03%のトリプチカーゼ大豆ブイヨン、10mMのリン酸ナトリウム、pH7.4、37℃)に添加した。懸濁液を、INTEGRIDペトリ皿(Becton Dickinson Labware, NJ)上で固化した。3mmのゲルパンチャーを用いて、アンダーレイアガロース(Amersham Pharmacia Biotech, Sweden)に穴を製造した。
【0261】
サンプルをそれらの穴に添加し、そして37℃で3時間インキュベートした。オーバーレイを上部に注ぎ、そしてプレートを一晩インキュベートした(LB培地、7.5%寒天)。抗菌活性を、ウェルの周囲の細胞透明領域として見出した。生存細胞を、10mlの0.2mMのMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミドチアゾリルブルー)の添加により対比染色した。すべての標準プロトコールは、Sambrook, Fritsch, and Maniatis, 1989に記載されている。電子写真を取る。細菌増殖阻害を、最も近い0.1mmまで測定され、そして穴の直径を控除される、透明領域とに見出す。
【0262】
結果は、広範囲の下記試験株に対する、天然のサンプル(表3)及び濃縮されたサンプル(表4)の阻害の領域として示される:
A:スタフィロコーカス・シムランス(Staphylococcus simulans)(ATCC 11631)
B:スタフィロコーカス・カルノサス(Staphylococcus carnosus )(ATCC51365)
C:ストレプトコーカス・ヒオインテスチナリス(Streptococcus hyointestinalis )(ATCC49169)
D:バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis )(ATCC23857)
E:エンテロコーカス・サッカロリチカス(Enterococcus saccharolyticus) (ATCC43076)
F:エスシエリキア・コリ(Escherichia coli)(ATCC10536)
G:アシネトバクター・アニトラタス(Acinetobacter anitratus )(ATCC17903)
H:エルウィニア・キリサンテミ(Erwinia chrysanthemi )(ATCC11663)
J:シュードモナス・ボレオポリス(Pseudomonas boreopolis )(ATCC15452)
【0263】
サンプルの濃縮を、2.5mlの100%TCAによる45mlの培養上清液の沈殿及び450μlの再懸濁液(100mMのトリス、pH8、100mMのNaCl)におけるペレット化された沈殿物の再懸濁により実施した。
【0264】
【表3】

【0265】
【表4】

【0266】
例6:デフェンシンを同定するためのPFAMデータベースからのHMMファイルの使用
隠されたmarkovモデルプロフィール(HMMプロフィール)を用いての配列分析を、インターネット上でのオンラインで、又は良く知られたHMMERの自由に入手できるソフトウェアパッケージを用いて、コンピューター上で局部的に実施することができる。現在のバージョンは、2003年10月からのHMMER2.3.2である。
【0267】
HMMプロフィールは、良く知られたPFAMデータベースから得られる。現在のバージョンは、2004年11月からのPFAM16.0である。HMMER及びPFAMの両者は、例えばWashington University in St. Louis (USA), School of Medicine (http://pfam.wustl.edu and http://hmmer.wustl.edu)からすべてのコンピュータープラットフォームについて入手できる。
【0268】
問題のアミノ酸配列、又はそのフラグメントが次の5種のファミリーの1つに属する場合、そのアミノ酸配列は本発明のデフェンシンである:
- デフェンシン_β 又は "β デフェンシン", 受託番号: PF00711 ;
- デフェンシン_propep 又は "デフェンシン プロペプチド", 受託番号: PF00879;
- デフェンシン_1 又は"哺乳類デフェンシン", 受託番号: PF00323;
- デフェンシン_2 又は "節足動物デフェンシン", 受託番号: PF01097;
- γ-チオニン 又は "γ-チオニンファミリー", 受託番号: PF00304。
【0269】
アミノ酸配列は、それが0.1以上であるE−値を生成し、そしてPFAMデータベースがオンラインで使用されるか、又はhmmpfamプログラム(HMMERソフトウェアパッケージからの)が局部的に使用される場合、ゼロ以上か又はゼロに等しい評点を生成する場合、本発明に従って、PFAMファミリーに属する。
【0270】
配列分析がhmmpfamプログラムを用いて局部的に行われる場合、PFAMデータベースからHMMプロフィールを得る(ダウンロードされる)必要がある。次の2種のプロフィールが個々のファミリーのために存在し:世界的調査のためのxxx_ls.hmm、及び局部調査のためのxxx_fs.hmm(“XXX”はファミリーの名称である)。これは、上記5種のファミリーのために合計10のプロフィールを製造する。
【0271】
それらの10のプロフィールを個々に使用するか、又は例えば、デフェンシン・hmmと命名され得る単一のプロフィール中に連結され得る(追加され得る)(テキストエディターを用いて−プロフィールはASCIIファイルである)。次に、問題のアミノ酸配列が、次のコマンドラインを用いることにより評価され得る:
hmmpfam -E 0.1 defensin.hmm sequence_file
【0272】
ここで“sequence_file”は、HMMERソフトウェアパッケージにより認識されるいずれかのフォーマットにおける問題のアミノ酸配列を有するファイルである。
評点がゼロ(0.0)よりも大きいか又は等しく、そしてE−値が0.1以上である場合、問題のアミノ酸配列は、本発明によればデフェンシンである。
PFAMデータベースはさらに、Batemanなど. (2004) "The Pfam Protein Families Database", Nucleic Acids Research, Vol. 32 (Database Issue) pp. D138-D141に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C-x(3)-C-x(7,9)-C-C; C-C-x(8)-C-x-C; 又は C-x-C-x(8,11)-Cにより表されるアミノ酸配列を含んで成る、抗菌活性を有するポリペプチド。
【請求項2】
デフェンシンである請求項1記載のポリペプチド。
【請求項3】
5,6,7,8,9又は10個のシステイン残基を含んで成る請求項1又は2記載のポリペプチド。
【請求項4】
(a)配列番号2のアミノ酸 1 − 49,
配列番号4のアミノ酸 1 − 49,
配列番号6のアミノ酸 1 − 49,
配列番号8のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16のアミノ酸 1 − 48,
配列番号18のアミノ酸 1 − 48,
配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
(b)(i)配列番号1のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号3のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号5のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号7のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号17のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321;又は
(ii)(i)の相補的鎖と、
少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;又は
(c)配列番号2のアミノ酸 1 − 49,
配列番号4のアミノ酸 1 − 49,
配列番号6のアミノ酸 1 − 49,
配列番号8のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16のアミノ酸 1 − 48,
配列番号18のアミノ酸 1 − 48,
配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59の、
1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失、及び/又は挿入を含んで成る変異体である請求項1〜3のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号2のアミノ酸 1 − 49,
配列番号4のアミノ酸 1 − 49,
配列番号6のアミノ酸 1 − 49,
配列番号8のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16のアミノ酸 1 − 48,
配列番号18のアミノ酸 1 − 48,
配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59と、
少なくとも65%の同一性、好ましくは少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る請求項4記載のポリペプチド。
【請求項6】
(i)配列番号1のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号3のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号5のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号7のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号17のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321;又は(ii)(i)の相補的鎖と、
中位の緊縮条件、好ましくは中位の高い又は高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされる請求項4記載のポリペプチド。
【請求項7】
配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28、又は抗菌活性を有するそのフラグメントから成る請求項1〜6のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項8】
配列番号2, 配列番号4, 配列番号6, 配列番号8, 配列番号10, 配列番号12, 配列番号14, 配列番号16, 配列番号18, 配列番号20, 配列番号22, 配列番号24, 配列番号26,又は 配列番号28から成る請求項7記載のポリペプチド。
【請求項9】
配列番号2のアミノ酸 1 − 49,
配列番号4のアミノ酸 1 − 49,
配列番号6のアミノ酸 1 − 49,
配列番号8のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16のアミノ酸 1 − 48,
配列番号18のアミノ酸 1 − 48,
配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59から成る請求項7記載のポリペプチド。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド。
【請求項11】
配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の成熟ポリペプチドコード配列に少なくとも1つの突然変異を有し、ここで前記変異体ヌクレオチド配列が、
配列番号2のアミノ酸 1 − 49,
配列番号4のアミノ酸 1 − 49,
配列番号6のアミノ酸 1 − 49,
配列番号8のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16のアミノ酸 1 − 48,
配列番号18のアミノ酸 1 − 48,
配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59から成るポリペプチドをコードする請求項10記載のポリヌクレオチド。
【請求項12】
発現宿主においてポリペプチドの生成を指図する1又は複数の制御配列に操作可能的に連結される請求項10記載のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体。
【請求項13】
請求項12記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項14】
請求項12記載の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか1項記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)その野生型において、前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下でポリペプチドを生成することができる細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項16】
請求項1〜9のいずれか1項記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下で、前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る核酸構造体を含んで成る宿主細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項17】
(a)(i)配列番号1のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号3のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号5のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号7のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号9のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号11のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号 13のヌクレオチド 118 − 255,
配列番号15のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号17のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号 19のヌクレオチド 112 − 255,
配列番号21のヌクレオチド 118 − 252,
配列番号23のヌクレオチド 151 − 297,
配列番号25のヌクレオチド 121 − 252, 又は
配列番号27のヌクレオチド 145 − 321;又は(ii)(i)の相補的鎖と、
中位の緊縮条件、好ましくは中位の高い又は高い緊縮条件下でDNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)抗菌活性を有するポリペプチドをコードする、ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項18】
変異体ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドの生成方法であって、(a)配列番号1 , 配列番号3, 配列番号5, 配列番号7, 配列番号9, 配列番号11 , 配列番号13, 配列番号15, 配列番号17, 配列番号19, 配列番号21 , 配列番号23, 配列番号25, 又は配列番号27の成熟ポリペプチドコード配列中に少なくとも1つの突然変異を導入し、ここで前記変異体ヌクレオチド配列が、
配列番号2のアミノ酸 1 − 49,
配列番号4のアミノ酸 1 − 49,
配列番号6のアミノ酸 1 − 49,
配列番号8のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 10のアミノ酸 1 − 49,
配列番号 12のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 14のアミノ酸 1 − 46,
配列番号 16のアミノ酸 1 − 48,
配列番号18のアミノ酸 1 − 48,
配列番号20のアミノ酸 1 − 48,
配列番号22のアミノ酸 1 − 45,
配列番号24のアミノ酸 1 − 49,
配列番号26のアミノ酸 1 − 44,又は
配列番号28のアミノ酸 1 − 59、
から成るポリペプチドをコードし;そして(b)前記変異体ヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法により生成される変異体ポリヌクレオチド。
【請求項20】
ポリペプチドの生成方法であって、(a)前記ポリペプチドをコードする請求項19記載の変異体ポリヌクレオチドを含んで成る細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項21】
(a)本発明の抗菌活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んで成るトランスジェニック直物又は植物細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、請求項1〜9のいずれか1項記載のポリペプチドの生成方法。
【請求項22】
請求項1〜9のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにより形質転換されている、トランスジェニック植物、植物部分又は植物細胞。
【請求項23】
請求項1〜9のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチドと微生物細胞とを接触することを含んで成る、微生物細胞を殺害するか又はその細胞の増殖を阻害するための方法。
【請求項24】
医薬、又は獣医又はヒト抗菌治療又は予防剤として使用するための請求項1〜9のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチド。
【請求項25】
微生物感染の処理又は予防使用のための獣医又はヒト治療剤の調製への請求項1〜9のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチドの使用。
【請求項26】
動物飼料への少なくとも1つの請求項1〜9のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチドの使用。

【公開番号】特開2012−191951(P2012−191951A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−151360(P2012−151360)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【分割の表示】特願2008−501161(P2008−501161)の分割
【原出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(510062398)ノボザイムス アデニウム バイオテック アクティーゼルスカブ (8)
【Fターム(参考)】