説明

抗菌活性を有する5−キノリン誘導体

本発明は、一般式(I)で表される新規な抗菌化合物に関する。


この化合物は、特にDNAジャイレース及びトポイソメラーゼ、例えば、トポイソメラーゼII及びIVの阻害剤として重要である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌活性を有する新規な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在使用される抗生物質に対する耐性は、多くの国々で近年明らかに増加しており、ある場合には驚くべき割合を示すこともある。主要な問題は、これらの病原体が単一の耐性を示すだけではなく、たいてい、多剤耐性を示すことである。これは、特に、ブドウ球菌、肺炎球菌及び腸球菌等のある種のグラム陽性病原体群に当てはまる(S.Ewigら,「Antibiotika-Resistenz bei Erregern ambulant erworbener Atemwegsinfektionen(外来患者獲得性呼吸器感染の病原体における抗生物質耐性)」,Chemother. J.2002年,11,12〜26頁;F. Tenover,「抗菌剤に対する細菌耐性の発達と拡大(Development and spread of bacterial resistance to antimicrobial agents)」:概要,Clin.Infect.Dis.2001年9月15日,33 Suppl. 3,108〜115頁)。
【0003】
以前から心配されていた進展が最近起こった。米国において、メチシリンにだけではなく、バンコマイシンにも高い耐性を有する黄色ブドウ球菌の第1株が報道されている(Centers for Disease Control and Prevention;「バンコマイシンに耐性を有する黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus resistant to vancomycin)」米国,2002年,MMWR 2002,51,565〜567頁)。そのため、病院での衛生対策だけではなく、これらの問題となる病原体に対して有効であるように、できる限り新規構造及び新規作用機構を有する新規抗生物質を見出すためにより一層の努力が求められている。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、抗菌活性を有する新規な化合物に関する。本発明の化合物は、特にDNAジャイレース及びトポイソメラーゼ(例えば、トポイソメラーゼII及びIV)の阻害剤として興味深い。
【0005】
本発明は、下記一般式(I)で表される化合物、その薬理学的に許容されうる塩、溶媒和物、水和物又は薬理学的に許容されうる配合物に関する。
【化1】

(式中、残基Rは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、ヘテロアルキル基、アルキルオキシ基、ヘテロアルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルシクロアルキルオキシ基、ヘテロシクロアルキルオキシ基又はヘテロアルキルシクロアルキルオキシ基であり、
【0006】
残基Rは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基又はヘテロアルキル基であり、
【0007】
残基Rは、次式で表される基であり、
【化2】

(式中、U及びVは、それぞれ独立して、窒素原子又は式:CH又はCRで表される基である)
【0008】
残基Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はヘテロアルキル基であり、
nは0、1又は2であり、
【0009】
残基Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基であり、
【0010】
残基Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はヘテロアルキル基であり、
【0011】
Aは、−CR10(OR11)CR1213−、−CRCR10(OR11)−、−OCRCR1213−、−CRCR1213O−、−CRSO−、−SOCR−、−CRNR−、−NRCR−、−CRO−、−OCR−、−CRS−、−SCR−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−及び−CRCR1213−で表される基から選択され、
【0012】
残基Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基又はカルボニルアミノ基であり、ここで、適用可能な場合、カルボニルアミノ基のアミノ基は、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基、C〜Cアルケニルオキシカルボニル基、C〜Cアルケニルカルボニル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基で置換されていてもよく、更に、適用可能な場合、C〜Cアルキル基又はC〜Cアルケニル基で置換されていてもよい、
【0013】
残基R、R、R10、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アジド基、トリフルオロメチル基、水酸基、アミノ基、C〜Cアルキルオキシ基、C〜Cアルキルチオ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルケニルオキシカルボニル基、C〜Cアルキルスルホニル基、C〜Cアルケニルスルホニル基又はスルホニルアミノ基であり、ここで、スルホニルアミノ基のアミノ基は、適用可能な場合、C〜Cアルキル基又はフェニル基で置換されていてもよい、
【0014】
残基R11は、水素原子、トリフルオロメチル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基又はカルボニルアミノ基であり、ここで、カルボニルアミノ基のアミノ基は、適用可能な場合、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基、C〜Cアルケニルオキシカルボニル基、C〜Cアルケニルカルボニル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基で置換されていてもよく、さらに、適用可能な場合、C〜Cアルキル基又はC〜Cアルケニル基で置換されていてもよい。
【0015】
アルキルとは、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子、特に好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を指し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基又はn−オクチル基を指す。
【0016】
アルケニル及びアルキニルとは、2〜20個の炭素原子、好ましくは2〜12個の炭素原子、特に好ましくは2〜6個の炭素原子を含む少なくとも部分的に不飽和の直鎖又は分枝状の炭化水素基を指し、例えば、エテニル基、アリル基、アセチレニル基、プロパルギル基、イソプレニル基又はヘキサ−2−エニル基を指す。好ましくは、アルケニル基は、1個又は2個(特に好ましくは1個)の二重結合を有し、アルキニル基は、1個又は2個(特に好ましくは1個)の三重結合を有する。
【0017】
また、アルキル、アルケニル及びアルキニルとは、1個又は複数の水素原子がハロゲン原子(好ましくは、F又はCl)で置換された、例えば2,2,2−トリクロロエチル基又はトリフルオロメチル基等の基を指す。
【0018】
ヘテロアルキルとは、1個又は複数(好ましくは、1個、2個又は3個)の炭素原子が、酸素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、セレン原子、ケイ素原子又は硫黄原子(好ましくは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子)で置換されたアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を指す。さらに、ヘテロアルキルとは、カルボン酸、あるいは、カルボン酸から誘導された基、例えばアシル、アシルアルキル、アルコキシカルボニル、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、カルボキシアルキルアミド又はアルコキシカルボニルオキシ等の基を指す。
【0019】
ヘテロアルキル基の例としては、式:R−O−Y−、R−S−Y−、R−N(R)−Y−、R−CO−Y−、R−O−CO−Y−、R−CO−O−Y−、R−CO−N(R)−Y−、R−N(R)−CO−Y−、R−O−CO−N(R)−Y−、R−N(R)−CO−O−Y−、R−N(R)−CO−N(R)−Y−、R−O−CO−O−Y−、R−N(R)−C(=NR)−N(R)−Y−、R−CS−Y−、R−O−CS−Y−、R−CS−O−Y−、R−CS−N(R)−Y−、R−N(R)−CS−Y−、R−O−CS−N(R)−Y−、R−N(R)−CS−O−Y−、R−N(R)−CS−N(R)−Y−、R−O−CS−O−Y−、R−S−CO−Y−、R−CO−S−Y−、R−S−CO−N(R)−Y−、R−N(R)−CO−S−Y−、R−S−CO−O−Y−、R−O−CO−S−Y−、R−S−CO−S−Y−、R−S−CS−Y−、R−CS−S−Y−、R−S−CS−N(R)−Y−、R−N(R)−CS−S−Y−、R−S−CS−O−Y−、R−O−CS−S−Y−で表される基が挙げられる。式中、Rは、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はC〜Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はC〜Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はC〜Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はC〜Cアルキル基であり、Yは、C〜Cアルキレン基、C〜Cアルケニレン基又はC〜Cアルキニレン基であり、ここで、各ヘテロアルキル基は、少なくとも1個の炭素原子を含み、1個又は複数の水素原子がフッ素又は塩素原子で置換されていてもよい。
【0020】
ヘテロアルキル基の具体例としては、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t−ブチルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、−CHCHOH、−CHOH、メトキシエチル、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ジイソプロピルアミノエチル、エノールエーテル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、アセチル、プロピオニル、ブチリルオキシ、アセチルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−エチル−N−メチルカルバモイル又はN−メチルカルバモイルが挙げられる。ヘテロアルキル基の更なる例としては、ニトリル基、イソニトリル基、シアネート基、チオシアネート基、イソシアネート基、イソチオシアネート基及びアルキルニトリル基が挙げられる。ヘテロアルキレン基の例としては、式:−CHCH(OH)で表される基が挙げられる。
【0021】
シクロアルキルとは、1個又は複数の環(好ましくは1個又は2個)を含み、3〜14個の環炭素原子、好ましくは3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環炭素原子を含む飽和又は部分的に不飽和の環状基(例えば、シクロアルケニル基)を指す。さらに、シクロアルキルとは、1個又は複数の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、あるいはOH基、=O基、SH基、=S基、NH基、=NH基又はNO基で置換された基、例えば、シクロヘキサノン、2−シクロヘキセノン又はシクロペンタノン等の環状ケトンを指す。また、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、スピロ[4,5]デカニル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキサジエニル基、デカリニル基、ビシクロ[4.3.0]ノニル基、テトラリン基、シクロペンチルシクロヘキシル基、フルオロシクロヘキシル基又はシクロヘキサ−2−エニル基が挙げられる。
【0022】
ヘテロシクロアルキルとは、1個又は複数(好ましくは、1個、2個又は3個)の環炭素原子が、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、セレン原子、リン原子又は硫黄原子(好ましくは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子)で置換された上記の定義のシクロアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキル基は、好ましくは、3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環原子を含む1個又は2個の環を有する。さらに、ヘテロシクロアルキルは、1個又は複数の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、あるいはOH基、=O基、SH基、=S基、NH基、=NH基又はNO基で置換された基を指す。ヘテロシクロアルキルの例として、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ウロトロピニル基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフリル基又は2−ピラゾリニル基、さらにラクタム、ラクトン、環状イミド及び環状酸無水物が挙げられる。
【0023】
アルキルシクロアルキルとは、上記の定義に従いシクロアルキル基と、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基との両方を含む基を指し、例えば、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルケニル基、アルケニルシクロアルキル基及びアルキニルシクロアルキル基を指す。好ましくは、アルキルシクロアルキル基は、3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環炭素原子と、1個又は2〜6個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基と、を有する1個又は2個の環系を含むシクロアルキル基を含む。
【0024】
ヘテロアルキルシクロアルキルとは、1個又は複数(好ましくは、1個、2個又は3個)の炭素原子が、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、セレン原子、リン原子又は硫黄原子(好ましくは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子)で置換された上記の定義のアルキルシクロアルキル基を指す。好ましくは、ヘテロアルキルシクロアルキル基は、3〜10個(特に、3個、4個、5個、6個又は7個)の環原子と、1個又は2〜6個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はヘテロアルキル基とを有する1個又は2個の環系を含む。ヘテロアルキルシクロアルキル基の例としては、アルキルへテロシクロアルキル、アルキルへテロシクロアルケニル、アルケニルへテロシクロアルキル、アルキニルへテロシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルへテロシクロアルキル及びヘテロアルキルへテロシクロアルケニルが挙げられ、環状基は、飽和又は一不飽和、二不飽和もしくは三不飽和である。
【0025】
アリール又はArとは、6〜14個の環炭素原子、好ましくは6〜10個(特に、6個)の環炭素原子を含む1個又は複数の環を含む芳香族基を指す。さらに、アリール(又はAr)とは、1個又は複数の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、あるいはOH基、SH基、NH基又はNO基で置換された基を指す。アリール(又はAr)の例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、2−フルオロフェニル基、アニリニル基、3−ニトロフェニル基又は4−ヒドロキシフェニル基が挙げられる。
【0026】
ヘテロアリールとは、5〜14個の環原子、好ましくは5〜10個(特に、5個又は6個)の環原子を含む1個又は複数の環を含み、かつ、1個又は複数(好ましくは、1個、2個、3個又は4個)の酸素環原子、窒素環原子、リン環原子又は硫黄環原子(好ましくは、O、S又はN)を含む芳香族基を指す。さらに、ヘテロアリールとは、1個又は複数の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、あるいはOH基、SH基、NH基又はNO基で置換された基を指す。ヘテロアリールの例としては、4−ピリジル基、2−イミダゾリル基、3−フェニルピロリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イソオキサゾリル基、インダゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、ピリダジニル基、キノリニル基、プリニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、ピリミジル基、2,3’−ビフリル基、3−ピラゾリル基及びイソキノリニル基が挙げられる。
【0027】
アラルキルとは、上記の定義に従いアリール基と、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及び/又はシクロアルキル基との両方を含む基、例えば、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールシクロアルキル、アリールシクロアルケニル、アルキルアリールシクロアルキル、及びアルキルアリールシクロアルケニル基等の基を指す。アラルキルの具体例としては、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、ベンジルクロライド、o−フルオロトルエン、1H−インデン、テトラリン、ジヒドロナフタレン、インダノン、フェニルシクロペンチル、クメン、シクロヘキシルフェニル、フルオレン及びインダンが挙げられる。好ましくは、アラルキル基は、6〜10個の炭素原子と、1個又は2〜6個の炭素原子を含む1個又は2個のアルキル基、アルケニル基及び/又はアルキニル基及び/又は5個又は6個の環炭素原子を含むシクロアルキル基と、を含む1個又は2個の芳香族環系(1個又は2個の環)を含む。
【0028】
ヘテロアラルキルとは、1個又は複数(好ましくは、1個、2個、3個又は4個)の炭素原子が酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、セレン原子、リン原子、ホウ素原子又は硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄又は窒素)で置換された上記の定義のアラルキル基、すなわち、上記の定義に従いアリール又はヘテロアリールそれぞれと、アルキル、アルケニル、アルキニル及び/又はヘテロアルキル及び/又はシクロアルキル及び/又はヘテロシクロアルキル基との両方をを含む基を指す。好ましくは、ヘテロアラルキル基は、5個又は6〜10個の環炭素原子と、1個又は2〜6個の炭素原子を含む1個又は2個のアルキル基、アルケニル基及び/又はアルキニル基、及び/又は5個又は6個の環炭素原子を含むシクロアルキル基と、を含む1個又は2個の芳香族環系(1個又は2個の環)を含み、それらの炭素原子の中の1個、2個、3個又は4個が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子で置換されている。
【0029】
ヘテロアラルキル基の例としては、アリールへテロアルキル基、アリールへテロシクロアルキル基、アリールへテロシクロアルケニル基、アリールアルキルへテロシクロアルキル基、アリールアルケニルへテロシクロアルキル基、アリールアルキニルへテロシクロアルキル基、アリールアルキルへテロシクロアルケニル基、ヘテロアリールアルキル基、ヘテロアリールアルケニル基、ヘテロアリールアルキニル基、ヘテロアリールへテロアルキル基、ヘテロアリールシクロアルキル基、ヘテロアリールシクロアルケニル基、ヘテロアリールへテロシクロアルキル基、ヘテロアリールへテロシクロアルケニル基、ヘテロアリールアルキルシクロアルキル基、ヘテロアリールアルキルへテロシクロアルケニル基、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルキル基、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルケニル基及びヘテロアリールヘテロアルキルへテロシクロアルキル基が挙げられ、環状基は、飽和又は一不飽和、二不飽和もしくは三不飽和である。ヘテロアラルキル基の具体例としては、テトラヒドロイソキノリル基、ベンゾイル基、2−又は3−エチルインドリル基、4−メチルピリジノ基、2−、3−又は4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−、3−又は4−カルボキシフェニルアルキル基が挙げられる。
【0030】
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルとは、当該基の1個又は複数の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、あるいはOH基、=O基、SH基、=S基、NH基、=NH基又はNO基で置換された基を指す。
【0031】
「任意に置換された」との表現は、1個又は複数の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子によって、あるいはOH基、=O基、SH基、=S基、NH基、=NH又基はNO基によって置換された基を指す。さらに、「任意に置換された」とは、非置換のC〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cヘテロアルキル基、C〜C10シクロアルキル基、C〜Cヘテロシクロアルキル基、C〜C10アリール基、C〜Cヘテロアリール基、C〜C12アラルキル基又はC〜C11ヘテロアラルキル基で置換された基を指す。
【0032】
式(I)の化合物の好ましい化合物は、Aが次の基から選択される:−CH(OH)CH−、−CHCH(OH)−、−OCHCH−、−CHCHO−、−CHSO−、−SOCH−、−CHN(C〜Cアルキル)−、−N(C〜Cアルキル)CH−、−CHNH−、−NHCH−、−CHO−、−OCH−、−CHS−、−SCH−、−N(C〜Cアルキル)C(=O)−、−C(=O)N(C〜Cアルキル)−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−又は−CHCH−。
【0033】
特に好ましい式(1)の化合物は、Aが式:−CH(OH)CH−又は−OCHCH−で表される基である。
【0034】
また、残基Rは、好ましくはシアノ基、C〜Cアルキルオキシ基又はC〜Cヘテロアルキルオキシ基であり、これらの基の中の1個又は複数の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
【0035】
残基Rは、特に好ましくは、メトキシ基である。
【0036】
さらに、残基Rは、好ましくは水素原子又はハロゲン原子である。残基Rは、水素原子、塩素原子又はフッ素原子が特に好ましい。
【0037】
また、残基Rは、好ましくは、次の基から選択される:
【化3】

【0038】
残基Rは、特に好ましくは、次の基から選択される:
【化4】

【0039】
また、残基Rは、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C〜Cアルキル基又はC〜Cヘテロアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基)である。
【0040】
残基Rは、特に好ましくは、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子又はC〜Cヘテロアルキル基(例えばヒドロキシメチル基)である。
【0041】
nは、好ましくは、0又は1であり、特に好ましくは、nは0である。
【0042】
さらに、残基Rは、好ましくはヘテロアルキルシクロアルキル基又はヘテロアラルキル基である。
【0043】
残基Rは、特に好ましくは、式:−B−Yで表される基であり、ここで、Bは、単結合、アルキレン基(特にC〜Cアルキレン基)、アルケニレン基、アルキニレン基、−NH−基、−NHSO−基、−SO−基、−C(=O)基、
ヘテロアルキレン基(特にC〜Cヘテロアルキレン基)又はヘテロシクロアルキレン基であり、Yはアリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル基又はアリールヘテロシクロアルキル基(特に、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル基又はアリールヘテロシクロアルキル基である)。
【0044】
Bは、好ましくは、単結合又は次式で表される基:−NH−、−NHCH−、−CHNH−、−NHCHCH−、−CHCHNH−、−NHCHCHCH−、−CHCHCHNH−、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−CH(OH)−、−CHCH(OH)−、−CH(OH)CH−、−NHSO−、−SONH−、−SO−、−C(=S)NH−、−NHC(=S)−、−C(=NOH)−、−CHC(=NOH)−、−C(=NOH)CH−、−C(=O)−、−C(=O)−C(=O)−、−CHC(=O)−、−C(=O)CH−、−N(C〜Cアルキル)CH−、−CHN(C〜Cアルキル)−、又はピペラジン基である。
【0045】
Bは、特に好ましくは、単結合又は式:−NHCH−、−CHNH−、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−CHCH(OH)−、−CH(OH)CH−、−NHSO−、−SONH−、−SO−、−C(=O)−で表される基又はピペラジン基である。
【0046】
Yは、好ましくは、二環系であり、2つの環は、それぞれ独立して、シクロアルキル環、ヘテロシクロアルキル環、アリール環(特にフェニル環)又はヘテロアリール環であり、
各環は、3〜8個の環原子(好ましくは5個、6個又は7個の環原子)を有し(特に好ましくは、ヘテロアリール環が5個又は6個の環原子を有し)、そして適用可能であれば、環系は(例えば、F、=O、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、−C(=O)OH、シクロプロピルで)置換されていてもよい。
【0047】
また、Yは、好ましくは式:−Y−Yで表される基であり、
式中、Yは、単結合、アルキレン基(特にC〜Cアルキレン基)、アルケニレン基(特にC〜Cアルケニレン基)、アルキニレン基、−NH−基、−S−基、−O−基、−NHC(=O)−基、−C(=O)NH−基又はヘテロアルキレン基(特にC〜Cヘテロアルキレン基)であり、そしてYは、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル基又はアリールヘテロシクロアルキル基(特に、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル基又はアリールヘテロシクロアルキル基)である。Yは、特に好ましくは、単結合又は式:−CH=CH−、−CHCH−、−S−、−CHO−、−C(=O)NH−、−NH−又は−CHC(=O)−で表される基であり、Yは、5個又は6個の環原子を有する必要に応じて置換されたフェニル基又はヘテロアリール基である。
【0048】
特に好ましくは、Yは以下の構造の1つを有する。
【化5a】

【化5b】

【化5c】

式中、X、X及びXは、それぞれ独立して、窒素原子又は式:CR20で表される基であり、XとXは、それぞれ独立して、酸素原子、イオウ原子又は式:NR21で表される基であり、Oは0、1又は2であり、R14、R15、R16、R17、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基又はC〜Cヘテロアルキル基であり、及びR18とR21は、それぞれ独立して、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル又基はC〜Cヘテロアルキル基である。
【0049】
Yは、特に好ましくは、以下の構造のいずれかを有する。
【化6】

【0050】
Yは、特に好ましくは、以下の構造のいずれかを有する。
【化7】

【0051】
さらに、残基Rは、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C〜Cアルキル基又はC〜Cヘテロアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)である。
【0052】
また、残基Rは、より好ましくは、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子あるいは水酸基、C〜Cアルキルオキシ基、C〜Cヘテロアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)又はC〜Cジアルキルアミノメチル基であり、ここで、これらの基の中の1個又は複数の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
【0053】
残基Rは、特に好ましくは、それぞれ独立して、C〜Cヘテロアルキル基(例えばヒドロキシエチル基)である。
【0054】
次式(II)で表される化合物が特に好ましい:
【化8】

式中、残基R、R4a及びR6aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC〜Cヘテロアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基)である(特には、Rは水素原子であり、R4a及びR6aは水素原子、フッ素原子又はC〜Cヘテロアルキル基である)。B及びYは上記定義のとおりである。特に、Bは、単結合又は式:−NHCH−、−NHC(=O)又はNHSO−で表される基である。
【0055】
次式(III)で表される化合物が特に好ましい。
【化9】

式中、残基Rは、水素原子又はハロゲン原子である(特にはRは水素原子である)。B及びYは上記のとおりであある。特に、Bは、単結合又は式:−CHCH−、−CHCHCH−又は−CHCH(OH)−で表される基である。
【0056】
次式(IV)で表される化合物が特に好ましい:
【化10】

式中、残基Rは、水素原子又はハロゲン原子である(特にはRは水素原子である)。B及びYは上記の定義とおりである。特に、Bは、単結合又は式:−CH−、−CHCH−、−SO−又は−C(=O)−で表される基である。
【0057】
式(I)、(II)、(III)及び(IV)内の各属性群の好ましい実施態様を任意の可能な方法で組み合わせることが特に好ましい。
【0058】
それらを置換することにより、式(I)〜(IV)の化合物は1個又は複数のキラル中心を含むことができる。従って、本発明は、全ての純粋なエナンチオマー及び全ての純粋なジアステレオマーの両方を含み、並びに任意の混合比におけるそれらの混合物も含む。さらに、本発明は、一般式(I)〜(IV)で表される化合物の全てのシス/トランス異性体を含み、それらの混合物も含む。また、本発明は、式(I)〜(IV)に係る化合物の全ての互変異性型を含む。
【0059】
また、式(I)〜(IV)に係る化合物、それらの薬理学的に許容されうる塩、溶媒和物及び水和物、並びに配合物及び医薬組成物の治療上の使用も本発明の範囲に含まれる。
【0060】
本発明に係る医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)〜(IV)で表される化合物を有効成分として含み、及び必要に応じて担体物質及び/又はアジュバントを含む。
【0061】
式(I)〜(IV)で表される化合物の薬理学的に許容されうる塩の例としては、塩酸、硫酸及びリン酸等の生理学的に許容されうる鉱酸の塩、又はメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、乳酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸及びサリチル酸等の有機酸の塩が挙げられる。式(I)〜(IV)で表される化合物の薬理学的に許容されうる塩のさらなる例としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム又はマグネシウム塩等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、あるいは例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、エチレンジアミン、リジン、水酸化コリン、メグルミン、モルホリン又はアルギニン塩等の有機塩基の塩が挙げられる。式(I)〜(IV)で表される化合物は、溶媒和、特に水和させることができる。水和は、例えば調製工程中、又は式(I)〜(IV)で表される当初無水の化合物の吸水性の結果として起こり得る。式(I)〜(IV)で表される化合物が不斉炭素原子を含む場合、それらは、アキラル化合物、ジアステレオマー混合物、エナンチオマーの混合物の形態で、又は光学的に純粋な化合物の形態で存在し得る。
【0062】
本発明に係るプロドラッグ(例えば、R. B. Silverman, MedizinischeChemie, VCH Weinheim,1995年,第8章,361頁以降)は、式(I)〜(IV)で表される化合物と、生理学的条件下で除去される少なくとも1つの薬理学的に許容されうる保護基、例えば、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、アセチル基又はアセチルオキシ基から構成される。
【0063】
また、本発明は、薬剤の調製におけるこれらの有効成分の使用に関する。通常、式(I)〜(IV)で表される化合物は、個々に又は任意のその他の所望の治療薬と組み合わせて、既知の許容可能な方法を用いて投与される。そのような治療上有用な薬剤は、例えば次の経路の一つを経由して投与することができる:例えば、糖衣錠、コーティングした錠剤、丸剤、半固形物質、軟質又は硬質カプセル、溶液、乳剤又は懸濁剤等の形態での経口投与;例えば、注射可能な溶液の形態での非経口投与;坐剤の形態での直腸内投与;例えば、粉末配合物又はスプレーの形態での吸入投与;経皮投与又は経鼻投与。そのような錠剤、丸剤、半固形物質、コーティングした錠剤、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセルの調製に関して、治療上有用な生成物を、薬理学的に不活性な無機又は有機の薬剤担体物質、例えばラクトース、スクロース、グルコース、ゼラチン、麦芽、シリカゲル、デンプン又はそれらの誘導体、タルカム、ステアリン酸又はそれらの塩、脱脂粉乳粉末等と混合することができる。軟質カプセルの調製に関して、例えば植物油、石油、動物油又は合成油、蝋、脂肪及びポリオール等の薬剤担体物質を使用することができる。液体溶液及びシロップの調製に関して、例えば水、アルコール、生理食塩水溶液、デキストロース水、ポリオール、グリセロール、植物油、石油及び動物油又は合成油等の薬剤担体物質を使用することができる。坐剤に関しては、例えば植物油、石油、動物油又は合成油、蝋、脂肪及びポリオール等の薬剤担体物質を使用することができる。エアロゾル配合物に関しては、例えば酸素、窒素及び二酸化炭素等の目的に適した圧縮ガスを使用することができる。また、薬理学的許容されうる薬剤は、保存剤及び安定剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、浸透圧を変更させるための塩、緩衝液、カプセル化添加剤及び酸化防止剤を含むことができる。
【0064】
当該技術水準において周知の抗菌化合物と比較した場合、式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される化合物の特性は向上している。特に、向上した抗菌活性、向上した溶解性及び向上したPK特性は、この文脈において言及されねばならない。
【0065】
その他の治療薬との組み合わせは、その他の抗菌及び抗真菌有効成分を含むことができる。
【0066】
上記疾患の予防及び/又は治療に関して、本発明に係る生物学的に活性な化合物の用量は、広範囲の制限内で変更することができ、個々の要望に合わせて調節することができる。通常、1日当たり10〜4000mgの用量が適当であり、好ましい用量は、1日当たり50〜3000mgである。また、適当な場合、用量は、上記の値未満又はそれを超える量とすることもできる。1日の用量は単回投与又は複数回投与として投与することができる。通常の個々の用量は、約50mg、100mg、250mg、500mg、1g又は2gの有効成分を含む。
【実施例1】
【0067】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(エナンチオマー2)
【化11】

【0068】
1a)3,5−ジブロモ−キノリン
温度が15℃を超えないようにしながら、3−ブロモキノリン(250g)を氷冷した濃硫酸(625mL)に滴下した。次に、温度が20℃を超えないようにしながら、N−ブロモ−スクシンイミド(240g)をゆっくりと数回に分けて添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷(10kg)の上に注ぎ、冷却しながら固体の水酸化ナトリウムと混合した。得られた懸濁液を濾過し、固体を水で洗浄し、真空下40℃で乾燥した。固体をメタノール(1.5L)に懸濁した後、加熱還流した。冷却後、固体を濾過し、冷却したメタノール(500mL)ですすぎ、濾液を濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘプタン=1:29、1:19、1:9)によって精製し、所望の生成物(151g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.85 (d, 1H), 8.65-8.64 (m, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.56-7.49 (m, 1H)
【0069】
1b)5−ブロモ−3−メトキシ−キノリン
3,5−ジブロモキノリン(1a)(150g)を、ナトリウムメトキシド(35.78g)を乾燥DMPU(1.5L)に懸濁させた撹拌懸濁液に100℃で添加し、その後125℃で90分間加熱した。冷却後、反応混合物を氷(7.5kg)の上に注ぎ、一晩撹拌した。生成した固体を濾過によって分離し、水で洗浄し、真空下40℃で乾燥した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘプタン=1:19、1:4)によって精製し、所望の生成物(65.2g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.60 (d, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.37-7.31 (m, 1H), 3.93 (s, 3H)
【0070】
1c)3−メトキシ−5−ビニル−キノリン
窒素ガス雰囲気下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.155g)を、メトキシキノリン(1b)(9.52g)を乾燥1,2−ジメトキシエタン(450mL)に溶解した溶液に、室温で添加し、20分間撹拌した。次に、炭酸カリウム(5.57g)、水(120mL)、及び2,4,6−トリビニルシクロボロキサンピリジン錯体(3.85g−O’Sheas’試薬;J.Org.Chem,第67巻(2002),4968〜4971頁を参照)を添加し、100℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、水(200mL)を添加し、反応混合物を酢酸エチル(4×150mL)で抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過し、濃縮した。
粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン:酢酸エチル=9:1、3:2)によって精製し、所望の生成物(7.41g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.60 (d, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.57-7.41 (m, 3H), 7.28-7.22 (m, 1H), 5.72 (dd, 1H), 5.43 (dd, 1H), 3.87 (s, 3H)
【0071】
1d)1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタン−1,2−ジオール(エナンチオマー2)
ADミックスアルファ(90.2g)及びメタンスルホン酸アミド(7.6g)を、水(280mL)及びtert−ブタノール(280mL)に室温で溶解した。得られたオレンジ色の溶液を0℃に冷却し、ビニルキノリン(1c)(14.4g)を添加し、0〜4℃で2日間撹拌した。次に、ピロ亜硫酸ナトリウム(108g)を0℃で添加し、0℃で30分間撹拌した。室温まで加温した後、反応混合物を酢酸エチル(5×150mL)で抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=29:1、4:1)によって精製し、所望の生成物(14.91g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.65 (d, 1H), 7.88-7.85 (m, 2H), 7.66 (d, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 5.51 (d, 1H), 5.31-5.26 (m, 1H), 4.87-4.84 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.67-3.57 (m, 2H)
【0072】
1e)トルエン−4−スルホン酸2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5―イル)−エチル(エナンチオマー2)
窒素ガス雰囲気下で、酸化ジブチルすず(0.33g)、p−トルエンスルホン酸(12.78g)、及びトリエチルアミン(9.33mL)を、そのジオール(1d)(14.4g)を乾燥ジクロロメタン(150mL)に懸濁させた懸濁液に室温で撹拌しながら添加した。反応混合物を14時間撹拌し、水(150mL)で冷却し、有機相を分離した。水相をジクロロメタン(各150mL)で2回抽出した。混じり合った有機相を水(150mL)及び飽和塩化ナトリウム溶液(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって精製し、所望の生成物(16.12g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.63 (d, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.67-7.62 (m, 2H), 7.58-7.47 (m, 3H), 7.27 (d, 2H), 6.05 (bs, 1H), 5.56 (bs, 1H), 4.25 (dd, 1H), 4.14 (dd, 1H), 3.89 (s, 3H), 2.34 (s, 3H)
【0073】
1f)3−メトキシ−5−オキシラニル−キノリン(エナンチオマー2)
トシレート(1e)(15.97g)をジエチルエーテル(300mL)に溶解した溶液を、2N水酸化ナトリウム溶液(110mL)と室温で撹拌しながら混合した。得られた二相混合物を室温で3時間撹拌した後、有機相を分離した。水相をジエチルエーテル(150mL)で3回抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘプタン=1:1)によって精製し、所望の生成物(5.8g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.64 (d, 1H), 7.94 (dd, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.48-7.39 (m, 2H), 4.30 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.22 (dd, 1H), 2.81 (dd, 1H)
【0074】
1g){1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(エナンチオマー2)
エポキシド(1f)(689mg)と4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピペリジン(686mg)をDMF(11mL)に溶解し、炭酸カリウム(497mg)及び過塩素酸リチウム(364mg)と混合し、80℃で2日間撹拌した。得られた溶液を濃縮後、残渣をジクロロメタンに溶解し、水及び飽和塩化ナトリウム溶液で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=97:3)によって精製し、所望の生成物(1.22g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.56 (d, 1H), 7.92 (m, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.48-7.43 (m, 1H), 5.72 (bs, 1H), 4.51 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.60-3.46 (m, 1H), 3.29-3.26 (m, 2H), 2.84-2.73 (m, 2H), 2.67-2.40 (m, 2H), 2.09-1.95 (m, 2H), 1.84-1.64 (m, 2H), 1.38 (s, 9H)
【0075】
1h)2−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー2)
Boc−アミン(1g)(1.22g)をジクロロメタン(23mL)に溶解し、0〜5℃でトリフルオロ酢酸(2.3mL)によって処理し、室温で一晩撹拌した。得られた溶液を2N水酸化ナトリウム溶液によってアルカリ領域のpH値に調整し、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1+1%アンモニア)によって精製し、所望の生成物(557mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.66-8.63 (m, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.67 (m, 1H), 7.58-7.51 (m, 1H), 5.43-5.39 (m, 1H), 5.26-5.23 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.99-2.85 (m, 2H), 2.62-2.55 (m, 1H), 2.19-1.99 (m, 2H), 1.72-1.57 (m, 2H)
【0076】
1i)(4−ホルミル−2−ニトロ−フェノキシ)酢酸エチルエステル
4―ヒドロキシ―3―ニトロベンズアルデヒド(25g)をDMF(250mL)に溶解した。次に、炭酸カリウム(22.7g)を添加し、クロロ酢酸エチル(23.2mL)を滴下した。得られた溶液を50℃で2日間撹拌し、室温でさらに2日間撹拌した後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(37.8g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 9.96 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.15 (dd, 1H), 7.52 (d, 1H), 5.17 (s, 2H), 4.18 (q, 2H), 1.21 (t, 3H)
【0077】
1j)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド
フェノキシ酢酸エチル(1i)(37.7g)を酢酸(1000mL)に溶解した。次に、鉄粉(83g)を添加し、80℃で1.5時間撹拌した。反応混合物をデカライト(Decalit)で濾過し、濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に懸濁又は溶解し、酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をエーテルと混合した後、沈殿物を濾過して所望の生成物(20g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 11.00 (bs, 1H), 9.84 (s, 1H), 7.54 (dd, 1H), 7.39 (d, 1H), 7.14 (d, 1H), 4.72 (s, 2H)
【0078】
1k)標記化合物
アミン(1h)(100mg)を1,2−ジクロロエタン(6mL)及びメタノール(2mL)に溶解し、モレキュラーシーブ3A(1.00g)及びアルデヒド(1j)(71mg)と混合した。混合物を室温で一晩撹拌した。次に、水素化ホウ素ナトリウム(13mg)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。モレキュラーシーブを濾過によって分離し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1+1%アンモニア)によって精製し、所望の生成物(70mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.78 (s, 1H), 8.66 (d, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.88-7.84 (m, 2H), 7.70-7.68 (m, 1H), 7.59-7.54 (m, 1H), 7.00-6.91 (m, 3H), 5.75 (s, 1H), 5.49-5.46 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.82 (s, 2H), 3.12-3.03 (m, 2H), 2.72-2.60 (m, 2H), 2.30-2.10 (m, 2H), 2.00-1.85 (m, 2H), 1.58-1.36 (m, 3H)
【実施例2】
【0079】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー2)
【化12】

【0080】
2a)N−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−アセトアミド
3−アミノ−6−ピコリン(39g)を無水酢酸(200mL)に溶解した溶液を70℃で90分間加熱し、濃縮した。残渣を水(500mL)に懸濁又は溶解し、固体の炭酸水素ナトリウムによってpH8に調整し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(53.3g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.43 (bs, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.62-7.57 (m, 1H), 6.89 (d, 1H), 2.45 (s, 3H), 2.18 (s, 3H)
【0081】
2b)6−アセチルアミノ−ピリジン−2−カルボン酸
アセトアミド(2a)(53.3g)を水(530mL)に懸濁させた懸濁液を75℃に加熱し、均一な溶液を得た。過マンガン酸カリウム(133g)を1.25時間にわたって少量ずつ添加した(反応フラスコ内の反応温度を慎重に制御した)。75℃で3時間撹拌した後、反応液を熱い状態でセライトで濾過し、熱湯ですすいだ。濾液を約100mLに濃縮し、濃塩酸を添加して、白色の沈殿物を得た。白色の固体を濾過によって分離し、乾燥して所望の生成物(32g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.85 (s, 1H), 8.26 (d, 1H), 7.97-7.72 (m, 1H), 7.73 (dd, 1H), 2.11 (s, 3H)
【0082】
2c)6−アミノ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
その酸(2b)(18g)をメタノールに懸濁し、HClガスを飽和させ、一晩加熱還流した。冷却後、反応混合物を濃縮し、残渣を水及びジクロロメタンに懸濁又は溶解した。固体の炭酸水素ナトリウムを添加し、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、所望の生成物(9.64g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 7.52-7.41 (m, 2H), 6.66 (dd, 1H), 5.12 (bs, 2H), 3.91 (s, 3H)
【0083】
2d)6−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
エステル(2c)(9.64g)をクロロホルム(408mL)に溶解した溶液に、臭素(3.35mL)をクロロホルム(70mL)に溶解した溶液を60分にわたって滴下した。反応混合物を室温で40時間撹拌した後、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(150mL)を添加し、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)によって精製し、所望の生成物(1.8g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 7.73 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 5.39 (bs, 2H), 3.90 (s, 3H)
【0084】
2e)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸メチルエステル
チオグリコール酸メチル(2.4mL)をDMF(75mL)に溶解した溶液に、水素化ナトリウム(1.1g)を添加した。1時間後、ブロモピリジン(2d)(5g)を添加し、室温で12時間撹拌した。反応液を水(150mL)で希釈した。得られた固体を濾過によって分離し、少量の酢酸エチル及びアセトニトリルで洗浄して所望の生成物(1.65g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 11.29 (s, 1H),7.97 (d, 1H), 7.66 (d, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.64 (s, 2H), 3.33 (s, 3H)
【0085】
2f)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸
エステル(2e)(2.33g)をジオキサン(354mL)及び水(90mL)に溶解した溶液に、2N水酸化ナトリウム溶液(24mL)を2時間にわたって滴下した後、混合物を室温で一晩撹拌した。得られた溶液を濃縮した後、2N塩酸溶液によってpH4に調整した。生成した固体を濾過によって分離し、少量の水で洗浄し、真空下で一晩乾燥して所望の生成物(1.72g)を得た。
MS (EI): m/z: 211 [M+H]+
【0086】
2g)6−ヒドロキシメチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン
酸(2f)(1.72g)をTHF(82mL)に溶解した溶液に、トリエチルアミン(1.4mL)及びクロロギ酸イソブチル(1.2mL)を−10℃で添加した。25分後、溶液を、水素化ホウ素ナトリウム(1.1g)を水(28mL)に溶解した氷冷溶液内にセライトで濾過し、この温度で30分間撹拌し、0.2N塩酸溶液によってpH7に調整した。濃縮工程後、生成した固体を濾過によって分離し、水で洗浄し、乾燥して所望の生成物(1.1g)を得た。
MS (EI): m/z: 197 [M+H]+
【0087】
2h)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド
アルコール(2g)(1.1g)をジクロロメタン(100mL)及びTHF(100mL)に溶解した溶液に、二酸化マンガン(2.5g)を添加した。混合物を室温で90分間撹拌した後、さらに二酸化マンガン(3g)を添加し、室温でさらに2時間撹拌した後、反応混合物をセライトで濾過した。濾液を濃縮して所望の生成物(598mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 9.85 (s, 1H), 8.40 (bs, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.55 (d, 1H), 3.50 (s, 2H)
【0088】
2i)標記化合物
実施例1kと同様にして、アルデヒド(2h)から標記化合物を96%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.85 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.74-7.67 (m, 2H), 7.58-7.51 (m, 1H), 7.11-7.05 (m, 1H), 5.50-5.36 (m, 1H), 5.30-5.19 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 3.72 (s, 2H), 3.53 (s, 2H), 3.02-2.87 (m, 2H), 2.65-2.54 (m, 2H), 2.44-2.32 (m, 1H), 2.21-2.02 (m, 2H), 1.86-1.70 (m, 3H), 1.42-1.13 (m, 3H)
【実施例3】
【0089】
7−フルオロ−6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー2)
【化13】

【0090】
3a)2,4−ジフルオロ安息香酸エチルエステル
2,4−ジフルオロ安息香酸(5.00g)をエタノール(50mL)に溶解し、その溶液内にHClガスを20分間通過させた。次に、溶液を5時間加熱還流し、溶液を濃縮し、残渣をエーテルに溶解した。有機相を1N水酸化ナトリウム溶液及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、所望の生成物(3.8g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.05-7.95 (m, 1H), 6.99-6.82 (m, 2H), 4.40 (q, 2H), 1.22 (t, 3H)
【0091】
3b)2,4−ジフルオロ−5−ニトロ−安息香酸エチルエステル
エチルエステル(3a)(3.8g)を発煙硝酸(3mL)及び濃硫酸(3mL)に0℃で溶解し、2.5時間撹拌した。次に、反応混合物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(200mL)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=6:1)によって精製し、所望の生成物(3.96g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.70 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 4.36 (q, 2H), 1.35 (t, 3H)
【0092】
3c)2−フルオロ−4−メトキシカルボニルメチルスルファニル−5−ニトロ−安息香酸エチルエステル
ニトロ安息香酸(3b)(3.96g)をジクロロメタン(75mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.8mL)と混合し、0℃に冷却した。チオグリコール酸メチル(1.5mL)を添加した後、反応混合物を0〜5℃で3.5時間撹拌し、得られた溶液を冷蔵庫に一晩保存した。溶液を濃縮した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=6:1)によって精製し、所望の生成物(3.86g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.82 (d, 1H), 7.19 (d, 1H), 4.35 (q, 2H), 3.72 (s, 3H), 3.70 (s, 2H), 1.35 (t, 3H)
【0093】
3d)7−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−カルボン酸エチルエステル
化合物(3c)(3.86g)を酢酸(142mL)に溶解し、鉄粉(6.8g)と混合し、60℃で4時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルで濾過し、メタノールですすぎ、濾液を部分的に濃縮した。水及び酢酸エチルを添加し、相を分離した。水相を酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を水で4回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(3.11g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.71 (s, 1H), 7.50-7.39 (m, 2H), 4.30 (q, 2H), 3.56 (s, 2H), 1.30 (t, 3H)
【0094】
3e)7−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−カルボン酸
チアジン(3d)(3.11g)をTHF(37mL)に懸濁させ、1N水酸化ナトリウム溶液(37mL)と混合し、室温で一晩撹拌した。1N塩酸溶液によって溶液をpH3に酸性化し、部分的に濃縮した。生成した沈殿物を濾過によって分離し、水で洗浄した。得られた固体を減圧下(100ミリバール、40℃)で乾燥して所望の生成物(2.49g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 13.26 (bs, 1H), 10.72 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 3.57 (s, 2H)
【0095】
3f)7−フルオロ−6−ヒドロキシメチル−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン
チアジンカルボン酸(3e)(2.49g)を乾燥THF(80mL)に懸濁させ、0℃に冷却し、トリエチルアミン(1.8mL)及びクロロギ酸イソブチル(1.6mL)と混合し、反応混合物を30分間撹拌した。懸濁液を、水素化ホウ素ナトリウム(1.24g)を水(24mL)に溶解した氷冷溶液内にセライトで迅速に濾過した。45分後、1N塩酸溶液によって溶液をpH1に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(2.29g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.61 (s, 1H), 7.19 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 5.33 (m, 1H), 4.47 (d, 2H), 3.26 (s, 2H)
【0096】
3g)7−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−カルバルデヒド
チアジノン(3f)(1.63g)をジクロロメタン:THF=1:1(138mL)に溶解し、二酸化マンガン(6.63g)と混合し、室温で2日間撹拌した。二酸化マンガン(3.32g)をさらに添加し、さらに3日間撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、THFですすいだ。濾液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=7:3)によって精製し、所望の生成物(765mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.80 (s, 1H), 10.14 (s, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.35 (d, 1H), 3.60 (s, 2H)
【0097】
3h)標記化合物
実施例1kと同様にして、アルデヒド(3g)から標記化合物を93%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.53 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 7.18 (d, 1H), 7.09 (d, 1H), 5.49-5.38 (m, 1H), 5.33-5.21 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.69 (s, 2H), 3.45 (s, 2H), 3.05-2.90 (m, 2H), 2.65-2.55 (m, 2H), 2.45-2.29 (m, 1H), 2.23-2.03 (m, 2H), 1.88-1.74 (m, 2H), 1.42-1.16 (m, 3H)
【実施例4】
【0098】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー2)
【化14】

【0099】
4a)(4−ホルミル−2−ニトロ−フェニルスルファニル)酢酸メチルエステル
4−クロロ−3−ニトロベンズアルデヒド(10g)をDMF(100mL)に溶解し、そこに水素化ナトリウム(2.35g)を添加し、室温で15分間撹拌した。次に、チオグリコール酸メチル(3.45mL)を滴下し、室温で5時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)によって精製し、所望の生成物(5.5g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 10.05 (s, 1H), 8.75 (d, 1H), 8.09 (dd, 1H), 7.68 (d, 1H), 3.84 (s, 2H), 3.81 (s, 3H)
【0100】
4b)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−カルバルデヒド
前記化合物(4a)(5.5g)を酢酸(115mL)に溶解し、そこに鉄粉(8.42g)を添加した。反応混合物をまず室温で15分間、次いで50℃で3時間撹拌した後、デカライトで濾過した。濾過ケークをメタノールで洗浄し、濾液を濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に溶解し、酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)によって精製し、所望の生成物(1g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 10.18 (bs, 1H), 9.85 (s, 1H), 7.45-7.34 (m, 3H), 3.39 (s, 2H)
【0101】
4c)標記化合物
実施例1kと同様にして、アルデヒド(4b)から標記化合物を80%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.49 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 7.23 (d, 1H), 6.97-6.91 (m, 2H), 5.46-5.36 (m, 1H), 5.28-5.20 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.62 (s, 2H), 3.43 (s, 2H), 3.04-2.98 (m, 2H), 2.65-2.55 (m, 2H), 2.43-2.28 (m, 1H), 2.20-2.00 (m, 2H), 1.85-1.71 (m, 2H), 1.40-1.16 (m, 3H)
【実施例5】
【0102】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー2)
【化15】

【0103】
5a)5−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシメチル−ピラン−4−オン
コウジ酸(10.36g)を温めたメタノール(135mL)に溶解した溶液に、ナトリウムメトキシド(4.3g)を数回に分けて添加し、ベンジルクロライド(9.6mL)を滴下した。反応混合物を70℃で一晩加熱し、冷却した後、氷水に注いだ。固体を濾過によって分離し、乾燥して所望の生成物(6.43g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.18 (s, 1H), 7.44-7.32 (m, 5H), 6.33 (s, 1H), 5.71-5.66 (m, 1H), 4.95 (s, 2H), 4.30 (d, 2H)
【0104】
5b)5−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシメチル−1H−ピリジン−4−オン
ピラノン(5a)(6.43g)を濃縮アンモニア(67mL)及びエタノール(14mL)に懸濁させた懸濁液を一晩加熱還流した。得られた溶液を冷却し、固体を濾過によって分離した後、乾燥して所望の生成物(5.1g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 11.17 (bs, 1H), 7.48-7.29 (m, 5H), 6.14 (bs, 1H), 5.59 (bs, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.34 (s, 2H)
【0105】
5c)(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イル)−メタノール
ピリジノン(5b)(12.6g)を水(1.4L)に溶解した溶液に、水酸化ナトリウム(4.36g)及び10%パラジウム担持炭(6.7g)を添加し、2日間水素化させた。触媒を濾過によって分離し、溶液を凍結乾燥した。残渣をDMF(106mL)に溶解し、そこに炭酸カリウム(18.13g)及び1,2−ジブロモエタン(3.84mL)を添加し、100℃で一晩加熱した。冷却後、溶液を濃縮し、残渣を水に懸濁又は溶解し、酢酸エチルで数回抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって精製し、所望の生成物(1.49g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.00 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 5.31-5.26 (m, 1H), 4.41 (d, 2H), 4.36-4.33 (m, 2H), 4.29-4.26 (m, 2H)
【0106】
5d)(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド
オキサリルクロライド(2.2mL)をジクロロメタン(22mL)に溶解した溶液に、ジメチルスルホキシド(DMSO)(2.2mL)をジクロロメタン(22mL)に溶解した溶液を−78℃で滴下し、15分間撹拌した。次に、アルコール(5c)(1.49g)をジクロロメタン(16mL)に溶解した溶液を添加し、1時間撹拌した後、そこにトリエチルアミン(8.7mL)をジクロロメタン(11mL)に溶解した溶液を添加した。20分後、反応混合物を0℃に加熱し、30分間撹拌した。次に、水を添加し、相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=19:1)によって精製し、所望の生成物(1.36g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 9.91 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 4.33 (s, 4H)
【0107】
5e)標記化合物
実施例1kと同様にして、アルデヒド(5d)から標記化合物を78%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.65 (d, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.87-7.81 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.58-7.51 (m, 1H), 6.96 (s, 1H), 5.48-5.38 (m, 1H), 5.36-5.19 (m, 1H), 4.36-4.33 (m, 2H), 4.29-4.27 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.73 (s, 2H), 3.04-2.90 (m, 1H), 2.78-2.55 (m, 2H), 2.46-2.34 (m, 1H), 2.21-2.03 (m, 2H), 1.89-1.74 (m, 2H), 1.43-1.11 (m, 4H)
【実施例6】
【0108】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー2)
【化16】

【0109】
実施例1kと同様にして、(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 450 [M+H]+
【実施例7】
【0110】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化17】

【0111】
7a)3−メトキシ−5−オキシラニル−キノリン(エナンチオマー1)
実施例1d〜1fと同様にしてこの化合物を合成した。ジオール(1d)の調製のために、ADミックスアルファの代わりにADミックスベータを使用した。
【0112】
7b){1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(エナンチオマー1)
実施例1gと同様にして、エポキシド(7a)から標記化合物を56%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.56 (d, 1H), 7.92 (m, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.48-7.43 (m, 1H), 5.72 (bs, 1H), 4.51 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.60-3.46 (m, 1H), 3.29-3.26 (m, 2H), 2.84-2.73 (m, 2H), 2.67-2.40 (m, 2H), 2.09-1.95 (m, 2H), 1.84-1.64 (m, 2H), 1.38 (s, 9H)
【0113】
7c)2−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
実施例1hと同様にして、Boc−アミン(7b)からこの化合物を63%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.66-8.63 (m, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.67 (m, 1H), 7.58-7.51 (m, 1H), 5.43-5.39 (m, 1H), 5.26-5.23 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.99-2.85 (m, 2H), 2.62-2.55 (m, 1H), 2.19-1.99 (m, 2H), 1.72-1.57 (m, 2H)
【0114】
7d)標記化合物
実施例1kと同様にして、アミン(7c)及びアルデヒド(1j)から標記化合物を86%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.78 (s, 1H), 8.66 (d, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.88-7.84 (m, 2H), 7.70-7.68 (m, 1H), 7.59-7.54 (m, 1H), 7.00-6.91 (m, 3H), 5.75 (s, 1H), 5.49-5.46 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.82 (s, 2H), 3.12-3.03 (m, 2H), 2.72-2.60 (m, 2H), 2.30-2.10 (m, 2H), 2.00-1.85 (m, 2H), 1.58-1.36 (m, 3H)
【実施例8】
【0115】
7−フルオロ−6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化18】

【0116】
実施例7dと同様にして、アルデヒド(3g)からこの化合物を78%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.53 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 7.18 (d, 1H), 7.09 (d, 1H), 5.49-5.38 (m, 1H), 5.33-5.21 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.69 (s, 2H), 3.45 (s, 2H), 3.05-2.90 (m, 2H), 2.65-2.55 (m, 2H), 2.45-2.29 (m, 1H), 2.23-2.03 (m, 2H), 1.88-1.74 (m, 2H), 1.42-1.16 (m, 3H)
【実施例9】
【0117】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化19】

【0118】
実施例7dと同様にして、アルデヒド(4b)からこの化合物を73%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.49 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 7.23 (d, 1H), 6.97-6.91 (m, 2H), 5.46-5.36 (m, 1H), 5.28-5.20 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.62 (s, 2H), 3.43 (s, 2H), 3.04-2.98 (m, 2H), 2.65-2.55 (m, 2H), 2.43-2.28 (m, 1H), 2.20-2.00 (m, 2H), 1.85-1.71 (m, 2H), 1.40-1.16 (m, 3H)
【実施例10】
【0119】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化20】

【0120】
実施例7dと同様にして、アルデヒド(2h)からこの化合物を83%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.85 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.74-7.67 (m, 2H), 7.58-7.51 (m, 1H), 7.11-7.05 (m, 1H), 5.50-5.36 (m, 1H), 5.30-5.19 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 3.72 (s, 2H), 3.53 (s, 2H), 3.02-2.87 (m, 2H), 2.65-2.54 (m, 2H), 2.44-2.32 (m, 1H), 2.21-2.02 (m, 2H), 1.86-1.70 (m, 3H), 1.42-1.13 (m, 3H)
【実施例11】
【0121】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化21】

【0122】
実施例7dと同様にして、アルデヒド(5d)からこの化合物を78%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 8.65 (d, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.87-7.81 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.58-7.51 (m, 1H), 6.96 (s, 1H), 5.48-5.38 (m, 1H), 5.36-5.19 (m, 1H), 4.36-4.33 (m, 2H), 4.29-4.27 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.73 (s, 2H), 3.04-2.90 (m, 1H), 2.78-2.55 (m, 2H), 2.46-2.34 (m, 1H), 2.21-2.03 (m, 2H), 1.89-1.74 (m, 2H), 1.43-1.11 (m, 4H)
【実施例12】
【0123】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化22】

【0124】
実施例7dと同様にして、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 450 [M+H]+
【実施例13】
【0125】
2−{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−N−ピリジン−2−イル−アセトアミド
【化23】

【0126】
13a)2−クロロ−N−ピリジン−2−イル−アセトアミド
クロロアセチルクロライド(1.8mL)を、2−アミノピリジン(1.88g)をTHF:ピリジン(20mL、1:1)に溶解した氷冷溶液に滴下した。
室温で3時間撹拌した後、溶液を水の中に注入し、酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を酢酸エチル:エーテルで再結晶化させて所望の生成物(3.4g)を得た。
MS (EI): m/z: 171 [M+H]+
【0127】
13b)標記化合物
アミン(7c)(0.05g)をDMF(1mL)に溶解した溶液に、塩化物(13a)(0.034g)及び炭酸ナトリウム(0.05g)を添加し、60℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮した後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって精製し、所望の生成物を得た。
MS (EI): m/z: 436 [M+H]+
【実施例14】
【0128】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化24】

【0129】
14a)3−メトキシ−キノリン−5−カルバルデヒド
臭化物(1b)(2.68g)をエーテル(37mL)及びTHF(37mL)に溶解した溶液に、n−ブチルリチウム(9.3mL、ヘキサン中2.5M)を−78℃で添加し、30分間撹拌した後、DMF(5mL)で冷却した。15分後、エタノール(8mL)及び塩化アンモニウム溶液(50mL)を添加し、室温に加熱した。水相を酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=2:1、1:2)によって精製し、所望の生成物(1.06g)を得た。
MS (EI): m/z: 188 [M+H]+
【0130】
14b)3−メトキシ−5−オキシラニル−キノリン
アルデヒド(14a)(1.06g)をアセトニトリル(17.6mL)に溶解した溶液に、水を9滴、トリメチルスルホニウムイオダイド(1.19g)、水酸化カリウム(2.25g)を添加し、60℃で20分間加熱した。冷却後、溶液を濾過し、濾液を水(10mL)で希釈し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、混じり合った有機相を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=2:1、1:1)によって精製し、所望の生成物(1g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.64 (d, 1H), 7.94 (dd, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.48-7.39 (m, 2H), 4.30 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.22 (dd, 1H), 2.81 (dd, 1H)
【0131】
14c){1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(ラセミ体)
実施例1gと同様にして、エポキシド(14b)からこの化合物を65%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 8.56 (d, 1H), 7.92 (m, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.48-7.43 (m, 1H), 5.72 (bs, 1H), 4.51 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.60-3.46 (m, 1H), 3.29-3.26 (m, 2H), 2.84-2.73 (m, 2H), 2.67-2.40 (m, 2H), 2.09-1.95 (m, 2H), 1.84-1.64 (m, 2H), 1.38 (s, 9H)
【0132】
14d)2−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
実施例1hと同様にして、Boc−アミン(14c)からこの化合物を78%の収率で調製した。
MS (EI): m/z: 302 [M+H]+
【0133】
14e)標記化合物
実施例1kと同様にして、アミン(14d)及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒドから標記化合物を収率50%で調製した。
MS (EI): m/z: 450 [M+H]+
【実施例15】
【0134】
2−{4−[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化25】

【0135】
実施例14eと同様にして、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−カルバルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 450 [M+H]+
【実施例16】
【0136】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−{4−[(2−メチル−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−エタノール(ラセミ体)
【化26】

【0137】
16a)4−プロピン−2−イルオキシベンズアルデヒド
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.91g)をトルエン(80mL)に懸濁させた懸濁液に炭酸カリウム(87.4g)及びプロパルギルブロマイド(8mL、トルエン中80%溶液)を添加し、100℃で7時間加熱した。次に、懸濁液を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)によって精製し、所望の生成物(5g)を得た。
MS (EI): m/z: 161 [M+H]+
【0138】
16b)2−メチル−ベンゾフラン−5−カルバルデヒド
PEG300(40mL)を220℃に加熱した。プロピニルアルデヒド(16a)(5g)をPEG300(10mL)に溶解した溶液を添加し、220℃で90分間撹拌した。冷却後、反応混合物を氷(200g)の上に注ぎ、ジクロロメタン:エーテル(1:1、2×300mL)で抽出した。混じり合った有機相を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=9:1)によって精製し、所望の生成物(2g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 9.93 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.67 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 2.39 (s, 3H)
【0139】
16c)標記化合物
実施例14eと同様にして、アルデヒド(16b)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 446 [M+H]+
【実施例17】
【0140】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−{4−[(キノキサリン−2−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−エタノール(ラセミ体)
【化27】

【0141】
17a)キノキサリン−2−カルバルデヒド
二酸化セレン(12g)をジオキサン(120mL)及び還流で沸騰させた水(5mL)に溶解した溶液に、2−メチルキノキサリン(10g)をジオキサン(20mL)に溶解した溶液に滴下した後、4時間加熱還流した。冷却後、懸濁液をシリカゲルで濾過し、濾液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)によって精製し、所望の生成物(8g)を得た。
MS (EI): m/z: 159 [M+H]+
【0142】
17b)標記化合物
実施例14eと同様にして、アルデヒド(17a)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 445 [M+H]+
【実施例18】
【0143】
2−[4−((E)−3−フラン−2−イル−アリルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化28】

【0144】
実施例14eと同様にして、(E)−3−フラン−2−イル−プロペナールからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 408 [M+H]+
【実施例19】
【0145】
2−{4−[(ベンゾフラン−2−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化29】

【0146】
実施例14eと同様にして、ベンゾフラン−2−カルバルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 432 [M+H]+
【実施例20】
【0147】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−[4−(2−フェノキシ−エチルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−エタノール(ラセミ体)
【化30】

【0148】
実施例14eと同様にして、フェノキシアセトアルデヒド(Syn. Lett.,第11巻,2004年,2010頁に準拠して)からこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 422 [M+H]+
【実施例21】
【0149】
5−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−3H−ベンゾキサゾール−2−オン(ラセミ体)
【化31】

【0150】
21a)4−[1,3]ジオキサ−2−イル−2−ニトロ−フェノール
4−ヒドロキシ−3−ニトロベンズアルデヒド(5.54g)をトルエン(110mL)に溶解した溶液に、1,3−プロパンジオール(3.80g)及びp−トルエンスルホン酸(0.11g)を添加し、3時間加熱還流した。冷却後、溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、水相をエーテルで再抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(3.5g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 10.63 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.17 (d, 1H), 5.49 (s, 1H), 4.32-4.26 (m, 2H), 4.04-3.96 (m, 2H), 1.51-1.46 (m, 2H)
【0151】
21b)2−アミノ−4−[1,3]ジオキサン−2−イル−フェノール
ニトロフェノール(21a)(2g)をTHFに溶解した溶液に、ラネーニッケルを添加し、水素ガス雰囲気下で5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケークを酢酸エチルで抽出した。濾液を濃縮して所望の生成物(1.66g)を得た。
MS (EI): m/z: 196 [M+H]+
【0152】
21c)5−[1,3]ジオキサン−2−イル−3H−ベンゾキサゾール−2−オン
アミノフェノール(21b)(1.66g)をジクロロメタン(40mL)に溶解した溶液に、トリエチルアミン(1.72mL)及びトリホスゲン(3.33g)を0℃で添加し、1.5時間撹拌した。得られた溶液を濃縮して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)によって精製し、所望の生成物(1.5g)を得た。
MS (EI): m/z: 222 [M+H]+
【0153】
21d)2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾキサゾール−5−カルバルデヒド
ベンゾキサゾール(21c)(1.5g)をメタノール(20mL)に溶解した溶液に、3M塩酸溶液(2.5mL)を添加し、2時間撹拌した。次に、溶液を部分的に濃縮し、酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(0.84g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 12.00 (bs, 1H), 9.96 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.54-7.50 (m, 2H)
【0154】
21e)標記化合物
実施例14eと同様にして、アルデヒド(21d)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 449 [M+H]+
【実施例22】
【0155】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化32】

【0156】
実施例14eと同様にして、アルデヒド(5d)からこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 451 [M+H]+
【実施例23】
【0157】
2−{4−[(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化33】

【0158】
23a)3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−カルバルデヒド
3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1.67g)及び炭酸カリウム(3.34g)をアセトニトリル(15mL)に溶解した溶液に、1,3−ジブロモプロパン(1.36mL)を添加し、加熱還流した。次に、反応混合物を濾過し、エーテルですすいだ。濾液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)によって精製し、所望の生成物(1.5g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 9.86 (s, 1H), 7.50-7.43 (m, 2H), 7.08-7.04 (m, 1H), 4.39-4.21 (m, 4H), 2.31-2.23 (m, 2H)
【0159】
23b)標記化合物
実施例14eと同様にして、アルデヒド(23a)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 464 [M+H]+
【実施例24】
【0160】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−[4−((E)−3−フェニル−アリルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−エタノール(ラセミ体)
【化34】

【0161】
実施例14eと同様にして、シンナムアルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 418 [M+H]+
【実施例25】
【0162】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−{4−[(1−メチル−1H−インドール−2−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−エタノール(ラセミ体)
【化35】

【0163】
実施例14eと同様にして、1−メチル−1H−インドール−2−カルバルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 445 [M+H]+
【実施例26】
【0164】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−[4−(3−フェニル−プロピルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−エタノール(ラセミ体)
【化36】

【0165】
実施例14eと同様にして、3−フェニルプロピオンアルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 420 [M+H]+
【実施例27】
【0166】
7−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(ラセミ体)
【化37】

【0167】
27a)(5−ホルミル−2−ニトロ−フェノキシ)酢酸エチルエステル
3−ヒドロキシ−4−ニトロベンズアルデヒドをDMF(100mL)に溶解した溶液に、クロロ酢酸エチル(7mL)及び炭酸カリウム(10g)を添加し、50℃で2時間加熱した。水を反応混合物に添加し、反応混合物を酢酸エチル:エーテルで抽出した。有機相を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=4:1、3:1、2:1、1:1)によって精製し、所望の生成物(14.2g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ: 10.04 (s, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.50 (s, 1H), 4.87 (s, 2H), 4.29 (q, 2H), 1.31 (t, 3H)
【0168】
27b)7−ヒドロキシメチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
ニトロベンズアルデヒド(27a)(7g)を酢酸(200mL)に懸濁した懸濁液を鉄粉(15.4g)と混合し、加熱還流した。次に、反応混合物をセライトで濾過し、酢酸ですすいだ。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに懸濁又は溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、所望の生成物(1.5g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.64 (s, 1H), 6.88-6.81 (m, 3H), 5.13-5.09 (m, 1H), 4.54 (s, 2H), 4.38 (d, 2H)
【0169】
27c)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−カルバルデヒド
アルコール(27b)(1.5g)をTHF:ジクロロメタン(150mL、1:1)に溶解した溶液を二酸化マンガン(7.3g)と混合し、1.5時間撹拌した。次に、反応混合物をセライトで濾過し、THFですすぎ、濾液を濃縮した。残渣をエーテルで処理した後、生成した固体を濾過によって分離して所望の生成物(1g)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 9.83 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.06 (d, 1H), 4.68 (s, 2H)
【0170】
27d)標記化合物
実施例14eと同様にして、アルデヒド(27c)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 464 [M+H]+
【実施例28】
【0171】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(ラセミ体)
【化38】

【0172】
実施例14eと同様にして、アルデヒド(1j)から標記化合物を調製した。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ: 10.78 (s, 1H), 8.66 (d, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.88-7.84 (m, 2H), 7.70-7.68 (m, 1H), 7.59-7.54 (m, 1H), 7.00-6.91 (m, 3H), 5.75 (s, 1H), 5.49-5.46 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.82 (s, 2H), 3.12-3.03 (m, 2H), 2.72-2.60 (m, 2H), 2.30-2.10 (m, 2H), 2.00-1.85 (m, 2H), 1.58-1.36 (m, 3H)
【実施例29】
【0173】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2b][1,4]オキサジン−3−オン(ラセミ体)
【化39】

【0174】
実施例14eと同様にして、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(この化合物は国際公開第WO2006/021448号に準拠して調製した)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 464 [M+H]+
【実施例30】
【0175】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−[4−((E)−3−ピリジン−2−イル−アリルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−エタノール(ラセミ体)
【化40】

【0176】
実施例14eと同様にして、(E)−3−ピリジン−2−イル−プロペナール(この化合物は国際公開第WO2006/021448号に準拠して調製した)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 419 [M+H]+
【実施例31】
【0177】
2−{4−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化41】

【0178】
実施例14eと同様にして、(E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)プロペナール(この化合物は国際公開第WO2004/087647号に準拠して調製した)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 454 [M+H]+
【実施例32】
【0179】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−{4−[(ナフタレン−2−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−エタノール
【化42】

【0180】
実施例14eと同様にして、ナフタレン−2−カルバルデヒドから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 442 [M+H]+
【実施例33】
【0181】
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルボン酸{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}アミド(ラセミ体)
【化43】

【0182】
アミン(14d)(180mg)をジクロロメタン(6mL)とDMF(1mL)の混合物に溶解した溶液に、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルボン酸(116mg)、EDC(112mg)及びHOBT(98mg)を室温で添加した。室温で12時間撹拌した後、溶液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン+1%アンモニア中に2〜3%メタノール)によって精製し、所望の生成物(111mg)を得た。
MS (EI): m/z: 477 [M+H]+
【実施例34】
【0183】
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−カルボン酸{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}アミド(ラセミ体)
【化44】

【0184】
実施例33と同様にして、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−カルボン酸から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 493 [M+H]+
【実施例35】
【0185】
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}アミド(ラセミ体)
【化45】

【0186】
実施例33と同様にして、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸(2f)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 494 [M+H]+
【実施例36】
【0187】
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボン酸{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}アミド(ラセミ体)
【化46】

【0188】
実施例33と同様にして、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボン酸から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 464 [M+H]+
【実施例37】
【0189】
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホン酸{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}アミド(ラセミ体)
【化47】

【0190】
アミン(14d)(0.3g)を乾燥ジクロロメタン(15mL)に溶解した溶液に、トリエチルアミン(0.21mL)及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホニルクロライド(0.27g)を室温で添加した。室温で24時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム: メタノール=9:1+5%水酸化アンモニウム)によって精製し、所望の生成物(0.15g)を得た。
MS (EI): m/z: 513 [M+H]+
【実施例38】
【0191】
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−スルホン酸{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}アミド(ラセミ体)
【化48】

【0192】
実施例37と同様にして、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−スルホニルクロライドから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 529 [M+H]+
【実施例39】
【0193】
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−スルホン酸{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}アミド(ラセミ体)
【化49】

【0194】
実施例37と同様にして、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−スルホニルクロライドから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 500 [M+H]+
【実施例40】
【0195】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−3−フルオロ−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化50】

【0196】
40a)4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−ピペリドン塩酸塩水和物(15.00g)を1N水酸化ナトリウム溶液(102mL)、水(102mL)及びジオキサン(102mL)に溶解した。Boc無水物(23.44g)をジオキサン(102mL)に溶解した溶液を室温で滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を部分的に濃縮し、酢酸エチルで数回抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して所望の生成物(19.27g)を得た。
MS (EI): m/z: 200 [M+H]+
【0197】
40b)4−トリメチルシラニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ケトン(40a)(10.12g)をDMF(20mL)に溶解した溶液に、トリメチルシリルクロライド(7.8mL)及びトリエチルアミン(17mL)を添加し、80℃で一晩加熱した。冷却後、DMFを減圧下で除去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に懸濁又は溶解し、ヘキサンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=9:1)によって精製し、所望の生成物(10.5g)を得た。
MS (EI): m/z: 272 [M+H]+
【0198】
40c)3−フルオロ−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
シリルエノールエーテル(40b)(10.5g)をアセトニトリル(420mL)に溶解した溶液に、Selectfluor(15.1g)を添加し、室温で75分間撹拌した。飽和塩化ナトリウム溶液を添加し、アセトニトリルを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(酸化アルミニウム(III)、酢酸エチル、酢酸エチル:メタノール=9:1)によって精製し、所望の生成物(8.5g)を得た。
MS (EI): m/z: 218 [M+H]+
【0199】
40d)4−ベンジルアミノ−3−フルオロ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
フッ化物(40c)(7.12g)を1,2−ジクロロエタン(150mL)に溶解した溶液に、ベンジルアミン(4mL)、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.5g)を添加し、室温で一晩撹拌した。次に、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)を添加し、固体の炭酸水素ナトリウムによってpH8に調整した。相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、所望の生成物を得た。
MS (EI): m/z: 309 [M+H]+
【0200】
40e)4−アミノ−3−フルオロ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ベンジルアミン(40d)(4g)をメタノール(100mL)に溶解した溶液に、20%水酸化パラジウム(2.7g)を添加し、反応混合物を水素ガス雰囲気下で4時間撹拌した。溶液を濾過し、真空下で濃縮して所望の生成物(2.84g)を得た。
MS (EI): m/z: 219 [M+H]+
【0201】
40f)4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フルオロ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
アミン(40e)(2.84g)を酢酸エチル(50mL)に溶解した溶液及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)に、Z−クロライド(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。二相に分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)によって精製し、所望の生成物を得た。
MS (EI): m/z: 353 [M+H]+
【0202】
40g)(3−フルオロ−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸ベンジルエステル
保護アミン(40f)をTFA(10mL)に溶解した溶液を室温で30分間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を3N水酸化ナトリウム溶液に懸濁又は溶解し、ジクロロメタン:メタノール=9:1で数回抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(2.9g)を得た。
MS (EI): m/z: 253 [M+H]+
【0203】
40h){3−フルオロ−1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−カルバミン酸ベンジルエステル(エナンチオマー1)
3−メトキシ−5−オキシラニルキノリン(7a)(0.8g)及びピペリジン(40g)(1.01g)をDMF(10mL)に溶解した溶液に、過塩素酸リチウム(0.425g)を添加し、80℃で一晩加熱した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製し、所望の生成物(1.7g)を得た。
MS (EI): m/z: 454 [M+H]+
【0204】
40i)2−(4−アミノ−3−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
化合物(40h)(1.7g)を酢酸エチル(50mL)及びエタノール(10mL)に溶解した溶液に、10%パラジウム担持炭(0.7g)を添加し、水素ガス雰囲気下で6時間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮して所望の生成物を得た。
MS (EI): m/z: 320 [M+H]+
【0205】
40j)標記化合物
実施例7dと同様にして、アミン(40i)及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒドから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 468 [M+H]+
【実施例41】
【0206】
6−({3−フルオロ−1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化51】

【0207】
実施例40jと同様にして、アルデヒド(1j)からこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 481 [M+H]+
【実施例42】
【0208】
2−[3−フルオロ−4−((E)−3−フェニル−アリルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化52】

【0209】
実施例40jと同様にして、シンナムアルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 436 [M+H]+
【実施例43】
【0210】
6−({3−フルオロ−1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化53】

【0211】
実施例40jと同様にして、アルデヒド(2h)からこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 498 [M+H]+
【実施例44】
【0212】
2−{4−[(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメチル)−アミノ]3−フルオロ−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化54】

【0213】
44a)(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−メタノール
アルデヒド(1j)(1.77g)をTHF(100mL)に溶解した氷冷溶液に、水素化アルミニウムリチウム(1g)を添加し、0℃で30分撹拌した後、90分間加熱還流した。水(1mL)を冷却した後、水酸化ナトリウムの15%溶液(1mL)及び水(3mL)を添加した。反応混合物をTHF(100mL)で希釈し、沈殿物を濾過によって分離した。濾液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製し、所望の生成物(1.5g)を得た。
MS (EI): m/z: 166 [M+H]+
【0214】
44b)(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド
アルコール(44a)(1.5g)をジクロロメタン(100mL)及びTHF(100mL)に溶解した溶液に、二酸化マンガン(3g)を添加した。2時間室温で撹拌した後、そこに二酸化マンガン(3g)をさらに添加し、さらに3時間撹拌した。次に、反応混合物をセライトで濾過し、THFですすいだ。濾液を濃縮して所望の生成物(1g)を得た。
MS (EI): m/z: 164 [M+H]+
【0215】
44c)標記化合物
実施例40jと同様にして、アルデヒド(44b)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 467 [M+H]+
【実施例45】
【0216】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−3−フルオロ−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化55】

【0217】
実施例40jと同様にして、アルデヒド(5d)からこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 470 [M+H]+
【実施例46】
【0218】
2−{4−[(ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イルメチル)−アミノ]−3−フルオロ−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化56】

【0219】
実施例40jと同様にして、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−カルバルデヒドからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 468 [M+H]+
【実施例47】
【0220】
6−({3−フルオロ−1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化57】

【0221】
実施例40jと同様にして、アルデヒド(4b)からこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 497 [M+H]+
【実施例48】
【0222】
2−[4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−イル]−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化58】

【0223】
48a)4−アミノ−4−カルボキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル 4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(10g)及びギ酸アンモニウム(4.93g)をメタノール(20mL)に溶解した溶液に、マロン酸(4.5g)を添加し、3日間加熱還流した。濃縮後、粗生成物(12g)をさらに精製せずに加工した。
【0224】
48b)4−アミノ−4−メトキシカルボニルメチル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
エステル(48a)(5g)をメタノール(25mL)及びヘキサン(25mL)に溶解した溶液に、TMS−ジアゾメタン(ヘキサン中2M、9mL)を添加し、室温で3時間撹拌した。濃縮後、残渣を酢酸エチル(100mL)及び1N水酸化ナトリウム溶液(30mL)に懸濁又は溶解した。有機相を1N水酸化ナトリウム溶液(30mL)及び飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(4.9g)を得た。
MS (EI): m/z: 307 [M+H]+
【0225】
48c)4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−4−メトキシカルボニルメチル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
アミノピペリジン(48b)(0.86g)及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒド(0.5g)を1,2−ジクロロエタン(15mL)に溶解した溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.72g)を添加し、室温で16時間撹拌した。次に、重炭酸ナトリウム(20mL)及びジクロロメタン(50mL)の飽和溶液を添加し、相を分離し、水相をジクロロメタン(50mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製し、所望の生成物(0.75g)を得た。
MS (EI): m/z: 455 [M+H]+
【0226】
48d)4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
エステル(48c)(0.75g)をTHF(20ml)に溶解した溶液に、水素化ホウ素リチウム(0.3g)を添加し、室温で2時間撹拌した。水(5mL)、メタノール(2mL)及び飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(50mL)を添加した。20分間撹拌した後、ジクロロメタン(100mL)を添加し、相を分離し、水相をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。混じり合った有機相を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製し、所望の生成物(0.5g)を得た。
MS (EI): m/z: 427 [M+H]+
【0227】
48e)2−{4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−4−イル}−エタノール
保護ピペリジン(48d)(0.5g)をTHF(8mL)及びメタノール(2mL)に溶解した溶液に、20%水酸化パラジウム(0.5g)を添加し、水素ガス雰囲気下で室温で4時間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮して所望の生成物(340mg)を得た。
MS (EI): m/z: 293 [M+H]+
【0228】
48f)標記化合物
実施例1gと同様にして、エポキシド(14b)及びピペリジン(48e)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 494 [M+H]+
【実施例49】
【0229】
2−[4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−アミノ]−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−イル]−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化59】

【0230】
工程48c〜48eと同様にして、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルバルデヒドからピペリジン(2−{4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−4−イル}−エタノール)を調製した。実施例48fと同様にして、エポキシド(14b)及び2−{4−[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−4−イル}−エタノールから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 480 [M+H]+
【実施例50】
【0231】
6−({4−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(ラセミ体)
【化60】

【0232】
工程48c〜48eと同様にして、アルデヒド(1j)からピペリジン(6−{[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン)を調製した。実施例48fと同様にして、エポキシド(14b)及び6−{[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 507 [M+H]+
【実施例51】
【0233】
2−{4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(ラセミ体)
【化61】

【0234】
51a)1−ベンジル−3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−4−オール
水酸化ナトリウム(1.344g)及び1−ベンジル−3−カルボエトキシ(carbethoxy)−4−ピペリドンハイドロクロライド(10g)をメタノール(160mL)と混合した混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(2.543g)を0℃で添加し、30分間撹拌した。次に、水(150mL)を滴下し、溶液を部分的に濃縮した。水相をジクロロメタン(3×150mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をエーテル(140mL)に懸濁又は溶解し、水酸化リチウムアルミニウム(2.55g)を0℃で添加し、1時間撹拌した。次に、水(2mL)、3N水酸化ナトリウム溶液(4mL)、水(9mL)を添加した後、室温に加熱し、エーテル(150mL)を添加した。固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮して所望の生成物(5.33g)を得た。
MS (EI): m/z: 222 [M+H]+
【0235】
51b)1−ベンジル−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピペリジン−4−オール
ジオール(51a)(5.33g)をジクロロメタン(47mL)に溶解した溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(3.9g)、トリエチルアミン(6.6mL)及びDMAP(0.287mg)を0℃で添加し、0℃で4日間撹拌した。濃縮後、残渣を水及び酢酸エチルに懸濁又は溶解し、相を分離し、水相を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:2)によって精製し、所望の生成物(5.6g)を得た。
MS (EI): m/z: 336 [M+H]+
【0236】
51c)3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピペリジン−4−オール
ベンジルピペリジン(51b)(5.6g)をTHF:メタノール=1:1(90mL)に溶解した溶液に、10%水酸化パラジウム(3.6g)を添加し、水素ガス雰囲気下で一晩撹拌した。次に、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して所望の生成物(4.1)を得た。
MS (EI): m/z: 246 [M+H]+
【0237】
51d)3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
ピペリジノール(51c)(4.1g)をアセトン:水=2:1(87mL)に溶解した溶液に、重炭酸ナトリウム(2.803g)及びZ−塩化物(2.35mL)を添加した。室温で1時間撹拌した後、溶液を部分的に濃縮し、水相を酢酸エチルで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:4、1:1)によって精製し、所望の生成物(6.1g)を得た。
MS (EI): m/z: 380 [M+H]+
【0238】
51e)3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
アルコール(51d)(3g)、N−メチルモルホリンN−酸化物(1.857g)及び粉末モレキュラーシーブ4A(3.95g)をジクロロメタン(15mL)に溶解した溶液に、TPAP(0.139g)を室温で添加した。1時間後、溶液をシリカゲルで濾過し、濾液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:4)によって精製し、所望の生成物(2g)を得た。
MS (EI): m/z: 378 [M+H]+
【0239】
51f)4−アミノ−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
ケトン(51e)(2g)をメタノール(50mL)に溶解した溶液に、酢酸アンモニウム(6.13g)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.69g)を添加し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮した後、残渣を水及びジクロロメタンに懸濁又は溶解し、相を分離し、水相をジクロロメタン(3×70mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物(1g)をさらに精製せずにさらに使用した。
【0240】
51g)3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
アミン(51f)(1g)をメタノール(7mL)及びジクロロメタン(22mL)に溶解した溶液に、モレキュラーシーブ3A(7g)及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒド(0.434g)を添加し、室温で20時間撹拌した。次に、水素化ホウ素ナトリウム(0.120g)を添加し、さらに2時間撹拌した。モレキュラーシーブを濾過によって分離し、濾液を飽和重炭酸ナトリウム溶液及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1+1%アンモニア)によって精製し、所望の生成物(500mg)を得た。
MS (EI): m/z: 527 [M+H]+
【0241】
51h)[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピペリジン−4−イル]−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミン
Z−保護ピペリジン(51g)(500mg)を酢酸エチル(15mL)に溶解した溶液に、10%パラジウム担持炭(0.4g)を添加し、水素ガス雰囲気下で12時間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮して所望の生成物(0.37g)を得た。
MS (EI): m/z: 393 [M+H]+
【0242】
51i)2−{3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−[(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール
エポキシド(14b)(150mg)及び保護ピペリジン(51h)(293mg)をDMF(3mL)に溶解した溶液に、炭酸カリウム(0.150g)及び過塩素酸リチウム(0.083g)を添加し、80℃で一晩撹拌した。冷却後、溶液を濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって精製し、所望の生成物(304mg)を得た。
MS (EI): m/z: 594 [M+H]+
【0243】
51j)標記化合物
シリルエーテル(51i)(304mg)をアセトニトリル(1mL)に溶解した溶液に、2.5Nフッ化水素酸水溶液(0.62mL)を0℃で添加し、1時間撹拌した。次に、反応混合物を3N水酸化ナトリウム溶液(1mL)によってアルカリ性にし、その溶液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1+1%アンモニア)によって精製し、所望の生成物(112mg)を得た。
MS (EI): m/z: 480 [M+H]+
【実施例52】
【0244】
6−({1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−4−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(ラセミ体)
【化62】

【0245】
工程51g〜51hと同様にして、アルデヒド(1j)からピペリジン(6−{[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ−メチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン)を調製した。実施例51i〜51jと同様にして、エポキシド(14b)及び6−{[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ−メチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−メチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 493 [M+H]+
【実施例53】
【0246】
1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−{4−[3−(チオフェン−2−イルスルファニル)−プロピル]−ピペリジン−1−イル}−エタノール
【化63】

【0247】
53a)2−(3−ブロモ−プロピルスルファニル)−チオフェン
チオフェンチオール(2.5g)及び水酸化ナトリウム(2g)を水(10mL)に溶解した溶液に、1,3−ジブロモプロパン(6.59mL)を添加し、80℃で一晩加熱した。冷却後に、反応混合物をエーテルで希釈し、相を分離し、水相をエーテルで抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)によって精製し、所望の生成物(2.37g)を得た。
MS (EI): m/z: 238 [M+H]+
【0248】
53b)4−[3−(チオフェン−2−イルスルファニル)−プロピル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.43g)及び臭化物(53a)(0.5g)をDMF(5mL)に溶解した溶液に、炭酸カリウム(0.4g)を添加し、60℃で14時間加熱した。次に、溶液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって精製し、所望の生成物(500mg)を得た。
MS (EI): m/z: 343 [M+H]+
【0249】
53c)1−[3−(チオフェン−2−イルスルファニル)−プロピル]−ピペラジン
保護ピペラジン(53b)(0.5g)をTFA(5mL)に溶解した溶液を室温で20分間撹拌した。反応混合物を濃縮した後、残渣を1N水酸化ナトリウム溶液(30mL)に懸濁又は溶解し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(346mg)を得た。
MS (EI): m/z: 243 [M+H]+
【0250】
53d)標記化合物
エポキシド(14b)(0.1g)及びピペラジン(53c)(0.130g)をDMF(5mL)に溶解した溶液に、過塩素酸リチウム(0.06g)及び炭酸カリウム(0.1g)を添加し、40℃で2時間加熱した。次に、溶液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=19:1)、所望の生成物を得た。
MS (EI): m/z: 444 [M+H]+
【実施例54】
【0251】
6−(1−ヒドロキシ−2−{4−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(ラセミ体)
【化64】

【0252】
54a)4−[2−ヒドロキシ−2−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−エチル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(2.2g)をエタノール(20mL)及びアセトニトリル(10mL)に溶解した溶液に、6−(2−クロロ−アセチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(2.25g)及びトリエチルアミン(1.67mL)を添加し、65℃で3時間加熱した。次に、得られた溶液を濃縮し、残渣をメタノール(30mL)に懸濁又は溶解した。0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム(2g)を数回に分けて添加し、30分間撹拌した。次に、水(20mL)を添加し、溶液を部分的に濃縮した。残渣を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=19:1)によって精製し、所望の生成物(2g)を得た。
MS (EI): m/z: 412 [M+H]+
【0253】
54b)6−(1−ヒドロキシ−2−ピペラジン−1−イル−エチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
保護ピペラジン、(54a)(3g)を酢酸エチル(100mL)に溶解した溶液に、10%パラジウム担持炭(1.5g)を添加した。反応混合物を水素ガス雰囲気下で一晩撹拌し、濾過し、濃縮して所望の生成物(2g)を得た。
MS (EI): m/z: 278 [M+H]+
【0254】
54c)標記化合物
実施例53dと同様にして、エポキシド(14b)及びピペラジン(54b)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 479 [M+H]+
【実施例55】
【0255】
6−(1−ヒドロキシ−2−{4−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン(ラセミ体)
【化65】

【0256】
工程54a〜54bと同様にして、6−(2−クロロ−アセチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オンからピペラジン(6−(1−ヒドロキシ−2−ピペラジン−1−イル−エチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン)を調製した。実施例54cと同様にして、エポキシド(14b)及び6−(1−ヒドロキシ−2−ピペラジン−1−イル−エチル)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オンから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 495 [M+H]+
【実施例56】
【0257】
2−{4−[2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシ−エチル]−ピペリジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化66】

【0258】
工程54a〜54bと同様にして、2−クロロ−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エタノンからピペラジン(1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−2−ピペラジン−1−イル−エタノール)を調製した。実施例54cと同様にして、エポキシド(14b)及び1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−2−ピペラジン−1−イル−エタノールから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 466 [M+H]+
【実施例57】
【0259】
5−{2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−エトキシ}−3−メトキシ−キノリン
【化67】

【0260】
57a)3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−キノリン
ビス(ピナコラート)ジボロン(6.14g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(1.475g)及び酢酸カリウム(5.93g)の混合物に、1b(4.8g)をDMSO(145mL)に溶解した溶液を添加した。反応混合物を80℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水(300mL)及び酢酸エチル(300mL)で希釈した。相を分離し、水相を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。茶色の残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:4)によって精製し、所望の生成物(4.65g)を得た。
MS (EI): m/z: 286 [M+H]+
【0261】
57b)3−メトキシ−キノリン−5−オール
57a(4.6g)をTHF(110mL)に溶解した氷冷溶液に、3N水酸化ナトリウム溶液(13mL)を滴下した。次に、30%過酸化水素水溶液(5.6mL)を滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)に懸濁又は溶解し、酢酸エチル(200mL)で1回抽出した。1N塩酸溶液によって水相のpHを4に調整した後、反応混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=29:1)によって精製し、所望の生成物(2.82g)を得た。
MS (EI): m/z: 176 [M+H]+
【0262】
57c)4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
ヒドロキシエチルピペラジン(13mL)をアセトン(200mL)に溶解した溶液に、10%炭酸水素ナトリウム溶液(254mL)を激しく撹拌しながら添加した。その後、反応混合物を0℃に冷却し、クロロギ酸ベンジル(17.92mL)を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。真空下でアセトンを除去した後、水相を酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(28.2g)を得た。
MS (EI): m/z: 265 [M+H]+
【0263】
57d)4−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
57c(2.0g)をジクロロメタン(10mL)に溶解した溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(1.27mL)及びメタンスルホニルクロライド(706μl)と混合した。溶液を室温に暖めた後、30分間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。濃縮して所望の生成物(2.57g)を得た。
MS (EI): m/z: 343 [M+H]+
【0264】
57e)4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
化合物(57b)(350mg)をDMF(2mL)に溶解し、室温で水素化ナトリウム(87mg)と混合した。10分間撹拌した後、化合物(57d)(684mg)をDMF(2mL)に溶解した溶液をゆっくりと滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、水に懸濁又は溶解し、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。混じり合った有機相を水で数回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の生成物(320mg)を得た。
MS (EI): m/z: 422 [M+H]+
【0265】
57f)3−メトキシ−5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)−キノリン
化合物(57e)(250mg)を酢酸エチル(25mL)及びメタノール(25mL)に溶解した溶液に、10%パラジウム担持炭(50mg)を添加し、水素ガス雰囲気下で4時間撹拌した。
溶液を濾過し、濃縮して所望の生成物を得た。
MS (EI): m/z: 288 [M+H]+
【0266】
57g)標記化合物
実施例1kと同様にして、3−メトキシ−5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)−キノリン(57f)及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒドから標記化合物を66%の収率で調製した。
MS (EI): m/z: 436 [M+H]+
【実施例58】
【0267】
6−{4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イルメチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【化68】

【0268】
実施例57gと同様にして、アルデヒド(1j)から標記化合物を71%の収率で調製した。
MS (EI): m/z: 449 [M+H]+
【実施例59】
【0269】
6−{4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イルメチル}−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン
【化69】

【0270】
実施例57gと同様にして、アルデヒド(4b)から標記化合物を56%の収率で調製した。
MS (EI): m/z: 465 [M+H]+
【実施例60】
【0271】
6−{4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イルメチル}−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン
【化70】

【0272】
実施例57gと同様にして、アルデヒド(2h)から標記化合物を80%の収率で調製した。
MS (EI): m/z: 466 [M+H]+
【実施例61】
【0273】
5−(2−{4−[(E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−アリル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−3−メトキシ−キノリン
【化71】

【0274】
実施例57gと同様にして、(E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−プロペナール(この化合物は国際公開第WO2004/087647号に準拠して調製した)から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 440 [M+H]+
【実施例62】
【0275】
3−メトキシ−5−[2−(4−ナフタレン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−キノリン
【化72】

実施例57gと同様にして、ナフタレン−2−カルバルデヒドから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 428 [M+H]+
【実施例63】
【0276】
3−メトキシ−5−(2−{4−[2−(チオフェン−2−イル−スルファニル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−キノリン
【化73】

【0277】
63a)2−(2−ブロモ−エチルスルファニル)−チオフェン
実施例53aと同様にして、1,2−ジブロモエタンからこの化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 224 [M+H]+
【0278】
63b)標記化合物
実施例53bと同様にして、3−メトキシ−5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)−キノリン(57f)及び2−(2−ブロモ−エチルスルファニル)−チオフェン(63a)から標記化合物を86%の収率で調製した。
MS (EI): m/z: 430 [M+H]+
【実施例64】
【0279】
6−{4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−カルボニル}−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン
【化74】

【0280】
実施例33と同様にして、3−メトキシ−5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)−キノリン(57f)及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−カルボン酸から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 479 [M+H]+
【実施例65】
【0281】
6−{4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−カルボニル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【化75】

【0282】
実施例33と同様にして、3−メトキシ−5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)−キノリン(57f)及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルボン酸から標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 463 [M+H]+
【実施例66】
【0283】
6−{4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−スルホニル}−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン
【化76】

【0284】
実施例37と同様にして、3−メトキシ−5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)−キノリン(57f)及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−スルホニルクロライドから化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 515 [M+H]+
【実施例67】
【0285】
6−{4−[2−(3−メトキシ−キノリン−5−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−1−スルホニル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【化77】

【0286】
実施例37と同様にして、3−メトキシ−5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)−キノリン(57f)及び3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホニルクロライドから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 499 [M+H]+
【実施例68】
【0287】
2−{4−[2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化78】

【0288】
68a)6−ビニル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン
メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(13.2g)をTHF(120mL)に溶解した溶液を、−78℃に冷却した後、ブチルリチウム(15mL、ヘキサン中2.5M溶液)を添加し、−78℃で15分間撹拌し、0℃で45分間さらに撹拌した。−78℃に冷却した後、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルバルデヒド(5g)をTHF(20mL)に溶解した溶液を添加し、室温で加熱した後、2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×100mL)で洗浄し、混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:6)によって精製し、所望の生成物(3.9g)を得た。
MS (EI): m/z: 163 [M+H]+
【0289】
68b)2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エタノール
ビニル化合物(68a)(5g)をTHF(100mL)に溶解した溶液に、9−BBN(2.2g)を添加し、室温で16時間撹拌した。次に、反応混合物を0℃に冷却し、エタノール(20mL)、3N水酸化ナトリウム溶液(110mL)及び30%過酸化水素溶液(110mL)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、10%亜硫酸ナトリウム溶液(120mL)と混合し、さらに30分間撹拌した。相を分離し、水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。混じり合った有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=2:1)によって精製し、所望の生成物(3.75g)を得た。
MS (EI): m/z: 181 [M+H]+
【0290】
68c)トルエン−4−スルホン酸2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチルエステル
アルコール(68b)(3.55g)をジクロロメタン(70mL)に溶解した溶液に、DMAP(4.2g)及びトシルクロライド(4.13g)を0℃で添加した。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した後、室温に加熱した。2時間後、溶液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:3)によって精製し、所望の生成物(3.23g)を得た。
MS (EI): m/z: 335 [M+H]+
【0291】
68d)4−[2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
トシル化物(68c)(0.7g)をDMF(10mL)に溶解した溶液に、ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(0.49g)及びトリエチルアミン(1mL)を添加した。反応混合物を60℃で16時間加熱した後、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=2:1)によって精製し、所望の生成物(0.6g)を得た。
MS (EI): m/z: 383 [M+H]+
【0292】
68e)1−[2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エチル]−ピペラジン
保護ピペラジン(68d)(0.180g)を酢酸エチル(5mL)に溶解した溶液に、10%パラジウム担持炭(0.18g)を添加し、水素ガス雰囲気下で室温で1時間水素化させた。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して所望の生成物(0.13)を得た。
MS (EI): m/z: 249 [M+H]+
【0293】
68f)標記化合物
エポキシド(7a、エナンチオマー1)(0.1g)及びピペラジン(68e)(0.13g)をDMF(2mL)に溶解した溶液に、過塩素酸リチウム(0.06g)を添加し、反応混合物を60℃で4時間加熱した。次に、溶液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=19:1)によって精製し、所望の生成物を得た。
MS (EI): m/z: 450 [M+H]+
【実施例69】
【0294】
6−(2−{4−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(エナンチオマー1)
【化79】

【0295】
反応工程68a〜68eと同様にして、アルデヒド(1j)からピペラジン(6−(2−ピペラジン−1−イル−エチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン)を調製した。実施例68fと同様にして、エポキシド(7a)及び1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−2−ピペラジン−1−イル−エタノールから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 463 [M+H]+
【実施例70】
【0296】
2−[4−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−ピペラジン−1−イル]−1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エタノール(エナンチオマー1)
【化80】

【0297】
反応工程68a〜68eと同様にして、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルバルデヒドからピペリジン(1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−ピペラジン)を調製した。
実施例68fと同様にして、エポキシド(7a)及び1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−ピペラジンから標記化合物を調製した。
MS (EI): m/z: 436 [M+H]+
【実施例71】
【0298】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−{4−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸
【化81】

【0299】
エポキシド(14a)(50mg)及びシプロフレロキサシン(floxacine)(91.4mg)をDMF(0.2mL)に懸濁させ、そこに炭酸カリウム(34.3mg)を添加した。反応混合物を100℃で一晩撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって精製した。濃縮留分をエーテル:ジクロロメタンで再結晶化させた。
MS (EI): m/z: 533 [M+H]+
【実施例72】
【0300】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−{1−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(ラセミ体)
【化82】

【0301】
72a)4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
N−tert−Boc4−ピペリジノン(5.0g)及び1−ベンジルピペラジン(4.43g)をメタノール(60mL)に溶解し、酢酸(1.58g)を混合した。混合物を室温で7時間撹拌した。次に、シアノホウ素化水素ナトリウム(1.89g)及びメタノール(20mL)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。水(250mL)を添加した後、混合物を酢酸エチル(4×250mL)で抽出した。混じり合った有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をMPLCで精製して所望の生成物(4.52g)を得た。
MS (EI): m/z: 360 [M+H]+
【0302】
72b)4−ピペラジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
保護ピペラジン(72a)(2.05g)をメタノール(20mL)に溶解した溶液に、10%水酸化パラジウム(0.5g)を添加し、水素ガス雰囲気下で室温で48時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア=19:0.9:0.1、9:0.9:0.1、4:0.9:0.1、3:1.8:0.2)によって精製し、所望の生成物(1.0mg)を得た。
MS (EI): m/z: 270 [M+H]+
【0303】
72c)4−{4−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
エポキシド(14b)(0.39g)、ピペラジン(72b)(0.29g)、炭酸カリウム(0.29g)及び過塩素酸リチウム(0.12g)を乾燥DMF(4mL)に溶解し、窒素ガス雰囲気下で100℃で24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、まずジクロロメタン、次いでジクロロメタン:メタノール:アンモニア=19:0.9:0.1、9:0.9:0.1)によって精製し、所望の生成物(472mg)を得た。
MS (EI): m/z: 471 [M+H]+
【0304】
72d)1−(3−メトキシ−キノリン−5−イル)−2−(4−ピペリジン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノール
Boc−ピペリジン(72c)(317mg)をジクロロメタン(10mL)に溶解した氷冷溶液に、TFA(1.5mL)を滴下した。混合物を0℃で15分間撹拌した後、45分にわたって室温にあたためた。混合物を濃縮し、アンモニアによってアルカリのpH値に調整した後、ジクロロメタン:メタノール(9:1)(5×25mL)で抽出した。混じり合った有機相を濃縮して所望の生成物(93mg)を得た。
MS (EI): m/z: 371 [M+H]+
【0305】
72e)標記化合物
アミン(72d)(80mg)及び7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸ボロンジアセテイト錯体(101mg)をNMP(5mL)に溶解し、N−エチルジイソプロピルアミン(0.3mL)を滴下した。混合物を80℃で24時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濃縮した。残渣を、塩酸をメタノール(10mL)に溶解した4N溶液中で0℃で30分間撹拌した後、室温で1時間さらに撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50ml)と混合した。沈殿物を濾過し、洗浄した後、乾燥した。所望の生成物50mgを得た。
MS (EI): m/z: 616 [M+H]+
【0306】
種々の細菌株に対する実施例に係る物質の最大阻止濃度(μg/mL)を測定した:A.バウマニ(A. baumannii)ATCC 19606、E.クロアカエ菌(E. cloacae)ATCC 23355、大腸菌(E. coli)ATCC 25922、肺炎桿菌(K. pneumoniae)ATCC 27736、P.ミラビリス菌(P. mirabilis)ATCC 29906、緑膿菌(P. aeruginosa)ATCC 27853、S.マルトフィリア菌(S. maltophilia)ATCC 13637、黄色ブドウ球菌(S. aureus)ATCC 43300、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)ATCC 14990、S.ハエモリティカス菌(S. haemolyticus)ATCC 29970、E.フェカリス菌(E. faecalis)ATCC 29212及びE.フェシウム菌(E. faecium)ATCC 19434。
【0307】
実施例1〜12、14〜15、17〜20、22〜26、28〜53及び56〜71に係る物質は、上述した細菌株の少なくとも2種に対して4μg/mL以下の最大阻止濃度(MHK)を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(I)で表される化合物、その薬理学的に許容されうる塩、溶媒和物、水和物又は薬理学的に許容されうる配合物:
【化1】

(式中、残基Rは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、ヘテロアルキル基、アルキルオキシ基、ヘテロアルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルシクロアルキルオキシ基、ヘテロシクロアルキルオキシ基又はヘテロアルキルシクロアルキルオキシ基であり、
残基Rは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基又はヘテロアルキル基であり、
残基Rは、次の式で表される基であり、
【化2】

(式中、U及びVは、それぞれ独立して窒素原子又は式:CH又はCRで表される基である)
残基Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はヘテロアルキル基であり、
nは0、1又は2であり、
残基Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基であり、
残基Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はヘテロアルキル基であり、
Aは、次の基から選択され;
−CR10(OR11)CR1213−、−CRCR10(OR11)−、−OCRCR1213−、−CRCR1213O−、−CRSO−、−SOCR−、−CRNR−、−NRCR−、−CRO−、−OCR−、−CRS−、−SCR−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−及び−CRCR1213−、
残基Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基又はカルボニルアミノ基であり(ここで、カルボニルアミノ基のアミノ基は、適用可能であれば、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基、C〜Cアルケニルオキシカルボニル基、C〜Cアルケニルカルボニル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基で置換されていてもよく、さらにC〜Cアルキル基又はC〜Cアルケニル基で置換されていてもよい)、
残基R、R、R10、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アジド基、トリフルオロメチル基、水酸基、アミノ基、C〜Cアルキルオキシ基、C〜Cアルキルチオ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルケニルオキシカルボニル基、C〜Cアルキルスルホニル基、C〜Cアルケニルスルホニル基又はスルホニルアミノ基であり(ここで、スルホニルアミノ基のアミノ基は、適用可能であれば、C〜Cアルキル基又はフェニル基で置換されていてもよい)、
残基R11は、水素原子、トリフルオロメチル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基又はカルボニルアミノ基である(ここで、カルボニルアミノ基のアミノ基は、適用可能であれば、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルキルカルボニル基、C〜Cアルケニルオキシカルボニル基、C〜Cアルケニルカルボニル基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基で置換されていてもよく、適用可能であれば、さらにC〜Cアルキル基又はC〜Cアルケニル基で置換されていてもよい))。
【請求項2】
Aが、次の基から選択される、請求項1に記載の化合物;
−CH(OH)CH−、−CHCH(OH)−、−OCHCH−、−CHCHO−、−CHSO−、−SOCH−、−CHN(C〜Cアルキル)−、−N(C〜Cアルキル)CH−、−CHNH−、−NHCH−、−CHO−、−OCH−、−CHS−、−SCH−、−N(C〜Cアルキル)C(=O)−、−C(=O)N(C〜Cアルキル)−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−又は−CHCH−。
【請求項3】
Aが、式:−CH(OH)CH−又は−OCHCH−で表される基である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
残基Rが、メトキシ基である、請求項1、2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
残基Rが水素原子又はハロゲン原子である、請求項1、2、3又は4に記載の化合物。
【請求項6】
残基Rが、式:−B−Yで表される基である、請求項1、2、3、4又は5に記載の化合物、
ただし、Bは、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−NH−基、−NHSO−基、−SO−基、−C(=O)−基、ヘテロアルキレン基又はヘテロシクロアルキレン基であり、並びにYは、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル基又はアリールヘテロシクロアルキル基である。
【請求項7】
Bが、次の式で表される基又はピペラジン基である、請求項6に記載の化合物;
−NH−、−NHCH−、−CHNH−、−NHCHCH−、−CHCHNH−、−NHCHCHCH−、−CHCHCHNH−、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−CH(OH)−、−CHCH(OH)−、−CH(OH)CH−、−NHSO−、−SONH−、−SO−、−C(=S)NH−、−NHC(=S)−、−C(=NOH)−、−CHC(=NOH)−、−C(=NOH)CH−、−C(=O)−、−C(=O)−C(=O)−、−CHC(=O)−、−C(=O)CH−、−N(C〜Cアルキル)CH−、−CHN(C〜Cアルキル)−。
【請求項8】
Yが、次の構造のひとつを有する、請求項6又は7に記載の化合物;
【化3a】

【化3b】

【請求項9】
残基Rが、以下の基から選択される、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の化合物;
【化4】

【請求項10】
残基Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C〜Cアルキル基又はC〜Cヘテロアルキル基である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
残基Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C〜Cアルキル基又はC〜Cヘテロアルキル基である、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1〜11に記載の化合物を有効成分として含み、必要に応じて担体及び/又はアジュバントを含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項1〜12に記載の化合物又は医薬組成物の細菌感染の治療のための使用。

【公表番号】特表2009−511530(P2009−511530A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534946(P2008−534946)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009932
【国際公開番号】WO2007/042325
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(504288753)モルフォケム アクチェンゲゼルシャフト フュア コンビナトリシェ ヘミー (5)
【Fターム(参考)】