説明

抗酸化剤、抗肥満剤、皮膚化粧料及び飲食品

【課題】安全性の高い天然抽出物を有効成分とする抗酸化剤及び抗肥満剤、並びに当該天然抽出物を配合した皮膚化粧料及び飲食品を提供する。
【解決手段】抗酸化剤又は抗肥満剤に、零香草(Lysimachia foenum-graecum Hance)からの抽出物を有効成分として含有せしめ、皮膚化粧料又は飲食品に、零香草からの抽出物(Lysimachia foenum-graecum Hance)を配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化剤、抗肥満剤、皮膚化粧料及び飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、スーパーオキサイド〔即ち、酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン(・O2−)〕、過酸化水素(H)、ヒドロキシラジカル(・OH)、一重項酸素()等がある。これら活性酸素は食細胞の殺菌機構にとって必須であり、ウイルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしている。しかしながら、活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発する。通常、生体内で生産され他の活性酸素の出発物質ともなっているスーパーオキサイドは、細胞内に含まれているスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)の触媒作用により逐次消去されているが、スーパーオキサイドの産生が過剰である場合、あるいはSODの作用が低下している場合においては、消去が不十分になってスーパーオキサイド濃度が高くなり、これが関節リウマチやベーチェット病などの組織障害や心筋梗塞、脳卒中、白内障、しわ、糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性などを起こす。
【0003】
特に皮膚は紫外線など環境因子の刺激を直接受けるため、スーパーオキサイドが生成し易い器官であるから、スーパーオキサイド濃度の上昇により、例えば、コラーゲン等の生体組織を分解、変性あるいは架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりして、皮膚のしわを形成したり、皮膚の弾力性低下等の老化、炎症、肌の色素沈着を引き起こすという問題がある(非特許文献1参照)。
【0004】
また、皮膚においてメラニンは、紫外線から生体を保護する役目も果たしているが、過剰生成や不均一な蓄積は、皮膚の黒化、シミ、ソバカス等の色素沈着の原因となる。一般にメラニンは、色素細胞(メラノサイト)の中で生合成される酵素チロシナーゼの働きによって、チロシンからドーパ、ドーパからドーパキノンに変化し、ついで5,6−ジヒドロキシインドフェノール等の中間体を経て形成されるものとされている。
【0005】
このようなメラニン生成過程においては、皮膚に紫外線が照射されることによって皮膚の表皮細胞において発生する活性酸素が関与していることが示唆されている。すなわち、活性酸素によってメラノサイトが活性化されるとともに、チロシナーゼが活性化され、結果としてメラニンが生成される。したがって、メラニンの生成を抑制し、皮膚の黒化、シミ、ソバカス等の色素沈着を予防・改善するためには、表皮細胞における活性酸素を消去することが有効であると考えられている。
【0006】
そこで、活性酸素消去物質、ラジカル消去物質、過酸化水素消去物質等を安全性の点で有利な天然物から得る試みがなされており、アブラナ科ブラシカ属植物の抽出物(特許文献1参照)、ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物(特許文献2参照)、タマコチョウの抽出物(特許文献3参照)、スイオウの抽出物(特許文献4参照)等が知られている。
【0007】
体内の脂肪は消費エネルギーに対し摂取エネルギーが過剰である場合、その過剰分が白色脂肪細胞の中性脂肪として蓄積して生じる物である。体脂肪の蓄積によって生じる肥満は美容上好ましくないばかりでなく、動脈硬化、糖尿病等の様々な疾病を引き起こす。昨今は飽食の時代であり、過食、運動不足、ストレスなどによる肥満が増加し、美容の観点からも男女を問わず大きな問題となっている。したがって、皮下脂肪等の蓄積は、健康上も好ましくなく、皮下脂肪等の減少・分解、あるいは蓄積の防止が重要な問題となっている。生体内の脂肪を分解するためには、サイクリックAMPの役割が重要となる。
【0008】
サイクリックAMPは、生体内に存在するトリグリセリドリパーゼを活性化し、活性化されたリパーゼによって脂肪が脂肪酸とグリセロールとに分解される。しかし、サイクリックAMPホスホジエステラーゼが活性化されるとサイクリックAMPの分解が誘発され、リパーゼの活性化が阻害される。
【0009】
そのため、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの活性を阻害することにより細胞内におけるサイクリックAMPが増量し、脂肪の分解を促進することができるものと考えられる。すなわち、サイクリックAMP分解酵素であるサイクリックAMPホスホジエステラーゼの活性を阻害してサイクリックAMPの濃度低下を防止すれば、生体内に蓄積された脂肪をエネルギーとしてさらに利用できるはずである。
【0010】
このような考えに基づき、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有するものとしては、例えば、独脚金、小良姜及びサイコの抽出物(特許文献5参照)、ピーナツ渋皮抽出物(特許文献6参照)、ショウガ科マンゴージンジャーの抽出物(特許文献7参照)等が知られている。また、脂肪分解促進作用を有するものとしては、例えば、カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物(特許文献8参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−081848号公報
【特許文献2】特開2005−029483号公報
【特許文献3】特開2006−321730号公報
【特許文献4】特開2007−008902号公報
【特許文献5】特開2003−261457号公報
【特許文献6】特開2004−26719号公報
【特許文献7】特開2005−104886号公報
【特許文献8】特開2006−45120号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「フレグランスジャーナル臨時増刊」,1995年,No.14,p.156
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、安全性の高い天然抽出物を有効成分とする抗酸化剤及び抗肥満剤、並びに当該天然抽出物を配合した皮膚化粧料及び飲食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、零香草からの抽出物が、優れた抗酸化作用(活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用等)、抗肥満作用(サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用、脂肪分解促進作用等)を有し、抗酸化剤及び抗肥満剤として有効であることを知見した。
【0015】
上記知見に基づいて、本発明の抗酸化剤又は抗肥満剤は、零香草からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。また、本発明の皮膚化粧料又は飲食品は、零香草からの抽出物を配合したことを特徴とする。
【0016】
本発明の抗酸化剤においては、零香草からの抽出物が、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用及び過酸化水素消去作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することが好ましく、本発明の抗肥満剤においては、零香草からの抽出物が、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用及び/又は脂肪分解促進作用を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、安全性が高く、原料の入手が容易な天然由来の抗酸化剤、抗肥満剤、皮膚化粧料及び飲食物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について説明する。
〔抗酸化剤、抗肥満剤〕
本発明の抗酸化剤又は抗肥満剤は、零香草からの抽出物を有効成分として含有する。
【0019】
ここで、本発明において「抽出物」には、零香草(学名:Lysimachia foenum-graecum Hance)を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0020】
本発明において使用する抽出原料は、零香草(Lysimachia foenum-graecum Hance)である。
【0021】
零香草(学名:Lysimachia foenum-graecum Hance,別名:零稜香)は、四川、雲南、湖北、広東、広西等、中国各省に野生するサクラソウ科に属する多年生草本であり、これらの地域から容易に入手することができる。零香草は全草に風邪・邪寒を去り、気をめぐらし、鎮痛・回虫駆除作用があることが知られているが、零香草からの抽出物が、優れた活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を有し、抗酸化剤及び抗肥満剤として有用であることはまったく知られておらず、このことは、本発明者らによる新知見である。
【0022】
抽出原料として使用し得る零香草の構成部位としては、例えば、葉部、茎部、種子部、果実部、花部、地上部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは地上部である。
【0023】
零香草からの抽出物が有する活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、零香草からこれらの作用を有する抽出物を得ることができる。
【0024】
例えば、上記植物を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、零香草の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0025】
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
【0026】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0027】
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
【0028】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90容量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40容量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10〜90容量部を混合することが好ましい。
【0029】
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0030】
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでも抗酸化剤又は抗肥満剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
【0031】
零香草からの抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚化粧料や飲食品等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
【0032】
以上のようにして得られる零香草からの抽出物は、抗酸化作用又は抗肥満作用を有するため、これらの作用を利用して抗酸化剤又は抗肥満剤の有効成分として使用することができる。
【0033】
ここで、零香草からの抽出物が有する抗酸化作用は、例えば、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用及び過酸化水素消去作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用に基づいて発揮される。ただし、零香草からの抽出物が有する抗酸化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗酸化作用に限定されるものではない。なお、零香草からの抽出物は、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用又は過酸化水素消去作用を有するため、それらの作用を利用して、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤又は過酸化水素消去剤の有効成分として利用することもできる。また、零香草の抽出物は、その活性酸素消去作用(抗酸化作用)を利用して、皮膚において過剰に生成された活性酸素による皮膚のしわの形成や皮膚の弾力性の低下を抑制するための抗老化剤、又は皮膚において過剰に生成された活性酸素に起因してメラノサイトにおいてメラニンが生成されるのを抑制するための美白剤若しくはメラニン産生抑制剤の有効成分として利用することもできる。
【0034】
また、零香草からの抽出物が有する抗肥満作用は、例えば、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用及び/又は脂肪分解促進作用に基づいて発揮される。ただし、零香草からの抽出物が有する抗肥満作用は、上記作用に基づいて発揮される抗肥満作用に限定されるものではない。なお、零香草からの抽出物は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を有するため、それらの作用を利用して、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤又は脂肪分解促進剤の有効成分として利用することもできる。
【0035】
零香草からの抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯臭剤等を用いることができる。零香草からの抽出物は、他の組成物(例えば、後述する皮膚化粧料、飲食品等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
【0036】
なお、本発明の抗酸化剤又は抗肥満剤は、必要に応じて、抗酸化作用(活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用等)、又は抗肥満作用(サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用、脂肪分解促進作用等)を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。
【0037】
本発明の抗酸化剤又は抗肥満剤の投与方法としては、一般に経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本発明の抗酸化剤又は抗肥満剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
【0038】
本発明の抗酸化剤は、零香草からの抽出物が有する活性酸素消去作用、ラジカル消去作用及び過酸化水素消去作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を通じて、しわ形成や弾力低下等の皮膚の老化、しみ、関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、心筋梗塞、脳卒中、白内障、糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性等の活性酸素が関与する各種障害を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の抗酸化剤は、これらの用途以外にも活性酸素消去作用、ラジカル消去作用及び過酸化水素消去作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0039】
本発明の抗肥満剤は、零香草からの抽出物が有するサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用及び/又は脂肪分解促進作用を通じて、肥満症、それに伴う動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群等の様々な疾病を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の抗肥満剤は、これらの用途以外にもサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用及び/又は脂肪分解促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0040】
〔皮膚化粧料〕
零香草からの抽出物は、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を有しており、皮膚に適用した場合の使用感と安全性とに優れているため、皮膚化粧料に配合するのに好適である。
【0041】
この場合、皮膚化粧料には、零香草からの抽出物を配合してもよいし、零香草からの抽出物から製剤化された抗酸化剤又は抗肥満剤を配合してもよい。
【0042】
零香草からの抽出物、又はそれから製剤化された抗酸化剤若しくは抗肥満剤を皮膚化粧料に配合することによって、皮膚化粧料に活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を付与することができる。
【0043】
零香草からの抽出物を配合し得る皮膚化粧料の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、ファンデーション、リップクリーム、口紅、入浴剤等が挙げられる。
【0044】
零香草からの抽出物を皮膚化粧料に配合する場合、その配合量は、皮膚化粧料の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、標準的な抽出物に換算して約0.0001〜10質量%であり、特に好適な配合率は、標準的な抽出物に換算して約0.001〜1質量%である。
【0045】
本発明の皮膚化粧料は、零香草からの抽出物が有する活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を妨げない限り、通常の皮膚化粧料の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された上記成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
【0046】
〔飲食品〕
零香草からの抽出物は、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、過酸化水素消去作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用又は脂肪分解促進作用を有しており、消化管で消化されるようなものではないことが確認されており、安全性にも優れているため、飲食品に配合するのに好適である。
【0047】
この場合に、飲食品には、零香草からの抽出物をそのまま配合してもよいし、零香草からの抽出物から製剤化された抗酸化剤又は抗肥満剤を配合してもよい。
【0048】
上記零香草からの抽出物、又はそれから製剤化された抗酸化剤若しくは抗肥満剤を飲食品に配合する場合、それらにおける有効成分の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができるが、添加対象飲食品の一般的な摂取量を考慮して、成人1日あたりの抽出物摂取量が約1〜1000mgになるようにするのが好ましく、具体的には、添加対象飲食品に対する零香草からの抽出物の添加割合が、0.001〜50質量%であるのが好ましく、0.01〜20質量%であるのがより好ましい。また、添加対象飲食品が顆粒、錠剤又はカプセル形態の飲食品である場合には、0.01〜100質量%であるのが好ましく、5〜100質量%であるのがより好ましい。
【0049】
本発明の飲食品は、零香草からの抽出物をその活性を妨げないような任意の飲食品に配合したものであってもよいし、零香草からの抽出物を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
【0050】
本発明の飲食品を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などの任意の助剤を添加して任意の形状の飲食品にすることができる。
【0051】
零香草からの抽出物を配合し得る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などが挙げられ、これらの飲食品に上記零香草からの抽出物を配合するときに、通常用いられる補助的な原料や添加物を併用することができる。
【0052】
なお、本発明の抗酸化剤、抗肥満剤、皮膚化粧料又は飲食品は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例】
【0053】
以下、製造例、試験例及び配合例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
【0054】
〔製造例1〕零香草地上部抽出物の製造
零香草の地上部の粗粉砕物それぞれ103gを抽出溶媒1000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保ち、熱時濾過した。得られた抽出液を40℃で減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥させ、零香草地上部抽出物を得た。抽出溶媒として水、50容量%エタノール(水とエタノールとの容量比=1:1)又は80容量%エタノール(水とエタノールとの容量比=1:4)を用いたときの各抽出物の収率を表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
〔試験例1〕スーパーオキサイド消去作用試験
実施例1で得られた零香草地上部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにしてスーパーオキサイド消去作用を試験した。
【0057】
試験管に、0.05MのNaCO緩衝液(pH10.2)を2.4mL、並びに3mMのキサンチン、3mMのEDTA、ウシ血清アルブミン溶液及び0.75mMのNBT(nitroblue tetrazolium)を0.1mLずつ加え、これに試料溶液(試料1〜3)0.1mLを添加し、25℃で10分間放置した。次いで、酵素溶液としてのキサンチンオキシダーゼ溶液を加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mMの塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させて、波長560nmにおける吸光度を測定した。
【0058】
酵素溶液を添加しない場合についても、同様の操作と吸光度の測定を行い、さらに、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた結果から、下記式によりスーパーオキサイド消去率(%)を算出した。
【0059】
スーパーオキサイド消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
式中、Aは「酵素溶液添加・試料溶液添加時の吸光度」を表し、Bは「酵素溶液無添加・試料溶液添加時の吸光度」を表し、Cは「酵素溶液添加・試料溶液無添加時の吸光度」を表し、Dは「酵素溶液無添加・試料溶液無添加時の吸光度」を表す。
【0060】
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記スーパーオキサイド消去率の測定を行い、スーパーオキサイド消去率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
結果を表2に示す。
【0061】
【表2】

【0062】
表2に示すように、零香草地上部抽出物は、優れたスーパーオキサイド消去作用を有することが確認された。また、スーパーオキサイド消去作用の程度は、零香草地上部抽出物の濃度によって調節できることが確認された。
【0063】
〔試験例2〕ラジカル消去作用試験
実施例1で得られた零香草地上部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにしてラジカル消去作用を試験した。
【0064】
1.5×10−4MのDPPH(diphenyl-p-picrylhydrazyl)エタノール溶液3mLに、試料溶液(試料1〜3)3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した後、波長520nmの吸光度を測定した。
【0065】
コントロールとして、試料溶液の代わりに試料を溶解した溶媒のみを用いて同様の操作をして、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えた後、直ちに波長520nmの吸光度を測定した。得られた結果から、下記式によりラジカル消去率(%)を算出した。
【0066】
ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
式中、Aは「コントロールの吸光度」を表し、Bは「試料溶液添加時の吸光度」を表し、Cは「ブランクの吸光度」を表す。
【0067】
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記ラジカル消去率の測定を行い、ラジカルの消去率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
結果を表3に示す。
【0068】
【表3】

【0069】
表3に示すように、零香草地上部抽出物は優れたラジカル消去作用を有することが確認された。また、ラジカル消去作用の程度は、零香草地上部抽出物の濃度によって調節できることが確認された。
【0070】
〔試験例3〕過酸化水素消去作用試験
実施例1で得られた零香草地上部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにして過酸化水素消去作用を試験した。
【0071】
過酸化水素の標準溶液(濃度:1.5mM)10μLに試料溶液(試料1〜3)10μLを加え、37℃で20分間インキュベーションした後、発色試薬(10mMのDA−64(和光純薬社製)、トライトンX-100を0.5%含む0.1MのPIPES緩衝液(pH7.0)に100unit/mLのペルオキシダーゼ溶液(和光純薬社製)1mLを加え、全量を100mLに調整したもの)2.98mLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした後、波長727nmにおける吸光度を測定した。
【0072】
過酸化水素の標準溶液を添加していない場合についても、同様の操作と吸光度測定を行い、さらに、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた結果から、下記式により過酸化水素消去率(%)を算出した。
【0073】
過酸化水素消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
式中、Aは「過酸化水素標準溶液添加・試料溶液添加時の吸光度」を表し、Bは「過酸化水素標準溶液無添加・試料溶液添加時の吸光度」を表し、Cは「過酸化水素標準溶液添加・試料溶液無添加時の吸光度」を表し、Dは「過酸化水素標準溶液無添加・試料溶液無添加時の吸光度」を表す。
【0074】
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記過酸化水素消去率の測定を行い、過酸化水素消去率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
結果を表4に示す。
【0075】
【表4】

【0076】
表4に示すように、零香草地上部抽出物は優れた過酸化水素消去作用を有することが確認された。また、過酸化水素消去作用の程度は、零香草地上部抽出物の濃度によって調節できることが確認された。
【0077】
〔試験例4〕サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用試験
実施例1で得られた零香草地上部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにしてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を試験した。
【0078】
5mMの塩化マグネシウムを含有するトリス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLに胎児血清アルブミン溶液0.1mL及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.1mLを加え、さらに50%DMSOを用いて所定濃度で溶解した試料溶液(試料1〜3)0.05mLを加え、37℃で5分間プレインキュベーションした。
【0079】
次いで、サイクリックAMP溶液0.05mLを加え、37℃で60分間インキュベーションした。3分間沸騰水浴上で煮沸することにより反応を停止させ、これを遠心(2260×g,10分間,4℃)し、上清中の反応基質・5’−AMPを下記の条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。また、試料溶液を添加せずに同様の方法で空試験を行った。
【0080】
<高速液体クロマトグラフィー条件>
製品名:Chromatocorder 12(SYSTEM INSTRUMENTS社製)
固定相:Wakosil 5C18(和光純薬工業社製)
カラム径:4.6mm
カラム長:250mm
移動相:1mM TBAP in 25mM KH2PO4:CH3CN=90:10
移動相流速:1.0mL/min
検出:UV,260nm
【0081】
次に、サイクリックAMP標準品のピーク面積(A)、試料無添加時におけるサイクリックAMP標準品とサイクリックAMPホスホジエステラーゼとの反応溶液の上清のピーク面積(B1)及び試料添加時におけるサイクリックAMP標準品とサイクリックAMPホスホジエステラーゼとの反応溶液の上清のピーク面積(B2)を求めた。得られた結果から、下記式により試料無添加時のサイクリックAMP標準品の分解率(C)及び試料添加時のサイクリックAMP標準品の分解率(D)を算出した。
【0082】
試料無添加時の標準品分解率(C,%)=(1−B1/A)×100
試料添加時の標準品の分解率(D,%)=(1−B2/A)×100
【0083】
その後、上記式により算出した各分解率(C,D)に基づいて、下記式によりサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)を算出した。
サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)=(1−D/C)×100
【0084】
試料溶液の濃度を段階的に減少させて、上記サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率を算出し、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
結果を表5に示す。
【0085】
【表5】

【0086】
表5に示すように、零香草地上部抽出物は優れたサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有することが確認された。また、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用の程度は、零香草地上部抽出物の濃度によって調節できることが確認された。
【0087】
〔試験例5〕脂肪分解促進作用試験
実施例1で得られた零香草地上部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにして脂肪分解促進作用を試験した。
【0088】
ロッドベルの方法(Rodbell M., J. Biol. Chem., 239, 375(1964))により、ウィスター系雄性ラット(体重150〜200g)の副睾丸脂肪組織からコラゲナーゼ溶液を用いて遊離脂肪細胞を調製した。得られた遊離脂肪細胞の懸濁液90μLに、最終試料濃度が400μg/mLとなるように50%DMSOで調製した試料溶液(試料1〜3)10μLを加え、37℃にて90分間反応した。反応後、反応液中に遊離した脂肪酸量をNEFA−C−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いて測定した。同様にして、試料を添加しない場合についても測定した。得られた結果から、下記式により脂肪分解促進率(%)を算出した。
【0089】
脂肪分解促進率(%)=A/B×100
式中、Aは「試料添加時の遊離脂肪酸量」を表し、Bは「試料無添加時の遊離脂肪酸量」を表す。
結果を表6に示す。
【0090】
【表6】

【0091】
表6に示すように、零香草地上部抽出物は、優れた脂肪分解促進作用を有することが確認された。
【0092】
〔配合例1〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
零香草地上部抽出物(製造例1,試料1〜3のいずれか1種) 0.10g
ホホバオイル 4.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルリチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0093】
〔配合例2〕
下記組成に従い、化粧水を常法により製造した。
零香草地上部抽出物(製造例1,試料1〜3のいずれか1種) 0.10g
グリセリン 3.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アスコルビン酸グルコシド 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルリチン酸二カリウム 0.10g
クエン酸 0.10g
クエン酸ソーダ 0.10g
油溶性甘草エキス 0.10g
海藻エキス 0.10g
クジンエキス 0.10g
キシロビオースミクスチャー 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0094】
〔配合例3〕
下記組成に従い、クリームを常法により製造した。
零香草地上部抽出物(製造例1,試料1〜3のいずれか1種) 0.10g
スクワラン 10.00g
1,3−ブチレングリコール 6.00g
流動パラフィン 5.00g
サラシミツロウ 4.00g
セタノール 3.00g
モノステアリン酸グリセリル 3.00g
ラノリン 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.50g
パラオキシ安息香酸メチル 1.50g
ステアリン酸 1.00g
アルコルビン酸リン酸マグネシウム 0.10g
グリチルレチン酸 0.10g
酵母抽出液 0.10g
シソ抽出液 0.10g
シナノキ抽出液 0.10g
ジユ抽出液 0.10g
香料 0.10g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0095】
〔配合例4〕
下記組成に従い、パックを常法により製造した。
零香草地上部抽出物(製造例1,試料1〜3のいずれか1種) 0.20g
ポリビニルアルコール 15.00g
エタノール 10.00g
プロピレングリコール 7.00g
ポリエチレングリコール 3.00g
セージ抽出液 0.10g
トウキ抽出液 0.10g
ニンジン抽出液 0.10g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0096】
〔配合例5〕
下記組成の錠剤状栄養補助食品を常法により製造した。
零香草地上部抽出物(製造例1,試料1〜3のいずれか1種) 30g
粉糖(ショ糖) 178g
ソルビット 10g
グリセリン脂肪酸エステル 12g
【0097】
〔配合例6〕
下記組成の顆粒状栄養補助食品を常法により製造した。
零香草地上部抽出物(製造例1,試料1〜3のいずれか1種) 20g
ビートオリゴ糖 1000g
ビタミンC 167g
ステビア抽出物 10g
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の抗酸化剤は、活性酸素が関与する各種障害の予防、治療又は改善に、本発明の抗肥満剤は、肥満や、それに伴う動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群等の様々な疾病等の予防、治療又は改善に大きく貢献できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
零香草からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。
【請求項2】
前記抽出物が、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用及び過酸化水素消去作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することを特徴とする請求項1に記載の抗酸化剤。
【請求項3】
零香草からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗肥満剤。
【請求項4】
前記抽出物が、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用及び/又は脂肪分解促進作用を有することを特徴とする請求項3に記載の抗肥満剤。
【請求項5】
零香草からの抽出物を配合したことを特徴とする皮膚化粧料。
【請求項6】
零香草からの抽出物を配合したことを特徴とする飲食品。

【公開番号】特開2010−184874(P2010−184874A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28557(P2009−28557)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(591082421)丸善製薬株式会社 (239)
【Fターム(参考)】