説明

抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、保湿剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物

【課題】 皮膚外用剤や機能性経口組成物などの分野に幅広く応用が可能な抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、保湿剤を提供する。
【解決手段】 ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を含有する抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、保湿剤、皮膚外用剤、及び機能性経口組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を含有する抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、保湿剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚にうるおいを与える保湿成分を提供するために、様々な有効成分の配合検討がなされてきた。また、加齢、疾患、ストレス、紫外線などによるシワ、シミ、皮膚の弾力低下といった皮膚症状の要因として、乾燥、細胞機能低下、紫外線によるメラニン産生や色素沈着、真皮マトリックス成分の減少や変性、紫外線等による細胞の酸化障害などが挙げられる。このような皮膚症状を防止・改善するために、様々な有効成分の検索及び配合検討がなされてきた。特に天然由来成分は、様々な薬理作用や美容効果を有することが知られ、これまでにも数多くの植物や菌類などの抽出物の皮膚外用剤、経口組成物への応用が検討されてきた。
【0003】
例えば、抗酸化剤としては、ラジカル消去作用を有する成分としてカナメモチ抽出物(特許文献1参照)等、美白剤としては、メラニン産生抑制作用を有する成分として発芽ブロッコリー由来成分(特許文献2参照)等がそれぞれ知られている。また、皮膚の老化防止、改善を目的として真皮線維芽細胞の賦活あるいは増殖促進作用を有する成分としては、ウリ科植物果実搾汁液より分離して得られる液体(特許文献3参照)等が開示されている。細菌による植物抽出物の醗酵により得られる化粧料組成物としては、マメ科植物の乳酸菌醗酵液(特許文献4参照)やユリ科ワスレグサ属植物の酵母醗酵液(特許文献5参照)等が知られているが、ブレビバクテリウム属の菌による醗酵物から得られる成分の有効性についてはこれまで知られていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2009−23936号公報
【特許文献2】特開2003−155221号公報
【特許文献3】特開2004−51492号公報
【特許文献4】特開2002−265343号公報
【特許文献5】特開2008−50326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、これまでに様々な天然由来成分が応用されている。しかし、天然由来成分の中には、未だその効果が知られていないものも数多く存在し、優れた抗酸化作用、美白作用、抗老化作用、育毛作用、保湿作用を有する有効成分の開発が期待されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、天然由来の種々の成分について検討を行った結果、従来はその効果が知られていなかった、ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分に、優れた抗酸化作用、美白作用、抗老化作用、育毛作用、保湿作用が存在することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、1種または2種以上のブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を含有する抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、保湿剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1種または2種以上のブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を配合することにより、優れた効果を有する抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、保湿剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】リネンス菌醗酵処理を行った植物サンプルの、処理前後における各アミノ酸量の変化を表した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明で用いるブレビバクテリウム属(Brevibacterium)はブレビバクテリウム科(Brevibacteriaceae)に属する好気性のグラム陽性桿菌で、リネンス菌(Brevibacterium linens)がよく知られている。リネンス菌は皮膚常在菌の一種であり、またチーズなどの醗酵食品の加工において用いられ、食品分野では広く使用されている。
【0011】
本発明に用いる細菌はブレビバクテリウム属の菌であれば特に限定されないが、本発明の効果の点から、適当なものとして、リネンス菌が挙げられる。
【0012】
本発明で用いるマメ科(Fabaceae)の植物としては、ラッカセイ属、ヒヨコマメ属、ツルサイカチ属、シタン属、ハギ属、ゲンゲ属、エニシダ属、フジ属、ナタマメ属、ダイズ属、インゲン属、ササゲ属、クララ属、エンジュ属、エンドウ属、ソラマメ属、アカシア属、ネムノキ属、サイカチ属、センナ属、ハナズオウ属、タマリンド属などが挙げられる。この中でも特に、本発明の効果の点から適当なものとして、エンドウ属エンドウが挙げられる。
【0013】
本発明に用いるエンドウ(Pisum sativum L.)は、マメ科エンドウ属のつる性の越年草であり、地中海地方を原産とし、現在は広く栽培され食用となっている。食用とする場合には、未熟の莢を利用するサヤエンドウの品種群、未熟の種子を食用とするグリーンピースの品種群、完熟豆を用いる品種群にわかれる。
【0014】
本発明でマメ科植物を使用する際は、その使用部位には特に制限はなく、種子、莢、葉、根、茎、花などの任意の部位を使用することができ、複数の部位を組み合わせて使用してもよいが、特に種子を用いることが好ましい。食品または生薬として入手可能なものはそれを利用してもよい。
【0015】
ブレビバクテリウム属の菌接種による醗酵は特に制限されるものはないが、各ブレビバクテリウム属菌類の至適条件、至適温度、至適pH、至適時間にて行う。このとき、糖をはじめとする各種の栄養素やpH調製のための酸、アルカリ等を適宜加えても良い。醗酵は、混合醗酵でも、連続醗酵でも良い。醗酵後は濾過し、必要であれば、滅菌処理、pH調整、イオン交換樹脂、活性炭カラム、透析膜などを利用し、脱臭、脱色等の精製処理を行う。また、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の有機溶媒、又はこれらの任意の混液を添加することもできる。このようにして得た抽出液はそのままでも利用可能であるが、濃縮、乾燥してペースト状、粉末状としてから利用してもよい。
【0016】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分は、優れた抗酸化作用、美白作用、抗老化作用、育毛作用、保湿作用を有し、抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、保湿剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物として利用することができる。
【0017】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする抗酸化剤は、醗酵させる前の植物エキスよりもはるかに優れたDPPHラジカル消去作用を有し、より優れた抗酸化効果を発揮する。
【0018】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする美白剤は、醗酵させる前の植物エキスよりもはるかに優れたB16マウスメラノーマ細胞メラニン産生抑制作用を有し、より優れた美白効果を発揮する。
【0019】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする抗老化剤は、醗酵させる前の植物エキスよりもはるかに優れたヒト真皮線維芽細胞の細胞賦活作用を有し、老化症状の防止・改善により優れた効果を発揮する。
【0020】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする育毛剤は、醗酵させる前の植物エキスよりもはるかに優れた毛乳頭細胞賦活作用を有し、より優れた育毛効果を発揮する。
【0021】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする保湿剤は、醗酵させる前の植物エキスよりもはるかに優れた角質水分量増加作用を有し、より優れた保湿効果を発揮する。
【0022】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を含有する皮膚外用剤は、醗酵させる前の植物エキスよりもはるかに優れた抗酸化作用、美白作用、抗老化作用、育毛作用、保湿作用などを発揮する。
【0023】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を含有する機能性経口組成物は、醗酵させる前の植物エキスよりもはるかに優れた抗酸化作用、美白作用、抗老化作用、育毛作用、保湿作用などを発揮する。
【0024】
これらの各剤は、ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分として含む限り、その形態及びその他成分の配合の有無等については、なんら制限されない。形態については、液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等の任意の形態を、その用途等に応じて選択でき、その形態とするために必要なビヒクル(賦形剤)、溶剤、その他の一般的な添加剤(酸化防止剤、着色剤、分散剤等)を任意に含むことができる。
【0025】
ここで、皮膚外用剤とは、化粧料、医薬部外品、外用医薬品等の、皮膚または毛髪に外用される全ての外用組成物を意味している。機能性経口組成物についても、医薬品、食品、飲料等の種類を問わず、経口により摂取される全ての組成物を意味する。
【0026】
皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系やカラミンローション等の分散系、クリームや乳液などの乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤、パップ剤などの種々の剤型で提供することもできる。
【0027】
具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などが例示できる。
【0028】
機能性経口組成物の形態も任意であり、特に限定されることはない。具体的には、飲料を含む一般食品;錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の健康食品(サプリメント)または機能性食品;錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エキス等の経口医薬品などが例示できる。
【0029】
皮膚外用剤または機能性経口組成物には、ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分の他に、その用途と必要に応じて、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料及び洗浄料等に通常配合される任意の成分、例えば水、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、ゲル化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、増粘剤、pH調整剤、キレート剤、薬剤(薬効成分)、香料、樹脂、防菌防かび剤、抗酸化剤、アルコール類等を適宜配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、育毛剤、及び保湿剤あるいはマメ科植物以外の植物またはその抽出物や、その醗酵物から得られる成分との併用も可能である。
【0030】
飲食品等の経口組成物の場合も、経口用として通常用いられる各種成分との組み合わせにおいて、特に限定されるものはない。
【0031】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分の皮膚外用剤または機能性経口組成物への配合量は、種類や目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して、固形分換算で、0.0001〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.01〜5質量%であり、一層好ましくは0.1〜5質量%である。
【実施例】
【0032】
以下にブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる醗酵物の、抽出エキスの調製例、抗酸化効果、美白効果、抗老化効果、育毛効果、保湿効果を評価するための試験方法、皮膚外用剤、機能性食品としての処方例についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0033】
[醗酵工程]
滅菌水で2mg/mLとなるよう調整したリネンス菌液2mLを、滅菌処理した植物サンプル100gに添加し、充分に攪拌したものを40℃で48時間静置させ醗酵させたものを醗酵サンプルとした。今実験では、リネンス菌としてNew England Cheesemaking Supply社製 Bacteria Linens(Red)を、植物サンプルにはエンドウマメの缶詰(A&P社製 オリジナルブランドAmerica’s Choice)を使用した。
【0034】
[抽出物1<非醗酵サンプル>]
醗酵工程を経ていない植物サンプルを用いて、サンプル質量の40倍量の50容量%エタノールを加えて室温にて攪拌しながら2時間抽出した後、濾過により不溶物を取り除いた。減圧蒸留(エバポレーション)後、凍結乾燥処理を行い、エキス末を得た。
【0035】
[抽出物2<醗酵サンプル>]
醗酵サンプルを用いて、サンプル質量の40倍量の50容量%エタノールを加えて室温にて攪拌しながら2時間抽出した後、濾過により不溶物を取り除いた。減圧蒸留(エバポレーション)後、凍結乾燥処理を行い、エキス末を得た。
【0036】
[抽出物3<醗酵サンプル・フィルター処理>]
醗酵サンプルを用いて、サンプル質量の40倍量の50容量%エタノールを加えて室温にて攪拌しながら2時間抽出した後、菌体の除去を目的として、0.22μmフィルター(Millipore社製 MILLEX GP)にて濾過した。減圧蒸留(エバポレーション)後、凍結乾燥処理を行い、エキス末を得た。
【0037】
上記の各抽出物を用いて、リネンス菌醗酵・非醗酵植物エキスの抗酸化効果・美白効果・抗老化効果・育毛効果・保湿効果の比較評価を行った。
【0038】
<抗酸化効果(DPPHラジカル消去作用)>
リネンス菌醗酵・非醗酵植物エキスのDPPHラジカル消去作用の比較評価を、以下に示す方法により行った。
【0039】
各抽出物を、50質量%エタノールにて表1に示す各濃度に調製したサンプル溶液100μLに、0.2mMの1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)エタノール溶液100μLを添加し、よく混合した後、室温、暗所にて24時間静置し、DPPHラジカルに由来する516nmの吸光度を測定した。各抽出物無添加時の吸光度を(A)、試料添加時の吸光度を(B)とした時、DPPHラジカル消去率は次式に定義される。
消去率={1−(B)/(A)}×100
評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
表1より明らかなように、リネンス菌醗酵植物エキスである抽出物2及び3は、リネンス菌醗酵工程を経ていない植物エキスである抽出物1よりも、はるかに高いDPPHラジカル消去作用を示すことから、より優れた抗酸化効果を発揮する。
【0042】
<美白効果(メラニン産生抑制作用)>
リネンス菌醗酵・非醗酵植物エキスのB16マウスメラノーマ細胞メラニン産生抑制作用の比較評価を、以下に示す方法により行った。
【0043】
B16マウスメラノーマ細胞(B16F0細胞)を1ディッシュ当り18000個となるように90mmディッシュに播種した。播種培地には5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間培養後、表2に示す各濃度となるように各抽出物を添加した5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに5日間培養した。培養終了後、トリプシン処理にて細胞をはがし、1.5mLマイクロチューブに移して遠心操作して細胞沈殿物を得た。得られた沈殿物に組織溶解剤(商品名Solvable)を添加して煮沸し、室温に戻して分光光度計(HITACHI製分光光度計U−3010)により500nmの吸光度を測定し、総メラニン量を求めた。評価結果を表2に示す。なお各評価結果に記載した**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満(P<0.01)を**で表したものである。
また同時に、抽出物の濃度が1000μg/mLにおける沈殿物については表4の判定表を基にその黒化状況を5段階評価で肉眼判定した。評価ではネガティブコントロールに5質量%FBS添加DMEM培地、ポジティブコントロールに50mM乳酸ナトリウムを含有する5質量%FBS添加DMEM培地を用いた。これらの目視判定結果は判定5、及び判定1とし、サンプル判定の指標とした。目視判定を表3に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
表2、表3より明らかなように、リネンス菌醗酵植物エキスである抽出物2及び3は、リネンス菌醗酵工程を経ていない植物エキスである抽出物1よりも、はるかに有意なB16マウスメラノーマ細胞メラニン産生抑制作用を示すことから、より優れた美白効果を発揮する
【0048】
<抗老化効果(ヒト真皮線維芽細胞賦活作用)>
リネンス菌醗酵・非醗酵植物エキスのヒト真皮線維芽細胞賦活作用の比較評価を、以下に示す方法により行った。
【0049】
正常ヒト真皮線維芽細胞を1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には1質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間培養後、表5に示す各濃度となるように各抽出物を添加した1質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。次に400μg/mLとなるよう培地にて調整したMTT試薬を、上清を除いた細胞に添加し、約2時間培養した。最後に2−プロパノールにて生じたフォルマザンを抽出し、550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmの吸光度を測定し、両測定値の差を用いて細胞賦活作用を評価した。評価では、サンプル培養液の他に、ネガティブコントロールとして1質量%FBS添加DMEM培地を用いた。評価結果を、コントロールにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表5に示す。
【0050】
【表5】

【0051】
表5より明らかなように、リネンス菌醗酵工程を経ていない植物エキスである抽出物1は、ヒト真皮線維芽細胞に対しほとんど賦活作用を示さなかったのに対し、リネンス菌醗酵植物エキスである抽出物2及び3は高いヒト真皮線維芽細胞賦活作用を示すことから、優れた抗老化効果を発揮する。
【0052】
<育毛効果(ヒト毛乳頭細胞賦活作用)>
リネンス菌醗酵・非醗酵植物エキスのヒト毛乳頭細胞賦活作用の比較評価を、以下に示す方法により行った。
【0053】
正常ヒト毛乳頭細胞を1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には1質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間培養後、表6に示す各濃度となるように各抽出物を添加した1質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。次に400μg/mLとなるよう培地にて調整したMTT試薬を、上清を除いた細胞に添加し、約2時間培養した。最後に2−プロパノールにて生じたフォルマザンを抽出し、550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmの吸光度を測定し、両測定値の差を用いて細胞賦活作用を評価した。評価では、サンプル培養液の他に、ネガティブコントロールとして1質量%FBS添加DMEM培地を用いた。評価結果を、コントロールにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表6に示す。
【0054】
【表6】

【0055】
表6より明らかなように、リネンス菌醗酵工程を経ていない植物エキスである抽出物1は、ヒト毛乳頭細胞に対し細胞毒性を示しているのに対し、リネンス菌醗酵植物エキスである抽出物2及び3は、高いヒト毛乳頭細胞賦活作用を示すことから、優れた育毛効果を発揮する。
【0056】
<保湿効果(角質水分量増加作用)>
リネンス菌醗酵・非醗酵植物エキスの角質水分量増加作用の比較評価を、以下に示す方法により行った。
【0057】
蒸留水によりリネンス菌醗酵・非醗酵植物エキス末を、それぞれ1mg/mLに調製した。各サンプル水溶液を、前腕部内側の3×4cmの範囲に24μL塗布し、塗布前、塗布後90分、120分の角質水分量を測定した。角質水分量は、SKICON−200(アイ・ビイ・エス株式会社製)を用い、各塗布部位から5ポイント測定した。5ポイントの測定値の平均値を角質水分量とし、塗布前の角質水分量を1とした相対値で表1に示した。なおプラセボとして蒸留水を同量塗布し、同様に角質水分量を測定した。
【0058】
【表7】

【0059】
表7より明らかなように、リネンス菌醗酵工程を経ていない植物エキスである抽出物1では、塗布後も角質水分量に目立った変化は認められず、保湿効果は認められなかった。これに対し、リネンス菌醗酵植物エキスである抽出物2では、塗布することにより塗布後90分及び120分後に高い角質水分量の増加作用が認められ、優れた保湿効果を発揮する。
【0060】
<成分分析(粗タンパク質及び糖類>
リネンス菌醗酵処理を行った植物サンプルの、処理前後における成分の違いを明らかにするため、以下に示す方法より、粗タンパク質及び各糖類の量を分析した。
【0061】
抽出物1及び抽出物2を用いて、2mg/mLとなるように蒸留水を加え、超音波分散機を用いて内容物を均一に分散した後、0.45μmメンブランフィルターでろ過し、試料溶液とした。各試料溶液について、以下の条件でHPLC分析を行い、粗タンパク質量および主な糖類の量を求めた。粗タンパク質量は、窒素係数を6.25として計算した。結果を表8に示す。
検出器:示差屈折計
カラム:MCI GEL CK−08E(Na型)
(直径8.0mm×長さ300mm、三菱ケミカル製)
カラム温度:70℃
移動相:水
流量:0.6mL/min
注入量:100μL
【0062】
【表8】

【0063】
表8より明らかなように、リネンス菌醗酵により粗タンパク質量、フルクトース量、グルコース量がそれぞれ増加した。また、サッカロース量は大きく減少していた。粗タンパク質量の増加は、リネンス菌体の増殖によるものの他、植物からの可溶性タンパクが増えたことも示唆される。フルクトース量及びグルコース量の増加は、リネンス菌の醗酵による副産物であると推測され、また、サッカロース量の減少はリネンス菌の消化によるものと考えられる。
【0064】
<成分分析(アミノ酸)>
リネンス菌醗酵処理を行った植物サンプルの、処理前後における成分の違いを明らかにするため、以下に示す方法より、各アミノ酸量を分析した。
【0065】
蒸留水により抽出物1及び抽出物2のエキス末を、それぞれ1質量%に調製したものを100μLと、NaCO/NaHCO緩衝液(pH8.9、0.1M)400μL及びダブルシルクロライド アセトン溶液(0.01M)500μLを混合し、70℃で20分過熱し、誘導体化させたものを0.2μmメンブランフィルターでろ過し、試料溶液とした。各試料溶液について、以下の条件でLC−MS分析を行い、各アミノ酸量を求めた。結果を図1に示す。
検出器:
UV:1.0mL/min
カラム:ODSカラム(直径4.6mm×長さ150mm)
注入量:20μL
移動相A:0.01Mクエン酸Buffer
(pH6.2、75mM過塩素酸Na含有)
移動相B:アセトニトリル/水=9/1
グラジエント条件については、表9に示す。
【0066】
【表9】

【0067】
図1より明らかなように、アミノ酸分析の結果、醗酵処理の前後ではチロシン、トリプトファン、バリン、セリン、プロリン、メチオニン、ロイシン、リジン、イソロイシン、ヒスチジン、グリシン、フェニルアラニンが増加し、スレオニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニンは減少しており、明らかにアミノ酸組成が変化し、全体としてのアミノ酸量は増加していた。アミノ酸組成が変化し、アミノ酸全量が増加することで、皮膚細胞等に何らかの生物活性を及ぼす可能性が考えられる。
【0068】
続いて、上記各調製方法で得られたリネンス菌醗酵植物エキスを配合した皮膚外用剤及び機能性経口組成物の処方例を示す。
【0069】
[実施例1]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)抽出物2 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0070】
[実施例2]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)抽出物3 1.0
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。さらに(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0071】
[実施例3]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)抽出物2 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(11)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0072】
[実施例4]美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)抽出物2 3.0
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(15)を、40℃にて(16)を加え、均一に混合する。
【0073】
[実施例5]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)抽出物2 0.5
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加え、均一に攪拌混合する。
【0074】
[実施例6]クレンジング料
(1)スクワラン 81.0(質量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)抽出物3 4.0
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)を加え、均一に混合する。
【0075】
[実施例7]洗顔フォーム
(1)ステアリン酸 16.0(質量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 25.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 100とする残部
(8)抽出物2 0.1
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合攪拌する。冷却後40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
【0076】
[実施例8]メイクアップベースクリーム
(1)スクワラン 10.2(質量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5)プロピレングリコール 11.0
(6)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7)精製水 100とする残部
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)抽出物2 3.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0077】
[実施例9]乳液状ファンデーション
(1)メチルポリシロキサン 2.0(質量%)
(2)スクワラン 5.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4)セタノール 1.0
(5)ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 0.7
(7)1,3−ブチレングリコール 8.0
(8)キサンタンガム 0.1
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)精製水 100とする残部
(11)酸化チタン 9.0
(12)タルク 7.4
(13)ベンガラ 0.5
(14)黄酸化鉄 1.1
(15)黒酸化鉄 0.1
(16)香料 0.1
(17)抽出物3 0.5
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。冷却後40℃にて(16)と(17)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0078】
[実施例10]油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 34.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)抽出物2 3.0
(11)精製水 100とする残部
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを攪拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0079】
[実施例11]パック
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 17.0
(4)グリセリン 9.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)抽出物3 1.0
(7)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却する。40℃にて(6)と(7)を加え、均一に混合する。
【0080】
[実施例12]入浴剤
(1)香料 0.3(質量%)
(2)抽出物2 3.0
(3)炭酸水素ナトリウム 50.0
(4)硫酸ナトリウム 46.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
【0081】
[実施例13]ヘアーワックス
(1)ステアリン酸 3.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)セチルアルコール 3.0
(4)高重合メチルポリシロキサン 2.0
(5)メチルポリシロキサン 5.0
(6)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)1,3−ブチレングリコール 7.5
(9)アルギニン 0.7
(10)精製水 100とする残部
(11)抽出物3 2.0
(12)香料 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0082】
[実施例14]ヘアートニック
(1)エタノール 50.0(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)抽出物2 3.0
(4)香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合、均一化する。
【0083】
[実施例15]錠剤
(1)コーンスターチ 44.0(質量%)
(2)結晶セルロース 100とする残部
(3)カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0
(4)無水ケイ酸 0.5
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5
(6)抽出物3 5.0
製法:(1)〜(6)を均一に混合し、打錠機にて圧縮成型して、1錠200mgの錠剤を得る。
【0084】
[実施例16]散剤
(1)ケイ酸アルミン酸マグネシウム 95.3(質量%)
(2)カルボキシメチルセルロースカルシウム 100とする残部
(3)抽出物2 4.0
製法:(1)〜(3)の粉体を混合後、粉砕機にて粉砕し、均一に分散する。
【0085】
[実施例17]キャンデー
(1)白糖 60.0(質量%)
(2)水飴 100とする残部
(3)抽出物3 5.0
(4)香料 適量
製法:(1)と(2)を加熱混合・均一化した後冷却し、70℃にて成分(3)と(4)を添加し、混合均一化した後成型する。
【0086】
[実施例18]ドリンク剤
(1)アミノエチルスルホン酸 1000mg
(2)硝酸チアミン 10mg
(3)リン酸リボフラビンナトリウム 5mg
(4)塩酸ピリドキシン 10mg
(5)無水カフェイン 50mg
(6)クエン酸 250mg
(7)D−ソルビトール液 8mg
(8)抽出物2 1000mg
(9)香料 微量
(10)精製水 100mLとする残部
製法:(1)〜(9)を順次(10)に添加し、均一化する。
【0087】
実施例1〜実施例14に示した皮膚外用剤は、抗酸化作用、美白作用、抗老化作用、育毛作用、保湿作用を有する組成物であった。また実施例15〜実施例18に示した機能性経口組成物は抗酸化作用、美白作用、抗老化作用、育毛作用、保湿作用を有する組成物であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項2】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする美白剤。
【請求項3】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする抗老化剤。
【請求項4】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする育毛剤。
【請求項5】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする保湿剤。
【請求項6】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を含有する皮膚外用剤。
【請求項7】
ブレビバクテリウム科ブレビバクテリウム属の菌を用いて、マメ科植物を醗酵させて得られる成分を有効成分とする機能性経口組成物。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−195537(P2011−195537A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66179(P2010−66179)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】