説明

抗酸化剤を含有するバゼドキシフェン製剤

【課題】バゼドキシフェンの溶出安定性が高められている医薬組成物の提供。
【解決手段】バゼドキシフェンと、ビタミンE、ビタミンETPGS、没食子酸プロピル、クエン酸、BHA/BHTなどの抗酸化剤とを含み、アスコルビン酸を実質的に含有しない医薬組成物、ならびにその組成物の製造方法。抗酸化剤を含有する製剤におけるバゼドキシフェンの溶出安定性および/または生物学的利用能を高める方法、ならびにその組成物において、バゼドキシフェンおよびヒドロキシメチルセルロースの少なくとも一方と、アスコルビン酸およびアスコルビン酸の1種または複数の分解生成物の少なくとも1種との相互作用を低減する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、一般に、医薬組成物の分野を対象とする。より詳細には、この開示は、バゼドキシフェンと抗酸化剤とを含有する医薬組成物、ならびにそのような組成物においてバゼドキシフェンの溶出安定性および/または生物学的利用能を高める方法に関する。特定の実施形態では、組成物は、結合型エストロゲンを含むコアと、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、ならびにビタミンE、ビタミンE TPGS、没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTのうちの少なくとも1種とを含み、アスコルビン酸を実質的に含有しない少なくとも1重の剤皮とを包含する。
【背景技術】
【0002】
閉経期は、最後の自然な月経期であると一般に定義され、卵巣機能が停止して、血流中の循環エストロゲンが実質的に減少することを特徴とする。閉経であることは通常、遡及的に、12カ月の無月経があった後に確認される。閉経は、通常は突然の事象ではなく、その前に不規則な月経周期の時期を経てから、最終的に月経が停止することが多い。月経が停止した後、内在性エストロゲン濃度の低下は、通常は急速である。閉経後女性では、血清エストロゲンが、排卵性周期の間の40〜250pg/mLのエストラジオールおよび40〜170pg/mLのエストロンの範囲の循環レベルから、15pg/mL未満のエストラジオールおよび30pg/mL未満のエストロンに減少する。
【0003】
こうしたエストロゲンが、閉経前の時期(閉経周辺期)および閉経後の時期(閉経後)の間に減少するにつれて、膣の乾燥、そう痒、および性交疼痛症を引き起こす外陰および膣の萎縮、ならびにのぼせとして現れる血管運動の不安定性を含めた、様々な生理的変化が結果として生じる場合もある。他の閉経期障害として、うつ病、不眠症、および神経過敏を挙げることもできる。閉経後のエストロゲン欠乏の生理的影響が長期にわたると、心血管疾患および骨粗鬆症になる危険因子が増加するために、実質的な病的状態および死に至る場合もある。閉経期の血中脂質レベルの変化は、冠動脈心疾患(CHD)の病因の主要因であるが、虚血性心疾患、アテローム性動脈硬化症、および他の心血管疾患が発生しやすくなる前兆である場合もある。皮質骨(脊椎)および海綿骨(股関節)の両方の骨量の急速な減少が閉経直後に起こり、毎年1%〜5%の総骨量の減少が10〜15年間続くこともある。
【0004】
エストロゲン補充療法(ERT)は、のぼせおよび性器萎縮の症状軽減、ならびに閉経後骨粗鬆症の予防に有益である。ERTは、血管運動性症状を軽減する有利な処置として認められている。長期間のERTは、骨量減少を少なくし、脊椎および股関節の骨折を減少させ、身長の縮小を防ぐので、骨粗鬆症を予防することができる。さらに、ERTは、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)を増加させ、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を減少させることにおいても有効であり、CHDに対する見込みのある防御策となる。ERTは、フリーラジカルによって媒介される障害または病態に対する抗酸化防御策にもなり得る。エストロゲンは、神経保護をもたらし、アルツハイマー病などの神経変性障害を抑制することも報告されている(その全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,554,601号を参照されたい)。
【0005】
ERTの通常のプロトコールは、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール、または天然供給源から単離された結合型エストロゲン(たとえば、WyethのPremarin(登録商標)結合型エストロゲン)を含有する製剤を使用してエストロゲンを補給するものである。一部の患者では、非拮抗状態のエストロゲンが子宮組織に増殖効果を与えるので、療法の禁忌が示される場合もある。この増殖は、子宮内膜症および/または子宮内膜癌になるリスクの増大と関連付けられる。非拮抗状態のエストロゲンが乳房組織に及ぼす影響はそれほど明確でないが、多少の懸念事項である。したがって、ERTの有害作用を最小限に抑える低用量治療計画の開発へと向かう傾向も出てきている。
【0006】
別の手法では、プロゲスチンがエストロゲンと逐次投与または併用投与されている。多数の臨床データが、ERTにプロゲスチンを加えることにより、子宮内膜癌の相対リスクを低減できることを示している。エストロゲン療法にプロゲスチンを加えると、エストロゲンによって誘発される子宮内膜の増殖の予防に役立つ場合がある。エストロゲンおよびプロゲスチンが毎日適切に服用される状況では、併用型エストロゲン補充療法は、膣萎縮および血管運動性症状を軽減し、閉経後骨粗鬆症を予防し、さらには子宮内膜過形成の予防によって子宮内膜癌のリスクを低減するのに有効であることがわかっている。
【0007】
ERTの有害作用を最小限に抑える第三の手法は、ERTと共に選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)を使用することである。SERMは、エストロゲン受容体(ER)に対して親和性を示すが、エストロゲン効果が組織選択的である一群の化合物である。SERMの一例は、バゼドキシフェン(1−[4−(2−アゼパン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−メチル−1H−インドール−5−オール、BZ)、またはバゼドキシフェン酢酸塩(BZA)などの薬学的に許容できるその塩であり、以下に示す化学式を有する。
【0008】
【化1】

【0009】
バゼドキシフェンは、骨量減少を予防し、心血管系を保護し、子宮および乳房に対するマイナスの影響(子宮癌および乳癌の潜在的リスクを含める)を低減または排除することが報告されている。そのSERMとしての分類と一致して、バゼドキシフェンは、子宮刺激の前臨床モデルにおいて、子宮反応の刺激をほとんどまたはまったく示さない。逆に、バゼドキシフェンは、骨減少症の卵巣摘出ラットモデルにおける骨量減少の予防およびコレステロールの減少では、エストロゲン作動薬様効果を示す。MCF−7細胞系(ヒト乳癌細胞系)では、バゼドキシフェンは、エストロゲン拮抗薬としての挙動を示す。こうしたデータは、バゼドキシフェンが、骨および心血管脂質パラメータに関してはエストロゲン様であり、子宮および乳房組織に対しては抗エストロゲン性であるので、したがってエストロゲン受容体が関与するいくつかの異なる疾患または疾患様状態を治療する潜在的可能性を有することを示している。
【0010】
それぞれその全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,998,402号および第6,479,535号は、バゼドキシフェンの調製を報告している。バゼドキシフェンの合成による調製は、一般文献にも掲載されている。たとえば、その全体が参照により本明細書に援用される、Millerら、J.Med.Chem.、2001、44、1654〜1657を参照されたい。薬物の生物活性についての記述も、一般文献(たとえば、その全体が参照により本明細書に援用されるMillerら、Drugs of the Future、2002、27(2)、117〜121)に掲載されている。また、バゼドキシフェンを含有する医薬組成物が、たとえば、その全体が参照により本明細書に援用されるWO02/03987に記載されている。さらに、バゼドキシフェンのエストロゲンとの共投与が、たとえば、米国特許第6,479,535号、ならびに米国特許出願公開第2007/0003623号、第2008/0175905号、および第2008/0175908号で開示されており、これら特許文献それぞれの全体を参照により本明細書に援用する。
【0011】
バゼドキシフェンの多形形態Aは、米国特許出願公開第2005/0227965号で開示され、バゼドキシフェンの多形形態Bは、米国特許出願公開第2005/0250762号で開示されており、これら特許文献それぞれの全体を参照により本明細書に援用する。バゼドキシフェンの多形形態Aの調製方法も、本発明の譲受人に譲渡され、同時係属の、2009年2月11日出願の米国特許出願第12/369,104号および第12/369,315号で開示されており、その全体を参照により本明細書に援用する。形態Aは、水性溶媒系および有機溶媒系のどちらへの溶解性も、形態Bより高い。このことは、特定の組成物の溶解性が問題になる製剤または服用において有利となり得る。たとえば、より高い溶解性は、薬物の生物学的な吸収および分布に影響を及ぼし得る生物学的利用能を左右し得るばかりでなく、液体担体中への製剤も円滑にすることができる。しかし、形態Aは、動力学的(または準安定)多形であり、形態Bは、熱力学的により安定な多形である。形態Aは、溶媒または溶媒混合物(たとえば、酢酸エチルおよびエタノール)と接触すると、形態Bに容易に転換する場合があり、このことは、形態Bを実質的に含んでいない純粋な形態Aを調製するための課題となっている。さらに、様々な条件下で、また時間を経て、形態Aは形態Bに転換し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,554,601号
【特許文献2】米国特許第5,998,402号
【特許文献3】米国特許第6,479,535号
【特許文献4】WO02/03987
【特許文献5】米国特許第6,479,535号
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0003623号
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0175905号
【特許文献8】米国特許出願公開第2008/0175908号
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0227965号
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0250762号
【特許文献11】米国特許出願第12/369,104号
【特許文献12】米国特許出願第12/369,315号
【特許文献13】米国特許第5,210,081号
【特許文献14】米国特許第2,565,115号
【特許文献15】米国特許第2,720,483号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Millerら、J.Med.Chem.、2001、44、1654〜1657
【非特許文献2】Millerら、Drugs of the Future、2002、27(2)、117〜121
【非特許文献3】R.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipients(英国:Pharmaceutical Press、ワシントンDC:American Pharmacists Association、第5版、2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
バゼドキシフェン酢酸塩、アスコルビン酸、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する錠剤組成物は、長期間貯蔵されると溶出安定性の低下を示すことが認められている。溶出安定性とは、薬物の固体経口剤形の溶出特性が、製造時からその有効期限まで保持されることを指す。溶出安定性は、薬物の品質管理、規制遵守、および/または生物学的利用能に影響する場合がある。経口薬製品の溶出プロフィールの変動は、吸収に応じられる速度および薬物の量に影響する場合があり、したがって、薬物の治療有効性を左右しかねない。それゆえ、固体剤形の溶出特性は、その貯蔵期間にわたり実質的に変化しないままであることが望ましい。すなわち、バゼドキシフェンの溶出安定性が高められている医薬組成物が求められている。
【0015】
別段定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。本発明の実施または試行において本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を使用することもできるが、適切な方法および材料を以下に記載する。また、材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書では、バゼドキシフェンと抗酸化剤とを含有する医薬組成物を開示する。特定の実施形態では、組成物は、結合型エストロゲンを含むコアと、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、ならびにビタミンE、ビタミンE TPGS、没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTのうちの少なくとも1種を含み、アスコルビン酸を実質的に含有しない少なくとも1重の剤皮とを包含する。
【0017】
一態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性を高める方法であって、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含むように医薬組成物を製剤することを含み、医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法を提供する。
【0018】
別の態様では、この開示は、医薬組成物におけるバゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩の溶出安定性を高める方法であって、水に湿潤剤を加え、湿潤剤が水中に実質的に分散するまで混合して、懸濁液を生成し、懸濁液に結合剤を加え、結合剤が懸濁液に実質的に分散するまで混合し、懸濁液に充填剤を加え、充填剤が懸濁液に実質的に溶解するまで混合し、懸濁液にビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を加え、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方が懸濁液に実質的に溶解するまで混合し、懸濁液にバゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を加え、バゼドキシフェンが懸濁液に実質的に分散するまで混合することにより、アスコルビン酸を実質的に含有しないバゼドキシフェン懸濁液を調製するステップと、結合型エストロゲンを含むコアを用意するステップと、コアを、バゼドキシフェン懸濁液を含む少なくとも1種のコーティング剤でコーティングするステップと、少なくとも1種のコーティング剤を乾燥させて、アスコルビン酸を実質的に含有しないバゼドキシフェン剤皮を有し、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む剤皮を有する医薬組成物と比べて溶出安定性が高められている医薬組成物を製造するステップとを含む方法を提供する。
【0019】
特定の実施形態では、バゼドキシフェン剤皮は、剤皮の約0.01重量%〜約10重量%をビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方として含む。
【0020】
特定の実施形態では、バゼドキシフェン剤皮は、剤皮の約10重量%〜約40重量%をバゼドキシフェンとして含む。
【0021】
特定の実施形態では、充填剤は、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、デキストリン、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、セルロースガム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、金属アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、および金属炭酸塩のうちの少なくとも1種を含み、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、コポビドン、キサンタンガム、およびグアーガムのうちの少なくとも1種を含み、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、金属アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドクセートナトリウム、四級アンモニウムアミン化合物、脂肪酸の糖エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、脂肪酸のグリセリド、およびポリグリコール化グリセリドのうちの少なくとも1種を含む。
【0022】
一実施形態では、充填剤はスクロースである。
【0023】
一実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0024】
一実施形態では、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステルである。
【0025】
特定の実施形態では、充填剤はスクロースであり、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、湿潤剤はスクロースパルミチン酸エステルである。
【0026】
別の態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、アスコルビン酸とを含む医薬組成物において、バゼドキシフェンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの少なくとも一方と、アスコルビン酸およびアスコルビン酸の1種または複数の分解生成物のうちの少なくとも1種との相互作用を低減する方法であって、医薬組成物において、前記アスコルビン酸の一部または全部を、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方で置き換えることを含む方法を提供する。
【0027】
別の態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの生物学的利用能を高める方法であって、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含むように医薬組成物を製剤することを含み、医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法を提供する。
【0028】
別の態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、充填剤、結合剤、湿潤剤、ならびにビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含む医薬組成物であって、アスコルビン酸を実質的に含有せず、医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性が、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性と比べて高められている医薬組成物を提供する。
【0029】
特定の実施形態では、医薬組成物は、約10重量%〜約40重量%をバゼドキシフェンとして含む。
【0030】
特定の実施形態では、充填剤は、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、デキストリン、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、セルロースガム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、金属アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、および金属炭酸塩のうちの少なくとも1種を含み、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、コポビドン、キサンタンガム、およびグアーガムのうちの少なくとも1種を含み、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、金属アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドクセートナトリウム、四級アンモニウムアミン化合物、脂肪酸の糖エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、脂肪酸のグリセリド、およびポリグリコール化グリセリドのうちの少なくとも1種を含む。
【0031】
一実施形態では、充填剤はスクロースである。
【0032】
一実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0033】
一実施形態では、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステルである。
【0034】
特定の実施形態では、充填剤はスクロースであり、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、湿潤剤はスクロースパルミチン酸エステルである。
【0035】
別の態様では、この開示は、結合型エストロゲンを含むコアと、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、充填剤、結合剤、湿潤剤、ならびにビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含む少なくとも1重の剤皮とを含む医薬組成物であって、少なくとも1重の剤皮は、アスコルビン酸を実質的に含有せず、医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性が、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性と比べて高められている医薬組成物を提供する。
【0036】
特定の実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約45重量%〜約80重量%をコアが占める。
【0037】
特定の実施形態では、コアは、約0.1mg〜約1.25mgの結合型エストロゲンを含む。
【0038】
一実施形態では、バゼドキシフェンの薬学的に許容できる塩は、バゼドキシフェン酢酸塩である。
【0039】
特定の実施形態では、医薬組成物は、組成物全体の約3重量%〜約10重量%をバゼドキシフェンとして、組成物全体の約5重量%〜約30重量%を充填剤として、組成物全体の約3重量%〜約10重量%を結合剤として、組成物全体の約0.01重量%〜約2重量%を湿潤剤として、組成物全体の約0.01重量%〜約2重量%をビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方として含む。
【0040】
特定の実施形態では、医薬組成物は、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を約0.1重量%以上含む。
【0041】
特定の実施形態では、充填剤は、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、デキストリン、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、セルロースガム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、金属アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、および金属炭酸塩のうちの少なくとも1種を含み、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、コポビドン、キサンタンガム、およびグアーガムのうちの少なくとも1種を含み、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、金属アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドクセートナトリウム、四級アンモニウムアミン化合物、脂肪酸の糖エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、脂肪酸のグリセリド、およびポリグリコール化グリセリドのうちの少なくとも1種を含む。
【0042】
一実施形態では、充填剤はスクロースである。
【0043】
一実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0044】
一実施形態では、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステルである。
【0045】
特定の実施形態では、充填剤はスクロースであり、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、湿潤剤はスクロースパルミチン酸エステルである。
【0046】
別の態様では、この開示は、少なくとも1種の結合型エストロゲンを含み、全組成物の約45重量%〜約80重量%を構成するコア錠剤と、全組成物の約4重量%〜約8重量%のバゼドキシフェン酢酸塩、全組成物の約10重量%〜約20重量%のスクロース、全組成物の約4重量%〜約8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、全組成物の約0.2重量%〜約0.6重量%のスクロースパルミチン酸エステル、全組成物の約0.1重量%〜約2重量%のビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含む、アスコルビン酸を実質的に含有しない外層とを含み、但し、組成物の合計%は100%である医薬組成物であって、医薬組成物におけるバゼドキシフェン酢酸塩の溶出安定性が、バゼドキシフェン酢酸塩とアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェン酢酸塩の溶出安定性と比べて高められている医薬組成物を提供する。
【0047】
一実施形態では、医薬組成物は、脱酸素剤と共にパッキングされる。
【0048】
別の態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性を高める方法であって、没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTのうちの少なくとも1種を含むように医薬組成物を製剤することを含み、医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法を提供する。
【0049】
別の態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、充填剤、結合剤、湿潤剤、ならびに没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTのうちの少なくとも1種を含む医薬組成物であって、アスコルビン酸を実質的に含有せず、医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性が、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性と比べて高められている医薬組成物を提供する。
【0050】
以下の図面は、例示目的で含め、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】BZA懸濁液中に2mg/錠剤のアスコルビン酸を含有するBZA/CE錠について、酢酸(AA)/Tween溶出媒質中で分析した、密閉瓶中、40℃/相対湿度(RH)75%、乾燥剤(Desc)使用および不使用でのBZAの経時的(1カ月(Mth)、4カ月、および6カ月)な溶出変化を示すグラフである。
【図2】2mg/錠剤のアスコルビン酸を含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、開放皿(1週間(W)、2W、4W)および乾燥剤を使用した密閉瓶(1カ月)中、40℃/75%RHでのBZAの経時的な溶出変化を示すグラフである。
【図3】2mg/錠剤のアスコルビン酸を含有するBZA/CE錠について、0.02N HCl溶出媒質中で分析した、開放皿中(1W、2W、4W)、40℃/75%RHでのBZAの経時的な溶出変化を示すグラフである。
【図4】1.0mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、開放皿中、40℃/75%RHでのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図5】4.0mg/錠剤のビタミンE TPGSを含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、開放皿中、40℃/75%RHでのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図6】0.5mg/錠剤の没食子酸プロピルを含有するBZA/CE錠について、0.02N HCl溶出媒質中で分析した、開放皿中、40℃/75%RHでのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図7】0.5mg/錠剤のクエン酸を含有するBZA/CE錠について、0.02N HCl溶出媒質中で分析した、開放皿中、40℃/75%RHでのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図8】1.0/0.5mg/錠剤のブチル化ヒドロキシアニソール/ブチル化ヒドロキシトルエン(BHA/BHT)を含有するBZA/CE錠について、0.02N HCl溶出媒質中で分析した、開放皿中、40℃/75%RHでのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図9】2.0/0.2mg/錠剤のアスコルビン酸/エチレンジアミン四酢酸(EDTA)カルシウム二ナトリウムを含有するBZA/CE錠について、0.02N HCl溶出媒質中で分析した、開放皿中、40℃/75%RHでのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図10】0.5mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、密閉瓶中、40℃/75%RH、脱酸素剤使用および不使用でのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図11】1.0mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、密閉瓶中、40℃/75%RH、脱酸素剤使用および不使用でのBZAの溶出を経時的に示すグラフである。
【図12】1.0mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、乾燥剤不使用の密閉瓶中、12カ月(M)時点、室温(25℃/60%RH)および30℃/75%RHでのBZAの溶出安定性を示すグラフである。
【図13】0.5mg/錠剤のクエン酸を含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、乾燥剤不使用の密閉瓶中、21M時点、25℃/60%RHでの、BZAの溶出安定性を示すグラフである。
【図14】1.0/0.5mg/錠剤のBHA/BHTを含有するBZA/CE錠について、AA/Tween溶出媒質中で分析した、乾燥剤不使用の密閉瓶中、16M時点、25℃/60%RHでのBZAの溶出安定性を示すグラフである。
【図15】脱酸素剤使用および不使用の、2mg/錠剤のアスコルビン酸および1.0mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE製剤について、密閉瓶中、40℃/75%RHでの3カ月時点のBZAの化学的安定性を示すグラフである。
【図16】2mg/錠剤のアスコルビン酸(A形態)または1.0mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE錠を単回経口投与した後のBZAの平均血漿濃度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
定義
本明細書では、用語「約」とは、本明細書で別段指摘しない限り、値の+または−10%を意味する。
【0053】
セルロースガム、粉末セルロース、微結晶性セルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、限定はしないが、R.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipients(英国:Pharmaceutical Press、ワシントンDC:American Pharmacists Association、第5版、2006、この文献の全体を参照により本明細書に援用する)に記載のものが挙げられる。
【0054】
本発明で使用するのに適する粉末セルロースとして、限定はしないが、Arbocel(登録商標)、Sanacel(登録商標)、およびSolka−Floc(登録商標)が挙げられる。
【0055】
適切な微結晶性セルロースとして、限定はしないが、Avicel(登録商標)pHシリーズ、Celex(商標)、Celphere(商標)、Ceolus KG(登録商標)、およびVivapur(登録商標)が挙げられる。特定の実施形態では、微結晶性セルロースはAvicel(登録商標)pH200である。
【0056】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒプロメロースまたはHPMCとしても知られている。適切なヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、限定なしで、Benecel(登録商標)MP643、Isopto(登録商標)Tears、Methopt(商標)、Poly−Tears(登録商標)、Tears Naturale(登録商標)、Methocel E(商標)、Methocel F(商標)、Methocel K(商標)、およびPharmacoat(登録商標)/Metolose(登録商標)が挙げられる。
【0057】
デンプンとしては、限定はしないが、R.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipientsに記載のものが挙げられる。
【0058】
本明細書では、用語「デンプン」とは、限定はしないが、トウモロコシデンプン(コーンスターチまたはmaydis amylumとしても知られる)、バレイショデンプン(solani amylumとしても知られる)、コメデンプン(oryzae amylumとしても知られる)、コムギデンプン(tritici amylumとしても知られる)、およびタピオカデンプンを含めて、いずれかの種類の天然または加工デンプンを指す。用語「デンプン」は、分子量および分枝に関して改質されているデンプンも指す。用語「デンプン」はさらに、カルボキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキレン、またはカルボキシアルキレン基などの化学的官能性が付与されるように化学的に改変されているデンプンも指す。本明細書では、用語「カルボキシアルキレン」とは、式−アルキレン−C(O)OHまたはその塩の基を指す。本明細書では、用語「ヒドロキシアルキレン」とは、式−アルキレン−OHの基を指す。
【0059】
本明細書では、用語「リン酸カルシウム」とは、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、または第三リン酸カルシウムを指す。
【0060】
本明細書では、用語「金属炭酸塩」とは、限定はしないが、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、および炭酸亜鉛を含めて、任意の金属性炭酸塩を指す。
【0061】
本明細書では、用語「コポビドン」とは、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体を指し、酢酸ビニルモノマーは、部分的に加水分解されていてもよい。適切なコポビドンポリマーとして、限定はしないが、Kollidon(登録商標)VA64、Luviskol(登録商標)VA、Plasdone(登録商標)S−630、およびMajsao(登録商標)CTが挙げられる。たとえば、Plasdone(登録商標)S−630は、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの60:40の共重合体であり、たとえばISP(International Specialty Products)、米国ニュージャージー州から購入することができる。
【0062】
本明細書では、用語「脂肪酸」は、単独または他の用語との複合語で用い、飽和または不飽和である脂肪族の酸を指す。一実施形態では、脂肪酸は、異なる脂肪酸の混合物である。別の実施形態では、脂肪酸は、平均して約8個〜約30個の間の炭素を有する。さらに別の実施形態では、脂肪酸は、平均して約8個〜約24個の炭素を有する。さらに別の実施形態では、脂肪酸は、平均して約12個〜約18個の炭素を有する。適切な脂肪酸として、限定はしないが、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、エルカ酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セトステアリン酸(cetostearic acid)、イソステアリン酸、セスキオレイン酸、セスキ−9−オクタデカン酸、セスキイソオクタデカン酸、ベヘン酸、イソベヘン酸、およびアラキドン酸、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0063】
本明細書では、用語「脂肪酸エステル」とは、脂肪酸とヒドロキシル含有化合物との間で生成される化合物を指す。一実施形態では、脂肪酸エステルは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。別の実施形態では、脂肪酸エステルは、脂肪酸の糖エステルである。さらに別の実施形態では、脂肪酸エステルは、脂肪酸のグリセリドである。さらに別の実施形態では、脂肪酸エステルは、ポリエトキシル化脂肪酸エステルである。
【0064】
本明細書では、用語「ポリビニルピロリドン」とは、ビニルピロリドンのポリマーを指す。一実施形態では、ポリビニルピロリドンは、1種または複数の追加の重合モノマーを含んでいる。別の実施形態では、追加の重合モノマーは、カルボキシ含有モノマーである。さらに別の実施形態では、ポリビニルピロリドンはポビドンである。さらに別の実施形態では、ポリビニルピロリドンは、2500〜300万の間の分子量を有する。別の実施形態では、ポリビニルピロリドンは、ポビドンK12、K17、K25、K30、K60、K90、またはK120である。適切なポリビニルピロリドンポリマーとして、限定はしないが、Kollidone(登録商標)シリーズ(BASFから入手可能)およびPlasdone(登録商標)シリーズ(ISPから入手可能)が挙げられる。
【0065】
本明細書では、用語「ドクセートナトリウム」とは、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル(ビス−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)を指す。有効なアニオン界面活性剤として、ドクセートナトリウムは、経口剤形の製剤助剤として使用するのに有益な優れた可溶化剤、湿潤剤、分散剤、または乳化剤である。
【0066】
本明細書では、用語「四級アンモニウムアミン化合物」(四級アンモニウム塩または四級アンモニウムカチオンとしても知られる)とは、少なくとも1個の四級アンモニウム基を含んでいる化合物を指し、Rがアルキル基であるNRの式を有する。R基はそれぞれ、同じでも異なってもよく、R基のいずれかが結合して、環を形成していてもよい。有用な四級アンモニウム化合物には、疎水性材料を水に乳化させ、可溶化し、または懸濁させることのできるものが制限なく含まれる。他の適切な四級アンモニウム化合物には、患者に投与されたとき、薬理学的活性薬剤の生物学的利用能を高めることのできるものが制限なく含まれる。適切な四級アンモニウム化合物として、限定はしないが、1,2−ジオレイル−3−トリメチルアンモニウムプロパン、ジメチルジオクタデシルアンモニウム臭化物、N−[1−(1,2−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩化物、1,2−ジオレイル−3−エチルホスホコリン、または3−β−[N−[(N′,N′−ジメチルアミノ)エタン]カルバモイル]コレステロールが挙げられる。他の適切な四級アンモニウム化合物として、限定はしないが、Stepanquat(登録商標)5ONFおよび65NF(n−アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、Stepan Products、イリノイ州Northfield)が挙げられる。
【0067】
本明細書では、用語「ポリエトキシル化脂肪酸エステル」とは、脂肪酸をエトキシル化して得られるモノエステルもしくはジエステルまたはこれらの混合物を指す。ポリエトキシル化脂肪酸エステルは、加えて遊離脂肪酸およびポリエチレングリコールも含有してよい。ポリエトキシル化脂肪酸エステルの生成に有用な脂肪酸として、限定はしないが、本明細書に記載のものが挙げられる。適切なポリエトキシル化脂肪酸エステルとして、限定はしないが、Emulphor(登録商標)VT−679(ステアリン酸8.3モルエトキシル化物、Stepan Products、イリノイ州Northfieldから入手可能)、Alkasurf(登録商標)COシリーズ(Alkaril Chemicals、カナダ国ミシソーガ)、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、Solutol(登録商標)HS15(BASF、ニュージャージー州Florham Park)、ならびにR.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipientsにおいて列挙されているポリオキシエチレンステアレートが挙げられる。
【0068】
本明細書では、用語「ポリエチレングリコール」とは、式−O−CH−CH−のエチレングリコールモノマー単位を含んでいるポリマーを指す。適切なポリエチレングリコールは、ポリマー分子の各末端に遊離ヒドロキシル基を有するものでもよいし、または1個または複数のヒドロキシル基が、低級アルキル、たとえばメチル基でエーテル化されているものでもよい。エステル化可能なカルボキシ基を有するポリエチレングリコールの誘導体も適切である。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールは、いかなる鎖長または分子量のポリマーでもよく、分枝も包含し得る。一実施形態では、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、約200〜約9000である。別の実施形態では、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、約200〜約5000である。さらに別の実施形態では、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、約200〜約900である。別の実施形態では、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、約400である。
【0069】
適切なポリエチレングリコールとして、限定はしないが、ポリエチレングリコール−200、ポリエチレングリコール−300、ポリエチレングリコール−400、ポリエチレングリコール−600、およびポリエチレングリコール−900が挙げられる。名称の中のダッシュに続く数字は、ポリマーの重量平均分子量を指す。一実施形態では、ポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコール−400である。重量平均分子量は、ポリマーの分子量を述べる一手段であり、
【0070】
【数1】

によって算出され、ここで、Nは、分子量Mの分子の数である。重量平均分子量は、光散乱法、小角中性子散乱法(SANS)、X線散乱法、および沈降速度法によって決定することができる。適切なポリエチレングリコールとして、限定はしないが、Carbowax(登録商標)およびCarbowax(登録商標)Sentryシリーズ(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)、Lipoxol(登録商標)シリーズ(Brenntag、ドイツ国ルール)、Lutrol(登録商標)シリーズ(BASF、ニュージャージー州Florham Park)、ならびにPluriol(登録商標)シリーズ(BASF、ニュージャージー州Florham Park)が挙げられる。
【0071】
本明細書では、用語「ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体」とは、オキシエチレンモノマー単位およびオキシプロピレンモノマー単位の両方を有する共重合体を指す。本発明で使用するのに適するポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体は、いかなる鎖長または分子量のものでもよく、分枝も包含し得る。鎖末端は、遊離ヒドロキシル基を有していてもよく、または1個または複数のヒドロキシル基が低級アルキル基もしくはカルボキシ基でエーテル化されていてもよい。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体は、共重合され、主鎖の一部を形成している他のモノマーも包含し得る。たとえば、ブチレンオキシドをエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドと共重合させて、本発明において有用なポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体を生成することができる。特定の実施形態では、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体は、一方のブロックがポリオキシエチレンであり、他方のブロックがポリオキシプロピレンであるブロック共重合体である。適切なポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体として、限定はしないが、ポロキサマー108、124、188、217、237、238、288、338、407、101、105、122、123、124、181、182、183、184、212、231、282、331、401、402、185、215、234、235、284、333、334、335、および403が挙げられる。他の適切なポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体として、限定はしないが、DowFax(登録商標)非イオン界面活性剤(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)、DowFax(登録商標)Nシリーズ界面活性剤(Dow Chemical Co.、ミシガン州ミッドランド)、Lutrol(登録商標)Micro 68などのLutrol(登録商標)界面活性剤(BASF、ニュージャージー州Florham Park)、およびSynperonic(登録商標)界面活性剤(Uniqema、英国Bromborough)が挙げられる。
【0072】
本明細書では、用語「ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体」(または「ポリエチレンオキシドヒマシ油誘導体」)とは、ヒマシ油をエトキシル化して生成される化合物を指し、ポリエチレングリコールの少なくとも1本の鎖がヒマシ油に共有結合している。ヒマシ油は、水素添加されたものでも、水素添加されていないものでもよい。ポリエチレンオキシドヒマシ油誘導体の類義語として、限定はしないが、ポリオキシルヒマシ油、水素添加ポリオキシルヒマシ油、マクロゴールグリセロールリシノレエート、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびポリオキシル40硬化ヒマシ油が挙げられる。適切なポリエチレンオキシドヒマシ油誘導体として、限定はしないが、Nikkol(登録商標)HCOシリーズ(日光ケミカルズ株式会社、日本国東京)、たとえば、Nikkol(登録商標)HCO−30、HC−40、HC−50、およびHC−60(ポリエチレングリコール−30硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−40硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−50硬化ヒマシ油、およびポリエチレングリコール−60硬化ヒマシ油)、Emulphor(登録商標)EL−719(ヒマシ油40モル−エトキシル化物、Stepan Products、イリノイ州Northfield)、Cremophor(登録商標)シリーズ(BASF、ニュージャージー州Florham Park)(Cremophor(登録商標)RH40、RH60、およびEL35(それぞれ、ポリエチレングリコール−40硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−60硬化ヒマシ油、およびポリエチレングリコール−35硬化ヒマシ油)が含まれる)、ならびにEumulgin(登録商標)ROおよびHREシリーズ(Cognis PharmaLine、ドイツ国Monheim)が挙げられる。他の適切なポリエチレンオキシドヒマシ油誘導体として、R.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipientsにおいて列挙されているものが挙げられる。
【0073】
本明細書では、用語「ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル」(または「ポリエチレンオキシドソルビタン脂肪エステル」)とは、ソルビタンエステルをエトキシル化して得られる化合物またはその混合物を指す。本明細書では、用語「ソルビタンエステル」とは、ソルビトールと少なくとも1種の脂肪酸をエステル化して得られる化合物または化合物の混合物を指す。ポリエチレンオキシドソルビタンエステルを得るのに有用な脂肪酸として、限定はしないが、本明細書に記載のものが挙げられる。一実施形態では、化合物または混合物のポリエチレンオキシド部分は、約2〜約200のオキシエチレン単位を有する。別の実施形態では、化合物または混合物のポリエチレンオキシド部分は、約2〜約100のオキシエチレン単位を有する。さらに別の実施形態では、化合物または混合物のポリエチレンオキシド部分は、約4〜約80のオキシエチレン単位を有する。さらに別の実施形態では、化合物または混合物のポリオキシエチレン部分は、約4〜約40のオキシエチレン単位を有する。別の実施形態では、化合物または混合物のポリエチレンオキシド部分は、約4〜約20のオキシエチレン単位を有する。適切なポリエチレンオキシドソルビタンエステルとして、限定はしないが、Tween(登録商標)シリーズ(Uniqema、英国Bromborough)が挙げられ、これには、Tween(登録商標)20(POE(20)モノラウリン酸ソルビタン)、21(POE(4)モノラウリン酸ソルビタン)、40(POE(20)モノパルミチン酸ソルビタン)、60(POE(20)モノステアリン酸ソルビタン)、60K(POE(20)モノステアリン酸ソルビタン)、61(POE(4)モノステアリン酸ソルビタン)、65(POE(20)トリステアリン酸ソルビタン)、80(POE(20)モノオレイン酸ソルビタン)、80K(POE(20)モノオレイン酸ソルビタン)、81(POE(5)モノオレイン酸ソルビタン)、および85(POE(20)トリオレイン酸ソルビタン)が含まれる。本明細書では、略語「POE」は、ポリエチレンオキシドを指す。略語POEに続く数字は、化合物中のオキシエチレン繰返し単位の数を指す。他の適切なポリエチレンオキシドソルビタンエステルとして、R.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipientsにおいて列挙されているポリエチレンオキシドソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0074】
本明細書では、用語「グリセリド」とは、グリセロールと脂肪酸から生成されるエステルを指す。グリセロールは、3個のヒドロキシル官能基を有し、1個、2個、または3個の脂肪酸でエステル化すると、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドを生成することができる。
【0075】
本明細書では、用語「ポリグリコール化グリセリド」とは、ポリエチレングリコール、グリセロール、および脂肪酸のエステル化、グリセリドとポリエチレングリコールのエステル交換反応、または脂肪酸のグリセリドのエトキシル化から生成される生成物を指す。本明細書では、用語「ポリグリコール化グリセリド」は、別法または追加として、モノグリセリド、ジグリセリド、および/またはトリグリセリドをポリエチレングリコールのモノエステルおよび/またはジエステルとの混合物を指す場合もある。ポリグリコール化グリセリドは、本明細書に記載の脂肪酸、脂肪酸のグリセリド、およびポリエチレングリコールから得ることができる。グリセリド、モノエステル、またはジエステル上の脂肪エステル側鎖は、いかなる鎖長のものでもよく、飽和でも不飽和でもよい。ポリグリコール化グリセリドは、限定はしないが、ポリエチレングリコール、グリセロール、および脂肪酸などの他の材料を混入物または副生成物として含有してもよい。特定の実施形態では、ポリグリコール化グリセリドは、C〜C18ポリグリコール化グリセリドである。
【0076】
本明細書では、特定の塩によって別段修飾されない限り、用語「バゼドキシフェン」は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を意味する。
【0077】
本明細書では、用語「結合型エストロゲン」とは、別の成分と結合した、たとえば、硫酸エステル化またはグリコシル化されたエストロゲンを指す。特定の実施形態では、結合型エストロゲンは、硫酸ナトリウムコンジュゲートであり、これは、水溶性エストロゲン硫酸エステルのナトリウム塩を、妊娠した雌馬の尿から得られる材料の平均組成になるようにブレンドしたものとして存在する、天然供給源からのみ得られる結合型エストロゲンの混合物を含有する。結合型エストロゲンは、硫酸ナトリウムコンジュゲートとしての17α−ジヒドロエクイリン、17α−エストラジオール、および17β−ジヒドロエクイリンを相伴う成分として含有する、エストロン硫酸エステルナトリウムとエクイリン硫酸エステルナトリウムの混合物である。
【0078】
「結合型エストロゲン」は、本明細書でより広げて使用するとき、米国薬局方(USP23)に記載の化合物などの、天然および合成両方の結合型エストロゲン、ならびに当業者にそのようにみなされている他のエストロゲンを包含する。さらに、「結合型エストロゲン」は、そうした化合物のエステル、たとえば硫酸エステル、そうした化合物の塩、たとえばナトリウム塩、およびそうした化合物の塩のエステル、たとえば硫酸エステルのナトリウム塩、ならびに当業界で知られている他の誘導体をも指す。
【0079】
CEは通常、エストロンやエクイリンなどのエストロゲン様成分の混合物であるが、コア材料は、そうした混合物を利用するように製剤してもよいし、または選択されたもしくは個々のエストロゲン様成分だけを含むように製剤してもよい。このようなCEは、起源が合成でも天然でもよい。合成によって生成されるエストロゲンの例としては、特に、エストロン硫酸エステルナトリウム、エクイリン硫酸エステルナトリウム、17α−ジヒドロエクイリン硫酸エステルナトリウム、17β−ジヒドロエクイリン硫酸エステルナトリウム、17α−エストラジオール硫酸エステルナトリウム、17β−エストラジオール硫酸エステルナトリウム、エクイレニン硫酸エステルナトリウム、17α−ジヒドロエクイレニン硫酸エステルナトリウム、17β−ジヒドロエクイレニン硫酸エステルナトリウム、エストロピペート、およびエチニルエストラジオールが挙げられる。その全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,210,081号に記載されている8,9−デヒドロエストロンのアルカリ金属塩および8,9−デヒドロエストロン硫酸エステルのアルカリ金属塩。天然のCEは通常、妊娠した雌馬の尿から入手され、次いで処理がなされ、さらに安定化がなされる場合もある。そのような方法の例は、それぞれの全体が参照により本明細書に援用される米国特許第2,565,115号および第2,720,483号に記載されている。
【0080】
多くのCE製品が市販されている。その中でも好ましいのは、Premarin(登録商標)(Wyeth、ニュージャージー州マディソン)として知られる天然のCE製品である。合成エストロゲンから調製された別の市販のCE製品が、Cenestin(登録商標)(Duramed Pharmaceuticals,Inc.、オハイオ州シンシナティ)である。詳細なCE用量は、特定の治療効果を実現するのに必要となる任意の投与量でよく、指示された特定の治療、および錠剤に含まれる特定のCEに応じて様々となり得る。
【0081】
詳細な説明
本明細書では、バゼドキシフェンと抗酸化剤とを含む医薬組成物が開示される。特定の実施形態では、組成物は、結合型エストロゲンを含むコアと、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、ならびにビタミンE、ビタミンE TPGS、没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTのうちの少なくとも1種を含み、アスコルビン酸を実質的に含有しない少なくとも1重の剤皮とを包含する。一態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性および生物学的利用能を高める方法であって、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含むように前記医薬組成物を製剤することを含み、前記医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法を提供する。特定の実施形態では、組成物は、脱酸素剤と共にパッキングされる。別の態様では、この開示は、バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性を高める方法であって、没食子酸プロピル、クエン酸、またはBHA/BHTを含むように前記医薬組成物を製剤することを含み、前記医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法を提供する。
【0082】
ある既存のバゼドキシフェン組成物は、たとえば、CEコアに適用されているBZA剤皮層中に2mg/錠剤のアスコルビン酸を含有している。このような製剤は、BZA懸濁液を調製する際に懸濁液にアスコルビン酸を加えることにより調製された。BZA、アスコルビン酸、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含有する錠剤組成物は、長期間の貯蔵でバゼドキシフェンの溶出が低下することが認められている。たとえば、BZA剤皮層中にアスコルビン酸を含有する製剤について、密閉瓶中、40℃/75%RHでの経時的なBZA溶出変化を示す図1を参照されたい。
【0083】
アスコルビン酸は、こうした製剤に抗酸化剤として優れた化学的安定性を付与するが、アスコルビン酸が、特に加速した貯蔵条件下で、溶出変化の一因となることもわかっている。特定の理論に縛られはしないが、錠剤中のアスコルビン酸および/またはその分解物が、バゼドキシフェンおよび/またはHPMCと相互に作用して、バゼドキシフェンを取り巻く製剤変化を引き起こし、その結果、時間を経て貯蔵された錠剤に溶出変化が生じる場合もあると考えられている。アスコルビン酸は、BZA懸濁液のpHを低下させ、BZAの溶解度を増大させる。特定の理論に縛られはしないが、アスコルビン酸と関連付けられる、BZA溶出の「減速」に関する可能性のある機序があるとすれば、アスコルビン酸との会合が弱いために、溶解度のより低い遊離BZ塩基が生成すること、コーティングの際に溶解度の増大によって準安定な非晶質BZAが生成し、後に準安定な非晶質BZAが安定な結晶形態に転換すること、およびアスコルビン酸と基剤中のHPMCとの相互作用によって、HPMCが架橋され、BZA剤皮の溶解または浸食が遅くなることが挙げられる。
【0084】
この開示は、代替抗酸化剤を用いた、BZAおよびHPMC含有製剤に関する。アスコルビン酸を代替抗酸化剤で置き換えると、バゼドキシフェン溶出の経時的な変化を低減または解消できることがわかった。BZA/CE錠および代替抗酸化剤を含む医薬組成物を、実質的に実施例1および2に記載のとおりに調製し、様々な温度および湿度条件下に置いて評価する、安定性調査を行った。
【0085】
BZAの溶出を、様々な抗酸化剤を含有する製剤について、溶出媒質としての酢酸(AA)/Tween(登録商標)80、および/または0.02N HCl(実施例3を参照のこと)中にて、攻撃的な貯蔵条件下(開放皿、40℃/75%RH)で評価した。図2および3は、2mg/錠剤のアスコルビン酸を含有するBZA/CE製剤について、AA/Tween(登録商標)中(図2)および0.02N HCl中(図3)でのBZAの経時的な溶出変化を示す。BZA剤皮層中にアスコルビン酸を抗酸化剤として含有するこの製剤におけるBZAの溶出は、時間と共に顕著に低下した。図4〜8は、1.0mg/錠剤のビタミンE、4.0mg/錠剤のビタミンE TPGS、0.5mg/錠剤の没食子酸プロピル、0.5mg/錠剤のクエン酸、および1.0/0.5mg/錠剤のBHA/BHTをそれぞれ含有するBZA/CE製剤について、攻撃的な貯蔵条件下(開放皿、40℃/75%RH)でのBZAの溶出を経時的に示す。(AA/Tween(登録商標)中で評価した)バゼドキシフェンの溶出安定性は、dl−αトコフェロール(ビタミンE、図4)またはビタミンE TPGS(dl−αトコフェロールポリエチレングリコールスクシネート、すなわち、d−α−トコフェリル酸スクシネートをポリエチレングリコールでエステル化して調製される水溶性形態の自然由来ビタミンE、図5)を抗酸化剤として含有するBZA/CE組成物では、アスコルビン酸(図2)とは対照的に、高められていることがわかった。同様に、バゼドキシフェンの溶出安定性は、たとえば、没食子酸プロピル(図6)、クエン酸(図7)、またはBHA/BHT(図8)を抗酸化剤として含有するBZA/CE組成物でも、アスコルビン酸(図3)とは対照的に高められていることがわかった。一方で、バゼドキシフェンの溶出安定性は、たとえば、2.0/0.2mg/錠剤のアスコルビン酸/EDTAカルシウム二ナトリウム(図9)を含有するBZA/CE組成物では高められていなかった。
【0086】
図10および11に示すように、0.5mg/錠剤および1.0mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE製剤は、密閉瓶中、40℃/75%RH、脱酸素剤使用または不使用で貯蔵すると、BZA溶出安定性が良好であった。さらに、たとえば、ビタミンE(図12)、クエン酸(図13)、またはBHA/BHT(図14)を含有する製剤については、長期間貯蔵しても、バゼドキシフェン溶出の変化が認められなかった。
【0087】
こうした製剤中の代替抗酸化剤によって、化学的安定性も十分なものになった。アスコルビン酸または代替抗酸化剤(実施例4を参照のこと)を含有するBZA/CE錠におけるBZAの化学的安定性を表1に示す。
【0088】
【表1】

【0089】
図15に示すように、ビタミンEなどの代替抗酸化剤によってもたらされる化学的安定性は、脱酸素剤を用いて高めることができる。バッチを、たとえば、瓶、ブリスター、およびバルク容器に脱酸素剤と共にパッキングすることができる。例となる脱酸素剤/酸素吸収剤として、限定はしないが、Multisorb製造のStabilox(登録商標)およびFreshpax(登録商標)、Chevronの脱酸素ポリマー(OSP)、DPIおよびImpakの酸素吸収剤、三菱のAgeless(商標)−Z、CSPのUV活性化型脱酸素剤、Cryovacの脱酸素剤(OS)、ならびにTianhua TechのOxyfree(商標)504(鉄主体および非鉄主体)が挙げられる。表1に示すように、ビタミンE TPGSを含有するBZA/CE錠におけるBZAの化学的安定性は、ビタミンEを含有するBZA/CE錠におけるBZAの化学的安定性と互角である。
【0090】
さらに、驚くべきことに、ビタミンEなどの代替抗酸化剤を含有するBZE/CE錠は、アスコルビン酸を抗酸化剤として含有するBZA/CE錠と比べて、in vivoでBZAのより急速な放出速度およびより高い露出を示すことがわかった。BZA/CE錠におけるバゼドキシフェンの生物学的利用能を、約24人の健康な閉経後の女性で調査して、少なくとも22人の対象で完了するに至った。24時間にわたり所定の時間に血液サンプルを採取し、血漿を分離し、BZAおよび結合型エストロゲン(エストロンのみ)についてアッセイした。図16および表2に示すように、1mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE製剤におけるBZAの生物学的利用能は、Cmax(最高到達濃度)およびAUC(曲線下面積、総露出量)の両方に関して、2mg/錠剤のアスコルビン酸を含有する製剤(図16の「A形態」)より高かった。詳細には、BZAを含有する外層中のアスコルビン酸(1mg/錠剤)をビタミンE(1mg/錠剤)で置き換えたとき、CmaxおよびAUCがそれぞれ約43%および約12%増加した。
【0091】
【表2】

【0092】
代替抗酸化剤の使用によって、たとえば、抗酸化剤(たとえばアスコルビン酸)および/または抗酸化剤(たとえばアスコルビン酸)の分解生成物とHPMCおよびBZAとの相互作用は、有利に低減または排除される。代替抗酸化剤を使用すると、BZA/CEコーティング錠の製造に使用されるコーティング剤懸濁液へのBZAの溶解度も低下し、したがって、時間を経て安定な形態へと結晶化する潜在的可能性を有するBZAの非晶質画分がともすれば減少するかもしれない。特定の理論に縛られはしないが、こうした要素によって、BZA剤皮のより速い浸食のためにBZAの溶出安定性が守られ、生物学的利用能が高まると考えられている。
【0093】
要約すると、バゼドキシフェン酢酸塩およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む医薬組成物中にビタミンE(dl−αトコフェロール)、ビタミンE TPGS、没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTなどの代替抗酸化剤を使用すると、アスコルビン酸を抗酸化剤として含有する製剤で認められるバゼドキシフェン溶出の減速を緩和または解消することができ、また許容される化学的安定性/BZ分解プロフィールを得ることができる。加えて、ビタミンEなどの代替抗酸化剤は、アスコルビン酸を抗酸化剤として含有する製剤と比べて、より高い生物学的利用能をもたらし得る。
【0094】
バゼドキシフェンおよび抗酸化剤に加えて、この開示の医薬組成物は、充填剤、結合剤、および湿潤剤のうち少なくとも1つをさらに含んでよい。特定の実施形態では、充填剤は、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、デキストリン、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、セルロースガム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、金属アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、および金属炭酸塩のうちの少なくとも1種を含み、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、コポビドン、キサンタンガム、およびグアーガムのうちの少なくとも1種を含み、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、金属アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドクセートナトリウム、四級アンモニウムアミン化合物、脂肪酸の糖エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、脂肪酸のグリセリド、およびポリグリコール化グリセリドのうちの少なくとも1種を含む。特定の実施形態では、充填剤はスクロースであり、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、湿潤剤は、スクロースパルミチン酸エステルである。
【0095】
この開示の医薬組成物は、さらにコアも含んでよい。特定の実施形態では、コアは、結合型エストロゲンを含む。
【0096】
この開示の方法および医薬組成物において使用することのできる抗酸化剤としては、ビタミンE、ビタミンE TPGS、没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTが挙げられる。特定の実施形態では、代替抗酸化剤を含む組成物は、脱酸素剤と共にパッキングされる。
【0097】
本明細書に記載の医薬組成物は、予め決められた量のバゼドキシフェンを活性成分としてそれぞれが含有するカプセル剤、錠剤(たとえば、単層錠、二層錠、または錠剤入り錠剤)などの形でよい。特定の実施形態では、組成物は、結合型エストロゲンを追加の活性成分として含有してよい。特定の実施形態では、結合型エストロゲン(CE)コア錠剤をバゼドキシフェン酢酸塩(BZA)懸濁液でコーティングして、BZA/CE錠剤製剤を製造する。
【0098】
少なくともいくつかの実施形態では、バゼドキシフェンは、2日に1回から1週間に1回の範囲で投与することができる。所与の投薬計画の投与量を、1回で全部投与してもよいし、または同日に複数回投与してもよい。個々の患者の必要に基づき、バゼドキシフェンは、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、または7日毎(週1回)に投与することができる。投与期間も、患者の必要に応じて調整することができ、延長された投薬計画に従って投与することもなお考慮に入れてよい。
【0099】
投与量は、たとえば、1日おきに1回投与し、次いで医学的な経過観察の後、3日おき、最終的には週1回の投与に調整することができる。延長された投薬計画では、週1回投与することができ、週単位の投与量は、1回量として、または同日の間に2用量以上に分けて、1日で投与する。
【0100】
少なくともいくつかの実施形態では、ヒトにおけるバゼドキシフェンの毎日の投与量は、約5mg〜約80mgの間である。バゼドキシフェンを週1回投与するとき、週1回の投与量は、少なくともいくつかの実施形態では、毎日の投与量の約3〜15倍となる。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、週1回の経口投与量は、週1回投与されるのが約15mg〜約1200mgの間でよく、この投与量を、投与日の間に1回または複数回で投与する。
【0101】
その全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,998,402号に記載されているように、バゼドキシフェンおよびその塩は、エストロゲン受容体に対して親和性を有する選択的エストロゲン作動薬である。他の種類のエストロゲン作動薬とは異なり、バゼドキシフェンおよびその塩は、子宮では抗エストロゲン性であり、子宮組織においてエストロゲン作動薬の栄養効果に拮抗作用を示し得る。したがって、本明細書に記載の医薬組成物には、エストロゲン不足またはエストロゲンの過剰と関連付けられる病態または症候群の治療に関連した多くの使用を見出すことができる。特定の実施形態では、この開示は、エストロゲン不足またはエストロゲン過剰と関連付けられる疾患または障害の治療方法を提供する。エストロゲン不足またはエストロゲン過剰と関連付けられる疾患および障害としては、骨量減少、骨粗鬆症、骨減少症、前立腺肥大、男性型脱毛症、膣および皮膚の萎縮、にきび、不正子宮出血、子宮内膜ポリープ、良性乳房疾患、子宮平滑筋腫、腺筋症、卵巣癌、不妊、乳癌、子宮内膜症、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、心血管疾患、避妊、アルツハイマー病、認知機能低下および他のCNS障害、ならびに中でも黒色腫、前立腺癌、結腸癌、CNS癌を含めた特定の癌が挙げられる。
【0102】
本明細書に記載の医薬組成物は、子宮内膜または子宮内膜様組織の増殖、または異常な発達、活動、もしくは成長の結果として生じる疾患または障害の治療方法においても使用することができる。特定の実施形態では、この開示は、子宮内膜組織の増殖または異常な発達と関連付けられる疾患または障害の治療方法を提供する。子宮内膜組織の増殖または異常な発達と関連付けられる疾患または障害としては、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、および子宮内膜癌が挙げられる。
【0103】
本明細書に記載の医薬組成物は、骨量減少を抑制する方法においても使用することできる。骨量減少はしばしば、個体の、新たな骨組織の形成とより古い組織の吸収が不均衡になる結果として生じ、最終的に骨が減少する。このような骨の喪失は、ある範囲の個体、たとえば、閉経後の女性、両側卵巣摘出を受けた女性、長期の副腎皮質ホルモン療法を受けているまたは受けたことのある個体、性腺形成異常症のある個体、およびクッシング症候群に罹患している個体において起こる場合がある。歯および口の骨の置換を含めた、骨についての特殊なニーズにも、本組成物を、骨折している個体、骨構造が不完全な個体、および骨に関連した手術および/または人工器官の埋め込みを受けている個体において使用して対処することができる。上述の問題に加えて、特定の実施形態では、本組成物は、骨関節炎、低カルシウム血症、高カルシウム血症、ページェット病、骨軟化症、骨石灰脱失症、多発性骨髄腫および骨組織に有害な影響を及ぼす他の形の癌の治療において使用することができる。
【0104】
本明細書に記載の医薬組成物は、コレステロールを低下させ、乳癌を治療する方法においても使用することができる。さらに、本組成物は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後の症状の治療に使用することができる。特定の実施形態では、組成物は、閉経前の女性の避妊、ならびに閉経後の女性の(のぼせなどの血管運動性障害の治療のためなどの)ホルモン補充療法に、またはエストロゲン補給が有益となるはずの他のエストロゲン不足状態において使用することができる。組成物は、白血病、子宮内膜切離、慢性腎疾患もしくは肝疾患、または血液凝固疾患もしくは障害などの、無月経が有利である病態においても使用することができる。
【0105】
本発明を以下の実施例によってさらに例示する。実施例は、例示目的で示すにすぎない。実施例は、本発明の範囲または内容を限定する意にとられることは決してない。
【0106】
実施例
【実施例1】
【0107】
ビタミンEを含有するBZA/CE錠の調製方法
この開示の医薬組成物は、以下のように調製した。例となる作業条件(たとえば、成分、ブランド、量、温度、時間)を明らかにした場合、別段記述しない限り、当業者によって決定される他の適切な作業条件も使用してよいことになる。
【0108】
I.結合型エストロゲンの不活性充填剤入り錠剤の調製
造粒/混和工程
4サブロットを以下のように造粒した。
1.ラクトース一水和物、微結晶性セルロース、ヒプロメロース2208(100,000cps)、ラクトースと共に完全に乾燥させたCE、および残りのラクトース一水和物を、1000L容中間バルク容器(IBC)に装入した。材料をCollette UltimaGralに移し、約6分間混和した。
2.ステップ1の混和物を、85rpmの連続的なインペラおよび1500rpmの断続的な細断機を備えたCollette造粒機に目標速度17kg/分で精製水を加え始めることにより造粒した。水の添加および湿式塊状化の合計時間は、約8分であった。
3.湿った顆粒(granulation)を、3.96mmの丸形篩および目標製粒速度1200rpmを用いてQuadro Comilに通して流動床乾燥機に入れた。
4.顆粒を、入り口温度設定点が約60℃の流動床乾燥機で乾燥させて、2.0%±0.5%の目標造粒乾燥減量(LOD)水分含量を実現した。
5.乾燥した顆粒を、1.27mmの摩砕篩を使用して、次の製粒スピード、すなわち1200rpmを用いる段階1および2、1000rpmの段階3、および150rpmの段階4の4段階でQuadro Comilに通し、2200L容IBCに入れた。
6.乾式製粒された4サブロットの顆粒を含有する2200L容IBCをDouble Pedestal Bin Blenderに移し、約10分間8rpmで混和した。
7.ステアリン酸マグネシウムを12番篩を介してステップ6の混和物に加え、得られた混和物を約5分間撹拌した。
注:加えるステアリン酸マグネシウムの量は、混和する顆粒の質に基づき、1錠剤ベースで調整すべきである。
【0109】
圧縮
1. 0.412”×0.225”×0.034”(10.45mm×5.72mm×0.86mm)楕円形成形型を備え付けたFette 2090i錠剤成形機を使用して、「Fillomatic」速度を10〜120rpmとし、目標速度2250〜4000tpmで顆粒を錠剤に圧縮した。
2.圧縮コア錠剤重量は、約120mgであった。
【0110】
圧縮コアCE錠、0.45mg/錠剤の量的な処方を表3に示す。
【0111】
【表3】

【0112】
他のCE強度、たとえば、0.625mg/錠剤または0.1〜1.0mg/錠剤を使用してもよい。
【0113】
不活性充填剤懸濁液の調製
1.低剪断混合を用い、適量の精製水を、低および高剪断ミキサーを備え付けた適切なジャケット付き混合容器に入れ、容器温度を25±5℃に設定した。
2.高剪断混合を用い、真空下で容器にヒドロキシプロピルセルロースを加え、分散するまで混合した。
3.高剪断混合を用い、真空下で容器にヒプロメロース2910(E6)を加え、分散するまで混合した。
4.得られた混合物を低および高剪断混合で混合して、均質な懸濁液を得た。
5.高および低剪断混合を用い、容器にヒプロメロース2910(E15)を加え、分散するまで混合した。
6.低剪断混合を用い、容器に手作業でポリエチレングリコールを加え、分散するまで混合した。
7.高剪断混合を用い、真空下で容器にスクロースを加え、高剪断で混合して、均質な懸濁液を得た。
8.高剪断混合を用い、真空下で容器に微結晶性セルロースを加え、分散するまで混合した。
9.充填剤懸濁液の適用が完了するまで、低剪断を使用しながら23±5℃で懸濁液の混合を続けた。
【0114】
1Kgの不活性充填剤懸濁液の処方を表4に示す。
【0115】
【表4】

【0116】
錠剤コーティング手順
1.結合型エストロゲン圧縮コア錠剤を穴のあるコーティング槽に装入した。
2.平均圧縮コア重量の90mg(±5mg)増しの平均充填剤固形物増重量を実現するのに十分な不活性充填剤懸濁液を圧縮コアに適用する。(個々の充填剤入り錠剤重量の暫定的警戒レベル:錠剤あたり187〜243mg、n=300)
3.完成錠剤を、ポリ袋で二重に内張りしてあるか、または乾燥剤を用いるのと同等の容器に入れて貯蔵した。
4.完成不活性充填剤入り錠剤の重量は、約210mgであった。
注:加えるステアリン酸マグネシウムの量は、混和する顆粒の量に基づき、1錠剤ベースで調整すべきである。
【0117】
不活性充填剤入りCE錠剤の量的な処方を表5に示す。
【0118】
【表5】

【0119】
II.バゼドキシフェン酢酸塩充填剤懸濁液の調製
手順
1.低剪断(Lightnin型)および高剪断(Silverson型または同等物)ミキサーを備え付けた適切な混合容器に、適量の精製水を入れた。水の重量を記録した。
2.ミキサーをオンにした状態で、水を65〜85℃(目標75℃)に加熱し、約1時間その温度に保った。
3.ミキサーの速度を、水に空気が入ることなく渦流が生じるように調整した。ミキサーの速度を記録した。
4.渦流にスクロースパルミチン酸エステルをゆっくりと加え、完全に分散するまで混合した。必要に応じて高剪断ミキサーを使用した。過度の泡立ちは回避すべきである。分散が完了する時間を記録した(約30〜60分)。ミキサーになされた調整があれば記録した。
5.渦流にヒプロメロースをゆっくりと加えた。懸濁液温度を65〜85℃(目標75℃)に保った。ミキサーの速度は、十分な混合が実現されるように調整してよい。しかし、懸濁液への空気の導入は最小限に抑えるべきである。すべてのヒプロメロースを、塊を形成させることなく十分に分散させた。必要に応じて高剪断ミキサーを使用した。過度の泡立ちは回避すべきである。分散が完了する時間を記録した(約30〜60分)。ミキサーになされた調整があれば記録した。
6.懸濁液を60〜70℃(目標65℃)に冷却した。渦流にスクロースをゆっくりと加え、完全に溶解するまで混合を続けた。溶解する時間を記録した(約30分)。ミキサーになされた調整があれば記録した。
7.懸濁液を23〜27℃(目標25℃)に冷却した。懸濁液を視覚によって検査して、残った粒子がないことを確認した。
8.温度が23〜27℃(目標25℃)に達した後、dl−αトコフェロールをゆっくりと加え、完全に溶解するまで混合を続けた。溶解する時間を記録した(約15〜30分)。ミキサーになされた調整があれば記録した。
9.渦流にBZAをゆっくりと加えた。加えたなら、高剪断ミキサーをオンにし、完全に分散するまで混合を続けた。過度の泡立ちは回避すべきである。分散が完了する時間を記録した(約15〜30分)。中身を視覚によって検査して、懸濁液が満遍なく分散したことを確認した。ミキサーになされた調整があれば記録した。
10.すべてのミキサーをオフにし、タンク壁面およびミキサー軸をこすってきれいにした。以前の設定を使用して、ミキサーを再スタートさせ、混合した。必要なら追加の(精製)水を加えて、理論重量に到達させ、混合をさらに10〜15分間続けた。中身を視覚によって検査して、懸濁液が満遍なく分散したことを確認した。高剪断ミキサーをオフにした。
11.適用する間、低速のミキサーで懸濁液の混合を続け、その間温度は23〜27℃(目標25℃)に保った。ミキサー速度はすべて記録した。
注:上記ステップはすべて、適切な設備が利用可能でない場合、周囲温度で実施することができる。しかし、賦形剤を溶解または懸濁させるために、混合時間を延長する必要がある場合もある。スクロースパルミチン酸エステル、HPMC、およびスクロースは、混合容器が真空下にある場合、50〜65℃(目標60℃)で混和物として加えることができる。BZA、アスコルビン酸、およびスクロースは、混合容器が真空下にある場合、23〜27℃(目標25℃)で混和物として加えることができる。
【0120】
1kgのバゼドキシフェン酢酸塩充填剤懸濁液(20%w/wの固形物)の量的処方を表6に示す。
【0121】
【表6】

【0122】
III.フィルム/カラーコート懸濁液の調製
手順
1.低剪断(Lightnin型)ミキサーを備え付けた適切な大きさのステンレス鋼製容器に、室温の適量の精製水を加えた。水の重量を記録した。
2.プロペラを中央かつ容器底面のできるだけ近くに据え、水を撹拌して、液体に空気を入れることなく渦流を生成した。
3.渦流に直接Opadryブラウンを絶え間なく加えた(Opadryブラウンは、Colorcon、米国ペンシルヴェニア州West Pointによって製造された調合コーティング剤であり、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、および酸化鉄を含有するものであった)。必要に応じて低剪断ミキサーの速度を上げて、渦流を維持した。水面に粉末が浮くことは回避すべきである。
4.Opadryブラウンをすべて加えきった後、ミキサー速度を下げて、渦流を消失させ、約45〜60分間静かに混合した。
5.コーティング剤を適用する間、混合を静かに続けた。
注:懸濁液/溶液は、室温で貯蔵する場合、36時間以内に使用する。水および懸濁液の温度は、25℃(15〜35℃)を目安に保つことができる。
【0123】
1kgのフィルムコート懸濁液(12.5%w/wの固形物)の量的な処方を以下に示す。
【0124】
【表7】

【0125】
Opadryブラウンの代わりに、等量のOpadryピンク03B14899(Colorcon、米国ペンシルヴェニア州West Point)または他の色を使用してもよい。
【0126】
IV.クリア/グロスコート溶液の調製
手順
1.低剪断(Lightnin型)ミキサーを備え付けたステンレス鋼製容器に、室温の適量の精製水を加えた。水の重量を記録した。
2.プロペラを中央かつ容器底面のできるだけ近くに据え、水を撹拌して、液体に空気を入れることなく渦流を生成した。
3.渦流に直接Opaglos 2クリア(Colorcon、米国ペンシルヴェニア州West Point)を絶え間なく加えた。必要に応じて低剪断ミキサーの速度を上げて、渦流を維持した。水面に粉末が浮くことは回避すべきである。
4.Opaglos 2クリアをすべて加えきった後、ミキサー速度を下げて、渦流を消失させ、約45〜60分間静かに混合した。
5.コーティング剤を適用する間、混合を静かに続けた。
注:懸濁液/溶液は、室温で貯蔵する場合、36時間以内に使用する。水および懸濁液の温度は、25℃(15〜35℃)を目安に保つことができる。
【0127】
1kgのクリアコート溶液(5.0%w/wの固形物)の量的な処方を以下に示す。
【0128】
【表8】

【0129】
V.錠剤コーティング手順
手順
1.(たとえば上記セクションIで調製される)結合型エストロゲンコーティング錠を、穴のあるコーティング槽に装入した。
2.十分なバゼドキシフェン酢酸塩充填剤懸濁液を、ステップ1の充填剤入りCE錠剤に適用して、不活性充填剤入り錠剤重量の100mg(±2mg)増しの総重量を実現した(錠剤あたり約500mgのバゼドキシフェン酢酸塩充填剤懸濁液)。
3.約16mg(±1mg)のポリマーカラーコート(Opadryブラウン03B96519)を錠剤に適用して、所望の着色を実現した(錠剤あたり約128mgのカラー懸濁液)。
4.約4mg(±1mg)のポリマーグロスコート(Opaglos 2クリア98Z19173)を錠剤に適用して、申し分のない光沢を得た(錠剤あたり約80mgの懸濁液)。
5.ダブルラインテキスト印刷ローラーが用いられる適切な印刷機において、Opacode黒色インクWB、NS−78−17821(Colorcon、米国ペンシルヴェニア州West Point)を使用して、錠剤に商標を付した。
6.完成錠剤を、不透明なポリ袋で二重に内張りし、適量の乾燥剤を用いた容器に入れて室温で貯蔵した。別法として、完成錠剤は、不透明なポリ袋および外側のアルミホイルラミネート袋で内張りし、2枚の袋の間に適量の脱酸素剤を用いた容器に入れて室温で貯蔵した。
注:例となる脱酸素剤/酸素吸収剤として、限定はしないが、Multisorb製造のStabilox(登録商標)およびFreshpax(登録商標)、Chevronの脱酸素ポリマー(OSP)、DPIおよびImpakの酸素吸収剤、三菱のAgeless(商標)−Z、CSPのUV活性化型脱酸素剤、Cryovacの脱酸素剤(OS)、ならびにTianhua TechのOxyfree(商標)504(鉄主体および非鉄主体)が挙げられる。
【0130】
VI.ビタミンE(dl−αトコフェロール)を含有するBZA/CE錠の製剤処方
上記方法に従って製造した錠剤は、表7に示すような製剤処方を有するものであった。
【0131】
【表9】

【実施例2】
【0132】
ビタミンE TPGSを含有するBZA/CE錠の調製方法
ビタミンEの代わりにビタミンE TPGSを抗酸化剤として含有する医薬組成物を、以下のバゼドキシフェン酢酸塩充填剤懸濁液の調製に関する工程を変更して、実施例1にあるとおりに調製した。
II.バゼドキシフェン酢酸塩充填剤懸濁液の調製
1.低剪断(Lightnin型)および高剪断(Silverson型または同等物)ミキサーを備え付けた適切な混合容器に、適量の精製水を入れた。水の重量を記録した。
2.ミキサーをオンにした状態で、水を65〜85℃(目標75℃)に加熱し、約1時間その温度に保った。
3.ミキサーの速度を、水に空気が入ることなく渦流が生じるように調整した。ミキサーの速度を記録した。
4.渦流にスクロースパルミチン酸エステルをゆっくりと加え、完全に分散するまで混合した。必要に応じて高剪断ミキサーを使用した。過度の泡立ちは回避すべきである。分散が完了する時間を記録した(約30〜60分)。ミキサーになされた調整があれば記録した。
5.渦流にヒプロメロースをゆっくりと加えた。懸濁液温度を65〜85℃(目標75℃)に保った。ミキサーの速度は、十分な混合が実現されるように調整してよい。しかし、懸濁液への空気の導入は最小限に抑えるべきである。すべてのヒプロメロースを、塊を形成させることなく十分に分散させた。必要に応じて高剪断ミキサーを使用した。過度の泡立ちは回避すべきである。分散が完了する時間を記録した(約30〜60分)。ミキサーになされた調整があれば記録した。
6.得られた懸濁液を60〜70℃(目標65℃)に冷却した。渦流にスクロースをゆっくりと加えた。完全に溶解するまで混合を続けた。溶解する時間を記録した(約30分)。ミキサーになされた調整があれば記録した。
7.秤量した量のビタミンE TPGSを約45℃に加熱して融解させた。2kgの水を65〜85℃(目標75℃)に加熱し、Lightninミキサーを使用して絶え間なく撹拌しながら、融解したビタミンE TPGSを水にゆっくりと加え、約120分間混合した。
8.懸濁液温度を60〜70℃(目標65℃)に保った。Lightninミキサーを使用して絶え間なく撹拌しながら、ステップ7で調製したビタミンE TPGS溶液をゆっくりと加え、約15〜30分間混合した。
9.懸濁液を23〜27℃(目標25℃)に冷却した。懸濁液を視覚によって検査して、残った粒子がないことを確認した。
10.温度が23〜27℃(目標25℃)に達したなら、渦流にBZAを加えた。加えた後、高剪断ミキサーをオンにし、完全に分散するまで混合を続けた。過度の泡立ちは回避すべきである。分散が完了する時間を記録した(約15〜30分)。中身を視覚によって検査して、懸濁液が満遍なく分散したことを確認した。ミキサーになされた調整があれば記録した。
11.すべてのミキサーをオフにし、タンク壁面およびミキサー軸をこすってきれいにした。以前の設定を使用して、ミキサーを再スタートさせ、混合した。必要なら追加の(精製)水を加えて、理論重量に到達させ、混合をさらに10〜15分間続けた。中身を視覚によって検査して、懸濁液が満遍なく分散したことを確認した。高剪断ミキサーをオフにした。
12.適用する間、低速のミキサーで混合を続け、その間温度は23〜27℃(目標25℃)に保った。ミキサー速度はすべて記録した。
注:上記ステップはすべて、適切な設備が利用可能でない場合、周囲温度で実施することができる。しかし、賦形剤を溶解または懸濁させるために、混合時間を延長する必要がある場合もある。スクロースパルミチン酸エステル、HPMC、およびスクロースは、混合容器が真空下にある場合、50〜65℃(目標60℃)で混和物として加えることができる。BZA、アスコルビン酸、およびスクロースは、混合容器が真空下にある場合、23〜27℃(目標25℃)で混和物として加えることができる。
【0133】
1kgのバゼドキシフェン酢酸塩充填剤懸濁液(20%w/wの固形物)の量的処方を表8に示す。
【0134】
【表10】

【0135】
VI.ビタミンE TPGSを含有するBZA/CE錠の製剤処方
上記方法に従って製造した錠剤は、表9に示すような製剤処方を有するものであった。
【0136】
【表11】

【実施例3】
【0137】
BZA/CE錠におけるバゼドキシフェンの溶出(AA/Tween(登録商標)法)
バゼドキシフェンの溶出を、装置1(バスケット)を75rpmで使用し、0.2%のモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80またはTween(登録商標)80)を含有する10mMの酢酸溶液900mL中にて、37℃±0.5℃で測定した。サンプルをオンラインUV(光ファイバー)またはオフラインUVのいずれかによって分析した。溶出サンプルのオンラインUV分析では、UV分光光度計を使用して、指定の(1つまたは複数の)時点で、300nm(吸収極大または吸収極大付近の波長)および360nm(ベースライン補正波長)の吸光度をin situで同時に測定し、オフラインUV分析では、指定の(1つまたは複数の)時点で、濾過した溶出媒質のサンプルを取得し、同じ吸光度を測定した。どちらの分析でも、溶出したバゼドキシフェンの量は、300nmの吸光度から360nmの吸光度を減じ、その吸光度を標準溶液の吸光度と対照することにより決定した。
【0138】
溶出媒質の調製
1.20gのTween(登録商標)80を、Tween(登録商標)80が完全に溶解するまで(これは、視覚による検査によって確認することができる)加熱しながら撹拌することにより、約500mLのUSP精製水に溶解させた。
2.6mLの氷酢酸および溶解させたTween(登録商標)80溶液を、8Lの水を含んでいた10L容器に移した。
3.得られる溶液を精製水で10Lに希釈した。
注:比率が一定に保たれる限り、調製する体積を調整してもよい。オンラインUV分析には溶出媒質の適度な脱気が必要である。AA/Tween(登録商標)に代えて、0.02N HCl溶液を代替溶出媒質として使用することもできる。
【0139】
標準物質の調製
二通りのバゼドキシフェン酢酸塩基準標準液を、以下のように、試験する錠剤のラベル表示量を900mLの溶出媒質に完全に溶解させた濃度に等しい最終濃度で、別個の低化学線メスフラスコに調製した。
1.以下の表に示す量のバゼドキシフェン酢酸塩基準標準物質を、50mL容低化学線メスフラスコに二通りに(保存標準物質AおよびBとしてラベルする)正確に量り入れ、保存標準希釈液で溶解させ、メスアップした。これらを保存標準調製物AおよびBとした。
2.以下の表により、各保存液について、7mLを溶出媒質で希釈して250mL容低化学線メスフラスコに入れ、メスアップした。これらを作業標準液AおよびBとした。
【0140】
【表12】

【0141】
溶出手順
1.溶出には装置1を75rpmで使用し、900mLの溶出媒質を用い、USP(米国薬局方および国民医薬品集)にある指示どおりに溶出を進めた。
2.標準およびサンプル調製物の吸光度を、約240nm〜400nmの範囲にわたりブランク溶液(溶出媒質)に対して測定し、分析吸光度を300nmで、ベースライン補正吸光度を360nmで測定した。
【0142】
計算
1.バゼドキシフェンサンプル溶液のT1、2、3…時点での吸光度(AT1,T2,T3…)および基準標準液の吸光度(A)を取得した。
2.作業標準液のバゼドキシフェン濃度(Cr)(mg/mL)を以下のとおりに算出した。
Cr(mg/mL)=(W)(S)(V2)/(V1)(Vr3)
式中:
=基準標準物質の重量、mg
S=遊離塩基としての基準標準物質のuse−at値、小数
1=保存標準液の総体積、mL
2=保存標準液のピペット採取量、mL
3=作業標準液の体積、mL
3.各サンプルについて、T1、2、3…時点の放出されたバゼドキシフェンのミリグラム量(RT1,T2,T3…)を算出した。
T1=(AT1)(C)(V)/(A
T2=(AT2)(C)(V)/(A
T3=(AT3)(C)(V)/(A
式中:
V=媒質の体積、mL
4.T1、2、3…時点の放出されたバゼドキシフェンのパーセント(%RT1,T2,T3…)を算出した。
%RT1=(RT1)(100)/LC
%RT2=(RT2)(100)/LC
%RT3=(RT3)(100)/LC
式中:
LC=錠剤のラベル表示量、mg
【実施例4】
【0143】
バゼドキシフェン酢酸塩、アスコルビン酸、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する錠剤の溶出
バゼドキシフェン酢酸塩、アスコルビン酸、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する錠剤の溶出を、実施例3に記載の手順と類似の手順に従って試験した。試験の結果を図1〜3に示す。
【0144】
試験に使用した錠剤は、表10に示す以下の組成を有するものであり、実施例1に記載の手順と類似の手順に従って調製した。
【0145】
【表13】

【0146】
図2に示すように、錠剤を時間を経て貯蔵した後、バゼドキシフェン酢酸塩錠剤の溶出速度の実質的な遅延が観察された。たとえば、開放皿にて、40℃および75%RHで4週間貯蔵した錠剤からのバゼドキシフェン酢酸塩の溶出速度は、回転速度が75rpmである米国薬局方(USP29−NF24、2673頁)に記載の装置1、ならびに酢酸およびTween(登録商標)80を含有し、pH値が約37℃で約4.0〜約4.5である1段階溶出媒質を用いて試験したとき、30分の時点で初期の値の約98%から約20%に減速した。
【実施例5】
【0147】
BZA/CE錠におけるバゼドキシフェンの分解物の測定
バゼドキシフェンが分解すると、主として、2大分解生成物であるN−オキシドおよび開裂生成物が生成する。長期間貯蔵されると出現し得る他の分解物は、ケトおよびアルデヒド生成物である。バゼドキシフェン分解物のレベルを次のように測定した。バゼドキシフェン酢酸塩(BZA)を含有する錠剤を、サンプル溶媒で抽出し、希釈した(カプセル化錠剤や懸濁液などの他の形態を使用してもよい)。サンプル調製物の一部を、勾配溶離を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーカラムでのクロマトグラフィーにかけた。サンプルクロマトグラムにおけるそのピーク応答を、それに伴って取得したバゼドキシフェン標準物質のピーク応答と対照することにより、分解物を測定した。
【0148】
試薬およびバルク溶液の調製
リン酸溶液−6.8gの一塩基性カリウムおよび1.68gのヘキサンスルホン酸ナトリウム塩を2リットルの水に溶解させた。この溶液のpHをリン酸またはNaOH溶液で3.0に調整した。
サンプル溶媒−500mLのリン酸溶液と500mLのアセトニトリル(ACN)を混合した。
希釈溶媒−等体積のアセトニトリルと水を混合した。
移動相A−約400mgのNHOAcを700mLの水に溶解させた。150mLのACN、150mLのMeOHを加え、十分に混合した。必要なら脱気した。
移動相B−約400mgのNHOAcを200mLの水に溶解させた。650mLのACN、150mLのMeOHを加え、十分に混合した。必要なら脱気した。
注:使用する成分間の比率が一定のままである限り、体積を調整してもよい。移動相溶液は、周囲条件下で貯蔵したとき、少なくとも50日間安定であるものとする。移動相溶液は、使用しないときはきつくふたを締めておく。
【0149】
対照溶液の調製
1.BZA分解物保存液:約8mgの開裂物、各4mgのケトおよびN−オキシド、ならびに3mgのアルデヒドを、4本の別個の50mL容フラスコに量り入れ、希釈溶媒に溶解させた。
2.対照保存液:約57mgのバゼドキシフェン酢酸塩基準標準物質を秤量し、50mL容メスフラスコに移した。約30mLのサンプル溶媒を加えた。溶液を少なくとも10分間音波処理して溶解させた。上で調製した各分解物保存液2mLを、ピペットでこのフラスコに移し、サンプル溶媒でメスアップした。この保存対照サンプル調製物は、ピークの同定のために、バゼドキシフェンと、開裂、ケト、N−オキシド、およびアルデヒド生成物のそれぞれとを含有するものとした。
3.アスコルビン酸溶液:約20mgのアスコルビン酸を100mL容メスフラスコに量り入れ、サンプル溶媒で溶解させ、メスアップすることにより、新鮮な溶液を調製した。
4.作業対照溶液1:正確な等体積の対照保存液とサンプル溶媒を混合した。
5.作業対照溶液2:正確な等体積の対照保存液と50μLのアスコルビン酸溶液を混合した。
注:分解物(開裂、ケト、N−オキシド、およびアルデヒド生成物)は、ピークの同定に使用するものである。これら分解物の正確な重量は必要とならない。化学はかりを使用して分解物を秤量するのが適切である。
【0150】
溶液調製物のシグナル確認
5mLの作業標準調製物をピペットで100mL容メスフラスコに取り、サンプル溶媒でメスアップした。これを、バゼドキシフェン濃度が0.5μg/mLのシグナル対ノイズ(S/N)溶液とした。
【0151】
標準調製物
保存標準物質
1.約57mg(Wr)のバゼドキシフェン酢酸塩(BZA)基準標準物質を二通りに秤量し、2本の別個の50mL容メスフラスコに移した。約30mLの希釈溶媒を加えた。
2.両方の溶液を約10分間音波処理して溶解させ、次いで希釈溶媒でメスアップした。これらをBZA保存標準液および検査標準液とした。それぞれが、約1mg/mLのバゼドキシフェンを含有するものであった。
作業標準物質
2本の別個の200mL容メスフラスコに、2.0mLの各保存標準液をピペットで取り、サンプル溶媒でメスアップし、十分に混合した。これらをBZA作業標準液および検査標準液とした。
注:ピペットで取った体積(少なくとも2mL)および標準調製物の体積は、希釈係数が一定のままであるという条件で、変更してもよい。計算に適切な調整がなされなければならない。
【0152】
サンプル調製
1.10錠を、適切な大きさ(サンプル溶媒の使用予想体積より50〜100%大きいもの、以下の表を参照のこと)のガラス製容器に入れた。
2.適切な体積のサンプル溶媒を容器に加え、きつくふたを締めた。機械式振盪機を使用して、サンプルを約60〜90分間激しく振盪した。
注:抽出工程は、錠剤剤皮からBZAを溶出させるように設計されているので、錠剤コアの一部または全部が完全に崩壊しない可能性もあった。
3.サンプルの一部を遠心分離にかけて、透明な溶液を得た。これを作業サンプル調製物(1mg/mLのバゼドキシフェン)とした。
【0153】
【表14】

【0154】
備品の準備
1.検出器は220nmに設定した。
2.カラム温度は30℃に設定した。
3.注入体積は20μLに設定した。
4.流量は毎分1.0mLに設定した。
5.勾配プログラム−移動相Bをポンプで20分間カラムに通し、20分間または安定なベースラインが得られるまで(30%Bの)初期条件に切り換え、次いで以下の線形勾配プログラムに従った。
【0155】
【表15】

【0156】
クロマトグラフィー
1.サンプル溶媒は2回注入した。最初の注入は、カラムコンディショニングとして使用した。
2.作業対照溶液1を注入した。
3.試験サンプルがアスコルビン酸を含有していた場合に限り、アスコルビン酸を含有する作業対照溶液2を注入した。
4.サンプル溶媒を再び注入して、システムを清浄化した。
5.S/N確認溶液を注入した。S/N値は、10未満にすべきである。
6.標準調製物を注入した。バゼドキシフェンピークの保持時間は、16分〜26分の間であるべきである。
7.標準調製物をもう2回注入した。(サンプル注入後の注入を含めた)すべての標準注入のC.V.は、5.0%を超えるべきでない。
8.検査標準調製物を注入した。検査標準調製物対標準調製物のBZAの一致は、以下の計算に従って、95.0%〜105.0%の間でなければならない。
一致%=(Ac)(Ws)(100)/(As)(Wc)
式中:
As=標準調製物からのバゼドキシフェンの平均ピーク面積応答
Ws=標準を調製する際に使用したバゼドキシフェン酢酸塩の重量、mg
Ac=検査標準調製物からのバゼドキシフェンのピーク面積応答
Wc=検査標準を調製する際に使用したバゼドキシフェン酢酸塩の重量、mg
9.サンプル調製物を注入した。
10.最後のサンプル調製物注入後に標準調製物を注入した。サンプル注入の実施を延長する際、5〜10回毎のサンプル注入後に標準調製物を注入し直した。
【0157】
計算
標準物質濃度
バゼドキシフェン(BZ)の濃度を、各標準調製物で以下の等式から算出した(Cr)。
Cr(mg/mL)=(Wr)(S)/(Vr)(D)
式中:
Wr=バゼドキシフェン酢酸塩基準標準物質の重量、mg
S=バゼドキシフェン遊離塩基のuse−at値、小数
Vr=保存標準液の体積、mL
D=標準調製物の追加希釈係数
分解物の計算
1.バゼドキシフェンと同じ保持時間を示さなかったサンプルクロマトグラムのピーク面積を求めた。ブランククロマトグラムのピークと同じ保持時間および面積を有したピークは無視した。最初の4分で溶離されたピーク(結合型エストロゲンコアからのものである)は無視した。
2.錠剤/カプセル化錠剤の分解物パーセントを次の等式から算出した。
分解物%=(Aspl)(Cr)(Vs)(Ds)(RF)(100)/(Astd)(LC)(N)
式中:
spl=サンプルクロマトグラムからの分解物ピークの面積
Cr=標準濃度、mg/mL
std=標準調製物クロマトグラムからのBZの平均面積
Vs=サンプル調製物の体積、mL
Ds=サンプル希釈係数
RF=(BZに対する)分解物の応答係数
100=換算係数、%
LC=BZのラベル表示、mg/錠剤
N=錠剤の数
3.既知の様々な分解物の応答係数:
開裂生成物=0.813
ケト=1.116
N−オキシド=1.013
アルデヒド=1.247
【実施例6】
【0158】
バゼドキシフェン酢酸塩とアスコルビン酸またはビタミンEとを含有する錠剤の生物学的利用能調査
BZA/CE錠におけるバゼドキシフェンの生物学的利用能を、約24人の健康な閉経後女性において調査して、少なくとも22人の対象で完了した。試験物および比較治療は以下のとおりであった。
−治療A(試験物):BZA/CE 20mg/0.625mg配合錠のビタミンE含有製剤(A形態)、および
−治療B(比較治療):BZA/CE 20mg/0.625mg配合錠のアスコルビン酸含有製剤。
【0159】
各期間において、2つのランダム化シーケンスの一方に従い、対象に、試験物、すなわち治療A、または比較治療、すなわち治療Bの1回量のどちらかを与えた。少なくとも10時間の終夜の絶食の後、1日目のほぼ08:00に、対象に各経口1回量を240mLの室温の水と共に与えた。24時間にわたり指定の時間に血液サンプルを採取し、血漿を分離し、BZAおよび結合型エストロゲン(エストロンのみ)について検討した。図16および表2に示すとおり、1mg/錠剤のビタミンEを含有するBZA/CE製剤におけるBZAの生物学的利用能は、Cmax(最高到達濃度)およびAUC(曲線下面積、総露出量)の両方に関して、2mg/錠剤のアスコルビン酸を含有する製剤(図16の「A形態」)より高かった。詳細には、BZAを含有する外層中のアスコルビン酸(1mg/錠剤)をビタミンE(1mg/錠剤)で置き換えたとき、CmaxおよびAUCがそれぞれ約43%および約12%増加した。
【0160】
本明細書で詳述したこれらの実施形態に加えて、この開示の様々な変更形態が、前述の記述から当業者に明らかとなろう。そのような変形形態も、付属の特許請求の範囲内に含まれるものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性を高める方法であって、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含むように医薬組成物を製剤することを含み、前記医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法。
【請求項2】
医薬組成物におけるバゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩の溶出安定性を高める方法であって、
水に湿潤剤を加え、湿潤剤が水中に実質的に分散するまで混合して、懸濁液を生成し、
前記懸濁液に結合剤を加え、結合剤が懸濁液に実質的に分散するまで混合し、
前記懸濁液に充填剤を加え、充填剤が懸濁液に実質的に溶解するまで混合し、
前記懸濁液にビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を加え、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方が懸濁液に実質的に溶解するまで混合し、
前記懸濁液にバゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を加え、バゼドキシフェンが懸濁液に実質的に分散するまで混合することにより、
アスコルビン酸を実質的に含有しないバゼドキシフェン懸濁液を調製するステップと、
結合型エストロゲンを含むコアを用意するステップと、
前記バゼドキシフェン懸濁液を含む少なくとも1重の層を前記コアに適用するステップと、
前記少なくとも1重の層を乾燥させて、アスコルビン酸を実質的に含有しないバゼドキシフェン剤皮を有し、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む剤皮を有する医薬組成物と比べて溶出安定性が高められている医薬組成物を製造するステップとを含む方法。
【請求項3】
バゼドキシフェン剤皮が、剤皮の約0.01重量%〜約10重量%をビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方として含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
バゼドキシフェン剤皮が、剤皮の約10重量%〜約40重量%をバゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩として含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
充填剤が、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、デキストリン、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、セルロースガム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、金属アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、および金属炭酸塩のうちの少なくとも1種を含み、
結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、コポビドン、キサンタンガム、およびグアーガムのうちの少なくとも1種を含み、
湿潤剤が、スクロースパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、金属アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドクセートナトリウム、四級アンモニウムアミン化合物、脂肪酸の糖エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、脂肪酸のグリセリド、およびポリグリコール化グリセリドのうちの少なくとも1種を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
充填剤がスクロースである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
湿潤剤がスクロースパルミチン酸エステルである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
充填剤がスクロースであり、結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、湿潤剤がスクロースパルミチン酸エステルである、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
バゼドキシフェン酢酸塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、アスコルビン酸とを含む医薬組成物において、バゼドキシフェン酢酸塩およびヒドロキシプロピルメチルセルロースの少なくとも一方と、アスコルビン酸およびアスコルビン酸の1種または複数の分解生成物のうちの少なくとも1種との相互作用を低減する方法であって、前記医薬組成物において、前記アスコルビン酸の一部または全部を、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方で置き換えることを含む方法。
【請求項11】
バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの生物学的利用能を高める方法であって、ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含むように医薬組成物を製剤することを含み、前記医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法。
【請求項12】
バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、充填剤、結合剤、湿潤剤、ならびにビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含む医薬組成物であって、アスコルビン酸を実質的に含有せず、前記医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性が、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性と比べて高められている医薬組成物。
【請求項13】
約10重量%〜約40重量%をバゼドキシフェンとして含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
充填剤が、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、デキストリン、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、セルロースガム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、金属アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、および金属炭酸塩のうちの少なくとも1種を含み、
結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、コポビドン、キサンタンガム、およびグアーガムのうちの少なくとも1種を含み、
湿潤剤が、スクロースパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、金属アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドクセートナトリウム、四級アンモニウムアミン化合物、脂肪酸の糖エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、脂肪酸のグリセリド、およびポリグリコール化グリセリドのうちの少なくとも1種を含む、
請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
充填剤がスクロースである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
湿潤剤がスクロースパルミチン酸エステルである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
充填剤がスクロースであり、結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、湿潤剤がスクロースパルミチン酸エステルである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項19】
結合型エストロゲンを含むコアと、
バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、充填剤、結合剤、湿潤剤、ならびにビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を含む少なくとも1重の剤皮と
を含む医薬組成物であって、
前記の少なくとも1重の剤皮は、アスコルビン酸を実質的に含有せず、
前記医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性が、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性と比べて高められている医薬組成物。
【請求項20】
全組成物の約45重量%〜約80重量%をコアが占める、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
コアが、約0.1mg〜約1.25mgの結合型エストロゲンを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
バゼドキシフェンの薬学的に許容できる塩がバゼドキシフェン酢酸塩である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
全組成物の約3重量%〜約10重量%をバゼドキシフェンとして、全組成物の約5重量%〜約30重量%を充填剤として、全組成物の約3重量%〜約10重量%を結合剤として、全組成物の約0.01重量%〜約2重量%を湿潤剤として、全組成物の約0.01重量%〜約2重量%をビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方として含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方を約0.1重量%以上含む、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
充填剤が、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、デキストリン、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、セルロースガム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、金属アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、および金属炭酸塩のうちの少なくとも1種を含み、
結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、コポビドン、キサンタンガム、およびグアーガムのうちの少なくとも1種を含み、
湿潤剤が、スクロースパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、金属アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドクセートナトリウム、四級アンモニウムアミン化合物、脂肪酸の糖エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、脂肪酸のグリセリド、およびポリグリコール化グリセリドのうちの少なくとも1種を含む、
請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項26】
充填剤がスクロースである、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項28】
湿潤剤がスクロースパルミチン酸エステルである、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項29】
充填剤がスクロースであり、結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、湿潤剤がスクロースパルミチン酸エステルである、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項30】
少なくとも1種の結合型エストロゲンを含み、全組成物の約45重量%〜約80重量%を構成するコア錠剤と、
全組成物の約4重量%〜約8重量%のバゼドキシフェン酢酸塩、
全組成物の約10重量%〜約20重量%のスクロース、
全組成物の約4重量%〜約8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、
全組成物の約0.2重量%〜約0.6重量%のスクロースパルミチン酸エステル、
全組成物の約0.1重量%〜約2重量%のビタミンEおよびビタミンE TPGSの少なくとも一方
を含む、アスコルビン酸を実質的に含有しない外層とを含み、
但し、組成物の合計%は100%である医薬組成物であって、
前記医薬組成物におけるバゼドキシフェン酢酸塩の溶出安定性が、バゼドキシフェン酢酸塩とアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェン酢酸塩の溶出安定性と比べて高められている医薬組成物。
【請求項31】
脱酸素剤と共にパッキングされた請求項19に記載の医薬組成物を含む製品。
【請求項32】
バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性を高める方法であって、没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTのうちの少なくとも1種を含むように医薬組成物を製剤することを含み、前記医薬組成物は、アスコルビン酸を実質的に含有しない方法。
【請求項33】
バゼドキシフェンまたは薬学的に許容できるその塩、充填剤、結合剤、湿潤剤、ならびに没食子酸プロピル、クエン酸、およびBHA/BHTのうちの少なくとも1種を含む医薬組成物であって、アスコルビン酸を実質的に含有せず、前記医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性が、バゼドキシフェンとアスコルビン酸とを含む医薬組成物におけるバゼドキシフェンの溶出安定性と比べて高められている医薬組成物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−93902(P2011−93902A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−240338(P2010−240338)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】