説明

抗酸化剤

【課題】各種分野で幅広く使用できるような抗酸化剤を提供する。
【解決手段】本発明の抗酸化剤は、ヒドロキシアパタイト粉末を焼成したものからなるものであり、こうした抗酸化剤は、ヒドロキシアパタイト粉末を特定条件で焼成することによって得ることができ、食品、化粧料、皮膚外用剤等、様々な分野で適用できるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、化粧料、皮膚外用剤、空気浄化用フィルター、血液浄化等、様々の分野で用いられる抗酸化剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記各種分野においては、様々な抗酸化剤が使用されている。こうした抗酸化剤は、食品や化粧料に添加し、その品質を保持する目的で使用される場合と、生体内に投与することによって、生体内酸化によって発生する活性酸素を消去または低減する(即ち、生体内酸化の防止)目的で使用される場合がある。
【0003】
特に、上記活性酸素は、皮膚表面における皮脂の酸化により生じる過酸化脂質の生成の原因となる物質であり、過酸化脂質は皮膚のタルミやシワ等の老化現象を招くものとして知られている。また、活性酸素の存在は、脳卒中、動脈硬化、心筋梗塞等の各種疾患と関連性があると言われている。
【0004】
こうしたことから、活性酸素を消去・低減することは上記各種疾患を予防する上でも有用であり、活性酸素を消去・低減する機能を発揮させる各種抗酸化剤の研究開発がなされている。また抗酸化剤の使用方法(投与方法)は、その用途によっても様々である。例えば、食品の添加物として含有させて体内に摂取する方法(例えば、特許文献1)、化粧料や皮膚外用剤の添加物として含有させて皮膚表面における過酸化脂質(活性酸素)の発生を直接的に予防・低減する方法(例えば、特許文献2)、等がある。また、空気浄化用フィルターに含有させることによって、たばこの紫煙や排ガス中に含まれる臭気成分を除去するのに有効であることが知られている(例えば、特許文献3)。更に、血液透析などの血液浄化治療の際に、血液中の活性酸素種の除去剤として抗酸化剤を使用することも知られている(例えば、特許文献4)。
【0005】
これまで提案されている抗酸化剤は、その用途によって多種多様であるが、例えば化粧料に用いられる抗酸化剤としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンE等のビタミン類が従来から適用されている。特にビタミンE(トコフェロール)は、化粧料において抗酸化作用を発揮する成分として広く使用されている。
【0006】
また、2種以上の貴金属合金コロイドを有効成分とした抗酸化剤についても提案されている(例えば、特許文献5)。
【0007】
抗酸化剤はこれまで様々なものが提案されており、その使用方法や用途に応じて、要求される性能が異なるものとなるが、各種分野で幅広く使用できるものはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−131916号公報
【特許文献2】特開2005−350399号公報
【特許文献3】特開2005−245258号公報
【特許文献4】特開2006−290840号公報
【特許文献5】特開2006−282654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、各種分野で幅広く使用できるような抗酸化剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決するために、様々な角度から検討を重ねた。その結果、ヒドロキシアパタイト粉末を特定条件で焼成すれば、ヒドロキシアパタイト粉末に抗酸化性の機能を付与でき、しかもその効果は持続できるものであることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明に係る抗酸化剤は、ヒドロキシアパタイト粉末を焼成したものからなる点に要旨を有するものである。このときの焼成温度は300〜1300℃であることが好ましい。この抗酸化剤の基本的な性状は、通常のヒドロキシアパタイト粉末と同様であり、例えばBET比表面積は0.1〜100m2/gのものとなる。また、200℃で3時間の加熱後における乾燥減量が2.5%未満のものとなる。
【0012】
上記のような本発明の抗酸化剤を含有させることによって、希望する機能(抗酸化能)を発揮する食品、化粧料または皮膚外用剤等が得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のように、ヒドロキシアパタイト粉末を特定条件で焼成したものでは、抗酸化性の機能を付与できると共に、その機能も持続できるものとなり、こうしたヒドロキシアパタイト粉末は、各種用途で用いる抗酸化剤として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は実施例14におけるESRスペクトルを示すグラフである。
【図2】図2は比較例9におけるESRスペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の抗酸化剤は、ヒドロキシアパタイト粉末を特定条件で焼成したものであるが、このときの焼成温度は300〜1300℃とすることが好ましい。この焼成温度は、より好ましくは500〜1000℃とするのが良い。このときの焼成雰囲気については、特に限定するものではなく、大気中若しくは不活性雰囲気中(例えば、窒素雰囲気)のいずれも採用できる。また、上記焼成した後は、必要によって粉砕され、平均粒径が1〜30μm程度の粉末とされる。
【0016】
上記条件で焼成したヒドロキシアパタイト粉末(以下、「焼成ヒドロキシアパタイト粉末」と呼ぶことがある)が、抗酸化機能を発揮できる理由については、その全てを解明し得た訳ではないが、おそらく次のように考えることができた。即ち、上記焼成によって、ヒドロキシアパタイトの結晶構造が安定化するために、結晶構造の再構築が行われると考えられ、固体表面に存在するH2Oの離脱・OH基の再配列などが起こり、表面状態の活性が高まる。これによって水素引き抜き反応が起こり、活性酸素等のフリーラジカルを効果的に消去できるものと考えられる。
【0017】
上記のような機構が生じることは、焼成ヒドロキシアパタイト粉末が、200℃で3時間の加熱後における乾燥減量が2.5%未満のものとなることから推測できた(後記実施例参照)。即ち、焼成しないヒドロキシアパタイト粉末では、上記乾燥減量が3%程度以上のものとなるのであるが、特定の焼成条件で得られた焼成ヒドロキシアパタイト粉末で抗酸化性が発揮されるものでは、上記乾燥減量が2.5%未満のものとなる。
【0018】
尚、本発明で焼成ヒドロキシアパタイト粉末の原料となるヒドロキシアパタイト粉末については、通常の製造方法(湿式法)によっても製造できるが(後記実施例参照)、市販のものも使用できる(例えば、「ヒドロキシアパタイト」:太平化学産業株式会社製)。また、結晶形状は特に問わないが、例えば板状結晶や柱状結晶の他、不定形粒子等も含まれる。
【0019】
抗酸化剤の性能を評価する方法としては、DPPH(1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl)ラジカルを用いる方法や、リノール酸を基質としたモデル系を用いたロダン鉄法、等いずれも採用できるが、その簡便性を考慮すれば、前者の方法が適切である。DPPHラジカルを用いる方法は、生体内で発生するラジカルを想定したときに、DPPHが安定な有機ラジカルであることを利用するものであり、DPPHの分解を指標としてフリーラジカル消去能を評価するものである。この方法では、溶液の変色によって、フリーラジカル消去能を視覚的に評価できるものである(後記実施例参照)。
【0020】
本発明の抗酸化剤は各種用途に適用できるものであるが、例えば食品の分野では、種々の形態の健康・栄養補助食品、そば、うどん等の麺類、チューインガム、錠菓、スナック菓子、ビスケット等の菓子類、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品等が挙げられる。
【0021】
また、化粧料の分野では、乳液、洗顔クリーム、洗顔フォーム、パック、マッサージ剤、リップクリーム、モイスチャークリーム等のスキンケア用品、ファンデーション、白粉、口紅、アイシャドー、アイライナー、チークカラー等のメイク用品、マニキュア、石鹸、ボディシャンプー、入浴剤、サンスクリーン剤、デオドラントスプレー等のボディケア用品等が挙げられる。更に、皮膚外用剤の分野では、ニキビや水虫用の軟膏やクリームは勿論のこと、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント剤、スカルプトリートメント剤等の毛髪・頭皮用品等も挙げられるが、これらの用途に限定されるものではない。
【0022】
本発明の抗酸化剤の含有量(添加量)については、各用途に応じて適切な量があるが、例えば、食品については、0.1〜2.5質量%程度、化粧料については、0.1〜20質量%程度、皮膚外用剤については0.1〜20質量%程度が適切である。但し、食品特定用途や、化粧料・皮膚外用剤においては、含有量を制限するものではなく、0.1〜100質量%の範囲で使用可能である。
【0023】
本発明の抗酸化剤を使用するに際しては、焼成ヒドロキシアパタイト粉末だけを抗酸化剤として配合することもできるが、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム等の化合物の1種以上と共に混合物として使用することもできる。また、各用途に応じて通常使用される抗酸化剤と併用して、本発明の抗酸化剤を使用することができる。
【0024】
尚、焼成ヒドロキシアパタイト粉末は、そのままで抗酸化剤として使用できるものであるが、必要に応じて、撥水性を付与し、油剤との相溶性を向上させるという観点から、ジメチコン処理、メチコン処理等の表面処理を行っても良い。また、酸化チタン、酸化亜鉛、マイカ、セリサイト、二酸化珪素等の無機粉体、ナイロンパウダー、ポリアクリル酸パウダー等の有機粉体、有機・無機系、天然系色材との複合化を行っても良い。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0026】
(1)合成法
[方法A]
ステンレス製ビーカーに水酸化カルシウム73.7gと水を入れて、10%水懸濁液とした。この懸濁液を50℃以上に加熱して、30%リン酸液195.1gを滴下し、滴下終了後1時間放置してヒドロキシアパタイトを合成した。反応液を固液分離した後、150℃で乾燥した。得られた粉末を、粉砕および篩分け処理してヒドロキシアパタイト粉末(平均粒径:5.69μm)を得た。また、このヒドロキシアパタイト粉末のBET比表面積は、56.34m2/gであった。
【0027】
得られたヒドロキシアパタイト粉末を用い、電気炉(モトヤマ社製「SBH−2035」)で、下記表2に示す通り、300〜1300℃の温度範囲で焼成し(焼成雰囲気:大気)、焼成ヒドロキシアパタイト粉末を得た(以下、方法Aで得られた粉末を「HAP−A」と呼ぶ)。得られた焼成ヒドロキシアパタイト粉末のBET比表面積は、0.19〜46.65m2/gであった。
【0028】
得られた粉末は、X線回折測定(リガク社製「Multi Flex」)によって、ヒドロキシアパタイト(JCPDS:9−432)であることが確認できた。
【0029】
[方法B]
ステンレス製ビーカーにリン酸水素カルシウム・二水和物120.1gと炭酸カルシウム58.2gと水を入れて、10%水懸濁液とした。90℃に加熱・攪拌し、2時間保持してヒドロキシアパタイトを合成した。反応液を固液分離した後、150℃で乾燥した。得られたヒドロキシアパタイトを粉砕および篩分け処理して、ヒドロキシアパタイト粉末(平均粒径:26.39μm)を得た。また、このヒドロキシアパタイト粉末のBET比表面積は、74.80m2/gであった。
【0030】
得られたヒドロキシアパタイト粉末を用い、電気炉(モトヤマ社製「SBH−2035」)で下記表2に示す通り500℃または1000℃で焼成し(焼成雰囲気:大気)、焼成ヒドロキシアパタイト粉末を得た(以下、方法Bで得られた粉末を「HAP−B」と呼ぶ)。得られた焼成ヒドロキシアパタイト粉末のBET比表面積は、夫々56.73m2/g、6.86m2/gであった。
【0031】
得られた粉末は、X線回折測定(リガク社製「Multi Flex」)によって、500℃の場合、ヒドロキシアパタイト(JCPDS:9−432)と炭酸カルシウム(JCPDS:5−586)の混合物であることが確認できた。また1000℃の場合、ヒドロキシアパタイト(JCPDS:9−432)と酸化カルシウム(JCPDS:37−1497)の混合物であることが確認できた。
【0032】
[方法C]
ステンレス製ビーカーにリン酸水素カルシウム・二水和物102.8gと炭酸カルシウム39.9gと水を入れて、10%水懸濁液とした。この懸濁液を90℃で加熱・攪拌し、2時間保持してヒドロキシアパタイトを合成した。反応液を固液分離した後、150℃で乾燥した。得られたヒドロキシアパタイトを粉砕および篩分け処理して、ヒドロキシアパタイト粉末(平均粒径:22.41μm)を得た。また、このヒドロキシアパタイト粉末のBET比表面積は、80.72m2/gであった。
【0033】
得られたヒドロキシアパタイト粉末を用い、電気炉(モトヤマ社製「SBH−2035」)で500℃または800℃で焼成し(焼成雰囲気:大気)、焼成ヒドロキシアパタイト粉末を得た(以下、方法Cで得られた粉末を「HAP−C」と呼ぶ)。得られた焼成ヒドロキシアパタイト粉末のBET比表面積は、夫々42.6m2/g、7.4m2/gであった。
【0034】
得られた粉末は、X線回折測定(リガク社製「Multi Flex」)によって、ヒドロキシアパタイト(JCPDS:9−432)であることが確認できた。
【0035】
(2)乾燥減量の測定
上記で得られたHAP−Aについて、200℃×3時間の乾燥減量(食品添加物公定書準拠)を測定した。その結果を、焼成温度と共に下記表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
上記の乾燥減量は、HAPの表面に付着したH2Oを示す指標となるものであり、焼成したHAPは、乾燥減量が小さくなることが分かる。
【0038】
(3)DPPHラジカル消去能の測定
過酸化反応の初発反応に係わる活性酸素であるヒドロキシラジカル等を捕捉するラジカル消去能を評価するため、有色で比較低的安定なDPPHラジカルを用いて測定した。10mgのDPPHを50mLのエタノールに溶解し、これを蒸留水で100mLとした。このDPPH溶液5mLに試料(焼成HAP)0.5gを加え、30分後の520nmの吸光度の減少率を測定した。このとき、粉末であるので、10分間12000rpmで遠心分離により固液分離した液を測定液とした。また、視覚的に、紫色から黄褐色へ変色したことを確認した。比較例として、未熱処理品および無機粉体のマイカを用いたときについても測定した。また、既存の抗酸化剤としてビタミンCを用いたときについても測定した。更に、HAP処理品3gと0.02%トコフェロール水溶液/エタノール溶液の混合品、およびトコフェロール水溶液単体で、室温中に5日保管したときのDPPHラジカル消去能の経時変化(1日目、2日目、5日目での変化)を確認した。
【0039】
DPPHラジカル消去能は、下記(1)式に基づいて求めたものである。また、このときのDPPHラジカル消去能と変色の評価基準は下記の通りである。
【0040】
DPPHラジカル消去能=(コントロール30分後の吸光度−試料30分後の吸光度)/(コントロール30分後の吸光度)×100 …(1)
【0041】
[DPPHラジカル消去能の評価基準]
×:0〜5%未満
△:5〜50%未満
○:50〜100%
【0042】
[変色の評価基準]
×:紫→紫
○:紫→(褐色〜黄色)
【0043】
各種HAP処理品についてのDPPHラジカル消去能および変色の評価結果を下記表2に、代表的なHAP処理品についてのDPPHラジカル消去能の経時変化を下記表3に夫々示す。尚、下記表2における評価結果では、DPPHラジカル消去能および変色の組合せが[○−○]または[△−○]であるときに、抗酸化性が有効と評価できるものである。
【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
これらの結果から明らかなように、本発明の要件を満足するもの(実施例1〜9)では、いずれもビタミンCと同様の高い抗酸化性能を示していることが分かる(表2)。また、焼成処理したHAPを添加することによって、高い安定性が得られていることが分かる(表3)。
【0047】
(4)リノール酸モデル系による抗酸化力の測定
リノール酸を基質としたモデル系を用いたロダン鉄法によって、代表的なHAP処理品についての抗酸化力を測定した。0.1Mリノール酸エタノール/水溶液0.5mL、0.1Mリン酸緩衝液4mL、試料(HAP)0.5gを十分混合し、37℃のインキュベータ内に放置した。1日後に試料液の酸化程度を下記のロダン鉄法によって測定した。
【0048】
(ロダン鉄法)
75%エタノール4.7mL、30%チオシアン酸アンモニウム0.1mL、0.02M塩化鉄(II)の3.5%塩酸溶液0.1mLの混合液に、試料液0.1mLを加え、3分後に500nmにおける吸光度を測定した。このとき、比較例としてシリカを用いたときについても測定した。また、既存の抗酸化剤としてトコフェロール(2mg/10mL−70%エタノール溶液)を用いたときについても測定した。更に、上記と同様にして、室温中に4日保管したときの抗酸化力の経時変化(1日目、2日目、4日目での変化)を確認した。
【0049】
各種HAP処理品についての抗酸化力の評価結果を下記表4に、代表的なHAP処理品についての抗酸化力の経時変化を下記表5に夫々示す。
【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
これらの結果から明らかなように、本発明の要件を満足するもの(実施例11、12)では、いずれもトコフェロールと同様の高い抗酸化力を示していることが分かる(表4)。また、焼成処理したHAPを添加することによって、持続的に効果が発揮されていることが分かる(表5)。
【0053】
(5)ESRによるDPPH消去能の確認
上記(3)の測定の際に調製したDPPHブランク液(比較例9)と、それに試料(HAP−600℃処理)を添加したもの(実施例14)の夫々について、ESR(キームコ社製電子スピン共鳴測定装置「JEF−FR30」)によりラジカルの測定を行った。
【0054】
実施例14における測定結果を図1(ESRスペクトル)に、比較例9における測定結果を図2(ESRスペクトル)に夫々示すが、実施例のものでは、DPPH溶液のシグナルは観察されないが、比較例のものではDPPH溶液のシグナルが観察されていることが分かる。比較例のDPPH溶液は、紫色に呈色し、強度比1:2:3:2:1からなる5本線のESR信号を示すが、実施例のものでは、DPPHラジカルが試料により還元されて、水素原子が結合して、ESR信号が消えたと考えられる。
【0055】
(6)化粧品にHAPを配合したときのDPPHラジカル消去能の測定
下記表6に示した配合割合(化粧品全体に対する割合)で、プレストファンデーションを作製し、上記(3)と同様に、DPPHラジカル消去能を調査した。このとき、分かりやすくするために、色材(ベンガラ、黄酸化鉄)を除いて、ベース基材のみで比較した。また、DPPH5mLに対し、試料添加量は2.0g(即ち、HAPとして0.3g)とした。比較例としては、HAPの添加なしのものを用いて測定した。これらの結果を、下記表7に示すがHAPを添加したもの(実施例15)では、HAPを添加しないものに比べて高い抗酸化力を示していることが分かる。
【0056】
【表6】

【0057】
【表7】

【0058】
(7)DPPHラジカル消去能の測定におけるHAP添加濃度の影響
上記(3)の実施例においてHAPの添加量を0.5gから0.05gまたは2.5gに変更してDPPHラジカル消去能と変色を確認した。その結果を、下記表8に示す。表8の通り、DPPHラジカル消去能と変色に関して、低濃度から高濃度までその添加効果が認められることが分かる。
【0059】
【表8】

【0060】
以下に、本発明HAPを用いた各種処方例、および夫々の製造方法を示す。
【0061】
[実施例18](2ウエイファンデーション:配合量)
(1)シリコン処理タルク 8.5質量%
(2)シリコン処理酸化チタン 9.6質量%
(3)シリコン処理セリサイト 30.8質量%
(4)シリコン処理マイカ 20.9質量%
(5)ポリメタクリル酸メチル 10.6質量%
(6)HAP−A(500℃処理品) 5.0質量%
(7)シリコン処理黄酸化鉄 1.7質量%
(8)シリコン処理ベンガラ 0.4質量%
(9)シリコン処理黒酸化鉄 0.1質量%
(10)ジメチルポリシロキサン 6.6質量%
(11)スクワラン 3.6質量%
(12)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 1.2質量%
(13)ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル 0.6質量%
(14)プロピルパラベン(防腐剤) 0.3質量%
(15)トコフェロール 0.1質量%
【0062】
(実施例18の製造方法)
上記(1)〜(9)をヘンシェルミキサーで混合する。次いで、(12)〜(13)に(14)を80℃で加熱溶解した後、(10)、(11)、(15)を加え、均一に混合する。(1)〜(9)に(10)〜(15)を加え、均一に混合する。更に、粉砕を行い、中皿に圧縮成型し、パウダーファンデーション(2ウエイファンデーション)を得る。
【0063】
[実施例19](油性ケーキファンデーション:配合量)
(1)(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理タルク 5.3質量%
(2)(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理酸化チタン 8.0質量%
(3)(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理マイカ 15.0質量%
(4)HAP−A(500℃処理品) 10.0質量%
(5)(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理セリサイト 21.2質量%
(6)(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理ベンガラ 0.5質量%
(7)(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理黄酸化鉄 1.8質量%
(8)(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理黒酸化鉄 0.2質量%
(9)キャンデリラロウ 1.0質量%
(10)カルナウバロウ 1.0質量%
(11)セレシン 1.5質量%
(12)シクロペンタシロキサン 14.0質量%
(13)イソノナン酸イソノニル 17.2質量%
(14)ジイソステアリン酸ポリグリセリル 2.0質量%
(15)パルミチン酸デキストリン 1.0質量%
(16)プロピルパラベン(防腐剤) 0.2質量%
(17)トコフェロール 0.1質量%
【0064】
(実施例19の製造方法)
上記(1)〜(8)を混合し、均一に粉砕する。次に、(9)〜(17)を90℃で加熱混合し、(1)〜(8)を加え均一に攪拌する。脱泡後トレイにバルクを流し込み、室温まで徐冷し、目的の油性ケーキファンデーションを得る。
【0065】
[実施例20](アイシャドー:配合量)
(1)ジメチコン処理タルク 35.7質量%
(2)ジメチコン処理セリサイト 30.0質量%
(3)ジメチコン処理HAP−A(700℃処理品) 5.0質量%
(4)ジメチコン処理ベンガラ被覆雲母チタン 20.0質量%
(5)赤色202号 0.3質量%
(6)スクワラン 4.0質量%
(7)ジメチコン(350cs) 2.0質量%
(8)エチルヘキサン酸セチル 1.9質量%
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 0.8質量%
(10)プロピルパラベン(防腐剤) 0.2質量%
(11)トコフェロール 0.1質量%
【0066】
(実施例20の製造方法)
上記(1)〜(5)をヘンシェルミキサーで混合する。次いで、(8)〜(9)に(10)を80℃で加熱溶解混合した後、(6)、(7)、(11)を加え、均一に攪拌する。(1)〜(5)に(6)〜(11)を加え均一に攪拌する。更に、粉砕を行い、中皿に成型してアイシャドーを得る。
【0067】
[実施例21](頬紅:配合量)
(1)トリエトキシカプリリルシラン処理タルク 12.6質量%
(2)トリエトキシカプリリルシラン処理セリサイト 11.5質量%
(3)トリエトキシカプリリルシラン処理マイカ 60.9質量%
(4)HAP−A(700℃処理品) 6.0質量%
(5)トリエトキシカプリリルシラン処理群青 0.1質量%
(6)トリエトキシカプリリルシラン処理黄酸化鉄 0.1質量%
(7)トリエトキシカプリリルシラン処理ベンガラ 0.4質量%
(8)スクワラン 3.0質量%
(9)パルミチン酸エチルヘキシル 5.0質量%
(10)プロピルパラベン(防腐剤) 0.3質量%
(11)トコフェロール 0.1質量%
【0068】
(実施例21の製造方法)
上記(1)〜(7)をヘンシェルミキサーで混合する。次いで、(9)に(10)を加えて80℃で加熱溶解した後、(8)、(11)を加え均一に混合する。(1)〜(7)に(8)〜(11)を加え均一に混合する。更に、粉砕を行い、中皿に成型して頬紅を得る。
【0069】
[実施例22](乳化ファンデーション O/Wタイプ:配合量)
(1)ステアリン酸 0.4質量%
(2)イソステアリン酸 0.3質量%
(3)エチルヘキサン酸セチル 4.0質量%
(4)ミネラルオイル(70cs) 11.0質量%
(5)POE(10)ステアリルエーテル 2.0質量%
(6)セタノール 0.3質量%
(7)メチルパラベン(防腐剤) 0.2質量%
(8)タルク 15.0質量%
(9)色剤 4.0質量%
(10)HAP−A(1000℃処理品) 3.0質量%
(11)トリエタノールアミン 0.4質量%
(12)1,3−プロパンジオール 5.0質量%
(13)精製水 54.1質量%
(14)プロピルパラベン(防腐剤) 0.2質量%
(15)トコフェロール 0.1質量%
【0070】
(実施例22の製造方法)
85℃にて加熱溶解した(1)〜(7)に、混合粉砕した(8)〜(10)を加え、均一に分散する。これに85℃に加熱溶解混合した(11)〜(15)の混合物を徐々に添加して乳化を行い、室温まで攪拌冷却する。次いで、適切な容器に充填し乳化ファンデーションを得る。
【0071】
[実施例23](アイライナー:配合量)
(1)黒酸化鉄 7.0質量%
(2)酸化チタン 5.0質量%
(3)HAP−A(1000℃処理品) 2.0質量%
(4)酢酸ビニル樹脂エマルジョン 45.0質量%
(5)濃グリセリン 6.0質量%
(6)ラウリン酸POE(20)ソルビタン 1.8質量%
(7)カルボキシメチルセルロース(10%水溶液) 18.0質量%
(8)精製水 14.9質量%
(9)プロピルパラベン(防腐剤) 0.1質量%
(10)香料 0.2質量%
【0072】
(実施例23の製造方法)
上記(8)に(5)、(6)を加え、これに(1)〜(3)を添加し、コロイドミルで処理する(顔料部)。(4)、(7)、(9)、(10)を混合し、70℃で顔料部を加えて均一に分散した後、冷却、充填し、アイライナーを得る。
【0073】
[実施例24](口紅:配合量)
(1)パラフィン 10.0質量%
(2)マイクロクリスタリンワックス 8.0質量%
(3)ワセリン 15.0質量%
(4)流動パラフィン 11.0質量%
(5)(2−ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル
30.0質量%
(6)イソノナン酸イソトリデシル 17.8質量%
(7)HAP−A(500℃処理品) 3.0質量%
(8)赤色104号(1)アルミニウムレーキ 4.0質量%
(9)酸化チタン 1.0質量%
(10)プロピルパラベン(防腐剤) 0.1質量%
(11)トコフェロール 0.1質量%
【0074】
(実施例24の製造方法)
(1)〜(11)を90℃で加熱混合し均一に攪拌する。脱泡後モールドにバルクを流し込み、急冷し、目的の口紅を得る。
【0075】
[実施例25](透明リップグロス:配合量)
(1)パルミチン酸デキストリン 10.0質量%
(2)リンゴ酸ジイソステアリル 45.0質量%
(3)ミネラルオイル(500cs) 43.6質量%
(4)プロピルパラベン(防腐剤) 0.1質量%
(5)トコフェロール 0.1質量%
(6)雲母チタン 0.1質量%
(7)アルミニウム末 0.1質量%
(8)HAP−A(500℃処理品) 1.0質量%
【0076】
(実施例25の製造方法)
(1)〜(5)を90℃に加熱し均一に溶解させ、(6)〜(8)を加え均一に分散させる。高温で容器に充填し、室温まで急冷し、目的のリップグロスを得る。
【0077】
[実施例26](乳液:配合量)
(1)HAP−A(300℃処理品) 2.0質量%
(2)スクワラン 3.0質量%
(3)ジメチルポリシロキサン(100cs) 0.2質量%
(4)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 1.0質量%
(5)POE(60)水素添加ヒマシ油 1.0質量%
(6)カルボキシビニルポリマー 0.2質量%
(7)ヒアルロン酸ナトリウム 1%水溶液 3.0質量%
(8)クインスシードエキス 2%水溶液 5.0質量%
(9)水酸化カリウム 0.1質量%
(10)1,3−ブチレングリコール 6.0質量%
(11)精製水 78.5質量%
(12)メチルパラベン(防腐剤) 適量
(13)EDTA−2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム) 適量
【0078】
(実施例26の製造方法)
(2)〜(5)を混合し80℃で加熱溶解させる。別の容器に(6)〜(13)を混合し80℃に加熱する。(6)〜(13)に(1)〜(5)を加え乳化を行い、40℃まで冷却した後(1)を加え、均一に攪拌する。その後、室温まで攪拌冷却し、目的の乳液を得る。
【0079】
[実施例27](クリーム:配合量)
(1)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.4質量%
(2)1,3−ブチレングリコール 4.0質量%
(3)グリセリン 2.0質量%
(4)メチルパラベン(防腐剤) 適量
(5)EDTA−2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム) 適量
(6)ヒアルロン酸ナトリウム 1%水溶液 5.0質量%
(7)精製水 83.1質量%
(8)水酸化カリウム 0.2質量%
(9)PCAイソステアリン酸PEG−40水添ヒマシ油 0.3質量%
(10)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0質量%
(11)HAP−A(700℃処理品) 2.0質量%
【0080】
(実施例27の製造方法)
(9)、(10)を混合し80℃に加熱する。別の容器に(1)〜(8)を混合し80℃に加熱する。(1)〜(8)に、(9)、(10)を加え乳化を行い、40℃まで冷却した後、(11)を加え、均一に攪拌する。その後、室温まで攪拌冷却し、目的のクリームを得る。
【0081】
[実施例28](トリートメント:配合量)
(1)HAP−A(1000℃処理品) 0.5質量%
(2)セタノール 3.0質量%
(3)スクワラン 1.0質量%
(4)エチルヘキサン酸グリセリル 2.0質量%
(5)塩化セチルトリメチルアンモニウム 5.5質量%
(6)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2質量%
(7)クエン酸 0.1質量%
(8)精製水 87.7質量%
(9)メチルパラベン(防腐剤) 適量
(10)EDTA−2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム) 適量
【0082】
(実施例28の製造方法)
(2)〜(5)を混合し80℃に加熱する。別の容器に(6)〜(10)を混合し80℃に加熱する。(6)〜(10)に、(2)〜(5)を加え乳化を行い、40℃まで冷却した後、(1)を加え、均一に攪拌する。その後、室温まで攪拌冷却し、目的のトリートメントを得る。
【0083】
[実施例29](洗顔フォーム:配合量)
(1)ラウリン酸 3.0質量%
(2)ミリスチン酸 9.0質量%
(3)パルミチン酸 8.0質量%
(4)ステアリン酸 9.0質量%
(5)グリセリン 23.0質量%
(6)ブチレングリコール 5.0質量%
(7)ステアリン酸グリセリル 1.0質量%
(8)メチルパラベン 0.2質量%
(9)精製水 19.4質量%
(10)水酸化カリウム 6.0質量%
(11)コカミドプロピルベタイン 3.3質量%
(12)ココイルグリシン 10.0質量%
(13)EDTA−2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)0.1質量%
(14)タルク 1.0質量%
(15)HAP−B(500℃処理品) 2.0質量%
【0084】
(実施例29の製造方法)
(1)〜(8)を秤量し80℃に加熱する。別の容器に、(9)〜(10)を秤量し、(1)〜(8)に徐々に加え、けん化を行う。(1)〜(10)に(11)〜(13)を加え、均一に混合した後、40℃まで冷却し、(14)、(15)を加え均一に攪拌する。その後、室温まで攪拌冷却し、目的の洗顔フォームを得る。
【0085】
[実施例30](化粧下地:配合量)
(1)ステアリン酸 2.5質量%
(2)モノステアリン酸グリセル 1.0質量%
(3)ミリスチルアルコール 1.0質量%
(4)トリステアリン酸ソルビタン 1.2質量%
(5)ミツロウ 2.0質量%
(6)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 4.8質量%
(7)スクワラン 2.0質量%
(8)2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0質量%
(9)メチルフェニルポリシロキサン 8.0質量%
(10)プロピルパラベン(防腐剤) 0.1質量%
(11)トコフェロール 0.1質量%
(12)色剤 1.6質量%
(13)HAP−B(1000℃処理品) 12.0質量%
(14)精製水 52.6質量%
(15)1,3−ブチレングリコール 6.0質量%
(16)L−アルギニン 0.7質量%
(17)モンモリロナイト 1.0質量%
(18)キサンタンガム 0.2質量%
(19)メチルパラベン(防腐剤) 0.2質量%
【0086】
(実施例30の製造方法)
(1)〜(11)を85℃に加熱溶解した後、(12)、(13)を添加し均一に分散する。これに(14)〜(19)を85℃に加熱溶解混合した混合物を徐々に添加して乳化させ、室温まで攪拌冷却する。次いで、適当な容器に充填し、化粧下地を得る。
【0087】
[実施例31](パック:配合量)
(1)精製水 61.1質量%
(2)HAP−C(500℃処理品) 15.0質量%
(3)海泥 8.0質量%
(4)1,3−ブチレングリコール 8.0質量%
(5)グリセリン 5.0質量%
(6)ベントナイト 2.0質量%
(7)キサンタンガム 0.1質量%
(8)モノステアリン酸グリセリル−10 0.5質量%
(9)メチルパラベン(防腐剤) 0.2質量%
(10)EDTA−2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)0.1質量%
【0088】
(実施例31の製造方法)
(1)〜(7)を80℃に加熱混合する。次いで、(8)〜(10)を加えて攪拌後、室温まで冷却し、パックを得る。
【0089】
[実施例32](ヘアジェル:配合量)
(1)カルボキシビニルポリマー 2%分散液 35.0質量%
(2)ポリビニルピロリドン 2.0質量%
(3)グリセリン 6.0質量%
(4)エタノール 20.0質量%
(5)POE(25)オクチルドデシルエーテル 1.0質量%
(6)EDTA−2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム) 0.1質量%
(7)メチルパラベン(防腐剤) 0.1質量%
(8)精製水 33.3質量%
(9)HAP−C(500℃処理品) 2.0質量%
(10)水酸化ナトリウム 0.5質量%
【0090】
(実施例32の製造方法)
(1)〜(8)を秤量し、70℃に加熱し、均一に溶解する。次いで、40℃まで冷却した後、(9)を加え均一に攪拌する。その後、(10)を加え、室温まで攪拌冷却し、目的のヘアジェルを得る。
【0091】
[実施例33](パウダースプレー:配合量)
(1)HAP−C(800℃処理品) 1.5質量%
(2)ジメチコン処理タルク 2.0質量%
(3)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0質量%
(4)ジメチコン(10cs) 0.1質量%
(5)ポリオキシエチレン変性シリコーン 0.05質量%
(6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.3質量%
(7)アルミニウムヒドロキシクロライド 2.0質量%
(8)イソプロピルメチルフェノール 0.02質量%
(9)香料 適量
(10)デカメチルシクロペンタシロキサン 適量
(11)噴射剤(LPG) 残部
【0092】
(実施例33の製造方法)
(1)〜(10)を混合しスプレー容器に入れた後、噴射剤を容器内に充填し、目的のパウダースプレーを得る。
【0093】
[実施例34](錠剤状栄養補助食品:配合量)
(1)乳糖 58.0質量%
(2)結晶セルロース 30.0質量%
(3)澱粉 9.0質量%
(4)ステアリン酸マグネシウム 1.0質量%
(5)HAP−A(500℃処理品) 2.0質量%
【0094】
(実施例34の製造方法)
(1)〜(5)の原料を均一に混合して、常法により顆粒状にした後に打錠して、錠剤状栄養補助食品を製造する。
【0095】
[実施例35](顆粒状栄養補助食品:配合量)
(1)オリゴ糖 83.0質量%
(2)ビタミンC 14.0質量%
(3)ステビア抽出物 1.0質量%
(4)HAP−B(500℃処理品) 2.0質量%
【0096】
(実施例35の製造方法)
(1)〜(4)の原料を均一に混合して、顆粒状に形成して栄養補助食品を製造する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシアパタイト粉末を焼成したものからなることを特徴とする抗酸化剤。
【請求項2】
焼成温度が300〜1300℃である請求項1に記載の抗酸化剤。
【請求項3】
BET比表面積が0.1〜100m2/gである請求項1または2に記載の抗酸化剤。
【請求項4】
200℃で3時間の加熱後における乾燥減量が2.5%未満のものである請求項1〜3のいずれかに記載の抗酸化剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の抗酸化剤を含有する食品。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の抗酸化剤を含有する化粧料。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の抗酸化剤を含有する皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−84510(P2011−84510A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238235(P2009−238235)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(591040557)太平化学産業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】