説明

抗酸化組成物及びそれを用いた飲料、医薬品及び医薬部外品

【課題】抗酸化作用を有する活性成分が高濃度で安定に存在し、その体内への吸収効率を向上させた抗酸化組成物及びそれを用いた飲料、医薬品及び医薬部外品を提供する。
【解決手段】1又は複数種の褐藻類に由来し、抗酸化作用を有する脂溶性の抽出物が、シラス多孔質ガラスを透過させた水中に分散していることを特徴とする抗酸化組成物及びそれを用いた飲料、医薬品及び医薬部外品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化組成物及びそれを用いた飲料、医薬品及び医薬部外品に関し、より具体的には抗酸化作用を有する活性成分が高濃度で安定に存在し、その体内への吸収効率を向上させた抗酸化組成物及びそれを用いた飲料、医薬品及び医薬部外品に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素は生体におけるエネルギー産生に不可欠な分子であるが、エネルギー代謝時にミトコンドリアで産生される活性酸素(スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル等の酸素ラジカル種)は、タンパク質、核酸等の生体高分子を酸化する有害物質である。生体内には、活性酸素を無毒化するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオン、パーオキシターゼ等の抗酸化物質が活性酸素に対する防御機能を担っているが、加齢、ストレス、喫煙、糖尿病等により生体内の抗酸化作用が低下した状態を酸化ストレスといい、老化や各種疾患の原因と考えられている。
【0003】
酸化ストレスの低減のために、食品や飲料を介して抗酸化物質を摂取することが考えられる。しかし、SOD等の酵素は吸収が遅い上に胃酸や消化酵素により分解されて活性を失う。そこで、低分子量の抗酸化物質の摂取が検討されており、種々の抗酸化物質の食品、飲料等への応用が検討されている。抗酸化物質としては、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、還元型グルタチオン、尿酸、ポリフェノール類等の水溶性ものも、α−トコフェロール(ビタミンE)、ユビキノン(コエンザイムQ)、カロテノイド類等の脂溶性のもの、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
等の合
成化合物等が知られている。このうち、BHT、BHA等の合成化合物については発ガン性等のおそれがあることや、消費者の天然物志向の高まり等の理由から、天然物由来の抗酸化物質が主な研究対象となっており、特に安全性(食経験)や経済性の観点から食品由来の抗酸化物質が注目を集めている。
【0004】
食品由来の抗酸化物質としては、茶葉由来のカテキン類、カカオ、赤ワイン等に由来するポリフェノール類(例えば、特許文献1参照)、アガリクス、メシマコブ、及びプロポリス等の菌類(例えば、特許文献2参照)、椿花抽出物(例えば、特許文献3参照)、サンショウ水性溶媒抽出物(例えば、特許文献4参照)、フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による抽出物(例えば、特許文献5参照)等が挙げられる。また、海藻類にも抗酸化物質を含む種々の生理活性物質が含まれていることが知られている。例えば、コンブ等の褐藻類に含まれるカロテノイド系物質の一種であるフコキサンチン及びフコキサンチノールには、抗酸化能やラジカル消去能に加え、腫瘍組織における血管新生の抑制等の生理活性が存在することが知られている(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−60485号公報
【特許文献2】特開2002−235084号公報
【特許文献3】特開2002−371092号公報
【特許文献4】特開2002−104985号公報
【特許文献5】特開平10−147779号公報
【特許文献6】特開2008−1623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
海藻類より抽出される抗酸化物質のうち、上述のフコキサンチン及びフコキサンチノール等の脂溶性のものについては、水を主成分とする飲料中に高濃度で安定な状態で存在させることが困難である。また、抗酸化物質の細胞への吸収効率が低いと、十分な量の抗酸化物質を経口摂取するために大量の飲料の摂取が必要になったり、十分な抗酸化作用が得られなくなったりするおそれがある。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、抗酸化作用を有する活性成分が高濃度で安定に存在し、その体内への吸収効率を向上させた抗酸化組成物及びそれを用いた飲料、医薬品及び医薬部外品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明の第1の態様は、1又は複数種の褐藻類に由来し、抗酸化作用を有する脂溶性の抽出物が、シラス多孔質ガラスを透過させた水中に分散していることを特徴とする抗酸化組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
シラス多孔質ガラス(SPG)は、孔径の揃った微細な網目状の貫通孔を有する多孔質ガラスであり、この貫通孔中を透過させた水は界面活性が向上し、乳化剤を加えることなく安定なO/W又はO/W/Oエマルジョンを形成できることが知られている(例えば、特開2006−110535号公報参照)。したがって、SPGを透過させた水を用いることにより、脂溶性の抽出物であっても長期間にわたり安定な状態で水中に分散させることができる。
【0009】
本発明の第1の態様に係る抗酸化組成物において、前記抽出物がフコキサンチン及びフコキサンチノールの一方又は双方を含むことが好ましい。
フコキサンチン及びフコキサンチノールは抗酸化作用に加え、種々の生理活性が知られており、抗酸化作用と相まって種々の疾患に対する予防及び治療効果を有する抗酸化組成物が提供できる。
【0010】
本発明の第1の態様に係る抗酸化組成物において、加圧下で溶解させた水素(H)を更に含んでいてもよい。
水素も生体における活性酸素の消去に有効な抗酸化活性を有していることが知られており(例えば、大澤他、「Hydrogen
acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen
radicals」、Nature Medicine、ネイチャー・パブリッシング・グループ(英国)、第13巻、第6号(2007年6月)、p.688〜694参照)、しかも無害であることから、安全な抗酸化物質として抗酸化活性の向上に用いることができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る抗酸化組成物を含むことを特徴とする飲料を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0012】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様に係る抗酸化組成物を含むことを特徴とする医薬品を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0013】
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様に係る抗酸化組成物を含むことを特徴とする医薬部外品を提供することにより上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本発明によれば、抗酸化作用を有する活性成分が高濃度で安定に存在し、その体内への吸収効率を向上させた抗酸化組成物が提供される。また、本発明によれば、抗酸化作用を有する活性成分が高濃度で安定に存在し、多様な形態で利用可能な飲料、医薬品及び医薬部外品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)は実施例1において製造した抗酸化組成物における油滴の直径分布を示すグラフで、(B)はSPGを透過させていない水中にフコキサンチン含有コンブ抽出物を分散させた分散液における油滴の直径分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る抗酸化組成物において、1又は複数種の褐藻類に由来し、抗酸化作用を有する脂溶性の抽出物が、シラス多孔質ガラスを透過させた水中に分散している。
【0017】
抗酸化物質の抽出に用いられる海藻類は、褐藻類に属する任意の海藻類を用いることができ、その具体例としては、ワカメ、モズク、オキナワモズク、アラメ、コンブ、ヒジキ、ホンダワラ、ウミウチワ、ヒバマタ等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
脂溶性の抽出物は、例えば、採集してきた褐藻類を、水で十分に洗浄後乾燥し、高速粉砕器を用いて微粉砕したものを溶媒抽出することにより得ることができる。乾燥及び微粉砕は必須の工程ではないが、溶媒抽出の効率を向上させる上でこれらの前処理工程を行うことが好ましい。溶媒抽出には褐藻類の全藻を用いてもよく、或いは特定の部位のみを用いてもよい。
【0019】
抽出に用いる溶媒としては、脂溶性の抗酸化物質の抽出に用いることができる任意の有機溶媒を用いることができるが、炭素数1から7の脂肪族1価アルコールが好ましく用いられ、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール、これらを含む混合溶媒(これらの2種以上を任意の割合で含む混合物及びこれらの1又は2以上に加え他の溶媒を含む混合溶媒)が特に好ましく用いられる。溶媒抽出に用いられる方法及び装置に特に制限はなく、任意の公知の方法及び装置を用いて行うことができる。例えば、微粉砕した褐藻類の乾燥物を抽出溶媒と共に容器に入れ、所定時間放置後、褐藻類を除去してもよく、必要に応じて(1)溶媒を撹拌する、(2)褐藻類を溶媒中で粉砕する、(3)溶媒を加熱還流する等の操作を適宜組み合わせてもよい。或いは、ソックスレー抽出法等の連続抽出法を用いてもよい。更に、超臨界二酸化炭素等の超臨界流体を抽出に用いてもよい。
【0020】
このようにして得られた抽出物は、溶液の状態で抗酸化組成物の製造に用いてもよく、減圧乾燥、スプレードライ等の方法で溶媒を除去し、得られる残留物(固形状、油状のいずれでもよい。)を用いてもよい。
【0021】
このようにして得られる、褐藻由来で抗酸化活性を有する脂溶性の抽出物は、そのまま用いてもよいが、クロマトグラフィー法等の任意の方法を用いて、夾雑物の除去又は精製を行ってから抗酸化組成物の製造に用いてもよい。
【0022】
褐藻類からの脂溶性の抽出物には、種々の抗酸化活性成分が含まれうるが、下式(化1)に示す構造を有するフコキサンチン及び下式(化2)で表される構造を有するフコキサンチノールを含んでいることが好ましい。
【0023】
【化1】

【0024】
【化2】

【0025】
勿論、褐藻類の抽出物は、これら以外の抗酸化物質を含んでいてもよく、それ以外の生理活性成分を含んでいてもよい。また、脂溶性を有しない水溶性の抽出物を更に含んでいてもよい。こ場合において、抽出溶媒としてアルコール等の水と相溶性を有する有機溶媒と水との混合溶媒を用いてもよく、別途得られる水抽出物を混合して用いてもよい。
【0026】
次いで、水に褐藻類の抽出物を加えた後シラス多孔質ガラス(SPG)を透過させるか、或いはSPGを透過させた水の中に褐藻類の抽出物を分散させることにより、脂溶性の抽出物がSPGを透過させた水中に分散した抗酸化組成物を製造する。SPGは、一面側から反対面側まで貫通する多数の細孔を有し、気孔率の高い細孔の均一性について優れている公知の多孔質ガラスである。SPGの成形形状は特に限定されないが、平板形、円柱形、あるいは中空糸膜状のSPGを束ねたフィルターなど使用目的に応じた任意の形状に成形できる。また、SPG膜表面層に通電可能な金属メッキを施すことにより一方面に陽極、他方面に陰極の電極を取り付け、水を透過させながら水を電気的に改質することも可能である。SPGを用いた水の改質方法及び装置、それらに好適に用いられるSPGの孔径、形状等については、例えば特開2006−110535号公報に記載されており、SPGとしては、細孔径が0.05μm〜30μmでかつ均一であり、片側を封管した管状のものが好ましく用いられる。
【0027】
上記のように、水に褐藻類の抽出物を加えた後シラス多孔質ガラス(SPG)を透過させるか、或いはSPGを透過させた水の中に褐藻類の抽出物を分散させることにより、脂溶性の抽出物の分散安定性を向上できる。脂溶性の抽出物は油滴を形成して水中に分散するが、前述のようにSPGを透過させることにより、平均径が数μmの油滴が長時間にわたって安定に存在しうる。
必要に応じて、油滴の平均径の減少や分散安定性の向上のために、超音波照射や加熱処理を併用してもよい。
【0028】
或いは、抗酸化組成物は、加圧下で水素ガスと接触することにより水中に溶解させた水素を含んでいてもよい。水素を溶解させる方法としては、例えば、水素ガスボンベから所定の二次圧で水中に水素ガスを噴出(バブリング)させる方法、オートクレーブ中に抗酸化組成物又は原料となる水を入れ所定圧に加圧する方法等が挙げられる。圧力としては、例えば1〜1000気圧、好ましくは1〜50気圧、より好ましくは1〜10気圧である。また、水素濃度は、0.1ppm以上であることが好ましく、例えば、0.1ppm〜1ppmである。
【0029】
抗酸化組成物を含む医薬品の投与経路は、経口投与又は非経口投与のいずれであってもよい。その剤形は、投与経路に応じて適宜選択される。例えば、注射液、輸液、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、外用液剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤、ローション剤、経腸栄養剤等が挙げられる。これは、症状に応じてそれぞれ単独で又は組み合わせて使用することができる。これらの製剤には、必要に応じて、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤等の医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤が用いられる。
【0030】
抗酸化組成物の投与量は、投与の目的や投与対象者の状況(性別、年齢、体重等)に応じて異なる。通常、成人に対して、フコキサンチン換算で、経口投与の場合、1日あたり0.1mg〜2g、好ましくは4mg〜500mg、一方、非経口投与の場合、1日あたり0.01mg〜1g、好ましくは0.1mg〜500mgで投与され得る。
【0031】
本実施の形態に係る抗酸化組成物は、上記のような医薬品としてだけでなく、医薬部外品、機能性食品、栄養補助剤、飲食物等として使用することができる。医薬部外品として使用する場合、必要に応じて、医薬部外品等の技術分野で通常用いられている種々の補助剤とともに使用され得る。あるいは、機能性食品、栄養補助剤、又は飲食物として使用する場合、必要に応じて、例えば、甘味料、香辛料、調味料、防腐剤、保存料、殺菌剤、酸化防止剤等の食品に通常用いられる添加剤とともに使用してもよい。また、溶液状、懸濁液状、シロップ状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状等の所望の形状で、あるいは必要に応じて成形して使用してもよい。これらに含まれる割合は、特に限定されず、使用目的、使用形態、及び使用量に応じて適宜選択することができる。
【0032】
飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(液剤等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の抗酸化組成物を適宜配合するとよい。
【0033】
これらの飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、植物ステロール、トリテルペノイド、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった抗酸化組成物には、他の抗酸化物質や健康食品素材等の配剤、例えば、抗酸化物質(還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、β−クリプトキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス)、健康食品素材(V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、EPA、DPA、甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、L−システイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、ローズマリー、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココア、ユズ種子エキス、シソの実エキス、ライチ種子エキス、月見草エキス、黒米エキス、α−リポ酸、生コーヒー豆エキス、温州みかんエキス、米胚芽発酵エキス)等も配合することができる。
【0034】
抗酸化組成物を飲食品に適用する場合の添加量としては、健康を維持することが主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%であるのが好ましい。
抗酸化組成物は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品及び医薬部外品を含む。)として用いてもよい。
【0035】
皮膚からフコキサンチンを吸収されることにより、皮膚から体内に侵入し、体内における活性酸素の発生を抑制することができるからである。抗酸化組成物を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け止めローション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。
また、抗酸化組成物を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0036】
上記形態の皮膚外用剤を含む医薬品及び医薬部外品には、本実施の形態に係る抗酸化組成物の他に、その抗酸化能を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品等の皮膚外用剤に配合される成分、油脂、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0037】
(1)油脂の例
エステル系の油相成分:トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12〜18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等。
【0038】
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等。
【0039】
動植物油とその硬化油、及び天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油及びその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油及びその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等。
【0040】
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等。
【0041】
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2−エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等。
【0042】
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2−エチルヘキサン酸等。
【0043】
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチルヘキシル−1−オキシ)−1、3、5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4−(3、4−ジメトキシフェニルメチレン)−2、5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等、及びこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等。
【0044】
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等。
【0045】
これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)及び粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくてもよい。
【0046】
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等。
【0047】
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等。
【0048】
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等。
【0049】
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等。
【0050】
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等。
【0051】
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1、3−ブタンジオール、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等。或いは、高甘味度甘味料等のこれらの化学修飾体等も使用可能である。
【0052】
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル、T−ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体、アクリレート/アクリルアミド共重合体、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のノニオン性高分子化合物等。また、セルロース又はその誘導体、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0053】
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、細胞内で何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ−エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ−ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0054】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシン等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の抗酸化組成物、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤等。
【0055】
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキス等の酸化防止効果の認められる植物エキス等。
【実施例】
【0056】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
実施例1:抗酸化組成物の製造
(1)フコキサンチン含有コンブ抽出物の製造
特開2008−291004号公報記載の方法にしたがい、生コンブからフコキサンチンを含む抽出物を得た。すなわち、生コンブ21重量部を48時間水に浸漬したのち、99wt%エタノール50.8重量部を添加して、40℃で1時間抽出を行った。その後、濾過を行って残渣と抽出液(一次抽出液)64重量部とを分離した。そして、この残渣を更に、99wt%エタノール50.8重量部にて50℃で1時間抽出を行い、その後、ろ過して残渣と抽出液(二次抽出液)49.0重量部とを分離した。
上記一次抽出液64重量部と、二次抽出液19重量部とを混合して混合溶液を調製し、この混合溶液にカラム処理を行い、フコキサンチン含有コンブ抽出物とした。HPLCによるフコキサンチンの含有量の分析値は、3.88〜8.57wt%であった。
【0057】
このようにして得られたフコキサンチン含有コンブ抽出物を水に加え、孔径0.2〜30μmの円筒状のシラス多孔質ガラス(SPG)を透過させ、フコキサンチン含有コンブ抽出物が水中に分散した抗酸化組成物を得た。
【0058】
(2)フコキサンチン含有コンブ抽出物の油滴の直径分布
上記(1)で製造した抗酸化組成物、及び比較例としてSPGを透過させない水にフコキサンチン含有コンブ抽出物を分散させた分散液中に含まれる油滴の直径分布を、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD−2100)で測定した。結果を図1に示す。なお、図1において、(A)は上記(1)で製造した抗酸化組成物における油滴の直径分布を示すグラフであり、(B)はSPGを透過させていない水中にフコキサンチン含有コンブ抽出物を分散させた分散液における油滴の直径分布を示すグラフである。
【0059】
図1(A)と(B)との比較より、上記(1)で製造した抗酸化組成物に含まれる油滴において、直径が1〜5μmのものが全体に占める割合は、比較例に係る分散液に含まれる油滴のそれよりもはるかに大きいことがわかる。したがって、上記(1)で製造した抗酸化組成物に含まれる油滴の平均径は、比較例に係る分散液に含まれる油滴のそれよりも小さくなっている。このことが、抗酸化組成物におけるフコキサンチン含有コンブ抽出物の分散安定性を向上させると共に、体内への吸収効率を向上させることに寄与すると考えられる。
【0060】
実施例2:抗酸化組成物の配合例
以下に抗酸化組成物(フコキサンチン含有コンブ抽出物)を含む飲料、医薬部外品の配合例を挙げるが、下記配合例はあくまで例示であり、本発明を限定するものではない。
【0061】
配合例1:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5wt%
フコキサンチン含有コンブ抽出物 0.05wt%
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0062】
配合例2:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0wt%
精製ホホバ油 5.0wt%
グリセリン 5.0wt%
グリセリンモノステアレート 2.0wt%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン−
モノステアレート 2.0wt%
フコキサンチン含有コンブ抽出物 2.0wt%
防腐剤 適量
香料 適量
100.0wt%
【0063】
配合例3:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0wt%
1,3−ブチレングリコール 2.0wt%
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5wt%
クエン酸ナトリウム 0.1wt%
クエン酸 0.1wt%
フコキサンチン含有コンブ抽出物 0.1wt%
精製水 残余
100.0wt%
【0064】
配合例4:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0wt%
メチルフェニルポリシロキサン 5.0wt%
ベヘニルアルコール 3.0wt%
ステアリン酸 3.0wt%
バチルアルコール 1.0wt%
モノステアリン酸グリセリル 1.0wt%
テトラオレイン酸ポリオキシエチレン
ソルビット 2.0wt%
水素添加大豆リン脂質 1.0wt%
セラミド 0.1wt%
パルミチン酸レチノール 0.1wt%
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0wt%
フコキサンチン含有コンブ抽出物 1.0wt%
1、3−ブチレングリコール 5.0wt%
精製水 残余
100.0wt%
【0065】
配合例5:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5wt%
セタノール 2.0wt%
グリセリン 2.0wt%
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0wt%
ステアリン酸 1.0wt%
L−アルギニン 1.0wt%
フコキサンチン含有コンブ抽出物 0.5wt%
水酸化カリウム 0.1wt%
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
【0066】
実施例3:悪性腫瘍患者への適用例
直径2mm程度の肺ガンが存在すると診断された72歳の女性に、実施例1にしたがって調製したフコキサンチン含有コンブ抽出物を0.05wt%含有する水を飲用させた。飲用開始から5日後に胸部X線診断を行ったところ、病巣の縮小が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数種の褐藻類に由来し、抗酸化作用を有する脂溶性の抽出物が、シラス多孔質ガラスを透過させた水中に分散していることを特徴とする抗酸化組成物。
【請求項2】
前記抽出物がフコキサンチン及びフコキサンチノールの一方又は双方を含むことを特徴とする請求項1記載の抗酸化組成物。
【請求項3】
加圧下で溶解させた水素(H)を更に含むことを特徴とする請求項1及び2のいずれか1項記載の抗酸化組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の抗酸化組成物を含むことを特徴とする飲料。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項記載の抗酸化組成物を含むことを特徴とする医薬品。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項記載の抗酸化組成物を含むことを特徴とする医薬部外品。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−225785(P2011−225785A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99297(P2010−99297)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(510113542)
【Fターム(参考)】