説明

抗酸化組成物

【課題】植物中に含まれる抗酸化物質を効率よく抽出することにより、取扱い及び摂取が簡便にできる抗酸化活性の高い抗酸化組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、麦類又はその処理物から超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出することにより得られる抽出物を有効成分として含有する抗酸化組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麦類又はその処理物を超臨界流体又は亜臨界流体で抽出して得られる抽出物を含有する、抗酸化活性の高い組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、生体内では活性酸素の生成量と、活性酸素消去酵素による活性酸素の減少量はバランスが取れており、生体中の活性酸素量は一定に保たれている。しかし、高齢化や、ストレス、偏食、不摂生などの生活環境の影響により、生体内活性酸素が増加することが指摘されている。生体内における不必要な活性酸素の存在は、老化の亢進、並びに生活習慣病リスク及び発癌リスクの増大などをもたらし、生体に悪影響を及ぼす。こうしたことから、活性酸素を消去する作用を有する抗酸化物質が注目され、有効な抗酸化物質を見出すべく広く探索が行われている。そしてある種の抗酸化物質が活性酸素による様々な障害、例えば、動脈硬化症及び高血圧症、それらにより発症する脳梗塞及び心疾患、脳梗塞及び心疾患の後遺症、ストレス性潰瘍などの虚血性疾患、並びに癌及び糖尿病などの生活習慣病に対する治療薬として利用されている。
【0003】
そうした抗酸化物質の代表的なものとして、生体内の活性酸素消去酵素であるSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、天然抗酸化剤であるα−トコフェロール(ビタミンE)及びアスコルビン酸(ビタミンC)、並びに化学合成された抗酸化剤であるBHT(ブチルヒドロキシトルエン)及びBHA(ブチルヒドロキシアニソール)などが知られている。SODは、生体中で活性酸素(スーパーオキシドラジカルアニオンO2−)を消去する重要な酵素であるが、SODの生産能は年齢とともに低下し、前記のようなさまざまな障害が生じることとなる。
【0004】
生体外から抗酸化物質を導入して、SODの役割を補助しようという試みが多く行われている。しかしながら多くの抗酸化物質は、安全性に問題があるため、継続的な摂取が困難であることや、保管や用法に制限があることなどから、実用性に欠ける。従って、特に生活習慣病などの疾患に対して有効な抗酸化物質が強く求められている。
【0005】
植物も生体中に抗酸化物質を持っており、稲や麦などは、パラコートなどの活性酸素を多量に発生させる除草剤が散布されても枯れることがない。植物に含まれる抗酸化物質としては、例えば、フラボノイド、カロチン、ビタミンC、ビタミンB2、タンニン、ポリフェノール類などが知られている。したがって、日常的に食されている植物中に含まれているこれらの抗酸化物質を有効に抽出できれば、抽出された抗酸化物質は摂取しても安全であり、これを用いて人体のSODの低下を補い様々な障害を防止することができる。
【0006】
植物中に含まれている抗酸化物質を抽出する方法として種々の方法が提案されている。例えば、植物を搾汁する方法、水で抽出する方法、有機溶媒で抽出する方法などである。しかしながら、植物において抗酸化物質は、植物の硬い細胞壁に多く含まれ、多糖類が多数強固に結合した高分子構造をしているため、そのままでは液体中に流出せず、抽出効率が悪く、利用しにくいものであった。
【0007】
細胞壁を破砕又は粉砕することによってより低分子の形態として抽出効率を向上させる試みもなされているが、これによって抽出される成分は、植物組織に含まれる抗酸化物質の一部に過ぎず、その他の様々な成分も同時に抽出されるため、液中に溶出した抗酸化物質の濃度を高めるには、濃縮及び精製といった煩雑な操作を行わなければならなかった。
【0008】
亜臨界抽出法や超臨界抽出法によって抗酸化物質を抽出しようとする試みも行われており、例えば特許文献1には、玄米、白米及び米糠から亜臨界水を用いて抗酸化物質を抽出することが記載されている。しかしながら、亜臨界水を用いて抽出を行っても、得られた抽出物の抗酸化活性は、単に水で抽出して得られる抽出物と比べてわずかに増加しただけであり、効率のよい抽出方法ではなかった。
【0009】
【特許文献1】特開2006−160825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、植物中に含まれる抗酸化物質を効率よく抽出することにより、取扱い及び摂取が簡便な抗酸化活性の高い抗酸化組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、麦類から抗酸化物質を効率よく抽出する方法について検討を重ね、超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出を行うと、極めて効率よく抗酸化物質を抽出できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)麦類又はその処理物から超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出することにより得られる抽出物を有効成分として含有する抗酸化組成物。
(2)麦類又はその処理物が、小麦ふすま又はその処理物である、(1)記載の組成物。
(3)小麦ふすま又はその処理物が、小麦ふすまに圧力処理後酵素処理を行って得られる水溶性ヘミセルロースである、(2)記載の組成物。
(4)抽出物が、150〜260℃の温度の亜臨界水を用いて抽出することにより得られる抽出物である(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、生体中の活性酸素を低下させ、活性酸素による様々な障害を予防及び/又は改善する作用を有し、副作用の心配がなく安全性が高い上に、風味がよく簡便に摂取可能で長期間の継続的摂取が容易な、抗酸化作用を有する組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明する。
【0015】
本発明に用いられる麦類は、小麦、大麦、ライ麦及びエンバクなどのイネ科の食用作物をさす。具体的には、イネ科コムギ属のパンコムギ、デュラムコムギ、クラブコムギ、スペルトコムギ及びエンマコムギなど、イネ科エギロプス属のタルホコムギ及びクサビコムギなど、イネ科オオムギ属のオオムギ、イネ科カラスムギ族のエンバク及びカラスムギなど、イネ科ドクムギ属のドクムギ、ホソムギ、ネズミムギ、アマドクムギ、ノゲナシドクムギ及びボウムギなど、イネ科スズメノチャヒキ属のイヌムギなど、イネ科ジュズダマ属のハトムギなど、並びに、イネ科ナガハグサ属のライ麦などが挙げられる。本発明では、麦類として、小麦、大麦、ライ麦及びエンバクを用いるのが好ましい。麦類は、1種類のみ用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
麦類は、花、穂、花柄、茎、葉、種子、根、胚、胚乳、胚芽、糠、ふすま、籾殻など、細胞壁が含まれる部位であればいずれの部位であっても使用できるが、これらの中でも、ふすまを用いるのが、効率よく抗酸化物質を抽出できるため好ましい。ふすまとしては、通常の製粉工程で生じる小麦の一般ふすま、それ以外のふすまのいずれも使用でき、組成や製造過程を問わない。そのうちでも特に、一般ふすまを粉砕した後、繊維質に富む区分を分級処理することにより得られる繊維質含量の高いふすまを使用すると、抗酸化活性の高い組成物を得ることができる。
【0017】
本発明においては、麦類の処理物を抽出に用いてもよい。麦類の処理物は、麦類由来の抗酸化物質を含むものであれば特に制限されない。処理としては、破砕処理、粉砕処理、加熱処理、乾燥処理、抽出処理、圧力処理、酵素処理、分解処理(例えば、加水分解処理)、並びにそれらの組み合わせを採用できる。抽出処理は、例えば、水、有機溶媒、含水有機溶媒、油類、油脂類、極性溶媒などを用いて実施できる。酵素処理には、植物細胞壁崩壊酵素、例えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等を用いるのが好ましい。処理としては、圧力処理後酵素処理を行うことが特に好ましい。
【0018】
麦類の処理物の、具体例として、麦類由来の水溶性ヘミセルロースが挙げられる。従って、一実施形態において本発明は、麦類由来の水溶性ヘミセルロースから超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出することにより得られる抽出物を有効成分として含有する抗酸化組成物に関する。本発明に用いられる水溶性ヘミセルロースは、植物の細胞壁を構成するヘミセルロースA、ヘミセルロースBに分類される食物繊維のうち、水溶性のヘミセルロースBを主とする成分である。水溶性ヘミセルロースは、上記のような麦類から抽出・分解して得ることができ、抽出・分解には公知の方法を使用できる。水溶性ヘミセルロースは、通常、約50,000Da以下の分子量を有するヘミセルロース分解物を主成分とするが、原料に含まれている高分子のヘミセルロース、不純物由来のタンパク質やヘミセルロース以外の糖類を含有していてもよい。水溶性ヘミセルロースは、好ましくは糖組成としてキシロース55〜75質量%、アラビノース5〜25質量%及びグルコース10〜20質量%を含むものである。水溶性ヘミセルロースは、好ましくは分子量500〜50,000Da、より好ましくは分子量500〜10,000Daのアラビノキシランを、好ましくは50〜90質量%の量、より好ましくは60〜80質量%の量で含有する。上記範囲内の量で特定の分子量範囲のアラビノキシランを含有する水溶性ヘミセルロースは、抗酸化物質を多量に含み、これを超臨界又は亜臨界抽出することによって、抗酸化活性の高い抽出物を効率よく、高収量で得ることができる。また水溶性ヘミセルロースは、水性媒体に溶解しても沈殿せず安定であるため、抽出操作を効率的に実施することができる。
【0019】
上記の水溶性ヘミセルロースの糖組成は、特に、高速液体クロマトグラフィーによって測定した測定値をさす。上記分子量分布は、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなど公知の方法によって測定することができるが、上記分子量は、特にサイズ排除高速液体クロマトグラフィーで測定した測定値をさす。
【0020】
麦類由来の水溶性ヘミセルロースは、公知の方法を適宜採用して麦類を処理することにより得ることができる。水溶性ヘミセルロースを得るための麦類の処理方法としては、麦類からヘミセルロースを溶媒抽出した後に酵素などを用いて加水分解して水溶性ヘミセルロースを得る方法や、抽出と同時に加水分解する方法、或いは加熱・加圧した麦類を酵素加水分解する方法などが挙げられる。具体的な抽出及び分解方法としては、特許第3079115号公報に記載された方法などが挙げられる。麦類、特に小麦ふすまに圧力処理後酵素処理を行って得られる水溶性ヘミセルロースを、麦類の処理物として超臨界又は亜臨界処理に付すことが好ましい。より具体的には、麦類を、水分の存在下で、温度100〜145℃程度、圧力1〜4気圧程度で処理し、次いでこれに、植物細胞壁崩壊酵素を作用させることにより得られる水溶性ヘミセルロースを用いる。植物細胞壁崩壊酵素としては、上記のものを使用でき、これらが複数混合されている複合酵素が好ましい。複合酵素の例としては、セルラーゼオノズカ〔ヤクルト(株)製〕、フンセラーゼ〔ヤクルト(株)製〕、マセロザイム〔ヤクルト(株)製〕、メイセラーゼ〔明治製菓(株)製菓〕、ペクトリアーゼ〔盛進製薬(株)製〕、セルラーゼ(シグマ社製)、ノボザイム(ノボ社製)などが挙げられる。これらの植物細胞壁崩壊酵素はその至適pH及び至適温度において使用することが好ましく、そしてこれらの至適pH及び至適温度は個々の酵素に固有のものであるが、一般にpH5〜7、及び25〜60℃の範囲にある。
【0021】
本発明において、超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出するとは、超臨界状態にある抽出剤又は亜臨界状態にある抽出剤を用いて、麦類又はその処理物(以下、これらを総称して「麦類等」ということがある)から抗酸化物質を抽出する処理をさす。超臨界流体抽出法又は亜臨界流体抽出法で用いる抽出剤には特に制限はなく、例えば、水、二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタン、プロパン、一酸化二窒素、クロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、キセノン、アンモニア、並びにメタノール及びエタノールなどの低級アルコールを使用することができる。安全性の面からは、水、エタノール、これらの混合物又は二酸化炭素を抽出剤として用いるのが好ましい。水の臨界点は22MPa、374℃、二酸化炭素の臨界点は7.4MPa、31.1℃である。
【0022】
超臨界流体及び亜臨界流体は、高温・高圧条件下で生成する。超臨界抽出及び亜臨界抽出における抽出圧力は、使用する抽出剤の臨界圧力に応じて適宜選定されるが、通常は0.5〜70MPaである。抽出剤に水を用いる場合は、好ましくは0.5〜30MPa、より好ましくは1〜15MPaである。抽出剤に二酸化炭素を用いる場合は、好ましくは0.5〜50MPa、より好ましくは1〜30MPaである。超臨界抽出及び亜臨界抽出における抽出温度は、使用する抽出剤の臨界温度に応じて適宜選定されるが、通常は10〜700℃である。抽出剤として水を用いる場合は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは120〜300℃、さらに好ましくは150〜260℃、最も好ましくは150〜220℃である。抽出剤として二酸化炭素を使用する場合は、好ましくは2〜120℃、より好ましくは20〜80℃である。抽出の際の麦類又はその処理物と抽出剤との比率は特に限定されないが、麦類又はその処理物1質量部に対して抽出剤0.1〜1000質量部、好ましくは1〜100質量部である。抽出時間は抽出条件などにより異なるが10分〜2週間、好ましくは20分〜3時間の範囲とするのが好ましい。超臨界流体又は亜臨界流体による抽出操作は、耐圧性の容器などを用いて実施でき、また、市販の装置を用いて実施することもできる。
【0023】
通常、超臨界又は亜臨界抽出装置に、上述の麦類又はその処理物の1種又は2種以上を投入し、超臨界流体又は亜臨界流体によって抽出する。超臨界又は亜臨界抽出においては、麦類の異なる部位を組み合わせて用いてもよいし、麦類の異なる処理方法による処理物を組み合わせて用いてもよいし、麦類とその処理物とを組み合わせて用いてもよい。
【0024】
超臨界流体又は亜臨界流体による抽出の際に、抽出剤の溶解度を向上させるためにエントレーナを用いることもできる。エントレーナとしては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンなどの溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
本発明において、麦類又はその処理物から超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出することにより得られる抽出物(以下、「本発明の抗酸化抽出物」という場合がある)は、超臨界抽出又は亜臨界抽出により麦類又はその処理物から抽出された抗酸化物質を含むものであればよく、抽出処理後の抗酸化物質を含む抽出剤だけでなく、これを水、有機溶媒(メタノールなどの低級アルコールなど)、含水有機溶媒、油類、油脂類及び極性溶媒などを用いて再抽出して得られる再抽出物、並びにこれらを脱臭、脱色、濃縮又はカラムクロマトグラフィーによる分画などの精製操作に付して得られる精製物も包含される。上記の抽出物、再抽出物及び精製物は、これらから溶媒を除去することによって乾燥形態とすることもでき、さらにアルコールなどの溶媒に可溶化した形態や、適宜乳化剤や可溶化剤などを加えた液体や乳剤の形態とすることもできる。これらの形態はいずれも、本発明の抗酸化抽出物に包含される。
【0026】
本発明の抗酸化組成物は、通常、本発明の抗酸化抽出物を基準として、乾燥質量で、成人1日当たり0.001〜10gの範囲で適用される。経口投与の場合、一般的な1日当たりの摂取量は、0.01〜1gであるが、該抽出物は、麦類を原料としている安全性の高いものであるため、その摂取量をさらに増やすこともできる。1日当たりの摂取量は、1回で摂取してもよいが、数回に分けて摂取してもよい。
【0027】
その際、本発明の抗酸化抽出物をそのまま単独で用いることもできるが、本発明の効果を阻害しない限り、後述する添加剤のほか、他の抗酸化酵素及び抗酸化物質などを単独又は複数組み合わせて配合してもよい。
【0028】
抗酸化酵素としては、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼ、及びメチオニンレダクターゼなどが挙げられる。
【0029】
抗酸化物質としては、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、コエンザイムQ10などのユビキノン類、ユビキノール類、ケルセチン、ルチン及びミリセチンなどのフラボノイド類、α−リポ酸、カロチノイド類、グルタチオン、L−ドーパ、システイン、N−アセチルシステイン、シスチン、タウリン、チロシン、グリコール酸や乳酸などのヒドロキシ酸、フェルラ酸、フィチン酸、没食子酸、ポリフェノール類、重合ポリフェノール類、BHT、BHAなどが挙げられる。
【0030】
本発明において抗酸化活性は、活性酸素消去作用及びラジカル消去作用の少なくともいずれかを通して、活性酸素や生体内ラジカルを消去する活性をさす。ここで、活性酸素には、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素等が含まれる。また、ラジカルは、不対電子を1つ又はそれ以上有する分子又は原子を意味し、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジド)、過酸化脂質等が含まれる。
【0031】
本発明の抗酸化組成物の投与対象は、好ましくは、哺乳動物である。本明細書において哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒト及びサルなどの霊長類、マウス、ラット及びウサギなどの齧歯類、イヌ及びネコなどの愛玩動物、並びにウシ、ウマ及びブタなどの家畜が挙げられる。本発明の組成物は、霊長類、特にヒトへの投与に好適である。
【0032】
本発明の抗酸化組成物は、酸化作用に基づく各種疾患、例えば、腎疾患、脳血管疾患、循環器疾患、脳梗塞、高血圧症、動脈硬化、老化痴呆性疾患、心疾患(心筋梗塞など)、癌、糖尿病、熱傷、眼疾患(網膜の酸化障害に起因するものなど)、ストレス性潰瘍等を予防及び/又は治療するために使用できる。脳梗塞や心筋梗塞等の虚血性疾患では、虚血部位の血液再灌流時に種々の活性酸素が発生し、脂質過酸化反応による細胞膜破壊等により組織障害が増悪される。例えば、動脈硬化病変の発生、進展は、低比重リポ蛋白(LDL)の酸化的変性を防ぐことによって阻止することができるので、本発明の抗酸化組成物は、動脈硬化の予防及び/又は治療に特に有用である。
【0033】
皮膚は紫外線など環境因子の刺激を直接受けるため、活性酸素が生成し易い器官であることから、活性酸素濃度の上昇とそれにともなう過酸化脂質の生成が起こりやすく、それが原因のメラニン色素の生成、シミ、小ジワなどの障害を起こしやすい。優れた抗酸化活性を有する本発明の抗酸化組成物は、皮膚用組成物、特にシミ、ソバカス及び/又はしわを予防及び/又は改善するための皮膚用組成物として好ましくは使用することができる。
【0034】
本発明の抗酸化組成物は、特に制限されないが、例えば、医薬組成物、食品組成物及び化粧料組成物として調製することができる。
【0035】
本発明の抗酸化組成物を医薬組成物として調製する場合は、本発明の抗酸化抽出物をそのまま単独で医薬組成物としてもよいが、通常、本発明の抗酸化抽出物と薬学的に許容される担体とを含む製剤として調製する。医薬組成物は、経口により、非経口により、例えば、皮膚に、皮下に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、腹腔内に、及び鼻腔内に投与される。
【0036】
本発明の抗酸化組成物を医薬組成物として調製する場合の剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、液剤、懸濁剤などの経口剤、吸入剤、坐剤などの経腸製剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤などの皮膚外用剤、点滴剤、注射剤などが挙げられる。これらのうちでは、経口剤及び皮膚外用剤が好ましい。
【0037】
このような剤型の本発明の抗酸化組成物は、有効成分である上述の抗酸化抽出物に、慣用される賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料などの添加剤を剤型に応じて配合し、常法に従って製造することができる。なお、液剤、懸濁剤などの液体製剤は、服用直前に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよく、また錠剤、顆粒剤の場合には周知の方法でその表面をコーティングしてもよい。
【0038】
本発明に係る医薬組成物における抗酸化抽出物の含有量は、その剤型により異なるが、乾燥質量を基準として、通常は、0.001〜99質量%の範囲内、好ましくは0.01〜90質量%、より好ましくは10〜85質量%の範囲内であり、上述した成人1日当たりの摂取量を摂取できるよう、1日当たりの投与量が管理できる形にすることが望ましい。
【0039】
本発明の抗酸化組成物を食品組成物として調製する場合、その形態は特に制限されず、健康食品、機能性食品、特定保健用食品などの他、本発明の抗酸化組成物を配合できる全ての食品が含まれる。具体的には、特定保健用食品などの形態では、経管経腸栄養剤などの流動食、錠剤、錠菓、チュアブル錠、粉剤、カプセル剤、顆粒剤などの各種製剤形態とすることができ、前述の医薬組成物と同様の方法で製造することができる。さらに、本発明に係る食品には飲料も包含され、ドリンク剤などの健康食品又は栄養補助食品、緑茶、ウーロン茶や紅茶などの茶飲料、清涼飲料、ゼリー飲料、スポーツ飲料、乳飲料、炭酸飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、発酵乳飲料、粉末飲料、ココア飲料、コーヒー飲料、精製水などの飲料としてもよく、さらに、バター、ジャム、ふりかけ及びマーガリンなどのスプレッド類、マヨネーズ、ショートニング、カスタードクリーム、ドレッシング、パン類、米飯類、麺類、味噌汁、豆腐、牛乳、ヨーグルト、スープ又はソース類、菓子(たとえばビスケット、クッキー、チョコレート、キャンディ、ケーキ、アイスクリーム、チューインガム、タブレット)などとして調製してもよい。
【0040】
本発明に係る食品組成物は、本発明の抗酸化抽出物のほかに、食品や飼料の製造に用いられる他の食品素材、各種栄養素、各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸、各種油脂、食物繊維、種々の添加剤(たとえば呈味成分、甘味料、有機酸などの酸味料、界面活性剤、pH調整剤、安定剤、酸化防止剤、色素、フレーバー)などを配合して、常法に従って製造することができる。また、通常食されている食品に本発明の抗酸化抽出物を配合することにより、本発明に係る食品組成物を製造することもできる。
【0041】
本発明に係る食品組成物において、本発明の抗酸化抽出物の含有量は、食品の形態により異なるが、乾燥質量を基準として、通常は、0.001〜80質量%の範囲内、好ましくは0.01〜50質量%の範囲内、より好ましくは20〜50質量%の範囲内である。1日当たりの摂取量は、1回で摂取してもよいが、数回に分けて摂取してもよい。上述した、成人1日当たりの摂取量が飲食できるよう、1日当たりの摂取量が管理できる形にするのが好ましい。
【0042】
さらに本発明の抗酸化組成物には、人用の食品のみならず、家畜、競走馬などの飼料、ペットフードなども包含される。飼料は、対象が動物であることを除いて、食品とほぼ等しいことから、本明細書における食品に関する記載は、飼料についても同様に当てはめることが出来る。
【0043】
本発明の抗酸化組成物は、安全性が高いため、化粧料組成物として調製することもできる。本発明の抗酸化抽出物をそのまま化粧料組成物としてもよく、又は抗酸化抽出物を汎用の方法で配合し、クリーム、乳液、ローション、パック剤、皮膚洗浄料、ハップ剤、エッセンス、ゲル剤、シャンプー、リンス、パウダー、ファンデーション、化粧水、洗顔料、ヘアートニック、ヘアートリートメント、養毛剤、入浴剤、美白剤、UVケア用品、口紅又はリップクリームなどの形態の化粧料組成物を調製してもよい。
【0044】
本発明に係る化粧料組成物は、抗酸化抽出物のほかに、所望する剤型に応じて従来公知の賦形剤や香料などをはじめ、油脂類、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子、増粘剤、顔料などの粉末成分、紫外線防御剤、保湿剤、酸化防止剤、pH調整剤、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤などを適宜配合して、常法に従って製造することができる。化粧料における本発明の抗酸化抽出物の含有量は、特に限定されないが、乾燥質量を基準として、通常、0.0001〜80質量%の範囲内、好ましくは0.001〜50質量%の範囲内である。
【0045】
さらに本発明の抗酸化組成物には、他の機能性成分や種々の添加剤として、上記以外に、たとえば、共役リノール酸、タウリン、グルタチオン、カルニチン、クレアチン、コエンザイムQ、グルクロン酸、グルクロノラクトン、トウガラシエキス、ショウガエキス、カカオエキス、ガラナエキス、ガルシニアエキス、テアニン、γ−アミノ酪酸、カプサイシン、カプシエイト、各種有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、カテキン類、キサンチン誘導体、フラクトオリゴ糖などの難消化性オリゴ糖、ポリビニルピロリドンなどを配合してもよい。
【0046】
それら添加剤の配合量は、添加剤の種類と所望すべき摂取量に応じて適宜決められるが、一般的には、本発明の抗酸化組成物中、0.01〜70質量%の範囲内であり、好ましくは0.1〜50質量%の範囲内である。
【0047】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0048】
(製造例1)水溶性ヘミセルロースの製造
(1)反応釜に小麦ふすま(日清製粉)200g、水1.4Lを仕込み、50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。洗浄後、小麦ふすまをガーゼを用いてろ過し、水分を除去した。再度小麦ふすまを反応釜に戻し、水1.4Lを加えて50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。これを更にもう一度繰り返し行い、合計3回洗浄操作を行った。
(2)洗浄及びろ過後の小麦ふすまをメディウムびんに移し、蒸留水600mLを加えて、オートクレーブ(TONY SS−325)で、120℃にて10分間処理した(約1.8気圧)。処理終了後、室温にて放冷した。
(3)放冷後、残った水分を、ガーゼを用いたろ過により除去した小麦ふすまを、10Lバケツに投入した。
【0049】
(4)蒸留水4Lを加え、50℃に加熱後、ヘミセルラーゼ(セルラーゼオノヅカ3S ヤクルト薬品工業)0.6g(原料小麦ふすまに対して0.3質量%)を投入して50℃にて60分間反応させた。
(5)反応液を90℃に加熱し、10分間酵素失活させた。
(6)蒸留水を加えて反応液の温度を下げ、脱脂綿でろ過してろ液を分取した。残渣に蒸留水2Lを加えて10分間攪拌し、脱脂綿でろ過してろ液を分取した。
【0050】
(7)ろ液を合わせ、減圧下に水分を除去し、その後凍結乾燥し、さらにこれをミキサーで粉砕して、水溶性ヘミセルロース約20gを得た。
(8)この水溶性ヘミセルロースは、タンパク質成分約20%、糖成分約80%からなり、糖成分の約80%が平均分子量10,000Da以下(分子量500〜5000:65.6%、分子量5000〜10,000:6.6%)の範囲にあった。糖成分の95%はアラビノース、キシロース及びグルコースであり、その糖組成はキシロース:アラビノース:グルコースが65:15:20であった。この水溶性ヘミセルロースを水性媒体に添加すると、容易に溶解し清澄な液体が得られた。
【0051】
(実施例1〜3)亜臨界抽出による抗酸化組成物の製造
小麦ふすま(実施例1)、ライ麦(実施例2)、製造例1の水溶性ヘミセルロース(実施例3)の各サンプルのそれぞれ1gを耐熱容器に入れ、そこに水9.5mL及びエタノール9.5mLを加えた。容器を亜臨界抽出装置(トーマス科学器機(株)製)に入れて、亜臨界抽出を行った。亜臨界抽出の温度は180℃、圧力は約1.5MPaとし、抽出時間は90分とした。処理後、遠心分離(3000rpm、10分)により上清を得て、エバポレーターを用いて乾固し、これを5mLのDMSOに溶解した。
【0052】
上記で得られたDMSO溶液に、メタノール20mLを加え、1分間超音波処理を行い、遠心分離(3000rpm、10分)により上清を回収した。この操作を合計3回繰り返し、最終的に得られた上清を、エバポレーターを用いて乾固し、麦類又はその処理物の亜臨界抽出物、すなわち抗酸化抽出物とした。
【0053】
(比較例1〜2)亜臨界抽出による比較抽出物の製造
実施例1〜3と同様にして、あわ(比較例1)及び、ひえ(比較例2)の各サンプルについて、亜臨界抽出を行い、さらにメタノール抽出を行って比較抽出物を得た。
【0054】
(比較例3〜5)水−エタノール処理による比較抽出物の製造
小麦ふすま(比較例3)、ライ麦(比較例4)、製造例1の水溶性ヘミセルロース(比較例5)の各サンプルのそれぞれ1gを容器に入れ、そこに水9.5mL及びエタノール9.5mLを加え、30℃にて24時間振とうさせることにより抽出を行い、処理後、遠心分離(3000rpm、10分)により上清を得て、エバポレーターを用いて乾固し、DMSOに溶解した。これにメタノール20mLを加え、1分間超音波処理を行い、遠心分離(3000rpm、10分)により上清を回収した。この操作を合計3回繰り返し、最終的に得られた上清を、エバポレーターを用いて乾固し、比較抽出物を得た。
【0055】
(試験例1)抗酸化活性の測定
サンプルチューブに実施例1〜3及び比較例1〜5の抽出物の10mg/mL水溶液をそれぞれ添加し、さらにこれにエタノール1.235mLを添加し、よく混合した。0.5mmol/LのDPPH(2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジド)溶液を添加し、517nmの吸光度を測定した。攪拌後1時間静置して反応を行い、反応後の517nmの吸光度を測定した。517nmの吸光度の減少度から、抗酸化活性を算出した。実施例、比較例の代わりにDMSOを添加したものを抗酸化活性0%、吸光度0を抗酸化活性100%とした。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
表1の結果から、麦類又はその処理物の亜臨界抽出物が、あわやひえなどの他の植物の亜臨界抽出物と比較して高い抗酸化活性を示すこと(比較例1〜2)、麦類又はその処理物を亜臨界抽出すると、水とエタノールを用いて抽出するよりも著しく抗酸化活性が高まること(比較例1〜3)が分かる。
【0058】
(実施例4および5)
小麦ふすま(実施例4)又は製造例1の水溶性ヘミセルロース(実施例5)を3つの耐熱容器に1gずつ入れ、そこに水9.5mL及びエタノール9.5mLを加えた。容器を亜臨界抽出装置(トーマス科学器機(株)製)に入れて、別々に亜臨界抽出を行った。亜臨界抽出の温度は200℃、圧力は約1.5MPaとし、抽出時間は各容器ごとに変え、それぞれ20、40、60分とした。処理後、固形分を除去して得た上清を、エバポレーターを用いて乾固し、これをDMSOに溶解して、10mg/mLの濃度の各20、40、60分処理の抗酸化抽出物とした。
【0059】
なお、小麦ふすま、又は製造例1の水溶性ヘミセルロース1gに水9.5mL及びエタノール9.5mLを加え、30℃、24時間振とうし、固形分を除去して得た上清を、エバポレーターを用いて乾固し、同様に10mg/mLのDMSO溶液としたものを亜臨界抽出前のサンプルとした(対照)。
【0060】
(比較例6)
実施例4と同様にして、米ぬかを用いて、20、40、60分間の亜臨界抽出を行い、比較抽出物を得た。また、実施例4と同様にして、米ぬかについて亜臨界抽出前のサンプルを得た(対照)。
【0061】
(試験例2)亜臨界抽出時間の検討
実施例4、5及び比較例6のそれぞれの抽出物を用いて、試験例1と同様の方法により、抗酸化活性を測定し、亜臨界抽出前サンプルに対する、抗酸化活性の増加度を算出した。その結果を表2に示す。
【0062】
【表2】

【0063】
表2から、麦類又はその処理物の亜臨界抽出物が、米ぬかの亜臨界抽出物に比べて、亜臨界抽出による活性の増加の程度が極めて大きく、しかも亜臨界処置が短時間であっても、高い抗酸化活性を有する抽出物が得られることが分かる。
【0064】
(実施例6)錠剤の製造
実施例1の抗酸化抽出物84g、結晶セルロース(旭化成)10g及びポリビニルピロリドン(BASF)5gを混合し、これにエタノール30mLを添加して、湿式法により常法にしたがって顆粒を製造した。この顆粒を乾燥した後、ステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて打錠用顆粒末とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が1gの錠剤100個を製造した。
【0065】
(実施例7)顆粒剤の製造
実施例1の抗酸化抽出物100g、乳糖(DMV)100g及び結晶セルロース(旭化成)40gを混合し、これにエタノール130mLを練合機に添加し、通常の方法により5分間練合した。練合終了後、10メッシュで篩過し、乾燥機中にて50℃で乾燥した。乾燥後、整粒し、顆粒剤240gを得た。
【0066】
(実施例8)パンの製造
小麦粉(強力粉)166gとドライイースト2gを混ぜた。これとは別に、実施例1の抗酸化抽出物2g、砂糖25g、食塩3g、脱脂粉乳6gを温湯70gに溶かし、鶏卵1個を添加してよく混ぜた。これを上記の小麦粉とドライイーストの混合物に加え、よく手でこねた後、バター約40gを加えてよくこね、20個のロールパン生地を作った。次いで、これらのパン生地を発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で約15分焼き、ロールパンを作成した。外観、味、食感ともに良好であった。
【0067】
(実施例9)パスタ用ソースの製造
パスタ用のミートソース一人前(150g)を鍋に入れ、これに実施例1の抗酸化抽出物1gを加えて加温した。このソースをパウチへ充填した後、窒素置換を行いながらパウチを密封し、121℃で15分間殺菌を行って、パスタ用ミートソースを得た。
【0068】
(実施例10)軟膏剤の製造
【表3】

【0069】
Bを70℃で加熱溶解しながら混合し油相とした。Aを70℃で加熱溶解しながら混合し、これにBの油相を加えて混合乳化し、その後Cを加えながら冷却処理をしてよく混合し、軟膏を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麦類又はその処理物から超臨界流体又は亜臨界流体を用いて抽出することにより得られる抽出物を有効成分として含有する抗酸化組成物。
【請求項2】
麦類又はその処理物が、小麦ふすま又はその処理物である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
小麦ふすま又はその処理物が、小麦ふすまに圧力処理後酵素処理を行って得られる水溶性ヘミセルロースである、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
抽出物が、150〜260℃の温度の亜臨界水を用いて抽出することにより得られる抽出物である請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。

【公開番号】特開2009−57481(P2009−57481A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226348(P2007−226348)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(301049744)日清ファルマ株式会社 (61)
【出願人】(507219686)静岡県公立大学法人 (63)
【Fターム(参考)】