説明

抗鬱薬投薬形態

【課題】抗鬱治療に有用なベンラファクシンを含む治療組成物を提供する。
【解決手段】使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤であって、該投薬用製剤は、(a)少なくとも一部が流体の通路に浸透性の組成物を含む壁であって、(b)区画;(c)ベンラファクシン及び(d)ポリマーと浸透剤を含む区画中の置換物を囲む壁、及び、(e)投薬用製剤から薬組成物を送達するための投薬用製剤中の出口通路を含む、前記投薬用製剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗鬱治療に有用な下記の構造式の化合物からなる制御された放出の投薬用製剤に関するものである。
【0002】
【化1】


本発明はまた、一般式の化合物からなる制御された放出の投薬用製剤を投与することによる、抗鬱治療に有用な方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
薬の投与の主な目的は、体内に薬を治療上の投与量与えて、望まれる血中濃度を達成させ、次いでその望まれる薬の血中濃度を維持することである。望まれる治療効果を得ようと試みている先行技術ではしばしば、異なる投薬用製剤又はプログラムが使用されていた。1つの投薬プログラムは、速い上昇を生じるが時間に対して薬の血中レベルが即座に減少する従来のカプセル又は錠剤から、薬を一回投与することからなる。一回の投与では長時間治療範囲内に薬を維持させないが、従来の投薬用製剤がある期間に渡って薬剤を送達するのに無力であるために短期間の効果を示す。
【0004】
薬の血中レベルを得て達成するために使用されている他の従来技術の投薬プログラムは、複数回の投薬治療として、様々な投薬間隔で従来の投薬用製剤を使用して繰り返し薬を投与することからなる。複数回の投薬治療による薬の投与において、到達される薬の血中レベル及びそのレベルに到達するのに必要な時間は、投薬量及び投薬間隔に依存する。しかしながら、複数回の投薬治療には幾つかの潜在する本質的な問題がある。例えば、投薬間隔が薬の生物学的な半減期に対し適当でない場合、大きなピークや谷が薬の血中レベルに生じ得る。また、薬の血中レベルが充分に初期に治療範囲内にならないかもしれず、これは多くの疾病状態にとって重要な考慮すべき問題である。また、複数回の投薬養生法に患者が承諾しないことがこの取り組み方を失敗にしており、特に循環している薬がそれぞれの回に高くまで押し寄せる時、薬が投与され、続いて血液中や体の各部分の薬の濃度が減少する。この様に、幾つかの投与回数での投薬プログラムの結果として起こる循環している薬のグラフには、一連のピークが現れ、それは毒性限界を超え得る。次いで、効果が血液中や体内で得ることができないであろう谷、即ち望まれている治療効果を達成するのに必要とされる臨界レベル以下まで、それぞれの回に血中レベルが減少する。従来の投薬用製剤及びそれらの操作方法は、RemingtonのPharmaceutical Sciences、18版、1676〜1686頁(1990年)、MackPublishing社;MacMillian Publishing社発行、The Pharmacological Basis of Therapeutics、7版、7頁(1985年)及びZaffaroniに発行された米国特許第3598122号明細書及び同第3598123号明細書に論じられている。
【0005】
臨界的な必要性は、錠剤、カプセル、エリキシル及び懸濁液等の従来の投薬用製剤で薬が現在投与される、下記一般式の薬を投与するための制御された速度の投薬用製剤に存在する。
【化2】

【0006】
これらの従来の投薬用製剤では、上記にて示されるピークや谷の薬のパターンが生じ、それらは長時間に渡っては制御された速度の治療を与えない。その配合の薬は、排出半減期が3〜5時間であるために、現在では一日に2回又は3回投薬される。この投薬パターンは、長時間に渡って制御された速度で薬を投与し一定の治療を与えそれによって複数回の投薬の必要をなくさせ得る、制御された放出投薬用製剤を必要とすることを示している。構造式の薬は、Husbands、Yardley及びMuthに発行された米国特許第4535186号明細書、同第4611078号明細書及び同第4761501号明細書で知られている。
【0007】
先行技術は、連続的にある期間に渡って制御された速度の治療のための薬を投薬し得る制御された放出投薬用製剤を提供した。例えば、Cortese及びTheeuwesに発行された米国特許第4327725号明細書、Wong、Barclay、Deters及びTheeuwesに発行された米国特許第4612008号明細書、同第4765989号明細書及び同第4783337号明細書参照。これらの特許に開示されている投薬用製剤は、一定の速度で好ましい治療のための治療範囲をもたらすための薬を提供する。その特許の投薬形態は治療の範囲を与え、副作用を伴う有害な範囲で過剰の薬の送達を防止する。治療の範囲で制御された投薬をする際にその特許の投薬用製剤はまた、効果のない範囲で効果のない投薬量で薬を送達するのを防止する。
【0008】
上記にて即座に示された投薬用製剤は、それらの意図された使用に上手く効果を表し、それらは優れた治療として示されている多くの薬を送達し得る。しかしながら上記の構造式の薬は、37℃の体温で570mg/mlの高い溶解性等の特性を有し、これは投薬用製剤から薬を時期尚早に放出させ得る。投薬用製剤が効力を有する間に、吸収された液体の対流運動及び高い溶解度と結合した吸収された液体の静水圧により、一般式の薬の時期尚早の放出が引き起こされ得る。
【0009】
構造式によって包含される薬を送達させるための制御された放出配達を与える投薬用製剤が至急に必要とされていることが、上記の記述の観点から即座に明らかである。意図された治療を与えると同時に、治療範囲の制御された投薬量で薬を送達させるための投薬用製剤が必要とされている。制御された速度の投薬である期間に渡って薬を投与し得るこの様な投薬用製剤は従来技術に対して進歩及び価値のある貢献を示すであろうことは、調剤技術に精通した人々によって認識されるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、上記の記述を考慮して、本発明の即座の目的は、構造式の薬を投与するための投薬用製剤を提供するための制御された放出送達を所有する製剤を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、長時間に渡って治療範囲に制御された速度の投薬で一般式の薬を投与するための投薬用製剤を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、投薬用製剤から時期尚早の放出が本質的にない、一般式の薬を送達させ得る投薬用製剤を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、血中で一定の薬剤レベルを維持してそれによって長期の放出システムとして機能するために薬を送達し得る薬の送達を制御した放出システムを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、治療範囲で任意に長時間に渡って薬をゆっくりと放出させる薬の放出を持続させた送達システムを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、使用中の胃腸環境の望ましくない影響を実質的に減少及び/又は実質的に除去し、引き続き制御された薬の投与を提供する投薬用製剤を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、構造式によって包含される薬及び製薬的に許容し得る塩を投与するための投薬用製剤を改良することであって、その改良は改良された、及び公知の治療のための投薬用製剤から制御された放出速度で薬を送達させることからなる。
【0017】
本発明の他の目的は、1日1回の制御された放出投薬用製剤を提供し、治療の必要な患者に経口的に構造式の薬を送達させることである。
【0018】
本発明の他の目的は、治療の必要な動物に長時間に渡って単位投薬量当たり制御された速度の投薬で薬を経口的に投与することによって、一般式の薬を投与する方法を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、実質的に有害な範囲及び効果のない範囲を避けると同時に、治療の範囲で一般式の薬を投与する方法を提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、ポリマーを形成する薬組成物と混合される構造式の薬からなる治療組成物を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、ベンラファクシン(venlafaxine)及びその製薬的に許容し得る付加塩、並びに、ベンラファクシン(venlafaxine)及びその許容し得る塩のための製薬的に許容し得るポリマー担体からなる群から選ばれた一員からなる治療組成物を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、図面及び添付の請求の範囲と共に、以下の詳細な説明から調剤技術に精通した人々に、より明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0023】
図面の簡単な説明
描かれている図面では、尺度が記載されていないが、本発明の様々な実施態様を説明するために示されており、描かれている図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によって提供される投薬用製剤の一般的な図であり、その投薬用製剤は経口投与及び胃腸系において制御された速度の投薬で薬を送達させるために設計され、形成されている。
【図2】投薬用製剤の構造及び投薬用製剤の中に含有される組成部材を描くための、描かれている図1の投薬用製剤の開かれた図である。
【図3】投薬用製剤の外表面にコーティングされた構造式の薬の外面での即座の放出を描く、投薬用製剤の図である。
【0025】
描かれている図及び明細中で、関連した図の同じ部分は、同じ数で示されている。明細及び描かれている図の説明及びそれらの実施態様中に先に現れている用語は、本開示の他の部分に更に記載されている。
図面の詳細な説明
ところで詳細に図面を参照すると、その描かれている図面は本発明で提供される投薬用製剤の例であり、その例は制限として解釈されるべきではなく、投薬用製剤の1実施例は、描かれている図1に見られる。描かれている図1では、投薬用製剤10は本体部分11からなるのが見られ、その本体部分11は描かれている図1には見られないが、取り囲んで内域を形成する壁部12からなる。投薬用製剤10は、投薬用製剤10の内部と外部をつなぐための少なくとも1つの出口13からなる。
【0026】
描かれている図1の投薬用製剤10は、長時間に渡って浸透作用によって薬を送達する浸透性の投薬用製剤として製造された制御された放出投薬用製剤を説明している。本発明によって包含される制御された放出特性からなる投薬用製剤は、血中又は組織中の薬のレベルを実質的に一定に維持することに成功している。本発明の方法や様式内の投薬用製剤はまた、持続した放出投薬用製剤からなる。持続した放出投薬用製剤は薬を放出し、長時間に渡って治療の範囲内で血中又は対象の組織内に薬のレベルを提供する。本発明は更に長期の放出投薬用製剤を包含する。長期の放出投薬用製剤は、従来の薬の放出によって成し遂げられていた以上の長期の薬の放出作用を示す。
【0027】
描かれている図2では、図1の投薬用製剤10が開かれた断面図で見られる。描かれている図2では、投薬用製剤10は本体部分11、取り囲んで内部の区画14を画定する壁部12とからなる。描かれている図2では、内部の区画14は出口通路13を通して投薬用製剤10の外部と通じている。
【0028】
投薬用製剤10の壁部12は、全体又は少なくとも一部が水性流体及び生化学的流体等の使用環境に存在する外部流体の通路に浸透性の組成物からなる。壁部12は非毒性の成分から形成され、薬の通路や区画14に存在する他の成分に実質的に不浸透性である。壁部12は実質的に不活性な組成からなり、即ち、壁部12は投薬用製剤10からの薬の薬投薬寿命の間その物理的及び化学的完全性を維持する。句「その物理的及び化学的完全性を維持する」は、壁部12がその構造を失わず、また投薬用製剤10の投薬寿命の間、投薬用製剤10の作用中形成される1又はそれ以上の出口13通路からの起こり得る浸出又は壁部12に混合されている水可溶性流出促進剤の浸出以外に変化しないことを意味する。壁部12は、動物、人又は投薬用製剤からなる他の成分に有害に作用しない物質からなる。壁部12を形成する代表的な物質は、1つの実施態様では、セルロースエステルポリマー、セルロースエーテルポリマー及びセルロースエステルエーテルポリマーである。これらのセルロース系ポリマーはある程度置換されてもよい。無水グルコース単位上のD.S.は0〜3含んでいる。置換の程度によって、置換基によって置き変えられるセルロースポリマーからなる無水グルコース単位にもともと存在している水酸基の平均数が意味される。代表的な物質としては、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、モノ−、ジ−及びトリ−セルロースアルカニレート、モノ−、ジ−及びトリ−セルロースアロイレート(aroylate)等からなる群から選ばれる一員が挙げられる。実例のポリマーとしては、D.S.が1までであり、アセチル含量が21%までの酢酸セルロース;D.S.が1〜2であり、アセチル含量が21〜35%の酢酸セルロース;D.S.が2〜3であり、アセチル含量が35〜44.8%の酢酸セルロース等が挙げられる。より詳細なセルロースポリマーとしては、D.S.が1.8、プロピル含量が39.2〜45%及びヒドロキシル含量が2.8〜5.4%のセルロースプロピオネート;D.S.が1.8、アセチル含量が13〜15%及びブチリル含量が34〜39%のセルロースアセテートブチレート;アセチル含量が2〜29%ブチリル含量が17〜53%及びヒドロキシル含量が0.5〜4.7%のセルロースアセテートブチレート;三吉草酸セルロース、三ラウリン酸セルロース、セルローストリパルミテート、三琥珀酸セルロース及び三オクタン酸セルロース等のD.S.が2.9〜3のセルローストリアシレート;二琥珀酸セルロース、セルロースジパルミテート、二オクタン酸セルロース、二ペンタン酸セルロース、セルロースアセテートブチレート及びセルロースアセテートプロピオネート等のセルロースの共エステル等のD.S.が2.2〜2.6のセルロースジアシレートが挙げられる。
【0029】
更なるポリマーとしては、エトキシ含量が40%〜55%の様々なエーテル化度のエチルセルロース、アセトアルデヒドジメチルセルロースアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートジエチルアミノアセテート、半透性ポリアミド;半透性ポリウレタン、半透性スルホン化ポリスチレン;米国特許第3173876号明細書、同第3276586号明細書、同第3541005号明細書、同第3541006号明細書及び同第3546142号明細書に開示される通りの多価陰イオンと多価陽イオンの共沈によって形成される半透性の架橋された選択性ポリマー;米国特許第3133132号明細書にLoeb及びSourirajanによって開示される通りの半透性ポリマー;半透性の僅かに架橋されたポリスチレン誘導体、半透性架橋ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、半透性架橋ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド);大気圧当たりの半透壁を通る静水圧又は浸透圧の差で表される流体透過度が2.5×10−8〜2.5×10−4(cm/hr.atm)を示す半透性ポリマー等が挙げられる。ポリマーは米国特許第3845770号明細書、同第3916899号明細書及び同第4160020号明細書;及びオハイオ州クリーブランドのCRC Press社によって1971年に発行された、Scott,J.R.及びRoff,W.J.によるHandbook of Common Polymersの技術に知られている。
【0030】
区画14は、点で特定される薬16を含有する薬の層15として特定される薬剤組成物からなる。薬16は下記の構造式の薬からなる。
【化3】

【0031】
式中、点線は任意の不飽和又はシクロアルケニル部分を表す;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキル、ホルミル及び炭素原子2〜7のアルカノイルからなる群から選ばれる部分である。;R及びRは独立に、水素、ヒドロキシル、炭素原子1〜6のアルキル、炭素原子1〜6のアルコキシ、炭素原子2〜7のアルカノイロキシ、ニトロ、炭素原子1〜6のアルキルメルカプト、アミノ、それぞれのアルキル基が炭素原子1〜6からなる炭素原子1〜6のアルキルアミノ、炭素原子2〜7のアルカンアミド、ハロ及びトリフルオロエチルからなる群から選ばれる部分である。Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;及びnは整数0、1、2、3及び4の一つである。一般式はまた無機、有機、塩化水素、臭化水素、グルコン酸、フマル酸、マレイン酸、スルホン酸、琥珀酸、硫酸、リン酸、酒石酸、酢酸、プロピオン、クエン酸、シュウ酸及び同様の製薬上許容できる付加塩からなる群から選ばれる部分を含む製薬上許容できる付加塩も含む。化合物は米国特許第4535186号明細書、同第4611078号明細書、同第4761501号明細書及び同第5190765号明細書で知られている。
【0032】
構造式の薬は、下記構造式の薬1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノールで代表される。
【化4】

【0033】
一般式に含まれる薬は、抗鬱特性を有する。試験管内でこの薬は、セロトニン、モルピネフィリン及びドーパミンをニューロンが取り込むのを防止し、モノアミン酸化酵素を阻害しない。この薬は、急性及び慢性の投与後に、レセルピンで誘導される低体温症を弱めて、エルドーパ(レボドーパ)の効果を増やし、ヒスタミンで誘導される副腎皮質刺激ホルモンの放出を減らし、環状アデノシンモノホスフェートの副刺激反応性を減らす。この薬は、人体において優れた抗鬱活性を有する。投薬用製剤10での薬16の治療量は0.5mg〜750mgであり、個々の投薬用製剤は、24時間の長時間に渡る1回の投与又は1回以上の投与に対して、薬16が2、5、10、25、40、50、75、100、150、250、300、500及び600mgからなる。構造式に含まれる薬の治療特性は、Current Therapeutic Research、第42巻、5号、901〜909頁(1987年)に報告されている。
【0034】
薬16からなる組成物15は、薬調剤担体及びダッシュ(−)17で表されるヒドロキシプロピルアルキルセルロース0wt%〜25wt%からなる群から選ばれる部分;斜線18で表されるヒドロキシルアルキルセルロース0wt%〜20wt%からなる群から選ばれる部分;小さな丸19で表されるビニルポリマー0wt%〜35wt%からなる群から選ばれる部分;及び小さい四角20で表される、一般式(C12O(尚、nは3〜7500である。)で、数平均分子量が500〜1250000からなる、マルトデキストリンポリマー組成物0wt%〜35wt%(尚、wt%は重量%である。);半円20aで表される100000〜600000g/molの分子量を有するポリ(エチレンオキサイド)0wt%〜40wt%からなる群から選ばれる部分からなる部分を処方する組成からなり得る。
【0035】
尚、ヒドロキシプロピルアルキルセルロースは、アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選ばれる炭素数1〜7からなり、セルロース部分は9000〜1250000の分子量からなり、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルイソプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース及びヒドロキシプロピルヘキシルセルロースで例示される。
【0036】
尚、ヒドロキシルアルキルセルロースは、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル等の炭素数1〜6であり、セルロース部分は7500〜750000の分子量からなり、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシイソプロピルセルロース及びヒドロキシブチルセルロースで例示される。
【0037】
尚、ビニルポリマーは、分子量3500〜750000を有し、ポリ−n−ビニルアミド、ポリ−n−ビニルセタミド、ポリ−n−ビニルエチルアセトアミド、ポリ−n−ビニルメチルプロピオンアミド、ポリ−n−ビニルエチルプロピオンアミド、ポリ−n−ビニルメチルイソブチルアミド、ポリ−n−ビニル−2−ピロリドン、ポリビニルピロリドン及びポリ−n−ビニルピロリドンとしても知られているポリ−n−ビニルピペリドン、ポリ−n−ビニルカプロラクタム、ポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン及びポリ−n−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、及び、酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、酪酸ビニル、ラウリル酸ビニル及びステアリン酸ビニルからなる群から選ばれる部分を有するポリ−n−ビニルピロリドン共重合体で代表される。組成物15は任意に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸で代表される潤滑剤を0〜4.5wt%を含んでいる。組成物15中の全成分の合計重量は、100wt%(重量%)に等しい。
【0038】
区画14は、置換組成物又は押し出し層21からなる。置換組成物21は、波線22として見られる、繰り返し分子単位−(O−CHCH−(式中nは正の全数50000〜300000である。)を有し、ポリ(エチレンオキサイド)からなるポリ(アルキレンオキサイド)で表されるポリマー;三角23で表される、一般式(C12O(尚、nは50〜62000であり、分子量9000〜10000000からなる)のマルトデキストリンポリマー;描かれている図2で六角形23aとして見られる、分子量10000〜5000000からなるカルボキシメチルセルロースポリマーからなる群から選ばれるポリマー部分からなる。
【0039】
尚、カルボキシメチルセルロースポリマーは、アルカリカルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びカリウムカルボキシメチルセルロース、アンモニウムカルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチル−2−ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチル−メチルセルロース、アルカリカルボキシメチル−ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、アルカリカルボキシメチル−2−ヒドロキシエチルメチルセルロース、アルカリカルボキシメチル−2−ヒドロキシブチルメチルセルロース、アルカリカルボキシメチル−2−ヒドロキシエチル−エチルセルロース及びアルカリカルボキシメチル−2−ヒドロキシプロピルセルロース(尚、アルカリはナトリウム及びカリウムである。)で代表される。
【0040】
薬組成物を押し出し組成物と実質的に混合されることが本質的になく投薬用製剤から薬を押し出すと同時に、生物学的流体を含む外部の水性流体を吸収する際に作用中にポリマーがその化学組成を維持するので、押し出し層21のポリマーは、予見できなかった効果を表す利点を与える。置換組成物21は任意に、浸透剤(osmagent)としても知られており、縦線24で表される、浸透性的に活性な化合物4〜35wt%を含む。浸透性的に効果のある化合物の代表は、塩、酸化物、吸収膨潤特性を示すエステル、炭水化物及び硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化アンモニウム、乳酸カリウム、マンニトール、尿素、琥珀酸マグネシウム、酒石酸、ラフィノース、ソルビトール、ショ糖、フルクトース及びグルコースからなる群から選ばれる部分を含む酸からなる。置換層21は任意に、v字で表されるセルロースポリマー25を0.5wt%〜30wt%含む。セルロースポリマー25の代表は、分子量9000〜225000からなる、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルイソプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、ヒドロキシプロピルペンチルセルロース及びヒドロキシプロピルヘキシルセルロースからなる群から選ばれる部分からなる。置換組成物は任意に、滑らかにするステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸及びカプリル酸を0wt%〜5wt%含んでいる。ポリマーは米国特許第3845770号及び同第4160020号明細書;及びオハイオ州クリーブランドのCRC Press社によって発行された、Scott,J.R.及びRoff,W.J.によるHandbook of Common Polymersで知られている。
【0041】
投薬用製剤10、描かれている図3に見られるものは、本発明で提供される他の好ましい製品である。描かれている図3の投薬用製剤10は、投薬用製剤10の外表面に外部コーティングを含む。コーティング26は、点16で表される薬16を10mg〜150mgからなる治療組成物である。外部コーティング26は、即座の治療のための即座の薬16を与える。薬16は担体のメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物からなる水溶性組成物と混合される。コーティング26は任意に、ポリエチレングリコール又はアセチル化されたトリグリセリドを含む。コーティング26は、コーティング26が溶解又は生物学的流体の存在下で溶解すると即座の治療を与え、それと同時に薬16を薬受容患部に送達する。コーティング26は、即座の治療を与え、投薬用製剤から薬が送達されるのに必要とされる時間を本質的に克服する。
【0042】
本発明によって提供される通りであって、上記の描かれている図に見られる通りの投薬用製剤10は、経口経路によって薬16を投薬するために製造され得り、他の実施態様の、外部及び内部の薬16からなる投薬用製剤10は、舌下経路及び口内経路によって薬16を投薬するために一定の大きさに作ったり形成され得る。舌下経路及び口内経路は素早い治療のために使用され得り、またそれらは治療に薬16を少なめの投薬量しか必要ない時に使用され得る。舌下経路及び口内経路は薬16の肝臓の代謝の第1の道のバイパスとして使用され得る。舌下経路又は口内経路は薬の第1の投薬量を投与するために使用され得り、続いて投薬用製剤10をその後薬を送達するために胃腸系に入れる。
【0043】
浸透性で、制御された放出投薬製剤として製造される場合、投薬用製剤10は少なくとも1つの通路13又は1つ以上の通路13からなる。表現「少なくとも1つの通路」は、開き口(aperture)、オリフィス(orifice)、穿孔(bore)、孔(pore)、薬がそれを通って汲みだされ、拡散、運ばれ又は移動する有孔性の要素、中空繊維、毛細管、有孔性オーバーレイ(porous overlay)、有孔性インサート(porous insert)、微孔性部分(microporous member)、有孔性組成物等を含む。その表現はまた、使用中の流体環境の壁12から浸食又は浸出されて、少なくとも1つの通路を投薬用製剤10に作る物質も含まれる。少なくとも1つの通路又は多数の通路を形成するのに適する代表的な物質としては、壁中の浸食性のポリグリコール酸又はポリ乳酸部分;ゼラチン状のフィラメント;ポリビニルアルコール;流体を除去可能な孔を形成するポリ糖類、塩又は酸化物等の浸出可能な物質が挙げられる。1つの通路又は多数の通路は、ソルビトール、ショ糖、ラクトース、フルクトース等の物質を壁から浸出して、浸透性の必要な大きさの孔通路を作ることによって形成され得る。通路は、投薬用製剤10から薬を計量して放出するのを手伝うために、丸、三角、四角、楕円形等のいかなる形を有していても良い。投薬用製剤10は、投薬用製剤の1又はそれ以上の単一表面上に一定の間隔をあけた関係で1つ以上の通路で構成され得る。通路及び通路を形成するための装置は、Theeuwes及びHiguchiによる米国特許第3845770号明細書及び同第3916899号明細書;Saunders等による米国特許第4063064号明細書;及びTheeuwes等による米国特許第4088864号明細書に開示されている。制御された薬放出寸法からなり、水が浸出して制御された浸透性の放出速度の薬放出孔を与えることによって形成された薬放出孔として一定の大きさに作られ、形作られそして適合させられた浸透性の通路は、Ayer及びTheeuwesによる米国特許第4200098号明細書;及びAyer及びTheeuwesによる米国特許第4285987号明細書に開示されている。
【0044】
浸透性の投薬用製剤10の壁部12は、エアサスペンション方法を使用する1つの技術で形成され得る。この方法は、壁が薬押し出し区画に塗布されるまで、空気及び壁形成組成物の流れの中に、圧縮された薬押し出し核積層物を浮遊させ、ころがすことからなる。エアサスペンション手順は独立に壁を形成させるのによく適している。エアサスペンション手順は米国特許第2799241号明細書;J.Am.Pharm.Assoc.第48巻、451〜454頁(1959年);及び同書の第49巻、82〜84頁(1960年)に記載されている。浸透性の投薬用製剤はまた、80:20 wt:wtのメチレンジクロライド−メタノール共溶媒、エタノール−水又は2.5〜4%の固形分を使用する95:5 wt:wtのアセトン−水共溶媒を使用して、Wurster(登録商標)エアサスペンションコーティング機中で壁形成組成物でコーティングされ得る。80:20 wt:wtのメチレンジクロライド−メタノール共溶媒を使用するAeromatic(登録商標)エアサスペンションコーティング機もまた、壁を塗工するのに使用され得る。パンコーティング系等の他の壁形成技術では、壁形成組成物が薬押し出し区画上に組成物を連続的にスプレーし、続いて回転するパン中でころがすことによって塗布される。最後に、壁がコーティングされた区画は、投薬用製剤10の溶媒をなくすために、30℃〜50℃の強制空気で1週間まで乾燥させられる。一般に、これらの技術で形成させられた壁は厚み2(0.050mm)〜30mil(0.750mm)、現在好ましくは4〜10milを有する、尚1milは0.025mmに等しい。
【0045】
本発明の投薬用製剤10は標準の製造技術によって製造される。例えば、1つの製造において、有益な薬と出口手段に向き合う薬剤層からなる他の成分を混合して、固体層に圧縮する。薬と他の成分は溶媒と混合され、ボールミル法、カレンダー法、攪拌又はロールミル法等の従来の方法によって形成された固体又は半固体に混合され、次いで予め選択された形に圧縮される。その層は層が投薬用製剤中で占める範囲の内寸法に対応する寸法を有し、そしてまたそれと共に接触する配置を形成するための第2の層に対応する寸法を有する。次に、押し出し層は薬の層と接触させて置かれる。押し出し層は薬の層を提供するための技術を使用して製造される。薬の層と押し出し層の積層は、従来の圧縮層形成技術によって製造され得る。最後に、2つの層区画形成部分は、外側の壁で取り囲まれて、コーティングされる。通路は、薬の層と接触させるために壁を通してレーザーを通すか又は機械的に穴を開けられるが、レーザーを通路の形成に使用する場合は、予め選択された表面に通路を形成するためにレーザー装置によって自動的に任意に優先された投薬用製剤を用いる。
【0046】
他の製造において、投薬用製剤は湿潤造粒技術によって製造される。湿潤造粒技術において、例えば、薬や薬の層からなる成分は、80:20 v:v(体積:体積)のイソプロピルアルコール−エチレンジクロライド等の有機溶媒を造粒流体として使用して混合される。変性アルコール100%等の他の造粒流体はこの目的のために使用され得る。薬の層を形成する成分は個々に40メッシュ(0.420mm)の篩を通され、次いで混合機中で完全に混合される。次に、薬の層からなる他の成分を、上記した共溶媒等の造粒流体の一部に溶解させる。次いで、後者の調製された湿潤混合物を、混合機中で連続的に混合しながら薬混合物にゆっくりと添加する。造粒流体を湿潤混合物が製造されるまで添加し、次いでその湿潤した固まりを強制的に20メッシュ(0.841mm)の篩を通してオーブントレーに置く。この混合物を18〜24時間30℃〜50℃で乾燥する。次いで、乾燥した粒状物を20メッシュ(0.841mm)の篩で一定の大きさに作る。次に、潤滑剤を80メッシュ(0.177mm)の篩を通して、乾燥したふるい分けられた粒状混合物に添加する。この造粒は粉砕容器(milling jar)に入れられ、1〜15分容器ミルで混合される。押し出し層は同様の湿潤造粒技術によって製造される。その組成物はManesty(登録商標)圧縮−層プレス中で個々の層に圧縮される。
【0047】
区画を形成する組成物層を与えるために使用され得る他の製造方法は、粉末状の成分を流動床造粒機中で独立にそれぞれの層のために混合することからなる。造粒機中で粉末状の成分を乾燥混合した後、例えば水又は変性アルコール、又は、95:5のエチルアルコール/水、又は、エタノールと水の混合物中のポリビニルピロリドン等の造粒流体を粉末上にスプレーする。任意に、その成分を造粒流体中に溶解又は懸濁させても良い。次いで、コーティングされた粉末を造粒機中で乾燥する。この方法は、造粒流体を添加すると同時にその中に存在する全ての成分を粒状化する。粒状物を乾燥した後、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤を造粒機に添加する。次いで、それぞれ別の層のための粒状物を上記した方法で圧縮する。
【0048】
本発明の投薬用製剤は、薬を形成成分組成物と混合し、区画の内寸法に対応する寸法を有する固体状の層に組成物を押し込むことによって他の製造方法で製造される。他の製造方法において、薬及び他の薬組成物形成成分及び溶媒をボールミル法、カレンダー法、攪拌又はロールミル法等の従来の方法によって固体又は半固体に混合し、次いで予め選択された層形成形状に圧縮する。次に、浸透性ポリマー及び任意の浸透剤(osmagent)からなる組成物の層を薬からなる層と接触させて置く。薬からなる第1の層と浸透性ポリマー及び任意の浸透剤(osmagent)とからなる組成物からなる第2の層の積層は、従来の層圧縮技術を使用して成し遂げられ得る。壁を、成形、スプレー又は壁形成物質に圧縮された2層の形を浸すことによって塗工する。壁を塗工するために使用され得る他の現在好ましい技術は、エアーサスペンションコーティング法である。この方法は、壁形成組成物が層を囲むまで、空気の流れの中に2つの層を浮遊させ、ころがすことからなる。エアサスペンション手順は米国特許第2799241号明細書;J.Am.Pharm.Assoc.第48巻、451〜454頁(1979年);及び同書の第49巻、82〜84頁(1960年)に記載されている。他の標準的な製造手順はModern Plastics Encyclopedia第46巻、62〜70頁(1969年);及びペンシルバニア州のイーストンのMack Publishing社発行の、Remingtonによる、Pharmaceutical Science、第14版、1626〜1678頁(1970年)に記載されている。
【0049】
壁、積層物及び層を製造するのに適する溶媒の例としては、最後に壁を積層させる不活性な無機溶媒及び有機溶媒が挙げられる。溶媒は広く、水性溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、脂肪族炭化水素、ハロゲン化溶媒、環状脂肪族、芳香族、ヘテロ環溶媒及びそれらの混合物からなる群から選ばれる一員が挙げられる。典型的な溶媒としては、アセトン、ジアセトン、アルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルアセテート、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、プロピレンジクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロロエタン、エチルエーテル、イロプロピルエーテル、シクロヘキサン、シクロオクタン、ベンゼン、トルエン、ナフサ、テトラヒドロフラン、ダイグライム、並びに、例えばアセトン及び水、アセトン及びメタノール、アセトン及びエチルアルコール、メチレンジクロライド及びメタノール、及び、エチレンジクロライド及びメタノール等の水性及び非水性のそれらの混合物が挙げられる。
本発明の実施例の詳細な開示
以下の実施例は単なる本発明の例示であり、これらの実施例及びそれらの他の均等物は、本発明の開示、図面及び添付の特許請求の範囲に照らして当該技術に精通した人々に明らかになるであろうから、いかなる方法でもそれらは本発明の範囲を制限するものとして考えられるべきではない
実施例1
治療範囲の薬を行き渡らせるのに適合した投薬用製剤を以下の通りに製造した。:初めに置換層又は押し出し層を、重合度が約3200で置換度が無水グルコース単位当たり0.7カルボキシメチル基である、ナトリウムカルボキシメチルセルロース587.5g、粉末状の塩化ナトリウム300g、分子量が約60000g/molのヒドロキシプロピルセルロース50g、並びに、平均メトキシル含量が29重量%、平均ヒドロキシプロピル含量が10重量%及び平均分子量が約11300g/molのヒドロキシプロピルメチルセルロース50gを混合して、420μmのメッシュ開口を有するステンレス鋼のサイジング篩を通すことによって調製した。次いで、酸化鉄(III)10gを約250μm(0.250mm)の開口を有するサイジング篩を通した。得られた粉末を単一な混合物になるまで遊星形ミキサー中で混合した。得られた混合物を、凝集性の固まりが形成されるまで無水エチルアルコールを攪拌しながら添加することによって、湿潤造粒した。この固まりを約840μm(0.840mm)の開口を有するサイジング篩を通して、コーティングされた置換粒子を形成し、それを周囲温度及び周囲湿度下で一夜乾燥させた。次いで、乾燥した粒子を再度840μm(0.840mm)のサイジング篩を通した。次に、予め180μmの開口を有する篩を通して分粒しておいた、ステアリン酸マグネシウム2.5gをコーティングされた粒子に回転式混合機で混合した。
【0050】
構造式の薬からなる組成物を以下の通りに調製した。:初めに、薬組成物をベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩840g、分子量が約60000g/molのヒドロキシプロピルセルロース100g、及び、分子量が約40000g/molのポリビニルピロリドン50gを約420μm(0.420mm)の開口を有するサイジングを通して、遊星形ミキサー中で混合して単一な混合物を生じさせることによって、調製した。次いで、無水エチルアルコールを攪拌しながら混合物に添加して、凝集性の湿った固まりを形成させた。得られた湿った固まりを840μm(0.840mm)の開口を有する篩を通して分粒して、コーティングされたベンラファクシン(venlafaxine)薬を製造し、それを一夜空気乾燥した。得られた乾燥されコーティングされたベンラファクシン(venlafaxine)薬を再度840μm(0.840mm)の開口を有するサイジング篩を通した。次に、180μm(0.180mm)に分粒された、ステアリン酸マグネシウム10gを混合物に回転式混合機で混合した。
【0051】
次に、置換−押し出し組成物及び薬組成物を以下の通りに2層コアに形成した。:初めに薬組成物87mgを9/32インチ(5mm)の丸型ダイのキャビティー中に置き、標準的な凹面の丸型の工具細工で軽く突き固めて、僅かに凝集性の層を形成させた。次いで、押し出し組成物70mgをダイに添加して、得られた詰め物を最終力2トン(1812kg)で圧縮して、それによって2層のコアを形成した。
【0052】
次いで、2層のコアを、直径12インチのコーティング容器に置き、それらを壁形成溶液でコーティングした。壁形成溶液は、酢酸含量が39.8重量%の酢酸セルロース380gをアセトン7220g中に溶解させることによって調製された。別の混合容器中で、分子量が約3350g/molのポリエチレングリコール20gを、精製水約380g中に溶解させた。この2つの溶液を混合し、壁コーティング溶液を形成し、壁組成物約20mgが2層コアの表面に置かれるまでそれをコア上にスプレーコーティングした。
【0053】
放出出口を、投薬用製剤の薬組成物側の投薬用製剤の面の中央の出口に穴を開けることによって壁を越えて形成した。得られた投薬用製剤を37℃の疑似生理的流体中に置いたところ、投薬用製剤は制御された0速度で15時間の長時間に渡ってベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩73mgの投与量を送達した。
実施例2
実施例1の手順を、薬組成物がベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩890g、ヒドロキシプロピルセルロース100g、及び、ステアリン酸マグネシウム10gからなる以外は、上記に述べた通りの製造手順で従った。得られた投薬用製剤は、疑似腸内流体中で、0次速度で16時間の長時間に渡ってベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩77mgを放出した。
実施例3
実施例1の手順を、薬組成物がベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩650.0g、平均分子量が約1800g/molで平均重合度が11.1のマルトデキストリン240.0g、ヒドロキシプロピルセルロース80.0g、ポリビニルピロリドン20.0g、及び、ステアリン酸マグネシウム10.0gからなる以外は、上記に記載した通りの全ての製造工程に従った。得られた投薬用製剤を人工の腸内流体中で試験したところ、投薬用製剤は0次速度で15時間に渡ってベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩57mgの投与量を送達した。
実施例4
実施例1の手順を、薬組成物がベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩840.0g、平均分子量が約100000g/molのポリエチレンオキサイド150.0g、及び、ステアリン酸マグネシウム10.0gからなる以外は、これまでに上記に述べた通りの製造で繰り返した。壁重量は約25mgであった。得られた投薬用製剤を疑似腸内流体中で試験したところ、それらは制御された速度で20時間の長時間に渡ってベンラファクシン(venlafaxine)塩酸塩73mgの投与量を放出した。
実施例5
組成物を実施例1と同様に製造した。製造方法は、製造された押し出し層を流動床水性ベースの造粒方法で調製した以外は同様であった。これは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、塩化ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及び酸化鉄(III)を420μm(0.420mm)の開口を有する篩を通して分粒することによって成し遂げられた。得られた粉体を流動床の造粒カラム中に詰めて、固形分濃度5%のヒドロキシプロピルメチルセルロースからなるバインダー水溶液をスプレーし、それによって押し出し層のための小粒を形成した。
実施例6
この実施例で従った組成及び方法は、押し出し層が平均分子量約5百万g/molのポリエチレンオキサイド740g、塩化ナトリウム200.0g、平均分子量が約11300g/molのヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化鉄(III)5.0g、及び、ステアリン酸マグネシウム5.0gからなる以外は、実施例1と同様であった。
本発明の実施方法の詳細
本発明の更なる実施態様は、本発明の構造式で含まれる薬をその意図された治療のために送達する方法に関する。1つの実施態様は、長時間に渡って治療的に反応する投薬量で、持続させられた放出及び制御された放出の投薬用製剤から選択される投薬用製剤から薬0.5mg〜750mgからなる投薬用製剤を投与することによって、一般式の薬を送達する方法に関する。本発明の他の実施態様は、本発明に開示された一般式の薬を、この治療を必要とする人間の胃腸系に送達する方法に関するものであり、この方法は以下の工程からなる。:(A)人間の胃腸系に以下からなる投薬用製剤を経口投与する工程:(1)壁を通して投薬用製剤中に外部の水性流体を吸収するための手段からなる非毒性の壁組成物、その壁は以下を囲んでおり、画定している;(2)内部区画;(3)投薬単位量の該薬からなる区画中の一般式の薬からなる薬組成物;(4)区画から薬組成物を押し出すための区画中の押し出し組成物;(5)投薬用製剤から薬を送達するための壁に設けられた少なくとも1つの出口手段;(B)壁を通して区画内に流体を吸収し、それによって組成物を送達し得る投薬用製剤に変えて、付随して押し出し組成物を膨張させて、薬組成物を出口手段を通して投薬用製剤から押し出す工程;及び(C)この治療を必要とする患者に長時間に渡って制御された速度で治療的に効果的な量の治療薬を送達する工程。この方法はまた、即座の抗鬱薬治療を与えるために、即座の放出外層投薬量の薬から患者に投薬量のこの薬を投薬することからなる。
【0054】
前述の詳細は本発明の好ましい実施態様からなるのであるから、本発明の概念から逸脱しない限り開示された発明の原理に従って、本明細書中において変更や修正が成されてもよいことが理解され得る。
【0055】
本発明の好ましい態様は下記のようなものである。
【0056】
1.0.5mg〜750mgの下記式の薬及び製薬上許容できる付加塩からなる治療組成物であって、
【化5】

【0057】
(式中、点線は不飽和又はシクロアルケニル基を表す。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキル、ホルミル及び炭素原子2〜7のアルカノイルからなる群から選ばれる部分である。;R及びRは独立に、水素、ヒドロキシル、炭素原子1〜6のアルキル、炭素原子1〜6のアルコキシ、炭素原子2〜7のアルカノイロキシ、ニトロ、炭素原子1〜6のアルキルメルカプト、アミノ、それぞれのアルキル基が炭素原子1〜6からなる炭素原子1〜6のアルキルアミノ、炭素原子2〜7のアルカンアミド、ハロ及びトリフルオロエチルからなる群から選ばれる部分であり、Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分であり、nは整数0、1、2、3及び4の一つである。)、前記一般式の薬がポリアルキレンオキサイドポリマーと混合されてなる治療組成物。
【0058】
2.0.5mg〜750mgの下記式の薬及び製薬上許容できる付加塩からなる治療組成物であって、
【化6】

【0059】
(式中、点線は不飽和又はシクロアルケニル基を表す。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキル、ホルミル及び炭素原子2〜7のアルカノイルからなる群から選ばれる部分である。;R及びRは独立に、水素、ヒドロキシル、炭素原子1〜6のアルキル、炭素原子1〜6のアルコキシ、炭素原子2〜7のアルカノイロキシ、ニトロ、炭素原子1〜6のアルキルメルカプト、アミノ、それぞれのアルキル基が炭素数1〜6からなる炭素原子1〜6のアルキルアミノ、炭素原子2〜7のアルカンアミド、ハロ及びトリフルオロエチルからなる群から選ばれる部分であり、Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分であり、nは整数0、1、2、3及び4の一つである。)、前記一般式の薬がセルロースポリマーと混合されてなる治療組成物。
【0060】
3.0.5mg〜750mgの下記式の薬及び製薬上許容できる付加塩からなる治療組成物であって、
【化7】

【0061】
(式中、点線は不飽和又はシクロアルケニル基を表す。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキル、ホルミル及び炭素原子2〜7のアルカノイルからなる群から選ばれる部分である。;R及びRは独立に、水素、ヒドロキシル、炭素原子1〜6のアルキル、炭素原子1〜6のアルコキシ、炭素原子2〜7のアルカノイロキシ、ニトロ、炭素原子1〜6のアルキルメルカプト、アミノ、それぞれのアルキル基が炭素数1〜6からなる炭素原子1〜6のアルキルアミノ、炭素原子2〜7のアルカンアミド、ハロ及びトリフルオロエチルからなる群から選ばれる部分であり、Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分であり、nは整数0、1、2、3及び4の一つである。)、前記一般式の薬がマルトデキストリンポリマーと混合されてなる治療組成物。
【0062】
4.使用環境に薬を投与するための投薬用製剤であって、該投薬用製剤が下記式の薬からなり、:
【化8】

【0063】
投薬用製剤が持続した放出投薬用製剤及び制御された放出投薬用製剤からなる群から選ばれる部分からなり、かつ、該投薬用製剤が薬を蓄えるための手段及び長時間に渡って薬を放出するための手段からなる前記投薬用製剤。
【0064】
5.使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤であって、該投薬用製剤が以下、:
(a)少なくとも一部が流体の通路に浸透性の組成物からなる壁であり、その壁は以下を囲んでおり:
(b)区画;
(c)下記式の薬からなる区画中の薬組成物:
【化9】

【0065】
(式中、点線は不飽和又はシクロアルケニル基からなる群から選ばれる部分を表す。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキル、ホルミル及び炭素原子2〜7のアルカノイルからなる群から選ばれる部分である。;R及びRは独立に、水素、ヒドロキシル、炭素原子1〜6のアルキル、炭素原子1〜6のアルコキシ、炭素原子2〜7のアルカノイロキシ、ニトロ、炭素原子1〜6のアルキルメルカプト、アミノ、炭素原子1〜6のアルキルアミノ、炭素原子2〜7のアルカンアミド、ハロ及びトリフルオロエチルからなる群から選ばれる部分であり、Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分であり、nは整数0〜4である。)、及び、
(d)浸透性的に活性な化合物からなる組成物からなる区画中の置換物、及び、
(e)投薬用製剤から薬組成物を送達するための投薬用製剤中の出口通路
からなる、前記投薬用製剤。
【0066】
6.薬が1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノールである、5に記載の使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤。
【0067】
また、本発明の好ましい態様は下記のようなものである。
【0068】
1.使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤であって、該投薬用製剤が以下、:
(a)少なくとも一部が流体の通路に浸透性の組成物からなる壁であり、その壁は以下を囲んでおり:
(b)区画;
(c)下記式の薬からなる区画中の薬組成物:
【化10】

【0069】
(式中、点線は不飽和又はシクロアルケニル基からなる群から選ばれる部分を表す。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキル、ホルミル及び炭素原子2〜7のアルカノイルからなる群から選ばれる部分である。;R及びRは独立に、水素、ヒドロキシル、炭素原子1〜6のアルキル、炭素原子1〜6のアルコキシ、炭素原子2〜7のアルカノイロキシ、ニトロ、炭素原子1〜6のアルキルメルカプト、アミノ、炭素原子1〜6のアルキルアミノ、炭素原子2〜7のアルカンアミド、ハロ及びトリフルオロエチルからなる群から選ばれる部分であり、Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分であり、nは整数0〜4である。)、及び、
(d)浸透性的に活性な化合物からなる組成物からなる区画中の置換物、及び、
(e)投薬用製剤から薬組成物を行き渡らせるための投薬用製剤中の出口通路からなる、前記投薬用製剤。
【0070】
2.薬が1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノールである、1に記載の使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤。
【0071】
また本発明の好ましい態様は下記のようなものである。
【0072】
1.使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤であって、該投薬用製剤が以下、:
(a)少なくとも一部が流体の通路に浸透性の組成物からなる壁であり、その壁は以下を囲んでおり:
(b)区画;
(c)下記式の薬からなる区画中の薬組成物:
【化11】

【0073】
(式中、点線は不飽和又はシクロアルケニル基からなる群から選ばれる部分を表す。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分である。;Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキル、ホルミル及び炭素原子2〜7のアルカノイルからなる群から選ばれる部分である。;R及びRは独立に、水素、ヒドロキシル、炭素原子1〜6のアルキル、炭素原子1〜6のアルコキシ、炭素原子2〜7のアルカノイロキシ、ニトロ、炭素原子1〜6のアルキルメルカプト、アミノ、炭素原子1〜6のアルキルアミノ、炭素原子2〜7のアルカンアミド、ハロ及びトリフルオロエチルからなる群から選ばれる部分であり、Rは水素及び炭素原子1〜6のアルキルからなる群から選ばれる部分であり、nは整数0〜4である。)、及び、
(d)ポリマーと浸透剤とからなる区画中の置換物、及び、
(e)投薬用製剤から薬組成物を送達するための投薬用製剤中の出口通路からなる、前記投薬用製剤。
【0074】
2.薬が1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノールである、1に記載の使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤。
【0075】
3.薬組成物がヒドロキシアルキルセルロースを含む1または2に記載の使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤。
【0076】
4.ヒドロキシアルキルセルロースがヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースから成る群から選択される少なくとも1種である3に記載の使用環境に薬を経口的に送達するための投薬用製剤。
【0077】
5.1日1回投与用の1から4のいずれかに記載の投薬用製剤。
【0078】
本発明の好ましい態様はまた下記のようなものである。
1. ヒトの胃腸管にある投与方法で薬剤を投与するための剤形であって、前記投与方法は、
(a)ヒトに抗鬱治療効果を有する下記式の薬剤を含む剤形の経口的な投与を許容するものであり、
【化12】


前記薬剤は抗鬱病治療効果を有し、
(b)長時間にわたって抗鬱病治療効果を発揮するために前記剤形から治療的に応答する投薬量で投与することを含み、
ここで、前記剤形は、持続放出形態または制御放出形態である、前記剤形。
2.剤形が1日1回投与用剤形である、1に記載の剤形。
3.剤形がベンラファクシン塩酸塩を含む、1または2に記載の剤形。
【0079】
本発明の好ましい態様はまた下記のようなものである。
1.ヒトの胃腸管にある投与方法で薬剤を投与するための剤形であって、前記投与方法は、
(a)ヒトに抗鬱病治療効果を有する下記式の薬剤又はその製薬的に許容し得る付加塩を含む剤形の経口的な投与を許容するものであり、
【化13】


(b)長時間にわたって抗鬱病治療効果を発揮するために前記剤形から治療的に応答する投薬量で前記薬剤を投与することを含み、
ここで、前記剤形は、持続放出形態または制御放出形態である、前記剤形。
2.長時間にわたって、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩を送達するための剤形であって、
前記剤形は、
(a)少なくとも一部が流体の通過には浸透性であるが、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩には浸透性ではない組成物を含む壁であり、その壁は以下を囲んでおり:
(b)第1層と第2層を含む区画;
(c)前記区画中の前記第1層中の薬組成物であって、前記薬組成物は、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩、及びアルキルの炭素数が1〜7であるヒドロキシプロピルアルキルセルロース、アルキルの炭素数が1〜6であるヒドロキシルアルキルセルロース、又はポリ(エチレンオキサイド)を含む、前記薬組成物、
(d)前記区画中の前記第2層中の置換組成物であって、浸透的に活性な化合物を含む、前記置換組成物、並びに、
(e)前記剤形から前記薬組成物を送達するための前記剤形にある出口通路
を含む剤形。
3.1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノールを0.5mg〜750mg、長時間にわたって送達する剤形であって、前記剤形は、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩、及びアルキルの炭素数が1〜7であるヒドロキシプロピルアルキルセルロース又はアルキルの炭素数が1〜6であるヒドロキシルアルキルセルロースを含む、前記剤形。
4.1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩を0.5mg〜750mg、長時間にわたって送達する剤形であって、前記剤形は、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、前記剤形。
5.剤形が1日1回投与用剤形である1〜4のいずれかに記載の剤形。
6.前記壁の外表面に即座の治療のために即座に薬物を放出する外部コーティングを含み、前記外部コーティングは1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩を含む、1〜5のいずれかに記載の剤形。
7.塩、酸化物、エステル、炭水化物及び酸から選択される浸透的に活性な化合物をさらに含む1及び3〜6のいずれかに記載の剤形。
【0080】
本発明の好ましい態様はまた下記のようなものである。
1.ヒトの胃腸管にある投与方法で薬剤を投与するための剤形であって、前記投与方法は、
(a)ヒトに抗鬱病治療効果を有する下記式の薬剤又はその製薬的に許容し得る付加塩を含む剤形の経口的な投与を許容するものであり、
【化14】


(b)少なくとも15時間の長時間にわたって抗鬱病治療効果を発揮するために前記剤形から治療的に応答する投薬量で前記薬剤を投与することを含み、
ここで、前記剤形は、持続放出形態または制御放出形態である、前記剤形。
2.1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノールを0.5mg〜750mg、少なくとも15時間の長時間にわたって抗鬱治療効果を発揮するために治療的に応答する投薬量で送達する剤形であって、前記剤形は、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩、及びアルキルの炭素数が1〜7であるヒドロキシプロピルアルキルセルロース又はアルキルの炭素数が1〜6であるヒドロキシルアルキルセルロースを含む、前記剤形。
3.1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩を0.5mg〜750mg、少なくとも15時間の長時間にわたって抗鬱治療効果を発揮するために治療的に応答する投薬量で送達する剤形であって、前記剤形は、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、前記剤形。
4.剤形が1日1回投与用剤形である1〜3のいずれかに記載の剤形。
5.前記壁の外表面に即座の治療のために即座に薬物を放出する外部コーティングを含み、前記外部コーティングは1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩を含む、1〜4のいずれかに記載の剤形。
6.塩、酸化物、エステル、炭水化物及び酸から選択される浸透的に活性な化合物をさらに含む1〜5のいずれかに記載の剤形。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の製剤は鬱病の治療に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの胃腸管にある投与方法で薬剤を投与するための剤形であって、前記投与方法は、
(a)ヒトに抗鬱病治療効果を有する下記式の薬剤又はその製薬的に許容し得る付加塩を含む剤形の経口的な投与を許容するものであり、
【化1】


(b)長時間にわたって抗鬱病治療効果を発揮するために前記剤形から治療的に応答する投薬量で前記薬剤を投与することを含み、
ここで、前記剤形は、持続放出形態または制御放出形態である、前記剤形。
【請求項2】
1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノールを0.5mg〜750mg、長時間にわたって抗鬱治療効果を発揮するために治療的に応答する投薬量で送達する剤形であって、前記剤形は、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩、及びアルキルの炭素数が1〜7であるヒドロキシプロピルアルキルセルロース又はアルキルの炭素数が1〜6であるヒドロキシルアルキルセルロースを含む、前記剤形。
【請求項3】
1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩を0.5mg〜750mg、長時間にわたって抗鬱治療効果を発揮するために治療的に応答する投薬量で送達する剤形であって、前記剤形は、1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、前記剤形。
【請求項4】
剤形が1日1回投与用剤形である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項5】
前記壁の外表面に即座の治療のために即座に薬物を放出する外部コーティングを含み、前記外部コーティングは1−〔2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル〕シクロヘキサノール又はその製薬的に許容し得る付加塩を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項6】
塩、酸化物、エステル、炭水化物及び酸から選択される浸透的に活性な化合物をさらに含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の剤形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−31208(P2012−31208A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244253(P2011−244253)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【分割の表示】特願2010−173633(P2010−173633)の分割
【原出願日】平成6年5月27日(1994.5.27)
【出願人】(500215838)アルザ コーポレイション (15)
【Fターム(参考)】