説明

抗HIV感染及びエイズ予防・治療における一組のヌクレオチド配列及びその応用

【課題】抗HIV感染及びエイズ予防・治療における一組のヌクレオチド配列及びその応用を提供する。
【解決手段】抗HIV感染及びエイズ予防・治療における一組のヌクレオチド配列及びその応用。該RNA配列断片は、全てのHIV配列と高度な相同性を持ち、当該系列断片から誘導された二本鎖RNA配列を用いて、有効にHIV遺伝子の発現を抑制することができ、また細胞内で転写した該系列RNAを用い、HIV遺伝子の発現を抑制することもできる。さらに、該断片を持つ対応DNAアデノ随伴ウイルスで細胞を感染した後、対応する二本鎖RNAを転写してHIV遺伝子の発現を抑制することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗HIV感染及びエイズ予防・治療における一組のヌクレオチド配列及びその応用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここ2年間の研究結果によって、短い二本鎖RNAは多種の哺乳動物の細胞においてRNAを干渉する機能を有し、特定の遺伝子は細胞内において発現を抑制することができることが明らかになった。この方法を通してウィルス(HIVウィルスを含む)の遺伝子は細胞内において発現を抑制することができる。しかしHIVウイルスが極めて大きい変異性を持つため、現在使用される配列は共に少数のHIV株の配列とホモロージを有し、よって普通の有効な遺伝子治療の薬物として使うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題にかんがみて、本発明は一組の抗HIV感染及びエイズ予防・治療における一組ヌクレオチド配列を提供し、また、上述のヌクレオチド配列の応用をも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による抗HIV感染及びエイズ予防・治療における一組のRNA配列及びその断片は、下記に示した一本鎖RNA配列及びその断片;又は当該一本鎖RNA配列及びその断片とそれらの相補的な配列及びその断片をハイブリッドして形成した二本鎖RNA配列であることを特徴とする抗HIV感染及びエイズ予防・治療における一組のRNA配列又はその断片である。
(1)aucaaugaggaagcugcagaaugg;
(2)gggaagugacauagcaggaacuacuag;
(3)uaaauaaaauaguaagaauguauagcccu;
(4)uaugggguaccugugugga;
(5)gccaauucccauacauuauugugc;
(6)uuaaauggcagucuagcagaa;
(7)accacacacaaggcuacuucccugau;
(8)acagccgccuagcauuucaucac;
(9)ggauggugcuucaagcuaguaccaguu。
【0005】
本発明はホモロジーを比較することにより、すでに発表したすべてのHIVウィルス株間において特別に保存されている核酸配列を獲得し、このRNA配列を細胞に導入した後、特異的なmRNAの分解を導くことができ、よってHIV遺伝子の発現を低下させ、さらにゲノムを分解することになる。この配列を用いて研究した治療用薬物はウィルス遺伝子の突然変異より招かれた薬剤耐性という問題を大いに減少することができる。
前記RNA配列及びその断片は5’末端又は3’末端にヌクレオチド修飾を加えることができる。正しく相補するため、通常行なう修飾はRNA合成の3末端にUUを加えることである。
【0006】
抗HIVウイルス感染及びエイズ予防・治療における一組のRNA配列及びその断片として、上記の一本鎖RNA配列(配列表の中、SEQ ID No.1〜SEQ ID No.9)及びその断片とそれらの相補的なRNA配列及びその断片にその中間に非相補的な連結配列を加えて形成したヘアピン構造RNA配列を用いることができる。このヘアピン構造二本鎖はRNAを干渉する活性を有し、一本鎖RNAを相補して形成したため、特に細胞内においてRNA干渉発現に適応する。
【0007】
本発明は、抗HIVウイルス感染及びエイズ予防・治療における一組DNA配列及びその断片も提供し、
1)当該DNA配列及びその断片は、前記の一本鎖RNA配列(配列表の中、SEQ ID
No.1〜SEQ ID No.9)及びその断片に対応する(correspond)か;又は当該一本鎖RNA配列及びその断片とそれらの相補的な配列及びその断片をハイブリッドして形成した二本鎖RNA配列に対応する、あるいは
2)当該DNA配列及びその断片は、1)に記載のRNA配列又はその断片がその5’末端又は3’末端にヌクレオチドを修飾された配列に対応する、あるいは
3)当該DNA配列及びその断片は、前記記載の一本鎖RNA配列及びその断片(配列表の中、SEQ
ID No.1〜SEQ ID No.9)とその相補的なRNA配列及びその断片にその中間に非相補的な連結配列を加えて形成したヘアピン構造RNA配列と、前記記載の一本鎖RNA配列及びその断片(配列表の中、SEQ ID No.1〜SEQ ID No.9)とその相補的なRNA配列及びその断片をハイブリッドして形成した二本鎖RNA配列に中間に非相補的な連結配列を加えて形成したヘアピン構造RNA配列とを対応するものである。
【0008】
本発明は、さらに、抗HIVウイルス感染及びエイズ予防・治療における発現ベクターであって、前記のRNA又はDNA配列及びその断片を挿入され、DNAベクター及びRNAベクターを含む。これらの配列及びその断片を適切な発現ベクターに構成し、適切な調節配列を加え、そして細胞に導入した後、RNA干渉を発現することができる。発現ベクターはRNA発現ベクターとDNA発現ベクターとを含む。RNA発現ベクターは、例えば、レトロウイルスベクター、DNA発現ベクターはアデノ(アデノウイルス)随伴ウイルス(AAV)のような前記DNA配列とその他の調節配列発現を持つプラスミド・ベクター、ウィルスベクターなどがあげられる。
【0009】
本発明は、また、抗HIV感染およびエイズ予防・治療におけるリポソームを提供し、そのリポソームは前記のRNA又はDNA配列及びそれらの断片、又は前記記載の抗HIVウイルス感染およびエイズ予防・治療における発現ベクターを含む。当該類のリポソームを用いることにより、RNA干渉又はRNA干渉発現が可能なプラスミド・ベクターを細胞に導入することができる。
【0010】
本発明は、さらに、抗HIV感染およびエイズ予防・治療方法を提供し、当該方法に従えば、前記のRNA又はDNA配列及びそれらの断片、又は発現ベクター、又はリポソームを体内又は体外で真核細胞系、動物細胞および人体に導入する。例えば、リポソーム導入の方法、ウィルスベクター導入の方法がある。
【0011】
本発明は、また、抗HIV感染及びエイズ予防・治療におけるヌクレオチド配列の応用に関し、前記のRNA又はDNA配列及びそれらの断片、又は発現ベクター、又はリポソーム、又は方法を抗HIV感染およびエイズ予防・治療のための診断、治療又は予防の薬物を調製することに応用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明と従来技術を比べた結果、次のような優れたことがある。ホモロジーを比べたことにより、すでに発表されたHIV配列と高いホモロジーを持つ一系列のRNA配列断片を獲得した。当該系列の断片を用いて誘導した二本鎖RNA配列はHIV遺伝子の発現を有効的に抑制することができる。プラスミド転写の当該系列RNAを使っても細胞内においてHIV遺伝子の発現を抑制することができる。この断片を持って対応したDNAアデノ随伴ウイルスが細胞を感染した後、対応の二本鎖RNAを転写し、HIV遺伝子の発現を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プラスミドpEGFP-gp120の構造図。
【図2】蛍光顕微鏡測定により、二本鎖RNA干渉がEGFP-HIV gp120の融合蛋白を低下することを示す図。
【図3】Western−Blot測定により、二本鎖RNA干渉がEGFP-HIVgp120の融合蛋白を低下することを示す図。
【図4】細胞中でヘアピン構造を発現することのできるプラスミドp-H1-gp120iの構造図。
【図5】プラスミドpAAV-120iの構造図。
【図6】蛍光顕微鏡測定により、転写可能なHIVgp120のヘアピン構造二本鎖RNAをもつAAVウィルス組み替えがGFP-GP120の融合蛋白を抑制することを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の特徴に関して、図に沿って、最も良い実施方法について、説明する。
実施例に用いられる方法は全て本分野の通常操作であり、詳しくは《分子クローン》第3版を参照する。
【実施例1】
【0015】
極度保存HIV RNA配列の獲得:すでに発表されたHIV1の典型的な配列を選択し、機能により遺伝子は一ごとに約70個のヌクレオチド(nt)の断片に分け、各断片はNIH(米国国立衛生研究院)が提供したBLAST
ソフトウェア(BLASTN
2.2.4/2.2.5)でインターネットにおいてGenBank(NCBI、米国国立生物技術情報センター)、EMBL(ヨーロッパ分子生物学実験室核酸配列データベース)、DDBJ(日本DNAデータベース)及びGDB(ゲノムデータベース)での14万個以上のヌクレオチド配列とのホモロジーを分析した。(1)当該断片が19個以上のヌクレオチド、(2)当該断片が比較したHIV配列中において、全く相同性、又は少なくとも1000以上の開示されている配列において完全に相同性を有する、(3)完全に相同性を有していない場合、相応の配列と当該断片は僅か1つのntと異なるという条件に合致するヌクレオチド配列を選んだ。獲得した配列は表1に示し、詳しい比較結果は表2に示す。
【0016】
【表1】

【0017】
【表2】

【実施例2】
【0018】
合成二本鎖RNAを用いるHIV env遺伝子発現の低下:上述のenv遺伝子の保存配列(表1の4号配列)の19ヌクレオチドRNA断片に基づき、かつ相補の原則によって当該鎖の相補なRNA鎖を合成し、RNA鎖の3’末端にUU修飾を加えた。

5’ uaugggguaccuguguggauu
3’ uuauaccccauggacacaccu
【0019】
図1に示したように、プラスミドpEGFPC1(Clontech、CA)をEcoRIとBamHIの二つの酵素(37℃ 1時間)で切断した後、大きな断片を回収してベクターとする。HIV-1 Bru株cDNA(2ng)をテンプレートとして、gp120プライマー1(5’ cggaattctaaagagcacaaga cagtggac)及びプライマー2(5’cggatcctactctaccgtcagcgtcattga)各100ngを加え、Pfu High Fidelity酵素2.5単位、dNTP 250μmol/L、2.5mmol/L MgCl2、25mmol/L TrisHCl(pH8.3)にてPCR反応を行い(94℃ 30秒、50℃ 30秒、72℃ 90秒、Perkin Elmer
9700型PCR器で、合計30回サイクル)、PCR産物をQiagen Gel
Extraction Kit(Biolabから購入)及びEcoRIとBamHI酵素にて切断した後、上述のベクターとつなげて大腸菌JM109(Promegaから購入)に転化させ、完全に正しいプラスミドpEGFP-gp120を獲得し、当該プラスミドを細胞にトランスフォーメーションした後、緑色の蛍光蛋白とHIV
gp120の融合蛋白を発現することができる。
【0020】
プラスミドpEGFP-gp120 1μgと1μgの前記合成の二本鎖を、LIPOFECTamine法(Invitrogen 説明書を参照)を用い、共にHEK293細胞(ATCCから購入)にトランスフォーメーションし、36時間後、1μg関連なしの二本鎖(実施例3のGAG二本鎖を関連なしの二本鎖として用いる)を加えたRNAの形質転換体と、蛍光写真法で緑蛍光の蛋白-GP120の融合蛋白の発現量を比較し、また抗GFP抗体(Clontechから購入)を用いることにより、イムノブロット(IB)を行いて融合蛋白の発現量を比較した。
その結果、図2に示したように、対照試験を比較すると、env遺伝子の特異的な二本鎖RNAは融合蛋白の発現量を著しく降下させた。この実験を二度繰り返し、それぞれDsRNA1とDsRNA2として表わす。図3に示すように、当該dsRNAはGFP-HIV GP120の融合蛋白の発現量を80%以上降下させることができる。
【実施例3】
【0021】
合成RNA二本鎖によるgag遺伝子発現の抑制:上述gag保存配列(表1の2号配列)により19ヌクレオチドRNA断片を合成し、また相補の原則によって当該鎖の相補的なRNA鎖を合成し、相補的なRNA鎖の3’末端にUUを加え、アニーリングした後RNA二本鎖を形成した。

5’ gugacauagcaggaacuacuu
3’uucacuguaucguccuugaug
【0022】
実施例2の方法に基づき、PCRにてHIV(LAV-1、Bru分離株)cDNAからGAG遺伝子に増幅し、pEGFP C1プラスミド(Clontech、CA)までクローンし、このプラスミドを細胞に形質転換した後、緑蛍光蛋白とHIV gagの融合蛋白を発現することができる。
獲得したプラスミドとRNA二本鎖をLIPOFECTamine法を用いてHEK293細胞に形質転換し、36時間後、それと二本鎖RNA添加せず形質転換体は緑蛍光蛋白-GAG融合蛋白の発現量を蛍光顕微鏡にて観察して比較し、当該RNAは融合蛋白の発現量を著しく降下させることができることが分かった。
【実施例4】
【0023】
合成二本鎖RNAによるnef遺伝子発現の抑制:nef保存配列(表1の7号配列)により19ヌクレオチドRNA断片を合成し、また相補の原則によって当該鎖の相補的なRNA鎖を合成し、相補的なRNA鎖の3’末端にUUを加え、RNA二本鎖を形成した。
5’ accacacacaaggcuacuuuu
3’
uuuggguguguuccgaugaa
【0024】
実施例2の方法により、PCRにてHIV(LAV-1、Bru分離株)cDNAからnef遺伝子に増幅し、pEGFP C1プラスミド(Clontech、CA)までクローンし、このプラスミドを細胞に形質転換した後、緑蛍光蛋白とHIV NEFの融合蛋白を発現することができる。
獲得したプラスミドとRNA二本鎖をLIPOFECTamine法を用いてHEK293細胞に形質転換し、36時間後、それと二本鎖RNA添加せず形質転換体との緑蛍光蛋白-GAG融合蛋白の発現量を蛍光顕微鏡にて観察して比較した。当該RNAは融合蛋白の発現量を著しく降下させることができることが分かった。
【実施例5】
【0025】
合成二本鎖RNAを用いるその他のHIV蛋白の生産量の降下:実施例2に記載の方法に基づき、合成二本鎖RNAを用いてHIV蛋白の生産量を降下させた。その結果を表3に示す。
【0026】
【表3】

【実施例6】
【0027】
env遺伝子保存配列を含有する対応するDNA断片及びそのハイブリッドした配列を合成し、真核発現ベクターにクローンし、RNA干渉は細胞内において発現し、HIV膜蛋白の発現を抑制した。
env遺伝子保存配列(表1の5番配列)を含有する対応するDNA断片及びそのハイブリッド配列(黒斜体)のDNA断片を合成し、アニーリングした後、DNA断片を形成した。5’末端はBamHI認識部位の末端、3’末端はHindIII認識部位の末端であり、相同性もつ配列及びその相補的な配列の中において介在配列を含む。BはAの相補的な配列である。
A:5’gatccccttcccatacattattgtgcttcaagagagcacaataatgtatgggaatttttggaaa
B:5’agcttttccaaaaattcccatacattattgtgctctcttgaagcacaataatgtatgggaaggg
【0028】
図4に示したように、PCRを通して(ヒトのゲノムDNA 1μgをテンプレートとし、プライマー1
5'-TAATTAATGCGGCCGCAATTCGAACGCTGACGTC-3',プライマー2 5'-GCACTAGTAAGCT TGGATCCG TGGTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCC-3'、増幅条件は実施例2と同じ)ヒトH1 RNA遺伝子のプロモーターを獲得し、プラスミドpEGFPC1(Clontech)をAseIとXbaI酵素にて切断した後、大きい断片を回収してベクターとした。上述の増幅した断片をAseIとSpeI酵素にて切断して回収し、ベクターとつなげ、大腸菌に形質転換してプラスミドpH1を得た。上述合成したDNA断片(A、B)をアニーリングした後、pH1プラスミドBamHIとHindIII認識部位にクローンし、プラスミドpH1-gp120i.を構成した。細胞の中において当該プラスミドはRNA重合酵素IIIの作用下で、ヘアピン構造RNAを発現し、RNA二本鎖を形成する。
4μg pH1-gp120iプラスミド(同量のpH1プラスミドを対照とした)とEGFP-HIV GP120の発現融合蛋白プラスミドとをHEK293細胞に形質転換し、実施例2に述べた方法を通して融合蛋白の発現量の相違を比較した。その結果、EGFP-gp120の融合蛋白の発現量が著しく降下した。かくして、前記RNAコードしたDNA配列を持つプラスミドベクターを用いてHIV標的遺伝子の発現を抑制することができることが分かった。
【実施例7】
【0029】
実施例6に記載のようなH1プロモーター及びヘアピン構造二本鎖RNAをコードしたDNA断片を含有するアデノ随伴ウイルスベクターを用い、ウイルス感染細胞を組み換えた後、HIV GP120遺伝子の発現を抑制した。
【0030】
図5に示すように、プラスミドpAAV-MCS
(Stratageneで購入)をNotIとHindIII酵素 にて切断した。H1プロモーター及びgp120のヘアピン構造をコードするRNAを含むDNA断片はプラスミドpH1-gp120iからNotIとHindII酵素にて切断して獲得した。そしてpAAV-MCSの相応部位にクローンし、プラスミドpAAV-gp120iを構築した。当該プラスミド(4μg)(ウィルスベクター用pAAV-MCSを対照)と補助プラスミドpHelper((1μg、Stratagene)とプラスミドpAAV-RC(2μg、Stratagene)を一緒にLIPOFECTamine法にてHEK 293FT細胞に形質転換させ、48時間後、上液を取り、“組替えAAVウィルス”および対照AAVをハーベストした。pEGFP-GP120(1μg)プラスミドをHEK293細胞に形質転換し、そして上述の組み換えウィルス含有の制作上液を加え、24時間後蛍光顕微鏡で細胞内のGFPの発光強度を分析した。
その結果、図6に示したように、転写可能なHIV
gp120のヘアピン構造二本鎖RNAをもつ組み替えAAVウィルスはGFP-GP120の融合蛋白の発現レベルを著しく降下させることができる。
【0031】
本発明の適切な実施方法は以上に述べた通りだが、それらは本発明を限定するものではなく、当業者であれば誰でも、本発明の精神と範疇内であれば、多少の変更や改良が可能である。つまり、この明細書に添付する特許請求の範囲に記述したものを基準として、本発明の特許保護範囲とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNAであって、前記RNAは、以下の(8)に示す配列を有する一本鎖RNAと、以下の(8)に示す配列の断片を有する一本鎖RNAと、以下の(8)に示す配列とその相補的な配列とをハイプリッドして形成した二本鎖RNAと、以下の(8)に示す配列の断片とその相補的配列とをハイプリッドして形成した二本鎖RNAとよりなる群から選ばれ、
(8)acagccgccuagcauuucaucac;
前記(8)に示す配列の断片は、(8)に示す配列の19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、及び22ヌクレオチドの長さの断片よりなる群から選ばれることを特徴とする抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNA。
【請求項2】
請求項1に記載の抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNAであって、前記(8)に示す配列及び前記19ヌクレオチド〜22ヌクレオチドの長さの断片よりなる群から選ばれるその断片が5’末端又は3’末端にヌクレオチドを修飾された配列を有することを特徴とする抗HIVウイルス感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNA。
【請求項3】
請求項1に記載の抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNAであって、前記(8)に示す配列及び前記19ヌクレオチド〜22ヌクレオチドの長さの断片よりなる群から選ばれるその断片とそれらの相補的なRNA配列及びその断片に中間に非相補的な連結配列を加えて形成したヘアピン構造RNA配列を有することを特徴とする抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNA。
【請求項4】
抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるDNAであって、
1)当該DNAは、請求項1の(8)に記載の一本鎖RNA配列及び請求項1の(8)に示す配列の19ヌクレオチド〜22ヌクレオチドの長さの断片よりなる群から選ばれるその断片に対応する;又は前記一本鎖RNA配列及びその断片にその相補的な配列及びその断片をハイブリッドさせて形成した二本鎖RNA配列に対応する配列を有し;あるいは
2)当該DNAは、1)に記載のRNA配列及びその断片がその5’末端又は3’末端にヌクレオチドを修飾された配列に対応する配列を有し;あるいは
3)当該DNAは、請求項1の(8)に記載の一本鎖RNA配列及び請求項1の(8)に示す配列の19ヌクレオチド〜22ヌクレオチドの長さの断片よりなる群から選ばれるその断片とその相補的なRNA配列及びその断片に中間に非相補的な連結配列を加えて形成したヘアピン構造RNA配列、又は請求項1の(8)に記載の一本鎖RNA配列及び請求項1の(8)に示す配列の19ヌクレオチド〜22ヌクレオチドの長さの断片よりなる群から選ばれるその断片とその相補的なRNA配列及びその断片をハイブリッドして形成した二本鎖RNA配列に中間に非相補的な連結配列を加えて形成したヘアピン構造RNA配列に対応する配列を有することを特徴とする抗HIVウイルス感染及びエイズ予防・治療に用いられるDNA。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNA又はDNAを挿入され、DNAベクター又はRNAベクターを含む抗HIV感染及びエイズ予防・治療における発現ベクター。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNA又はDNA、又は請求項5に記載の抗HIV感染およびエイズ予防・治療における発現ベクターを含む抗HIV感染及びエイズ予防・治療におけるリポソーム。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNA又はDNA、又は請求項5に記載の発現ベクター、又は請求項6に記載のリポソームを体内又は体外で真核細胞系、動物細胞又は人体に導入する抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられる薬剤。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の抗HIV感染及びエイズ予防・治療に用いられるRNA又はDNA、又は請求項5に記載の発現ベクター、又は請求項6に記載のリポソーム、又は請求項7に記載の薬剤を抗HIV感染およびエイズ予防・治療のための診断、治療又は予防の薬物を調製することに使用する抗HIV感染及びエイズ予防・治療におけるヌクレオチド配列の応用。


【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−15692(P2011−15692A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191119(P2010−191119)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【分割の表示】特願2004−559574(P2004−559574)の分割
【原出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【出願人】(505224477)北京昭衍新薬研究中心 (3)
【Fターム(参考)】