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抗PCSK9抗体を用いた処置
説明

抗PCSK9抗体を用いた処置

【課題】低頻度で低用量のPCSK9拮抗抗体が、ヒト患者における高コレステロール血症および関連するCVDの発生率を低下させるために有効となるかどうか、また、そうであれば、どのような投薬レジメンがそのようなin vivoの有効性に必要であるかを明確にすること。
【解決手段】本発明は、血漿中の低密度リポタンパク質粒子の著しい上昇によって特徴づけられる障害に罹りやすい、またはそれと診断されたヒト患者を、PCSK9拮抗抗体単独でまたはスタチンと組み合わせて処置するための用量に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、そのすべてがその全体で参考として本明細書中に組み込まれている2011年7月14日出願の米国仮出願第61/507,865号、2012年3月22日出願の米国仮出願第61/614,312号、および2012年5月4日出願の米国仮出願第61/643,063号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、血漿中の低密度リポタンパク質(「LDL」)粒子の著しい上昇によって特徴づけられる障害を処置するための治療レジメンに関する。対象治療レジメンは、抗前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)抗体を単独でまたはスタチンと組み合わせて投与することを含む。対象治療レジメンは、血中LDL−コレステロールレベルの低下の増強をもたらし、また、家族性高コレステロール血症、アテローム生成的異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、急性冠症候群、より一般には心血管疾患を含めた、コレステロールおよびリポタンパク質の代謝障害の予防および/または処置に使用することができる。
【背景技術】
【0003】
米国において数百万人の人々が心疾患およびその結果の心イベントのリスクを有する。心血管疾患およびその根底にあるアテローム性動脈硬化症は、その複数の危険因子に向けられた治療の利用可能性にもかかわらず、すべての人口統計群における主な死因である。アテローム性動脈硬化症は動脈の疾患であり、先進国における多くの死に関連している冠動脈性心疾患の原因である。冠動脈性心疾患のいくつかの危険因子が現在同定されており、それらは、異常脂質血症、高血圧、糖尿病、喫煙、食生活不良、不活動性およびストレスである。最も臨床的に意味がありかつ一般的である異常脂質血症は、高トリグリセリド血症の存在または非存在下において高コレステロール血症を伴うベータ−リポタンパク質(超低密度リポタンパク質(VLDL)およびLDL)の増加によって特徴づけられる。Fredricksonら、1967、N Engl J Med.、276:34〜42、94〜103、148〜156、215〜225、および273〜281。心血管疾患に関して長年にわたる顕著に満たされていない要求が存在しており、スタチンを用いた処置(アテローム性動脈硬化症における現在の標準治療)にもかかわらず、60〜70%の血管イベント、心臓発作および脳卒中が生じている。さらに、新しい指針は、高い危険性の患者を早期の心血管疾患から保護するためには、さらに低いLDLレベルを達成すべきであることを示唆している(全米コレステロール教育プログラム(National Cholesterol Education Program、NCEP)2004)。
【0004】
PCSK9は血漿低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の主要な調節因子として関連づけられており、冠動脈性心疾患(CHD)の予防および処置の有望な標的として浮かび上がっている。Hooperら、2011、Expert Opin Ther Targets、15(2):157〜68。ヒト遺伝子研究により機能獲得型の突然変異が同定され、これらは上昇したLDL−Cの血清レベルならびにCHDの早期性および発生率に関連しており、一方で、機能喪失型の突然変異は低いLDL−Cおよび低下したCHDの危険性に関連していた。Abifadel、2003、Nat Genet.、43(2):154〜6、Cohen、2005、Nat Genet.、37(2):161〜5、Cohen、2006、N Engl J Med.、354(12):1264〜72、Kotowski、2006、Am J Hum Genet.、78(3):410〜22。ヒトでは、PCSK9の完全な喪失は、それ以外は健康な対象において<20mg/dLの低い血清LDL−Cをもたらす。Hooper、2007、193(2):445〜8、Zhao、2006、Am J Hum Genet.、79(3):514〜523。
【0005】
PCSK9はセリンプロテアーゼのサブチリシンファミリーに属しており、N末端のプロドメイン、サブチリシン様触媒ドメインおよびC末端のシステイン/ヒスチジンリッチなドメイン(CHRD)によって形成されている。PCSK9は肝臓中で高度に発現され、プロドメインの自己触媒的切断の後に分泌され、これは触媒ドメインと非共有的に会合されたままである。PCSK9の触媒ドメインは、7.4の血清pHで低密度リポタンパク質受容体(LDLR)の表皮成長因子様反復A(EGF−A)ドメインと結合し、約5.5〜6.0のエンドソームpHでより高い親和性で結合する。Bottomley、2009、J Biol Chem.、284(2):1313〜23。C末端ドメインはLDLR−PCSK9の複合体の内部移行に関与している一方で、触媒ドメインと結合しない。Nassoury、2007、Traffic、8(7):950、Ni、2010、J Biol Chem.、285(17):12882〜91、Zhang、2008、Proc Natl Acad Sci USA、2008、105(35):13045〜50。PCSK9のどちらの機能性も、リソソーム分解およびLDL−Cの降下のためにLDLR−PCSK9の複合体を標的化することに必要であり、これは、機能喪失型および機能獲得型に関連している両ドメイン中の突然変異と一致している。Lambert、2009、Atherosclerosis、203(1):1〜7。
【0006】
siRNAまたは抗センスオリゴヌクレオチドによる遺伝子サイレンシングおよび抗体によるPCSK9−LDLRの相互作用の破壊を含めた、PCSK9を阻害するための様々な治療手法が現在開発中である。Brautbarら、2011、Nature Reviews Cardiology、8、253〜265。たとえば、Chan、2009およびNi、2011は、それぞれ、マウスおよび非ヒト霊長類においてLDL−C降下活性を有する抗PCSK9モノクローナル抗体を報告している。それぞれの抗体の半減期は、非ヒト霊長類において3mg/kgのPCSK9拮抗抗体で投与した場合に、それぞれ約61時間および77時間として報告されている。Chan、2009、Proc Natl Acad Sci USA、106(24):9820〜5、Ni、2011、J Lipid Res.、52(1):78〜86。PCSK9拮抗抗体7D4は、カニクイザルにおいて血清コレステロールレベルを有効に低下させることが報告されている。カニクイザルにおける7D4の半減期は、10mg/kgのPCSK9拮抗抗体の単回投与で2日未満であった。PCT特許出願公開WO2010/029513。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国仮出願第61/507,865号
【特許文献2】米国仮出願第61/614,312号
【特許文献3】米国仮出願第61/643,063号
【特許文献4】PCT特許出願公開WO2010/029513
【特許文献5】米国特許第5,545,807号
【特許文献6】米国特許第5,545,806号
【特許文献7】米国特許第5,569,825号
【特許文献8】米国特許第5,625,126号
【特許文献9】米国特許第5,633,425号
【特許文献10】米国特許第5,661,016号
【特許文献11】米国特許第5,750,373号
【特許文献12】米国特許出願公開第20100068199号
【特許文献13】PCT/IB2009/053990
【特許文献14】米国特許出願第12/558312号
【特許文献15】欧州特許第616846号
【特許文献16】欧州特許第656055号
【特許文献17】欧州特許第363997号
【特許文献18】欧州特許出願第89303964.4号
【特許文献19】PCT公開WO99/58572
【特許文献20】英国特許出願第9809951.8号
【特許文献21】PCT公開WO00/53211
【特許文献22】米国特許第5,981,568号
【特許文献23】米国特許第4,485,045号
【特許文献24】米国特許第4,544,545号
【特許文献25】米国特許第5,013,556号
【特許文献26】米国特許第3,773,919号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Fredricksonら、1967、N Engl J Med.、276:34〜42、94〜103、148〜156、215〜225、および273〜281
【非特許文献2】Hooperら、2011、Expert Opin Ther Targets、15(2):157〜68
【非特許文献3】Abifadel、2003、Nat Genet.、43(2):154〜6
【非特許文献4】Cohen、2005、Nat Genet.、37(2):161〜5
【非特許文献5】Cohen、2006、N Engl J Med.、354(12):1264〜72
【非特許文献6】Kotowski、2006、Am J Hum Genet.、78(3):410〜22
【非特許文献7】Hooper、2007、193(2):445〜8
【非特許文献8】Zhao、2006、Am J Hum Genet.、79(3):514〜523
【非特許文献9】Bottomley、2009、J Biol Chem.、284(2):1313〜23
【非特許文献10】Nassoury、2007、Traffic、8(7):950
【非特許文献11】Ni、2010、J Biol Chem.、285(17):12882〜91
【非特許文献12】Zhang、2008、Proc Natl Acad Sci USA、2008、105(35):13045〜50
【非特許文献13】Lambert、2009、Atherosclerosis、203(1):1〜7
【非特許文献14】Brautbarら、2011、Nature Reviews Cardiology、8、253〜265
【非特許文献15】Chan、2009、Proc Natl Acad Sci USA、106(24):9820〜5
【非特許文献16】Ni、2011、J Lipid Res.、52(1):78〜86
【非特許文献17】Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Sambrookら、1989)Cold Spring Harbor Press
【非特許文献18】Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984)
【非特許文献19】Methods in Molecular Biology、Humana Press
【非特許文献20】Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis編、1998)Academic Press
【非特許文献21】Animal Cell Culture (R.I.Freshney編、1987)
【非特許文献22】Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.MatherおよびP.E.Roberts、1998)Plenum Press
【非特許文献23】Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle、J.B.Griffiths、およびD.G.Newell編、1993〜1998)J.Wiley and Sons
【非特許文献24】Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)
【非特許文献25】Handbook of Experimental Immunology(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編)
【非特許文献26】Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.MillerおよびM.P.Calos編、1987)
【非特許文献27】Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編、1987)
【非特許文献28】PCR:The Polymerase Chain Reaction、(Mullisら編、1994)
【非特許文献29】Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら編、1991)
【非特許文献30】Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons、1999)
【非特許文献31】Immunobiology(C.A.JanewayおよびP.Travers、1997)
【非特許文献32】Antibodies(P.Finch、1997)
【非特許文献33】Antibodies:a practical approach(D.Catty.編、IRL Press、1988〜1989)
【非特許文献34】Monoclonal antibodies:a practical approach(P.ShepherdおよびC.Dean編、Oxford University Press、2000)
【非特許文献35】Using antibodies:a laboratory manual(E.HarlowおよびD.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999)
【非特許文献36】The Antibodies(M.ZanettiおよびJ.D.Capra編、Harwood Academic Publishers、1995)
【非特許文献37】HollingerおよびHudson、2005、Nature Biotechnology、23(9):1126〜1136
【非特許文献38】Wardら、1989、Nature、341:544〜546
【非特許文献39】Vaughanら、1996、Nature Biotechnology、14:309〜314
【非特許文献40】Sheetsら、1998、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、95:6157〜6162
【非特許文献41】HoogenboomおよびWinter、1991、J.Mol.Biol.、227:381
【非特許文献42】Marksら、1991、J.Mol.Biol.、222:581
【非特許文献43】Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、ページ77、1985
【非特許文献44】Boernerら、1991、J.Immunol.、147(1):86〜95
【非特許文献45】ChothiaおよびLesk、J Mol Biol、196(4):901〜917、1987
【非特許文献46】Kabatら、1992、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、NIH、Washington D.C.
【非特許文献47】Chothiaら、1989、Nature、342:877〜883
【非特許文献48】MacCallumら、1996、J.Mol.Biol.、262:732〜745
【非特許文献49】Makabeら、2008、Journal of Biological Chemistry、283:1156〜1166
【非特許文献50】Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md.、1991
【非特許文献51】RavetchおよびKinet、1991、Ann.Rev.Immunol.、9:457〜92
【非特許文献52】Capelら、1994、Immunomethods、4:25〜34
【非特許文献53】de Haasら、1995、J.Lab.Clin.Med.、126:330〜41
【非特許文献54】Guyerら、1976、J.Immunol.、117:587
【非特許文献55】Kimら、1994、J.Immunol.、24:249
【非特許文献56】Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、A.Gennaro編、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1990
【非特許文献57】Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Mack Publishing、2000
【非特許文献58】Eur.J.Immunol.、1999、29:2613〜2624
【非特許文献59】Armourら、2003、Molecular Immunology、40、585〜593
【非特許文献60】Aalberseら、2002、Immunology、105、9〜19
【非特許文献61】Epsteinら、1985、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:3688
【非特許文献62】Hwangら、1980、Proc.Natl Acad.Sci.USA、77:4030
【非特許文献63】Abifadelら、2003、Nat.Genet.、34:154〜156
【非特許文献64】Cohenら、2005、Nat.Genet.、37:161〜165
【非特許文献65】Zhaoら、2006、Am.J.Hum.Genet.、79:514〜523
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
当分野で入手可能な情報から、かつ本発明より前には、低頻度で低用量のPCSK9拮抗抗体が、ヒト患者における高コレステロール血症および関連するCVDの発生率を低下させるために有効となるかどうか、また、そうであれば、どのような投薬レジメンがそのようなin vivoの有効性に必要であるかは不明確のままであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、PCSK9活性および対応するLDL−C血漿レベルに対するPCSK9の効果を阻害することによる、血中LDL−Cレベルを持続的に低下させるための治療レジメンに関する。
【0011】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、8mg/kg、12mg/kg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、または400mgの前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)拮抗抗体の初回用量を患者に投与することと、初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量の抗体の複数の後続用量を患者に投与することとを含み、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約1、2、3、または4週間の時間間隔である、上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルによって特徴づけられる障害に罹りやすい、またはそれと診断されたヒト患者を処置する方法を提供する。本発明は、たとえばPCSK9拮抗抗体L1L3を使用して実施することができる。一部の実施形態では、本発明は、配列番号11に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの3個のCDRおよび配列番号12に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からの3個のCDRを含む抗体を使用して実施することができる。
【0012】
一部の実施形態では、初回用量は、約0.25mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kgまたは約1.5mg/kgであることができ、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに約1週間の時間間隔であることができる。
【0013】
他の実施形態では、初回用量は、約2mg/kg、約4mg/kg、約8mg/kg、または約12mg/kgであることができ、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約2週間の時間間隔であることができる。
【0014】
他の実施形態では、初回用量は、約50mg、約100mg、約150mg、または約175mgであることができ、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約2週間の時間間隔であることができる。
【0015】
他の実施形態では、初回用量は、約3mg/kgまたは約6mg/kgであることができ、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約4週間の時間間隔であることができる。他の実施形態では、初回用量は、約200mgまたは約300mgであることができ、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約4週間の時間間隔であることができる。一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体は皮下投与する。一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体は静脈内投与する。
【0016】
一部の実施形態では、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに約4週間の時間間隔であることができる。一部の実施形態では、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに約8週間の時間間隔であることができる。複数の後続用量のそれぞれは、初回用量とほぼ同量またはそれ未満であることができる。
【0017】
一部の実施形態では、障害は、高コレステロール血症、異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、冠動脈性心疾患、または急性冠症候群(ACS)であることができる。ヒト患者は、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に、たとえば約600mg/dL以上の空腹時総コレステロールレベルを有し得る。ヒト患者は、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に、たとえば約130mg/dL以上の空腹時LDLコレステロールレベルを有し得る。一部の実施形態では、ヒト患者は、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に、約145mg/dL以上の空腹時LDLコレステロールレベルを有し得る。
【0018】
一部の実施形態では、患者はスタチンで処置されている。一部の実施形態では、患者は1日用量のスタチンで処置されている。一部の実施形態では、ヒト患者は、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に有効量のスタチンを投与されていてよい。一部の実施形態では、患者は、初回用量のPCSK9抗体を投与する前に安定用量のスタチンを受けている。安定用量は、たとえば1日用量または隔日用量であることができる。一部の実施形態では、ヒト患者は、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に、少なくとも約2、3、4、5、または6週間の間、安定1日用量のスタチンを受けている。一部の実施形態では、安定用量のスタチンを受けているヒト患者は、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に、たとえば約70または80mg/dL以上の空腹時LDLコレステロールレベルを有する。
【0019】
一部の実施形態では、この方法は、有効量のスタチンを投与することをさらに含む。
【0020】
一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体の初回用量は約3mg/kgまたは約6mg/kgであることができ、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに約4週間または約1カ月の時間間隔であることができる。一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体の初回用量は約200mgまたは約300mgであることができ、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに約4週間または約1カ月の時間間隔であることができる。
【0021】
スタチンは、たとえば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはシンバスタチン+エゼチミベ、ロバスタチン+ナイアシン、アトルバスタチン+アムロジピン、およびシンバスタチン+ナイアシンからなる群から選択される組合せ療法であることができる。一部の実施形態では、スタチンの用量は、たとえば、40mgのアトルバスタチン、80mgのアトルバスタチン、20mgのロスバスタチン、40mgのロスバスタチン、40mgのシンバスタチン、または80mgのシンバスタチンであることができる。
【0022】
一部の実施形態では、この方法は、少なくとも約3mg/kgまたは約6mg/kgのPCSK9拮抗抗体L1L3の初回用量を患者に投与することと、初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量の抗体の複数の後続用量を患者に投与することとを含み、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約4週間の時間間隔であり、患者は安定1日用量のスタチンで処置されている。一部の実施形態では、スタチンの安定1日用量は、40mgのアトルバスタチン、80mgのアトルバスタチン、20mgのロスバスタチン、40mgのロスバスタチン、40mgのシンバスタチン、または80mgのシンバスタチンであることができる。
【0023】
一部の実施形態では、この方法は、少なくとも約200mgまたは約300mgのPCSK9拮抗抗体L1L3の初回用量を患者に投与することと、初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量の抗体の複数の後続用量を患者に投与することとを含み、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約4週間の時間間隔であり、患者は安定1日用量のスタチンで処置されている。一部の実施形態では、この方法は、少なくとも約50mg、約100mg、約150mg、または約175mgのPCSK9拮抗抗体L1L3の初回用量を患者に投与することと、初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量の抗体の複数の後続用量を患者に投与することとを含み、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約2週間の時間間隔であり、患者は安定1日用量のスタチンで処置されている。一部の実施形態では、スタチンの安定1日用量は、40mgのアトルバスタチン、80mgのアトルバスタチン、20mgのロスバスタチン、40mgのロスバスタチン、40mgのシンバスタチン、または80mgのシンバスタチンであることができる。
【0024】
一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体は皮下または静脈内投与する。
【0025】
また、本発明は、容器と、PCSK9拮抗抗体を含む容器内の組成物と、少なくとも約0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、6mg/kg、8mg/kg、12mg/kg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mgまたは400mgのPCSK9拮抗抗体の初回用量、および初回用量と同量またはそれ未満である少なくとも1つの後続用量を投与する指示を含有する添付文書とを含む製品も提供する。一部の実施形態では、本発明は、配列番号11に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの3個のCDRおよび配列番号12に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からの3個のCDRを含む抗体を使用して実施することができる。一部の実施形態では、本発明は、PCSK9拮抗抗体L1L3を使用して実施することができる。
【0026】
初回用量および後続用量の投与は、たとえば、少なくとも約1、少なくとも約2、3、4、5、6、7または8週間の時間間隔であることができる。一部の実施形態では、指示は、たとえば、静脈内注射によって初回用量を投与し、静脈内または皮下注射によって少なくとも1つの後続用量を投与するためのものであることができる。他の実施形態では、指示は、たとえば、皮下注射によって初回用量を投与し、静脈内または皮下注射によって少なくとも1つの後続用量を投与するためのものであることができる。
【0027】
一部の実施形態では、複数の後続用量を投与することができる。複数の後続用量は、たとえば、互いに少なくとも2、3、4、5、6、7または8週間の時間間隔であることができる。
【0028】
一部の実施形態では、添付文書には、PCSK9拮抗抗体をスタチンで処置されている患者に投与する指示がさらに含まれていることができる。スタチンは、たとえば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはシンバスタチン+エゼチミベ、ロバスタチン+ナイアシン、アトルバスタチン+アムロジピン、およびシンバスタチン+ナイアシンからなる群から選択される組合せ療法であることができる。
【0029】
一部の実施形態では、製品は、組成物を上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロールレベルによって特徴づけられる状態を処置するために使用できることを示す、容器上に存在するまたはそれに付随するラベルをさらに含むことができる。ラベルは、組成物をたとえば高コレステロール血症、アテローム生成的異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、および/または急性冠症候群(ACS)の処置に使用できることを示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】L1L3抗体を投与した後の絶対的空腹時LDL−Cレベルをmg/dLで示すグラフである。
【図2】L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【図3】L1L3抗体を投与した後の空腹時総コレステロールレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【図4】L1L3抗体を投与した後の空腹時アポリポタンパク質Bレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【図5】L1L3抗体を投与した後の空腹時高密度リポタンパク質コレステロールレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【図6】L1L3抗体を投与した後の空腹時トリグリセリドリポタンパク質コレステロールレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【図7A−B】図7Aは、L1L3抗体を投与した後の絶対的空腹時LDL−Cレベルをmg/dLで示すグラフである。図7Bは、L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)をmg/dLで示すグラフである。
【図8】スタチンの存在下または非存在下での、L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。X軸は、L1L3投与量をPCSK9拮抗抗体のmg/kgで示す。
【図9A−F】L1L3(A〜C)およびLDL−C(E〜F)のシミュレーションした時間プロフィールを示す図である。(A)および(D):2mg/kgのPCSK9拮抗抗体でのL1L3。(B)および(E):6mg/kgのPCSK9拮抗抗体でのL1L3。(C)および(F):プラセボ。X軸は時間を日数で示す。
【図10】示したL1L3投与量を用いた投薬後のLDL−Cのシミュレーションした時間プロフィールを示す図である。
【図11】L1L3単独療法の試験設計を示す模式図である。
【図12】L1L3抗体を投与した後の絶対的空腹時LDL−Cレベルをmg/dLで示すグラフである。
【図13】L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【図14】L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの平均変化率(%)を示す表である。
【図15】L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【図16】薬の飲み忘れがある対象を除外した、L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書中では、血漿中のLDL粒子の著しい上昇によって特徴づけられる障害を処置するための治療レジメンを提供する。対象治療レジメンは、PCSK9拮抗抗体を単独でまたはスタチンと組み合わせて投与することを含む。対象治療レジメンは、血中LDL−コレステロールレベルの持続的な低下をもたらし、家族性高コレステロール血症、アテローム生成的異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、急性冠症候群(ACS)、より一般には心血管疾患を含めた、コレステロールおよびリポタンパク質の代謝障害の予防および/または処置に使用することができる。
【0032】
一般技法
本発明の実施では、別段に指定しない限りは、当分野の技術範囲内にある分子生物学(組換え技法が含まれる)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の慣用技術を用いる。そのような技法は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Sambrookら、1989)Cold Spring Harbor Press、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984)、Methods in Molecular Biology、Humana Press、Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis編、1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney編、1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.MatherおよびP.E.Roberts、1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle、J.B.Griffiths、およびD.G.Newell編、1993〜1998)J.Wiley and Sons、Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)、Handbook of Experimental Immunology(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.MillerおよびM.P.Calos編、1987)、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編、1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction、(Mullisら編、1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら編、1991)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons、1999)、Immunobiology(C.A.JanewayおよびP.Travers、1997)、Antibodies(P.Finch、1997)、Antibodies:a practical approach(D.Catty.編、IRL Press、1988〜1989)、Monoclonal antibodies:a practical approach(P.ShepherdおよびC.Dean編、Oxford University Press、2000)、Using antibodies:a laboratory manual(E.HarlowおよびD.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999)、The Antibodies(M.ZanettiおよびJ.D.Capra編、Harwood Academic Publishers、1995)などの文献中に完全に記載されている。
【0033】
定義
「抗体」とは、免疫グロブリン分子の可変領域中に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的と特異的に結合することができる免疫グロブリン分子である。本明細書中で使用する用語「抗体」には、インタクトなポリクローナルまたはモノクローナル抗体のみでなく、任意の抗原結合断片(すなわち「抗原結合部分」)またはその単鎖、抗体を含む融合タンパク質、ならびに、たとえばそれだけには限定されないが、scFv、単一ドメイン抗体(たとえばサメやラクダの抗体)、マキシボディー、ミニボディー、細胞内抗体、ジアボディー、トリアボディー、テトラボディー、v−NARおよびビス−scFvを含めた、抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の改変された立体配置も包含される(たとえばHollingerおよびHudson、2005、Nature Biotechnology、23(9):1126〜1136を参照)。抗体には、IgG、IgA、もしくはIgMなどの任意のクラス(またはそのサブクラス)の抗体が含まれ、抗体は、任意の特定のクラスのものである必要はない。その重鎖の定常領域の抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは様々なクラスに割り当てることができる。5つの主要な免疫グロブリンクラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、たとえば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2へとさらに分割され得る。様々な免疫グロブリンのクラスに対応する重鎖定常領域は、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと呼ばれる。様々な免疫グロブリンクラスのサブユニット構造および三次元立体配置は周知である。
【0034】
本明細書中で使用する用語、抗体の「抗原結合部分」とは、所定の抗原(たとえばPCSK9)と特異的に結合する能力を保持するインタクトな抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、インタクトな抗体の断片によって行われることができる。用語、抗体の「抗原結合部分」内に包含される結合断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)、VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、単一ドメイン抗体(dAb)断片(Wardら、1989、Nature、341:544〜546)、ならびに単離した相補性決定領域(CDR)が含まれる。
【0035】
用語「モノクローナル抗体」(Mab)とは、たとえば任意の真核、原核、またはファージクローンを含めた単一のコピーまたはクローンに由来する抗体を指し、それを産生する方法ではない。好ましくは、本発明のモノクローナル抗体は均質または実質的に均質集団で存在する。
【0036】
「ヒト化」抗体とは、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはその断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)もしくは抗体の他の抗原結合部分配列など)である非ヒト(たとえばマウス)抗体の形態を指す。好ましくは、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置き換えられている。
【0037】
本明細書中で使用する「ヒト抗体」とは、ヒトによって産生されることができる抗体のそれに対応するアミノ酸配列を有する抗体、および/または当業者に知られているもしくは本明細書中に開示されているヒト抗体を作製するための技法のうちの任意のものを使用して作製された抗体を意味する。このヒト抗体の定義には、少なくとも1つのヒト重鎖ポリペプチドまたは少なくとも1つのヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体が含まれる。1つのそのような例は、マウス軽鎖およびヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体である。ヒト抗体は、当分野で知られている様々な技法を使用して産生させることができる。一実施形態では、ヒト抗体はファージライブラリから選択され、そのファージライブラリはヒト抗体を発現する(Vaughanら、1996、Nature Biotechnology、14:309〜314、Sheetsら、1998、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、95:6157〜6162、HoogenboomおよびWinter、1991、J.Mol.Biol.、227:381、Marksら、1991、J.Mol.Biol.、222:581)。また、ヒト抗体は、内在性座位の代わりにヒト免疫グロブリン座位が遺伝子導入によって導入されている動物、たとえば、内在性免疫グロブリン遺伝子が部分的にまたは完全に不活性化されているマウスを免疫化することによっても産生させることができる。この手法は、米国特許第5,545,807号、第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、および第5,661,016号に記載されている。あるいは、ヒト抗体は、標的抗原に向けられた抗体を産生するヒトBリンパ球を不死化することによって調製し得る(そのようなBリンパ球は、個体から回収してもよく、またはin vitroで免疫化されていてもよい)。たとえば、Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、ページ77、1985、Boernerら、1991、J.Immunol.、147(1):86〜95、および米国特許第5,750,373号を参照されたい。
【0038】
抗体の「可変領域」とは、単独または組み合わせた抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。当分野で知られているように、超可変領域としても知られる3つの相補性決定領域(CDR)によって接続された4つのフレームワーク領域(FR)からそれぞれなる重鎖および軽鎖の可変領域は、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。対象可変領域の変異体が所望される場合、特にCDR領域外(すなわちフレームワーク領域中)のアミノ酸残基中の置換の場合は、適切なアミノ酸置換、好ましくは、保存的アミノ酸置換は、対象可変領域を、対象可変領域と同じカノニカル(canonical)クラスのCDR1およびCDR2配列を含有する他の抗体の可変領域と比較することによって同定することができる(ChothiaおよびLesk、J Mol Biol、196(4):901〜917、1987)。対象CDRに隣接させるFRを選択する場合、たとえば、抗体をヒト化または最適化する場合は、同じカノニカルクラスのCDR1およびCDR2配列を含有する抗体からのFRが好ましい。
【0039】
可変ドメインの「CDR」とは、Kabat、Chothia、KabatおよびChothiaの両方の蓄積、AbM、接触の定義、および/またはコンホメーション定義もしくは当分野で周知のCDRを決定する任意の方法に従って同定された、可変領域内のアミノ酸残基である。抗体のCDRは、Kabatらによって最初に定義された超可変領域として同定され得る。たとえばKabatら、1992、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、NIH、Washington D.C.を参照されたい。また、CDRの位置は、Chothiaらによって最初に記載された構造的ループ構造としても同定され得る。たとえばChothiaら、1989、Nature、342:877〜883を参照されたい。CDRを同定するための他の手法には、KabatとChothiaの折衷であり、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(現在はAccelrys(登録商標))を使用して誘導する「AbM定義」、または、MacCallumら、1996、J.Mol.Biol.、262:732〜745に記載の、観察された抗原接触に基づくCDRの「接触定義」が含まれる。本明細書中でCDRの「コンホメーション定義」と呼ばれる別の手法では、CDRの位置は、抗原結合にエンタルピー的な寄与を与える残基として同定され得る。たとえばMakabeら、2008、Journal of Biological Chemistry、283:1156〜1166を参照されたい。さらに他のCDR境界定義は、上記手法のうちの1つに厳密に従わないが、それにもかかわらずKabat CDRの少なくとも一部分と重複する場合がある。しかし、これらは、特定の残基または残基群またはCDR全体さえもが抗原結合に有意な影響を与えないという予測的または実験的な発見に鑑みて、短縮または伸ばし得る。本明細書中で使用するCDRとは、手法の組合せを含めた、当分野で知られている任意の手法によって定義されたCDRを指し得る。本明細書中で使用する方法は、これらの手法のうちの任意のものに従って定義されたCDRを利用し得る。複数のCDRを含有する任意の所定の実施形態では、CDRは、Kabat、Chothia、拡張、AbM、接触、および/またはコンホメーションの定義のうちの任意のものに従って定義し得る。
【0040】
当分野で知られているように、抗体の「定常領域」とは、単独または組み合わせた抗体軽鎖の定常領域または抗体重鎖の定常領域を指す。
【0041】
本明細書中で使用する用語「PCSK9」とは、PCSK9の任意の形態およびPCSK9の活性の少なくとも一部を保持するその変異体を指す。ヒトPCSK9に具体的に言及することなどによって別段に示さない限りは、PCSK9には、ネイティブ配列PCSK9のすべての哺乳動物種、たとえば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシが含まれる。1つの例示的なヒトPCSK9は、Uniprot受託番号Q8NBP7(配列番号1)として見つかる。
【0042】
本明細書中で使用する「PCSK9拮抗抗体」とは、PCSK9に媒介されるLDLRの下方制御を含めたPCSK9シグナル伝達によって媒介されるPCSK9生物活性および/または下流経路(複数可)、ならびにPCSK9に媒介されるLDL血液クリアランスの減少を阻害することができる抗PCSK9抗体を指す。PCSK9拮抗抗体には、LDLRの相互作用および/またはPCSK9に対する細胞応答の誘発などのPCSK9シグナル伝達によって媒介される下流経路を含めたPCSK9生物活性を遮断、拮抗、抑制または低下させる(有意に、を含めた任意の度合まで)抗体が包含される。本発明の目的のために、用語「PCSK9拮抗抗体」にはすべての以前に同定した用語、タイトル、ならびに機能的な状態および特徴が包含され、PCSK9自体、PCSK9生物活性(それだけには限定されないが、LDLRとの相互作用、LDLRの下方制御、および減少した血中LDLクリアランスの任意の側面を媒介するその能力が含まれる)、または生物活性の結果が、任意の有意義な度合で実質的に無効化、減少、または中和されていることを明確に理解されたい。一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体はPCSK9と結合し、LDLRとの相互作用を妨げる。PCSK9拮抗抗体の例は、たとえば、その全体で本明細書中に参考として組み込まれている米国特許出願公開第20100068199号中に提供されている。
【0043】
本明細書中で使用する「完全拮抗剤」とは、有効な濃度でPCSK9の測定可能な効果を本質的に完全に遮断する拮抗剤である。部分的拮抗剤とは、測定可能な効果を部分的に遮断することができるが、最高濃度でさえも完全拮抗剤ではない拮抗剤を意味する。本質的に完全とは、測定可能な効果の少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは少なくとも約98%または99%が遮断されることを意味する。関連する「測定可能な効果」は本明細書中に記載されており、Huh7細胞中in vitroでアッセイされたPCSK9拮抗剤によるLDLRの下方制御、総コレステロールの血液(または血漿)レベルin vivo減少、および血液(または血漿)中のLDLレベルのin vivoでの減少が含まれる。
【0044】
本明細書中で使用する用語「臨床的に有意義」とは、ヒトにおける血中LDL−コレステロールレベルの少なくとも15%の低下またはマウスにおける全血中コレステロールの少なくとも15%の低下を意味する。血漿または血清中の測定が血中レベルの測定の代理として役割を果たすことができるは明らかである。
【0045】
本明細書中で使用する用語「投薬レジメン」とは、患者に投与した処置、たとえばPCSK9拮抗抗体を用いた処置の全過程を指す。
【0046】
平均血中LDLコレステロールレベルが具体的なレベルの範囲内にある時間の文脈において本明細書中で使用する用語「連続的」とは、平均レベルがその具体的な範囲内にある時間が、平均レベルがその具体的なレベルの範囲内にない任意の時間によって中断されないことを意味する。
【0047】
平均血中LDLコレステロールレベルが具体的なレベルの範囲内にある時間の文脈において本明細書中で使用する用語「非連続的」とは、平均レベルがその具体的な範囲内にある時間が、平均レベルがその具体的なレベルの範囲内にない何らかの量の時間(たとえば、15分間、20分間、30分間、45分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、28時間、32時間、36時間、40時間、44時間、48時間、60時間、72時間、84時間、90時間、または上記具体的に記述した時間のうちの任意の上限および下限を有する任意の範囲の時間)によって中断されることを意味する。
【0048】
用語「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、本明細書中で互換性があるように使用され、任意の長さ、好ましくは比較的短いアミノ酸の鎖を指す(たとえば10〜100個のアミノ酸)。鎖は直鎖状または分枝状であってよく、修飾されたアミノ酸を含んでいてよく、および/または非アミノ酸によって中断されていてよい。また、この用語には、自然または介入によって修飾されたアミノ酸鎖、たとえば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識構成要素とのコンジュゲーションなどの任意の他の操作もしくは修飾も包含される。また、この定義内には、たとえば、アミノ酸の1つまたは複数の類似体(たとえば非天然アミノ酸などが含まれる)、および当分野で知られている他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。ポリペプチドは単鎖または会合した鎖として生じることができることが理解されよう。
【0049】
当分野で知られているように、本明細書中で互換性があるように使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、任意の長さのヌクレオチドの鎖を指し、DNAおよびRNAが含まれる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドもしくは塩基、および/またはその類似体、あるいはDNAまたはRNAポリメラーゼによって鎖内に取り込まれることができる任意の基質であることができる。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびその類似体などの修飾されたヌクレオチドを含み得る。存在する場合は、ヌクレオチド構造への修飾は、鎖のアセンブリの前または後に与え得る。ヌクレオチドの配列は非ヌクレオチド構成要素によって中断されていてもよい。ポリヌクレオチドは、標識構成要素とのコンジュゲーションなどによって重合後にさらに修飾されてもよい。他の種類の修飾には、たとえば、「キャップ」、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つまたは複数の類似体での置換、たとえば非荷電連結(たとえば、ホスホン酸メチル、リン酸トリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)を有するものおよび荷電連結(たとえば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を有するものなどのヌクレオチド間修飾、たとえばタンパク質(たとえば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リシンなど)などのペンダント部分を含有するもの、インターカレーター(たとえば、アクリジン、ソラレンなど)を含有するもの、キレート剤(たとえば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された連結(たとえばアルファアノマー核酸など)を有するもの、ならびにポリヌクレオチド(複数可)修飾されていない形態が含まれる。さらに、糖中に通常存在するヒドロキシル基のうちの任意のものが、たとえばホスホン酸基、リン酸基によって置き換えられている、標準の保護基によって保護されている、もしくは活性化されて追加のヌクレオチドとの追加の連結を調製していてよく、または固体支持体とコンジュゲートされていてよい。5’および3’末端のOHは、リン酸化されている、またはアミンもしくは1〜20個の炭素原子の有機キャップ基部分で置換されていることができる。他のヒドロキシルも、標準の保護基へと誘導体化されていてよい。また、ポリヌクレオチドは、たとえば、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−または2’−アジド−リボース、炭素環糖類似体、アルファ−またはベータ−アノマー糖、アラビノース、キシロースまたはリキソースなどのエピマー糖、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環状類似体およびメチルリボシドなどの脱塩基ヌクレオシド類似体を含めた、当分野で一般に知られているリボースまたはデオキシリボース糖の類似体も含有することができる。1つまたは複数のリン酸ジエステル連結は、代替連結基によって置き換えられていてよい。これらの代替連結基には、それだけには限定されないが、リン酸がP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH(「ホルムアセタール」)によって置き換えられており、それぞれのRまたはR’が、独立してHまたは置換もしくは非置換のアルキル(1〜20個のC)(エーテル(−O−)連結、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアラルジルを任意選択で含有する)である実施形態が含まれる。ポリヌクレオチド中のすべての連結が同一である必要はない。先行する説明は、RNAおよびDNAを含めた、本明細書中で言及するすべてのポリヌクレオチドに適用される。
【0050】
本明細書中で使用する場合、抗体は、米国特許出願公開第20100068199号の実施例2に開示されている方法によって測定した平衡解離定数が20nM以下、好ましくは約6nM未満、より好ましくは約1nM未満、最も好ましくは約0.2nM未満である場合に、PCSK9「と相互作用する」。
【0051】
エピトープと「優先的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書中で互換性があるように使用される)抗体とは、当分野で十分に理解されている用語であり、そのような特異的または優先的な結合を決定する方法も当分野で周知である。分子は、特定の細胞または物質と、別の細胞または物質よりも頻繁に、より迅速に、より長く持続しておよび/またはより高い親和性で反応または会合する場合に、「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言われる。抗体は、他の物質と結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、および/またはより長く持続して結合する場合に、標的と「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。たとえば、PCSK9エピトープと特異的または優先的に結合する抗体とは、他のPCSK9エピトープまたは非PCSK9エピトープと結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、および/またはより長く持続してこのエピトープと結合する抗体である。この定義を読むことによって、たとえば、第1の標的と特異的または優先的に結合する抗体(または部分もしくはエピトープ)は、第2の標的と特異的または優先的に結合しても結合しなくてもよいことを理解されよう。したがって、「特異的結合」または「優先的結合」は、必ずしも排他的な結合を必要としない(ただしそれが含まれることができる)。一般に、必ずしもではないが、結合への言及は優先的結合を意味する。
【0052】
本明細書中で使用する「実質的に純粋」とは、少なくとも50%純粋(すなわち汚染物質を含まない)、より好ましくは少なくとも90%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、さらにより好ましくは少なくとも98%純粋、最も好ましくは少なくとも99%純粋である材料を指す。
【0053】
「宿主細胞」には、ポリヌクレオチド挿入物を取り込ませるためのベクター(複数可)のレシピエントとなることができる、またはそうであった、個々の細胞または細胞培養物が含まれる。宿主細胞には単一の宿主細胞の子孫が含まれ、子孫は、天然、偶発的、または意図的な突然変異が原因で、必ずしも元の親細胞と完全に同一(形態学またはゲノムDNA相補性(complement)において)でなくてもよい。宿主細胞には、本発明のポリヌクレオチド(複数可)を用いてin vivoで形質移入した細胞が含まれる。
【0054】
当分野で知られているように、用語「Fc領域」とは、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用する。「Fc領域」は、ネイティブ配列Fc領域または変異体Fc領域であり得る。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変動し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、位置Cys226またはPro230のアミノ酸残基からそのカルボキシル末端までのストレッチに定義される。Fc領域中の残基の付番は、Kabatと同様にEUインデックスのものである。Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md.、1991。免疫グロブリンのFc領域は、一般に2つの定常ドメイン、CH2およびCH3を含む。
【0055】
当分野で使用されているように、「Fc受容体」および「FcR」とは、抗体のFc領域と結合する受容体を説明する。好ましいFcRはネイティブ配列ヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)と結合するものであり、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIサブクラスの受容体が含まれ、これらの受容体の対立遺伝子変異体および選択的スプライシングされた形態が含まれる。FcγRII受容体にはFcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害受容体」)が含まれ、これらは、その細胞質ドメインが主に異なる類似のアミノ酸配列を有する。FcRは、RavetchおよびKinet、1991、Ann.Rev.Immunol.、9:457〜92、Capelら、1994、Immunomethods、4:25〜34、およびde Haasら、1995、J.Lab.Clin.Med.、126:330〜41に総説されている。また、「FcR」には、母体IgGを胎児に移すことを司っている新生児受容体FcRnも含まれる(Guyerら、1976、J.Immunol.、117:587、およびKimら、1994、J.Immunol.、24:249)。
【0056】
抗体に関して本明細書中で使用する用語「競合する」とは、第1の抗体とその同族エピトープとの結合の結果が、第2の抗体の存在下で、第2の抗体の非存在下での第1の抗体の結合と比較して検出可能に減少しているように、第1の抗体またはその抗原結合部分が、第2の抗体またはその抗原結合部分の結合と十分に類似した様式でエピトープと結合することを意味する。第2の抗体とそのエピトープとの結合も第1の抗体の存在下で検出可能に減少しているという代替形式は、可能であるが、そうである必要はない。すなわち、第1の抗体は、第2の抗体が第1の抗体とそのそれぞれのエピトープとの結合を阻害することなしに、その第2の抗体とそのエピトープとの結合を阻害することができる。しかし、それぞれの抗体が、同じ、より高い、またはより低い程度かにかかわらず、他の抗体とその同族エピトープまたはリガンドとの結合を検出可能に阻害する場合は、抗体は、そのそれぞれのエピトープ(複数可)の結合について互いに「相互競合する」と言われる。競合および相互競合抗体はどちらも本発明によって包含される。当業者は、本明細書中に提供されている教示に基づいて、そのような競合または相互競合が起こる機構(たとえば、立体障害、コンホメーション変化、または共通のエピトープもしくはその一部分との結合)にかかわらず、そのような競合および/または相互競合抗体が本明細書中に開示されている方法に包含され、それに有用な場合があることを理解されよう。
【0057】
別の(第2の)エピトープまたはLDLRのEGF様ドメインと相互作用するPCSK9上の表面と「重複する」エピトープを有する抗体とは、相互作用するPCSK9残基に関する空間の共有を意味する。重複のパーセント、たとえば、特許請求した抗体のPCSK9エピトープとLDLRのEGF様ドメインと相互作用するPCSK9の表面とのパーセント重複を計算するために、LDLRと複合体形成した際に埋もれているPCSK9の表面積を残基毎に計算する。また、埋もれている面積を、PCSK9:抗体の複合体中のこれらの残基についても計算する。100%を超える可能な重複を防ぐために、LDLR:PCSK9の複合体よりもPCSK9:抗体の複合体中でより高い埋もれた表面積を有する残基の表面積を、LDLR:PCSK9の複合体からの値に設定する(100%)。パーセント表面重複は、LDLR:PCSK9の相互作用残基のすべてを合計することによって計算し、相互作用面積によって重み付けられる。
【0058】
「機能的Fc領域」は、ネイティブ配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を保有する。例示的な「エフェクター機能」には、C1q結合、補体依存性細胞傷害、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害、貪食、細胞表面受容体(たとえばB細胞受容体)の下方制御などが含まれる。そのようなエフェクター機能は、一般に、Fc領域が結合ドメイン(たとえば抗体可変ドメイン)と組み合わさることを必要とし、そのような抗体エフェクター機能を評価するための当分野で知られている様々なアッセイを使用して評価することができる。
【0059】
「ネイティブ配列Fc領域」は、自然で見つかるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。「変異体Fc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾によってネイティブ配列Fc領域から異なるアミノ酸配列を含むが、それでもネイティブ配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を保持している。好ましくは、変異体Fc領域は、ネイティブ配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、たとえば、ネイティブ配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域中に約1〜約10個のアミノ酸置換、好ましくは約1〜約5個のアミノ酸置換を有する。本明細書中の変異体Fc領域は、好ましくはネイティブ配列Fc領域および/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%の配列同一性を保有する。
【0060】
本明細書中で使用する用語「アトルバスタチン」、「セリバスタチン」、「フルバスタチン」、「ロバスタチン」、「メバスタチン」、「ピタバスタチン」、「プラバスタチン」、「ロスバスタチン」および「シンバスタチン」には、それぞれアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、およびその任意の薬学的に許容できる塩または立体異性体が含まれる。本明細書中で使用する用語「薬学的に許容できる塩」には、患者によって生理的に耐容される塩が含まれる。そのような塩は、典型的には無機酸もしくは塩基および/または有機酸もしくは塩基から調製される。これらの酸および塩基の例は当業者に周知である。
【0061】
本明細書中で使用する「処置」とは、有益または所望の臨床結果を得るための手法である。本発明の目的のために、有益または所望の臨床結果には、それだけには限定されないが、以下のうちの1つまたは複数が含まれる:LDLクリアランスの増強、ならびに代謝および/もしくは摂食障害から生じる異常なコレステロールおよび/もしくはリポタンパク質レベル、または家族性高コレステロール血症、アテローム生成的異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、ACS、より一般には心血管疾患(CVD)を含めたものの発生率の低下または軽快。
【0062】
「発生率の低下」とは、重篤度の低下のうちの任意のものを意味する(これには、この状態に一般に使用される他の薬物および/または治療の必要性および/または量(たとえばそれへの曝露)の低下が含まれることができる)。当業者によって理解されるように、個体は、処置に対するその応答に関して変動し得、したがって、たとえば、「発生率を低下させる方法」は、そのような投与がその特定の個体においてそのような発生率の低下を引き起こし得る可能性が高いという合理的な予想に基づいて、PCSK9拮抗抗体を投与することを反映する。
【0063】
「軽快させること」とは、PCSK9拮抗抗体を投与しないことと比較した、1つまたは複数の症状の軽減または改善を意味する。また、「軽快させること」には、症状の持続期間の短縮または低下も含まれる。
【0064】
本明細書中で使用する薬物、化合物、または医薬組成物の「有効用量」または「有効量」とは、任意の1つまたは複数の有益または所望の結果を達成するために十分な量である。予防的な使用には、有益または所望の結果には、危険性の排除もしくは低下、重篤度の軽減、または、疾患の生化学的、組織学的および/もしくは行動性症状、その合併症および疾患の発生中に現れる中間の病理学的表現型を含めた、疾患の発生の遅延が含まれる。治療的使用には、有益または所望の結果には、高コレステロール血症または異常脂質血症の1つもしくは複数の症状、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、冠動脈性心疾患の低下、疾患の処置に必要な他の薬物の用量の減少、別の薬物の効果の増強、および/あるいは患者の疾患の進行の遅延などの臨床結果が含まれる。有効用量は1つまたは複数の投与で投与することができる。本発明の目的のために、有効用量の薬物、化合物、または医薬組成物とは、予防的または治療的処置を直接または間接的に達成するために十分な量である。臨床的な文脈で理解されるように、有効用量の薬物、化合物、または医薬組成物は、別の薬物、化合物、または医薬組成物と併せて達成され得るまたは達成され得ない。したがって、「有効用量」は、1つまたは複数の治療剤の投与の文脈において検討され得、1つまたは複数の他の薬剤と併せて望ましい結果が達成され得るまたは達成される場合は、有効量中で単一の薬剤を与えることを検討し得る。
【0065】
「個体」または「対象」とは、哺乳動物、より好ましくはヒトである。また、哺乳動物には、それだけには限定されないが、家畜、スポーツ動物、ペット、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、マウスおよびラットも含まれる。
【0066】
本明細書中で使用する「ベクター」とは、宿主細胞中に1つまたは複数の対象の遺伝子または配列を送達する、好ましくは発現させることができる構築体を意味する。ベクターの例には、それだけには限定されないが、ウイルスベクター、裸DNAまたはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミドまたはファージベクター、陽イオン性縮合剤と会合したDNAまたはRNA発現ベクター、リポソーム中にカプセル封入されたDNAまたはRNA発現ベクター、および産生細胞などの特定の真核細胞が含まれる。
【0067】
本明細書中で使用する「発現制御配列」とは、核酸の転写を指示する核酸配列を意味する。発現制御配列は、構成的もしくは誘導性プロモーターなどのプロモーター、またはエンハンサーであることができる。発現制御配列は、転写させる核酸配列に作動可能に連結されている。
【0068】
本明細書中で使用する「薬学的に許容できる担体」または「薬学的に許容できる賦形剤」には、活性成分と組み合わせた場合に、成分が生物活性を保持することを可能にし、対象の免疫系と非反応性である、任意の材料が含まれる。例には、それだけには限定されないが、リン酸緩衝溶液、水、油/水の乳濁液などの乳濁液、および様々な種類の湿潤剤などの、標準の薬学的担体のうちの任意のものが含まれる。エアロゾルまたは非経口投与のための好ましい希釈剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)または通常(0.9%)生理食塩水である。そのような担体を含む組成物は、周知の慣用方法によって配合される(たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、A.Gennaro編、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1990およびRemington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Mack Publishing、2000を参照)。
【0069】
本明細書中で使用する用語「kon」とは」、抗体と抗原との会合の速度定数を指す。具体的には、速度定数(konおよびkoff)ならびに平衡解離定数は、Fab抗体断片(すなわち一価)およびPCSK9を使用して測定する。
【0070】
本明細書中で使用する用語「koff」とは、抗体/抗原の複合体からの抗体の解離の速度定数を指す。
【0071】
本明細書中で使用する用語「K」とは、抗体−抗原の相互作用の平衡解離定数を指す。
【0072】
本明細書における「約」の値またはパラメータの言及には、その値またはパラメータ自体に向けられている実施形態が含まれる(かつそれを説明する)。たとえば、「約X」に言及する説明には「X」の説明が含まれる。数値範囲は、範囲を定義する数値が含まれるものである。
【0073】
本明細書中で言葉「含む」を用いて実施形態を説明する場合はすべて、「からなる」および/または「から本質的になる」に関して記載されている、それ以外は類似の実施形態も提供されることを理解されたい。
【0074】
発明の態様または実施形態がマーカッシュ群または他の代替群に関して記載されている場合、本発明には、全体として記載された群全体だけでなく、群のそれぞれの個々のメンバーおよび主群の可能なすべての部分群、また、主群から群のメンバーのうちの1つまたは複数が存在しないものも包含される。また、本発明は、特許請求した発明中の群のメンバーのうちの任意の1つまたは複数の明確な排除も想定する。
【0075】
別段に定義しない限りは、本明細書中で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。例示的な方法および材料が本明細書中に記載されているが、本明細書中に記載されているものと類似または均等の方法および材料も、本発明の実施または試験に使用することができる。本明細書中で言及したすべての出版物および他の参考文献は、その全体で参考として組み込まれている。矛盾する場合は、定義を含めて本明細書が支配する。いくつかの文書が本明細書中で引用されているが、この引用は、これらの文書のうちの任意のものが当分野の共通の一般知識の一部を形成することの承認を構成しない。本明細書および特許請求の範囲全体にわたって、言葉「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」もしくは「含むこと(comprising)」などの変形は、記述した整数または整数群の包含を意味するが、任意の他の整数または整数群の排除を意味しないことを理解されたい。内容により必要とされない限りは、単数形の用語には複数形が含まれ、複数形の用語には単数形が含まれよう。材料、方法、および実施例は例示的のみであり、限定することを意図しない。
【0076】
抗PCSK9抗体に関する公開された情報には、以下の公開された出願が含まれる:そのそれぞれがその全体で本明細書中に参考として組み込まれている、2010年3月18日にWO2010/029513として公開されたPCT/IB2009/053990、および2010年3月18日にUS2010/0068199として公開された米国特許出願第12/558312号。
【0077】
抗PCSK9抗体を用いた処置
本明細書中では、血漿中のLDL粒子の著しい上昇によって特徴づけられる障害を処置するための治療レジメンを提供する。対象治療レジメンはPCSK9拮抗抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、対象治療レジメンは、安定用量のスタチンを受けている患者にPCSK9拮抗抗体を投与することを含む。本明細書中に開示されている治療レジメンは、個体における高コレステロール血症、および/または異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、急性冠症候群(ACS)、もしくは冠動脈性心疾患の少なくとも1つの症状の処置または予防に使用するための、循環PCSK9を拮抗する有効量のPCSK9拮抗抗体を提供する。
【0078】
有利には、本明細書中に開示されている治療レジメンは、実質的で持続的なLDL−Cの降下をもたらす。好ましくは、血中コレステロールおよび/または血中LDLは、投与前よりも少なくとも約10%または15%低い。より好ましくは、血中コレステロールおよび/または血中LDLは、抗体の投与前よりも少なくとも約20、30、40、50、60、70または80%低い。
【0079】
投薬レジメン
一部の実施形態では、投薬レジメンは、約2mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約2mg/kgの維持用量を4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、約4mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約4mg/kgの維持用量を4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、約4mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約4mg/kgの維持用量を8週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、約8mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約8mg/kgの維持用量を8週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、約12mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約12mg/kgの維持用量を8週間毎に投与することを含む。
【0080】
他の実施形態では、投薬レジメンは、週用量約0.25mg/kgのPCSK9抗体を投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、週用量約0.5mg/kgのPCSK9抗体を投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、週用量約1mg/kgのPCSK9抗体を投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、週用量約1.5mg/kgのPCSK9抗体を投与することを含む。
【0081】
しかし、従事者が達成を望む薬物動態学的崩壊のパターンによっては、他の投薬レジメンが有用であり得る。この治療の進行は、慣用の技術およびアッセイによって容易に監視される。好ましい実施形態では、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも4週間の時間間隔である。投薬レジメン(使用するPCSK9拮抗剤(複数可)が含まれる)は経時的に変動することができる。
【0082】
一般に、PCSK9抗体の投与には、候補初回用量は、約0.3mg/kg〜約18mg/kgのPCSK9拮抗抗体であることができる。本発明の目的のために、典型的な投与用量は、上述の要因に応じて、約3μg/kgから約30μg/kgまで、約300μg/kgまで、約3mg/kgまで、約30mg/kgまで、約100mg/kg以上までのうちの任意の範囲であり得る。たとえば、約0.3mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5mg/kg、約5.5mg/kg、約6mg/kg、約6.5mg/kg、約7mg/kg、約7.5mg/kg、約8mg/kg、約8.5mg/kg、約9mg/kg、約9.5mg/kg、約10mg/kg、約10.5mg/kg、約11mg/kg、約11.5mg/kg、約12mg/kg、約12.5mg/kg、約13mg/kg、約13.5mg/kg、約14mg/kg、約14.5mg/kg、約15mg/kg、約15.5mg/kg、約16mg/kg、約16.5mg/kg、約17mg/kg、約17.5mg/kg、約18mg/kg、約18.5mg/kg、約19mg/kg、約19.5mg/kg、約20mg/kg、約20.5mg/kg、約21mg/kg、約21.5mg/kg、約22mg/kg、約22.5mg/kg、約23mg/kg、約23.5mg/kg、約24mg/kg、約24.5mg/kg、および約25mg/kgの用量を使用し得る。数日間以上にわたる反復投与には、処置は、状態に応じて、症状の所望の抑制が起こるまで、または、たとえば血中LDLレベルを低下させるための十分な治療レベルが達成されるまで持続する。
【0083】
例示的な投薬レジメンは、約0.25mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、または約18mg/kgの初回用量、次いで約0.25mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、または約18mg/kgの維持用量のPCSK9抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、維持用量は週に1回投与する。一部の実施形態では、維持用量は隔週で投与する。一部の実施形態では、維持用量は約3週間毎に投与する。一部の実施形態では、維持用量は約4週間毎に投与する。一部の実施形態では、維持用量は約5週間毎に投与する。一部の実施形態では、維持用量は約6週間毎に投与する。一部の実施形態では、維持用量は約7週間毎に投与する。一部の実施形態では、維持用量は約8週間毎に投与する。好ましい実施形態では、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも約4週間の時間間隔である。一部の実施形態では、維持用量を月に1回投与する。
【0084】
他の実施形態では、固定用量を使用し得る。たとえば、約0.25mg、約0.3mg、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約99mg、約98mg、約99mg、約100mg、約101mg、約102mg、約103mg、約104mg、約105mg、約106mg、約107mg、約108mg、約109mg、約110mg、約111mg、約112mg、約113mg、約114mg、約115mg、約116mg、約117mg、約118mg、約119mg、約120mg、約121mg、約122mg、約123mg、約124mg、約125mg、約126mg、約127mg、約128mg、約129mg、約130mg、約131mg、約132mg、約133mg、約134mg、約135mg、約136mg、約137mg、約138mg、約139mg、約140mg、約141mg、約142mg、約143mg、約144mg、約145mg、約146mg、約147mg、約148mg、約149mg、約150mg、約151mg、約152mg、約153mg、約154mg、約155mg、約156mg、約157mg、約158mg、約159mg、約160mg、約161mg、約162mg、約163mg、約164mg、約165mg、約166mg、約167mg、約168mg、約169mg、約170mg、約171mg、約172mg、約173mg、約174mg、約175mg、約176mg、約177mg、約178mg、約179mg、約180mg、約181mg、約182mg、約183mg、約184mg、約185mg、約186mg、約187mg、約188mg、約189mg、約190mg、約191mg、約192mg、約193mg、約194mg、約195mg、約196mg、約199mg、約198mg、約199mg、約200mg、約250、約300、約350、約400、約450、または約500mgのPCSK9拮抗抗体の用量を使用し得る。一部の実施形態では、固定用量を皮下または静脈内投与する。
【0085】
PCSK9拮抗抗体は、本明細書中に開示されている1つまたは複数の投薬レジメンに従って、安定用量のスタチンを受けている個体に投与することができる。安定用量は、たとえばそれだけには限定されないが、1日用量または隔日用量のスタチンであることができる。様々なスタチンが当業者に知られており、たとえばそれだけには限定されないが、アトルバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、およびスタチンの組合せ療法が含まれる。スタチンの組合せ療法の非限定的な例には、アトルバスタチン+アムロジピン(CADUET(商標))、シンバスタチン+エゼチミベ(VYTORIN(商標))、ロバスタチン+ナイアシン(ADVICOR(商標))、およびシンバスタチン+ナイアシン(SIMCOR(商標))が含まれる。
【0086】
一部の実施形態では、個体は、PCSK9拮抗抗体の初回用量を投与する前に、少なくとも1、2、3、4、5または6週間の間、安定用量のスタチンを受けている。好ましくは、安定用量のスタチンを受けている個体は、PCSK9拮抗抗体の初回用量を投与する前に、約70mg/dL以上の空腹時LDL−Cを有する。一部の実施形態では、安定用量のスタチンを受けている個体は、PCSK9拮抗抗体の初回用量を投与する前に、約80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200mg/dL以上の空腹時LDL−Cを有する。
【0087】
本発明の目的のために、典型的なスタチンの用量は、上述の要因に応じて約1mg〜約80mgの範囲であり得る。たとえば、約0.3mg、約0.5mg、約1mg、約2.5mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、または約80mgのスタチンの用量を使用し得る。
【0088】
好ましい実施形態では、40mgまたは80mgのアトルバスタチンの用量を使用する。他の実施形態では、20mgまたは40mgのロスバスタチンの用量を使用する。他の実施形態では、40mgまたは80mgのシンバスタチンの用量を使用する。
【0089】
一部の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約2mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約2mg/kgの維持用量を約4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約3mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約3mg/kgの維持用量を約4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約4mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約4mg/kgの維持用量を約4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約5mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約5mg/kgの維持用量を約4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約4mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約4mg/kgの維持用量を8週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約6mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約6mg/kgの維持用量を約4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約8mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約8mg/kgの維持用量を8週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約12mg/kgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約12mg/kgの維持用量を8週間毎に投与することを含む。
【0090】
他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約200mgのPCSK9抗体の初回用量を皮下で、次いで約200mgの維持用量を約4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約300mgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約300mgの維持用量を約4週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約50mgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約50mgの維持用量を約2週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約100mgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約100mgの維持用量を約2週間毎に投与することを含む。他の実施形態では、投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約150mgのPCSK9抗体の初回用量、次いで約150mgの維持用量を約2週間毎に投与することを含む。
【0091】
別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約0.25mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約0.25mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約0.5mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約0.5mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約1mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約1mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約1.5mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約1.5mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約2mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約2mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約3mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約4mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約4mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約5mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約5mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。別の例示的な投薬レジメンは、安定用量のスタチンを受けている対象に、約6mg/kgのPCSK9拮抗抗体の初回用量を投与することを含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約6mg/kgのPCSK9拮抗抗体の月1回の維持用量を投与することをさらに含む。
【0092】
しかし、従事者が達成を望む薬物動態学的崩壊のパターン次第では、他の投薬レジメンが有用であり得る。この治療の進行は、慣用の技術およびアッセイによって容易に監視される。好ましい実施形態では、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量は、互いに少なくとも4週間の時間間隔である。投薬レジメン(使用するPCSK9拮抗剤(複数可)が含まれる)は経時的に変動することができる。
【0093】
PCSK9拮抗抗体
以下に、本発明に従って使用する抗体を生成するための例示的な技法を説明する。抗体の生成に使用するPCSK9抗原は、たとえば、完全長ヒトPCSK9、完全長マウスPCSK9、およびPCSK9の様々なペプチド断片であり得る。抗体の生成に有用なPCSK9の他の形態は当業者に明らかであろう。
【0094】
モノクローナル抗体は、PCSK9ヌルマウスを組換え完全長PCSK9タンパク質で免疫化することによって生成した。米国特許出願第12/558312号の実施例7に示すように、この抗体調製の様式により、PCSK9とLDLRとの完全な遮断、Huh7細胞におけるPCSK9に媒介されるLDLRレベルの降下の完全な遮断、およびPCSK9−/−マウスで見られるものに匹敵するレベルまでの、マウス中を含めたin vivoでのLDLコレステロールレベルの降下を示す拮抗抗体が得られた。
【0095】
理解されるように、本発明で使用するための抗体はハイブリドーマに由来し得るが、ハイブリドーマ以外の細胞系中で発現させてもよい。特定の抗体のcDNAまたはゲノムクローンをコードしている配列を、適切な哺乳動物または非哺乳動物の宿主細胞の形質転換に使用することができる。発現させるための宿主として利用可能な哺乳動物細胞系は当分野で周知であり、それだけには限定されないが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、およびヒト肝細胞癌細胞(たとえばHep G6)を含めた、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞系が含まれる。また、細菌、酵母、昆虫、および植物細胞を含めた、非哺乳動物細胞を用いることもできる。非ヒトグリコシル化から生じる免疫原性、薬物動態学、および/またはエフェクター機能のいずれかの変化を防止するために、グリコシル化を排除するための抗体CH6ドメインの部位特異的突然変異誘発が好ましい場合がある。発現のグルタミン合成酵素系は、欧州特許第616846号、第656055号、および第363997号ならびに欧州特許出願第89303964.4号に関連して、完全にまたは部分的に記述されている。さらに、当分野で知られているものを含めたジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)発現系を使用して、抗体を産生させることができる。
【0096】
一部の実施形態では、本発明は、PCSK9拮抗抗体L1L3を使用して実施する。一部の実施形態では、本発明は、抗体L1L3によって認識されるエピトープと同じである、PCSK9のエピトープを認識する抗体を使用して実施する。
【0097】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号11に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの3個のCDRおよび配列番号12に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からの3個のCDRを含む抗体を使用して実施する。
【0098】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号2(SYYMH)、配列番号13(GYTFTSY)、もしくは配列番号14(GYTFTSYYMH)に示すアミノ酸配列を有するVH相補性決定領域1(CDR1)、配列番号3(EISPFGGRTNYNEKFKS)もしくは配列番号15(ISPFGGR)に示すアミノ酸配列を有するVH CDR2、および/または配列番号4(ERPLYASDL)に示すアミノ酸配列を有するVH CDR3を含むPCSK9と特異的に結合する抗体、あるいはCDR1、CDR2、および/またはCDR3の前記配列中に1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を有するその変異体を使用して実施し、変異体は、前記配列によって定義されるCDRと本質的に同じ結合特異性を保持する。好ましくは、変異体は、約10個までのアミノ酸置換、より好ましくは約4個までのアミノ酸置換を含む。
【0099】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号5(RASQGISSALA)に示すアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号6(SASYRYT)に示すアミノ酸配列を有するCDR2、および/もしくは配列番号7(QQRYSLWRT)に示すアミノ酸配列を有するCDR3を含む抗体、またはCDR1、CDR2、および/もしくはCDR3の前記配列中に1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するその変異体を使用して実施し、変異体は、前記配列によって定義されるCDR1と本質的に同じ結合特異性を保持する。好ましくは、変異体は、約10個までのアミノ酸置換、より好ましくは約4個までのアミノ酸置換を含む。
【0100】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号8または10を含むまたはそれからなる重鎖配列および配列番号9を含むまたはそれからなる軽鎖配列を有する抗体を使用して実施する。
【0101】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号11に示すアミノ酸配列を含むまたはそれからなる重鎖可変領域および配列番号12に示すアミノ酸配列を含むまたはそれからなる軽鎖可変領域を有する抗体を使用して実施する。
【0102】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号1のPCSK9アミノ酸配列のアミノ酸残基153〜155、194、195、197、237〜239、367、369、374〜379および381を含むヒトPCSK9上のエピトープを認識する抗体を使用して実施する。好ましくは、ヒトPCSK9上の抗体エピトープは、配列番号1のPCSK9アミノ酸配列のアミノ酸残基71、72、150〜152、187〜192、198〜202、212、214〜217、220〜226、243、255〜258、317、318、347〜351、372、373、380、382、および383のうちの1つまたは複数を含まない。
【0103】
一部の実施形態では、本発明は、PCSK9の第1のエピトープであって、American Type Culture Collectionに寄託されて受託番号PTA−8986が割り当てられたハイブリドーマ細胞系によって産生される5A10、American Type Culture Collectionに寄託されて受託番号PTA−8985が割り当てられたハイブリドーマ細胞系によって産生される4A5、American Type Culture Collectionに寄託されて受託番号PTA−8984が割り当てられたハイブリドーマ細胞系によって産生される6F6、およびAmerican Type Culture Collectionに寄託されて受託番号PTA−8983が割り当てられたハイブリドーマ細胞系によって産生される7D4からなる群から選択されるモノクローナル抗体によって認識される第2のエピトープと同じまたはそれと重複するエピトープを認識する抗体を使用して実施する。好ましい実施形態では、本発明は、PCSK9拮抗抗体L1L3を使用して実施する(2010年3月18日にWO2010/029513として公開されたPCT/IB2009/053990、および2010年3月18日にUS2010/0068199として公開された米国特許出願第12/558312号を参照)。
【0104】
好ましくは、変異体は、約20個までのアミノ酸置換、より好ましくは約8個までのアミノ酸置換を含む。好ましくは、抗体は、免疫学的に不活性な定常領域をさらに含む、および/または、抗体は、IgG、IgG、IgG2Δa、IgG4Δb、IgG4Δc、IgG S228P、IgG4Δb S228PおよびIgG4Δc S228Pからなる群から選択されるアイソタイプを有する。別の好ましい実施形態では、定常領域は無グリコシル化Fcである。
【0105】
本発明において有用な抗体には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片(たとえば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、Fcなど)、キメラ抗体、二重特異性抗体、ヘテロコンジュゲート抗体、単鎖(ScFv)、その突然変異体、抗体部分(たとえばドメイン抗体)を含む融合タンパク質、ヒト抗体、ヒト化抗体、ならびに、抗体のグリコシル化変異体、抗体のアミノ酸配列変異体、および共有的に改変された抗体を含めた、所要の特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の改変された立体配置が包含されることができる。抗体は、マウス、ラット、ヒト、または任意の他の起源(キメラもしくはヒト化抗体が含まれる)であり得る。
【0106】
一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体はモノクローナル抗体である。また、PCSK9拮抗抗体はヒト化されていることもできる。他の実施形態では、抗体はヒトである。
【0107】
一部の実施形態では、抗体は、免疫学的に不活性である、すなわち免疫応答を誘発する潜在性が低下した定常領域などの、改変された定常領域を含む。一部の実施形態では、定常領域は、Eur.J.Immunol.、1999、29:2613〜2624、PCT公開WO99/58572、および/または英国特許出願第9809951.8号に記載のように改変されている。FcはヒトIgGまたはヒトIgGであることができる。Fcは、A330P331からS330S331の突然変異を含有するヒトIgG(IgG2Δa)であることができ、アミノ酸残基は、野生型IgG2配列を参照して付番されている。Eur.J.Immunol.、1999、29:2613〜2624。一部の実施形態では、抗体は、E233F234L235からP233V234A235(IgG4Δc)の突然変異を含むIgGの定常領域を含み(Armourら、2003、Molecular Immunology、40、585〜593)、付番は野生型IgG4を参照したものである。さらに別の実施形態では、Fcは、G236の欠失を有するヒトIgGのE233F234L235からP233V234A235である(IgG4Δb)。別の実施形態では、Fcは、S228からP228のヒンジ安定化突然変異を含有する任意のヒトIgG Fc(IgG、IgG4ΔbまたはIgG4Δc)である(Aalberseら、2002、Immunology、105、9〜19)。別の実施形態では、Fcは無グリコシル化Fcであることができる。
【0108】
一部の実施形態では、定常領域は、オリゴ糖付着残基(Asn297など)および/または定常領域中のグリコシル化認識配列の一部であるフランキング残基を突然変異させることによって無グリコシル化させる。一部の実施形態では、定常領域は、N連結グリコシル化について酵素的に無グリコシル化される。定常領域は、N連結グリコシル化について、酵素的にまたはグリコシル化欠損宿主細胞中での発現によって無グリコシル化させ得る。
【0109】
一部の実施形態では、複数の拮抗抗体が存在し得る。少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5個の異なる、もしくはそれより多くの拮抗抗体および/またはペプチドが存在することができる。一般に、これらのPCSK9拮抗抗体またはペプチドは、互いに有害な影響を与えない相補的活性を有し得る。また、PCSK9拮抗抗体は、他のPCSK9拮抗剤またはPCSK9受容体拮抗剤と併せて使用することもできる。たとえば、以下のPCSK9拮抗剤、すなわち、PCSK9に向けられたアンチセンス分子(PCSK9をコードしている核酸に向けられたアンチセンス分子が含まれる)、PCSK9阻害化合物、およびPCSK9構造的類似体のうちの1つまたは複数を使用し得る。また、PCSK9拮抗抗体は、薬剤の有効性を増強および/または補完する役割を果たす他の薬剤と併せて使用することもできる。
【0110】
本明細書中に記載のすべての方法に関して、PCSK9拮抗抗体への言及には、1つまたは複数の追加の薬剤を含む組成物も含まれる。これらの組成物は、当分野で周知である緩衝液を含めた薬学的に許容できる賦形剤などの適切な賦形剤をさらに含み得る。本発明は、単独で、または他の慣用の処置方法と組み合わせて使用することができる。
【0111】
PCSK9拮抗抗体は、任意の適切な経路を介して個体に投与することができる。当業者には、本明細書中に記載の実施例は、利用可能な技法を限定することを意図せず、それを例示するものであることが明らかであろう。したがって、一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体は、静脈内投与、たとえば、ボーラスとしてまたは一定期間にわたる持続注入によるもの、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、経皮、皮下、関節内、舌下、滑液内、ガス注入、くも膜下腔内、経口、吸入または外用によるものなどの、既知の方法に従って個体に投与する。投与は、全身性、たとえば静脈内投与、または局所的であることができる。ジェット噴霧器および超音波噴霧器を含めた、液体配合物のための市販の噴霧器が投与に有用である。液体配合物は直接噴霧することができ、凍結乾燥粉末は再構成後に噴霧することができる。あるいは、PCSK9拮抗抗体は、炭化フッ素配合物および定量吸入器を使用してエアロゾル化する、または凍結乾燥および粉砕した粉末として吸入することができる。
【0112】
一実施形態では、PCSK9拮抗抗体は、部位特異的または標的化した局所送達技法を介して投与する。部位特異的または標的化した局所送達技法の例には、PCSK9拮抗抗体の様々な埋め込み型デポー源もしくは輸液カテーテル、留置カテーテル、または針カテーテルなどの局所送達カテーテル、人工血管移植片、外膜ラップ、シャントおよびステントもしくは他の埋め込み型装置、部位特異的担体、直接注射、または直接塗布が含まれる。たとえば、PCT公開WO00/53211および米国特許第5,981,568号を参照されたい。
【0113】
PCSK9拮抗抗体の様々な配合物を投与に使用し得る。一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体をニートで投与し得る。一部の実施形態では、PCSK9拮抗抗体および薬学的に許容できる賦形剤は様々な配合物中にあり得る。薬学的に許容できる賦形剤は当分野で知られており、薬理学的に有効な物質の投与を容易にする比較的不活性な物質である。たとえば、賦形剤は、形もしくは稠度を与える、または希釈剤として作用することができる。適切な賦形剤には、それだけには限定されないが、安定化剤、湿潤剤および乳化剤、容積モル浸透圧濃度を変動させるための塩、カプセル封入剤、緩衝液、および皮膚浸透促進剤が含まれる。非経口および非経口でない薬物送達のための賦形剤および配合物は、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Mack Publishing(2000)に記載されている。
【0114】
これらの薬剤は、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液などの薬学的に許容できるビヒクルと組み合わせることができる。特定の投薬レジメン、すなわち、用量、タイミングおよび反復は、特定の個体およびその個体の病歴に依存する。
【0115】
許容できる担体、賦形剤、または安定化剤は、用いる用量および濃度でレシピエントに対して無毒性であり、リン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝液、塩化ナトリウムなどの塩、アスコルビン酸およびメチオニンを含めた抗酸化剤、保存料(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レソルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、およびm−クレゾールなど)、低分子量(約10個未満の残基)のポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリシンなどのアミノ酸、単糖、二糖、およびグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含めた他の炭水化物、EDTAなどのキレート化剤、スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖、ナトリウムなどの塩形成性対イオン、金属錯体(たとえばZn−タンパク質の複合体)、ならびに/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0116】
PCSK9拮抗抗体を含有するリポソームは、Epsteinら、1985、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:3688、Hwangら、1980、Proc.Natl Acad.Sci.USA、77:4030、ならびに米国特許第4,485,045号および第4,544,545号に記載されているものなどの、当分野で知られている方法によって調製される。増強された循環時間を有するリポソームは米国特許第5,013,556号に開示されている。特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発方法によって作製することができる。リポソームは、定義された孔径のフィルターを通して押し出して、所望の直径を有するリポソームが得られる。
【0117】
また、活性成分は、たとえばコアセルベーション技法または界面重合、たとえばそれぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセルによって、コロイド状薬物送達系(たとえば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロ乳濁液中で調製したマイクロカプセル中に捕捉されていてもよい。そのような技法はRemington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Mack Publishing(2000)中に開示されている。
【0118】
持続放出調製物を調製し得る。持続放出調製物の適切な例には、抗体を含有する固形の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、マトリックスは、造形品、たとえば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。持続放出マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(たとえばポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸と7エチル−L−グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸のコポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射用ミクロスフェア)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、酢酸スクロースイソブチレート、ならびにポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。
【0119】
in vivo投与に使用する配合物は無菌的でなければならない。これは、たとえば滅菌濾過膜を通した濾過によって容易に達成される。治療的PCSK9拮抗抗体組成物は、一般に、無菌的なアクセス口を有する容器、たとえば、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアル内に入れる。
【0120】
適切な乳濁液は、Intralipid(商標)、Liposyn(商標)、Infonutrol(商標)、Lipofundin(商標)およびLipiphysan(商標)などの市販の脂肪乳濁液を使用して調製し得る。活性成分は、事前に混合した乳濁液組成物に溶かし得るか、または、油(たとえば、ダイズ油、ベニバナ油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油またはアーモンド油)に溶かし、リン脂質(たとえば、卵リン脂質、ダイズリン脂質またはダイズレシチン)および水と混合した際に生じ得る乳濁液であり得る。乳濁液の等張性を調節するために、たとえばグリセロールまたはグルコースなどの他の成分を加え得ることを理解されたい。適切な乳濁液は、典型的には20%までの油、たとえば5〜20%を含有する。脂肪乳濁液は、0.1〜1.0μm、特に0.1〜0.5μmの脂肪液滴を含み、5.5〜8.0の範囲のpHを有することができる。
【0121】
乳濁液組成物は、PCSK9拮抗抗体をIntralipid(商標)またはその構成要素(ダイズ油、卵リン脂質、グリセロールおよび水)と混合することによって調製したものであることができる。
【0122】
吸入またはガス注入のための組成物には、薬学的に許容できる水性もしくは有機性の溶媒またはその混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末が含まれる。液体または固形の組成物は、上述のような適切な薬学的に許容できる賦形剤を含有し得る。一部の実施形態では、組成物は、局所的または全身的な効果のために、経口または経鼻の呼吸器経路によって投与する。好ましくは無菌的な薬学的に許容できる溶媒中の組成物は、ガスを使用することによって噴霧し得る。噴霧された溶液は噴霧装置から直接吸い込んでもよく、または、噴霧装置は、顔面マスク、テントまたは間欠的陽圧呼吸器に取り付けられていてもよい。溶液、懸濁液または粉末組成物は、好ましくは経口または経鼻的に、配合物を適切な様式で送達する装置から投与し得る。
【0123】
抗体L1L3の重鎖および軽鎖可変領域をコードしているポリヌクレオチドを、2009年8月25日にAmerican Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、米国バージニア州、90110に寄託した。L1L3重鎖可変領域ポリヌクレオチドにATCC受託番号PTA−10302を割り当て、L1L3軽鎖可変領域ポリヌクレオチドにATCC受託番号PTA−10303を割り当てた。寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の条項およびその規則(Budapest Treaty on the International Recognition of the Deposit of Microorganisms for the Purpose of Patent Procedure and Regulations thereunder)(ブダペスト条約)の規定の下で行った。これは、寄託日から30年間の間の、寄託物の生存可能な培養の維持を保証する。寄託物は、ATCCによってブダペスト条約の条項の下で利用可能となり、また、関連する米国特許が発行された際または任意の米国もしくは外国の特許出願が公開された際のいずれか早い方の時点で、寄託物の培養物の子孫が永続的かつ無制限に公に利用可能となることを保証する、ならびに米国特許商標庁長官によって、米国特許法第122条およびそれに関連する長官の規則(米国特許法施行規則第1.14条が含まれ、特に886OG638を参照する)に従って権利を有すると判断された者に、子孫の利用可能性を保証する、Pfizer,Inc.とATCCとの間の合意の対象となる。
【0124】
本出願の譲受人は、寄託されている材料の培養物が、適切な条件下で培養した際に死滅または喪失または破壊された場合は、通知した際に材料を即座に別の同じものと置き換えることに同意している。寄託された材料の利用可能性は、任意の政府の権限の下でその特許法に従って与えられた権利に違反して本発明を実施することの許可として解釈されるべきでない。
【実施例】
【0125】
以下の実施例は、本発明の方法および材料の例示を意味する。当業者に明白であり、当分野で通常遭遇する、記載した条件およびパラメータの適切な改変および適応は、本発明の精神および範囲内にある。
【実施例1】
【0126】
ヒト化PCSK9拮抗抗体L1L3を用いた処置は、血清コレステロールおよびLDLコレステロールレベルを低下させるために有効である
本実施例は、動物モデルにおいて血清コレステロールおよびLDLコレステロールレベルを低下させることにおける、ヒト化PCSK9拮抗抗体L1L3の有効性を例示する。
【0127】
L1L3は、分泌されたPCSK9と結合し、LDLRのその下方制御を有効に防止して、血清中の改善されたLDLクリアランスおよびLDL−Cの低下をもたらす、ヒト化した(<5%のマウス残基)モノクローナル抗体である。
【0128】
10mg/kgのL1L3を単回腹腔内(IP)投与として正常食餌を与えたC57BL/6マウス(n=10匹)に投与した場合、処置の48時間後に血清コレステロールレベルは生理食塩水で処置した対照の75mg/dLと比較して47mg/dLまで低下しており(37%の低下)、処置の4日後に対照動物の83mg/dLと比較して44mg/dLまで低下していた(47%の低下)。血清コレステロールレベルは処置後7日目までに69mg/dLまで回復した。
【0129】
正常食餌を与えたスプラーグ−ドーリーラットにおける用量応答実験において、L1L3を0、0.1、1、10および80mg/kg(n=6匹/群)の単回IP投与として投与した。血清コレステロールレベルが用量依存的に低下し、50%という最大効果が投薬の48時間後に10および80mg/kgで見られた。コレステロールの抑圧の持続期間も用量依存的であり、1〜21日間の範囲であった。L1L3のコレステロール降下効果の規模および持続期間はどちらも薬物曝露と相関していた。また、非空腹時血清トリグリセリドレベルも用量依存的に増加し、約3倍という最大増加は80mg/kgであり、時間経過は薬物曝露と相関していた。血清トリグリセリドレベルに対するL1L3の同様の効果はマウスおよび非ヒト霊長類などの他の種において観察されず(以下を参照)、血中トリグリセリドレベルの変化はPCSK9突然変異を保有するヒトにおいて報告されなかったため(Abifadelら、2003、Nat.Genet.、34:154〜156、Cohenら、2005、Nat.Genet.、37:161〜165、Zhaoら、2006、Am.J.Hum.Genet.、79:514〜523)、L1L3処置によって引き起こされた血清トリグリセリドレベルの増加は、ラットにおける種特異的な現象であると考えられる。
【0130】
正常食餌を与えたカニクイザルでは、L1L3を0.1、1、3および10mg/kg(n=4匹/群)の単回IV投与として投与した。0.1mg/kgのL1L3の投与は、2日目にLDL−Cレベルの一過性の50%の降下を引き起こし、5日目までに急速に回復した。1mg/kgの投薬は、5日目にLDL−Cの71%の低下という最大効果に達し、その直後に回復し始め、14日目までに投薬前のレベルに達した。3mg/kgの投薬は、7日目までにLDL−Cの72%の低下という最大効果に達し、レベルは13日目までに回復し始め、22日目までにベースラインまで戻った。10mg/kgの投薬は、投薬後21日目までLDL−Cレベルの70%の低下を維持し、動物は31日目までに完全に回復した。L1L3のLDL−C降下効果の規模および持続期間はどちらも薬物曝露と相関していた。HDL−Cレベルはすべての用量群においてL1L3処置によって影響を受けなかった。
【0131】
また、3mg/kg用量群(n=4)のサルには、試験42および56日目(2週間間隔)に3mg/kgのL1L3の2回の追加のIV投与も与えた。これらの2回の追加の投与は再度LDL−Cを降下させ、4週間の間LDL−Cレベルを50%未満に保った。LDL−Cレベルは2週間後に正常に戻った。血清HDL−Cレベルは変化しないままであった。
【0132】
カニクイザルにおける0.1、1.0、3.0、10.0および100.0mg/kgのL1L3の単回ボーラスi.v.注射によってPK試験を実施し、全抗体濃度を測定した。L1L3の推定β相半減期は0.1mg/kgの単回投与で0.67日間であり、1.0、3.0、10.0および100.0mg/kgでそれぞれ1.91、2.33、3.49および5.25日間まで増加した。したがって、カニクイザルでは、L1L3は、抗原に媒介される分解と矛盾せず、膜会合抗原を有する抗体治療剤で見られる、用量依存的かつ非線形の半減期の短縮を実証した。
【0133】
要約すると、L1L3は血清PCSK9と結合してその機能を拮抗して、動物モデルにおける血清コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルの迅速かつ有意な低下をもたらす。
【実施例2】
【0134】
PCSK9拮抗抗体L1L3の単回漸増量静脈内投与後の薬物動態学および薬力学
本実施例は、コレステロール降下治療の候補者であった、それ以外は健康なヒト対象における、ヒト化PCSK9拮抗抗体L1L3の単回漸増量静脈内投与後の、薬物動態学および薬力学を評価するための臨床治験試験を例示する。L1L3の投与は、評価したすべての用量群においてLDL−Cの降下をもたらした。
【0135】
試験は、L1L3の無作為化、プラセボ対照、漸増量単回投与試験を伴った。対象、知見責任医師、および現場人員(薬物調製担当の現場人員以外)は処置の割当てについて盲検下にあり、CROに指名された人も同様であった一方、治験依頼者の臨床試験チームは非盲検下にあった。試験は、最大耐量すなわちMTDを求める試みとして、1コホートあたり8人の対象の6つの計画されたコホートで実施した(合計約48人の対象)。それぞれのコホート内で、対象をL1L3またはプラセボのどちらかに無作為化した(3:1の割当て比)。終夜の絶食後に60分間にわたる静脈内注入として用量を投与した。注入速度はプロトコルに従って輸液装置によって注意深く制御した。輸液は60分間にわたる単回注入として投与する。
【0136】
投薬は以下の表1に例示したとおりであった。
【0137】
【表1】

【0138】
投薬スケジュールは、最大耐量および無作用量を得るために、より低い、中間、またはより高い用量の投与を可能にするように調節した。試験に登録したそれぞれの対象は、コホートの割当てにかかわらず、その試験参加中に1回の試験薬物投与しか受けなかった。すべての患者は、その試験終了前に、安全性についてさらに21日間観察した(合計28日間)。
【0139】
試験の一次PKエンドポイントはL1L3のAUC(0〜t[最終])、max、およびCmaxであった。二次PKエンドポイントには、L1L3の最終消失半減期(T1/2)、クリアランス(CL)、定常状態での分布容積(Vss)、およびAUC(0〜∞)が含まれていた。血清脂質(総コレステロール、LDL、HDL、トリグリセリド、非HDL−Cおよびアポタンパク質B)の変化を評価した。
【0140】
スクリーニングは、それぞれの対象について投薬の28日以内に行った。対象は0日目にL1L3の単回投与を受け、拘束期間全体(試験の−1、0、および1日目)ならびに4、7、14、21、28日目、また、PK所見によっては、28日目の後に、PKおよび安全性の評価を1日1回行った。
【0141】
試験の組み入れ基準は以下のとおりであった:18〜70歳(両端を含む)の健康な歩行可能な男性および/または女性(女性は妊娠の可能性のない女性である)、ベースライン総コレステロール≧200mg/dl、ベースラインLDL≧130mg/dl、18.5〜35kg/mの体重指数(BMI)かつ体重≦150kg(両端を含む)、対象(または法的に認められる代理人)に治験のすべての関連する側面の情報が通知されたことを示す、個人的に署名され日付のあるインフォームドコンセント文書の証明、ならびに予定された訪問、処置計画、臨床検査、および他の治験手順を順守する意志および能力。
【0142】
試験の除外基準は以下のとおりであった:臨床的に有意な血液、腎臓、内分泌、肺、胃腸管系、心血管、肝臓、精神、神経、またはアレルギー性の疾患(薬物アレルギーが含まれるが、投薬時の未処置の無症候性の季節性アレルギーを除外する)、二次性高脂血症の証拠または病歴、対象は投薬の前に少なくとも1週間の間、他の処方薬を受けてはならない。患者が脂質降下薬を受けていた場合は、これらの薬物は血清脂質が処置前のレベルに戻ることを可能にするために十分な期間の間中断されているべきである。投薬前の5日以内の熱病の病歴、脳卒中または一過性虚血性発作の病歴、過去1年間以内の心筋梗塞の病歴、陽性の尿中薬物スクリーニング、スクリーニングの6カ月以内の女性では7杯/週または男性では14杯/週を超える定期的なアルコール消費(1杯=5オンス(150mL)のワインまたは12オンス(360mL)のビールまたは1.5オンス(45mL)の蒸留酒)の経歴、治験薬の最初の投薬の30日間または半減期の5倍(どちらか長い方)前以内の治験薬を用いた処置、スクリーニング時のQTc>450ミリ秒を実証する12誘導ECG、妊娠または授乳中の女性、妊娠の可能性のある女性、投薬前の56日以内の約1パイント(500mL)の献血、ヘパリンまたはヘパリン誘導性血小板減少症に対する感受性の病歴(静脈内カテーテルをフラッシュするためにヘパリンを使用する場合)、試験参加もしくは治験薬投与に関連する危険性を増加させ得るまたは試験結果の解釈および治験責任医師の判断に干渉し得る、他の重篤な急性または慢性の医学的または精神医学的な状態または検査所見の異常は、この試験への対照の組み入れを不適切にするであろう。
【0143】
すべての対象選択基準を満たしているという条件で、対象を試験へと無作為化した。コンピュータで生成した無作為化スケジュールを使用して、対象を処置シーケンスに割り当てた。
【0144】
用量の漸増には、より高い用量のL1L3に進むという決定は、以前の用量レベルを投与した後少なくとも7日間追跡したすべてのコホート対象からの入手可能な安全性および忍容性データを精査した後に、治験依頼者および治験責任医師によって行われた。
【0145】
L1L3製剤(100mg)は、ゴム製ストッパーおよびアルミニウム製シールを備えた静脈内(IV)投与用のガラスバイアル中で、無菌的な液体形態で10mg/mLの濃度で提供した。それぞれのバイアルは、10mg/mLの濃度およびpH5.5の10mL(抜き出し可能な体積)のL1L3を含有していた。L1L3およびプラセボは、現場に提供される薬学マニュアル(Pharmacy Manual)中の用量用法の指示(Dosage and Administration Instructions)に従って調製した。薬物は有資格の非盲検下の現場人員によって調製され、盲検様式で患者および近い試験スタッフに分配した。L1L3は、薬学マニュアルおよび試験参照ガイド(Pharmacy Manual and Study Reference Guide)中に見つかる用量投与指示(Dosage Administration Instructions、DAI)に従って、速度が制御された静脈内注入によって約60分間かけて投与した。
【0146】
試験プロトコル
−1日目:0日目の活動開始の少なくとも12時間前に対象に無作為化番号を割り当て、臨床試験ユニットに入院させ、1日目の手順が完了するまで臨床試験ユニット(CRU)内に留まることを必要とした。対象は、0日目の予定された脂質パネルの少なくとも10時間前の夕方に絶食を始めた。以下の手順を完了した:スクリーニング以後の病歴の変化を精査し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、スクリーニング以後の薬物、アルコール、およびタバコの使用歴を精査し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、体重を含めた身体検査を行い、尿中薬物スクリーニングを行い、仰臥位の生命徴候を取得し、約2〜4分間隔の3つ組の12誘導ECGを取得した。
【0147】
0日目:投薬前に、以下の手順を完了した:少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、ルーチンおよび追加の臨床検査(血液学、化学、凝固、アミラーゼ、尿検査)のために試料を採取し、投薬前のPKのために試料を採取し、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、抗L1L3抗体のために試料を採取し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、仰臥位の生命徴候を取得し、薬学マニュアルの指示に従って試験薬物の輸液を投与した。
【0148】
投薬後、以下の手順を完了した:輸液終了(EOI)の10分以内に開始する約2〜4分間隔の3つ組の12誘導ECGを取得し、EOIでの仰臥位の生命徴候を取得し、EOIおよび輸液後の以下の時点(すなわちEOI+以下の時点):60分間、120分間、および360分間でのPK分析のために血液(blooded)試料を採取した。
【0149】
1日目:以下の手順を完了した:投薬の1440分後(24時後)+/−30分間でのPK分析のために血液試料を採取し、簡易身体検査を行い、少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、仰臥位の生命徴候を取得し、CRUから退院させた。
【0150】
4日目:以下の手順を完了した:ルーチン臨床検査(血液学、化学、および尿検査)のために試料を採取し、少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、PK分析のために1つの血液試料を採取し、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、仰臥位の生命徴候を取得した。
【0151】
7日目:以下の手順を完了した:簡易身体検査を行い、ルーチンおよび追加の臨床検査(血液学、化学、凝固、アミラーゼ、尿検査)のために試料を採取し、少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、PK分析のために1つの血液試料を採取し、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、抗L1L3抗体のために試料を採取し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、スクリーニング以後の薬物、アルコール、およびタバコの使用歴を精査し、仰臥位の生命徴候を取得し、約2〜4分間隔の3つ組の12誘導ECGを取得した。
【0152】
14日目:以下の手順を完了した:簡易身体検査を行い、ルーチンおよび追加の臨床検査(血液学、化学、凝固、アミラーゼ、尿検査)のために試料を採取し、少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、PK分析のために1つの血液試料を採取し、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、抗L1L3抗体のために試料を採取し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、スクリーニング以後の薬物、アルコール、およびタバコの使用歴を精査し、仰臥位の生命徴候を取得した。
【0153】
21日目:以下の手順を完了した:簡易身体検査を行い、ルーチンおよび追加の臨床検査(血液学、化学、凝固、アミラーゼ、尿検査)のために試料を採取し、少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、PK分析のために1つの血液試料を採取し、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、抗L1L3抗体のために試料を採取し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、スクリーニング以後の薬物、アルコール、およびタバコの使用歴を精査し、仰臥位の生命徴候を取得した。
【0154】
28日目:以下の手順を完了した:完全な身体検査を行い、対象の体重を取得し、ルーチンおよび追加の臨床検査(血液学、化学、凝固、アミラーゼ、尿検査)のために試料を採取し、少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、PK分析のために1つの血液試料を採取し、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、抗L1L3抗体のために試料を採取し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、スクリーニング以後の薬物、アルコール、およびタバコの使用歴を精査し、仰臥位の生命徴候を取得し、約2〜4分間隔の3つ組の12誘導ECGを取得した。
【0155】
持続的なPKのさらなる経過観察:適応される場合は以下の手順を完了した:簡易身体検査を行い、ルーチンおよび追加の臨床検査(血液学、化学、凝固、アミラーゼ、尿検査)のために試料を採取し、少なくとも10時間の絶食後の空腹時脂質プロフィールを収集し(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)、PK分析のために1つの血液試料を採取し、PCSK9レベル/対象のPDマーカーのために試料を採取し、抗L1L3抗体のために試料を採取し、有害事象の自発報告および対象に「具合はいかがですか?」などの非誘導的質問に答えるように質問することによって症状を評価し、スクリーニング以後の併用薬の変化を精査し、スクリーニング以後の薬物、アルコール、およびタバコの使用歴を精査し、仰臥位の生命徴候を取得し、約2〜4分間隔の3つ組の12誘導ECGを取得した。
【0156】
個々の患者の全血液サンプリング体積は約183〜210mLであった。L1L3レベルを分析するための血漿試料を、0日目の投薬前、輸液の終了時、ならびに輸液終了の60、120、360および1440分後(24時間後)に採取した。さらに、1つのPK試料を4、7、14、21、28日目および追加のPK経過観察の訪問の際(適応される場合)に得た。それぞれの時点で1つの試料を採取した。
【0157】
PCSK9レベルおよび他の対象の実験的薬力学(pharmcaodynamic)マーカーを評価するための血液試料を、0日目の投薬前および1、4、7、14、21、28日目ならびに適応される場合は追加の経過観察の訪問の際に得た。
【0158】
少なくとも10時間の絶食後に空腹時脂質プロフィールの収集を行った(総コレステロール、LDL、HDL、非HDLコレステロール、Apo Bおよびトリグリセリド)。
【0159】
試験結果
L1L3のPK NCAの結果:0.3mg/kgで投与したL1L3の半減期の中央値は2.71日間であった。1mg/kgで投与したL1L3の半減期の中央値は4.77日間であった。3mg/kgで投与したL1L3の半減期の中央値は8.1日間であった。6mg/kgで投与したL1L3の半減期の中央値は7.75日間であった。12mg/kgで投与したL1L3の半減期の中央値は12.24日間であった。18mg/kgで投与したL1L3の半減期の中央値は11.76日間であった。L1L3のPKの濃度−時間プロフィールは多相性であり、標的に媒介される薬物動態と矛盾はなかった。しかし、ヒト対象におけるL1L3の半減期は、カニクイザル(cynomologus monkey)におけるL1L3の半減期よりも予想外かつ有意に長い(すなわち、カニクイザル(cynomologus monkey)において1.0、3.0、10.0および100.0mg/kgでそれぞれ1.91、2.33、3.49および5.25日間(実施例1を参照))。0.3、1、3、6、12および18mg/kgで投与したL1L3の薬物クリアランスの平均速度(Cl)は、それぞれ8.70、6.58、4.54、4.33、3.28および3.85mL/日/kgであった。この試験からのPK NCAの結果は以下の表2中に要約されている。表の2〜7列目では、上の値は平均を示し、下の値は中央値である。
【0160】
【表2】

【0161】
L1L3を用いた処置は、実質的で持続的な用量依存的な空腹時LDL−コレステロール(LDL−C)の降下をもたらした。LDL−C対時間プロフィールは図1に示されている。ベースライン空腹時LDL−Cは約145mg/dLであった。投薬後7日目では、0.3、1、3、6、12、または18mg/kgのL1L3の単回で処置した対象におけるLDL−Cレベルは50〜100mg/dLであった。対照的に、プラセボを投与した対象におけるLDL−Cレベルは、一般にほぼベースラインに保たれた。投薬後14日目までに、1、3、6、12、または18mg/kgのL1L3で処置した対象におけるLDL−Cレベルは約70mg/dL以下であった。投薬後14日目までに、6mg/kgまたは12mg/kgのL1L3で処置した対象は約55mg/dLのLDL−Cレベルを有しており、18mg/kgのL1L3で単回投与で処置した対象は約20mg/dLのLDL−Cレベルを有していた。12mg/kgのL1L3の単回投与で処置した対象におけるLDL−Cレベルは、投薬の少なくとも約57日後(試験の終わり)まで約60mg/dL以下に保たれた。18mg/kgのL1L3の単回投与で処置した対象におけるLDL−Cレベルは、投薬の少なくとも約57日後まで50mg/dL未満に保たれた。6mg/kgのL1L3の単回投与で処置した対象におけるLDL−Cレベルは、投薬後の約42日間の間50mg/dL未満に保たれ、投薬の少なくとも約57日後まで100mg/dL未満に保たれた。3mg/kgのL1L3の単回投与で処置した対象におけるLDL−Cレベルは、投薬後14日目に約70mg/dLであり、投薬後21日目に約60mg/dLであり、投薬の約36日後まで100mg/dL未満に保たれた。1mg/kgのL1L3の単回投与で処置した対象におけるLDL−Cレベルは、投薬後14日目に約65mg/dLであり、投薬の約21日後まで100mg/dL未満に保たれた。0.3mg/kgのL1L3の単回投与で処置した対象におけるLDL−Cレベルは、投薬後7日目に約85mg/dLであり、投薬の約10日後まで100mg/dL未満に保たれた。
【0162】
空腹時血中LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)は図2に示されており(示したデータは平均+/−SEである)、以下の表3中に要約されている。表中、「N」は対象の人数を示し、「平均」は空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの平均変化率(%)を示し、「PBO」はプラセボである。
【0163】
【表3】

【0164】
プラセボを投薬した対象におけるLDL−Cレベルは、一般にベースライン以上に保たれ、図2中に「0」として示されている。上述のように、ベースライン空腹時LDL−Cは約145mg/dLであった。18mg/kgのL1L3の投与は、約83%までのベースラインからの変化率(%)をもたらした(図2)。18mg/kgのL1L3の単回投与は、投与の少なくとも57日後までの間、LDL−Cレベルをベースラインの約65%下よりも低く維持した。6mg/kgまたは12mg/kgのL1L3の単回投与は、投与の43日後まで、LDL−Cレベルをベースラインの約60%下よりも低く維持した。3mg/kgのL1L3の単回投与は、LDL−Cレベルを、投与の29日後までベースラインの約60%下よりも低く維持し、投与の50日後までベースラインの20%下よりも低く維持した。
【0165】
L1L3を用いた処置は、実質的で持続可能な用量依存的な空腹時総コレステロール(TC)の降下をもたらした。空腹時血中TCレベルのベースラインからの変化率(%)は図3に示されている(示したデータは平均+/−2倍SEである)。ベースライン空腹時TCは約230mg/dLであり、ベースラインは図3中に「0」として示されている。投薬後約9日目までに、12または18mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した対象におけるTCレベルは、ベースラインの約30%下以下まで低下し、TC降下効果は少なくとも投薬後57日目(試験の終わり)まで持続した。6mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した対象におけるTCレベルは、投薬後約9日目から投薬後約52日目までに、ベースラインの約30%下以下まで低下した。3mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した対象におけるTCレベルは、投薬後約9日目までにベースラインの約30%下まで低下し、投薬後約22日目までにベースラインの約40%下まで低下した。3mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した対象におけるTCレベルは、投薬後約22日目までにベースラインの約40%下まで低下した。1mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した対象におけるTCレベルは、投薬後約15日目までにベースラインの約36%下まで低下した。0.3mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した対象におけるTCレベルは、投薬後約9日目までに約25%まで低下した。投薬後15日目までに、数人の対象は、12または18mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した後にベースラインの50%下より低いTCレベルを有していた。投薬後30日目までに、数人の対象は、6mg/kgのL1L3の単回投与を投薬した後にベースラインの50%下より低いTCレベルを有していた。プラセボを投薬した対象におけるTCレベルは、試験の持続期間の間ベースラインの2%下以上に保たれた。
【0166】
L1L3を用いた処置は、実質的で持続的な用量依存的な空腹時アポリポタンパク質B(apo B)の降下をもたらした。空腹時血中apo Bレベルのベースラインからの変化率(%)は図4に示されている。示したデータは平均+/−2倍SEである。ベースライン空腹時apo Bレベルは約119mg/dLであり、ベースラインは図4中に「0」として示されている。プラセボを投薬した対象におけるApo Bレベルは、試験の持続期間の間、ほぼベースラインに保たれた。12または18mg/kgのL1L3を投薬した対象におけるApo Bレベルは、14日目までにベースラインの約50%下まで低下し、試験の残りの期間の間はベースラインの約50%下以下に保たれた。6mg/kgのL1L3を投薬した対象におけるApo Bレベルは、14日目までにベースラインの約40%下まで低下し、21日目までにベースラインの約50%下まで低下し、試験の残りの期間の間は一般にベースラインの約30%下より低くかった。3mg/kgのL1L3を投薬した対象におけるApo Bレベルは、14日目までにベースラインの約40%下まで低下し、28日目までにベースラインの約50%下まで低下した。1mg/kgのL1L3を投薬した対象におけるApo Bレベルは、14日目までにベースラインの約40%下まで低下した。0.3mg/kgのL1L3を投薬した対象におけるApo Bレベルは、7日目までにベースラインの約25%下まで低下した。
【0167】
図5に示されているように、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)レベルは、L1L3を用いた処置の後に有意に変化しなかった。図5に示されているデータは平均+/−2倍SEである。ベースライン空腹時HDL−Cレベルは約49mg/dLであり、ベースラインは図5中に「0」として示されている。プラセボを投薬した対象におけるHDL−Cレベルは、試験の持続期間の間、ほぼベースラインに保たれた。空腹時トリグリセリド(TG)レベルは、試験の間、変化しないままであった。空腹時血中TGレベルのベースラインからの変化率(%)は図6に示されている。示したデータは平均+/−2倍SEである。ベースライン空腹時TGレベルは173mg/dLであり、ベースラインは図6中に「0」として示されている。
【0168】
試験中、重篤な有害事象は起こらず、処置中に発生した有害事象(TEAE)が原因で中断した対象は存在しなかった。TEAEの大多数は強度が穏やかであり、重篤なものはなかった。
【0169】
要約すると、L1L3の投与は、評価したすべての用量群においてLDL−Cの降下をもたらした。一般に、最大パーセンテージのLDL−Cの降下は、15日目または22日目に行った測定で生じた。降下効果は早くも3日目に見られた。LDL−Cの降下の程度および持続期間は用量依存的であった。結果は、L1L3が長い作用持続時間を有すること、すなわち、0.3mg/kgおよび1.0mg/kgの用量でそれぞれ7および14日間の最大効果であり、3.0mg/kgの用量のL1L3抗体では4週間まで、および6mg/kg、12mg/kg、および18mg/kgの用量では6週間より長いことを実証している。これらの持続期間の効果は、L1L3のTデータに基づいては予想外であった。
【実施例3】
【0170】
スタチンと組み合わせたPCSK9拮抗抗体L1L3の単回投与の薬物動態学および薬力学
本実施例は、安定用量のアトルバスタチンを受けているヒト対象における、PCSK9拮抗抗体(L1L3)の単回投与の薬物動態学および薬力学を評価するための臨床治験試験を例示する。
【0171】
試験中、安定用量のアトルバスタチンを受けているヒト対象に、PCSK9拮抗抗体0.5mg/kgまたは4mg/kgのどちらかでL1L3抗体を単回投与した。L1L3は約60分間にわたる単回の輸液として投与した。輸液速度はプロトコルに従って輸液装置によって注意深く制御した。アトルバスタチン(40mg、1日1回)を、以下の試験プロトコルに記載のように投与した。対象は、本試験に参加中、有資格の現場人員によって同じ用量を投与された、1〜7日目のクリニックに拘束されている間以外は、アトルバスタチンを自己投与した。
【0172】
10mg/mLのL1L3注射液は、静脈内(IV)投与用の無菌的溶液として提供された。それぞれのバイアルは10mLの水性緩衝溶液中の100mgのL1L3を含有しており、コーティングされたストッパーおよびアルミニウム製シールで密封されていた。アトルバスタチン(40mg)は、片側に「PD157」、反対側に「40」と符号が付けられている白色錠剤である。
【0173】
スクリーニングは、それぞれの対象について投薬の28日以内に行った。対象は、スクリーニングの少なくとも45日前までの間、安定用量のアトルバスタチンを受けていた。対象は4日目にL1L3の単回投与を受け、拘束期間の間に複数のPKおよび安全性の評価を行った(試験の−1、1〜7日目)。対象は続く訪問のために臨床試験ユニットに戻った。
【0174】
対象の主要な組み入れ基準は以下のとおりであった:1日目の前に45日間の間、安定用量のアトルバスタチンを受けている(40mg、1日1回)、18.5〜40kg/m2の体重指数(BMI)(両端を含む)、および150kg以下の体重。対象の主要な除外基準は以下のとおりであった:過去1年間の間の心血管イベント(たとえば心筋梗塞(MI))の病歴、制御不良の1型または2型の真性糖尿病(定義:制御されていない糖尿病はHBIAc>9%として定義される)、および制御不良の高血圧(制御されていない高血圧は、処置した場合でさえも140mmHgより高い収縮期血圧または90mmHgより高い拡張期血圧と定義される)。高血圧を有しており、安定用量の血圧降下圧薬で制御している対象を含めることができる。試験には両方の性別が含まれ、最低年齢制限は18歳であり、最高年齢制限は80歳であった。
【0175】
アトルバスタチンおよびアトルバスタチンの存在下におけるL1L3抗体薬物動態学的パラメータの推定値を、0.5または4mg/kgのL1L3抗体の単回投与後に評価した。絶対的および空腹時LDLコレステロール(LDL−C)のベースラインからの変化率(%)を、L1L3抗体を投与した後に測定した。試験中、毒性または非耐用量の基準を満たす対象の発生率を測定した。処置中に発生した有害事象(TEAE)の発生率を重篤度に応じて分類し、試験薬物に対する偶発の関係性も測定した。上記結果のそれぞれの測定値のタイムフレームは2カ月であった。
【0176】
試験プロトコル
−1日目:対象を臨床試験ユニット(CRU)に入院させ、以下を完了した:組み入れ基準および除外基準を精査および更新し、病歴を精査および更新し、計画された最初の投与の前28日以内に服用したすべての処方薬または非処方薬および補助食品の経歴を精査および更新し、手短な身体検査を行い、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、10時間の絶食後に安全性臨床検査(血清化学、血液学、尿検査、凝固、リパーゼ、アミラーゼ、CRP)のために血液および尿の検体を採取し、尿中の薬物およびアルコールのスクリーニング検査を行い、尿妊娠検査を行い(妊娠の可能性のある女性)、免疫原性分析(抗L1L3抗体)のために血液試料を採取し、薬力学的分析(PCSK9および脂質粒子)のために血液試料を採取し、薬理ゲノム学のために血液試料を採取し(任意選択、対象の同意が必要)、3つ組の仰臥位ECGを行い、アルコール、カフェインおよびタバコの使用を評価し、ベースラインの症状/有害事象を評価し、対象を無作為化した。
【0177】
1日目:投薬前に、以下を完了した:3つ組の仰臥位ECGを行い(適応される場合はIVカテーテルを挿入する前)、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(アトルバスタチン)のために血液試料を採取し(1日目、0時間)、対象は治験依頼者から提供されたアトルバスタチンの用量(40mg)を服用し、投薬後、1日目では以下の時点:0.25、0.5、1、2、3、4、6、8および12時間でPK(アトルバスタチン)のために血液試料を採取した。以下を完了した:ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象は、2日目の脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前に、絶食させた。
【0178】
2日目:投薬前に、以下を完了した:仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(アトルバスタチン)のために血液試料を採取し(2日目、0時間)、10時間の絶食後に脂質パネルを収集し、対象は治験依頼者から提供されたアトルバスタチンの用量(40mg)を服用した。以下を完了した:ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。
【0179】
3日目:投薬前に、以下を完了した:PK(アトルバスタチン)のために血液試料を採取し(3日目、0時間)、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、対象は治験依頼者から提供されたアトルバスタチンの用量(40mg)を服用した。以下を完了した:ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象は、4日目の脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前の間、絶食させた。
【0180】
4日目:アトルバスタチンおよびL1L3を投薬する前に、以下を完了した:仰臥位ECGを3回行い、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、アトルバスタチンのPKのために血液試料を採取し(4日目、0時間)、L1L3のPKのために血液試料を採取し(4日目、0時間)、10時間の絶食後に安全性臨床検査(血清化学、血液学、尿検査、リパーゼ、アミラーゼ、CRP)のために血液および尿の検体を採取し、体重を測り、10時間の絶食後に脂質パネルを収集し、薬力学的分析(PCSK9および脂質粒子)のために血液試料を採取し、免疫原性(抗L1L3抗体)のために血液試料を採取した。用量の投与:対象は治験依頼者から提供されたアトルバスタチン(40mg)を服用した。L1L3は、速度が制御された静脈内注入によって約60分間かけて投与した。用量の投与後、以下を完了した:4日目ではアトルバスタチンの用量の.25、0.5、1、2、3、4、6、8、および12時間後にPK(アトルバスタチン)のために血液試料を採取し、4日目では輸液開始から1、4、8、および12時間目にPK(L1L3)のために血液試料を採取し、投薬の1時間後に仰臥位ECGを3回行い、L1L3の輸液開始から1および4時間目に仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象は、5および6日目の脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前の間、絶食させた。
【0181】
5および6日目:投薬前に、以下を完了した:仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(アトルバスタチン)のために血液試料を採取し(5日目、0時間)、PK(L1L3)のために血液試料を採取し(5日目)、10時間の絶食後に脂質パネルを収集した。5日目のみ:薬力学的分析(PCSK9および脂質粒子)のために血液試料を採取した。対象は治験依頼者から提供されたアトルバスタチンの用量(40mg)を服用した。以下を完了した:ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象は、7日目の脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前の間、絶食させた。
【0182】
7日目:投薬前に、以下を完了した:3つ組の仰臥位ECGを行い、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(アトルバスタチン)のために血液試料を採取し(7日目)、PK(L1L3)のために血液試料を採取し(7日目)、10時間の絶食後に脂質パネルを収集し、薬力学的分析(PCSK9および脂質粒子)のために血液試料を採取し、10時間の絶食後に安全性臨床検査(血清化学、血液学、尿検査、凝固、リパーゼ、アミラーゼ、CRP)のために血液および尿の検体を採取した。対象は治験依頼者から提供された最後のアトルバスタチンの用量(40mg)を服用した。ユニットから退院する前に、以下を完了した:手短な身体検査を行い、ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象に、15日目にクリニックに戻ることおよび脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前に絶食することを念押しした。対象は、試験の残りの期間全体にわたって、その処方されたアトルバスタチン薬物を服用し続けた。
【0183】
15日目(±1日):以下を完了した:手短な身体検査を行い、アトルバスタチンのコンプライアンスを確認し、標準の仰臥位ECGを行い、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(L1L3)のために血液試料を採取し(15日目)、10時間の絶食後に脂質パネルを収集し、免疫原性(抗L1L3抗体)のために血液試料を採取し、薬力学的分析(PCSK9および脂質粒子)のために血液試料を採取し、10時間の絶食後に安全性臨床検査(血清化学、血液学、尿検査、CRP)のために血液および尿の検体を採取し、ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象に、22日目にクリニックに戻ることおよび脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前に絶食することを念押しした。
【0184】
22日目(±1日):以下を完了した:手短な身体検査を行い、アトルバスタチンのコンプライアンスを確認し、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(L1L3)のために血液試料を採取し(22日目)、10時間の絶食後に脂質パネルを収集し、10時間の絶食後に安全性臨床検査(血清化学、血液学、尿検査、CRP)のために血液および尿の検体を採取し、ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象に、29日目にクリニックに戻ることおよび脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前に絶食することを念押しした。
【0185】
29日目(±1日):以下を完了した:完全な身体検査を行い、アトルバスタチンのコンプライアンスを確認し、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(L1L3)のために血液試料を採取し(29日目)、薬力学的分析(PCSK9および脂質粒子)のために血液試料を採取し、免疫原性(抗L1L3抗体)のために血液試料を採取し、10時間の絶食後に脂質パネルを収集し、3つ組の仰臥位ECGを行い、10時間の絶食後に安全性臨床検査(血清化学、血液学、尿検査、凝固、リパーゼ、アミラーゼ)のために血液および尿の検体を採取し、尿中の薬物およびアルコールのスクリーニング検査を行い、血清妊娠検査を行い(妊娠の可能性のある女性)、ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。対象に、36日目にクリニックに戻ることおよび脂質パネルの血液試料の少なくとも10時間前に絶食することを念押しした。
【0186】
36、43、50、57、および64日目(終了時訪問):以下を完了した:手短な身体検査を行い、アトルバスタチンのコンプライアンスを確認し、標準の仰臥位ECGを行い、仰臥位および起立時の生命徴候を測定し(血圧、脈拍数、体温)、PK(L1L3)のために血液試料を採取し、免疫原性(抗L1L3抗体)のために血液試料を採取し、10時間の絶食後に脂質パネルを収集し、10時間の絶食後に安全性臨床検査(血清化学、血液学、尿検査、リパーゼ、アミラーゼ、CRP)のために血液および尿の検体を採取し、ベースラインの症状/有害事象を評価し、併用薬を精査した。64日目のみ:尿妊娠検査を行い(妊娠の可能性のある女性)、凝固パネルを行い、体重を測り、薬力学的分析(PCSK9および脂質粒子)のために血液試料を採取した。
【0187】
78日目および92日目:一部の例では、57日目からの薬物動態学的結果を待って78および92日目の2回の訪問を追加した。この場合、78日目には57日目からの手順に従い、92日目には64日目の手順に従った。92日目が終了時訪問となった。
【0188】
結果
試験中に中断した対象は存在しなかった。1人で重篤な有害事象(SAE)、すなわち偏頭痛の悪化が存在し、これは薬物関連ではなかった。TEAEは一般に非特異的であり、重篤な強度なものは存在しなかった。さらに、TEAEは一過性であり、3×ULNを超えるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)および/またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)であり、臨床的徴候/症状はなく、すべて1週間以内に解消された。
【0189】
表4は、本試験のL1L3のPKのパラメータを要約している。
【0190】
【表4】

【0191】
表5は、安定用量のアトルバスタチンを受けているヒト対象における、L1L3の単回投与の薬物動態学および薬力学を評価するためのこの臨床治験試験からの結果を要約する。L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの平均変化率(%)が提供されている(表4)。
【0192】
【表5】

【0193】
アトルバスタチン(用量=40mg)の存在下におけるL1L3を用いた処置は、実質的で持続的な用量依存的な空腹時LDL−Cの降下をもたらした。ベースライン空腹時LDL Cは約72.5mg/dLであった。図7Aは、L1L3抗体を投与した後の絶対的空腹時LDL−Cレベルを示す。図7Bは、L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)を示す。ベースラインは図7B中に「0」として示されている。0.5mg/kgのL1L3の用量では、最大のLDL−Cの降下効果はL1L3投与後の3日目に観察された。4mg/kgのL1L3の用量では、最大のLDL−Cの降下効果はL1L3投与後の32日目まで観察された。LDL−Cの降下の用量依存的な応答は図8に示されている。図8に示されているように、L1L3は、投与したすべての用量で、安定用量のスタチンを受けている患者におけるLDL−Cを降下した。さらに、安定用量のスタチンを受けている患者におけるLDL−Cの降下効果は、L1L3単独を投薬した患者における効果よりも高かった(図8)。
【実施例4】
【0194】
PK−PDモデリングおよびシミュレーションした時間プロフィール
上述の試験中で提供されたデータに基づいて、シミュレーションした血清L1L3−時間プロフィールおよびLDL−C−時間プロフィールを生成した。図9A〜Fは、示した用量のL1L3またはプラセボを投与した後の、L1L3(上部パネル)およびLDL−C(下部パネル)のシミュレーションした時間プロフィールのグラフを示す。シミュレーションしたプロフィールは、プラセボ(右)と比較した、2mg/kgのL1L3(左)または6mg/kgのL1L3(中央)の投薬について生成した。L1L3またはプラセボは、0日目および29日目に投与した、すなわち4週間の間隔の2回の投薬であった。図10は、それぞれ0日目、29日目および56日目に投与した0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、4mg/kgおよび6mg/kgのL1L3投与量を投与した後の、シミュレーションしたLDL−C−時間プロフィールを示す(図10)。シミュレーションしたL1L3−時間プロフィールおよびLDL−C−時間プロフィールは、4週間毎に1回投与した低用量のL1L3が持続的なLDL−Cの降下を生じることを実証している。
【実施例5】
【0195】
L1L3の多回投与後の薬物動態学および薬力学
本実施例は、ヒト対象に、PCSK9拮抗抗体(L1L3)を多回静脈内投与した後に薬物動態学および薬力学を評価するための臨床治験試験を例示する。
【0196】
本試験は、28日間のスクリーニング期間、4週間の処置期間および8週間の経過観察期間を有する、無作為化、多施設、二重盲検、プラセボ対照の並行群間比較試験の設計の治験であった(図11)。試験中、日本人の対象にL1L3抗体を0.25mg/kg、0.5mg/kg、1.0mg/kg、または1.5mg/kgのPCSK9拮抗抗体で投与した。それぞれの対象について、試験はスクリーニング、処置、および経過観察の3つの期間からなっていた。処置期間は約28日間まで持続し、L1L3またはプラセボのどちらかの単回I.V.投与を4回、1、8、15、および22日目に投与した。経過観察期間は、約29日目から最後の訪問(78日目)までの約8週間続いた。対象は、安全性の評価ならびにルーチン臨床検査、脂質プロフィール、PK、PD、および免疫原性試料のための血液の採取のためにクリニックで定期的に診察した。
【0197】
L1L3を用いた週に1回の処置は、試験したすべての用量で、持続した実質的で持続的な用量依存的な空腹時LDL−Cの降下をもたらした。ベースライン空腹時LDL−Cは約155mg/dLであった。図12は、L1L3抗体を投与した後の絶対的空腹時LDL−Cレベルを示す。図13は、L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの変化率(%)を示す。ベースラインは図13中に「0」として示されている。
【0198】
図14中の表は、安定用量のアトルバスタチンを受けているヒト対象における、L1L3の多回投与後の薬物動態学および薬力学を評価するためのこの臨床治験試験からの結果を要約する。L1L3抗体を投与した後の空腹時LDL−Cレベルのベースラインからの平均変化率(%)が提供されている(「平均」)(図14)。
【実施例6】
【0199】
スタチンと組み合わせたL1L3の多回投与後の薬物動態学および薬力学
本実施例は、アトルバスタチン、シンバスタチンまたはロスバスタチンを受けているヒト対象における、PCSK9拮抗抗体(L1L3)の多回静脈内投与後の薬物動態学および薬力学を評価するための臨床治験試験を例示する。
【0200】
本試験は、3週間のスクリーニング期間、12週間の処置期間および8週間の経過観察期間を有する、無作為化、多施設、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験の設計の治験であった。
【0201】
試験に登録された対象は、以下の基準のすべてを満たしていた:18歳以上の男性および女性の対象、18.5〜40kg/mの体重指数、50kg(110lbs)より高く150kg(330lbs)より低い全体重、40もしくは80mgのアトルバスタチン、20もしくは40mgのロスバスタチンまたは40もしくは80mgのシンバスタチンと定義される安定1日用量のスタチンを1日目の前の最低45日間の間受けている、2回の対象訪問(スクリーニングおよび−7日目)に脂質が100mg/dL以上の空腹時LDL−Cの基準を満たしている。
【0202】
対象は、安全性の評価ならびに安全性臨床検査(safety labs)、脂質プロフィール、PK、PD、および免疫原性試料のための血液の採取のためにクリニックで定期的に診察した。それぞれの訪問の前に10時間の絶食要件を念押しするため、スクリーニング中および3日目に有害事象を評価するために電話での接触を行い、対象の原資料に接触を記録した。対象は、1mg/kgのL1L3、3mg/kgのL1L3、6mg/kgのL1L3、またはプラセボの1回の輸液を、1、29および57日目に受け、処置および経過観察の期間の全体にわたって複数の有効性、安全性およびPKの評価を行った。輸液速度はプロトコルに従って輸液装置によって注意深く制御した。輸液は約60分間にわたる単回の輸液として投与した。
【0203】
結果
3mg/kgの投薬レジメンおよび6mg/kgの投薬レジメンはどちらも統計的有意性を達成し、ベースラインから30%のLDL−Cの変化という標的値を超えた。トリグリセリドに対するL1L3の効果は観察されなかった。9%までのHDLのわずかな上昇が見られた。処置群および登録を表6に示す。
【0204】
【表6】

【0205】
事前に指定された一次有効性エンドポイントは、ANCOVAモデルを使用して分析した、85日目でのLDL−Cのベースラインからの変化率(%)であった。最終ANCOVAモデルは、ベースラインのLDL−Cおよび処置の期間を含有していた。一次エンドポイント分析において0.05のレベルの全体的なI型誤差率を保つために、0.001のアルファ消費を有する境界であるHaybittle−Petoを採用した。
【0206】
明確な用量応答を有する強力な処置効果が観察され、3および6mg/kgの処置群について投与の欠損よるLDL−Cの変動があった(図15および16)。続いて、時間毎の処置および経験的な用量応答プロフィールをどちらも推定するために、混合モデル反復測定を使用してLDL−Cデータを分析した。
【0207】
スタチンに加えた場合のさらに30%のLDL−Cという事前に決定された標的値が、成功の概念証明基準であった。スタチン治療に加えた場合の30%以上のLDL−Cの降下というこの標的レベルは、4週間毎に与えた3および6mg/kgの用量で明らかに達成されていた(図15および16)。図15中のグラフは、試験日および処置ごとのベースラインからの変化率(%)を示し、図16中のグラフは、薬の飲み忘れがある対象を除外した、試験日および処置ごとのベースラインからの変化率(%)を示す。安定1日用量のスタチンを受けている患者における3mg/kgのL1L3の投薬レジメンは、29日目までに、ベースラインの約50%下までのLDL−Cの降下を達成した(図15)。安定1日用量のスタチンを受けている患者における6mg/kgのL1L3の投薬レジメンは、29日目までに、ベースラインの約65%下までのLDL−Cの降下を達成した(図15)。3mg/kgおよび6mg/kgの投薬レジメンのどちらにおいても、30%を超えるLDL−Cの降下が28日間持続した(図16)。85日目でのプラセボ調節した処置効果の統計的な要約が表7に提供されている。表7中、脂質プロフィールのベースラインは、−7および1日目に観察された値の平均として定義されている。
【0208】
【表7】

【0209】
L1L3のCmaxおよびトラフ濃度の要約を表8に示す。
【0210】
【表8】

【0211】
安定1日用量のスタチンを受けている患者における、3および6mg/kgのL1L3を用いた月に1回の処置は、30%を超えるベースラインからの血中LDL−Cレベルの降下をもたらした。HDLレベルのわずかな上昇(9%まで)およびトリグリセリドに対するL1L3の小さな効果が観察された。L1L3は一般に安全かつ十分に耐容されていた。LFT、CK、ECG、およびBPの変化は、一過性であり、緩和な性質であり、ほとんどの場合、処置に関連していないとみなされた。陽性ADAを有する対象はいなかった。
【実施例7】
【0212】
スタチンと組み合わせたL1L3の多回投与後の薬物動態学および薬力学
本実施例は、スタチンを受けているヒト対象における、PCSK9拮抗抗体(L1L3)の多回皮下投与後のLDL−Cレベルを評価するための臨床治験試験を例示する。
【0213】
本試験は、スタチンを受けている高コレステロール血症対象における6カ月の月に1回および2回の皮下投薬後の、L1L3の有効性、安全性および許容性を評価するための、無作為化、多施設、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較、用量設定試験の設計の治験である。2つの投薬スケジュール(Q28dまたはQ14d)の合計7つの用量群が、50人の対象/用量群で計画された。プロトコルの設計は表9に示されている。
【0214】
【表9】

【0215】
資格群:18歳以上。
組み入れ基準:対象は、安定用量(少なくとも6週間)の任意のスタチンを受けており、この治験の持続期間の間に同じ用量のスタチンを続けるべきである。脂質は、スクリーニングおよび1日目の無作為化の少なくとも7日前に行う2回のスクリーニング訪問時に、スタチンを用いたバックグラウンド処置における以下の基準を満たしているべきである:空腹時LDL−Cは80mg/dL(2.31mmol/L)以上であり、空腹時TGは400mg/dL(4.52mmol/L)以下であり、最初のスクリーニング訪問時に対象の空腹時LDL−Cは80mg/dL(2.31mmol/L)以上でなければならず、無作為化の7日以内の2回目の訪問時での値は、この治験の資格基準を満たすためにこの初期値の20%未満であってはならない。
【0216】
一次結果測定は、無作為化後の12週間目の終わりにおけるLDL−Cのベースラインからの絶対的変化である。二次結果測定には以下のものが含まれる:LDL−Cは、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、血漿定常状態L1L3薬物動態学的パラメータ、指定された限界(<100mg/dL、<70mg/dL、<40mg/dL、<25mg/dL)より低いLDL−Cを有する対象の割合、総コレステロールは、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、ApoBは、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、ApoA1は、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、リポタンパク質(a)は、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、HDL−コレステロールは、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、超低密度リポタンパク質−コレステロールは、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、トリグリセリドは、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価され、非HDL−コレステロールは、無作為化後の12週間目の終わりにおけるベースラインからの変化および%変化として評価される。
【0217】
開示した教示は様々な応用、方法、および組成物を参照して記載したが、本明細書中の教示および以下の特許請求した発明から逸脱せずに様々な変化および改変を行うことができることを理解されたい。前述の実施例は、開示した教示をより良好に例示するために提供し、本明細書中に提示した教示の範囲を限定することを意図しない。本教示はこれらの例示的な実施形態に関して記載されているが、当業者には、これらの例示的な実施形態の数々の変形および改変が必要以上の実験を行わずに可能であることを容易に理解されよう。すべてのそのような変形および改変が本教示の範囲内にある。
【0218】
特許、特許出願、論文、教科書などを含めた、本明細書中で引用したすべての参考文献、およびそれ中で引用された参考文献は、既に引用されていない程度まで、その全体で本明細書中に参考として組み込まれている。それだけには限定されないが定義された用語、用語の使用法、記載された技法などを含めた、組み込まれた文献および類似の材料のうちの1つまたは複数が本出願とは異なるまたは矛盾する場合は、本出願が支配する。
【0219】
前述の説明および実施例は、本発明の特定の具体的な実施形態を詳述しており、本発明者らによって企図される最良の形態を記載している。しかし、前述のものが文字上でどれだけ詳細であるように見えた場合でも、本発明は多くの方法で実施し得、本発明は添付の特許請求の範囲およびその任意の均等物に従って解釈されるべきであることを、理解されたい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルによって特徴づけられる障害の処置において使用するための前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)拮抗抗体であって、PCSK9拮抗抗体が、少なくとも約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、または約6mg/kgの初回用量として投与され、初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量の複数の後続用量で投与され、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量が、互いに少なくとも約4週間の時間間隔である抗体。
【請求項2】
上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルによって特徴づけられる障害の処置において使用するための前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)拮抗抗体であって、PCSK9拮抗抗体が、少なくとも約200mgまたは約300mgの初回用量として投与され、初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量の複数の後続用量で投与され、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量が、互いに少なくとも約4週間の時間間隔である抗体。
【請求項3】
上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルによって特徴づけられる障害の処置において使用するための前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)拮抗抗体であって、PCSK9拮抗抗体が、少なくとも約50mg、約100mgまたは約150mgの初回用量として投与され、初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量の複数の後続用量で投与され、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量が、互いに少なくとも約2週間の時間間隔である抗体。
【請求項4】
スタチンがPCSK9拮抗抗体の初回用量の前に投与されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項5】
1日用量のスタチンを投与する、請求項4に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項6】
安定用量のスタチンが、PCSK9抗体の初回用量の前に、少なくとも約2、3、4、5または6週間の間、投与されている、請求項4または5に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項7】
スタチンが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはその任意の薬学的に許容できる塩もしくは立体異性体である、請求項4から6のいずれか一項に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項8】
スタチンの1日用量が、40mgのアトルバスタチン、80mgのアトルバスタチン、20mgのロスバスタチン、40mgのロスバスタチン、40mgのシンバスタチン、および80mgのシンバスタチンからなる群から選択される、請求項5に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項9】
障害が、高コレステロール血症、異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、または急性冠症候群(ACS)である、請求項1から8のいずれか一項に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項10】
抗体が、配列番号11に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの3個のCDRおよび配列番号12に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からの3個のCDRを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項11】
抗体がL1L3である、請求項10に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項12】
抗体を皮下または静脈内投与する、請求項1から11のいずれか一項に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項13】
抗体を約1カ月に1回投与する、請求項1から12のいずれか一項に記載のPCSK9拮抗抗体。
【請求項14】
少なくとも約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、または約6mg/kgの前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)拮抗抗体の初回用量を患者に投与することと、
抗体の複数の後続用量を初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量で患者に投与することとを含み、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量が、互いに少なくとも約4週間の時間間隔である、上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルによって特徴づけられる障害に罹りやすい、またはそれと診断された患者を処置する方法。
【請求項15】
少なくとも約200mgまたは約300mgの前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)拮抗抗体の初回用量を患者に投与することと、
抗体の複数の後続用量を初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量で患者に投与することとを含み、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量が、互いに少なくとも約4週間の時間間隔である、上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルによって特徴づけられる障害に罹りやすい、またはそれと診断された患者を処置する方法。
【請求項16】
少なくとも約50mg、約100mgまたは約150mgの前駆タンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)拮抗抗体の初回用量を患者に投与することと、
抗体の複数の後続用量を初回用量とほぼ同じまたはそれ未満の量で患者に投与することとを含み、初回用量ならびに第1の後続用量および追加の後続用量が、互いに少なくとも約2週間の時間間隔である、上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルによって特徴づけられる障害に罹りやすい、またはそれと診断された患者を処置する方法。
【請求項17】
患者がスタチンで処置されている、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
患者が1日用量のスタチンで処置されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
患者が、PCSK9抗体の初回用量の前に、少なくとも約2、3、4、5または6週間の間、安定用量のスタチンを受けている、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
スタチンが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはその任意の薬学的に許容できる塩もしくは立体異性体である、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
スタチンの1日用量が、40mgのアトルバスタチン、80mgのアトルバスタチン、20mgのロスバスタチン、40mgのロスバスタチン、40mgのシンバスタチン、および80mgのシンバスタチンからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
障害が、高コレステロール血症、異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、または急性冠症候群(ACS)である、請求項14から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
患者が、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に約70mg/dL以上の空腹時総コレステロールレベルを有する、請求項14から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
患者が、初回用量のPCSK9拮抗抗体の投与前に約130mg/dL以上の空腹時LDLコレステロールレベルを有する、請求項14から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
抗体が、配列番号11に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの3個のCDRおよび配列番号12に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からの3個のCDRを含む、請求項14から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
抗体がL1L3である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
抗体を皮下または静脈内投与する、請求項14から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
抗体を約1カ月に1回投与する、請求項14から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
容器と、PCSK9拮抗抗体を含む容器内の組成物と、少なくとも約3mg/kg、約6mg/kg、約200mg、または約300mgのPCSK9拮抗抗体の初回用量、および初回用量と同量またはそれ未満である少なくとも1つの後続用量を投与する指示を含有する添付文書とを含み、初回用量および後続用量の投与が少なくとも約4週間の時間間隔である製品。
【請求項30】
添付文書が、PCSK9拮抗抗体をスタチンで処置されている個体に投与するための指示を含む、請求項29に記載の製品。
【請求項31】
スタチンが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはその任意の薬学的に許容できる塩もしくは立体異性体である、請求項30に記載の製品。
【請求項32】
指示が、静脈内または皮下注射によって初回用量を投与し、静脈内または皮下注射によって少なくとも1つの後続用量を投与するためのものである、請求項29から31のいずれか一項に記載の製品。
【請求項33】
複数の後続用量を投与する、請求項29から32のいずれか一項に記載の製品。
【請求項34】
組成物が上昇した血中低密度リポタンパク質コレステロールレベルによって特徴づけられる状態を処置するために使用できることを示す、容器上に存在するまたはそれに付随するラベルをさらに含む、請求項29から33のいずれか一項に記載の製品。
【請求項35】
ラベルが、組成物を高コレステロール血症、アテローム生成的異常脂質血症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、または急性冠症候群(ACS)の処置に使用できることを示す、請求項29から34のいずれか一項に記載の製品。
【請求項36】
抗体がL1L3である、請求項29から35のいずれか一項に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A−B】
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【図8】
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【図9A−F】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−23499(P2013−23499A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−154328(P2012−154328)
【出願日】平成24年7月10日(2012.7.10)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】