説明

折りたたみ式スポットライト

手持ちの状態のみならず、横にした状態、立てかけた状態、あるいは、吊り下げた状態で、使用することができる、スポットライトを提供する。本発明のハンドヘルド・スポットライト(10)は、ハウジング(20)に枢動可能に取り付けられたハンドル(30)を備える。ハンドル(30)は、ハウジング(20)から出射される照射ビームの方向に平行な180°の円弧に沿った複数の位置に係止することが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライト(照明器具)、具体的には、スポットライトなどのハンドヘルドライトに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、スポットライトは、携帯可能なライトの形態を採る、ユーザが手に持って使用する照明器具である。ハンドヘルド・スポットライトは、所望の方向に焦点を合わせることが可能であるワイドビームのフラッシュライト(懐中電灯)の一種であるといえる。スポットライトは、たとえば、アウトドアにおける照明、停電の際のバックアップ照明、暗い場所で物を探したり、暗い場所で作業したりする場合の光源として、多種多様な用途に利用可能である。スポットライトを、1つだけで幅広い活動分野で利用することができることが望ましく、したがって、スポットライトを、手持ちの状態のみならず、横にした状態、立てかけた状態、あるいは、吊り下げた状態で、使用できるようにすることが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以下、本発明の理解のために、いくつかの実施形態について、簡略に概要を述べるが、この概要は、本発明の外延を画するものではなく、また、本発明の範囲を画定するための主要な要素を特定することも意図されていない。
【0004】
本発明の一実施形態においては、スポットライトが提供される。このスポットライトは、スポットライトのハウジングに枢動可能に取り付けられたハンドルを備える。このハンドルは、照射ビームの方向に対して、約180°の円弧を描いて動かすことができ、かつ、この範囲の複数箇所において一時的にロックすることが可能となっている。
【0005】
本発明のその他の特徴は、図面および以下の詳細な説明により、明確とされる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明の一実施形態のスポットライトの正面斜視図である。
【図2】図2は、図1のスポットライトの左側面図である。
【図3】図3は、図1のスポットライトの、第1の収容位置における側面斜視図である。
【図4】図4は、図1のスポットライトのハンドルの旋回動作を示す右側面図である。
【図5】図5は、図1のスポットライトの右側面図である。
【図6】図6は、図5のスポットライトの断面図であり、ロック機構を示す。
【図7】図7は、図1のスポットライトの正面図である。
【図8】図8は、図1のスポットライトの背面図である。
【図9】図9は、図1のスポットライトの背面斜視図である。
【図10】図10は、図1のスポットライトの平面図である。
【図11】図11は、図1のスポットライトの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明のさまざまな実施形態について記述する。なお、本発明に対する理解を十分に図るため、その具体的な構造について詳細に説明するが、当業者であれば、このような詳細な説明がなくても、本発明を実施することは可能である。また、周知の特徴については、本実施形態についての記述を明確にするため、省略または簡略化する。
【0008】
図面を参照するが、それぞれの図面において、同様の部分については同様の参照番号を付している。図1は、本発明の一実施形態におけるスポットライト10を示している。スポットライト10は、ハウジング20とハンドル30を有する。スポットライト10は、透明レンズ50、このレンズの後ろに取り付けられた反射鏡60、および反射鏡60に取り付けられ、発光ダイオード(LED)を備え、従来技術と同様に、光のビームをハウジング20から出射するように構成されている。照射ビームαは、図2に示すように、ハウジング20から平行に伸長する概ね長手方向の進路に沿って照射される。本例では、LEDが採用されているが、スポットライトの光源としては、ハロゲンランプ、白熱ランプ、蛍光ランプなど、その他の任意のランプやライトを用いることもできる。
【0009】
スポットライト10は、内部配線(図示せず)と電源スイッチ80とを備え、ユーザがこのスイッチを使用して、ライトを点灯および消灯することができるようになっている。ハウジング20の背面には、レセプタクル54が設けられ、交換可能な電源パック55を収容する空洞が形成されている。好ましくは、電源パック55は、バッテリ、充電式バッテリ、燃料電池などを動力源とする。また、レセプタクル54にバッテリ(図示せず)を入れて、キャップ(図示せず)で蓋をして固定する構造も、本発明の範囲に属する。
【0010】
ハウジング20は、略円筒状または樽状の形状で、その外周に複数のベント23を備えており、これにより、空気がハウジング20を通って循環することが可能となり、スポットライトの状態を適切に維持できる。また、ハウジング20は、レンズ50の周辺でハウジング20の外周を取り囲むヘゼル22を備え、通常の使用時における損傷あるいは落下時の衝撃による損傷から、スポットライト10を保護するようになっている。
【0011】
ハンドル30は、グリップ32とベース34を備える。グリップ32には、ユーザがより安定してスポットライトを握ることができるよう、凹凸パターンを設けることができる。ベース34は、側部35、36を有し、それぞれの上端部35a、36bで、ハウジング20と連結している。図5〜図8に示すように、それぞれの上端部35a、36aは、平坦な内壁35i、36iと、湾曲した外壁35o、36oと、頂上部35t、36tと、を備える。ベース34は、湾曲した側壁35o、36oおよび平坦な上壁37で形成される。
【0012】
側部35、36の内壁および外壁には、円形の開口部38、39が設けられている。
【0013】
ハウジング20は、ハウジングから下方に伸長し、ハンドル30の上端部35aと36aとの間に位置するよう寸法が定められたピボット部24を備える。ピボット部24は、一対の平坦な側壁25、26とU字型の端壁27を有する。それぞれの側壁には、開口部28が設けられる。ピボット部24は、少なくともハウジング20の一部と一体成形されることが好ましいが、ハウジングとは別に形成してもよい。
【0014】
ハウジング20のピボット部24は、開口部38、39、および28を貫通する枢動ピン40により、ハンドル30の側部の上端部35a、36aの間に枢動可能に保持される。ハンドル30は、ハウジング20の上に枢動ピン40で保持され、ハンドルロック手段により調節可能となっている。
【0015】
本例において、ハンドルロック手段は、ピボット部の端壁27に設けられ、4つの雌型ロック機構29a〜29dを備える。雌型ロック機構29a〜29dは、ハウジング20および照射ビームαに対して4つの異なる角度のいずれかに、ハンドル30を角度調節して固定する機能を有する。ハンドル30は、雄型ロックピン42、スプリング43、およびインターフェイス44を備えたロックスイッチ41を有する。雄型ロックピン42は、雌型ロック機構29a、29b、29c、29dのいずれかの内部に収まり、所望の位置にハンドル30を保持する。使用時に、ロックスイッチ41を、ロック静止位置から、スプリングがバイアスされたロック解除位置へと、動かすことにより、雄型ロックピン42は下方へ動き、雌型ロック機構29a〜29dのいずれかとの嵌合が解除される。雄型ロックピン42が、雌型ロック機構との嵌合から外れると、ハンドル30は、照射ビームαの方向に対して約180°の円弧の範囲内で、所望の位置へと旋回することが可能となる。ハンドル30を、照射ビームαの方向に対して約180°の円弧の範囲内で、所望の位置へとハンドル30を旋回させてロックさせることを可能とする、その他の手段も、本発明の範囲に属する。
【0016】
本例では、ハンドル30は、約180°旋回する。第1のポジションにおいて、雄型ロックピン42は、雌型ロック機構29aと嵌合する。この場合、ハンドル30は、照射ビームαの方向とほぼ平行となる位置にあり、図3に示すようにコンパクトな収納が可能となる。第1のポジションにおいて、ハンドル30は、ハウジング20に当接する。図4に示すように、さらに3つの異なるポジションを取ることが可能である。
【0017】
第2のポジションにおいて、雄型ロックピン42は、雌型ロック機構29bと嵌合する。この場合、ハンドル30は、第1のポジションから約45°の位置にあり、面上にスポットライト10を置いて、光ビームを照射することができる。第3のポジションにおいて、雄型ロックピン42は、雌型ロック機構29cと嵌合する。この場合、ハンドル30は、第1のポジション、および照射ビームαの方向から約90°の位置にある。
【0018】
第3のポジションの場合、従来のピストル型のハンドルとして使用でき、スポットライト30をピストルのように直立状態で持つことができるため、所望の方向に光ビームを向けることが容易となる。
【0019】
第4のポジションにおいて、雄型ロックピン42は、雌型ロック機構29dと嵌合する。この場合、ハンドル30は、第1のポジションから約170°旋回した位置にある。第4のポジションでは、ハンドル部の末端に位置するハンドルフック45を用いて、スポットライト10を吊り下げることが可能となる。照明を下方へと向けるため、フック、ループなどでスポットライト10を吊すことができる。このように、ハンドルロック手段により、ライトを所望の位置に吊したり、置いたり、立て掛けたりすることが可能となる。
【0020】
本例では、ピボット部24の雌型ロック機構29a〜29dは4つであるが、雌型ロック機構の数は増減可能であり、これに対応して固定可能なハンドル位置も増減するが、このような構造も本発明の範囲に属する。また、4つの特定のハンドル位置について詳細に説明したが、この固定位置の角度を変更した構造も、本発明の範囲に属する。同様に、添付図面においては、約170°の円弧に沿った動きを描写しているが、このような円弧に沿った動きの量は、もっと多くてもよいし、少なくてもよい。
【0021】
ハウジング20およびハンドル30は、ABS樹脂で形成されることが好ましい。ただし、その他の従来から使用されている材料を用いたものも、本発明の範囲に属する。こうした材料は、任意の色を採用できる。ベゼル22、レセプタクル54、ハンドルグリップ32、および電源スイッチ80などのその他の要素は、ラバー製であることが好ましい。これにより、使用時におけるスポットライト10の保護が一層強化されるとともに、衝撃吸収、絶縁、グリップ機能の向上という点でも、有益である。また、ラバー製のグリップ32は、スポットライトをテーブルやその他の面に置いたり、立て掛けたりする際に、スポットライトの位置を維持し、照射ビームを安定させるためにも役立つ。美的観点から、ラバーにペイントを施すことも可能である。また、ラバー以外の材料、たとえば、モールド成形した熱可塑性エラストマー(TPE)など、同様の衝撃吸収、静止摩擦特性を有する材料を、ベゼルやグリップに用いた構造も、本発明の範囲に属する。
【0022】
ハンドル30は、その末端部分に、開口部を形成するフック45を備える。フック45は、照射ビームを方向づける付加的手段としても機能する。フック45にカラビナ(図示せず)を設けることにより、フック45をループなどに取り外し可能に固定できるようにした構造も、本発明の範囲に属する。
【0023】
本例では、スポットライト10は、従来型の一般的な形状を有しているが、本発明の実施形態を、その他のデザインのスポットライトに適用することも可能である。さらに、本発明の概念は、電気ランタンなど、その他あらゆる照明器具にも応用可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 スポットライト
20 ハウジング
22 ベゼル
23 ベント
24 ピボット部
25、26 側壁
27 端壁
28 開口部
29a〜29d 雌型ロック機構
30 ハンドル
32 グリップ
34 ベース
35、36 側部
35a、36a 上端部
35i、36i 内壁
35o、36o 側壁(外壁)
35t、36t 頂上部
38、39 開口部
41 ロックスイッチ
42 雄型ロックピン
43 スプリング
44 インターフェイス
45 フック
50 透明レンズ
54 レセプタクル
55 電源パック
60 反射鏡
80 電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、所定軸に沿って照射ビームを生成するランプとを有するハウジングと、
第1端部と第2端部を有し、第1端部において前記ハウジングにピボット接続し、円弧状の経路に沿って第2の端部が移動可能となっている、ハンドルと、
を備える、スポットライト。
【請求項2】
前記円弧状の経路の開始端と終端が、前記所定軸に平行となるように設定される、請求項1に記載のスポットライト。
【請求項3】
前記円弧状の経路が、前記ハンドルの180°の回旋動作を可能とする、請求項1に記載のスポットライト。
【請求項4】
前記円弧状の経路に沿った少なくとも2つの異なる位置に、前記ハンドルを一時的に固定することを可能とする、ハンドルロック手段をさらに備える、請求項2または3に記載のスポットライト。
【請求項5】
前記電源が、交換可能な電源パックにより構成される、請求項2または3に記載のスポットライト。
【請求項6】
前記ランプが、発光ダイオード、白熱ランプ、および蛍光ランプのいずれかである、請求項2または3に記載のスポットライト。
【請求項7】
長手方向の軸を有し、照射ビームを生成する手段を備え、該照射ビームが前記長手方向の軸に平行に出射されるように構成されている、ハウジングと、
細長い本体を備え、前記ハウジングに枢軸を介して接続され、かつ、該枢軸を中心に回旋可能であり、前記本体が、前記照射ビームに対して平行となるまで、円弧状に動くことが可能となっている、ハンドルと、
を備える、スポットライト。
【請求項8】
前記照射ビームを生成する手段が、電源およびランプを備える、請求項7に記載のスポットライト。
【請求項9】
前記本体が、前記枢軸を中心に180°回旋可能となっている、請求項7に記載のスポットライト。
【請求項10】
前記円弧に沿った少なくとも2つの異なる位置に、前記ハンドルを一時的に固定するためのハンドルロック手段をさらに備える、請求項7に記載のスポットライト。
【請求項11】
前記電源が、交換可能な電源パックにより構成される、請求項8に記載のスポットライト。
【請求項12】
前記ランプが、発光ダイオード、白熱ランプ、および蛍光ランプのいずれかである、請求項8に記載のスポットライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−518392(P2013−518392A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551217(P2012−551217)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/022256
【国際公開番号】WO2011/094160
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(593107454)ザ・コールマン・カンパニー・インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】THE COLEMAN COMPANY, INC.
【Fターム(参考)】