説明

折り畳まれたバルーンに被膜する方法

【課題】折り畳まれたバルーンの折り目の選択的な充填または選択的な被膜に好適な組成物の提供。
【解決手段】折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の充填に対する溶媒中の造影剤及び活性試薬の組成物、及び折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の選択的な充填または選択的な被膜のための方法、および該方法のひとつによって得ることのできる充填または被膜されたカテーテルバルーン。該バルーンは狭窄の治療のために、好ましくは生物学的ステント植込み術によって、ステントを移植したり、狭くなった脈管領域を拡張するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれたバルーンの折り目の選択的な充填または選択的な被膜に好適な組成物に関するもので、特に、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の充填に対する溶媒中の造影剤及び活性試薬の組成物の他、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の選択的な充填または選択的な被膜のための方法に関し、加えてこれらの方法のひとつによって得ることのできる充填または被膜されたカテーテルバルーンに関する。
【背景技術】
【0002】
狭窄の治療のために、いわゆる生物学的ステント植込み術によって、ステントを移植したり、狭くなった脈管領域を拡張することは、最先端技術である。したがって、活性試薬の担体や抗再狭窄の活性試薬としての高分子が被膜されたステント及び/またはカテーテルバルーンが、しばしば使われる。
【0003】
通常、カテーテルバルーンは、埋め込まれた、すなわち縮こまらせたステントの有無にかかわらず、狭い血管部位に到着するため、より長い血管経路を通過しなければならず、ステントやバルーンからの早すぎる放出から活性試薬を防御する問題が生じる。
【0004】
ステントに関する、この問題に対する様々な解決方法は既に提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2は、ステントの支柱において、活性試薬を収容するための小さな空洞が提供され、そして空洞中の活性試薬は、保護被膜を施すことにより防御されうることを明らかにしている。
【0005】
特許文献3は、活性試薬を含む下塗と、活性試薬を防御する、上にある非弾性な被膜層を備えている空洞のないステントについて述べている。特許文献3による発明は、ステントの膨張に際して、非弾性の被膜層が壊れて、その目的の部位で活性試薬を選択的に放出するというものである。
【0006】
しかしながら、カテーテルバルーン表面の広さゆえ、カテーテルバルーンにおけるそのような被膜層は、実用的な具体化として実現することが、より一層困難であると考えられる。
【0007】
特許文献4は、折り畳まれたカテーテルバルーンをマイクロカプセルで被膜し、そこでは、マイクロカプセル中に薬理学的活性試薬が含まれうる可能性を示している。さらに特許文献4は、膨張状態、すなわちインフレート状態のカテーテルバルーンがマイクロカプセルを供給され、次に、再び折り畳まれる、すなわち空気を抜かれた場合に、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の中にマイクロカプセルの一部を包含する可能性を示す(特許文献4の請求項8を参照)。
【0008】
しかしながら、この具体化には、折り目の中に包含されるのはマイクロカプセルのほんの一部であり、ゆえに折り目に存在する活性試薬の量がわからないという問題がなお存在する。折り目の中に包含されていないマイクロカプセルは、折り畳まれたカテーテルバルーンを挿入したとき、即座にバルーン表面の上からほぼ完全に放出され、目的地まで到着しない。さらに、特許文献4による被膜の方法は、固体及び特にマイクロカプセルに限定され、液体と共に使用することができない。
【0009】
【特許文献1】米国2004/0071861
【0010】
【特許文献2】WO03/035131A
【0011】
【特許文献3】WO02/45744A
【0012】
【特許文献4】ヨーロッパ特許EP0519063B1
【発明の開示】
【0013】
本発明の目的は、望外の早すぎる放出が起こらないやり方で、カテーテルバルーンによる活性試薬の適用において、活性試薬を用いることにあった。
【0014】
本目的は、請求項2と請求項3に記載の被膜の方法や、請求項1に記載のこれらの被膜の方法に適した組成物と同様に、請求項14記載の活性試薬に充填された折り畳まれたカテーテルバルーンを提供することにより解決される。発明のさらなる有利な設計、様相及び詳細は、従属クレーム、記述、例及び図中に存在する。
【0015】
本目的は、平らにされている状態、或いは最低限のみ膨張させた状態の折り畳まれたカテーテルバルーンを被膜する、被膜の方法を提供することにより解決される。
【0016】
それによって、臨床承認の重要な側面である活性試薬の量が正確に知られ、加えて、活性試薬は、マイクロカプセルのような特別の薬理学的な調合物の複雑な事前準備なく、溶解された形で簡便に挿入することができる。
【0017】
本発明による被膜の方法は、折り目のもとにない残りのバルーン表面が、被膜されずに残ったまま、折り目を選択的に被膜する、すなわち選択的に折り目を充填する。折り目を選択的に充填するには、いわゆる定時被膜法あるいは線形被膜法でなされる。バルーン表面全体が被膜されてしまう浸漬法や吹付け法は用いない。さらに本発明による方法は、空気を抜かれ圧縮された、或いは僅かに膨張させた折り畳まれたカテーテルバルーンを使用することである。
【0018】
本発明によれば、毛細管力を利用するピペット操作方法が使用され、精密ノズルが折り目の縦方向に対して移動する注射器方法が使用され、または折り目のもとに順次挿入される1つ以上の精密ノズルが用いられるスプレー方法が使用され、そこでは折り目が完全に充填されるまで1以上の箇所で折り目を充填する。
【0019】
本発明による方法では、基本的に、折り目はそれぞれ別々に充填され、或いは被膜される。次の折り目が充填され、或いは被膜される前に、最初の折り目の含有物を乾燥させることができるが、これは各ケースで必要とされるわけではない。折り目をすべて連続して被膜或いは充填し、次いで折り目の含有物全部を乾燥させることも可能である。
【0020】
本発明によれば、乾燥は、折り畳まれたカテーテルバルーンを回転させながら行われるが、以下で詳細を述べる。
【0021】
折り目の被膜や充填は、少なくとも1の活性試薬と溶媒若しくは担体とを含む液状混合物でなされる。さらに、造影剤、塩類、補助剤あるいは他の薬理学的に好ましい物質も存在させることができる。
【0022】
活性試薬としては、いかなる抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬も使用することができる。
【0023】
そのような活性試薬の例は、アブシキシマブ、アセメタシン、アセチルビスミオンB(acetylvismione B)、アクラルビシン、アデメチオニン、アドリアマイシン、アエスシン(aescin)、アフロモソン(afromoson)、アカゲリン(akagerine)、アルデスロイキン、アミドロン(amidorone)、アミノグルテセミド(aminoglutethemide)、アムサクリン、アナキンラ、アナストロゾール、アネモニン、アポプテリン(anopterine)、抗真菌剤、抗血栓剤、アポシマリン(apocymarin)、アルガトロバン、アリストラクタム-AIIアリストロキン酸、アスコマイシン、アスパラギナーゼ、アスピリン、アトルバスタチン、オーラノフィン、アザチオプリン、アジスロマイシン、バッカチン、バフィロマイシン、バシリキシマブ、ベンダムスチン、ベンゾカイン、ベルベリン、ベツリン、ベツリン酸、ビロボール、ピオリムス(biolimus)、ビスパルセノリジン(bisparthenolidine)、ブレオマイシン、ボムブレスタチン、ボスウェル酸及びその誘導体、ブルセアノレスA、B及びC(bruceanoles A, B and C)、ブリオフィリンA(bryophyllin A)、ブスルファン、抗トロンビン、ビバリルジン、カドヘリン、カンプトテシン、カペシタビン、o-カルバモイル-フェノキシ-酢酸、カルボプラチン、カルマスティン、セレコクシブ、セファランチン、セリバスタチン、CETP阻害剤、クロラムブチル、リン酸クロロキン、シノコクリン、シプロフロキサシン、シスプラチン、クラドリビン、クラリスロマイシン、コルヒチン、コンカナマイシン、クマジン、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、クドライソフラボンA(cudraisoflavone A)、クルクミン、シクロホスファミド、シクロスポリンA、シタラビン、ダカルバジン、ダシリツマブ(daclizumab)、ダクチノマイシン、ダプソン、ダウノルビシン、ジクロフェナク、1,11-ジメトキシカンチン-6-オン、ドセタセル、アドリアマイシン、ダウノマイシン、エピルビシン、エポチロンA及びB、エリスロマイシン、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、フィルグラスチム、フルロブラスチン、フルバスタチン、フルダラビン、フルダラビン-5'-リン酸二水素、フルオロウラシル、ホリマイシン、ホスフェストロール、ゲムシタビン、グハラキノシド(ghalakinoside)、ギンコール、ギンコール酸、グリコシド1a、4-ヒドロキシオキシシクロフォスファミド、イダルビシン、イホスファミド、ジョサマイシン、ラパコール、ロムスチン、ロバスタチン、メルファラン、ミデカマイシン、ミトキサントロン、ニムスチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、プロカルバジン、マイトマイシン、メトトレキセート、メルカプトプリン、チオグアニン、オキサリプラチン、イリノテカン、ノギテカン、ヒドロキシカルバミド、ミルテホシン、ペントスタチン、ペグアスパラガーゼ、エキセメスタン、レトロゾール、フォルスメタン、SMC増殖阻害剤-2ω、ミコフェノール酸モフェチル、c-mycアンチセンス、b-mycアンチセンス、β-ラパコン、ポドフィロトキシン、ポドフィル、2-エチルヒドラジド、モルグラモスチム(rhuGM-CSF)、ペグインターフェロンα-2b、レノグラスチム(r-HuG-CSF)、マクロゴール、セレクチン(サイトカイン遮断薬)、サイトカイニン阻害剤、COX-2阻害剤、NFkB、アンジオペプチン、筋細胞増殖を抑制するモノクローナル抗体、bFGF拮抗薬、プロブコール、プロスタグランジン、1-ヒドロキシ-11-メトキシカンチン-6-オン、スコポレチン、NOドナー、四硝酸ペンタエリスリトール、シドノンイミン類、S-ニトロソ基誘導体、タモキシフェン、スタウロスポリン、β-エストラジオール、α-エストラジオール、エストリオール、エストロン、エチニルエストラジオール、メドロキシプロゲステロン、エストラジオール・シピオン酸、安息香酸エストラジオール、トラニラスト、カメバコーリン(kamebakaurin)及び癌の治療で用いられるその他のテルペノイド、ベラパミル、チロシンキナーゼ阻害剤(チロフォスチン)、パクリタキセル、パクリタキセルの誘導体及び類似体、6-α-ヒドロキシ-パクリタキセル、2'-スクシニルパクリタキセル、2'-スクシニルパクリタキセルトリエタノールアミン、2'-グルタリルパクリタキセル、2'-グルタリルパクリタキセルトリエタノールアミン、N-(ジメチルアミノエチル)グルタムイドを具備するパクリタキセルの2'-Oエステル、N-(ジメチルアミノエチル)グルタミド塩酸を具備するパクリタキセルの2'-Oエステル、タキソテール、亜酸化炭素(MCS)の大環状のオリゴマー、モフェブタゾン、ロナゾラク、リドカイン、ケトプロフェン、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、ペニシラミン、水酸化クロロキン、金チオリンゴ酸ナトリウム、オキサセプロール、β-シトステリン、ミルテカイン、ポリドカノール、ノニバミド、レボメントール、エリプチシン、D-24851(Calbiochem社)、コルセミド、サイトカラシンA-E、インダノシン、ノカダゾール、S 100タンパク質バシトラシン、ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、アゼラスチン、金属プロテイナーゼ-1及び-2のグアニジル基シクラーゼ刺激組織細胞阻害剤、遊離核酸、ウィルス伝達物質に組み込まれた核酸、DNA及びRNAフラグメント、プラスミノゲン・アクチベータ・インヒビター-1、プラスミノゲン・アクチベータ・インヒビター-2、アンチセンス・オリゴヌクレオチド、VEGF阻害剤、IGF-1、抗生物質、セファドロキシル、セファゾリン、セファクロル、セフォキシチン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、ジクロキサシリン、オキサシリン、スルホンアミド、メトロニダゾール、エノキサパリン、脱硫酸化され、N-再アセチル化されたヘパリン、組織プラスミノーゲン活性化因子、GpIIb/IIIa血小板膜レセプター、Xa因子阻害抗体、ヘパリン、ヒルジン、r-ヒルジン、PPACK、プロタミン、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ワルファリン、ウロキナーゼ、血管拡張剤、ジピリダモール、トラピジル、ニトロプルシド、PDGF拮抗剤、トリアゾロピリミジン、セラミン、ACE阻害薬、カプトプリル、シラザプリル、リシノプリル、エナラプリル、ロサルタン、チオプロテアーゼ・インヒビター、プロスタシクリン、バピプロスト、インターフェロンα、β及びγ、ヒスタミン拮抗剤、セロトニン阻害剤、アポトーシス阻害剤、アポトーシス調節剤、p65、NF-kB、Bcl-xLアンチセンス・オリゴヌクレオチド、ハロフジノン、ニフェジピン、トコフェロール、トラニラスト、モルシドミン、茶ポリフェノール、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、レフルノミド、エタネルセプト、スルファサラジン、エトポシド、ジクロキサシリン、テトラサイクリン、トリアムシノロン、マイトマイシン、プロカインイミド、レチノイン酸、キニジン、ジソピラミド、フレカイニド、プロパフェノン、ソタロール、天然または合成で得られるステロイド、イノトジオール、マキロシドA(maquiroside A)、グハラキノシド(ghalakinoside)、マンソニン(mansonine)、ステブロシド(strebloside)、ヒドロコルチゾン、ベータメタゾン、デクサメタゾーン、非ステロイド性物質(NSAIDS)、フェノプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、フェニルブタゾン、抗ウィルス物質、アイクロビル(ayclovir)、ガンシクロビル、ジドブジン、クロトリマゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、テルビナフィン、抗原生動物薬、クロロキン、メフロキン、キニーネ、天然のテルペノイド、ヒッポカエスクリン(hippocaesculin)、バリントゲノール-C21-アンゲレート(barringtogenol-C21-angelat)、14-デヒロドアグロスチスタチン(14-dehydroagrostistachin)、アグロスケリン(agroskerin)、アガロスチスタチン(agrostistachin)、17-ヒドロキシアグロスチスタチン(17-hydroxyagrostistachin)、オヴァトジオライド(ovatodiolids)、4,7-オキシシクロアニソメリック・アシッド(4,7-oxycycloanisomel acid) 、バッカリノイドB1, B2, B3 及び B7(baccharinoids B1, B2, B3 and B7)、ツベイモシド, ブルセアンチノシドC(bruceantinoside C)、ヤダンジオシドN及びP(yadanziosides N and P)、イソデオキシエレファントピン(isodeoxyelephantopin)、トメンファントピンA及びB(tomenphantopin A and B)、コロナリンA,B,C及びD(coronarin A, B, C and D)、ウルソル酸、ヒプタチック酸A(hyptatic acid A)、イソ-イリドジャーマナル(iso-iridogermanal)、メイテンフォリオル(maytenfoliol)、エフサンチンA(effusantin A)、エキシサニンA及びB(excisanin A and B)、ロンギカウリンB(longikaurin B)、スカルポネアチンC(sculponeatin C)、カメバウニン(kamebaunin)、ロイカメニンA及びB(leukamenin A and B)、13,18-デヒドロ-6-α-シネシオイルオキシシャパリン(13,18-dehydro-6-alpha-senecioyloxychaparrin)、タクサマイリンA及びB(taxamairin A and B)、レジェニロール(regenilol)、トリプトライド、シマリン、ヒドロキシアノプテリン(hydroxyanopterin)、プロトアネモニン、チェリブリン・クロライド(cheliburin chloride)、シノコクリンA及びB(sinococuline A and B)、ジヒドロニチジン、塩化ニチジン、12-ベータ-ヒドロキシプレグナジエン-3,20-ジオン、ヘレナリン、インジシン、インジシン-N-酸化物、ラシオカルピン、イノトジオール、ポドフィロトキシン、ジャスチシジンA及びB(justicidin A and B)、ラレアチン(larreatin)、マロテリン(malloterin)、マロトクロマノール(mallotochromanol)、イソブチリルマロトクロマノール(isobutyrylmallotochromanol)、マキロシドA(maquiroside A)、マーチャンチンA(marchantin A)、メイタンシン(maytansin)、リコリジシン(lycoridicin)、マルゲチン(margetine)、パンクラチスタチン、リリオデニン、ビスパーセノリジン(bisparthenolidine)、オクソウシンスニン(oxoushinsunine)、ペリプロコシドA(periplocoside A)、ウルソール酸、デオキシソロスパミン(deoxypsorospermin)、サイコルビン(psycorubin)、リシンA、サンギナリン、manwuホウィート・アシッド(manwu wheat acid)、メチルソルビフォリン(methylsorbifolin)、スファセリアクロメン(sphatheliachromen)、スチゾフィリン(stizophyllin)、マンソニン(mansonine)、ストレブロシド(strebloside)、ジヒロドウサムバレンシン(dihydrousambaraensine)、ヒドロキシウサムバリン(hydroxyusambarine)、ストリクノペンタミン(strychnopentamine)、(strychnophylline)、ウサムバリン(usambarine)、ウサムバレンシン(usambarensine)、リリオデニン、オクソウシンスニン(oxoushinsunine)、ダフノレチン(daphnoretin)、ラリシレジノール、メトキシラリシレジノール、シリンガレジノール、シロリムス、ラパマイシン、ソマトスタチン、タクロリムス、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、シンバスタチン、ロスバスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、テニポシド、ビノレルビン、トロホスアミド、トレオサルファン、テモゾロマイド、チオテパ、トレチノイン、スピラマイシン、ウンベリフェロン、デスアセチルビスミオンA(desacetylvismione A)、ビスミオンA及びB(vismione A and B)及びゼオリンであり、その他前記活性試薬の組み合わせである。
【0024】
特に好ましい活性試薬はラパマイシン(シロリムス)及びパクリタキセル、パクリタキセルの誘導体及び類似体、6-α-ヒドロキシ-パクリタキセル、2'-スクシニルパクリタキセル、2'-サクシニルパクリタキセルトリエタノール-アミン、2'-グルタリルパクリタキセル、2'-グルタリルパクリタキセルトリエタノールアミン、N-(ジメチルアミノエチル)グルタムイドを具備するパクリタキセルの2'-Oエステル、N-(ジメチルアミノエチル)グルタムイドヒドロクロリドを具備するパクリタキセルの2'-Oエステル及びタキソテールであり、その他前記活性試薬の組み合わせである。特に、パクリタキセルが好ましい。
【0025】
もちろん活性試薬の組み合わせとしては、パクリタキセルとトラピジル、或いはNOドナーを具備するパクリタキセルと、或いはビタミンAまたはビタミンCを具備するラパマイシンといった活性試薬の混合物も使用できる。
【0026】
また、折り目を充填した後に、常圧あるいは減圧下での乾燥によって取り除かれる、使用される溶媒も重要である。
【0027】
ジクロロメタン、クロロホルム、エタノール、アセトン、ヘプタン、nヘキサン、DMF、DMSO、メタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、エーテル類、石油エーテル、酢酸エステル、シクロヘキサンのような揮発性有機化合物は溶媒としてたやすく使用できる。溶媒の選択においては、溶媒との接触する時間が、各々破損が生じないぐらいに短く、最終的な破損とは無関係に、折り畳まれたカテーテルバルーンの材料を攻撃せず、或いはそれぞれ使用不可能な状態にせず、膨張中にバルーンの破裂に至るかもしれない損傷をそれぞれ生じないことが特に重要である。
【0028】
好ましい溶媒はアルコールであり、特にモノオールと結合するジオール及びトリオールも価値があることが実証された。好ましい溶媒は、特に下記の群から選択することができる:メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール及び1,2,3,4-ブタンテトラオール、これら溶媒の混合物も、上述の有機溶媒との混合物同様、用いることができる。好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールであり、特に好ましくはグリセリンである。
【0029】
溶媒混合物中に水を含有させることもできるが、前溶液に対し、50重量%未満が好ましく、30重量%未満がより好ましく、10重量%未満が特に好ましい。
【0030】
本発明の被膜方法によっては、活性試薬或いは活性試薬の組み合わせの厚い粘性の溶液でつくった活性試薬の薄い粘性の溶液が必要である。
【0031】
粘度測定は当業者にとって既知であり、好ましくは粘度計で行われる。折り目のタイプ及びデザインによって粘性を調節しなければならない。
【0032】
様々なタイプの折り目と折り畳まれたカテーテルバルーンの具体例は、例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6で示される。しかしながら、収縮し、或いは拡大することのできるほとんどすべてのカテーテルバルーンが折り目を有するので、本発明の被膜方法は、基本的にすべての膨張式のカテーテルバルーンとともに用いることができ、特許文献5や特許文献6で言及されている特別の具体例に制限されるものではない。
【0033】
【特許文献5】WO94/23787A1
【0034】
【特許文献6】WO03/059430A1 溶媒は、上述の他に、或いは上述とともに、油、脂肪酸及び脂肪酸エステルも用いることができる。好ましい油の例は次のとおりである:あまに油、亜麻オイル、麻実油、トウモロコシ油、くるみ油、菜種油、大豆オイル、太陽花精油、けし油、サフラワー油、小麦麦芽オイル、ブドウ種子油、月見草油、ボラージオイル、ブラッククミン・オイル、アルジー・オイル、魚油、たら肝油、及び/または前記油の混合物。
【0035】
厚い粘性の被膜溶液が必要な場合、不希釈油が溶媒として使用される。親油性溶剤を加えることによって、粘性は低下しうるので、所望の粘性レベルに調節可能である。一方、低粘度溶液は、油または脂肪を加えることで、それらの粘性を増大できる。
【0036】
ここで用いられる用語「溶液」あるいは「被膜溶液」は、透明溶液のみならず、溶媒やオプション的な他の担体、補助剤、または例えば造影剤との溶媒混合物中の1以上の活性試薬の乳液、分散液、懸濁液にも関する。
【0037】
ここで用いられる用語「組成物」あるいは「活性試薬-含有組成物」は、溶液のみならず、少なくとも1つの薬学の活性な試薬を含有する、乳液、分散液、懸濁液、油、ペースト、粘性の混合物にも関する。しかしながら、これらの組成物は固体ではなく、粘性の液体であるか、あるいはゲルかペーストの形である。
【0038】
油として、或いは基本的に親油性の物質として、天然及び合成油、脂肪、脂質、類脂質及びろうが使用されうる。
【0039】
特許文献7では、例として、使用可能で、かつ好ましいパクリタキセルの油性製剤について記載する。同等の油の溶液は、トラピジルまたはラパマイシンのような他の活性試薬でも作ることができる。
【0040】
【特許文献7】WO 03/022265A1好ましい油あるいは親油性物質の更なる例示は、次の一般的式によって表わすことができる:
【0041】
【化1】

【0042】
【化2】

【0043】
【化3】

【0044】
【化4】

【0045】
【化5】

【0046】
ここでR, R', R'', R* and R** はそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、1〜20の炭素原子を持つヘテロシクリル基、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、3〜20の炭素原子を持つヘテロアリール基または官能基で、好ましくは以下に代表される基である:
-H, -OH, -OCH3, -OC2H5, -OC3H7, -O-cyclo-C3H5, -OCH(CH3)2, -OC(CH3)3, -OC4H9, -OPh, -OCH2-Ph, -OCPh3, -SH, -SCH3, -SC2H5, -NO2, -F, -Cl, -Br, -I, -CN, -OCN, -NCO, -SCN, -NCS, -CHO, -COCH3, -COC2H5, -COC3H7, -CO-cyclo-C3H5, -COCH(CH3)2, -COC(CH3)3, -COOH, -COOCH3, -COOC2H5, -COOC3H7, -COO-cyclo-C3H5, -COOCH(CH3)2, -COOC(CH3)3, -OOC-CH3, -OOC-C2H5, -OOC-C3H7, -OOC-cyclo-C3H5, -OOC-CH(CH3)2, -OOC-C(CH3)3, -CONH2, -CONHCH3, -CONHC2H5, -CONHC3H7, -CON(CH3)2, -CON(C2H5)2, -CON(C3H7)2, -NH2, -NHCH3, -NHC2H5, -NHC3H7, -NH-cyclo-C3H5, -NHCH(CH3)2, -NHC(CH3)3, -N(CH3)2, -N(C2H5)2, -N(C3H7)2, -N(cyclo-C3H5)2, -N[CH(CH3)2]2, -N[C(CH3)3]2, -SOCH3, -SOC2H5, -SOC3H7, -SO2CH3, -SO2C2H5, -SO2C3H7, -SO3H, -SO3CH3, -SO3C2H5, -SO3C3H7, -OCF3, -OC2F5, -O-COOCH3, -O-COOC2H5, -O-COOC3H7, -O-COO-cyclo-C3H5, -O-COOCH(CH3)2, -O-COOC(CH3)3, -NH-CO-NH2, -NH-CO-NHCH3, -NH-CO-NHC2H5, -NH-CO-N(CH3)2, -NH-CO-N(C2H5)2, -O-CO-NH2, -O-CO-NHCH3, -O-CO-NHC2H5, -O-CO-NHC3H7, -O-CO-N(CH3)2, -O-CO-N(C2H5)2, -O-CO-OCH3, -O-CO-OC2H5, -O-CO-OC3H7, -O-CO-O-cyclo-C3H5, -O-CO-OCH(CH3)2, -O-CO-OC(CH3)3, -CH2F, -CHF2, -CF3, -CH2Cl, -CH2Br, -CH2I, -CH2-CH2F, -CH2-CHF2, -CH2-CF3, -CH2-CH2Cl, -CH2-CH2Br, -CH2-CH2I, -CH3, -C2H5, -C3H7, -cyclo-C3H5, -CH(CH3)2, -C(CH3)3, -C4H9, -CH2-CH(CH3)2, -CH(CH3)-C2H5, -Ph, -CH2-Ph, -CPh3, -CH=CH2, -CH2-CH=CH2, -C(CH3)=CH2, -CH=CH-CH3, -C2H4-CH=CH2, -CH=C(CH3)2, -C≡CH, -C≡C-CH3, -CH2-C≡CH;
Xはエステル基若しくはアミド基、特に次の基である; -O-アルキル, -O-CO-アルキル, -O-CO-O-アルキル, -O-CO-NH-アルキル, -O-CO-N-ジアルキル, -CO-NH-アルキル, -CO-N-ジアルキル, -CO-O-アルキル, -CO-OH, -OH。
【0047】
m, n, p, q, r, s 及び t は、互いに独立に0から20の整数であり、好ましくは0から10である。
【0048】
例えばCO−O−アルキルの用語「アルキル」には、−CH2−Phのように前述のグループR、R'などの基に対して言及されたアルキル基のうちの1つが好ましい。前述の一般式の化合物は、混合物か、オリゴマー、あるいは共重合体か、ブロック共重合体と同様に、純エナンチオマーかジアステレオマーとして、或いはラセミ体かアステレオマー混合物として、それらの塩類の形でも存在することができる。さらに、前述の物質は、生物学的安定性のある高分子及び生分解性高分子のような他の物質との混合、なかでもここで言及された油及び/または脂肪酸との混合で使用することができる。重合に適する、特に自動重合に適する混合物や個々の物質は好適である。
【0049】
しかしながら、オレイン酸、イコサペンタエン酸、ティムノドン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、その他前記脂肪酸の混合物及びエステルなどの天然由来の油、脂肪酸及び脂肪酸エステルも好ましい。特に好ましくは、ω-9脂肪酸、ω-3脂肪酸及びω-6脂肪酸その他であり、その他好ましくはこれらの物質を少なくとも重量で10%の割合を有する前記脂肪酸のエステル及び混合物である。
【0050】
さらに適切な脂肪酸は表1〜4に記載される。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
さらに、表1〜4にリストされた脂肪酸と特にそれらのエチルエステル、及びこれらの脂肪酸及び/または脂肪酸エステルを含む混合物が好ましい。さらに好ましい脂肪酸は6,8-ジチアンオクタン酸、γ-リノレン酸及びα-リポ酸であり、それらのエステルも同様である。
【0056】
さらに、挿入される組成物に、付加的物質として造影剤を含有させることもできる。
【0057】
カテーテルバルーンの折り目の中に活性試薬を受け入れるためのマトリックスとして、低分子物質、特に造影剤、造影剤類似体或いは造影剤状物質が、適切であることを証明した。造影剤類似体や造影剤状物質のようなこれらの物質は、用語「造影剤」の名称は与えられないが、造影剤の特性、すなわち、画像化法と診断方法によって視覚化されるという特性を有すると理解される。
【0058】
バリウム、ヨウ素、マンガン、鉄、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及び/またはルテチウムを含む物質の大部分は、これらの物質に関する。
【0059】
X線画像化、コンピューター・トモグラフィー(CT)、磁気共鳴画像あるいは磁気共鳴断層撮影法(MRT)に対して共通する造影剤は、造影剤として使用することができる。
【0060】
原則として、X線検査で使用される造影剤(X線造影剤)と磁気共鳴断層撮影法検査の中で使用される造影剤(MR造影剤)とは区別され、Jod-Lipiodol(登録商標)のようなX線造影剤が好ましい。
【0061】
X線造影剤の場合、物質は、周囲の構造に対して透過X線の吸収の増加を生じさせる物質(いわゆるポジティブ・コントラスト試薬)、或いは透過X線を妨害せずに通過させる物質(いわゆるネガティブ・コントラスト試薬)に関する。
【0062】
さらに、血管の画像化(血管造影法と静脈造影法)及びCT(コンピューター・トモグラフィー)において使用される、ヨウ素含有造影剤が好ましい。
【0063】
特に、1,3,5-トリヨードベンゼン核を有する造影剤、低浸透性を持つ腎向性のX線造影剤、アミドトリゾ酸、イオタラム酸、イオトロラン、イオパミドール、ヨードキサム酸、ジアトリゾ酸、イオメプロール、イオプロミド、デスメトキシアセチルイオプロミド(DAMI)、或いは5-アミノ-2,4,6-トリヨードフタル酸-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-アミド(ATH) が好ましい。
【0064】
下記では、特に好適な造影剤の構造のいくつかを示す。:
【0065】
【化6】

【0066】
【化7】

【0067】
【化8】

【0068】
【化9】

【0069】
【化10】

【0070】
【化11】

【0071】
【化12】

【0072】
【化13】

【0073】
【化14】

【0074】
【化15】

【0075】
別の種類の好適な造影剤は、大半のランタニドを含む常磁性造影剤に代表される。
【0076】
不対電子を持つ常磁性体のうちの1つは、例えば合計7つの不対電子を持つガドリニウム(Gd3+)である。このグループには、更に、ユウロピウム(Eu2+, Eu3+)、ジスプロシウム(Dy3+)及びホルミウム(Ho3+)がある。これらのランタニドは、例えばヘモグロビン、葉緑素、ポリアザ酸、多カルボン酸、及び特にキレート化剤としてのDOTA同様、 EDTA、DTPAを使用することにより、キレート化された形で使用することもできる。ガドリニウム含有の造影剤の例は、ガドリニウム・ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ガドペンテト酸(GaDPTA)、ガドジアミド水和物、ガドテル酸メグルミンあるいはガドテリドールである。
【0077】
本発明では、当然に2以上の造影剤の混合物を使用できる。
【0078】
さらに、生理学上許容可能な塩類は、活性試薬或いは活性試薬の混合物の組成物中に存在しうる。好ましくはパクリタキセル若しくはラパマイシン、特にパクリタキセルが、1以上の生理学上許容可能な塩類とともに、活性試薬の溶液或いは分散体であることが好ましい。
【0079】
塩類としては、硫酸、塩化、臭化、ヨウ化、リン酸、硝酸、クエン酸あるいは酢酸アニオンと一緒に、ナトリウムカチオン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄あるいはリチウムカチオンが含まれる塩類のような化合物を好適に用いることができる。塩類としてイオン造影剤も使用することができ、或いはイオン造影剤を上記塩類に追加することもできる。
【0080】
そのような溶液、分散液あるいはスラリーに、活性試薬あるいは活性試薬の組み合わせが加えられる。溶媒として水が、最終的に共溶媒として好適に用いられる。塩分含有量は相対的に高くすべきである。そのような食塩水では、主要な溶媒は水であり、30重量%以内、好ましくは20重量%、特に好ましくは最大10重量%まで含むことができ、1以上の共溶媒も同様である。
【0081】
そのような食塩水は、大半が注射器方法に使用される。
【0082】
活性試薬を含む食塩水は、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目のもとに注射され、乾かされる。塩の被膜は、非常に吸湿性で、それゆえ血管組織に対して高親和性を有する。膨張率中に、折り目は自分自身を開いて、血管壁に対し、塩の被膜を圧迫する。その後、塩の被膜は血管壁に付着し、それがいくつかの目的にかなう。一方で、局所的に非常に高い塩濃度は、セルを破裂させる高浸透圧を生じさせるが、他方では、高塩濃度は、血管中の固い血小板及び他の沈積も溶解し、更には、平滑筋細胞の増殖を特に防ぐ活性試薬を放出する。
【0083】
数分〜最大2、3時間後、量に応じて血管壁上に移された塩の被膜は完全に溶解される。
【0084】
前述の塩類の替わりに、或いはその塩と組み合わせて、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリアミノ酸、ペプチド及び/またはビタミンも使用することができる。
【0085】
好適なアミノ酸は次のとおりである:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルタート、グルタミン酸塩、アスパラギン酸、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、4-ヒドロキシプロリン、N、N、N-トリメチルリジン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリシン、O-ホスホセリン、γ-カルボキシグルタマート、ε-N-アセチルリシン、ω-N-メチルアルギニン、シトルリン、オルニチンこれらのアミノ酸の及び誘導体。
【0086】
好適なビタミンは次のものを含む:ビタミンA、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン及び葉酸。
【0087】
さらに、活性試薬或いは活性試薬の組み合わせのリポソーム製剤も、折り畳まれたカテーテルバルーンを被膜、或いは充填に使用することができる。
【0088】
リポソーム製剤は、第一段階で活性試薬(例えばパクリタキセルやラパマイシン或いは活性試薬の組み合わせが水性媒体または緩衝媒体の中で溶解され、次に細胞膜形成物質を含む溶液と接触させることで、好適に製造される。この方法で、少なくとも30%から95%までの高い挿入率をもたらす。
【0089】
細胞膜を生ずる物質は、好ましくは帯電された両親媒性化合物であり、好ましくはアルキルカルボキシ酸、アルキルスルホン酸、アルキルアミン、アルキルアンモニウム塩、アルコールを具備するリン酸エステル、〔ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン誘導体(PE誘導体)〕などの天然の他、合成の脂質の他、コレステロール、フォスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、天然、半合成或いは合成型のセラミド、ステアリルアミン及びステアリン酸、パルミトイル-D-グルクロニド・スフィンゴ脂質及び/またはスルファチドのような帯電されたスフィンゴ脂質である。
【0090】
ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ステロイド、好ましくはコレステロール、複合脂質及び/または中性のスフィンゴ脂質などの既知成分は、中性膜形成物質として使用することができる。
【0091】
水溶液からのリポソームの抽出もまた、透析、限外濾過、ゲル濾過、沈降あるいは浮上分離法などの既知の方法によってなされる。リポソームは10〜400nmの平均直径を有する。
【0092】
そのようなリポソーム製剤は、注射器方法或いは毛細管方法(ピペット操作方法)によって、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目に好適に挿入することができる。
【0093】
本発明による折り目を被膜する方法或いは折り目を充填する方法は、毛細管方法としても言及したピペット操作方法、注射器方法及び例えばカテーテルバルーン全体に対して無差別のスプレー方法との違いを明確にしたような折り目のスプレー方法として言及したスプレー方法である。
【0094】
したがって、本発明は、以下の方法で折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の被膜或いは充填の方法に関する:
a) 活性試薬-含有組成物が、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の遠位端或いは近位端に送出され、折り目は毛細管力により充填される;或いは
b) 活性試薬-含有組成物の連続的流れを送出する注射器が、折り畳まれたカテーテルバルーンに対し、折り目に沿って移動される;或いは
c) 複数の一連の送出開口部が、折り畳まれたバルーンの折り目のもとに押し出され、活性試薬-含有組成物が、複数の折り目への送出開口部から同時に送出される。
【0095】
この被膜或いは充填方法が、平らにされたか空気を抜かれた状態で、またはカテーテルバルーンを最大10%まで膨張させて、適切に行われることは有利である。用語「10%を膨張した状態」においては、カテーテルバルーンが意図される膨張率である最大膨張の10%のインフレーション、すなわち膨張の10%に従わされたと理解されるべきである。膨張率において意図される膨張が100%呼ばれ、空気を抜かれた状態が0%に設定されるならば、10%のインフレーションは下記式(数1)によって得られる:
【0096】
【数1】

【0097】
さらに、本発明による方法によって、さらに多くの或いはすべての折り目は、同時に充填され被膜されることができ、被膜や充填は選択的に行うことができる。折り目の選択的充填や折り目の選択的被膜とは、折り目のみ充填または被膜され、折り目外側の折り畳まれたカテーテルバルーンの表面は、被膜しないことを意味するものとする。
【0098】
好適に用いられる、活性試薬、溶媒及び造影剤の組成物は、ペースト或いは粘性の塊、または粘性の分散剤、乳剤あるいは粘着性パルプの粘稠度を有する。
【0099】
この組成物は、重合せず、被膜操作の間、その粘稠度を維持するという利点を持つ。このペースト或いは(高)粘性の塊或いは粘性のスラリーは、図1で示されたように、注射器装置、好ましくはノズルによって圧力を与えて折り目に挿入される。
【0100】
必要ならば、ノズルがバルーン折り目を膨張させて、折り目によって形成された空洞を選択的に充填することができる。通常、折り畳まれたカテーテルバルーンには、個々に充填された4つ以上の折り目がある。
【0101】
1つ以上或いは全部の折り目に充填後、折り目の通路方向に折り畳まれたカテーテルバルーンを回転させることが特に有利であることが実証された。この回転は、粘性のペーストが折り目の中で完全、均質的に分散し、最後まで残っている空気の混入物が放出されるという結果を生む。回転方向は図2の中で示される。折り畳まれたカテーテルバルーンの回転の後、既に充填されたか或いは空の折り目に順次充填が行われうる。
【0102】
回転の間、及び/または回転の後、折り目の中の組成物は、常圧或いは減圧のもとで乾燥される。組成物の乾燥或いは養生は、蒸発による少なくとも1のアルコールの除去により行われる。乾燥した組成物は多孔性の粘稠度を有しており、膨張率中にバルーン表面から非常に容易に放出される。溶媒としてのアルコールは、通常の残留分となるまで除去され、造影剤は、活性試薬に対する多孔性のマトリックスを形成し、折り畳まれたカテーテルバルーンの膨張の後、活性試薬をより一層急速かつ高濃度において放出することができる。さらに、本発明による方法では、折り目を被膜されるか充填されるだけでなく、まさに物質的保存方法が行われ、それゆえ活性試薬は、カテーテルの挿入の間に失われるバルーン表面外側に存在しないという長所を持つ。
【0103】
以下では、発明による被膜或いは充填の3方法について、更に詳細に述べられる。
【0104】
〔ピペット操作方法或いは毛細管方法〕
この方法では、ピペットか注射器、或いは活性試薬-含有組成物を定時に送出できるその他の装置が使用される。
【0105】
活性試薬、溶媒及び/または補助剤及び/または担体の混合物は、ここで使用される用語「活性試薬-含有組成物」のもとに理解され、すなわち活性試薬或いは活性試薬混合物の実在溶液、分散体、懸濁液または乳剤であり、またここに言及された溶媒、油、脂肪酸、脂肪酸エステル、アミノ酸、ビタミン、造影剤、塩類及び/または細胞膜を生ずる物質から選ばれた少なくとも1のさらなる成分である。用語「溶液」は、液状混合物に関することを更に明確にするが、粘性になりうる(厚い粘性或いは高い粘性)ことも明確にする。
【0106】
ピペット若しくは注射器、或いは活性試薬-含有組成物を定時に送出できるその他の装置は、組成物で充填され、好ましくは折り目の近位端或いは遠位端にセットされる。送出された組成物は、折り目の対向端部に到達するまで、毛細管力により折り目の中で、折り目に沿って延伸される。
【0107】
カテーテルバルーンは平らにされた、つまり空気を抜かれた状態である。更にカテーテルバルーンの部分的な或いは僅かなインフレーションでさえ、折り目を少し開くために通常必要ではない。しかしながら、折り目の充填は、膨張中に所望の直径の最大10%までカテーテルバルーンを僅かにインフレーションさせて行うことができる。さらに、折り目の充填は、折り目を僅かに膨張させるのに充当される、100kPa(1 bar) の陽圧、好ましくは50kPa(0.5 bar)の陽圧で、折り目の僅かな膨張を行うことができる。
【0108】
この方法では、活性試薬-含有組成物がそれぞれの毛細管力を発生させるのに十分な程度に液状であることが重要である。
【0109】
組成物としては、特にアルコール或いはアルコール混合物での活性試薬或いは活性試薬混合物の溶液が好まれる。
【0110】
毛細管力は、長さ10mmである折り目が、5〜80秒以内、好ましくは15〜60秒以内、特に好ましくは25〜45秒以内に、完全に充填できる強さにすべきである。
【0111】
組成物或いは溶液があまりに粘性ならば、折り目を持つカテーテルバルーンを傾けて、水平姿勢から最大45°、好ましくは最大30°上方から充填され、それによって重力の利用も行うことは、有利になりうる。しかしながら、通常、折り目の充填は、上方で充填された折り目を持つカテーテルバルーンの水平姿勢において、毛細管力によって行われる。注射器若しくはピペット、或いは活性試薬-含有組成物を定時に送出できるその他の装置は、好ましくは、水平からの角度10〜65°、好ましくは20〜55°、より好ましくは27〜50°、さらに好ましくは、角度35〜45°の折り目移転の方向で尖った折り目の近位端或いは遠心端でセットされる。
【0112】
もちろん、基本的に、毛細管力により同時に遠位端及び近位端の方向折り目が充填されるように、近位端から遠位端の間で、折り目の中央や他のいかなる位置にも注射器かピペット、或いは活性試薬-含有組成物を定時に送出できるその他の装置をセットできる可能性があるが、折り目終端でのセット位置が好ましいことが実証されている。
【0113】
折り目を充填する組成物が、現在の折り目の対向端部に到着した場合、その後、物質の流出は通常自動的に停止し、注射器かピペット、或いは活性試薬-含有組成物を定時に送出できるその他の装置は、移動することができる。
【0114】
注射器かピペット、或いは活性試薬-含有組成物を定時に送出できるその他の装置のセット位置に活性試薬-含有組成物の滴を残さないように、活性試薬-含有組成物が折り目のもう1つの端に完全に到着する前に、注射器かピペット、或いはその他の送出装置は、既に移動していることが有利であることが実証された。そのためにも、被膜組成物或いは充填組成物が折り目の外側に残らないように、注射器かピペット、或いはその他の送出装置のセット位置において残った残余の活性試薬-含有組成物が、折り目の中に延伸される。
【0115】
好ましくは、折り目の約90%が活性試薬-含有組成物で充填されたときに、注射器かピペット、或いはその他の送出装置が移動する。注射器かピペット、或いはその他の送出装置を移動する時間の最適点は、2,3の実験によって正確に決定することができ、また再現性もよい。
【0116】
用語「活性試薬-含有組成物を定時に送出できるその他の装置」は、活性試薬-含有組成物の一定かつ連続的な流れを送出する能力のあるピペットのようなな装置を表し、この用語のもとで、ポンプ、マイクロポンプ或いはその他貯蔵器は、活性試薬-含有組成物の、この一定かつ連続的な送出を保証すると理解されうる。
【0117】
折り目を充填した後に、カテーテルバルーンは、次の被膜される折り目が上に向かって、好ましくは水平に、回転する。折り目の充填操作がもう繰り返される。
【0118】
活性試薬-含有組成物の粘稠度によっては、次の折り目を充填するため、バルーンが回転する前に、予め充填された折り目を乾燥させることが必要となりうる。乾燥は好ましくは溶媒の蒸発によって行われる。
【0119】
さらに、この方法において、カテーテルバルーンの2つ、2つ以上或いは全部の折り目に同時に充填し、被膜することも可能である。活性試薬-含有組成物の粘稠度がそれを可能にする、すなわち、稠度度が、組成物が水平姿勢にない折り目からの漏出する液体ものでないならば。
【0120】
特に、ピペット方法は好適な砦であり、カテーテルバルーンのいくつか或いは全ての折り目を同時に充填する。そこではカテーテルバルーンは、水平にも好ましくは垂直にも位置することができ、送出装置は、活性試薬-含有組成物が折り目の中に流れるように、好ましくは角度10〜70°で折り目の終端に上からセットされる。
【0121】
バルーンの折り目がすべて充填されると、最終乾燥が行われる。もちろん基本的に、カテーテルバルーンの折り目をすべてそこで充填する必要はないが、折り目の全部の充填は共通であり、また膨張率中に最大の可能な量の活性試薬が可能な最小の時間で血管壁に移される好適な具体例である。
【0122】
本発明による折り畳まれたカテーテルバルーンに対する膨張は、好ましくは最大60秒以内、特に好ましくは最大30秒以内に行われる。
【0123】
最後の折れ目を充填後、最後の折り目、すなわち最後の折り目の含有物の乾燥が、好ましくは減圧なしの通常気圧下での溶媒の蒸発によって行われる。
【0124】
この予備乾燥の後、本発明による回転するカテーテルバルーンの最終乾燥が行われうる。必要若しくは所望の場合、回転の間、減圧を適用しうる。この特別の乾燥方法は、本発明による被膜方法の後に、より詳細に記載される。
【0125】
〔スプレー方法あるいは注射器方法〕
本発明によるこの方法では、精密注射器若しくは針、或いはノズルは、折り目の近位端か遠心端でセットされ、注射器若しくは針、或いはノズルの形状のこの送出装置は、折り目の縦方向に沿って折り目と相対的に移動され、覆われた部分的道程ごとに、活性試薬-含有組成物の所定量が送出される。
【0126】
カテーテルバルーンが固定され、送出装置が折り目に沿って移動しているか、送出装置が固定されており、カテーテルバルーンがそれへ相対的に移動しているか、或いは、カテーテルバルーンと送出装置が、お互い相対的に移動しているかはここでは重要ではない。カテーテルバルーンと送出装置がお互い相対的に移動する場合には、反対方向での直線的な動作が好ましい。
【0127】
送出装置、つまり注射器、針、ノズルなどから、好ましくは中間の或いは厚い粘性の活性試薬-含有組成物は、好ましくはペースト、ゲル若しくは油の形で折り目の内部に送出される。好ましい溶液の粘性は、101〜106mPa・sであり、好ましくは102〜105mPa・sであり、特に好ましくは103〜104mPa・sである。
【0128】
したがって、活性試薬-含有組成物としての特に好適なのは、上記言及された油、アルコール(特にジオール及び多価アルコール)、脂肪酸、脂肪酸エステル、アミノ酸、ポリアミノ酸、細胞膜生成物質、リポソーム製剤及び/または塩類を含めた組成である。
【0129】
被膜操作では、注射器、ノズルあるいは針のチップは、折り目内部のほぼ真中、つまり折り目のほぼ中間まで達する。そこでは活性試薬-含有組成物の少なくとも50体積%、好ましくは少なくとも70体積%、特に好ましくは少なくとも85体積%で、折り目や折り目の内側を充填するのに好適であるような、送出装置とカテーテルバルーンの相対運動速度に関連する送出速度と送出量で、活性試薬-含有組成物の連続的流れが送出される。
【0130】
10mmの折り目長さの場合には、1つの折り目の充満は、約5〜80秒であり、好ましくは約15〜60秒、特に好ましくは約25〜45秒である。
【0131】
折り目の充填操作の間、カテーテルバルーンは平らにされた、つまり空気を抜かれた状態である。更にカテーテルバルーンの部分的な或いは僅かなインフレーションでさえ、折り目を少し開くために通常必要ではない。しかしながら、折り目の充填は、膨張中に所望の直径の最大10%までカテーテルバルーンを僅かにインフレーションさせて行うことができる。さらに、折り目の充填は、折り目を僅かに膨張させるのに充当される、100kPa(1 bar)の陽圧、好ましくは50kPa(0.5 bar)の陽圧で、折り目の僅かな膨張を行うことができる。
【0132】
この被膜方法は、もちろん液状の活性試薬-含有組成物にも行うこともできるが、むしろ、油状組成物のほか、高濃縮食塩水に適している。
【0133】
さらに、この方法には、1つ以上の折り目、特にすべての折り目を、同時に被膜或いは充填することができるという長所がある。そこで、1つの折り目あたり1台の送出装置が提供されるような、折り目の数に応じた送出装置の環状配置が準備される。送出装置の先端は、小さな回転で折り目の中に挿入され、折り目の内部でおよそ中心に配置される。折り目の縦方向に対する送出装置の相対的かつ同時の動作で、すべての折り目は、活性試薬-含有組成物の連続かつ一定の流れと同時に充填することができる。
【0134】
1つ或いはすべての折り目の被膜或いは充填において、カテーテルバルーンは、垂直姿勢や水平姿勢、あるいは傾けられた姿勢にすることができる。
【0135】
活性試薬-含有組成物において、揮発性溶剤が使用された場合、その後の折り目含有物を乾燥させることが必要になりうる。揮発性溶剤で、これは好ましくは揮発性溶剤の蒸発により行う。
【0136】
その後、最終乾燥を行うことができ、そこではカテーテルバルーンは、折り目の内部から見た折り目開口の方向に回転する。この方法は、以下詳細に記載される。
【0137】
折り目開口方向のカテーテルバルーンの回転は、折り目の中で、或いは折り目のもとで、それぞれの折り目に等しく存在する組成物を分散させる役目を果たすこともできる。
【0138】
この、折り畳まれたカテーテルバルーンの回転は、折り目の中のほか、折り目の内側表面での活性試薬-含有組成物の均等な分散を保証するので、特に油状或いはペースト状の活性試薬-含有組成物の使用において、有利になりえる。
【0139】
ここで使用される用語「被膜」は、したがって、主として折り目の内側表面の被膜に関し、そこでは残りの組成物を乾燥した後、折り目の全内部空間は通常、活性試薬-含有組成物それぞれで充填されない。
【0140】
反対に、用語「充填」は、活性試薬-含有組成物で折り目の内部空間を完全に充填することに関する。
【0141】
乾燥によって除去される溶媒が使用される場合には、通常充填は成就できず、むしろ折り目の内側表面の被膜が存在する。
【0142】
しかしながら、油のような高沸点物質が担体または補助剤として用いられる場合には、多かれ少なかれ、折り目の完全な充填は、活性試薬-含有組成物の中にかなりの量の揮発性物質が存在しない限り可能である。
【0143】
このスプレー方法或いは注射器方法は、折り目に挿入されることは言うまでもなく、通常の浸漬法や吹付け法によって、カテーテルバルーンに適用することができない、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目に活性試薬-含有組成物を挿入するのに特に適している。
【0144】
ステントまたはカテーテルバルーン上の通常の使用される固体の被膜と比較して、油状かペースト状の被膜及び充填では、これらの活性試薬-含有組成物は、完全には乾燥するのではなく、本質的にそれらの粘稠度を維持するという長所がある。
【0145】
狭窄した部位の位置において、カテーテルバルーンがインフレートし、すなわち拡張する場合、この油状かペースト状の組成物は、血管壁に少なくとも部分的に移送され、周囲の組織に対して数時間から数日まで保持される、活性試薬の送出のための活性試薬の貯蔵庫として役立ち、その上、血小板を溶解し、またそれから、生理的に重大な分解産物を放出することなく生物学上分解されるという好ましい性質を持っている。
【0146】
〔スプレー方法或いは折り目をスプレーする方法〕
本発明によるこの方法では、一連である複数の送出開口部が、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目のもとで押し込まれるか挿入され、また同時に、複数の送出開口部から、活性試薬-含有組成物はそれぞれの折り目へ送出される。
【0147】
送出装置は、折り目の縦方向に沿った好ましくは等距離に準備された2〜10のノズルあるいは送出開口部から好ましくは構成される。
【0148】
この送出装置はその後、カテーテルバルーンの折り目のもとに挿入され、それぞれの折り目は、活性試薬-含有組成物の同時送出によってノズルや他の送出開口部から被膜或いは充填される。
【0149】
この被膜或いは充填の変形で、送出装置は、折り目の縦方向に対してカテーテルバルーンの折り目の中で動く必要はない。通常、カテーテルバルーンと送出装置は、充填若しくは被膜の間、固定され、そこでは折り目の縦方向に沿った動作は可能である。相対運動が与えられる場合、動作に対する距離が送出装置の2つのノズル若しくは送出開口部間の距離よりも大きいことは好ましくない。
【0150】
送出装置は、10mmの距離にわたって、好ましくは均等に配置された、少なくとも2、最大10、好ましくは3〜6、特に好ましくは4〜5つの送出開口部或いはノズルなどを含み、或いは構成される。
【0151】
送出装置には、活性試薬-含有組成物を絶えず送出することのできる、または絶えず折り目へそれをスプレーすることができる同種の開口部のノズルを2〜10有する。
【0152】
この被膜若しくは充填に対し、特にアルコールの溶媒含む活性試薬或いは活性試薬の組み合わせの、中間若しくは薄い粘性の組成物若しくは溶液が使用される。
【0153】
折り目をスプレーするこの方法の中で、カテーテルバルーンは平らにされた、つまり空気を抜かれた状態である。更にカテーテルバルーンの部分的な或いは僅かなインフレーションでさえ、折り目を少し開くために通常必要ではない。しかしながら、折り目の充填は、膨張中に所望の直径の最大10%までカテーテルバルーンを僅かにインフレーションさせて行うことができる。さらに、折り目の充填は、折り目を僅かに膨張させるのに充当される、100kPa(1 bar)の陽圧、好ましくは50kPa(0.5 bar)の陽圧で、折り目の僅かな膨張を行うことができる。
【0154】
折り目を充填した後に、カテーテルバルーンは、次の折り目が被膜されるように、好ましくは上向きに、そして好ましくは水平に回転する。折り目の充填操作あるいは折り目の被膜操作がもう繰り返される。
【0155】
活性試薬-含有組成物の粘稠度によっては、次の折り目を充填するため、バルーンが回転する前に、予め充填された折り目を乾燥させることが必要となりうる。乾燥は好ましくは溶媒の蒸発によって行われる。
【0156】
さらに、この方法において、テルバルーンの2つ、2つ以上或いは全部の折り目に同時に充填し、被膜することも可能である。活性試薬-含有組成物の稠度度がそれを可能にする、すなわち、稠度度が、組成物が水平姿勢にない折り目からの漏出する液体ものでないならば。更に多くの若しくはすべての折り目の充填若しくは被膜のため、それぞれの環状の装置が折り目の数に対応して準備され、好ましくは垂直に並べられたカテーテルバルーンの周りに配置され、送出開口部は、回転によって折り目のもとに挿入される、そこでは活性試薬-含有組成物の一斉送出が行われる。
【0157】
バルーンの折り目がすべて充填されると、最終乾燥が行われる。もちろん基本的に、カテーテルバルーンの折り目をすべてそこで充填する必要はないが、折り目の全部の充填が普通であり、また膨張率中に最大の可能な量の活性試薬が可能な最小の時間で血管壁に移される好適な具体例である。
【0158】
最後の折れ目を充填後、最後の折り目、すなわち最後の折り目の含有物の乾燥が、好ましくは減圧なしの通常気圧下での溶媒の蒸発によって行われる。
【0159】
この予備乾燥の後、本発明による回転するカテーテルバルーンの最終乾燥が行われうる。必要若しくは所望の場合、回転の間、減圧を適用しうる。この特別の乾燥方法は、本発明による被膜方法の後に、より詳細に記載される。
【0160】
〔回転乾燥〕
上記被膜若しくは充填されたカテーテルバルーンは、すべての折り目が、充填或いは被膜をされないにせよ、それぞれの折り目を充填若しくは被膜した後、或いはすべての折り目若しくはそれぞれ被膜され、或いは充填された折り目の充填の被膜の後に、回転状態中に乾燥されうる。
【0161】
この回転乾燥はいくつかの長所を持つ。まずはじめに、その結果、活性試薬-含有組成物が乾燥され、そして次に、折り目の中のみならず、折り目内内側表面でも、均等に分散される。
【0162】
回転乾燥は、油状か粘性の活性試薬-含有組成物で、各折り目において組成物の均等な分散を達成するのに特に適切である。
【0163】
更には、カテーテルバルーンの回転とともに、活性試薬-含有組成物の極度の乾燥を達成するために、減圧が用いられうる。
【0164】
減圧乾燥では、特に、粘性の、高粘性の、或いは固体中を通過する溶液において、過熱状態が生じる、つまり油中や固体中に閉塞された溶解力のある残留物が、自然に放出され、被膜や充填を破くか壊す。
【0165】
同時回転のもとでの減圧乾燥では、この過熱状態は回避される。また、折り目の内側表面に乾燥した連続の被膜が得られる。
【0166】
さらに、回転の方向は決定的である。回転の方向は、折り目の内側から見て折り目開口の方向に行われる。回転の方向は図2で示される。また、カテーテルバルーンは、折り目の内側への回転力によって活性試薬-含有組成物を圧迫するため、外輪掘削機の外輪のように回転する。
【0167】
できれば、折り畳まれたカテーテルバルーンは、毎分50〜500の回転率、好ましくは毎分150〜300の回転数で回転する。
【0168】
折り目に挿入される活性試薬によって、或いはカテーテルバルーンの折り目のもとで挿入される活性試薬-含有組成物の粘稠度によって、本発明による適切な被膜法が選択されうる。
【0169】
折り目スプレー方法は、好ましくは薄い粘性或いは中間の粘性の活性試薬-含有組成物に対して適切であり、一方、ピペット方法は、好ましくは軽い粘性、中間の粘性、ややタフな粘性に適しており、また、スプレー方法は、中間の粘性、高粘性組成物の粘性で特に上手く使用することができる。
【0170】
用語「粘性」は動粘度係数[η]に関する:
【0171】
【数2】

【0172】
スプレー方法は好ましくは厚い粘性の組成とともに使用することができる。室温における好ましい粘性は、油(オリーブオイル:102mPa s)、ハチミツ(103mPa s)、グリセリン(1480mPa s)あるいはシロップ(105mPa s)のレンジである。もちろん102 mPa s以下の薄い粘稠溶液でもこの方法は機能する。
【0173】
ピペット操作方法は、好ましくは中間の粘性の組成物ともに使用されうる。室温での粘性が、0.5mPa s〜5000mPa sの範囲が好ましく、0.7mPa s〜1000m Pa sの範囲がより好ましく、更には0.9mPa s 〜200mPa sの範囲がより好ましく、1.0mPa s 〜100mPa sの範囲が特に好ましい。普通溶剤、特にアルコールで薄められた、油、造影剤及び/または塩類の組成物は、この粘度範囲内にある。ピペット操作方法は非常に広い粘度範囲内で使用しうる。
【0174】
折り目のスプレー方法は、好ましくは薄い粘性の組成物と共に使用しうる。室温での粘性が、0.1mPa s〜400mPa sの範囲が好ましく、0.2mPa s〜100m Pa sの範囲がより好ましく、0.3mPa s〜50mPa sの範囲が特に好ましい(水:1.0 mPa s;石油:0.65 mPa s;ペンタン:0.22 mPa s;ヘキサン:0.32 mPa s;ヘプタン:0.41 mPa s;オクタン:0.54 mPa s;ノナン:0.71 mPa s;クロロホルム:0.56 mPa s;エタノール1.2 mPa s;プロパノール2.3 mPa s;イソプロパノール:2.43 mPa s;イソブタノール:3.95 mPa s;イソトリデカノール:42mPa s)。
【0175】
さらに、驚くべきことに、少なくとも造影剤、少なくとも抗増殖性、抗炎症性、消炎性、細胞増殖抑制性、細胞傷害性、抗脈管原性、抗再狭窄の、若しくは血栓阻害の活性試薬及び少なくとも溶媒としてのアルコールの組成物が、カテーテルバルーンの折り目の充填、或いは被膜に好適であることが分かった。
【0176】
意図的に、高分子は活性試薬の担体として使用しない、というのは本発明による被膜法によってカテーテルバルーンの折り目へ挿入することが困難だからであり、折り目は部分的に引っ掛かり、折り畳まれたカテーテルバルーンの膨張率中に、折り目の不均一な開口と不均一な活性試薬の送出が生じる。
【0177】
折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目を充填する注射器方法では、好ましくは精密ノズル若しくはカニューレが折り目のもとに押し進められ、挿入される混合物は折り目へ注射される。好ましくは、そこでノズル若しくはカニューレが折り目に沿って移動され、或いは固定ノズル若しくはカニューレを用いて、折り畳まれたカテーテルバルーンが、折り目の縦方向で移動される。この方法は、折り畳まれたカテーテルバルーン全体のそれぞれの折り目について、非常に精密かつ正確な被膜を可能にする。最終的に使用された溶媒は蒸発させるか、或いは減圧下で除去される。
【0178】
挿入される混合物或いは溶液が、折り目へ流れうるほどの粘稠度を有する場合、折り畳まれたカテーテルバルーンの下端で注射器若しくはノズルが、折り目開口において配置されることができ、混合物が折り目の中に独立して流れ込み、全体を充填するように、折り畳まれたカテーテルバルーンは1つの折り目の上方へ、水平或いは好ましくは5〜25度傾けられて配置される。
【0179】
水はバルーンの材料と反応せず、バルーンを破損しないので、高い塩分濃度を持つこれらの食塩水では、好ましくは水が溶媒として使用され、混合物が、折り目からもはや漏らない粘稠度を有するとすぐに、折り重ねられたカテーテルバルーンは回転し、通常4〜6つであるすべてのバルーンの折り目が充填されるまで、次の折り目が充填される。折り重ねられたカテーテルバルーンは、平らにされた状態で被膜されるのが好ましく、そこでは折り重ねられたカテーテルバルーンの特別の具体例では、拡張状態でも被膜されうる。
【0180】
そのような被膜方法は次のステップを含む:
a) 折り畳まれたカテーテルバルーンの準備、
b) 水平あるいは25度以内傾けた位置でのバルーンの1つの折り目の配置、
c) バルーンのヘッドエンドに面する折り目開口部での注射器開口部のセット、
d) 折り目の縦方向において、注射器通路と折り畳まれたカテーテルバルーンとの相対運動の実行、
e) 運動操作の間での、適切な溶媒中での活性試薬、塩類、及び/またはイオン造影剤の混合物で折り目の充填、
f) 必要な場合、折り目からの混合物の漏出を防ぐ程度までの折り目の中に存在する混合物の乾燥、
g) (360度)÷(折り目の数)のバルーンの回転、
h) 折り目が全部充填されるまでのb)〜g)ステップの繰り返し、そして
i) 混合物が硬化するまで折り目の中の混合物の乾燥。
【0181】
薄い液状混合物が使用される場合は、ステップc)において注射器通路はフットエンドにセットされる。また、ステップd)の相対運動なしに、折り目は毛細管力により事実上充填される。
【0182】
本発明は、短時間膨張による、狭い血管流路、特に心血管系の血管の開口方法にも関する。この方法では最大50秒間、好ましくは最大40秒間、更に好ましくは最大30秒間、特に好ましくは最大20秒間に、ステントなしのカテーテルバルーンが膨張し、スタート時の直径に対し1.5倍以下の直径に再び圧縮され、この操作中に、血管は、狭くない状態で、直径の最大10%余分に膨張されるだけであり、そしてバルーン表面のmm2につき、含まれる活性試薬の少なくとも20%が運ばれ、そのほとんどが血管壁に移される。
【0183】
そこで、活性試薬の移送は、好ましくは純粋な形では生じず、少なくとも膨張後1時間以内に活性試薬の貯蔵庫のように機能し、溶解され或いは分解される前に血管壁に追加の活性試薬を届けるマトリックスである。
【0184】
したがって、この方法は、可能なだけ短時間に、狭くなった血管部位の血管壁に、可能なだけ大量の活性試薬が局地的、選択的に移送され、続く30〜60分以内に、局地的な活性試薬の貯蔵庫が保証され、その後溶解若しくは分解される点で特徴づけられる。
【0185】
この方法については、パクリタキセルとパクリタキセル誘導体、その他ラパマイシンで特に好適であることが実証された。
【0186】
本発明による別の方法は油状の重合性物質によるカテーテルバルーンの被膜に関する。この方法はステップを含む:
a) カテーテルバルーン(折り畳んでいないカテーテルバルーン)の準備、
b) 少なくとも50%重量が1つの多重結合を具備する油状の物質からなり、少なくとも活性試薬を包含する混合物の準備、
c) カテーテルバルーンの表面上への油状物質の付着を事実上防ぐカテーテルバルーン表面への潤滑剤の適用、
d) カテーテルバルーン上の潤滑油或いは潤滑剤層上での油性混合物の適用、
e) 被膜ステップd)の間の、カテーテルバルーンの回転、
f) 光、酸素あるいはラジカル開始剤による、硬くなるまでではなく、弾性のある重合体層への重合の開始、
g) ステップd) からf)の最終的な繰り返し。
【0187】
ここに示された方法によれば、カテーテルバルーンは選択的に折り目の内側に被膜若しくは充填することができ、本発明は、ここで述べられた方法によって得ることができる、折り目において被膜或いは充填されたカテーテルバルーンに関する。
【0188】
使用されたカテーテルバルーンは、折り目の中で膨張状態になく、接近できる内部空間を形成し、そこに包含されている物質を防御する。折り畳まれたカテーテルバルーンの可能な形は、例えば特許文献6、特許文献5或いは特許文献4に述べられている。
【0189】
折り畳まれたカテーテルバルーンを使用することは最先端技術であり、かつそのようなバルーンの折り目に薬理学的な活性試薬を挿入することも最先端技術である。しかしながら、折り目の選択的、排他的、かつ完全な充填の方法は知られていない。引用文献に述べられていた方法は、膨張状態中のバルーンを被膜しており、折り目の収縮を伴った一定量の活性試薬を挿入する。そこでは折り目にないカテーテルバルーンの残余の表面も被膜される。
【0190】
本発明による方法は、拡張していない、つまり、折り畳まれた状態のカテーテルバルーンの折り目を選択的に充填し、或いは被膜する。本発明によって被膜され、或いは充填されたカテーテルバルーンは、心血管のフィールドで好適に提供されるが、尿路、食道、気管、胆道、腎臓管、小腸、大腸のようなすべての管腔構造の開口部、及び特に、脳、十二指腸及び幽門を含む全身の内の血管の開口部に使用することができる。
【0191】
ゆえに、被膜された、若しくは充填されたカテーテルバルーンは、狭窄、再狭窄、動脈硬化症、アテローム硬化症及び流路若しくは開口部の血管閉塞若しくは血管狭窄の他のすべての形態を予防し、軽減し、或いは治療するのに特にふさわしい。
【0192】
さらに、本発明による被膜されたカテーテルバルーンは、インステント再狭窄の治療、すなわち、既に埋め込まれたむしろ生体再吸収可能でないステント内側の、更新される血管狭窄の治療に対して特に適している。第2のステントでは、血管は不満足な程度しか拡張できないのが通常であるので、同種のインステント再狭窄では、既存のステント内側への別のステントの挿入が特に問題となる。ここで、バルーン膨張による活性試薬の適用は、治療の理想的な可能性を提示し、必要ならばこの治療を数回繰り返すことができるとともに、治療面から、ステントの新しい挿入と同じ、或いは明らかによりよい結果を達成することができる。
【0193】
さらに、本発明によって被膜された、若しくは充填されたカテーテルバルーンは、小血管、好ましくは微小血管の治療に特に適している。血管径2.2mm未満好ましくは、2.5mm未満の血管は、小血管と呼ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】膨張状態にない4つの折り目を持つ折り畳まれたカテーテルバルーンを示す。ここで折り目は、造影剤、活性試薬及び溶媒の組成物を備えたスプレーノズルによって充填されている。
【図2】膨張状態にない4つすべての折り目を完全に充填した折り畳まれたカテーテルバルーンを示す。ここで、折り目の内の組成物は、折り畳まれたカテーテルバルーンの回転の間に、すなわち溶媒が除去される間に、乾燥される。
【実施例】
【0195】
(実施例1)
4つの折り目を持つ普通の折り畳まれたカテーテルバルーンが、折り畳まれた状態で、スプレーノズルの方法によって、イオプロミド(商標UltravistRという溶液で市販による入手可能)、パクリタキセル、グリセリン及びエタノールの組成物で充填される。
【0196】
組成物は、イオプロミド0.150g、パクリタキセル0.300g、グリセリン0.220g及びエタノール1.130gを含む。
【0197】
各折り目の中に、約621μg〜174μgの組成物を挿入する。
【0198】
全部の折り目へ充填した後に、折り畳まれたカテーテルバルーンは、折り目開口の方向に1分間回転し、一晩乾燥される。
【0199】
合計で696μg〜2484μgの乾燥した組成物が、4つの折り目に分配されて挿入された。
【0200】
(実施例2)
KMnO 4約10mg が500μlの水に溶解され、可能な限り多くのPVPが加えられる。塊はポリプロピレン基材上に分散され、室温で一晩乾燥させる。
【0201】
この脆い塊から4.5mgが、クロロホルム0.5ml、メタノール0.6ml或いはDMSO0.8mlで溶解される。非溶解粒子が濾別されうる。この溶液にパクリタキセル100μgが加えられ、あまに油12.0μgの追加の後、得られる溶液は、上記折り目スプレー方法にて、折り目の中に互いに等しく2mmの距離を持つ4つの一連のノズルによってスプレーされる。
【0202】
水平状態で最初の折り目を被膜した後に、被膜は減圧なしで乾燥され、4つ折り目を含むバルーンは、約90°回転され、上方の次の折り目を被膜する。
【0203】
被膜後、すべての折り目の減圧乾燥が、カテーテルバルーンの回転のもと、上記回転乾燥方法に従って行われる。
【0204】
(実施例3)
パクリタキセル(250mg)若しくはラパマイシン(250mg)、或いはパクリタキセル(150mg)とラパマイシン(150mg)の組み合わせが、約5体積%のエタノール比率を持ち、pH値4〜5である水性媒体中に溶解され、或いは懸濁され、その後、重量比50:50のホスファチジルセリンとホスファチジルコリンとの溶液を混合させる。
【0205】
活性試薬或いは活性試薬の組み合わせが小胞に包含されている、リポソーム製剤が形成される。
【0206】
水溶液からのリポソームの抽出は限外濾過によって行わるが、リポソームの抽出は必須ではない。
【0207】
抽出されたリポソームあるいはリポソームの水溶液は、キャビティーへ充填され、上記ピペット操作方法によって折り目に充填される。そこでは角度約40°の毛細管が、折り目の遠心端でセットされる。カテーテルバルーンは水平に配置し、被膜された折り目は上方で横たえる。毛細管力によって、組成物は約48秒以内に折り目の中に自身を延伸する。組成物が折り目の近位端に到着する前に、毛細管が取り除かれ、毛細管のセット位置に存在する組成物も、折り目の中に延伸される。
【0208】
その後、被膜したカテーテルバルーンは、空気で乾燥され、次に、上記回転乾燥方法によって最終的に乾燥される。
【0209】
(実施例4)
トラピジル400mgをサフラワー油1mlと混合し、上記の注射器方法によって折り畳まれたカテーテルバルーンの4つの折り目に同時に挿入される。
【0210】
送出装置の送出開口部はそれぞれの折り目の遠心端にセットされ、油状のトラピジル溶液の連続的流れが折り目へ送出されている間に、近位端の方向に毎分1cmの割合で折り目の中を移動される。
【0211】
被膜あるいは充填した折り目の乾燥は必要ではない。折り目はそれぞれ約1.5mgの油状のトラピジル組成で充填された。
【0212】
(実施例5)
ラパマイシン300mgが酢酸エステル1ml中で溶解され、EPA(5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸) 200mgと混合される。エタノールを加えることによって粘性を調節すると、スプレー可能な混合物が得られる。
【0213】
上記折り目スプレー方法によって、折り畳まれたカテーテルバルーンの6つの折り目はすべて同時に被膜される。スプレー装置は、それぞれ3つのスプレーノズルの合計6列の配置で構成される。それぞれ3つのスプレーノズルの列が、回転フレームに支持され、折り畳まれたカテーテルバルーンのそれぞれの折り目に個々に挿入することができる。
【0214】
スプレーノズルの列が適切に配置されれば、活性試薬-含有組成物が各ノズルからそれぞれの折り目のもとに送出される。
【0215】
カテーテルバルーンは好ましくは垂直の姿勢にあり、スプレー列の3つのノズルは、お互い3mmの距離を持つ。
【0216】
折り目の被膜の後、被膜された折り目の合間にも行えることは、常圧、常温で乾燥させることであり、また必要ならば、常圧下温度50℃〜70℃でさらに乾燥させることができる。
【0217】
折り畳まれたカテーテルバルーンは、合計76mgの固体で折り目を被膜された。
【0218】
(実施例6)
エタノール、n-ブタノール及びエチレングリコールの、体積比50:25:25の混合物中のパクリタキセルの250μgの溶液が準備され、この溶液200μgに、ビタミンAが加えられる。
【0219】
その後、この組成物は、合計4つのカニューレを持つ送出装置へ充填される。これらの4つのカニューレの各々は、約30°の鋭角で折り畳まれたカテーテルバルーンの4つの折り目のうちの1つでセットされ、4つの折り目は、上記ピペット操作方法によって同時に充填される。
【0220】
充填後、カテーテルバルーンがゆっくり回転し、同時に減圧が用いられる。回転率が減圧の増加とともに、1,200回転まで短時間で増加し、折り目の含有物が上記回転乾燥方法によって乾かされる。
【0221】
(実施例7)
ボラージオイル若しくはあまに油とパクリタキセルとが、重量比80:20で互いに混合し、クロロホルムまたはDMSO中の1:1の混合比の中に溶解することで、粘性の組成物を得る。
【0222】
この組成物は、上記注射器方法によって、合計の5つの折り目を持つ折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目に充填される。その結果、カテーテルバルーンを固定して回転することで、送出装置の針が折り目の中に充填のために挿入されうる。針は、、カテーテルバルーンの近位端において、折り目の中へおよそ中央まで挿入され、約50秒の間に、針は、折り目の縦方向で連続的に移動され、一方、粘性の活性試薬-含有組成物の連続的流れは、折り目へ送出される。
【0223】
1つの折り目あたりの組成物の平均被膜質量は、折り目のデザインに依存して0.4〜2.8mgである。現在のケースでは、折り目1つあたりの組成物の平均被膜質量は、乾燥状態で約0.8mgである。
【0224】
5つの折り目をすべて充填した後、カテーテルバルーンは上記回転乾燥方法の使用のもとで乾燥される。
【0225】
折り畳まれたカテーテルバルーンは合計約4.0mgの乾燥組成物で充填され、或いは被膜される。
【0226】
(実施例8)
パクリタキセル500μgが、無水エタノール1ml及び酢酸0.4ml中に溶解され、上記ピペット操作方法によってカテーテルバルーンの折り目に充填される。
【0227】
引き続く乾燥は、上記回転乾燥方法による溶媒の蒸発の後に行われる。
【0228】
被膜後、乾燥した約10μgのパクリタキセルが各折り目の中に存在する。
【0229】
(実施例9)
パクリタキセル200μgが、エタノール0.5ml、DMSO0.5ml及び酢酸0.1mlの中で溶解される。さらにエタノール-水中の酢酸カリウムの溶液350μgが、体積比90:10で準備される。酢酸カリウム溶液がパクリタキセル溶液に加えられ、最初の成分が沈殿し始めるか、或いは組成が曇り始め、若しくは中間の粘性の組成が得られるまで、溶媒が蒸発することができる。
【0230】
この組成物は上記注射器方法或いは上記ピペット操作方法によってカテーテルバルーンの折り目に挿入される。本発明によれば、折り目は、個々に若しくは一連で充填することができ、或いはいっしょに同時に充填することもできる。溶媒の蒸発の後、最終乾燥は上記回転乾燥方法によって行われる。
【0231】
(実施例10a)
ラパマイシン25mg及びイオパミドール500μgが、エタノール1ml中に溶解される。
【0232】
この溶液は上記折り目スプレー方法によってカテーテルバルーンの現在の形で折り目へ挿入することができる。そこでは折り目は、上記のように個々にあるいは同時に被膜することができる。
【0233】
乾燥は、上記載回転乾燥方法によって好適に行われる。
【0234】
(実施例10b)
実施例10aからの溶液はプロピレングリコール及び/またはグリセリンを加えることにより、103〜104mPa・sの粘性に調節される。
【0235】
そのように得られた組成物は、上記ピペット操作方法によって折り目に挿入され、そこでは、折り目が、互いそれぞれの後に、或いはいっしょに同時に充填することができる。
【0236】
最終乾燥は、上記回転乾燥方法によって好適に行われる。
【0237】
(実施例10c)
実施例10a或いは実施例10bからの溶液は、あまに油、亜麻オイル、麻実油、トウモロコシ油、くるみ油、菜種油、大豆オイル、太陽花精油、けし油、サフラワー油、小麦麦芽オイル、ブドウ種子油、月見草油、ボラージオイル、ブラッククミン・オイルからなる群から選ばれた油を加えて、10 4mPa・s以上の粘性に調節される。
【0238】
そのように得られた組成物は、上記スプレー方法によってカテーテルバルーンの折り目に挿入される。そこでは、折り目が、互いそれぞれの後に、或いはいっしょに同時に充填することができる。
【0239】
必要であれば、最終乾燥は、上記回転乾燥方法によって好適に行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれたカテーテルバルーンを被膜するための、少なくとも造影剤と、少なくとも1の抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬と、少なくとも被膜の溶媒としてのアルコールとを含む組成物の使用。
【請求項2】
折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の被膜或いは充填の方法であって、下記の方法:
a) 活性試薬-含有組成物が、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の遠位端或いは近位端に送出され、折り目は毛細管力により充填される;或いは
b) 活性試薬-含有組成物の連続的流れを送出する注射器が、折り畳まれたカテーテルバルーンに対し、折り目に沿って移動される;或いは
c) 複数の一連の送出開口部が、折り畳まれたバルーンの折り目のもとに押し出され、活性試薬-含有組成物が、複数の折り目への送出開口部から同時に送出される。
【請求項3】
下記工程を含む、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目の被膜或いは充填の方法:
a) 少なくとも造影剤と、少なくとも1の抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬と、少なくとも被膜の溶媒としてのアルコールとを含む組成物を準備すること;
b) 少なくとも造影剤と、少なくとも1の抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬と、少なくとも被膜の溶媒としてのアルコールとを含む前記組成物を注射器装置による方法で、折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目へ選択的に挿入すること;
c) 少なくとも造影剤と、少なくとも1の抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬と、少なくとも被膜の溶媒としてのアルコールとを含む前記組成物を、蒸発または減圧下で前記溶媒を除去することで乾燥すること。
【請求項4】
前記折り畳まれたカテーテルバルーンが、平らにされているか、空気を抜かれた状態か、或いは最大10%まで膨張させた状態で、被膜或いは充填される、請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
2以上或いはすべての前記折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目が、同時に被膜或いは充填される、請求項2〜4いずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目だけが選択的に被膜或いは充填され、折り目外側の折り畳まれたカテーテルバルーンの表面は被膜されない、請求項2〜5いずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記折り畳まれたカテーテルバルーンの1つ以上の折り目が、充填または被膜された後、折り目開口の方向に回転する、請求項2〜6いずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記折り畳まれたカテーテルバルーンの折り目に挿入される注射器装置として注射器ノズルが使用され、少なくとも造影剤と、少なくとも1の抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬と、少なくとも被膜の溶媒としてのアルコールとを含む前記組成物の圧力のもと、前記折り目が充填される、請求項3記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール及び1,2,3,4-ブタンテトラオールを含む群から選ばれるアルコールを少なくとも含む、請求項2〜8いずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、X線造影剤、ヨウ素含有造影剤、1,3,5-トリヨードベンゼン核を有する造影剤、低浸透性を持つ腎向性のX線造影剤、アミドトリゾ酸、イオタラム酸、イオトロラン、イオパミドール、ヨードキサム酸、ジアトリゾ酸、イオメプロール、イオプロミド、デスメトキシアセチルイオプロミド(DAMI)及び5-アミノ-2,4,6-トリヨードフタル酸-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-アミド(ATH)を含む群から選ばれる造影剤を少なくとも含む、請求項2〜8いずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、あまに油、亜麻オイル、麻実油、トウモロコシ油、くるみ油、菜種油、大豆オイル、太陽花精油、けし油、サフラワー油、小麦麦芽オイル、ブドウ種子油、月見草油、ボラージオイル、ブラッククミン・オイル、アルジー・オイル、魚油、たら肝油、タリリン酸、ジメニック・アシッド(ximeninic acid)、ステアロイル酸、6,9-オクタデセン酸、ピルリック・アシッド(pyrulinic acid)、クレペン酸(crepenynic acid)、ハイステリック・アシッド(heisterinic acid)、ETYA、リノール酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、EPA、DPA、DHA、メアディック・アシッド(meadic acid)、ステラヘプタン酸、タキソリック・アシッド(taxolic acid)、ピノレン酸、シアドン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンド酸、エルカ酸、ネルボン酸、エライジン酸、t-バクセン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、6,8-ジチアンオクタン酸、γ-リノレン酸及びα-リポ酸を含む群から選ばれる油及び/または脂肪酸を少なくとも含む、請求項2〜8いずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1の抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬が、アブシキシマブ、アセメタシン、アセチルビスミオンB(acetylvismione B)、アクラルビシン、アデメチオニン、アドリアマイシン、アエスシン(aescin)、アフロモソン(afromoson)、アカゲリン(akagerine)、アルデスロイキン、アミドロン(amidorone)、アミノグルテセミド(aminoglutethemide)、アムサクリン、アナキンラ、アナストロゾール、アネモニン、アポプテリン(anopterine)、抗真菌剤、抗血栓剤、アポシマリン(apocymarin)、アルガトロバン、アリストラクタム-AIIアリストロキン酸、アスコマイシン、アスパラギナーゼ、アスピリン、アトルバスタチン、オーラノフィン、アザチオプリン、アジスロマイシン、バッカチン、バフィロマイシン、バシリキシマブ、ベンダムスチン、ベンゾカイン、ベルベリン、ベツリン、ベツリン酸、ビロボール、ピオリムス(biolimus)、ビスパルセノリジン(bisparthenolidine)、ブレオマイシン、ボムブレスタチン、ボスウェル酸及びその誘導体、ブルセアノレスA、B及びC(bruceanoles A, B and C)、ブリオフィリンA(bryophyllin A)、ブスルファン、抗トロンビン、ビバリルジン、カドヘリン、カンプトテシン、カペシタビン、o-カルバモイル-フェノキシ-酢酸、カルボプラチン、カルマスティン、セレコクシブ、セファランチン、セリバスタチン、CETP阻害剤、クロラムブチル、リン酸クロロキン、シノコクリン、シプロフロキサシン、シスプラチン、クラドリビン、クラリスロマイシン、コルヒチン、コンカナマイシン、クマジン、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、クドライソフラボンA(cudraisoflavone A)、クルクミン、シクロホスファミド、シクロスポリンA、シタラビン、ダカルバジン、ダシリツマブ(daclizumab)、ダクチノマイシン、ダプソン、ダウノルビシン、ジクロフェナク、1,11-ジメトキシカンチン-6-オン、ドセタセル、アドリアマイシン、ダウノマイシン、エピルビシン、エポチロンA及びB、エリスロマイシン、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、フィルグラスチム、フルロブラスチン、フルバスタチン、フルダラビン、フルダラビン-5'-リン酸二水素、フルオロウラシル、ホリマイシン、ホスフェストロール、ゲムシタビン、グハラキノシド(ghalakinoside)、ギンコール、ギンコール酸、グリコシド1a、4-ヒドロキシオキシシクロフォスファミド、イダルビシン、イホスファミド、ジョサマイシン、ラパコール、ロムスチン、ロバスタチン、メルファラン、ミデカマイシン、ミトキサントロン、ニムスチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、プロカルバジン、マイトマイシン、メトトレキセート、メルカプトプリン、チオグアニン、オキサリプラチン、イリノテカン、ノギテカン、ヒドロキシカルバミド、ミルテホシン、ペントスタチン、ペグアスパラガーゼ、エキセメスタン、レトロゾール、フォルスメタン、SMC増殖阻害剤-2ω、ミコフェノール酸モフェチル、c-mycアンチセンス、b-mycアンチセンス、β-ラパコン、ポドフィロトキシン、ポドフィル、2-エチルヒドラジド、モルグラモスチム(rhuGM-CSF)、ペグインターフェロンα-2b、レノグラスチム(r-HuG-CSF)、マクロゴール、セレクチン(サイトカイン遮断薬)、サイトカイニン阻害剤、COX-2阻害剤、NFkB、アンジオペプチン、筋細胞増殖を抑制するモノクローナル抗体、bFGF拮抗薬、プロブコール、プロスタグランジン、1-ヒドロキシ-11-メトキシカンチン-6-オン、スコポレチン、NOドナー、四硝酸ペンタエリスリトール、シドノンイミン類、S-ニトロソ基誘導体、タモキシフェン、スタウロスポリン、β-エストラジオール、α-エストラジオール、エストリオール、エストロン、エチニルエストラジオール、メドロキシプロゲステロン、エストラジオール・シピオン酸、安息香酸エストラジオール、トラニラスト、カメバコーリン(kamebakaurin)及び癌の治療で用いられるその他のテルペノイド、ベラパミル、チロシンキナーゼ阻害剤(チロフォスチン)、パクリタキセル、パクリタキセルの誘導体及び類似体、6-α-ヒドロキシ-パクリタキセル、2'-スクシニルパクリタキセル、2'-スクシニルパクリタキセルトリエタノールアミン、2'-グルタリルパクリタキセル、2'-グルタリルパクリタキセルトリエタノールアミン、N-(ジメチルアミノエチル)グルタムイドを具備するパクリタキセルの2'-Oエステル、N-(ジメチルアミノエチル)グルタミド塩酸を具備するパクリタキセルの2'-Oエステル、タキソテール、亜酸化炭素(MCS)の大環状のオリゴマー、モフェブタゾン、ロナゾラク、リドカイン、ケトプロフェン、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、ペニシラミン、水酸化クロロキン、金チオリンゴ酸ナトリウム、オキサセプロール、β-シトステリン、ミルテカイン、ポリドカノール、ノニバミド、レボメントール、エリプチシン、D-24851(Calbiochem社)、コルセミド、サイトカラシンA-E、インダノシン、ノカダゾール、S 100タンパク質バシトラシン、ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、アゼラスチン、金属プロテイナーゼ-1及び-2のグアニジル基シクラーゼ刺激組織細胞阻害剤、遊離核酸、ウィルス伝達物質に組み込まれた核酸、DNA及びRNAフラグメント、プラスミノゲン・アクチベータ・インヒビター-1、プラスミノゲン・アクチベータ・インヒビター-2、アンチセンス・オリゴヌクレオチド、VEGF阻害剤、IGF-1、抗生物質、セファドロキシル、セファゾリン、セファクロル、セフォキシチン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、ジクロキサシリン、オキサシリン、スルホンアミド、メトロニダゾール、エノキサパリン、脱硫酸化され、N-再アセチル化されたヘパリン、組織プラスミノーゲン活性化因子、GpIIb/IIIa血小板膜レセプター、Xa因子阻害抗体、ヘパリン、ヒルジン、r-ヒルジン、PPACK、プロタミン、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ワルファリン、ウロキナーゼ、血管拡張剤、ジピリダモール、トラピジル、ニトロプルシド、PDGF拮抗剤、トリアゾロピリミジン、セラミン、ACE阻害薬、カプトプリル、シラザプリル、リシノプリル、エナラプリル、ロサルタン、チオプロテアーゼ・インヒビター、プロスタシクリン、バピプロスト、インターフェロンα、β及びγ、ヒスタミン拮抗剤、セロトニン阻害剤、アポトーシス阻害剤、アポトーシス調節剤、p65、NF-kB、Bcl-xLアンチセンス・オリゴヌクレオチド、ハロフジノン、ニフェジピン、トコフェロール、トラニラスト、モルシドミン、茶ポリフェノール、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、レフルノミド、エタネルセプト、スルファサラジン、エトポシド、ジクロキサシリン、テトラサイクリン、トリアムシノロン、マイトマイシン、プロカインイミド、レチノイン酸、キニジン、ジソピラミド、フレカイニド、プロパフェノン、ソタロール、天然または合成で得られるステロイド、イノトジオール、マキロシドA(maquiroside A)、グハラキノシド(ghalakinoside)、マンソニン(mansonine)、ステブロシド(strebloside)、ヒドロコルチゾン、ベータメタゾン、デクサメタゾーン、非ステロイド性物質(NSAIDS)、フェノプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、フェニルブタゾン、抗ウィルス物質、アイクロビル(ayclovir)、ガンシクロビル、ジドブジン、クロトリマゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、テルビナフィン、抗原生動物薬、クロロキン、メフロキン、キニーネ、天然のテルペノイド、ヒッポカエスクリン(hippocaesculin)、バリントゲノール-C21-アンゲレート(barringtogenol-C21-angelat)、14-デヒロドアグロスチスタチン(14-dehydroagrostistachin)、アグロスケリン(agroskerin)、アガロスチスタチン(agrostistachin)、17−ヒドロキシアグロスチスタチン(17-hydroxyagrostistachin)、オヴァトジオライド(ovatodiolids)、4,7-オキシシクロアニソメリック・アシッド(4,7-oxycycloanisomel acid) 、バッカリノイドB1, B2, B3 及び B7(baccharinoids B1, B2, B3 and B7)、ツベイモシド, ブルセアンチノシドC(bruceantinoside C)、ヤダンジオシドN及びP(yadanziosides N and P)、イソデオキシエレファントピン(isodeoxyelephantopin)、トメンファントピンA及びB(tomenphantopin A and B)、コロナリンA,B,C及びD(coronarin A, B, C and D)、ウルソル酸、ヒプタチック酸A(hyptatic acid A)、イソ−イリドジャーマナル(iso-iridogermanal)、メイテンフォリオル(maytenfoliol)、エフサンチンA(effusantin A)、エキシサニンA及びB(excisanin A and B)、ロンギカウリンB(longikaurin B)、スカルポネアチンC(sculponeatin C)、カメバウニン(kamebaunin)、ロイカメニンA及びB(leukamenin A and B)、13,18-デヒドロ-6-α-シネシオイルオキシシャパリン(13,18-dehydro-6-alpha-senecioyloxychaparrin)、タクサマイリンA及びB(taxamairin A and B)、レジェニロール(regenilol)、トリプトライド、シマリン、ヒドロキシアノプテリン(hydroxyanopterin)、プロトアネモニン、チェリブリン・クロライド(cheliburin chloride)、シノコクリンA及びB(sinococuline A and B)、ジヒドロニチジン、塩化ニチジン、12-ベータ-ヒドロキシプレグナジエン-3,20-ジオン、ヘレナリン、インジシン、インジシン-N-酸化物、ラシオカルピン、イノトジオール、ポドフィロトキシン、ジャスチシジンA及びB(justicidin A and B)、ラレアチン(larreatin)、マロテリン(malloterin)、マロトクロマノール(mallotochromanol)、イソブチリルマロトクロマノール(isobutyrylmallotochromanol)、マキロシドA(maquiroside A)、マーチャンチンA(marchantin A)、メイタンシン(maytansin)、リコリジシン(lycoridicin)、マルゲチン(margetine)、パンクラチスタチン、リリオデニン、ビスパーセノリジン(bisparthenolidine)、オクソウシンスニン(oxoushinsunine)、ペリプロコシドA(periplocoside A)、ウルソール酸、デオキシソロスパミン(deoxypsorospermin)、サイコルビン(psycorubin)、リシンA、サンギナリン、manwuホウィート・アシッド(manwu wheat acid)、メチルソルビフォリン(methylsorbifolin)、スファセリアクロメン(sphatheliachromen)、スチゾフィリン(stizophyllin)、マンソニン(mansonine)、ストレブロシド(strebloside)、ジヒロドウサムバレンシン(dihydrousambaraensine)、ヒドロキシウサムバリン(hydroxyusambarine)、ストリクノペンタミン(strychnopentamine)、(strychnophylline)、ウサムバリン(usambarine)、ウサムバレンシン(usambarensine)、リリオデニン、オクソウシンスニン(oxoushinsunine)、ダフノレチン(daphnoretin)、ラリシレジノール、メトキシラリシレジノール、シリンガレジノール、シロリムス、ラパマイシン、ソマトスタチン、タクロリムス、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、シンバスタチン、ロスバスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、テニポシド、ビノレルビン、トロホスアミド、トレオサルファン、テモゾロマイド、チオテパ、トレチノイン、スピラマイシン、ウンベリフェロン、デスアセチルビスミオンA(desacetylvismione A)、ビスミオンA及びB(vismione A and B)及びゼオリンを含む群から選ばれる、
請求項2〜11いずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1の抗増殖性、抗炎症性、消炎剤、細胞増殖抑止剤、細胞毒素、抗脈管原性、抗再狭窄または血栓阻害の活性試薬が、パクリタキセル、パクリタキセルの誘導体及び類似体、6-α-ヒドロキシ-パクリタキセル、2'-スクシニルパクリタキセル、2'-サクシニルパクリタキセルトリエタノール-アミン、2'-グルタリルパクリタキセル、2'-グルタリルパクリタキセルトリエタノールアミン、N-(ジメチルアミノエチル)グルタムイドを具備するパクリタキセルの2'-Oエステル、N-(ジメチルアミノエチル)グルタムイドヒドロクロリドを具備するパクリタキセルの2'-Oエステル及びタキソテールを含む群から選ばれる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項2〜13のいずれかに記載の方法で得られる、折り目の中が充填された折り畳まれたカテーテルバルーン。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−166038(P2012−166038A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93864(P2012−93864)
【出願日】平成24年4月17日(2012.4.17)
【分割の表示】特願2008−553610(P2008−553610)の分割
【原出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(508240177)ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲー (4)
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AG
【住所又は居所原語表記】Carl−Braun−Str. 1, 34212 Melsungen, Germany
【Fターム(参考)】