説明

折り畳み式キャンプ用コンロ

【課題】折り畳み式キャンプ用コンロにおいて、器具の収納または、搬送中に保護することが出来る様にする。
【解決手段】折り畳み式キャンプ用コンロ20は、二つ折り(クラムシェル24,26)の形状をとり、2つのクラムシェルが外方に折り広げられると、少なくとも2つの調理面が現れるようになっている。それぞれのクラムシェルは、別個の回転軸を中心に回転する。クラムシェルの燃料トレイン28,30は、回転軸に配置される。レギュレータとマニホルドの組立体が、容器からコンロにガスを供給するために備えられる。マニホルドは、レギュレータから送られたガスを分配し、コンロの両サイドにそれぞれ導く。それぞれのクラムシェルは、調理グレイトを有する。調理グレイトは、平面視で対称であるが、互いにわずかにオフセットされているので、調理グレイトが互いに入れ子状となるように、クラムシェルを相互に内方に折り畳むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロ、より詳細には、ポータブルコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、2004年6月4日に出願された米国仮出願第60/577,418号の利益を享受し、その内容は、参照により本明細書に含められる。
【0003】
ポータブルコンロは、特に、キャンプやピクニックで使用される、周知の調理器具である。ポータブルコンロは、一般的に、プロパンガスのような可燃性ガスによって作動する。典型的なポータブルコンロは、コンロフレーム、フレームに配された一つ以上のバーナ組立体、および、制御バルブを介して該バーナ組立体に連結された、ガスキャニスタなどのガス供給源を備える。バックパッキングに便利な、より小型のものでは、ガスキャニスタの大きさとあまり変らないが、グループでのキャンプ用に設計された大型のものでは、大きなブリーフケースのサイズとなる場合がある。
【0004】
大型のポータブルコンロは、典型的には、ピクニックテーブル上に置かれ、硬い面を持ったスーツケースの場合と同様な方法で、開閉するように設計されている。スーツケースと同様に、長くて狭いフロントパネルの中間部に、該ポータブルコンロを閉鎖位置にある状態で運搬するためのハンドルが設けられている。
【0005】
これらの大型のスーツケーススタイルのポータブルコンロは、その用途に対しては良好に機能するが、使用に際していくつかの制限がある。一般的に、スーツケーススタイルのポータブルコンロでは、それを置くための別個のテーブルが必要であり、かつ、このテーブルに、該コンロを水平ないしはほぼ水平に置く必要がある。さらに、スーツケーススタイルのポータブルコンロは、ボックス状に折り畳まれるが、移動や収納に際して、いまだ幾分かさばる。しばしば、ガス管のアタッチメントや制御ノブのように、ボックス形態から延出している物があり、収納および/または搬送中に保護する必要があるため、装置の取扱いに注意を払う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許番号第2784987号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下、本発明の基本的な理解を図るため、本発明のいくつかの実施形態の簡単な概要を提示する。この概要は、本発明の外延を示すものではない。また、この概要は、本発明の重要な要素を特定したり、あるいは、本発明の範囲を明確にする意図を有するものではない。その唯一の目的は、後で示される、より詳細な記述に対する導入部として、単純化された形態で、本発明のいくつかの実施形態を示すことである。
【0008】
折り畳み式キャンプ用コンロが提供される。一実施形態では、この折り畳み式キャンプ用コンロは、二つ折り(クラムシェル)の形状に形成され、少なくとも二つの調理面を露出させるために、外側に折り広げられる二つのクラムシェルを有する。
【0009】
一実施形態によれば、二つの回転軸を、該折り畳み式キャンプ用コンロは備える。二つのクラムシェルの各々は、それぞれの回転軸に沿って折れるようになっている。一実施形態では、これらの二つのクラムシェルのための燃料トレインが、回転軸に沿って位置される。
【0010】
レギュレータとマニホルドの組立体が設けられ、ガスをキャニスタから折り畳み式コンロに提供する。該マニホルドは、レギュレータからのガスを分割して、折り畳み式コンロの両側に送る。一実施形態において、マニホルドは、燃料を、それぞれが二つの回転軸に沿って位置する、二つの燃料トレインに送る。各燃料トレインは、燃料導管を備え、該導管は、コンロの幅方向に伸長し、該導管の回りを各クラムシェルが回転する。
【0011】
それぞれの燃料トレイン、および、マニホルドとレギュレータの組立体は、単一のレギュレータシステムを備え、このシステムは、折り畳み式コンロの両側に燃料を提供できる。また、それぞれの燃料トレインによって、いずれかの回転軸と交差する燃料ラインを設けることなく、折り畳み式コンロを構成でき、二つの回転軸を通過して伸長するフレキシブルな燃料ラインを必要とせずに、折り畳み式コンロを製造できる。また、一実施形態では、クラムシェルが、燃料トレインに沿って旋回し、かつ、カップリングが回転軸に取り付けられる。
【0012】
他の実施形態では、単一の燃料ラインが、二つのクラムシェル間のリンケージに接続し、それぞれのクラムシェル用の燃料システムは、そのリンケージに接続される。これらの燃料システムの少なくとも一方は、燃料漏れを生じることなく、リンケージに対して回転可能であり、漏れを防止する回転を可能とするために、例えば、Oリングを用いた接続が用いられる。
【0013】
一実施形態では、クラムシェルの各々は、クッキンググレイト(調理火床)を備える。これらのクッキンググレイトは、上から見ると対称的に見えるが、相互にわずかにオフセットされており、そのため、クラムシェルは、互いに対して内方に折り畳まれてグレイトが共に入れ子状になる。このように、折り畳み式コンロをよりコンパクトに折り畳むことができる。
【0014】
一実施形態によれば、折り畳み式コンロは、燃料トレインが位置するコンロの中央部分では、その幅がより狭くなっている。クラムシェル本体は、該中央部分より外方に伸長しており、該中央部分から伸長する制御ノブや他の機構は、これらの機構より伸長するクラムシェルの残りの部分により保護される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による折り畳み式コンロの側面斜視図である。
【図2】開放形態に外方に折り広げられた、図1の折り畳み式コンロの側面斜視図である。
【図3】図2の折り畳み式コンロの平面図である。
【図4】180°以上開かれたコンロ状態にある、図1の折り畳み式コンロの側面斜視図である。
【図5】図1の折り畳み式コンロの側面図である。
【図6】図3の6−6線断面に沿って切断された横断面図である。
【図7】図3の7−7線断面に沿って切断された横断面図である。
【図8】本発明に従う折り畳み式コンロの他の実施形態の側面斜視図である。
【図9】図1の折り畳み式コンロ用の燃料トレインシステムの他の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の記述において、本発明の種々の実施形態について言及する。説明のために、特定の構成および細部について説明し、実施形態についての十分な理解を図っている。しかしながら、本発明は、特定の細部を含むことなく実施できることは、当業者には明らかである。さらに、周知の構成を省略あるいは簡略化して、記述される実施形態が不明瞭とならないようにしている。
【0017】
図面の参照に際して、同様な参照番号が同様な部品に図面全体を通して付されている。図1は、本発明の実施形態による折り畳み式コンロ20を示す。折り畳み式コンロ20は、プロパンガス等の可燃性ガスと共に使用するように設計され、例えば、ガスキャニスタ22より燃料が供給される。
【0018】
一実施形態によれば、折り畳み式コンロ20は、二つのクラムシェル24、26を備える。図1に示される第1の配置では、二つのクラムシェル24、26は、収納形態に共に折り畳まれている。図2に示すように、二つのクラムシェル24、26は、二つの回転軸、すなわち、図示の実施形態では、二つの燃料トレイン28、30を中心に、外方に回転することができ、これにより、折り畳み式コンロ20は、開いた配置をとる。開いた配置では、二つのクラムシェル24、26にあるそれぞれのバーナーアイ32、24は、調理面として露出される。
【0019】
「燃料トレイン」は、燃料がバーナーアイ32、34に流れる導管システムを意味する。図面中の番号28と30(例えば、図2)は、一般的に、図示の実施形態において、これらが位置する領域を示す。
【0020】
単一のバーナーアイ32、34が、それぞれのクラムシェル24、26に示されているが、二つ以上のバーナーアイを、クラムシェル24、26の一方あるいは両方に設けてもよい。図面に示される実施形態において、それぞれのバーナーアイ32、34は、各バーナーアイ32、34の回りに、これらを部分的に覆うように設けられたクッキンググレイド36、38を備える。公知技術のように、36、38に示されるようなクッキンググレイドは、プラットフォームを設けて、ポットや他の調理容器を、それぞれのバーナーアイ32、34によって加熱する際に、このプラットフォーム上に置くようにしてもよい。一実施形態において、プラットフォームは、一組のプロング40、42によって提供される。
【0021】
バーナーアイ32、34の各々に対するプロング40、42は、バーナーアイ用の従来のプロングに類似しているが、図示の実施形態では、クラムシェル24上の各プロング40は、他方のクラムシェル26上の相手方のプロング42に対して、わずかにオフセットされている。すなわち、プロング40は、折り畳み式コンロ20が図1に示されるコンパクトな形態に折り畳まれるときに、反対側のクラムシェル上のプロング42に係合せずに、プロング42の近傍に伸長することで、一方のプロングが他方のプロングに対してわずかにオフセットするように位置決めされる。わずかなオフセットとは、例えば、6.35mm(1/4inch)、あるいは、クラムシェル24、26が図1に示されるコンパクト形状に折り畳まれるときに、二つのクッキンググレイト36、38が入れ子状になるのに十分な他の量である。プロング40、42のわずかなオフセットは、図3の平面図から理解され、プロング40、42の入れ子状態は、図5に仮想線で示されている。入れ子状態にすることにより、大きなオフセットを設けることなく、折り畳み式コンロ20がよりコンパクトに収納され、かつ、図3に示されるように、クッキンググレイト36、38の対称的外観が維持される。
【0022】
折り畳み式コンロ20は、クラムシェル24、26の裏面に脚部44を備える。さらに、46に示されるようなハンドルが、クラムシェル24、26の外側に設けられる。図面に示される実施形態において、ハンドル46は、折り畳み式コンロが図1のコンパクトな形状にある場合、折り畳み式コンロ20の頂部で倒れるように、位置決めされる。48に示すようなラッチは、コンパクトな形状において折り畳み式コンロ20を一時的にロックするために設けられている。
【0023】
一実施形態によれは、レギュレータとマニホルドの組立体50は、22に示すようなキャニスタから、二つの燃料トレイン28、30へガスを供給するために設けられる。レギュレータとマニホルドの組立体50は、レギュレータ51を備える。レギュレータは、燃焼器具の技術では公知であり、一般的に、ガスキャニスタ22のような燃料キャニスタにおける高圧から、コンロや他のガス作動器具における操作圧まで、燃料圧力を降下させるように設計されている。
【0024】
レギュレータ51は、マニホルド52に接続されている。マニホルド52は、レギュレータ51から出る低圧燃料流を二つの導管54、56に分割する。二つの導管54、56は、それぞれカップリング55、57を備え、燃料トレイン28、30の端部で(以下で記述される)適切な構造体に取り付けることができる。例えば、レギュレータとマニホルドの組立体50は、図3に示すように、取り付けられる。
【0025】
カップリング55、57により取り付けられると、二つの導管54、56は、燃料トレイン28、30に沿って伸長する内部燃料導管58、60と、流体が連通する状態となる。一実施形態において、内部燃料導管58、60は、直線パイプであり、該パイプは、各クラムシェル24、26の回転軸と共軸的に伸長する。一実施形態では、カップリング55、57は、燃料トレイン28、30が、ガス漏れを生ずることなく、自由にカップリングに対して回転できるように、燃料トレイン28、30に取り付けられる。このようなカップリングは、当該技術では公知であり、例えば、米国特許番号第2,784,987号に開示されているような、簡易脱着式のカップリングを採用できるが、多くの他のカップリングを使用してもよい。
【0026】
制御ノブ62、64は、カップリング55、57の取り付け部とは反対側で、内部燃料導管58、60の端部に取り付けられる。制御ノブ62、64は、折り畳み式コンロ20の外側から操作することができる。制御ノブ62、64は、それぞれ、内部燃料導管58、60から供給され、バーナーアイ32、34に通ずるガス流ライン66、68に入る燃料の流れを開閉により、調節するバルブ(以下に記述される)を備える。
【0027】
図6に示されるように、内部燃料導管58、60は、レギュレータとマニホルドの組立体50のカップリング55、57と連結できるように構成されるプローブ72、74へ取り付けられている。プローブ72、74は、クラムシェル24、26の外壁の開口内に嵌合され、その中を自由に浮動できるようになっている。プローブが自由に浮動できるので、燃料導管58、60は、その長手方向に変位でき、製造公差および/または金属の膨張が許容される。
【0028】
一実施形態によれば、図示の実施形態における接続部、すなわち、リンケージ90が備えられ、二つの燃料トレイン28、30を離間させ、燃料トレイン28、30を相互に自由に回転できるようにしている。図示の実施形態において、リンケージ90は、プローブ72、74の後部を収容し、プローブ72、74の表面82、84上を自由に回転できるように取り付けられている。表面82、84は、例えば、プローブ72、74の肩部76、78と一対のロックナット86、88との間に形成される。しかしながら、リンケージ90の燃料トレイン28、30に対する自由回転を可能とする他の構造を用いてもよい。例えば、図示の実施形態において、リンケージ90は、プローブ72、74に対して回転可能に取り付けられているが、リンケージは、燃料トレインに対して他の位置で取り付けてもよい。自由回転に加えて、リンケージ90は、燃料トレイン28、30の一定の間隔を維持する。このため、一実施形態において、リンケージ90は、プローブ72、74を収容するための孔を備え、これにより、プローブと燃料トレイン28、30は、リンケージに対しては回転できるが、相方のプローブと燃料トレインは、互いに内側に寄ったり、外側に寄れるようには、移動できないようになっている。
【0029】
別のリンケージ80(図7)を反対側端部に設けて、同様に、燃料トレイン28、30を離間させ、かつ、自由に回転できるようにしてもよい。必要に応じて、内部燃料導管58、60は、反対側端部で異なる方法により取り付けられてもよい。例えば、自由な浮動は、両端で必要とされるわけではないので、反対側端部に内部燃料導管58、60を固定してもよい。リンケージ80に、制御ノブ62、64の一部が収容される構成および配置を採用してもよい。
【0030】
図7に示すように、例えば、内部燃料導管58は、バルブ本体91に取り付けられ、一方、バルブ本体91は、ジャムナット92によってクラムシェル24のケージングに固定される。バルブステム93は、バルブ本体91内に配置され、ステムナット94によって所定位置に維持される。公知のように、制御ノブ62は、回転によりバブルステム93を動かし、内部燃料導管58とガス流ライン66との間で燃料の流れを開放する。
【0031】
リンケージ80は、バルブ本体91の肩部95とステムナット94との間に配置され、他方のリンケージ90が自由に回転するのとほぼ同様に、バルブ本体に対して自由に回転する。
【0032】
リンケージ80、90は、燃料トレイン28、30とこれに結合したクラムシェル24、26を共に自由に回転させる。このように、クラムシェルの一方、例えば、クラムシェル24を回転させると、これに結合する燃料トレイン28、内部燃料導管58、ガス流ライン66のすべてが、クラムシェル24と共に回転するが、クラムシェル24の動きに対しては固定されている。すなわち、クラムシェル24の旋回や回転に伴って、クラムシェル24に対して曲がったり、相対的に移動しなければならない部分が燃料トレイン28にはない。従って、フレキシブルなラインや他の曲がるのに適した構造は、燃料トレイン28には必要なく、コストが減少され、かつ、クラムシェル24を通る燃料のルート付けが簡単になる。また、上述のように、カップリング55を介して、燃料トレイン28へレギュレータとマニホルドの組立体50を接続することによって、燃料漏れのない回転を可能としている。このように、ガスキャニスタ22とレギュレータとマニホルドの組立体50が、静止した状態で、クラムシェル24を回転させることができ、レギュレータとマニホルドの組立体50とクラムシェル24との間の回転は、カップリング55により行われる。同様にして、他方のクラムシェル26とこれに結合する燃料トレイン30によって、折り畳み式コンロ20の他方側の回転も可能になる。
【0033】
折り畳み式コンロ20には、使用中の配置に対する種々のオプションが提供される。例えば、一方のクラムシェル26を上方に折り畳み、他方のクラムシェル24を地面にほぼ平行に伸長させる。燃料トレイン28はクラムシェル24の回転に対して固定されているので、燃料トレイン28によってクラムシェル24の旋回を可能としつつ、この場合でも、クラムシェル24のバーナーアイ32からの燃焼も可能としうる。
【0034】
折り畳み式コンロ20は、図4に示す配置のように構成してもよい。この場合、クラムシェル24は、テーブルに対して下方に垂下している。この配置により、折り畳み式コンロ20に安定性がもたらされるにもかかわらず、テーブル空間の使用量も最小となる。図示の実施形態では、折り畳み式コンロ20は、クラムシェル24、26が180°よりも大きな角度を形成するように伸長している。しかしながら、必要に応じて、一つ以上のストップを設けて、180°を越える回転を防止してもよい。
【0035】
クラムシェル24、26を、旋回可能としつつ、この場合でも、燃焼を可能としているので、折り畳み式コンロ20を、平らでない面でも使用することができる。このような構成によって、折り畳み式コンロ20を極めて柔軟に使用し、配置することができる。
【0036】
レギュレータとマニホルドの組立体50によって、二つの別個の燃料トレイン、すなわち、燃料トレイン28、30に対して、単一のレギュレータ51のみが必要とされるにすぎない点で、コスト節約がもたらされる。さらに、ガスは、折り畳み式コンロ20の外、すなわち、マニホルド52で分割される。このため、ガスラインを、二つの旋回可能なクラムシェル24、26間に伸長させる必要がない。
【0037】
別の実施形態の一例として、クラムシェル24、26両方用の単一の燃料トレインシステムに、シリンダ22から延びる単一の導管を接続するようにしてもよい。このような実施形態を、図9に示す。図9に示されるリンケージ110は、片側に取り付けられた単一プローブ112を備える。プローブ112は、外側部を有し、この外側部は、図示されていないが先の実施形態で言及した、レギュレータに通ずるコネクタに接続できるように構成される。固定チューブ114が、プローブ112と、リンケージ110の他方側にあるソケット116の間に伸長する。ソケット116とプローブ112は、リンケージ110内に固定される。また、チューブ114も、リンケージ110内に固定され、プローブ112の内室とソケット116の内室の間で流体を連通させる。
【0038】
先の実施形態と同様に、二つの燃料チューブ118、120は、この実施形態のクラムシェルの回転軸に沿って伸長する。燃料チューブ118、120の各々は、端部片122、124を備え、これらの端部片は、それぞれ、ソケット116とプローブ112内に嵌合するように配置される。端部片122、124は、それぞれ、一対のOリング126、128を備え、これらのOリング126、128により、プローブ112やソケット116に対して、漏れ防止を図りつつ、端部片が接続される。ナット130、132がプローブ112とソケット116の一部の外側に嵌り、これらをクラムシェル140、142にそれぞれ固定している。
【0039】
使用中、クラムシェルのいずれかがリンケージに対して回転すると、Oリング126、128によって、燃料チューブ118、120をリンケージ110に対して回転させることができる。この回転中は、Oリング126、128が、燃料チューブ118、120と、プローブ112およびソケット116との間に、漏れが防止された流体の連通を維持する。このように、燃料がプローブ112に供給され、クラムシェルの向きに関係なく、かつ、クラムシェルの移動によっても漏れることなく、燃料チューブ118、120に移動する。バルブ(図示せず)が、燃料トレインの反対側端部に設けられてもよい。このバルブは、それぞれのクラムシェルのバーナーを制御するために使用される。
【0040】
図9の実施形態では、燃料キャニスター22に対して単一の接続を図ればよい点で、先述の実施形態よりも有利である。この構成により、燃料源を燃料トレインに接続する点において、より大きな柔軟性がもたらされる。
【0041】
クラムシェル24、26がそれぞれの燃料トレイン28、30に沿って旋回し、かつ、カップリング55、57が回転軸で接続されるので、カップリング55、57の接続部が、キャニスター22からバーナー32、34への燃料供給系統において、クラムシェル24、26の一方または両方の旋回に伴って回転する唯一の箇所である。よって、燃料トレイン28、30を、クラムシェルに関して回転可能に設計する必要がない点で、簡単な構造となっている。
【0042】
二つのクラムシェル24、26の両方が旋回する構成により、折り畳み式コンロ20のコンパクトな収納が可能となる。また、上述のように、クッキンググレイト36、38が互いにオフセットすることによって、折り畳み式コンロ20がコンパクトに収納される。
【0043】
図示の実施形態は、丸いクラムシェル24、26を備えている。一実施形態によれば、クラムシェル24、26の外側部分は、制御ノブ62、64とリアリンケージ90を超えて外側に伸長する。このようにして、クラムシェル24、26の外側面により、燃料トレイン28、30および制御ノブ62、64に対する保護が図れる。また、折り畳み式コンロ20は、燃料トレイン28、30を含む中央部分において外側部分よりも細長くなっており、燃料トレイン28、30のための材料が少なくて済み、折り畳み式コンロ20の製造コストが抑えられる。
【0044】
他の実施形態も採用される。例えば、図8において、円形形状の代わりに、矩形の折り畳み式コンロ100が示されている。この実施形態において、チューブ102が、コンロ100の周りに伸長することにより、その上部でハンドルを形成している。
【0045】
他のバリエーションも本発明の範囲内に含められる。このように、本発明は、種々の変更および他の構造を採用することができるが、特定の図示された実施形態について、図面にし、かつ、詳細に説明した。しかしながら、本発明を特定の形態や開示された形態に制限する意図はなく、それとは反対に、本発明は、添付の請求の範囲に定義されるように、本発明の範囲内に入る、すべての変更、他の構成および均等物をカバーしているものと、理解されるべきである。
【0046】
ここで引用される公開公報、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、個別具体的に示されることにより本明細書中に参照により組み込まれ、かつ、その全体がここで説明される場合と同様の範囲で参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0047】
用語「a(一つ)」と「an(一つ)」、および「the(その)」、並びに、本発明を記述する文脈における(特に、請求項の文脈において)同様の指示語の使用は、他の指示あるいは文脈と明瞭に反しない限り、単数と複数の両方をカバーするものと解釈されるべきである。用語「comprising(備える)」、「having(有する)」および、「containing(含む)」は、他に注釈がない限り、制限のない用語(即ち、「を含むが、これらに制限されない」ことを意味する)として解釈されるべきである。用語「connected(接続される)」は、何らかの介在物があるとしても、部分的にあるいは全体として中に含まれる、取り付けられる、または、一緒に接合されると解釈されるべきである。この明細書における数値範囲の引用は、ここで他の指示がない限り、その範囲内に入る各個別の数値を個々に参照することを省略する方法として機能するものとして意図されているに過ぎず、各個別の数値は、それが個々に引用されているように明細書中に組み込まれる。ここで記述されるすべての方法は、この中で他の指示あるいは文脈と明瞭に反しない限り、任意の適切な順序で実行される。ここで提供されるいずれか、またはすべての例や例示用語(例えば「suchas(のような)」)の使用は、単に本発明の実施形態を、よりよく描写することのみを意図しており、それとは異なる意図で請求項が記載されていない限り、本発明の範囲に対する制限を課さない。明細書中の用語は、いずれも、請求の範囲に記載されていないが本発明の実施に必須である要素を示すものとして解釈されるべきでない。
【0048】
本発明を実施するために本発明者が知る最良の形態を含む本発明の好適な実施形態について、ここで説明されている。これらの好適な実施形態のバリエーション(変更例)は、前述の説明を読むことによって当業者にとって明瞭となる。本発明者は、当業者が適切なものとしてこのようなバリエーションを使用することを期待し、本発明者は、ここで具体的に記述された態様以外で実施されうることを予定している。従って、この発明は、適用可能な法律によって許容される、ここに添付される請求項で引用される主題のすべての改良および均等物を含む。さらに、すべての可能なバリエーションにおける上述の要素の任意の組合せは、この中で他の指示あるいは文脈と明瞭に反しない限り、本発明によって包含される。
【符号の説明】
【0049】
20 折り畳み式コンロ
22 ガスキャニスタ
24、26 クラムシェル
28、30 燃料トレイン
32、34 バーナーアイ
36、38 クッキンググレイ
40、42 プロング
44 脚部
46 ハンドル
48 ラッチ
50 組立体
51 レギュレータ
52 マニホルド
54、56 導管
55、57 カップリング
58、60 内部燃料導管
62、64 制御ノブ
66、68 ガス流ライン
72、74 プローブ
76、78 肩部
80 リンケージ
82、84 表面
86、88 ロックナット
90 リンケージ
91 バルブ本体
92 ジャムナット
93 バルブシステム
94 ステムナット
95 肩部
100 折り畳み式コンロ
102 チューブ
110 リンケージ
112 プローブ
114 固定チューブ
116 ソケット
118、120 燃料チューブ
122、124 端部片
126、128 Oリング
130、132 ナット
140、142 クラムシェル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の調理面を有する第1のクラムシェル、および、第2の調理面を有し、接続部を介して第1のクラムシェルに接続された第2のクラムシェルを備え、第1のクラムシェルと第2のクラムシェルは、両方の調理面が第1のクラムシェルと第2のクラムシェルの間に収納されている第1の配置と、第1の調理面と第2の調理面が露出している第2の配置をとることができるようになっており、さらに、燃料源から送られる燃料の燃圧を低下させるレギュレータ、該レギュレータと流体接続しており、該レギュレータからの燃料を第1のクラムシェルの第1の燃料トレインおよび第2のクラムシェルの第2の燃料トレインに導くようになっているマニホルド、および、第1および第2の燃料トレインに接続するための第1および第2のカップリングを有するレギュレータとマニホルドの組立体を備えているコンロ。
【請求項2】
前記レギュレータとマニホルドの組立体が、さらに、マニホルドから第1および第2の燃料トレインに向けて伸長する第1および第2の導管を備える請求項1に記載のコンロ。
【請求項3】
前記カップリングが前記導管に接続され、前記接続部が2つの回転軸を有し、第1および第2の燃料トレインの少なくとも一部は該2つの回転軸上に位置し、かつ、該カップリングが第1および第2の燃料トレインのそれぞれに取り付けられる請求項2に記載のコンロ。
【請求項4】
前記導管のそれぞれに対して、前記燃料トレインのそれぞれが燃料漏れなく回転できるように、前記カップリングが構成および配置されている請求項3に記載のコンロ。
【請求項5】
第1の調理面を有する第1のクラムシェル、および、第2の調理面を有し、接続部を介して第1のクラムシェルに接続された第2のクラムシェルを備え、第1のクラムシェルと第2のクラムシェルは、両方の調理面が第1のクラムシェルと第2のクラムシェルの間に収納されている第1の配置と、第1の調理面と第2の調理面が露出している第2の配置をとることができるようになっており、さらに、第1のクラムシェル上に設けられた第1の調理グレイト、および、第2のクラムシェル上に設けられ、第1の調理グレイトに対してわずかにオフセットされている第2の調理グレイトを備え、前記第1の配置において、両方のグレイトが互いに入れ子状となるコンロ。
【請求項6】
第1のバーナ組立体および第1の調理面を有する第1のクラムシェル、および、第2のバーナ組立体および第2の調理面を有し、接続部を介して第1のクラムシェルに接続された第2のクラムシェルを備え、第1のクラムシェルと第2のクラムシェルは、両方の調理面が第1のクラムシェルと第2のクラムシェルの間に収納されている第1の配置と、第1の調理面と第2の調理面が露出している第2の配置をとることができるようになっており、さらに、前記接続部に位置する、第1および第2のバーナ組立体用の制御部を備えており、かつ、該接続部で第1の幅を有し、両方のクラムシェル本体が該第1の幅を超えて外側に伸長しているコンロ。
【請求項7】
第1の調理面、第1のバーナ組立体、および、第1のバーナ組立体に接続された第1の燃料トレインを有する第1のクラムシェル、
第2の調理面、第2のバーナ組立体、および、第2のバーナ組立体に接続された第2の燃料トレインを有する第2のクラムシェル、
燃料源への取付けのためのプローブを介して第1のクラムシェルと接続し、かつ、ソケットを介して第2のクラムシェルと接続しているリンケージ、
前記プローブから前記ソケットへと伸長し、該プローブの内室および該ソケットの内室と流体接続されている燃料供給導管、
第1の燃料トレインを前記プローブに回転可能に接続し、第1のクラムシェルが前記リンケージに対して回転した際に、第1の燃料トレインと該プローブの内室の間に燃料漏れのない接続を維持するための第1の漏れ防止接続手段、および、
第2の燃料トレインを前記ソケットに回転可能に接続し、第2のクラムシェルが前記リンケージに対して回転した際に、第2の燃料トレインと該ソケットの内室の間に燃料漏れのない接続を維持するための第2の漏れ防止接続手段、を備えるコンロ。
【請求項8】
第1および第2の燃料トレインのそれぞれが、前記第1および第2のクラムシェルのそれぞれの回転軸に沿って伸長する燃料トレイン導管を備える請求項7に記載のコンロ。
【請求項9】
第1の漏れ防止接続手段および第2の漏れ防止接続手段が、少なくとも1つのOリングであり、前記燃料トレイン導管が、該少なくとも1つのOリングを介して前記プローブの内室または前記ソケットの内室に接続されている請求項8に記載のコンロ。
【請求項10】
前記燃料導管が剛体からなる請求項7に記載のコンロ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−103001(P2012−103001A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15647(P2012−15647)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【分割の表示】特願2005−151470(P2005−151470)の分割
【原出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(593107454)ザ・コールマン・カンパニー・インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】THE COLEMAN COMPANY, INC.