説明

折り畳み式車載置台

【課題】車内の改造を必要とすることなく安価に製作でき、車椅子やキャンプ用品等の運搬物を車外に載置して、広く快適で安心な車内空間を創造するための折り畳み式車載置台を提供する。
【解決手段】第1支柱21と、第2支柱31と、この第2支柱に設けた一枚又は複数枚の支持プレートと、この支持プレートの孔に嵌入されるロック棒と、第2支柱設けた枠付載台1と、枠付載台に設けた収容及び/又は引出し可能なスロープ11と、枠付載台を第2支柱の起伏を利用して第1支柱に起伏自在に構成し、また枠付載台を第2支柱に設けた蝶番14を利用して傾動可能としたことを特徴とする折り畳み式車載置台。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等で電動車椅子やキャンプ用品等の荷物を運搬するための折り畳み式車載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、車椅子等の移送物を車で移送するものとして、「移送装置」がある(文献1)。この文献1は、特開平7−304376号の「移送装置」である。内容は、移送物を収納部から車の外部へ、車の外部から収納部へ移送する移送装置で、移送物を載せたままの状態でそのまま収納部に収納でき、車内に移送物を載せて運搬するものである。
【0003】
しかし、前記従来の移送装置では、移送物を収納部から車の外部へ、車の外部から収納部へ移送するものであるため、自動車の室内に移送装置の載置部が入るようにする必要があるため、自動車の室内を改造しなければならず、費用が嵩むという問題がある。
【0004】
この点に関して、ワンボックスタイプの小型自動車に僅かな改造を加えるだけで車両に車椅子を搭載することができることを謳った「車椅子搭載用自動車」がある(文献2)。この文献2は、特開2004−321270の「車椅子搭載用自動車」である。内容は、車両に搭載した車椅子を載置する受台が、車両に備えられている後部シートを取り外す箇所に形成されるとするものであり、受台を含む昇降装置が車両の後部シートを取り外すだけで設置できるので、改造費が僅かで済むとするものである。
【0005】
しかし、文献2には次のような改良点が考えられる。すなわち、後部シートを取り外して後部シートがあった部分に受台を含む昇降装置を設置すると、車両の後部には車椅子に乗った人しか座ることができず、車両の最大搭乗人員が少なくなってしまう。そして、車椅子を利用せざるを得ない身体障害者や高齢者等を他の搭乗者と違うスペースで乗車させるというのは、例えば身体障害者や高齢者等に一種の疎外感を生じさせる場合もある。従って、身体障害者や高齢者等と健常者との垣根をできる限りなくして、身体障害者や高齢者等と健常者が同じスペースで乗車できるという楽しく快適な車内空間を提供する必要がある。
【0006】
また、例えば車で郊外へキャンプに出かける場合は、キャンプ用品等を車内に積んで目的地までキャンプ用品等を運搬する必要があるが、車内にキャンプ用品等のような比較的大きな荷物を積み込んでしまうと、車内が狭くなり搭乗者に窮屈な思いをさせてしまうことになる。また、例えば、荷物を車内の座席シートに載置しただけでは、運転状況等によっては荷物が車内に散乱してしまい運転に支障が生じて危険となる場合がある。
【0007】
【特許文献1】特開平7−304376号
【特許文献2】特開2004−321270
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み、車内の改造を必要とすることなく安価に製作でき、車椅子やキャンプ用品等の運搬物を車外に載置して車内を広く快適で安心な車内空間を創造するための折り畳み式車載置台を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の折り畳み式車載置台は、車両に装着できる第1支柱と、該第1支柱に起伏自在に枢支した第2支柱と、この第2支柱に設けた複数個の孔を備えた前記第1支柱に添接される支持板を備えた一枚又は複数枚の支持プレートと、この支持プレートの孔に嵌入される前記第2支柱を固定するロック棒と、前記第2支柱に蝶番を介して設けた車椅子、品物等の物を載せる枠付載台と、この枠付載台に設けた収容及び/又は引出し可能なスロープと、このスロープを収容時及び/又は引出し時に固止する固定具で構成し、前記枠付載台を前記第2支柱の起伏を利用して前記第1支柱に起伏自在に構成し、また前記枠付載台を第2支柱に設けた蝶番を利用して傾動可能としたことを特徴とする。
【0010】
第2発明の折り畳み式車載置台は、請求項1に記載の折り畳み式車載置台において、第2支柱に設けた複数個の孔を備えた複数枚の支持プレートが第2支柱を狭持し、支持プレートの間に支持板を設け、この支持プレートの孔に嵌入される該第2支柱を固定するロック棒とからなることを特徴とする折り畳み式車載置台である。
【0011】
第3発明の折り畳み式車載置台は、請求項1に記載の折り畳み式車載置台において、枠付載台とスロープの間に蝶番を介してプレートを設けることを特徴とする折り畳み式車載置台である。
【0012】
第4発明の折り畳み式車載置台は、車に装着できる開口部を後端に有する第1支柱と、第1支柱にT字形に枢支した第2支柱と、第1支柱の開口部に嵌入する第3支柱と、第2支柱に設けた対の鋼板プレートと、この鋼板プレートに差渡されたメッシュ台枠とからなる車椅子、品物等を載せる載台と、鋼板プレートの端部に設けた枠材とからなることを特徴とする折り畳み式車載置台である。
【発明の効果】
【0013】
第1発明によれば、車に装着できる第1支柱と、該第1支柱に起伏自在に枢支した第2支柱と、該第2支柱に蝶番を介して設けた車椅子、品物等の物を載せる枠付載台を設けているため、車外に電動車椅子、品物等の物を載せて運ぶことができる。従って、キャンプ用品等の荷物を車内に載置して運搬する必要がないため、車内を広く使用することができ、車内における荷崩れがないため、快適な車内空間を創造することができる。また、該枠付載台に設けた収納及び/又は引出し可能なスロープを設けているため、第2支柱に設けた蝶番を利用して該枠付載台を傾動させ、さらに該スロープを引出すことによって、地面から該枠付載台への傾斜が緩やかになり、運搬物をスムーズに載置部に運ぶことができる。さらに、前記枠付載台を前記第2支柱の起伏を利用して前記第1支柱に起伏自在に構成しているため、前記枠付載台に荷物を載せていない時は、前記枠付載台を起こした状態でロックすることにより、コンパクトに折り畳むことができる。また、車椅子を載置台に置き、車椅子利用者は他の搭乗者と同じ座席に座ることができ、車椅子利用者と健常者との垣根のない快適な車内空間を提供することができる。本発明の第1の実施例である、いわゆる横システムの折り畳み式車載置台の場合は、枠付載台が車両に対して左右に傾動するため、車両の側面側から該枠付載台に荷物を載せる場合に便利である。本発明の第2の実施例である、いわゆる縦システムの折り畳み式車載置台の場合は、該枠付載台が車両に対して上下に傾動するため、車両の後部側から該枠付載台に荷物を載せる場合に便利である。そして、本発明である折り畳み式車載置台は、車外の該枠付載台に荷物を載置して運搬するものであるため、車内の改造を行う必要はないため、安価に製作することができる。
【0014】
第2発明によれば、第2支柱を複数枚の支持プレートによって狭持しており、支持プレートの間に第1支柱があるため、前記枠付載台に荷物を積んでおらず、該枠付載台を折り畳んで車両を運転しているときは、該枠付載台が左右に動き難くなる。
【0015】
第3の発明によれば、前記枠付載台とスロープの間に蝶番を介してプレートを設けているので、例えば地面から電動車椅子等を載置台へ移動させるような場合は、プレートによって枠付載台とスロープとの段差を少なくすることができ、力の無いこどもや老人等でも電動車椅子等を載置部へ簡単に移動させることができる。
【0016】
第4発明によれば、例えば比較的長さがある荷物を前記車椅子、品物等を載せる載台に積んで運搬することができる。該載台が車両に対して前後に傾動するため、車両の後部側から該載台に荷物を載せる場合に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態に係る折り畳み式車載置台を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施例である、車両に対して枠付載台が左右に傾動するいわゆる横型システムの折り畳み式車載置台に物を載せる状態の斜視図である。図2は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の斜視図である。図3は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置台を傾動させて、スロープを引出した状態の斜視図である。図4は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の要部拡大斜視図である。図5は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の第1支柱と第2支柱の結合部の要部拡大図である。図6は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置台に物を載せる状態の第1支柱と第2支柱の結合部の要部拡大図である。図7は、本発明の第2の実施例である枠付載台が車両に対して前後に傾動する、いわゆる縦型システムの折り畳み式車載置台側面図である。図8は、本発明の第2の実施例である折り畳み式車載置台の正面断面図である。図9は、本発明の第2の実施例である折り畳み式車載台の平面概略図である。図10は、本発明の第2の実施例の一部欠截の平面概略図である。図11は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置台の側面図である。図12は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置台の正面図である。図13は、本発明の第3の実施例である縦長システムの折り畳み式車載置台に物を載せる状態の斜視図である。図14は、本発明の第3の実施例である折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の斜視図である。図15は、本発明の第3の実施例である折り畳み式車載置台を傾動させた状態の斜視図である。図16は、本発明の第3の実施例である折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の裏面図である。
【0018】
本発明の第1の実施例である横型システムの車載置台60を説明すると、主に、車両50の後部の連結体41に装着した第1支柱21と、その第1支柱21に枢支する第2支柱31と、その第2支柱31に蝶番14を介して設けた車椅子、品物等の物を載せる枠付載台1とで構成されている。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施例である、車両50に対して枠付載台1が左右に傾動するいわゆる横型システムの車載置台60で、枠付載台1に物を載せる状態の斜視図である。
【0020】
枠付載台1の下部に第2支柱31が設けられており、第2支柱31に交差する形で枠付載台1の下部には芯柱5が設けられている。
【0021】
第2支柱31の上部に設けられている枠付載台1の上部周囲に車椅子、品物等の物の脱落を防止するための上枠3が設けられている。そして、枠付載台1と枠付載台1の上部周囲に設けられた上枠3を結合させるものとして固定柱4が設けられている。
【0022】
枠付載台1の下部には引出し可能なスロープ11が収納されている。引出し可能なスロープ11が設けられている枠付載台1の端部1Aには、枠付載台1とスロープ11との段差をなくすためのプレート10を設けており、枠付載台1の枠2とプレート10には蝶番14が設けられ、蝶番14を介してプレート10が傾動する。引出し可能なスロープ11が設けられている側の上枠3の一辺に取り外し可能な枠材3Aを用い、枠材3Aを取り外すことによって荷物を枠付載台1に載せることができる。枠付載台1と上枠3を結合させる固定柱4にスロープ11を留めるL字型ストッパー9を設けている。
【0023】
上枠3と枠材3Aには孔が設けてあり、枠材3Aを留めるための枠留めボルト12が、上枠3と枠材3Aに設けた孔に嵌入され、上枠3と枠材3Aが固定されている。スロープ11を引出す場合は、L字型ストッパー9を取り外し、枠留めボルト12を外し、枠材3Aを取り外したうえで、スロープ11を手前に引き出す。
【0024】
本発明の素材は、金属性であることが望ましいが、耐久性のある強固な素材であればどのような素材であってもよいことは勿論である。枠付載台1の物を載置する載置部1Bは、金属の板であってもよいが、雨水が貯留してしまう場合は網状のものが望ましい。なお、本発明の枠付載台1や第1支柱21、第2支柱31等の大きさや、載置部1Bの網状のサイズは、車両50や荷物の大きさ等に応じて適宜変更が可能である。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施例である折り畳み式の横型システムの車載置台60を折り畳んだ状態の斜視図である。第2支柱31に支持プレート32を設けている。そしてこの支持プレート32には孔36が設けられており、孔36にロック棒35を嵌入することによって枠付載台1の起伏状態をロックすることができる。第2支柱31と枠付載台1の枠2下部に蝶番14を設け、蝶番14を介して枠付載台1が車両50に対して左右に傾動することになる。第1支柱21の略中央に枠付載台1を設けた第2支柱31を起伏するための起伏プレート22が設けられている。起伏プレート22と第2支柱31の端部31Aには起伏孔23が設けられており、起伏孔23に起伏柱24を嵌入している。この起伏柱24を支点として枠付載台1を設けた第2支柱31が起伏することとなる。
【0026】
L字型載台固定プレート16を設けた枠付載台1と枠付載台固定柱6を固定するために、載台固定柱15と枠付載台傾動ストッパー7が設けられている。
【0027】
枠付載台1の枠2下部にL字型の載台固定プレート16が設けられている。枠付載台固定柱6と載台固定プレート16には孔17が設けられている。載台固定柱15の一端は螺刻されている。そして、孔17に載台固定柱15の一端を螺着させることによって枠付載台固定柱6と載台固定プレート16がロックされる。
【0028】
枠付載台1の枠2と芯柱5にストッパー固定柱7Dを架設し、ストッパー固定柱7Dに枠付載台傾動ストッパー7が設けられている。この枠付載台傾動ストッパー7は主に、操作手段7Aと弾性体7Bと引掛け7Cとから構成されている。一方、枠付載台固定柱6には突部8が設けられている。
【0029】
操作手段7Aを手前に倒し、弾性体7Bが縮むと同時に弾性体7Bに巻回されている引掛け7Cが上に上がり、枠付載台固定柱6に設けられている突部8と引掛け7Cが分離され、枠付載台1の傾動のロックが解除される。一方、突部8に枠付載台傾動ストッパー7の引掛け7Cが突部に係止されている状態では、枠付載台1の傾動がロックされる。
【0030】
このように枠付載台傾動ストッパー7と載台固定柱15との二重機構によって、第2支柱31に設けた枠付載台1を傾動させたり、枠付載台1の傾動をロックしたりすることができることとなる。
【0031】
支持プレート32の孔36にロック棒35を嵌入することによって起伏状態をロックすることが可能となる。
【0032】
本図ではスロープ11が枠付載台1の下部に収納されている。そして、枠付載台1の枠2下部にスロープ11を収納する場合に用いられるスロープ固定具13が設けられている。
【0033】
図3は、本発明の第一の実施例の折り畳み式車載置装置60を傾動させて、スロープ11を引出した状態の斜視図である。枠材3Aを取り外してスロープ11を引出すことにより枠付載台1の地面に対しての角度が緩やかになり、地上から枠付載台1の載置部1Bへの電動車椅子等の荷物の移動がスムーズに行うことができる。また、枠2に蝶番14を介してプレート10を設けているため、スロープ11から載置部1Bへの段差が少なくなり、スロープ11から載置部1Bへの電動車椅子等の荷物の移動がさらにスムーズに行うことができる。
【0034】
第2支柱31に設けられている複数の支持プレート32の間に支持板33を設けているため、複数の支持プレート32を平行に保持することができる。
【0035】
枠付載台1の枠2下部にスロープ11を収納する場合に用いられるスロープ固定具13が設けられているため、スロープ11が枠付載台の下部に収納されている時はスロープ固定具13によってスロープ11が挟持されることとなる。
【0036】
図4は、本発明の第1の実施例である折り畳み式の横型システムの車載置台60を折り畳んだ状態の要部拡大斜視図である。車両50に連結体41を設け、連結体41には第1支柱嵌入孔42があり、第1支柱嵌入孔42に第1支柱21を嵌入する。その上で第1支柱21に設けられた孔26と第1支柱嵌入孔42の付近に設けられた孔36にロック棒35を嵌入して、連結体41と第1支柱21とをロック可能とすることができる。連結体41の第1支柱嵌入孔42の上部に孔カバー43を設けている。そして、第1支柱41は取外しすることができるため、本発明を使用しない場合は、第1支柱21を第1支柱嵌入孔42から抜き取ることができるが、この場合には孔カバー43で第1支柱嵌入孔42を覆い隠すことができる。
【0037】
図5は、本発明の第1の実施例である折り畳み式車載置装置60を折り畳んだ状態の第1支柱21と第2支柱31の結合部の要部拡大図である。第2支柱31を挾持するように支持プレート32が設けられている。そしてこの支持プレート32の間には支持板33が設けられている。
第1支柱21の開口部には孔付板21Bを設け、孔26にボルト27を螺着させる。そしてボルト27を廻すことによりボルト27が上下し、枠付載台1を設けた第2支柱31も上下に調整可能となり、枠付載台1に荷物を載せる際に地面が傾斜しているような場合には、ボルト27を廻すことにより枠付載台1の上下の微調整が可能となる。第2支柱31のボルト27の端部27Aが当接する部分には、板34が設けられている。
【0038】
図6は、本発明の第1の実施例である折り畳み式の横型システムの車載置装置60に物を載せる状態の第1支柱21と第2支柱31の結合部の要部拡大図である。第1支柱21に、ロック棒35等を一時的に係止することができる係止スペース25が設けられている。この係止スペース25にロック棒35等を挿入しておけば、ロック棒35等の紛失を防止することができる。
【0039】
第2支柱31を挟持するように支持プレート32が設けられており、支持プレート32の間には支持板33が設けられている。
【0040】
第2支柱31と枠付載台1の枠2下部に蝶番14を設けている。
【0041】
図7は、本発明の第2の実施例である、枠付載台1が車両50に対して上下に傾動する、いわゆる縦型システムの車載置台70の側面図である。縦型システムの場合も基本的な構成は横型システムと同様であるが、横型システムと異なり蝶番14の一方が第2支柱31の端部31Aに設けられている。蝶番14の他の一方は、枠付載台1に設けられている芯柱5の下部に設けられている。そしてこの蝶番14を介して第2支柱31に設けた枠付載台1が車に対して前後に傾動することとなる。
【0042】
また、縦型システムの場合であっても枠付載台1の枠2の内部にスロープ11を収納することができ、スロープ11を使用する場合にスロープ11を引出す。そして枠付載台1の枠2の内部に収納してあるスロープ11を引出すことによって枠付載台1に物を載せるとき枠付載台1の傾斜角度が緩やかになり、地面から車椅子等の運搬物を枠付載台1に移動させる場合は車椅子等の運搬物を軽やかに移動させることができ大変有用である。従って、このスロープ11を使用することによって体力の無いこどもや老人等でも運搬物を枠付載台1に軽快に移動させることができるようになる。
【0043】
なお、本発明の枠付載台1や第1支柱21、第2支柱31等の大きさや、載置部1Bの網状のサイズは、横型システムの車載置装置60の場合と同様に、車両50や荷物の大きさ等に応じて適宜変更が可能である。また、本発明の素材は、金属性であることが望ましいが、耐久性のある強固な素材であればどのような素材であってもよいことは勿論である。
【0044】
図8は、折り畳み式の縦型システムの車載置台70の正面図である。枠付載台1の上部に上枠3が設けられている。枠付載台1の下部略中央に第2支柱31が設けられている。
【0045】
本図ではスロープは明示していないが、枠付載台1の枠2の内部にスロープ11を収納することも可能である。
【0046】
上枠3の一辺に取り外し可能な枠材3Aを用い、枠材3Aを取り外すことによって荷物を枠付載台1に載せることができる。
【0047】
図9は、縦型システムの折り畳み式車載置台70の平面概略図である。第2支柱31の上部に枠付載台1を設けている。そして、芯柱5と第2支柱31に設けた蝶板14を介して第2支柱31に設けた枠付載台1が車両50に対して前後に傾動する。
【0048】
図10は、折り畳み式の横型システムの車載置台60の一部欠截の平面概略図である。第2支柱31の上部に枠付載台1が設けられている。第2支柱31と枠2下部に蝶番14を設けており、蝶番14を介して第2支柱31に設けた枠付載台1が車両50に対して左右に傾動する。枠付載台1の下部にはスロープ11が収納されている。
【0049】
図11は、折り畳み式の横型システムの車載置台60の側面図である。第1支柱21の略中央に起伏プレート22が設けられている。第2支柱31の端部31Aに複数の孔36を設けた支持プレート32を設けている。第1支柱21端部に枠付載台1の傾斜角度を調整するためのボルト27が設けられている。
【0050】
図12は、折り畳み式の横型システムの車載置台60の正面図である。第2支柱31上部に枠付載台1を設け、枠付載台1の下部にスロープ11が収納されている。第1支柱21先端部21Aに枠付載台1の傾斜角度を調整するためのボルト27が設けられている。
【0051】
図13は、本発明の第3の実施例である、折り畳み式の縦長システムの車載置台80の載台81に物を載せる状態の斜視図である。
【0052】
第3の実施例である折り畳み式の縦長システムの車載置台80を説明すると、主に、第1支柱86にT字形に枢支した第2支柱84と、第1支柱86の開口部86Aに挿入する第3支柱90と、対で設けた鋼板プレート82と鋼板プレート82に差渡されているメッシュ台枠93とで構成される載台81とから構成されている。
【0053】
車両50に設けた連結体41には第1支柱嵌入孔42があり、第1支柱嵌入孔42に第1支柱86の一端を挿入する。第2支柱84の略中央に第1支柱嵌入孔86Bを開設し、この孔87に第1支柱86の他端を挿入し、この第1支柱86他端の開口部86Aに第3支柱90の挿入側を差し入れる。
【0054】
第2支柱84には対の鋼板プレート82が設けられ、鋼板プレート82に差渡されているメッシュ台枠93からなる載台81が第3支柱90の上に載置される。鋼板プレート82に差渡されている台枠は、金属の板であってもよいが、雨水が貯留してしまう場合は網状(メッシュ状)のものが望ましい。そして、網目の大きさは、荷物のサイズ等に応じて適宜変更可能である。
【0055】
第2支柱84と鋼板プレート82には孔87が設けてあり、孔87に傾動柱85が挿入されている。そしてその傾動柱85を支点として載台81が傾動する。
【0056】
鋼板プレート82の端部には荷物の転落を防止するための枠材83が設けられている。この枠材83は、ボルト88で固定されており、載台81に荷物を載せるときにボルト88と枠材83を取り外して荷物を載台81へ載せることができる。
【0057】
載台81に荷物を載せて車両50で運搬する場合は、載台81を水平にすることが望ましい。その載台81を水平にする一例を述べると、上昇手段(図示せず)を地面と載台81下部のスペースに装着する。そして、車両が前方へ動くと上昇手段に設けたローラーを介して載台81が傾動し、載台81が水平に保持されるというシステムが挙げられる。
【0058】
上昇手段の形状は、正方形、長方形、三角形等の種々の形状が考えられるが、どのような形状のものであってもよい。上昇手段の上部にローラーが設けられ、ローラーの上に載台81を載せる。そして、本発明を装着した車両50が前方へ移動するとローラーを介して載台81が水平に傾動する。そして載台81が水平となった後は、第1支柱86の開口部86Aに第3支柱90を挿入することによって第3支柱90の上に載台81が載置され、第3支柱90によって載台81は支持される。
【0059】
第1支柱86の開口部86Aは第3支柱90の開口部90Aより大きい。従って、第1支柱86の開口部86Aに第3支柱90を挿入して、第1支柱86と第2支柱84と第3支柱90に設けられている孔にロック棒91を挿入させることによって第1支柱86と第2支柱84と第3支柱90はロックされ、一体的となる。
【0060】
図14は、第3の実施例の折り畳み式の縦長システムの車載置台80の折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の斜視図である。
【0061】
第3支柱90は第1支柱86の開口部86Aから挿脱自在であるため、第3支柱90を第1支柱86の開口部86Aに挿脱することができる。従って、載台81を折り畳んで走行する場合は、第3支柱90を第1支柱86の開口部86Aから取り外す。一方、載台81に物を載せた状態で走行する場合は、第3支柱90を第1支柱86の開口部86Aに挿入する。
【0062】
第2支柱84と鋼板プレート82には孔87が設けてあり、孔87に傾動柱85を挿入する。そしてその傾動柱85を支点として載台81が起伏し、縦長システムの車載置台80を折り畳むことができる。第1支柱86端部略中央と枠材83の略中央に孔87が設けられており、孔87にボルト88を嵌入することにより載台81が折り畳んだ状態で固定されることとなる。
【0063】
図15は、縦長システムの折り畳み車載置台80の載台81が傾斜している状態の斜視図である。鋼板プレート82にメッシュ台枠93が差渡されている。載台81の上に載せてある荷物の脱落を防止するための枠材83と鋼板プレート82をボルト88によって固定し、ボルト88と枠材83を取り外すことにより荷物を載台81へ載せることができる。
【0064】
図16は、本発明の第3の実施例である折り畳み式の縦長システムの車載置台80を折り畳んだ状態の裏面図である。幅方向X両端部Z1に鋼板プレート82を設け、両端部Zの鋼板プレート82の間にメッシュ台枠93が設けられている。長手方向Y両端部Z2に枠材83が設けられており、鋼板プレート82と枠材83がボルト88によって固定されている。第2支柱84の略中央には孔87を設けている。孔87に第1支柱86を挿入し、第1支柱86の開口部86Aに第3支柱90を挿入する。
【0065】
なお、本発明の枠付載台1や第1支柱21、第2支柱31等の構成物品の大きさは、横型システムの車載置台60や縦型システムの車載置台70の場合と同様に、本発明を取り付ける車両50の大きさに適合するように適宜変更することができる。また、本発明の素材は、金属性であることが望ましいが、耐久性のある強固な素材であればどのような素材であってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】横型システムの折り畳み式車載置台に物を載せる状態の斜視図である。
【図2】横型システムの折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の斜視図である。
【図3】横型システムの折り畳み式車載置台を傾動させて、スロープを引出した状態の斜視図である。
【図4】横型システムの折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の要部拡大斜視図である。
【図5】横型システムの折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の第1支柱と第2支柱の結合部の要部拡大図である。
【図6】横型システムの折り畳み式車載置台に物を載せる状態の第1支柱と第2支柱の結合部の要部拡大図である。
【図7】縦型システムの折り畳み式車載置台の側面図である。
【図8】縦型システムの折り畳み式車載置台の正面断面図である。
【図9】縦型システムの折り畳み式車載置台の平面概略図である。
【図10】縦型システムの折り畳み式車載置台の一部欠截の平面概略図である。
【図11】横型システムの折り畳み式車載置台の側面図である。
【図12】横型システムの折り畳み式車載置台の正面図である。
【図13】縦長システムの折り畳み式車載置台の枠付載台に物を載せる状態の斜視図である。
【図14】縦長システムの折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の斜視図である。
【図15】縦長システムの折り畳み式車載置台の載台を傾動させた状態の斜視図である。
【図16】縦長システムの折り畳み式車載置台を折り畳んだ状態の裏面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 枠付載台
1A 端部
1B 載置部
2 枠
3 上枠
3A 枠材
4 固定柱
5 芯柱
6 枠付載台固定柱
7 枠付載台傾動ストッパー
7A 操作手段
7B 弾性体
7C 引掛け
7D ストッパー固定柱
8 突部
9 L字型ストッパー
10 プレート
11 スロープ
12 枠留めボルト
13 スロープ固定具
14 蝶番
15 載台固定柱
16 載台固定プレート
17 孔
21 第1支柱
21A 先端部
21B 孔付板
22 起伏プレート
23 起伏孔
24 起伏柱
25 係止スペース
26 孔
27 ボルト
27A 端部
31 第2支柱
31A 端部
32 支持プレート
33 支持板
34 板
35 ロック棒
36 孔
41 連結体
42 第1支柱嵌入孔
43 孔カバー
44 ボルト
50 車両
60 横型システムの車載置台
70 縦型システムの車載置台
80 縦長システムの車載置台
81 載台
82 鋼板プレート
83 枠材
84 第2支柱
85 傾動柱
86 第1支柱
86A 開口部
86B 第1支柱嵌入孔
87 孔
88 ボルト
90 第3支柱
90A 開口部
91 ロック棒
93 メッシュ台枠
X 幅方向
X1 両端部
Y 長手方向
Y1 両端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装着できる第1支柱と、該第1支柱に起伏自在に枢支した第2支柱と、この第2支柱に設けた複数個の孔を備えた前記第1支柱に添接される支持板を備えた一枚又は複数枚の支持プレートと、この支持プレートの孔に嵌入される前記第2支柱を固定するロック棒と、前記第2支柱に蝶番を介して設けた車椅子、品物等の物を載せる枠付載台と、この枠付載台に設けた収容及び/又は引出し可能なスロープと、このスロープを収容時及び/又は引出し時に固止する固定具で構成し、
前記枠付載台を前記第2支柱の起伏を利用して前記第1支柱に起伏自在に構成し、また前記枠付載台を第2支柱に設けた蝶番を利用して傾動可能としたことを特徴とする折り畳み式車載置台。
【請求項2】
請求項1に記載の折り畳み式車載置台において、第2支柱に設けた複数個の孔を備えた複数枚の支持プレートが第2支柱を狭持し、支持プレートの間に支持板を設け、この支持プレートの孔に嵌入される該第2支柱を固定するロック棒とからなることを特徴とする折り畳み式車載置台。
【請求項3】
請求項1に記載の折り畳み式車装置台において、枠付載台とスロープの間に蝶番を介してプレートを設けることを特徴とする折り畳み式車載置台。
【請求項4】
車に装着できる開口部を後端に有する第1支柱と、第1支柱にT字形に枢支した第2支柱と、第1支柱の開口部に嵌入する第3支柱と、
第2支柱に設けた対の鋼板プレートと、この鋼板プレートに差渡されたメッシュ台枠とからなる車椅子、品物等を載せる載台と、鋼板プレートの端部に設けた枠材とからなることを特徴とする折り畳み式車載置台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−327272(P2006−327272A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150196(P2005−150196)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(505189730)
【Fターム(参考)】