説明

折り畳み式電子機器

【課題】一対の平行2軸ヒンジを小型化しつつ、負荷機構とリンク機構が双方とも機能する折り畳み式電子機器を提供する。
【解決手段】本発明に係る折り畳み式電子機器において、第1筐体10と、第2筐体20と、前記第1筐体と第2筐体とを開閉可能に連結するヒンジ機構30と、を具える折り畳み式電子機器において、前記ヒンジ機構は、互いに平行な第1ヒンジ軸31と第2ヒンジ軸32を具える一対の平行2軸ヒンジ34、35であって、前記第1ヒンジ軸を前記第1筺体、前記第2ヒンジ軸を前記第2筺体に連結してなる一対の平行2軸ヒンジを具え、前記一対の平行2軸ヒンジの一方は、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸に回転抵抗力を付与する主負荷機構90を具え、他方の平行2軸ヒンジは、前記第1ヒンジ軸と前記第2ヒンジ軸を互いに逆方向となるよう回転を規制するリンク機構70を具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の筐体をヒンジ機構により互いに開閉可能に連結してなる折り畳み式電子機器に関し、より具体的にはヒンジ機構を構成する平行2軸ヒンジの小型化を達成できる折り畳み式電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式電子機器として、一対の筐体をヒンジ機構により相対的に開閉可能に連結した電子機器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ヒンジ機構として、特許文献1では、互いに平行な2つのヒンジ軸を有し、筐体の左右に設けられる平行2軸ヒンジが採用されている。
【0003】
平行2軸ヒンジは一般に、一方の筐体の回転方向と他方の筐体の回転方向とが互いに逆方向となるように2本のヒンジ軸の回転を規制するリンク機構を具え、平行2軸ヒンジが両筐体の開き角度に対して略中央の角度で維持されるようにしたものもある。
【0004】
平行2軸ヒンジは更に、閉状態、開状態、その他必要に応じて複数の開き角度で両筐体の姿勢を保持できるように、これら姿勢に至ったときにヒンジ軸に所定の抵抗が生ずるようにした負荷機構を具えたヒンジ機構もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−249209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記リンク機構と負荷機構を各々の平行2軸ヒンジに具えたヒンジ機構もあるが、この場合、各平行2軸ヒンジが幅方向に大型化する。このため、特にスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話などの小型の電子機器では、平行2軸ヒンジを搭載するために電子機器自体が大型化したり、ヒンジ機構が筐体の側面からはみ出すなどのデザイン上の制約を受けることがある。
【0007】
本発明の目的は、一対の平行2軸ヒンジを小型化しつつ、負荷機構とリンク機構が双方とも機能する折り畳み式電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る折り畳み式電子機器においては、
第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と第2筐体とを開閉可能に連結するヒンジ機構と、
を具える折り畳み式電子機器において、
前記ヒンジ機構は、互いに平行な第1ヒンジ軸と第2ヒンジ軸を具える一対の平行2軸ヒンジであって、前記第1ヒンジ軸を前記第1筺体、前記第2ヒンジ軸を前記第2筺体に連結してなる一対の平行2軸ヒンジを具え、
前記一対の平行2軸ヒンジの一方は、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸に回転抵抗力を付与する主負荷機構を具え、
他方の平行2軸ヒンジは、前記第1ヒンジ軸と前記第2ヒンジ軸を互いに逆方向となるよう回転を規制するリンク機構を具える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る折り畳み式電子機器によれば、一方の平行2軸ヒンジにリンク機構を、他方の平行2軸ヒンジに主負荷機構を具えている。
従って、主負荷機構により任意の開き角度で両筐体の姿勢を保持できると共に、リンク機構により第1筐体の回転方向と第2筐体の回転方向とが互いに逆方向となるように規制できる。
このように、各平行2軸ヒンジに具える機能を分離したことで、リンク機構と負荷機構の両方の機能を具えた平行2軸ヒンジに比して、平行2軸ヒンジを小型化することができる。
【0010】
これにより、デザイン上の制約も少なくできるから、電子機器のデザインバリエーションに及ぼす制約を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の折り畳み式電子機器の閉状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態の折り畳み式電子機器の開状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、第2筐体からバックキャビネットを取り外した状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、開状態の折り畳み式電子機器を裏返し、第2筐体を分解した状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態のヒンジ機構の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態の主負荷機構を具えた平行2軸ヒンジの一部破断図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態のリンク機構を具えた平行2軸ヒンジの一部破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明の一実施形態である折り畳み式電子機器(1)は、図1及び図2に示す如く、第1筐体(10)と第2筐体(20)とを相対的に揺動可能に連結して構成され、図1に示す閉状態と図2に示す開状態との間で開閉が可能である。
【0013】
本発明は、筐体(10)(20)を開閉可能に連結するヒンジ機構(30)を具え、該ヒンジ機構(30)の平行2軸ヒンジ(34)(35)のうち、一方の平行2軸ヒンジ(34)がヒンジ軸(31)(32)(後述する図5参照)に回転抵抗を付与し、筐体(10)(20)を所望の開き角度で保持する負荷機構(90)(主負荷機構とも称する。後述する図6参照)を具備し、他方の平行2軸ヒンジ(35)がヒンジ軸(31)(32)の相対的な回転角度を規制し、ヒンジ機構(30)を中心として両筐体(10)(20)の開き角度を対称とするリンク機構(70)(後述する図7参照)を具えることを特徴とするものである。
【0014】
以下の記載では、「開状態」とは、両筐体(10)(20)を相対的に開いて、両筐体(10)(20)に装着される、表示パネルやタッチパネル等のパネル体(60)(60)を同一方向へ向けて略同一平面上で並べた状態(図2参照)、「閉状態」とは、両筐体(10)(20)を互いにパネル体が接近する方向に閉じて、パネル体どうしを対向させた状態を意味する(図1参照)。
【0015】
又、図3及び図4に示す如く、第1筐体(10)は、フロントキャビネット(11)とバックキャビネット(12)とを互いに接合して構成され、第2筐体(20)は、フロントキャビネット(21)とバックキャビネット(22)(図3には示さず)とを互いに接合して構成されている。
【0016】
図1及び図2に示す如く、第1筐体(10)と第2筐体(20)は、ヒンジ機構(30)により連結される。ヒンジ機構(30)は、筐体(10)(20)どうしが連結する端部側の左右に夫々配備された平行2軸ヒンジ(34)(35)により構成することができる。
【0017】
本実施形態では、図5に詳細に示すように、平行2軸ヒンジ(34)と平行2軸ヒンジ(35)を、連結杆(36)によって連結して構成し、両平行2軸ヒンジ(34)(35)の相対的な角度がずれないようにしている。平行2軸ヒンジ(34)(35)と連結杆(36)は、溶接、ネジ止め、接着等の要領で連結することができ、平行2軸ヒンジ(34)(35)と連結杆(36)を一体に形成することもできる。
【0018】
なお、平行2軸ヒンジ(34)(35)及び連結杆(36)に強度を具備するために、平行2軸ヒンジ(34)(35)及び連結杆(36)は金属から構成することができる。
【0019】
平行2軸ヒンジ(34)(35)は、図5に示すように、夫々内向きに第1ヒンジ軸(31)及び第2ヒンジ軸(32)が平行2軸ヒンジ(34)(35)に対して回動可能に突設されており、第1ヒンジ軸(31)は第1筐体(10)に、第2ヒンジ軸(32)は第2筐体(20)に夫々固定されている。
【0020】
第1ヒンジ軸(31)どうし、第2ヒンジ軸(32)どうしを夫々結ぶ軸線A1、A2は互いに平行である。
【0021】
又、本実施形態の折り畳み式電子機器(1)は、図2乃至図5に示すように、一方のヒンジ軸(図示及び以下では第2筺体(20)に連結される第2ヒンジ軸(32))は、筺体(図示及び以下では第2筺体(20))に対してスライド可能な左右一対のスライド部材(41)を介して、筺体に接続している。
詳細な説明は省略するが、上記構成としたことにより、スライド部材(41)は、バネによる付勢力によって、図1に示す閉状態では、第2筐体(20)を第1筐体(10)上に正確に重ね合わせることができ、図2に示す開状態では、第1筐体(10)と第2筐体(20)とを僅かな間隔Gをおいて接近させて、両筐体(10)(20)の閉状態で対向する面どうしを略同一平面とするようにしている。
【0022】
勿論、本発明は、単に開状態で両筐体(10)(20)の表面を同一面上に揃える構成の平行2軸ヒンジにも適用できる。
【0023】
一方の平行2軸ヒンジ(34)は、図6に示す如く、主負荷機構(90)を具える。該主負荷機構(90)は、第1ヒンジ軸(31)及び第2ヒンジ軸(32)に軸線A1、A2周りに所定の抵抗を付与し、筐体(10)(20)の閉状態、開状態、その他必要に応じた複数の開き角度の姿勢を保持するものである。
【0024】
図中、符号(49)は、第1筐体(10)と第2筐体(20)の内部に収容される各種電子部品等(図示せず)を電気的に接続する配線である。
【0025】
主負荷機構(90)は、軸線A1、A2方向において第1筐体(10)及び第2筐体(20)を枢支する側から平行2軸ヒンジ(34)の内壁(38)に向けて、第1ヒンジ軸(31)及び第2ヒンジ軸(32)を夫々回転軸とする第1フランジ(98)及び第2フランジ(99)、第1フランジ(98)及び第2フランジ(99)と当接する当て板(95)、この当て板(95)と平行2軸ヒンジ(34)の内壁(38)に当接し、軸線A1、A2方向に弾性変形可能なウェーブワッシャ(93)を具えた構成とすることができる。
【0026】
第1フランジ(98)と第2フランジ(99)は夫々第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)に固定され、当て板(95)には、第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)が回転自在に貫通している。また、第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)の先端には夫々ウェーブワッシャ(93)がワッシャ(92)(94)で挟まれた状態で回転自在に嵌まっている。
【0027】
ウェーブワッシャ(93)は、ワッシャ(92)を介して、平行2軸ヒンジ(34)の内壁(38)に押し当てられ、ワッシャ(94)を介して当て板(95)を第1フランジ(98)及び第2フランジ(99)に押し当てている。
当て板(95)は軸線A1、A2方向に移動可能なので、ウェーブワッシャ(93)の付勢力は当て板(95)に対する第1フランジ(98)及び第2フランジ(99)の回転方向の摩擦となり、第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)の回転抵抗となる。
【0028】
この回転方向の抵抗によって、第1ヒンジ軸(31)及び第2ヒンジ軸(32)は、筐体(10)(20)の閉状態、開状態、その他必要に応じて複数の開き角度で両筐体(10)(20)の姿勢を保持できる。
【0029】
主負荷機構(90)の回転抵抗は、後述する補助負荷機構(80)の回転抵抗よりも大きく設定される。例えば回転抵抗は略30Nに設定できる。
勿論、この回転抵抗は、筐体(10)(20)の開閉に好ましい力とすることができ、又、筐体(10)(20)の大きさや重量に応じて適宜変更できる。
【0030】
なお、主負荷機構(90)は、上記の構成に限らず、バネ、ゴム等を用いた構成としてもよい。
【0031】
他方の平行2軸ヒンジ(35)は、図7に示す如く、リンク機構(70)を具える。該リンク機構(70)は、第1筐体(10)の回転方向と第2筐体(20)の回転方向とが互いに逆方向となるように第1ヒンジ軸(31)(軸線A1)と第2ヒンジ軸(32)(軸線A2)の回転を規制するものである。
【0032】
リンク機構(70)は、第1ヒンジ軸(31)(軸線A1)と一体に回転する第1ギア(71)、第2ヒンジ軸(32)(軸線A2)と一体に回転する第2ギア(72)を具え、両ギア(71)(72)を従動ギア(73)(74)により連繋している。
【0033】
即ち、第1筐体(10)を開き又は閉じ方向に回転させると、その回動力は第1ヒンジ軸(31)に伝達され、第1ギア(71)を回転させる。第1ギア(71)の回転は、従動ギア(73)(74)を介して、第2ギア(72)に伝達されて、第2ギア(72)が、第1ギア(71)とは逆方向に同じ角度回転し、第2ヒンジ軸(32)も第1ヒンジ軸(31)とは逆方向に回転する。これにより、筐体(10)(20)は、ヒンジ機構(30)、より具体的には連結杆(36)を中心として、同じ角度だけ揺動させることができる。
【0034】
なお、第2筐体(20)を開き又は閉じ方向に回転させた場合は、第2ヒンジ軸(32)から第1ヒンジ軸(31)に逆方向の回転が伝達される。
両筐体(10)(20)を相対的に開き又は閉じ方向に回転させた場合は、上記を組み合わせた動作となる。
【0035】
上記のように一方の平行2軸ヒンジ(35)にリンク機構(70)を具備することで、両筐体(10)(20)の回動をヒンジ機構(30)に対して対称なものとすることができる。
【0036】
なお、本発明に適用できるリンク機構(70)は上記構成に限られず、第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)が互いに逆方向に略同じ角度回転するよう規制するものであれば、例えばベルトのたすき掛けやカム等によるリンク機構を用いることができる。
【0037】
上記のように、両筐体(10)(20)を連結するヒンジ機構(30)のうち、一方の平行2軸ヒンジ(34)に筐体(10)(20)の姿勢を維持する主負荷機構(90)、他方の平行2軸ヒンジ(35)に筐体(10)(20)を対称に回動させるリンク機構(70)を具えることで、各平行2軸ヒンジ(34)(35)の機能を分けることができる。従って、平行2軸ヒンジ(34)(35)の小型化を達成でき、特に小型の折り畳み電子機器に適用したときに、占有領域を小さくできるから、これら電子機器のデザインバリエーションに及ぼす制約を低減できる。
【0038】
ここで、前述のように一方の平行2軸ヒンジ(34)にのみ負荷機構を具える構成では、筐体(10)(20)を開閉したときに、負荷機構のない他方の平行2軸ヒンジ(35)に捻じれが生じ、筐体(10)(20)の開閉がスムーズに行なえなくなる虞がある。
【0039】
そこで、主負荷機構(90)のない平行2軸ヒンジ(35)に、図7に示す如く、補助負荷機構(80)を具える構成とすることができる。補助負荷機構(80)は、主負荷機構(90)よりもヒンジ軸(31)(32)に対して付与する回転抵抗が小さい構成とする。
【0040】
補助負荷機構(80)は、軸線A1、A2方向において第1筐体(10)及び第2筐体(20)を枢支する側から平行2軸ヒンジ(35)の内壁(39)に向けて、第1ヒンジ軸(31)及び第2ヒンジ軸(32)を夫々回転軸とする第1フランジ(88)及び第2フランジ(89)、第1フランジ(88)及び第2フランジ(89)と当接する当て板(85)、この当て板(85)と平行2軸ヒンジ(34)の内壁(39)に当接し、軸線A1、A2方向に弾性変形可能なゴム(83)を具えた構成とすることができる。
【0041】
第1フランジ(88)と第2フランジ(89)は夫々第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)に固定され、当て板(85)には、第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)が回転自在に貫通している。また、第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)の先端には夫々ゴム(83)が回転自在に嵌まっている。
【0042】
ゴム(83)は、ワッシャ(84)を介して、平行2軸ヒンジ(35)の内壁(39)に押し当てられ、当て板(85)を第1フランジ(88)及び第2フランジ(89)に押し当てている。
当て板(85)は軸線A1、A2方向に移動可能なので、ゴム(83)の付勢力は当て板(85)に対する第1フランジ(88)及び第2フランジ(89)の回転方向の摩擦となり、第1ヒンジ軸(31)と第2ヒンジ軸(32)の回転抵抗となる。
【0043】
この回転方向の抵抗によって、他方の平行2軸ヒンジ(35)側で第1ヒンジ軸(31)(軸線A1)と第2ヒンジ軸(32)(軸線A2)の捻じれを防止でき、筐体(10)(20)の開閉をスムーズに行なうことができる。
【0044】
補助負荷機構(80)の回転抵抗は、上述のように主負荷機構(90)の回転抵抗よりも小さく設定する。例えば主負荷機構(90)による回転抵抗が略30Nであるとき、10分の1程度の略3Nとなるように調整することができる。
勿論、この付勢力は、筐体(10)(20)の開閉に好ましい力とすることができ、又、筐体(10)(20)の大きさや重量に応じて適宜変更できる。
【0045】
なお、補助負荷機構(80)は、上記の構成に限らず、バネ、ワッシャ等を用いた構成としてもよい。
【0046】
補助負荷機構(80)は、主負荷機構(90)に比して、回転抵抗が小さくて済むから、簡便な構造且つ小型化を達成できる。従って、補助負荷機構(80)は、リンク機構(70)と共に平行2軸ヒンジ(35)に配備しても、平行2軸ヒンジ(35)が大型化してしまうことを防止できる。
【0047】
上記のように、主負荷機構(90)のない平行2軸ヒンジ(35)に、主負荷機構(90)よりも付与する回転抵抗が小さい補助負荷機構(80)を具えることで、筐体(10)(20)を開閉したときに、平行2軸ヒンジ(35)に捻じれを生じさせることなく開閉をスムーズに行なうことができる。
【0048】
なお、上記では、説明をわかりやすくするために、符号(10)を第1筐体、符号(20)を第2筐体として説明を行なったが、第1筐体と第2筐体はその構成を入れ替えることができることは勿論である。
また、一方の平行2軸ヒンジ(34)にリンク機構(70)のみ、又はリンク機構(70)と補助負荷機構(80)を、他方の平行2軸ヒンジ(35)に主負荷機構(90)を具えるような構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、一対の平行2軸ヒンジを小型化しつつ、負荷機構とリンク機構が双方とも機能する折り畳み式電子機器として有用である。
【符号の説明】
【0050】
(1) 折り畳み式電子機器
(10) 第1筐体
(20) 第2筐体
(30) ヒンジ機構
(31) 第1ヒンジ軸
(32) 第2ヒンジ軸
(34) 平行2軸ヒンジ
(35) 平行2軸ヒンジ
(36) 連結杆
(70) リンク機構
(80) 補助負荷機構
(90) 主負荷機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と第2筐体とを開閉可能に連結するヒンジ機構と、
を具える折り畳み式電子機器において、
前記ヒンジ機構は、互いに平行な第1ヒンジ軸と第2ヒンジ軸を具える一対の平行2軸ヒンジであって、前記第1ヒンジ軸を前記第1筺体、前記第2ヒンジ軸を前記第2筺体に連結してなる一対の平行2軸ヒンジを具え、
前記一対の平行2軸ヒンジの一方は、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸に回転抵抗力を付与する主負荷機構を具え、
他方の平行2軸ヒンジは、前記第1ヒンジ軸と前記第2ヒンジ軸を互いに逆方向となるよう回転を規制するリンク機構を具えること、
を特徴とする折り畳み式電子機器。
【請求項2】
前記他方の平行2軸ヒンジは、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸に前記主負荷機構よりも小さい回転抵抗力を付与する補助負荷機構を具える請求項1に記載の折り畳み式電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−104461(P2013−104461A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247432(P2011−247432)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】