説明

折畳み式携帯端末

【課題】ユーザの鑑賞状況に合わせて3次元表示の映像を変化させると共に、2次元表示を行う場合に、開閉操作をスムーズに行うことができる携帯端末を提供する。
【解決手段】第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、側面視で、第1固定プレートの表面側角部(第1の表示装置の表面側角部)と、第2固定プレートの表面側角部(第2の表示装置の表面側角部)とを、互いに当接した状態でヒンジ部に対して直線状の軌跡で移動させる。3次元表示モードにおいて開閉操作時には、第1の表示装置のみが3次元画像を表示し、開閉角度が大きくなるにつれて3次元表示を大きな画像から小さな画像に徐々に変化させ、全開操作時には、連続した第1の表示装置及び第2の表示装置の両方で、1つの3次元画像を表示するように切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の表示装置を有する第1の筐体と、第2の表示装置を有する第2の筐体とが、ヒンジ部を中心に折畳み開閉可能に接続された折畳み式携帯端末に関し、特に3次元表示の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高画質の表示が可能な表示装置として、例えば、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)が知られている。そして、タッチパネル等の技術を利用することにより、折畳み携帯端末において、一対の筐体にそれぞれ表示装置を設けることが行われてきている。
【0003】
一方、コンピュータグラフィックスやゲームなどの立体的な映像を楽しめる3次元表示を行える表示装置が最近注目を浴びている。そのような表示装置において、例えば、特許得文献1では、机等に載置される立体画像表示装置において、3次元表示面上の表示空間及び表示空間の近傍に配置されたユーザが把持する把持デバイスの位置及び向きを検出し、把持デバイスの位置及び向きに基づいて、把持デバイスと連続又は近接する位置に3次元映像を表示させるための演算を行い、計算処理工程による演算結果に基づいて、把持デバイスと連続又は近接する位置に3次元映像を連動3次元映像として表示させるようにしている。
【0004】
また、特許文献2の表示制御装置では、検知手段が、対象物の3次元位置に基づいて対象物の動きを検知し、表示制御手段が対象物の動きとして、表示部の3次元位置に基づく複数の検知空間のうち、対象物における第1の検知空間内への移動が検知されたことに対応して、アプリケーションを選択するために表示部の画面上に表示されるアイコンを再配置して表示させるようにしている。これにより、表示パネル面とその上面空間に位置する対象物の位置を検知して対応する表示制御を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−219788号公報
【特許文献2】特開2010−92505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、3次元表示の映像を見るときに、折畳み式携帯端末での映像をできるだけ大きくして鑑賞したい場合がある。逆に周りに人がいる場合、他人に見られることなく映像を楽しむには、映像を小さくしたいという場合もある。
【0007】
しかしながら、従来の3次元表示を行える表示装置で、そのような鑑賞状況に合わせて画像を調整するものはない。
【0008】
一方、折畳み式携帯端末の両方の表示装置で2次元表示を行う場合において、いずれの角度においても2つの画面を連続させて鑑賞できるようにすれば、開閉操作時及び全開操作時のいずれの場合でも大きな画面で2次元画像を楽しむこともできる。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、折畳み式携帯端末において、ユーザの鑑賞状況に合わせて3次元表示の映像を変化させ、快適に3次元映像を楽しむことができるようにすると共に、2次元表示を行う場合に、開閉途中において2つの画面の2次元画像を連続させながら、開閉操作をスムーズに行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明では、ヒンジ部により、開閉途中の第1の表示装置の表面側角部及び第2の表示装置の表面側角部の側面視の軌跡を規制すると共に、3次元表示モードにおいて、開閉角度が大きくなるにつれて3次元表示が奥まった表示から飛び出した表示に、又は小さい表示から大きい表示に変化させ、全開時には、2つの表示装置で1つの大きな3次元画像を表示するようにした。
【0011】
具体的には、第1の発明では、第1の表示装置を有する第1の筐体と、第2の表示装置を有する第2の筐体とが、ヒンジ部を中心に折畳み開閉可能に接続された折畳み式携帯端末を前提とする。
【0012】
そして、上記ヒンジ部は、上記第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、側面視で、上記第1の表示装置の表面側角部と、上記第2の表示装置の表面側角部とが、互いに当接した状態で該ヒンジ部に対して直線状の軌跡で移動するように、該第1の筐体と第2の筐体とを接続し、
上記第1の表示装置及び第2の表示装置は、2次元画像だけでなく3次元画像も表示可能に構成され、
3次元表示モードにおいて、上記第1の筐体を上記第2の筐体に対して開閉する開閉操作時には、上記第1の表示装置のみが3次元画像を表示し、上記第1の表示装置の上記第2の表示装置に対する開閉角度が大きくなるにつれて上記3次元表示が奥まった表示から飛び出した表示に徐々に変化し、
上記第1の筐体及び上記第2の筐体が180°開いた全開操作時には、連続した上記第1の表示装置及び上記第2の表示装置の両方で、1つの3次元画像を表示するように切換可能に構成されている。
【0013】
上記の構成によると、ヒンジ部により、第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、第1の表示装置の表面側角部と、第2の表示装置の表面側角部とが互いに干渉せずにヒンジ部に対して直線状の軌跡で移動するように規制される。このため、第1の表示装置の表面(カバー)及び第2の表示装置の表面(カバー)が、それぞれ厚みをもっていても、互いに当接した状態を保ちながら、スムーズに全閉操作を行うことが可能になる。携帯場所で3次元画像を鑑賞する場合、周囲の人に見られたくない場合には、第1の筐体と第2の筐体との開閉角度を小さくすることで、3次元画像が奥まった位置で表示されるので、周りの視線を気にせず鑑賞が行える。一方、周囲の人に見られてもよい場合には、開閉角度を徐々に大きくして3次元画像をより飛び出した状態で鑑賞すれば、より臨場感を得ながら鑑賞が行える。そして、周囲の人に見せたいときやできるだけ大きな画面で鑑賞したいときには、ヒンジ部の機能により、全開操作時に第1の表示装置による3次元画像と第2の表示装置に夜3次元画像とを連続させることで、最も大きく、且つ飛び出した臨場感のある3次元画像を表示できる。
【0014】
第2の発明では、上記第1の発明と同様の折畳み式携帯端末を前提とし、
上記ヒンジ部は、上記第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、側面視で、上記第1の表示装置の表面側角部と、上記第2の表示装置の表面側角部とが、互いに当接した状態で該ヒンジ部に対して直線状の軌跡で移動するように、該第1の筐体と第2の筐体とを接続し、
上記第1の表示装置及び第2の表示装置は、2次元画像だけでなく3次元画像も表示可能に構成され、
3次元表示モードにおいて、上記第1の筐体を上記第2の筐体に対して開閉する開閉操作時には、上記第1の表示装置のみが3次元画像を表示し、上記第1の表示装置の上記第2の表示装置に対する開閉角度が大きくなるにつれて上記3次元表示が小さな画像から大きな画像に徐々に変化し、
上記第1の筐体及び上記第2の筐体が180°開いた全開操作時には、連続した上記第1の表示装置及び上記第2の表示装置の両方で、1つの3次元画像を表示するように切換可能に構成されている。
【0015】
上記の構成によると、ヒンジ部により、第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、第1の表示装置の表面側角部と、第2の表示装置の表面側角部とが互いに干渉せずにヒンジ部に対して直線状の軌跡で移動するように規制される。このため、第1の表示装置の表面(カバー)及び第2の表示装置の表面(カバー)が、それぞれ厚みをもっていても、互いに当接した状態を保ちながら、スムーズに全閉操作を行うことが可能になる。携帯場所で3次元画像を鑑賞する場合、周囲の人に見られたくない場合には、第1の筐体と第2の筐体との開閉角度を小さくすることで、小さな3次元画像が表示されるので、周りの視線を気にせず鑑賞が行える。一方、周囲の人に見られてもよい場合には、開閉角度を徐々に大きくしてより大きな3次元画像で鑑賞すれば、より臨場感を得ながら鑑賞が行える。そして、周囲の人に見せたいときやできるだけ大きな画面で鑑賞したいときには、ヒンジ部の機能により、全開操作時に第1の表示装置による3次元画像と第2の表示装置に夜3次元画像とを連続させることで、最も大きな臨場感のある3次元画像を表示できる。
【0016】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記ヒンジ部は、
上記第1の筐体の対向する各側面にそれぞれ連結された第1及び第2ガイドピンと、
第1方向に延び、上記第1ガイドピンの移動軌跡を規制する第1ガイド孔及び該第1方向とは異なる第2方向に延び、上記第2ガイドピンの移動軌跡を規制する第2ガイド孔と、
上記第2の筐体の対向する各側面にそれぞれ連結された第3及び第4ガイドピンと、
第3方向に延び、上記第3ガイドピンの移動軌跡を規制する第3ガイド孔及び該第3方向とは異なる第4方向に延び、上記第4ガイドピンの移動軌跡を規制する第4ガイド孔とを備えている。
【0017】
上記の構成によると、第1〜第4ガイド孔の形状を調整することにより、各ガイドピンの移動軌跡を規制することで、各表面側角部の移動軌跡を適切に調整することができる。このため、各表面側角部が近付きすぎず且つ離れすぎないような移動規制が可能となる。このため、開閉途中において連続した大きな2次元画像を楽しむことができる。
【0018】
第4の発明では、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、
上記第1及び第2の筐体の開閉角度が180度になったときに、該第1及び第2の筐体の裏面側が平坦となり、その状態でロック可能に構成されている。
【0019】
上記の構成によると、180°の全開時に裏面側が完全に平坦なので、机上等においてもぐらつかず、操作が容易である。また、全開状態で固定されるので、適度に傾ければ2次元画像及び3次元画像のいずれを表示する場合でも連続した大きな画面が、さらに見やすくなる。
【0020】
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記第1の表示装置は、上記第1の筐体内でスライド移動可能に配置される第1表示モジュールと、該第1の筐体に固定されて該第1表示モジュールの表面を覆う第1固定プレートとを備え、
上記第2の表示装置は、上記第2の筐体内でスライド移動可能に配置される第2表示モジュールと、該第2の筐体に固定されて該第2表示モジュールの表面を覆う第2固定プレートとを備え、
上記開閉途中で、側面視で、上記第1固定プレートの表面側角部と、上記第2固定プレートの表面側角部とが互いに当接すると共に、上記第1及び第2表示モジュールが上記ヒンジ部側端部で接触するように構成されている。
【0021】
すなわち、各表示モジュールが各筐体に固定された各固定プレートの奥側に配置されていると、各固定プレート間の間隔が開かないように第1及び第2の筐体の開閉が行える場合であっても、各表示モジュール間の間隔が開いてしまって各表示モジュールの画像を連続して表示することができない。しかし、上記の構成によると、第1及び第2の筐体の開閉操作に合わせて各モジュールが各筐体内で互いにヒンジ部側端部に向かってスライド移動するので、各固定プレートが表面側角部で接触すると共に、各表示モジュールのヒンジ部側端部を接触させた状態を保つことができる。このことで、開閉操作途中で連続した2次元画像の表示が可能となる。
【0022】
第6の発明では、第5の発明において、
上記第1表示モジュールは、表面側に第1表示パネルを備え、
上記第2表示モジュールは、表面側に第2表示パネルを備え、
上記第1及び第2表示パネルのヒンジ部側表面端部に設けた導光素子によって表示領域が該第1及び第2表示パネルのヒンジ部側端部一杯まで広げられている。
【0023】
すなわち、表示パネルとして代表的な液晶パネルは、複数の画素が配列された表示領域と、その周辺の額縁領域とを有し、この額縁領域には、一対のガラス基板を互いに対向させるとともに液晶層を密閉して保持するためのシール部や、画素を駆動するための駆動回路実装部等が設けられている。このため、液晶表示パネルには表示に寄与しない額縁領域が存在するので、複数の液晶表示パネルを配列することによって大画面を構成すると、画像に継ぎ目が生じてしまう。この問題は、液晶表示装置に限らず、PDP、有機EL表示装置、電気泳動表示装置など、直視型の表示装置に共通の問題となっている。しかし、上記の構成によると、第1及び第2表示パネルのヒンジ部側表面端部に設けた導光素子によって表示領域が、第1及び第2表示パネルのヒンジ部側端部一杯まで広げられるので、各表示領域が完全に連続するように見せることができる。このため、第1及び第2の筐体の開閉途中で連続した2次元画像を楽しめると共に、全開状態では、2次元画像及び3次元画像のいずれに場合でも2つの画像を連続させた継ぎ目のない大画面の実現が可能となる。
【0024】
第7の発明では、第5又は第6の発明において、
上記第1及び第2表示モジュールは、それぞれ付勢部材によって、互いに当接するように付勢されている。
【0025】
上記の構成によると、簡単な構成で第1及び第2の筐体の開閉操作に合わせて各表示モジュールを互いに接触させながらスライド移動させることができる。このため、開閉途中及び全開状態のいずれの場合でも確実に連続した画像を表示することができる。
【0026】
第8の発明では、第5乃至第7のいずれか1つの発明において、
上記第1及び第2表示パネルは、視差バリア方式液晶よりなる。
【0027】
上記の構成によると、メガネを用いることなく簡単な構成で3次元表示が行えるので、いつでもどこでも気軽に3次元画像を楽しめる。
【0028】
第9の発明では、第5乃至第7のいずれか1つの発明において、
上記第1及び第2表示パネルは、2次元表示時には視差バリアを透明化し、3次元表示時には視差バリアを出現させるスイッチパネルを有し、
上記スイッチパネルの視差バリアの並ぶ方向を上記ヒンジ部の軸心方向に垂直及び平行のいずれかに切換可能に構成されている。
【0029】
上記の構成によると、折畳み式携帯端末の持ち方に合わせて視差バリア及び左右の目に対応する画像を配列させることで、上下に開くように持った場合でも、左右に開くように持った場合でも臨場感のある3次元表示が表示される。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、第1の筐体と第2の筐体とを接続しているヒンジ部によって、第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、側面視における第1の表示装置の表面側角部と、第2の表示装置の表面側角部との移動軌跡を規制するようにしながら、開閉角度に合わせて3次元画像の飛び出し具合や、大きさを調整できるようにし、全開時に第1の表示装置及び第2の表示装置の3次元画像を連続させて表示させるようにしたことにより、ユーザの鑑賞状況に合わせて3次元表示の映像を変化させ、快適に3次元映像を楽しむことができると共に、2次元表示を行う場合に、開閉途中において2つの画面の2次元画像を連続させながら、開閉操作をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態1にかかる折畳み式携帯端末の全開状態を示す斜視図である。
【図2】折畳み式携帯端末を閉じる途中の状態を示す斜視図である。
【図3】折畳み式携帯端末を閉じる途中の状態を示す斜視図である。
【図4】折畳み式携帯端末を閉じる途中の状態を示す斜視図である。
【図5】折畳み式携帯端末を閉じる途中の状態を示す斜視図である。
【図6】折畳み式携帯端末の全閉状態を示す斜視図である。
【図7】折畳み式携帯端末の全開状態を示す縦断面図である。
【図8】折畳み式携帯端末を閉じる途中の状態を示す縦断面図である。
【図9】折畳み式携帯端末の全閉状態を示す縦断面図である。
【図10】図7のX部拡大断面図である。
【図11】図8のXI部拡大断面図である。
【図12】図9のXII部拡大断面図である。
【図13】第1及び第2固定プレートを取り外してストッパが見えるようにした図1相当図である。
【図14】ストッパを示す拡大斜視図である。
【図15】全開状態におけるヒンジ部を拡大して示す斜視図である。
【図16】閉じる途中のヒンジ部を拡大して示す斜視図である。
【図17】全閉状態におけるヒンジ部を拡大して示す斜視図である。
【図18】視差バリア方式の原理を説明する説明図である。
【図19】スイッチ液晶を用いた2次元表示と3次元表示との切り換えの原理を説明する説明図であり、(a)が2次元表示時を、(b)が3次元表示時を示す。
【図20】画像処理を行う各構成要素の概略を示すブロック図である。
【図21】画像処理の流れを説明するフローチャートである。
【図22】3次元画像の大きさの変化を示す説明図であり、(a)が開閉角度が90°のときを示し、(b)が全開操作時を示す。
【図23】(a)が3次元画像の飛び出し感を感じさせる原理を説明する説明図であり、(b)が3次元画像の奥行き感を感じさせる原理を説明する説明図である。
【図24】本発明の実施形態2にかかる折畳み式携帯端末の全開状態を表面側から見た斜視図である。
【図25】折畳み式携帯端末の全開状態を裏面側から見た斜視図である。
【図26】折畳み式携帯端末を閉じる途中の状態を表面側から見た斜視図である。
【図27】折畳み式携帯端末を閉じる途中の状態を裏面側から見た斜視図である。
【図28】折畳み式携帯端末の全閉近傍の状態を示す斜視図である。
【図29】全開状態を示す縦断面図である。
【図30】閉じる途中の状態を示す縦断面図である。
【図31】さらに閉じた状態を示す縦断面図である。
【図32】全閉状態を示す縦断面図である。
【図33】その他の実施形態にかかるストッパを示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
(実施形態1)
図1〜図6は本発明の実施形態1の折畳み式携帯端末1を示し、この折畳み式携帯端末1は、第1の表示装置2を有する第1の筐体3と、第2の表示装置4を有する第2の筐体5とを有し、これら第1及び第2の筐体3,5が、ヒンジ部6を中心に折畳み開閉可能に接続されている。第1及び第2の筐体3,5の形状は特に限定されないが、本実施形態では、説明の簡略化のために、第1及び第2の筐体3,5の形状は、左右に長い矩形板状とし、ヒンジ部6が左右に延びて、上下の第1及び第2の筐体3,5がヒンジ部6を中心に開閉されるように手で持つことを基準に左右上下方向を指定して説明する。但し、折畳み式携帯端末1は、第1及び第2の筐体3,5を縦長にして使用することもでき、上下方向に延びるヒンジ部6を中心に左右で開閉するように手で持つこともできるのは、もちろんのことである。詳しくは後述するが、第1の表示装置及び第2の表示装置は、2次元画像及び3次元画像のいずれか一方を選択して表示可能に構成されている。
【0034】
図7〜図12に示すように、第1及び第2の筐体3,5は、例えば、内部が空洞の樹脂成形品、金属成形品等よりなり、観察者側(表面側)の第1及び第2メインキャビ3a,5aと、裏面側の第1及び第2リヤキャビ3b,5bとをそれぞれ含むものとする。第1及び第2メインキャビ3a,5aの表面側には、それぞれ透明な樹脂シート、樹脂パネルなどを含む第1及び第2固定プレート7,8が嵌め込まれて両面テープ等により固定されている。この第1及び第2固定プレート7,8は、それぞれ裏面側にタッチパネル9を含んでいる。第1及び第2リヤキャビ3b,5bの裏面側は平坦となっている。
【0035】
上記第1及び第2固定プレート7,8の内側には、第1及び第2表示モジュール11,12がそれぞれ配置されている。この第1表示モジュール11は、表面側に、第1表示パネルとしての第1液晶パネル13を備えている。この第1液晶パネル13の奥側には、第1バックライト15が設けられている。そして、第1表示モジュール11は、第1の筐体3に対して、ヒンジ部6に対して垂直方向(上下方向)にスライド移動可能に配置されている。同様に第2表示モジュール12は、表面側に、第2表示パネルとしての第2液晶パネル14を備えている。この第2液晶パネル14の奥側にも、バックライト16が設けられている。そして、第2表示モジュール12は、第2の筐体5に対し、ヒンジ部6に対して垂直方向(上下方向)にスライド移動可能に配置されている。
【0036】
詳しくは図示しないが、第1及び第2液晶パネル13,14は、公知の任意の液晶表示パネルであってよく、例えばTFT型のVAモードの液晶表示パネルである。第1及び第2液晶パネル13,14は、それぞれTFT基板及び対向基板を有し、TFT基板と対向基板との間には液晶層が設けられている。TFT基板にはTFTや画素電極が設けられ、対向基板にはカラーフィルタや対向電極が設けられている。液晶層は、シール部によって、TFT基板と対向基板との間に保持されている。対向基板の観察者側(図7における上側)、TFT基板の観察者側と反対側(図7における下側)には、それぞれ、光学フィルム層が設けられている。光学フィルム層は、偏光板や、必要に応じて設けられる位相差板を含む。本実施形態では、第1及び第2液晶パネル13,14は、2次元画像及び3次元画像のいずれか一方を選択して表示可能に構成されている。3次元表示を可能とする視差バリア方式では、図18に示すように、液晶パネル上に左目用画像Lと、右目用画像Rとをそれぞれ間隔を空けて配置し、その前側に視差バリアを設けることで、左目には左目用画像Lを、右目には右目用の画像Rを見せるようにすることで、立体的な3次元画像を表示可能に構成されている。この原理を利用するために実際の構成としては、図10及び図19等に示すように、第1及び第2液晶パネル13,14のバックライト15,16側にスイッチ液晶19がそれぞれ設けられている。このことで、図19(a)に示すように、2次元表示の場合はスイッチ液晶19の視差バリアを透明化させて平面状の映像をそのまま表示し、図19(b)に示すように、3次元表示の場合は視差バリアを発光させることにより光を分離させて立体的な映像を表示可能に構成されている。左目用画像Lと右目用画像Rとは、例えば、左右に適宜距離を空けて配置したカメラでそれぞれそれぞれ撮影した画像を用いればよい。
【0037】
一方、折畳み式携帯端末1に開閉方向検出部62を設けることで、ユーザが折畳み式携帯端末1を、ノートパソコンのように上下に開く方向に持っているか、新聞開きのように左右に開く方向に持っているかを検出するようにしてもよい。開閉方向検出部62の構成は特に限定されず、各種センサにより自動で検出してもよいし、手動入力により検出してもよい。そして、このスイッチ液晶19の視差バリアの配列方向並びに第1及び第2液晶パネル13,14上の左目用画像L及び右目用画像Rの配列方向を、開閉方向検出部62で検出した折畳み式携帯端末1の持ち方に合わせて変更させることで、上下に開き操作を行ったときと、左右に開き操作を行ったときとのいずれの場合にも3次元表示を行うことができるようになる。
【0038】
また、詳しくは図示しないが、第1リヤキャビ3bには、第1基板17が設けられ、第2リヤキャビ5bには、第2基板18(共に図7にのみ示す)が設けられると共に、第1又は第2リヤキャビ3b,5bには、バッテリが設けられている。そして、第1基板17と第2基板18とがフレキシブル基板等により互いに接続されている。図20に示すように、例えば、第1基板17又は第2基板18にはCPU70が設けられ、このCPU70にシステムバス71を介して各構成要素が接続されている。第1及び第2表示モジュール11,12は、表示モジュールコントローラ72によって制御される。
【0039】
図10に示すように、第1及び第2液晶パネル13,14は、それぞれ複数の画素が配列された表示領域20と、その周辺の額縁領域21とを有している。この額縁領域21には、一対のガラス基板を互いに対向させるとともに液晶層を密閉して保持するためのシール部や、画素を駆動するための駆動回路実装部(いずれも図示せず)等が設けられている。このため、第1及び第2液晶パネル13,14には表示に寄与しない額縁領域21が存在している。
【0040】
本実施形態の第1及び第2液晶パネル13,14の表面は、それぞれ導光パネル24で覆われ、この導光パネル24のヒンジ部6側端部には、導光素子25が設けられている。この導光素子25によって、表示領域20における額縁領域21近傍の画像が、第1液晶パネル13のヒンジ部6側端部一杯まで広げられている。導光素子25は、詳しくは図示しないが、例えば、複数の透明層と複数の金属層が積層された積層体を用いることができる。導光素子25に入射面から入射した光は、側面に平行に透明層内を伝播し、出射面から観察者側に向けて出射される。このとき、透明層に入射した光は、隣接する金属層で反射されながら、透明層内を伝播する。入射面には様々な角度から光が入射するが、シート積層体は、金属層における金属反射を利用するので、入射角度に関わらず全ての光を導光させることができる。また、導光素子25として、側面の少なくとも一部が金属部で覆われた略円柱形の透明部を含む複数の導光部を有するものを用いることができる。さらに、導光素子25として、複数の透光層が積層されたシート積層体を用いることもできる。また、画像処理プロセッサ73により継ぎ目処理が行われたり、3次元グラフィックエンジンにより3次元表示の制御も行われる。
【0041】
そして、例えば、図13に示すように、第1及び第2の筐体3,5には、上記第1及び第2表示モジュール11,12がそれぞれ収容される矩形状の収容凹部3c,5cが形成され、その左右側壁が、それぞれヒンジ部6の長手方向に対して垂直な上下方向に延びる一対のスライド側壁3d,5dを構成している。さらに、第1及び第2表示モジュール11,12は、収容凹部3c,5cのヒンジ部6と反対側の壁面にそれぞれ配置された付勢部材としての板バネ27によって、ヒンジ部6側へ押圧され、互いに当接するように付勢されている。このことで、各スライド側壁3d,5dに第1及び第2表示モジュール11,12の左右側面がそれぞれ摺接しながら各スライド側壁3d,5dに沿ってスライドするようになっている。付勢部材として板バネ27を選択しているので、軽量且つ丈夫で、狭い隙間でも大きなストロークが確保されている。
【0042】
そして、例えば、図14に示すように、第1及び第2の筐体3,5のスライド側壁3d,5dには、左右外側へ凹陥された停止用凹部28aがそれぞれ形成されている。この停止用凹部28aに対応させて第1及び第2表示モジュール11,12の第1及び第2バックライト15,16には、左右外側へ突出する突起28bが形成されている。これら停止用凹部28aとそれに対応する突起28bとの組み合わせにより、第1及び第2の筐体3,5の開閉角度αが所定角度以下になると、第1及び第2表示モジュール11,12のスライド移動を規制するストッパ28の役割を果たしている。具体的には、例えば開閉角度αが90°(α=90°)となったときに、突起28bが停止用凹部28aのスライド方向の内壁28cに当接して第1及び第2表示モジュール11,12のスライド移動を規制するように構成されている。
【0043】
そして、図10〜図12に示すように、ヒンジ部6は、第1の筐体3と第2の筐体5とを開閉する際に、側面視で、第1の表示装置2の表面側角部、すなわち、第1固定プレート7のヒンジ部側角部7aと、第2の表示装置4の表面側角部、すなわち、第2固定プレート8のヒンジ部側角部8aとが、互いに当接した状態で、ヒンジ部6に対して直線状の軌跡で移動するように、第1の筐体3と第2の筐体5とを接続している。さらに、ヒンジ部6により、第1の筐体3と第2の筐体5との全閉時において、第1固定プレート7のヒンジ部側角部7aと、第2固定プレート8のヒンジ部側角部8aとが所定の隙間cを空けて配置されるように構成されている。
【0044】
図15〜図17に示すように、ヒンジ部6は、第1及び第2の筐体3,5の対向するヒンジ部6側端部の左右側面3e,5eをそれぞれ外側から覆う金属製又は強化繊維樹脂製等のガイドプレート30を備えている。また、ヒンジ部6は、第1の筐体3の対向する左右側面3eにそれぞれ間隔を空けて連結された第1及び第2ガイドピン31,32を備え、第2の筐体5の対向する左右側面5eにそれぞれ間隔を空けて連結された第3及び第4ガイドピン41,42を備えている。
【0045】
ガイドプレート30は、第1方向に延び、第1ガイドピン31の移動軌跡を規制する第1ガイド孔33を備えている。第1方向とは、折畳み式携帯端末1を180°に全開したときに、その厚さ方向(図7の上下方向)を示す。図15等では明らかではないが、例えば、第1ガイド孔33の端部は、図15の左方へ若干湾曲している。第2ガイドピン32は、第2ガイド孔34よりも径の大きい鍔部32aを有し、この第2ガイド孔34から抜け止めされている。また、ガイドプレート30には、この第1方向とは異なる第2方向に延び、第2ガイドピン32の移動軌跡を規制する第2ガイド孔34が形成されている。第2方向とは、同じく折畳み式携帯端末1を180°に全開したときの水平方向を示す。本実施形態では、第2ガイド孔34は、第1ガイド孔33に対して略垂直な直線形状であるが、第1ガイド孔33に対して傾斜していても湾曲していてもよい。
【0046】
同様にガイドプレート30は、第3方向に延び、第3ガイドピン41の移動軌跡を規制する第3ガイド孔43を備えている。第3方向とは、折畳み式携帯端末1を180°に全開したときの、その厚さ方向を示す。図15等では明らかではないが、第3ガイド孔43の端部も、図15の右方へ若干湾曲している。第4ガイドピン42も、第4ガイド孔44よりも径の大きい鍔部42aを有し、この第4ガイド孔44から抜け止めされている。また、ガイドプレート30には、この第3方向とは異なる第4方向に延び、第4ガイドピン42の移動軌跡を規制する第4ガイド孔44が形成されている。第4方向とは、同じく折畳み式携帯端末1を180°に全開したときの水平方向を示す。本実施形態では、第4ガイド孔44も、第3ガイド孔43に対して略垂直な直線形状であるが、第3ガイド孔43に対して傾斜していても湾曲していてもよい。
【0047】
第1及び第3ガイド孔33,43と第1及び第3ガイド孔34,44の形状は、それぞれ第1及び第2の筐体3,5の角部と合わせて3点で決まる平面の軌跡を決定するように構成されており、第1及び第2の筐体3,5の角部の軌跡を任意に設定可能となっている。
【0048】
図7の手前側から見て第1方向と第3方向とは、互いに左右対称であり、同様に第2方向と第4方向とは、互いに左右対称となっている。
【0049】
そして、第1及び第3ガイドピン31,41は、ガイドプレート30における第1及び第2の筐体3,5の反対側の連結部51で互いに連結されている。連結部51は、樹脂成形品、金属成形品等よりなり、エラストマーのように可撓性を有していてもよい。
【0050】
そして、ガイドプレート30上の第1及び第3ガイド孔33,43の間には、直線状の第5ガイド孔50が形成されている。第5ガイド孔50は、図7の状態で、第1及び第3ガイド孔32,42よりも若干下方へずれて配置されている。この第5ガイド孔50には、第1及び第3ガイドピン31,41の連結部51に結合された第5ガイドピン52が挿通されている。
【0051】
このように簡単な構成で、各ガイドピン31,32,41,42の移動規制が可能となっている。
【0052】
そして、ヒンジ部6は、第1及び第2の筐体3,5のヒンジ部6側端部を覆う保護カバー60を備えている。具体的には、この保護カバー60は、左右のガイドプレート30に連結され、このガイドプレート30の外周と同等の矩形枠状の可撓性を有する材料よりなる。この保護カバー60により、第1及び第2の筐体3,5の内部が外観に現れるのが防止されている。なお、保護カバー60を金属成形品で構成してもよく、ガイドプレート30と保護カバー60とを一体に形成して部品点数を減らすようにしてもよい。
【0053】
このようなヒンジ部6の構成により、折畳み開閉動作中、第1固定プレート7と第2固定プレート8とは、ヒンジ部6側端部で接触し、また、第1及び第2表示モジュール11,12は、互いに当接するようにスライド移動してヒンジ部6側端部で接触するように構成されている。そして、第1及び第2の筐体3,5の開閉角度αが180度(α=180°)になったときに、第1及び第2リヤキャビ3b,5bと保護カバー60とは、平坦となっている。この平坦な状態で、図示しない機械的ロック手段等により第1及び第2の筐体3,5が開閉角度αが180°の状態から開いたり閉じたりしないようにロック可能に構成されている。
【0054】
また、詳しくは図示しないが、ヒンジ部6には、第1の筐体3と第2の筐体5との間の開閉角度αを検出する開閉角度検出部63が設けられている。この開閉角度検出部63の構成は特に限定されず、各種の接触センサ、非接触センサで構成すればよい。
【0055】
−折畳み式携帯端末の使用方法−
次に、本実施形態にかかる折畳み式携帯端末1の使用方法の一例について説明する。
【0056】
図21に示すように、まず、ステップS01で電源をONにする。
【0057】
次いで、ステップS02において、表示する画像の選択を選ぶ。
【0058】
ステップS03において、外部又は内部の記憶媒体上の、又は無線又は有線による通信による3次元画像か2次元画像を選択する。2次元画像を選択した場合には、ステップS04に進む。
【0059】
ステップS04では、2次元画像をそのまま2次元画像として表示するか、2次元画像を擬似的に3次元画像として表示するかを選択する。
【0060】
2次元画像として表示する場合には、ステップS05に進んで、2次元画像を表示する。
【0061】
<2次元表示>
2次元画像を表示する場合、まず、図1に示す折畳み式携帯端末1の180°の全開時には、第1及び第2固定プレート7,8が完全に連続して一枚の板状の端末のように見える。
【0062】
このとき、図15に示すように、第1,第3及び第5ガイドピン31,41,52は、それぞれ第1,第3及び第5ガイド孔33,43,50におけるヒンジ部6の厚さ方向上端に位置している。第2及び第4ガイドピン32,42は、それぞれ、第2及び第4ガイド孔34,44の左右中央側の端部に位置している。この全開姿勢では、保護カバー60が第1及び第2の筐体3,5のヒンジ部6側端部を覆っているので、第1及び第2の筐体3,5の内部が露出せず、見映えがよい。しかも、この保護カバー60を含め、裏面側全体が完全に平坦なので、机上等においてもぐらつかず、快適に操作を行える。図13に示すように、第1及び第2表示モジュール11,12は、それぞれ板バネ27に付勢されて互いにヒンジ部6側で当接し、連続している。しかも、図10に示すように、第1及び第2液晶パネル13,14のヒンジ部側表面端部に設けた導光素子25によって表示領域20が、第1及び第2液晶パネル13,14のヒンジ部6側端部一杯まで広げられる。そして、画像処理プロセッサ73で継ぎ目処理を行うことで、各表示領域20を完全に連続するように見せることができる。このため、2つの2次元画像を連続させた継ぎ目のない大画面の実現が可能となる。さらに、第1及び第2固定プレート7,8は、それぞれタッチパネル9を含むので、連続した画像を見ながら、第1及び第2の筐体3,5間で指を連続して移動させるような滑らかなタッチパネル9の操作が可能となる。また、全開状態で固定されるので、適度に傾ければ大きな2次元画像がさらに見やすくなる。
【0063】
全開の状態から、図2及び図3に示すように、第1及び第2の筐体3,5を徐々に閉じていく。すると、図16に示すように、第1,第3及び第5ガイドピン31,41,52は、それぞれ第1,第3及び第5ガイド孔33,43,50におけるヒンジ部6の厚さ方向中央に移動する。同時に第2及び第4ガイドピン32,42は、それぞれ、第2及び第4ガイド孔34,44の左右中央側の端部から互いに離れる方向に移動する。このとき、第1及び第3ガイドピン31,41の連結部51にさらに第5ガイドピン52を結合して、その第5ガイドピン52を第1及び第3ガイド孔33,43の間の直線状の第5ガイド孔50に挿通させて移動規制することにより、第1及び第3ガイドピン31,41が別々に不安定な方向に移動することなく、確実にヒンジ部6に対して直線状の軌跡を描きながら移動させることができ、第1の筐体3と第2の筐体5の開閉がスムーズに行われる。そして、連結部51に可撓性材料を用いれば、伸縮可能に連結するができ、第1及び第3ガイド孔の形状が曲線状の場合に第1及び第3ガイドピン31,41の間隔が広がっても第1の筐体3と第2の筐体5との開閉操作がスムーズに行われる。このようにして、ヒンジ部6により、第1の筐体3と第2の筐体5とを開閉する際に、第1固定プレート7のヒンジ部側角部7aと、第2固定プレート8のヒンジ部側角部8aとが互いに干渉せずにヒンジ部6に対して直線状の軌跡で移動するように規制される。このため、第1及び第2固定プレート7,8等がそれぞれ厚みをもっていても、各ヒンジ部側角部7a,8aが互いに当接した状態が保たれる。
【0064】
図3に示すように、第1及び第2の筐体3,5の開閉角度αが90°(α=90°)になるときには、第1及び第2の筐体3,5のスライド側壁3d,5dに設けた停止用凹部28aのスライド方向内壁28cに、第1及び第2バックライト15,16にそれぞれ設けた突起28bが当接する。このことで、第1及び第2表示モジュール11,12のそれ以降のスライド移動が規制される。すなわち、この角度よりも小さい角度では、ユーザが画面を見ながら使用することはまずないので、それ以下の開閉角度αで第1及び第2表示モジュール11,12の移動を制限して第1及び第2表示モジュール11,12間の表示領域20に隙間が生じても不都合はない。このように、ストッパ28により、必要以上に第1及び第2表示モジュール11,12を移動させなくてすむので、構造の簡易化が可能となる。
【0065】
次いで、図4及び図5のように折畳み式携帯端末1をさらに閉じていく。第1及び第3ガイド孔33,43の形状が端部に向かって若干互いに広がっていることから、全閉の手前で第1固定プレート7のヒンジ部側角部7aと、第2固定プレート8のヒンジ部側角部8aとが離れて隙間が生じる。
【0066】
そして、図6に示す折畳み式携帯端末1の0°の全閉時には、図17に示すように、第1,第3及び第5ガイドピン31,41,52は、それぞれ第1,第3及び第5ガイド孔33,43,50におけるヒンジ部6の厚さ方向下端に位置している。第2及び第4ガイドピン32,42は、それぞれ、第2及び第4ガイド孔34,44の左右中央側の端部に戻っている。図12に示すように、全閉時には第1固定プレート7のヒンジ部側角部7aと、第2固定プレート8のヒンジ部側角部8aとが離れて隙間cが生じる。
【0067】
また、この全閉姿勢では、保護カバー60が第1及び第2の筐体3,5のヒンジ部6側端部を覆っているので、第1及び第2の筐体3,5の内部が露出せず、見映えがよい。また、ストッパ28によってスライド移動が停止されていた第1及び第2表示モジュール11,12は、保護カバー60によって若干押し戻されて保護カバー60内に収まる。
【0068】
第1〜第4ガイド孔33,34,43,44の形状を調整することにより、各ガイドピン31,32,41,42の移動軌跡を規制することで、各表面側角部7a,8aの移動軌跡を適切に調整することができる。このため、各表面側角部7a,8aが近付きすぎず且つ離れすぎずに当接したまま互いに干渉して開閉が行えなくならないように移動規制が可能となる。
【0069】
このようなヒンジ部6の作用により、第1固定プレート7のヒンジ部側角部7aと第2固定プレート8のヒンジ部側角部8aとが、ヒンジ部6に対して直線状の軌跡を保って移動するので、互いに干渉せず、しかも、全閉時には隙間cを空けるように移動規制することにより、開閉途中において、各表面側角部に間隔を空ける必要がない。そして、第1及び第2の筐体3,5の開閉操作に合わせて各モジュール11,12が各筐体3,5内でスライド移動するので、各表示モジュール11,12のヒンジ部6側端部を接触させた状態を保つことができる。このことで、連続した画像の表示が可能となる。
【0070】
したがって、ヒンジ部6によって、第1の筐体3と第2の筐体5とを開閉する際に、側面視における第1固定プレート7のヒンジ部側角部7aと、第2固定プレート8のヒンジ部側角部8aとの移動軌跡を規制するようにしたことにより、第1の筐体3と第2の筐体5とを接続している第1及び第2の筐体3,5の開閉途中において、各表示装置2,4の表面を連続させながら、全閉も行うことができる。
【0071】
さらに、各筐体3,5に固定された固定プレート7,8の内側で、各表示モジュール11,12を互いに当接するようにスライド移動させるようにしたことにより、第1及び第2の筐体3,5の開閉途中において、表示領域20が連続した大きな2次元画像を表示することができる。
【0072】
<3次元表示>
ステップS06において、ユーザが折畳み式携帯端末1を上下方向に開くように持っているか、左右方向に開くように持っているかを開閉方向検出部62により検出する。通常使用では、机上に置いたりして上下方向に第1の筐体3を第2に筐体5に対して開く。電子図書のように左右の手で持つ場合には、第1の筐体3と第2の筐体5とが互いに開くようにして開く。ここでは、上下に開く方向の場合について説明するが、左右に開く場合も同様に3次元表示が行える。上下に開く方向の場合、視差バリアが上下に(すなわち、ヒンジ部6の軸心に垂直に)伸び、左目用画像L及び右目用画像Rが左右に並んで配列され、左右に開く方向の場合、左右に持った状態で視差バリアが上下に(すなわち、ヒンジ部6の軸心に平行に)伸び、左目用画像L及び右目用画像Rが左右に並んで配列される。
【0073】
次いで、ステップS07において、開閉角度検出部63で検出された開閉角度αを読み込む。例えば、開閉角度αが0°の状態から開く場合(0<α<180°)には、表示モジュールコントローラ72が、第1表示モジュール11のみが3次元表示を行うように制御する。一方、第2表示モジュール12では、一切表示を行わなかったり、第1表示モジュール11の3次元表示を阻害しない2次元表示を行う。
【0074】
そして、ステップS08において、3次元表示グラフィックエンジン74及び表示モジュールコントローラ72により、開閉角度αに合わせて表示する3次元画像の大きさを変更する。
【0075】
このことで、ステップS09において、開閉角度αが大きくなるにつれて3次元画像が大きく表示される。
【0076】
なお、ステップS07においては、開閉角度αに合わせて3次元表示の飛び出し感又は奥行き感を変更させるようにしてもよい。この飛び出し感又は奥行き感を体感させる原理について簡単に説明すると、例えば、左右に離れたカメラでそれぞれ撮影した左目用画像L及び右目用画像Rの画像のずれ間隔を調整することで、図23(a)に示すように、画面の前で左右の画像が交わるようにすれば、人間の脳で左右の視線が画面よりも前で交わって、画面から飛び出したように3次元画像として認識される。また、図23(b)に示すように、画面の後ろで左右の画像が交わるようにすれば、人間の脳で左右の視線が画面よりも後ろで交わって画面の奥の方に3次元画像があるように認識される。この原理を利用し、開閉角度αが小さいときには奥まって3次元画像を表示し、開閉角度αが大きくなるにつれて手前側に飛び出すように表示するように制御する。
【0077】
このように制御することで、第1の筐体3と第2の筐体5との開閉角度αを小さくすると小さな3次元画像が表示されるので、周りの視線を気にせず鑑賞が行える。一方、周囲の人に見られてもよい場合には、開閉角度αを徐々に大きくしてより大きな3次元画像で鑑賞すれば、より臨場感を得ながら鑑賞が行える。
【0078】
開閉角度αが180°すなわち、全開操作時(α=180°)には、第1の表示装置2及び第2の表示装置4のいずれもが3次元表示を行う。画像処理プロセッサ73で継ぎ目処理が行われると共に、3次元表示グラフィックエンジン74及び表示モジュールコントローラ72により、第1表示モジュール11及び第2表示モジュール12のいずれにおいても、左目用画像Lと右目用画像Rとが上下で連続するように映し出される。そして、いずれのスイッチ液晶19もONとなる。このことで、2つの表示モジュール11,12を利用した最も大きな臨場感のある3次元画像が楽しめる。また、周囲の複数人で画像を見ることができる。また、全開状態で固定されるので、適度に傾ければ大きな3次元画像がさらに見やすくなる。
【0079】
なお、逆に全開操作時から閉じる開閉操作時(0<α<180°)においては、開閉角度αが小さくなるにつれて3次元画像が小さく表示され、又は、開閉角度αが小さくなるにつれて3次元画像が奥まって表示される。
【0080】
(実施形態2)
図24〜図32は本発明の実施形態2を示し、ヒンジ部106の構成が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、本実施形態では、図1〜図23と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0081】
すなわち、本実施形態の携帯端末101では、ヒンジ部106は、第1の筐体3と第2の筐体5とが全閉時の合わせ面に中心軸がくるように、第1の筐体3と第2の筐体5とにそれぞれボス部106a,106bが形成されている。左右のボス部106a,106bに中心軸としてヒンジ軸106cを挿入することで、第1の筐体3と第2の筐体5とがヒンジ部106を中心に回動可能に連結されている。図示しないが、例えば、ヒンジ軸106c内に付勢機構を設ければ、所定の角度で保持しやすくしたり、開閉動作を補助させたりすることができる。
【0082】
上記実施形態1では、ストッパ28は、第1及び第2の筐体3,5のスライド側壁3d,5dに凹陥された停止用凹部28aと、第1及び第2バックライト15,16の突起28bとで構成したが、本実施形態でも上記実施形態1と同様のストッパ28を設ければよい。本実施形態では、図31に示すように、50°前後でストッパ28により、第1及び第2表示モジュール11,12のスライド移動を停止させるようにしてもよい。
【0083】
その他の構成部品は、上記実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0084】
次に、本実施形態にかかる折畳み式携帯端末101の作動について、特に実施形態1と異なる点を中心に説明する。
【0085】
まず、本実施形態においても、図24、図25及び図29に示す折畳み式携帯端末1の180°の全開時には、第1及び第2固定プレート7,8が完全に連続して一枚の板状の端末のように見える。
【0086】
本実施形態では、ヒンジ部106に対して第1の筐体3及び第2の筐体5は、回動動作のみを行う。第1及び第2固定プレート7,8のヒンジ部側角部7a,8aの位置は、ヒンジ軸106cの中心に一致している。
【0087】
このため、図29〜図32に示すように、全開から全閉に移り変わる際にも、常に第1及び第2固定プレート7,8のヒンジ部側角部7a,8aの位置は、ヒンジ軸106cの中心と一致している。
【0088】
一方で、第1及び第2表示モジュール11,12は、それぞれ上記実施形態1と同様にヒンジ部106に向かって互いに当接するように付勢され、導光素子25を有する第1及び第2液晶パネル13,14のヒンジ部側端部が常に互いに当接しているので、画像が連続する。
【0089】
図31に示すように、閉じる角度が約50°になったときに、第1及び第2バックライト15,16の突起28bがスライド方向内壁28cに当接するので、第1及び第2表示モジュール11,12のスライド移動が停止する。このため、それ以上第1及び第2表示モジュール11,12がスライド移動することはない。
【0090】
図32に示す全閉時には、第1及び第2固定プレート7,8の表面が互いに合わさっている。本実施形態において、例えは保護カバー60は伸縮性のある材料で構成されている。このため、上記実施形態1と同様に、ストッパ128によってスライド移動が停止されていた第1及び第2表示モジュール11,12は、保護カバー60によって若干押し戻されて保護カバー60内に収まるようにすれば、構造も簡単で見映えもよくなる。なお、保護カバー60の構成は、これに限定されず、詳しくは図示しないが、例えば、側面から見た断面が円弧状のヒンジ部106に沿って延びる3つの部材で構成し、開閉に伴って重なったり、離れたりするように構成してもよい。この場合には、全開時に第1及び第2の筐体3,5の裏面よりも引っ込むようにすれば、裏面側を平坦にすることもできる。また、全閉時に第1及び第2表示モジュール11,12を押し戻す機構を別途設ければよい。
【0091】
なお、第1及び第2固定プレート7,8の表面に薄い保護膜を貼り付ける場合には、全閉時に、この保護膜分の隙間が空くようにヒンジ軸106cとヒンジ部側角部7a,8aとの位置関係を調整すればよい。
【0092】
したがって、本実施形態にかかる折畳み式携帯端末101においても、第1及び第2の筐体3,5の開閉途中において、表示領域が連続した大きな画面を表示することができる。
【0093】
そして、3次元表示を行う場合には、上記実施形態1と同様に開閉角度αが0°<α<180°のときには、開閉操作に合わせて3次元画像の大きさや奥行き感を変化させ、開閉角度αが180(α=180°)のときには、2つの表示モジュールで1つの大きな3次元画像が楽しめる。
【0094】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0095】
すなわち、上記実施形態では、視差バリア方式を用いて3次元表示を行っているが、かまぼこ型レンズの光の屈折を利用して左右それぞれの映像を見せるレンチキュラー方式で3次元画像を表示するようにしてもよい。但し、この場合には、2次元表示との切り換えはできないので、開閉角度αが0°<α<180°では、第1表示モジュール11又は第2表示モジュール12のいずれかのみで3次元画像を表示し、他方は表示しないようにし、開閉角度αが180°の全開操作時(α=180°)には、両方のモジュールで3次元画像を連続させて表示させるようにすればよい。また、メガネを用いた3次元表示でもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、付勢部材は、板バネ27としたが、この板バネ27と同様の位置に圧縮コイルバネを設けて第1及び第2表示モジュール11,12をヒンジ部6側に押し付けるようにしてもよく、また、引っ張りコイルバネによって突起28bをヒンジ部6側に引っ張って第1及び第2表示モジュール11,12をヒンジ部6側に引き寄せるようにしてもよい。この場合にも、第1及び第2表示モジュール11,12が常に圧縮コイルバネや引っ張りコイルバネで付勢されて適切な力で互いに押し合うので、簡単な構成で、開閉途中において連続した画像の表示が可能となる。
【0097】
上記各実施形態では、ストッパ28は、第1及び第2の筐体3,5のスライド側壁3d,5dに凹陥された停止用凹部28aと、第1及び第2バックライト15,16の突起28bとで構成したが、これに限定されない。例えば、図33に示すように、ストッパ128として、第1バックライト15のヒンジ部106側端部の右に、右方向に突設した係止用突起128aと、第2バックライト16のヒンジ部106側端部の左側に、左方向に突設した係止用突起128aとを設けてもよい。この右側の係止用突起128aに対応させて第1の筐体3にヒンジ部106側へ突設したL字状突起128bを設け、左側の係止用突起128aに対応させて第2の筐体5にヒンジ部106側へ突設したL字状突起128bを設ける。右側のL字状突起128bに対向する第2の筐体5には、このL字状突起128bが収納されるように接触防止用凹部128cが凹陥され、左側のL字状突起128bに対向する第1の筐体3には、このL字状突起128bが収納されるように接触防止用凹部128cが凹陥されている。このストッパ128においても、上記各実施形態のストッパ28と同様の作用効果が得られる。なお、ストッパ128の構成部品として必ずしも第1及び第2バックライト15,16のヒンジ部106側端部に係止用突起128aを設ける必要はなく、第1及び第2の筐体3,5の開閉角度αが所定角度以下になると、L字状突起128bが第1及び第2バックライト15,16のヒンジ部106側端部そのものに当接して第1及び第2表示モジュール11,12のスライド移動を規制するように構成してもよい。この場合、L字状突起128bを押し込み可能に構成すれば、全閉時に保護カバー60によって押し込むことができる。
【0098】
上記各実施形態では、第1及び第2表示モジュール11,12に第1及び第2液晶パネル13,14を設けたが、このような液晶表示装置に限らず、PDP、有機EL表示装置、電気泳動表示装置を設けてもよい。この場合にも、同様の導光素子25を設ければ、連続した画面の表示が可能となる。
【0099】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上説明したように、本発明は、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System )、PDA(Personal Digital Assistant)、パソコン、モバイルツール、電子書籍専用端末、電子辞書、電卓、ゲーム機等の折畳み式の携帯端末について有用である。
【符号の説明】
【0101】
1 折畳み式携帯端末
2 第1の表示装置
3 第1の筐体
3e,5e 左右側面(各側面)
4 第2の表示装置
5 第2の筐体
6 ヒンジ部
7 第1固定プレート
7a ヒンジ部側角部(表示部側端部)
8 第2固定プレート
8a ヒンジ部側角部(表示部側端部)
9 タッチパネル
11 第1表示モジュール
12 第2表示モジュール
13 第1液晶パネル(第1表示パネル)
14 第2液晶パネル(第2表示パネル)
19 スイッチ液晶
20 表示領域
21 額縁領域
24 導光パネル
25 導光素子
27 板バネ(付勢部材)
30 ガイドプレート
31 第1ガイドピン
32 第2ガイドピン
33 第1ガイド孔
34 第2ガイド孔
41 第3ガイドピン
42 第4ガイドピン
43 第3ガイド孔
44 第4ガイド孔
50 第5ガイド孔
51 連結部
52 第5ガイドピン
60 保護カバー
62 開閉方向検出部
63 開閉角度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示装置を有する第1の筐体と、第2の表示装置を有する第2の筐体とが、ヒンジ部を中心に折畳み開閉可能に接続された折畳み式携帯端末において、
上記ヒンジ部は、上記第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、側面視で、上記第1の表示装置の表面側角部と、上記第2の表示装置の表面側角部とが、互いに当接した状態で該ヒンジ部に対して直線状の軌跡で移動するように、該第1の筐体と第2の筐体とを接続し、
上記第1の表示装置及び第2の表示装置は、2次元画像だけでなく3次元画像も表示可能に構成され、
3次元表示モードにおいて、上記第1の筐体を上記第2の筐体に対して開閉する開閉操作時には、上記第1の表示装置のみが3次元画像を表示し、上記第1の表示装置の上記第2の表示装置に対する開閉角度が大きくなるにつれて上記3次元表示が奥まった表示から飛び出した表示に徐々に変化し、
上記第1の筐体及び上記第2の筐体が180°開いた全開操作時には、連続した上記第1の表示装置及び上記第2の表示装置の両方で、1つの3次元画像を表示するように切換可能に構成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項2】
第1の表示装置を有する第1の筐体と、第2の表示装置を有する第2の筐体とが、ヒンジ部を中心に折畳み開閉可能に接続された折畳み式携帯端末において、
上記ヒンジ部は、上記第1の筐体と第2の筐体とを開閉する際に、側面視で、上記第1の表示装置の表面側角部と、上記第2の表示装置の表面側角部とが、互いに当接した状態で該ヒンジ部に対して直線状の軌跡で移動するように、該第1の筐体と第2の筐体とを接続し、
上記第1の表示装置及び第2の表示装置は、2次元画像だけでなく3次元画像も表示可能に構成され、
3次元表示モードにおいて、上記第1の筐体を上記第2の筐体に対して開閉する開閉操作時には、上記第1の表示装置のみが3次元画像を表示し、上記第1の表示装置の上記第2の表示装置に対する開閉角度が大きくなるにつれて上記3次元表示が小さな画像から大きな画像に徐々に変化し、
上記第1の筐体及び上記第2の筐体が180°開いた全開操作時には、連続した上記第1の表示装置及び上記第2の表示装置の両方で、1つの3次元画像を表示するように切換可能に構成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の折畳み式携帯端末において、
上記ヒンジ部は、
上記第1の筐体の対向する各側面にそれぞれ連結された第1及び第2ガイドピンと、
第1方向に延び、上記第1ガイドピンの移動軌跡を規制する第1ガイド孔及び該第1方向とは異なる第2方向に延び、上記第2ガイドピンの移動軌跡を規制する第2ガイド孔と、
上記第2の筐体の対向する各側面にそれぞれ連結された第3及び第4ガイドピンと、
第3方向に延び、上記第3ガイドピンの移動軌跡を規制する第3ガイド孔及び該第3方向とは異なる第4方向に延び、上記第4ガイドピンの移動軌跡を規制する第4ガイド孔とを備えている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
上記全開操作時に、該第1及び第2の筐体の裏面側が平坦となり、該平坦な状態でロック可能に構成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
上記第1の表示装置は、上記第1の筐体内でスライド移動可能に配置される第1表示モジュールと、該第1の筐体に固定されて該第1表示モジュールの表面を覆う第1固定プレートとを備え、
上記第2の表示装置は、上記第2の筐体内でスライド移動可能に配置される第2表示モジュールと、該第2の筐体に固定されて該第2表示モジュールの表面を覆う第2固定プレートとを備え、
上記開閉途中で、側面視で、上記第1固定プレートの表面側角部と、上記第2固定プレートの表面側角部とが互いに当接すると共に、上記第1及び第2表示モジュールが上記ヒンジ部側端部で接触するように構成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項6】
請求項5に記載の折畳み式携帯端末において、
上記第1表示モジュールは、表面側に第1表示パネルを備え、
上記第2表示モジュールは、表面側に第2表示パネルを備え、
上記第1及び第2表示パネルのヒンジ部側表面端部に設けた導光素子によって表示領域が該第1及び第2表示パネルのヒンジ部側端部一杯まで広げられている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の折畳み式携帯端末において、
上記第1及び第2表示モジュールは、それぞれ付勢部材によって、互いに当接するように付勢されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
上記第1及び第2表示パネルは、視差バリア方式液晶よりなる
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項9】
請求項5乃至7のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
上記第1及び第2表示パネルは、2次元表示時には視差バリアを透明化し、3次元表示時には視差バリアを出現させるスイッチパネルを有し、
上記スイッチパネルの視差バリアの並ぶ方向を上記ヒンジ部の軸心方向に垂直及び平行のいずれかに切換可能に構成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−123205(P2012−123205A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274019(P2010−274019)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】