説明

折畳スクリーン

【解決手段】 折畳スクリーン1は、巻取り可能なスクリーン2と、該スクリーンの両端を保持する2つの保持手段3と、上記スクリーンを上記保持手段に巻取る巻取手段4と、各保持手段にそれぞれ枢支連結した脚部材5と、該脚部材を開閉させる開閉手段6とを備えている。
使用状態においては、上記保持手段が水平方向に離隔されて上記スクリーンが展開され、上記開閉手段は上記脚部材のV字形の拡開を許容し、また上記脚部材の他端部はスクリーンの後方離隔位置に揺動されて、上記各保持手段の下端部と上記脚部材または開閉手段の少なくともいずれか一方とによって上記スクリーンを起立状態に保持する。
収納状態においては、上記開閉手段は上記脚部材が閉じるのを許容し、かつ上記脚部材は保持手段に隣接した収容位置に揺動されるようになっている。
【効果】 超小型プロジェクタに好適な折畳スクリーンを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折畳スクリーンに関し、詳しくはスクリーンの両端を保持する2つの保持手段と、上記スクリーンを上記保持手段に巻き取る巻取手段とを備えた折畳スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巻取り可能なスクリーンと、該スクリーンの両端を保持する2つの保持手段と、上記スクリーンを上記保持手段に巻き取る巻取手段とを備え、使用状態には上記保持手段を離隔させてスクリーンを展開し、収納状態には巻取手段によってスクリーンを巻き取って上記保持手段が相互に接近する折畳スクリーンが知られている(特許文献1)。
一方、近年、上記スクリーンに画像を照射するプロジェクタとして、手のひらに乗るような超小型のプロジェクタが知られている(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−345660号公報
【特許文献2】意匠登録1354036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2の超小型のプロジェクタは依然として光量が小さく照射範囲が狭いことから、該プロジェクタから離れた大画面のスクリーンに対して鮮明な画像を投影させることが困難となっている。
一方、少人数で会議等を行う際には、上記特許文献1のような大型のスクリーンは必要とされず、小さい画面を会議室の卓上に設置すれば十分であり、このことから上記特許文献2の超小型プロジェクタに最適な小型のスクリーンが求められている。
これに対し、上記特許文献1のような従来の折畳スクリーンは、比較的大型(60インチ程度)の画面を投影させるものであり、卓上に設置することは想定されておらず、また大型であるためかばん等に収納することができず、持ち運びが不便であるという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は上記超小型プロジェクタに好適な折畳スクリーンを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1にかかる折畳スクリーンは、巻取り可能なスクリーンと、該スクリーンの両端を保持する2つの保持手段と、上記スクリーンを上記保持手段に巻取る巻取手段とを備え、
使用状態においては上記保持手段を離隔させてスクリーンを展開し、収納状態においては上記巻取手段によりスクリーンを巻取って上記保持手段を相互に接近させる折畳スクリーンにおいて、
上記保持手段にそれぞれ脚部材の基端部を枢支連結するとともに、各脚部材の先端部に該脚部材を開閉させる開閉手段を設け、
上記使用状態においては、上記保持手段を水平方向に離隔させて上記スクリーンを水平方向に展開し、また上記開閉手段は上記脚部材のV字形の拡開を許容し、さらに上記脚部材の先端部はスクリーンの後方離隔位置に揺動されて、上記各保持手段の下端部と、上記脚部材または開閉手段の少なくともいずれか一方とによって上記スクリーンを起立状態に保持させ、
上記収納状態においては、上記保持手段が接近されて巻取手段がスクリーンを巻き取り、また上記開閉手段は上記脚部材が閉じるのを許容し、かつ上記脚部材は保持手段に隣接した収納位置に揺動されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、簡易な構成にて折畳スクリーンを三点支持にて起立状態とすることが可能であるため、該折畳スクリーンを卓上に載置可能な程度に小型化することが可能であり、上述したような照射範囲の狭い上記超小型プロジェクタの使用に好適なものとなっている。
また収納状態とすることで、脚部材は保持手段に隣接した収納状態となることから、折畳スクリーンを収納状態とすることでかばん等に収納することが可能となり、上記超小型プロジェクタとともに持ち運ぶことが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施例にかかる折畳スクリーンの使用状態を示す背面図。
【図2】上記折畳スクリーンの使用状態を示す側面図。
【図3】上記折畳スクリーンの使用状態を示す平面図。
【図4】上記折畳スクリーンの収納状態を示す背面図。
【図5】図4におけるV−V部の拡大断面図。
【図6】図4におけるVI−VI部の拡大断面図。
【図7】開閉手段の動作を示す拡大図。
【図8】第2実施例にかかる折畳スクリーンの使用状態を示す背面図。
【図9】上記折畳スクリーンの収納状態を示す背面図。
【図10】第3実施例にかかる折畳スクリーンの使用状態を示す背面図。
【図11】上記折畳スクリーンの使用状態を示す側面図。
【図12】上記折畳スクリーンの収納状態を示す背面図。
【図13】上記折畳スクリーンの収納状態を示す側面図。
【図14】図13におけるXIV−XIV部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について説明すると、図1〜図7は第1実施例にかかる折畳スクリーン1を示し、図1〜図3に示す使用状態から、図4〜図6に示す収納状態へと折畳み可能なものとなっている。
上記折畳スクリーン1は、巻取り可能なスクリーン2と、該スクリーン2の両端を保持する2つの保持手段3と、上記スクリーン2を上記保持手段3に巻取る巻取手段4と、上記2つの保持手段3のそれぞれに枢支連結した2つの脚部材5と、これら脚部材5を開閉させる開閉手段6とから構成されている。
上記スクリーン2は可撓性を有しており、上記使用状態では離隔した保持手段3によって両端が保持された皺のない状態で展開され、上記収納状態では上記巻取手段4によって保持手段3に巻き取られるようになっている。
また、上記スクリーン2を使用状態として展開すると、その照射範囲は約15インチ程度となっており、上記特許文献2の超小型プロジェクタに好適なものであって、本実施例の折畳スクリーン1を卓上に設置した場合には、少人数で鑑賞するのに好適なものとなっている。
【0009】
上記2つの保持手段3は、それぞれ向き合う面に開口部が形成された箱状部材11と、該箱状部材11の背面に形成されたレール12と、箱状部材11の下端部に設けられて使用状態において接地する接地部材13とから構成されている。
図6に示すように、図示左方に示す箱状部材11には巻取手段4を構成する回転軸21が回転可能に収納され、図示右方に示す箱状部材11にはスクリーン2の他端部が取付手段11aにより固定されている。
上記回転軸21を収納する図示左方の箱状部材11は図示右方の箱状部材11に対し左右方向の幅が広くなっており、また各箱状部材11の開口部には、収納状態とした際に相互に嵌合するための形状が形成されている。
上記レール12は各箱状部材11の背面に断面T字型の空間を形成するように設けられ、また2つのレール12はともに同じ幅で形成されている。このため図示右方のレール12は図示右方の箱状部材11より左側に若干突出している。
図5に示すように、上記レール12は箱状部材11の上端から下端にかけて形成されており、略中央には箱状部材11の背面に嵌合孔11bが形成され、該嵌合孔11bには樹脂製の乗越え突起14が挿入されている。
上記乗越え突起14は弾性変形して上記嵌合孔11b内に退没することで脚部材5の通過を許容し、通過した後は再び箱状部材11の後方に突出するようになっている。
さらに、上記乗越え突起14の下方にはストッパ15が設けられており、該ストッパ15によって脚部材5が下方に移動するのを阻止し、脚部材5の基端部を該ストッパ15と上記乗越え突起14との間で位置決めするようになっている。
上記接地部材13は、図5に示すように上記箱状部材11およびレール12の後方に突出するように設けられ、後端部上面には収納状態において上記開閉手段6と係合する係合突起13aが形成されている。
また接地部材13の底面には、折畳スクリーン1を使用状態とした際に接地した部分がずれないよう、ゴム等からなる図示しないすべり止めシートが貼付されている。
【0010】
上記巻取手段4は、図1の図示左方に位置する保持手段3における箱状部材11の内部に回転可能に設けられた回転軸21と、上記箱状部材11と回転軸21との間に設けられて上記回転軸21を回転方向に付勢する図示しないばねとから構成されている。
上記回転軸21にはスクリーン2の一端が固定されており、上記ばねによって常時該スクリーン2を巻取る方向に付勢されている。このため上記2つの保持部材は常時接近する方向に付勢されるようになっている。
【0011】
上記脚部材5は上記保持手段3の背面に設けられ、該脚部材5の基端部には該脚部材5を保持手段3に揺動自在に連結する連結手段31が設けられ、先端部には上記開閉手段6が設けられている。
脚部材5は図6に示すように断面長方形となっており、上記収納状態とした際に長辺のひとつが上記保持手段3のレール12に密着して、折畳スクリーン1の前後方向の幅を極力小さくするように形成されている。
また上記連結手段31および開閉手段6を含めた脚部材5の長さは、図4に示すように上記保持手段3における箱状部材11の長さと略同じとなっており、収納状態とした際には脚部材5の先端に設けた開閉手段6が保持手段3より下方に突出せず、上記接地部材13の係合突起13aに係合するようになっている。
そして上記連結手段31は、図5、図6に示すように脚部材5の基端部を軸支するとともにレール12に沿って移動可能に設けられており、該筒状部31aに設けたフランジ31bによって上記レール12から脱落しないようになっている。
【0012】
図7に示すように、上記開閉手段6は、各脚部材5の先端部に設けた2つのハウジング41と、該ハウジング41を回転可能に軸支する図示破線で示したピン42とによって構成されている。
上記2つのハウジング41の内部にはそれぞれ円盤状の摺動面41aが設けられており、上記ピン42によってこれらの摺動面41aを相互に密着させることで、摩擦力により開閉時の抵抗力を発生させるようになっている。
上記開閉手段6による摩擦力は、使用者の力によって脚部材5の開閉を許容する程度の力であるが、上記巻取手段4が2つの保持手段3を接近させる付勢力よりも大きく設定されており、脚部材5を拡開した状態に保持して、保持手段3の接近を阻止するようになっている。
また、図示左方に示すハウジング41には一つの突起41bが、図示右方に示すハウジング41には2つの突起41bがそれぞれ形成されている。
図7(b)(c)に示すように、開閉手段6を所定の開度とすると、一方のハウジング41の突起41bが他方のハウジング41の突起41bを乗越えるようになっており、その際使用者にクリック感を与えるようになっている。
上記突起が係合する開閉手段6の開度は、例えば保持手段3に保持されたスクリーン2が展開されて、該スクリーン2による投影可能な画面の縦横比が4:3または16:9といった比率となるように設定されている。
【0013】
以上の構成を有する折畳スクリーン1の使用方法について説明する。
まず、折畳スクリーン1を図4〜図6に示す収納状態から図1〜図3に示す使用状態とするには、使用者はまず脚部材5を揺動させて、上記開閉手段6を保持手段3の接地部材13から離脱させる。
次に、使用者は上記脚部材5の基端部を保持手段3のレール12に沿って上方位置から下方に移動させ、上記連結手段31のフランジ31bが上記乗越え突起14を乗越えた後に上記ストッパ15に当接して、脚部材5の基端部は保持手段3の略中央に位置決めされる。
さらに、使用者は保持手段3を保持して左右に離隔させ、これによりスクリーン2は巻取手段4におけるばねの付勢力に抗しながら回転軸21を回転させて展開されることとなる。
保持手段3が離隔して上記脚部材5の基端部が相互に離隔すると、上記開閉手段6における摺動面41a同士の摩擦力に抗してハウジング41が回転し、上記脚部材5がV字形に拡開する。
その際、使用者が開閉手段6を所要の開度に開くと、ハウジング41に形成した突起41b同士が係合して使用者にクリック感を与え、プロジェクタが照射する画面の縦横比に合わせてスクリーン2の幅を調整することが可能となっている。
そして、使用者は上記脚部材5の先端部をスクリーン2の後方離隔位置に揺動させ、上記保持手段3の下方の設置部材13と上記開閉手段6とを接地させることにより、折畳スクリーン1を3点支持により起立させる。
ここで、上記脚部材5の角度を適当に調整すれば、スクリーン2を略垂直に起立させることができ、その際上記脚部材5によって折畳スクリーン1の重心は後方に位置していることから、折畳スクリーン1が前方に倒れにくくなっている。
そして、使用者が保持手段3を離隔させた後も、上記巻取手段4によって上記保持手段3には接近する方向に付勢力が作用しているが、上記開閉手段6はこの付勢力に抗して脚部材5を拡開状態に保持し、スクリーン2は展開した状態を維持するようになっている。
【0014】
次に、上記折畳スクリーン1を使用状態から収納状態とするには、使用者はまず上記保持手段3を相互に接近させ、これにより上記巻取手段4がスクリーン2を回転軸21に巻取るとともに、上記脚部材5の基端部が相互に接近する。
上記保持手段3を相互に接近することで、上記開閉手段6は脚部材5が閉じるのを許容し、脚部材5は該開閉手段6によって閉鎖された状態に保持されるようになっている。
次に、使用者は脚部材5の基端部を上方に移動させるとともに、該脚部材5を揺動させて上記保持手段3に隣接した収納位置に移動させ、これにより上記開閉手段6が接地部材13の係合突起13aに係合することとなる。
【0015】
上記構成を有する折畳スクリーン1によれば、使用状態とすることで2つの保持手段3および開閉手段6によって3点支持により起立させることができる。
また上記スクリーン2は15インチ程度の映写範囲となっており、折畳スクリーン1を卓上に載置可能な程度に小型化できることから、特許文献2に記載されるような超小型のプロジェクタに好適なものとなっている。
一方、収納状態とすることで、上記スクリーン2を巻取った保持手段3および上記脚部材5とが相互に隣接し、また開閉手段6が保持手段3より下方に突出しないことから、折畳スクリーン1をコンパクトに折畳むことができ、この折畳スクリーン1をかばん等に収納して持ち運ぶことが可能となっている。
また、収納状態とすることで、上記スクリーン2は保持手段3の箱状部材11の内部に収納され、また脚部材5が保持手段に隣接して上記係合突起13aによって揺動が阻止されることから、この収納状態の折畳スクリーン1をかばん等に収納した際には、スクリーン2の損傷が防止されるとともに脚部材5がばたつくこともない。
【0016】
図8、図9は第2実施例にかかる折畳スクリーン101を示し、図8は使用状態を、図9は収納状態をそれぞれ示している。また、以下の説明において、上記第1実施例にかかる折畳スクリーン1と共通する部材については詳細な説明は省略し、また各部材に用いた符号に100を加算した符号を付すものとする。
本実施例の保持手段103を構成する箱状部材111の背面には、その略中央の位置に脚部材105の基端部がユニバーサルジョイントからなる連結手段131によって枢支連結されている。
そして、上記脚部材105は伸縮手段によって伸縮するようになっており、具体的には、上記連結手段131に連結された細い脚部材105aと、上記開閉手段6に連結された太い脚部材105bとから構成され、上記細い脚部材105aが上記太い脚部材105bの内部に出没することで伸縮するようになっている。
【0017】
ここで、上記細い脚部材105aにはその先端部及び基端部に突起105cが出没可能に形成されており、上記太い脚部材105bの基端部側には上記突起105cが係合する係合穴105dが形成されている。
以上の構成により、細い脚部材105aを太い脚部材105bより突出させて伸長状態とすると、細い脚部材105aの先端部に位置する突起105cが上記太い脚部材105bの係合穴105dに係合し、この伸長状態を保持するようになっている。
一方、細い脚部材105aを太い脚部材105bの内部に収納して収縮状態とすると、細い脚部材105aの基端部に位置する突起105cが上記太い脚部材105bの係合穴105dに係合し、この収縮状態を保持するようになっている。
そして、使用者が脚部材5に対して伸縮方向に力を作用させると、上記突起105cが細い脚部材105a内に退没するようになっており、細い脚部材105aと太い脚部材105bとの摺動を許容するようになっている。
【0018】
以上の構成を有する折畳スクリーン101の使用方法について説明する。
折畳スクリーン101を収納状態から使用状態とする際には、使用者はまず上記脚部材105を揺動させて接地部材13より離脱させ、その後脚部材105を伸縮手段によって伸長状態とする。
次に、使用者は保持手段103を保持してこれを左右に離隔させ、これによりスクリーン102は巻取手段104におけるばねの付勢力に抗しながら回転軸121を回転させて展開され、これに伴って脚部材105の基端部が相互に離隔し、上記開閉手段106は上記脚部材105がV字形に拡開するのを許容する。
さらに、使用者は上記脚部材105の先端部を展開したスクリーン102の後方離隔位置に揺動させ、上記保持手段103の下端部と上記開閉手段106とを接地させて、折畳スクリーン101を3点支持により起立させる。
【0019】
次に、上記折畳スクリーン101を使用状態から収納状態とするには、使用者はまず上記保持手段103を相互に接近させる。
これにより、上記巻取手段104の付勢力によってスクリーン102が回転軸121に巻き取られ、また上記脚部材105の基端部が相互に接近することにより、上記開閉手段106は脚部材105が閉鎖されるのを許容する。
そして、2つの箱状部材111が密着して回転軸121に巻き取られたスクリーン102が内部空間に収納されると、使用者は伸長状態となっている脚部材105を収縮状態とし、さらに上記脚部材105を揺動させて上記保持手段103に隣接した収納位置に移動させる。
その結果、脚部材105の先端に設けられている開閉手段106は上記保持手段103の下端部に設けた接地部材113の係合突起113aに係合し、脚部材105が揺動するのを規制するようになっている。
【0020】
次に、図10〜図14は第3実施例にかかる折畳スクリーン201を示し、図10、図11は使用状態を、図12〜図14は収納状態を示している。なお、以下の説明において第1実施例における折畳スクリーン1と同様の構成については説明を省略し、同じ符号については第1実施例で使用した符号に200を加算するものとする。
本実施例の折畳スクリーン201も、巻取り可能なスクリーン202と、該スクリーン202の両端を保持する2つの保持手段203と、上記スクリーン202を上記保持手段203に巻取る巻取手段204と、上記2つの保持手段203のそれぞれに枢支連結した2つの脚部材205と、これら脚部材205を開閉させる開閉手段206とから構成されている。
【0021】
上記保持手段203は、それぞれ2本の保持部材211と、これら保持部材211の上端部および下端部を連結する2つの略U字形の連結部材212と、一方の保持部材211に設けられるとともに上記脚部材205の連結された摺動部材213とから構成されている。
上記保持部材211は断面円形の直管状を有しており、その長さは上記スクリーン202の上下方向の長さよりも若干長く形成されている。
上記2本の保持部材211は、図10に示す使用状態においては左右方向に整列するようになっており、内側に位置する保持部材211でスクリーン202の両端を保持し、外側に位置する保持部材211に上記摺動部材213が回転可能に設けられている。
この使用状態において、図示右方に示す保持手段203の内側に位置する保持部材211には、上記巻取手段204を構成する回転軸221が回転可能に装着され、保持手段203はこの回転軸221を介してスクリーン202の一端を保持するようになっている。
一方、図示左方に示す保持手段203の内側に位置する保持部材211には、上下方向にスリット211aが形成されており、該スリット211aは使用状態において折畳スクリーン201の背面側に位置するようになっている。
上記スリット211aにはスクリーン202の他端が挿入され、スクリーン202の他端部に形成した膨出部202aがスリット211aに係合することで、スクリーン202の他端部が保持手段203に保持されるようになっている(図14参照)。
次に、図13に示す収納状態においては、2本の保持部材211は前後方向に整列するようになっており、このとき上記摺動部材213を設けた保持部材211が後方に位置するようになっている。
また、上記スクリーン202の他端を保持した保持部材211は、収納状態とすることで90°回転し、上記スリット211aが隣接する他方の保持手段203側を向くようになっている。
【0022】
上記摺動部材213は上記保持部材211に沿って上下に移動可能に設けられるとともに、上記保持部材211に対して回転可能に設けられ、上記使用状態および収納状態において、それぞれ上記脚部材205を折畳スクリーン201の後方に位置させるようなっている。
上記保持部材211の中央部近傍および上端部には突起211bが形成されており、上記使用状態では摺動部材213が中央部の突起211bに上方から当接し、上記収納状態では上端部の突起211bに下方から当接するようになっている。
【0023】
上記巻取手段204は、図14の図示右方に位置する保持手段203の保持部材211に回転可能に設けられた回転軸221と、上記保持部材211と回転軸221との間に設けられて上記回転軸221を回転方向に付勢する図示しない付勢手段としてのばねとから構成されている。
上記回転軸221には上記スクリーン202の他端部が固定され、上記ばねは回転軸221をスクリーン202が回転軸221に巻付く方向に付勢し、回転軸221の回転によってスクリーン202が巻き取られるようになっている。
【0024】
上記2つの脚部材205はパイプ状の部材であって、該脚部材205の基端部と上記保持手段203の摺動部材213との間には、脚部材205を揺動自在に枢支連結する連結手段231が設けられている。
上記脚部材205の長さは、上記収納状態において上記摺動部材213を上方に移動させた際に、該脚部材205の先端に設けた開閉手段206が下方に位置する連結部材212から下方に突出しないような長さとなっている。
上記連結手段231は、上記摺動部材213に対して回転可能に設けらレール12とともに、上記脚部材205の基端部を揺動可能に軸支したいわゆるユニバーサルジョイントとなっている。
【0025】
上記開閉手段206は上記2つの脚部材205の先端部同士を連結するように設けられた弾性を有する略U字形の部材であって、該開閉手段206が変形することで脚部材205がV字形に拡開するのを許容するようになっている。
この開閉手段206は所要の形状に変形させると、その後はその形状を維持しようとする性質を有しており、巻取手段204がスクリーン202を巻き取って保持手段203を接近する方向に付勢する付勢力に抗しても、上記脚部材205を拡開した状態に保持する程度の弾性力を備えている。
そして、このような開閉手段206としては、例えば表面に樹脂コーティングを施した鉄線を用いることができる。
【0026】
以上の構成を有する折畳スクリーン201の使用方法について説明する。
まず、折畳スクリーン201を図12〜図14に示す収納状態から図10、図11に示す使用状態とするには、使用者はまず上記保持手段203の摺動部材213を上方位置から中央位置まで移動させ、上記脚部材205の基端部を保持手段203の中央に移動させる。
次に、使用者は保持手段203の外側に位置する保持部材211を保持して左右に離隔させ、これによりスクリーン202は巻取手段204におけるばねの付勢力に抗しながら回転軸221を回転させて展開されることとなる。
保持手段203が離隔することにより上記脚部材205の基端部が相互に離隔し、上記開閉手段206は使用者の力によって変形しながら上記脚部材205がV字形に拡開するのを許容する。
そして、使用者は上記脚部材205の先端部をスクリーン202の後方離隔位置に揺動させ、これにより脚部材205の先端部に設けられた開閉手段206がスクリーン202の後方離隔位置に位置することとなる。
このようにすることで、上記保持手段203の下方の連結部材212と上記開閉手段206とを接地させることができ、3点支持により折畳スクリーン201を起立させることが可能となる。
また、上記脚部材205の角度を適当に調整すれば、スクリーン202を略垂直に起立させることができ、その際上記脚部材205によって折畳スクリーン201の重心は後方に位置していることから、折畳スクリーン201が前方に倒れにくくなっている。
そして、使用者が保持手段203を離隔させた後も、上記巻取手段204によって上記保持手段203には接近する方向に付勢力が作用しているが、上記開閉手段206はこの付勢力に抗して脚部材205を拡開状態に保持し、スクリーン202は展開した状態を維持するようになっている。
【0027】
次に、上記折畳スクリーン201を使用状態から収納状態とするには、使用者はまず上記保持手段203を相互に接近させ、これにより上記巻取手段204がスクリーン202を回転軸221に巻取るとともに、上記脚部材205の基端部が相互に接近する。
上記保持手段203を相互に接近することで、上記開閉手段206は脚部材205が閉じるのを許容し、脚部材205は該開閉手段206によって閉鎖された状態に保持さレール12ようになっている。
次に、使用者は上記保持手段203の摺動部材213を上方に移動させ、また上記脚部材205を揺動させて上記保持手段203の保持部材211に隣接した収納位置に移動させる。
そして、使用者は摺動部材213を上方に移動させて、上記脚部材205の先端に設けられた開閉手段206を上記保持手段203における下方の連結部材212よりも上方に位置させる。
【0028】
なお、第1〜第3実施例における巻取手段4、104、204として、上記保持手段3、103、203の少なくともいずれか一方に回転軸を設け、さらにスクリーンが弾性を有して自ら上記回転軸に巻きつくような性質を有するものを使用することができる。
このような性質を持つフィルムは特許第2623105号の公報に記載されているように公知であるが、このようなスクリーンを用いることで、上記第1〜第3実施例における巻取手段のばねを省略することができ、折畳スクリーンをより軽量化、簡素化することが可能となる。
また上記巻取手段として、スクリーンが使用状態まで展開されると上記回転軸に係合し、スクリーンが巻き取られるのを阻止するストッパを設けた構成としてもよい。
この場合、使用状態において上記開閉手段には脚部材を閉鎖させる方向に付勢力が働かないため、上記開閉手段を第1〜第3実施例のような上記付勢力に抗して脚部材を拡開した状態に保持する構成としなくてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 折畳スクリーン 2 スクリーン
3 保持手段 4 巻取手段
5 脚部材 6 開閉手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取り可能なスクリーンと、該スクリーンの両端を保持する2つの保持手段と、上記スクリーンを上記保持手段に巻取る巻取手段とを備え、
使用状態においては上記保持手段を離隔させてスクリーンを展開し、収納状態においては上記巻取手段によりスクリーンを巻取って上記保持手段を相互に接近させる折畳スクリーンにおいて、
上記保持手段にそれぞれ脚部材の基端部を枢支連結するとともに、各脚部材の先端部に該脚部材を開閉させる開閉手段を設け、
上記使用状態においては、上記保持手段を水平方向に離隔させて上記スクリーンを水平方向に展開し、また上記開閉手段は上記脚部材のV字形の拡開を許容し、さらに上記脚部材の先端部はスクリーンの後方離隔位置に揺動されて、上記各保持手段の下端部と、上記脚部材または開閉手段の少なくともいずれか一方とによって上記スクリーンを起立状態に保持させ、
上記収納状態においては、上記保持手段が接近されて巻取手段がスクリーンを巻き取り、また上記開閉手段は上記脚部材が閉じるのを許容し、かつ上記脚部材は保持手段に隣接した収納位置に揺動されることを特徴とする折畳スクリーン。
【請求項2】
上記脚部材の基端部は、それぞれ上記保持手段の長手方向に沿って移動可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の折畳スクリーン。
【請求項3】
上記脚部材は伸縮手段によって伸縮することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の折畳スクリーン。
【請求項4】
上記巻取手段は、少なくともいずれか一方の保持手段に回転可能に設けた回転軸と、該回転軸にスクリーンを巻き取る方向に付勢する付勢手段とから構成され、
上記開閉手段は、上記使用状態において上記付勢力に抗して上記脚部材を開いた状態に保持することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の折畳スクリーン。
【請求項5】
上記巻取手段は、スクリーンの少なくとも一端に設けられて上記保持手段に回転可能に設けた回転軸を備えるとともに、上記スクリーンは自己の弾性により上記回転軸に巻付いて上記2つの保持手段を接近させる方向に付勢する素材からなり、
上記開閉手段は、上記使用状態において上記付勢力に抗して上記脚部材を開いた状態に保持することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の折畳スクリーン。
【請求項6】
上記開閉手段は、2つの脚部材を連結するとともに、所定の力で変形して、かつ変形後はその形状を維持する部材からなることを特長とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の折畳スクリーン。
【請求項7】
上記開閉手段は、2つの脚部材のそれぞれに設けた2枚の円盤状の摺動面と、該摺動面を密着させるピンとを備え、該密着した摺動面を相対的に回転させて摩擦力を発生させることを特長とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の折畳スクリーン。
【請求項8】
上記2枚の摺動面のそれぞれとともに回転する突起を設け、上記脚部材が所定開度まで開いて上記2枚の摺動面が相対的に回転すると、上記突起が係合することを特徴とする請求項7に記載の折畳スクリーン。
【請求項9】
保持手段の下端部に接地部材を設け、該接地部材の上面に上記収納状態において上記開閉手段に係合する係合突起を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項8に記載の折畳スクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−17957(P2011−17957A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163509(P2009−163509)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000200666)泉株式会社 (24)
【Fターム(参考)】