説明

押ボタンスイッチ装置

【課題】操作面の大型化及び薄型化を満たす押ボタンスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ本体2を押圧操作する押ボタン部72を、アダプター3を用いて該スイッチ本体2に対応した大きさよりも大型化するようにした押ボタンスイッチ装置である。押ボタン部72は、押ボタン本体部72aと、外向きフランジ部72bとを備える。スイッチ本体2は、スイッチ本体ケースと、スイッチ本体ケース内に配設され押ボタン部72に連動して上下に移動可能であり且つ上向きに付勢されている操作体70と、スイッチ本体ケース内に配設され操作体の下動によりオン又はオフに切り換わるスイッチ部とを備える。アダプター3は、スイッチ本体2の外周面に沿って上下に移動可能であって、押ボタン部72が載置される底面部3aと、押ボタン部をガイドするガイド部3bと、角筒状部3cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ本体を押圧操作する押ボタン部を、アダプターを用いて該スイッチ本体に対応した大きさよりも大型化するようにした押ボタンスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄型の押ボタンスイッチ装置としては、例えば特許文献1に記載の押ボタンスイッチ装置が提案されている。
【0003】
ところで、近年、操作の利便性の向上から押ボタンスイッチ装置の操作面を大型化することが要請されている。そこで、図21及び図22に示す押ボタンスイッチ装置が提案されている。この押ボタンスイッチ装置は、既存の薄型の押ボタンスイッチ装置を共用して、押ボタン部のみを大型化したものである。即ち、この押ボタンスイッチ装置は、押ボタン部を保持する操作体70をスイッチ本体2から上方に大きく張り出した形状とし、この操作体70にスイッチ本体2に対応した本来の大きさよりも大型化した押ボタン部72を装着したものである。なお、図21及び図22において、Mは化粧板、Nは取付パネルである。
【0004】
【特許文献1】特開2006−140096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例では、操作面の大型化は達成されるけれども、操作体70が大きく上方に張り出した形状であることから、薄型化が満たされないという問題が生じる。そこで、従来から既存の薄型の押ボタンスイッチ装置を共用し、しかも、操作面の大型化及び薄型化を満たす押ボタンスイッチ装置が要望されていた。
【0006】
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、操作面の大型化及び薄型化を満たす押ボタンスイッチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明のうち請求項1記載の発明は、スイッチ本体を押圧操作する押ボタン部を、アダプターを用いて該スイッチ本体に対応した大きさよりも大型化するようにした押ボタンスイッチ装置であって、前記スイッチ本体は、前記押ボタン部の下方に配設されるとともに、スイッチ本体ケースと、スイッチ本体ケース内に配設され押ボタン部の押圧操作、操作解除に連動して上下に移動可能であり且つ上向きに付勢されている操作体と、スイッチ本体ケース内に配設され操作体の下動によりオン又はオフに切り換わるスイッチ部とを備え、前記アダプターは、スイッチ本体の外周面に沿って上下に移動可能であって、押ボタン部が載置される底面部と、底面部の外側周縁部に一体的に形成され押ボタン部をガイドするガイド部と、底面部の内側周縁部に一体的に形成されスイッチ本体を外装する筒状部とを備えたことを特徴する。
【0008】
上記構成によれば、押ボタンスイッチ装置の厚みを従来例に比べて小さくできる。なお、この理由については、以下の発明を実施するための最良の形態の項における本発明の概念において詳述している。
【0009】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の押ボタンスイッチ装置であって、前記アダプターを上向きに付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、アダプターに付与される上向きの付勢力が増加することになり、アダプターの復帰動作がより迅速になる。
【0011】
また請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の押ボタンスイッチ装置であって、前記スイッチ本体は、さらに、前記スイッチケース内の前記操作体の下方に配設され、前記押ボタン部の押圧に連動した前記操作体の下動により前記スイッチを押圧する押圧体を備え、前記押ボタン部の押圧部位が押ボタン部の隅部の場合に、その隅部に加わる押圧荷重を押圧体の側部の延在方向に均等に分散する一対の分散手段が、前記押圧体の両側部上方にそれぞれ配置されていることを特徴する。
【0012】
ここで、「押圧体」の形状としては、例えばU字状のような枠形状に限らず、枠形状でない平板状のようなものも含まれる。
上記構成によれば、押ボタン部の押圧部位が隅部の場合に、その隅部に加わる押圧荷重を分散手段によって押圧体の側部の延在方向に均等に分散することができる。そのため、隅部を押した場合、隅部のみが大きく沈み込むことはなく、押ボタン部の側部全体が均一に下向きに回転する。この結果、隅部を押した場合のスイッチがオンするストローク(以下、スイッチがオンするストロークをストロークと略称する)は、押ボタン部の側部中央部を押した場合におけるストロークと同様となり、また、隅部を押した場合の操作荷重は、押ボタン部の側部中央部を押した場合における操作荷重と同様となる。そして、上記の作用・効果は、押ボタン部のサイズに影響されないことから、押ボタン部が大型化しても、押圧部位に関係なく操作荷重を均一にでき、且つスイッチがオンするストロークのバラツキを抑えた押ボタンスイッチ装置を実現することができる。このことは、アダプターを用いて押ボタン部をスイッチ本体に対応した大きさよりも大型化するようにした押ボタンスイッチ装置に極めて効果的である。
【0013】
また請求項4記載の発明は、請求項3記載の押ボタンスイッチ装置であって、前記各分散手段は、前記スイッチ本体ケースの外壁のうち前記押圧体の側部に直交する側の外壁に形成されている案内凹部と、前記アダプターの側部に沿って延在し且つ該側部に回転自在に嵌合する基部と、前記案内凹部によって水平方向に摺動自在な案内部とを備えた分散部材と、を含むことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、簡単な構成で分散手段を構成することができる。
【0015】
また請求項5記載の発明は、請求項4記載の押ボタンスイッチ装置であって、前記押圧体は、両端間の任意の位置を支点として一端側及び他端側が上下に互いに反対方向に揺動し一端側の上動によって前記スイッチ部を押圧することを特徴する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、押ボタンスイッチ装置の厚みを従来例に比べて小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔本発明の概念〕
先ず、具体的な構成を説明する前に、本発明の概念について、図1〜図5に基づいて、以下に説明する。図1は本発明に係る押ボタンスイッチ装置の正面図であり、図2は本発明に係る押ボタンスイッチ装置の断面図である。
【0018】
本発明に係る押ボタンスイッチ装置1は、スイッチ本体2と、スイッチ本体2の外周に上下動自在に装着されるアダプター3と、アダプター3に装着される押ボタン部72とを含んで構成されている。押ボタン部72は、押圧操作を行う押ボタン本体部72aと、押ボタン本体部72aの下部周縁部に一体的に形成される外向きフランジ部72bとを備えている。スイッチ本体2は押ボタン部72の下方に配設されている。このスイッチ本体2は、スイッチ本体ケース50(後述する図19参照)と、スイッチ本体ケース50内に配設され押ボタン部72の押圧操作、操作解除に連動して上下に移動可能であり且つ上向きに付勢されている操作体70と、スイッチ本体ケース50内に配設され操作体70の下動によりオン又はオフに切り換わるスイッチ部としてのタクトスイッチ58(後述する図19参照)とを備えている。アダプター3は、押ボタン部72が載置される底面部3aと、底面部9の外側周縁部に一体形成され押ボタン部72をガイドするガイド部3bと、底面部9の内側周縁部に一体形成されスイッチ本体2を外装する角筒状部3cとを備えている。そして、上記構成の押ボタンスイッチ装置1が所定の機器等に取り付けられる際には、アダプター3の上面が化粧板Mによって覆われると共に、スイッチ本体ケース50の下部が取付パネルNに取り付けられる。
なお、角筒状部3cは角筒状に限らず、円筒状であってもよい。また、アダプター3のガイド部3bは、押ボタン部72のフランジ部72bを嵌合するように構成されていてもよく、また、ガイド部3bはフランジ部72bを嵌合する構成でなく、押ボタン部72をアダプター3の上に載せておき、押ボタンスイッチ装置1を取付パネルN及び化粧板Mに取り付ける際に、化粧板Mがフランジ部72bの上に載せられることにより押ボタン部72をアダプター3に固定するような構成であってもよい。
【0019】
次いで、押ボタンスイッチ装置1の動作について説明する。押ボタン部72を押した場合、押ボタン部72の底面が操作体70を押すので、押ボタン部72に連動してアダプター3が下動する。これにより、操作体70が上向きの付勢力に抗して下動し、スイッチ本体2内のスイッチ部(タクトスイッチ58)がオン又はオフに切り換わる。
【0020】
上記構成の押ボタンスイッチ装置1では、スイッチ本体2の底面から化粧板Mまでの厚みL1は、スイッチ本体2の厚みをL2、スイッチ本体2内のスイッチ部がオン又はオフに切り換わるストローク(以下、単にストロークと略称する)をL3、押ボタン部72のフランジ部72bの肉厚をL4とすると、L1=L2+L3+L4が成立する。
一方、図16及び図17の従来例の押ボタンスイッチ装置では、スイッチ本体2の底面から化粧板Mまでの厚みL1は、図17に示すように、操作体70の肉厚をL5とすると、L1=L2+L3+L4+L5が成立する。そうすると、本発明に係る押ボタンスイッチ装置の方が、操作体70の肉厚L5の分だけ小さい。従って、従来例に比べて薄型化の押ボタンスイッチ装置1を実現できることになる。
【0021】
(1)上記の例では、操作体70の上端はスイッチ本体2よりも上方に突出していたけれども、図3に示すように、操作体70の上端がスイッチ本体2内にあって、且つ押ボタン部72の底部が下方に突出した突出部72cを有し、この突出部72cが操作体70の上端に当接した構成であってもよい。
【0022】
(2)上記の例では、押ボタン部72の底面が操作体70を押すように構成されていたが、図4に示すようにアダプター3が操作体70を直接押す構成であってもよい。
【0023】
(3)上記の例では、押ボタン部72はフランジ部72bを備えていたが、図5に示すようにフランジ部72bのない構成であってもよい。なお、この場合、ガイド部3bの高さがフランジ部72bの肉厚L4に相当するので、フランジ部72bのない構成であっても、上記のL1=L2+L3+L4が成立する。
【0024】
(実施の形態)
以下、本発明に係る押ボタンスイッチ装置を、実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
図6は実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め上方から見た斜視図、図7は実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め下方から見た斜視図、図8は実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置の平面図、図9は実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置の正面図、図10は図8のX1−X1線矢視断面図、図11は図8のX2−X2線矢視断面図、図12は実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置の右側面図、図13は図8のY1−Y1線矢視断面図、図14は図8のY2−Y2線矢視断面図、図15は押ボタン部を取り除いた押ボタンスイッチ装置の平面図、図16は実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め上方から見た分解斜視図、図17は実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め下方から見た分解斜視図である。なお、以下の説明においては、図8の下側を前、図8の上側を後、図12の左側(図9の左側、図8の紙面表側)を上、図12の右側(図9の右側、図8の紙面裏側)を下というものとする。
【0026】
<構成>
押ボタンスイッチ装置1は、スイッチ本体2と、スイッチ本体2の外周に上下動自在に装着されるアダプター3と、アダプター3に装着される押ボタン部72、押ボタン部72とアダプター3との間に介在される記名板20と、左右一対の分散部材30a,30bと、左右一対の付勢手段22a,22bとから構成されている。
【0027】
押ボタン部72は、透光性を有する樹脂等から成り平面視ほぼ正方形状に形成されている。この押ボタン部72は、アダプター3よりも上方に突出した押ボタン本体部72aと、押ボタン本体部72aの下部周縁部に一体的に形成される外向きフランジ部72bとを備える。外向きフランジ部72bの外周面には、周方向に延在する切欠部72b1(図11参照)が形成されている。
【0028】
スイッチ本体2は押ボタン部72の下方に配設されている。このスイッチ本体2は、スイッチ本体ケース50と、スイッチ本体ケース50内に配設され押ボタン部72の押圧操作、操作解除に連動して上下に移動可能であり且つ上向きに付勢されている操作体70と、スイッチ本体ケース50内に配設され操作体70の下動によりオン又はオフに切り換わるスイッチ部としてのタクトスイッチ58とを備えている。なお、スイッチ本体2の詳細な構成は、後述する。
【0029】
アダプター3は、ほぼ正方形の枠状を成し、中央部に操作体70が配置されている。このアダプター3は、押ボタン部72が載置される底面部3aと、底面部3aの外側周縁部に一体的に形成され押ボタン部72のフランジ部72bが嵌合するガイド部3bと、底面部3aの内側周縁部に一体的に形成されスイッチ本体2を外装する角筒状部3cとを備えている。ガイド部3bは底面部3aの外側周縁部から上方に延びて形成され、角筒状部3cは底面部3aの内側周縁部から下方に延びて形成されている。ガイド部3bの内周面における上端部側には、爪部3b1(図11参照)が周方向に複数個形成されている。この爪部3b1がフランジ部72bの切欠部72b1(図11参照)と係合することで、押ボタン部72がアダプター3に着脱自在に装着され、操作体70に付与されている上向きの付勢力によって押ボタン部72がアダプター3から外れることが防止されている。
【0030】
また角筒状部3cの左右辺の下端部には、内方側に向けて突出した複数の係合爪部3c1(図11参照)が形成されている。この係合爪部3c1は、スイッチ本体ケース50の外面に形成されている切欠部50g(図11参照)と係合することで、アダプター3がスイッチ本体ケース50に着脱自在に装着されると共に、アダプター3に付与されている上方への付勢力によって、アダプター3がスイッチ本体ケース50から外れることが防止されている
【0031】
また、アダプター3の左辺の外側面には、分散部材30aが嵌り込む複数の嵌合凹部40aが設けられている。アダプター3の右辺の外側面には、分散部材30bが嵌り込む嵌合凹部40bが設けられている。この分散部材30aに関連して、スイッチ本体ケース50の前後部外壁には、案内凹部34aがそれぞれ形成されており、分散部材30bに関連して、スイッチ本体ケース50の前後部外壁には、案内凹部34bがそれぞれ形成されている。案内凹部34aの高さ位置と案内凹部34bの高さ位置は、ほぼ同一である。分散部材30aは、略U字状に形成されており、操作体8の左辺部外面に沿って延在し且つ嵌合凹部40aに回転自在に嵌合する基部31aと、案内凹部34aに挿入される案内部33aと、基部31aと案内部33aとを連結する連結部32aとを備えている。分散部材30bも分散部材30aと同様な構成を有している。即ち、分散部材30bは、略U字状に形成されており、操作体8の右辺部外面に沿って延在し且つ嵌合凹部40bに回転自在に嵌合する基部31bと、案内凹部34bに挿入される案内部33bと、基部31bと案内部33bとを連結する連結部32bとを備えている。そして、案内部33a,33bは、案内凹部34a,34bに案内され、上下方向の移動が規制され、水平方向の移動のみが許容されている。
【0032】
また、スイッチ本体2内には後述するように発光ダイオード(以下、LEDと称する)、が実装されており、このLEDの光が記名板20を介して押ボタン部72を照射するようになっている。
【0033】
また、左右一対の付勢手段22a,22bは、上方に開口した有底筒状体23a,23bと、有底筒状体23a,23bに内装されるコイルバネ24a,24bとから構成される。有底筒状体23aは、アダプター3の左辺部下部に形成されている凹部25a(図17参照)に嵌り込んでおり、有底筒状体23bは、アダプター3の右辺部下部に形成されている凹部25b(図17参照)に嵌り込んでいる。なお、有底筒状体23aはその底面が取付パネルNに載置される。この付勢手段22a,22bによって、アダプター3への上向きの付勢力が付与される。これにより、操作体70から押ボタン部72を介して付与されるアダプター3の上向きの付勢力に、付勢手段22a,22bの上向きの付勢力も加わるので、アダプター3の復帰動作がより迅速になる。
【0034】
次いで、図18及び図19を参照して、スイッチ本体2の構造を詳述する。図18はスイッチ本体2を上方から見た分解斜視図、図19はスイッチ本体2を下方から見た分解斜視図である。
スイッチ本体2は、樹脂製スイッチ本体ケース50を備えており、スイッチ本体ケース50は、矩形の枠体50aと、該枠体50aの上面前寄りの位置に枠体50a内を前後に仕切るべく一定形成された枠体50aの高さのほぼ半分程度の高さを有する仕切板50bと、該仕切板50bによる前端部の空間の上面を閉塞する第1の閉塞板50cと、仕切板50bによる前側を除く中央前寄りから後端にかけての空間の下面を閉塞する第2の閉塞板50dとを備えている。
【0035】
そして、枠体50aと仕切板50bと第1の閉塞板50cとにより、枠体50a内の前端部に形成された平面視横長の長方形状を成す空間が、後述するプリント基板の配置スペース52aとして使用され、枠体50aと仕切板50bと第2の閉塞板50dとにより、枠体50a内の中央前寄りから後端にかけて形成された平面視ほぼ正方形状を成す空間が、後述する押ボタン部の上下への可動スペース52bとして使用される。
【0036】
まず、枠体50a内の前端部に形成された配置スペース52aには、後述する発光素子の点灯制御用の半導体集積回路54をはじめ各種の回路素子が実装されたプリント基板56が配設され、このプリント基板56のほぼ中央部にはタクトスイッチ58が実装されている。なお、プリント基板56はその裏面が第1の閉塞板50cの下面に対向して配設されており、配設状態のプリント基板56の下面側にタクトスイッチ58が位置し、この状態でタクトスイッチ58が、スイッチ固有の所定値以上の操作力によって上向きに押圧されることにより、タクトスイッチ58がオンするようになっている。
【0037】
また、配設状態のプリント基板56の下面後端部には、発光素子である4個(但し、個数は4個に限るものではない)の発光ダイオード(以下、LEDと称する)60が配列状態で実装され、アクリルなどの透明材料からなる導光部材62によりこれらのLED60の光が、記名板20を介して押ボタン部72まで導光されるようになっている。
【0038】
このとき、特に図13に示されるように、導光部材62は、可動スペース52bの左右幅よりも幅の狭い平板状基部62aと、該基部62aの前端に形成された段差部62bとから成り、基部62aの前端面には各LED60がそれぞれ近接して配置されている。そして、基部62aが配置スペース52a側から仕切板50bの下側を経て第2の閉塞板50dに沿って可動スペース52b内に導入され、導光部材62が枠体50a内に配設されている。
【0039】
各LED60の発する光は、基部62aの前端面から内部に進入すると、基部62aの面方向に各LED60の光が拡散し、その上方に配設される押ボタン部72が下方から照光されて押ボタン部72の押圧によるタクトスイッチ58のオン状態が表示、報知されるようになっている。なお、各LED60による押ボタン部72の照光効果を上げるため、導光部材62の下面に沿って白色の反射シート64が配設されている。
【0040】
ところで、プリント基板56に実装状態におけるタクトスイッチ58には、該タクトスイッチ58を下方から覆うように平面視四角形の可撓性ラバー体66が装着されており、このラバー体66の復元力とタクトスイッチ58の操作力とを合わせた下向きの力が、後述する押圧体84を介して押ボタン部72に対して上向きの付勢力として作用する。すなわち、ラバー体66とタクトスイッチ58が、押圧体84の付勢手段として機能する。よって、押ボタン部72を付勢するためのばね等の付勢手段を別途設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。
【0041】
つぎに、枠体50a内の中央前寄りから後端にかけて形成された可動スペース52bには、ほぼ正方形の枠状を成す操作体70が上下に移動自在に配設されている。
【0042】
ここで、操作体70は、上方に向けて拡開した枠状部70aを有している。また、操作体70の枠状部70aの左辺の外側下面及び右辺の外側下面の各前後端部には、合計4個の係合凹部78が切り欠き形成され、枠体50aの可動スペース52bの内周の前後に各係合凹部78に対応して下向きの係合爪80が形成されており、操作体70の前後を片方ずつ撓ませながら可動スペース52b内に操作体70を挿入していくと、各係合凹部78に各係合爪80が係合し、操作体70が上方に抜けない状態で可動スペース52b内に上下動自在に配設される。
【0043】
このとき、上記したように、後述する押圧体84を介してラバー体66の復元力とタクトスイッチ58の操作力とを合わせた下向きの力が押ボタン部72及び操作体70に上向きの付勢力として加わるため、操作体70に装着された押ボタン部72をこの付勢力に抗して下向きに押圧操作すると、操作体70が押ボタン部72の押圧に連動し、各係合爪80のうち押ボタン部72及び操作体70の押圧部位に応じた係合凹部78及びこれに係合した係合爪80を回転中心として操作体72の押圧部位が下向きに回転する。
【0044】
例えば、押ボタン部72の右前端部を押圧すると、左後側の係合凹部78とこれに係合した係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72の左後端部を押圧すると、右前側の係合凹部78とこれに係合した係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72の左端中央部を押圧すると、右側の両係合凹部78とこれらに係合した両係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72の右端中央部を押圧すると、左側の両係合凹部78とこれらに係合した両係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72を介した操作体70の押圧部位に応じて、操作体70の回転中心が切り換わる。
【0045】
図18、図19に示すように、平面視コ字状の金属性の押圧体84が、可動スペース52b内の操作体70の下方に配設されており、押圧体84の左右の両脚部84a,84bは、操作体70の左、右辺下方のほぼ中央部から前端にわたって位置すると共に、押圧体84の両脚部84a,84bを連結する連結部84cは、配置スペース52a内に導入され、連結部84cの中央部84c1がラバー体66の中央の突部下面に当接している。
【0046】
また、押圧体84の両脚部84a,84bの外側ほぼ中央に突出して当接片86a,86bがそれぞれ一体形成され、両当接片86a,86bの下方位置におけるスイッチ本体ケース50の枠体50a上面それぞれには、押圧体84を支える支点となる突部を成す段部88が上方に盛り上がって一体形成され、操作体70の左右両辺の下面ほぼ中央部にそれぞれ下向きに突設された当接部90が押圧体84の両脚部84a,84bの後端部上面に当接している。
【0047】
さらに、押圧体84は、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点とし、左右の当接部90に当接する押圧体84の両脚部84a,84bの後端部を力点とし、ラバー体66に当接する連結部84cの中央部84c1を作用点とする「てこ」として機能し、押ボタン部72の押圧により、その押圧部位に応じた操作体70の部位が下向きに回転すると、操作体70の両当接部90により押圧体84の両脚部84a,84bの後端部が下向きの押し下げられ、これにより支点となる両当接片86a,86bを挟んで力点の反対側に位置する中央部84c1が上向きに押し上げられてラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力及び操作力に抗して押圧され、タクトスイッチ58がオンするようになっている。ここでは、左右の段部88に押圧体84の両当接片86a,86bが当接して支点とするようにしているが、当接片86a,86bがなく直接押圧体84の両脚部84a,84bの中央部下面に当接するようにしてもよい。
【0048】
なお、押圧体84の力点の位置は、押ボタン部72及び操作体70の中心と平面視でほぼ同列上に並ぶように設定されており、これにより押ボタン部72の押圧部位がどこであっても、押圧体84の力点に加わる操作荷重をほぼ均一にしている。
【0049】
そして、押圧体84の支点の位置、つまり左右の段部88が押圧体84に当接する位置を力点側又は作用点側に変更すれば、押圧体84の力点に加わる操作荷重を任意に可変設定することができる。すなわち、作用点側に加わるべきタクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力は一定であるため、例えば支点を力点側に寄せれば、タクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力に打ち勝つだけの操作荷重としてより大きな荷重が必要になり、逆に支点を作用点側に寄せれば、タクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力に打ち勝つだけの操作荷重はより小さくて済む。
【0050】
ところで、特に図19に示されるように、スイッチ本体ケース50の下面側の第2の閉塞板50dには、左右の両端部から外側に張り出して前後方向に延びる突条体92が形成され、これらの突条体92と枠体50aの左右の両辺との間に前後方向のガイド路が形成されている。
【0051】
そして、図10、図11に示すように、スイッチ本体ケース50の下面側には該下面を覆う裏面カバー94が設けられ、前記ガイド路をスライド自在に移動する内向きの鉤状係合体96が裏面カバー94の左端前後及び右端前後にそれぞれ一体形成され、これにより裏面カバー94がスイッチ本体ケース50の下面を覆って着脱自在に装着されている。
【0052】
この裏面カバー94の後端部上面には、図18に示すように矩形凹部98とその矩形凹部98の左右方向中央部に係止部99が形成され、付勢体としての線状ばね100が、係止部99により前後に移動可能に矩形凹部98に収容されている。また、第2の閉塞板50dの後端部下面には、図19に示すように左右一対の係合突起102が下向きに突出して一体形成され、この係合突起102に線状ばね100の両端部が前側から当接し、これにより裏面カバー94が線状ばね100によって前方向に付勢された状態でスイッチ本体ケース50の下面側にスライド自在に装着されている。なお、線状ばね100による前方への付勢力が加わっていない状態において、裏面カバー94がスイッチ本体ケース50から脱離せず、かつ、裏面カバー94を容易にスライドさせ得るように、特に後側左右の鉤状係合体96と枠体50aには凹凸の組み合わせによる係止構造が採用されている。
【0053】
さらに、裏面カバー94の下面前端には前向き横長のスイッチ取付保持用の第1フック体106が一体形成され、スイッチ本体ケース50の枠体50aの下面後端には後向き横長のスイッチ取付保持用の第2フック体108が一体形成されている。
【0054】
そして、組み上がった押ボタンスイッチ装置は、取付パネルN及び化粧板Mに取り付けられる。取付パネルNに取り付ける場合には、取付パネルNにスイッチ本体ケース50とほぼ同形状の矩形の取付孔112を穿設し、図10及び図12に示すように、取付孔112に第1フック体106を係止し、この状態でスイッチカバー50を前方へ引っ張れば、線状ばね100の付勢力に抗して裏面カバー94がスイッチ本体ケース50に対して後方へスライドすることになり、両フック体106,108間の距離が縮まり、第2フック体108を取付孔112も係止することが可能になる。
【0055】
その後、スイッチカバー50の前方への引っ張りを解除すれば、線状ばね100の付勢力により裏面カバー94がスイッチ本体ケース50に対して前方へスライドしてもとの状態に戻り、押ボタンスイッチ装置が取付パネルNの取付孔112に取り付けられるのである。
【0056】
<中央押しの動作>
つぎに、押ボタン部72の押圧操作による押ボタンスイッチ装置の具体的動作について詳述するが、押ボタン部72の押圧に操作体70が連動するため、以下の動作等の説明では、押ボタン部72の押圧部位を操作体70の押圧部位と同一に扱って説明することとする。
【0057】
上記の構成を有する押ボタンスイッチ装置が、機器起動用スイッチなどに適用され、使用者が押ボタン部72を押圧操作した場合には、操作体70がタクトスイッチ58の操作力及びラバー体66の復元力による付勢力に抗して押圧され、操作体70の両当接部90が押圧体84の脚部84a,84bの後端部を押し下げるため、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の連結部84cが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0058】
このとき、タクトスイッチ58のオンにより各LED60が点灯して導光部材62により各LED60の光が押ボタン部72まで導光され、各LED60の点灯状態が所定条件の成立(スイッチ操作後、機器が所定状態になるなど)まで保持され、押ボタン部72が照光されてタクトスイッチ58がオン状態になったことが使用者に目視できるようになっている。
【0059】
いま、図8中に示す押ボタン部72の中央であるB部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70のほぼ中央部に加わる。このとき、操作体70は、各係合爪80の各係合凹部78との係合箇所のいずれをも支点とすることがなく、操作体70はラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下方に平行移動し、押ボタン部72への押圧力が操作体70の中央付近に位置する両当接部90にそのまま伝わる。なお、このとき、分散部材30a,30bは、図20に示すように共にその案内部33a,33bが水平方向に摺動し、基部31a,31bが操作体70と共に下動する。そのため、操作体70は、左右前後方向にぶれることなく円滑に平行移動する。また、このとき、押圧時に両当接部90を介して操作体70が受ける反力は、押圧体84を介して受けるラバー体66の復元力とタクトスイッチ58の操作力とを合わせた力であり、これが操作荷重に相当する。
【0060】
その結果、操作体70の両当接部90により押圧体84の後端部が押し下げられ、上記したように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の連結部84cが押し上げられ、これによりタクトスイッチ58が押圧されてオンする。
【0061】
<仮想端押しの動作>
ここで、仮想端押しの動作とは、押ボタン部72の実際の端押しの動作ではなく、押圧体70の正方形状を基準として設定した押圧部位における押しの動作を意味する。
図8中に示す押ボタン部72の中央B部分の左側のA部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の左端部寄りに加わるため、押圧体84の脚部84aを介して操作体70の左端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の左端部が右側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P1,P2を回転中心として下向きに回転し、操作体70の左端部が下動する。なお、このとき、分散部材30aは、図20に示すように、その案内部33aが水平方向に摺動し、基部31aが操作体70と共に係合箇所P1,P2を回転中心として下向きに回転しつつ下動する。
【0062】
そして、操作体70の左端部の下動により、操作体70の特に左側の当接部90が押圧体84の脚部84aを強く押下するが、押圧体84自体がある程度剛性を有するため、脚部84aの押下であっても押圧体84の脚部84bも同様に押下されることになる。
【0063】
その結果、押ボタン部72の中央B部分を押圧したのと同じように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の連結部84cが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0064】
一方、図8中に示す押ボタン72の中央B部分の右側のC部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の右端部寄りに加わるため、押圧体84の脚部84bを介して操作体70の右端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の右端部が左側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P3,P4を回転中心として下向きに回転し、操作体70の右端部が下動する。なお、このとき、分散部材30bは、その案内部33bが水平方向に摺動し、基部31bが操作体70と共に係合箇所P3,P4を回転中心として下向きに回転しつつ下動する。
【0065】
そして、操作体70の右端部の下動により、操作体70の特に右側の当接部90が押圧体84の脚部84bを強く押下するが、押圧体84自体の剛性のため脚部84bの押下により押圧体84の脚部84aも同様に押下され、その結果、押ボタン部72の中央B部分を押圧したのと同じように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の連結部84cが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0066】
このとき、押ボタン部72のA部分及びC部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、押圧部位であるA部分から支点P1,P2までの距離と、押圧部位であるC部分から支点P3,P4までの距離とはほぼ同じになり、しかも押ボタン72のA部分及びC部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力もほとんど同じであるため、押ボタン部72のA部分及びC部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、押ボタン部72のA部分及びC部分をそれぞれ押圧したときのストロークに、ほとんど差はない。
【0067】
また、押ボタン部72のB部分及びA(またはC)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比しても、押ボタン部72のB部分及びA(またはC)部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力に顕著な差はないことから、押ボタン部72のB部分及びA(またはC)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重の差は小さく、従来のように、押ボタンの操作時における支点が1つで、その支点から遠い部位を押圧したときと近い部位を押圧したときの操作荷重の差ほど大きくなることがない。
【0068】
よって、押ボタン部72のB部分及びA(またはC)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重は、使用者が違和感を覚えるほど大きくなることがなく、ほぼ同じような操作荷重になる。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。
【0069】
ところで、図8中に示す押ボタン部72の中央B部分の後側のE部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の後端部寄りに加わり、各係合爪80と各係合凹部78との係合箇所のうち前側、つまり上記したP2,P4を回転中心として、操作体70の後端部がラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下向きに回転し、操作体70の後端部が下動しようとする。このとき、分散部材30aの後側の案内部33aが水平方向に摺動し、基部31aが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30aの前側の案内部33aも水平方向に摺動する。一方、分散部材30bについても、分散部材30aと同様な動作を行う。即ち、分散部材30bの後側の案内部33bが水平方向に摺動し、基部31bが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30bの前側の案内部33bも水平方向に摺動する。この結果、操作体70は、各係合爪80の各係合凹部78との係合箇所のいずれをも支点とすることがなく、操作体70はラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下方に平行移動し、押ボタン部72への押圧力が操作体70の中央付近に位置する両当接部90にそのまま伝わる。
【0070】
その結果、操作体70の両当接部90により押圧体84の後端部が押し下げられ、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の連結部84cが押し上げられ、これによりタクトスイッチ58が押圧されてオンする。
【0071】
また、図8中に示す押ボタン72の中央B部分の前側のH部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の前端部寄りに加わり、各係合爪80と各係合凹部78との係合箇所のうち前側、つまり上記したP1,P3を回転中心として、操作体70の前端部がラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下向きに回転し、操作体70の前端部が下動しようとする。このとき、分散部材30aの前側の案内部33aが水平方向に摺動し、基部31aが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30aの後側の案内部33aも水平方向に摺動する。一方、分散部材30bについても、分散部材30aと同様な動作を行う。即ち、分散部材30bの前側の案内部33bが水平方向に摺動し、基部31bが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30bの後側の案内部33bも水平方向に摺動する。この結果、操作体70は、各係合爪80の各係合凹部78との係合箇所のいずれをも支点とすることがなく、操作体70はラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下方に平行移動し、押ボタン部72への押圧力が操作体70の中央付近に位置する両当接部90にそのまま伝わる。
【0072】
その結果、操作体70の両当接部90により押圧体84の後端部が押し下げられ、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の連結部84cが押し上げられ、これによりタクトスイッチ58が押圧されてオンする。
【0073】
このとき、押ボタン部72のE部分及びH部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、E部分及びH部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力はほとんど同じであるため、押ボタン部72のE部分及びH部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、ストロークに関してもほとんど差はない。
【0074】
また、押ボタン部72のB部分及びE(またはH)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比しても、押ボタン部72のB部分及びE(またはH)部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力に大きな差はないことから、押ボタン部72のB部分及びE(またはH)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重の差は小さく、従来のように、押ボタンの操作時における支点が1つで、その支点から遠い部位を押圧したときと近い部位を押圧したときの操作荷重の差ほど大きくなることはない。
【0075】
よって、押ボタン72のB部分及びE(またはH)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重は、使用者が違和感を覚えるほど大きくなることがなく、ほぼ同じような操作荷重になる。また、ストロークに関してもほとんど差はない。
【0076】
<仮想隅押しの動作>
ここで、仮想隅押しの動作とは、押ボタン部72の実際の隅押しの動作ではなく、操作体70の正方形状を基準として設定した押圧部位における隅押しの動作を意味する。
さらに、図8中に示す押ボタン部72の左後側のD部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の左後端部寄りに加わるため、押圧体84の脚部84aを介して操作体70の左後端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の左後端部が右前側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P2を回転中心として下向きに回転し、操作体70の左後端部が下動しようとする。このとき、分散部材30aの後側の案内部33aが水平方向に摺動し、基部31aが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30aの前側の案内部33aも水平方向に摺動する。この結果、操作体70は係合箇所P1,P2を回転中心として下向きに回転しつつ下動する。換言すれば、D部分が押圧された場合、D部分への操作荷重が分散部材30aによって押ボタン部72の左側辺(脚部84aの延在方向に相当)に均一に分散されたことを意味する。
【0077】
一方、図8中に示す押ボタン72の左前側のG部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の左前端部寄りに加わるため、押圧体84の脚部84aを介して操作体70の左前端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の左前端部が右後側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P1を回転中心として下向きに回転し、操作体70の左前端部が下動しようとする。このとき、分散部材30aの前側の案内部33aが水平方向に摺動し、基部31aが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30aの後側の案内部33aも水平方向に摺動する。この結果、操作体70は係合箇所P1,P2を回転中心として下向きに回転しつつ下動する。換言すれば、G部分が押圧された場合、G部分への操作荷重が分散部材30aによって押ボタン部72の左側辺(脚部84aの延在方向に相当)に均一に分散されたことを意味する。
【0078】
また、図8中に示す押ボタン72の右後側のF部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の右後端部寄りに加わるため、押圧体84の脚部84bを介して操作体70の右後端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の右後端部が左前側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P4を回転中心として下向きに回転し、操作体70の右後端部が下動しようとする。このとき、分散部材30bの後側の案内部33bが水平方向に摺動し、基部31bが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30bの前側の案内部33bも水平方向に摺動する。この結果、操作体70は係合箇所P3,P4を回転中心として下向きに回転しつつ下動する。換言すれば、F部分が押圧された場合、F部分への操作荷重が分散部材30bによって押ボタン部72の右側辺(脚部84bの延在方向に相当)に均一に分散されたことを意味する。
【0079】
さらに、図8中に示す押ボタン72の右前側のI部分が押圧されると、押ボタン部7への押圧力が操作体70の右前端部寄りに加わるため、押圧体84の脚部84bを介して操作体70の右前端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の右前端部が左後側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P3を回転中心として下向きに回転し、操作体70の右前端部が下動しようとする。このとき、分散部材30bの前側の案内部33bが水平方向に摺動し、基部31bが操作体70と共に下動を開始する。この動きに連動して、分散部材30bの後側の案内部33bも水平方向に摺動する。この結果、操作体70は係合箇所P3,P4を回転中心として下向きに回転しつつ下動する。換言すれば、I部分が押圧された場合、I部分への操作荷重が分散部材30bによって押ボタン部72の左側辺(脚部84bの延在方向に相当)に均一に分散されたことを意味する。
【0080】
そして、操作体70の左後端部、右後端部、左前端部、右前端部のいずれが下動しても、押圧体84自体がある程度剛性を有するため、図8中の押ボタン部72のA,C部分を押圧した場合と同様に、押圧体84全体が押下されることになり、その結果、押ボタン部72の中央B部分を押圧したのと同じように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の連結部84cが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0081】
このとき、押ボタン部72のD部分及びG部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、D部分及びG部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力はほとんど同じであるため、押ボタン部72のD部分及びG部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。
また、押ボタン部72のA部分及びD(またはG)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、A部分及びD(またはG)部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力はほとんど同じであるため、押ボタン部72のA部分及びD(またはG)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。
【0082】
また、押ボタン部72のF部分及びI部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、F部分及びI部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力はほとんど同じであるため、押ボタン部72のF部分及びI部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。
【0083】
また、押ボタン部72のC部分及びF(またはI)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、C部分及びF(またはI)部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力はほとんど同じであるため、押ボタン部72のC部分及びF(またはI)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。
【0084】
また、押ボタン部72のD部分及びF部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、押ボタン部72のD部分及びF部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力もほとんど同じであるため、押ボタン部72のD部分及びF部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。
【0085】
また、押ボタン部72のG部分及びI部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、押ボタン部72のG部分及びI部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力もほとんど同じであるため、押ボタン部72のG部分及びI部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。
【0086】
また、押ボタン部72のB部分及びD(またはF)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比しても、押ボタン部72のB部分及びD(またはF)部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力に大きな差はないことから、押ボタン部72のB部分及びD(またはF)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重の差は小さく、従来のように、押ボタンの操作時における支点が1つで、その支点から遠い部位を押圧したときと近い部位を押圧したときの操作荷重の差ほど大きくなることはない。
【0087】
よって、押ボタン部72のB部分及びD(またはF)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重は、使用者が違和感を覚えるほど大きくなることがなく、ほぼ同じような操作荷重になる。また、ストロークに関しても、ほとんど差はない。なお、押ボタン部72のB部分及びG(またはI)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比しても、同様に操作荷重にほとんど差はなく、ストロークに関してもほとんど差はない。
【0088】
このように仮想隅部を押した場合、仮想隅部のみが大きく沈み込むことはなく、脚部84a,84bの延在方向に対応する押ボタン部72の端部全体が均一に下向きに回転し、この結果、仮想隅部を押した場合のストロークは、脚部84a,84bの延在方向に対応する押ボタン部72の仮想端部の中央部(例えばD又はG部分を押圧した場合はA部分、F又はI部分を押圧した場合はC部分に相当)を押した場合におけるストロークとほぼ同様となり、また、仮想隅部を押した場合の操作荷重は、脚部の延在方向に対応する押ボタン部72の仮想端部の中央部(例えばD又はG部分を押圧した場合はA部分、F又はI部分を押圧した場合はC部分に相当)を押した場合における操作荷重とほぼ同様となる。加えて、その他の任意の押圧部位に拘らず、操作荷重が均一で且つストロークのバラツキもほとんどない。そして、上記の作用・効果は、押ボタン部72のサイズに影響されないことから、押ボタン部72が大型化しても、押圧部位に関係なく操作荷重を均一にでき、且つストロークのバラツキを抑えた押ボタンスイッチ装置を実現することができる。
【0089】
上記のA、B、C、D、E、F、G、H、I部分を押した場合(仮想端押し及び仮想隅押し)の操作荷重およびストロークに関する説明は、押ボタン部72の現実の端部及び隅部であるA1、C1、D1、E1、F1、G1、H1、I1部分(図8参照)をそれぞれ押した場合(現実の端押し及び現実の隅押し)についても当てはまる。
従って、押圧部位に関係なく操作荷重を均一にでき、且つストロークのバラツキを抑えた押ボタンスイッチ装置を実現することができる。
【0090】
<操作荷重の可変設定>
このような操作荷重は、上記したように、押圧体84の支点の位置を適宜変更することで任意に可変設定することができる。つまり、押圧体84の作用点側に加わるべきタクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力は一定であることから、例えば操作荷重を現状よりも大きくしたいときには支点を力点側に寄せればよく、操作荷重を現状よりも小さくしたいときには支点を作用点側に寄せればよく、支点位置を変えることにより、非常に広い範囲(前記合力よりも大きい範囲、小さい範囲のどちらでも)で、操作荷重を可変設定できる。そして、支点の位置調整は、段部88を削ったり肉盛りするなどで対応可能である。
【0091】
また望ましくは、支点となる両段部88の位置を前後方向に移動自在であって、かつ、力点、作用点間の任意の位置で両段部88の位置を固定可能に、両段部88をスイッチ本体ケース50に設けるのがよい。例えば、スイッチ本体ケース50の前後方向のスライド溝を設け、このスライド溝に沿って両段部を同時にスライドできるように支持機構により支持し、スライド溝の途中数箇所に係止部を設けて、いずれかの係止部に支持機構を係止して段部の位置を固定するなどすればよい。
【0092】
従って、上記した実施形態によれば、押ボタン部72の押圧部位に応じて操作体70の回転中心となる係合箇所の位置を切り換えることができるため、押ボタン部72の中央以外の端部や隅部を押圧した場合であっても、押圧時の操作荷重を、押ボタン部72の中央を押圧したのとほぼ同じにすることができ、押ボタン部72の押圧部位に関係なく操作荷重をほぼ均一にすることができる。
【0093】
また、タクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力を、押圧体84を介して操作体70の付勢力としているため、操作体70の付勢のためにばね等の付勢手段を専用に設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができて装置を安価に構成することが可能になる。
【0094】
さらに、押圧体84の支点の位置を適宜調整することで、スイッチ操作荷重を可変設定することができ、使用者の好みや押ボタンスイッチ装置の使用状況に応じて操作荷重の可変設定を容易に行うことが可能になる。
【0095】
また、押ボタン部72を押圧し続けたときに、押圧体84の連結部84cがタクトスイッチ58に当接しつつ、操作体70を介して押圧体84の脚部84a,84bの後端に継続的に強い荷重がかかり続ける状況になることがあるが、例えば押圧体を矩形枠状とした場合であって、押ボタン部を押圧し続けたときに、矩形枠状の押圧体の両端部分が内蔵スイッチなどに当接してそれ以上の押下が阻止されつつ、矩形枠状の押圧体の中央部に継続的に強い荷重がかかり続ける状況に成る構成、つまり押圧体の両端部分が支持された状態で押圧体の中央部に荷重がかかる、いわゆる両持ち状態の押ボタンスイッチ装置と比較して、上記した実施形態における押圧体84は、段部88で支持され押圧体84の後端(脚部84a,84bの後端)に荷重がかかる、いわゆる片持ち状態であり、押圧体84全体に及ぶ負荷は大幅に軽減される。その結果、押圧体84の長寿命化を図ることができ、スイッチ装置全体としての長寿命化が望める。
【0096】
さらに、各LED60をタクトスイッチ58と同じプリント基板56に実装し、導光部材62により各LED60の光を押ボタン部72まで導光するようにしたため、各LED60をタクトスイッチ58と別の回路基板に実装して押ボタン部72の下方に配置したり、押ボタン部72の下方以外でタクトスイッチ58とは異なる位置に配置する場合に比べ
、装置の大型化を招くこともなく、より薄型の押ボタンスイッチ装置を得ることができる。
【0097】
また、裏面カバー94側に第1フック体106を設けると共に、スイッチ本体ケース50側に第2フック体108を設け、裏面カバー94をスイッチ本体ケース50に対して線状ばね100の付勢力に抗してスライドさせた状態で、第1フック体106を所定の箇所に引っ掛けつつ第2フック体108も引っ掛けることができるため、押ボタンスイッチ装置を所定位置に簡単に取り付けることができるため、スイッチ装置の取付作業を非常に容易に行うことができる。
【0098】
(その他の事項)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0099】
(1)上記した実施形態では、スイッチ本体は、スイッチ部が押ボタン部の中央より一端部にずれてスイッチ本体ケース内に配設された構造としたけれども、本発明はこれに限定されず、スイッチ部が押ボタン部の中央位置でスイッチ本体ケース内に配設された構造であってもよい。
【0100】
(2)上記した実施形態では、操作体70の上端はスイッチ本体ケースよりも上方に突出していたけれども、操作体70の上端がスイッチ本体ケース内にあって、且つ押ボタン部の底部が下方に突出して操作体70の上端に当接した構成であってもよい。
【0101】
(3)上記した実施形態では、押圧体84の支点をスイッチ本体ケース50に形成した段部88により構成したが、段部88に代えて、突起その他の突部により支点を構成してもよく、或いは、押圧体84側に設けた突部や、該突部とスイッチ本体ケース50側の凹部との組み合わせにより支点を構成してもよい。
【0102】
(4)また、上記した実施形態では、ラバー体66及びタクトスイッチ58を押圧体84の付勢手段とした場合について説明したが、押圧体84の付勢のために専用ばねやその他のゴム等の弾性部材を付勢手段として設けてもよいのは勿論である。
【0103】
(5)また、操作体70に付勢力を与えるラバー体66は、特に設ける必要はなく、タクトスイッチ58をはじめとするその他のスイッチの操作力のみで押圧体84を介して操作体70に上向きの付勢力を与えるようにしてもよい。
【0104】
(6)また、上記した実施形態ではスイッチ本体ケース50をはじめ、操作体70を平面視矩形にした例を示したが、円形その他の対称形状であってもよいのは勿論であり、この場合にも上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0105】
(7)さらに、押ボタンスイッチ装置として、必ずしもLED60やその他ランプ等の発光素子や導光部材62などを内蔵する必要はない。
【0106】
(8)また、スイッチ本体ケース50に配設するスイッチも上記したタクトスイッチ58に限定されるものではなく、何らかの操作力を発生し得るスイッチであればよく、例えばリーフスイッチであってもよい。さらに、上記した実施形態のタクトスイッチ58は、押圧によりオンする(いわゆるA接点)として説明したがオフする(いわゆるB接点)構成でもよい。
【0107】
(9)また、タクトスイッチ58のような有接点スイッチ以外に無接点スイッチを用いてもよく、この場合にはラバー体66のような可撓性を有する部材を設けて、ラバー体66の如き可撓性部材の復元力を押圧体84の一端(前端)の付勢力とするのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の押ボタンスイッチ装置は、上記した実施形態において説明した如く機器起動用に適用でき、その他具体的にはコピー機のスタートスイッチをはじめ、特に発光素子を内蔵してスイッチ操作の有無を発光状態によって報知する電子機器用の各種スイッチをはじめ、その他薄型の操作スイッチに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に係る押ボタンスイッチ装置の正面図。
【図2】本発明に係る押ボタンスイッチ装置の断面図。
【図3】本発明の変形例の押ボタンスイッチ装置の断面図。
【図4】本発明の他の変形例の押ボタンスイッチ装置の断面図。
【図5】本発明のさらに他の変形例の押ボタンスイッチ装置の断面図。
【図6】実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め上方から見た斜視図。
【図7】実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め下方から見た斜視図。
【図8】実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置の平面図。
【図9】実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置の正面図。
【図10】図8のX1−X1線矢視断面図。
【図11】図8のX2−X2線矢視断面図。
【図12】実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置の右側面図。
【図13】図8のY1−Y1線矢視断面図。
【図14】図8のY2−Y2線矢視断面図。
【図15】押ボタン部を取り除いた押ボタンスイッチ装置の平面図。
【図16】実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め上方から見た分解斜視図。
【図17】実施の形態に係る押ボタンスイッチ装置を斜め下方から見た分解斜視図。
【図18】スイッチ本体を斜め上方から見た分解斜視図。
【図19】スイッチ本体を斜め下方から見た分解斜視図。
【図20】押ボタンスイッチ装置の動作を説明するための図。
【図21】従来例の正面図。
【図22】従来例の断面図。
【符号の説明】
【0110】
1……押ボタンスイッチ装置
2……スイッチ本体
3……アダプター
3a……アダプターの底面部
3b……アダプターのガイド部
3c……アダプターの角筒状部
30a,30b……分散部材
31a,31b……分散部材の基部
33a,33b……分散部材の案内部
34a,34b……案内凹部
40a,40b……嵌合凹部
50……スイッチ本体ケース
58……タクトスイッチ
70……操作体
72……押ボタン部
72a……押ボタン本体部
72b……外向きフランジ部
78……係合凹部(係合箇所)
80……係合爪(係合箇所)
84……押圧体
84a,84b……押圧体の脚部
84c ……押圧体の連結部
A,B,C,D,E,F,G,H,I……押圧部位
P1,P2,P3,P4……回転中心
M……化粧板
N……取付パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ本体を押圧操作する押ボタン部を、アダプターを用いて該スイッチ本体に対応した大きさよりも大型化するようにした押ボタンスイッチ装置であって、
前記スイッチ本体は、前記押ボタン部の下方に配設されるとともに、スイッチ本体ケースと、スイッチ本体ケース内に配設され押ボタン部の押圧操作、操作解除に連動して上下に移動可能であり且つ上向きに付勢されている操作体と、スイッチ本体ケース内に配設され操作体の下動によりオン又はオフに切り換わるスイッチ部とを備え、
前記アダプターは、スイッチ本体の外周面に沿って上下に移動可能であって、押ボタン部が載置される底面部と、底面部の外側周縁部に一体的に形成され押ボタン部をガイドするガイド部と、底面部の内側周縁部に一体的に形成されスイッチ本体を外装する筒状部とを備えたことを特徴する押ボタンスイッチ装置。
【請求項2】
前記アダプターを上向きに付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の押ボタンスイッチ装置。
【請求項3】
前記スイッチ本体は、さらに、前記スイッチケース内の前記操作体の下方に配設され、前記押ボタン部の押圧に連動した前記操作体の下動により前記スイッチを押圧する押圧体を備え、
前記押ボタン部の押圧部位が押ボタン部の隅部の場合に、その隅部に加わる押圧荷重を押圧体の側部の延在方向に均等に分散する一対の分散手段が、前記押圧体の両側部上方にそれぞれ配置されていることを特徴する請求項1又は2記載の押ボタンスイッチ装置。
【請求項4】
前記各分散手段は、
前記スイッチ本体ケースの外壁のうち前記押圧体の側部に直交する側の外壁に形成されている案内凹部と、
前記アダプターの側部に沿って延在し且つ該側部に回転自在に嵌合する基部と、前記案内凹部によって水平方向に摺動自在な案内部とを備えた分散部材と、
を含むことを特徴とする請求項3記載の押ボタンスイッチ装置。
【請求項5】
前記押圧体は、両端間の任意の位置を支点として一端側及び他端側が上下に互いに反対方向に揺動し一端側の上動によって前記スイッチ部を押圧することを特徴する請求項4記載の押ボタンスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−287968(P2008−287968A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130622(P2007−130622)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】