説明

押込固定具及びそれを用いた止着構造

【課題】木等の構造材からなる建物躯体の変形や震動に対し、固着している釘の頭抜けや釘穴からの裂断や釘孔のガタツキ等の発生、通気胴縁の面圧保持力、高断熱、高気密性能の低下、逸損が認識されるので、地震等の対処では、耐震強度を強化する対処法を提供する。
【解決手段】押込固定具5を用いた止着構造により、発泡合成樹脂板体1を構造躯体4に強固に止着することが可能となり本来的に有する緩衝性、粘弾性、応力分散性等の長所を最大限に活用させることができ、柔らかく、集中荷重に弱く、局部破損し易いという材料力学的な欠陥を封印し克服する。止着構造を用いることで、構造躯体壁面全体が長期に亘り良好な断熱性能を維持し、発泡合成樹脂板体1が、地震エネルギーの吸収体として、又、その吸収した地震エネルギーの復元体として弾性変形、弾性復元し、長期に亘り、耐・制震性を発揮する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡合成樹脂板体の外壁面側に外装壁構成材を配設させる前に、発泡合成樹脂板体を構造躯体に止着するための固定具であって、基端部から突出した突起部を有し、該基端部の略中央から貫通させる止着材で該突起部を該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させて、該発泡合成樹脂板体を該構造躯体に螺着により止着することを特徴とする押込固定具。
【請求項2】
該基端部の略中央に止着材を貫通させる貫通孔を有することを特徴とする請求項1記載の押込固定具。
【請求項3】
構造躯体方向に突起部を有する前記押込固定具の略中央と、発泡合成樹脂板体とを貫通する止着材を用いて、構造躯体に螺着させることにより、該突起部を、該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させることを特徴とする発泡合成樹脂板体の構造躯体への止着構造。
【請求項4】
構造躯体上に、発泡合成樹脂板体を配し、該発泡合成樹脂板体上に、ゴム状弾性板体を重ね、更にその上に、基端部の直径が該ゴム状弾性板体と同一か、又はより小であって、突起部を有する前記押込固定具、又は突起部を有しない押込固定具を重ね、該押込固定具の略中央と、該ゴム状弾性板体、該発泡合成樹脂板体とを貫通する止着材を用いて、構造躯体に螺着することにより、該押込固定具と共に、該ゴム状弾性板体の少なくとも一部を該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させることを特徴とする発泡合成樹脂板体の構造躯体への止着構造。
【請求項5】
発泡合成樹脂板体の少なくとも一表面が表面補強材を有するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の止着構造。
【請求項6】
突起部を有する前記押込固定具の基端部が発泡合成樹脂板体の表面と面一になるように止着されてなる請求項3〜5のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項7】
突起部を有する前記押込固定具が中空体又は中実体である請求項3〜6のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項8】
突起部を有する前記押込固定具に、埋没深さを規定する固定脚部を設けてなる請求項3〜7のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項9】
固定脚部の先端部が建物躯体に達してなる請求項8に記載の止着構造。
【請求項10】
前記押込固定具が、金属、木、発泡又は非発泡の合成樹脂、及びゴム、エラストマー等のゴム状弾性体から選ばれる1以上の素材により形成されてなる請求項3〜9のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項11】
1)発泡合成樹脂板体を貫通している止着材の胴部の径を、建物躯体にねじ込まれた胴部の径より大とするか、又は、2)発泡合成樹脂板体を貫通している止着材の胴部に補助脚部を挿嵌してなることを特徴とする請求項3〜7、又は、10のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項12】
突起部を有する前記押込固定具の基端部の周縁が、該押込固定具表面に対して90度より小の曲面及び/又は平面を有する請求項3〜11のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項13】
突起部を有する前記押込固定具、又は突起部を有しない押込固定具と、発泡合成樹脂板体との間に、接着剤層を介在させてなる請求項3〜12のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項14】
発泡合成樹脂板体と建物躯体との間に構造用面材が存在し、請求項1〜13のいずれか1項に記載された押込固定具を用いて、発泡合成樹脂板体を構造用面材及び/又は建物躯体に止着したことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項15】
発泡合成樹脂板体の一部を半硬質発泡合成樹脂板体、及び/又はゴム状弾性板体に置換したことを特徴とする請求項3〜14のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項16】
半硬質発泡合成樹脂板体、又はゴム状弾性板体に置換した部位が仕口部を含むものであることを特徴とする請求項15に記載の止着構造。
【請求項17】
前記止着構造を壁、屋根、および天井、床から選ばれる一以上の建物部位に採用してなる請求項3〜16のいずれか1項に記載の止着構造。
【請求項18】
請求項3〜17のいずれか1項に記載された止着構造の発泡合成樹脂板体上に通気胴縁を止着してなる止着構造。
【請求項19】
通気胴縁が押込突起付通気胴縁である請求項18記載の止着構造。
【請求項20】
構造躯体上に、必要により構造用面材、次いで、発泡合成樹脂板体、次いで、透湿防水シートを敷設した上から、押込突起付通気胴縁を配し、止着材により、押込突起を発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させる状態にてこれらを構造躯体に螺着することを特徴とする請求項19に記載の止着構造。
【請求項21】
請求項18〜20のいずれか1項に記載された止着構造からなる通気胴縁上に、更に外壁材を設けてなる外張断熱構造。
【請求項22】
建物躯体の柱間空間に断熱材を充填するについて、1つの柱間空間の全部、または一部の内周面に、配設して、固着させる変形可能な制震枠体に、前記押込固定具を用いて発泡合成樹脂板体を螺着により止着してなる内断熱構造。
【請求項23】
建物躯体の柱間空間に断熱材を充填するについて、1つの柱間空間の全部、または、一部の内周面に、発泡合成樹脂板体を止着させるための発泡合成樹脂板体厚み寸法深さの嵌溝を彫設し、前記押込固定具を用いて該発泡合成樹脂板体を該嵌溝に螺着により止着してなる内断熱構造。
【請求項24】
1つの柱間空間の全部、または、一部の内周面が、上部仕口部内周面、及び/又は、下部仕口部内周面、あるいは、上部仕口部内周面、及び、下部仕口部内周面を含む、柱間空間の全内周面である請求項22又は23に記載の内断熱構造。
【請求項25】
発泡合成樹脂板体の一部、又は、全部を半硬質発泡合成樹脂板体、及び/又は、ゴム状弾性板体に置換したことを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の内断熱構造。
【請求項26】
建物躯体の1つの柱間空間の上部仕口部、及び/又は、下部仕口部等の外壁面側内周面に配設する発泡合成樹脂板体が、構造用面材の厚み寸法分だけ突出する深さの嵌溝を彫設し、前記押込固定具を用いて該発泡合成樹脂板体を螺着により該嵌溝に止着させると共に、該発泡合成樹脂板体が止着された部位を除く残余の柱間空間に構造用面材を配設し、固着させてなる弾性耐力壁構造。
【請求項27】
発泡合成樹脂板体の一部、又は、全部を半硬質発泡合成樹脂板体、及び/又は、ゴム状弾性板体に置換したことを特徴とする請求項26に記載の弾性耐力壁構造。
【請求項28】
矩形の発泡合成樹脂板体を、縦フレーム及び横フレームに止着するにつき、該発泡合成樹脂板体の表裏両面上に前記押込固定具、次いで該フレームの順に配し、該フレーム、該押込固定具、該発泡合成樹脂板体を貫通する止着材により螺着して、該押込固定具の突起部を該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させることにより、これら3者を止着してなる長尺制震パネル。
【請求項29】
一対の前記押込固定具を該発泡合成樹脂板体の表裏両面上にそれぞれ相対向するように配し、該相対向する一対の押込固定具を貫通する一つの止着材にて螺着し、該一対の押込固定具の突起部を、該発泡合成樹脂板体の表裏両面の対向する位置で該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させたことを特徴とする請求項28記載の長尺制震パネル。
【請求項30】
発泡合成樹脂板体の一部又は全部を半硬質発泡合成樹脂板体、及び/又はゴム状弾性板体に置換したことを特徴とする請求項28又は29記載の長尺制震パネル。
【請求項31】
請求項28〜30のいずれか1項記載の長尺制震パネルを構造躯体の柱間大空間又は柱間小空間に装着してなる建物構造。
【請求項32】
略3角形状の発泡合成樹脂板体を、縦フレーム及び横フレームに止着するにつき、該発泡合成樹脂板体の表裏両面上に前記押込固定具、次いで該フレームの順に配し、該フレーム、該押込固定具、該発泡合成樹脂板体を貫通する止着材により螺着して、該押込固定具の突起部を該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させることにより、これら3者を止着してなる仕口制震パネル。
【請求項33】
一対の前記押込固定具を該発泡合成樹脂板体の表裏両面上にそれぞれ相対向するように配し、該相対向する一対の押込固定具を貫通する止着材にて螺着し、該相対向する一対の押込固定具の突起部が、該発泡合成樹脂板体の表裏両面の対向する位置で該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させたことを特徴とする請求項32記載の仕口制震パネル。
【請求項34】
発泡合成樹脂板体の一部又は全部を半硬質発泡合成樹脂板体、及び/又は、ゴム状弾性板体に置換したことを特徴とする請求項32又は33に記載の仕口制震パネル。
【請求項35】
請求項32〜34のいずれか1項に記載の仕口制震パネルを構造躯体の仕口部に装着してなる建物構造。
【請求項36】
矩形の発泡合成樹脂板体の対向する2辺を、縦フレーム及び/又は横フレームに止着するにつき、該発泡合成樹脂板体の表裏両面上に前記押込固定具、次いで該フレームの順に配し、該フレーム、該押込固定具、該発泡合成樹脂板体を貫通する止着材により螺着して、該押込固定具の突起部を該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させることにより、これら3者を止着してなる汎用制震パネル。
【請求項37】
一対の前記押込固定具を該発泡合成樹脂板体の表裏両面上にそれぞれ相対向するように配し、該相対向する一対の押込固定具を貫通する止着材にて螺着し、該相対向する一対の押込固定具の突起部が、該発泡合成樹脂板体の表裏両面の対向する位置で該発泡合成樹脂板体中に押込み、埋没させたことを特徴とする請求項36記載の汎用制震パネル。
【請求項38】
発泡合成樹脂板体の一部又は全部を半硬質発泡合成樹脂板体、及び/又はゴム状弾性板体に置換したことを特徴とする請求項36又は37に記載の汎用制震パネル。
【請求項39】
請求項36〜38のいずれか1項に記載の汎用制震パネルを構造躯体の柱間小空間又は柱間大空間に装着してなる建物構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−62745(P2012−62745A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81561(P2011−81561)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(303007142)
【Fターム(参考)】