説明

抽出、試料捕集及び試料クリーンアップ用ピペットチップとその使用方法

本発明は、化学分析の対象である液体、半固体または固体溶液抽出用のピペット・チップ・デバイス及びその使用方法である。本ピペットチップ抽出デバイスは、その狭い下端における、固体粒子状物質を包含するためのスクリーンまたはフィルタと、その広い上端におけるバリアとを含む。オプションである上部フリットは、溶液が通って流れることを許容する材料で製造されるべきものである。バリア及びスクリーンに加えて、ピペットチップ抽出デバイスは、固相吸着剤を含んでもよい。取外し可能なキャップの使用によって、ピペット抽出チップは、(例えば、固体試料を含む試料を直に捕集するために)試料をチップの上端へ届けることができる試料捕集容器またはチップとしての働きをしてもよい。また、液−液−固相抽出を使用する新しいDPX抽出方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本出願は、2007年2月21日に出願された米国特許仮出願番号第60/902,463号、及び2007年11月13日に出願された米国特許仮出願番号第60/987578号に対する優先権を主張するものであり、これらの仮出願は共に本参照によりそのまま開示に含まれる。
【0002】
本発明は、化学分析用の試料調製の間に使用される抽出及び/または試料捕集デバイスに関する。
【発明の背景】
【0003】
化学分析用試料調製デバイスは、ピペットチップを利用する多くのタイプが開発されてきている。ピペットチップを使用する主たる優位点は、自動化されたロボット液体ハンドラで容易に使用される場合があることにある。利用可能なこれらのチップは全て、液体試料溶液の、溶液をピペットチップの狭い底部から出し入れする処理に焦点を当てたものである。さらに、これらの製品は全て、低圧アプリケーションでのみ処理することができる。これらのチップは、高い逆圧を引き起こすことから、極めて大きい表面積を有する小粒子サイズの吸着剤を使用することができない。これらの発明は何れも、ピペットチップの上端の広い開口からは溶液を導入しない。
【0004】
残念ながら、これらの発明は、全血等の粘性のある液体試料溶液の分析に対しては効果的でない。これらのデバイスは何れも、蛋白質沈澱、遠心沈澱または濾過等の何らかの類の試料前処理なしでは、廃水または組織ホモジネート等の半固体試料を処理することができない。また、これらのピペット・チップ・デバイスの何れも、固体試料の直接的分析に使用することはできない。
【0005】
従って、化学分析用の液体、半固体及び固体試料溶液の処理に使用できるピペット・チップ・デバイスに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0006】
その主たる、かつ広く表明された態様によれば、本発明は、化学分析の対象である液体、半固体または固体溶液を抽出するためのピペット・チップ・デバイスと、その使用方法である。本ピペットチップ抽出デバイスは、その狭い下端における固体粒子状物質を包含するためのスクリーンまたはフィルタと、その広い上端におけるバリアとを含む。このバリアは、フリット、アダプタ、キャップまたはフィッティングと称されてもよく、交換可能式に使用されてもよい。上端のフリットは、溶液が通って流れることを許容する物質で製造されるべきものであり、かつ上端のフリットはオプションであってもよく、DPXチップの頂部において、取外し可能なキャップ、アダプタ、ルアー・ロック・フィッティング、2方または3方(またはマルチポート)弁フィッティング、O−リングフィッティングまたはセプタムキャップ等の他のフィッティングで置換されてもよい。
【0007】
アダプタは、ロボット計装上でのピペットチップの動作を容易にするように設計されてもよい。アダプタの外側に溝を組み込むことにより、ロボットグリッパは、チップを拾い上げて、これを試料管及びバイアル等の様々なロケーションへ移動させることができる。アダプタの内部は、液体溶剤及びガスを比較的高圧で吸引しかつ計量分配できるように、注射針を有する気密シールになるように設計される。さらに、アダプタは、試料処理に先行してチップ内部で物質を包含するシールとなる薄膜を含んでもよい。
【0008】
バリア及びスクリーンに加えて、ピペットチップ抽出デバイスは固相吸着剤を含んでもよい。この場合、ピペット抽出チップは改良型の使い捨てピペット抽出(DPX)チップであり、溶剤及び試料溶液をその上端の広い開口へ導入する能力を有する。吸着剤は、卓越した抽出効率をもたらす直径5〜20ミクロンの小粒子サイズであってもよい。このような小粒子サイズの使用は高圧(HP)を必要とし、よって、これらのHP−DPXチップは高圧アプリケーションを与えるアダプタの使用を必要とする。また吸着剤は、試料の処理を助ける、例えば緩衝剤または緩衝塩である任意選択の添加物も含有することができる。
【0009】
HP−DPXチップに加えて、DPX−CUと呼ばれる他の吸着剤を使用して望ましくない試料マトリクスを抽出しかつ除去し、溶液を「クリーンアップ」してもよい。他の吸着剤物質としては、免疫親和性アプリケーション用抗体(DPX−IA)、陽イオン交換アプリケーション用(DPX−CX)及び陰イオン交換アプリケーション用(DPX−AX)官能化基及び分子量分離用有孔物質(DPX−MW)が含まれる。
【0010】
DPXの別のアプリケーションは、液体クロマトグラフィのための試料調製(DPX−LCprep)である。これらのチップは、望ましくない化合物を抽出すると同時に粒状物質を濾過する、という二重の目的を有する。DPX−LCprepチップは、HPLCカラムを防護してその寿命を延ばしかつクロマトグラフ分離を向上させるために使用される。
【0011】
取外し可能なキャップの使用により、ピペット抽出チップは、試料をチップの先端へ送り届けることのできる試料捕集容器またはチップ(SC−Tip)として機能してもよい。この場合、ピペット抽出チップは、固体試料を含む試料の直接的捕集分野において使用可能である。SC−Tipのスクリーンは、抽出プロセスに続いて存在する場合のある粒状物質を除去しかつ濾過する濾過媒体として使用される。これは、固体試料の直接的処理に使用されてもよいピペット抽出デバイスの唯一のアプリケーションを表す。
【0012】
また、液−液−固相抽出を使用するDPX抽出の新規方法も開示する。この固有の抽出方法は、検体の抽出及びアプリケーションを大幅に拡大させる。
【0013】
下記の図面に加えられる「好適な実施形態の詳細な説明」を精読すれば、当業者には、本発明の他の特徴及び優位点が明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】HP−DPXチップを示す断面略図である。
【図2A】注入デバイスによりHP−DPXチップの先端への接続用に使用され得る幾つかのキャップまたはアダプタまたはフィッティングの断面を示す略図である。
【図2B】注入デバイスによりHP−DPXチップの先端への接続用に使用され得る幾つかのキャップまたはアダプタまたはフィッティングの断面を示す略図である。
【図2C】注入デバイスによりHP−DPXチップの先端への接続用に使用され得る幾つかのキャップまたはアダプタまたはフィッティングの断面を示す略図である。
【図2D】注入デバイスによりHP−DPXチップの先端への接続用に使用され得る幾つかのキャップまたはアダプタまたはフィッティングの断面を示す略図である。
【図2E】注入デバイスによりHP−DPXチップの先端への接続用に使用され得る幾つかのキャップまたはアダプタまたはフィッティングの断面を示す略図である。
【図3】ピペット・チップ・デバイスの好適な実施形態を示す略図である。
【図4A】テトラヒドロカナビノール(THC)及びカルボキシ−THC(COOH−THC)のDPX抽出物のクロマトグラム(GC/MS)を示す。
【図4B】テトラヒドロカナビノール(THC)及びカルボキシ−THC(COOH−THC)のDPX抽出物のクロマトグラム(GC/MS)を示す。
【図5】DPX−LCprepに包含されるステップを示す略図である。
【図6】使い捨てガードカートリッジ及び濾過の使用に続く検体の高速DPX抽出を包含するDPX−LCprepを伴うHP−DPXのタンデム使用を示す略図である。
【図7A】DPX(B)及びHP−DPX(A)によりレタスから抽出された幾つかの一般的な農薬を示すGC/MSクロマトグラムである。
【図7B】DPX(B)及びHP−DPX(A)によりレタスから抽出された幾つかの一般的な農薬を示すGC/MSクロマトグラムである。
【図8】DPX−CXを使用して尿から抽出された塩基性薬物を示すクロマトグラム(GC/MS)である。
【図9】コーンミールからの20ppbアフラトキシンBのDPX−IA抽出(ピーク時6.4分)に続いて記録されたHPLCクロマトグラム(蛍光検出による)を示す。
【図10A】DPX−CUによるクリーンアップステップを伴うDPX(A)及び伴わないDPX(B)により抽出された空の胃の内容物(飼料)を示すクロマトグラム(GC/MS)である。
【図10B】DPX−CUによるクリーンアップステップを伴うDPX(A)及び伴わないDPX(B)により抽出された空の胃の内容物(飼料)を示すクロマトグラム(GC/MS)である。
【図11A】試料の現場捕集、並びに試料処理に使用されるべきアダプタ付きピペット抽出チップの能力を実証する試料捕集チップ(SC−Tip)を示す。
【図11B】試料の現場捕集、並びに試料処理に使用されるべきアダプタ付きピペット抽出チップの能力を実証する試料捕集チップ(SC−Tip)を示す。
【発明の詳細な説明】
【0015】
最近は、多くの新しい吸着物質が開発されてきていて、これらの物質の吸着剤としての使用がDPX方法論のケイパビリティを大いに拡大している。また、これらの物質の多くをDPXアプリケーション用に使用するためには、DPX設計の修正を組み込まなければならない。
【0016】
DPXに対する主たる改良は、小粒子サイズの吸着物質を使用することによる高性能SPEの開発である。これらのDPXチップは、高性能DPXまたはHP−DPXと称される。小粒子サイズ物質は直径200ミクロンまでの範囲であり、好適には100ミクロンまで、より好適には5〜40ミクロンの範囲内、かつ最も好適には5〜20ミクロンの範囲内である。これらの物質の使用は、より高い逆圧を生成し、よって、抽出を実行するためには比較的高い圧力を必要とする。従って、HP−DPXチップを規格ピペット上へ単に押し嵌めするだけでは、これらの抽出を達成することができない。よって、HP−DPXチップへの出し入れに溶液を移動させるためには、従来の規格チップ用ピペットで使用される、より大きい力の量が必要とされる。例えば、1mLのHP−DPXチップでは、容積1mLのピペット(または注入器)をそのまま使用することはできず、代わりに、容積5mLの注入またはピペットデバイスが必要とされる。5mLのHP−DPXチップの場合、溶液を効率的に抽出するためには、10mLまたは25mLの注入デバイスさえも必要とされる。
【0017】
これらのHP−DPXチップを特異にする別の特徴は、溶液とこれらの物質の多くとの混合が「ゲル」を生成することにある。即ち、溶液は均質的であり、よって、卓越した抽出効率及び高速平衡をもたらす。HP−DPXのこの固有の混合は、これらの特定の物質をDPX技術に適した理想的なものにする。この混合を容易に達成する1つの方法は、空気または別のガスをDPXチップ内へ吸引するというものであり、この空気の流れによって小さい泡が形成され、これにより試料溶液の摂動が起こって完全な混合が招来される。この混合の方法は、ロボット液体ハンドラで容易に行うことができる。
【0018】
図1は、HP−DPXチップの略図を示す。HP−DPXチップのこの断面略図は、液体透過膜で構成されたオプションである第2のフリット(上部バリア22)と、緩く包含された小粒子サイズ(直径5〜40ミクロン等)の吸着物質または他の官能化吸着粒子(18)とを示している。空隙(10)はDPXの混合室を示し、チップの底部(12)は、極小開口または細孔(直径2ミクロン、または5ミクロン、または10ミクロン等)を含む近接スクリーンまたはフリット(24)を有する開口(14)を含む。スクリーン(24)は、ステンレス鋼、多孔質高分子材料、多孔質ガラス、多孔質セラミックまたは他の類似材料で構成されてもよい。このデバイスの主たる改良点は、異なる吸着物質が開示され、かつ上部フリット(バリア)が液体透過性であるように製造されかつオプションであることにある。様々な吸着物質には、スチレンジビニルベンゼン:sdvb(直径5〜40ミクロン)及び例えばヒドロキシル化基またはスルホン化基またはアミノ化基を含む官能化sdvb、1級−2級アミン(psa)、アミノプロピル基またはアミノアルキル基、アルミナ(塩基性、酸性または中性)、フロリジル、小粒子サイズのシリカゲル、C、C18及び官能化CまたはC18材料、NaSO、MgSOまたはCaSO(乾燥用)、珪藻土、セファデックス及びポリエチレンが含まれる。
【0019】
小粒子サイズ吸着物質の使用は、回収及び抽出効率を劇的に向上させるが、抽出を実行すべくこれらのチップを確実に接続するためには、DPXチップの頂部にアダプタまたはキャップまたはフィッティングが必要である。アダプタまたはキャップまたはフィッティングは、何れで称されるとしても、プラスチック、金属またはゴムで構成されてもよく、かつ使い捨てである場合も、再使用可能である場合もある。アダプタとのこのより密な嵌め合いにより、より高い圧力でもチップを「飛び跳ね」させることがなく、またはチップが外れた状態になることはない。図2は、セプタム(A)またはルアー・ロック・フィッティング・アダプタ(B)を示す略図である。この場合、注射針または注入器を使用して、各々、セプタムを穿孔し、またはアダプタへ直に接続することができる。図2Cでは、注射針と共に摩擦シールを形成するアダプタも使用することができる。図2Dでは、O−リングシールを使用して注射針、弁、ルアー・ロック・フィッティングまたは他の任意の類似フィッティングのためのシールをもたらすことができる。最後の図2Eでは、アダプタは、DPXチップの頂部へ液体溶剤(またはガス)を添加するための分離線を含んでもよく、かつこの場合は、チップ内部に吸着剤(または試料)を包含するためのフリットが示されている。
【0020】
これらのアダプタは全て、液体ロボットハンドラのトランスポートアダプタとして使用されるべく修正されることが可能である。これらは、チップ内部の内容物を包含するキャップとして使用できるようにシールまたは薄膜も含んでもよく、かつこの膜はこの後、抽出方法に作用すべく貫通されることが可能である。また、全てのアダプタは、チップの開閉を容易にするねじキャップであってもよい。図3は、アダプタの好適な一実施形態を示す。デバイスの部分は、アダプタ(1)と、ピペットチップ(2)と、吸着剤または試料(3)と、液体透過性クロージャ(4)とを含む。アダプタは、ロボット液体ハンドラ及びピペットチップ内に内容物を包含するキャップの動作を容易にするように設計される。その主たる特徴は、ロボット機器デバイスへの確実な付着のための溝及びリッジであり、HP−DPXアプリケーションの高圧に耐え得ること、物質をピペット・チップ・デバイス内に包含するための薄膜を有すること、かつ試料捕集用ピペット・チップ・デバイス(SC−Tipアプリケーション)を開閉するためのキャップとして取り外せるという能力を有することにある。
【0021】
これらのタイプのアダプタの場合、セプタムまたはアダプタがDPXチップ内部に緩い吸着粒子を包含するように作用することから、上部フリットは不要である。故に、上部フリットはオプションである。フリットが存在しなければ、溶出溶剤等の溶液をDPXチップの「頂部」へ添加することは遙かに容易である。
【0022】
アプリケーション及び方法によっては、頂部へ添加される溶液がより良い結果をもたらすものがあることが判定されている。原初のDPX設計では、上部バリアは溶液に不浸透性であるように指示されていたが、この原初の設計は、DPXチップの頂部へ溶液を添加する方法を組み込んでいなかった。例えば、THC(テトラヒドロカナビノール:マリファナの有効成分)分析用の5:1ヘキサン−エチルアセテート及び全血からのその代謝産物を使用する溶出は、溶出溶剤を、底部からの引き入れではなくDPXチップの頂部へ添加する場合に最も良く実行される。底部からの溶出は、DPXチップの狭い端(図1の位置14)からの溶液の引き入れを指し、頂部からの溶出は、DPXチップの「頂部」におけるアダプタの位置(図2)からの溶出溶剤の添加を指す。
【0023】
図4は、底部からの溶出溶剤(B)及び頂部からの溶出(A)を使用したDPX抽出に続くTHC及びその主たる代謝産物COOH−THCのGC/MSクロマトグラムを示す。(注意:このアプリケーションにおける全てのクロマトグラムは強度計数と時間との関係を示す。)この例では、上部バリアは、溶液が妨害なしに通過することを見込んだ多孔質高分子材料で製造されていた。COOH−THCの強度を表すピークは、頂部からの溶出の方が遙かに高い。溶出溶剤を頂部に添加する必要性は、HP−DPXチップを使用する場合でより顕著である。HP−DPXチップでは、底部からの溶出の場合、溶出溶剤が吸着剤を通って戻る際のより広い表面積によって検体に滞留が生じ、結果的に回収は低下する。
【0024】
DPXチップの頂部への溶剤添加を容易にするために、アダプタは3方(またはマルチ)弁を使用する。これは、注入デバイスまたはピペットからDPXチップを取り外す必要なしに溶剤が頂部へ容易に添加されることを可能にする。
【0025】
他の吸着物質の使用も、塩基性薬物の検出に有益であることが分かっている。これらの化合物は、酸性化され、次に陽イオン交換(DPX−CX)メカニズムを使用して抽出されてもよい。同様に、これは、酸性薬物(または化合物)の抽出及び分析用に実行されてもよいが、これらの溶液は、まず塩基性にされて化合物がマイナス帯電にされ、続いて、陰イオン交換吸着剤を有するDPXチップ(DPX−AX)を使用して抽出される。
【0026】
他のDPX吸着物質は、分子量または分子サイズまたは分子形状を基礎として検体を抽出しかつ分離するための様々な孔サイズの使用も含んでもよい。これらのDPXチップは、DPX−MWと称される。
【0027】
最後に、DPXチップは、様々な検体の選択的抽出用に吸着粒子上で不動にされる抗体(または他の蛋白質)も含んでもよい。これらのDPXチップは、免疫親和性のためのDPX−IAと称される。DPX−IAの使用は、特定の検体をほんの一瞬で選択的に抽出することを可能にし、DPX設計の使用は、検体が抗体に迅速に混合しかつ結合し、検体を試料マトリクスから分離しかつ分析対象である検体を溶出することを可能にする。これらのDPX−IAチップは、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、FPIA(蛍光偏光免疫測定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射性免疫測定法)または免疫親和性技術を基礎とする他の類似の診断技術等の診断検査における使用に広範な実施を見出す場合がある。DPX−IAを使用すれば、スクリーニング方法は、規格プレートを使用して現時点で達成される速度より遙かに高速で実行される場合がある。
【0028】
DPX方法は、その原初の設計では、特定の検体の抽出に焦点を当てたものであった。しかしながら、様々な試料マトリクス内の化学物質の分析は、試料マトリクス成分の量が多いことに起因して問題が多い。これらのマトリクス化合物は、定性分析及び定量分析データの双方を分かりにくくする干渉を引き起こす場合がある。一例は、穀物製品または肝臓標本における脂肪酸の存在である。DPXの新規かつ改良された特徴は、クリーンアップステップで使用するための試料マトリクス干渉物の抽出に関するものであり、これらはDPX−CU(クリーンアップ用)と称される。DPX−CU手順は、弱い、または強い陰イオン交換(SAX)樹脂を使用して脂肪酸成分を除去してもよい。DPX−CU用吸着物質としての他の可能性としては、ポリアミノ、1級−2級アミン(PSA)、アミノアルキル基、フロリジル、アルミナ(中性、塩基性または酸性)、シリカゲル、修飾シリカゲル、分子インプリント高分子、固有親和型物質(抗体、蛋白質または特有の蛋白質を除去する固定化化合物等)、セファデックス、様々な孔サイズの高分子及び陰イオン交換/陽イオン交換吸着物質が含まれる。
【0029】
DPX−CUに使用される方法は超高速であって、達成に要する時間は約30秒またはそれ以下であり、典型的には10秒という短速である。この高速は、溶液はチップへ引き入れられかつチップから引き抜かれ、または単にチップ頂部を介して計量分配されて干渉が除去され、よって洗浄ステップと溶出ステップとの分離が不要であるという事実に起因する。
【0030】
DPXの別の改良点は、HPLC分析を準備するためのデバイスとしてのその使用に関連し、DPX−LCprepと称される。HPLC分析では、クロマトグラフに注入されるべき溶液はまず濾過プロセスを受ける。これは、HPLCカラム及び計装を詰まらせて損傷させる場合のある粒状物質を確実に除去するために行われる。さらに、典型的には、クロマトグラフカラムの汚染防止のためにHPLCガードカラムは使用される。これらのガードカラムは、HPLCカラムの固定相と同等または極めて類似する固相粒子(吸着剤)を含む。ガードカラムの使用はHPLCカラムを保護するが、これらは不可避的に幾分かの分解能損失を生じさせる。ガードカラムの使用概念は、HPLCカラムの固定相物質に不可逆的に結合する化合物は何れも、まずガードカラムに結合するということにある(しばしばプレカラムと称される)。幾つかの分析の後、ガードカラム内のパッキング及びスクリーンは、最適なクロマトグラフ性能をもたらすために交換される。多くの場合、まず性能の損失が認められ、ガードカラムに交換の必要があるという指針または早期警告として使用される。これより遙かに優れたアプローチは、HPLCカラムを保護しかつ各分析が再生可能であることを保証する使い捨てのガードカラムを組み入れることである。
【0031】
DPX−LCprepの場合、チップは、使い捨てのガードカラム及び濾過デバイスの双方として機能するように使用される。DPX−LCprepチップは、C18またはこれに類似する相等のHPLCカラムと同じタイプのパッキングで構成されることが可能であり、これは、C18へ不可逆的に結合する場合のある溶液内の任意の汚染物が、DPX−LCprepチップ内に含まれる吸着剤へ結合することによって溶液から除去されることを保証する。底部フリット(スクリーン)は液体透過性であって濾過デバイスとしても作用し、粒状物質が溶液から除去されることを保証する。これらのDPX−LCprepチップは、試料溶液を頂部へ導入することによって使用されるべきものであり、これにより、濾過デバイスとして作用する底部フリットの使用が許容される。
【0032】
この場合、DPX−LCprep吸着剤は試料溶液と混合されるべきではなく、むしろ、溶液は頂部を突き抜ける。図5は、このプロセスに使用されるステップの一例を示す。ステップ1は、試料溶液(b)を注入器(a)でDPX−LCprepチップ(c)内へ注入することを含む。ステップ2は、試料溶液を、DPX−LCprepチップを介して空のバイアル(d)内へ計量分配することを含む。最終ステップ3は、清浄かつ濾過された試料溶液をバイアル(f)内に捕集することを含み、試料マトリクス成分は吸着剤(e)上に保持される。
【0033】
図6は、検体の高速DPX抽出を包含するためのDPX−LCprepを有するHP−DPXのタンデム使用、及びこれに続く使い捨てガードカラム(またはカートリッジ)及び濾過のためのDPX−LCprepの使用を示す略図である。これは、これらの手順の自動化に関する実行可能性も実証している。この略図は、溶出ステップの間のHP−DPXチップ(1)と、HP−DPXチップをDPX−LCprepチップ(3)へ接続するアダプタシール(2)と、条件付きLC媒体(4)と、濾過スクリーン(5)と、注入されかつ分析されるべき「クリーン」な最終的溶出を捕集するためのHPLCバイアル(6)とを示している。この場合、DPX−LCprepチップのアダプタ(2)は、別のピペットチップ及び/またはDPXチップと共に密封を形成するように設計される。この手順が容易に自動化されることは、注目に値する。
【0034】
別の主たる特徴は、DPX−LCprepチップが、クロマトグラフィの実行に使用可能な充填カラムとしても作用してもよいことにある。故に、チップは、クロマトグラフィ分析用の安価で持ち運びのできる方法のための検体を分離するために使用可能なクロマトグラフィ媒体として使用されることが可能である。これは、DPX−CHROM(クロマトグラフィ用)と称される。
【0035】
DPX抽出を実行するための方法は、液−液−固相抽出を効率的かつ高速で実行するために使用されてもよい。吸着剤を特定の溶剤と混合することにより、吸着剤はこの後、試料溶液と混合されることが可能である。短い平衡時間の後、溶液層は不混和であることによって分離し、吸着剤はこれらの層のうちの1つ(例えば、最上の有機層)に落ち着く。溶剤及び吸着剤を試料溶液と不混和であるように選択することは、時間のかかる遠心沈澱なしに相分離を可能にする。さらに、液−液抽出では一般的である乳濁液の形成もない。また、吸着剤は、分離された層を明示する。この液−液−固相抽出は極めて独特であり、DPX技術による使用に理想的に適合する。
【0036】
これらのアダプタを使用する優位点は、これらが、DPXチップが試料捕集容器用に使用されることを許容する目的に寄与する場合もあることにある(SC−Tip)。アダプタは、特に法医学的に興味深い採取された試料を包含するキャップとして機能してもよい。SC−Tipは、溶液用の吸収材料並びに全血または血清捕集用抗凝固剤または凝固剤(及び防腐薬)を各々含んでもよい。またSC−Tipは、検体または試料マトリクス成分(DPX−CUチップ等)を結合して抽出する物質を含んでもよい。
【0037】
SC−Tipは、薬物または爆発物であることが疑われる粉末等の固体試料を捕集しかつ処理するために使用されてもよい。従来の薬物の法医学的化学分析の間、試料は、まず証拠用容器から試験管等の化学分析に適する容器内へ移される。次に、固体試料は溶剤内で溶解される。続いて、溶解された溶液が濾過され、希釈液及び充填材が除去される。次に、溶液はバイアル内へ移され、その内容物が分析される。試料がSC−Tip内部に置かれていれば、これらのステップを全て遙かに容易かつ効率的に実行することができる。手動処理または自動化を介して、SC−Tip内部の内容物は、内部へ引き入れられて混合される溶剤によって処理されることが可能であり、溶液は、1つのステップで迅速かつ容易に計量分配されかつ濾過されることが可能である。証拠のロボットによる取扱いは、試料の取扱い誤りを防止し、分析時間を短縮し、汚染防止によって証拠の完全性を向上させかつ分析過程管理を安全なものにする。
【0038】
SC−Tipは、法医学的証拠の最高のセキュリティ及び完全性を提供する。原初の証拠捕集の間、証拠がSC−Tip内部に置かれれば、証拠の直接的な取扱いは、捕集時及び研究室における化学試料処理の際にのみ発生する。SC−Tipは、捕集後に証拠テープで密封され、次に法医学研究室へ提出されて分析されてもよい。SC−Tipは、証拠捕集の間、またはこれに続く法医学研究室での証拠提出の間の何れかで添付される、SC−Tip及びその内容物を一意に識別するバーコードラベルを含んでもよい。さらに、SC−Tipは捕集に先立って予め計量されてもよく、これに続いて定量化学分析のための計量が行われる。
【0039】
下記の例は、本明細書に開示している発明の例示を目的とするものであり、限定するためのものではない。
【実施例】
【0040】
(実施例1)
混和されたレタス抽出物からDPX及びHP−DPXを使用して抽出された有機リン酸エステル(一般的な農薬、即ちプロメトン、クロロタロニル及びクロルピリホス)の回収の比較を、図7に示す。HP−DPX(A)の使用に続いて達成されたGCクロマトグラムにおけるピークは、DPX(B)により達成されたものより遙かに高い。より高い回収は、より小さい粒子サイズの物質によるより大きい表面積の結果である。これらの抽出が、3方弁アダプタを使用する頂部からの溶出によって達成されたことは留意されるべきである。
【0041】
(実施例2)
尿から塩基性薬物を抽出するためのDPX−CXの一例を、図8に示す。尿は、0.5ppmで塩基性薬物の混合物でスパイクされ、0.2mLが抽出された。図は、結果として生じたクロマトグラムを示す。塩基性薬物は全て、DPX−CXチップを使用して2分足らずで迅速に抽出されかつ効率的に回収された(>90%)。分析された薬物は、メタドン(1)、メタカロン(2)、アミトリプチリン(3)、コカイン(4)、イミプラミン(5)、ドキセピン(6)、デシプラミン(7)、SKF(内標準(8))、コデイン(9)及びオキシコドン(10)であった。これらのチップにより、ある方法を使用して関心のある任意の塩基性薬物を効果的に抽出しかつ実際的に分析することができる。この例は、生物学的マトリクスから塩基性薬物を抽出するための最速かつ最も効率的な方法を表している。
【0042】
(実施例3)
図9に描いたHPLCクロマトグラムにより、DPX−IAの一例を例示する。コーンミールからの20ppbアフラトキシンBのDPX−IA抽出(ピーク時6.4分)に続いて、HPLCクロマトグラム(蛍光検出による)が記録された。アフラトキシンBは、トウモロコシ及びトウモロコシを基礎とする製品等の食品において普通にスクリーンされる猛毒物質である。この抽出は、この種のうちで最も選択的かつ高速であることを表し、(試料混和に続いて)実行に要する時間は90秒足らずである。メタノール(またはアセトンまたは他の溶剤)の添加は抗体を変性させ、よって結合検体を「剥離」させる。抗体の高い選択的結合に起因して、検体濃度が低い場合であっても、試料マトリクス成分からは僅かな干渉が発生する。試料マトリクスと溶剤との混和の後、抽出に要した時間は、クロマトグラフィ分析(ピーク時6.4分(矢印)はアフラトキシンB)より遙かに短かった。
【0043】
(実施例4)
DPX−CUを使用した場合と使用しなかった場合の胃の内容物のDPX抽出のGC/MSクロマトグラムを、図10に示す。DPX−CUを使用しなかった場合のクロマトグラム(B)は、圧倒的に脂肪酸から成る試料マトリクス化合物に関連づけられる強いピークを特徴としている。これらのピークは、関心対象である検体の潜在的に共溶出するピークの分析に干渉する。DPX−CUの使用に続いて達成されるクロマトグラム(A)は、y軸のスケールが約50分の1(Bにおける1.1x10に比べてAでは4.5x10)であっても干渉ピークを示さない。
【0044】
(実施例5)
図11Aでは、法病理学者により1mLの全血が捕集され、バーコードでラベリングされかつ吸収材(3)及びスクリーン(4)を含むSC−Tip(2)の頂部へ注入されている。トランスポートアダプタとしても作用するキャップ(1)はSC−Tip上へ固定的に置かれて上に証拠テープが貼られ、続いて、テープ及び(対応するバーコードラベルが付された)証拠提出書類に法病理学者のイニシャル及び時刻が記入される。ピペットチップのアダプタ及び頂部は、ねじキャップとして使用されるようにねじ切りされてもよい。また、チップ底部(狭い端)における小さいプラグまたはキャップも、DPX捕集チップを完全に密封するために使用されてもよい。試料は、綿棒(B)であっても、試料を捕集するための類似の物質であってもよい。証拠は、検査のために研究所へ出荷される。証拠が受け取られると、SC−Tipは即座にバーコードスキャナで走査され、ロボットで処理されるべくラックに置かれる。証拠が手動で移送されることはない。分析過程管理は、試料捕集によって始まり(病理学者)、過程内で他の何れとも「リンク」することなく化学分析で終わる。分析は、ほぼ試料の受取りと同時に開始され、中断時間はほとんどなく事例所要時間が促進される。
【0045】
(実施例6)
法執行官は、日常的に交通を遮断し、疑わしい粉末剤のバッグに注意を向ける。法執行官は、この試料で満たされた小型のへらを(バーコードでラベリングされた)SC−Tip内へ置き、チップ上へキャップまたはアダプタを被せ、証拠テープを貼り、証拠テープ及び対応する証拠提出書類に自らのイニシャル及び日時を記入する。(また法執行官は、残りの証拠も必要に応じた計量及び再分析用に保持する。)証拠は研究室へ出荷され、SC−Tipは即時遅滞なくロボットにより処理される。分析は、証拠事務書類がコンピュータまたは研究室の情報管理システムへ提出される前に開始される。
【0046】
(実施例7)
図11Bでは、試料スワブがSC−Tipの内部に含まれている。スワブは、1)容疑者(または犯人)から採取したDNA、2)採取した口腔液からの薬物、及び3)銃器関連容疑者の手からの発砲残渣粒子、を分析するために、ロボットを使用して直に処理されてもよい。ロボット工学は、キャピラリ電気泳動、GC−MS若しくはHPLC−MS/MS、または、DNA、薬物若しくは爆発物または発砲残渣粒子を分析するためのICPまたはICP/MS計装へ各々結合されてもよい。
【0047】
一般的な当業者は、本発明がこれまでに記述した特有の実施形態に限定されず、本明細書に開示している発明と同等の変形も包含することを認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の化学試料、化合物または干渉物質を処理するために使用される使い捨てのピペットチップであって、前記ピペットチップは上部のバリアと下部の液体透過性クロージャとを備える使い捨てピペットチップ。
【請求項2】
直径200ミクロン未満の粒子サイズを有する吸着物質をさらに備え、前記吸着物質は、任意選択として前記試料、化合物または干渉物質の処理を助ける添加剤を含む、請求項1記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項3】
前記吸着物質のサイズは5〜40ミクロンの範囲内である、請求項2記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項4】
前記吸着剤には、
スチレンジビニルベンゼン(sdvb)及びヒドロキシル化基またはスルホン化基またはアミノ化基等の官能化sdvbから成るグループから選択される1つまたは複数の物質、
ポリアミノ、
1級−2級アミン(psa)、
アミノプロピル基またはアミノアルキル基、
アルミナ(塩基性、酸性または中性)、
フロリジル、
小粒子サイズのシリカゲルまたは官能化シリカゲル、
、C18または他のアルキル官能化物質、
NaSO、MgSOまたはCaSO(乾燥用)、
珪藻土、
セファデックス、
ポリエチレン、
抗体(または他の蛋白質)固定化粒子、
分子インプリント高分子、
セファデックス、
様々な孔サイズの高分子、及び、
陰イオン交換/陽イオン交換吸着物質、が含まれる、請求項2記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項5】
前記上部のバリアは液体透過性フリットを備える、請求項1記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項6】
前記バリアは、前記ピペットチップの頂部への溶液添加を許容するために使用されるアダプタから成る、請求項1記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項7】
前記アダプタは、より大きいサイズのピペット、注入器、注入デバイスまたは他の正圧または負圧デバイスと共に使用される、請求項6記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項8】
前記アダプタは取外し可能なキャップとして機能する、請求項6記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項9】
前記アダプタは、自動化機器による前記ピペットチップの輸送を助けるか、前記ピペットチップの使用を許容する、請求項6記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項10】
前記アダプタは、ねじキャップ、ルアー・ロック・フィッティング、セプタムフィッティング、O−リングフィッティングまたは摩擦フィッティングシールより成るグループから選択される、請求項6記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項11】
前記アダプタは、前記ピペットチップの処理中に続いて穿孔される場合のある、前記チップ内に物質を包含するシールまたは薄膜を含む、請求項6記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項12】
前記ピペットチップは試料捕集に使用される、請求項1記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項13】
前記下部の液体透過性クロージャは、ステンレス鋼スクリーン、多孔質高分子、多孔質ガラスまたは多孔質セラミック材料で構成される、請求項1記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項14】
前記アダプタは、プラスチック、金属またはゴム材料で構成される、請求項6記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項15】
試料または、化学化合物と干渉物質との混合物から1つまたは複数の化合物または干渉物質を抽出するための方法であって、
試料溶液を請求項2記載のピペットチップ内へ引き入れることと、
試料溶液と吸着物質とを混合することと、
試料溶液を計量分配することと、
底部から洗浄溶液を引き入れる、または前記ピペットチップの頂部を介して洗浄溶液を添加することによって吸着剤を洗浄することと、
洗浄溶液を計量分配することと、
底部から溶出溶剤を引き入れる、または前記ピペットチップの頂部から溶出溶剤を添加することによって溶出溶剤を添加することと、
次に、続いて分析されるようにピペットチップから溶出を計量分配することを含む方法。
【請求項16】
前記試料は前記ピペットチップの頂部へ導入される、請求項15記載の抽出方法。
【請求項17】
前記ピペットチップは、直径100ミクロン未満の粒子サイズを有する吸着物質をさらに含み、前記吸着物質は、任意選択として、前記試料、混合物または干渉物質の処理を助ける添加剤を含む、請求項15記載の抽出方法。
【請求項18】
前記吸着剤には、
スチレンジビニルベンゼン(sdvb)及びヒドロキシル化基またはスルホン化基またはアミノ化基等の官能化sdvbから成るグループから選択される1つまたは複数の物質、
ポリアミノ、
1級−2級アミン(psa)、
アミノプロピル基またはアミノアルキル基、
アルミナ(塩基性、酸性または中性)、
フロリジル、
小粒子サイズのシリカゲルまたは官能化シリカゲル、
、C18または他のアルキル官能化物質、
NaSO、MgSOまたはCaSO(乾燥用)、
珪藻土、
セファデックス、
ポリエチレン、
抗体(または他の蛋白質)固定化粒子、
分子インプリント高分子、
セファデックス、
様々な孔サイズの高分子、及び、
陰イオン交換/陽イオン交換吸着物質、が含まれる、請求項15記載の抽出方法。
【請求項19】
前記上部のバリアは、液体透過性フリット、アダプタまたはキャップより成るグループから選択される、請求項15記載の抽出方法。
【請求項20】
添加される試料は、全血、組織、組織ホモジネート、血清または廃水を含む粘性の液体または半固体溶液である、請求項16記載の方法。
【請求項21】
抽出されるべき粘性の液体、半固体または固体試料を捕集する方法であって、
請求項1記載のピペットチップの上部のバリアを取り除くステップと、
前記ピペットチップの頂部へ前記試料を添加するステップと、
前記バリアを取り付け直すステップとを含む方法。
【請求項22】
前記試料は綿棒または類似の材料を含む、請求項16記載の抽出方法。
【請求項23】
試料または、化学化合物と干渉物質との混合物から1つまたは複数の化合物または干渉物質を抽出するための方法であって、
試料溶液を請求項2記載のピペットチップ内へ引き入れることと、
試料溶液と吸着剤とを混合することと、
前記試料溶液とは不混和である別の溶剤を引き入れることと、
前記吸着剤と2つの溶液とを混合することと、
下側の溶液を1つの容器内へ計量分配することと、
次に、上側の溶液を別の容器内へ計量分配することを含む方法。
【請求項24】
試料マトリクス成分を除去するための抽出方法であって、
試料溶液をピペット・チップ・デバイス内へ引き入れるステップと、
前記試料溶液と吸着剤とを混合するステップと、
後続の分析用に試料溶液を試料バイアル内へ計量分配するステップとを含む方法。
【請求項25】
前記試料は前記ピペットチップの頂部へ導入される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、法医学的証拠を捕集しかつ保存するために使用される、請求項21記載の方法。
【請求項27】
前記混合方法は空気または別のガスを吸引することによって達成される、請求項15記載の方法。
【請求項28】
前記添加剤は緩衝塩を含む、請求項2記載の使い捨てピペットチップ。
【請求項29】
前記ピペットチップは、HPLC分析用の使い捨てガードカートリッジとして使用される、請求項2記載の使い捨てピペットチップ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2010−529416(P2010−529416A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551010(P2009−551010)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/054584
【国際公開番号】WO2008/103828
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509235464)
【Fターム(参考)】