説明

抽出を受けていない原料とそれに含まれる有用な非抽出改質油からの高純度エチルベンゼンの製造

抽出を受けていない原料、例えば、非抽出炭化水素組成物、に含まれるベンゼンのエチル化による製品中のエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼン製品を製造する製造法。この非抽出原料は実質的にC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まず、ベンゼンとベンゼン共蒸発物(benzene coboilers)を含む。この製造法は、液相で、MCM-22種モレキュラーシーブを含む酸活性触媒の存在下、特定の条件下で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本開示は非抽出炭化水素組成物に含まれるベンゼンのエチル化により高純度のエチルベンゼンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
エチルベンゼン(C8H10)はスチレンの製造における重要原料であり、触媒的条件でエチレン(C2H4)とベンゼン(C6H6)のエチル化反応により製造される。一般的製品として販売される場合、製品は普通少なくとも、製品の重量に基づき少なくとも99.95重量パーセントのエチルベンゼンを含むものである。
【0003】
ベンゼン源は改質油であり、これは石油ナフサと水素の混合物を、担体、例えば、ハロゲン処理されたアルミナ又は非酸性ゼオライトL、と水素添加/脱水素化金属、例えば、第8族、第9族金属又は白金のような第10族金属を含む改質触媒に接触させることにより調製される。この製造法は通常、C5-炭化水素、C6-C8芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、C9+炭化水素類、C6+飽和脂肪族炭化水素(パラフィン)、及びシクロパラフィン(ナフテン)を含む改質油を製造する。
【0004】
他のベンゼン源は水蒸気分解又は触媒的分解のような炭化水素の分解である。この製造法は通常C6-C8芳香族炭化水素類、例えば、ベンゼン、C6+パラフィン、及びナフテンを含む流出物を製造する。
【0005】
芳香族化合物を製造するさらに別の方法は、C2-C5脂肪族炭化水素の脱水素環化-オリゴメリゼーションである。この製造法は通常、C6-C8芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、C6+パラフィン、ナフテンとC5脂肪族炭化水素を含む生成物流出物を生成する。
【0006】
ベンゼンは他の改質炭化水素、例えば、C7-芳香族から蒸留により分離できる。しかし、蒸留により得られるベンゼンは、蒸留によりベンゼンから分離することが困難なC6及びC7非芳香族炭化水素不純物を普通含むものである。なぜならこれらの化合物はベンゼンの沸点に近い沸点をもつからで、例えば、これら化合物の沸点は約101.3kPa-a(絶対圧)の圧力でベンゼン(80.1℃の沸点)の10℃以内である。この原料はn-ペンタンとシクロペンタンのような、C5パラフィンとナフテンも含む場合もある。これらの不純物(以後、時により「ベンゼン共蒸発物(benzene coboilers)」という)、は、製品の重量に基づき重量で75パーセントまでの量で蒸留物中に含有されても良い。ベンゼン共蒸発物の例は、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン及びジメチルシクロペンタンを含む。
【0007】
ベンゼンのエチル化におけるこれらの不純物の存在は目的とする純度に達しないエチルベンゼンを生することになりうる。例えば、ベンゼンのエチル化におけるベンゼン共蒸留物の存在は、蒸留によりエチルベンゼン製品から容易に除去できないエチルベンゼンの共蒸留物(約1気圧でエチルベンゼンの沸点[136℃の沸点]の10℃以内に沸点をもつ炭化水素)の生成となりえる。エチルベンゼンの共蒸留物はイソパラフィン/オレフィンアルキル化反応により生成されえることは、良く知られ、例えば、米国特許第5,258,569号及び第5,221,777号に開示されている。
【0008】
ベンゼン共蒸留物の有害な効果により、蒸留により得られたベンゼンは、普通、追加の工程、つまり、ベンゼンがエチル化されエチルベンゼンを生成する前にベンゼン製品からベンゼン共蒸留物を除去するために、液体抽出または抽出的蒸留のような抽出を受ける。一般的に、高純度のエチルベンゼンを製造するためのベンゼンのエチル化に使用されるベンゼンはベンゼン蒸留品に含有されるベンゼンの重量に基づき、重量で少なくとも約99.985重量パーセントの純度をもつ。しかし、抽出工程は高価であり、時間がかかり、高純度エチルベンゼンの製造のコストを上昇させる。
【0009】
本願の開示により、抽出を受けていないベンゼンを含む原料を使用し高純度エチルベンゼンを製造するためのベンゼンのエチル化の方法が提供される。
【発明の概要】
【0010】
発明の要約
本開示は、抽出を受けていない炭化水素組成物原料を使用する、製品中に含まれるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼン製品を製造する製造法に関する。非抽出炭化水素組成物原料は実質的にC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まず、ベンゼン及び、重量で約1から約75パーセント、約2から約75パーセント、約3から約75パーセント、約5から約75パーセント、または約10から約75パーセントの、少なくとも1つの約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつC6+非芳香族炭化水素を含む。「実質的にC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まない」という句は、炭化水素組成物原料の重量に基づき、炭化水素組成物が重量で、約0.05パーセント未満の、より好ましくは重量で、約0.01パーセント未満のC4-炭化水素及びC7+芳香族炭化水素を含むことを意味する。この製造法は(a) 約162.8℃から約232.2℃の範囲の温度、ベンゼンを液相に維持するに十分な圧力、普通、少なくとも689.5kPa-a、例えば約689.5kPa-aから約6.89MPa-a、約0.001:1から約0.75:1の範囲のエチレン対ベンゼンのモル比、及び、約0.1から約10hr-1の範囲の全反応装置の総触媒量に対し総エチレンのWHSVを含む条件で、約1から約1,000の範囲のアルファ値をもつ酸活性触媒で、少なくとも一部液相でエチレンによりベンゼンをアルキル化する工程、及び(b) 製品中のエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼン製品を製造するため工程(a)の製品を蒸留する工程、により実施される。
【0011】
別の実施態様では、本願開示は、(i)C5-炭化水素、(ii) ベンゼン、(iii)C7+芳香族炭化水素、及び(iv)重量で約1から約75パーセントの、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素、を含む炭化水素組成物から、製品中に含まれるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼン製品を製造する製造法に関する。この製造法は、(a)蒸留により改質油からC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を蒸留により除去し、炭化水素組成物を生成し、そして(b)工程(a) (前記改質油の抽出を行っていない)の炭化水素組成物に含まれるベンゼンを、約162.8℃から約232.2℃の範囲の温度、ベンゼンを液相に保つに十分な圧力、普通、少なくとも689.5kPa-a、例えば、約689.5kPa-aから約6.89MPa-a、約0.001:1から約0.75:1の範囲にあるエチレン対ベンゼンのモル比、及び、反応装置全体における、全触媒上の全エチレンのWHSVが約0.1から約10hr-1の範囲、を含む条件で、結晶性MCM-22種物質及びゼオライトベータモレキュラーシーブの少なくとも1を含む触媒を用い、少なくとも一部液相でエチレンによりアルキル化し、(c )製品中に含まれるエチルベンゼンの重量に基づき、少なくとも99.50パーセントの純度を持つエチルベンゼン製品を製造するために工程(b)の製品を蒸留する工程、により実施される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、工程の物質の流れを単純化して表し、開示した実施態様を説明している。
【図2】図2は、工程の物質の流れを単純化して表し、別の開示した実施態様を説明している。
【図3】図3は、工程の物質の流れを単純化して表し、さらに別の開示した実施態様を説明している。
【図4】図4は実施例の試験Aと試験Bの製品に含まれる不純物をプロットしたグラフである。
【図5】図5は、実施例の試験Aで使用された触媒の経時変化を示す図である。
【図6】図6は、イソパラフィン/オレフィンアルキル化反応で生成されるエチルベンゼン共蒸発物である不純物のガスクロマトグラムである。
【0013】
開示の詳細な説明
本願で引用した全ての特許、特許出願、試験手順、優先権書類、論文、発行物、マニュアル及び他の文書は、これらの文書の開示がこの出願の開示と不一致がない範囲で、かつ、組み入れが許される法域において、引用により全て組み入れられる。
【0014】
数的下限と数的上限が本願に記載されているときは、いずれの下限からいずれの上限までの範囲も考慮されている。
【0015】
本明細書で使用する場合、用語「構造種」は”Atlas of Zeolite Framework Types,”2001で述べられている意味で使用されている。
【0016】
本願で使用する場合、周期律表の番号は、Chemical and Engineering News, 63(5),27(1985)におけるように使用される。
【0017】
用語「芳香族化」は、本願で使用される場合、非芳香族炭化水素を、ベンゼン、トルエン、またはそれらの混合物を含む芳香族炭化水素へ変換することにより、ベンゼン、トルエンまたはそれらの混合物を含む芳香族化合物を製造することをいう。用語「芳香族化」は、本願で使用する場合、ベンゼン、トルエンまたはそれらの混合物を含む芳香族炭化水素を製造するために、分子量の大きい(heavy)芳香族炭化水素を分解によりベンゼン、トルエン、またはそれらの混合物を製造することをも含む。芳香族化法の例は、ナフサの触媒的改質、C2-C5脂肪族炭化水素の脱水素的環化オリゴマー化、炭化水素を水蒸気分解して、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物を含む芳香族炭化水素を製造すること、炭化水素の触媒的分解によりベンゼン、トルエン又はそれらの混合物を含む芳香族炭化水素を製造することを含む。
【0018】
用語「改質油」は、本願で使用する場合、「芳香族化」により製造された製品をいうこととする。
【0019】
用語「Cn」炭化水素は、nは本願で使用する場合、正の整数であり、例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12であり、1分子当たりn個の炭素原子をもつ炭化水素をいう。例えば、Cn 芳香族化合物は、1分子当たりn個の炭素原子をもつ芳香族炭化水素をいう。Cnパラフィンは、1分子当たりn個の炭素原子をもつパラフィン炭化水素をいう。Cn オレフィンは1分子当たりn個の炭素原子をもつオレフィン炭化水素をいう。用語「Cn+」炭化水素は、nは正の整数、例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12であり、本願で使用するとき、1分子当たり少なくともn個以下の炭素をもつ炭化水素をいう。
【0020】
本願で使用する場合、「アルキル化可能な芳香族化合物」はアルキル基を受け入れられる化合物であり、「アルキル化剤」はアルキル化可能な芳香族化合物へアルキル基を与えられる化合物である。アルキル化可能な芳香族化合物の1例はベンゼンである。アルキル化剤の例はエチレン、プロピレン、ポリアルキル化芳香族化合物、例えば、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン及びトリイソプロピルベンゼンである。
【0021】
用語「wppm」は本願で使用する場合、重量による百万分の一を単位とする部分として定義される。
【0022】
用語「少なくとも一部が液相で」とは本願で使用する場合、所与の温度、圧力及び組成において、少なくとも1wt%の液相を有する、任意に少なくとも5wt%の液相を有する混合物として理解される。
【0023】
用語「実質的に液相」とは、本願で使用する場合、所与の温度、圧力、及び組成において少なくとも95wt%の液相をもつ混合物として、任意に、少なくとも99wt%の液相をもつ混合物として理解される。
【0024】
用語「芳香族性」は本願で使用する場合、アルキル基置換及び非置換の単環-及び複数環の化合物を含む本願技術分野で認識されている範囲に従い理解されるべきである。芳香族性の化合物は、ヘテロ原子をもつとき、選択された反応条件下それらが触媒毒として作用する場合にも、十分な活性が達成され得るならばまた有用である。
【0025】
用語「少なくとも一部液相で」は、本願で使用されるとき、所与の温度、圧力、及び組成で、少なくとも1wt%の液相、任意に少なくとも5wt%の液相を含む混合物として理解される。
【0026】
用語「MCM-22種の物質」(又は「MCM-22種の物質」又は「MCM-22種のモレキュラーシーブ」)は、本願で使用するとき、以下を含む。
(i) 共通の一次結晶性構築単位「MWW構造のトポロジーをもつ単位格子」から構成されたモレキュラーシーブ。単位格子は”Atlas of Zeolite Framework Types,”第5版、2001(この全内容は引用として組み入れられる)に記述されているように、結晶を記述するため三次元空間に配置された原子の空間的配列である。
(ii) 共通の二次構築単位からなるモレキュラーシーブであり、このようなMWW構造単位格子の二次元配列は、「1単位格子の厚みのある単一層」を形成し、1個のc-単位格子の厚みのあることが望ましい。
(iii) 共通の二次元構築単位、「1単位格子またはそれ以上の層」からなるモレキュラーシーブであり、1単位格子より多い層は、MWW構造トポロジーをもつ単位格子の1単位格子の厚みをもつ単一層少なくとも2つを、重ね、充填し又は結合して作られる。
(iv) MWW構造のトポロジーをもつ単位格子の二次元又は三次元のいずれか規則的なまたは無作為な組合せにより作られるモレキュラーシーブ。
【0027】
MCM-22種物質は、12.4±0.25、3.57±0.07及び3.42±0.07オングストローム(焼結時又は合成時)でd−間隔極大を含むX線回折パターンをもつことにより特徴付けられている。MCM-22種の物質は12.4±0.25、6.9±0.15、3.57±0.07及び3.42±0.07オングストローム(焼結時又は合成時)でd-間隔極大を含むX線回折パターンを持つことによっても特徴づけられる場合もある。モレキュラーシーブを特徴付けるために使用されるX線回折データは入射光として銅のK-アルファダブレットと集光システムとしてシンチレーションカウウンターと、これと組合わせたコンピュータを備えた回折計を使用した標準的技術により得られる。MCM-22種に属する物質はMCM-22(米国特許第4,954,325号で記載されている)、PSH-3(米国特許第4,439,409号で記載されている)、SSZ-25(米国特許第4,826,667号で記載されている)、ERB-1(欧州特許第0293032号で記載されている)、ITQ-1(米国特許第6,077,498号で記載されている)、ITQ-2(国際公表第WO97/17290で記載されている)、ITQ-30(国際公表第WO2005118476で記載されている)、MCM-36(米国特許第5,250,277号で記載されている)、MCM-49(米国特許第5,236,575号で記載されている)、MCM-56(米国特許第5,362,697号で記載されている)、及びUZM-8(米国特許第6,756,030号で記載されている)を含む。
【0028】
上記のMCM-22種モレキュラーシーブは、MCM-22種の物質がモレキュラーシーブの10員環の内部細孔と連通していない12員環の表面ポケットを持つ点で、モルデナイトのような従来の大きな細孔をもつゼオライトアルキル化触媒と区別されると認識されるべきである。
【0029】
IZA-SCによりMWWトポロジーであるとして指定されたゼオライトの物質は10員環及び12員環の両方の存在から生じる2つの細孔系をもつ複数層からなる物質である。Atlas of Zeolite Framework Types はこの同一のトポロジーをもつものとして5つの異なる名称をもつ物質を分類している。つまり、MCM-22、ERB-1、ITQ-1、PSH-3及びSSZ-25である。
【0030】
MCM-22種のモレキュラーシーブは、種々の炭化水素変換法において有用であると見出されている。MCM-22種モレキュラーシーブの例は、MCM-22、MCM-49、MCM-56、ITQ-1、PSH-3、SSZ-25及びERB-1である。このようなモレキュラーシーブは芳香族化合物のアルキル化に有用である。例えば、米国特許第6,936,744号はモノルキル化芳香族化合物、特にエチルベンゼンを製造する方法を開示している。この方法は、少なくとも一部液相の条件で、トランスアルキル化触媒の存在下、ポリアルキル化芳香族化合物をアルキル化を受けうる芳香族化合物と接触させ、モノアルキル化芳香族化合物を製造する工程を含み、このトランスアルキル化触媒は少なくとも2種の異なる結晶性モレキュラーシーブの混合物を含み、各モレキュラーシーブはゼオライトベータ、ゼオライトY、モルデナイト及び12.4±0.25、6.9±0.15、3.57±0.07及び3.42±0.07オングストロームにd−間隔極大を含むX線回折パターンをもつ物質から選択される。
【0031】
本願開示の実施態様は図1に描かれている。図1をみると、ナフサはライン1を通って反応装置ゾーン3へ導入されそこでナフサは改質され、または水蒸気分解を受けベンゼンを含む芳香族製品となる。1反応ゾーンのみ示されているが、1以上の反応ゾーンがあっても良い。反応ゾーン3では、C4-炭化水素が、ライン4を通り改質油から除去され、残存改質油は反応ゾーン3から、ライン5を通って取り出され塔7へ送られ、そこでこの供給流は分留され、軽質改質留分、重質改質留分、及びベンゼン/ベンゼン共蒸発物留分を生成する。この軽質改質留分は塔7からからライン9を通って取り出され、重質改質留分は塔7からライン11を通って取り出され、ベンゼン/ベンゼン共蒸発物留分は塔7からライン13を通り反応ゾーン15へ導入される。反応ゾーン15では、触媒毒、例えば硫黄、窒素、オレフィン、ジエン、またはそれらの組合せがベンゼン/ベンゼン共蒸発物留分から少なくとも一部除去される。得られた留分はライン17を通ってゾーン15から取り出されエチル化ゾーン18へ導入される。エチル化ゾーン18では、エチレンがライン19を通って導入され、ベンゼンがエチレンと反応しエチルベンゼンを生成する。エチレンとエタンのような、低分子量分子は、エチル化ゾーン18からライン20を通って取り出される。エチルベンゼン含有製品はエチル化ゾーン18からライン21を通って取り出され、塔23へ導入される。塔23では、エチルベンゼン含有製品が分留されC7-留分とエチルベンゼンとポリエチルベンゼンからなるC8+留分を形成する。C7-留分は塔23からライン25を通って取り出され、ライン26を通って除去されるかまたは、ライン17を通ってエチル化ゾーン18へ戻される。C8+留分は、ライン27を通って塔23から取り出されライン27を通って塔29へ導入される。塔29では、C8+留分は分留され高純度のエチルベンゼン製品留分とポリエチルベンゼンからなるC9+留分を生成する。高純度エチルベンゼン製品留分は塔29からライン31を通って取り出され、更に精製の必要がなく回収される。このエチルベンゼン製品は普通、製品の総重量に基づき99.50パーセントを超える純度をもつ。
【0032】
残存C9+留分はさらに処理を受けることができる。図1に例示されているように、C9+留分は塔29からライン33を通って取り出され、塔35へ導入される。塔35ではポリエチルベンゼンがC13+炭化水素から分離される。C13+炭化水素留分は塔35からライン36を通って取り出され、ポリエチルベンゼンは塔35からライン38を通って取り出され、トランスアルキル化ゾーン39へ導入される。トランスアルキル化ゾーン39では、ポリエチベンゼンはベンゼンとトランスアルキル化されてエチルベンゼンを生成する。ベンゼンは、ライン41を通ってトランスアルキル化ゾーン39へ導入され、またはベンゼンが新たに供給される。トランスアルキル化ゾーン39からのトランスアルキル化生成物は、処理のためライン43と21を通って塔23へ移される。
【0033】
本願開示の別の実施態様は図2に描かれている。図2について説明すると、ナフサはライン51を通って反応装置ゾーン53へ導入されそこでナフサはベンゼンを含む芳香族製品に改質される。1反応ゾーンのみ示しているが、1より多い反応ゾーンがあっても良い。反応ゾーン53では、C4−炭化水素はライン55を通って改質油から除去され、残存改質油はライン57を通ってゾーン53から取り出され、塔59へ導入され、原料は分留され、軽質の改質留分と重質の改質留分を生成する。軽質の改質留分は塔59からライン61を通って取り出され、ベンゼンとベンゼン共蒸留物を含む重質の改質留分は、塔59からライン63を通って取り出され、ゾーン65へ導入される。ゾーン65では、オレフィン、ジエン、又はそれらの組合せは重質改質留分から除去される。得られた留分はゾーン65からライン67を通って取り出され、塔69へ導入され、そこで原料は分留されベンゼン/ベンゼン共蒸留物留分とC7+芳香族留分を形成する。C7+芳香族留分は塔69からライン71を通って除去される。ベンゼン/ベンゼン共蒸留物留分は塔69から取り出されされライン73を通ってエチル化ゾーン75ヘ導入される。エチレンはライン77を通ってエチル化ゾーン75へ導入され、ベンゼンはエチレンと反応しエチルベンゼンを生成する。エチレン及びエタンのような、低分子量分子は、エチル化ゾーン75からライン79を通って取り除かれる。エチルベンゼン含有製品はエチル化ゾーン75からライン81を通って取り出され、塔83へ導入される。塔83では、エチルベンゼン含有製品は分留され、C7-留分とエチルベンゼンとポリエチルベンゼンからなるC8+留分を生成する。C7−留分は、ライン85を通り塔83から取り出され、塔からライン87を通り除去され、またはライン73を通りエチル化ゾーンへ循環される。C8+留分は塔83からライン89を通って取り出され、塔91へ導入される。塔91では、C8+留分が分留され、高純度エチルベンゼン製品留分とポリエチルベンゼンからなるC9+留分を生成する。この高純度エチルベンゼン製品留分は塔91からライン93を通って取り出され、さらなる精製の必要なく回収される。このエチルベンゼン製品は普通、製品の総重量に基づき重量で99.50パーセントを超える純度をもつ。
【0034】
残存C9+留分はさらに処理を受けることができる。図2に例示されているように、C9+留分は塔91からライン95を通って塔97に導入される。塔97では、ポリエチルベンゼンは、C13+炭化水素から分離される。C13+炭化水素留分は塔97からライン99を通って取り出され、ポリエチルベンゼンは塔97からライン101を通ってトランスアルキル化ゾーン103へ移される。トランスアルキル化ゾーン103では、ポリエチルベンゼンはベンゼンと反応しエチルベンゼンを生成する。ベンゼンは、ライン105を通りトランスアルキル化ゾーン103へ導入され得、又は、ベンゼンを新しく供給できる。トランスアルキル化ゾーン103由来のトランスアルキル化製品はライン107と81を通り塔83へ移され処理を受ける。
【0035】
本願開示のさらなる実施態様は図3に描かれている。図3についていえば、十分な温度のナフサはライン111をとおり反応ゾーン113へ導入され、ナフサは、水蒸気分解を受けベンゼンを含む芳香族化合物を含む製品となる。1反応ゾーンのみが示されているが、2以上の反応ゾーンがあっても良い。反応ゾーン113では、C4−炭化水素がライン115から除去され、重質留分はライン117を通って除去される。ベンゼンとベンゼン共蒸留品を含む留分は、反応ゾーン113からライン119を通って取り出され、ゾーン121へ導入され、ここでこの留分は少なくとも一部硫黄と窒素を取り除くため水素添加処理を受ける。好ましくは、処理後、この留分は5wppm未満の硫黄と1wppm未満の窒素を含む。C4−炭化水素はライン123をとおり、ゾーン121から除去される。残存留分はゾーン121からライン125を通って取り出され、塔127へ移され、ここで原料は分留され、C5−炭化水素留分及びC6+炭化水素留分が生成される。C5−炭化水素留分は、ライン129を通って塔127から取り除かれる。C6+炭化水素留分は塔127からライン131を通って取り出され、ゾーン133へ移され、そこでこの留分はジエンとオレフィンを少なくとも一部除去するために処理される。処理後、この留分は2500wppm未満のオレフィンとジエンを含むことが好ましい。上記の処理の後、改質油はC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を実質的に含まず、ベンゼンと、改質油の重量に基づき、重量で約1から約75パーセントの、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ、少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素、5wppm未満の硫黄、1wppm未満の窒素、2500wppm未満のオレフィンとジエンを含む。
【0036】
この留分はライン135を通ってゾーン133から取り出され、塔137へ導入されそこで原料は分留され、ベンゼンとベンゼン共蒸留物を含む留分と、C7+芳香族炭化水素留分を生成する。C7+芳香族炭化水素留分は塔137からライン139を通って除去される。ベンゼン/ベンゼン共蒸発物留分は塔137からライン141を通って取り出され、エチル化ゾーン143へ導入される。エチレンは、ライン145を通ってエチル化ゾーン143へ導入されベンゼンと反応してエチルベンゼンを生成する。低分子量の分子、例えばエチレンやエタン、はエチル化ゾーン143からライン147を通って除去される。エチルベンゼン含有製品はエチル化ゾーン143からライン149を通って取り出され塔151に導入される。塔151では、エチルベンゼン含有製品は分留されC7−留分とエチルベンゼンとポリエチルベンゼンからなるC8+留分を生成する。C7−留分は塔151からライン153を通って取り出され、ライン155を通って除去されるか、又はライン141を通ってエチル化ゾーン143へ再循環される。C8+留分は塔151からライン157を通って取り出され塔159へ導入される。塔159では、C8+留分は、分留され高純度エチルベンゼン製品留分とポリエチルベンゼンからなるC9+留分となる。高純度エチルベンゼン製品留分は塔159からライン161を通って取り出され更に精製の必要なく回収される。エチルベンゼン製品は普通、製品の総重量に基づき重量で99.50パーセントを超える純度をもつ。
【0037】
残存C9+留分はさらに処理を受けうる。図3に例示されているように、C9+留分は塔159からライン163を通って取り出され、塔165へ導入される。塔165では、ポリエチルベンゼンは、C13+炭化水素から分離される。C13+炭化水素留分は塔165からライン167を通って取り出され、ポリエチルベンゼンは塔165から、ライン169を通って取り出され、トランスアルキル化ゾーン171へ移される。トランスアルキル化ゾーン171では、ポリエチルベンゼンはベンゼンによりトランスアルキル化されエチルベンゼンを生成する。ベンゼンはライン173を通ってトランスアルキル化ゾーン171へ導入されるか、又はベンゼンは新しく供給されえる。トランスアルキル化ゾーン171のトランスアルキル化製品はライン175と149を通って工程処理のため塔151へ移される。

エチル化触媒
【0038】
好ましい実施態様では、ベンゼンのエチル化で使用される触媒は結晶性MCM-22種物質を含む酸活性触媒である。これらのモレキュラーシーブは”Atlas of Zeolite Framework Types”, Ch.Baerlocher, W.H.Meier, 及びD.H.Olson編,Elsevier,第5版、2001年に詳細に述べられ、これは引用により本願に組み入れられる。MCM-22種モレキュラーシーブの例は、MCM-22、MCM-36、MCM-49、MCM-56、ITQ-1、SSZ-25及びPSH-3である。好ましくは、モレキュラーシーブはMCM-22であり、最も好ましくは、モレキュラーシーブはアルミノケイ酸MCM-22である。
【0039】
本開示で使用される酸活性触媒は普通約1から約1000、好ましくは約10から約1000、より好ましくは約100から約1000の範囲にアルファ値をもつ。
【0040】
ある面では、本開示で使用される酸活性触媒は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35及びZSM-48等の、2-12の束縛指数(Constraint Index)(米国特許第4,016,218号に定義されている)をもつ中程度の大きさの細孔のモレキュラーシーブを含んでも良い。ZSM-5は米国特許第3,702,886号及びRe29,948号に詳細に記載されている。ZSM-11は米国特許第3,709,979号に詳細に述べられている。ZSM-12は米国特許第3,832,449号に述べられている。ZSM-22は米国特許第4,556,477号に述べられている。ZSM-23は米国特許第4,076,842号に述べられている。ZSM-35は米国特許4,016,245号に述べられている。ZSM-48は米国特許第4,234,231号に比較的詳しく述べられている。全ての上記の明細書の全内容は引用により本願に組み入れられる。
【0041】
いくつかの他の面では、本開示で使用される酸活性触媒は2未満の束縛指数をもつ大きな細孔のモレキュラーシーブを含んでも良い。適切な大きな細孔をもつモレキュラーシーブはゼオライトベータ、ゼオライトY、ウルトラステーブルY(USY)、デアルミナイズドY(Deal Y)、モルデナイト、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-18、MCM-22種物質、及びZSM-20を含む。ゼオライトZSM-14は米国特許第3,923,636号に述べられている。ゼオライトZSM-20は米国特許第3,972,983号に述べられている。ゼオライトベータは米国特許3,308,069号とRe.28,341号に述べられている。低ナトリウムウルトラステーブルYモレキュラーシーブは(USY)は米国特許第3,293,192号と3,449,070号に記載されている。デアルミナイズドYゼオライト(Deal Y)は米国特許第3,442,795号に見出される方法により調製されても良い。ゼオライトUHP-Yは米国特許第4,401,556号に述べられている。レアアースイクスチェンジドY(REY)は米国特許第3,524,820号に述べられている。モルデナイトは天然の物質である、しかし、TEA-モルデナイト(つまり、テトラエチルアンモニウム指向薬を含有する反応混合物から調製された合成モルデナイト)のような合成品も入手できる。TEA-モルデナイトは米国特許第3,766,093号と3,894,104号に開示されている。全ての上記特許明細書の全内容は引用により本願に組み入れられる。
【0042】
ある実施態様では、酸活性触媒は2-12の束縛指数をもつ少なくとも1個の中程度の細孔のモレキュラーシーブと2未満の束縛指数をもつ少なくとも1個の大きな細孔のモレキュラーシーブの混合物を含んでも良い。
【0043】
この触媒中のモレキュラーシーブは普通約100から約1000の範囲のアルファ値をもつ。このアルファ値はモレキュラーシーブの酸性機能の尺度であり、その測定の詳細とともに、米国特許第4,016,218号及びJ. Catalysis, Vol VI ,pp 278-287(1966)に述べられている。詳しくはこれらを参照されたい。高いアルファ値はより活性な分解触媒に相当する。
【0044】
トランスアルキル化触媒は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、及びZSM-48等の2-12の束縛指数(米国特許第4,016,218号に定義されているとおり)をもつ中程度の細孔のモレキュラーシーブ、2未満の束縛指数をもつ大きい細孔をもつモレキュラーシーブを含んでも良い。適当な大きい細孔のモレキュラーシーブはゼオライトベータ、MCM-22種物質、ゼオライトY、ウルトラステーブルY(USY)、デアルミナイズドY (DealY)、モルデナイト、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-18及びZSM-20又はそれらの組合せを含む。
【0045】
束縛指数はアルミノケイ酸又はモレキュラーシーブが、種々の大きさの分子がその内部構造へ接近することを調整する程度の便利な尺度である。例えば、その内部構造へのアルミノケイ酸の接近と離脱へ強い制限を行うアルミノケイ酸は高い束縛指数をもち、この種のアルミノケイ酸は、普通、例えば、5オングストローム未満の小さい細孔をもつ。他方、内部アルミノケイ酸構造へ比較的自由な接近を許すアルミノケイ酸は、低い束縛指数をもち、普通大きな細孔をもつ。束縛指数が決定される方法は米国特許第4,016,218号に十分に記載され、引用により本願に組み入れられる。
【0046】
普通、結晶性モレキュラーシーブは、工程で使用される温度と他の条件に耐える結合剤と併せられる。適当な結合剤の例は、シリカーアルミナートリア、シリカーアルミナージルコニア、シリカーアルミナーマグネシア及びシリカーマグネシアージルコニアのような3成分組成物のほか、粘土、アルミナ、シリカ、シリカーアルミナ、シリカーマグネシア、シリカージルコニア、シリカートリア、シリカーベリリア、及びシリカーチタニアを含む。モレキュラーシーブは、また米国特許第5,993,642号(これは引用により組み入れられる)で開示されているゼオライト性物質のようなゼオライト性物質によっても構成されて良い。
【0047】
モレキュラーシーブと結合剤の相対的な割合は、モレキュラーシーブの含量が重量で約1から約99パーセント、さらに好ましくは、重量で約10から約70パーセントの範囲のモレキュラーシーブ、さらに好ましくは約40から約70パーセントの範囲であるのに応じて大きく変わる。

芳香族化
【0048】
芳香族化は普通C2-C5脂肪族炭化水素の脱水素環化-オリゴメリゼーション、ナフサの触媒的改質、または炭化水素の分解により実施される。
【0049】
脱水素環化-オリゴメリゼーションはC2-C5脂肪族炭化水素を芳香族炭化水素へ変換することを含む。この製造法は、芳香族化ゾーンで脱水素環化二量化に適した触媒を用い、ベンゼン及び/又はトルエンを含有する芳香族製品を製造するため効果的な条件下、C2-C5脂肪族炭化水素を接触させることにより行われる。この脱水素化二量化法はオリゴメリゼーションにより炭素鎖を伸長し、環化を促し、環化化合物を脱水素し、各芳香族化合物にする。
【0050】
脱水素環化オリゴメリゼーション法で使用される原料流は2から約5炭素原子を含む少なくとも1個の脂肪族炭化水素を含む。脂肪族炭化水素は、非環状鎖、直鎖又は環状である。このような炭化水素の例はエタン、エチレン、プロパン、プロピレン、n-ブタン、n-ブテン、イソブタン、イソブテン、ブタジエン、直鎖及び分岐ペンタン、ペンテンとペンタジエンを含む。脱水素環化-オリゴメリゼーション条件は原料の組成と望む転化率のような因子により変わる。脂肪族炭化水素を芳香族化合物とする脱水素-環化二量体化の条件の望ましい範囲は約350°から約750°の温度、約101.3kPa-aから約10.13Mpa-aの圧力、約0.2から約8までの重量毎時空間速度を含む。原料の平均炭素数が増えるにつれ、最高の成績を得るため温度範囲の下限の温度が必要とされるようになり、逆に、原料の平均炭素数が減少するにつれ、求められる反応温度は高くなる。
【0051】
脱水素環化-オリゴメリゼーション反応で使用される触媒は好ましくは、中間的な大きさの細孔のモレキュラーシーブを含むことが好ましい。中間的な大きさの細孔のモレキュラーシーブは約5から約7Åの細孔の大きさをもち、例えば、AEL、AFI、MWW、MFI、MEL、MFS、MEI、MTW、EUO、MTT、HEU、FER及びTON構造種のモレキュラーシーブを含む。これらの物質は”Atlas of Zeolite Structure Types”, W.H.Meier, D.H.Olson及びCh.Baerlocher,編,Elsevier,第4版、1996年に述べられ、これは引用により本願に組み入れられる。適した中間的な細孔の大きさをもつモレキュラーシーブの例は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-34、ZSM-35、ZSM-38、ZSM-48、ZSM-50、ZSM-57、MCM-22、MCM-49、MCM-56及びSAPO-5を含む。好ましいモレキュラーシーブは、チタノシリケート、ガロシリケート及びMFI構造をもつガリウム含有アルミノケイ酸モレキュラーシーブのほかSAPO-11である。
【0052】
普通、モレキュラーシーブは製造法に使用される温度と他の条件に耐える結合剤と組み合わせられる。適した結合剤とモレキュラーシーブと結合剤の相対的比率はベンゼンのプロピル化で使用される触媒に関し先に述べたのと同一である。
【0053】
本開示で使用される炭化水素組成物原料が触媒的改質により製造される改質油から製造される場合、この改質油は普通C6+飽和脂肪族炭化水素原料、例えば、ナフサ、をベンゼンと他の炭化水素を含む反応生成物を製造できる改質条件下で、改質触媒と接触させることにより製造される。この改質油はナフテンの脱水素化、飽和脂肪族炭化水素の異性化及び非芳香族炭化水素の脱水素環化を促すように設計された典型的改質条件下で生成される。
【0054】
ナフサのような、C6+飽和脂肪族炭化水素を含有する、実質的にいずれの炭化水素原料もナフサ改質のための原料として利用できる。ナフサは一般的にC6-C9脂肪族炭化水素を含む。脂肪族炭化水素は直鎖の又は分岐した非環式炭化水素、特にヘプタンのような飽和脂肪族炭化水素でも良い。
【0055】
触媒的改質での使用に適した触媒は酸性改質触媒(二官能性触媒)と非酸性改質触媒(単官能性触媒)を含む。
【0056】
酸性改質触媒は普通8族、9族、10族の金属を内部に沈着させた金属酸化物担体を含む。適当な金属酸化物担体はアルミナとシリカを含む。好ましくは、酸性改質触媒は8族、9族、10族金属(好ましくは白金)とレニウム、スズ、ゲルマニウム、コバルト、ニッケル、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びそれらの組合せのような金属プロモーターを密接な混合物としてその内部に沈着させた金属酸化物を含む。より好ましくは、酸性改質触媒はアルミナ担体、白金、及びレニウムを、又はアルミナ担体に担持した白金またはスズを含む。
【0057】
非酸性又は単官能性改質触媒は非酸性モレキュラーシーブ、例えばゼオライト、と1以上の水素添加/脱水素成分を含む。適当なモレキュラーシーブの例はMFI構造種、例えば、ケイ酸塩、及び大きい細孔、例えば約7から約9オングストロームの大きさの細孔をもつモレキュラーシーブを含む。大きな細孔のモレキュラーシーブの例はLTL、FAU及びBEA構造種を含む。具体的モレキュラーシーブの例はゼオライトL、ゼオライトX、ゼオライトベータ、ゼオライトYとETS-10を含む。
【0058】
改質触媒は1以上の水素添加/脱水素金属、例えば、レニウムのような7族金属、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のような8族、9族又は10族金属、を含む。8族、9族または10族の好ましい金属は白金である。また、非酸性触媒はスズのような金属プロモーターを含み得る。
【0059】
非酸性触媒上に存在する水素添加/脱水素添加金属の量は、触媒の重量に基づき普通、約0.1%から約5.0%の水素添加/脱水素金属である。この金属はゼオライトの合成中に含浸により、又は適当な塩を含む水溶液のイオン交換により、ゼオライトに組み入れることができる。例として、イオン交換法では、白金はテトラアンミン白金(II)硝酸塩のようなカチオンの白金錯体を使用して導入できる。
【0060】
非酸性触媒は普通、結合剤を含む。結合剤は天然又は合成的に製造される無機酸化物または無機酸化物の組合せである。使用できる典型的な無機酸化物担体は粘土、アルミナ、及びシリカを含み、酸性部位は強い酸性を与えないカチオンにより交換されていることが好ましい。
【0061】
改質法は連続的、循環的又は半-再生的である。この製法は固定床、移動床、管状流、放射流又は流動床で行うことができる。
【0062】
改質条件の条件は少なくとも約400℃から約600℃の温度、約344.7kPa-aから約3.447Mpa-aの圧力、1:1から10:1の水素対炭化水素のモル比、及び0.3と10の間の液体毎時空間速度を含む。
【0063】
本願開示で使用される炭化水素組成物原料が水蒸気分解で製造される改質油から製造されるとき、改質油は普通、C6+飽和脂肪族炭化水素原料、例えば、ナフサと水蒸気を、ベンゼンと他の炭化水素を含有する反応生成物を製造する水蒸気分解条件下接触させることにより生成される。改質油は飽和脂肪族炭化水素を軽質オレフィンと芳香族化合物に熱的に転化するように設計された典型的な水蒸気分解条件下で生成される。
【0064】
C2+飽和脂肪族炭化水素、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ナフサ、蒸留物、大気圧ガスオイル、真空ガスオイル、及び/またはそれらのいずれかの組合せ、を含有する実質的にいずれの炭化水素原料も水蒸気分解の原料として利用できる。ナフサは一般的にC6-C9非芳香族炭化水素を含む。この非芳香族炭化水素は直鎖又は分岐鎖の環式及び非環式炭化水素でも良く、特にメチルシクロペンタジエンのような環式炭化水素である。
【0065】
炭化水素組成物は重量で約1から約75パーセントの少なくとも1つのベンゼン共蒸発物、つまり、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点10℃以内に沸点をもつC6+非芳香族炭化水素、を含む。いくつかの炭化水素組成物は異なる量のベンゼン共蒸発物類、例えば、重量で約5から約60パーセントの少なくとも1種のベンゼン共蒸発物または、重量で約10から約50パーセントの少なくとも1種のベンゼン共蒸発物を含む。また、いくつかの炭化水素組成物では、炭化水素組成物中のC6+非芳香族炭化水素は約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の5℃以内の沸点をもつ。
【0066】
プロピル化装置へ供給される炭化水素組成物中に含まれえるベンゼン共蒸発物の例はシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン及びジメチルシクロペンタンを含む。

原料の前処理
【0067】
本願開示の製造法で使用される炭化水素組成物は、例えば、オレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物及びそれらの混合物のような不純物を含む可能性がある。好ましくは、触媒のサイクル寿命(cycle length)を延長しそしてプロピル化反応装置の製品中のエチルベンゼン共蒸発物の生成を減少させるために1以上のこれらの不純物の少なくとも一部はベンゼンのプロピル化の前に炭化水素組成物原料から除去される。
【0068】
これらの不純物を除去する技術は本願技術分野の技術者に知られている。窒素含有及び硫黄含有不純物は水素添加により除去され得る。水素添加処理技術は本願技術分野で知られており、水蒸気分解装置のナフサを米国低硫黄ガソリン規格に適合するガソリンにブレンドできるように求められることが多い。水素添加処理は水素処理条件で担持された触媒の存在下、水素により炭化水素原料を処理することにより行われる。この触媒は普通、耐火性担体上の、反応促進剤としての1以上の8,9,10族金属を伴う6族金属からなる。好ましい実施態様では、水蒸気分解ナフサは水素処理され5wppm未満に硫黄水準を減少させ、窒素水準を1wppm未満に減少させ、オレフィンとジエンの水準を2500wppm未満に減少させる。水素処理は水蒸気分解から、ナフサ改質から製造されたナフサと非常に近い水準の不純物を含有するナフサを製造する。オレフィンとジエンを(改質油又は水素処理された水蒸気分解ナフサから)連続的に除去する技術が米国特許第6,781,023号と第6,500,996号で開示され、これらは引用により組み入れられる。オレフィンとジエンを除去する好ましい技術はオレフィン/ジエンを含有する炭化水素組成物原料をMCM-22を含有する結晶性モレキュラーシーブ触媒と接触させることを含む。
【0069】
窒素含有及び硫黄含有不純物は、窒素含有及び硫黄含有炭化水素組成物原料を窒素含有/硫黄含有不純物の少なくとも一部を除去するため有効な吸収条件下、吸収剤と接触させることにより除去することもできる。好ましい吸収条件は、処理を受ける炭化水素組成物原料に応じて変わるが、周囲温度から500℃、より好ましくは周囲温度から200℃、又は最も好ましくは周囲温度から100℃の温度、液相条件に維持するのに十分な圧力、約0.5hr-1から約100 hr-1、より好ましくは約0.5 hr-1から約10 hr-1、最も好ましくは1.0 hr-1から4.0 hr-1の重量毎時空間速度を含む。

製造処理
【0070】
本願開示で使用され得る適当なアルキル化剤は、アルケン化合物、アルコール化合物、及び/又はアルキルベンゼンとそれらの混合物を含む。本願開示の製造法で有用であり得る他の適当なアルキル化剤は、アルキル化され得る芳香族化合物と反応することができる1以上の利用可能な、アルキル化を行う脂肪族基をもついずれかの脂肪族又は芳香族有機化合物を一般的に含む。適当なアルキル化剤の例は、C2オレフィン、つまり、エチレン、C2アルカノール、C2エーテル、例えば、メチルエチルエーテルとジエチルエーテル等のC2-C5エーテル、アセトアルデヒドのようなアルデヒド、塩化エチルのようなハロゲン化アルキル、及びビ-アルキル化ベンゼン(例.ビエチルベンゼン)とトリ-アルキル化ベンゼン(例.トリ-エチルベンゼン)のようなポリアルキル化芳香族化合物などを含む。従って、アルキル化剤は、好ましくはC2、C1-C5アルカノール、ビエチルベンゼン、及びトリ-エチルベンゼンからなる群から選ぶことができる。アルキル化剤は高濃度のアルケン原料(例.ポリマー用品質のオレフィン)と稀釈されたアルケン原料(例.触媒的分解排ガス)を含む。
【0071】
アルキル化反応は、少なくとも部分的に液相の条件下、反応ゾーンでアルキル化を受けえる芳香族化合物とアルキル化剤についても起こりえる。アルキル化又はトランスアルキル化条件は100から285℃、好ましくは約162.8℃から約232.2℃の温度、及び689Mpa-aから6.89Mpa-a、好ましくは1500から3000kPa-aの圧力、反応装置全体についてアルキル化剤(例.アルケン)に基づく0.1から10h-1、好ましくは0.2から2 h-1、より好ましくは0.5から1 h-1のWHSV、又はアルキル化剤とアルキル化可能な芳香族化合物両者に基づき全反応装置について10から100 h-1の、好ましくは20から50 h-1のWHSV、約0.01:1から約0.5:1のエチレン対ベンゼンのモル比、及び約0.5と約2 h-1の反応装置全体の全触媒量について全エチレンに基づくWHSVを含む。最も好ましくは、エチレン対ベンゼンのモル比は、約0.03である。アルキル化可能な芳香族化合物は、反応ゾーン又は複数の反応ゾーンでアルキル化又はトランスアルキル化触媒の存在下、アルキル化剤(例.アルケン)によりアルキル化される。反応ゾーンは好ましくは単一の反応槽であり、しかし、アルキル化又はトランスアルキル化触媒床をもつ別の反応ゾーンを含んでも良く、これらは別の反応槽にあって、迂回されても良く、反応性保護床として稼動しても良い。反応性保護床において使用されるこの触媒組成物は、反応ゾーンで使用される触媒組成物と異なっても良い。反応性保護床で使用される触媒組成物は複数の触媒組成を有しても良い。少なくとも1反応ゾーン、普通には、複数の反応ゾーンの各反応ゾーンは、アルキル化又はトランスアルキル化触媒の存在下、アルキル化剤によるアルキル化され得る芳香族化合物のアルキル化を起こすに有効な条件に維持される。
【0072】
少なくとも一部液相でエチレンによるベンゼンのアルキル化を実施する特定の条件は、約120から285℃の、好ましくは約150から260℃の温度、689から4601kPa-aの、好ましくは1500から4137kPa-aの圧力、エチレン全量と反応装置全体の全触媒に基づく0.1から10h-1の、好ましくは0.2から2 h-1、より好ましくは0.5から1 h-1のWHSV、又はエチレンとベンゼンの両者の合計、反応装置全体の総触媒量に基づく10から100 h-1、好ましくは20から50 h-1のWHSV、約1から約100、好ましくは約20から約80のベンゼン対エチレンのモル比をもつ。
【0073】
ある実施態様では、ベンゼンはエチレンによりアルキル化されて液相でエチルベンゼンを生成する。適当な液相条件は約150℃と316℃の間の温度、好ましくは約205℃と260℃の間の温度、約20875kPa-aまでの圧力、好ましくは2860と5600kPa-aの間の圧力、エチレン原料に基づき約0.1から20h-1WHSVの間の、好ましくは1と6h-1WHSVの間の空間速度、約0.5:1から約100:1モル、好ましくは0.5:1から50:1モル、より好ましくは約1:1から約30:1モル、最も好ましくは約1:1から約10:1モルのアルキル化反応装置におけるベンゼン対エチレンの比率を含む。
【0074】
本願の開示の製造法で使用するため特定されたアルキル化剤、例えば、エチレンの、ベンゼンに対する比率は、反応装置入り口でのアルキル化剤、例えば、エチレン、のベンゼンに対するモル比をいう。例えばエチレン原料が各反応床に導入される場合の、2以上の触媒床、例えば4床、をもつ反応装置の場合、各床に導入されるエチレン対ベンゼンのモル比は特定の範囲内にある、つまり、エチレン対ベンゼンのモル比は下限値と上限値により定められる範囲内にある。下限値と上限値で定められるいづれか特定の範囲について、下限値は上限値と等しいか又は低い。本願開示の有用な範囲は、0.001:1、0.01:1、0.015:1、0.2:1、0.025:1、0.3:1、0.31:1、0.35:1、0.4:1、0.45:1、0.5:1、0.55:1、0.6:1、0.65:1、0.7:1、0.75:1、0.8:1、0.85:1、0.9:1、0.95:1、及び1:1からなる群から選択される2個の数字のいずれかの組合せにより定められても良い。典型的な範囲の例は、0.001:1から0.75:1、0.01:1から0.6:1、0.02:1から0.5:1、0.02:1から0.4:1、0.02:1から0.3:1及び0.02:1から0.1:1である。
【0075】
本願開示の製造法は製品の重量に基づき少なくとも99.50重量パーセントのエチルベンゼンを含むエチルベンゼン製品を製造する。本願開示の製造法は、製品の重量に基づき少なくとも99.65重量パーセントのエチルベンゼンを含むエチルベンゼン製品を製造することが好ましく、より好ましくはエチルベンゼン製品は少なくとも99.85重量パーセントの純度をもち、最も好ましくはエチルベンゼン製品は、少なくとも99.95重量パーセントの純度をもつ。さらにエチルベンゼン製品の純度を向上させるため、製品はより高い純度のエチルベンゼン製品とブレンドすることができる。例えば、99.85重量パーセント純度をもつエチルベンゼン製品は、適量の純度のより高いエチルベンゼン製品(100パーセントエチルベンゼン製品)と99.85パーセントの純度の製品とブレンドすることにより99.985重量パーセントに増大させることができる。
【0076】
分離のための蒸留温度は、例えば、エチルベンゼンからポリエチルベンゼンの分離、は本願技術分野の技術者に知られ、ポリエチルベンゼン/エチルベンゼン製品の組成により変わる。
【0077】
本願開示の製造法は、留分としてポリエチルベンゼンの回収を含み、その後にエチルベンゼンを生成するベンゼンとポリエチルベンゼンのトランスアルキル化が続く。
【0078】
反応ゾーンからの流出物は目的とするエチルベンゼン、未反応ベンゼン、幾分かの未反応のエチレン(エチレンの転化は少なくとも90モル%、好ましくは、約98-99.9999モル%)及びアルカン成分と他の不純物を含む。ある実施態様では、流出物の少なくとも一部は、アルキル化触媒による未反応ベンゼンとの反応用にエチレンが追加される別の反応ゾーンに供給される。さらに、反応ゾーンのいずれかからの流出物の少なくとも一部は直接又は間接にトランスアルキル化装置に供給されても良い。
【0079】
反応ゾーンに加えて、その上流に、迂回可能な反応性又は非反応性の保護床が普通アルキル化反応装置から離れた反応装置に置かれる。そのような保護床はアルキル化又はトランスアルキル化触媒により、通常、充填されても良く、反応ゾーンで使用される触媒と同一又は異なっても良い。そのような保護床は周囲条件、又は適当なアルキル化又はトランスアルキル化条件に維持される。少なくとも一部のベンゼン、と任意に少なくとも一部のエチレンは反応ゾーンへ入る前に非反応性又は反応性保護床を通過する。これらの保護床は目的とするアルキル化反応に影響を与えるだけでなく、窒素化合物のような、炭化水素組成物原料中の反応性不純物を除去するためにも使用される。除去しない場合、これらの不純物はアルキル化又はトランスアルキル化触媒の他の部分にとって触媒毒となりえる。その故に反応性又は非反応性保護床の触媒は、アルキル化又はトランスアルキル化触媒の他の部分より頻繁な再生及び/又は交換を受け得、そしてそのため、保護床は典型的には迂回路が備えられ、その結果アルキル化原料は、保護床が休止中は、直接に反応装置中の連続的に連結された反応ゾーンに供給され得る。反応性又は非反応性保護床は、触媒床と並行(co-current )して その上流又は下流方向に操作されても良い。
【0080】
本願発明の製造法で使用される反応ゾーンは通常はエチレンを本質的に完全に転化できるように操作される。しかし、ある用途では、100%エチレン転化未満で操作することが望ましいかもしれない。反応ゾーンの下流の別の最終反応装置の使用はある条件では望ましいかもしれない。最終反応装置はアルキル化又はトランスアルキル化触媒も含むが、これらはアルキル化又はトランスアルキル化反応装置での他の反応ゾーンで使用される触媒と同一又は異なっても良く、少なくとも一部液相の、又は蒸気相のアルキル化又はトランスアルキル化条件で維持されても良い。流出物中のポリアルキル化芳香族化合物はアルキル化可能な芳香族化合物によるトランスアルキル化のために分離されても良い。アルキル化芳香族化合物はポリアルキル化芳香族化合物とアルキル化可能な芳香族化合物の間でのトランスアルキル化により合成される。
【0081】
本願発明の製造法で使用されるアルキル化又はトランスアルキル化反応装置は、例えば、エチルベンゼンのような、目的のモノアルキル生成物に非常に選択であり得るが、通常少なくともいくつかのポリアルキル化種を製造する。ある実施態様では、少なくとも最終アルキル化ゾーンからの流出物の少なくとも一部は、分離工程を受けてポリアルキル芳香族化合物を回収する。別の実施態様では少なくともポリアルキル化芳香族化合物の少なくとも一部は、アルキル化反応装置と区別されている場合もあるトランスアルキル化反応装置へ供給される。このトランスアルキル化反応装置は、アルキル化を受け得る芳香族化合物とポリアルキル化種を反応させることにより得られるモノアルキル製品を含む流出物を製造する。これらの流出物の少なくとも一部は分離されアルキル化された芳香族化合物(モノアルキル化化合物及び/又はポリアルキル化芳香族化合物)が回収される。
【0082】
アルキル化システムが反応性保護床を含む場合、これは少なくとも一部液相条件に維持される。保護床は、好ましくは約120℃から約285℃で、好ましくは、約150℃から約260℃の温度で、689から4601kPa-aの圧力で、好ましくは1500から4137kPa-aの圧力で、全反応装置について総エチレンと総触媒量に基づき0.1から10h-1の、好ましくは、0.2から2 h-1の、より好ましくは0.5から1 h-1のWHSV、又は総エチレンと総ベンゼン、及び全反応装置について全触媒量に基づき10から100 h-1、好ましくは20から50 h-1
WHSV、約1から約100の、好ましくは約20から約80のベンゼン対エチレンのモル比
で、操作されることが好ましい。
【0083】
トランスアルキル化反応は少なくとも一部液相条件で起こりうる。少なくとも一部液相のポリアルキル化芳香族化合物、例えば、ポリイソプロピルベンゼンの、ベンゼンによるトランスアルキル化を実施する特定の条件は、約100°から約300℃の温度、696から4137kPa-aの圧力、約0.5から約100hr-1のアルキル化反応ゾーンへ供給されるポリアルキル化芳香族化合物の重量に基づくWHSV、及び1:1から30:1、好ましくは、1:1から10:1の、より好ましくは1:1から5:1のベンゼン対ポリアルキル芳香族化合物のモル比を含んでも良い。
【0084】
別の実施態様では、トランスアルキル化反応は蒸気相条件下で起こっても良い。ポリアルキル化芳香族化合物、ポリイソプロピルベンゼンのベンゼンによる蒸気相トランスアルキル化を実施する特定の条件は約350から約450℃の温度、696から1601kPa-aの圧力、ポリアルキル化芳香族化合物の重量に基づく約0.5から約20hr-1の、好ましくは約1から約10 hr-1のWHSV、1:1から5:1、好ましくは2:1から3:1のベンゼン対ポリアルキル化芳香族化合物のモル比を含んでも良い。
【0085】
ある実施態様、本開示は、
1.実質的にC4−炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まず、ベンゼンと、重量で約1から約75パーセントまでの、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素を含む,抽出を受けていない炭化水素組成物原料を使用して、製品中のクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼンを製造する製造法であって、以下の工程を含むエチルベンゼンの製造法。
(a) アルキル化反応ゾーンでエチレンによるベンゼンのアルキル化工程であり、当該反応ゾーンは少なくとも一部液相条件下で維持され、約125℃から約285℃の範囲の温度、ベンゼンとエチレンの混合物を少なくとも一部液相に維持するに十分な圧力、約0.001:1から約0.75:1の範囲のエチレン対ベンゼンのモル比、約0.1から約10 hr-1の範囲の全反応装置の全触媒量についてエチレンに基づくWHSVを含む条件で、酸活性触媒を用いる工程、及び
(b) 工程(a)の製品を蒸留して、エチルベンゼン製品に含有されるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度を持つエチルベンゼン製品を製造する工程
2.段落1に記載された製造法であって、前記炭化水素組成物原料は改質油から製造される製造法。
3.段落2に記載された製造法であって、前記改質油は(i) C5-炭化水素、(ii)ベンゼン、(iii)C7+芳香族炭化水素、及び(iv) 重量で約1から約75パーセントの、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ、少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素を含み、前記炭化水素組成物原料は前記改質油からC4-炭化水素と前記C7+芳香族炭化水素、を蒸留することにより除去して調製される。
4.先のいずれかの段落に記載された製造法であって、さらに工程(a)の製品からポリエチルベンゼンを回収することを含む製造法。
5.段落4に記載された製造法であって、さらに前記ポリエチルベンゼンをトランスアルキル化ゾーンへ移し、エチルベンゼンを生成するため、トランスアルキル化条件下、ポリエチルベンゼンをベンゼンと反応させることを含む製造法。
6.段落5に記載された製造法であって、ベンゼンとポリエチルベンゼンの反応により製造される前記エチルベンゼンが、前記アルキル化反応ゾーンへ移される製造法。
7.段落5に記載された製造法であって、前記トランスアルキル化ゾーンでポリエチルベンゼンと反応される前記ベンゼンは前記炭化水素組成物から供給される。
8.先のいずれかの段落に記載された製造法であって、アルキル化条件は約182℃から約216℃の温度、1479.6kPa-aから約2858.6kPa-aの圧力、約0.01:1から約0.5:1のエチレン対ベンゼンのモル比、約0.5から約2hr-1の全反応装置の全触媒量について全エチレンに基づくWHSV。
9.段落8に記載されている製造法であって、エチレン対ベンゼンの前記モル比は約0.02:1から約0.4:1である製造法。
10.段落9に記載されている製造法であって、エチレン対ベンゼンの前記モル比は約0.03である製造法。
11.いずれか先の段落に記載された製造法であって、前記酸活性触媒は少なくとも1つのMCM-22種物質とゼオライトベータモレキュラーシーブを含む製造法。
12.いずれか先の段落に記載された製造法であって、前記触媒はさらに結合剤を含む製造法。
13.段落12に記載された製造法であって、前記MCM-22族物質はMCM-22、MCM-36、MCM-49、及びMCM-56からなる群から選択される製造法。
14.いずれか先の段落に記載された製造法であって、前記少なくともC6+非芳香族炭化水素はシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、ジメチルシクロペンタン及びそれらの混合物からなる群から選択される製造法。
15.いずれか先の段落に記載されている製造法であって、前記エチルベンゼン製品の前記純度は製品中のエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.85パーセントである製造法。
16.段落15に記載されている製造法であって、前記エチルベンゼン製品の前記純度は製品中に含まれるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.985パーセントである製造法。
17.段落2-16のいずれか1つに記載されている製造法であって、前記改質油はナフサの触媒的改質により生成される製造法。
18.段落2-16のいずれか1つに記載されている製造法であって、前記改質油は炭化水素の分解により生成される製造法。
19.段落18に記載されている製造法であって、前記分解は水蒸気分解により達成される製造法。
20.いずれか前記段落に記載された製造法であって、前記少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素は前記炭化水素組成物原料中に、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素の重量の5から約60パーセントで含まれるものである製造法。
21.段落20に記載された製造法であって、前記少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素は、前記炭化水素組成物原料中に、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素の重量の10から約50パーセントで含まれるものである製造法。
22.いずれか先の段落に記載された製造法であって、前記炭化水素組成物原料は、オレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物及びそれらの混合物からなる群から選択された不純物を含み、前記不純物の少なくとも一つの少なくとも一部は前記触媒と接触する前に原料から回収される製造法。
23.抽出を受けていない炭化水素組成物を使用して製品中に含まれるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼン製品を製造する方法であって、以下の工程を含む製造法。
(a) (i)C5−炭化水素 (ii)ベンゼン、(iii)C7+芳香族炭化水素、及び(iv) 改質油の重量に基づき、重量で約1から約75パーセントの、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素を含む改質油を与える工程、
(b)炭化水素組成物から蒸留によりC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を除去し炭化水素組成物を生成する工程、
(c )炭化水素組成物の抽出を行わずに炭化水素組成物中のベンゼンを、液相で、少なくともMCM-22族モレキュラーシーブとゼオライトベータモレキュラーシーブのうち少なくとも1つを含む触媒により、約163℃から約232℃の範囲の温度、ベンゼンを液相に維持するに十分な圧力、普通、少なくとも0.79Mpa-a例えば、約0.79から約6.995Mpa-a、約0.001:1から約0.75:1の範囲のエチレン対ベンゼンのモル比、及び約0.1から約10hr-1の範囲の全反応装置の全触媒量に対する全エチレンに基づくWHSVを含む条件で、エチレンによりアルキル化する工程、及び
(d) (c )工程の製品を蒸留し製品中のエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼン製品を製造する工程。
24.段落23に記載されている製造法であり、アルキル化条件は約182℃から約216℃の温度、約1479.6kPa-aから約2858.6kPa-aの圧力、約0.01:1から約0.65のエチレン対ベンゼンのモル比、約0.5から約2hr−1の全反応装置の全触媒について全エチレン量に基づくWHSVを含むものである製造法。
25.段落23-24のいずれかに記載されている製造法であって、エチレン対ベンゼンの前記モル比は約0.02:1から0.4:1である製造法。
26.段落25に記載されている製造法であって、エチレン対ベンゼンの前記モル比は約0.03であるようにする製造法。
27.段落23-26のいずれか1つに記載されている製造法であって、前記MCM-22族モレキュラーシーブは、MCM-22、MCM-36、MCM-49及びMCM-56からなる群から選択されるものである製造法。
28.段落23-27のいずれか1つに記載されている製造法であって、前記モレキュラーシーブはMCM-22である製造法。
29. 段落23-28のいずれか1つの段落に記載されている製造法であって、前記改質油はナフサの触媒的改質により生成されるようにする製造法。
30. 段落23-28のいずれか1つの段落に記載されている製造法であって、前記改質油は炭化水素の分解により生成されるようにする製造法。
31. 段落30に記載されている製造法であって、前記分解は水蒸気分解により得られるようにする製造法。
32. 段落23-28のいずれか1つの段落に記載されている製造法であって、前記エチルベンゼン製品の前記純度は製品中に含まれるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.85パーセントであるようにする製造法。
33.段落23-28のいづれか1つの段落に記載されている製造法であって、前記エチルベンゼン製品の前記純度は製品中のエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.985パーセントである製造法。
34.段落23-33のいずれか1つの段落に記載されている製造法であって、前記炭化水素組成物原料はオレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される不純物を含み、前記不純物の少なくとも1つの少なくとも一部は前記触媒に接触する前に原料から除去されるようにする製造法。
35.段落23-34のいずれかの段落に記載されている製造法であって、さらに工程(c)の製品からポリエチルベンゼンを回収する工程を含む製造法。
36.段落35に記載されている製造法であって、さらに前記ポリエチルベンゼンをトランスアルキル化ゾーンへ移し、トランスアルキル化条件でこのポリエチルベンゼンをベンゼンと反応させ、エチルベンゼンを生成する製造法。
37.段落23-36のいずれか1つの段落に記載されている製造法であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素は前記炭化水素組成物中に、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素の重量の5から約60パーセントの量で含まれるものである製造法。
38.段落37に記載されている製造法であって、前記少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素は前記炭化水素組成物原料中に、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点を持つ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素の重量の10から約50パーセントの量で含まれるものである製造法。
【発明を実施するための形態】
【0086】
以下の実施例は本願開示の実施態様を説明するが、それらの本質と範囲を制限するものとして解釈されることは意図されていない。
実施例
【0087】
試験は49.5重量パーセントのベンゼンと重量で49.5パーセントの2,3-ジメチルペンタン(原料の残りは、他の改質油から製造された炭化水素)からなる原料をMCM-22触媒へ通すことにより実施された。第1試験(試験A)の条件は、176.7℃から204.4℃の温度、1.72MPa-aの圧力、0.5:1のエチレン対ベンゼンのモル比、及び2から10hr-1の間の反応装置全体の触媒について総エチレンに基づくWHSVを含んでいた。第2試験(試験B)の条件は176.7℃から204.4℃の温度、1.72Mpa-aの圧力、1:1のエチレン対ベンゼンモル比、及び2から10hr-1の間の反応装置全体の全触媒について総エチレンに基づくWHSVを含んでいた。試験の結果は図4から図6に示されている。
【0088】
図4は温度及びエチレンとベンゼン比率に対するエチルベンゼンの製造で生じる不純物のプロットであり、本願開示の方法の実施により低い不純物量のエチルベンゼン製品が製造されることを示す。図5は、試験Aで使用された触媒の反応性の経時変化のプロットであり、工程監視が高純度エチルベンゼン製品の製造を継続するために重要であることを示す。不純物は約14-15日の連続した製造の後に増加し始めた。25日間原料流を通した後、触媒再生が触媒を炭化水素で接触洗浄することにより行われた。図6は触媒が25日間の原料流に接触した後にエチルベンゼン製品に含まれる不純物のガスクロマトグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的にC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まず、ベンゼンと、重量で約1から約75パーセントまでの約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ、少なくとも1つの、C6+非芳香族炭化水素を含む,抽出を受けていない炭化水素組成物原料を使用して、製品中のクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつエチルベンゼンを製造する製造法であって、以下の工程を含むエチルベンゼンの製造法。
(a)アルキル化反応ゾーンでエチレンによるベンゼンのアルキル化工程であり、前記反応ゾーンは少なくとも一部液相条件下で維持され、約125℃から約285℃の範囲の温度、ベンゼンとエチレンの混合物を少なくとも一部液相に維持するに十分な圧力、約0.001:1から約0.75:1の範囲のエチレン対ベンゼンのモル比、約0.1から約10 hr-1の範囲の全反応装置の全触媒量についてエチレンに基づくWHSVを含む条件で、酸活性触媒を用いる工程。
(b) 工程(a)の製品を蒸留して、エチルベンゼン製品に含有されるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度を持つエチルベンゼン製品を製造する工程。
【請求項2】
請求項1に記載された製造法であって、前記炭化水素組成物原料は改質油から製造される製造法。
【請求項3】
請求項2に記載された製造法であって、前記改質油は(i) C5-炭化水素、(ii)ベンゼン、(iii)C7+芳香族炭化水素、及び(iv) 重量で約1から約75パーセントの、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ、少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素を含み、前記炭化水素組成物原料は前記改質油からC4-炭化水素と前記C7+芳香族炭化水素を除去して調製される製造法。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかの請求項に記載された製造法であって、さらに工程(a)の製品からポリエチルベンゼンを回収することを含む製造法。
【請求項5】
請求項4に記載された製造法であって、さらに前記ポリエチルベンゼンをトランスアルキル化ゾーンへ移し、エチルベンゼンを生成するため、トランスアルキル化条件下、ポリエチルベンゼンをベンゼンと反応させることを含む製造法。
【請求項6】
請求項5に記載された製造法であって、ベンゼンとポリエチルベンゼンの反応により製造される前記エチルベンゼンが、前記アルキル化反応ゾーンへ移される製造法。
【請求項7】
請求項5に記載された製造法であって、前記トランスアルキル化ゾーンでポリエチルベンゼンと反応される前記ベンゼンは前記炭化水素組成物から供給されるものである製造法。
【請求項8】
請求項1−7のいずれかの請求項に記載された製造法であって、アルキル化条件が約182℃から約216℃の温度、約1479.6kPa-aから約2858.6kPa-aの圧力、約0.01:1から約0.5:1のエチレン対ベンゼンのモル比、約0.5から約2hr-1の全反応装置の全触媒量について全エチレンに基づくWHSVである製造法。
【請求項9】
請求項8に記載されている製造法であって、エチレン対ベンゼンの前記モル比は約0.02:1から約0.4:1である製造法。
【請求項10】
請求項9に記載されている製造法であって、エチレン対ベンゼンの前記モル比は約0.03である製造法。
【請求項11】
請求項1−10のいずれかの請求項に記載された製造法であって、前記酸活性触媒は少なくとも1つのMCM-22種物質とゼオライトベータモレキュラーシーブを含む製造法。
【請求項12】
請求項1−11のいずれかの請求項に記載された製造法であって、前記触媒はさらに結合剤を含む製造法。
【請求項13】
請求項12に記載された製造法であって、前記MCM-22種物質はMCM-22、MCM-36、MCM-49、及びMCM-56からなる群から選択される製造法。
【請求項14】
請求項1−13のいずれかの請求項に記載された製造法であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素はシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、ジメチルシクロペンタン及びそれらの混合物からなる群から選択される製造法。
【請求項15】
請求項1−14のいずれかの請求項に記載されている製造法であって、前記エチルベンゼン製品の前記純度は製品中のエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.85パーセントである製造法。
【請求項16】
請求項15に記載されている製造法であって、前記エチルベンゼン製品の前記純度は製品中に含まれるエチルベンゼンの重量に基づき少なくとも99.985パーセントである製造法。
【請求項17】
請求項2−16のいずれかに記載されている製造法であって、前記改質油はナフサの触媒的改質により生成される製造法。
【請求項18】
請求項2−16のいずれかに記載されている製造法であって、前記改質油は炭化水素の分解により生成される製造法。
【請求項19】
請求項18に記載されている製造法であって、前記分解は水蒸気分解により達成される製造法。
【請求項20】
請求項1−19のいずれかに記載されている製造法であって、前記少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素は前記炭化水素組成物原料中に、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素の重量の、5から約60パーセントの量で含まれるものである製造法。
【請求項21】
請求項20に記載された製造法であって、前記少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素は、前記炭化水素組成物原料中に、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素の重量の10から約50パーセントの量で含まれるものである製造法。
【請求項22】
請求項1−21のいずれかの請求項に記載された製造法であって、前記炭化水素組成物原料は、オレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物及びそれらの混合物からなる群から選択された不純物を含み、前記不純物の少なくとも一つの少なくとも一部は前記触媒と接触する前に原料から回収される製造法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−518101(P2010−518101A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549154(P2009−549154)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/050714
【国際公開番号】WO2008/100658
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】