説明

抽出液の製法及び抽出物及び抽出装置

【課題】好ましくない味を出すことなく抽出効率を上げられるようにする。
【解決手段】原料素材と抽出用液体とからなる内容物を貯留可能な抽出タンク2を設け、内容物から原料素材を分離して抽出液を取り出す抽出液取出し部3を、抽出タンク2の下部に設けてある抽出装置による抽出液の製法であって、抽出タンク2に内容物を投入後、抽出用液体を水平面に沿った横軸心周りに旋回して抽出タンク2の対向する一側部から他側部にかけて流動するように内容物を攪拌して原料素材からエキスを抽出用液体に抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
原料素材と抽出用液体とからなる内容物を貯留可能な抽出タンクを設け、前記内容物から原料素材を分離して抽出液を取り出す抽出液取出し部を、前記抽出タンクの下部に設けてある抽出装置による抽出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記抽出装置では、抽出タンク内に縦軸回転の攪拌羽根を設けて、内容物を機械的に縦軸心回りに攪拌して原料素材からエキスを抽出用液体に抽出して抽出液を得る抽出液の製法が存在していた。また、この抽出液の製法では、茶葉同士の重なりが除去しきれなかったり、茶葉が十分浮動しなかったりするために、抽出タンクの底面全域からガス流を吹き出して内容物を攪拌する方法も存在していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3484612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の抽出液の製法または抽出装置では、抽出タンクの底面全域から吹き出すガスにより、抽出タンク全域がランダムに攪拌され、気泡と共に茶葉は浮動しやすくなるものの、気泡の付着した茶葉が貯留した内容物の貯留層上面部で浮遊し、抽出効率が上がりにくいという問題点がある。
更に、上記方法により抽出効率を上げるべく、ガスの吹き出し量を上げてより強く攪拌しようとすると、茶葉が割れて砕けるために抽出が過剰になり、雑味・渋み・苦味など好ましくない味の原因になるばかりか、香りも飛んでしまうという問題点もあった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、好ましくない味を出すことなく抽出効率を上げられるようにする抽出方法・抽出物・抽出装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の抽出液の製法の特徴構成は、原料素材と抽出用液体とからなる内容物を貯留可能な抽出タンクを設け、前記内容物から原料素材を分離して抽出液を取り出す抽出液取出し部を、前記抽出タンクの下部に設けてある抽出装置を用いた抽出液の製法であって、前記抽出タンクに前記内容物を投入後、抽出用液体を水平面に沿った横軸心周りに旋回して前記抽出タンクの対向する一側部から他側部にかけて流動するように前記内容物を攪拌して原料素材からエキスを抽出用液体に抽出して抽出液を得るところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、抽出用液体を水平面に沿った横軸心周りに旋回して前記抽出タンクの対向する一側部から他側部にかけて流動するように前記内容物を攪拌することにより、原料素材と抽出用液体とが、共に抽出タンクの一側部の内壁に沿って上昇した後、液貯留層上面部を抽出タンクの他側部に向けて流動し、引き続いてその他側部の壁面に沿って下降し、底部に潜り込んだ内容物は、前記他側部から前記一側部にかけて抽出タンクの底部を流動し、再び前記一側部から上昇するという対流を繰り返す。
つまり、抽出タンクの内側壁に沿った一定の対流を繰り返して原料素材は抽出用液体と共に抽出タンク内を水平面に沿った横軸心周りに旋回して上下に流動するために、原料素材の滞留箇所が無くなり、しかも、一定の流動により原料素材が例え茶葉のようなものであっても、割れて砕けることなく穏やかに攪拌することができ、雑味・渋み・苦味など好ましくない味を出すことなく抽出効率を上げることができる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記抽出用液体を攪拌させるのに、バブリングで行なうところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、バブリングによる攪拌で原料素材は気泡と共に浮遊流動しやすくなり、しかも、攪拌羽根を設けるのに比べて原料素材の絡みつくものが無いために、抽出液の取出し後の原料素材の除去が簡単に行なえる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記バブリングを、前記抽出タンクの底部の一側部寄りで、且つ、前記底部の径方向の一側部から他側部側の25〜75%までの範囲内で行なうことにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、前記バブリングを、前記抽出タンクの底部の一側部寄りで、且つ、前記底部の径方向の一側部から他側部側の25〜75%までの範囲内で行なうことにより、75%までの範囲では気泡による浮力で抽出用液体と共に原料素材の上昇流が形成されると同時に、バブリングのない残りの範囲では抽出用液体と共に原料素材の下降流が形成され、抽出タンクの径方向に対向する一側部から他側部にかけての上下の対流が良好に行なわれて、抽出率が向上する。つまり、75%より広い範囲にまでバブリングする部分が増えれば、あるいは、25%より少なければ、原料素材が抽出用液体の貯留槽上面部で浮遊し、攪拌不足になり抽出率が低下する。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記抽出タンクの底面部の最大径に対する液深を20〜60%になるように前記抽出用液体を収容してあることにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、前記抽出タンクの底面部の最大径に対する液深を20〜60%になるように前記抽出用液体を収容することにより、タンク内で原料素材と抽出用液体とが対流しやすくなる。つまり、液深を底面部の最大径の20%より少なければ、流れが不規則になり安定した抽出液が得られなくなる。これに対し、液深が深すぎて60%を越すと、原料素材の下方への流動が良好に行なわれず、攪拌が不十分になる。
【0014】
本発明の第5の特徴構成の抽出物は、前記原料素材が、烏龍茶、緑茶、紅茶、ハトムギ、大麦、玄米、大豆、昆布、霊芝、椎茸、クコ、熊笹、アマチャズル、ミカンの皮、の中から選ばれた少なくとも一種であり、前記抽出液の製法によって前記原料素材から抽出したものである。
【0015】
本発明の第5の特徴構成によれば、雑味・渋み・苦味など好ましくない味の含まれない良好な風味の抽出物が提供できる。
【0016】
本発明の第6の特徴構成の抽出装置は、原料素材と抽出用液体とからなる内容物を貯留可能な抽出タンクを設け、前記抽出タンク内の内容物を攪拌する攪拌手段を設け、前記内容物から原料素材を分離して抽出液を取り出す抽出液取出し部を、前記抽出タンクの下部に設けてある抽出装置であって、前記攪拌手段は、抽出用液体が水平面に沿った横軸心周りに旋回して前記抽出タンクの対向する一側部から他側部にかけて流動するように前記内容物を攪拌するものであるところにある。
【0017】
本発明の第6の特徴構成によれば、前記攪拌手段により、抽出用液体が水平面に沿った横軸心周りに旋回して前記抽出タンクの対向する一側部から他側部にかけて流動するように前記内容物を攪拌することにより、原料素材と抽出用液体とが、共に抽出タンクの一側部の内壁に沿って上昇した後、液貯留層上面部を抽出タンクの他側部に向けて流動し、引き続いてその他側部の壁面に沿って下降し、底部に潜り込んだ内容物は、前記他側部から前記一側部にかけて抽出タンクの底部を流動し、再び前記一側部から上昇するという対流を繰り返す。
つまり、抽出タンクの内側壁に沿った一定の対流を繰り返して原料素材は抽出用液体と共に抽出タンク内を上下に流動するために、原料素材の滞留箇所が無くなり、しかも、一定の流動により原料素材が例え茶葉のようなものであっても、割れて砕けることなく穏やかに攪拌することができ、雑味・渋み・苦味など好ましくない味を出すことなく抽出効率を上げることができる。
【0018】
本発明の第7の特徴構成は、前記抽出装置において、前記抽出タンクは、外気を遮断する天井部を設けた閉鎖型の容器であり、前記抽出タンクの底部に不活性ガスの噴出ノズルを設けると共に、その噴出ノズルを、平面視で前記抽出タンクの一側部側に片寄せて配設して前記攪拌手段を構成してあるところにある。
【0019】
本発明の第7の特徴構成によれば、外気を遮断する天井部を設けた閉鎖型の容器から抽出タンクを構成してあるために、内容物の攪拌操作に伴い原料素材から抽出される抽出物中の気化しやすい香り成分が、失われずに抽出液中に閉じ込めやすく、しかも、噴出ノズルからの不活性ガスの吹き出しで、流動しにくい原料素材であっても気泡の浮力により浮遊流動しやすくなるばかりか、抽出タンクの一側部に片寄せた噴出ノズルの配置により、前記抽出液の製法の対流による抽出が良好に行なえる。
しかも、不活性ガスによる攪拌により、抽出成分は酸化変質されず風味の良い抽出液が得られる。
【0020】
本発明の第8の特徴構成は、前記抽出装置において、前記抽出タンク内に貯留する内容物の上方から抽出用液体を散布するシャワーノズルを設け、前記攪拌手段による攪拌中に前記シャワーノズルに抽出用液体を供給する給液装置を設けてあるところにある。
【0021】
本発明の第8の特徴構成の抽出装置によれば、バブリングにより抽出された香気成分は気泡と共に揮発しやすくなるのを、攪拌中の給液装置からの抽出用液体のシャワーにより、揮発しようとする香気成分が再度捕捉されて抽出用液体中に戻され、風味を損なうことなく効率よく抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】概略全体断面図である。
【図2】対流状態を示す斜視図である。
【図3】対流状態を示す平面図である。
【図4】抽出時間の変化に基づく抽出量の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2、図3に示すように、抽出装置は次のように構成してある。
烏龍茶、緑茶、紅茶等のリーフ状の原料素材と抽出用液体である70〜90℃の温水とからなる内容物を貯留可能なように、略縦型円筒状の抽出タンク2を有し、その抽出タンク2には、外気を遮断する天井部1を設けて閉鎖型の容器にしてある。抽出タンク2の下部には、内容物から原料素材を分離して抽出液を取り出す抽出液取出し部3を設け、抽出タンク2に内容物を投入後、抽出用液体を水平面に沿った横軸心周りに旋回して抽出タンク2の対向する一側部から他側部にかけて流動するように前記内容物を攪拌して、原料素材からエキスを抽出用液体に抽出するために、攪拌手段4を設けて抽出装置を構成してある。
【0024】
前記抽出タンク2には、底部にフィルター5及び上下に揺動して開放自在な下蓋6を設け、下蓋6の抽出液取出し部3に液取出し配管7を接続してある。つまり、抽出液は、下蓋6をしたまま抽出液取り出し部から液取出し配管7を介して取り出し、抽出液取り出し後の原料素材の取り出しは、下蓋6を下方に揺動させて抽出タンク2の底部を開放して下方へ落下取出しするようにしてある。
【0025】
前記攪拌手段4は、抽出タンク2の底部に不活性ガスの噴出ノズル8を、抽出タンク2の底部でフィルター5の上側に設けると共に、その噴出ノズル8を、平面視で抽出タンク2の径方向の一側部側に片寄せ配置状態に設けて構成してある。つまり、図1〜3に示すように、2本のパイプ状の噴出ノズル8を平面視で底部の一側方に並設し、それら各噴出ノズル8に複数のガス吹き出し口9を設けてある。そして、噴出ノズル8によるバブリング域は、抽出タンク2の底部の径方向の一側部から他側部側の25%以上で75%以下に設定するのが良く、好ましくは、30〜55%の範囲で行なうのが対流が良好に行なわれて抽出効率が良い。
尚、前記ガス吹き出し口9は、バブリング域に均等に配置し、前記噴出ノズル8とガス吹き出し口9を構造上の問題のない範囲で多く設置すると、効率が良い。
前記噴出ノズル8からの不活性ガスとしては、窒素ガスがコストと安全性の面から好ましく、不活性ガス供給装置14が噴出ノズル8に連通接続してある。
【0026】
前記抽出タンク2には、その内部に抽出用液体を供給する抽出用液体供給配管10を設けると共に、抽出タンク2内に貯留する内容物の上方から抽出用液体を散布するシャワーノズル11を設け、噴出ノズル8によるバブリング中にシャワーノズル11に抽出用液体を供給する給液装置12を設けてある。
尚、シャワーノズル11から散布する抽出用液体は、抽出タンク2内の液温と同じ温度にするのが良く、しかも、液滴は、タンク液面から揮発する香気成分を効率よく補足するために細かく霧状にするのが好ましい。
【0027】
抽出タンク2への原料素材の投入部13が天井部1に設けてある。
抽出タンク2内の液深は、タンク底面の最大径の20〜60%とするのがよく、より好ましくは、30〜50%にするのが良い。
【実施例1】
【0028】
前記抽出装置による抽出用液体の旋回状態の確認を行なった。
(材料と方法):
原料素材としては、烏龍茶を使用し、4mmスクリーンパスし、かつ、20メッシュにオンする粒度の乾燥茶葉を使用した。
Iwaki 2Lガラスビーカー(φ125mm)を抽出容器として使用。
抽出用液体としての溶媒は、75℃のイオン交換水を用いた。
バブリングノズルには、φ6mmのシリコンチューブにφ0.5mmの針で穴を20個開けた物を使用した。
ノズルは3本使用し、バブリングの面積が表のようになるようにビーカーの底に固定した。
夫々のノズルは、並列に取付けて窒素ガスを供給し、さらにガスの吹き出しが均一になるように流調弁を設置した。
窒素ガスは減圧弁と流量計で0.13MPa、3ノズルで合計600ml/minとなるように調整した。
実験例1,2,3及び比較例1による比較において、攪拌の好ましさを(◎:最良、○:良、△:可)でランク分けするように評価し、その比較結果を次の表1に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
尚、表1中の流れの好ましさは、目視で行なった結果である。
また、抽出効果としては、抽出液のエキス分の変化をBrix(ブリックス)値を測定して、次の図4に示し、その値を指標にして評価した。
前記Brix(ブリックス)値は、糖分でなくとも可溶性固形分がよく抽出されてエキス濃度(可溶性固形分濃度)が高いほど高い値を示すことから、指標として使えるものである。
【0031】
つまり、表1に示すように、流れの好ましさについては、実験例1が縦方向に大きな流れが出ているのに対して、実験例2は、流れは弱いが一定方向への対流ができているのが見て取れ、バブリング側と逆側水面に留まった葉は流動しにくいが、もう少し気圧を上げると、良好に流動するような傾向にある。実験例3では、上向きの流れは強く、葉は流動するが、底部まで沈むものが少なく感じられた。比較例1は、中央部は泡が全体に広がって外側に向かって滞留しているように見え、外側での下向きの流れが弱く、葉が沈みにくかった。
【0032】
エキスの抽出量と流れの好ましさは、表1及び図4に示すように相関がある。つまり、比較して4分目以降のエキス抽出量は、実験例1と実験例3が高く、実験例2と比較例1はやや低い。
今回の抽出においては、温水の葉への浸透により、4分くらいが葉が膨らみ始めたが、葉の体積が増えた時に、流れの強さが充分にないと茶葉が沈みにくくなる。これが抽出されるエキス抽出量に影響しているものと考えられる。結果的に、葉が抽出層内で流動しない場合は、抽出に長い時間を要し、香り成分の揮発や熱による品質劣化が進むことが懸念される。
よって、槽内で強く大きな攪拌を生むことは、良好な香味品質を得るために有効であり、バブリングの面積を決めることは重要であるといえる。
【実施例2】
【0033】
実機による抽出用液体の旋回状態の確認(攪拌の好ましさについては、前記表1と同様の評価をし)、並びに、抽出液の官能評価(風味を◎:好ましい風味があり、雑味・渋み・苦味などが感じられない、○:風味があり、雑味・渋み・苦味などが感じられない、△:雑味・渋み・苦味などが感じられないが、風味が足りない、×:香りが飛んでいて風味不足であり、雑味・渋み・苦味などが感じられる、の4つのランクに分けた)をして、次の表2に示した。
つまり、図1に示す抽出装置に温水を投入し、上から烏龍茶葉を投入後、抽出装置上部及び側面のサイトグラスより液及び茶葉の流動の様子を観察した。バブリングは底面の片側50%(実験例4、5、比較例3)と15%(比較例2)とで実施した。
【0034】
【表2】

【0035】
表2に示す比較例2のように、バブリング面積割合が15%と少ないと流れは好ましくない。また、比較例3のように、バブリング気圧(MPa)0.60と高すぎると、気体の流量が多くなって香りが飛んでしまい、その結果風味が損なわれる。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0036】
〈1〉 前記抽出用液体としては、70〜90℃の温水を使用することが多いが、70℃以下の温水や、水を使用した水出しにも使用でき、また、アルコールを含む液を使用することもできる。
〈2〉 前記攪拌手段4は、バブリング装置以外に、攪拌羽根を設けた機械式攪拌装置であってよく、攪拌方法として抽出用液体を抽出タンク2の径方向に対向する一側部から他側部にかけて上下に対流させるように内容物を攪拌すればよい。
〈3〉 噴出ノズルは、平面視で抽出タンクの一側部側に片寄せて配置する以外に、抽出タンクの底面の全域に亘って配置してあって、抽出攪拌時には、一側部側のノズル群のみを噴出させて、本発明の抽出方法を実施しても良い。この装置においては、所定時間毎に一側部側のノズル群と他側部側のノズル群に択一的に切換えて噴出させることで、流動方向を変更することもできる。また、抽出タンクの底面の全域にノズルを配置することで、茶葉がなくて、抽出タンクを洗浄する時には、全てのノズルからの気体の噴出で攪拌して、洗浄効果を上げるようにできる。
【0037】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
2 抽出タンク
3 抽出液取出し部
4 攪拌手段
8 噴出ノズル
11 シャワーノズル
12 給液装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料素材と抽出用液体とからなる内容物を貯留可能な抽出タンクを設け、
前記内容物から原料素材を分離して抽出液を取り出す抽出液取出し部を、前記抽出タンクの下部に設けてある抽出装置を用いた抽出液の製法であって、
前記抽出タンクに前記内容物を投入後、抽出用液体を水平面に沿った横軸心周りに旋回して前記抽出タンクの対向する一側部から他側部にかけて流動するように前記内容物を攪拌して原料素材からエキスを抽出用液体に抽出して抽出液を得る抽出液の製法。
【請求項2】
前記抽出用液体を攪拌させるのに、バブリングで行なう請求項1に記載の抽出液の製法。
【請求項3】
前記バブリングを、前記抽出タンクの底部の一側部寄りで、且つ、前記底部の径方向の一側部から他側部側の25〜75%までの範囲内で行なう請求項2に記載の抽出液の製法。
【請求項4】
前記抽出タンクの底面部の最大径に対する液深を20〜60%になるように前記抽出用液体を収容してある請求項2又は3に記載の抽出液の製法。
【請求項5】
前記原料素材が、烏龍茶、緑茶、紅茶、ハトムギ、大麦、玄米、大豆、昆布、霊芝、椎茸、クコ、熊笹、アマチャズル、ミカンの皮、の中から選ばれた少なくとも一種であり、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の抽出液の製法によって前記原料素材から抽出した抽出物。
【請求項6】
原料素材と抽出用液体とからなる内容物を貯留可能な抽出タンクを設け、
前記抽出タンク内の内容物を攪拌する攪拌手段を設け、
前記内容物から原料素材を分離して抽出液を取り出す抽出液取出し部を、前記抽出タンクの下部に設けてある抽出装置であって、
前記攪拌手段は、抽出用液体が水平面に沿った横軸心周りに旋回して前記抽出タンクの対向する一側部から他側部にかけて流動するように前記内容物を攪拌するものである抽出装置。
【請求項7】
前記抽出タンクは、外気を遮断する天井部を設けた閉鎖型の容器であり、
前記抽出タンクの底部に不活性ガスの噴出ノズルを設けると共に、
その噴出ノズルを、平面視で前記抽出タンクの一側部側に片寄せて配設して前記攪拌手段を構成してある請求項6に記載の抽出装置。
【請求項8】
前記抽出タンク内に貯留する内容物の上方から抽出用液体を散布するシャワーノズルを設け、前記攪拌手段による攪拌中に前記シャワーノズルに抽出用液体を供給する給液装置を設けてある請求項6又は7のいずれかに記載の抽出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−130709(P2011−130709A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292991(P2009−292991)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(309007911)サントリーホールディングス株式会社 (307)
【Fターム(参考)】