説明

抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置

【課題】特別抽選チャンスが発生したプレイヤ以外のプレイヤに提供されるボーナスゲームの配当をプログレッシブにすることにより、特別抽選入賞に匹敵する量のメダル払い出しを行い、特別抽選チャンスが発生しないプレイヤも大量メダル獲得のチャンスが生じる抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置を提供する。
【解決手段】各ターミナルであるメダルプッシャ機構でメダルプッシャゲームを行い、あるターミナルがEXチャンスゲームに移行すると、ボールがボール供給路11から漏斗状球体収集器21に供給され抽選盤23に落下していずれかの孔に入ることにより抽選が行われる。EXチャンスゲームを発生したターミナル以外の他のターミナルはその抽選でビンゴゲームを行うことができ、EXJP入賞したか、いずれのターミナルもビンゴが成立しなかった場合、つぎのビンゴゲームでメダル払い出し枚数を増量する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログレッシブJACKPOT獲得のための抽選時に、該当プレイヤ以外のプレイヤに提供されるボーナスゲームの配当をプログレッシブする抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プッシャゲームのフィールド上に置かれた異形物(特にボール状のもの)を利用して特別抽選(プログレッシブJACKPOT抽選)を行うプッシャゲーム機が実施されている。
このプッシャゲーム機における特別抽選は該当プレイヤに対してのみ行われることが基本である。
特別抽選としてのJACKPOT抽選はそれぞれ貯蓄枚数増加のタイミングや枚数が異なる複数のプログレッシブJACKPOTが用意されている。
【0003】
特許文献1はこの種のジャックポット抽選装置を用いた遊技機であり、1つの遊技者がジャックポット賞に当選しても遊戯性が低下することを阻止することを目的としたものである。
これは2つのプログレッシブJACKPOT賞を備えており、上記目的を達成するためにいずれかのステーション部でプレイする遊技者が第1ジャックポット賞に当選しても、第2のジャックポット賞に係る第2貯留枚数データはリセットされない。同様にいずれかのステーション部でプレイする遊技者が第2ジャックポット賞に当選しても第1のジャックポット賞に係る第1貯留枚数データはリセットされない。すなわち、いずれか一方のジャックポット賞がだれかに当選した後も、他の貯留枚数は維持されるように構成されている。
【0004】
また、この種の遊技装置としてJACKPOTチャンスを獲得するための特別抽選は、JACKPOTチャンスの抽選であると同時にボーナスを獲得できるビンゴゲーム等が用意されている。
特許文献2は、いわゆるプッシャゲーム機で異形物がメダル落下溝に落下して遊技をやめずに継続してプレイする遊技者を増やすことを目的とし、各ステーション部STにおいてボールB1,B2がメダル落下溝に落下したときに行われるサテライト抽選装置での物理抽選の結果(当選ビンゴ数字)と、その後にボールB1,B2が再びメダル落下溝に落下することで行われる物理抽選の結果(当選ビンゴ数字)とを用いてビンゴが成立したか否かを判定し、ビンゴが成立すると、当該ステーション部STのプレイフィールドへメダルが供給されるように構成されている。
特許文献2はサテライト抽選装置での物理抽選として上述のようにビンゴゲームを行うものである。
【0005】
前述の特許文献1において、複数のJACKPOTがあっても、プレイヤ自身がJACKPOT獲得チャンスを得ないと、メダル獲得のチャンスがないものである。
また、ボーナスであるビンゴゲームになるような特許文献2でも、そのプレイヤ自身がJACKPOTチャンスを獲得するための特別抽選にならなければメダル獲得のチャンスはない。
また、ボーナスであるビンゴゲームの配当は一定で、複数ラインが揃ったとしても上限が低くなっている。さらに配当が一定でないものも、条件によってオッズが変わるなどの変化の仕方があり、大きく条件が変わるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−215652号公報
【特許文献2】特開2007−215651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的はプログレッシブJACKPOTなどの獲得のための特別抽選時に、特別抽選チャンスが発生したプレイヤ以外のプレイヤに提供されるボーナスゲームであるビンゴゲームの配当をプログレッシブにすることにより、通常の特別抽選を補助する形で特別抽選入賞に匹敵する量のメダル払い出しを行い、特別抽選チャンスが発生しないプレイヤも大量メダル獲得のチャンスが生じる抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、複数のターミナルと、ターミナルで特別入賞チャンスを得た場合に起動され、ターミナルから球体を受ける漏斗状球体収集器,該漏斗状球体収集器から落下した球体を入れるため多数の孔を有し、各孔はビンゴゲーム用の数字,符号に対応し、かつ特別入賞に対応する抽選盤および該抽選盤の孔に入った場合、その孔対応の情報をターミナルに返送する手段を含む抽選装置とからなる遊戯装置であって、前記複数のターミナルのいずれかが特別入賞チャンスを得た場合、該特別入賞チャンスを得たターミナルが前記漏斗状球体収集器に球体を供給する手段と、前記特別入賞チャンスを得たターミナルは、前記球体が特別入賞に対応する孔に入った場合、その特別入賞対応の払い出しを行う特別入賞実行手段と、前記特別入賞チャンスを得たターミナル以外のターミナルは、前記球体がビンゴゲーム対応の孔に入った場合、ターミナルのモニタに表示されるビンゴゲームを行い、前記特別入賞実行手段による特別入賞となった場合、またはいずれのターミナルもビンゴが成立しなかった場合、つぎに抽選によるビンゴゲームでビンゴが成立したとき、前回のビンゴになったときに払い出されるメダル枚数に所定の枚数のメダル数を加えてメダルを払い出すビンゴゲーム実行手段とを有することを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において各ターミナルはメダルプッシャ機構であり、エントリーよりメダルが投入され、スタートチェッカーに入った場合、各ターミナルのモニタに表示されるスロットゲームの各リールを回転させ、リールが停止したときの数字,符号が所定の並びになった場合、特別入賞チャンスを得る第1特別入賞チャンス発生手段と、メダルがボーナスチェッカーに入った場合、ボーナスメータを増加させ、ボーナスメータがフルになったとき、特別入賞チャンスを得る第2特別入賞チャンス発生手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項1または2記載の発明において前記各ターミナルは、他のターミナルが特別入賞チャンスを得た場合、ビンゴカードを未だ持っていないとき、ビンゴカードを作成し、前記漏斗状球体収集器への球体供給により行われる抽選により前記ビンゴカードのビンゴゲームを進める手段を有することを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項1,2または3記載の発明において前記第1および第2の特別入賞チャンス発生手段とでは供給される球体の数が異なり、そのとき供給された球体でいずれのターミナルでもビンゴが発生しなかった場合、つぎに他のターミナルが特別入賞チャンスを得たとき、前記ビンゴが発生していないビンゴカードでビンゴゲームを継続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、ボーナスゲームの配当がプログレッシブになるため、払い出し枚数が多くなり、プレイヤのやる気を喚起させることができる。
ボーナスゲームの配当がプログレッシブになるため、自身がJACKPOT抽選に該当しなくても、大量メダル獲得のチャンスがある。
自身がJACKPOT抽選に該当しなくても、他プレイヤがJACKPOT抽選になれば自動的にボーナスゲームに参加になるため、大量メダル獲得のチャンスが多い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置の外観を示す斜視図である。
【図2】ターミナルを構成するメダルプッシャ機構の詳細を示す正面斜視図である。
【図3】抽選機の構造を説明するための図である。
【図4】抽選盤の詳細を説明するための斜視図である。
【図5】1つのターミナルからボールが放出される状態を示す斜視図である。
【図6】抽選盤の部分拡大図である。
【図7】モニタに表示されるボーナスビンゴゲームの画面の一例を示す図である。
【図8】モニタに表示されるボーナスビンゴゲームの画面でビンゴが成立した状態を示す図である。
【図9】本発明による抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】メダルプッシャゲームで特別抽選に入るまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】特別抽選ゲームに突入した他のターミナルのビンゴゲームの流れを説明するための図である。
【図12】特別抽選ゲームに突入した該当ターミナルのEXチャンスにおける流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は本発明による抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置の外観を示す斜視図である。
遊戯装置1は筐体内前部に2つのプッシャゲーム機(1Pおよび2Pターミナル)が、背面に2つのプッシャゲーム機(3Pおよび4Pターミナル)が配置され、筐体中央に中央抽選機20が配置され構成されている。
1Pターミナルはプッシャフィールドにメダルを投入するエントリー131,131と、スロットゲーム,EXJP入賞やビンゴゲーム画面などを表示するモニタ121とを備えている。他のターミナル2P,3Pおよび4Pも同様に、2つのエントリーおよびモニタ122,123,124を備えている。
【0012】
各ターミナル対応にボーナスメータを兼ねるボール供給路111,112,113,114が垂直に立てられている。ボール供給路111,112,113,114は透明管で構成されており、供給路内に徐々に増加するボールが積み重なる状態をプレイヤは視認することができる。ボール供給路111,112,113,114の上部は曲げられ、その先端部1111,1121,1131,1141は漏斗状球体収集器21の上に達している。ボール供給路111,112,113,114の垂直部分の最も上にボールが達したとき、メータがフルになり、漏斗状球体収集器21に1つのボールが供給されるようになっている。
漏斗状球体収集器21の最深部は孔を有しており、孔にボール3を落下させる落下通路211が設けられている。
漏斗状球体収集器21の下部に抽選盤23が配置され、落下通路211を通ったボール3は抽選盤23に落下するようになっている。抽選盤23には落下したボール3が抽選盤23以外のところに弾んで飛び出ないように透明カバー22が覆い被せられている。
【0013】
図2は1Pターミナル10を構成するメダルプッシャ機構の詳細を示す正面斜視図であり、2P,3Pおよび4Pターミナルも同様に構成されている。
正面に1Pモニタ121が配置され、1Pモニタ121前に前後に往復動を繰り返すプッシャ台141が設けられている。プッシャ台141の前面側にスタートチェッカ161が設けられている。スタートチェッカ161にメダルが入ると1Pモニタ121に表示されているスロットの3つのリールが回転を開始し、順番に停止する処理が行われる。
プッシャ台141はフィールド171上の所定位置まで前進し、その後、前面側が1Pモニタ121下部の壁位置付近まで後退する。プッシャ台141の上にメダルが載っていれば、後退したときに1Pモニタ121下部の壁に押されてフィールド171の上に落下する。フィールド171の上のメダル181はプッシャ台141が前進するときに、プッシャ台141の前面で押されてフィールド171上を前方に移動する。多数のメダルが載っていれば、メダル同士で押すことになるので、プッシャ台141の往復動により徐々にメダルはフィールド171の前方位置に移動させられる。
【0014】
フィールド171の前方位置に移動したメダル181は、フィールド171の前縁より前におされると、メダル払い出し部に落下し払い出される。また、フィールド171の前縁中央に配置されているボーナスチェッカ151に落下すると、ボーナスメータがアップする。すなわち、透明管のボール供給路111(図1参照)の下からボールが1つ押し出され、ボールは積み重なっていく。
【0015】
1Pエントリー131,131はプッシャ機構の左右に設けられている。1Pエントリーはメダル投入口1314,メダル通路1311およびメダル射出口1313より構成されており、エントリー支持部1312に、エントリー支持部1312を支点にメダル射出口1313が左右に傾けることができるように支持されている。プレイヤはメダル投入口1314付近を把持しメダル射出口1313の位置を調整してプッシャフィールド上のいずれかの位置に狙いを定め、メダルを投入することとなる。
【0016】
図3は抽選機の構造を説明するための図である。
漏斗状球体収集器21の最深部に落下孔212が設けられ、落下通路211が接続されている。落下通路211下部に配置されている抽選盤23は4隅が曲面となっている矩形形状台であり、該抽選盤23に多数のバンパー233および各数字を記した数字孔232が設けられ、さらに2つのEXJP孔231などが設けられている(図3(a))。
抽選盤23には上述したように透明カバー22が被せられ、ボールが弾んでも他の部分に飛んでいかないようになっている(図3(b)(c))。
【0017】
図4は抽選盤の詳細を説明するための斜視図、図5は1つのターミナルからボールが放出される状態を示す斜視図、図6は抽選盤の部分拡大図である。
図4において抽選盤23の略中央に4つのバンパー233,233,233,233が配置され、両端にEXJP孔231,231が配置されている。また、抽選盤23の両側面に沿って4つのIVENT孔234,234,234,234が配置されている。その他はビンゴの枡の数字に対応する数字孔232,・・・が配置されている。数字孔は「50」,「100」,「300」が記されており、また図示しないLEDでその孔の色(赤,青,黄緑色など)が表示される。数字が同じでも色が異なれば、ビンゴの枡はそれぞれ異なるものであり、4角錐の凹みの頂点部分にボールを収容する孔が設けられている。
EXチャンスを得たターミナル対応のボール供給路11からボール3が転がり出てくると、図5に示すように漏斗状球体収集器21の内壁を回って中央の孔212に入り、抽選盤23の中央付近に落下する。図6に「50」が記された数字孔にボールが落ちている状態が示されている。
【0018】
図7はモニタに表示されるボーナスビンゴゲームの画面の一例を示す図、図8はモニタに表示されるボーナスビンゴゲームの画面でビンゴが成立した状態を示す図である。
あるターミナルにEXチャンスが発生した場合、あるターミナル以外のターミナルのモニタに表示されたビンゴカードである。
図7において、1行目に背景が赤色の「50」,緑色の「300」,黄色の「100」が、2行目に背景が緑色の「100」,青色の「50」,赤色の「300」が、3行目に背景が緑色の「50」,黄色の「50」,赤色の「IVE」がそれぞれ記されたカードであり、左上隅の赤色の「50」の枡が抽選機で当たった状態が示されている。
また、図8は斜め方向と右端の縦方向の2つにビンゴが成立した状態が示されている。 なお、EXJPの孔にボールが入った場合、ビンゴゲームは外れとなる。
【0019】
図9は本発明による抽選機を用いた遊戯装置の回路の実施の形態を示すブロック図である。
この実施の形態の回路ブロックは、各ターミナルのメダルプッシャゲーム機の回路であり、メダル検知部49,CPU30,画像処理部31,メモリ部32,インターフェイス回路33,通信部35,サウンド処理部39,スピーカ40,駆動回路37,41,ボール出力機構駆動回路43を備えている。
画像処理部31はモニタ12に表示画像データを供給する。メダル検知部49はメダルエントリー13から投入されるメダルを検出し、CPU30に検出情報を送出する。駆動回路41はメダル払出し機構42の駆動を行う。ボール出力機構駆動回路43はEXチャンスが発生した場合、ボール供給路にボールを送り出すボール出力機構44を駆動する。
【0020】
駆動回路37はメダルプッシャ機構のプッシャ台の前後動の駆動を行う。
通信部35はCPU30の指示にしたがい通信回線通じて抽選機回路50と通信を行うことにより、送信データや抽選機回路50で抽選された数字などの送受信を行う。抽選機回路50にはすべてのターミナルのメダルプッシャゲーム機回路からの通信回線が接続されている。1つのターミナルにEXチャンスが発生した場合、そのターミナルは抽選機でEXJP入賞の抽選を行いつつ、並行して他のターミナルは抽選機によりビンゴゲームを行う。
インターフェイス回路33はプレイヤの操作部46の操作により決定や選択の情報が送られてくると、その情報をCPU30に送出する。
【0021】
メモリ部32にメダルプッシャゲーム機全体の制御を行う制御プログラム32aと、メダルプッシャゲームを実行するためのメダルプッシャゲーム,抽選を行う抽選制御,ビンゴゲームを実行するためのビンゴゲーム,プッシャ機構を制御するプッシャ機構制御および各機構を制御する各機構制御などの多数のゲームソフト32bと、メダルプッシャゲームおよびビンゴゲームに必要なデータ32cが格納されている。
CPU30はメモリ部32の制御プログラム32aを読み込むことによりゲーム制御部30aの機能を実現する。ゲーム制御部30aはゲーム全体の制御を行う他、ゲーム待ち受け状態時にモニタ12に待ち受け画面を表示し、スピーカ40から待ち受け用のミュージックなどを出力する。
【0022】
メダルゲーム実行部30bはメダルプッシャゲームソフトを読み込むことによりプッシャゲームを実行することができる。また、抽選機実行部30dは抽選制御プログラムを読み込むことにより抽選制御を実行することができる。さらにビンゴゲーム実行部30eはビンゴゲームソフトを読み込むことにより、ビンゴゲームを実行することができる。
プッシャ制御部30cはプッシャ機構制御ソフトを読み込むことにより、プッシャ台を繰り返し前後動させる制御を行う。機構制御部30fは各機構制御ソフトを読み込むことにより、ボール出力機構44,メダル払出し機構42などの制御を行う。
【0023】
図10はメダルプッシャゲームで特別抽選(EXチャンス)に入るまでの流れを説明するためのフローチャートである。
メダルプッシャ機構はプッシャ台を繰り返し前後に往復動させてプレイ待機状態である。CPU30はエントリー13にメダルが投入されたか否かを監視している(ステップ(以下「S」という)001)。メダルが投入されると、メダルはプッシャ台に向かって放出されメダル検知部49はメダル検知情報をCPU30に送出する。メダルゲーム実行部30bは投入されたメダルがプッシャ機構のチェッカに入ったか否かを判断する(S002)。チェッカに入らなければ、放出されたメダルはプッシャ台やフィールド上に堆積される。チェッカに入れば、つぎに入ったチェッカはスタートチェッカ16か否かを判定する(S003)。スタートチェッカでなければ、ボーナスチェッカ15に入ったとしてボーナスメータをアップする(S004)。すなわち機構制御部30fはボール出力機構駆動回路43を駆動してボール出力機構44を作動させボール供給路11にボールを出力する。ボーナスチェッカ15にメダルが入ることにより、ボーナスメータがアップすることとなる。
【0024】
メダルゲーム実行部30bはつぎにボーナスメータがフルになったか否か、すなわちボール供給路11に積み上げられたボールが漏斗球体収集器21に零れる寸前の状態になったか否かを判定する(S005)。フルになっていなければ、次のメダル投入のステップに戻る。フルになっていれば、抽選機実行部30dはEXチャンスゲームに移行する(S014)。すなわちプログレッシブJACKPOT獲得のための特別抽選に突入し、他のターミナルにEXチャンス中であることをアナウンスするとともにボーナスビンゴゲームに移行させる。
S003のスタートチェッカであるか否かの判断で、スタートチェッカであると判断した場合、メダルゲーム実行部30bはモニタに表示されるスロットの各リールの回転を開始させ、順番に停止させる(S006)。
【0025】
この結果、スロットのすべてのリールが「7」で停止し、「7」入賞したか否かを判定する(S007)。「7」が揃えば、EXチャンスゲームに移行する(S014)。このときにボール供給路に出力されるボールの数は3個である。「7」が揃わなければ、つぎに「1・3・5」のいずれかが揃った否かを判定する(S008)。「1・3・5」のいずれかが揃えば、揃ったものがスペシャルミニゲームであるか否かを判定する(S009)。スペシャルミニゲームはEXチャンスゲームに行くためのゲームであり、例えば、30秒以内に、指定されたポケットに所定枚数を入れるゲームなどである。さらにスペシャルミニゲームを行った結果、スペシャルミニゲームに成功したか否かを判定する(S010)。スペシャルミニゲームに成功すれば、EXチャンスゲームに移行する(S014)。このときにボール供給路に出力されるボールの数は1個である。また、スペシャルミニゲームでない場合、ミニゲームを行い(S011)終了となる。ミニゲームは例えば、所定枚数のメダルを獲得するためのゲームである。
【0026】
一方、S008において、「1・3・5」のいずれも揃わなければ、つぎに「2・4・6」のいずれかが揃ったか否かを判定する(S012)。「2・4・6」のいずれかが揃えば、所定枚数のメダルの払い出しを行い(S013)、揃わなければ、終了となる。
【0027】
図11は特別抽選ゲームに突入した他のターミナルのビンゴゲームの流れを説明するための図である。
プッシャゲーム時に各ターミナルはEXチャンスになった他のターミナルがあるか否かを判定する(S101)。他のターミナルでEXチャンスが発生した場合、通信部35を介してその情報が送られてくる。他のターミナルでEXチャンスが発生した場合、その情報を受信したターミナルのCPU30はゲーム制御部30aに制御を渡す。ゲーム制御部30aは既にビンゴカードを作成して保持しているか否かを判定する(S102)。ビンゴカードを保持していれば、ビンゴゲーム(EXチャンスゲーム)に移行しビンゴゲーム実行部30eがビンゴゲームを行う(S104)。ビンゴカードを保持していなければ、新たにビンゴカードを作成して(S103)、S104に移行する。
【0028】
このEXチャンスを利用したボーナスビンゴゲームは、EXチャンス該当ターミナルでは行われない。
EXチャンス該当ターミナルが送出した弾力性のあるボールは遊戯装置筐体中央に位置する抽選機20の漏斗状球体収集器21に投入される。上述したようにボーナスメータフル・ミニゲームからの発生ではボールは1個、「7」入賞での発生ではボール3個が使用される。投入されたボールは、漏斗状球体収集器21の上を回りながら下部へ移動し、漏斗状球体収集器21の下部にある孔に入り、落下通路211を介して抽選盤23へと落下する。抽選盤23に落下したボールは、その弾力と、抽選盤23に備え付けられたピンボールに使われるバンパー233により、抽選盤23上を跳ね、移動する。ボールの移動が収まり、最終的に抽選盤23の上に備え付けられたいずれかの孔にボールが入ると、その孔に表示された文字または数字(色も含む)が抽選結果となる。このように払い出しメダル数(数字表示)と色でビンゴナンバを決定するが、色のみまたは数字のみ(1〜25など)で決定しても良い。
【0029】
抽選した結果は各ターミナルに報告され、まずEX該当プレイヤがEXJP入賞したか否かを判定する(S105)。EX該当プレイヤがEXJP入賞した場合は、その時点でビンゴゲームは終了しビンゴカードの状態は保持されるが、つぎのビンゴゲームにおいて払い出し枚数に一定の増量(つぎは10枚増量)をし、新たな規定枚数とした(S112)後に抽選を終了する。
EX該当プレイヤがEXJP入賞しない場合はつぎにビンゴカード入賞(いずれかのライン対応のマスが埋まる)したか否かを判定する(S106)。ビンゴゲームでは各ターミナルに割り当てられたビンゴカードのうち、該当ナンバがあればそのマスが埋まり、該当ナンバがなければ、ビンゴカードのいずれのマスも埋まらない。ビンゴカード入賞でなければ、つぎに他のビンゴになったターミナルがあるか否かを判定する(S109)。ビンゴカード入賞であれば、ビンゴが成立したか否かを判定する(S107)。ビンゴが成立していなければ、S109の他のビンゴになったターミナルがあるか否かの判定に移行する。
【0030】
ビンゴが成立すれば、ラインに応じた規定枚数のメダルの払い出しを行う(S108)。すなわち抽選盤23の各孔に記されている数のメダルを払い出す。そして、そのビンゴカードをクリアした(S110)後、払い出し規定枚数を初期値にし(S111)ターミナルの抽選機による抽選を終了する。
一方、S109の他のビンゴになったターミナルがあるか否かの判定で、他のビンゴになったターミナルが存在する場合もビンゴカードをクリアして(S110)払い出し規定枚数を初期値にし(S111)ターミナルの抽選機による抽選を終了する。他のビンゴになったターミナルが存在しない場合、払い出し規定枚数に一定の増量をし、新たな規定枚数として(S112)抽選を終了する。
なお、いずれのターミナルでもビンゴが成立しなかった場合、ビンゴカードは次回へ持ち越される。ビンゴ成立のメダル払い出し数について1ラインの払い出し枚数は固定であり、同時に2ライン揃った場合は2倍、3ライン揃った場合は3倍の払い出し枚数となるが、新たな規定枚数になった場合、その新たな規定枚数が1ラインの払い出し枚数となる。
【0031】
本発明では上述したようにいずれのターミナルでもビンゴが成立しなかった場合、ビンゴが成立したときの払い出し枚数の一部が、次にビンゴになったときの払い出し枚数に加算される(プログレッシブ)。
例えば、
ビンゴ1ライン払い出し初期値=100枚とすると
1回目揃わず→100枚+10枚=110枚(持ち越し)
2回目揃わず→110枚+10枚=120枚(持ち越し)
3回目揃わず→120枚+10枚=130枚(持ち越し)


10回目揃わず→200枚+10枚=210枚(持ち越し)
11回目ビンゴ→210枚払い出し(2ラインなら420枚,3ラインなら630枚) というように増量する。
【0032】
図12は特別抽選ゲームに突入した該当ターミナルのEXチャンスにおける流れを説明するための図である。
EXチャンスを発生させた該当ターミナルは抽選機によるEXチャンスゲームに移行する(S201)。EXチャンスゲームは抽選機実行部30dによって開始される。EXチャンスゲームでは該当ターミナルの抽選機実行部30dはボール出力機構駆動回路43を駆動しボール出力機構44によりボール供給路11にボールを出力する。これによりボールが漏斗状球体収集器21に落下し、その結果、抽選盤23のいずれかの孔にボールが入ることとなる。このとき、抽選機回路50はいずれの孔に入ったかを各ターミナルに報告する。該当ターミナルの抽選機実行部30dは報告によってボールがEXJPの孔に入ったか否かを判定する(S202)。
【0033】
EXJPの孔に入ってEXJP入賞であれば、駆動回路41を駆動させメダル払出し機構42よりプログレッシブJP対応のメダル払い出しを行う(S203)。実際の払い出し枚数は例えば500枚〜3000枚である。一方、EXJP入賞でなければ、規定枚数をメダル払出し機構42より払い出す(S204)。例えば、50枚〜300枚である。1回のEXチャンスで3個のボールが供給されると、S203〜S204の処理がボール3個分同時に行われる。
【0034】
以上の実施の形態は抽選機で行うゲームとしてビンゴゲームの例を示したが、この他に例えばルーレット,ロト,ナンバーズなど、数字とポケット(孔)を使用して遊ぶことができるゲームを行うようにしてもよい。
また、球体としてボールの例を示したが、球体は転がりやすいものであれば、必ずしも球である必要はなく、楕円体やその他の曲面体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
イベント会場やゲームセンタに設置される抽選機を用いたマスメダルプッシャゲーム機である。
【符号の説明】
【0036】
1 遊戯装置
3 ボール
10 1Pターミナル
12,121,122,123,124 モニタ
13,131,132,133,134 エントリー
20 中央抽選機
21 漏斗状球体収集器
22 透明カバー
23 抽選盤
30 CPU
31 画像処理部
32 メモリ部
33 インターフェイス回路
35 通信部
37,41 駆動回路
38 メダルプッシャ機構
39 サウンド処理部
40 スピーカ
42 メダル払出し機構
43 ボール出力機構駆動回路
44 ボール出力機構
46 操作部
49 メダル検知部
50 抽選機回路
11,111,112,113,114 ボール供給路
141 プッシャ台
15,151 ボーナスチェッカ
16,161 スタートチェッカ
171 フィールド
181 メダル
211 落下通路
231 EXJP孔
232 数字孔
233 バンパー
234 IVENT孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のターミナルと、
ターミナルで特別入賞チャンスを得た場合に起動され、ターミナルから球体を受ける漏斗状球体収集器,該漏斗状球体収集器から落下した球体を入れるため多数の孔を有し、各孔はビンゴゲーム用の数字,符号に対応し、かつ特別入賞に対応する抽選盤および該抽選盤の孔に入った場合、その孔対応の情報をターミナルに返送する手段を含む抽選装置とからなる遊戯装置であって、
前記複数のターミナルのいずれかが特別入賞チャンスを得た場合、該特別入賞チャンスを得たターミナルが前記漏斗状球体収集器に球体を供給する手段と、
前記特別入賞チャンスを得たターミナルは、前記球体が特別入賞に対応する孔に入った場合、その特別入賞対応の払い出しを行う特別入賞実行手段と、
前記特別入賞チャンスを得たターミナル以外のターミナルは、前記球体がビンゴゲーム対応の孔に入った場合、ターミナルのモニタに表示されるビンゴゲームを行い、前記特別入賞実行手段による特別入賞となった場合、またはいずれのターミナルもビンゴが成立しなかった場合、つぎに抽選によるビンゴゲームでビンゴが成立したとき、前回のビンゴになったときに払い出されるメダル枚数に所定の枚数のメダル数を加えてメダルを払い出すビンゴゲーム実行手段と、
を有することを特徴とする抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置。
【請求項2】
各ターミナルはメダルプッシャ機構であり、
エントリーよりメダルが投入され、スタートチェッカーに入った場合、各ターミナルのモニタに表示されるスロットゲームの各リールを回転させ、リールが停止したときの数字,符号が所定の並びになった場合、特別入賞チャンスを得る第1特別入賞チャンス発生手段と、
メダルがボーナスチェッカーに入った場合、ボーナスメータを増加させ、ボーナスメータがフルになったとき、特別入賞チャンスを得る第2特別入賞チャンス発生手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置。
【請求項3】
前記各ターミナルは、他のターミナルが特別入賞チャンスを得た場合、ビンゴカードを未だ持っていないとき、ビンゴカードを作成し、
前記漏斗状球体収集器への球体供給により行われる抽選により前記ビンゴカードのビンゴゲームを進める手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置。
【請求項4】
前記第1および第2の特別入賞チャンス発生手段とでは供給される球体の数が異なり、そのとき供給された球体でいずれのターミナルでもビンゴが発生しなかった場合、
つぎに他のターミナルが特別入賞チャンスを得たとき、前記ビンゴが発生していないビンゴカードでビンゴゲームを継続することを特徴とする請求項1,2または3記載の抽選機によるボーナスゲームを備える遊戯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−24729(P2011−24729A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172451(P2009−172451)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)