説明

抽選装置、ゲーム機

【課題】抽選の過程の面白さを向上できる抽選装置、ゲーム機を提供する。
【解決手段】抽選装置10は、複数の領域14に区画され、プレイヤが視認可能に各区画14内に種類が異なる複数のボール12が入っている仕切板13と、仕切板13を回転駆動する仕切板回転駆動部15と、仕切板13が停止位置で停止している状態で、区画14複数のボール12のなかから1つを無作為に抽出するボール抽出部20と、ボール抽出部20が抽出したボール12の種類を検出するボール検出部25と、抽選制御部42aとを備え、抽選制御部42aは、仕切板回転駆動部15を制御して回転している仕切板13を停止位置で停止させ、ボール抽出部20を制御して停止位置における区画14内の複数のボール12のなかから1つを無作為に抽出し、ボール検出部25の出力に基づいて、ボール抽出部20が抽出したボール12を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体を利用した抽選を行う抽選装置、ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スロット等の回転体を回転させて、プレイヤが停止ボタンを押して抽選を行うゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機は、スロット等の回転を停止させるだけのものであり、抽選の過程が単純であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3944517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、抽選の過程の面白さを向上できる抽選装置、ゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、複数の領域(14(14−1〜14−4),214(214−1〜214−4))に区画され、プレイヤが視認可能に前記各区画内に種類が異なる複数のボール(12)が入っている回転体(13,211,213)と、前記回転体を回転駆動する駆動部(15)と、回転体が停止位置で停止している状態で、前記区画内の複数のボールのなかから1つを無作為に抽出する抽出部(20,220)と、前記抽出部が抽出した前記ボールの種類を検出する検出部(25)と、抽選に関する制御を行う抽選制御部(42a)とを備え、前記抽選制御部は、前記駆動部を制御して回転している前記回転体を、複数の前記区画のうちいずれかが停止位置になるように停止させる第1段階の抽選を行い、前記抽出部を制御して前記停止位置における前記区画内の複数のボールのなかから1つを無作為に抽出する第2段階の抽選を行い、前記検出部の出力に基づいて、前記抽出部が抽出したボールを判定すること、を特徴とする抽選装置である。
第2の発明は、第1の発明の抽選装置において、プレイヤが操作可能な操作部(16)を備え、前記抽選制御部(42a)は、制限時間の間前記操作部の操作を受け付けて前記駆動部(15)を制御して前記回転体(13,211,213)の回転速度を変化させ、前記制限時間を経過した場合に前記駆動部を制御して前記回転体の回転を停止させること、を特徴とする抽選装置である。
第3の発明は、第1又は第2の発明の抽選装置において、前記抽選制御部(42a)が判定した前記ボール(12)を前記判定した順番で配置し、プレイヤが視認可能に貯留する貯留部(31)を備えること、を特徴とする抽選装置である。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の抽選装置(10,210)と、前記抽選制御部(42a)が判定した前記ボール(12)の種類に応じてプレイを進行するプレイ制御部(42b)と、を備えるゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
第1の発明は、駆動部を制御して回転している回転体を停止位置で停止させるという第1段階の抽選と、抽出部を制御して停止位置における区画内の複数のボールのなかから1つを無作為に抽出する第2段階の抽選とを行う。このため、第1段階の抽選で所望の位置で停止しても、第2段階の抽選で所望のボールが抽出されなければ、有利なプレイ進行とはならないので、抽選時のプレイヤのハラハラ感、ドキドキ感を向上でき、抽選の過程の面白さを向上できる。
第2の発明は、制限時間の間操作部の操作を受け付けて回転体の回転速度を変化させ、制限時間を経過した場合に回転体の回転を停止させるので、第1段階の抽選においては、プレイヤの技量によって所望の位置にできる。なお、第2段階の抽選においては、ボールの無作為な偶然性の抽選が維持されるので、第1段階の抽選においてプレイヤの技量によって抽選結果が左右されても、第1及び第2段階の総合的な抽選結果にプレイヤの技量が極端に反映されないような構成にできる。
【0008】
第3の発明は、貯留部がボールを判定した順番で配置し、プレイヤが視認可能に貯留するので、プレイヤは、抽選したボールをその順番で確認でき、また、抽選されずに回転体内に残っているボールの種類も確認できる。
第4の発明は、判定したボールの種類に応じてプレイを進行するので、抽選装置の結果に応じてプレイ進行するゲームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
【図2】第1実施形態のゲーム機1のプレイ画面を示す図である。
【図3】第1実施形態のカプセル11近傍の構成を説明する図である。
【図4】第1実施形態のボール抽出部20の動作を説明する斜視図である。
【図5】第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の抽選装置210を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図2は、第1実施形態のゲーム機1のプレイ画面を示す図である。
図3は、第1実施形態のカプセル11近傍の構成を説明する斜視図、断面図である。
図3(a)は、カプセル11近傍の斜視図である。
図3(b)は、カプセル11近傍を左右方向Xから見た断面図である。
図3(c)は、ボール抽出部20の斜視図である。
図3(d)は、回転テーブル22、固定テーブル23の斜視図である。
図3(e)は、回転テーブル22、固定テーブル23の分解斜視図である。
図4は、第1実施形態のボール抽出部20の動作を説明する斜視図である。
【0011】
図1に示すように、ゲーム機1は、主にゲームセンタ等の店舗等に設置され、ビンゴゲームを行う装置である。ゲーム機1は、カプセル11内のボール12を抽選により抽出して、そのボール12の番号に従ってビンゴゲームを進行するものである。ゲーム機1は、プレイヤが椅子に座ったり、立った状態でプレイするようになっている。
【0012】
ゲーム機1は、ケース2、メダル投入口3、操作ボタン4、メダル払い出し口5、表示部6、抽選装置10を備える。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
メダル投入口3は、プレイヤがプレイするための投入口である。メダル投入口3は、光学センサ等のメダル検出部が設けられており、メダル検出部は、投入されたメダルを検出すると、検出情報を制御部42(図5参照)に出力する。
【0013】
操作ボタン4は、ケース2の前面の操作パネル2aに設けられている。操作ボタン4は、BETボタン4a、スタートボタン4b、払い出しボタン4cを備える。各ボタンは、操作情報を制御部42(図5参照)に出力する。
BETボタン4aは、一回の抽選で何枚のメダルをBETする(賭ける)かを、プレイヤが選択するためのボタンである。
スタートボタン4bは、プレイヤがビンゴゲームの抽選開始をする場合に操作するボタンである。
払い出しボタン4cは、プレイヤの持分のメダル枚数(以下、「クレジット数」という)を払い出す場合に、プレイヤが操作するためのボタンである。
【0014】
メダル払い出し口5は、プレイヤがクレジット数のメダルを払い出すための払い出し口である。メダル払い出し口5へは、ゲーム機1内部のメダル貯留部(図示せず)に貯留されたメダルのうちクレジット数分が、払い出し装置(図示せず)により、払い出されるようになっている。
【0015】
図2に示すように、表示部6は、プレイ画面を表示する液晶表示装置等である。
表示部6の表示領域は、ビンゴ表示部6a、倍率表示部6b、メダル数表示部6c、残時間表示部6g、速度表示部6hを有する。
ビンゴ表示部6aは、縦5列、横5行の25マスのビンゴカードを表示する領域である。
倍率表示部6bは、抽選のレートを表示する領域である。例えば、レート「5」でありBET数が「12」であれば、1列のビンゴが成立した場合には、「レート5×BET数12×1列=60枚」のメダルがプレイヤに与えられる。
【0016】
メダル数表示部6cは、プレイヤのプレイに関するメダル数を表示する領域である。メダル数表示部6cは、CREDIT表示部6d、WIN表示部6e、BET表示部6fを有する。
CREDIT表示部6dは、クレジット数を表示する領域である。CREDIT表示部6dは、プレイヤがメダル投入口3にメダル投入した場合、プレイヤがBETした場合、後述する抽選によりビンゴが成立した場合等に、クレジット数を更新する。
WIN表示部6eは、後述する抽選によってビンゴが成立し、プレイヤに与えられたメダル数を表示する領域である。
BET表示部6fは、プレイヤがBETしたメダル数を表示する領域である。
【0017】
残時間表示部6gは、抽選の残時間を表示する領域である。
速度表示部6hは、仕切板13(後述する)の速度を表示するレベルメータである。本実施形態では、操作部としてブレーキペダル16(後述する)を用い、仕切板13の速度をレベル表示することにより、プレイヤが自動車を運転しているような感覚でプレイできるようになっている。なお、この表示速度は、仕切板13の実際の時速(km/h)を表すものではなく、仕切板13の回転速度の度合を表したものである。
【0018】
図1、図3に示すように、抽選装置10は、カプセル11、ボール12、仕切板13(回転体)、仕切板回転駆動部15、ブレーキペダル16(操作部)、ボール抽出部20、貯留部31を備える。
図3(a)に示すように、カプセル11は、透明な材料(例えば、ガラス、アクリル樹脂等)により形成された円筒である。カプセル11は、表示部6の上側Z2に配置されている。カプセル11は、中心軸の方向が左右方向Xになるように配置される。
図3(b)に示すように、カプセル11内部には、ボール12が入っている。
ボール12は、後述する抽選を行うための球体である。ボール12は、プレイヤが種類を識別できるように、それぞれ異なる色彩及び模様と、番号とが付されている。本実施形態では、25マスのビンゴゲームであるので、抽選2回につき1回が当選するように、1から50の番号が付された50個程のボール12が用意されている。
ボール12には、ボール12の種類、つまり番号を識別する情報が記録されたRFIDタグ(図示せず)が内蔵されている。
カプセル11が透明な材料により形成されているので、プレイヤは、カプセル11内部のボール12を目視で識別できる。
【0019】
図3(b)に示すように、仕切板13は、羽根13bによりその回転軸13aの周囲の領域が4つの領域に区画された回転体である。羽根13bは、カプセル11内部を4つの部屋に仕切り、各部屋内つまり各区画14(14−1〜14−4)内に収容されたボール12と一体で回転するようになっている。
【0020】
図3(a)に示すように、仕切板回転駆動部15は、仕切板13を回転駆動する装置である。仕切板回転駆動部15は、駆動力を付与するDCモータ15a、駆動力を仕切板13の回転軸13aに伝達するベルト15b等を備える。
【0021】
図1に示すように、ブレーキペダル16は、プレイヤが足で操作するペダルである。ブレーキペダル16は、ケース2正面の下側Z1に配置されている。ブレーキペダル16には、可変抵抗器(図示せず)が設けられており、操作量に応じた検出情報を、制御部42(図5参照)に出力する。ブレーキペダル16が操作されることにより、制御部42が仕切板回転駆動部15を制御して、仕切板13の回転速度が減速するようになっている。
このようにゲーム機1は、ブレーキペダル16を自動車のブレーキペダルのように足で操作できる。
【0022】
図3(c)に示すように、ボール抽出部20は、仕切板13が停止位置で停止している状態で、区画内の複数のボール12のなかから1つを無作為に抽出する装置である。
ボール抽出部20は、カプセル底面21、回転テーブル22、固定テーブル23、突起24、ボール検出部25を備える。
カプセル底面21は、カプセル11の底面を構成する部分である。カプセル底面21は、仕切板13の抽選時において、プレイヤが所望の区画14を停止させる停止領域(停止位置)である。カプセル底面21は、中心に至る程下側Z1に向かうにように傾斜している。このため、カプセル底面21に配置されたボール12は、カプセル底面21の中心に向かって転がるようになっている。
なお、仕切板13の回転時において、仕切板13の先端13c及びカプセル底面21の間の隙間は、ボール12の直径よりも十分に小さい。このため、仕切板13の回転時において、ボール12は、仕切板13の先端13c及びカプセル底面21の間を通過することはない。
【0023】
回転テーブル22は、カプセル底面21の中心に配置されている。
回転テーブル22は、円盤状の部材であり、表面の外縁部22bがカプセル底面21の表面にほぼ一致するように配置される。このため、カプセル底面21に配置されたボール12は、回転テーブル22上に集まるようになっている。
図3(d)、図3(e)に示すように、回転テーブル22の厚みtは、ボール12の直径とほぼ同等である。
回転テーブル22は、DCモータ等を備える回転テーブル駆動部22c(図5参照)に、回転軸22aが接続されており、回転テーブル駆動部22cによって回転駆動される。
【0024】
回転テーブル22は、切り欠き22dを有している。
切り欠き22dは、回転テーブル22を扇形状に切り欠いた部分である。切り欠き22dの大きさは、その内側に、ボール12と同じ直径の円が1つ収まる大きさである。回転テーブル22の厚みがボール12の直径とほぼ同等であるので、切り欠き22dは、ボール12のほぼ全体を収容できる。
回転テーブル22は、通常時は、切り欠き22dが突起24の直下に位置する基準位置(図3(d)の位置)に配置されており、ボール抽出部20による抽選時のみ、回転軸22aを中心に1周回転駆動されるようになっている。
【0025】
固定テーブル23は、平面形状(上側Z2から見たときの形状)の大きさが回転テーブル22とほぼ同じ大きさの円盤状の部材である。固定テーブル23は、回転軸挿入孔23a、ボール通過孔23bを有している。
回転軸挿入孔23aは、固定テーブル23の中心に設けられた貫通孔であり、回転テーブル22の回転軸22aが挿入されている。
ボール通過孔23bは、突起24の直下に設けられた円形の孔である。ボール通過孔23bは、その大きさがボール12よりも大きいため、ボール12が通過できる。ボール通過孔23bは、ゲーム機1内部でボール12を搬送する搬送路30に接続されている。
【0026】
突起24は、カプセル11から回転テーブル22上部に向けて、水平に突出するように設けられている。突起24は、回転テーブル22が基準位置に配置された状態(図4(a)の状態)において、突起24及び切り欠き22d間に、ボール12の直径よりも大きな隙間が生じないように、その形状、配置が設定されている。
【0027】
ボール検出部25は、ボール抽出部20が抽出したボール12の種類を検出するリーダである。ボール検出部25は、ボール通過孔23b直下の搬送路30近傍に配置されており、搬送路30を通過するボール12のRFIDタグの情報を読み取る。
【0028】
図1に示すように、貯留部31は、表示部6の右側X2に配置されている。貯留部31は、透明な材質により形成された筒体であり、プレイヤが内部を視認できるようになっている。貯留部31は、搬送路30を介して、固定テーブル23のボール通過孔23bに接続されている。貯留部31は、中心軸の方向が手前側Y1に至る程下側Z1に傾斜するように配置されている。
このため、貯留部31は、ボール検出部25が検出し制御部42(図5参照)が判定したボール12を、判定した順番で配置し、プレイヤが視認可能に貯留できる。
なお、ボール12は、貯留部31に一定量貯留されると、ゲーム機1内部の回収容器(図示せず)に回収される。
【0029】
図4を参照して、ボール抽出部20の動作について説明する。
図4(a)に示すように、回転テーブル22が基準位置に配置されている状態で、カプセル底面21にボール12が載置されると(図3(c)参照)、カプセル底面21が傾斜しているため、ボール12は、転がって回転テーブル22上に載置される。回転テーブル22が基準位置に配置されている状態では、突起24及び切り欠き22dの間には、ボール12の直径よりも大きな隙間が生じないので、ボール12が切り欠き22dに入ってしまうことはない。
【0030】
図4(b)、図4(c)に示すように、回転テーブル22が回転駆動されると、回転駆動されている途中で、回転テーブル22上に載置されたボール12の1つが切り欠き22d内に収容される。回転テーブル22は、切り欠き22d内にボール12を収容した状態で、回転テーブル22が回転駆動し、ボール12を回転移動する。
図4(d)に示すように、回転テーブル22が基準位置まで回転駆動すると、ボール12は、切り欠き22dの直下まで回転移動する。固定テーブル23は、切り欠き22dの直下に、ボール通過孔23bが設けられているので、回転テーブル22によって移動されたボール12は、ボール通過孔23bから搬送路30に落下する。
【0031】
ボール検出部25は、搬送路30に落下したボール12のRFIDを検出して、検出情報を制御部42(図5参照)に出力する。
なお、ボール通過孔23bから落下したボール12は、搬送路30を通って貯留部31に貯留される(図1参照)。
【0032】
図5は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、前述したハードウェアの他に、ボール装填装置40、記憶部41、制御部42を備えている。
ボール装填装置40は、新たなビンゴゲーム開始時に、貯留部31からボール収容容器(図示せず)に収容されたボール12を、カプセル11内に戻して装填する装置である。ボール装填装置40は、ベルト(図示せず)や、螺旋の羽根を有する軸体(図示せず)を駆動することによって、貯留部31のボール12をカプセル11まで搬送する。なお、ボール12をカプセル11内に戻す場合には、制御部42が仕切板13を回転しながらボール装填装置40を制御することにより、カプセル11内のボール12の番号が不規則であり、かつ、各区画14のボール12の数量が均等になるように装填される。
【0033】
記憶部41は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶したり、ゲーム機1の動作のための一時記憶領域を有するハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部41は、このビンゴゲームを進行するためのゲームプログラム41a等を記憶している。
【0034】
制御部42は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部42は、記憶部41に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部42は、抽選制御部42a、プレイ進行制御部42b、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するバスを備えている。
抽選制御部42aは、抽選装置10の抽選処理に関する処理をする制御部である。抽選制御部42aの制御は、後述する。
プレイ進行制御部42bは、ビンゴゲームのプレイ進行に関する処理をする制御部である。
【0035】
なお、実施形態において、抽選装置10は、ゲーム機1本体の制御部42により制御されているが、本発明でいう抽選装置10とは、ゲーム機1のこの制御部42を利用した形態も含まれる概念である。つまり、抽選装置10は、ゲーム機1の制御部42を共有する形態であってもよいし、抽選装置10自体に抽選装置10のみを制御する制御部を備え、この制御部とゲーム機1の制御部42間で情報を伝達できるようにしてもよい。
【0036】
次に、ゲーム機1の動作について説明する。
図6は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
最初に、ステップS(以下、単に「S」という)1において、プレイヤがメダル投入口3にメダル投入すると、メダル投入センサ(図示せず)の出力に基づいて、制御部42が処理を開始する。プレイ進行制御部42bは、投入されたメダルの枚数をカウントして、CREDIT表示部6dに表示する。
S2において、プレイ進行制御部42bは、BETボタン4aの操作を受け付けて、BET数をBET数表示部6fに表示する。なお、プレイ進行制御部42bは、クレジット数からBET数を減算する。
S3において、抽選制御部42aは、スタートボタン4bからの出力に基づいて、スタートボタン4bが操作されたか否かを判定する。抽選制御部42aは、スタートボタン4bが操作されたと判定した場合には(S3:YES)、S4に進み、一方、スタートボタン4bが操作されていないと判定した場合には(S3:NO)、S1からの処理を繰り返す。
【0037】
S4において、抽選制御部42aは、スタートボタン4bが操作されたことにより(S3:YES)、仕切板回転駆動部15を制御して、仕切板13を一定速度で回転駆動する。
S5において、抽選制御部42aは、20秒間(制限時間)のカウントダウンを開始して、残時間を残時間表示部6gに表示する(図2参照)。
【0038】
S6において、抽選制御部42aは、ブレーキペダル16が操作されたか否かを判定する。抽選制御部42aは、ブレーキペダル16が操作されたと判定した場合には(S6:YES)、S7に進み、一方、ブレーキペダル16が操作されていないと判定した場合には(S6:NO)、S8に進む。
S7において、抽選制御部42aは、ブレーキペダル16の操作量に応じて、仕切板回転駆動部15を制御して仕切板13の回転速度を減速する。これにより、プレイヤは、所望の回転速度に仕切板13を操作できる。
S8において、抽選制御部42aは、制限時間20秒が経過したかを判定する。抽選制御部42aは、制限時間20秒が経過したと判定した場合には(S8:YES)、S9に進み、一方、経過していないと判定した場合には(S8:NO)、S6からの処理を繰り返す。
【0039】
S9において、抽選制御部42aは、制限時間20秒が経過したことに応じて(S8:YES)、仕切板13が回転方向とは反対方向に減速するように仕切板回転駆動部15を制御して、仕切板13を停止する。仕切板13の停止処理は、仕切板13が慣性で回転移動しないように、ピタッと停止するように行う。このため、ゲーム機1は、仕切板回転駆動部15に、回転軸13aを挟み込むようなブレーキ機構を備えていてもよい。
S10において、抽選制御部42aは、回転テーブル22を基準位置から1周回転駆動する。これにより、カプセル底面21に配置されていた区画14に収容されたボール12のうち1つが、固定テーブル23のボール通過孔23bに落下する。これにより、区画14に収容された複数のボール12のうち1つが、無作為に抽出されることになる。
【0040】
このように、プレイヤは、所望のボール12を抽選させようとする場合には、まず、第1段階の抽選として、ブレーキペダル16を操作して仕切板13を停止するという抽選行為を行う。この第1段階の抽選では、プレイヤは、残時間表示部6gの表示が「0」となり制限時間20が経過するときに、所望のボール12が収容された区画14が、停止位置としてカプセル底面21に配置されるように、ブレーキペダル16を操作して仕切板13を停止しなければならない(S4〜S9)。
これにより、ゲーム機1は、プレイヤに対して、残時間と回転速度とに気を配り、所望の区画14で仕切板13を停止させるといったプレイを促すことができるので、抽選行為自体を楽しめるゲームを提供できる。また、プレイヤが仕切板13の回転速度を変化させて、仕切板13による抽選行為自体に積極的に寄与できるゲームを提供できる。
さらに、ゲーム機1は、映像等ではなく物理的に回転している仕切板13を、ゲーム機1が操作できるので、物理的なギミックを操作できリアリティを向上できる。
【0041】
その後、ゲーム機1は、第2段階の抽選として、回転テーブル22を回転駆動して、区画14内の複数のボール12のなかから1つを無作為に抽出する(S10)。このため、第1段階の抽選で仕切板13を所望の位置で停止しても、第2段階の抽選で所望のボール12が抽出されなければ、プレイヤにとって有利なプレイ進行とはならない。このように、ゲーム機1は、2段階の抽選を行うことにより、抽選時のプレイヤのハラハラ感、ドキドキ感を向上できる。
また、ゲーム機1は、第1段階の抽選においてプレイヤの技量によって抽選結果が左右されても、第2段階で無作為な抽選を行うことにより、プレイヤの技量が総合的な抽選結果に極端に反映されないような構成にできる。
【0042】
S11において、ボール検出部25は、ボール通過孔23bに落下して搬送路30を通過するボール12のRFIDタグを検出し、検出情報を抽選制御部42aに出力する。抽選制御部42aは、ボール検出部25の出力に基づいて、ボール12の番号を判別して、判別したボール12の番号を、プレイ進行制御部42bに伝達する。
なお、ボール12は、搬送路30を通って、貯留部31に貯留される。
S12において、プレイ進行制御部42bは、ボール12の番号に基づいて、ビンゴゲームを進行する。つまり、プレイ進行制御部42bは、ビンゴカードにボール12の番号と同じ番号があるか否かを判定し、同じ番号があった場合には、その番号のマスを有効にする。そして、ビンゴが成立した場合には、BET数及びレートを積算したWIN数を、WIN表示部6eに表示して、また、CREDIT表示部6dのクレジット数にWIN数を加算した数値を表示する。
【0043】
S13において、プレイ進行制御部42bは、プレイ終了したか否かを判定する。プレイ終了した場合とは、全てのクレジット数をBETしてビンゴゲームで負けたためにクレジット数が「0」になった場合、プレイヤが払い出しボタン4cを操作して全てのクレジット数のメダルを払い出したためにクレジット数が「0」になった場合等である。
プレイ進行制御部42bは、プレイ終了したと判定した場合には(S13:YES)、S14に進んで処理を終了し、一方、プレイ終了していないと判定した場合には(S13:NO)、S1からの処理を繰り返す。
【0044】
以上説明したように、ゲーム機1は、プレイヤが仕切板13の回転速度を変化させて、仕切板13による抽選行為自体をプレイヤが楽しめ、仕切板13による抽選行為自体に積極的に寄与できるゲームを提供できる。
【0045】
また、ゲーム機1は、仕切板13を停止させるという第1段階の抽選と、複数のボール12のなかから1つを無作為に抽出する第2段階の抽選後とを行う。このため、第1段階の抽選で所望の位置で停止しても、第2段階の抽選で所望のボール12が抽出されなければ、有利なプレイ進行とはならないので、抽選時のプレイヤのハラハラ感、ドキドキ感を向上できる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態のゲーム機の抽選装置210は、第1実施形態がカプセル内の仕切板213を回転させたのに対して、ルーレット211を利用している。以下、主に第1実施形態とは異なる構成について説明する。
図7は、第2実施形態の抽選装置210を説明する斜視図である。
図7(a)は、使用時の状態の斜視図であり、図7(b)は、分解斜視図である。
【0047】
抽選装置210は、ルーレット211、停止位置指示板217、ボール抽選部220を備える。
ルーレット211は、中心軸が鉛直方向Zになるように配置された円筒状の部材である。ルーレット211は、内部が仕切板213で4つの区画214(214−1〜214−4)に仕切られ、ボール12が収容されている。
ルーレット211は、駆動部(図示せず)によって回転駆動される。
停止位置指示板217は、ルーレット211を停止させる位置を示す指標である。抽選時には、プレイヤは、ブレーキペダル16(図1参照)を操作して、所望のボール12が収容された区画214を、停止位置指示板217の位置を狙って停止させなければならない。
【0048】
ボール抽選部220は、固定テーブル223、スライド板226を備える。
固定テーブル223は、ルーレット211を載置するテーブルである。固定テーブル223の表面は、ルーレット211の使用時には、ルーレット211の底部を形成する。固定テーブル223は、停止位置指示板217に対応する範囲に、ボール通過孔223bを備えている。
スライド板226は、固定テーブル223の表面に設けられている。スライド板226は、基準位置(破線で示す位置)では、ボール通過孔223bからボール12が通過しないように、ボール通過孔223bを覆う。一方、スライド板226は、基準位置から退避した退避位置(実線で示す位置)では、ボール通過孔223bからボール12が通過できるように、ボール通過孔223bから移動する。スライド板226は、モータ、スライド機構等を備えた駆動装置(図示せず)により駆動される。
【0049】
第2実施形態のゲーム機は、第1実施形態と同様に、第1段階の抽選時には、ルーレット211を回転させて、ブレーキペダル16(図1参照)の操作に応じて、制御部がルーレット211を停止する。そして、制御部は、スライド板226を基準位置から退避位置に駆動する。制御部は、ボール検出部25(図2参照)の出力に基づいて、停止位置指示板217に対応する位置に停止した区画214内の複数のボール12のうち1つが落下したと判定したならば、スライド板226を、基準位置に戻す。これにより、ゲーム機1は、この区画214内に配置されたボール12を無作為に抽出する。
なお、ボール12を確実に落下させるために、第1実施形態と同様な、回転テーブル22、固定テーブル23、突起24等の構成を設けてもよい。
【0050】
以上説明したように、第2実施形態のゲーム機は、ルーレット211等を備えた抽選装置210によっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0052】
(変形形態)
(1)実施形態において、ゲーム機は、2段階の抽選を行う例を示したが、これに限定されない。例えば、第2段階の抽選を行わずに、第1段階の抽選のみを行ってもよい。
この場合には、例えば、仕切板の代わりにスロット用のリール(回転体)を設けたり(第1実施形態)、ルーレットのみを設けて(第2実施形態)、回転軸の周囲を50区画に仕切ればよい。そして、停止位置に停止した区画を検出する検出部を設けて、制御部が検出部の出力に基づいて、その区画を判定してプレイ進行すればよい。この場合であっても、スロット、ルーレットを制限時間及びブレーキペダルを操作して停止させることにより、スロット、ルーレット等を用いて、従来とは異なる新しい抽選を用いたゲームを提供できる。
【0053】
(2)実施形態において、ゲーム機は、ブレーキペダル16によって、回転体の速度を減速する例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機は、アクセルペダルを新たに設けて、アクセルペダル及びブレーキペダル16によって、回転体の速度を任意に調整できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…ゲーム機 10,210…抽選装置 11…カプセル 12…ボール 13,213…仕切板 15…仕切板回転駆動部 14(14−1〜14−4),214(214−1〜214−4)…区画 16…ブレーキペダル 20,220…ボール抽出部 21…カプセル底面 22…回転テーブル 23,223…固定テーブル 24…突起 25…ボール検出部 31…貯留部 42…制御部 42a…抽選制御部 42b…プレイ進行制御部 211…ルーレット 217…停止位置指示板 226…スライド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域に区画され、プレイヤが視認可能に前記各区画内に種類が異なる複数のボールが入っている回転体と、
前記回転体を回転駆動する駆動部と、
回転体が停止位置で停止している状態で、前記区画内の複数のボールのなかから1つを無作為に抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記ボールの種類を検出する検出部と、
抽選に関する制御を行う抽選制御部とを備え、
前記抽選制御部は、
前記駆動部を制御して回転している前記回転体を、複数の前記区画のうちいずれかが停止位置になるように停止させる第1段階の抽選を行い、
前記抽出部を制御して前記停止位置における前記区画内の複数のボールのなかから1つを無作為に抽出する第2段階の抽選を行い、
前記検出部の出力に基づいて、前記抽出部が抽出したボールを判定すること、
を特徴とする抽選装置。
【請求項2】
請求項1に記載の抽選装置において、
プレイヤが操作可能な操作部を備え、
前記抽選制御部は、制限時間の間前記操作部の操作を受け付けて前記駆動部を制御して前記回転体の回転速度を変化させ、前記制限時間を経過した場合に前記駆動部を制御して前記回転体の回転を停止させること、
を特徴とする抽選装置。
【請求項3】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の抽選装置において、
前記抽選制御部が判定した前記ボールを前記判定した順番で配置し、プレイヤが視認可能に貯留する貯留部を備えること、
を特徴とする抽選装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の抽選装置と、
前記抽選制御部が判定した前記ボールの種類に応じてプレイを進行するプレイ制御部と、
を備えるゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−125357(P2012−125357A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278432(P2010−278432)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】