抽選装置
【課題】抽選媒体を捕捉可能な捕捉部を有する抽選盤を移動させる構成の抽選装置において、追加的な動力機構を用いることなく、抽選に使用した抽選媒体を揚送することを可能にする。
【解決手段】移動面と、移動面を移動する抽選媒体Bを捕捉可能な捕捉部を有し、移動する抽選盤と、抽選盤に対して所定角度で起立し、抽選盤とともに移動し、抽選媒体Bを駆動可能な誘導面73と、抽選盤に対して所定角度で起立する係止面83とを備える抽選装置において、係止面83の抽選盤に対する起立角度を、誘導面73のそれよりも、相対的に傾斜させ、誘導面73による駆動により、抽選媒体Bを係止面84に沿って上方に向けて移送する。
【解決手段】移動面と、移動面を移動する抽選媒体Bを捕捉可能な捕捉部を有し、移動する抽選盤と、抽選盤に対して所定角度で起立し、抽選盤とともに移動し、抽選媒体Bを駆動可能な誘導面73と、抽選盤に対して所定角度で起立する係止面83とを備える抽選装置において、係止面83の抽選盤に対する起立角度を、誘導面73のそれよりも、相対的に傾斜させ、誘導面73による駆動により、抽選媒体Bを係止面84に沿って上方に向けて移送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有体物の抽選媒体を用いて物理的な抽選を行う抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルゲーム機等の遊技機に使用される抽選装置には、ボール等の有体物を抽選媒体として用いて物理的抽選(あるいは機械式抽選)を行うものが知られている。この種の抽選装置では、遊技フィールド内に抽選媒体を捕捉可能な複数の捕捉部(ポケットなど)を有する抽選盤が配置されており、遊技フィールドに投入された抽選媒体が遊技フィールド内で移動した後に抽選盤のどの捕捉部に捕捉されたかにより抽選結果が決定される。
【0003】
上記のような物理的抽選は、コンピュータにより抽選結果を決定するデジタル抽選と異なり、遊技者が抽選の過程を直接視認できることから、ソフトウェア的な操作やごまかしへの疑念を生みにくく、遊技者に信頼感を与え易い点で優れている。
【0004】
特許文献1には複数段階で物理的抽選を行なう抽選装置を備える遊技機が示されている。特許文献1の遊技機は、ゲームフィールドMF内に複数の孔部(捕捉部)51,61を有する複数段のボール転動用円板(抽選盤)5A,5B,6を備えている。抽選媒体であるボールBは、最初、上段のボール転動用円板5Aに投入されてある程度の時間転動した後に、いずれかの孔部51に捕捉されて中段のボール転動用円板5Bに落下する。ボール転動用円板5Bに落下したボールBは同様にしていずれかの孔部51から最下段のボール転動用円板6に落下し、最終的にボールBがどの孔部61に捕捉されたかにより抽選結果が決定される。孔部61に捕捉されたボールBはガイド体71からボール供給口42に導かれ、上段のボール転動用円板5Aに再投入することが可能な高さまでコンベア41により上方に向けて移送(揚送)される。
【0005】
一般に、物理的抽選を行う抽選装置では、抽選の興趣性や抽選結果の予測困難性を高めることが重要である。特許文献1の遊技機では、3段のボール転動用円板5A,5B,6を用いて複数段階の抽選を行うことで抽選の興趣性の向上が図られ、更に、各ボール転動用円板5A,5B,6を移動させる(軸62A,62Bの周りで回転させる)ことで抽選結果の予測困難性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4323385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の抽選装置は、ボールの自重を利用した抽選機構を採用しているため、ゲームフィールド内における抽選媒体の移動方向は上方から下方への移動に限られている。そのため、抽選によりボール転動用円板6の下方(ボール供給部42)まで下降したボールBを再度ボール転動用円板5Aに投入するには、コンベア41による揚送が必要である。
【0008】
このように、従来の物理的抽選を行う抽選装置では、コンベア41等による揚送が必要であることから、ボール転動用円板5A,5B,6を移動(回転)させるための動力機構とは別個にボールBの揚送のための専用の動力機構が必要となり、これにより、装置の大型化や装置コストの増大を招く問題がある。
【0009】
また、複数のボール転動用円板(抽選盤)を用いて段階的に抽選を行うのであれば、抽選への期待感を盛り上げる演出として、又は、後段の抽選ほど周囲から見え易くするために、段階が進むに従ってより高い位置に配置された抽選盤で抽選を行うことが望ましい場合がある。しかし、これには段階毎に抽選媒体を揚送するための複雑で高価な揚送機構が必要となるため、これまでのところ、そのような抽選装置は実現されていない。
【0010】
本発明は、上記状況においてなされたものであり、その主要な目的は以下の通りである。
【0011】
すなわち、本発明の目的は、抽選媒体を捕捉可能な捕捉部を有する抽選盤を移動させる構成の抽選装置において、追加的な動力機構を用いることなく、抽選に使用した抽選媒体を揚送することが可能な抽選装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、抽選媒体を捕捉可能な捕捉部を有する抽選盤を移動させる構成の抽選装置において、追加的な動力機構を用いることなく、抽選盤での抽選に使用した抽選媒体を再度その抽選盤に投入することを可能とした抽選装置を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、抽選媒体を捕捉可能な捕捉部を有する上下2段以上の抽選盤を移動させる構成の抽選装置において、追加的な動力機構を用いることなく、或いは、簡易な構成をもって、下方の抽選盤での抽選に使用した抽選媒体を上方の抽選盤に投入することを可能とした抽選装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、筐体と、抽選媒体が移動可能な第1移動面と、前記第1移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第1捕捉部を有し、前記筐体に対して第1の方向に移動する第1抽選盤と、前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤とともに移動し、前記抽選媒体を前記第1の方向に向けて駆動することが可能な誘導面と、前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤に対して前記第1の方向の逆方向に移動する係止面とを備える抽選装置であって、前記係止面の前記第1抽選盤に対する起立角度は、前記誘導面の前記第1抽選盤に対する起立角度よりも、相対的に前記第1の方向側に傾斜しており、前記抽選媒体が、前記誘導面による前記第1の方向への駆動により、前記係止面に沿って上方に向けて移送されることを特徴とする抽選装置(請求項1)である。
【0015】
本発明では、移動面を移動する抽選媒体が第1捕捉部に捕捉されるか否かにより、あるいは、複数の第1捕捉部のいずれに捕捉されるかにより抽選を行うことが可能である。
【0016】
また、本発明では、係止面が誘導面よりも第1の方向側に傾斜しているために、誘導面による抽選媒体の第1の方向への駆動によって、抽選媒体を係止面に沿って上方に向けて移送(揚送)することが可能である。このように、第1抽選盤を第1の方向に移動させるための駆動機構とは別個の動力機構を設けることなく、第1抽選盤での抽選に使用した抽選媒体を揚送することが可能である。
【0017】
揚送した抽選媒体は、そのまま第1移動面に再度投入することも可能であり、別の目的に使用することも可能である。
【0018】
本発明の「抽選媒体」は、移動面を移動可能であり、第1捕捉部に捕捉されることが可能な任意の有体物である。抽選媒体の例としては、球形のボールや円板状のメダル、サイコロ等の多面体を挙げることができる。移動の態様は任意であり、例えば、抽選媒体の回転を伴う転動であっても良く、回転を伴わない滑動であっても良い。
【0019】
本発明の「移動面」は、抽選媒体が移動可能なサイズ、形状、特性等を有し、第1抽選盤に対して、移動面を移動する抽選媒体が第1捕捉部に捕捉され得る位置関係にある面である。「移動面」の例としては、特許文献1のように中心付近に複数の第1捕捉部(孔部)を有する凹状に湾曲した面(クルーン)や、後述の実施形態のように所定の態様で配列された複数の第1捕捉部に沿って敷設された軌道面を挙げることができる。
【0020】
本発明の「第1捕捉部」は、抽選媒体を捕捉できるサイズ、形状、特性等を有する部材で構成することが可能である。例えば、特許文献1又は後述の実施形態のように、球形の抽選媒体が転がり込む態様で抽選媒体を捕捉する孔、凹み乃至ポケットを第1捕捉部とすることも可能であり、強磁性の抽選媒体を磁力で捕捉する磁石で第1捕捉部を構成することも可能である。
【0021】
本発明の「捕捉」は、抽選媒体を捕らえてそれ以上移動面上で移動できなくすることを言い、一旦捕捉した抽選媒体は一定時間以上捕捉部に保持しても良く、捕捉直後に捕捉部から移動(例えば、特許文献1のように孔部から落下させるなど)させても構わない。
【0022】
本発明の「係止面」と「第1抽選盤」は相互に対して逆方向に移動するが、「係止面」を筐体に対して移動させるか否かは任意である。すなわち、「第1抽選盤」は第1の方向に移動するのだから、「係止面」を筐体に対して不動とした場合、第1の方向の逆方向に移動させた場合、「第1抽選盤」より低速で第1の方向に移動させた場合のいずれの場合でも、「係止面」は「第1抽選盤」に対して逆方向に移動することになる。
【0023】
誘導面及び係止面が第1抽選盤から起立する角度は任意であるが、係止面が誘導面よりも第1の方向側に傾斜していることは必要であり、これにより、抽選媒体の第1の方向への駆動によって、抽選媒体を係止面に沿って上方に移送することが可能になる。
【0024】
抽選媒体の揚送の安定化を図るためには、誘導面は鉛直方向に対して第1の方向の逆側に傾斜している(誘導面の法線が第1の方向に対して上方に傾斜している)ことが好ましく、及び/又は、係止面は鉛直方向に対して第1の方向側に傾斜している(係止面の法線が第1の方向の逆方向に対して上方に傾斜している)ことが好ましい。
【0025】
抽選媒体の揚送の安定化を図るためには、誘導面の法線が第1の方向に対して係止面側に傾斜していることが更に好ましく、及び/又は、係止面の法線が第1の方向の逆方向に対して誘導面側に傾斜していることが更に好ましい。
【0026】
本発明における第1抽選盤及び誘導面の「移動」は、直線状、曲線状、ジグザグ状、左右往復動など任意の態様の移動とすることができるが、第1抽選盤を概略鉛直方向の第1回転軸の周りで筐体に対して回転可能とし、第1抽選盤が当該第1回転軸の周りの第1の回転方向に回転するものとする(請求項2)ことにより、第1抽選盤の駆動機構の簡略化を図ることができる。
【0027】
本発明における「第1の回転方向」は、時計回り方向又はその逆の回転方向である。
【0028】
本発明では、前記第1抽選盤は、複数の前記第1捕捉部を有し、前記第1捕捉部の一部は、捕捉した前記抽選媒体を前記第1抽選盤の回転半径方向に通過させる通路を有する通過捕捉部であること(請求項3)が好ましい。
【0029】
かかる発明では、通過捕捉部に捕捉された抽選媒体を回転半径方向に移動させることが可能である。したがって、抽選媒体が通路を有する通過捕捉部に捕捉されるか、あるいは、通路を有さない他の第1捕捉部に捕捉されるかにより抽選媒体の振り分けを行うことが可能である。
【0030】
振り分けられた抽選媒体のそれぞれをどのように処理し、あるいは、使用するかは任意である。しかし、前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部(好ましくは、通過捕捉部及びそれ以外の第1捕捉部の少なくとも一部)が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、前記誘導面及び前記係止面が前記円周の内周側又は外周側に位置し、前記通路を通過した前記抽選媒体が前記誘導面及び前記係止面により上方に向けて移送される(請求項4)ことが特に好ましく、この場合には、通過捕捉部に捕捉された抽選媒体(通路を通過して回転半径方向に移動した抽選媒体)のみを揚送することが可能となる。
【0031】
揚送された抽選媒体は、第1抽選盤とは別の抽選機構に投入し、あるいは、再度第1抽選盤(の第1移送面)に投入することが考えられ、この場合には、抽選媒体が通過捕捉部に捕捉された場合に2段階の抽選が行われる抽選装置とすることができる。
【0032】
本発明では、前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、前記円周上の位置で前記筐体に固定され、前記第1捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を検知する検知手段と、前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体が前記通路を通過することが可能な開放状態と、前記通路を通過することができない閉鎖状態との間で前記通過捕捉部の状態を変化させる開閉手段とを更に有し、前記開閉手段は、前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を前記検知手段により検知することが可能な位置に前記通過捕捉部が到達するまで前記通過捕捉部を前記閉鎖状態とし、前記通過捕捉部が当該位置を通過した後に前記通過捕捉部を前記開放状態とすること(請求項5)が好ましい。
【0033】
本発明では、所定の円周上に配置された複数の第1捕捉部における抽選媒体の捕捉を単一の検知手段で検知することが可能になる。そのため、検知手段の少数化によるコスト低減や配線の引き回しの容易化等の効果が達成される。
【0034】
また、本発明の通過捕捉部は、抽選媒体を回転半径方向に通過させる通路を有するため、抽選媒体が当該通路を通過した後では上記円周上に配置された検知手段での抽選媒体の検知が出来なくなる。しかし、本発明では、検知手段による抽選媒体の検知が可能な位置に通過捕捉部が到達するまでは、通過捕捉部は抽選媒体が通路を通過できない閉鎖状態に保たれるため、抽選媒体の検知の確実化を図ることができる。
【0035】
本発明では、抽選媒体が移動可能な第2移動面と、前記第2移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第2捕捉部を有し、概略鉛直方向の第2回転軸の周りで第2の回転方向に回転する前記第1抽選盤よりも高い位置に配置された第2抽選盤を更に備え、前記誘導面と前記係止面により上方に移送された前記抽選媒体が前記第2移動面に投入される(請求項6)ことが好ましい。
【0036】
かかる発明の抽選装置は、第1及び第2抽選盤を有しており、第1抽選盤を用いた第1段階の抽選で当選した(抽選媒体が通過捕捉部に捕捉された)場合に第2抽選盤を用いた第2段階の抽選に行うというように、抽選を段階化することが可能であり、これにより抽選の興趣性を高めることができる。更に、第2段階の抽選は、第1抽選盤よりも高い位置にある第2抽選盤で行われるため、抽選への期待感を盛り上げる演出効果を達成し、及び/又は、第2段階の抽選を周囲からより見え易い高い位置で行うことが可能になる。しかも、追加的な動力機構なしに第1抽選盤から第2抽選盤への抽選媒体の揚送が行われるため、装置の小型化及び/又は低価格化が達成される。
【0037】
本発明における「第2の回転方向」は、時計回り方向又はその逆の回転方向である。第1及び第2抽選盤を共通の回転軸の周りで回転させる場合、第1、第2の回転方向は同一の回転方向であっても良く、逆の回転方向であっても良い。
【0038】
本発明では、前記誘導面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する突起を形成し(請求項7)、及び/又は、前記係止面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する誘導溝を形成する(請求項8)ことが可能であり、これにより、係止体からの抽選媒体の放出を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る抽選装置を示す説明図。
【図2】操作パネルを示す説明図
【図3】本体装置の下方部分の外観を示す斜視説明図。
【図4】本体装置の下方部分を平面視で示す説明図。
【図5】基台、第1抽選盤及び第1内周壁の単一サテライト部分を示す説明図。
【図6】閉鎖捕捉体を示す説明図。
【図7】通過捕捉体を示す説明図。
【図8】変形形態に係る通過捕捉体を示す説明図。
【図9】第1誘導体を示す説明図。
【図10】第1係止体を示す説明図。
【図11】誘導面と係止面によるボールの揚送の態様を示す説明図。
【図12】第1誘導体、第1係止体及び第2レーンを取り外した状態の第2抽選部の単一サテライト部分を示す説明図。
【図13】第2誘導体、第2係止体及び第3レーンを取り外した状態の第3抽選部を示す説明図。
【図14】維持捕捉部の充足状況と変動捕捉部にボールが捕捉された場合のオッズの関係を示す説明図。
【図15】回転体を示す説明図。
【図16】回転体の昇降動作を示す説明図。
【図17】本体装置の上方部分を示す説明図。
【図18】ボール回収機構を示す説明図。
【図19】抽選装置の制御系統を示す説明図。
【図20】本実施形態に係る抽選装置における抽選ゲームのフローを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に従って本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0041】
図1は、物理的抽選(機械式抽選)を行う本発明の実施形態に係る例示的な抽選装置(抽選遊技機)1の外観を示す説明図である。
【0042】
図示のように、抽選装置1は、主として基体2と上部構造体3から構成されている。
【0043】
図示の例では、基体2は平面視で概略正方形の外形を有しており、その4辺が1人(又は1組)の遊技者により使用されるサテライト4(4A〜4D)となっている。各サテライト4は操作パネル5、メダル払出口10及び硬貨払出口11を有している。
【0044】
図2は、操作パネル5を拡大して示す説明図である。
【0045】
図示のように、操作パネル5は、メダル投入口12、メダル増ボタン13a、メダル減ボタン13b、抽選ボタン14、硬貨投入口15、精算ボタン16、クレジット表示部17、ベット数表示部18を有している。遊技者は、メダル投入口12又は硬貨投入口15からメダル又は硬貨を投入することでクレジット表示部17のクレジットを増加させることができ、増減ボタン13を操作することでベット数表示部18の数値をクレジットの範囲で増減させることが可能であり、抽選ボタン14を操作すると、ベット数表示部18に表示された数値をベット数とした抽選が行われる。精算ボタン16を操作すると、クレジット表示部17に表示される枚数のメダルがメダル払出口10に払い出される。詰まった硬貨や正常に検出できなかった硬貨は硬貨払出口11に払い出される。
【0046】
上部構造体3は、基体2に立設された4本の柱6と、柱6の上部に載置された天井7と、柱6間に張られたアクリル等の透明板8を有している。透明板8から見える上部構造体3内の空間が抽選ゲームのためのゲームフィールドGFであり、当該ゲームフィールドGFにボールBを用いた物理的抽選を行う本体装置9が設置されている。
【0047】
本体装置9は、下方部分9Aと上方部分9Bから構成されている。後述のように、下方部分9Aは、4つのサテライト4それぞれにおける抽選に使用される専用領域を含むが、上方部分9Bは、4つのサテライト4の共用となっている。
【0048】
図3,4は、本体装置9の下方部分9Aの外観を示す説明図であり、図3では斜視図により、図4では平面図により下方部分9Aが示されている。図3では、主として正面のサテライト4の抽選で使用される領域が示され、他のサテライト4の第1〜第3レーン23,33,43、第1、第2内周壁24,34等は取り外された状態が示されている。
【0049】
下方部分9Aは、それぞれ異なる高さ位置に設置された第1〜第3基台21,31,41を有している。
【0050】
第1基台21には各サテライト4の左端位置に抽選媒体であるボールBを第1レーン23に投入するためのボール投入装置22が据え付けられている。ボールBは、各サテライト4間で識別可能なものを使用することが好ましく、本実施形態では、各サテライト4のボール投入装置22からそれぞれ異なる色のボールBが投入される。
【0051】
第1〜第3基台21,31,41上にはそれぞれ、サテライト4毎に第1〜第3レーン23,33,43が敷設されている。
【0052】
第1〜第3レーン23,33,43はそれぞれ、正面視では中央部ほど低くなるように凹状(円弧状)に湾曲した板状の部材である。平面視では、第1〜第3レーン23,33,43は、この順に曲率半径が小さくなる仰角が概略90度の円弧(扇形)形状を有しており、第2レーン33は第1レーン23の内周側に離間して、第3レーン43は第2レーン33の内周側に離間して相互に同心状に配置されている。
【0053】
第1〜第3レーン23,33,43の上面は、ボールBが移動(転動)することが可能な移動面であり、各移動面には中央部ほど内周側に向けて下降するように傾斜が与えられている。第1〜第3レーン23,33,43は、ボールBが円滑に移動面上を移動できる物性、サイズ、形状等(平滑性、硬度、幅、湾曲度等)を有する材料で構成されている。各移動面は、その外周側及び内周側にそれぞれ所定高さで起立する外壁23a,33a,43a及び内壁23b,33b,43bを有し、各内壁23b,33b,43bの概略中央の第1〜第3レーン23,33,43が最も低くなった位置には、ボールBが通過可能なサイズの切欠23c,33c,43cが形成されている。
【0054】
第1、第2基台21,31には、第1、第2レーン23,33から離間した内周側位置に所定高さの第1、第2内周壁24,34が立設されている。第1、第2内周壁24,34には、サテライト4毎に外周側に向けて所定長さ突出する係合ピン24a,34aが取り付けられている。係合ピン24aの取付位置は、第1レーン23の切欠23cに正対する位置よりも、後述する第1抽選盤25の回転方向R1側に僅かにずれた位置であり、係合ピン34aの取付位置は、第2レーン33の切欠33cに正対する位置よりも、後述する第2抽選盤35の回転方向R2側に僅かにずれた位置である。係合ピン24a,34aの先端は、後述の傾斜面67aとの摩擦軽減のために回転可能とすることができる。
【0055】
上記第1〜第3基台21,31,41、第1〜第3レーン23,33,43及び第1、第2内周壁24,34は相互に対して不動であり、抽選装置1の筐体の一部を構成する。
【0056】
下方部分9Aは更に、筐体に対して可動の部材である平面視円環形状の第1〜第3抽選盤25,35,45を有している。第1〜第3抽選盤25,35,45は、回転駆動機構141〜143により回転軸Rの周りで筐体に対して回転する。これらの部材の回転速度、回転方向等は相互に同一とすることも、相違させることも可能である。本実施形態における第1〜第3抽選盤25,35,45の回転方向R1〜R3は図3,4に示されている。
【0057】
第1〜第3抽選盤25,35,45それぞれの回転位置は、後述のCPU131によりリアルタイムで把握乃至検出可能とされている。回転位置の把握/検出は、ステッピングモータを用いて回転を制御し、或いは、ロータリーエンコーダーによる検出を行うなど、任意の公知の手法により行うことが可能である。
【0058】
図5は、基台21、第1抽選盤25及び第1内周壁24の単一サテライト部分を拡大して示す説明図であり、図5(A)では斜視図により、図5(B)では平面図により当該部分が示されている。図5では第1レーン23等の一部の部材は省略されている。
【0059】
図示のように、基台21には回転軸Rを中心とする所定径の円形開口21aが形成されており、当該円形開口21aの内周側に第1抽選盤25が位置している。
【0060】
第1抽選盤25は、円形開口21aの内周側にこれと同心に配置された円環状の回転輪25aと、回転輪25aの螺子穴25bにネジ留めされた1又は複数の閉鎖捕捉体50及び1又は複数の通過捕捉体60を有している。
【0061】
図6(A),(B)は、閉鎖捕捉体50をそれぞれ前方及び後方から示す説明図である。
【0062】
図示のように、閉鎖捕捉体50は、回転輪25aにネジ留めするための螺子穴51が形成された基部52と、基部52の前方に設けられた所定高さの壁体53と、壁体53から前方に延出し、底面が基部52よりも1段高くなった2本の脚部54と、壁体53の上面に設けられたプラグ55を有している。上記2本の脚部54は、相互に所定距離離間し、両者の間にボールBを1つだけ捕捉(収容)可能なサイズ、形状の閉鎖捕捉部58が形成される。閉鎖捕捉部58の後方には壁体53が起立しているために、閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは壁体53の後方には移動できない。また、 図3のように、閉鎖捕捉部58に切欠23c,33c,43cが正対する位置を除き、閉鎖捕捉部58の前方には内壁23b,33b,43bが起立しているために、閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは内壁23b,33b,43bの前方には移動できない。したがって、閉鎖捕捉部58に一旦捕捉されたボールBは、後述の回収口21cに回収されるまで閉鎖捕捉部58に保持される。
【0063】
プラグ55には、図6(C)のように、抽選結果を示す情報パネル56等を取り付けることが可能である。
【0064】
図7(A),(B)は、通過捕捉体60を前方及び後方からそれぞれ拡大して示す説明図である。
【0065】
図示のように、通過捕捉体60は、回転輪25aにネジ留めするための螺子穴61が形成された所定高さの2つの基部62と、各基部62から前方に延出し、下面が基部62よりも1段高くなった2本の脚部63と、脚部63の上面に立設された2本のピン64と、ピン64を案内する2つの孔65が形成された開閉板66と、開閉板66の背部に設けられた係止片67を有している。上記2本の脚部63は、相互に所定距離離間し、両者の間にボールBを1つだけ捕捉(収容)可能なサイズ、形状の通過捕捉部68が形成される。両脚部63の対向する側面には、後方に向けて傾斜する底面板63aが突設されており、通過捕捉部68に捕捉されたボールBには後方に向かう力が作用する。係止片67には、第1内周壁24の係合ピン24aに係合する傾斜面67aが形成されている。
【0066】
図7(C)には通過捕捉部68が閉鎖状態とされた通過捕捉体60が、図7(D)には通過捕捉部68が開放状態とされた通過捕捉体60が示されている。
【0067】
図7(C)の閉鎖状態では、開閉板66が下方位置にあるために、通過捕捉部68に捕捉されたボールBは開閉板66の後方に移動することができない。一方、開閉板66に上方への力が作用すると、図7(D)のように開閉板66はピン64に沿って上方に移動する結果、両脚部63間に通路69が形成されて通過捕捉部68は開放状態となり、通過捕捉部68に捕捉されたボールBは底面版63aの傾斜に従って通路69を通過して開閉板66の後方側に移動する。
【0068】
図5に示されるように、閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60は、開閉板66及び壁体53の前方端を回転輪25aの外周端に概略一致させ、当該外周端の外周側に脚部54,63を突出させるように回転輪25aに取り付けられている。その結果、抽選盤25のすべての閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68は回転軸Rを中心とする円形開口21aよりも大径の円周上に配列される。したがって、閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68の全体又は少なくとも一部は第1基台21上に位置するが、脚部54,63の底面が基部52,62よりも所定寸法だけ高くなっているため、第1抽選盤25は脚部54,63を基台21に接触させることなく回転することが可能である。
【0069】
閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60が回転輪25aに取り付けられたときの壁体53及び脚部63の内周側端と第1内周壁24の外周側端の間に幅寸法d1の間隙25cが形成される。この寸法d1は、ボールBの径以上の寸法であり、通過捕捉部68の通路69から間隙25cに移動したボールBは、間隙25c内で周方向に移動することができる。
【0070】
基台21は、サテライト4毎の閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68の回転半径位置(上記円周上の位置/回転軸Rからの距離が閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68と同一となる位置)に、検知手段21b及び回収口21cを有している。検知手段21bは閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68に捕捉されたボールBを検知するためのものである。検知手段21bを含む本実施形態におけるすべての検知手段は、機械式、光学式、電磁式等の任意の方式でボールB(又はB’)を検出するものとすることができる。回収口21cは閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBを下方部分9Aの内部に設置されたボール回収機構110に回収するためのものである。
【0071】
検知手段21b及び回収口21cの円周方向位置は必要に応じて適宜適切に決定することができるが、本実施形態では、検知手段21bは各サテライト4の概略中央位置(より正確には、第1レーンの切欠23c(図3参照)と一致する位置またはそれよりも若干回転方向R1側の位置)に配置され、回収口21cは、各サテライト4における最も回転方向R1側の位置(ボール回収機構110の第1連絡口116の直上位置)に配置されている。
【0072】
以上述べたところの第1基台21、ボール投入装置22、第1レーン23、第1内周壁24及び第1抽選盤25は、抽選の第1段階を行う第1抽選部20を構成する。
【0073】
第1抽選部20では、ボール投入装置22から投入されたボールBは、凹状に湾曲した第1レーン23の移動面を左右に転動する。その後の時間経過によりある程度以下の速度となったボールBが切欠23cを通過するタイミングで、いずれかの閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68と切欠23cの円周方向位置が一致すると、移動面の内周側への傾斜によりボールBは切欠23cを通過してその閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68に捕捉される(転がり込む)。捕捉されたボールBは、もはや移動面で移動しない。
【0074】
ボールBが閉鎖捕捉部58に捕捉された場合は、ボールBはそのまま閉鎖捕捉部58に保持され、半径方向内方には移動できないため、ボールBは閉鎖捕捉部58の回転半径位置に配置された検知手段21bにより必ず検知される。
【0075】
本発明において抽選結果としてどのような事項を決定し、どのような場合にどのような方法で抽選結果を決定するかは任意であるが、本実施形態での抽選結果はオッズ(数値)であり、ボールBが閉鎖捕捉部58に捕捉された場合には、どの閉鎖捕捉部58にボールBが捕捉されたかに応じてオッズが決定される。
【0076】
より具体的には、閉鎖捕捉部58にはそれぞれ複数種類のオッズのいずれかが割り当てられており、検知手段21bによるボールBの検知タイミングから把握される第1抽選盤25の回転位置に基づいてボールBを捕捉した閉鎖捕捉部58が特定され、その特定された閉鎖捕捉部58に割り当てられたオッズが抽選結果として決定される。
【0077】
閉鎖捕捉部58に割り当てるオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、「0」〜「5」程度の比較的小さいオッズが割り当てられている。
【0078】
閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは、閉鎖捕捉部58が回収口21cまで回転したときに回収口21cから落下してボール回収機構110に回収され、これにより、1回の抽選が終了する。
【0079】
ボールBが通過捕捉部68に捕捉された場合には、ボールBが検知手段21bによる検知が可能な位置に到達するまでは、通過捕捉部68は図7(C)の閉鎖状態にあるため、検知手段21bはボールBを確実に検知することができる。
【0080】
第1抽選盤25が当該位置から更に回転方向R1に回転すると、係合ピン24aが傾斜面67aに当接して開閉板66を上方に押し上げるため、通過捕捉部68は図7(D)の開放状態に移行し、ボールBは底面板63aの傾斜に従って通路69を内周側に通過し、開閉板66、第1内周壁24及び両脚部63の間のスペース69a(図7(B))に保持される。
【0081】
第1抽選盤25が更に回転して係合ピン24aが傾斜面67aから離れると、開閉板66は係合ピン24aの支持を失って通過捕捉部68は図7(C)の閉鎖状態に復帰する。そのため、後述の係止面83との当接等によりボールBに外周側への力が作用した場合でも、ボールBが開閉板66の外周側に移動すること(通過捕捉部68に戻ってしまうこと)を防止できる。
【0082】
図8は、変形形態に係る通過捕捉体60’を示す説明図である。
【0083】
この通過捕捉体60’は、通過捕捉体60と同様の構成に加え、前方端が底面板63aと連続し、後方に向けて下降する傾斜を有する傾斜板63bを有している。また、両基部62は、脚部63よりも回転方向R1の逆側に位置し、回転方向R1の逆側の基台62の端部62aと傾斜板63bの端部63cが離間して、両者の間にスペース69bが形成されている。通過捕捉体60’は、通過捕捉体60と同様のピン64、開閉板66、係止片67(不図示)を備えることができる。
【0084】
通過捕捉体60’では、通過捕捉部68から通路69を通過したボールBは、スペース69bに保持される(図8(B))が、端部63cが外周側に向かうほど高くなる段差となっているために、スペース69bに保持されたボールBに外周側への力が作用した場合でも、ボールBが通過保持部68に戻ってしまうことを防止できる。したがって、通過捕捉体60’を使用する場合は、係合ピン24a、ピン64、開閉板66、係止片67等を省略することも可能である。
【0085】
図3,4に戻って、抽選の第2段階を行う第2抽選部30は、第1誘導体70A、第1係止体80A、第2基台31、第2レーン33、第2内周壁34、第2抽選盤35を有しており、第2基台31、第2レーン33、第2抽選盤35はそれぞれ第1基台21、第1レーン23、第1抽選盤25よりも高い位置にある。
【0086】
図9(A)〜(C)は、第1誘導体70Aを前方、後方及び上方から示す説明図である。
【0087】
図示のように、第1誘導体70Aは、ネジ留めのための螺子穴71が設けられた基部72と、基部72から立ち上がる誘導面73と、誘導面73の上部に連続して設けられた突起74と、誘導面73の前方側を覆うカバー75を有している。誘導面73は、ボールBが円滑に移動できる程度の平滑性を有している。
【0088】
第1誘導体70Aは、基部72を閉鎖捕捉体50の基部52上に重ねるようにして螺子穴71を回転輪25aにネジ留めされる。したがって、第1誘導体70Aは、第1抽選盤25と一体となって回転方向R1に向けて回転する。
【0089】
第1誘導体70Aが回転輪25aに取り付けられた状態では、誘導面73は、鉛直方向Vに対して所定角度α1だけ回転方向R1の逆側に傾斜し(誘導面73の法線N1が回転方向R1に対して所定角度α1だけ上方に傾斜し)、平面視では半径方向r(図4参照)に対して所定角度β1だけ回転方向R1側に傾斜する(誘導面73の法線N1が、回転方向R1に対して内周側に所定角度β1だけ傾斜する)。また、突起74は、誘導面73の上端から誘導面の内周側に張り出した凸状部を形成する。
【0090】
誘導面73は、間隙25cの外周寄りに位置し、誘導面73の幅寸法は、その内周側端から第1内周壁24の外周側端までの距離d2(図5(B)参照)がボールBの径未満となるよう設定されている。したがって、回転方向R1に回転する誘導面73により、間隙25cにあるボールB1を回転方向R1に向けて駆動する(ボールBに回転方向R1に向かう力を作用させる)ことができる。
【0091】
図10(A)〜(C)は、第1係止体80Aを前方、後方及び上方から示す説明図である。
【0092】
第1係止体80Aは、第1内周壁24に対してネジ留めするための螺子穴81と、基部82と、基部82から立ち上がる係止面83と、係止面83の上端に連続する上面84と、係止面83と上面84の境界から係止面83上に張り出した張出面85を有している。係止面83は、ボールBが円滑に移動できる程度の平滑性を有している。
【0093】
第1係止体80Aは、各サテライト4における最も回転方向R1側の位置にネジ穴81によって内周壁24にネジ留め固定される。したがって、係止面83は筐体に対して不動であり、第1抽選盤25に対しては、相対的に回転方向R1の逆方向に回転する。
【0094】
第1係止体80Aが第1内周壁24に取り付けられた状態で、係止面83は、鉛直方向Vに対して所定角度α2だけ回転方向R1側に傾斜し(係止面83の法線N2が回転方向R1の逆方向に対して上方に所定角度α2だけ傾斜し)、平面視では半径方向rに対して所定角度β2だけ回転方向R1側に傾斜する(係止面83の法線N2が回転方向Rの逆方向に対して外周側に所定角度β2だけ傾斜する)。
【0095】
また、上面84は係止面83との境界から回転方向R1側に向けて緩やかに上昇する傾斜を有し、張出面85は係止面83との境界から回転方向R1の逆側に向けて緩やかに上昇する傾斜を有し、上面84と張出面の間に溝86が形成されている。上面84は、内周側に向かって下降する傾斜も有している。
【0096】
係止面83は、間隙25cの内周寄りに位置し、係止面83の幅寸法は、誘導面73の内周端が係止面83の外周端に接触せず、かつ、係止面83の外周端から壁体53及び脚部63の内周端までの距離d3(図5(B)参照)がボールBの径よりも小さくなるように設定されている。したがって、第1抽選盤25は第1誘導体70Aを第1係止体80Aに接触させることなく回転することが可能であり、間隙25cのボールBは、係止面83を越えて回転方向R1側に移動することはできない。
【0097】
図11は、誘導面73と係止面83がすれ違っていく際にボールBが揚送される態様を示す説明図である。
【0098】
サテライト4の概略中央位置で通過捕捉体68に捕捉されてスペース69aに移動したボールBは、スペース69aに保持された状態で、第1抽選盤25の回転(通過捕捉体60の回転)に伴って回転方向R1に向けて移送され、サテライト4の最も回転方向R1側に移送されたところで誘導面83に当接する。
【0099】
回転盤25が更に回転方向R1に回転すると、ボールBは、誘導面83を越えて回転方向R1側に移動できないため、ボールBはスペース69aから放出される。回転盤25は、ボールBをその位置に留めたまま回転を継続し、やがては、回転輪25aに取り付けられたいずれかの第1誘導体70の誘導面73がボールBに当接する((図11(A))。
【0100】
この状態から更に誘導面73が回転方向R1に回転すると、係止面83が誘導面73よりも回転方向R1側に傾斜しているため、誘導面73により回転方向R1に向けて駆動されるボールBが係止面83に沿って揚送されていく(図11(B))。
【0101】
そして、ボールBが係止面83の上端にまで揚送された以降は、凸状部74によりボールBは上面84上を回転方向R1側に向けて押されるが、上面84には、内周側に向けて下降する傾斜が与えられているため、ボールBは、上面84と張出面85の間の溝86に沿って内周側に落下する(図11(C))。第1係止体80Aの内周側下方には第2レーン33が設置されており、第1係止体80Aから内周側に落下したボールBは、第2レーン33に放出される。
【0102】
なお、上面84は回転方向R1側に上昇する傾斜を有するため、ボールBには回転方向R1の逆側への力が作用するが、誘導面73から内周側に張り出した突起74と、係止面83に張り出した張出面85に遮られるため、ボールBが上面84から係止面83に落下することが防がれる。
【0103】
図12は、第1誘導体70A、第1係止体80A及び第2レーン33を取り外した状態の第2抽選部30の単一サテライト部分を拡大して示す説明図である。
【0104】
第2基台31は、第1基台21の円形開口21aよりも小さい外径を有する円環状の板部材であり、円形開口21aの内周側でこれと同心に配置され、実質的に第1基台21と同様の構成を有している。すなわち、第2基台31は、回転軸Rを中心とする所定径の円形開口31aを有し、第1基台21と同構成の検知手段31b、回収口31cを有している。ただし、検知手段31bは各サテライト4の概略中央位置(より正確には、第2レーン33の切欠33cと一致する位置またはそれよりも若干回転方向R2側の位置)に配置され、回収口31cは、各サテライト4における最も回転方向R2側の位置(ボール回収機構110の第2連絡口118の直上位置)に配置されている。
【0105】
第2抽選盤35は第1抽選盤25と実質的に同様の構成を有している。すなわち、第2抽選盤35は、円形開口31aよりも小さい外径の回転輪35aと、回転輪35aに取り付けられた1又は複数の閉鎖捕捉体50及び1又は複数の通過捕捉体60を有している。第2抽選盤35の閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60は、第1抽選盤25の閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60とそれぞれ同様の幾何学構造を有し、第1抽選盤25と同様の態様で第2回転輪35aに取り付けられている。
【0106】
第2抽選盤35の各閉鎖捕捉体50の閉鎖捕捉部58には、複数種類のオッズのいずれかが割り当てられている。このオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、第2抽選盤35での抽選で決定されるオッズの期待値が第1抽選盤25のそれよりも大きくなるようなオッズ(例えば、「0」〜「15」程度)が割り当てられている。
【0107】
第2抽選部30では、第1抽選部20の間隙25cにあるボールBが第1誘導体70A及び第1係止体80Aにより図11の態様で揚送されて第2レーン33に放出され、以降は、第1抽選部20と実質的に同様にして抽選の第2段階が進行する。
【0108】
すなわち、第2レーン33に放出されたボールBは、第2レーン33の移動面を移動した後に第2抽選盤35のいずれかの閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68に捕捉される。
【0109】
ボールBが閉鎖捕捉部58に捕捉された場合は、そのボールBを捕捉した閉鎖捕捉部58に割り当てられたオッズが抽選結果として決定される。第2抽選部30の閉鎖捕捉部58に第1抽選部20よりも平均的に大きいオッズを割り当てた場合には、第2抽選部30による抽選おいて遊技者により大きな期待感を与えることができる。
【0110】
閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは、閉鎖捕捉部58が回収口31cまで回転したときに回収口31cから落下してボール回収機構110に回収され、これにより、1回の抽選が終了する。
【0111】
ボールBが通過捕捉部68に捕捉された場合には、ボールBは、通路69を通過してスペース69aに移動する。
【0112】
図3,4に戻って、抽選の第3段階を行う第3抽選部40は、第2誘導体70B、第2係止体80B、第3基台41、第3レーン43、第3抽選盤45を有しており、第3基台41、第3レーン43、第3抽選盤45は第2基台31、第2レーン33、第2抽選盤35それぞれよりも高い位置にある。
【0113】
第2誘導体70B及び第2係止体80Bの構成は、第2抽選部30の第1誘導体70A及び第1係止体80Aと実質的に同様である。ただし、第2誘導体70B及び第2係止体80Bは、第1誘導体70A及び第1係止体80Aと左右逆向きであり、第2係止体80Bの取り付け位置は、各サテライト4における最も回転方向R2側となっている。
【0114】
図13には、第2誘導体70B、第2係止体80B及び第3レーン43を取り外した状態の第3抽選部40が示されている。
【0115】
第3基台41は、第2基台31の円形開口31aよりも小さい外径を有する円環状の板部材であり、円形開口31aの内周側でこれと同心に配置されている。第3基台41は、回収口41cにシャッターSが取り付けられている点を除いて実質的に第1基台21と同様の構成を有している。
【0116】
すなわち、第3基台41は、回転軸Rを中心とする所定径の円形開口41aを有し、第1基台21と同構成の検知手段41b、回収口41cを有している。検知手段41bは、各サテライト4の概略中央位置(より正確には、第3レーン43の切欠43cと一致する位置またはそれよりも若干回転方向R3側の位置)に配置され、回収口41cは、各サテライト4における最も回転方向R3側の位置(ボール回収機構110の第3連絡口119の直上位置)に配置されている。
【0117】
シャッター41dは、CPU131の制御に従って矢印方向に進退することで回収口41cを開閉する。
【0118】
第3抽選盤45は、円形開口41aよりも小径の円環状の回転輪45aを有し、当該回転輪45aに1又は複数(本実施形態では4つ)の維持捕捉体50A(50A1〜50A4)と、1又は複数(本実施形態では1つ)の変動捕捉体50Bと、1又は複数(本実施形態では1つ)のJP捕捉体60Aがネジ留めにより固定されている。
【0119】
維持捕捉体50A及び変動捕捉体50Bは、第1、第2抽選盤25,35の閉鎖捕捉体50と同様の幾何学構造を有している。
【0120】
ただし、維持捕捉体50Aが回収口41cを通過する際に、シャッター41dは所定の場合を除いて回収口41cを閉鎖するように動作する。そのため、いずれかの抽選においてボールBが維持捕捉体50Aの閉鎖捕捉部58に捕捉されると、捕捉されたボールBは、次回以降の1以上の抽選において閉鎖捕捉部58に捕捉された状態(「入」状態)に維持される(本明細書では、捕捉部58、68等にボールBが捕捉された状態を「入」状態、捕捉されていない状態を「空」状態と言う場合があり、維持捕捉体50Aの閉鎖捕捉部58を維持捕捉部58Aと言う場合がある)。
【0121】
したがって、本実施形態では、どの程度の確率でボールBが維持捕捉部58Aに捕捉されるか、何回の抽選に渡って「入」状態が維持されるかなどにより、維持捕捉部58Aの充足状況(各維持捕捉部58Aの充足状態が「入」状態か「空」状態かの状況)が変化する。
【0122】
各維持捕捉部58Aには、複数種類のオッズのいずれかが割り当てられている。このオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、第3抽選盤45での抽選で決定されるオッズの期待値が第2抽選盤35のそれよりも大きくなるようなオッズ(例えば、「0」〜「30」程度)が割り当てられている。
【0123】
一方、変動捕捉体50Bが回収口41cを通過する際には、シャッター41dは必ず回収口41cを開放するように動作する。そのため、第1、第2抽選盤25,35の閉鎖捕捉部58と同様に、変動捕捉体50Bの閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは、閉鎖捕捉部58が回収口41cを通過する際に必ずボール回収機構110に回収される(本明細書では、変動捕捉体50Bの閉鎖捕捉部58を変動捕捉部58Bと言う場合がある)。したがって、いずれかの抽選において変動捕捉部58BがボールBを捕捉することで「入」状態となったとしても、その「入」状態が次回の抽選まで維持されることはない。
【0124】
ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合には、シャッター41dは、「入」状態にある維持捕捉部58A1〜58A4のいずれか1つに捕捉されたボールBが回収口41cから回収されるように所定のタイミングで動作する。ボールBが回収される維持捕捉部58A1〜58A4をどのようにして選択するかは任意であるが、乱数を用いた抽選により選択するなどが考えられる。
【0125】
JP捕捉体60Aは、開閉板66を有さない点を除いて第1、第2抽選盤25,35の通過捕捉体60と同様の幾何学構造を有している。従って、JP捕捉体60Aの通過捕捉部68は常に開放状態であり、通過捕捉部68に捕捉されたボールBは、直ちに通路69を通って第3抽選盤45の内周側に移動する(本明細書では、JP捕捉体60Aの通過捕捉部68をJP捕捉部68Aと言う場合がある)。したがって、いずれかの抽選においてJP捕捉部68AがボールBを捕捉することで「入」状態となったとしても、その「入」状態が次回の抽選まで維持されることはない。
【0126】
ボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、シャッター41dは、「入」状態にある維持捕捉部58A1〜58A4のいずれか1つに捕捉されたボールBが回収口41cから回収されるように所定のタイミングで動作する。ボールBが回収される維持捕捉部58A1〜58A4の選択方法は上記と同様である。
【0127】
第3抽選部40では、第2抽選部30と同様の態様で、第2誘導体70B及び第2係止体80Bにより揚送されたボールBが第3レーン43に放出され、以降は、以下の態様で抽選の第3段階が進行する。
【0128】
すなわち、第3レーン43に放出されたボールBは、第3レーン43の移動面を移動した後に維持捕捉部58A、変動捕捉部58B、JP捕捉部68Aのいずれかに捕捉される。
【0129】
4つの維持捕捉部58Aがすべて「空」状態なら、抽選において6つの捕捉部58A,58B,68AにボールBが捕捉される確率は概略同じであり、それぞれ約16.7%(=1÷6)である。
【0130】
しかし、ボールBが維持捕捉部58Aに捕捉されることで「入」状態の維持捕捉部58Aが増えると、「入」状態の維持捕捉部58AはもはやボールBを捕捉できないので、それ以外の捕捉部(変動捕捉部58B、JP捕捉部68A及び「空」状態の維持捕捉部58A)にボールBが捕捉される確率が高くなる。すべての維持捕捉部58Aが「入」状態になると、抽選において変動捕捉部58B、JP捕捉部68AにボールBが捕捉される確率はそれぞれ50%となる。
【0131】
ボールBが維持捕捉部58Aに捕捉された場合(維持捕捉部58Aが「空」状態から「入」状態に変化した場合)には、抽選結果として、ボールBを捕捉した維持捕捉部58Aに割り当てられたオッズが決定される。維持捕捉部58Aに第2抽選部30の閉鎖捕捉部58よりも平均的に大きいオッズを割り当てた場合には、第3抽選部40による抽選において遊技者により大きな期待感を与えることができる。
【0132】
ボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合(JP捕捉部68Aが「空」状態から「入」状態に変化した場合)には、本体装置9の上方部分9Bを用いたJP抽選(抽選の第4段階)が実行される。
【0133】
JP抽選の内容をどのようなものとするかは任意であるが、本実施形態のJP抽選では、第1〜第3抽選盤20,30,40での抽選のいずれにおいて決定されるオッズの期待値よりも大きい期待値をもってオッズが決定される。JP抽選の詳細は後述する。
【0134】
ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合(変動捕捉部58Bが「空」状態から「入」状態に変化した場合)には、維持捕捉部58Aの充足状況に応じたオッズが決定される。
【0135】
本発明においてボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合の遊技結果を、各維持捕捉部58Aの充足状況に応じてどのように決定するかは任意であるが、本実施形態では、各維持捕捉部58Aの充足状況によらず、第3抽選部40における抽選で決定されるオッズの期待値が一定になるようにオッズが決定される。
【0136】
図14は、維持捕捉部58Aの充足状況に応じてボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合のオッズがどのように定まるかを示す説明図である。
【0137】
図14の「オッズ」欄には、各維持捕捉部58A1〜58A4に割り当てられたオッズ、上方部分9BのJP抽選におけるオッズの期待値、及び、変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定されるオッズが示されている。
【0138】
図示のように、この例では、4つの維持捕捉部58Aのうちの2つ(58A2,58A3)には「20」のオッズが割り当てられ、残り2つ(58A1,58A4)には「4」のオッズが割り当てられている。上方部分9Bの抽選で決定されるオッズの期待値は「40」である。
【0139】
この場合の維持捕捉部58A1〜58A4の充足状況としては、組み合わせとして図14の状況1〜状況9の9通りが有り得る。
【0140】
図14では、これらの各状況1〜9における維持捕捉部58A1〜58A4の充足状態(「入」状態か、「空」状態かの別)、及び、各捕捉部58A1〜58A4,58B,68AがボールBを捕捉する確率、並びに、各状況1〜9において第3抽選部40の抽選で決定されるオッズの期待値(全体の期待値)が示されている。
【0141】
図から分かるように、この例では、維持捕捉部58A1〜58A4の充足状態に応じて変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定されるオッズを「38」〜「2」の範囲で変動させることにより、第3抽選部40の抽選で決定されるオッズの期待値は常に一定の値(「21」)に維持される。
【0142】
一般的には、「入」状態の維持捕捉部58A1〜58A4が増えるほど、変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定するオッズを小さくし、また、その小さくする程度を「空」状態になった維持捕捉部58A1〜58A4に割り当てられたオッズに応じて適切に変化させる(「入」状態になった維持捕捉部58A1〜58A4に割り当てられたオッズが小さいときには、変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定するオッズを大幅に小さくする)ことにより、第3抽選部40の抽選で決定されるオッズの期待値を平準化し、あるいは、一定にすることが可能である。
【0143】
第3抽選盤45の内周側には、回転軸Rの軸方向に昇降することが可能であり、第3抽選盤45と一体となって回転方向R3に回転する回転体90が配置されている。本実施形態では、回転体90と上方部分9Bが、JP捕捉部68Aに捕捉されたボールBを発射したサテライト4との関連で抽選動作を行う共用動作機構を構成する。
【0144】
図15は、回転体90を示す説明図であり、図15(A),(B)では、前方及び後方から見た回転体90が示され、図15(C)では、回転体90の分解図が示されている。
【0145】
図示のように回転体90は、キャップ91、ストッパー92及び筒体93を有している。回転体90は、第3抽選盤45と一体に回転軸Rの周りで回転方向R3に向けて回転するとともに、CPU131の指令に基づいて、昇降駆動装置145の駆動により上昇/下降することが可能である。
【0146】
キャップ91は、ボールBよりも大きい内径の上部回収口94aと、キャップ91下面から下方に延出し、先端に係止部91aが形成された2本のピン91bを有している。
【0147】
ストッパー92は、キャップ91の下方で上部回収口94aに部分的に迫り出すように筒体93の内部空間に固定された部材であり、上部回収口94aに嵌入したボールBの保持/回収を制御する役割を有する。ストッパー92はピン91bを案内する2つの通孔92aを有している。
【0148】
筒体93は、金属等で形成されたキャップ91よりも小さい外径を有する中空部材であり、下部回収口94b、上部及び下部仕切板95a,95b、並びに上部及び下部排出口96a,96bを有している。
【0149】
上部排出口96aは筒体93の概略中央高さに形成されており、下部回収口94bは上部排出口96aと概略同じ高さで、筒体93の反対側に形成されている。下部排出口96bは、下部回収口94bの下方で下部回収口94bよりも所定角度(例えば、5〜60度程度)だけ回転方向R3の逆側位置に形成されている。
【0150】
上部及び下部仕切板95a,95bは、上部及び下部排出口96a,96bの下端から筒体93の中空空間に向けて所定角度で上方に傾斜して取り付けられた板部材である。したがって、上部回収口94aから回収されたボールBは、上部仕切板95aに落下し、その傾斜に従って上部排出口96aから排出され、下部回収口94bから回収されたボールBは、下部仕切板95bに落下し、その傾斜に従って下部排出口96bから排出される。
【0151】
図15(D)は、回転体90と第3抽選盤45の位置関係(角度配置)を示す説明図である。図15(D)では、説明の便宜上、回転体90が後述の上昇位置まで上昇した状態が示されている。
【0152】
図示のように、回転体90と第3抽選盤45は、下部回収口94bがJP捕捉部68Aと一致する位置関係(角度配置)にあり、回転体90及びJP捕捉部68Aは、この角度配置を保ったまま、一体に回転方向R3に回転する。
【0153】
図16は、回転体90の昇降動作の態様を示す説明図であり、図16(A)〜(C)には、通常位置、上昇位置及び下降位置にある回転体90が側面視で示されている。
【0154】
図16(A)は、回転体90が通常位置にある状態を示している。図示のように、回転体90は、回転輪45aの開口45cよりも小さい外径を有しており、通常位置では、回転体90は、キャップ91の上面が回転輪45aの上面と同一又はそれより低くなる高さで、開口45c内に保持されている。したがって、JP捕捉部68Aの通路69を通過したボールBは、回転体90の上部回収口94aに転がり込むが、ストッパー92がボールBを下方から支持するため、ボールBは下方に落下せず、図示のように、上部回収口94aに一部が嵌入した状態で保持される。
【0155】
図16(B)は、回転体90が上昇位置にある状態を示している。この状態では、下部回収口94bの下端が回転輪45aの上面と概略同一高さ(或いはそれよりも若干低い高さ)となる位置まで回転体90が上昇する。回転体90は、下部回収口94bがJP捕捉部68Aと一致する角度配置に保たれているため、回転体90が上昇位置にあるときにJP捕捉部68Aの通路69を通過したボールBは、直ちに下部回収口94bから回収される。
【0156】
図16(C)は、回転体90が下降位置にある状態を示している。回転体90を通常位置から更に下降させていくと、ある位置で回転輪45aの下面から開口45cの内方に張り出した係止板45dがキャップ91の下縁部に係合し、キャップ91はその位置以上には下降できない。そのため、以降は、通孔92aに挿通されたピン91bに案内されてストッパー92と筒体93の部分のみが下降する。そして、キャップ91下面とストッパー92の間にボールBが通過可能な空間が形成される下降位置(図16(C))までストッパー92が下降したところで、ボールBは上部回収口94aから落下し、上部仕切板95aを経て上部排出口96aから排出される。
【0157】
図17は、JP抽選を行う上方部分9Bの例示的な構成を示す説明図である。
【0158】
上方部分9Bは、アクリル等の透明部材で形成された底面が球面状に湾曲したカバー101と、外周に抽選媒体であるボールB’を捕捉することができる6つの捕捉部103を有する捕捉体102と、捕捉体102と一体となって回転する回転コーン104を有している。回転コーン104は薄手のプラスチック成型品から構成されている。
【0159】
各捕捉部103には、複数種類のオッズのいずれかが割り当てられている。このオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、上方部分9Bでの抽選で決定されるオッズの期待値が第1〜第3抽選部20,30,40のいずれにおける期待値よりも大きくなるようなオッズ(例えば、「10」〜「150」程度)が各捕捉部103に割り当てられている。
【0160】
上方部分9Bで使用するボールB’にどのような素材を使用するか、下方部分9Aで使用するボールBと同一のものを使用するか否かなどは任意であるが、本実施形態では、ボールBよりも比重の軽いウレタンスポンジ、硬質製樹脂剤、ゴム材などを用いたボールB’が使用される。
【0161】
回転コーン104には、下端から上方に向けて所定長のスリット104aが形成されている。スリット104aからはバー105が半径方向に延出し、バー105の先端にはロケット模型106が取り付けられている。バー105は回転コーン104と一体に回転するとともに、CPU131の制御によって上下動させることが可能である。
【0162】
図18は、下方部分9Aの内部に収容されるボール回収機構110を示す説明図である。
【0163】
図示のように、ボール回収機構110は、下方基台111上に搭載された4つの回収塔112A〜112Dを有している。
【0164】
回収塔112A〜112Dは相互に同一の構成であり、以下では1つのサテライト4Aに対応する部分についてのみ説明する。
【0165】
回収塔112Aは、サテライト4Aの最も回転方向R1側に位置し、上面にそれぞれ異なる高さの第1〜第3天井板113a〜113cを有している。第1〜第3基台21,31,41は第1〜第3天井板113a〜113c上に保持される。
【0166】
回収塔112Aは更に、供給連絡口114、第1通路115、第1連絡口116、第2通路117、第2連絡口118、第3連絡口119、第4連絡口120を有している。第1〜第4連絡口116,118,119,120には、ボールBの回収を検知するための検知手段116a,118a,119a,120aが取り付けられている。
【0167】
回収塔112Aの第1、第3連絡孔116、119は、それぞれサテライト4Aの第1、第3抽選部20,40の回収口21c,41cの直下に位置し、回収口21c,41cから落下したボールBは、第1、第3連絡口116,119から第1通路115に回収される。
【0168】
サテライト4Aの第2抽選部30の回収口31cの直下には、回収塔112Aの回転方向R2側に隣接する回収塔112Dの第2連絡口118が位置し、回収口31cから当該第2連絡口118に落下したボールBは、第2通路117によって回収塔112Aまで移送されて第1通路115に回収される。
【0169】
第4連絡口120は、サテライト4Aの第3レーン43の切欠33cよりも所定角度だけ回転方向R3側の角度位置で回転体90の側面に対向してこれに近接して開口している。
【0170】
第4連絡口120の高さ位置は、回転体90が上昇位置(15(B))にあるときの上部排出口96a及び回転体90が下降位置(15(C))にあるときの下部排出口96bとも同じ高さである。したがって、上部及び下部排出口96a,96bからのボールBを第4連絡口120から第1通路115に回収することが可能である。
【0171】
第1通路115には外周側に向かって下降する傾斜が与えられており、第1通路115のボールBは、供給連絡口114からボール投入装置22に導かれ、抽選ボタン14が操作される毎にボール投入装置22から第1レーン23に投入される。
【0172】
本実施形態の共用動作機構は、下記のように動作する。
【0173】
通常状態では、回転体90は図16(A)の通常位置にあり、回転コーン104は捕捉部103からボールB’が放出されない程度の低速で回転している。
【0174】
いずれかのサテライト4のボール投入装置22から発射されたボールBが、第1、第2抽選部で通過捕捉部68に捕捉され、更に、第3抽選部40でJP捕捉部68Aに捕捉されると、当該ボールBは、通路69を通過し、通常位置(図16(A))にある回転体90の上部回収口94aに嵌入する。これを契機に回転体90は、上昇位置(図16(B))まで上昇し、上方部分9Bでは、このボールBを発射したサテライト4のためのJP抽選が開始される。
【0175】
JP抽選が開始されると、回転コーン104は回転速度を上昇させ、これにより、ボールB’が捕捉部103から外方に放出される。
【0176】
その後、回転コーン104とともに回転するバー105又はロケット模型106がボールB’に接触できる高さまで下降し、ボールB’をバー105又はロケット模型106で押すことでボールB’をカバー101内で回転させる。
【0177】
一定時間の経過後、バー105はボールB’に接触しない位置まで上昇し、回転コーン104は通常状態の回転速度まで減速する。これにより、ボールB’は徐々に回転力を失い、やがてはいずれかの捕捉部103に捕捉される。各捕捉部103は、捕捉されたボールB’を検出するための検知手段107を有しており、ボールB’を捕捉した捕捉部103が検知手段107からの信号により特定され、特定された捕捉部103に割り当てられたオッズが抽選結果として決定され、これにより、上方部分9Bにおける1回のJP抽選は終了となる。
【0178】
JP抽選が終了すると、上部回収口94aのボールBを発射したサテライト4の第4連絡口120に上部排出口96aが一致するタイミングで、回転体90は下降位置(図16(C))まで下降し、ボールBは上部回収口94aから回収されて上部排出口96aから排出される。排出されたボールBは第4連絡口120から元のサテライト4の回収塔112に回収される。その後、回転体90は通常位置(図16(A))に復帰する。
【0179】
上方部分9Bは、4つのサテライトの共用であるため、上方部分9BでのJP抽選だけを見ても、どのサテライトの遊技者のための抽選であるかは判別できない。しかし、本実施形態では、サテライト毎に識別可能なボールB(色の違うボールB)が使用され、しかも、JP捕捉部68Aに捕捉されたボールBは回転体90に移動し、JP抽選の実行中は上昇位置に持ち上げられて上方部分9Bに接近した状態にある。このように、回転体90上のボールBにより、JP抽選がどのサテライトとの関連で行われているかが分かり易い態様で示される。
【0180】
いずれかのサテライト4からのボールBがJP捕捉部68Aに捕捉されて上方部分9BでJP抽選が実行されている間に、いずれかのサテライト4から発射された別のボールBが更にJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、回転体90が上昇位置(図16(B))にあり、下部回収口94bとJP捕捉部68Aは相互に一致する角度配置に保たれているため、そのボールBは、下部回収口94bから回収されて下部排出口96bから排出される。また、回転体90は回転方向R3に向けて所定速度で回転しており、ボールBがあるサテライト4からJP捕捉部68Aに捕捉されてから下部排出口96bから排出されるまでの時間で、回転体90は下部排出口96bがそのサテライト4の第4連絡口120に一致するところまで回転する。そのため、下部排出口96bから排出されたボールBは、第4連絡口120から元のサテライト4の回収塔112に回収される。
【0181】
なお、JP抽選の実行中に同一又は別のサテライト4から1以上のボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、最初のJP抽選が終了した後に、JP捕捉部68Aに捕捉された他のボールBについてのJP抽選が順次実行される。その間、回転体90は継続して上昇位置(図16(B))に保持される。
【0182】
図19は、抽選装置1が有する制御系統の構成を示す説明図である。
【0183】
図示のように、抽選装置1には、CPU131や記憶装置132、入出力ポート133等を搭載した制御基板(処理装置)130が内蔵されている。
【0184】
ここで、CPU131は、抽選装置1の制御動作の中枢となって装置全体を統括的に制御する情報処理装置である。
【0185】
記憶装置132には、抽選プログラム132a、オッズ割当テーブル132b、維持ボール記録部132c、オッズ変動テーブル132d等を始めとする、抽選装置1の動作に必要となるプログラムやデータが記録されている。
【0186】
ここで、抽選プログラム132aは、種々のパラメータを生成処理し、後述の周辺機器を駆動するなどにより、抽選装置1における抽選動作を制御するものである。
【0187】
オッズ割当テーブル132bには、第1、第2抽選部20,30の各閉鎖捕捉部58、第3抽選部の各維持捕捉部58A、上方部分9Bの各捕捉部103に割り当てられたオッズが記録されている。
【0188】
維持ボール記録部132cは、4つの維持捕捉部58Aの充足状況及び「入」状態の各維持捕捉部58AのボールBがどのサテライト4A〜4Dからのものかを記録するものである。具体的には、いずれかのサテライト4A〜4Dの検知手段41bにより維持捕捉部58AによるボールBの捕捉が検知されたときには、その検知タイミングから特定される維持捕捉部58Aの充足状態が「入」状態に変更されるとともに、その維持捕捉部58AのボールBがどのサテライト4A〜4Dのものかが記録される。また、変動捕捉部58B、JP捕捉部58BでのボールBの捕捉の結果、ボールBが回収されることとなった維持捕捉部58Aの充足状態は「空」状態に変更される。このように、維持捕捉部58Aの充足状況が変化する毎に維持ボール記録部132cの記録は更新されていく。
【0189】
オッズ変動テーブル132dは、図14について説明した態様で定まる複数の維持捕捉部58Aの複数の充足状況のそれぞれについて、ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合のオッズを記録する。
【0190】
記憶装置132は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0191】
制御基板130には、入出力ポート133を介して各種周辺機器が接続されており、CPU131が抽選プログラム132aに従ってこれら周辺機器との間で信号の授受を行うことにより、抽選装置1における抽選が実行される。
【0192】
上記周辺機器には、第1〜第3抽選盤25,35,45及び回転コーン104を回転させるための第1〜第4回転駆動装置141〜144、回転体90を上下動させるための昇降駆動装置145、第1〜第3抽選盤25,35,45の回転位置をリアルタイムで検出するロータリーエンコーダー25e,35e,45e、抽選装置1の各所に設置されたボールB,B’を検出するための検知手段21b,31b,41b,116a,118a,119a,120a,107、シャッター41d、ボール投入装置22、装置内部にストックしたメダルを計数してメダル払出口10に払い出すホッパー装置146、操作パネル5への操作を検出するスイッチ基板147などが含まれる。
【0193】
図20は、本実施形態の抽選装置1において実行される抽選ゲームのフローを示す説明図である。
【0194】
図示のように、この抽選ゲームでは、ステップS1においてクレジットCR、ベット数BNの初期化が行われた後にステップS2においてメダル投入口12及び硬貨投入口15へのメダル又は硬貨投入が検査され、投入があった場合(Yes)にはステップS3においてメダル又は硬貨の別に応じた枚数(α枚)だけクレジットCRを増分した後に処理はステップS2に戻される。
【0195】
メダル又は硬貨の投入が検出されなかった場合(ステップS2:「No」)、ステップS4,S6では、メダル増ボタン13a又はメダル減ボタン13bへの操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、それぞれステップS5,S7においてベット数BNを増減した後に処理はステップS2に戻される。
【0196】
ステップS8では、精算ボタン16への操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、ステップS9においてホッパー装置146が動作し、クレジットCRと同数のメダルがメダル払出口10に払い出されて処理はステップS1に戻される。
【0197】
ステップS10では、抽選ボタン14への操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、処理はステップS11に移行し、操作がなければ処理はステップS2に戻される。
【0198】
ステップS11では、クレジットCRからベット値BNが減算され、続くステップS12では、ボール投入装置22が動作して、供給連絡口114からのボールBが第1レーン23に投入される。
【0199】
その後、検知手段21c,31c,41cからのボールBの検知信号がモニタされ(ステップS13)、検知信号が検知された場合には、CPU131は、当該信号の検知時点と、ロータリーエンコーダー25e,35e,45eからの信号により把握される第1〜第3抽選盤25,35,45の回転位置から当該ボールBがどの閉鎖捕捉部58、通過捕捉部68、維持捕捉部58A、変動捕捉部58B、JP捕捉部68Aに捕捉されたかが特定される(ステップS14)。
【0200】
そして、ボールBが第1、第2抽選部20,30の閉鎖捕捉部58に捕捉された場合には、ステップS15においてオッズ割当テーブル132bが参照され、ステップS14で特定された閉鎖捕捉部58に割り当てられたオッズOZが抽選結果として決定される。
【0201】
ボールBが維持捕捉部58Aに捕捉された場合には、ステップS16においてオッズ割当テーブル132bが参照され、ステップS14で特定された維持捕捉部58Aに割り当てられたオッズOZが抽選結果として決定され、続くステップS17では、維持ボール記録部132cにおけるその特定された維持捕捉部58Aの充足状態を「入」状態に変更する処理が行われる。以降、CPU131は、その維持捕捉部58Aが各サテライト4の回収口41cを通過する際にはその回収口41cが閉鎖されるようにシャッター41dの進退動作を制御する。
【0202】
ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合には、ステップS18において維持ボール記録部132c及びオッズ変動テーブル132dが参照され、その時点で維持ボール記録部132cに記録されている4つの維持捕捉部58Aの充足状況についてオッズ変動テーブル132dに規定されたオッズOZが遊技結果として決定される。続くステップS19では、「入」状態にあるいずれか1つの維持捕捉部58Aが選択されるとともに、状態維持ボール記録部132cにおいて、その選択された維持捕捉部58Aの充足状態を「空」状態に変更する処理が行われる。
【0203】
CPU131は、ステップS19で選択された維持捕捉部58Aについて維持ボール記録部132cに記録されたサテライト4A〜4Dの回収口41cをその維持捕捉部58Aが通過するタイミングで開放するようにシャッター41dの進退動作を制御する。これにより、ステップS19で選択された維持捕捉部58AのボールBは、元のサテライト4A〜4Dに戻される。
【0204】
ボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、ステップS20において、「入」状態にあるいずれか1つの維持捕捉部58Aが選択されるとともに、状態維持ボール記録部132cにおいて、その選択された維持捕捉部58Aの充足状態を「空」状態に変更する処理が行われ、ステップS21において、昇降駆動装置145が動作して回転体90が上昇位置(図16(B))まで上昇し、以降、上方部分9BにおけるJP抽選が実行される。
【0205】
すなわち、ステップS22で回転速度を上昇させてボールB’を放出した回転コーン104は、ステップS23で回転速度を通常状態まで減速させ、ステップS24では検知手段107によるボールB’の検知を待ってボールB’を捕捉した捕捉部103が特定され、ステップS25ではオッズ割当テーブル132bが参照されて、ステップS24で特定された捕捉部103に割り当てられたオッズOZが抽選結果として決定される。
【0206】
その後、ステップS26において、昇降駆動装置145が動作し、下部排出口96bとサテライト4Aの第4連絡口が一致するタイミングで回転体90を下降位置(図16(C))まで下降させて上部回収口94aのボールBをボール回収機構110に回収し、その後、回転体90を通常位置(図16(A))に復帰させる。
【0207】
CPU131は、上記JP抽選の実行中又は実行後に、ステップS20で選択された維持捕捉部58Aについて維持ボール記録部132cに記録されたサテライト4A〜4Dの回収口41cをその選択された維持捕捉部58Aが通過するタイミングで開放するようにシャッター41dの進退動作を制御する。これにより、ステップS20で選択された維持捕捉部58AのボールBは、元のサテライト4A〜4Dに戻される。
【0208】
ステップS15,S17,S19,S26の後、ステップS27において検知手段116a,118a,119a、120aからの検知信号がモニタされ、検知信号が検出されると抽選は終了となり、S15,S16,S18又はS25で決定されたオッズOZと、その時点で設定されているベット数BNに基づいて配当POを算出し(ステップS28)、この配当POをクレジットCRに加算し(ステップS29)、次回の抽選ゲームを実行するべく処理をステップS2に復帰させる。
【0209】
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態における抽選装置又は遊技機又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、抽選装置の動作において使用するパラメータの種類、値の大小、算出方法等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0210】
1・・・抽選装置、2・・・基体、3・・・上部構造体、4・・・サテライト、5・・・操作パネル、6・・・柱、7・・・天井、8・・・透明板、9・・・本体装置、9A・・・下方部分、9B・・・上方部分、10・・・メダル払出口、11・・・硬貨払出口、13・・・増減ボタン、14・・・抽選ボタン、15・・・硬貨投入口、16・・・精算ボタン、17・・・クレジット表示部、18・・・ベット数表示部、20・・・第1抽選部、21・・・第1基台、22・・・ボール投入装置、23・・・第1レーン、24・・・第1内周壁、25・・・第1抽選盤、30・・・第2抽選部、31・・・第2基台、33・・・第2レーン、34・・・第2内周壁、35・・・第2抽選盤、40・・・第3抽選部、41・・・第3基台、43・・・第3レーン、45・・・第3抽選盤、50・・・閉鎖捕捉体、58・・・閉鎖捕捉部、60・・・通過捕捉体、68・・・通過捕捉部、50A・・・維持捕捉体、58A・・・維持捕捉部、50B・・・変動捕捉体、58B・・・変動捕捉部、60A・・・JP捕捉体、68A・・・JP捕捉部、70A,70B・・・第1、第2誘導体、80A,80B・・・第1、第2係止体、90・・・回転体、91・・・キャップ、92・・・ストッパー、93・・・筒体、101・・・カバー、102・・・捕捉体、103・・・捕捉部、104・・・回転コーン、110・・・ボール回収機構、111・・・下方基台、112・・・回収塔、113・・・天井板、114・・・供給連絡口、115・・・第1通路、116・・・第1連絡口、117・・・第2通路、118・・・第2連絡口、119・・・第3連絡口、120・・・第4連絡口、130・・・制御基板、132・・・記憶装置、132a・・・抽選プログラム、132b・・・オッズ割当テーブル、132c・・・維持ボール記録部、132d・・・オッズ変動テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、有体物の抽選媒体を用いて物理的な抽選を行う抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルゲーム機等の遊技機に使用される抽選装置には、ボール等の有体物を抽選媒体として用いて物理的抽選(あるいは機械式抽選)を行うものが知られている。この種の抽選装置では、遊技フィールド内に抽選媒体を捕捉可能な複数の捕捉部(ポケットなど)を有する抽選盤が配置されており、遊技フィールドに投入された抽選媒体が遊技フィールド内で移動した後に抽選盤のどの捕捉部に捕捉されたかにより抽選結果が決定される。
【0003】
上記のような物理的抽選は、コンピュータにより抽選結果を決定するデジタル抽選と異なり、遊技者が抽選の過程を直接視認できることから、ソフトウェア的な操作やごまかしへの疑念を生みにくく、遊技者に信頼感を与え易い点で優れている。
【0004】
特許文献1には複数段階で物理的抽選を行なう抽選装置を備える遊技機が示されている。特許文献1の遊技機は、ゲームフィールドMF内に複数の孔部(捕捉部)51,61を有する複数段のボール転動用円板(抽選盤)5A,5B,6を備えている。抽選媒体であるボールBは、最初、上段のボール転動用円板5Aに投入されてある程度の時間転動した後に、いずれかの孔部51に捕捉されて中段のボール転動用円板5Bに落下する。ボール転動用円板5Bに落下したボールBは同様にしていずれかの孔部51から最下段のボール転動用円板6に落下し、最終的にボールBがどの孔部61に捕捉されたかにより抽選結果が決定される。孔部61に捕捉されたボールBはガイド体71からボール供給口42に導かれ、上段のボール転動用円板5Aに再投入することが可能な高さまでコンベア41により上方に向けて移送(揚送)される。
【0005】
一般に、物理的抽選を行う抽選装置では、抽選の興趣性や抽選結果の予測困難性を高めることが重要である。特許文献1の遊技機では、3段のボール転動用円板5A,5B,6を用いて複数段階の抽選を行うことで抽選の興趣性の向上が図られ、更に、各ボール転動用円板5A,5B,6を移動させる(軸62A,62Bの周りで回転させる)ことで抽選結果の予測困難性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4323385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の抽選装置は、ボールの自重を利用した抽選機構を採用しているため、ゲームフィールド内における抽選媒体の移動方向は上方から下方への移動に限られている。そのため、抽選によりボール転動用円板6の下方(ボール供給部42)まで下降したボールBを再度ボール転動用円板5Aに投入するには、コンベア41による揚送が必要である。
【0008】
このように、従来の物理的抽選を行う抽選装置では、コンベア41等による揚送が必要であることから、ボール転動用円板5A,5B,6を移動(回転)させるための動力機構とは別個にボールBの揚送のための専用の動力機構が必要となり、これにより、装置の大型化や装置コストの増大を招く問題がある。
【0009】
また、複数のボール転動用円板(抽選盤)を用いて段階的に抽選を行うのであれば、抽選への期待感を盛り上げる演出として、又は、後段の抽選ほど周囲から見え易くするために、段階が進むに従ってより高い位置に配置された抽選盤で抽選を行うことが望ましい場合がある。しかし、これには段階毎に抽選媒体を揚送するための複雑で高価な揚送機構が必要となるため、これまでのところ、そのような抽選装置は実現されていない。
【0010】
本発明は、上記状況においてなされたものであり、その主要な目的は以下の通りである。
【0011】
すなわち、本発明の目的は、抽選媒体を捕捉可能な捕捉部を有する抽選盤を移動させる構成の抽選装置において、追加的な動力機構を用いることなく、抽選に使用した抽選媒体を揚送することが可能な抽選装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、抽選媒体を捕捉可能な捕捉部を有する抽選盤を移動させる構成の抽選装置において、追加的な動力機構を用いることなく、抽選盤での抽選に使用した抽選媒体を再度その抽選盤に投入することを可能とした抽選装置を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、抽選媒体を捕捉可能な捕捉部を有する上下2段以上の抽選盤を移動させる構成の抽選装置において、追加的な動力機構を用いることなく、或いは、簡易な構成をもって、下方の抽選盤での抽選に使用した抽選媒体を上方の抽選盤に投入することを可能とした抽選装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、筐体と、抽選媒体が移動可能な第1移動面と、前記第1移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第1捕捉部を有し、前記筐体に対して第1の方向に移動する第1抽選盤と、前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤とともに移動し、前記抽選媒体を前記第1の方向に向けて駆動することが可能な誘導面と、前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤に対して前記第1の方向の逆方向に移動する係止面とを備える抽選装置であって、前記係止面の前記第1抽選盤に対する起立角度は、前記誘導面の前記第1抽選盤に対する起立角度よりも、相対的に前記第1の方向側に傾斜しており、前記抽選媒体が、前記誘導面による前記第1の方向への駆動により、前記係止面に沿って上方に向けて移送されることを特徴とする抽選装置(請求項1)である。
【0015】
本発明では、移動面を移動する抽選媒体が第1捕捉部に捕捉されるか否かにより、あるいは、複数の第1捕捉部のいずれに捕捉されるかにより抽選を行うことが可能である。
【0016】
また、本発明では、係止面が誘導面よりも第1の方向側に傾斜しているために、誘導面による抽選媒体の第1の方向への駆動によって、抽選媒体を係止面に沿って上方に向けて移送(揚送)することが可能である。このように、第1抽選盤を第1の方向に移動させるための駆動機構とは別個の動力機構を設けることなく、第1抽選盤での抽選に使用した抽選媒体を揚送することが可能である。
【0017】
揚送した抽選媒体は、そのまま第1移動面に再度投入することも可能であり、別の目的に使用することも可能である。
【0018】
本発明の「抽選媒体」は、移動面を移動可能であり、第1捕捉部に捕捉されることが可能な任意の有体物である。抽選媒体の例としては、球形のボールや円板状のメダル、サイコロ等の多面体を挙げることができる。移動の態様は任意であり、例えば、抽選媒体の回転を伴う転動であっても良く、回転を伴わない滑動であっても良い。
【0019】
本発明の「移動面」は、抽選媒体が移動可能なサイズ、形状、特性等を有し、第1抽選盤に対して、移動面を移動する抽選媒体が第1捕捉部に捕捉され得る位置関係にある面である。「移動面」の例としては、特許文献1のように中心付近に複数の第1捕捉部(孔部)を有する凹状に湾曲した面(クルーン)や、後述の実施形態のように所定の態様で配列された複数の第1捕捉部に沿って敷設された軌道面を挙げることができる。
【0020】
本発明の「第1捕捉部」は、抽選媒体を捕捉できるサイズ、形状、特性等を有する部材で構成することが可能である。例えば、特許文献1又は後述の実施形態のように、球形の抽選媒体が転がり込む態様で抽選媒体を捕捉する孔、凹み乃至ポケットを第1捕捉部とすることも可能であり、強磁性の抽選媒体を磁力で捕捉する磁石で第1捕捉部を構成することも可能である。
【0021】
本発明の「捕捉」は、抽選媒体を捕らえてそれ以上移動面上で移動できなくすることを言い、一旦捕捉した抽選媒体は一定時間以上捕捉部に保持しても良く、捕捉直後に捕捉部から移動(例えば、特許文献1のように孔部から落下させるなど)させても構わない。
【0022】
本発明の「係止面」と「第1抽選盤」は相互に対して逆方向に移動するが、「係止面」を筐体に対して移動させるか否かは任意である。すなわち、「第1抽選盤」は第1の方向に移動するのだから、「係止面」を筐体に対して不動とした場合、第1の方向の逆方向に移動させた場合、「第1抽選盤」より低速で第1の方向に移動させた場合のいずれの場合でも、「係止面」は「第1抽選盤」に対して逆方向に移動することになる。
【0023】
誘導面及び係止面が第1抽選盤から起立する角度は任意であるが、係止面が誘導面よりも第1の方向側に傾斜していることは必要であり、これにより、抽選媒体の第1の方向への駆動によって、抽選媒体を係止面に沿って上方に移送することが可能になる。
【0024】
抽選媒体の揚送の安定化を図るためには、誘導面は鉛直方向に対して第1の方向の逆側に傾斜している(誘導面の法線が第1の方向に対して上方に傾斜している)ことが好ましく、及び/又は、係止面は鉛直方向に対して第1の方向側に傾斜している(係止面の法線が第1の方向の逆方向に対して上方に傾斜している)ことが好ましい。
【0025】
抽選媒体の揚送の安定化を図るためには、誘導面の法線が第1の方向に対して係止面側に傾斜していることが更に好ましく、及び/又は、係止面の法線が第1の方向の逆方向に対して誘導面側に傾斜していることが更に好ましい。
【0026】
本発明における第1抽選盤及び誘導面の「移動」は、直線状、曲線状、ジグザグ状、左右往復動など任意の態様の移動とすることができるが、第1抽選盤を概略鉛直方向の第1回転軸の周りで筐体に対して回転可能とし、第1抽選盤が当該第1回転軸の周りの第1の回転方向に回転するものとする(請求項2)ことにより、第1抽選盤の駆動機構の簡略化を図ることができる。
【0027】
本発明における「第1の回転方向」は、時計回り方向又はその逆の回転方向である。
【0028】
本発明では、前記第1抽選盤は、複数の前記第1捕捉部を有し、前記第1捕捉部の一部は、捕捉した前記抽選媒体を前記第1抽選盤の回転半径方向に通過させる通路を有する通過捕捉部であること(請求項3)が好ましい。
【0029】
かかる発明では、通過捕捉部に捕捉された抽選媒体を回転半径方向に移動させることが可能である。したがって、抽選媒体が通路を有する通過捕捉部に捕捉されるか、あるいは、通路を有さない他の第1捕捉部に捕捉されるかにより抽選媒体の振り分けを行うことが可能である。
【0030】
振り分けられた抽選媒体のそれぞれをどのように処理し、あるいは、使用するかは任意である。しかし、前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部(好ましくは、通過捕捉部及びそれ以外の第1捕捉部の少なくとも一部)が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、前記誘導面及び前記係止面が前記円周の内周側又は外周側に位置し、前記通路を通過した前記抽選媒体が前記誘導面及び前記係止面により上方に向けて移送される(請求項4)ことが特に好ましく、この場合には、通過捕捉部に捕捉された抽選媒体(通路を通過して回転半径方向に移動した抽選媒体)のみを揚送することが可能となる。
【0031】
揚送された抽選媒体は、第1抽選盤とは別の抽選機構に投入し、あるいは、再度第1抽選盤(の第1移送面)に投入することが考えられ、この場合には、抽選媒体が通過捕捉部に捕捉された場合に2段階の抽選が行われる抽選装置とすることができる。
【0032】
本発明では、前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、前記円周上の位置で前記筐体に固定され、前記第1捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を検知する検知手段と、前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体が前記通路を通過することが可能な開放状態と、前記通路を通過することができない閉鎖状態との間で前記通過捕捉部の状態を変化させる開閉手段とを更に有し、前記開閉手段は、前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を前記検知手段により検知することが可能な位置に前記通過捕捉部が到達するまで前記通過捕捉部を前記閉鎖状態とし、前記通過捕捉部が当該位置を通過した後に前記通過捕捉部を前記開放状態とすること(請求項5)が好ましい。
【0033】
本発明では、所定の円周上に配置された複数の第1捕捉部における抽選媒体の捕捉を単一の検知手段で検知することが可能になる。そのため、検知手段の少数化によるコスト低減や配線の引き回しの容易化等の効果が達成される。
【0034】
また、本発明の通過捕捉部は、抽選媒体を回転半径方向に通過させる通路を有するため、抽選媒体が当該通路を通過した後では上記円周上に配置された検知手段での抽選媒体の検知が出来なくなる。しかし、本発明では、検知手段による抽選媒体の検知が可能な位置に通過捕捉部が到達するまでは、通過捕捉部は抽選媒体が通路を通過できない閉鎖状態に保たれるため、抽選媒体の検知の確実化を図ることができる。
【0035】
本発明では、抽選媒体が移動可能な第2移動面と、前記第2移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第2捕捉部を有し、概略鉛直方向の第2回転軸の周りで第2の回転方向に回転する前記第1抽選盤よりも高い位置に配置された第2抽選盤を更に備え、前記誘導面と前記係止面により上方に移送された前記抽選媒体が前記第2移動面に投入される(請求項6)ことが好ましい。
【0036】
かかる発明の抽選装置は、第1及び第2抽選盤を有しており、第1抽選盤を用いた第1段階の抽選で当選した(抽選媒体が通過捕捉部に捕捉された)場合に第2抽選盤を用いた第2段階の抽選に行うというように、抽選を段階化することが可能であり、これにより抽選の興趣性を高めることができる。更に、第2段階の抽選は、第1抽選盤よりも高い位置にある第2抽選盤で行われるため、抽選への期待感を盛り上げる演出効果を達成し、及び/又は、第2段階の抽選を周囲からより見え易い高い位置で行うことが可能になる。しかも、追加的な動力機構なしに第1抽選盤から第2抽選盤への抽選媒体の揚送が行われるため、装置の小型化及び/又は低価格化が達成される。
【0037】
本発明における「第2の回転方向」は、時計回り方向又はその逆の回転方向である。第1及び第2抽選盤を共通の回転軸の周りで回転させる場合、第1、第2の回転方向は同一の回転方向であっても良く、逆の回転方向であっても良い。
【0038】
本発明では、前記誘導面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する突起を形成し(請求項7)、及び/又は、前記係止面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する誘導溝を形成する(請求項8)ことが可能であり、これにより、係止体からの抽選媒体の放出を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る抽選装置を示す説明図。
【図2】操作パネルを示す説明図
【図3】本体装置の下方部分の外観を示す斜視説明図。
【図4】本体装置の下方部分を平面視で示す説明図。
【図5】基台、第1抽選盤及び第1内周壁の単一サテライト部分を示す説明図。
【図6】閉鎖捕捉体を示す説明図。
【図7】通過捕捉体を示す説明図。
【図8】変形形態に係る通過捕捉体を示す説明図。
【図9】第1誘導体を示す説明図。
【図10】第1係止体を示す説明図。
【図11】誘導面と係止面によるボールの揚送の態様を示す説明図。
【図12】第1誘導体、第1係止体及び第2レーンを取り外した状態の第2抽選部の単一サテライト部分を示す説明図。
【図13】第2誘導体、第2係止体及び第3レーンを取り外した状態の第3抽選部を示す説明図。
【図14】維持捕捉部の充足状況と変動捕捉部にボールが捕捉された場合のオッズの関係を示す説明図。
【図15】回転体を示す説明図。
【図16】回転体の昇降動作を示す説明図。
【図17】本体装置の上方部分を示す説明図。
【図18】ボール回収機構を示す説明図。
【図19】抽選装置の制御系統を示す説明図。
【図20】本実施形態に係る抽選装置における抽選ゲームのフローを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に従って本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0041】
図1は、物理的抽選(機械式抽選)を行う本発明の実施形態に係る例示的な抽選装置(抽選遊技機)1の外観を示す説明図である。
【0042】
図示のように、抽選装置1は、主として基体2と上部構造体3から構成されている。
【0043】
図示の例では、基体2は平面視で概略正方形の外形を有しており、その4辺が1人(又は1組)の遊技者により使用されるサテライト4(4A〜4D)となっている。各サテライト4は操作パネル5、メダル払出口10及び硬貨払出口11を有している。
【0044】
図2は、操作パネル5を拡大して示す説明図である。
【0045】
図示のように、操作パネル5は、メダル投入口12、メダル増ボタン13a、メダル減ボタン13b、抽選ボタン14、硬貨投入口15、精算ボタン16、クレジット表示部17、ベット数表示部18を有している。遊技者は、メダル投入口12又は硬貨投入口15からメダル又は硬貨を投入することでクレジット表示部17のクレジットを増加させることができ、増減ボタン13を操作することでベット数表示部18の数値をクレジットの範囲で増減させることが可能であり、抽選ボタン14を操作すると、ベット数表示部18に表示された数値をベット数とした抽選が行われる。精算ボタン16を操作すると、クレジット表示部17に表示される枚数のメダルがメダル払出口10に払い出される。詰まった硬貨や正常に検出できなかった硬貨は硬貨払出口11に払い出される。
【0046】
上部構造体3は、基体2に立設された4本の柱6と、柱6の上部に載置された天井7と、柱6間に張られたアクリル等の透明板8を有している。透明板8から見える上部構造体3内の空間が抽選ゲームのためのゲームフィールドGFであり、当該ゲームフィールドGFにボールBを用いた物理的抽選を行う本体装置9が設置されている。
【0047】
本体装置9は、下方部分9Aと上方部分9Bから構成されている。後述のように、下方部分9Aは、4つのサテライト4それぞれにおける抽選に使用される専用領域を含むが、上方部分9Bは、4つのサテライト4の共用となっている。
【0048】
図3,4は、本体装置9の下方部分9Aの外観を示す説明図であり、図3では斜視図により、図4では平面図により下方部分9Aが示されている。図3では、主として正面のサテライト4の抽選で使用される領域が示され、他のサテライト4の第1〜第3レーン23,33,43、第1、第2内周壁24,34等は取り外された状態が示されている。
【0049】
下方部分9Aは、それぞれ異なる高さ位置に設置された第1〜第3基台21,31,41を有している。
【0050】
第1基台21には各サテライト4の左端位置に抽選媒体であるボールBを第1レーン23に投入するためのボール投入装置22が据え付けられている。ボールBは、各サテライト4間で識別可能なものを使用することが好ましく、本実施形態では、各サテライト4のボール投入装置22からそれぞれ異なる色のボールBが投入される。
【0051】
第1〜第3基台21,31,41上にはそれぞれ、サテライト4毎に第1〜第3レーン23,33,43が敷設されている。
【0052】
第1〜第3レーン23,33,43はそれぞれ、正面視では中央部ほど低くなるように凹状(円弧状)に湾曲した板状の部材である。平面視では、第1〜第3レーン23,33,43は、この順に曲率半径が小さくなる仰角が概略90度の円弧(扇形)形状を有しており、第2レーン33は第1レーン23の内周側に離間して、第3レーン43は第2レーン33の内周側に離間して相互に同心状に配置されている。
【0053】
第1〜第3レーン23,33,43の上面は、ボールBが移動(転動)することが可能な移動面であり、各移動面には中央部ほど内周側に向けて下降するように傾斜が与えられている。第1〜第3レーン23,33,43は、ボールBが円滑に移動面上を移動できる物性、サイズ、形状等(平滑性、硬度、幅、湾曲度等)を有する材料で構成されている。各移動面は、その外周側及び内周側にそれぞれ所定高さで起立する外壁23a,33a,43a及び内壁23b,33b,43bを有し、各内壁23b,33b,43bの概略中央の第1〜第3レーン23,33,43が最も低くなった位置には、ボールBが通過可能なサイズの切欠23c,33c,43cが形成されている。
【0054】
第1、第2基台21,31には、第1、第2レーン23,33から離間した内周側位置に所定高さの第1、第2内周壁24,34が立設されている。第1、第2内周壁24,34には、サテライト4毎に外周側に向けて所定長さ突出する係合ピン24a,34aが取り付けられている。係合ピン24aの取付位置は、第1レーン23の切欠23cに正対する位置よりも、後述する第1抽選盤25の回転方向R1側に僅かにずれた位置であり、係合ピン34aの取付位置は、第2レーン33の切欠33cに正対する位置よりも、後述する第2抽選盤35の回転方向R2側に僅かにずれた位置である。係合ピン24a,34aの先端は、後述の傾斜面67aとの摩擦軽減のために回転可能とすることができる。
【0055】
上記第1〜第3基台21,31,41、第1〜第3レーン23,33,43及び第1、第2内周壁24,34は相互に対して不動であり、抽選装置1の筐体の一部を構成する。
【0056】
下方部分9Aは更に、筐体に対して可動の部材である平面視円環形状の第1〜第3抽選盤25,35,45を有している。第1〜第3抽選盤25,35,45は、回転駆動機構141〜143により回転軸Rの周りで筐体に対して回転する。これらの部材の回転速度、回転方向等は相互に同一とすることも、相違させることも可能である。本実施形態における第1〜第3抽選盤25,35,45の回転方向R1〜R3は図3,4に示されている。
【0057】
第1〜第3抽選盤25,35,45それぞれの回転位置は、後述のCPU131によりリアルタイムで把握乃至検出可能とされている。回転位置の把握/検出は、ステッピングモータを用いて回転を制御し、或いは、ロータリーエンコーダーによる検出を行うなど、任意の公知の手法により行うことが可能である。
【0058】
図5は、基台21、第1抽選盤25及び第1内周壁24の単一サテライト部分を拡大して示す説明図であり、図5(A)では斜視図により、図5(B)では平面図により当該部分が示されている。図5では第1レーン23等の一部の部材は省略されている。
【0059】
図示のように、基台21には回転軸Rを中心とする所定径の円形開口21aが形成されており、当該円形開口21aの内周側に第1抽選盤25が位置している。
【0060】
第1抽選盤25は、円形開口21aの内周側にこれと同心に配置された円環状の回転輪25aと、回転輪25aの螺子穴25bにネジ留めされた1又は複数の閉鎖捕捉体50及び1又は複数の通過捕捉体60を有している。
【0061】
図6(A),(B)は、閉鎖捕捉体50をそれぞれ前方及び後方から示す説明図である。
【0062】
図示のように、閉鎖捕捉体50は、回転輪25aにネジ留めするための螺子穴51が形成された基部52と、基部52の前方に設けられた所定高さの壁体53と、壁体53から前方に延出し、底面が基部52よりも1段高くなった2本の脚部54と、壁体53の上面に設けられたプラグ55を有している。上記2本の脚部54は、相互に所定距離離間し、両者の間にボールBを1つだけ捕捉(収容)可能なサイズ、形状の閉鎖捕捉部58が形成される。閉鎖捕捉部58の後方には壁体53が起立しているために、閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは壁体53の後方には移動できない。また、 図3のように、閉鎖捕捉部58に切欠23c,33c,43cが正対する位置を除き、閉鎖捕捉部58の前方には内壁23b,33b,43bが起立しているために、閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは内壁23b,33b,43bの前方には移動できない。したがって、閉鎖捕捉部58に一旦捕捉されたボールBは、後述の回収口21cに回収されるまで閉鎖捕捉部58に保持される。
【0063】
プラグ55には、図6(C)のように、抽選結果を示す情報パネル56等を取り付けることが可能である。
【0064】
図7(A),(B)は、通過捕捉体60を前方及び後方からそれぞれ拡大して示す説明図である。
【0065】
図示のように、通過捕捉体60は、回転輪25aにネジ留めするための螺子穴61が形成された所定高さの2つの基部62と、各基部62から前方に延出し、下面が基部62よりも1段高くなった2本の脚部63と、脚部63の上面に立設された2本のピン64と、ピン64を案内する2つの孔65が形成された開閉板66と、開閉板66の背部に設けられた係止片67を有している。上記2本の脚部63は、相互に所定距離離間し、両者の間にボールBを1つだけ捕捉(収容)可能なサイズ、形状の通過捕捉部68が形成される。両脚部63の対向する側面には、後方に向けて傾斜する底面板63aが突設されており、通過捕捉部68に捕捉されたボールBには後方に向かう力が作用する。係止片67には、第1内周壁24の係合ピン24aに係合する傾斜面67aが形成されている。
【0066】
図7(C)には通過捕捉部68が閉鎖状態とされた通過捕捉体60が、図7(D)には通過捕捉部68が開放状態とされた通過捕捉体60が示されている。
【0067】
図7(C)の閉鎖状態では、開閉板66が下方位置にあるために、通過捕捉部68に捕捉されたボールBは開閉板66の後方に移動することができない。一方、開閉板66に上方への力が作用すると、図7(D)のように開閉板66はピン64に沿って上方に移動する結果、両脚部63間に通路69が形成されて通過捕捉部68は開放状態となり、通過捕捉部68に捕捉されたボールBは底面版63aの傾斜に従って通路69を通過して開閉板66の後方側に移動する。
【0068】
図5に示されるように、閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60は、開閉板66及び壁体53の前方端を回転輪25aの外周端に概略一致させ、当該外周端の外周側に脚部54,63を突出させるように回転輪25aに取り付けられている。その結果、抽選盤25のすべての閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68は回転軸Rを中心とする円形開口21aよりも大径の円周上に配列される。したがって、閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68の全体又は少なくとも一部は第1基台21上に位置するが、脚部54,63の底面が基部52,62よりも所定寸法だけ高くなっているため、第1抽選盤25は脚部54,63を基台21に接触させることなく回転することが可能である。
【0069】
閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60が回転輪25aに取り付けられたときの壁体53及び脚部63の内周側端と第1内周壁24の外周側端の間に幅寸法d1の間隙25cが形成される。この寸法d1は、ボールBの径以上の寸法であり、通過捕捉部68の通路69から間隙25cに移動したボールBは、間隙25c内で周方向に移動することができる。
【0070】
基台21は、サテライト4毎の閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68の回転半径位置(上記円周上の位置/回転軸Rからの距離が閉鎖捕捉部58及び通過捕捉部68と同一となる位置)に、検知手段21b及び回収口21cを有している。検知手段21bは閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68に捕捉されたボールBを検知するためのものである。検知手段21bを含む本実施形態におけるすべての検知手段は、機械式、光学式、電磁式等の任意の方式でボールB(又はB’)を検出するものとすることができる。回収口21cは閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBを下方部分9Aの内部に設置されたボール回収機構110に回収するためのものである。
【0071】
検知手段21b及び回収口21cの円周方向位置は必要に応じて適宜適切に決定することができるが、本実施形態では、検知手段21bは各サテライト4の概略中央位置(より正確には、第1レーンの切欠23c(図3参照)と一致する位置またはそれよりも若干回転方向R1側の位置)に配置され、回収口21cは、各サテライト4における最も回転方向R1側の位置(ボール回収機構110の第1連絡口116の直上位置)に配置されている。
【0072】
以上述べたところの第1基台21、ボール投入装置22、第1レーン23、第1内周壁24及び第1抽選盤25は、抽選の第1段階を行う第1抽選部20を構成する。
【0073】
第1抽選部20では、ボール投入装置22から投入されたボールBは、凹状に湾曲した第1レーン23の移動面を左右に転動する。その後の時間経過によりある程度以下の速度となったボールBが切欠23cを通過するタイミングで、いずれかの閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68と切欠23cの円周方向位置が一致すると、移動面の内周側への傾斜によりボールBは切欠23cを通過してその閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68に捕捉される(転がり込む)。捕捉されたボールBは、もはや移動面で移動しない。
【0074】
ボールBが閉鎖捕捉部58に捕捉された場合は、ボールBはそのまま閉鎖捕捉部58に保持され、半径方向内方には移動できないため、ボールBは閉鎖捕捉部58の回転半径位置に配置された検知手段21bにより必ず検知される。
【0075】
本発明において抽選結果としてどのような事項を決定し、どのような場合にどのような方法で抽選結果を決定するかは任意であるが、本実施形態での抽選結果はオッズ(数値)であり、ボールBが閉鎖捕捉部58に捕捉された場合には、どの閉鎖捕捉部58にボールBが捕捉されたかに応じてオッズが決定される。
【0076】
より具体的には、閉鎖捕捉部58にはそれぞれ複数種類のオッズのいずれかが割り当てられており、検知手段21bによるボールBの検知タイミングから把握される第1抽選盤25の回転位置に基づいてボールBを捕捉した閉鎖捕捉部58が特定され、その特定された閉鎖捕捉部58に割り当てられたオッズが抽選結果として決定される。
【0077】
閉鎖捕捉部58に割り当てるオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、「0」〜「5」程度の比較的小さいオッズが割り当てられている。
【0078】
閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは、閉鎖捕捉部58が回収口21cまで回転したときに回収口21cから落下してボール回収機構110に回収され、これにより、1回の抽選が終了する。
【0079】
ボールBが通過捕捉部68に捕捉された場合には、ボールBが検知手段21bによる検知が可能な位置に到達するまでは、通過捕捉部68は図7(C)の閉鎖状態にあるため、検知手段21bはボールBを確実に検知することができる。
【0080】
第1抽選盤25が当該位置から更に回転方向R1に回転すると、係合ピン24aが傾斜面67aに当接して開閉板66を上方に押し上げるため、通過捕捉部68は図7(D)の開放状態に移行し、ボールBは底面板63aの傾斜に従って通路69を内周側に通過し、開閉板66、第1内周壁24及び両脚部63の間のスペース69a(図7(B))に保持される。
【0081】
第1抽選盤25が更に回転して係合ピン24aが傾斜面67aから離れると、開閉板66は係合ピン24aの支持を失って通過捕捉部68は図7(C)の閉鎖状態に復帰する。そのため、後述の係止面83との当接等によりボールBに外周側への力が作用した場合でも、ボールBが開閉板66の外周側に移動すること(通過捕捉部68に戻ってしまうこと)を防止できる。
【0082】
図8は、変形形態に係る通過捕捉体60’を示す説明図である。
【0083】
この通過捕捉体60’は、通過捕捉体60と同様の構成に加え、前方端が底面板63aと連続し、後方に向けて下降する傾斜を有する傾斜板63bを有している。また、両基部62は、脚部63よりも回転方向R1の逆側に位置し、回転方向R1の逆側の基台62の端部62aと傾斜板63bの端部63cが離間して、両者の間にスペース69bが形成されている。通過捕捉体60’は、通過捕捉体60と同様のピン64、開閉板66、係止片67(不図示)を備えることができる。
【0084】
通過捕捉体60’では、通過捕捉部68から通路69を通過したボールBは、スペース69bに保持される(図8(B))が、端部63cが外周側に向かうほど高くなる段差となっているために、スペース69bに保持されたボールBに外周側への力が作用した場合でも、ボールBが通過保持部68に戻ってしまうことを防止できる。したがって、通過捕捉体60’を使用する場合は、係合ピン24a、ピン64、開閉板66、係止片67等を省略することも可能である。
【0085】
図3,4に戻って、抽選の第2段階を行う第2抽選部30は、第1誘導体70A、第1係止体80A、第2基台31、第2レーン33、第2内周壁34、第2抽選盤35を有しており、第2基台31、第2レーン33、第2抽選盤35はそれぞれ第1基台21、第1レーン23、第1抽選盤25よりも高い位置にある。
【0086】
図9(A)〜(C)は、第1誘導体70Aを前方、後方及び上方から示す説明図である。
【0087】
図示のように、第1誘導体70Aは、ネジ留めのための螺子穴71が設けられた基部72と、基部72から立ち上がる誘導面73と、誘導面73の上部に連続して設けられた突起74と、誘導面73の前方側を覆うカバー75を有している。誘導面73は、ボールBが円滑に移動できる程度の平滑性を有している。
【0088】
第1誘導体70Aは、基部72を閉鎖捕捉体50の基部52上に重ねるようにして螺子穴71を回転輪25aにネジ留めされる。したがって、第1誘導体70Aは、第1抽選盤25と一体となって回転方向R1に向けて回転する。
【0089】
第1誘導体70Aが回転輪25aに取り付けられた状態では、誘導面73は、鉛直方向Vに対して所定角度α1だけ回転方向R1の逆側に傾斜し(誘導面73の法線N1が回転方向R1に対して所定角度α1だけ上方に傾斜し)、平面視では半径方向r(図4参照)に対して所定角度β1だけ回転方向R1側に傾斜する(誘導面73の法線N1が、回転方向R1に対して内周側に所定角度β1だけ傾斜する)。また、突起74は、誘導面73の上端から誘導面の内周側に張り出した凸状部を形成する。
【0090】
誘導面73は、間隙25cの外周寄りに位置し、誘導面73の幅寸法は、その内周側端から第1内周壁24の外周側端までの距離d2(図5(B)参照)がボールBの径未満となるよう設定されている。したがって、回転方向R1に回転する誘導面73により、間隙25cにあるボールB1を回転方向R1に向けて駆動する(ボールBに回転方向R1に向かう力を作用させる)ことができる。
【0091】
図10(A)〜(C)は、第1係止体80Aを前方、後方及び上方から示す説明図である。
【0092】
第1係止体80Aは、第1内周壁24に対してネジ留めするための螺子穴81と、基部82と、基部82から立ち上がる係止面83と、係止面83の上端に連続する上面84と、係止面83と上面84の境界から係止面83上に張り出した張出面85を有している。係止面83は、ボールBが円滑に移動できる程度の平滑性を有している。
【0093】
第1係止体80Aは、各サテライト4における最も回転方向R1側の位置にネジ穴81によって内周壁24にネジ留め固定される。したがって、係止面83は筐体に対して不動であり、第1抽選盤25に対しては、相対的に回転方向R1の逆方向に回転する。
【0094】
第1係止体80Aが第1内周壁24に取り付けられた状態で、係止面83は、鉛直方向Vに対して所定角度α2だけ回転方向R1側に傾斜し(係止面83の法線N2が回転方向R1の逆方向に対して上方に所定角度α2だけ傾斜し)、平面視では半径方向rに対して所定角度β2だけ回転方向R1側に傾斜する(係止面83の法線N2が回転方向Rの逆方向に対して外周側に所定角度β2だけ傾斜する)。
【0095】
また、上面84は係止面83との境界から回転方向R1側に向けて緩やかに上昇する傾斜を有し、張出面85は係止面83との境界から回転方向R1の逆側に向けて緩やかに上昇する傾斜を有し、上面84と張出面の間に溝86が形成されている。上面84は、内周側に向かって下降する傾斜も有している。
【0096】
係止面83は、間隙25cの内周寄りに位置し、係止面83の幅寸法は、誘導面73の内周端が係止面83の外周端に接触せず、かつ、係止面83の外周端から壁体53及び脚部63の内周端までの距離d3(図5(B)参照)がボールBの径よりも小さくなるように設定されている。したがって、第1抽選盤25は第1誘導体70Aを第1係止体80Aに接触させることなく回転することが可能であり、間隙25cのボールBは、係止面83を越えて回転方向R1側に移動することはできない。
【0097】
図11は、誘導面73と係止面83がすれ違っていく際にボールBが揚送される態様を示す説明図である。
【0098】
サテライト4の概略中央位置で通過捕捉体68に捕捉されてスペース69aに移動したボールBは、スペース69aに保持された状態で、第1抽選盤25の回転(通過捕捉体60の回転)に伴って回転方向R1に向けて移送され、サテライト4の最も回転方向R1側に移送されたところで誘導面83に当接する。
【0099】
回転盤25が更に回転方向R1に回転すると、ボールBは、誘導面83を越えて回転方向R1側に移動できないため、ボールBはスペース69aから放出される。回転盤25は、ボールBをその位置に留めたまま回転を継続し、やがては、回転輪25aに取り付けられたいずれかの第1誘導体70の誘導面73がボールBに当接する((図11(A))。
【0100】
この状態から更に誘導面73が回転方向R1に回転すると、係止面83が誘導面73よりも回転方向R1側に傾斜しているため、誘導面73により回転方向R1に向けて駆動されるボールBが係止面83に沿って揚送されていく(図11(B))。
【0101】
そして、ボールBが係止面83の上端にまで揚送された以降は、凸状部74によりボールBは上面84上を回転方向R1側に向けて押されるが、上面84には、内周側に向けて下降する傾斜が与えられているため、ボールBは、上面84と張出面85の間の溝86に沿って内周側に落下する(図11(C))。第1係止体80Aの内周側下方には第2レーン33が設置されており、第1係止体80Aから内周側に落下したボールBは、第2レーン33に放出される。
【0102】
なお、上面84は回転方向R1側に上昇する傾斜を有するため、ボールBには回転方向R1の逆側への力が作用するが、誘導面73から内周側に張り出した突起74と、係止面83に張り出した張出面85に遮られるため、ボールBが上面84から係止面83に落下することが防がれる。
【0103】
図12は、第1誘導体70A、第1係止体80A及び第2レーン33を取り外した状態の第2抽選部30の単一サテライト部分を拡大して示す説明図である。
【0104】
第2基台31は、第1基台21の円形開口21aよりも小さい外径を有する円環状の板部材であり、円形開口21aの内周側でこれと同心に配置され、実質的に第1基台21と同様の構成を有している。すなわち、第2基台31は、回転軸Rを中心とする所定径の円形開口31aを有し、第1基台21と同構成の検知手段31b、回収口31cを有している。ただし、検知手段31bは各サテライト4の概略中央位置(より正確には、第2レーン33の切欠33cと一致する位置またはそれよりも若干回転方向R2側の位置)に配置され、回収口31cは、各サテライト4における最も回転方向R2側の位置(ボール回収機構110の第2連絡口118の直上位置)に配置されている。
【0105】
第2抽選盤35は第1抽選盤25と実質的に同様の構成を有している。すなわち、第2抽選盤35は、円形開口31aよりも小さい外径の回転輪35aと、回転輪35aに取り付けられた1又は複数の閉鎖捕捉体50及び1又は複数の通過捕捉体60を有している。第2抽選盤35の閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60は、第1抽選盤25の閉鎖捕捉体50及び通過捕捉体60とそれぞれ同様の幾何学構造を有し、第1抽選盤25と同様の態様で第2回転輪35aに取り付けられている。
【0106】
第2抽選盤35の各閉鎖捕捉体50の閉鎖捕捉部58には、複数種類のオッズのいずれかが割り当てられている。このオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、第2抽選盤35での抽選で決定されるオッズの期待値が第1抽選盤25のそれよりも大きくなるようなオッズ(例えば、「0」〜「15」程度)が割り当てられている。
【0107】
第2抽選部30では、第1抽選部20の間隙25cにあるボールBが第1誘導体70A及び第1係止体80Aにより図11の態様で揚送されて第2レーン33に放出され、以降は、第1抽選部20と実質的に同様にして抽選の第2段階が進行する。
【0108】
すなわち、第2レーン33に放出されたボールBは、第2レーン33の移動面を移動した後に第2抽選盤35のいずれかの閉鎖捕捉部58又は通過捕捉部68に捕捉される。
【0109】
ボールBが閉鎖捕捉部58に捕捉された場合は、そのボールBを捕捉した閉鎖捕捉部58に割り当てられたオッズが抽選結果として決定される。第2抽選部30の閉鎖捕捉部58に第1抽選部20よりも平均的に大きいオッズを割り当てた場合には、第2抽選部30による抽選おいて遊技者により大きな期待感を与えることができる。
【0110】
閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは、閉鎖捕捉部58が回収口31cまで回転したときに回収口31cから落下してボール回収機構110に回収され、これにより、1回の抽選が終了する。
【0111】
ボールBが通過捕捉部68に捕捉された場合には、ボールBは、通路69を通過してスペース69aに移動する。
【0112】
図3,4に戻って、抽選の第3段階を行う第3抽選部40は、第2誘導体70B、第2係止体80B、第3基台41、第3レーン43、第3抽選盤45を有しており、第3基台41、第3レーン43、第3抽選盤45は第2基台31、第2レーン33、第2抽選盤35それぞれよりも高い位置にある。
【0113】
第2誘導体70B及び第2係止体80Bの構成は、第2抽選部30の第1誘導体70A及び第1係止体80Aと実質的に同様である。ただし、第2誘導体70B及び第2係止体80Bは、第1誘導体70A及び第1係止体80Aと左右逆向きであり、第2係止体80Bの取り付け位置は、各サテライト4における最も回転方向R2側となっている。
【0114】
図13には、第2誘導体70B、第2係止体80B及び第3レーン43を取り外した状態の第3抽選部40が示されている。
【0115】
第3基台41は、第2基台31の円形開口31aよりも小さい外径を有する円環状の板部材であり、円形開口31aの内周側でこれと同心に配置されている。第3基台41は、回収口41cにシャッターSが取り付けられている点を除いて実質的に第1基台21と同様の構成を有している。
【0116】
すなわち、第3基台41は、回転軸Rを中心とする所定径の円形開口41aを有し、第1基台21と同構成の検知手段41b、回収口41cを有している。検知手段41bは、各サテライト4の概略中央位置(より正確には、第3レーン43の切欠43cと一致する位置またはそれよりも若干回転方向R3側の位置)に配置され、回収口41cは、各サテライト4における最も回転方向R3側の位置(ボール回収機構110の第3連絡口119の直上位置)に配置されている。
【0117】
シャッター41dは、CPU131の制御に従って矢印方向に進退することで回収口41cを開閉する。
【0118】
第3抽選盤45は、円形開口41aよりも小径の円環状の回転輪45aを有し、当該回転輪45aに1又は複数(本実施形態では4つ)の維持捕捉体50A(50A1〜50A4)と、1又は複数(本実施形態では1つ)の変動捕捉体50Bと、1又は複数(本実施形態では1つ)のJP捕捉体60Aがネジ留めにより固定されている。
【0119】
維持捕捉体50A及び変動捕捉体50Bは、第1、第2抽選盤25,35の閉鎖捕捉体50と同様の幾何学構造を有している。
【0120】
ただし、維持捕捉体50Aが回収口41cを通過する際に、シャッター41dは所定の場合を除いて回収口41cを閉鎖するように動作する。そのため、いずれかの抽選においてボールBが維持捕捉体50Aの閉鎖捕捉部58に捕捉されると、捕捉されたボールBは、次回以降の1以上の抽選において閉鎖捕捉部58に捕捉された状態(「入」状態)に維持される(本明細書では、捕捉部58、68等にボールBが捕捉された状態を「入」状態、捕捉されていない状態を「空」状態と言う場合があり、維持捕捉体50Aの閉鎖捕捉部58を維持捕捉部58Aと言う場合がある)。
【0121】
したがって、本実施形態では、どの程度の確率でボールBが維持捕捉部58Aに捕捉されるか、何回の抽選に渡って「入」状態が維持されるかなどにより、維持捕捉部58Aの充足状況(各維持捕捉部58Aの充足状態が「入」状態か「空」状態かの状況)が変化する。
【0122】
各維持捕捉部58Aには、複数種類のオッズのいずれかが割り当てられている。このオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、第3抽選盤45での抽選で決定されるオッズの期待値が第2抽選盤35のそれよりも大きくなるようなオッズ(例えば、「0」〜「30」程度)が割り当てられている。
【0123】
一方、変動捕捉体50Bが回収口41cを通過する際には、シャッター41dは必ず回収口41cを開放するように動作する。そのため、第1、第2抽選盤25,35の閉鎖捕捉部58と同様に、変動捕捉体50Bの閉鎖捕捉部58に捕捉されたボールBは、閉鎖捕捉部58が回収口41cを通過する際に必ずボール回収機構110に回収される(本明細書では、変動捕捉体50Bの閉鎖捕捉部58を変動捕捉部58Bと言う場合がある)。したがって、いずれかの抽選において変動捕捉部58BがボールBを捕捉することで「入」状態となったとしても、その「入」状態が次回の抽選まで維持されることはない。
【0124】
ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合には、シャッター41dは、「入」状態にある維持捕捉部58A1〜58A4のいずれか1つに捕捉されたボールBが回収口41cから回収されるように所定のタイミングで動作する。ボールBが回収される維持捕捉部58A1〜58A4をどのようにして選択するかは任意であるが、乱数を用いた抽選により選択するなどが考えられる。
【0125】
JP捕捉体60Aは、開閉板66を有さない点を除いて第1、第2抽選盤25,35の通過捕捉体60と同様の幾何学構造を有している。従って、JP捕捉体60Aの通過捕捉部68は常に開放状態であり、通過捕捉部68に捕捉されたボールBは、直ちに通路69を通って第3抽選盤45の内周側に移動する(本明細書では、JP捕捉体60Aの通過捕捉部68をJP捕捉部68Aと言う場合がある)。したがって、いずれかの抽選においてJP捕捉部68AがボールBを捕捉することで「入」状態となったとしても、その「入」状態が次回の抽選まで維持されることはない。
【0126】
ボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、シャッター41dは、「入」状態にある維持捕捉部58A1〜58A4のいずれか1つに捕捉されたボールBが回収口41cから回収されるように所定のタイミングで動作する。ボールBが回収される維持捕捉部58A1〜58A4の選択方法は上記と同様である。
【0127】
第3抽選部40では、第2抽選部30と同様の態様で、第2誘導体70B及び第2係止体80Bにより揚送されたボールBが第3レーン43に放出され、以降は、以下の態様で抽選の第3段階が進行する。
【0128】
すなわち、第3レーン43に放出されたボールBは、第3レーン43の移動面を移動した後に維持捕捉部58A、変動捕捉部58B、JP捕捉部68Aのいずれかに捕捉される。
【0129】
4つの維持捕捉部58Aがすべて「空」状態なら、抽選において6つの捕捉部58A,58B,68AにボールBが捕捉される確率は概略同じであり、それぞれ約16.7%(=1÷6)である。
【0130】
しかし、ボールBが維持捕捉部58Aに捕捉されることで「入」状態の維持捕捉部58Aが増えると、「入」状態の維持捕捉部58AはもはやボールBを捕捉できないので、それ以外の捕捉部(変動捕捉部58B、JP捕捉部68A及び「空」状態の維持捕捉部58A)にボールBが捕捉される確率が高くなる。すべての維持捕捉部58Aが「入」状態になると、抽選において変動捕捉部58B、JP捕捉部68AにボールBが捕捉される確率はそれぞれ50%となる。
【0131】
ボールBが維持捕捉部58Aに捕捉された場合(維持捕捉部58Aが「空」状態から「入」状態に変化した場合)には、抽選結果として、ボールBを捕捉した維持捕捉部58Aに割り当てられたオッズが決定される。維持捕捉部58Aに第2抽選部30の閉鎖捕捉部58よりも平均的に大きいオッズを割り当てた場合には、第3抽選部40による抽選において遊技者により大きな期待感を与えることができる。
【0132】
ボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合(JP捕捉部68Aが「空」状態から「入」状態に変化した場合)には、本体装置9の上方部分9Bを用いたJP抽選(抽選の第4段階)が実行される。
【0133】
JP抽選の内容をどのようなものとするかは任意であるが、本実施形態のJP抽選では、第1〜第3抽選盤20,30,40での抽選のいずれにおいて決定されるオッズの期待値よりも大きい期待値をもってオッズが決定される。JP抽選の詳細は後述する。
【0134】
ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合(変動捕捉部58Bが「空」状態から「入」状態に変化した場合)には、維持捕捉部58Aの充足状況に応じたオッズが決定される。
【0135】
本発明においてボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合の遊技結果を、各維持捕捉部58Aの充足状況に応じてどのように決定するかは任意であるが、本実施形態では、各維持捕捉部58Aの充足状況によらず、第3抽選部40における抽選で決定されるオッズの期待値が一定になるようにオッズが決定される。
【0136】
図14は、維持捕捉部58Aの充足状況に応じてボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合のオッズがどのように定まるかを示す説明図である。
【0137】
図14の「オッズ」欄には、各維持捕捉部58A1〜58A4に割り当てられたオッズ、上方部分9BのJP抽選におけるオッズの期待値、及び、変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定されるオッズが示されている。
【0138】
図示のように、この例では、4つの維持捕捉部58Aのうちの2つ(58A2,58A3)には「20」のオッズが割り当てられ、残り2つ(58A1,58A4)には「4」のオッズが割り当てられている。上方部分9Bの抽選で決定されるオッズの期待値は「40」である。
【0139】
この場合の維持捕捉部58A1〜58A4の充足状況としては、組み合わせとして図14の状況1〜状況9の9通りが有り得る。
【0140】
図14では、これらの各状況1〜9における維持捕捉部58A1〜58A4の充足状態(「入」状態か、「空」状態かの別)、及び、各捕捉部58A1〜58A4,58B,68AがボールBを捕捉する確率、並びに、各状況1〜9において第3抽選部40の抽選で決定されるオッズの期待値(全体の期待値)が示されている。
【0141】
図から分かるように、この例では、維持捕捉部58A1〜58A4の充足状態に応じて変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定されるオッズを「38」〜「2」の範囲で変動させることにより、第3抽選部40の抽選で決定されるオッズの期待値は常に一定の値(「21」)に維持される。
【0142】
一般的には、「入」状態の維持捕捉部58A1〜58A4が増えるほど、変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定するオッズを小さくし、また、その小さくする程度を「空」状態になった維持捕捉部58A1〜58A4に割り当てられたオッズに応じて適切に変化させる(「入」状態になった維持捕捉部58A1〜58A4に割り当てられたオッズが小さいときには、変動捕捉部58BにボールBが捕捉された場合に決定するオッズを大幅に小さくする)ことにより、第3抽選部40の抽選で決定されるオッズの期待値を平準化し、あるいは、一定にすることが可能である。
【0143】
第3抽選盤45の内周側には、回転軸Rの軸方向に昇降することが可能であり、第3抽選盤45と一体となって回転方向R3に回転する回転体90が配置されている。本実施形態では、回転体90と上方部分9Bが、JP捕捉部68Aに捕捉されたボールBを発射したサテライト4との関連で抽選動作を行う共用動作機構を構成する。
【0144】
図15は、回転体90を示す説明図であり、図15(A),(B)では、前方及び後方から見た回転体90が示され、図15(C)では、回転体90の分解図が示されている。
【0145】
図示のように回転体90は、キャップ91、ストッパー92及び筒体93を有している。回転体90は、第3抽選盤45と一体に回転軸Rの周りで回転方向R3に向けて回転するとともに、CPU131の指令に基づいて、昇降駆動装置145の駆動により上昇/下降することが可能である。
【0146】
キャップ91は、ボールBよりも大きい内径の上部回収口94aと、キャップ91下面から下方に延出し、先端に係止部91aが形成された2本のピン91bを有している。
【0147】
ストッパー92は、キャップ91の下方で上部回収口94aに部分的に迫り出すように筒体93の内部空間に固定された部材であり、上部回収口94aに嵌入したボールBの保持/回収を制御する役割を有する。ストッパー92はピン91bを案内する2つの通孔92aを有している。
【0148】
筒体93は、金属等で形成されたキャップ91よりも小さい外径を有する中空部材であり、下部回収口94b、上部及び下部仕切板95a,95b、並びに上部及び下部排出口96a,96bを有している。
【0149】
上部排出口96aは筒体93の概略中央高さに形成されており、下部回収口94bは上部排出口96aと概略同じ高さで、筒体93の反対側に形成されている。下部排出口96bは、下部回収口94bの下方で下部回収口94bよりも所定角度(例えば、5〜60度程度)だけ回転方向R3の逆側位置に形成されている。
【0150】
上部及び下部仕切板95a,95bは、上部及び下部排出口96a,96bの下端から筒体93の中空空間に向けて所定角度で上方に傾斜して取り付けられた板部材である。したがって、上部回収口94aから回収されたボールBは、上部仕切板95aに落下し、その傾斜に従って上部排出口96aから排出され、下部回収口94bから回収されたボールBは、下部仕切板95bに落下し、その傾斜に従って下部排出口96bから排出される。
【0151】
図15(D)は、回転体90と第3抽選盤45の位置関係(角度配置)を示す説明図である。図15(D)では、説明の便宜上、回転体90が後述の上昇位置まで上昇した状態が示されている。
【0152】
図示のように、回転体90と第3抽選盤45は、下部回収口94bがJP捕捉部68Aと一致する位置関係(角度配置)にあり、回転体90及びJP捕捉部68Aは、この角度配置を保ったまま、一体に回転方向R3に回転する。
【0153】
図16は、回転体90の昇降動作の態様を示す説明図であり、図16(A)〜(C)には、通常位置、上昇位置及び下降位置にある回転体90が側面視で示されている。
【0154】
図16(A)は、回転体90が通常位置にある状態を示している。図示のように、回転体90は、回転輪45aの開口45cよりも小さい外径を有しており、通常位置では、回転体90は、キャップ91の上面が回転輪45aの上面と同一又はそれより低くなる高さで、開口45c内に保持されている。したがって、JP捕捉部68Aの通路69を通過したボールBは、回転体90の上部回収口94aに転がり込むが、ストッパー92がボールBを下方から支持するため、ボールBは下方に落下せず、図示のように、上部回収口94aに一部が嵌入した状態で保持される。
【0155】
図16(B)は、回転体90が上昇位置にある状態を示している。この状態では、下部回収口94bの下端が回転輪45aの上面と概略同一高さ(或いはそれよりも若干低い高さ)となる位置まで回転体90が上昇する。回転体90は、下部回収口94bがJP捕捉部68Aと一致する角度配置に保たれているため、回転体90が上昇位置にあるときにJP捕捉部68Aの通路69を通過したボールBは、直ちに下部回収口94bから回収される。
【0156】
図16(C)は、回転体90が下降位置にある状態を示している。回転体90を通常位置から更に下降させていくと、ある位置で回転輪45aの下面から開口45cの内方に張り出した係止板45dがキャップ91の下縁部に係合し、キャップ91はその位置以上には下降できない。そのため、以降は、通孔92aに挿通されたピン91bに案内されてストッパー92と筒体93の部分のみが下降する。そして、キャップ91下面とストッパー92の間にボールBが通過可能な空間が形成される下降位置(図16(C))までストッパー92が下降したところで、ボールBは上部回収口94aから落下し、上部仕切板95aを経て上部排出口96aから排出される。
【0157】
図17は、JP抽選を行う上方部分9Bの例示的な構成を示す説明図である。
【0158】
上方部分9Bは、アクリル等の透明部材で形成された底面が球面状に湾曲したカバー101と、外周に抽選媒体であるボールB’を捕捉することができる6つの捕捉部103を有する捕捉体102と、捕捉体102と一体となって回転する回転コーン104を有している。回転コーン104は薄手のプラスチック成型品から構成されている。
【0159】
各捕捉部103には、複数種類のオッズのいずれかが割り当てられている。このオッズをどの程度の値とするかは任意であるが、本実施形態では、上方部分9Bでの抽選で決定されるオッズの期待値が第1〜第3抽選部20,30,40のいずれにおける期待値よりも大きくなるようなオッズ(例えば、「10」〜「150」程度)が各捕捉部103に割り当てられている。
【0160】
上方部分9Bで使用するボールB’にどのような素材を使用するか、下方部分9Aで使用するボールBと同一のものを使用するか否かなどは任意であるが、本実施形態では、ボールBよりも比重の軽いウレタンスポンジ、硬質製樹脂剤、ゴム材などを用いたボールB’が使用される。
【0161】
回転コーン104には、下端から上方に向けて所定長のスリット104aが形成されている。スリット104aからはバー105が半径方向に延出し、バー105の先端にはロケット模型106が取り付けられている。バー105は回転コーン104と一体に回転するとともに、CPU131の制御によって上下動させることが可能である。
【0162】
図18は、下方部分9Aの内部に収容されるボール回収機構110を示す説明図である。
【0163】
図示のように、ボール回収機構110は、下方基台111上に搭載された4つの回収塔112A〜112Dを有している。
【0164】
回収塔112A〜112Dは相互に同一の構成であり、以下では1つのサテライト4Aに対応する部分についてのみ説明する。
【0165】
回収塔112Aは、サテライト4Aの最も回転方向R1側に位置し、上面にそれぞれ異なる高さの第1〜第3天井板113a〜113cを有している。第1〜第3基台21,31,41は第1〜第3天井板113a〜113c上に保持される。
【0166】
回収塔112Aは更に、供給連絡口114、第1通路115、第1連絡口116、第2通路117、第2連絡口118、第3連絡口119、第4連絡口120を有している。第1〜第4連絡口116,118,119,120には、ボールBの回収を検知するための検知手段116a,118a,119a,120aが取り付けられている。
【0167】
回収塔112Aの第1、第3連絡孔116、119は、それぞれサテライト4Aの第1、第3抽選部20,40の回収口21c,41cの直下に位置し、回収口21c,41cから落下したボールBは、第1、第3連絡口116,119から第1通路115に回収される。
【0168】
サテライト4Aの第2抽選部30の回収口31cの直下には、回収塔112Aの回転方向R2側に隣接する回収塔112Dの第2連絡口118が位置し、回収口31cから当該第2連絡口118に落下したボールBは、第2通路117によって回収塔112Aまで移送されて第1通路115に回収される。
【0169】
第4連絡口120は、サテライト4Aの第3レーン43の切欠33cよりも所定角度だけ回転方向R3側の角度位置で回転体90の側面に対向してこれに近接して開口している。
【0170】
第4連絡口120の高さ位置は、回転体90が上昇位置(15(B))にあるときの上部排出口96a及び回転体90が下降位置(15(C))にあるときの下部排出口96bとも同じ高さである。したがって、上部及び下部排出口96a,96bからのボールBを第4連絡口120から第1通路115に回収することが可能である。
【0171】
第1通路115には外周側に向かって下降する傾斜が与えられており、第1通路115のボールBは、供給連絡口114からボール投入装置22に導かれ、抽選ボタン14が操作される毎にボール投入装置22から第1レーン23に投入される。
【0172】
本実施形態の共用動作機構は、下記のように動作する。
【0173】
通常状態では、回転体90は図16(A)の通常位置にあり、回転コーン104は捕捉部103からボールB’が放出されない程度の低速で回転している。
【0174】
いずれかのサテライト4のボール投入装置22から発射されたボールBが、第1、第2抽選部で通過捕捉部68に捕捉され、更に、第3抽選部40でJP捕捉部68Aに捕捉されると、当該ボールBは、通路69を通過し、通常位置(図16(A))にある回転体90の上部回収口94aに嵌入する。これを契機に回転体90は、上昇位置(図16(B))まで上昇し、上方部分9Bでは、このボールBを発射したサテライト4のためのJP抽選が開始される。
【0175】
JP抽選が開始されると、回転コーン104は回転速度を上昇させ、これにより、ボールB’が捕捉部103から外方に放出される。
【0176】
その後、回転コーン104とともに回転するバー105又はロケット模型106がボールB’に接触できる高さまで下降し、ボールB’をバー105又はロケット模型106で押すことでボールB’をカバー101内で回転させる。
【0177】
一定時間の経過後、バー105はボールB’に接触しない位置まで上昇し、回転コーン104は通常状態の回転速度まで減速する。これにより、ボールB’は徐々に回転力を失い、やがてはいずれかの捕捉部103に捕捉される。各捕捉部103は、捕捉されたボールB’を検出するための検知手段107を有しており、ボールB’を捕捉した捕捉部103が検知手段107からの信号により特定され、特定された捕捉部103に割り当てられたオッズが抽選結果として決定され、これにより、上方部分9Bにおける1回のJP抽選は終了となる。
【0178】
JP抽選が終了すると、上部回収口94aのボールBを発射したサテライト4の第4連絡口120に上部排出口96aが一致するタイミングで、回転体90は下降位置(図16(C))まで下降し、ボールBは上部回収口94aから回収されて上部排出口96aから排出される。排出されたボールBは第4連絡口120から元のサテライト4の回収塔112に回収される。その後、回転体90は通常位置(図16(A))に復帰する。
【0179】
上方部分9Bは、4つのサテライトの共用であるため、上方部分9BでのJP抽選だけを見ても、どのサテライトの遊技者のための抽選であるかは判別できない。しかし、本実施形態では、サテライト毎に識別可能なボールB(色の違うボールB)が使用され、しかも、JP捕捉部68Aに捕捉されたボールBは回転体90に移動し、JP抽選の実行中は上昇位置に持ち上げられて上方部分9Bに接近した状態にある。このように、回転体90上のボールBにより、JP抽選がどのサテライトとの関連で行われているかが分かり易い態様で示される。
【0180】
いずれかのサテライト4からのボールBがJP捕捉部68Aに捕捉されて上方部分9BでJP抽選が実行されている間に、いずれかのサテライト4から発射された別のボールBが更にJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、回転体90が上昇位置(図16(B))にあり、下部回収口94bとJP捕捉部68Aは相互に一致する角度配置に保たれているため、そのボールBは、下部回収口94bから回収されて下部排出口96bから排出される。また、回転体90は回転方向R3に向けて所定速度で回転しており、ボールBがあるサテライト4からJP捕捉部68Aに捕捉されてから下部排出口96bから排出されるまでの時間で、回転体90は下部排出口96bがそのサテライト4の第4連絡口120に一致するところまで回転する。そのため、下部排出口96bから排出されたボールBは、第4連絡口120から元のサテライト4の回収塔112に回収される。
【0181】
なお、JP抽選の実行中に同一又は別のサテライト4から1以上のボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、最初のJP抽選が終了した後に、JP捕捉部68Aに捕捉された他のボールBについてのJP抽選が順次実行される。その間、回転体90は継続して上昇位置(図16(B))に保持される。
【0182】
図19は、抽選装置1が有する制御系統の構成を示す説明図である。
【0183】
図示のように、抽選装置1には、CPU131や記憶装置132、入出力ポート133等を搭載した制御基板(処理装置)130が内蔵されている。
【0184】
ここで、CPU131は、抽選装置1の制御動作の中枢となって装置全体を統括的に制御する情報処理装置である。
【0185】
記憶装置132には、抽選プログラム132a、オッズ割当テーブル132b、維持ボール記録部132c、オッズ変動テーブル132d等を始めとする、抽選装置1の動作に必要となるプログラムやデータが記録されている。
【0186】
ここで、抽選プログラム132aは、種々のパラメータを生成処理し、後述の周辺機器を駆動するなどにより、抽選装置1における抽選動作を制御するものである。
【0187】
オッズ割当テーブル132bには、第1、第2抽選部20,30の各閉鎖捕捉部58、第3抽選部の各維持捕捉部58A、上方部分9Bの各捕捉部103に割り当てられたオッズが記録されている。
【0188】
維持ボール記録部132cは、4つの維持捕捉部58Aの充足状況及び「入」状態の各維持捕捉部58AのボールBがどのサテライト4A〜4Dからのものかを記録するものである。具体的には、いずれかのサテライト4A〜4Dの検知手段41bにより維持捕捉部58AによるボールBの捕捉が検知されたときには、その検知タイミングから特定される維持捕捉部58Aの充足状態が「入」状態に変更されるとともに、その維持捕捉部58AのボールBがどのサテライト4A〜4Dのものかが記録される。また、変動捕捉部58B、JP捕捉部58BでのボールBの捕捉の結果、ボールBが回収されることとなった維持捕捉部58Aの充足状態は「空」状態に変更される。このように、維持捕捉部58Aの充足状況が変化する毎に維持ボール記録部132cの記録は更新されていく。
【0189】
オッズ変動テーブル132dは、図14について説明した態様で定まる複数の維持捕捉部58Aの複数の充足状況のそれぞれについて、ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合のオッズを記録する。
【0190】
記憶装置132は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0191】
制御基板130には、入出力ポート133を介して各種周辺機器が接続されており、CPU131が抽選プログラム132aに従ってこれら周辺機器との間で信号の授受を行うことにより、抽選装置1における抽選が実行される。
【0192】
上記周辺機器には、第1〜第3抽選盤25,35,45及び回転コーン104を回転させるための第1〜第4回転駆動装置141〜144、回転体90を上下動させるための昇降駆動装置145、第1〜第3抽選盤25,35,45の回転位置をリアルタイムで検出するロータリーエンコーダー25e,35e,45e、抽選装置1の各所に設置されたボールB,B’を検出するための検知手段21b,31b,41b,116a,118a,119a,120a,107、シャッター41d、ボール投入装置22、装置内部にストックしたメダルを計数してメダル払出口10に払い出すホッパー装置146、操作パネル5への操作を検出するスイッチ基板147などが含まれる。
【0193】
図20は、本実施形態の抽選装置1において実行される抽選ゲームのフローを示す説明図である。
【0194】
図示のように、この抽選ゲームでは、ステップS1においてクレジットCR、ベット数BNの初期化が行われた後にステップS2においてメダル投入口12及び硬貨投入口15へのメダル又は硬貨投入が検査され、投入があった場合(Yes)にはステップS3においてメダル又は硬貨の別に応じた枚数(α枚)だけクレジットCRを増分した後に処理はステップS2に戻される。
【0195】
メダル又は硬貨の投入が検出されなかった場合(ステップS2:「No」)、ステップS4,S6では、メダル増ボタン13a又はメダル減ボタン13bへの操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、それぞれステップS5,S7においてベット数BNを増減した後に処理はステップS2に戻される。
【0196】
ステップS8では、精算ボタン16への操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、ステップS9においてホッパー装置146が動作し、クレジットCRと同数のメダルがメダル払出口10に払い出されて処理はステップS1に戻される。
【0197】
ステップS10では、抽選ボタン14への操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、処理はステップS11に移行し、操作がなければ処理はステップS2に戻される。
【0198】
ステップS11では、クレジットCRからベット値BNが減算され、続くステップS12では、ボール投入装置22が動作して、供給連絡口114からのボールBが第1レーン23に投入される。
【0199】
その後、検知手段21c,31c,41cからのボールBの検知信号がモニタされ(ステップS13)、検知信号が検知された場合には、CPU131は、当該信号の検知時点と、ロータリーエンコーダー25e,35e,45eからの信号により把握される第1〜第3抽選盤25,35,45の回転位置から当該ボールBがどの閉鎖捕捉部58、通過捕捉部68、維持捕捉部58A、変動捕捉部58B、JP捕捉部68Aに捕捉されたかが特定される(ステップS14)。
【0200】
そして、ボールBが第1、第2抽選部20,30の閉鎖捕捉部58に捕捉された場合には、ステップS15においてオッズ割当テーブル132bが参照され、ステップS14で特定された閉鎖捕捉部58に割り当てられたオッズOZが抽選結果として決定される。
【0201】
ボールBが維持捕捉部58Aに捕捉された場合には、ステップS16においてオッズ割当テーブル132bが参照され、ステップS14で特定された維持捕捉部58Aに割り当てられたオッズOZが抽選結果として決定され、続くステップS17では、維持ボール記録部132cにおけるその特定された維持捕捉部58Aの充足状態を「入」状態に変更する処理が行われる。以降、CPU131は、その維持捕捉部58Aが各サテライト4の回収口41cを通過する際にはその回収口41cが閉鎖されるようにシャッター41dの進退動作を制御する。
【0202】
ボールBが変動捕捉部58Bに捕捉された場合には、ステップS18において維持ボール記録部132c及びオッズ変動テーブル132dが参照され、その時点で維持ボール記録部132cに記録されている4つの維持捕捉部58Aの充足状況についてオッズ変動テーブル132dに規定されたオッズOZが遊技結果として決定される。続くステップS19では、「入」状態にあるいずれか1つの維持捕捉部58Aが選択されるとともに、状態維持ボール記録部132cにおいて、その選択された維持捕捉部58Aの充足状態を「空」状態に変更する処理が行われる。
【0203】
CPU131は、ステップS19で選択された維持捕捉部58Aについて維持ボール記録部132cに記録されたサテライト4A〜4Dの回収口41cをその維持捕捉部58Aが通過するタイミングで開放するようにシャッター41dの進退動作を制御する。これにより、ステップS19で選択された維持捕捉部58AのボールBは、元のサテライト4A〜4Dに戻される。
【0204】
ボールBがJP捕捉部68Aに捕捉された場合には、ステップS20において、「入」状態にあるいずれか1つの維持捕捉部58Aが選択されるとともに、状態維持ボール記録部132cにおいて、その選択された維持捕捉部58Aの充足状態を「空」状態に変更する処理が行われ、ステップS21において、昇降駆動装置145が動作して回転体90が上昇位置(図16(B))まで上昇し、以降、上方部分9BにおけるJP抽選が実行される。
【0205】
すなわち、ステップS22で回転速度を上昇させてボールB’を放出した回転コーン104は、ステップS23で回転速度を通常状態まで減速させ、ステップS24では検知手段107によるボールB’の検知を待ってボールB’を捕捉した捕捉部103が特定され、ステップS25ではオッズ割当テーブル132bが参照されて、ステップS24で特定された捕捉部103に割り当てられたオッズOZが抽選結果として決定される。
【0206】
その後、ステップS26において、昇降駆動装置145が動作し、下部排出口96bとサテライト4Aの第4連絡口が一致するタイミングで回転体90を下降位置(図16(C))まで下降させて上部回収口94aのボールBをボール回収機構110に回収し、その後、回転体90を通常位置(図16(A))に復帰させる。
【0207】
CPU131は、上記JP抽選の実行中又は実行後に、ステップS20で選択された維持捕捉部58Aについて維持ボール記録部132cに記録されたサテライト4A〜4Dの回収口41cをその選択された維持捕捉部58Aが通過するタイミングで開放するようにシャッター41dの進退動作を制御する。これにより、ステップS20で選択された維持捕捉部58AのボールBは、元のサテライト4A〜4Dに戻される。
【0208】
ステップS15,S17,S19,S26の後、ステップS27において検知手段116a,118a,119a、120aからの検知信号がモニタされ、検知信号が検出されると抽選は終了となり、S15,S16,S18又はS25で決定されたオッズOZと、その時点で設定されているベット数BNに基づいて配当POを算出し(ステップS28)、この配当POをクレジットCRに加算し(ステップS29)、次回の抽選ゲームを実行するべく処理をステップS2に復帰させる。
【0209】
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態における抽選装置又は遊技機又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、抽選装置の動作において使用するパラメータの種類、値の大小、算出方法等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0210】
1・・・抽選装置、2・・・基体、3・・・上部構造体、4・・・サテライト、5・・・操作パネル、6・・・柱、7・・・天井、8・・・透明板、9・・・本体装置、9A・・・下方部分、9B・・・上方部分、10・・・メダル払出口、11・・・硬貨払出口、13・・・増減ボタン、14・・・抽選ボタン、15・・・硬貨投入口、16・・・精算ボタン、17・・・クレジット表示部、18・・・ベット数表示部、20・・・第1抽選部、21・・・第1基台、22・・・ボール投入装置、23・・・第1レーン、24・・・第1内周壁、25・・・第1抽選盤、30・・・第2抽選部、31・・・第2基台、33・・・第2レーン、34・・・第2内周壁、35・・・第2抽選盤、40・・・第3抽選部、41・・・第3基台、43・・・第3レーン、45・・・第3抽選盤、50・・・閉鎖捕捉体、58・・・閉鎖捕捉部、60・・・通過捕捉体、68・・・通過捕捉部、50A・・・維持捕捉体、58A・・・維持捕捉部、50B・・・変動捕捉体、58B・・・変動捕捉部、60A・・・JP捕捉体、68A・・・JP捕捉部、70A,70B・・・第1、第2誘導体、80A,80B・・・第1、第2係止体、90・・・回転体、91・・・キャップ、92・・・ストッパー、93・・・筒体、101・・・カバー、102・・・捕捉体、103・・・捕捉部、104・・・回転コーン、110・・・ボール回収機構、111・・・下方基台、112・・・回収塔、113・・・天井板、114・・・供給連絡口、115・・・第1通路、116・・・第1連絡口、117・・・第2通路、118・・・第2連絡口、119・・・第3連絡口、120・・・第4連絡口、130・・・制御基板、132・・・記憶装置、132a・・・抽選プログラム、132b・・・オッズ割当テーブル、132c・・・維持ボール記録部、132d・・・オッズ変動テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
抽選媒体が移動可能な第1移動面と、
前記第1移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第1捕捉部を有し、前記筐体に対して第1の方向に移動する第1抽選盤と、
前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤とともに移動し、前記抽選媒体を前記第1の方向に向けて駆動することが可能な誘導面と、
前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤に対して前記第1の方向の逆方向に移動する係止面とを備える抽選装置であって、
前記係止面の前記第1抽選盤に対する起立角度は、前記誘導面の前記第1抽選盤に対する起立角度よりも、相対的に前記第1の方向側に傾斜しており、
前記抽選媒体が、前記誘導面による前記第1の方向への駆動により、前記係止面に沿って上方に向けて移送されることを特徴とする抽選装置。
【請求項2】
前記第1抽選盤は、概略鉛直方向の第1回転軸の周りで前記筐体に対して回転可能であり、
前記抽選盤の前記第1の方向への移動が、前記第1回転軸の周りの第1の回転方向への回転である請求項1に記載の抽選装置。
【請求項3】
前記第1抽選盤は、複数の前記第1捕捉部を有し、
前記第1捕捉部の一部は、捕捉した前記抽選媒体を前記第1抽選盤の回転半径方向に通過させる通路を有する通過捕捉部であることを特徴とする請求項2に記載の抽選装置。
【請求項4】
前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、
前記誘導面及び前記係止面が前記円周の内周側又は外周側に位置し、
前記通路を通過した前記抽選媒体が前記誘導面及び前記係止面により上方に向けて移送される請求項3に記載の抽選装置。
【請求項5】
前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、
前記円周上の位置で前記筐体に固定され、前記第1捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を検知する検知手段と、
前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体が前記通路を通過することが可能な開放状態と、前記通路を通過することができない閉鎖状態との間で前記通過捕捉部の状態を変化させる開閉手段とを更に有し、
前記開閉手段は、前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を前記検知手段により検知することが可能な位置に前記通過捕捉部が到達するまで前記通過捕捉部を前記閉鎖状態とし、前記通過捕捉部が当該位置を通過した後に前記通過捕捉部を前記開放状態とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の抽選装置。
【請求項6】
抽選媒体が移動可能な第2移動面と、
前記第2移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第2捕捉部を有し、概略鉛直方向の第2回転軸の周りで第2の回転方向に回転する前記第1抽選盤よりも高い位置に配置された第2抽選盤を更に備え、
前記誘導面と前記係止面により上方に移送された前記抽選媒体が前記第2移動面に投入される請求項2〜5のいずれか一項に記載の抽選装置。
【請求項7】
前記誘導面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する突起が形成されている請求項2〜6のいずれか一項に記載の抽選装置。
【請求項8】
前記係止面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する誘導溝が形成されている請求項2〜7のいずれか一項に記載の抽選装置。
【請求項1】
筐体と、
抽選媒体が移動可能な第1移動面と、
前記第1移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第1捕捉部を有し、前記筐体に対して第1の方向に移動する第1抽選盤と、
前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤とともに移動し、前記抽選媒体を前記第1の方向に向けて駆動することが可能な誘導面と、
前記第1抽選盤に対して所定角度で起立し、前記第1抽選盤に対して前記第1の方向の逆方向に移動する係止面とを備える抽選装置であって、
前記係止面の前記第1抽選盤に対する起立角度は、前記誘導面の前記第1抽選盤に対する起立角度よりも、相対的に前記第1の方向側に傾斜しており、
前記抽選媒体が、前記誘導面による前記第1の方向への駆動により、前記係止面に沿って上方に向けて移送されることを特徴とする抽選装置。
【請求項2】
前記第1抽選盤は、概略鉛直方向の第1回転軸の周りで前記筐体に対して回転可能であり、
前記抽選盤の前記第1の方向への移動が、前記第1回転軸の周りの第1の回転方向への回転である請求項1に記載の抽選装置。
【請求項3】
前記第1抽選盤は、複数の前記第1捕捉部を有し、
前記第1捕捉部の一部は、捕捉した前記抽選媒体を前記第1抽選盤の回転半径方向に通過させる通路を有する通過捕捉部であることを特徴とする請求項2に記載の抽選装置。
【請求項4】
前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、
前記誘導面及び前記係止面が前記円周の内周側又は外周側に位置し、
前記通路を通過した前記抽選媒体が前記誘導面及び前記係止面により上方に向けて移送される請求項3に記載の抽選装置。
【請求項5】
前記複数の第1捕捉部の少なくとも一部が前記第1回転軸を中心とする所定径の円周上に配置されており、
前記円周上の位置で前記筐体に固定され、前記第1捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を検知する検知手段と、
前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体が前記通路を通過することが可能な開放状態と、前記通路を通過することができない閉鎖状態との間で前記通過捕捉部の状態を変化させる開閉手段とを更に有し、
前記開閉手段は、前記通過捕捉部に捕捉された前記抽選媒体を前記検知手段により検知することが可能な位置に前記通過捕捉部が到達するまで前記通過捕捉部を前記閉鎖状態とし、前記通過捕捉部が当該位置を通過した後に前記通過捕捉部を前記開放状態とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の抽選装置。
【請求項6】
抽選媒体が移動可能な第2移動面と、
前記第2移動面を移動する前記抽選媒体を捕捉可能な1以上の第2捕捉部を有し、概略鉛直方向の第2回転軸の周りで第2の回転方向に回転する前記第1抽選盤よりも高い位置に配置された第2抽選盤を更に備え、
前記誘導面と前記係止面により上方に移送された前記抽選媒体が前記第2移動面に投入される請求項2〜5のいずれか一項に記載の抽選装置。
【請求項7】
前記誘導面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する突起が形成されている請求項2〜6のいずれか一項に記載の抽選装置。
【請求項8】
前記係止面の上端に、前記抽選媒体を前記回転半径方向に向けて誘導する誘導溝が形成されている請求項2〜7のいずれか一項に記載の抽選装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−239966(P2011−239966A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114801(P2010−114801)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
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