説明

拡張カード固定装置及びこれを用いる拡張カードモジュール

【課題】本発明の目的は、拡張カード固定装置及びこれを用いる拡張カードモジュールを提供する。
【解決手段】本発明の拡張カード固定装置は、対向する第一端及び第二端を備える拡張カードを固定するために用いられ、固定ブラケット及び支持部材を備え、固定ブラケットは、拡張カードの第一端を固定する端板及び端板に直交する頂板を備え、支持部材は、端板に相対してスライド可能に固定ブラックの内部に収容され、拡張カードの第二端を固定する固定壁及び固定壁に直交する第一取付壁を備え、第一取付壁には、弾性を有する定位シートが設けられ、固定ブラケットの頂板には、支持部材のスライド方向に沿って複数の定位孔が設けられ、支持部材の定位シートには、定位孔に係合する定位ピンが突出して形成される。本発明は、前記拡張カード固定装置を用いる拡張カードモジュールも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張カード固定装置及びこれを用いる拡張カードモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピューター又はサーバーなどの電子機器には、通常複数の拡張カードが設置される。拡張カードの前端(コネクターが設けられた一端)には、当接シートが設置されており、ねじを利用して拡張カードの当接シートを電子機器のケースに固定することができる。拡張カードを水平放置する場合、拡張カードの後端が垂れ下がることを免れるために、電子機器のケースに固定装置を設置して拡張カードの後端を固定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の技術において、一種の固定装置は特定の寸法を有するので、対応する寸法を有する拡張カードのみを固定するだけで、異なる長さを有する拡張カードを取り付ける、又は取り替えることが不便である。
【0004】
本発明の目的は、前記課題を解決し、異なる長さを有する拡張カードを固定することができる拡張カード固定装置及びこれを用いる拡張カードモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る拡張カード固定装置は、対向する第一端及び第二端を備える拡張カードを固定するために用いられ、固定ブラケット及び支持部材を備え、前記固定ブラケットは、前記拡張カードの第一端を固定する端板及び前記端板に直交する頂板を備え、前記支持部材は、前記端板に相対してスライド可能に前記固定ブラックの内部に収容され、前記拡張カードの第二端を固定する固定壁及び前記固定壁に直交する第一取付壁を備え、前記第一取付壁には、弾性を有する定位シートが設けられ、前記固定ブラケットの頂板には、前記支持部材のスライド方向に沿って複数の定位孔が設けられ、前記支持部材の定位シートには、前記定位孔に係合する定位ピンが突出して形成される。
【0006】
本発明に係る拡張カードモジュールは、固定ブラケット、スイッチカード、支持部材及び複数の拡張カードを備え、前記固定ブラケットは、側板と、前記側板の一端から垂直に延在する端板と、前記側板及び前記端板の頂部に垂直に接続される頂板と、を備え、前記頂板には、前記端板に垂直する方向に向かって延在する第一スライドスロット及び前記第一スライドスロットの一端に位置し且つ前記第一スライドスロットに連通されるガイド孔が設けられ、前記スイッチカードは、前記固定ブラケットの側板に固定され、前記支持部材は、前記固定ブラケットの内部にスライド可能に装着され、前記固定ブラケットの端板に対向する固定壁及び前記固定壁の頂部に垂直に接続される第一取付壁を備え、前記固定壁には、複数の挟持部が形成され、前記第一取付壁には、前記第一取付壁から上に向かって延在するスライド部及び前記スライド部の頂部に形成される当止部からなるガイド突起が突出して形成され、前記当止部は、前記ガイド孔を貫き、前記スライド部は、前記第一スライドスロットに入り、各々の前記拡張カードの一端の当止シートは前記固定ブラケットの端板に固定され、各々の前記拡張カードの前記当止シートから離れている他端は、前記支持部材の挟持部に挟持されて、複数の前記拡張カードは、前記固定ブラケットの内部に収容され、且つ前記スイッチカードに差し込まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の拡張カード固定装置において、支持部材はスライドしながら位置を調整することができるので、前記支持部材と固定ブラケットの端板との間の距離を調整して、異なる拡張カードを固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る拡張カード固定装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る拡張カード固定装置に複数の第一拡張カードを取り付けて形成した拡張カードモジュールの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る拡張カード固定装置に複数の第二拡張カードを取り付けて形成した拡張カードモジュールの斜視図である。
【図4】図2に示す拡張カードモジュールをコンピューターケースに取り付けた構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る拡張カード固定装置は、固定ブラケット10と、スイッチカード20と、支持部材30と、2つの連結部材40と、を備える。
【0011】
前記固定ブラケット10は、側板11と、前記側板11の一端から垂直に延在する端板12と、前記側板11及び前記端板12の頂部に垂直に接続される頂板13と、を備える。前記側板11の前記端板12から離れている一端には、内部ねじ孔を有する2つの固定柱112が設けられる。前記頂板13には、互いに平行し且つ前記端板12に垂直する方向に向かって延在する2つのスライドスロット131、2つのガイド孔132及び複数の定位孔133が設けられる。1つの前記スライドスロット131は、前記側板11に近付く、他の1つの前記スライドスロット131は、前記側板11から離れている。2つの前記ガイド孔132は、2つの前記スライドスロット131の前記端板12に近い一端に位置し、且つ対応する前記スライドスロット131にそれぞれに連通される。複数の前記定位孔133は、2つの前記スライドスロット131の間の位置し、且つ前記スライドスロット131に平行する方向に向かって二列に配列され、一列に3つの前記定位孔133を備える。
【0012】
前記スイッチカード20には、複数の拡張スロット22及び複数の固定孔24が設けられる。
【0013】
前記支持部材30は、第一取付壁31と、前記第一取付壁31の片側から下に向かって垂直に延在する第二取付壁32と、前記第一取付壁31及び前記第二取付壁32の隣り合う側縁に垂直に接続される固定壁33と、を備える。前記第一取付壁31には、弾性を有する定位シート311と、前記第一取付壁31の上面から突出し且つ前記定位シート311の両端に位置するT字状の2つのガイド突起312と、が設けられる。前記定位シート311の中部から下に向かって略半円形を呈する操作部3112が突出して形成される。前記定位シート311の頂面における前記操作部3112の両側には、それぞれに1つの定位ピン3114が突出して形成される。前記ガイド突起312は、前記第一取付壁31から上に向かって延在するスライド部3121及び前記スライド部3121の頂部に形成され且つ前記スライド部3121に直交する当止部3123を備える。前記第二取付壁32には、互いに平行され且つ前記固定壁33に垂直する方向に向かって延在する2つのスライドスロット322が設けられる。前記固定壁33の前記第一取付壁31に背離する片側には、複数の挟持部331が突出して形成される。前記挟持部331は、互いに平行され且つ互いに離間する2つの挟持シート3312を備える。前記挟持シート3312の長手方向は、前記第二取付壁32に垂直する。
【0014】
前記連結部材40は、ねじ山ロッド41及び前記ねじ山ロッド41の端部に設置される頭部43を備える。
【0015】
組み立てる場合、複数のねじを前記スイッチカード20の固定孔24に貫かせてから前記固定ブラケット10の側板11に螺合することにより、前記スイッチカード20を前記側板11の内側に固定する。前記支持部材30を前記固定ブラケット10の内部に収容して、前記支持部材30の第一取付壁31の2つのガイド突起312が前記固定ブラケット10の頂板13の2つのガイド孔132を貫くことにする。2つの前記ガイド突起312の当止部3123が前記頂板13の上方に露出すると、前記支持部材30を操作して、2つの前記ガイド突起312のスライド部3121を前記頂板13の2つのスライドスロット131にそれぞれに対応させてから、2つの前記ガイド突起312のスライド部3121が2つの前記スライドスロット131に入ることにする。この時、前記支持部材30の第二取付壁32のスライドスロット322は、前記固定ブラケット10の側板11の固定柱112に対応する。2つの前記連結部材40のねじ山ロッド41を2つの前記スライドスロット322に貫かせてから2つの前記固定柱112のねじ孔に螺合することにより、前記支持部材30を前記固定ブラケット10にスライド可能に装着し、且つ前記支持部材30の挟持部331が前記固定ブラケット10の端板12に向かうことにする。前記支持部材30がスライドする際、前記支持部材30の2つの定位ピン3114は、前記固定ブラケット10の二列の定位孔133の排列方向に沿ってスライドすることができ、従って各々の前記定位ピン3114を対応する一列のいずれか1つの定位孔133に係合させて、前記支持部材30を位置決めることができる。
【0016】
図2を参照すると、複数の第一拡張カード80を前記拡張カード固定装置に取り付けて拡張カードモジュールを形成する際、前記支持部材30をスライドして、前記支持部材30の定位ピン3114を前記固定ブラケット10の対応する定位孔133に係合させると、前記支持部材30と前記固定ブラケット10の端板12との間の距離は、前記第一拡張カード80の長さに略等しくなる。複数の前記第一拡張カード80を前記スイッチカード20の拡張スロット22に差し込む。複数の前記第一拡張カード80の前端の当止シートは、前記固定ブラケット10の端板12に固定され、複数の前記第一拡張カード80の後端は、前記支持部材30の対応する挟持部331の2つの挟持シート3312の間に係合して、前記第一拡張カード80の後端が垂れ下がることを免れる。
【0017】
図3を参照すると、長さが第一拡張カード80の長さより大きい複数の第二拡張カード90を前記拡張カード固定装置に取り付けて他の拡張カードモジュールを形成する際、前記支持部材30の操作部3112を下へ引っ張って、前記支持部材30の定位シート311を下に向かって弾性変形させて、前記支持部材30の定位ピン3114は元の前記定位孔133から退出する。前記支持部材30をスライドして、前記支持部材30と前記固定ブラケット10の端板12との間の距離が前記第二拡張カード90の長さより大きいか又は等しくことにする。前記操作部3112を放して、前記定位シート311が弾性回復するとともに、2つの前記定位ピン3114は対応する他の2つの定位孔133に係合して、前記支持部材30を固定する。複数の前記第二拡張カード90を前記スイッチカード20の拡張スロット22に差し込む。複数の前記第二拡張カード90の前端の当止シートは、前記固定ブラケット10の端板12に固定され、複数の前記第二拡張カード90の後端は、前記支持部材30の対応する挟持部331の2つの挟持シート3312の間に係合して、前記第二拡張カード90の後端が垂れ下がることを免れる。
【0018】
図4を参照すると、図2に示す前記拡張モジュールをコンピューターケースに取り付ける際、ねじを利用して前記拡張カード固定装置をマザーボード300が設置されたコンピューターケース100に固定して、前記スイッチカード20は前記マザーボード300に差し込まれる。
【0019】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0020】
10 固定ブラケット
11 側板
12 端板
13 頂板
20 スイッチカード
22 拡張スロット
24 固定孔
30 支持部材
31 第一取付壁
32 第二取付壁
33 固定壁
40 連結部材
41 ねじ山ロッド
43 頭部
80 第一拡張カード
90 第二拡張カード
100 コンピューターケース
112 固定柱
131,322 スライドスロット
132 ガイド孔
300 マザーボード
311 定位シート
312 ガイド突起
331 挟持部
3112 操作部
3114 定位ピン
3121 スライド部
3123 当止部
3312 挟持シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第一端及び第二端を備える拡張カードを固定するために用いられ、固定ブラケット及び支持部材を備えてなる拡張カード固定装置であって、
前記固定ブラケットは、前記拡張カードの第一端を固定する端板及び前記端板に直交する頂板を備え、
前記支持部材は、前記端板に相対してスライド可能に前記固定ブラケットの内部に収容され、前記拡張カードの第二端を固定する固定壁及び前記固定壁に直交する第一取付壁を備え、前記第一取付壁には、弾性を有する定位シートが設けられ、
前記固定ブラケットの頂板には、前記支持部材のスライド方向に沿って複数の定位孔が設けられ、前記支持部材の定位シートには、前記定位孔に係合する定位ピンが突出して形成されることを特徴とする拡張カード固定装置。
【請求項2】
前記固定ブラケットの頂板には、第一スライドスロットが設けられ、前記支持部材の第一取付壁には、前記第一スライドスロットにスライド可能に収容されるガイド突起が突出して形成されることを特徴とする請求項1に記載の拡張カード固定装置。
【請求項3】
前記固定ブラケットの頂板における前記第一スライドスロットの一端には、前記第一スライドスロットに連通されるガイド孔が設けられ、前記ガイド突起は、前記第一取付壁から上に向かって延在するスライド部及び前記スライド部の頂部に形成される当止部を備え、前記当止部は、前記ガイド孔を貫き、前記スライド部は、前記第一スライドスロットに入ることを特徴とする請求項2に記載の拡張カード固定装置。
【請求項4】
前記定位シートの中部から下に向かって操作部が突出して形成されることを特徴とする請求項1に記載の拡張カード固定装置。
【請求項5】
前記固定ブラケットは、前記端板及び前記頂板に垂直に接続される側板をさらに備え、前記側板には、固定柱が形成され、
前記支持部材は、前記固定壁及び前記第一取付壁に垂直に接続される第二取付壁をさらに備え、前記第二取付壁には、第二スライドスロットが設けられ、
前記拡張カード固定装置は、前記支持部材の第二スライドスロットにスライド可能に収容され、且つ前記固定ブラケットの側板の固定柱に固定される連結部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の拡張カード固定装置。
【請求項6】
固定ブラケット、スイッチカード、支持部材及び複数の拡張カードを備えてなる拡張カードモジュールであって、
前記固定ブラケットは、側板と、前記側板の一端から垂直に延在する端板と、前記側板及び前記端板の頂部に垂直に接続される頂板と、を備え、前記頂板には、前記端板に垂直する方向に向かって延在する第一スライドスロット及び前記第一スライドスロットの一端に位置し且つ前記第一スライドスロットに連通されるガイド孔が設けられ、
前記スイッチカードは、前記固定ブラケットの側板に固定され、
前記支持部材は、前記固定ブラケットの内部にスライド可能に装着され、前記固定ブラケットの端板に対向する固定壁及び前記固定壁の頂部に垂直に接続される第一取付壁を備え、前記固定壁には、複数の挟持部が形成され、前記第一取付壁には、前記第一取付壁から上に向かって延在するスライド部及び前記スライド部の頂部に形成される当止部からなるガイド突起が突出して形成され、前記当止部は、前記ガイド孔を貫き、前記スライド部は、前記第一スライドスロットに入り、
各々の前記拡張カードの一端の当止シートは前記固定ブラケットの端板に固定され、各々の前記拡張カードの前記当止シートから離れている他端は、前記支持部材の挟持部に挟持されて、複数の前記拡張カードは、前記固定ブラケットの内部に収容され、且つ前記スイッチカードに差し込まれることを特徴とする拡張カードモジュール。
【請求項7】
前記固定ブラケットの頂板には、前記支持部材のスライド方向に沿って複数の定位孔が設けられ、前記支持部材の第一取付壁には、弾性を定位シートが設けられ、前記定位シートには、定位ピンが突出して形成され、前記支持部材がスライドする際、前記定位ピンは前記固定ブラケットの異なる定位孔に係合して、前記支持部材は、異なる位置に定位されることを特徴とする請求項6に記載の拡張カードモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−98545(P2013−98545A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226772(P2012−226772)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】