説明

拡張可能な経腔的シース

【課題】比較的小さい直径を有する管路を経腔的に通過するのを可能にし、一方、比較的大きい直径を有する器具の導入に対処する。
【解決手段】シースの遠位領域は、かけられた圧力に応じて、第1のより小さい横断面形状から第2のより大きい横断面形状へ周方向に拡張可能で、少なくとも第1のより小さい横断面プロファイルにおいて、少なくとも2つの縦方向の折り目で、折られたW字形に折られた補強構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔および空洞に経腔的に接近する医療装置に関し、特に、哺乳類の尿路に接近する方法および装置に関する。
優先権の主張
本出願は、引用によって全体的に、明示的に本明細書に組み込まれる、2005年3月9日に出願された米国仮特許出願第60/660512号、および2004年9月9日に出願された米国仮特許出願第60/608355号の、35U.S.C.119(e)による優先権を請求する。
【背景技術】
【0002】
様々な診断または治療手順において、体腔や空洞のような自然な接近経路を通して装置が導入されている。このために開発された接近システムの一般的な目的は、接近ルーメンの断面積を最小限に抑え、一方、診断または治療器具に利用可能な空間を最大にすることである。これらの手順は、人間または他の哺乳類の尿路に特に適している。尿路は、比較的短く、多くの血管内用途に見られるねじれはほとんど起こらない。
【0003】
尿管鏡検査は、自然接近経路、すなわち、尿道、体内空洞である膀胱、他の体腔である尿管に依存する一種の治療介入性手順の一例である。尿管鏡検査は、上部尿路、具体的には尿管および腎臓に接近するのに使用できる最小侵襲性手順である。尿管鏡手順は、結石抽出、狭窄治療、またはステント留置などの手順に利用される。拡張可能なシース技術に使用するのに適した他の種類の治療介入性手順には、脈管構造への経皮接近を介した交換用心臓弁または修復装置の導入などの血管内手順が含まれる。やはり経皮的に実施される胃腸管系手順には、総胆管の拡張および胆石の除去が含まれる。
【0004】
尿管内で手順を実施する場合、尿道を介して膀胱鏡を膀胱内に配置する。次に、膀胱鏡の作業流路を通して直接視覚ガイダンスの下で目標尿管内にガイドワイヤを配置する。ガイドワイヤ制御が確立された後、膀胱鏡を取り出し、ガイドワイヤを所定の位置に残す。次に、尿道シースまたはカテーテルを、ガイドワイヤを介して尿道内を前進させ、膀胱内を前進させて、尿管に導入する。次に、ガイドワイヤを取り出して尿道シースまたはカテーテルを設置することができる。異なる種類の手順では、ガイドワイヤを所定の位置に残し、器具を、ガイドワイヤの近くをまたはガイドワイヤを介して移動させる。他の種類の手順では、第2のガイドワイヤまたは「安全ワイヤ」を体腔または空洞に挿入し、手順の一部または全体にわたって所定の位置に残しておくことができる。
【0005】
ある種の現在の技術では、10〜18フレンチの可とう性の尿道シースまたはカテーテルを一体的で可とう性で先細りのオブトラトールと一緒にガイドワイヤを介して前進させる。各カテーテルを前進させて配置するには軸方向の圧力が必要であるので、尿管鏡や結石抽出器などの器具を配置できるようになるカテーテルの作業ルーメンを損傷しないように前進時にシース、カテーテル、またはガイドワイヤのねじれを無くすように注意しなければならない。オペレータは、シースまたはカテーテルを前進させる際に、シースまたはカテーテルを、体腔または空洞壁に損傷を与えるような力で狭窄部あるいは体腔または空洞壁に接触させないように注意しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
尿管鏡検査時に生じる問題の1つは、狭窄部と呼ばれることもあり、十分大きな作業流路を有するシースまたはカテーテルが尿管に進入できるようにするのを妨げる閉塞部または狭窄部が尿管内に存在することである。このような状態では、最小侵襲的手法が不可能になり、作業を完了するのにより侵襲性の高い外科手順が必要になることがある。泌尿器科医は、最適値以下の中枢ルーメンサイズを有するシースまたはカテーテルを使用することが必要になる場合がある。これは、このようなカテーテルが、尿管の近位端まで前進させることのできる最大のカテーテルであるからである。あるいは、泌尿器科医は、大きいカテーテルから始めて、次により小さいカテーテルに縮小することが必要になることがあり、この技術は時間および経費の無駄になる。最後に、泌尿器科医は、上記の装置を配置する前に拡張システムによって尿管を拡張することが必要になる場合があり、この場合も時間が無駄になり、かつ手順を実施するのに複数の装置が必要になる。たいていの場合、泌尿器科医は尿管の蛍光透視評価を実施して、狭窄の有無および所与の患者にどのサイズのカテーテルがうまく働くかを判定する必要がある。
【0007】
尿管鏡検査に関する他の情報は、Su, L, and Sosa, R.E., Ureteroscopy and Retrograde Ureteral Access, Campbell's Urology, 8th ed, vol. 4, pp. 3306-3319 (2002), Chapter 97 Philadelphia, Sanders, and Moran, M.E., editor, Advances in Ureteroscopy, Urologic Clinics of North America, vol. 31, No. 1 (February 2004)に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、装置が、比較的小さい直径を有する管路を経腔的に通過するのを可能にし、一方、比較的大きい直径を有する器具の導入に対処する、改良された接近技術が依然として必要である。泌尿器科医がある範囲のカテーテル直径を保持し使用する必要を無くすると有利である。1つのカテーテル直径を多数の患者に適合させることができるとかなり有用である。理想的には、カテーテルは、6〜10フレンチ以下の直径を有する血管または体腔に進入することができ、器具を12〜18フレンチの中枢ルーメンを通過させることができる。これらの要件は、矛盾するように思われるが、後述の本発明によって解決することができる。有利なことに、シースはまた、蛍光透視の下で視覚が最大になり、製造費が比較的安価である。シースまたはカテーテルは、耐ねじれ性を有し、シースまたはカテーテルを通過する器具に対する摩擦および損傷を最小限に抑えることが好ましい。シースまたはカテーテルは、体腔または空洞壁あるいは周囲の構造を損傷する可能性を最小限に抑えることが好ましい。このような損傷は、場合によっては、狭窄、体腔または空洞の内容物の、周囲の空間への漏れ、出血などを生じさせる恐れがある。
【0009】
したがって、本発明の一実施態様は、半径方向に拡張する接近シースを使用して尿管、腎臓、または膀胱に接近することを含む。このような一実施態様では、シースは、4〜12フレンチの範囲であり、好ましくは5〜10フレンチの範囲の導入外径を有する。シースの直径は、60フレンチまでの器具を通過させることができるように拡張可能である。小さい外径で導入されたカテーテルを大きい器具を通過させる能力は、カテーテルの遠位端を拡張させてより大きい貫通ルーメンを形成する能力から得られる。カテーテルの拡張可能な遠位端は、カテーテルの全作業長の75%以上を占めることができる。カテーテルの近位端は、それを押して制御することができ、かつ大きい直径を有する器具を通過させることができるように全体的により大きくなっている。
【0010】
本発明の他の実施態様は、侵襲を最小限に抑えながら解剖学的に近位の構造に接近する経腔的接近システムを有する。このシステムは、シースの近位端から遠位端まで延びるルーメンを形成する軸方向に細長い管状体を有する接近シースを含む。細長い管状体の遠位端の少なくとも一部は、第1のより小さい断面形状から第2のより大きい断面形状に拡張可能である。このような実施態様では、第1のより小さい断面形状は、軸方向に向けられた折り目をシース材料に付けることによって得られる。このような折り目は、シース上の1つの周方向位置のみに存在しても、複数のそのような折り目または長手方向に向けられたひだがシースに存在してもよい。折り目またはひだは、折り畳まれた後で構造を熱処理することによって永久的または半永久的なものにすることができる。一実施態様では、細長い管状の構造の少なくとも一部を第1のより小さい断面形状に制限する取外し可能なジャケットが接近シースによって保持される。他の実施態様では、ジャケットは、シースを患者に挿入する前に取り出される。いくつかの実施態様では、細長い管状体は、第2のより大きい断面形状の細長い管状体の内径より大きい最大断面直径を有する物体を通過させるのに十分な程度にたわむ。より大きい寸法の物体に適合させるには、断面を一方向においてより大きい寸法に形作り直し、それと共に横方向の寸法を小さくする。この適合は、展性を有するシース材料または弾性変形可能なシース材料を使用することによって実現することもできる。
【0011】
本発明の他の実施態様では、侵襲を最小限に抑えながら接近する経腔的接近シースは、近位端と遠位端とを有し、作業用内側ルーメンを形成する細長い管状体を有する。この実施態様では、管状体は、拡張バルーンによって拡張される、折り畳まれるかまたはひだを付けられたシースを有する。拡張バルーンに適切な圧力で流体を充填し、シースを拡張させる力を発生させることができる。拡張バルーンは、後で器具をシース内を通過させることができるように取外し可能であることが好ましい。いくつかの実施態様では、器具の通路として働き、さらに、拡張可能なプラスチック製の管状部材上に器具が拘束される可能性を最小限に抑えつつ摩擦を最小限に抑える細長いランナーを、シース内に配置することができる。このような長手方向ランナーは、位置がずれないようにシース内に周方向に固定されることが好ましい。他の実施態様では、長手方向ランナーは、ひだと呼ばれる長手方向に向けられた山部および谷部によって置き換えることができる。ひだまたはランナーは、シースの長手方向軸に沿って向きを定めるか、またはらせん状に向きを定めることができる。
【0012】
各実施態様では、接近組立体または装置の近位端は、可とう性であり、ねじれに抵抗し、さらにコラム強度とトルク特性の両方を保持する構造として組み立てられることが好ましい。このような構成は、コイルまたは組物補強部材を備えるチューブを含み、好ましくは、補強構造が接近装置の内側ルーメンに当たったり、進入したり、あるいはさらされたりするのを防止する内壁を有する。このような近位端構成は、単一ルーメン構成であっても、器具またはオブトラトールの通過に適した主ルーメンとバルーンの膨張などの制御機能および操作機能に適した他のルーメンとを有するマルチルーメン構成であってもよい。このような近位チューブ組立体を前述の遠位方向に拡張可能なセグメントの近位端に固定することができる。一実施態様では、カテーテルの近位端は、薄いポリマー材料の内側層と、ポリマー材料の外側層と、コイル、ブレード、ステント、または他の補強部材を有する中央領域とを含む。このような実施態様では、外側層と内側層との間の複数の点、最も好ましくは、全体的に縮小された補強構造内の孔に結合部を形成すると有利である。内側層と外側層をこのような結合すると、組物構造が所定の位置にロックされる。他の実施態様では、内側層と外側層は、少なくともいくつかの場所またはすべての場所において融着されず、また結合されない。内側層と外側層に同様の材料を使用すると、有利なことに、内側層と外側層を融着させて補強部材を囲む一様な非層化構造を形成することができる。ジャケットの外壁に使用されるポリマー材料はカテーテルの可とう性を最大にするように弾性的であることが好ましい。複合カテーテル内壁に使用されるポリマー材料は、外壁に使用されるのと同じ材料であっても、あるいは異なる材料であってもよい。他の実施態様では、ブレードまたはコイル構造が埋め込まれた高分子化合物を押出し成形することによって複合管状構造を同時押出し成形することができる。この補強構造は、完全に焼きなまされたステンレススチール、チタンのような焼きなまされた金属で製造されることが好ましい。この実施態様では、拡張後に、シース内に埋め込まれた補強構造によって折り目またはひだを開放されたままにしておくことができ、補強構造は展性を有するが、シースチューブによってかけられるあらゆる力に打ち勝つのに十分な力を保持する。
【0013】
本発明のある実施態様では、シースが放射線不透過性のマーカを有すると有利である。放射線不透過性のマーカは拡張不能部分に固定することも、あるいは拡張可能部分に固定することもできる。半径方向に拡張可能な部分に固定されたマーカは、シースまたはカテーテルの、半径方向の拡張または折り畳みを拘束しないことが好ましい。バルーン拡張器のカテーテル軸などの拡張不能部分に固定されるマーカは、半径方向に拡張不能な単なるリングであってよい。放射線不透過性のマーカは、金、白金、タンタル、白金インジウムのような展性を有する材料で作られた形状を含む。放射線不透過性は、金、白金、タンタル、白金イリジウムなどの金属または合金をカテーテルの金属部に蒸着またはめっきすることによって高めることができる。拡張可能なマーカは、波状または波形のリング、シースの周りに周方向に巻かれる曲げ性を有するワイヤ、あるいは人体内の血管内接近に使用されるステント、グラフト、またはカテーテル上に一般に見られるような他の構造として製造することができる。拡張可能な構造は、スリーブまたは他の拡張可能な形状の表面に固定された点または他の不完全な周囲形状を含んでもよい。拡張不能な構造は、カテーテルを周方向において完全に囲み、拡張に抵抗するのに十分な強度を有する円形のリングまたは他の構造を含む。他の実施態様では、カテーテルまたはシースのポリマー材料に、硫酸バリウムまたはビスマス塩などであるがそれらに限らない放射線不透過性の充填材料を5重量%〜50重量%充填し、放射線不透過性を向上させることができる。
【0014】
補強部材を半径方向または周方向に拡張させ並進させることができるように、内側層と外側層を完全には結合せず、それによって、補強部材がある程度並進運動すると共に正常に周方向に拡張するのを可能にすると有利である場合がある。非結合領域は、この2つの層を選択的に結合するかまたはPTFEなどのポリマー、セラミック、金属などで作られたスリップ層を使用して非結合領域を形成することによって形成することができる。半径方向拡張機能は、近位端が遠位拡張端まで遷移する必要があり、かつ製造コストを最小限に抑えるために、近位端と遠位端の両方で同じカテーテルを使用することができ、拡張遠位端が半径方向および径方向への拡張を可能にする二次動作を受けるため、重要である。
【0015】
他の実施態様では、カテーテルの遠位端は、薄く、滑性を有する内側管状層を使用して形成される。内側層は、FEP、PTFE、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ペバックス、ハイトレルなどの材料で形成される。押出し成形時にポリマー内側層に放射線不透過性充填材料を付加して蛍光透視の下での視界を向上させることができる。補強層は、全体的に展性を有し、かつ変形されたときに形状を維持するコイル、ブレード、ステント、または複数の拡張可能、折り畳み可能なリングを有する。補強層を作るのに好ましい材料には、ステンレススチール、チタン、金、白金、白金イリジウム、チタン、ニチノールなどが含まれるがそれらに限らない。これらの材料は、完全に焼きなまされるか、あるいはニチノールの場合には、完全にマルテンサイト系であることが好ましい。外側層は、FEP、PTFE、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ペバックス、ハイトレルなどであるがそれらに限らない材料で作られる。内側層は、補強層の穴を通して外側層に融着または結合され、複合単体構造が形成される。この構造は、断面積を小さくするように半径方向内側に、ひだが付けられている。ひだを付ける前、またはシースに最初のひだを付けてから最後のひだを付けるまでの間にこの構造にバルーン拡張器が挿入される。バルーンは、ポリマーチューブによってかけられるあらゆる力に打ち勝つのに必要な十分な強度を有する補強層を強制的に拡張することができる。
【0016】
本発明の他の実施態様は、経腔的接近を行う方法を含む。この方法は、膀胱鏡を患者の膀胱に経尿道的に挿入することを含む。直接光学可視化、蛍光透視、MRIなどの下で、ガイドワイヤを膀胱鏡の器具流路に通し、膀胱に挿入する。ガイドワイヤを上述の視覚制御の下で尿管に挿入し、尿管の出口から膀胱に挿入する。次に、ガイドワイヤを尿管内の適切な位置まで前進させる。次に、膀胱鏡を取り出し、ガイドワイヤを所定の位置に残す。次に、尿管接近シースをガイドワイヤを介して経尿道的に前進させ、その遠位端を尿管または腎臓内に位置させる。ガイドワイヤが尿管から出て膀胱に入ることのないように、ガイドワイヤの位置を慎重に維持する。取外し可能な拡張器は、ガイドワイヤルーメンを有し、尿管腔への接近シースの配置を案内するのに使用される。バルーン拡張器を使用して、接近シースの遠位端を第1のより小さい直径の断面から第2のより大きい直径の断面に拡張する。その後、バルーン拡張器をシースから取り出し、従来、狭窄、結石、または他の狭窄部が存在するために尿管に挿入できなかった器具を通過させることができる。この方法は、任意に、拘束用管状ジャケットから細長い管状体を取り外すことと、拡張可能な部材を細長い管状体から取り出すことと、適切な器具を挿入することと、治療または診断手順を行うこととをさらに含む。最後に、この手順は、細長い管状体を患者から取り出すこととを含む。シースが所定の位置に配置された後、ガイドワイヤを取り出すか、または好ましくは所定の位置に残すことができる。あるいは、第2のガイドワイヤまたは安全ワイヤを、ユーザに導入してシースの近くまたはシースを通して配置することができる。
【0017】
経腔的接近シースを使用して上部尿路に接近する一実施態様では、接近シースを使用して、組織診、尿の方向転換、結石抽出、順行性腎盂内切開、ならびに移行上皮癌の切除および上部尿路または膀胱の他の診断または治療手順を実施するようになっている器具による接近を可能にすることができる。経腔的接近シースの他の用途には、人工的に形成された経皮接近部または他の自然体腔を通じた体内への接近を必要とする様々な診断または治療臨床状況が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】尿道、膀胱、および尿管の概略正面図である。
【図2】カテーテルが尿道を介して尿管に挿入された尿道、膀胱、尿管、および腎臓の概略正面図である。
【図3A】遠位端の所で折り畳まれ長手方向ひだが形成されたチューブと、バルーン拡張器と、外側保持スリーブとを有し、シースチューブおよび拡張器が半径方向折り畳み構成である半径方向に拡張可能な経腔的カテーテルまたはシースの一実施形態の断面図である。
【図3B】シースおよび拡張器がその半径方向拡張構成である、図3Aの半径方向に拡張可能な経腔的はシースの部分断面図である。
【図3C】本発明の一実施形態による、拡張器が取り出された、図3Bの半径方向に拡張可能な経腔的シースの側面図である。
【図4】本発明の一実施形態による、拡張可能な遠位領域を覆う取外し可能なシュラウドを有する半径方向に拡張可能な経腔的カテーテルまたはシースの他の実施形態の側面図である。
【図5A】長手方向に配置された複数のランナーをさらに有する半径方向に拡張可能な経腔的シースの他の実施形態の図である。
【図5B】内部バルーン拡張器がシースの遠位部を拡張している、図5Aの半径方向に拡張可能なシースの側面図である。
【図5C】シースカバリングが、厚さを厚くした段または長手方向に配置されたラインを有する、図5Aの経腔的シースの遠位部の横断面図である。
【図6A】1つまたは2つ以上の折り目と遠位領域内に埋め込まれた展性を有するコイル補強層とを含む拡張可能な遠位領域を有する半径方向に折り曲げられたシースの他の実施形態の側面切欠き図である。
【図6B】バルーンが遠位領域をその完全拡張構成に拡張している、図6Aのシースを示し切欠き部を含む図である。
【図7A】展性を有する拡張可能なステント状補強部材と、バルーン拡張器と、拡張可能なスリーブとを有し、シースの遠位端が、この構造を有し、患者に送れるように半径方向内側にしわを付けられるかまたは圧縮された、半径方向に拡張可能な経腔的シースの他の実施形態を示す図である。
【図7B】遠位部がバルーン拡張器によって拡張されている、図7Aの半径方向に拡張可能な経腔的シースを示す図である。
【図8A】拡張バルーンと、展性を有し補強され折り畳まれた拡張可能な遠位端と、ブレードで補強された近位端とを有する、半径方向に拡張可能な経腔的シースの他の実施形態を示す図である。
【図8B】外側層の切欠き図が、補強層と、内側層と、拡張可能な放射線不透過性マーカとを示す、図8Aのシースの遠位領域の遠位先端の拡大図である。
【図9A】シースの遠位縁部からの段状遷移部とバルーン拡張器とを含む、半径方向に拡張可能な経腔的シースの一実施形態の遠位端を示す図である。
【図9B】段状遷移部を平滑にするために拡張器に整形スリーブが付加されている、図9Aの半径方向に拡張可能な経腔的シースの遠位端を示す図である。
【図9C】シースが拡張バルーンによって拡張されており、整形スリーブがシース遠位縁部からずれて拡張バルーンの外側に接触している、図9Bの半径方向に拡張可能な経腔的シースの遠位端を示す図である。
【図10A】チューブに沿って長手方向に延びる互いに離散した薄い領域を備えるシースチューブの一実施形態の横断面図である。
【図10B】より小さい直径を有するチューブを形成するように薄い領域の所で折り畳まれた、図10Aのシースチューブの横断面図である。
【図10C】4つのフラップとして折り畳まれ、かつ圧縮され中央チューブに接触しているバルーン上に折り畳まれた、図10Bのシースチューブの横断面図である。
【図10D】滑性を有する内側層と、補強層と、中間弾性層と、滑性を有する外側層とを有するシースチューブの一実施形態の横断面図である。
【図10E】二重長手方向折り目を有する拡張可能なシースチューブの一実施形態の横断面図である。
【図11A】遠位端が半径方向に折り畳まれた、分割リング補強部材を有するシースの一実施形態の側面図である。
【図11B】遠位端が拡張されている、図11Aの分割リング補強部材を有する半径方向に拡張可能なシースを示す図である。
【図12】バルーンの内部に整形部材を有する半径方向に拡張可能なシースの一実施形態の遠位端を示す図である。
【図13A】シースハブと一体の弁と拡張器ハブに連結された弁とをさらに有する、血管内検査用の半径方向に拡張可能なシースの一実施形態の近位端を示す図である。
【図13B】本発明の一実施形態による、シースハブと一体の弁をさらに有する、腹腔鏡検査用の半径方向に拡張可能なシースの一実施形態の近位端を示す図である。
【図14】半径方向に拡張可能なシースハブおよび拡張器ハブの他の実施形態の近位端の断面図である。
【0019】
本発明について概略的に説明するために、本明細書において本発明のある態様、利点、および新規の特徴について説明する。本発明の任意の特定の実施形態によって必ずしもすべてのこのような利点を実現できるわけではないことを理解されたい。したがって、たとえば、当業者には、本明細書で教示される1つの利点または一群の利点を、本明細書で教示または示唆される他の利点を必ずしも実現せずに実現するように、本発明を実施できることが認識されよう。本発明のこれらおよび他の目的および利点は、以下の説明を添付の図面に関連して検討したときにより明らかになろう。
【0020】
次に、本発明の様々な特徴を実施する一般的な構成について、図面を参照して説明する。図面および関連する説明は、本発明の実施態様を例示するために与えられており、本発明の範囲を限定するものではない。図面全体にわたって、参照される部材同士の対応を示すために参照番号が繰返し使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜14を参照して、カテーテルまたはシースの様々な実施形態について説明する。カテーテルまたはシースは、近位端と遠位端とを有する軸方向に細長いほぼ管状の中空構造として説明することができる。軸方向に細長い構造は、長手方向軸を有し、好ましくは、器具、インプラント、流体、組織、または他の材料が通過できるように近位端から遠位端まで延びることのできる内部貫通ルーメンを有する。軸方向に細長い中空の管状構造は、全体的に可とう性であり、主長手方向軸に垂直な1つまたは2つ以上の方向において1つまたは2つ以上の弧状にある程度湾曲できることが好ましい。多くの実施形態では、管状構造および内部ルーメンは、ほぼ円形の断面を有するが、他の実施形態では、断面は他の形状(たとえば、楕円形、矩形など)を有してよい。
【0022】
医療装置に一般に使用されているように、装置の近位端は、ユーザ、通常外科医または介入治療士の最も近くに位置する端部である。装置の遠位端は、患者の最も近くに位置するかまたは患者に最初に挿入される端部である。ある目印の近位方向と記述される方向は、一定の目印よりも、長手方向に沿って外科医に近く、患者から遠い方向である。カテーテルの直径は、ミリメートル(mm)単位の直径の3倍として定義することのできる「フレンチサイズ」で測定されることが少なくない。たとえば、15フレンチのカテーテルは直径が5mmである。フレンチサイズは、mm単位のカテーテルの円周を近似するように構成され、非円形断面構成を有するカテーテルに有用であることが少なくない。「フレンチ」の本来の測定ではπ(3.14159…)をmm単位の直径とフレンチとの換算係数として使用していたが、現在では、システムが進歩して、換算係数はちょうど3.0になっている。
【0023】
図1は、尿道102と、膀胱104と、複数の尿管106と、複数の腎臓110と、膀胱から尿管への複数の入口114とを有する人間の泌尿器系100の概略正面図である。この図では、人体の左側が図の右側である。
【0024】
図1を参照すると、尿道102は内側を尿路上皮で覆われている。一般に、尿道102、膀胱104、および尿管106の内面は、粘膜組織とみなされる。尿道102は、女性では比較的短く、男性では、陰茎の全長にわたって延びているために長い場合がある。伸びていない尿道102の円周は一般に、8mmのπ倍の範囲、または24mmである。ただし、尿道102は一般に、内部に流体または器具が存在しないときはスリットの断面形状を近似した形状をとる。膀胱104は、100ccから300cc以上の尿を保持する能力を有する。膀胱104の体積は、そこに入っている尿の量に応じて増減する。泌尿器科手順の間、尿道102および膀胱104に生理食塩水が注入され、したがって、膀胱104が満たされることが少なくない。膀胱104の一般的な形状は、頂部がドーム状の漏斗の形状である。神経センサが、膀胱104の周りの括約筋の伸びを検出し、人は一般に、膀胱104が一杯になったと感じたときに、尿道102を囲む筋肉を自発的に弛緩させることによって膀胱104を空にする。尿管106は、腎臓110を膀胱104に動作可能に連結し、腎臓110によって血液から除去された尿を膀胱104に流すのを可能にする。非伸長構成の尿管106の直径は、直径4mmの丸いチューブと同様である。ただし、尿管106の非応力構成は、丸形からスリット形状まで変化する。尿管106および尿道102は、拡張器などのような内部の力をかけることによってある程度拡張することができる。通常2本の尿管106のそれぞれの入口114は、膀胱104の下部領域における膀胱104の壁上に配置されている。
【0025】
図2は、尿道102と、膀胱104と、入口114を有する複数の尿管106と、左尿管内の狭窄部202とを有し、尿道102から右腎臓110内に延びるカテーテル204をさらに有する泌尿器系100の後方から前方に見た概略正面図である。この図では、人体の左側は図の右側である。
【0026】
図2を参照すると、狭窄部202は感染などの病理学的条件の結果であってよい。狭窄部は、尿管106の壁に損傷を与えた手術器具またはカテーテルによって生じるような医原性の結果であってよい。狭窄部202は、繊維組織に囲まれることがあり、通常尿管106を通過する器具の通過を妨げることがある。カテーテル204は、尿管106および腎臓110に接近するのに使用される種類の一例であり、尿道102を通過して膀胱104に入り、さらに尿管106に入っている。尿道102から一方の尿管106に入ったカテーテル204は、膀胱104の開放支持無し体積内で急に曲がる。カテーテルを尿道102から尿管106に入れるのに必要なカテーテルの曲率半径は、1cmから10cmの間であってよく、たいていの場合1.5cmから5cmの間であってよい。カテーテルは一般に、まず剛性の膀胱鏡を使用して配置されるガイドワイヤに沿って尿管106に入れられる。剛性の膀胱鏡は、導入された後、尿道102から真っ直ぐに出て、尿管106の入口114の近くに向けられ、膀胱鏡の作業ルーメンによるガイドワイヤの配置を容易にする。
【0027】
図3Aは、図1および2の泌尿器系100で使用できるようになっている拡張可能な経腔的シース300の一実施形態の長手方向図である。シース300の前部(遠位部)は、断面図ではなく外面が示されている。近位領域302および中央領域は長手方向断面図で示されている。経腔的カテーテル300は近位端302と遠位端304とを有している。図示の実施形態では、近位端302は、近位端シースチューブ306と、シースハブ308と、スリーブ310と、スリーブグリップ312と、内側カテーテル軸318と、外側カテーテル軸324と、カテーテルハブ316とをさらに有している。カテーテルハブ316は、ガイドワイヤ接近ポート332をさらに有している。カテーテル軸318は、ガイドワイヤルーメン334をさらに有している。遠位端304は、遠位シースチューブ32と、内側カテーテル軸318と、バルーン320とをさらに有している。遠位シースチューブ322は、長手方向に折り畳まれて1つまたは2つ以上の段またはひだ328を形成し、チューブ322自体の断面形状を小さくしている。シースハブ308は、遠位方向に面する面340と、近位方向に面する面342と、先細りの遠位縁部344と、拘束・グロメット346とをさらに有している。
【0028】
図3Aを参照すると、近位端302は一般に、シースハブ308に永久的に固定するかまたは他の方法で連結することのできる近位シースチューブ306を有している。任意のスリーブ310は、近位端シースチューブ306をぴったりと覆い、一般に長さ方向に分割することができ、かつスリーブ310に固定されたスリーブグリップ312を引くことによって取り外すかまたは拘束部材として無効化することができる。任意のスリーブ310は好ましくは、透明な材料、またはシース300の色とは異なる色を有する材料で製造され、図3Aおよび3Bにはそのように示されている。近位端は、内側カテーテル軸318と、外側カテーテル軸324と、カテーテルハブ316とをさらに有している。カテーテルハブ316は、ガイドワイヤポート332と一体的に成形されるか、ガイドワイヤポート332に溶接または結合されるか、あるいは他の方法で連結されている。拡張器またはカテーテルハブ316は、拡張器を把持するのを可能にし、内側カテーテル軸318と外側カテーテル軸324との間に配置され、バルーン320の内側への開口部を有する環状体を加圧することによって拡張バルーン320を膨張させることができる。バルーン320は、接着剤、または熱または超音波エネルギーを使用した融着によって、その遠位端の所で内側カテーテル軸318に結合されることが好ましい。バルーン320の近位端は、外側カテーテル軸324に結合または溶接されることが好ましい。他の実施形態では、カテーテルチューブの開口部またはサイスによってバルーン320の内側に動作可能に連結された、内側カテーテル軸318または外側カテーテル軸324の別個のルーメンに、加圧により流体を注入することによって、バルーン320の加圧を行うことができる。このような構成は、複数の同心状チューブを入れ子にするのではなく、マルチルーメンチューブを押出し成形することによって得ることができる。遠位端304は一般に、折り畳まれて、長手方向軸に沿って延びるひだ328を形成し、そのように折り畳まれた領域の直径をシースチューブ306の直径より小さくする遠位シースチューブ322を有している。内側カテーテル軸318は、カテーテルハブ316から接近することができ、好ましくは完全にカテーテル軸318の遠位先端に至るガイドワイヤルーメン334を有している。ガイドワイヤルーメン334は、直径が0.038インチの装置までのガイドワイヤを滑り可能に受け入れることができる。
【0029】
上述のように、シース300の近位端は、シースハブ308と拡張器ハブ316とを有している。一実施形態では、拡張器ハブ316は、拡張器ハブ316がシースハブ308に連結されるかまたは取り付けられたときに、2つのハブ308および316が互いに対して回転できないようにキー止めされている。このことは、誤って拡張器ハブ316をシースハブ308に対して回転させることによってバルーン320または拡張器軸318がねじれることがなくなるので有利である。ねじれたバルーン320は、ねじれによってバルーン320が拡張器軸318に密着して保持され、流体がバルーン320の内部を完全に満たすのが妨げられるため拡張を不完全にする可能性がある。拡張器軸318またはバルーン320がねじれると、ガイドワイヤルーメン334内でのガイドワイヤの移動が制限されるか、またはバルーン320の膨張/収縮特性が悪影響を受ける可能性がある。したがって、2つのハブ308および316の反回転部材は、ある実施形態では有利である。反回転部材は、拡張器ハブ316上のキー止めされた1つまたは2つ以上のタブおよびシースハブ308の対応するキー止め穴などであるがそれらに限らない機構を含んでよい。
【0030】
図示の実施形態では、拡張器ハブ316とシースハブ308との間の軸方向の分離運動によって、2つのハブ308および316が容易に外れ、一方、回転相対運動は、タブおよび長穴の側壁によって防止される。タブおよび長穴の側壁上の抜け勾配は、反回転部材の嵌め合いおよび取外しをさらに推進する。他の実施形態では、2つのハブ308および316が同軸に揃えられ、誤って横方向に取り外されるかまたは分離されるのを防止されるように、シースハブ308は拡張器ハブ316に取外し可能に固定されている。この実施形態では、2つのハブ308および316は少なくとも3点で連結され、それによって2つのほぼ直交する軸が共に横方向に相対運動するのを防止する。好ましい実施形態では、2つのハブ308および316は、ほぼ周囲360度にわたって嵌め合わせられる。2つのハブ308および316をスナップばめまたは連結すると共に2つのハブ308および316を分離するには、手で圧力をかければ十分である。
【0031】
他の実施形態では、シースハブ308の遠位端は、シースハブ308の遠位端344およびシースチューブ306の近位端を、組織に損傷を与えずに少なくとも部分的に尿道に進入させることができるように遠位テーパ344の所がシースチューブ306に向かって先細りになるように構成されている。シースハブ308は、シース300のハンドルとして働き、一般に、外径が遠位端から近位端にある程度変化する回転円筒体である。図示の実施形態では、シースハブ308の遠位方向を向いた面340は、遠位方向内側に向かって徐々に先細りになる円錐体を形成することができる。この円錐体は、長手方向断面図では、中心線の周りに対称的に配置され、各々が曲線状であり、凹状の輪郭を示す、2枚の外壁を特徴とすることができる。好ましい実施形態では、シースハブ308の遠位面340の外郭は、ある面がシースチューブ306の長手方向軸に概ね平行に延び、他の面がシースチューブ306の長手方向軸に概ね垂直に延びる直線状の輪郭を形成することができる。この好ましい実施形態では、フィレット領域または他の丸みづけられた部分を除いて曲線状の軸方向断面輪郭が無く、手袋または指を切る恐れのある鋭い縁部がほぼ無くなる。シースハブ308の近位方向を向いた面342は、曲線状で広がっており、ベルの内面状の長手方向断面輪郭を有することができる。このような形状は器具の漏斗として働く。この実施形態では、遠位方向を向いた面342の軸方向断面図は、中心線の周りに対称的に配置され、各々がシース300の近位端から見たときに凸状である2枚の内壁を示す。好ましい実施形態では、シースハブ308の近位方向を向いた面342は、ほぼ直線状であり、シースチューブ306の長手方向軸にほぼ垂直に向けられた縁部を有することができる。シースハブ308の近位面342を通ってシース300の内側ルーメンに至る部分は、曲線状で広がっていても、あるいは直線状であり、長手方向軸に概ね平行なルーメンを形成してもよい。他の実施形態では、シースハブ308の近位端342を貫通する接近ポートは、挿入された他の装置を密封できるようにするか、または装置の挿入を容易にできるようにする6%リューエルテーパなどの直線状テーパを有することができる。端部テーパの量は、シース300の各側面と長手方向軸との間で1.5度から20度の間であってよい。シースハブ308の最大外径は0.25インチから2.0インチの間であり、好ましくは0.5インチから1.0インチの範囲であってよい。シースハブ308は、指の直径の少なくとも2分の1がハブ308のフランジの各側面に載るような大きさであってよい。シースハブ308の遠位方向を向いた面340はさらに、膀胱鏡の制御に使用される技術のように、タバコ形式で、手の2本の指の間に受け入れられるかまたは2本の指で握れるように指と同じ曲率半径を有するように形作ることができる。他の実施形態では、シースハブ308は、鉛筆やカテーテルのように、親指と他の指とで握れるような大きさでありかつそのように構成することができ、この場合、シースハブ308の遠位方向を向いた面340上には微細形状も曲線もなく、2本の指の形状または直径に概ね一致する。
【0032】
図3Aの図示の実施形態では、装置の遠位端304は、カテーテル軸318と拡張バルーン320とを有する。カテーテルハブ316をシースハブ308上に取外し可能にロックして、システムとの一体性を高め、カテーテル軸318とシースチューブ322および306との長手方向相対位置を維持することができる。カテーテルハブ316は、近位外側端部からあらゆる内部または貫通ルーメンまで先細りにすることができる。カテーテル軸318およびバルーン320は、近位シースチューブ306内に滑り可能に受け入れられる。カテーテル軸318およびバルーン320は、遠位シースチューブ322が半径方向に拡張されたときには遠位シースチューブ322内に滑り可能に受け入れられるが、チューブ322が折りたたまれたときには摩擦によって遠位シースチューブ322内にロックされる。遠位シースチューブ322の外径は、半径方向折りたたみ構成では約4フレンチから16フレンチの範囲であり、好ましいサイズ範囲は約5フレンチから約10フレンチの間である。この外径は装置の導入にとって重要なパラメータである。拡張後に、遠位シースチューブ322は、約8フレンチから約20フレンチまでの範囲の内径を有する。多くの用途では、装置が拡張された後は内径の方が外径より重要である。シースチューブ306および322の壁厚は約0.002インチから約0.030インチの範囲であり、好ましい厚さ範囲は約0.005インチから約0.020インチであってよい。
【0033】
図3Bは、バルーン320が膨張させられ、遠位端340の所のシースチューブ322が長手方向ひだまたは折り目328を拡張させ広げている、図3Aのシース300の断面図を示している。遠位シースチューブ322は、特にひだ線の所で湾曲または降伏し、湾曲または降伏を生じさせる力が除去された後その構成を維持することができる性質を有することが好ましい。近位シースチューブ306は、インサート成形、接着剤による結合、溶接などによってシースハブ308に固定することができる。上述のように、バルーン320は、カテーテルハブ316と一体であるか、あるいはカテーテルハブ316に結合または溶接された膨張ポート330に膨張装置を取り付けることにより内側チューブ318と外側チューブ324との間の環状体を加圧することによって膨張させることができる。加圧環状体は、外側チューブ324の遠位端の所でバルーン320に入り込む。遠位シースチューブ322の製造に使用される例示的な材料には、ポリテレフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンポリマー(FEP)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが含まれるがそれらに限らない。一般に、外径が16フレンチの装置には0.008インチ〜0.012インチの壁厚が適しており、一方、外径が36フレンチの装置には0.019インチインチの壁厚が適切である。一実施形態では、シース300の結果として得られる貫通ルーメンは、近位端302から遠位端304までフレンチサイズが概ね一定である。バルーン320は、PET、ナイロン、照射ポリエチレンなどの材料からのストレッチブロー成形などの技術によって製造される。
【0034】
図3Cは、カテーテル軸318、バルーン320、およびカテーテルハブ316が引き出され取り出され、近位端302および遠位端304が、器具を保持することのできる大きな中枢ルーメンと一緒に残された、図3Bのシース300の断面図を示している。スリーブ310およびスリーブグリップ312もシース300から取り出されている。遠位シースチューブ322の断面形状は、拡張後に完全に円形になっていなくてもよいが、丸い近位チューブ306と同じサイズの器具を保持することができる。シース300は、ある程度可とう性であり、さらに変形することができるので、ある寸法がシース300の丸い内径よりずっと大きい非円形の物体を保持することができる。バルーン320は、カテーテル軸318、バルーン320、およびカテーテルハブ316をシース300から取り出す前にしぼませておくことが好ましい。
【0035】
図4は、シュラウド400を有する半径方向に拡張可能なシース300の他の実施形態の側面図を示している。シュラウド400は、シース300が体腔または空洞に挿入される前にシース300から取り出される。この実施形態では、シュラウド400は、折畳みが完了した後で遠位シースチューブ322の遠位端上に滑り可能に固定される。シュラウド400は、この実施形態では、その最近位端が閉鎖されており、シース300をガイドワイヤを介して遠位方向に前進させるために手順の前に取り外しておかなければならない。シュラウド400は、ポリエチレン、ポリプロピレン、FEP、PTFE、ポリウレタン、ポリアミドなどであるがそれらに限らない高分子チューブで製造することができる。シュラウド400の内径は、折り畳まれた遠位シースチューブ322の外径と同じであるかまたはわずかに大きく、たとえば、0.001インチ〜0.020インチ大きい。シュラウド400の壁厚は、0.0005インチから0.10インチの間であり、好ましくは0.004インチから0.020インチの範囲であってよい。シュラウド400は、さらに、ガイドワイヤが遠位端を通過するのを妨げるプラグまたはクロージャ402を遠位端の所に有している。プラグまたはクロージャ402は、シュラウド400より大きい形状を有するか、あるいは取外しのための把持を強化し、シュラウドを体腔または空洞に挿入する前に取り外すべきであることをユーザに思い出させるのこ歯部または隆起部を有することができる。シュラウド400は、出荷および運搬時に遠位シースチューブ322を保護する働きをし、殺菌時および長い貯蔵および出荷期間にわたってしっかりと折り畳まれ最小の直径を有する構成に遠位シースチューブ322を維持するのを助けることができる。シュラウド400は理想的には、完全に折り曲げられた遠位シースチューブ322全体を囲む。ただし、完全に囲まなくても機能を果たすことができる。シュラウド400は、透明、半透明、蛍光色、または橙色、緑、赤などの明るい色を含む、シース300の残りの部分とシュラウド400とを区別する色をさらに有してよい。シュラウド400は、患者にシース300を使用する前にシュラウド400を取り外さなければならないことの警告を示すラベルまたはタグをさらに有してよい。ラベルまたはタグは、シュラウド400またはプラグもしくはクロージャ402と一体であってよい。
【0036】
図5Aは、近位部502と遠位部504とを有するシース−拡張器システム500の他の実施形態の側面図を示している。遠位部504は、ある長さの拡張器チューブ318と、拡張器バルーン320と、長手方向に折り畳まれたシースチューブ510とを有している。遠位部504は、長手方向長穴またはくぼみ508によって分離された長手方向ランナー506またはひだ520をさらに有してよい。近位部502は、近位シースカバー512と、シースハブ308と、ガイドワイヤポート408およびバルーン膨張コネクタ330をさらに有する拡張器ハブ316とを有している。シースとカテーテルハブ308、316は上述のように構成することができる。
【0037】
図5Aを参照すると、折り畳まれた層510は、図3Aのシース300の壁306と同様である。折り畳まれた層510は、拡張不能であり、近位端の所でシース500を囲む近位シースカバー512の遠位端に、近位端の所で固定することができる。折り畳まれたシースチューブ510は近位シースカバー512と一体であってよい。ただし、この2つの領域はそれぞれの異なる特性を有してよい。折り畳まれたシースチューブの内部ルーメンは、近位シースカバー412の内側作業ルーメンに動作可能に連結されている。折り畳まれたシースチューブ510は、拡張器バルーン320の拡張およびそれによって発生する外向きの力によって円周が不可逆的に大きくなるように塑性変形可能であるかまたは展性を有する材料で構成されている。折り畳まれたシースチューブ510の壁厚は、折り畳まれたシースチューブ510が拡張されるときに概ね一定であることが好ましい。折り畳まれたシースチューブ510は、拡張された後、全体的に、折り畳みに対する十分なフープ強度を有し、したがって周囲の組織を開放したままにしておく。スリットまたはくぼみ508によって分離される任意の長手方向ランナー506は、折り畳まれたシースチューブ510内を器具を通過させる摩擦の少ない進路を形成する。ランナー506またはひだ520は、PTFE、FEP、PET、ステンレスチール、コバルトニッケル合金、ニチノール、チタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどであるがそれらに限らない材料で製造することができる。ランナー506またはひだ520はさらに、石灰石や他のデブリなどの材料がシース500を通して近位方向に引き出されるときに折り畳まれたシースチューブ510の折り畳みまたは座屈に対するコラム強度を付与することができる。ランナー506またはひだ520は、取り付けずに自由にしておいても、ID材料と一体であっても、あるいは接着剤、溶接などを使用して、折り畳まれたシースチューブ510の内側に固定してもよい。ひだ520の場合、この構造は、折り畳まれたシースチューブ510と一体的に形成することができ、このような形成は一般に、押出し成形時に行われるか、または後で二次工程として行われる。このような二次工程は、折り畳まれたシースチューブ510を加熱および加圧下で段付きマンドレルに対して圧縮することを含んでよい。ひだ520は、有利なことに、遠位領域504だけでなく、シースチューブの近位部の内側を延びることができ、および/または、ただし、必ずしもハブ308内を延びなくてよい。
【0038】
ガイドワイヤポート408は一般に、リューエルロックコネクタまたは他のねじ式取付け部材もしくは差込み式取付け部材として構成され、ガイドワイヤは、ガイドワイヤポート408を通して、ガイドワイヤポート408が動作可能に連結された拡張器チューブ318のガイドワイヤルーメンに挿入される。ガイドワイヤポート408は、好ましくは拡張器ハブ316と一体的に製造されるが、拡張器ハブ316に固定された別個に製造された品目であってもよい。ガイドワイヤが挿入されるときでも流体の損失を防止するためにこのようなコネクタにTuohy−Borstまたは他の弁付き取付け具が容易に取り付けられる。
【0039】
図5Bは、バルーン320が遠位部504を径方向に拡張している、図5Aのシース500を示している。近位シースカバー512は変化していないが、長手方向ランナー506またはひだ520は周方向に移動しており、長手方向スリットまたはくぼみ508は、展開または分離によって広くなっている。遠位部504の折り畳まれたシースチューブ510は、持続的またはほぼ持続的に展開され、直径が大きくなっている。折り畳まれたシースチューブ510内の補強部材のため、または内部強度および展性または塑性変形のために、結果として得られる遠位部504は、折り畳まれたシースチューブ510によって開放位置に適切に支持され、後で器具を通過させることができる。
【0040】
図5Cは、シース500の遠位端504の横断面を示している。この実施形態では、遠位部504を覆う折り畳まれたシースチューブ510は、内面または外面上にひだ520を備えている。この場合、内側ひだ520が好ましい実施形態である。ひだ520は、長手方向に延びる、折り畳まれたシースチューブ510の壁厚が厚くなった部分または高くなっている部分であって、壁厚を薄くされた長手方向に延びる領域522またはくぼみによって互いに分離された部分である。ひだ520は折り畳まれたシースチューブ510全体的に一体である。ひだ520は一般に、ポリマーをリッジを有するように押出し成形するのを可能にする長穴を含む押出しダイを製造することによって形成される。ひだ520は、折り畳みを容易にし、尿管鏡、血管顕微鏡、内視鏡などの光学スコープを前進または後退させるときにレンズを引掻くデブリのために光学スコープが損傷するのを最小限に抑えることができる。折り畳まれたシースチューブ510が拡張されたときに、ひだ520同士の間の壁厚が薄くなった領域522が、ひだ520の強度が高いために展開することが好ましい。
【0041】
図6Aは、近位シースチューブ602と遠位シースチューブ604とを有する拡張可能なシース600の他の実施形態の側面切欠き図を示している。近位シースチューブ602は、近位補強層612と、内側層と、外側層とをさらに有している。遠位シースチューブ604は、長手方向折り目606と、遠位補強層610と、外側層608と、内側層614と、拡張バルーン320とをさらに有している。シース600は、上述のように構成できるシースおよびカテーテルハブ308、316も含んでいる。
【0042】
図6Aを参照すると、一実施形態では、近位シースチューブ602内に埋め込まれた近位補強層612は、好ましくは内側層および外側層で形成された複合構造である。近位補強層612は、近位シースチューブ602にフープ強度を与えるコイル、ブレード、または他の構造であってよい。近位補強層612は、ステンレススチール、チタン、ニチノール、コバルトニッケル合金、金、タンタル、白金、白金イリジウムなどであるがそれらに限らない金属で作ることができる。近位補強層612は、ポリアミド、ポリエステルなどであるがそれらに限らないポリマーで作ることもできる。例示的なポリマーには、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ケブラーなどが含まれる。近位補強層612は、金属を含む場合、ばね硬化されており、弾性強化を有する金属を使用することが好ましい。
【0043】
さらに図6Aを参照すると、遠位シースチューブ604は、近位シースチューブ602と同様な複合構成を有している。しかし、遠位補強構造610は、弾性的ではなく展性を有することが好ましい。遠位補強構造610は、内側層614と外側層618との間に埋め込まれた平角線のコイルであることが好ましい。ひだまたは折り目606が、長手方向に遠位シースチューブ604の長さにわたって延びており、これは、遠位シースチューブ604をその完全拡張構成より小さい直径に圧縮できるようにする構造である。1つの折り目606があっても、あるいは複数の折り目606があってもよい。折り目606の数は1個から20個まで、好ましくは1個から8個までの範囲であってよく、シースチューブ604の曲げ性および直径は、折り目606の最適な数に影響を与える。
【0044】
遠位シースチューブ604の構成は、0.001インチから0.040インチ、好ましくは0.002インチから0.010インチの間のワイヤ直径を有するコイルワイヤを有してよい。コイルは、一方の寸法が0.001インチから0.010インチであり、他方の寸法が0.004インチから0.040インチである平角線を使用することもできる。平角線は、概ねコイルの半径方向を向いた小さい寸法が0.001インチ〜0.005インチであり、コイルの半径方向に垂直な方向を向いた幅が0.005インチ〜0.020インチであることが好ましい。外側層608は、0.001インチ〜0.020インチの壁厚を有し、内側層614は、0.001インチ〜0.010インチの壁厚を有している。コイルを製造するのに使用されるワイヤは、金、ステンレススチール、チタン、タンタル、ニッケル−チタン合金、コバルトニッケル合金などであるがそれらに限らない焼きなまされた材料で製造することができる。ワイヤは完全に焼きなますことが好ましい。ワイヤは、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド、ポリカーボネート、ガラス繊維入りポリカーボネート、炭素繊維などであるがそれらに限らないポリマーまたは非金属材料を含んでもよい。コイル補強部材のワイヤは、有利なことに、蛍光透視またはX線造影の下での視界を向上させるように放射線不透過性を高められた材料で被覆することができる。コイル補強部材用の放射線不透過性コーティングは、金、白金、タンタル、白金イリジウムなどを含んでよい。コイルの機械的特性は、コイルが、融着された内側層614および外側層618の構成を調整できるような特性である。補強層610を折り畳んで小さい直径を形成したときに、このポリマー材料は、ある程度形状記憶性を有するため、それほどのスプリングバックを生じない。シース壁は、シース壁が管状構造にかけるあらゆる力よりも、展性を有する遠位補強層によってかけられる力の方が強くなるように薄いことが好ましい。したがって、剥離または保護スリーブは、折り畳みシース構成を維持するのに有用であるが必要ではない。
【0045】
外側層608の内側層614は、コイルセグメント同士の間の伸びによって可とう性を最大にするようにある程度の弾性または展性を有することが好ましい。遠位補強層614の巻き線のピッチが近位補強層612の巻き線と同じである必要がないことに留意されたい。これは、これらの巻き線がシース600内で異なる機能を有するからである。
【0046】
図6Bは、バルーン320による拡張後の図6Aのシース600の切欠き断面図である。近位シースチューブ602の直径も構成も変化しておらず、補強層612の構成も同様に変化していない。遠位チューブ604は、径方向に拡張しており、図6Aのひだまたは折り目606は今やほとんど無くなっている。図示の実施形態では、補強層の応力硬化ならびに折り畳まれた内側層614および外側層608内の残留応力のために、折り目606の残りが依然として遠位チューブ604に存在することがある。この構成におけるシース600の拡張は、内圧が3気圧から25気圧までの範囲のバルーン320を使用して行われる。バルーン320は、補強層610の強度に対抗して遠位シースチューブ604を拡張させる力をかけるだけでなく、好ましくは、周りの組織によって生じる内側半径方向を向いた力にも打ち勝つべきである。例示的な構成では、完全に焼きなまされたステンレススチール304Vで作られ、0.0025インチ×0.010インチの寸法を有し、0.024インチのコイルピッチを有する平角線コイル補強層610を使用したシース600は、体温が37℃のときに完全に拡張し、4気圧〜7気圧に加圧したときに直径が16フレンチになる。内側層614は、0.003インチ〜0.005インチの壁厚を有するポリエチレンであり、外側層608は、0.005インチ〜0.008インチの壁厚を有するポリエチレンである。この場合、シースは、近位端から遠位端まで、さらに両端の所の外部環境までほぼ一様な内部寸法の経路を形成することができる。この経路を通して、器具、患者から引き出された材料、またはその両方を通過させることができる。この構成のシースは、ねじれを生じさせず、かつ断面をほぼ楕円形にすることなく、内径が1.5cm以下になるように湾曲することができる。
【0047】
図7Aは、近位端702と遠位端704とを有する拡張可能なシース700の他の実施形態の側面図を示している。シース700は、外側カバリング706と、拡張器軸708と、支持フレーム710と、拡張バルーン712と、シースハブ714と、拡張器ハブ716と、ガイドワイヤポート720と、バルーン膨張ポート722とをさらに有している。遠位端704は、近位端702と比べて小さい直径を有している。
【0048】
図7Aを参照すると、図示の実施形態の支持フレーム710は、冠状動脈の狭窄部を治療するのに使用されるようなステントと同様の足場構造を有している。支持フレーム710は、外側カバリング706の内径内に埋め込まれるか、または内径の内側に内径に接触して配置されている。支持フレームは、ステンレススチール、チタン、マルテンサイト系ニチロール、金、白金、タンタル、または心臓血管ステントを製造するのに一般に使用されている他の材料で製造することができる。支持フレームは、ワイヤで形成するか、金属のチューブまたはシートからレーザ切断するか、あるいは光エッチング、機械加工、または電子排出法を使用した加工を施すことができる。支持フレームは、一実施形態では、展性を有し、拡張バルーン712によって拡張された状態のままでいる。支持フレームは、好ましくは、生体内で使用される環境では放射線不透過性であり、金、白金イリジウム、またはタンタルなどの材料で製造するか、これらの材料の合金で形成するか、あるいはこれらの材料で被覆することができる。支持フレームの壁厚は0.002インチ〜0.025インチの範囲であってよく、好ましくは0.003インチから0.012インチの間であってよい。支持フレームは、可とう性を付与する構造を有することが好ましい。このような可とう性強化構造には、切り離された「Z」字形またはダイヤモンド形のリングセグメント、ワイヤのバックボーンまたは交互バックボーンによって連結されたリングセグメント、連続的な波状らせん形などが含まれる。外側カバリングは、展開可能であるか、展性によって拡張可能であるか、または弾性的である。例示的な拡張可能な外側カバリング706は、ステントを埋め込むように配置された低密度ポリエチレンを含んでいる。他の拡張可能な外側ハウジング706は、支持フレーム710の周りに配置され支持フレーム710を摩擦によって覆うポリウレタン、シラチック、または熱可塑性エラストマスリーブを含んでいる。外側カバリング706は、高密度ポリエチレン、FEP、PTFEなどであるがそれらに限らない、滑り摩擦の比較的少ない内側層をさらに有してよい。ストレッチブロー成形されたPETから折り畳まれた外側カバリング706を製造することができる。外側カバリング706は、カテーテルを体腔に挿入する際と体腔に器具を通過させる際の摩擦を最小限に抑えるようにシリコーンスリップ剤、親水性ヒドロゲルなどによって内側、外側、またはその両方を被覆することができる。
【0049】
図7Bは、拡張器ハブ716上の膨張ポート722に注入され、拡張器軸708を通してバルーン712に送られる流体によって加圧された拡張バルーン712によって支持フレーム710が拡張された、図7Aのシース700を示している。支持フレーム710は、遠位端704の所で、展性によって拡張しており、外側カバリング706をその半径方向展開構成に保持している。
【0050】
図7Bを参照すると、支持フレーム710は、シース700の近位端702の遠位端に固定されている。支持フレーム710は、図7Aのように、拡張させる前でも近位端の所で十分に拡張させることができ、次に遠位部704において狭まることができる。拡張された後、支持フレーム710および外側カバリング706は、概ね連続的な直径と、シース700の最近位部からシースの遠位端まで延びる貫通ルーメンとを有する。遠位部704の外側カバリング706は、延びるかまたは広がってその直径拡大構成をとる。外側カバリング706の回復強度は、展性によって拡張する支持フレーム710によって生じる抵抗力より強い復元力をかけることがないような強度であることが好ましい。遠位領域704は、拡張バルーン712、拡張器軸708、拡張器ハブ716、および膨張ポート722がすべてシース700から取り出された後も拡張されたままである。したがって、シース700内に大きい中枢ルーメンが形成される。
【0051】
図8Aは、近位領域802と遠位領域808とを有する拡張可能なシース800の他の実施形態の側面図を示している。この実施形態では、近位領域802は、組物補強部材804と、近位シースカバリング806と、近位内側層832とをさらに有している。この実施形態の遠位領域808は、遠位シースカバリング810および遠位補強部材812と、遠位内側層830とをさらに有している。遠位領域808は、遠位シースカバリング810が1つまたは2つ以上の長手方向ひだまたはプリーツ820を形成するように折り畳まれるかまたは折り重ねられているため、近位領域802と比べて小さい直径を有している。遷移領域822が、近位シースカバリング806と遠位シースカバリング810を連結している。拡張器ハブ316およびガイドワイヤ接近ポート332も示されている。
【0052】
図8Aを参照すると、遠位シース領域808は、遠位シースカバリング810を有し、概ね遷移領域822から始まっている。遠位シースカバリング810は、折り畳まれて複数のプリーツ820を形成する薄壁材料である。遠位シースカバリング810は、遠位内側ライナ830に融着することができ、さらに補強層812を覆うかまたは囲むことができる。遠位シースカバリング810は、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイトレル、ペバックス、ポリイミド、ポリアミド、HDPEなどであるがそれらに限らない材料で作られている。遠位シースカバリング810の壁厚は0.001インチ〜0.020インチの範囲である。遠位シースカバリングは、プリーツ、ひだ、または折り目820を維持するために熱硬化させるかまたは照射(たとえば、γ線や電子ビーム放射)によって橋かけすることができる。遠位シースカバリング810は、溶接または接着結合によって近位シースカバリング806の遠位端に固定されている。近位シースカバリング806は、ポリマーに囲まれた内部コイルまたはブレード補強部材804を有する複合補強構造であってもよい。近位内側層上のポリマーは、近位シースカバリング806の外側に配置されたものとは異なるポリマーであることが好ましい場合がある。γ線、電子ビーム放射、陽子放射、中性子放射、プラズマ放射などを使用して、引張り強度、層同士の間の付着性を高めるなど、シース上に使用されるポリマーの特性を修正することができる。遷移領域822は、近位領域802を遠位領域808に突合せ接合する場合に生じることがある応力集中部を小さくするかまたは最小限に抑えるように構成されている。遷移822を最適化するために、近位領域802および遠位領域808は、羽状またはのこ歯状に形成され、のこ歯部は、近位領域802の機械的特性と遠位領域808の機械的特性が円滑に遷移するように互いに噛み合わされている。のこ歯部は、三角形であり、長さが0.10cmから5.00cmの間であることが好ましい。のこ歯部の数は1個から20個までの範囲であってよい。
【0053】
図8Bは、シース800の遠位領域の遠位先端の拡大図を示している。遠位領域808は、遠位シースカバリング810と、遠位補強層812と、遠位内側層830とをさらに有している。遠位補強層812は、この場合、展性を有する金属のコイルであり、フープ端部構造834と溶接部836とをさらに有している。遠位領域808は、拡張可能な放射線不透過性マーカ838をさらに有している。フープ端部構造834は、遠位補強層812を構成するコイルの最後の巻きを作り、溶接部836を使用してこの巻きを前のコイルに接合することによって形成されている。溶接部836は、接着結合部、圧着接合部などであってもよい。溶接部836は、遠位内側層830または遠位シースカバリング810をつつくかまたはそれに当たる恐れのある大きな隆起部を形成しないように切削または構成されている。拡張可能な放射線不透過性マーカ838は、金、タンタル、白金のような展性を有するワイヤで構成することができる。一般に1回から20回の間である、ワイヤの複数の巻きは、可視放射線不透過性マーカ838を構成するのに十分である。放射線不透過性ワイヤは、0.001インチから0.020インチの間の主要寸法を有する平らなワイヤまたは丸いワイヤであってよい。ワイヤは、折畳み可能であり、したがって、長手方向にひだを付けて遠位領域808の残りの部分と一緒に径方向に折り曲げることができることが好ましい。複数巻きワイヤ放射線不透過性マーカ838は、遠位シースカバリング810のポリマーにうまく埋め込まれ、バンドまたは固体リングよりも展開または膨張に対する抵抗が弱いため、他のマーカタイプと比べて有利である。
【0054】
図9Aは、折り畳まれたバルーン320と遠位シースカバリング810との間に大きい段状遷移部902を有する、折り畳まれた半径方向に拡張可能なシース900の一実施形態を示している。シース900は、折り畳まれたバルーン320が固定された拡張器軸318をさらに有している。遠位シースカバリング810には様々な折り畳み構成があるため、このような段状遷移部902を形成することができる。しかし、段状遷移部902は、シースが経腔的に前進する際に組織に拘束され、したがって、前進が抑制され、場合によっては腔壁に損傷または外傷を加えることがある。たとえば、図1および9Aを参照すると、尿管接近手順の間に、段状遷移部902は、尿管106が膀胱104と合流する尿管106の入口114の所で組織に拘束される可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、段状遷移部902を最小限に抑えるかまたは無くすように整形を施すと有利である。シース900は、遠位山形部914と近位山形部912とを有する遷移ゾーン910を、遠位シースカバリング810と近位シースカバリング916との間にさらに有している。山形部の数は、2個から30個の間であり、好ましくは4個から16個の範囲であってよい。山形部912および914は、遠位シースカバリング810と近位シースカバリング916との円滑な遷移を向上させる。一実施形態では、遠位シースカバリング810および近位シースカバリング916は、ポリエチレンなどのポリオレフィンを押出し成形することによって作られる。シースカバリング810および916内の補強部材には、コイル、スリーブ、テープ、巻き線、ブレードなどを含めることができ、これらの補強部材も、遷移ゾーン910の山形部912および914内で遷移するか、または補強部材は、遷移ゾーン916内に補強部材が存在しないように遷移ゾーン910の外側で終わる。山形部912および914は、遠位シースカバリング810が長手方向に折り畳まれるかまたは圧縮されて小直径構成になるときに歪まされる。拡張バルーン(不図示)は、遷移ゾーン910の最近位点の近位側に延びることが好ましい。
【0055】
図9Bは、遠位シュラウド904上に整形スリーブを有する半径方向に拡張可能なシース900を示している。一実施形態では、遠位シュラウド900は、拡張器軸318またはバルーン320結合領域の外側に永久的に固定されている。遠位シュラウド904は、剛性であっても、あるいは可とう性または弾性を有していてもよい。遠位シュラウド904は、遠位シースカバリング810を覆い、拡張器軸318および折り畳まれた拡張バルーン320に押し付けられたカバリング810の遠位端を保持している。他の実施形態では、遠位シュラウド904は、ほぼ遠位シースカバリング810まで延びているが遠位シースカバリング810を覆っておらず、遠位シースカバリング810のノーズコーンとして働く。この実施形態では、遠位シュラウド904の近位端と遠位シースカバリング810の遠位端との間の隙間を最小限に抑えて組織がそこに入り込むのを防止することが好ましい。遠位シュラウド904は、C−フレックス、ポリウレタン、シリコーンエラストマ、ポリオレフィン、ハイトレル、塩化ポリビニルなどで製造することができる。遠位シュラウド904は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、糖、炭水化物などであるがそれらに限らない生体再吸収可能な材料または水溶性の材料で製造することもできる。再吸収可能な材料は、シュラウド904が誤って拡張器軸318またはバルーン320から外れ、患者内に残された場合に有用である。遠位シュラウド904は、バリウムや、ビスマス塩や、タンタル粉などであるがそれらに限らない放射線不透過性充填剤をさらに含んでよい。遠位シュラウド904は、白金、金、タンタル、イリジウムなどで別個に製造された放射線不透過性マーカを有してもよい。別個の放射線不透過性マーカ838は、リングまたはバンドと同様にインサート成形するか、あるいはワイヤなどと同様に巻くことができる。遠位シュラウド904は、射出成形するか、液体射出成形するか、熱成形するか、あるいは押出しまたは浸漬構造から切り出すことができる。遠位シュラウド904は、その直径が遠位方向から近位方向に大きくなるように円錐形であるかまたは先細りになっていることが好ましい。遠位シュラウド904は、一周方向位置を他の位置より大きくすることができる段状遷移部902に嵌るように横断面が非対称的であるかまたは非丸形であってもよい。遠位シュラウド904は一般に、シュラウドがシースカバリング810に沿って延びるのを可能にするアンダーカットをその近位端に有している。ただし、遠位シュラウド904を重ね合わせなしにシースカバリング810の遠位端に突き合わせることができる。遠位シュラウド904は、誤ってシース900から外れることがないように拡張器軸318またはバルーン320にしっかりと結合されている。遠位シュラウド904が誤ってシース900から外れた場合、臨床合併症が生じる恐れがある。遠位シュラウド904をバルーン320または拡張器軸318に結合する方法には、熱溶接、超音波溶接、接着剤、機械的連動、またはそれらの組合せを含めることができる。一実施形態では、遠位シュラウド904は、バルーン320と一緒に変形して拡張し、したがって、遠位シースカバリング810の遠位端から離れる。遠位シースカバリング810が拡張され、その後バルーン320が拡張されると、遠位シュラウド904は、バルーン320と一緒に半径方向に再圧縮され、したがって、遠位シースカバリング810の内部ルーメンを通して近位方向に引き出すことができる。
【0056】
遠位シュラウド904は、オブトラトールまたは拡張器およびシュラウド904が誤って引き出されるのを防止する内側スペーサ(不図示)をさらに有してよい。シュラウドを遠位方向に前進させ、シースカバリング810を拡張できるように解放する機構を設けることができる。内側スペーサは、シュラウド904を近位方向にシースカバー810に引き込むのを容易にするテーパをその近位端にさらに有してよい。遠位シュラウド904は、拡張器がシースカバリング810に対して近位方向に引き出されるときに裏返されるように薄く可とう性にすることができる。内側空間は、内側スペーサは、シュラウドが裏返されてから近位方向に引き出されるまでの間または近位方向に引き出される間小さい形状を維持できるようにアンダーカットまたはレリーフをさらにその遠位端に有してよい。
【0057】
図9Cは、遠位シースカバリング810と、近位シースカバリング916と、拡張された拡張バルーン320と、拡張器軸318と、遠位シュラウド904とを有する、拡張後の、図9Bのシース900を示している。シース900は、遷移ゾーン910と、近位山形部912と、遠位山形部914とをさらに有している。バルーン320を示すように遠位シュラウド904の近位部は切欠き状に示されている。遠位シュラウド904の近位端は、バルーン320と一緒に弾性的に拡張されており、そうする際に、遠位シースカバリング810の遠位端を覆うかまたはこの遠位端と重なり合っていた部分から遠位方向に引き込まれている。遠位シュラウド904の遠位端をバルーン320または拡張器軸318に取り付けると、遠位シュラウド904の遠位端が近位方向に動くのが防止される。バルーン320がしぼむ次のステップの後で、弾性遠位シュラウド904の直径が小さくなり、外側層がカバリング810である遠位シースチューブの中枢ルーメンを通して遠位シュラウド904を引き出すことができる。遠位シースカバリング810が半径方向に拡張しているため、遷移ゾーン910は拡張し、ほぼ一定の直径になっている。近位山形部914と遠位山形部916は、融着、接着、固定、溶接、スリーブ止め、またはクランプ止めによって互いに噛み合わされ固定されており、ほぼ歪まず、近位シースチューブ916から遠位シースカバリング810まで特性がかなり円滑にかつ徐々に遷移するほぼ一様なジグザグパターンを形成する。したがって、遷移ゾーンは、互いに山形部912および914の縁部に沿って少なくとも部分的に固定された近位領域および遠位領域の互いに噛み合わされた複数の先細りの山形部912および914を有している。
【0058】
他の実施形態では、遠位シースカバリング810の遠位端は、露出された拡張器軸318に向かって遠位方向に延びる余分の材料(不図示)を有している。この余分の材料は、遠位シースカバリング810の周囲に対称的に配置することも、あるいはシース遠位端の2分の1のみ上を延びる天蓋部を形成するように非対称的に分散させることができる。折り畳みの後で、段状遷移部902を最小限に抑えるかまたは無くす整形部を形成するように天蓋部をさらに熱処理または成形することができる。コイルまたはブレード補強部材も遷移天蓋部を支持することができるが、天蓋部や遠位シースカバリング延長部まで延びる内部補強部材がないことが好ましい。補強層が組物構造である実施形態では、ピック数が1インチ当たり10ピックから30ピックであり撚りの打ち数が8個から42個であることがこの用途には適切である。
【0059】
図3A、8A、および9Aを参照すると、一実施形態では、拡張器軸318は、直径が概ね0.010インチ〜0.060インチであり、拡張器ハブ316上のガイドワイヤポート332に動作可能に連結された中央貫通ルーメン334を有してよい。拡張器軸318は、インサート成形、溶接、接着結合などによって拡張器ハブ316に固定されている。拡張器ハブ316を前進させて、拡張器軸318を遠位シースカバリング810に対して前進させることができる。シュラウド904は、拡張器軸318と一緒に前方に引かれ、もはや遠位シースカバリング810の外側を囲まない。シースカバリング810は、次にプリーツまたは折り目820を展開させることによって自由に拡張し、オブトラトール軸318およびそれに関連する構成部材がシース900から引き出された後で器具用の潜在的な空間として働く。他の実施形態では、シュラウド904は裏返し可能であり、拡張器ハブ316は、近位方向に引き出され、単にシュラウド904をシースカバリング810から引き離し、シース900の中枢ルーメンを通して引き出す。シュラウド904は、この実施形態では、ステンレススチールなどの金属またはC−フレックス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーンエラストマなどのポリマーで製造することができる。
【0060】
図10Aは、上述のシース実施形態と組み合わせて使用することのできる遠位チューブ1008の一実施形態の横断面図である。遠位チューブは、この実施形態では、薄い領域1032および通常の壁1030を有するように押出し成形されるかまたは形成される。図示の実施形態は、折り畳む前の2つの薄い領域1032を示している。厚い領域および薄い領域の間隔および大きさは、必ずしも一様に配置したり等しい寸法にしたりしなくてもよい。薄い領域を使用して、細かい折り目を形成して直径を小さくする能力を強化することができる。
【0061】
図10Bは、長手方向に折り畳まれた後の図10Bの遠位チューブ1008を示している。NapsterTM形スタイル、星形、クローバーの葉形、折り畳まれた「W」字形などを含む他の折り目も可能である。このような形付けは、押出し成形時にポリエチレン、PTFE、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリプロピレン、FEP、ペバックス、ハイトレルなどであるがそれらに限らない材料でチューブに対して行うことができる。この場合、遠位チューブ1008は、そのまま使用されるか、または複合チューブの一部として他の層と一緒にマンドレル上に組み立てられる。複合チューブは、コイル、ブレード、またはステント補強部材を含んでよい。薄い領域1332は、層1008をきつく折り畳むのを容易にし、かつシースが広がった後で材料が完全に丸い形状に回復するのを妨げる恐れのある材料内の応力およびひずみの蓄積を最小限に抑える。
【0062】
図10Cは、図6Aのシース600の遠位端の横断面図を示している。図示の実施形態では、バルーン320が折り畳まれて4つの長手方向ひだ、折り畳み部、またはプリーツ1020が形成されている。拡張器軸318は、バルーン320の中央の所定の位置に残り、バルーン320の遠位端の所でバルーン320に流体密封されている。圧縮されたシースカバリング1008が折り畳まれたバルーン320を囲んでいる。外部圧力源からの圧力の下でバルーン320が拡張されると、バルーンは、シースカバリング1008をより大きい直径に拡張する。シースカバリング1008は、展性を有するシース補強部材により、あるいは別個の補強部材が使用されていない場合にはシースカバリング1008単体の展性によって、この構成を所定の位置に維持する。
【0063】
図10Dは、内側層1052と、補強層1056と、弾性層1054と、外側層1050とを有するシースチューブの一実施形態の横断面図を示している。弾性層1054は、補強層1056の外側、補強層1056の内側、または補強層1056の内側と外側の両方に配置することができる。弾性層1054は、シリコーンエラストマ、Concept Polymersの登録商標であるC-FlexTMなどの熱可塑性エラストマ、ポリウレタンなどで作られている。弾性層1045の硬度は、ショア10Aからショア90Aまでの範囲であり、好ましい範囲はショア50Aからショア70Aまでであってよい。内側層1052および外側層1050は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、FEP、図8Aで説明した材料などであるがそれらに限らない、滑性を有する材料で作られている。内側層1052および外側層1050は、0.0005インチから0.015インチまでの範囲であり、好ましい範囲が0.001インチから0.010インチまでである厚さを有してよい。弾性層1054の厚さは0.001インチから0.015インチまでの範囲であり、好ましい範囲は0.002インチから0.010インチまでであってよい。補強層1056は、図6Aで説明したとおりである。この構成は、シースの拡張不能な近位領域と拡張可能な遠位領域の両方に有利である。一実施形態では、弾性層1054にC−フレックス熱可塑性エラストマが使用される。というのは、このエラストマはポリエチレン外側層1050にうまく融着するからである。この実施形態は、耐ねじれ性および曲げ性を向上させ、弾性層1054が補強層1056を遮蔽するシースの表面上のでこぼこまたは隆起を小さくする。この実施形態は、シースの内面と外面の両方に有利な非常に滑らかな表面を形成する。
【0064】
図10Eは、拡張可能なシース遠位部1040の一実施形態の横断面図を示している。シース遠位部1040は、拡張器チューブ318と、拡張器バルーン320と、第1の折り目1044および第2の折り目1046をさらに有する外側シースカバリング1042とを有している。壁1042の厚さが約0.008から0.020であるシースの場合、拡張されたシースの内径が12フレンチを超える範囲である場合には、シースカバリング1042を折り畳んで2つの折り目1044および1046を付けると有用である。拡張されたシースカバリング1042の内径が12フレンチ未満である場合、および場合によっては、シースカバリング1042がほぼ12フレンチに等しいときには、1つの折り目1044または1046のみを有することが好ましい。シースカバリング1042の直径が18フレンチを超えるか、シースカバリング1042の壁厚が約0.008インチから0.020インチまでの範囲未満であるか、あるいはその両方である場合、さらなる折り目を追加することができる。
【0065】
図11Aは、近位端1102と遠位端1104とを有する拡張可能なシース1100の他の実施形態の側面図を示している。シース1100は、外側カバリング1106と、拡張器軸1108と、分割リング支持フレーム1110と、拡張バルーン1112と、シースハブ1114と、拡張器ハブ1116と、ガイドワイヤポート1120と、バルーン膨張ポート1122とをさらに有している。遠位端1104は、近位端1102と比べて小さい直径を有している。
【0066】
図11Aを参照すると、分割リング支持フレーム1110は、膨張したバルーン1112によってかけられる力によって拡張させることのできる展性を有する構造である。この拡張は、図7Aおよび7Bのシース700によって生じる拡張と同じである。分割リング支持フレームは、ワイヤあるいは平らな金属板、ワイヤ、または金属チューブで製造することができる。好ましい金属は、コバルトニッケル合金、チタン、タンタル、316L、304などのなましステンレススチールなどであるがそれらに限らない材料から選択される。分割リング支持フレーム1110は、遠位シースチューブ1106の内径の内側に配置されている。分割リング支持フレーム1110は、他のステント状支持構成と比べて製造費が安価であるという利点を有している。分割支持フレーム1110は、2つ以上の軸に沿って可とう性が得られるように一連のリブまたはバックボーンあるいは一連のねじれ形バックボーンとして構成することができる。あるいは、他の実施形態では、分割支持フレーム1110は自己拡張することができる。遠位スリーブ1106の好ましい構成は、折り畳まれて長手方向ひだを形成する薄壁ポリマーである。分割リングは、シースが径方向に折り畳まれるときと、シースが径方向に拡張するときに、端部が周方向に重なり合うリングを有してよい。さらに、分割リング構成は、折り畳み構成、拡張構成、またはその両方で重なり合わないリングを有してよい。
【0067】
図11Bは、支持フレーム1110が、拡張器ハブ1116上の膨張ポート1122に注入され、拡張器軸1108を構成する外側チューブと内側チューブとの間の環状体を通してバルーン1112に送られる流体によって加圧された拡張バルーン1112によって拡張させられた、図11Aのシース1100を示している。分割リング支持フレーム1110は、遠位端1104の所で、展性によって拡張しており、外側カバリング1106をその半径方向拡張構成に保持している。遠位端1104の貫通ルーメンは、近位端1102のルーメンとほぼ同様である。
【0068】
図12は、ゲル、フォーム、または液体が充填されたサック1202をバルーン320内の、遠位バルーン結合部1204、すなわち、バルーン320が拡張器軸318に結合されている領域のすぐ近くに含めることによって、図9Aの段状遷移部902を最小限に抑えることができる、カテーテル600の他の実施形態を示している。遠位シースカバリング608およびバルーン320が折り畳まれると、サック1202内の材料は膨張したままになり、遷移部902を平滑にする整形部がバルーン内に形成される。このような内部整形部の重要な利点は、この整形部がシース600から外れないことである。サック1202は、自由曲面を有しても、円形の断面を有しても、あるいは非円形であって遷移部902の周方向の凹凸に一致するように向きを定められてもよい。他の実施形態では、カスタム整形部1202が形成されるように、折り畳まれたシースが折り畳まれた拡張器に組み付けられた後で、サック1202に弾性ポリマーが充填される。他の実施形態では、サックは存在しないが、フォームまたは低デュロメータポリマーを使用して内部整形部1202が形成される。この内部整形部1202は、バルーン320の内側の遠位拡張器軸318上に配置されている。この実施形態は、バルーンを内部整形部と一緒にシースチューブ608から近位方向に滑り出させるのを助けるシリコーンエラストマ、ヒドロゲルのような滑性を有する材料のコーティングを、シースチューブ608の内側またはバルーン320の外側にさらに有してよい。
【0069】
図12を参照すると、他の実施形態では、シースチューブ608がバルーン320の周りに折り曲げられた後、拡張器軸318と一体であるかまたは拡張器軸318と別個の特殊な充填チューブ(図示せず)を介してバルーン320の遠位端が充填される。バルーン320の遠位端は、この実施形態では、充填時に外部雌型(不図示)を使用して形作られる。バルーン320の遠位端を充填するのに使用される材料には、液状で注入され、次に硬化または固化させられる硬化可能な液体ポリマー、ゲル、およびフォームが含まれるがそれらに限らない。充填チューブは、取り出されるかまたは閉鎖され、樹脂が、外部雌型の形状に固化または硬化させられる。バルーン320の充填された遠位端は、シースとバルーンとの間の遷移部を最小限に抑えるかまたは無くす先細りの整形部1202を形成する。他の実施形態では、外部雌型が使用されず、目視検査および補正を行いながら充填が実施され、正しい形状が生成される。
【0070】
他の実施形態では、拡張器軸318は、遠位バルーン320と拡張器軸318との結合部のすぐ近くに位置する調整された隆起部1202を備えている。隆起部1202は、傾斜してシースチューブ608に連なり、遷移ショルダを最小限に抑えるかまたは無くすテーパ・整形部をバルーン320の遠位ショルダの下に形成するように構成されている。バルーン320を充填するのに同軸環状体が使用されているため、近位バルーン結合部(不図示)は遠位バルーン結合部1204より直径が大きく、近位バルーン結合部は隆起部上を滑ることができ、それによって隆起部をバルーン320内に配置することができる。隆起部1202は、熱成形プロセス、自由曲面、または好ましくは型、内圧などを使用することによって形成される。この実施形態における隆起部1202の下の拡張器軸318を薄くするかまたはバルブ状に形成して隆起部1202を形成することができる。
【0071】
図13Aは、シースハブ1304に動作可能に連結された弁1302と、拡張器ハブ1308に動作可能に連結された止血弁1306とをさらに有する、血管内用途向けの、半径方向に拡張可能なシース1300の近位端の一実施形態を示している。この実施形態では、弁1302は、あひるのくちばし型弁、逆止め弁、または大きなボアまで開き、しかも拡張器軸1320などの器具の周りに閉じることのできる他の密封型弁である。弁1302は、拡張器ハブ1308がシースハブ1304に連結されている間、および拡張器軸1320がシース1300から取り出された後に、シース1300の内部ルーメンを密封して流体損失を防止する。弁1302は、シースハブ1304と一体的に形成するか、シースハブ1304に溶接または接着するか、あるいはルアー取付け具または他の迅速連結取付け具によって固定することができる。止血弁1306は、Tuohy−Borst弁、またはガイドワイヤもしくは小形の器具を密封し、ガイドワイヤもしくは小形器具を取り出した後も密封状態を維持するできる他の弁である。止血弁1306は、ガイドワイヤまたは開放した腔の密封を向上させる締付け機構(不図示)をさらに有してよい。止血弁1306は、拡張器ハブ1308と一体的に形成するか、拡張器ハブ1308に溶接または接着するか、あるいはリューエル取付け具または他の迅速連結取付け具によって固定することができる。弁1306および1302は一般に、ポリマー材料で製造され、内部に軟弾性密封部材が配置されている。止血弁1306は、長期間にわたって体系的な動脈圧を受けたときの失血を最小限に抑えるかまたは防止することを目的としている。弁1302は、様々な直径の器具が挿入されたときの失血を最小限に抑えるかまたは防止することを目的としている。
【0072】
図13Bは、シースハブ1314に動作可能に連結された弁1312をさらに有する、腹腔鏡検査用途の、半径方向に拡張可能なシース1310の近位端の一実施形態を示している。弁1312は、腹腔または胸腔からの流体(液体または気体)の損失を防止するかまたは最小限に抑えることを目的としている。弁1312は一般に、ポリマー材料で作られ、内部に軟弾性密封部材が配置されている。弁1312は、シースハブ1314と一体的に形成するか、シースハブ1314に溶接または接着するか、あるいはリューエル取付け具または他の迅速連結取付け具によって固定することができる。拡張器ハブ1308も図示されている。
【0073】
図14は、拡張可能なシースシステム1400の一実施形態の近位端の長手方向断面図を示している。拡張可能なシースシステム1400は、シースハブ1402と、拡張器ハブ1404と、シースチューブ1424と、拡張器チューブ1426とを有している。シースハブ1402は、近位ポート1406と、遠位端1406と、遠位面1410と、近位周縁1412とをさらに有している。拡張器ハブ1404は、係合戻り止め1414と、遠位テーパ1416と、グリップハンドル1422と、膨張ポート1418と、ガイドワイヤポート1420とをさらに有している。シースハブ1402は、任意に、1つまたは2つ以上取付け穴または長穴1430をさらに有することのできる1つまたは2つ以上のフィン1428を有してよい。
【0074】
図14を参照すると、遠位面1410はシースチューブ1424の軸にほぼ垂直に向けられているが、斜めに配置してもよい。遠位面1410は、遠位面1410がシースハブ1402のほぼ円筒形の領域に接触するあらゆる鋭いコーナーを無くす小さい丸い構造またはフィレット構造を有してよい。近位周縁1412は、この実施形態では、わずかなアンダーカットと先細りの食付き部とを有する拡張器ハブ1404内の係合戻り止め1414に嵌るように構成されている。近位周縁1412は、シースハブ1402の円周を360度まで囲む連続的なバンドであってよい。近位周縁1412は、拡張器ハブ1404およびその係合戻り止め1414との連結および切離しを容易にするように丸くなっているかまたは面取りされていることが好ましい。シースハブ1402および拡張器ハブ1404は、ABS、ポリスルホン、PVC、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含むポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネートなどであるがそれらに限らないポリマーで製造することができる。好ましい実施形態では、シースハブ1402および拡張器ハブ1404は、閉塞の危険性を最小限に抑えるようにそれぞれの異なるポリマーで製造される。
【0075】
図14を参照すると、シースハブ1402の遠位端1408は、シースチューブ1424の遠位端1408と近位端がほぼ血管または体腔内、たとえば尿道内を滑ることができるように遠位端方向に向かって直径が徐々に小さくなるように先細りになっている。シースハブ1402の近位ポート1406は、直線状であっても、先細りであっても、あるいは拡張器遠位テーパ1416の密封を容易にするように直線状のテーパを有してもよい。テーパ角度は、各側で1度から20度の間であってよい。拡張器ハブノブ1422は、拡張器ハブ1404と一体であり、ユーザが拡張器ハブ1404をシースハブ1402から分離するのを容易にするように握ることのできる拡大部を形成している。拡張器ハブノブ1422を親指ともう1本の指との間または親指と異なる2本の指の間で使用して組立体全体を前進させるかまたは組立体を患者から取り出すこともできる。
【0076】
本発明は、その要旨または必須の特徴から逸脱せずに他の特定の形態で実施することができる。たとえば、シースは、別個に挿入されるのではなく、メッシュの内部中枢ルーメンに一体的に固定され、治療または診断機能を実行する器具を含んでよい。ハブは、ハブを患者の皮膚に取り付けるのを可能にするように拘束を設けるかまたは構成を変更することができる。本明細書に記載された実施形態は、心臓血管もしくは脳血管に接近するのに適した、非常に小さい直径を有するカテーテル、マイクロカテーテル、またはシースにも適している。これらの装置は、折り曲げ時の直径が3フレンチ(1mm)未満で、拡張時の直径が4フレンチ〜8フレンチであってよい。折り畳み時の直径が16フレンチで拡張時の直径が60フレンチ以上であるより大きい装置も可能である。このような大きい装置は、たとえば整形または脊髄接近用途に使用することができる。上述の実施形態は、すべての点で例示的なものとみなされるべきであり、制限的なものとみなされるべきではない。
【0077】
本発明をある好ましい実施形態および実施例に関して開示したが、当業者には、本発明が、具体的に開示された実施形態以外の、本発明の他の実施形態および/または使用法ならびに本発明の自明の修正実施形態および均等物に拡張されることが理解されよう。さらに、本発明の多数の変形実施形態を図示し詳しく説明したが、当業者には、この開示に基づいて本発明の範囲内の他の修正実施形態が容易に明らかになろう。さらに、各実施形態の特定の特徴および態様の様々な組合せまたは二次組合せを得ることができ、しかもそれらが本発明の範囲内であると考えられる。したがって、開示された実施形態の様々な特徴および形態を互いに組み合わせるかまたは交換して開示された発明の様々な形態を形成できることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上述の開示された特定の実施形態によって制限されるべきでなく、特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
侵襲を最小限に抑えながら体腔または空洞に接近するようになっている拡張可能な経腔的接近シースであって、
近位端、遠位端、および中央を貫通する中枢ルーメンを有する軸方向に細長いシースチューブと、
かけられた圧力に応じて、第1のより小さい横断面形状から第2のより大きい横断面形状へ周方向に拡張可能な、前記シースの遠位領域であって、少なくとも前記第1のより小さい横断面プロファイルにおいて、少なくとも2つの縦方向の折り目で、折られたW字形に折られた補強構造を有する遠位領域と、
前記シースチューブの前記近位端に固定されたハブと、
挿入時に前記シースの前記中枢ルーメンを閉じる働きをする中枢のオブトラトールと、
標準的な医療ガイドワイヤを通過させることができる、前記オブトラトール内のガイドワイヤルーメンと、
を有し、
前記オブトラトールは、前記シースの前記遠位領域を拡張させることのできるバルーン拡張器である、
経腔的接近シース。
【請求項2】
前記の少なくとも2つの縦方向の折り目は、概ね互いに向き合う第1の折り目端と第2の折り目端を有する、請求項1に記載の経腔的接近シース。
【請求項3】
前記遠位領域は拡張して前記の少なくとも2つの縦方向の折り目を広げ、前記第2の大きい横断面形状を形成する、請求項1または2に記載の経腔的接近シース。
【請求項4】
前記の折り目は、一旦折り畳められると、永久的または半永久的である、請求項1から3のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項5】
前記の縦方向の折り目は、前記第2の大きい横断面形状に永久的または半永久的に開く、請求項1から4のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項6】
取り外し可能なジャケットが前記遠位領域の少なくとも一部を前記第1のより小さい横断面形状に制限する、請求項1から5のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項7】
前記遠位領域は、拡張させられたとき、約8フレンチから約20フレンチの内径を有する、請求項1から6のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項8】
前記中枢ルーメンは、一旦拡張させられると、前記近位端から前記遠位端に進む概ね一定の直径を有する、請求項1から7のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項9】
前記シースは、前記近位端と前記遠位端の間に、応力集中部を減らしまたは最小限にする滑らかな遷移部を有する、請求項1から8のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項10】
前記シースチューブは、拡張させられると、前記中枢ルーメンの内径よりも大きい横断面直径を有する物体が通過できるように柔軟である、請求項1から9のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項11】
前記シースチューブはポリマーならなる、請求項1から10のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項12】
前記遠位領域は、約0.0051センチから0.076センチ(約0.002インチから0.030インチ)、好ましくは0.013から0.051センチ(約0.005インチから0.020インチ)、または0.02センチから0.02センチ(約0.008インチから0.020インチ)の壁厚を有する、請求項1から11のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項13】
前記補強構造は、内側層と、外側層と、補強層と、を有する、請求項1から12のいずれかに記載の経腔的接近シース。
【請求項14】
前記補強層は、前記遠位領域を前記第2のより大きい横断面形状に保持する、請求項13に記載の経腔的接近シース。
【請求項15】
前記内側層は、前記補強層内の複数の穴によって前記外側層に結び付けられて、複合単体構造を形成している、請求項13または14に記載の経腔的接近シース。
【請求項16】
前記補強層は、コイル、ブレード、ステント、またはリングからなる、請求項13から15のいずれか1項に記載の経腔的接近シース。
【請求項17】
前記遠位領域はひだをさらにする、請求項1または2に記載の経腔的接近シース。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−196543(P2012−196543A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−162457(P2012−162457)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2007−531322(P2007−531322)の分割
【原出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(507075521)オンセット メディカル コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】ONSET MEDICAL CORPORATION
【Fターム(参考)】